JPWO2022209344A5 - - Google Patents

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JPWO2022209344A5
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本開示は、電動送風機及び冷却ファンに関する。特に、本開示は、バイパスタイプのブロワモータに内蔵される冷却ファンに関する。
モータを有する電動送風機は、電気掃除機等の種々の電気機器に用いられる。電動送風機は、外気を吸い込むために、モータが有する回転軸に遠心ファン等の回転ファンが取り付けられている。電動送風機の一つとして、バイパスタイプのブロワモータが知られている(例えば特許文献1を参照)。バイパスタイプのブロワモータには、外気を圧縮して吸引するための遠心ファンとは別に、モータの内部部品を冷却するための冷却ファンが備えられている。
従来、バイパスタイプのブロワモータに用いられる冷却ファンは、ファン翼がモータ側の片面のみに設けられた片面翼仕様になっている。この種の冷却ファンとしては、片面翼仕様のラジアルファンが一般的である。
しかしながら、片面翼仕様のラジアルファンである冷却ファンは、遠心ファンとともに高速回転すると、冷却ファンのファン翼に発生する応力によってファン翼が変形することがある。この場合、ファン翼を保持するベース板までもが変形して、冷却ファンがブラケット等に接触し、不具合が発生することがある。
また、片面翼仕様の冷却ファンは、片面にしかファン翼が設けられていないので、冷却風量を大きくするために、ファン翼を高くする必要がある。しかしながら、冷却ファンのファン翼を高くすると、ファン翼が変形しやすくなるだけではなく、冷却ファンの回転による騒音が増大する。
特開2003-284657号公報
本開示は、このような問題を解決するためになされたものである。本開示は、冷却ファンが変形することを抑制できるとともに騒音が増大することを抑制できる電動送風機及び冷却ファンを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本開示に係る電動送風機の一態様は、回転軸及びロータコアを有するロータと、前記ロータを収納するモータケースと、前記回転軸に取り付けられ、外気を吸い込む回転ファンと、前記回転軸に取り付けられ、前記モータケースの内部空間を冷却する冷却ファンと、を備え、前記回転ファンが回転することで発生する気流が流れる第1通風路と前記冷却ファンが回転することで発生する気流が流れる第2通風路とを含み、前記冷却ファンは、前記回転ファンと前記ロータコアとの間に位置し、前記冷却ファンは、前記ロータコア側に設けられた複数の第1ファン翼と、前記ロータコア側とは反対側に設けられた複数の第2ファン翼とを有する。
前記冷却ファンは、樹脂成型品であることが好ましい。
前記第1ファン翼の高さと前記第2ファン翼の高さとが同じであることが好ましい。
電動送風機は、さらに、前記ロータコアを囲むように配置されたステータを備え、前記ステータは、前記冷却ファンの側方に位置する壁部を有することが好ましい。
前記ステータは、ステータコアと、インシュレータを介して前記ステータコアに巻回された巻線コイルとを有し、前記壁部は、前記インシュレータの一部であることが好ましい。
前記冷却ファンの外径寸法は、前記ロータコアの外径寸法と同等であることが好ましい。
電動送風機は、吸気口を有し、前記回転ファンを覆うファンケースと、前記回転ファンと前記冷却ファンとの間に位置するブラケットとをさらに有し、前記第1通風路と前記第2通風路とは、前記ブラケットによって区分けされていることが好ましい。
前記ブラケットを覆うエアガイドをさらに備えることが好ましい。
前記ブラケットは、外周部に段差を含む。前記ファンケースは、前記段差と接することが好ましい。
前記ブラケットはリブを備え、前記リブは前記冷却ファンに向かって突出していてもよい。
電動送風機は、前記リブを覆うカバーをさらに有することが好ましい。
また、本開示に係る冷却ファンの一態様は、上記の電動送風機における前記回転軸に取り付けられる前記冷却ファンであって、前記電動送風機は、バイパスタイプのブロワモータであり、一方の面側に設けられた前記複数の第1ファン翼と、前記一方の面側と反対側に設けられた前記複数の第2ファン翼とを有する。
本開示によれば、冷却ファンが変形することを抑制できるとともに、騒音が増大することを抑制できる。
図1は、実施の形態1に係る電動送風機の外観斜視図である。 図2は、回転軸の軸心を通る平面で切断したときのXZ断面における実施の形態1に係る電動送風機の断面図である。 図3は、回転軸の軸心を通る平面で切断したときのYZ断面における実施の形態1に係る電動送風機の断面図である。 図4Aは、実施の形態1に係る電動送風機に搭載される冷却ファンを斜め上方から見たときの斜視図である。 図4Bは、実施の形態1に係る電動送風機に搭載される冷却ファンを斜め下方から見たときの斜視図である。 図5Aは、実施の形態1に係る電動送風機に搭載される冷却ファンの構成を示す上面図である。 図5Bは、実施の形態1に係る電動送風機に搭載される冷却ファンの構成を示す側面図である。 図6は、比較例1の電動送風機の断面図である。 図7Aは、比較例1の電動送風機に搭載される冷却ファンの斜視図である。 図7Bは、比較例1の電動送風機に搭載される冷却ファンの側面図である。 図8は、回転軸の軸心を通る平面で切断したときのXZ断面における実施の形態2に係る電動送風機の断面図である。 図9は、実施の形態2に係る電動送風機のエアガイドを示す斜視図である。 図10は、実施の形態2に係る電動送風機のブラケットを示す斜視図である。 図11は、回転軸の軸心を通る平面で切断したときのXZ断面における実施の形態3に係る電動送風機の断面図である。 図12は、実施の形態3に係る電動送風機のエアガイドを示す斜視図である。 図13は、回転軸の軸心を通る平面で切断したときのXZ断面における実施の形態4に係る電動送風機の断面図である。 図14は、実施の形態4に係る電動送風機のカバーを示す斜視図である。 図15は、回転軸の軸心を通る平面で切断したときのXZ断面における比較例2に係る電動送風機の断面図である。 図16は、回転軸の軸心を通る平面で切断したときのXZ断面における比較例3に係る電動送風機の断面図である。 図17は、変形例に係る冷却ファンの上面図である。
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、いずれも本開示の一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される、数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態等は、一例であって本開示を限定する主旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
また、本明細書及び図面において、X軸、Y軸及びZ軸は、三次元直交座標系の三軸を表している。X軸及びY軸は、互いに直交し、かつ、いずれもZ軸に直交する軸である。本実施の形態において、Z軸方向は、回転軸13の軸心Cが延伸する方向である。
なお、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、その説明を援用する。また、本明細書において、「上」及び「下」という用語は、必ずしも、絶対的な空間認識における上方向(鉛直上方)及び下方向(鉛直下方)を指すものではない。
(実施の形態1)
まず、実施の形態1に係る電動送風機1の全体の構成について、図1~図3を用いて説明する。図1は、実施の形態1に係る電動送風機1の外観斜視図である。図2は、回転軸13の軸心Cを通る平面で切断したときのXZ断面における実施の形態1に係る電動送風機1の断面図である。図3は、回転軸13の軸心Cを通る平面で切断したときのYZ断面における実施の形態1に係る電動送風機1の断面図である。なお、図2及び図3では、主に断面に現われる線画のみを図示している。図3に示される太矢印は、空気の流れを示している。
図1~図3に示すように、電動送風機1は、モータ10と、回転ファンである遠心ファン20及び冷却ファン70と、エアガイド30と、ファンケース40と、モータケース50と、ブラケット60とを備える。モータ10は、ロータ11及びステータ12を有する。遠心ファン20及び冷却ファン70は、モータ10が有する回転軸13に取り付けられている。エアガイド30には、遠心ファン20から排出された空気が流れ込む。ファンケース40は、遠心ファン20及びエアガイド30を覆う。モータケース50は、モータ10を収納する。ブラケット60は、モータケース50を覆う。
本実施の形態1に係る電動送風機1は、バイパスタイプのブロワモータである。すなわち、電動送風機1は、電動送風機1の主機能として外気を吸い込む遠心ファン20とは別に、モータ10の内部部品を冷却するための冷却ファン70を備えている。バイパスタイプのブロワモータである電動送風機1では、遠心ファン20が回転することで発生する気流が流れる第1通風路R1と、冷却ファン70が回転することで発生する気流が流れる第2通風路R2とが区分けされている。第1通風路R1と第2通風路R2とは、交わることなく空間的に分離されている。つまり、第1通風路R1と第2通風路R2との間では、気流は行き来しない。
電動送風機1は、例えば、電気掃除機に用いることができる。一例として、バイパスタイプのブロワモータである電動送風機1は、業務用充電式乾湿両用掃除機に用いられる。
モータ10は、遠心ファン20を回転させる電動機である。一例として、モータ10は、直流電源を入力とする直流モータである。モータ10は、ブラシ付きの整流子モータである。
具体的には、モータ10は、ロータ11と、ステータ12と、回転軸13と、整流子14と、ブラシ15と、第1軸受け16と、第2軸受け17とを備える。
ロータ11(回転子)は、回転軸13を有する。ロータ11は、ステータ12による磁力によって回転軸13を回転中心として回転する。ロータ11は、インナーロータである。ロータ11は、図2及び図3に示すように、ステータ12の内側に配置されている。具体的には、ロータ11は、ステータ12との間に微小なエアギャップを介してステータ12に囲まれている。
ロータ11は、電機子である。ロータ11は、ロータコア11a(回転子鉄心)と、ロータコア11aに巻回された巻線コイル11b(ロータコイル)とを有する。なお、図2及び図3において、巻線コイル11bは、模式的に示している。ロータコア11aは、磁性材料によって構成された磁性体である。一例として、ロータコア11aは、複数の電磁鋼板が回転軸13の軸心Cが延伸する方向(軸心方向)に積層された積層体である。ロータコア11aは、径方向に突出する複数のティース部を有している。巻線コイル11bに電流が流れることで、各ティース部は、ステータ12に作用させる磁力を発生させる。
ステータ12(固定子)は、ロータ11と向い合うように配置されている。ステータ12は、ロータ11に作用する磁力を発生させる。ステータ12は、ロータ11を囲むように配置されている。具体的には、ステータ12は、ロータ11が有するロータコア11aを囲むように配置されている。ステータ12は、電機子であるロータ11とともに磁気回路を構成している。ステータ12は、例えば、モータケース50に固定されている。
ステータ12は、エアギャップ面にN極とS極とが周方向に交互に表れるように構成されている。図3に示すように、ステータ12は、ステータコア12aと、巻線コイル12b(ステータコイル)とを有する。ステータコア12aは、主磁束を発生させる複数のティース部を有する。巻線コイル12b(ステータコイル)は、インシュレータ12cを介してステータコア12aに巻回されている。
ステータコア12aは、例えば複数の電磁鋼板が回転軸13の軸心C方向に積層された積層体である。ステータコア12aは、ロータコア11aに対向している。具体的には、ステータコア12aは、ロータコア11aを囲っている。巻線コイル12bは、ステータコア12aが有する複数のティース部の各々に巻回されている。インシュレータ12cは、ステータコア12aを覆う絶縁枠である。具体的には、インシュレータ12cは、ステータコア12aのティース部を覆っている。したがって、巻線コイル12bは、ティース部を覆うインシュレータ12cに巻回されている。つまり、インシュレータ12cは、巻線コイル12bが巻かれる巻枠である。インシュレータ12cは、例えば、ポリブチレンテレフタレート(PBT、Polybutylene Terephthalate)等の絶縁性樹脂材料によって構成されている。
なお、ステータ12は、永久磁石によって構成されていてもよい。この場合、ステータ12は、例えば、周方向に沿ってN極とS極とが交互に表れるように複数の永久磁石が配置される。
図3に示すように、ステータ12は、冷却ファン70の側方に位置する壁部12dを有する。壁部12dは、インシュレータ12cの一部である。つまり、壁部12dは、インシュレータ12cと一体に形成されている。壁部12dは、周方向に沿って複数設けられている。例えば、壁部12dは、上面視において、中心角が20°~100°程度の円弧状であり、対向するように一対設けられている。壁部12dは、周方向に沿って3つ以上形成されていてもよい。
回転軸13は、ロータ11が回転する際の中心となるシャフトである。回転軸13は、軸心C方向である長手方向に延伸している。回転軸13は、例えば金属棒である。回転軸13は、ロータ11に固定されている。具体的には、回転軸13は、例えば、ロータ11のロータコア11aの中心を貫いた状態でロータコア11aに固定されている。一例として、回転軸13は、ロータコア11aに設けられた中心孔に圧入したり焼き嵌めしたりすることでロータコア11aに固定されている。
回転軸13の一方の端部である第1端部13a(遠心ファン20側の端部)は、第1軸受け16に支持されている。回転軸13の第1端部13aは、第1軸受け16から突出している。第1軸受け16から突出した回転軸13の先端部には、遠心ファン20が取り付けられている。第1軸受け16は、ブラケット60に固定されている。
一方、回転軸13の他方の端部である第2端部13bは、第2軸受け17に支持されている。第2軸受け17は、モータケース50の底部に固定されている。このように、回転軸13は、第1軸受け16と第2軸受け17とによって、回転自在となるように支持されている。一例として、第1軸受け16及び第2軸受け17は、玉軸受である。しかし、これに限らない。
なお、回転軸13において、遠心ファン20が取り付けられている部分(第1軸受け16側の部分)を出力軸といい、遠心ファン20側とは反対側の部分(第2軸受け17側の部分)を反出力軸という。
整流子14は、回転軸13に取り付けられている。したがって、整流子14は、回転軸13とともに回転する。整流子14は、軸心C方向においてロータコア11aよりも第2軸受け17側に位置している。具体的には、整流子14は、回転軸13におけるロータコア11aと第2軸受け17との間の部位に取り付けられている。
整流子14は、回転軸13を囲むように円環状に配列された複数の整流子片を有する。複数の整流子片は、回転軸13の回転方向において互いに絶縁分離されている。複数の整流子片の各々は、ロータ11の巻線コイル11bと電気的に接続されている。
図2に示すように、整流子14には、ブラシ15が接触している。ブラシ15は、整流子14に接触することでロータ11に電力を供給するための給電ブラシである。具体的には、ブラシ15は、整流子14の整流子片に接触することで整流子14を介してロータ11の巻線コイル11bに電機子電流を供給する。一例として、ブラシ15は、カーボンによって構成された導電性のカーボンブラシである。ブラシ15は、長尺状の実質的な直方体である。
ブラシ15は、整流子14に摺接可能に配置されている。本実施の形態において、ブラシ15は、一対設けられている。一対のブラシ15は、整流子14を挟持するように整流子14を挟んで対向して配置されている。具体的には、一対のブラシ15の各々の内側の先端部は、整流子14に当接している。ブラシ15は、トーションバネ等のブラシバネからの押圧力を受けて整流子14に摺接するとともに、回転軸13の外周から軸心Cに向かう径方向に移動可能に配置されている。ブラシ15は、例えばブラシ保持器に収納されている。
遠心ファン20は、回転ファンの一例であり、回転することで空気を吸引する。具体的には、遠心ファン20は、ファンケース40とモータケース50とにより構成される外郭筐体(ハウジング)の内部に空気を吸引する。本実施の形態では、ファンケース40とブラケット60との間の空間領域に空気を吸引する。回転ファンとして遠心ファン20を用いることで、高い吸引圧力を得ることができる。
遠心ファン20は、モータ10が有する回転軸13の第1端部13aに取り付けられており、回転軸13が回転することで回転する。遠心ファン20は、回転軸13の第1端部13a側の先端部に固定されている。遠心ファン20は、例えば、遠心ファン20に設けられた貫通孔に回転軸13を圧入することによって回転軸13に固定されている。なお、遠心ファン20と回転軸13との固定方法は、これに限るものではない。例えば、遠心ファン20は、締結ナット及び取付板とともに回転軸13に挿入されて締結ナットを締め付けることで回転軸13に加圧保持されていてもよい。
遠心ファン20は、空気を吸い込むための吸気口20a(吸込口)と、吸気口20aから吸い込んだ空気を吹き出す排気口20b(吹出口)とを有する。吸気口20aは、円形の開口であり、遠心ファン20の中央部に設けられている。排気口20bは、遠心ファン20の側部に複数設けられている。
遠心ファン20は、吸気口20aが設けられた第1側板21(第1ファンプレート)と、第1側板21と所定の間隙を隔てて第1側板21に対向する第2側板22(第2ファンプレート)と、第1側板21と第2側板22との間に配置された複数のファン翼23とを有する。
第1側板21は、上流側に位置するシュラウドである。第1側板21は、扁平な実質的に円錐台状の筒体である。吸気口20aは、第1側板21の頂部に設けられている。第2側板22は、下流側に位置するハブである。第2側板22は、フラットな円形の平板である。複数のファン翼23は、第1側板21と第2側板22とに挟持されたブレードである。複数のファン翼23は、各々が円弧状に湾曲する板状部材であり、放射状に配置されている。複数のファン翼23は、等間隔で渦巻き状となるように配置されている。
隣り合う2つのファン翼23と第1側板21と第2側板22との4面で囲まれる空間は、吸気口20aから遠心ファン20内に流入した空気が通る通風路である。この通風路の径方向外側の開口が排気口20bになっている。
第1側板21、第2側板22及び複数のファン翼23は、例えばアルミニウム製の金属板によって構成されている。複数のファン翼23は、かしめによって第1側板21及び第2側板22に固定されている。
遠心ファン20は、ブラケット60の上側に配置されている。具体的には、遠心ファン20は、ファンケース40とブラケット60との間に配置されている。
遠心ファン20が回転することにより風圧が発生し、ファンケース40の吸気口40aから空気が吸い込まれる。具体的には、遠心ファン20が回転すると、遠心ファン20の排気口20b付近が高圧になって吸引圧力が発生し、ファンケース40の吸気口40aから外部の空気が吸い込まれる。ファンケース40内に吸い込まれた空気は、遠心ファン20の吸気口20aから吸い込まれて排気口20bから吹き出され、エアガイド30に流れ込む。つまり、エアガイド30には、遠心ファン20から排出された空気が流入する。
エアガイド30は、遠心ファン20から排出された空気の流れを整流して電動送風機1の外部に排気する機能を有する。具体的には、エアガイド30は、遠心ファン20により圧縮された空気を徐々に大気圧に戻しながら電動送風機1の外部に導く。エアガイド30は、全体として実質的に円環状に形成されている。エアガイド30は、遠心ファン20を囲むように配置されている。エアガイド30は、ファンケース40とモータケース50との間に配置されている。具体的には、エアガイド30は、ファンケース40とブラケット60との間に配置されている。エアガイド30は、例えば、樹脂材料によって構成されている。しかし、エアガイド30は、金属材料によって構成されていてもよい。
エアガイド30は、複数のディフューザ翼31を有する。複数のディフューザ翼31は、各々が円弧状に湾曲する板形状であり、立設されている。具体的には、複数のディフューザ翼31は、全体として渦を巻くように渦巻き状に配置されている。エアガイド30に流入した空気は、複数のディフューザ翼31で構成された複数のディフューザ通風路を通って、電動送風機1の外部に排気される。このディフューザ通風路は、第1通風路R1の一部である。
ファンケース40は、遠心ファン20及びエアガイド30を覆うカバーである。ファンケース40は、ブラケット60も覆っている。ファンケース40は、蓋部41(第1ファンケース部)と、側壁部42(第2ファンケース部)とを有する。蓋部41は、遠心ファン20及びエアガイド30の上方部分を覆う。側壁部42は、遠心ファン20及びエアガイド30の側方部分を覆う。ファンケース40は、例えば、金属材料によって構成された金属カバーである。しかし、これに限らない。
ファンケース40は、外気を吸引するための吸気口40a(吸込口)を有している。吸気口40aは、蓋部41の中央部に設けられた円形の貫通孔である。ファンケース40の吸気口40aは、遠心ファン20の吸気口20aに対向している。遠心ファン20が回転することで、ファンケース40の吸気口40aからファンケース40内に空気が流れ込む。
ファンケース40は、ブラケット60に固定されている。具体的には、図2に示すように、ファンケース40の側壁部42とブラケット60の外周端部とが接続されることで、ファンケース40とブラケット60とが固定されている。
ファンケース40には、ファンケーススペーサ80が取り付けられている。具体的には、ファンケーススペーサ80は、ファンケース40の吸気口40aを囲うようにファンケース40に取り付けられている。ファンケーススペーサ80を設けることで、ファンケーススペーサ80を設けない場合と比べて、電動送風機1の送風効率を向上させることができる。
モータケース50は、モータ10を収納する筐体(フレーム)である。具体的には、モータケース50は、ロータ11及びステータ12等のモータ10を構成する部品を収納している。モータケース50は、電動送風機1及びモータ10の外郭部材(外殻)である。モータケース50は、例えば、金属材料によって構成された金属ケースである。
モータケース50は、開口部を有する有底円筒形状である。モータケース50は、底部及び円筒状の側壁を有する。モータケース50の筒部の開口部は、ブラケット60及びファンケース40によって覆われている。
モータケース50の底部及び側壁には、複数の貫通孔50aが形成されている。複数の貫通孔50aは、冷却ファン70が回転することで、モータケース50の外部から空気を吸い込むための吸気口(吸込口)である。貫通孔50aから吸い込まれた空気は、ステータコア12aとロータコア11aとの間、及び、ステータコア12aとモータケース50との間を通ってモータケース50内をブラケット60側へと流れる。モータケース50内のブラケット60側まで流れてきた空気は、ブラケット60とモータケース50との間に形成された隙間から外部へと排出される。このとき、ブラケット60とモータケース50との間に形成した隙間50bが排気口(吹出口)として機能する。
モータケース50は、第2軸受け17を保持するブラケットとしても機能する。したがって、モータケース50は、第2軸受け17を保持する軸受け保持部51を有する。軸受け保持部51は、モータケース50の底部に設けられている。第2軸受け17は、例えば接着により軸受け保持部51に固定されている。
ブラケット60は、第1軸受け16を保持する軸受け保持部61を有する。第1軸受け16は、例えば接着により軸受け保持部61に固定されている。ブラケット60は、モータケース50の筒部の開口部を覆うように配置されている。
ブラケット60は、ファンケース40とモータケース50とで囲まれる空間領域を上下2つに区分けしている。ファンケース40とブラケット60とに囲まれた上側の第1空間領域は、遠心ファン20の回転によって発生する気流が流れる第1通風路R1である。この第1空間領域には、遠心ファン20が配置されている。一方、ブラケット60とモータケース50とに囲まれた下側の第2空間領域は、冷却ファン70の回転によって発生する気流が流れる第2通風路R2である。この第2空間領域には、冷却ファン70が配置されている。したがって、ブラケット60は、遠心ファン20と冷却ファン70との間に配置されている。遠心ファン20による気流が流れる第1通風路R1と冷却ファン70による気流が流れる第2通風路R2とは、ブラケット60によって区分けされている。つまり、ブラケット60は、第1通風路R1と第2通風路R2とを分離する機能を有する。
図1及び図3に示すように、ブラケット60の外周端部には、遠心ファン20の回転によって吸い込んだ空気を吹き出すための複数の排気口60a(吹出口)が設けられている。つまり、排気口60aは、遠心ファン20によってファンケース40に吸引された空気を電動送風機1の外部に排気するための貫通孔である。図1に示すように、複数の排気口60aは、ブラケット60の外周端部において、周方向に沿って等間隔に配置されている。複数の排気口60aは、例えば、隣り合う2つのディフューザ翼31で構成されたディフューザ通風路ごとに設けられている。しかし、これに限らない。
冷却ファン70は、回転ファンの一例である。冷却ファン70は、モータ10が有する回転軸13に取り付けられている。したがって、冷却ファン70は、回転軸13が回転することで回転する。回転軸13には遠心ファン20も取付られているので、冷却ファン70は、ブラケット60の上側に位置する遠心ファン20と連動して回転することになる。
冷却ファン70は、軸心C方向においてブラケット60の下側に配置されている。したがって、冷却ファン70は、ブラケット60を介して遠心ファン20と対向している。冷却ファン70は、ブラケット60とロータ11が有するロータコア11aとの間に配置されている。つまり、冷却ファン70は、回転軸13の軸心C方向において、遠心ファン20とロータ11のロータコア11aとの間に位置している。
ここで、図2及び図3を参照しつつ、図4A、図4B及び図5を用いて、冷却ファン70の詳細な構成について説明する。図4Aは、実施の形態1に係る電動送風機1に搭載される冷却ファン70を斜め上方から見たときの斜視図である。図4Bは、実施の形態1に係る電動送風機1に搭載される冷却ファン70を斜め下方から見たときの斜視図である。図5Aは、実施の形態1に係る電動送風機1に搭載される冷却ファン70の構成を示す上面図である。図5Bは、実施の形態1に係る電動送風機1に搭載される冷却ファン70の構成を示す側面図である。
図4A、図4B、図5A、及び図5Bに示すように、冷却ファン70は、複数の第1ファン翼71と、複数の第2ファン翼72と、ベース部73とを有する。
ベース部73は、円板状である。ベース部73は、第1面73aと、第1面73aに背向する第2面73bとを有する。ベース部73の第1面73aは、上側(ブラケット60側)の面であり、ベース部73の第2面73bは、下側の面である。
なお、ベース部73の中央部には、回転軸13が挿入される貫通孔74が形成されている。具体的には、ベース部73の中央部には、貫通孔74が形成される円筒部が設けられている。回転軸13を貫通孔74に圧入することで、冷却ファン70を回転軸13の所定の位置に固定することができる。
冷却ファン70は、両面翼仕様になっている。冷却ファン70は、回転軸13の軸心C方向において、一方側に設けられた複数の第1ファン翼71と、他方側に設けられた複数の第2ファン翼72とを有する。
複数の第1ファン翼71は、ベース部73のロータコア11a側とは反対側(つまり遠心ファン20側)に設けられている。具体的には、複数の第1ファン翼71は、ベース部73の第1面73aから突出するように第1面73aに突条に延在するように設けられている。複数の第1ファン翼71は、周方向に等間隔で配置されており、放射状に並べられている。複数の第1ファン翼71の各々は、湾曲する湾曲部を有している。複数の第1ファン翼71は、渦を巻くように渦巻状に並べられている。複数の第1ファン翼71は、全て同じ形状である。しかし、これに限らない。
複数の第2ファン翼72は、ベース部73のロータコア11a側に設けられている。具体的には、複数の第2ファン翼72は、ベース部73の第2面73bから突出するように第2面73bに突条に延在するように設けられている。複数の第2ファン翼72も、周方向に等間隔で配置されており、放射状に並べられている。複数の第2ファン翼72の各々は、湾曲する湾曲部を有している。複数の第2ファン翼72は、渦を巻くように渦巻状に並べられている。複数の第2ファン翼72は、全て同じ形状である。しかし、これに限らない。
第1ファン翼71及び第2ファン翼72の各々は、冷却ファン70の中央部から径方向外側に延在し、途中から湾曲するように形成されている。第1ファン翼71及び第2ファン翼72は、同じ方向に湾曲している。第1ファン翼71及び第2ファン翼72は、遠心ファン20のファン翼23と同じ方向に湾曲している。第1ファン翼71及び第2ファン翼72の各々は、一定の幅で延在している。
図5Aに示すように、冷却ファン70を上面視したときに、第1ファン翼71と第2ファン翼72とは、1つずつ交互に位置するように配置されている。つまり、第1ファン翼71は、隣り合う2つの第2ファン翼72の間に位置するように配置されている。同様に、第2ファン翼72は、隣り合う2つの第1ファン翼71の間に位置するように配置されている。
第1ファン翼71の幅と第2ファン翼72の幅とは、同じである。第1ファン翼71の高さと第2ファン翼72の高さとは、同じである。具体的には、第1ファン翼71と第2ファン翼72とは、互いに同じ形状である。
このように構成される冷却ファン70は、樹脂材料により一体成型された樹脂成型品である。つまり、第1ファン翼71、第2ファン翼72及びベース部73は、樹脂によって一体に形成されている。冷却ファン70を構成する樹脂としては、ポリブチレンテレフタレート(Polybutylene Terephthalate、PBT)、ポリエチレンテレフタレート(Polyethylene Terephthalate、PET)又はポリプロピレン(Polypropylene、PP)等の軽量樹脂を用いることができる。なお、冷却ファン70を構成する樹脂には、ガラスフィラー等の補強材が含有されていてもよい。これにより、冷却ファン70の強度を向上させることができる。
図2及び図3に示すように、冷却ファン70の外径は、遠心ファン20の外径よりも小さい。冷却ファン70の外径寸法は、ロータ11が有するロータコア11aの外径寸法と同等である。冷却ファン70は、ステータ12が有する壁部12dの側方に位置している。具体的には、冷却ファン70は、ステータ12の壁部12dで囲まれている。壁部12dは、対向して一対設けられているので、冷却ファン70は、一対の壁部12dに挟まれている。壁部12dの上端は、冷却ファン70のベース部73の第1面73a(上面)よりも上側に位置しているとよく、冷却ファン70の第1ファン翼71の上端よりも上側に位置しているとさらによい。
このように構成される電動送風機1では、モータ10を駆動して、ロータ11が回転すると、ロータ11の回転軸13に取り付けられた遠心ファン20及び冷却ファン70が回転する。
この場合、遠心ファン20が回転することで、第1通風路R1に気流が発生する。具体的には、図3の太矢印で示されるように、ファンケース40の吸気口40aからファンケース40の内部に空気が吸引される。ファンケース40の吸気口40aから吸い込まれた空気は、第1通風路R1を通ってブラケット60の複数の排気口60aから電動送風機1の外部に排気されることになる。したがって、第1通風路R1の入口は、ファンケース40の吸気口40aである。第1通風路R1の出口は、ブラケット60の排気口60aである。
具体的には、遠心ファン20が回転することでファンケース40の吸気口40aから吸い込まれた空気は、遠心ファン20の吸気口20aから遠心ファン20の内部に流れ込む。遠心ファン20の内部に流れ込んだ空気は、遠心ファン20の径方向外側に向かって送風されて、排気口20bから排気される。このとき、遠心ファン20に吸い込まれた空気は、遠心ファン20によって高圧に圧縮される。遠心ファン20から排気された空気は、遠心ファン20を囲むエアガイド30に流れ込む。エアガイド30に流入した空気は、断面積が徐々に拡大するディフューザ通風路を通過することで減速して圧力が低下し、エアガイド30の側部とファンケース40の側壁部42との間の通風路によって折り返される。折り返された空気は、ブラケット60の排気口60aから電動送風機1の外部に排気される。
一方、冷却ファン70が回転することで、第2通風路R2に気流が発生する。具体的には、図3の太矢印で示されるように、冷却ファン70が回転することで貫通孔50aからモータケース50の内部へと空気が吸い込まれる。吸い込まれた空気は、冷却ファン70が回転することでモータケース50の内部に気流を生成する。モータケース50の内部に発生した気流は、第2通風路R2を通ってモータケース50内をブラケット60側へと移動する。モータケース50内をブラケット60側へと流れてきた空気は、モータケース50とブラケット60との間に形成された隙間50bから電動送風機1の外部に排出される。つまり、第2通風路R2の入口は、モータケース50の貫通孔50aであり、第2通風路R2の出口は、隙間50bである。
具体的には、冷却ファン70が回転することでモータケース50の内部には、貫通孔50aから隙間50bへと流れる空気の流れ、すなわち、気流が発生する。発生した気流は、ロータ11及びステータ12等のモータ10の内部部品を冷却しながら第2通風路R2を通過する。モータケース50の貫通孔50aから吸い込まれた空気は、モータ10の内部部品から取出した熱とともに電動送風機1の外部に排出される。
ここで、本実施の形態に係る電動送風機1の効果について、比較例1の電動送風機1Xと比較して説明する。図6は、比較例1の電動送風機1Xの断面図である。図7Aは、比較例1の電動送風機1Xに搭載される冷却ファン70Xの斜視図であり、図7Bは、同冷却ファン70Xの側面図である。
図6に示すように、比較例1の電動送風機1Xは、バイパスタイプのブロワモータであって、上記実施の形態に係る電動送風機1とは、冷却ファン70Xの構成のみが異なる。具体的には、図7A及び図7Bに示すように、比較例1の電動送風機1Xに搭載される冷却ファン70X(比較例1の冷却ファン)は、ファン翼71Xがモータ10側の片面のみに設けられた片面翼仕様になっている。
比較例1の電動送風機1Xでは、遠心ファン20とともに冷却ファン70Xが高速回転すると、冷却ファン70Xのファン翼71Xに応力が発生してファン翼71Xが変形することがある。この場合、ファン翼71Xを保持するベース部73Xまでもが変形して、ファン翼71Xが電動送風機1Xの内部部品に接触することがある。例えば、ベース部73Xが変形して、変形したベース部73Xの一部がブラケット60に接触することがある。
そこで、冷却ファン70Xが高速回転時に変形することを防止するために、冷却ファン70Xを金属材料によって構成して高強度にすることも考えられる。しかし、冷却ファン70Xを金属材料によって構成すると、冷却ファン70Xの重量が増加したり重量のアンバランスが生じたりして、効率が低下したり振動が生じたりする。
比較例1の冷却ファン70Xは、片面にしかファン翼71Xが設けられていない。これにより、冷却風量を大きくするために、ファン翼71Xを高くする必要がある。しかしながら、冷却ファン70Xのファン翼71Xを高くすると、ファン翼71Xが変形しやすくなるだけではなく、冷却ファン70Xの回転による騒音が増大する。
これに対して、本実施の形態に係る電動送風機1に搭載される冷却ファン70は、両面翼仕様になっている。これにより、冷却ファン70は、回転軸13の軸心C方向において、一方側に設けられた複数の第1ファン翼71と、他方側に設けられた複数の第2ファン翼72とを有する。
この構成により、冷却ファン70が高速回転したときに、第1ファン翼71及び第2ファン翼72で発生する互いの応力が相殺し合う。これにより、片面翼仕様の冷却ファン70Xと比べて、冷却ファン70が変形することを抑制できる。この結果、変形した冷却ファン70の一部がブラケット60等に接触することを抑制できる。
これにより、本実施の形態のように、冷却ファン70を金属材料によって構成するのではなく、冷却ファン70を樹脂材料によって構成された樹脂成型品にしたとしても、冷却ファン70が変形することを抑制できる。また、樹脂成型品である冷却ファン70にガラスフィラー等を含有させなくても、冷却ファン70が変形することを抑制できる。つまり、冷却ファン70は、樹脂成型品であっても高強度になっている。
このように、冷却ファン70を樹脂成型品にすることで、冷却ファン70を金属材料によって構成する場合と比べて、冷却ファン70を軽量化できるとともに重量のアンバランスが生じることを抑制できる。これにより、電動送風機1の軽量化を図ることができるとともに、電動送風機1の振動を抑制することができる。
しかも、本実施の形態における冷却ファン70のように、一方側に複数の第1ファン翼71を設けるとともに他方側に複数の第2ファン翼72を設けることで、第1ファン翼71及び第2ファン翼72の高さをあまり高くすることなく、冷却風量を確保することができる。
この点に関して、発明者らの実験結果によれば、第1ファン翼71の高さと第2ファン翼72の高さとを足し合わせた高さを、比較例1の冷却ファン70Xのファン翼71Xの高さと同等にすることで、比較例1の冷却ファン70Xと同等の冷却風量を確保できることが確認できた。つまり、第1ファン翼71及び第2ファン翼72の各々の高さを比較例1の冷却ファン70Xのファン翼71Xの高さの半分にしたとしても、冷却ファン70の冷却風量を、比較例1の冷却ファン70Xの冷却風量と同等にすることができる。
このように、本実施の形態における冷却ファン70を用いた電動送風機1では、第1ファン翼71及び第2ファン翼72の各々の高さが低くなっている。したがって、比較例1の冷却ファン70Xを用いた電動送風機1Xに対して、効率を維持したまま、冷却ファン70による騒音を低減することができる。
以上、説明したように、本実施の形態に係る電動送風機1は、ロータ11と、モータケース50と、回転ファンである遠心ファン20と、冷却ファン70と、を備える。ロータ11は、回転軸13及びロータコア11aを有する。モータケース50は、ロータ11を収納する。回転ファンである遠心ファン20は、回転軸13に取り付けられ、外気を吸い込む。冷却ファン70は、回転軸13に取り付けられ、モータケース50の内部空間を冷却する。電動送風機1は、第1通風路R1と第2通風路R2とを含む。第1通風路R1には、遠心ファン20が回転することで発生する気流が流れる。第2通風路R2には、冷却ファン70が回転することで発生する気流が流れる。冷却ファン70は、遠心ファン20とロータコア11aとの間に位置する。冷却ファン70は、複数の第1ファン翼71と複数の第2ファン翼72とを有する。複数の第1ファン翼71は、ロータコア11a側に設けられる。複数の第2ファン翼72は、ロータコア11a側とは反対側に設けられる。
これにより、冷却ファン70を軽量化したとしても冷却ファン70が変形することを抑制できる。同時に、電動送風機1の効率を維持したままで騒音が増大することを抑制できる。したがって、整流子モータへの軽量化、高効率及び低騒音の要求に対して、要求を見たすことができる電動送風機1を実現することができる。
また、本実施の形態における電動送風機1において、第1ファン翼71の高さと第2ファン翼72の高さとが同じになっている。
この構成により、第1ファン翼71で発生する応力と第2ファン翼72で発生する応力とを釣り合わせることができる。これにより、第1ファン翼71及び第2ファン翼72で発生する互いの応力を、より相殺させることができる。したがって、高速回転時に冷却ファン70が変形することを一層抑制できる。
第1ファン翼71の高さと第2ファン翼72の高さとは異なっていてもよい。この場合、ブラケット60側(遠心ファン20側)の第1ファン翼71の高さを、第2ファン翼72の高さよりも高くするとよい。これにより、第1ファン翼71及び第2ファン翼72で発生する応力によって冷却ファン70が変形したとしても、第2ファン翼72の高さを第1ファン翼71の高さよりも高くした場合と比べて、変形した冷却ファン70がブラケット60等に接触することを抑制できる。
本実施の形態における電動送風機1において、ステータ12は、冷却ファン70の側方に位置する壁部12dを有する。つまり、冷却ファン70の側方に壁部12dが位置している。
この構成により、壁部12dが整流板として機能するので、壁部12dを設けない場合と比べて、冷却ファン70の回転によって生じる気流の風量(冷却風量)を多くすることができる。
この場合、ステータ12が有する壁部12dは、ステータ12が有するインシュレータ12cの一部になっている。
この構成により、別途整流板を設けることなく、冷却ファン70による冷却風量を多くすることができる。
本実施の形態における電動送風機1において、冷却ファン70の外径寸法は、ロータ11のロータコア11aの外径寸法と同等である。
この構成により、冷却ファン70の外径寸法を可能な限り大きくすることができる。したがって、冷却ファン70による冷却風量を可能な限り多くすることができる。
また、発明者らが引き続き鋭意検討した結果、後述する実施の形態により、遠心ファン20と冷却ファン70の性能の低下を抑制できることを見出した。
(実施の形態2)
実施の形態2に係る電動送風機1aの構成について、図8~図10を用いて説明する。実施の形態1に係る電動送風機1と同じ構成要素については、同じ符号を用い、その説明を援用する。図8は、回転軸13の軸心Cを通る平面で切断したときのXZ断面における実施の形態2に係る電動送風機1aの断面図である。
電動送風機1aと電動送風機1との違いは、エアガイド30aがブラケット60を覆う構成としたことである。図9は、実施の形態2に係る電動送風機1aのエアガイド30aを示す斜視図である。図10は、実施の形態2に係る電動送風機1aのブラケット60を示す斜視図である。
遠心ファン20の下にエアガイド30aがない場合、遠心ファン20が高速で回転することによって、遠心ファン20によって回転される空気とブラケット60のリブ63の間に存在する空気との間で干渉して渦が生じる。これにより、遠心ファン20の回転を阻害するという問題があった。この問題を解決するために、 エアガイド30aがブラケット60を覆う構成としたところ、出力が上昇するという効果が得られた。つまり、エアガイド30aにより、遠心ファン20の性能の低下を抑制できた。
(実施の形態3)
実施の形態3に係る電動送風機1bの構成について、図11と図12を用いて説明する。実施の形態1に係る電動送風機1と同じ構成要素については、同じ符号を用い、その説明を援用する。図11は、回転軸13の軸心Cを通る平面で切断したときのXZ断面における実施の形態3に係る電動送風機1bの断面図である。
電動送風機1bと電動送風機1との違いは、エアガイド30bがブラケット60を覆う構成としたことと、実施の形態1に係るディフューザ翼31をなくしたことである。図12は、実施の形態3に係る電動送風機1aのエアガイド30bを示す斜視図である。
遠心ファン20の下にエアガイド30bがない場合、遠心ファン20が高速で回転することによって、遠心ファン20によって回転される空気とブラケット60のリブ63の間に存在する空気との間で干渉して渦が生じる。これにより、遠心ファン20の回転を阻害するという問題があった。この問題を解決するために、エアガイド30bがブラケット60を覆う構成としたところ、遠心ファン20による騒音を防止するという効果が得られた。つまり、エアガイド30bにより、遠心ファン20の性能の低下を抑制できた。
また、実施の形態1に係るディフューザ翼31をなくしたことにより、ディフューザ翼31によってファンケース40を支えることができない。しかし、図11に示すように、ブラケット60は、外周部に段差62を含む。ファンケース40は、段差62と接する。ブラケット60の外周部に設けられた段差62は、ファンケース40を支える。ファンケース40は、段差62によって取り付けられる位置が決められる。つまり、ブラケット60の外周部に設けられた段差62によって支えられたファンケース40の外周部は、ファンケースとブラケットを共用化している。このように、最低限の部品の変更により、ファンケース40の外周部は、複数の作用をほどこすことができる。
(実施の形態4)
実施の形態4に係る電動送風機1cの構成について、図13と図14を用いて説明する。実施の形態1に係る電動送風機1と同じ構成要素については、同じ符号を用い、その説明を援用する。図13は、回転軸13の軸心Cを通る平面で切断したときのXZ断面における実施の形態4に係る電動送風機1cの断面図である。
電動送風機1cと電動送風機1との違いは、ブラケット60bに備わるリブ63が冷却ファン70に向かって突出していることである。このリブ63を覆うように、カバー35が設けられている。図14は、実施の形態4に係る電動送風機1cのカバー35を示す斜視図である。リブ63が遠心ファン20に向かって突出している場合、遠心ファン20が高速で回転することによって、遠心ファン20によって回転される空気とブラケット60のリブ63の間に存在する空気との間で干渉して渦が生じる。これにより、遠心ファン20の回転を阻害するという問題があった。この問題を解決するために、電動送風機1cは、ブラケット60bに備わるリブ63が冷却ファン70に向かって突出する構成としている。
また、ブラケット60bに備わるリブ63が冷却ファン70に向かって突出する構成とすると、冷却ファン70によって回転される空気とブラケット60bのリブ63の間に存在する空気との間で干渉して渦が生じる。この問題を解決するために、カバー35を設けた。
以上のように、ブラケット60bに備わるリブ63が冷却ファン70に向かって突出し、このリブ63を覆うように、カバー35を設けることにより、遠心ファン20の性能の低下を抑制できる。
次に、比較例2に係る電動送風機1Yの構成について、図15を用いて説明する。実施の形態1に係る電動送風機1と同じ構成要素については、同じ符号を用い、その説明を援用する。図15は、回転軸13の軸心Cを通る平面で切断したときのXZ断面における比較例2に係る電動送風機1Yの断面図である。
電動送風機1Yと電動送風機1との違いは、ブラケット60Yの上面と下面を平面としたことである。これにより、ブラケット60Yは、実施の形態2のエアガイド30a及びブラケット60の役割、実施の形態3のエアガイド30b及びブラケット60の役割、実施の形態4のブラケット60b及びカバー35の役割を果たすことができる。
回転軸13及び第1軸受16などを保持するために、一般的には、エアガイド及びブラケットの厚さをある程度厚くする必要がある。比較例2において、エアガイド及びブラケットの役割を担っているのがブラケット60Yである。したがって、ブラケット60Yは所望の厚さが必要である。しかしながら、単にブラケット60Yを厚くすると、ブラケット自体が重くなり、コスト高になる。よって、ブラケットの強さを保ったまま軽量化する必要がある。そこで、ブラケットの強さを保ったまま軽量化するために、発明者らは、ブラケットにリブを形成する構成を採用した。これにより、遠心ファン20の性能の低下を抑制できた。
次に、比較例3に係る電動送風機1Zの構成について、図16を用いて説明する。実施の形態1に係る電動送風機1と同じ構成要素については、同じ符号を用い、その説明を援用する。図16は、回転軸13の軸心Cを通る平面で切断したときのXZ断面における比較例3に係る電動送風機1Zの断面図である。
電動送風機1Zと電動送風機1との違いは、ブラケット60のリブを削除し、ブラケット60Zとしたことである。これにより、ブラケット60Zは、実施の形態2のエアガイド30a及びブラケット60の役割、実施の形態3のエアガイド30b及びブラケット60の役割、実施の形態4のブラケット60b及びカバー35の役割を果たすことができる。しかし、ブラケット60Zの強度が不足することが考えられる。
(変形例)
以上、本開示に係る電動送風機について、実施の形態に基づいて説明した。しかし、本開示は、上記実施の形態に限定されるものではない。
例えば、上記実施の形態において、冷却ファン70が有する第1ファン翼71及び第2ファン翼72は、冷却ファン70の中央部から径方向外側に延在して途中から湾曲するように形成されていた。しかし、これに限らない。図17は、変形例に係る冷却ファンの上面図である。具体的には、図17に示される冷却ファン70Aのように、第1ファン翼71A及び第2ファン翼72Aは、冷却ファン70Aの中央部から径方向外側に直線状に延在するように放射状に形成されていてもよい。
また、上記実施の形態では、電動送風機1に用いられるモータ10として、ブラシ付き整流子モータを用いた。しかし、これに限るものではない。
また、上記実施の形態において、電動送風機1は、電気掃除機に用いる場合について説明した。しかし、これに限らない。例えば、電動送風機1は、エアタオル等の他の電気機器に用いてもよい。
その他、上記実施の形態に対して当業者が思い付く各種変形を施して得られる形態、又は、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本開示に含まれる。
本開示の技術は、電動送風機が用いられる種々の電気機器に利用することができる。
1、1a、1b、1c 電動送風機
10 モータ
11 ロータ
11a ロータコア
11b、12b 巻線コイル
12 ステータ
12a ステータコア
12c インシュレータ
12d 壁部
13 回転軸
13a 第1端部
13b 第2端部
14 整流子
15 ブラシ
16 第1軸受け
17 第2軸受け
20 遠心ファン(回転ファン)
20a、40a 吸気口
20b 排気口
21 第1側板
22 第2側板
23 ファン翼
30、30a、30b エアガイド
31 ディフューザ翼
35 カバー
51、61 軸受け保持部
40 ファンケース
41 蓋部
42 側壁部
50 モータケース
50a 貫通孔
50b 隙間
60、60b ブラケット
60a 排気口
62 段差
63 リブ
70、70A 冷却ファン
71、71A 第1ファン翼
72、72A 第2ファン翼
73 ベース部
73a 第1面
73b 第2面
74 貫通孔
80 ファンケーススペーサ
R1 第1通風路
R2 第2通風路

Claims (12)

  1. 回転軸及びロータコアを有するロータと、
    前記ロータを収納するモータケースと、
    前記回転軸に取り付けられ、外気を吸い込む回転ファンと、
    前記回転軸に取り付けられ、前記モータケースの内部空間を冷却する冷却ファンと、を備え、
    前記回転ファンが回転することで発生する気流が流れる第1通風路と前記冷却ファンが回転することで発生する気流が流れる第2通風路とを含み、
    前記冷却ファンは、前記回転ファンと前記ロータコアとの間に位置し、
    前記冷却ファンは、前記ロータコア側に設けられた複数の第1ファン翼と、前記ロータコア側とは反対側に設けられた複数の第2ファン翼とを有する、
    電動送風機。
  2. 前記冷却ファンは、樹脂成型品である、
    請求項1に記載の電動送風機。
  3. 前記第1ファン翼の高さと前記第2ファン翼の高さとが同じである、
    請求項1又は2に記載の電動送風機。
  4. さらに、前記ロータコアを囲むように配置されたステータを備え、
    前記ステータは、前記冷却ファンの側方に位置する壁部を有する、
    請求項1~3のいずれか1項に記載の電動送風機。
  5. 前記ステータは、ステータコアと、インシュレータを介して前記ステータコアに巻回された巻線コイルとを有し、
    前記壁部は、前記インシュレータの一部である、
    請求項4に記載の電動送風機。
  6. 前記冷却ファンの外径寸法は、前記ロータコアの外径寸法と同等である、
    請求項1~4のいずれか1項に記載の電動送風機。
  7. 吸気口を有し、前記回転ファンを覆うファンケースと、
    前記回転ファンと前記冷却ファンとの間に位置するブラケットとをさらに有し、
    前記第1通風路と前記第2通風路とは、前記ブラケットによって区分けされている、
    請求項1~6のいずれか1項に記載の電動送風機。
  8. 前記ブラケットを覆うエアガイドをさらに備える、
    請求項7に記載の電動送風機。
  9. 前記ブラケットは、外周部に段差を含み、
    前記ファンケースは、前記段差と接する、
    請求項7に記載の電動送風機。
  10. 前記ブラケットはリブを備え、
    前記リブは前記冷却ファンに向かって突出している、
    請求項7に記載の電動送風機。
  11. 前記リブを覆うカバーをさらに有する
    請求項10に記載の電動送風機。
  12. 請求項1~11のいずれか1項に記載された電動送風機における前記回転軸に取り付けられる前記冷却ファンであって、
    前記電動送風機は、バイパスタイプのブロワモータであり、
    一方の面側に設けられた前記複数の第1ファン翼と、前記一方の面側と反対側に設けられた前記複数の第2ファン翼とを有する、
    冷却ファン。
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