JPWO2021087368A5 - - Google Patents

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JPWO2021087368A5
JPWO2021087368A5 JP2022525948A JP2022525948A JPWO2021087368A5 JP WO2021087368 A5 JPWO2021087368 A5 JP WO2021087368A5 JP 2022525948 A JP2022525948 A JP 2022525948A JP 2022525948 A JP2022525948 A JP 2022525948A JP WO2021087368 A5 JPWO2021087368 A5 JP WO2021087368A5
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[関連出願の相互参照]
本出願は、2019年11月1日に出願された米国仮出願第62/929,137号;2019年11月1日に出願された米国仮出願第62/929,194号;2019年11月1日に出願された米国仮出願第62/929,207号;2019年11月1日に出願された米国仮出願第62/929,288号;2019年11月1日に出願され
た米国仮出願第62/929,601号;2019年11月1日に出願された米国仮出願第62/929,283号;2019年11月1日に出願された米国仮出願第62/929,347号;2019年11月26日に出願された米国仮出願第62/940,742号;2020年2月18日に出願された米国仮出願第62/978,147号;2020年4月24日に出願された米国仮出願第63/015,348号;2020年6月30日に出願された米国仮出願
第63/046,046号;2020年6月30日に出願された米国仮出願第63/046,164号;及び、2020年9月29日に出願された米国仮出願第63/084,903号、に対して優先権を主張する。前述の優先出願の各々の全内容は、本出願に参照により取り込まれる。
[配列リスト]
本出願は、ASCIIフォーマットで電子的に提出された配列リストを含み、その全体が、
本出願に参照により取り込まれる。2020年10月29日に作成されたASCIIコピーは、2020-10-29_M103034 1525WO_SL_ST25.txt、と名づけられており、サイズは233キロバイトである
[技術分野]
本出願は、抗-CD45抗体、その抗原結合フラグメント、及びその抗体薬物コンジュゲー
ト、を記載する。本出願はまた、抗-CD45抗体、その抗原結合フラグメント、又はその抗
体薬物コンジュゲート(ADC)、を投与することによって、様々な病態(例えば、とりわ
け、血液疾患、代謝障害、がん、及び自己免疫疾患など)に罹患している患者を治療すること、ここで、前記抗体、その抗原結合フラグメント、又はADCは、ターゲット細胞(例
えば、造血幹細胞、免疫細胞、又は他のタイプのがん)上で、CD45を結合することができる、も記載する。
CD45(タンパク質チロシン・ホスファターゼ、レセプター・タイプC(PTPRC)としても知
られる)は、ヒトにおいて、PTPRC遺伝子によってコードされる酵素である(Kaplan et al., PNAS 87:7000-7004(1990))。CD45は、タンパク質チロシン・ホスファターゼ・ファミリー(これは、細胞増殖、分化、有糸分裂周期、及び発がん形質転換、等の様々な細胞プロセスを調節するシグナル伝達分子を含む)のメンバーである。CD45は、細胞外ドメイン、単一の膜貫通セグメント、及び2つのタンデムな細胞質内触媒ドメインを含み、それ故
に、レセプター・タイプPTPファミリーに属する。CD45は、分化した造血細胞(赤血球及
び血漿細胞を除く)上に、様々なアイソフォームとして存在する、タイプI膜貫通タンパ
ク質である(Holmes, Immunology 117:145-55 (2006))。CD45は、T-及びB-細胞抗原レセプターのシグナル伝達の調節因子であることが示されている。CD45は、その細胞外ドメインを介して、抗原レセプター複合体の構成要素と直接的に相互作用することによって(共-刺激の一形態)、又はその細胞質ドメインを介した抗原レセプター・シグナル伝達に必
要な様々なSrcファミリー・キナーゼを活性化することによって、機能する。CD45はまた
、JAKキナーゼを抑制もし、それ故にサイトカイン・レセプター・シグナル伝達の負の調
節因子として機能もする。
CD45は、造血起源のHSC、白血球、及び破骨細胞を含む造血細胞の表面上に存在する(Shivtiel et al., J Exp Med205:2381 (2008))。ヒトでは、CD45内の欠失変異は重度の免疫不全と関連している。これは主として、T細胞上にCD45が存在しないことによる(CD45
は、典型的には、T細胞上に豊富に存在し、抗原反応の際にSFK活性を調節するのに必要である)。CD45-欠損(CD45-/-)マウスの骨髄は、正常な数の造血細胞を含むが、最も原始的なHSCの数は減少し、それらが、G-CSFに応答して動員されることは損なわれる。部分的には、この欠陥は、前記HSCに固有のものである;CD45を介したSFK活性のダウンレギュレーションがなく、インテグリンを介した接着は高くなり、HSCは幹細胞のニッチに残る可
能性がより高くなる。CD45-/- HSCはまた、G-CSF-刺激による動員及びケモカインCXCL12/SDF-1へのホーミングも欠損しており、これにより、移植後の細胞生着に悪影響が生じる
。これらの欠損は、SFK阻害薬を補充することによって回復可能である。このことは、こ
の役割が、通常CD45によって行われることを示している。同様に、CD45-/- のレシピエント(recipient)はまた、正常なHSCの生着及びその後の動員が欠損していることを示し、これは、幹細胞ニッチにおける、並びにHSCにおけるCD45の役割を示す(Shivtiel et al., J
Exp Med 205:2381 (2008))。
医療技術の進歩にもかかわらず、特に特定の血液細胞の疾患、代謝障害、がん、及び自己免疫症状、などの、造血システムの病態を治療することが依然として求められている。造血幹細胞(HSC)には大きな治療上の可能性がある一方で、臨床での使用を妨げている限
界は、宿主において、HSC移植物が生着することを確保することに伴う困難さであった。
特に、内因性HSC上の細胞表面抗原をターゲットとする抗体を含む造血幹細胞療法は、外
因性のHSC移植物が生着することを妨げる、望ましくない免疫刺激機能及びエフェクター
機能を誘発することがある。CD45は、例えば、HSC上で及び白血球上で発現するので、療
法、例えば、コンディショニング療法、免疫リセット、及び疾患の治療、にとってのターゲットとなる。
細胞生物学におけるCD45の重要な役割を考えると、抗-CD45抗体、及びそのフラグメン
トが必要とされる。本出願は、抗-CD45抗体、その抗原結合フラグメント、及びその抗体
薬物コンジュゲート(ADC)、を記載する。前記抗-CD45抗体、その抗原結合フラグメント、及びその抗体薬物コンジュゲート(ADC)は、造血幹細胞(HSC)に結合することができる、及び、例えば、HSC移植のためのコンディショニング剤として有用である。特に、本出願に
記載する、抗-CD45抗体、その抗原結合フラグメント、及びそのADC、を、例えば、宿主HSC、免疫細胞(例えば、白血球)、又は疾患を引き起こす細胞、を特異的に減少させるた
めに使用することができる。更に、本出願に記載する、抗-CD45抗体、その抗原結合フラ
グメント、及びそのADC、を、白血病又はリンパ腫を有する患者を治療するために、又は
多発性硬化症及び強皮症のような自己免疫疾患を有する患者を治療するために、使用することができる。本出願に記載する、抗-CD45抗体、その抗原結合フラグメント、及びADC、は、これらの細胞の多能性(multi-potency)及び造血機能性が移植後に保存され、外因
性の造血幹細胞移植片が生着することを促進するための、組成物及び方法の要件を充足する。
第1の態様では、本発明は、以下を含む、単離された抗-CD45抗体、又はその抗原結合部分:
(a)配列番号(SEQ ID NO):2に記載のアミノ酸配列を含むCDR1ドメイン、配列番号(SEQ
ID NO):3に記載のアミノ酸配列を含むCDR2ドメイン、及び配列番号(SEQ ID NO):4に記載のアミノ酸配列を含むCDR3ドメイン、を含む重鎖可変領域;並びに配列番号(SEQ ID NO):6に記載のアミノ酸配列を含むCDR1ドメイン、配列番号(SEQ ID NO):7に記載のアミノ酸配列を含むCDR2ドメイン、及び配列番号(SEQ ID NO):8に記載のアミノ酸あ配列を含むCDR3
ドメイン、を含む軽鎖可変領域;
(b)配列番号(SEQ ID NO):12に記載のアミノ酸配列を含むCDR1ドメイン、配列番号(SEQ ID NO):13に記載のアミノ酸配列を含むCDR2ドメイン、及び配列番号(SEQ ID NO):14に
記載のアミノ酸配列を含むCDR3ドメイン、を含む重鎖可変領域;並びに配列番号(SEQ ID NO):16に記載のアミノ酸配列を含むCDR1ドメイン、配列番号(SEQ ID NO):17に記載のアミノ酸配列を含むCDR2ドメイン、及び配列番号(SEQ ID NO):18に記載のアミノ酸配列を含むCDR3ドメイン、を含む軽鎖可変領域;
(c)配列番号(SEQ ID NO):22に記載のアミノ酸配列を含むCDR1ドメイン、配列番号(SEQ ID NO):23に記載のアミノ酸配列を含むCDR2ドメイン、及び配列番号(SEQ ID NO):24に
記載のアミノ酸配列を含むCDR3ドメイン、を含む重鎖可変領域;並びに配列番号(SEQ ID NO):26に記載のアミノ酸配列を含むCDR1ドメイン、配列番号(SEQ ID NO):27に記載のアミノ酸配列を含むCDR2ドメイン、及び配列番号(SEQ ID NO):28に記載のアミノ酸配列を含むCDR3ドメイン、を含む軽鎖可変領域;
(d)配列番号(SEQ ID NO):32に記載のアミノ酸配列を含むCDR1ドメイン、配列番号(SEQ ID NO):33に記載のアミノ酸配列を含むCDR2ドメイン、及び配列番号(SEQ ID NO):34に
記載のアミノ酸配列を含むCDR3ドメイン、を含む重鎖可変領域;並びに配列番号(SEQ ID NO):36に記載のアミノ酸配列を含むCDR1ドメイン、配列番号(SEQ ID NO):37に記載のアミノ酸配列を含むCDR2ドメイン、及び配列番号(SEQ ID NO):38に記載のアミノ酸配列を含むCDR3ドメイン、を含む軽鎖可変領域;
(e)配列番号(SEQ ID NO):42に記載のアミノ酸配列を含むCDR1ドメイン、配列番号(SEQ ID NO):43に記載のアミノ酸配列を含むCDR2ドメイン、及び配列番号(SEQ ID NO):44に
記載のアミノ酸配列を含むCDR3ドメイン、を含む重鎖可変領域;並びに配列番号(SEQ ID NO):46に記載のアミノ酸配列を含むCDR1ドメイン、配列番号(SEQ ID NO):47に記載のアミノ酸配列を含むCDR2ドメイン、及び配列番号(SEQ ID NO):48に記載のアミノ酸配列を含むCDR3ドメイン、を含む軽鎖可変領域;
(f)配列番号(SEQ ID NO):52に記載のアミノ酸配列を含むCDR1ドメイン、配列番号(SEQ ID NO):53に記載のアミノ酸配列を含むCDR2ドメイン、及び配列番号(SEQ ID NO):54に
記載のアミノ酸配列を含むCDR3ドメイン、を含む重鎖可変領域;並びに配列番号(SEQ ID NO):56に記載のアミノ酸配列を含むCDR1ドメイン、配列番号(SEQ ID NO):57に記載のアミノ酸配列を含むCDR2ドメイン、及び配列番号(SEQ ID NO):58に記載のアミノ酸配列を含むCDR3ドメイン、を含む軽鎖可変領域;
(g)配列番号(SEQ ID NO):62に記載のアミノ酸配列を含むCDR1ドメイン、配列番号(SEQ ID NO):63に記載のアミノ酸配列を含むCDR2ドメイン、及び配列番号(SEQ ID NO):64に
記載のアミノ酸配列を含むCDR3ドメイン、を含む重鎖可変領域;並びに配列番号(SEQ ID
NO):66に記載のアミノ酸配列を含むCDR1ドメイン、配列番号(SEQ ID NO):67に記載のアミノ酸配列を含むCDR2ドメイン、及び配列番号(SEQ ID NO):68に記載のアミノ酸配列を含むCDR3ドメイン、を含む軽鎖可変領域;
(h)配列番号(SEQ ID NO):72に記載のアミノ酸配列を含むCDR1ドメイン、配列番号(SEQ ID NO):73に記載のアミノ酸配列を含むCDR2ドメイン、及び配列番号(SEQ ID NO):74に
記載のアミノ酸配列を含むCDR3ドメイン、を含む重鎖可変領域;並びに配列番号(SEQ ID NO):76に記載のアミノ酸配列を含むCDR1ドメイン、配列番号(SEQ ID NO):77に記載のアミノ酸配列を含むCDR2ドメイン、及び配列番号(SEQ ID NO):78に記載のアミノ酸配列を含むCDR3ドメイン、を含む軽鎖可変領域;
(i)配列番号(SEQ ID NO):82に記載のアミノ酸配列を含むCDR1ドメイン、配列番号(SEQ ID NO):83に記載のアミノ酸配列を含むCDR2ドメイン、及び配列番号(SEQ ID NO):84に
記載のアミノ酸配列を含むCDR3ドメイン、を含む重鎖可変領域;並びに配列番号(SEQ ID NO):86に記載のアミノ酸配列を含むCDR1ドメイン、配列番号(SEQ ID NO):87に記載のアミノ酸配列を含むCDR2ドメイン、及び配列番号(SEQ ID NO):88に記載のアミノ酸配列を含むCDR3ドメイン、を含む軽鎖可変領域;又は、
(j)配列番号(SEQ ID NO):92に記載のアミノ酸配列を含むCDR1ドメイン、配列番号(SEQ ID NO):93に記載のアミノ酸配列を含むCDR2ドメイン、及び配列番号(SEQ ID NO):94に
記載のアミノ酸配列を含むCDR3ドメイン、を含む重鎖可変領域;並びに配列番号(SEQ ID NO):96に記載のアミノ酸配列を含むCDR1ドメイン、配列番号(SEQ ID NO):97に記載のアミノ酸配列を含むCDR2ドメイン、及び配列番号(SEQ ID NO):98に記載のアミノ酸配列を含むCDR3ドメイン、を含む軽鎖可変領域、
を提供する。
別の態様では、本出願は、以下を含む、単離された抗-CD45抗体、又はその抗原結合部
分:
配列番号(SEQ ID NO):119に記載のアミノ酸配列を含むCDR1ドメイン、配列番号(SEQ ID NO):120に記載のアミノ酸配列を含むCDR2ドメイン、及び配列番号(SEQ ID NO):121に
記載のアミノ酸配列を含むCDR3ドメイン、を含む重鎖可変領域;並びに配列番号(SEQ ID NO):122に記載のアミノ酸配列を含むCDR1ドメイン、配列番号(SEQ ID NO):123に記載のアミノ酸配列を含むCDR2ドメイン、及び配列番号(SEQ ID NO):124に記載のアミノ酸配列を
含むCDR3ドメイン、を含む軽鎖可変領域、
を提供する。
別の態様では、本発明は、以下を含む、単離された抗-CD45抗体、又はその抗原結合部
分:
(a)配列番号(SEQ ID NO):1に記載のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域、及び配列番号(SEQ ID NO):5に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;
(b)配列番号(SEQ ID NO):11に記載のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域、及び配列番
号(SEQ ID NO):15に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;
(c)配列番号(SEQ ID NO):21に記載のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域、及び配列番
号(SEQ ID NO):25に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;
(d)配列番号(SEQ ID NO):31に記載のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域、及び配列番
号(SEQ ID NO):35に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;
(e)配列番号(SEQ ID NO):41に記載のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域、及び配列番
号(SEQ ID NO):45に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;
(f)配列番号(SEQ ID NO):51に記載のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域、及び配列番
号(SEQ ID NO):55に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;
(g)配列番号(SEQ ID NO):61に記載のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域、及び配列番
号(SEQ ID NO):65に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;
(h)配列番号(SEQ ID NO):71に記載のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域、及び配列番
号(SEQ ID NO):75に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;
(i)配列番号(SEQ ID NO):81に記載のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域、及び配列番
号(SEQ ID NO):85に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;又は、
(j)配列番号(SEQ ID NO):91に記載のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域、及び配列番
号(SEQ ID NO):95に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、
を提供する。
上記態様のいくつかの実施形態では、前記単離された抗-CD45抗体、又はその抗原結合
部分は、Fc領域を含む。ある特定の実施形態では、前記Fc領域は、ヒトIgG1 Fc領域、又
はヒトIgG4 Fc領域である。
いくつかの実施形態では、前記抗体は、モノクローナル抗体である。
いくつかの実施形態では、前記抗体は、定常領域を含むインタクトな抗体である。
いくつかの実施形態では、前記抗体は、IgGである。特定の実施形態では、前記IgGは、IgG1又はIgG4である。
上記態様のいくつかの実施形態では、前記抗体は、定常領域を含む、ここで、前記定常領域は、L234A、L235A、D265C、H310A、及びH435A(EUインデックスによる番号付け)か
らなる群より選択される、少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、又は少なくとも5つ、のアミノ酸置換、を含む。特定の実施形態では、前記定常領域
は、アミノ酸置換L234A、L235A及びD265C(EUインデックスによる番号付け)を含む。
いくつかの実施形態では、本開示の単離された抗-CD45抗体は、定常領域を含む、ここ
で前記定常領域は、以下を含む、
(a)配列番号(SEQ ID NO):102、配列番号(SEQ ID NO):103、配列番号(SEQ ID NO):104、配列番号(SEQ ID NO):105、又は配列番号(SEQ ID NO):106、に記載の重鎖アミノ酸配列;及び、
(b)配列番号(SEQ ID NO):101に記載の軽鎖アミノ酸配列。
別の態様では、本発明は、以下を含む、単離された抗-CD45抗体:
(a)配列番号(SEQ ID NO):9に記載の重鎖アミノ酸配列、及び配列番号(SEQ ID NO):10に記載の軽鎖アミノ酸配列;
(b)配列番号(SEQ ID NO):19に記載の重鎖アミノ酸配列、及び配列番号(SEQ ID NO):20に記載の軽鎖アミノ酸配列;
(c)配列番号(SEQ ID NO):29に記載の重鎖アミノ酸配列、及び配列番号(SEQ ID NO):30に記載の軽鎖アミノ酸配列;
(d)配列番号(SEQ ID NO):39に記載の重鎖アミノ酸配列、及び配列番号(SEQ ID NO):40に記載の軽鎖アミノ酸配列;
(e)配列番号(SEQ ID NO):49に記載の重鎖アミノ酸配列、及び配列番号(SEQ ID NO):50に記載の軽鎖アミノ酸配列;
(f)配列番号(SEQ ID NO):59に記載の重鎖アミノ酸配列、及び配列番号(SEQ ID NO):60に記載の軽鎖アミノ酸配列;
(g)配列番号(SEQ ID NO):69に記載の重鎖アミノ酸配列、及び配列番号(SEQ ID NO):70に記載の軽鎖アミノ酸配列;
(h)配列番号(SEQ ID NO):79に記載の重鎖アミノ酸配列、及び配列番号(SEQ ID NO):80に記載の軽鎖アミノ酸配列;
(i)配列番号(SEQ ID NO):89に記載の重鎖アミノ酸配列、及び配列番号(SEQ ID NO):90に記載の軽鎖アミノ酸配列;又は、
(j)配列番号(SEQ ID NO):99に記載の重鎖アミノ酸配列、及び配列番号(SEQ ID NO):100に記載の軽鎖アミノ酸配列、
を提供する。
別の態様では、本発明は、
CD45フラグメント1(配列番号(SEQ ID NO):114)、CD45フラグメント2(配列番号(SEQ ID NO):115)、CD45フラグメント3(配列番号(SEQ ID NO):116)、CD45フラグメント4(
配列番号(SEQ ID NO):117)、及び/又はCD45フラグメント5(配列番号(SEQ ID NO):118
)、内に位置するエピトープで、ヒトCD45に特異的に結合する、単離された抗-CD45抗体
、又はその抗原結合部分、
を提供する。
上記態様のいくつかの実施形態では、前記単離された抗-CD45抗体、又はその抗原結合
部分は、
(a)CD45フラグメント2内に位置するヒトCD45のエピトープ、及びフラグメント4内に位置
するヒトCD45のエピトープ;
(b)CD45フラグメント1内に位置するヒトCD45のエピトープ、及びCD45フラグメント3内に
位置するヒトCD45のエピトープ;又は、
(c)CD45フラグメント5内に位置するヒトCD45のエピトープ、
に特異的に結合する。
いくつかの実施形態では、前記単離された抗-CD45抗体、又はその抗原結合部分は、
(a)ヒトCD45中の405T、407K、419Y、425K、481R、505R、及び509H、からなる群より選択
される1つ以上の残基(配列番号(SEQ ID NO):113を参照して番号付け);又は、
(b)ヒトCD45中の486R、493Y、及び502T、からなる群より選択される1つ以上の残基(配列番号(SEQ ID NO):113を参照して番号付け)、
に特異的に結合する。
いくつかの実施形態では、本開示の単離された抗-CD45抗体、又は抗原結合部分は、ヒ
トCD45に特異的に結合する、及びカニクイザルCD45と交差反応する。
いくつかの実施形態では、本開示の単離された抗-CD45抗体、又は抗原結合部分は、バ
イオ-レイヤー干渉法(Bio-Layer Interferometry)で測定した場合、1x10-2から 1x10-3, 1x10-3 から 1x10-4, 1x10-4 から 1x10-5, 1x10-5 から 1x10-6, 1x10-6 から 1x10-7, 又は 1x10-7 から 1x10-8、の解離定数(KOFF)で、ヒトCD45に結合する。
いくつかの実施形態では、本開示の単離された抗-CD45抗体、又は抗原結合部分は、バ
イオ-レイヤー干渉法(Bio-Layer Interferometry)で測定した場合、約100 nM以下、約90 nM以下、約80 nM以下、約70 nM以下、約60 nM以下、約50 nM以下、約40 nM以下、約30 nM以下、約20 nM以下、約10 nM以下、約10 nM以下、又は約0.1 nM以下、のKDで、ヒトCD45
に結合する。
別の態様では、本発明の抗体、又はその抗原結合部分、及び薬学的に許容可能な担体、を含む医薬組成物、が本出願で提供される。
別の態様では、本発明の抗体、又はその抗原結合部分をコードする核酸配列、を含む単離された核酸、が本出願で提供される。
別の態様では、本発明の単離された核酸、を含むベクター、が本出願で提供される。
別の態様では、本発明の単離された核酸、又は本発明のベクター、を含む宿主細胞、が本出願で提供される。いくつかの実施形態では、前記宿主細胞は、チャイニーズ・ハムスター卵巣(Chinese Hamster Ovary (CHO))細胞である。
別の態様では、ヒト患者においてCD45+細胞の集団を減少させる際に使用するための、
上記態様の何れかの抗体、又は抗原結合部分、を含む医薬組成物、が本出願で提供される。
別の態様では、上記態様の何れかの抗体、又はその抗原結合部分を、ヒト患者に投与することによる、前記ヒト患者においてCD45+細胞の集団を減少させる方法、が本出願で提
供される。いくつかの実施形態では、前記CD45+細胞は、CD3+、CD19+、CD33+、CD34+、又はCD45+/B2M+、である。他の実施形態では、前記CD45+細胞は、造血幹細胞(hematopoietic stem cells (HSCs))、である。更に他の実施形態では、前記CD45+細胞は、HSCs、T細胞、B細胞、及び/又は骨髄性細胞、である。
上記の態様のいくつかの実施形態では、前記CD45+細胞を、前記患者の骨髄、及び/又
は前記患者の末梢血、から減少させる。
上記態様のいくつかの実施形態では、前記患者は、造血幹細胞移植を必要とする。上記態様のいくつかの実施形態では、前記方法は、造血幹細胞を含む移植片を前記患者に投与する工程を更に含む。ある特定の実施形態では、前記移植片は、同種異系である。代わりの実施形態では、前記移植片は、自己である。
別の態様では、本発明は、リンカーを介して細胞毒素にコンジュゲートした抗-CD45抗
体、又はその抗原結合部分、を含む抗体薬物コンジュゲート(ADC)、ここで、前記抗-CD45抗体、又はその抗原結合部分は、上記態様の何れかの抗体、又はその抗原結合部分、である。
上記態様のいくつかの実施形態では、前記抗体は、前記抗体の定常ドメイン中のシステイン残基を介して前記細胞毒素にコンジュゲートする。ある特定の実施形態では、前記システイン残基を、前記抗体の定常領域中のアミノ酸置換によって導入する。特定の実施形態では、前記アミノ酸置換は、D265C及び/又はV205C(EU番号付け)である。
上記態様のいくつかの実施形態では、前記ADCは、1、2、3、4、5、6、7、又は8の薬物
対抗体比(DAR)を有する。
上記態様のいくつかの実施形態では、前記細胞毒素は、RNAポリメラーゼ阻害剤、DNAインターカレーション薬剤、DNAアルキル化薬剤、DNAクロスリンキング薬剤、タンパク質合成を破壊する薬剤、微小管動態を破壊する薬剤、又は紡錘体を破壊する薬剤、である。
上記態様のいくつかの実施形態では、前記細胞毒素は、アマトキシン、アントラサイクリン、アウリスタチン、カリケアマイシン、deブーガニン、ジフテリア毒素、デュオカルマイシン、インドリノベンゾジアゼピン(IGN)、インドリノベンゾジアゼピン二量体、イ
リノテカン、メイタンシン、メイタンシノイド、シュードモナス外毒素A、ピロロベンゾ
ジアゼピン(PBD)、ピロロベンゾジアゼピン二量体、サポリン、及びSN-38、からなる群より選択される。ある特定の実施形態では、前記細胞毒素は、RNAポリメラーゼ阻害剤であ
る。ある特定の実施形態では、前記RNAポリメラーゼ阻害剤は、アマトキシンである。
いくつかの実施形態では、前記ADCは、式Ab-Z-L-Amによって表される、ここで、Abは、抗体、又はその抗原結合部分である、Lはリンカーである、Zは化学的な部分構造である、
及びAmはアマトキシンである。ある特定の実施形態では、Am-L-Zは、式(I)で表される:

ここで、R1は、H、OH、ORA、又はORCである;
R2は、H、OH、ORB、又はORCである;
RA 及びRBは、存在する場合、それらが結合している酸素原子と一緒になって、任意
選択的に置換された5員ヘテロシクロアルキル基を形成する;
R3は、H、RC、又はRDである;
R4、R5、R6, 及びR7は、それぞれ独立してH、OH、ORC、ORD、RC、又はRDである;
R8は、OH、NH2、ORC、ORD、NHRC、又はNRCRDである;
R9は、H、OH、ORC、又はORDである;
Xは、-S-、-S(O)-、又は-SO2-である;
RCは、-L-Zである;
RDは、任意選択的に置換されたC1-C6アルキル、任意選択的に置換されたC1-C6ヘテロアルキル、任意選択的に置換されたC2-C6アルケニル、任意選択的に置換されたC2-C6ヘテロアルケニル、任意選択的に置換されたC2-C6アルキニル、任意選択的に置換されたC2-C6ヘテロアルキニル、任意選択的に置換されたシクロアルキル、任意選択的に置換されたヘテロシクロアルキル、任意選択的に置換されたアリール、又は任意選択的に置換されたヘテロアリールである;
Lは、任意選択的に置換されたC1-C6アルキレン、任意選択的に置換されたC1-C6ヘテ
ロアルキレン、任意選択的に置換されたC2-C6アルケニレン、任意選択的に置換されたC2-C6ヘテロアルケニレン、任意選択的に置換されたC2-C6アルキニレン、任意選択的に置換
されたC2-C6ヘテロアルキニレン、任意選択的に置換されたシクロアルキレン、任意選択
的に置換されたヘテロシクロアルキレン、任意選択的に置換されたアリーレン、任意選択
的に置換されたヘテロアリーレン、ペプチド、ジペプチド、-(C=O)-、ジスルフィド、ヒ
ドラゾン、又はそれらの組合せである;並びに、
Zは、L上に存在する反応性置換基と、前記抗体又は抗原結合フラグメント内に存在する反応性置換基との間のカップリング反応から形成される化学的な部分構造である、ここで、Amは正確に1つのRC置換基を含む。
いくつかの実施形態では、L-Zは、

又は

である。
いくつかの実施形態では、前記ADCは、以下のうちの1つによって表される:
Figure 2021087368000004

ここで、Xは、-S-、-S(O)-、又は-SO2- である。
いくつかの実施形態では、前記ADCは、以下の式を有する、
Figure 2021087368000005

ここで、Abは、抗-CD45抗体の結合(attachment)の位置を表す。
他の実施形態では、前記ADCは、以下の式を有する、
Figure 2021087368000006

ここで、Abは、抗-CD45抗体の結合(attachment)の位置を表す。
代わりの実施形態では、前記ADCは、以下の式を有する、
Figure 2021087368000007

ここで、Abは、抗-CD45抗体の結合(attachment)の位置を表す。
他の実施形態では、前記ADCは、以下の式を有する、
Figure 2021087368000008

ここで、Abは、抗-CD45抗体の結合(attachment)の位置を表す。
更に他の実施形態では、前記ADCは、以下の式を有する、
Figure 2021087368000009

ここで、Abは、抗-CD45抗体の結合(attachment)の位置を表す。
本出願に開示されるADCのいくつかの実施形態では、前記細胞毒素は、ピロロベンゾジ
アゼピン(PBD)である。ある特定の実施形態では、前記細胞毒素は、PBD二量体である。特定の実施形態では、前記PBD二量体は、
Figure 2021087368000010

によって表される、
ここで、波線は、前記ADCの、前記リンカーへの結合(attachment)の位置、を示す。
本出願に開示されるADCのいくつかの実施形態では、前記リンカーは、ペプチド、オリ
ゴ糖、-(CH2)p-, -(CH2CH2O)q-, -(C=O)(CH2)r-, -(C=O)(CH2CH2O)t-, -(NHCH2CH2)u-, -PAB, Val-Cit-PAB, Val-Ala-PAB, Val-Lys(Ac)-PAB, Phe-Lys-PAB, Phe-Lys(Ac)-PAB, D-Val-Leu-Lys, Gly-Gly-Arg, Ala-Ala-Asn-PAB, 又は Ala-PAB、のうちの1種以上を含む
、ここで、p、q、r、t、及びuの各々は、1から12の整数であり、各場合毎に、独立して選
択される。
本出願に開示されるADCのいくつかの実施形態では、前記リンカーは、以下の構造を有
する、
Figure 2021087368000011

ここで、R1は、CH3(Ala)、又は(CH2)3NH(CO)NH2(Cit)、である。
本出願に開示されるADCのいくつかの実施形態では、前記リンカーは、前記抗-CD45抗体にコンジュゲートする前に、反応性置換基Z'を含み、L-Z'として一緒になっている、以下の構造を有する
Figure 2021087368000012
ある特定の実施形態では、R1は、CH3、である。
本出願に開示されるADCのいくつかの実施形態では、前記細胞毒素-リンカー・コンジュゲートは、前記抗-CD45抗体にコンジュゲートする前に、反応性置換基Z'を含み、Cy-L-Z'として一緒になっている、テシリンであり、以下の構造式を有する:
Figure 2021087368000013
いくつかの実施形態では、本出願に開示されるADCは、構造
Figure 2021087368000014
を有する、
ここで、Abは、抗-CD45抗体、又はその抗原結合部分である、及びSは、前記抗体の又はその抗原結合部分の、中に存在する、又は中に導入された、硫黄原子を表す。
本出願に開示されるADCのいくつかの実施形態では、前記細胞毒素は、インドリノベン
ゾジアゼピン(IGN)である。ある特定の実施形態では、前記細胞毒素は、IGN二量体又はIGN疑似二量体(pseudodimer)である。
いくつかの実施形態では、前記細胞毒素は、以下によって表されるIGN疑似二量体(pseudodimer)である:
Figure 2021087368000015

ここで、波線は、前記ADCの、前記リンカーへの共有結合結合(attachment)の位置、を
示す。
いくつかの実施形態では、前記リンカーは、ジペプチド、ジスルフィド、C1-C12アルキル、C=O、又はそれらの組み合わせ、を含む。
いくつかの実施形態では、前記リンカーは、
Figure 2021087368000016

を含む。
いくつかの実施形態では、前記細胞毒素-リンカー・コンジュゲートは、前記抗-CD45抗体、又はその抗原結合部分にコンジュゲートする前に、反応性置換基Z'を含み、Cy-L-Z'
として一緒になっている、以下の構造式を有する:
Figure 2021087368000017
別の態様では、本発明は、本出願の上記において記載されたADC、及び薬学的に許容可
能な担体、を含む医薬組成物、を提供する。
別の態様では、本出願は、本出願の上記において記載された抗-CD45 ADCの有効量を、
前記患者に投与することにより、ヒト患者におけるCD45+細胞の集団を減少させる方法、
を提供する。
上記態様のいくつかの実施形態では、前記CD45+細胞は、CD3+、CD19+、CD33+、CD34+、又はCD45+/B2M+、である。ある特定の実施形態では、前記CD45+細胞は、造血幹細胞(HSC)である。他の実施形態では、前記CD45+細胞は、HSC、T細胞、B細胞、及び/又は骨髄性細胞である。
上記態様のいくつかの実施形態では、前記CD45+細胞を、前記患者の骨髄、及び/又は
前記患者の末梢血、から減少させる。
上記態様のいくつかの実施形態では、前記患者は、造血幹細胞移植を必要とする。
上記態様のいくつかの実施形態では、前記方法は、造血幹細胞を含む移植片を前記患者に投与する工程を更に含む。
別の態様では、本発明は、前記患者が造血幹細胞を含む移植片を受ける前に、本出願の上記に記載のADCを、前記患者に投与することによって、造血幹細胞(HSC)移植を必要とするヒト患者において、CD45+細胞の集団を減少させる方法、を提供する。
別の態様では、本発明は、以下を含む方法:
(a)ヒト患者に、本出願の上記に記載のADCを、前記患者の中のCD45+細胞の集団を減
少させるのに十分な量で、投与する工程;及び、
(b)その後、前記患者に、造血幹細胞を含む移植片を投与する工程、
を提供する。
いくつかの実施形態では、前記移植片は、同種異系である。他の実施形態では、前記移植片は、自己である。
いくつかの実施形態では、造血幹細胞を含む移植片を、ADCの濃度が前記患者の血液か
ら実質的にクリアランスされた後に、前記患者に投与する。
いくつかの実施形態では、前記造血幹細胞又はその後代は、前記患者の中に前記造血細胞を移植した後に、造血組織に局在化することができる、及び/又は造血を再確立するこ
とができる。
いくつかの実施形態では、前記患者の中に移植したときに、前記造血幹細胞によって、巨核球、血小板(thrombocytes)、血小板(platelets)、赤血球、マスト細胞、骨髄芽球、
好塩基球、好中球、好酸球、ミクログリア、顆粒球、単球、破骨細胞、抗原提示細胞、マクロファージ、樹状細胞、ナチュラル・キラー細胞、T-リンパ球、及びB-リンパ球、からなる群より選択される細胞の集団の回復が生じる。
いくつかの実施形態では、前記患者は、血液疾患、代謝障害、がん、若しくは自己免疫障害、又は重度複合免疫不全症疾患(severe combined immunodeficiency disease)(SCID)、を有する。ある特定の実施形態では、前記患者は、がんを有する。特定の実施形態では、前記がんは、血液がんである。特定の実施形態では、前記血液がんは、急性骨髄性白血病、急性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、慢性リンパ性白血病、又は多発性骨髄腫、である。
ある特定の実施形態では、前記患者は、自己免疫障害を有する。特定の実施形態では、前記自己免疫障害は、多発性硬化症、1型糖尿病、又は強皮症、である。他の実施形態で
は、前記自己免疫障害は、多発性硬化症、ヒト全身性エリテマトーデス、関節リウマチ、炎症性腸疾患、乾癬の治療、1型糖尿病、急性播種性脳脊髄炎、アジソン病、汎発性脱毛
症、強直性脊椎炎、抗リン脂質抗体症候群、再生不良性貧血、自己免疫性溶血性貧血、自己免疫性肝炎、自己免疫性内耳疾患、自己免疫性リンパ増殖症候群、自己免疫性卵巣炎、バロー病、ベーチェット病、水疱性類天疱瘡、心筋症、シャーガス病、慢性疲労性免疫不全症候群、慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチー、クローン病、瘢痕性類天疱瘡、セリアック・スプルー疱疹状皮膚炎(coeliac sprue-dermatitis herpetiformis)、寒冷凝集素症、CREST症候群、デゴス病、円板状エリテマトーデス、自律神経障害、子宮内膜症、本態
性混合型クリオグロブリン血症、線維筋痛症-線維筋炎、グッドパスチャー症候群、グレ
ーブス病、ギラン-バレー症候群(GBS)、橋本甲状腺炎、化膿性汗腺炎、特発性及び/又は急性血小板減少性紫斑病、特発性肺線維症、IgAニューロパチー、間質性膀胱炎、若年性
関節炎、川崎病、扁平苔癬、ライム病、メニエール病、混合性結合組織病、重症筋無力症、ニューロミオトニア、オプソクローヌス・ミオクローヌス症候群、視神経炎、オルド甲状腺炎(Ord's thyroiditis)、尋常性天疱瘡、悪性貧血、多発軟骨炎、多発性筋炎及び
皮膚筋炎、原発性胆汁性肝硬変、結節性多発動脈炎、多内分泌腺症候群、リウマチ性多発筋痛症、原発性無ガンマグロブリン血症(primary agammaglobulinemia)、レイノー現象、ライター症候群、リウマチ熱、サルコイドーシス、強皮症、シューグレン症候群、スティッフ・パーソン症候群、高安動脈炎、側頭動脈炎、潰瘍性大腸炎、ブドウ膜炎、血管炎、白斑、外陰部痛、及びヴェーゲナー肉芽腫症、からなる群より選択される。
更に、本発明は、以下の実施形態も含む:
1つの実施形態では、本発明は、配列番号(SEQ ID NO):2に記載のアミノ酸配列を含むCDR1ドメイン、配列番号(SEQ ID NO):3に記載のアミノ酸配列を含むCDR2ドメイン、及び配
列番号(SEQ ID NO):4に記載のアミノ酸配列を含むCDR3ドメイン、を含む可変領域を含む
重鎖を含む;並びに配列番号(SEQ ID NO):6に記載のアミノ酸配列を含むCDR1ドメイン、
配列番号(SEQ ID NO):7に記載のアミノ酸配列を含むCDR2ドメイン、及び配列番号(SEQ ID
NO):8に記載のアミノ酸配列を含むCDR3ドメイン、を含む可変領域を含む軽鎖を含む、単離された抗-CD45抗体、又はその抗原結合部分、を提供する。
ある特定の実施形態では、前記抗-CD45抗体、又はその抗原結合部分は、配列番号(SEQ ID NO):1に記載のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域を含む。
他の実施形態では、前記抗-CD45抗体、又はその抗原結合部分は、配列番号(SEQ ID NO):5に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。
ある特定の実施形態では、前記抗-CD45抗体、又はその抗原結合部分は、配列番号(SEQ ID NO):1に記載のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;及び配列番号(SEQ ID NO):5に記載
のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、を含む。
ある特定の実施形態では、前記抗-CD45抗体、又はその抗原結合部分は、配列番号(SEQ ID NO):9に記載のアミノ酸配列を含む重鎖を含む。
ある特定の実施形態では、前記抗-CD45抗体、又はその抗原結合部分は、配列番号(SEQ ID NO):10に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
ある特定の実施形態では、前記抗-CD45抗体、又はその抗原結合部分は、配列番号(SEQ ID NO):9に記載のアミノ酸配列を含む重鎖;及び配列番号(SEQ ID NO):10に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖、を含む。
1つの実施形態では、本発明は、配列番号(SEQ ID NO):12に記載のアミノ酸配列を有す
るCDR1、配列番号(SEQ ID NO):13に記載のアミノ酸配列を有するCDR2、配列番号(SEQ ID NO):14に記載のアミノ酸配列を有するCDR3、を含む可変領域を含む重鎖を含む、及び配列番号(SEQ ID NO):16に記載のアミノ酸配列を有するCDR1、配列番号(SEQ ID NO):17に記載のアミノ酸配列を有するCDR2、配列番号(SEQ ID NO):18に記載のアミノ酸配列を有するCDR3、を含む可変領域を含む軽鎖を含む、単離された抗-CD45抗体、又はその抗原結合部位
、を提供する。
ある特定の実施形態では、前記抗-CD45抗体、又はその抗原結合部分は、配列番号(SEQ ID NO):11に記載のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域を含む。
他の実施形態では、前記抗-CD45抗体、又はその抗原結合部分は、配列番号(SEQ ID NO):15に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。
ある特定の実施形態では、前記抗-CD45抗体、又はその抗原結合部分は、配列番号(SEQ ID NO):11に記載のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;及び配列番号(SEQ ID NO):15に記
載のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、を含む。
ある特定の実施形態では、前記抗-CD45抗体、又はその抗原結合部分は、配列番号(SEQ ID NO):19に記載のアミノ酸配列を含む重鎖を含む。
ある特定の実施形態では、前記抗-CD45抗体、又はその抗原結合部分は、配列番号(SEQ ID NO):20に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
ある特定の実施形態では、前記抗-CD45抗体、又はその抗原結合部分は、配列番号(SEQ ID NO):19に記載のアミノ酸配列を含む重鎖;及び配列番号(SEQ ID NO):20に記載のアミ
ノ酸配列を含む軽鎖、を含む。
1つの実施形態では、本発明は、配列番号(SEQ ID NO):22に記載のアミノ酸配列を有す
るCDR1、配列番号(SEQ ID NO):23に記載のアミノ酸配列を有するCDR2、配列番号(SEQ ID NO):24に記載のアミノ酸配列を有するCDR3、を含む可変領域を含む重鎖を含む、及び配列番号(SEQ ID NO):26に記載のアミノ酸配列を有するCDR1、配列番号(SEQ ID NO):27に記載のアミノ酸配列を有するCDR2、配列番号(SEQ ID NO):28に記載のアミノ酸配列を有するCD
R3、を含む可変領域を含む軽鎖を含む、単離された抗-CD45抗体、又はその抗原結合部位
、を提供する。
ある特定の実施形態では、前記抗-CD45抗体、又はその抗原結合部分は、配列番号(SEQ ID NO):21に記載のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域を含む。
他の実施形態では、前記抗-CD45抗体、又はその抗原結合部分は、配列番号(SEQ ID NO):25に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。
ある特定の実施形態では、前記抗-CD45抗体、又はその抗原結合部分は、配列番号(SEQ ID NO):21に記載のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;及び配列番号(SEQ ID NO):25に記
載のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、を含む。
ある特定の実施形態では、前記抗-CD45抗体、又はその抗原結合部分は、配列番号(SEQ ID NO):29に記載のアミノ酸配列を含む重鎖を含む。
ある特定の実施形態では、前記抗-CD45抗体、又はその抗原結合部分は、配列番号(SEQ ID NO):30に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
ある特定の実施形態では、前記抗-CD45抗体、又はその抗原結合部分は、配列番号(SEQ ID NO):29に記載のアミノ酸配列を含む重鎖;及び配列番号(SEQ ID NO):30に記載のアミ
ノ酸配列を含む軽鎖、を含む。
1つの実施形態では、本発明は、配列番号(SEQ ID NO):32に記載のアミノ酸配列を有す
るCDR1、配列番号(SEQ ID NO):33に記載のアミノ酸配列を有するCDR2、配列番号(SEQ ID NO):34に記載のアミノ酸配列を有するCDR3、を含む可変領域を含む重鎖を含む、及び配列番号(SEQ ID NO):36に記載のアミノ酸配列を有するCDR1、配列番号(SEQ ID NO):37に記載のアミノ酸配列を有するCDR2、配列番号(SEQ ID NO):38に記載のアミノ酸配列を有するCDR3、を含む可変領域を含む軽鎖を含む、単離された抗-CD45抗体、又はその抗原結合部位
、を提供する。
ある特定の実施形態では、前記抗-CD45抗体、又はその抗原結合部分は、配列番号(SEQ ID NO):31に記載のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域を含む。
他の実施形態では、前記抗-CD45抗体、又はその抗原結合部分は、配列番号(SEQ ID NO):35に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。
ある特定の実施形態では、前記抗-CD45抗体、又はその抗原結合部分は、配列番号(SEQ ID NO):31に記載のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;及び配列番号(SEQ ID NO):35に記
載のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、を含む。
ある特定の実施形態では、前記抗-CD45抗体、又はその抗原結合部分は、配列番号(SEQ ID NO):39に記載のアミノ酸配列を含む重鎖を含む。
ある特定の実施形態では、前記抗-CD45抗体、又はその抗原結合部分は、配列番号(SEQ ID NO):40に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
ある特定の実施形態では、前記抗-CD45抗体、又はその抗原結合部分は、配列番号(SEQ ID NO):39に記載のアミノ酸配列を含む重鎖;及び配列番号(SEQ ID NO):40に記載のアミ
ノ酸配列を含む軽鎖、を含む。
1つの実施形態では、本発明は、配列番号(SEQ ID NO):42に記載のアミノ酸配列を有す
るCDR1、配列番号(SEQ ID NO):43に記載のアミノ酸配列を有するCDR2、配列番号(SEQ ID NO):44に記載のアミノ酸配列を有するCDR3、を含む可変領域を含む重鎖を含む、及び配列番号(SEQ ID NO):46に記載のアミノ酸配列を有するCDR1、配列番号(SEQ ID NO):47に記載のアミノ酸配列を有するCDR2、配列番号(SEQ ID NO):48に記載のアミノ酸配列を有するCDR3、を含む可変領域を含む軽鎖を含む、単離された抗-CD45抗体、又はその抗原結合部位
、を提供する。
ある特定の実施形態では、前記抗-CD45抗体、又はその抗原結合部分は、配列番号(SEQ ID NO):41に記載のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域を含む。
他の実施形態では、前記抗-CD45抗体、又はその抗原結合部分は、配列番号(SEQ ID NO):45に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。
ある特定の実施形態では、前記抗-CD45抗体、又はその抗原結合部分は、配列番号(SEQ ID NO):41に記載のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;及び配列番号(SEQ ID NO):45に記
載のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、を含む。
ある特定の実施形態では、前記抗-CD45抗体、又はその抗原結合部分は、配列番号(SEQ ID NO):49に記載のアミノ酸配列を含む重鎖を含む。
ある特定の実施形態では、前記抗-CD45抗体、又はその抗原結合部分は、配列番号(SEQ ID NO):50に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
ある特定の実施形態では、前記抗-CD45抗体、又はその抗原結合部分は、配列番号(SEQ ID NO):49に記載のアミノ酸配列を含む重鎖;及び配列番号(SEQ ID NO):50に記載のアミ
ノ酸配列を含む軽鎖、を含む。
1つの実施形態では、本発明は、配列番号(SEQ ID NO):52に記載のアミノ酸配列を有す
るCDR1、配列番号(SEQ ID NO):53に記載のアミノ酸配列を有するCDR2、配列番号(SEQ ID NO):54に記載のアミノ酸配列を有するCDR3、を含む可変領域を含む重鎖を含む、及び配列番号(SEQ ID NO):56に記載のアミノ酸配列を有するCDR1、配列番号(SEQ ID NO):57に記載のアミノ酸配列を有するCDR2、配列番号(SEQ ID NO):58に記載のアミノ酸配列を有するCDR3、を含む可変領域を含む軽鎖を含む、単離された抗-CD45抗体、又はその抗原結合部位
、を提供する。
ある特定の実施形態では、前記抗-CD45抗体、又はその抗原結合部分は、配列番号(SEQ ID NO):51に記載のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域を含む。
他の実施形態では、前記抗-CD45抗体、又はその抗原結合部分は、配列番号(SEQ ID NO):55に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。
ある特定の実施形態では、前記抗-CD45抗体、又はその抗原結合部分は、配列番号(SEQ ID NO):51に記載のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;及び配列番号(SEQ ID NO):55に記
載のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、を含む。
ある特定の実施形態では、前記抗-CD45抗体、又はその抗原結合部分は、配列番号(SEQ ID NO):59に記載のアミノ酸配列を含む重鎖を含む。
ある特定の実施形態では、前記抗-CD45抗体、又はその抗原結合部分は、配列番号(SEQ ID NO):60に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
ある特定の実施形態では、前記抗-CD45抗体、又はその抗原結合部分は、配列番号(SEQ ID NO):59に記載のアミノ酸配列を含む重鎖;及び配列番号(SEQ ID NO):60に記載のアミ
ノ酸配列を含む軽鎖、を含む。
1つの実施形態では、本発明は、配列番号(SEQ ID NO):62に記載のアミノ酸配列を有す
るCDR1、配列番号(SEQ ID NO):63に記載のアミノ酸配列を有するCDR2、配列番号(SEQ ID NO):64に記載のアミノ酸配列を有するCDR3、を含む可変領域を含む重鎖を含む、及び配列番号(SEQ ID NO):66に記載のアミノ酸配列を有するCDR1、配列番号(SEQ ID NO):67に記載のアミノ酸配列を有するCDR2、配列番号(SEQ ID NO):68に記載のアミノ酸配列を有するCDR3、を含む可変領域を含む軽鎖を含む、単離された抗-CD45抗体、又はその抗原結合部位
、を提供する。
ある特定の実施形態では、前記抗-CD45抗体、又はその抗原結合部分は、配列番号(SEQ ID NO):61に記載のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域を含む。
他の実施形態では、前記抗-CD45抗体、又はその抗原結合部分は、配列番号(SEQ ID NO):65に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。
ある特定の実施形態では、前記抗-CD45抗体、又はその抗原結合部分は、配列番号(SEQ ID NO):61に記載のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;及び配列番号(SEQ ID NO):65に記
載のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、を含む。
ある特定の実施形態では、前記抗-CD45抗体、又はその抗原結合部分は、配列番号(SEQ ID NO):69に記載のアミノ酸配列を含む重鎖を含む。
ある特定の実施形態では、前記抗-CD45抗体、又はその抗原結合部分は、配列番号(SEQ ID NO):70に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
ある特定の実施形態で、前記抗-CD45抗体、又はその抗原結合部分は、配列番号(SEQ ID
NO):69に記載のアミノ酸配列を含む重鎖;及び配列番号(SEQ ID NO):70に記載のアミノ
酸配列を含む軽鎖、を含む。
1つの実施形態では、本発明は、配列番号(SEQ ID NO):72に記載のアミノ酸配列を有す
るCDR1、配列番号(SEQ ID NO):73に記載のアミノ酸配列を有するCDR2、配列番号(SEQ ID NO):74に記載のアミノ酸配列を有するCDR3、を含む可変領域を含む重鎖を含む、及び配列番号(SEQ ID NO):76に記載のアミノ酸配列を有するCDR1、配列番号(SEQ ID NO):77に記載のアミノ酸配列を有するCDR2、配列番号(SEQ ID NO):78に記載のアミノ酸配列を有するCDR3、を含む可変領域を含む軽鎖を含む、単離された抗-CD45抗体、又はその抗原結合部位
、を提供する。
ある特定の実施形態では、前記抗-CD45抗体、又はその抗原結合部分は、配列番号(SEQ ID NO):71に記載のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域を含む。
他の実施形態では、前記抗-CD45抗体、又はその抗原結合部分は、配列番号(SEQ ID NO):75に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。
ある特定の実施形態では、前記抗-CD45抗体、又はその抗原結合部分は、配列番号(SEQ
ID NO):71に記載のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;及び配列番号(SEQ ID NO):75に記
載のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、を含む。
ある特定の実施形態では、前記抗-CD45抗体、又はその抗原結合部分は、配列番号(SEQ ID NO):79に記載のアミノ酸配列を含む重鎖を含む。
ある特定の実施形態では、前記抗-CD45抗体、又はその抗原結合部分は、配列番号(SEQ ID NO):80に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
ある特定の実施形態では、前記抗-CD45抗体、又はその抗原結合部分は、配列番号(SEQ ID NO):79に記載のアミノ酸配列を含む重鎖;及び配列番号(SEQ ID NO):80に記載のアミ
ノ酸配列を含む軽鎖、を含む。
1つの実施形態では、本発明は、配列番号(SEQ ID NO):82に記載のアミノ酸配列を有す
るCDR1、配列番号(SEQ ID NO):83に記載のアミノ酸配列を有するCDR2、配列番号(SEQ ID NO):84に記載のアミノ酸配列を有するCDR3、を含む可変領域を含む重鎖を含む、及び配列番号(SEQ ID NO):86に記載のアミノ酸配列を有するCDR1、配列番号(SEQ ID NO):87に記載のアミノ酸配列を有するCDR2、配列番号(SEQ ID NO):88に記載のアミノ酸配列を有するCDR3、を含む可変領域を含む軽鎖を含む、単離された抗-CD45抗体、又はその抗原結合部位
、を提供する。
ある特定の実施形態では、前記抗-CD45抗体、又はその抗原結合部分は、配列番号(SEQ ID NO):81に記載のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域を含む。
他の実施形態では、前記抗-CD45抗体、又はその抗原結合部分は、配列番号(SEQ ID NO):85に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。
ある特定の実施形態では、前記抗-CD45抗体、又はその抗原結合部分は、配列番号(SEQ ID NO):81に記載のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;及び配列番号(SEQ ID NO):85に記
載のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、を含む。
ある特定の実施形態では、前記抗-CD45抗体、又はその抗原結合部分は、配列番号(SEQ ID NO):89に記載のアミノ酸配列を含む重鎖を含む。
ある特定の実施形態では、前記抗-CD45抗体、又はその抗原結合部分は、配列番号(SEQ ID NO):90に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
ある特定の実施形態では、前記抗-CD45抗体、又はその抗原結合部分は、配列番号(SEQ ID NO):89に記載のアミノ酸配列を含む重鎖;及び配列番号(SEQ ID NO):90に記載のアミ
ノ酸配列を含む軽鎖、を含む。
1つの実施形態では、本発明は、配列番号(SEQ ID NO):92に記載のアミノ酸配列を有す
るCDR1、配列番号(SEQ ID NO):93に記載のアミノ酸配列を有するCDR2、配列番号(SEQ ID NO):94に記載のアミノ酸配列を有するCDR3、を含む可変領域を含む重鎖を含む、及び配列番号(SEQ ID NO):96に記載のアミノ酸配列を有するCDR1、配列番号(SEQ ID NO):97に記載のアミノ酸配列を有するCDR2、配列番号(SEQ ID NO):98に記載のアミノ酸配列を有するCDR3、を含む可変領域を含む軽鎖を含む、単離された抗-CD45抗体、又はその抗原結合部位
、を提供する。
ある特定の実施形態では、前記抗-CD45抗体、又はその抗原結合部分は、配列番号(SEQ
ID NO):91に記載のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域を含む。
他の実施形態では、前記抗-CD45抗体、又はその抗原結合部分は、配列番号(SEQ ID NO):95に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。
ある特定の実施形態では、前記抗-CD45抗体、又はその抗原結合部分は、配列番号(SEQ ID NO):91に記載のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;及び配列番号(SEQ ID NO):95に記
載のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、を含む。
ある特定の実施形態では、前記抗-CD45抗体、又はその抗原結合部分は、配列番号(SEQ ID NO):99に記載のアミノ酸配列を含む重鎖を含む。
ある特定の実施形態では、前記抗-CD45抗体、又はその抗原結合部分は、配列番号(SEQ ID NO):100に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
ある特定の実施形態では、前記抗-CD45抗体、又はその抗原結合部分は、配列番号(SEQ ID NO):99に記載のアミノ酸配列を含む重鎖;及び配列番号(SEQ ID NO):100に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖、を含む。
1つの実施形態では、本出願に記載する抗-CD45抗体は、インタクトである。
ある特定の実施形態では、前記抗-CD45抗体フラグメントを、Fab、F(ab')2、及びscFv
、からなる群より選択する。
他の実施形態では、前記抗-CD45抗体、又はその抗原結合部分は、ヒト抗体、又はその
結合フラグメントである。
他の実施形態では、前記抗-CD45抗体、又はその抗原結合部分は、少なくとも1つのアミノ酸置換(H435又はI235/H310/H435(EU番号付け)である)を含むFc領域を含む。1つの実
施形態では、前記Fc領域は、H435でのアミノ酸置換(H435A(EU番号付け)である)を含む
。他の実施形態では、前記Fc領域は、I235A/H310A/H435A(EU番号付け)として記載される
ような、I235/H310/H435でのアミノ酸置換を含む。
ある特定の実施形態では、前記抗-CD45抗体、又はその抗原結合部分は、IgG、例えば、IgG1又はIgG4である。
抗-CD45抗体(又は抗原結合フラグメント)を含む抗体薬物コンジュゲート(ADC)もまた本出願に記載する、ここで、前記抗体(又はCD45結合フラグメント)は、リンカーを介して、細胞毒素にコンジュゲートする。
1つの実施形態では、抗-CD45 ADCは、細胞毒素であるRNAポリメラーゼ阻害剤にコンジ
ュゲートした抗-CD45抗体を含む。1つの実施形態では、前記RNAポリメラーゼ阻害剤は、
アマトキシンである。
1つの実施形態では、抗-CD45 ADCは、式(IA)で表されるアマトキシンである細胞毒素を含む
Figure 2021087368000018

ここで、R1は、H、OH、ORA、又はORCである;
R2は、H、OH、ORB、又はORCである;
RA 及びRBは、それらが結合している酸素原子と一緒になって、任意選択的に置換さ
れた5員ヘテロシクロルアルキル(heterocyclolalkyl)基を形成する;
R3は、H、RC、又はRDである;
R4、R5、R6, 及びR7は、それぞれ独立してH、OH、ORC、ORD、RC、又はRDである;
R8は、OH、NH2、ORC、ORD、NHRC、又はNRCRDである;
R9は、H、OH、ORC、又はORDである;
Xは、-S-、-S(O)-、又は-SO2-である;
RCは、-L-Zである;
RDは、任意選択的に置換されたC1-C6アルキル、任意選択的に置換されたC1-C6ヘテロアルキル、任意選択的に置換されたC2-C6アルケニル、任意選択的に置換されたC2-C6ヘテロアルケニル、任意選択的に置換されたC2-C6アルキニル、任意選択的に置換されたC2-C6ヘテロアルキニル、任意選択的に置換されたシクロアルキル、任意選択的に置換されたヘテロシクロアルキル、任意選択的に置換されたアリール、又は任意選択的に置換されたヘテロアリールである;
Lは、任意選択的に置換されたC1-C6アルキレン、任意選択的に置換されたC1-C6ヘテ
ロアルキレン、任意選択的に置換されたC2-C6アルケニレン、任意選択的に置換されたC2-C6ヘテロアルケニレン、任意選択的に置換されたC2-C6アルキニレン、任意選択的に置換
されたC2-C6ヘテロアルキニレン、任意選択的に置換されたシクロアルキレン、任意選択
的に置換されたヘテロシクロアルキレン、任意選択的に置換されたアリーレン、又は任意選択的に置換されたヘテロアリーレンである;並びに、
Zは、L上に存在する反応性置換基と、前記抗体又は抗原結合フラグメント内に存在する反応性置換基との間のカップリング反応から形成される化学的な部分構造である、ここ
で、Amは正確に1つのRC置換基を含む。
1つの実施形態では、抗-CD45 ADCは、以下の式を有する
Figure 2021087368000019


ここで、Abは、抗-CD45抗体の結合(attachment)の位置を表す。
1つの実施形態では、抗-CD45 ADCは、以下の式を有する
Figure 2021087368000020

ここで、Abは、抗-CD45抗体の結合(attachment)の位置を表す。
1つの実施形態では、抗-CD45 ADCは、アマニチン(例えば、α-アマニチン、β-アマニチン、γ-アマニチン、ε-アマニチン、アマニン、アマニンアミド、アマヌリン、アマヌリン酸、及びプロアマヌリン)である細胞毒素を含む。
1つの実施形態では、抗-CD45 ADCは、シュードモナス外毒素A、deブーガニン、ジフテ
リア毒素、サポリン、メイタンシン、メイタンシノイド、アウリスタチン(例えば、MMAE
、又はMMAF)、アントラサイクリン、カリケアマイシン、イリノテカン、SN-38、デュオカルマイシン、ピロロベンゾジアゼピン、ピロロベンゾジアゼピン二量体、インドリノベンゾジアゼピン、及びインドリノベンゾジアゼピン二量体、からなる群より選択される細胞毒素を含む。
1つの実施形態では、抗-CD45 ADCは、ベンゾジアゼピン部分を含む細胞毒素を含む。いくつかの実施形態では、前記抗-CD45 ADCは、ピロロベンゾジアゼピン(「PBD」)を含む。いくつかの実施形態では、前記抗-CD45 ADCは、インドリノベンゾジアゼピン(「IGN」)を含む。
1つの実施形態では、抗-CD45 ADCは、前記抗体のFcドメインの中のシステイン残基を介して前記毒素にコンジュゲートした抗-CD45抗体を含む。1つの実施形態では、前記システイン残基を、前記抗体のFcドメインの中のアミノ酸の置換を介して導入する。1つの実施
形態では、前記アミノ酸置換は、D265C及び/又はV205C(EU番号付け)である。
ある特定の実施形態では、前記抗-CD45 ADCは、1、2、3、4、5、6、7、又は8の薬物対
抗体比(drug to antibody ratio (DAR))を有する。
本出願に記載の抗-CD45抗体又はADC、及び薬学的に許容可能な担体、を含む医薬組成物もまた、本発明に含まれる。
本出願に記載する抗-CD45抗体、フラグメント、及びADCを、ヒト患者における治療方法(例えば、限定されるものではないが、同種異系又は自己の移植前のコンディショニング治療)において使用することがある。
1つの実施形態では、本出願は、ヒト患者において造血幹細胞(HSC)の集団を減少させる方法を開示する。前記方法は、本出願に記載する抗-CD45抗体、フラグメント、又はADCの
有効量を、前記患者に投与する工程を含む。ある特定の実施形態では、前記方法は、造血幹細胞を含む移植片を、前記患者に投与する工程を更に含む。
他の実施形態では、本出願は、造血幹細胞を含む移植片(同種異系又は自己)をヒト患者に投与する工程を含む方法、ここで、前記患者は、本出願に記載する抗-CD45抗体、フラ
グメント、又はADCを、前記患者の中の造血幹細胞の集団を減少させるのに十分な量で、
以前に投与されたことがある。ある特定の実施形態では、前記造血幹細胞は、CD45+細胞
である。
更に他の実施形態では、本出願に記載する抗-CD45抗体、フラグメント、又はADCを使用して、血液疾患、代謝障害、がん、又は自己免疫疾患、若しくは重度複合免疫不全症疾患(severe combined immunodeficiency disease (SCID))を有するヒト患者を治療する。
1つの実施形態では、ヒト患者における白血病を治療するために、本出願に記載の抗-CD45抗体、フラグメント、又はADCを、前記ヒト患者に投与する。
他の実施形態では、本出願は、造血幹細胞を含む移植片をヒト患者に投与する工程を含む方法、ここで、前記患者は、本出願に記載する抗-CD45抗体、フラグメント、又はADCを、前記患者の中の造血幹細胞の集団を減少させるのに十分な量で、以前に投与されたことがある。1つの実施形態では、前記免疫細胞は、CD137+, CD2+, 又はCD5+ 細胞である。他の実施形態では、前記免疫細胞は、T細胞である。
図1は、in vitro結合アッセイの結果を図示する、ここでは、親和性成熟させた抗-CD45抗体及びそれらに対応する親抗体(親1から4)の結合を、ヒトCD45又はカニクイザルCD45への結合について、評価した。親1は、本出願に記載のAb1に対応する。結合を、精製したヒトCD45の又はカニクイザルCD45の外部ドメインとインキュベートした、示した精製したIgG(センサーに結合した)のバイオレイヤー干渉法(Bio-Layer Interferometry (BLI))によって測定した。 図2は、REH細胞、ヒトPBMC細胞、及びカニクイザル(「cyno」)PBMC細胞に対する、示した抗-CD45抗体(Ab5及びAb7)の結合を評価するための、in vitro細胞結合アッセイの結果を図示する。Ab5_D265C_LALA_H435A及びA7_D265C_LALA_H435A、Ab5及びAb7のFcバリアントを、この試験で使用した。Fc-改変領域を有する(D265C LALA H435A)非-ターゲティング・アイソタイプIgGを、コントロールとして評価した。 図3は、抗-CD45抗体Ab5を用いたCD45エピトープ・マッピング研究の結果を示す。CD45上のAb5相互作用部位の概略図を、Ab5-エピトープ周辺のアミノ酸配列(配列番号(SEQ ID NO):115及び配列番号(SEQ ID NO):117)を表記して、示す。接触残基を、配列番号(SEQ ID NO):113によって表されるヒトCD45フラグメントを参照する残基番号を使って、405T、407K、419Y、425K、481R、505R、及び509Hとして強調する。 図4は、ヒトCD34+骨髄細胞において、Ab5から構築された抗-CD45抗体薬物コンジュゲート(ADC)が、細胞の内部に取り込まれることを評価する、in vitro内部取り込みアッセイの結果を図示する。Ab5 D265C.LALA.H435A、Ab5のFcバリアント、をアマトキシン(アマトキシン1(AM1))にコンジュゲートさせて、Ab5-AM1 D265C.LALA.H435Aを形成した。前記抗-CD45 ADCを、水溶性で、明るく、光感受性があり、及びpH反応性である、pHAb色素にコンジュゲートさせた。細胞の内部に取り込まれると、コンジュゲートした抗体は、酸性エンドソーム/リソソームに移動することができ、そこで、pHAb色素は、563nmで発光し、フロー・サイトメトリーによって検出することができる。ヒト骨髄CD34+細胞を、飽和する濃度のADCと共に、氷上で2時間インキュベートし、0、2、24、48、又は72時間インキュベートした。左のパネルは、経時的なpHAbのレベルをグラフで示す。蛍光色素分子-標識した抗-IgG分子を用いて、結合した表面hIgG1をフロー・サイトメトリーによって評価し、そこから、右のパネルに示すように、表面IgGの割合を経時的に計算した。 図5A及び5Bは、Ab4及びAb5から構築された抗-CD45 ADCが、in vitroで、CD45+細胞株(Jurkat(急性T細胞白血病細胞株、ATCC No. TIB-152)、SKNO-1(急性骨髄性白血病細胞株JCRB1170)、及びREH-1(B細胞非-ホジキン・リンパ腫(non-Hodgkin's lymphoma)細胞株、ATCC No. CRL-3004))、を傷害するのに有効であることを示す、in vitro細胞株傷害アッセイの結果をグラフで示す。Ab4 D265C.LALA.H435A及びAb5 D265C.LALA.H435A、Ab4及びAb5のFcバリアント、をアマトキシン(アマトキシン1(AM1)又はアマトキシン2(AM2))にコンジュゲートさせて、Ab4-AM2 D265C.LALA.H435A(「Ab4-AM2」)及びAb5-AM1 D265C.LALA.H435A(「Ab5-AM1」)を形成した。図5Aにおいて、SKNO1、Jurkat、REH(CD45+)、又はREH(CD45-/-)細胞株を、Ab5-AM1又はコントロール、非-ターゲティング・アイソタイプ適合-ADC(「アイソタイプ-AM1」)の存在下で、7日間、培養し、細胞生存率を、抗体濃度を横軸(x-軸)として、Celltiter Gloによる発光(y-軸)によって測定した。図5Bにおいて、SKNO1、Jurkat、又はREH(CD45+)細胞株を、Ab4-AM2又はコントロール、非-ターゲティング・アイソタイプ適合-ADC(「アイソタイプ-AM2」)の存在下で、7日間、培養し、細胞生存率を、抗体濃度を横軸(x-軸)として、Celltiter Gloによる発光(y-軸)に基づいて測定した。 図6Aから6Cは、Ab2、Ab4、又はAb5から構築された抗-CD45 ADCが、in vitroで、初代ヒト若しくはカニクイザル末梢血単核細胞(peripheral blood mononuclear cells (PBMCs))又はヒト造血幹細胞(HSC)、を傷害するのに有効であることを示す、in vitro初代細胞傷害アッセイの結果をグラフで示す。Ab2 D265C.LALA.H435A、Ab4 D265C.LALA.H435A、Ab5 D265C.LALA.H435A、Ab2、Ab4、及びAb5のFcバリアント、をアマトキシン(アマトキシン1(AM1)又はアマトキシン2(AM2))にコンジュゲートさせて、Ab2-AM2 D265C.LALA.H435A(「Ab2-AM2」)、Ab4-AM2 D265C.LALA.H435A(「Ab4-AM2」)、及びAb5-AM1 D265C.LALA.H435A(「Ab5-AM1」)を形成した。図6Aにおいて、ヒトPBMCを、CD45-AMコンジュゲート(Ab5-AM1)又はコントロール、非-ターゲティング・アイソタイプ適合-ADC(「アイソタイプ-AM1」)の存在下で、7日間、培養し、細胞生存率(y-軸)を、抗体濃度を横軸(x-軸)として、Celltiter Gloによる発光(y-軸)によって測定した。図6B及び図6Cでは、初代ヒトCD34+骨髄細胞を、抗-CD45-ADC(図6BではAb5-AM1;図6CではAb2-AM2若しくはAb4-AM2)又はアイソタイプ-AMと共に、5日間、培養し、生存CD34+CD90+ HSCの数(y-軸)を、抗体濃度を横軸(x-軸)として、フロー・サイトメトリーによって測定した。 図7は、Ab2から構築された抗-CD45 ADCが、in vitroで非-刺激を受けた(非-分裂)及び刺激を受けた(分裂)末梢血単核細胞(peripheral blood mononuclear cells (PBMCs))を傷害するのに有効であることを示す、in vitro初代細胞傷害アッセイの結果を図示する。Ab2 D265C.LALA.H435A(Ab2のFcバリアントである)を、アマトキシン2(AM2)にコンジュゲートさせて、Ab2-AM2 D265C.LALA.H435A(「Ab2-AM2」)を形成した。刺激を受けたPBMC及び非-刺激を受けたPBMCを、CD45-AMコンジュゲート(Ab2-AM2)又はコントロール、非-ターゲティング・アイソタイプ適合-ADC(「アイソタイプ-AM2」)の存在下で、4日間、培養し、細胞生存率(y-軸)を、抗体濃度を横軸(x-軸)として、Celltiter Gloによって測定した。 図8は、Ab6から構築された抗-CD45 ADCが、in vitroでマクロファージを傷害するのに有効であることを示す、in vitro傷害アッセイの結果を図示する。Ab6 D265C.LALA.H435A(Ab6のFcバリアント)を、アマトキシン1(AM1)にコンジュゲートさせて、Ab6-AM1 D265C.LALA.H435A(「Ab6-AM1」)を形成した。マクロファージを、CD45-AMコンジュゲート(Ab6-AM1)、又はコントロール、非-ターゲティング・アイソタイプ適合-ADC(「アイソタイプ-AM1」)の存在下で、6日間、培養し、細胞生存率を、抗体濃度を横軸(x-軸)として、Celltiter Gloによる発光(y-軸)として測定した。 図9は、ヒト血清(上パネル)又はカニクイザル(「cyno」)血清(下パネル)中における、Ab5から構築された抗-CD45 ADCの安定性を評価する血清安定性アッセイの結果を図示する。Ab5 D265C.LALA.H435A(Ab5のFcバリアント)を、アマトキシン1(AM1)にコンジュゲートさせて、Ab5-AM1 D265C.LALA.H435A(「Ab5-AM1」)を形成した。このADCが血清中で安定であるかどうかを決定するために、前記ADCをヒト又はカニクイザル(cyno)血清中で、37℃で、0又は72時間、プレ-インキュベートし、その後、前記ADCを、REH細胞の細胞傷害について評価した。REH細胞の細胞生存率(y-軸)を、血清-処理したADC濃度を横軸(x-軸)として、Celltiter Gloによって測定した。 図10A-10Eは、Ab2、Ab3、Ab5、及びAb7から構築された短い半減期の抗-CD45 ADCが、ヒト化NSGマウスにおいて、ヒトHSC及び免疫細胞を選択的に減少させることを示す、in vivo細胞減少アッセイの結果を図示する。Ab2 D265C.LALA.H435A、Ab3 D265C.LALA.H435A、Ab5 D265C.LALA.H435A、及びAb7 D265C.LALA.H435A(Ab2、Ab3、Ab5、及びAb7のFcバリアント)、をアマトキシン1(AM1)又はアマトキシン2(AM2)にコンジュゲートさせて、Ab2 D265C.LALA.H435A-AM2(「Ab2-AM2」)、Ab3 D265C.LALA.H435A-AM2(「Ab3-AM2」)、Ab5 D265C.LALA.H435A-AM1(「Ab5-AM1」)、及びAb7 D265C.LALA.H435A-AM1(「Ab7-AM1」)、を形成した。PBS-処置したマウスをコントロールとして評価した。図10Aは、抗-CD45-ADC(Ab2-AM2、Ab3-AM2、AbA-AM2)の投与14日後のマウスにおける、ベースラインに対する、ヒトCD3+ T-細胞、CD19+ B-細胞及びCD33+骨髄性細胞の割合を示す。図10Bは、抗-CD45-ADC(Ab2-AM2又はAb3-AM2)の投与0、7、及び14日後の末梢血における、ヒトCD45+細胞の割合を示す。図10Cは、抗-CD45-ADC(Ab2-AM2又はAb3-AM2)の投与14日後のヒト化NSGマウスの骨髄における、ヒトCD45細胞(左パネル)及びヒトHSC(右パネル)の絶対数を示す。図10Dは、抗-CD45 ADC(Ab2-AM2及びAb3-AM2)の投与14日後のヒト化NSGマウスの骨髄における、HSC(CD34+細胞、CD34+ CD38-細胞、及びCD34+ CD117+細胞)の割合及び絶対数を図示する。図10Eは、抗-CD45-ADC(Ab5-AM1又はAb7-AM1)の投与14日後のヒト化NSGマウスの、末梢血におけるヒトCD45細胞の割合(ベースラインに対する)、骨髄におけるヒトCD45細胞の絶対数、及び骨髄におけるHSC(CD34+ CD38-細胞)の絶対数、を図示する。 図11A及び11Bは、Ab4、Ab5、及びAb7から構築された短い半減期の抗-CD45-アマトキシンADCが、in vivoにおいて、非-ヒト霊長類HSC及び免疫細胞を効果的に減少させることを示す、in vivo 細胞減少アッセイの結果を図示する。Ab4 D265C.LALA.H435A、Ab5 D265C.LALA.H435A、及びAb7 D265C.LALA.H435A(Ab4、Ab5、及びAb7のFcバリアント)をアマトキシン1(AM1)にコンジュゲートさせて、Ab4 D265C.LALA.H435A-AM2(「Ab4-AM1」)、Ab5 D265C.LALA.H435A-AM1(「Ab5-AM1」)、及びAb7 D265C.LALA.H435A-AM1(「Ab7-AM1」)を形成した。図11Aは、抗-CD45 ADC(0.5 mg/kg又は2 mg/kgでのAb5-AM1又はAb7-AM1)の投与72時間後のカニクイザルの末梢血中におけるリンパ系細胞の絶対数を図示する。図11Bは、抗-CD45 ADC(1 mg/kgのAb4-AM1、又は0.5又は2 mg/kgのAb5-AM1)の投与7日後での、カニクイザルの骨髄中における白血球細胞、HSC、及びリンパ球のレベルを図示する。 図12は、Ab4から構築された短い半減期の抗-CD45 ADCのカニクイザルにおける薬物動態解析の結果を図示する。Ab4 D265C.LALA.H435A(Ab4のFcバリアント)をアマトキシン1(AM1)又はアマトキシン2(AM2)にコンジュゲートさせて、Ab4 D265C.LALA.H435A-AM1(「Ab4-AM1」)及びAb4 D265C.LALA.H435A-AM2(「Ab4-AM2」)を形成した。各ADCの平均血漿薬物濃度(y-軸)を経時的にモニターした(x-軸)。 図13は、膜タンパク質及び細胞質タンパク質の混合物に対する、実施例15の親クローンA、B、及びCに由来するヒト化クローンの結合を評価する、多特異性試薬(polyspecificity reagent (PSR))アッセイの結果を図示する。 図14は、ヒトPBMC細胞及びカニクイザル(「cyno」)PBMC細胞に対する、抗-CD45抗体AbA、AbB、及びAbC(実施例15で同定)の結合を評価するためのin vitro細胞結合アッセイの結果を図示する。 図15は、実施例15で同定した抗-CD45抗体AbAを用いた、CD45エピトープ・マッピング研究の結果を図示する。CD45上のAbA相互作用部位の概略図を、AbAエピトープ周辺のアミノ酸配列(配列番号(SEQ ID NO):117)を表記して、示す。接触残基を、配列番号(SEQ ID NO):113によって表されるヒトCD45フラグメントを参照する残基番号を使って、486R、493Y、及び502Tとして強調する。 図16は、ヒトCD34+骨髄細胞における、AbAから構築された抗-CD45抗体-薬物コンジュゲート(ADC)が、細胞の内部に取り込まれることを評価する、in vitro内部取り込みアッセイの結果を図示する。AbA_D265C_LALA_H435A(AbAのFcバリアント)を、アマトキシン(アマトキシン1)にコンジュゲートさせて、AbA_D265C_LALA_H435A-AM1(抗-CD45 ADC)を形成した。前記抗-CD45 ADCを、水溶性で、明るく、光感受性があり、及びpH反応性である、pHAb色素にコンジュゲートさせた。細胞の内部に取り込まれると、コンジュゲートした抗体は、酸性エンドソーム/リソソームに移動することができ、そこで、pHAb色素は、563nmで発光し、フロー・サイトメトリーによって検出することができる。ヒト骨髄CD34+細胞を、飽和する濃度のADCと共に、氷上で2時間インキュベートし、0、2、24、48、又は72時間インキュベートした。左のパネルは、経時的なpHAbのレベルをグラフで示す。蛍光色素分子-標識した抗-IgG分子を用いて、結合した表面hIgG1をフロー・サイトメトリーによって評価し、そこから、右のパネルに示すように、表面IgGの割合を経時的に計算した。 図17A及び17Bは、AbAから構築された抗-CD45 ADCが、in vitroにおいて、初代ヒト末梢血単核細胞(PBMC)又は初代カニクイザル末梢血単核細胞(PBMC)を傷害することに効果的であることを示す、in vitro初代細胞傷害アッセイの結果を図示する。AbA_D265C_LALA_H435A(AbAのFcバリアント)を、2種のアマトキシンのうちの1種、即ち、アマトキシン1(AM1)又はアマトキシン2(AM2)にコンジュゲートさせて、AbA_D265C_LALA_H435A-AM1又はAbA_D265C_LALA_H435A-AM2を形成した。ヒトPBMCを、示したCD45-AMコンジュゲート(AbA_D265C_LALA-H435A-AM1(図17A)、若しくはAbA_D265C_LALA-H435A-AM2(図17B))、又はコントロール、非-ターゲティング・アイソタイプ適合-ADC(「アイソタイプ-AM1」、若しくは「アイソタイプ-AM2」)の存在下で、7日間、培養し、細胞生存率(y-軸)を、抗体濃度を横軸(x-軸)として、Celltiter Gloによって測定した。 図18は、AbAから構築された抗-CD45 ADCが、in vitroにおいて、ヒト造血幹細胞(HSC)を傷害することに効果的であることを示す、in vitro初代細胞傷害アッセイの結果を図示する。AbAのFcバリアントである、AbA_D265C_LALA_H435A、及びAbA_D265C_LALA_IHHを、アマトキシン1(AM1)、アマトキシン2(AM2)、又はPBDにコンジュゲートさせて、AbA_D265C_LALA_H435A-AM1、AbA_D265C_LALA_H435A-AM2、又はAbA_D265C_LALA_IHH-PBDを形成した。示したADC(AbA_D265C_LALA_H435A-AM1、及びAbA_D265C_LALA_IHH-PBD)又はアイソタイプ・コントロールの存在下で、初代ヒトCD34+骨髄細胞を、5日間、培養した。生きているCD34+CD90+ HSCの数(y-軸)を、抗体濃度を横軸(x-軸)として、フロー・サイトメトリーによって測定した。 図19は、AbAから構築された抗-CD45 ADCが、in vitroにおいて、マクロファージを傷害することに効果的であることを示す、in vitro傷害アッセイの結果を図示する。AbA_D265C_LALA_H435A(AbAのFcバリアント)をアマトキシン1(AM1)にコンジュゲートさせて、AbA_D265C_LALA_H435A-AM1(CD45 ADC)を形成した。ADC(AbA_D265C_LALA_H435A-AM1)又はコントロール、非-ターゲティング・アイソタイプ適合-ADC(「アイソタイプ-AM1」)の存在下で、マクロファージを、6日間、培養し、細胞生存率を、抗体濃度を横軸(x-軸)として、Celltiter Gloによる発光(y-軸)として測定した。 図20は、末梢血におけるヒト細胞の減少を評価した、抗-CD45抗体薬物コンジュゲート(AbA-PBD)で処置したヒト化NSGマウスにおけるin vivo減少アッセイの結果をグラフで示す。hNSGマウスに、媒体(PBS)、アイソタイプ・コントロール-PBD(「Iso-PBD」)、又はCD45-PBD(AbA-PBD)の何れかの、示した単回用量を投与した。示した時点で末梢血を採取し、総ヒト造血細胞含有量(hβ2M+)、骨髄性細胞含有量(CD33+)、B細胞含有量(CD19+)、及びT細胞含有量(CD3+)について、評価した。本結果を、ベースラインに対して標準化した、減少率として示す。 図21は、骨髄におけるヒト細胞の減少を評価した、抗-CD45-ADC(AbA-PBD)で処置したヒト化NSGマウスにおけるin vivo減少アッセイの結果を図示する。hNSGマウスに、媒体(PBS)、アイソタイプ-PBD、又はCD45-PBD(AbA-PBD)の何れかの、示した単回用量を投与した。BMサンプルを処置後14日目に採取し、ヒト前駆体細胞/HSC含有量について評価した。本結果を、ヒト細胞の割合及び絶対数/大腿骨として示す。 図22は、ヒトCD45+細胞、ダブル-ポジティブ(double-positive (DP))胸腺細胞、成熟CD4+シングル-ポジティブ(single-positive (SP))胸腺細胞、又は成熟CD8+シングル-ポジティブ(single-positive (SP))胸腺細胞の減少を、処置14日後に評価した、抗-CD45-ADC(AbA-PBD)で処置したヒト化NSGマウスにおけるin vivo減少アッセイの結果を図示する。hNSGマウスに、媒体(PBS)、アイソタイプ-PBD、又はCD45-PBD(AbA-PBD)の何れかの、示した単回用量を投与した。 図23は、末梢血におけるヒト細胞の減少を評価した、抗-CD45抗体薬物コンジュゲート(AbA-IGN)で処置したヒト化NSGマウスにおけるin vivo減少アッセイの結果を図示する。hNSGマウスに、媒体(PBS)、アイソタイプ・コントロール-IGN(「Iso-IGN」)、又はCD45-IGN(AbA-IGN)の何れかの、示した単回用量を投与した。示した時点で末梢血を採取し、総ヒト造血細胞含有量(hβ2M+)、骨髄性細胞含有量(CD33+)、B細胞含有量(CD19+)、及びT細胞含有量(CD3+)について、評価した。本結果を、ベースラインに対して標準化した、減少率として示す。 図24は、骨髄におけるヒト細胞の減少を評価した、CD45-IGNで処置したヒト化NSGマウスにおけるin vivo減少アッセイの結果を図示する。hNSGマウスに、媒体(PBS)、アイソタイプ-IGN、又はCD45-IGNの何れかの、示した単回用量を投与した。BMサンプルを処置後14日目に採取し、ヒト前駆体細胞/HSC含有量について評価した。本結果を、ヒト細胞の割合及び絶対数/大腿骨として示す。 図25は、ヒトCD45+細胞、ダブル-ポジティブ(double-positive (DP))胸腺細胞、成熟CD4+シングル-ポジティブ(single-positive (SP))胸腺細胞、又は成熟CD8+シングル-ポジティブ(single-positive (SP))胸腺細胞の減少を、評価した、AbA-IGNで処置したヒト化NSGマウスにおけるin vivo減少アッセイの結果を図示する。hNSGマウスに、媒体(PBS)、アイソタイプ-IGN、又はAbA-IGNの何れかの示した単回用量を投与した。 図26は、AbAから構築された抗-CD45-アマトキシンADCが、in vivoにおいて、非-ヒト霊長類HSC及び免疫細胞を減少させることに効果的であることを示す、in vivo細胞減少アッセイの結果を図示する。AbA_D265C_LALA_H435A(AbAのFcバリアント)(前記Fc領域中の改変を導入して、半減期を低下させた)を、アマトキシン1(AM1)又はアマトキシン2(AM2)にコンジュゲートさせて、AbA_D265C_LALA_H435A-AM1(「CD45 ADC-AM1」)又はAbA_D265C_LALA_H435A-AM2(「CD45 ADC-AM2」)を形成した。カニクイザルの骨髄における白血球細胞、HSC、並びに免疫細胞(B-細胞、T-細胞、及び骨髄細胞)のレベルを、示したADCの単回1 mg/kg注射投与後の、示した時間 (6日目、14日目、20日目、及び28日目)に、測定した。 図27は、AbAから構築された抗-CD45 ADCの、カニクイザルにおける薬物動態解析の結果を図示する。AbA_D265C_LALA_H435A(AbAのFcバリアント)(前記Fc領域中の改変を導入して、半減期を低下させた)を、アマトキシン1(AM1)又はアマトキシン2(AM2)にコンジュゲートさせて、AbA_D265C_LALA_H435A-AM1(「CD45 ADC-AM1」)又はAbA_D265C_LALA_H435A-AM2(「CD45 ADC-AM2」)を形成した。各ADCの平均血漿薬物濃度(y-軸)を経時的に(x-軸)モニターした。 図28は、AbA-AM ADCの単回用量が患者由来腫瘍に対して細胞減少性であることを、並びに未処置及び難治性疾患を模倣するためのモデルのパネルにわたって、標準治療を超えて生存を延長することを、示すin vivoマウス試験の結果を図示する。AMLの患者由来異種移植片(Patient derived xenograft (PDX))モデル[AML #1(治療歴のない患者に由来)、AML #2(多くの前治療歴のある、同種異系HSCT後の再発難治性患者に由来)]、及びT-ALL(DHAP化学療法後に進行する患者に由来)を、細胞株由来のALLモデルの不死化細胞株(REH-Luc)と一緒に、免疫不全マウス(NSG-SGM3、又はNSG)に全身的に接種した。PDX(n=3-5匹/群)及びCDXマウスの末梢の腫瘍負荷が末梢血中で2-16%の芽球に達した場合、又は、REH-lucモデルについて(n=10匹/群)、移植後5日目に達した場合、処置を開始した。単回用量の抗-CD45-ADC(1、3、6、又は10 mg/kg)を、媒体(PBS)又はアイソタイプ-AM(6、又は10 mg/kg)と比較したところ、Ara-c(30 mg/kg QDx5、IV)、デキサメタゾン(5 mg/kg Q3Dx9、IP)、又はドキソルビシン(3 mg/kg QWx3、IV)の、臨床的に検証された標準治療レジメンと同等であった。本試験期間における腫瘍負荷を示す。 図29A-29Cは、短い半減期のCD45-ADC(AbA-AM)が、REH-ルシフェラーゼALL異種移植片モデルにおける生存期間の中央値を増加させることを示す、in vivoマウス試験の結果を図示する。図29Aは、示した処置群におけるマウスについて、移植後の日数を横軸として、生存率を図示する。図29Bは、示した処置群における、本研究の時間経過での、REH-ルシフェラーゼにおける放射輝度(radiance)のレベル(平均± SEM)を図示する。図29Cは、全ての処置群についての、移植後22-23日目に取得した、代表的な生物発光シグナルの擬似カラーによるイメージである。 図30A及び30Bは、短い半減期のCD45-ADC(AbA-AM)が、T-ALL PDXモデルにおいて、腫瘍増殖を遅くさせ、末梢白血病細胞(Peripheral Leukemia Cells)を減少させることを示すin vivoマウス試験の結果を図示する。図30Aは、示した処置群におけるマウスについて、移植後の日数を横軸として、生存率を図示する。図30Bは、示した処置群の各々におけるマウスについて、移植後日数を横軸として、末梢血中の腫瘍負荷%(hCD45+)を図示する。 図31A-31Dは、2例の患者由来のAMLモデルにおいて、短い半減期のCD45-DC(AbA-AM)が、効果的にヒト白血病細胞を減少させることを示す、in vivoマウス試験の結果を図示する。図31A及び31Bは、示した処置群におけるPDXモデルAML #1マウス(図31A)又はPDXモデルAML #2マウス(図31B)について、移植後の日数を横軸として、生存率を図示する。図31A及び31Bの各々の挿入図は、疾患マウス由来の脾臓細胞上で、CD117及びCD45が細胞表面発現をすることを評価するための、各々のAML PDXモデルに関するフロー・サイトメトリー解析を図示する。図31C及び31Dは、示した治療群の各々における、PDXモデルAML #1マウス(図31C)及びPDXモデルAML #2マウス(図31D)について、移植後の日数を横軸として、末梢血における腫瘍負荷率(hCD45+)を図示する。 図32は、抗-CD45抗体Ab1、Ab2、Ab3、Ab4、Ab5、Ab6、及びAb7の重鎖可変領域及び軽鎖可変領域の多重配列アラインメントを図示する。それぞれの可変領域のCDRを、太字で示す。
[詳細な説明]
有用である新規な抗-CD45抗体、その抗原結合フラグメント、及びそのコンジュゲート(例えば、抗体薬物コンジュゲート;ADC)を、本出願で開示する(例えば、それらは、ヒトCD45と非-ヒト霊長類CD45との間で交差反応するので有用である)。更に、本出願に記載
する抗-CD45抗体及びそのフラグメントを、治療薬剤として使用することがある。例えば
、抗-CD45抗体、そのフラグメント、及び抗-CD45 ADCを使用して、CD45+細胞を減少させ
ることが有益である症状(例えば、限定されるものではないが、白血病及びリンパ腫)を有する患者、並びに多発性硬化症及び強皮症のような自己免疫疾患を有する患者、を治療することがある。また、本出願に含まれる、その抗-造血細胞抗体(抗-CD45抗体)は、造血幹細胞療法に有用である。例えば、本出願の抗体又はADCは、造血幹細胞を含む移植片を
受けることに備えて、患者に対して準備をする、コンディショニング手順において有用である。このような手順によって、造血幹細胞移植の生着が促進される。本出願に記載する方法によれば、CD45(例えば、造血細胞[例えば、造血幹細胞又は成熟免疫細胞(例えば
、T細胞)]が発現するCD45)と結合することができる抗-CD45 ADC、抗体又はその抗原結
合フラグメントを患者に投与することによって、前記患者を造血幹細胞移植療法に備えてコンディショニングすることがある。本出願に記載するように、前記抗-CD45抗体を、抗
体薬物コンジュゲート(ADC)を形成するように、細胞毒素に共有結合的にコンジュゲート
させることがある。造血幹細胞移植療法を必要とする患者に、CD45と結合することができるADCを投与すると、例えば、内因性の造血幹細胞が選択的に減少し、それによって、外
因性の造血幹細胞の移植片によって埋められる空きができることにより、造血幹細胞の移
植片の生着が促進されることがある。
以下の部分は、ユニークな特性(例えば、ヒトCD45及び非-ヒト霊長類CD45の両方との交差反応性)を有する、新規な抗-CD45抗体、及びそのフラグメントを提供する。以下の部分ではまた、造血幹細胞移植片の生着を促進するために、がん若しくは自己免疫疾患に罹患している患者、又は造血幹細胞移植療法を必要とする患者などの患者に投与することがある抗-CD45抗体又はそのコンジュゲートに関する説明、並びに(例えば、造血幹細胞移植の前に)そのような治療剤を患者に投与する方法、も提供する。
定義
本出願で使用する場合、用語「約」は、記載される値より5%高い値又は低い値をいう。例えば、用語「約100 nM」は、95から105 nMの範囲を示す。
本出願で使用する場合、用語「同種異系」は、移植の文脈において、ドナー(donor)か
らレシピエント(recipient)に移植される移植物(例えば、細胞、組織又は臓器移植)を定
義するために使用され、ここで、前記レシピエント(recipient)は、前記ドナー(donor)と比較して、同じ種の異なった個体である。
本出願で使用する場合、用語「自己」は、移植の文脈において、ドナー(donor)及びレ
シピエント(recipient)が同じ個体、即ち同じ対象である移植を指す。
本出願で使用する場合、用語「異種」は、移植の文脈において、ドナー(donor)及びレ
シピエント(recipient)が異なる種のものである移植を指す。
本出願で使用する場合、用語「免疫細胞」は、限定されるものではないが、造血起源である、且つ免疫応答において役割を果たす、細胞、を含むことが意図される。免疫細胞としては、限定されるものではないが、T細胞及びナチュラル・キラー(NK)細胞が挙げられ
る。ナチュラル・キラー細胞は、当技術分野で周知である。1つの実施形態では、ナチュ
ラル・キラー細胞として、NK-92細胞などの細胞株が挙げられる。NK細胞株の更なる例と
しては、NKG、YT、NK-YS、HANK-1、YTS細胞、及びNKL細胞が挙げられる。免疫細胞は、同種異系又は自己であることがある。
本出願で使用する場合、用語「抗体」は、特定の抗原に特異的に結合するか、又は特定の抗原と免疫学的に反応性である、免疫グロブリン分子のことを指す。抗体としては、限定されるものではないが、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、マルチスペシフィック抗体(例えば、バイスペシフィック抗体)(multispecific antibodies (e.g., bispecific antibodies))、及び抗体フラグメント、が(それらが所望の抗原結合活性を示す限り)挙げられる。
一般的に、抗体は、抗原結合領域を含む重鎖及び軽鎖を含む。各重鎖は、重鎖可変領域(本出願では、HCVR又はVHと略す)及び重鎖定常領域から構成される。前記重鎖定常領域は、3つのドメイン(CH1、CH2及びCH3)から構成される。各軽鎖は、軽鎖可変領域(本出願
では、LCVR又はVLと略す)及び軽鎖定常領域から構成される。前記軽鎖定常領域は、1つのドメイン(CL)から構成される。前記VH及びVL領域は、超可変性の領域(相補性決定領域(CDRs)と呼ばれる)に更に細分化することができ、より保存された領域(骨格領域(FR)と呼ばれる)が点在する。各VH及びVLは、3つのCDR及び4つのFRから構成され、アミノ末端
からカルボキシル末端に向かって、以下の順序で配列する:FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3
、CDR3、FR4。前記重鎖及び軽鎖の可変領域は、抗原と相互作用する結合ドメインを含む
。前記抗体の定常領域は、前記免疫グロブリンが宿主の組織又は因子(例えば、免疫システムの種々の細胞(例、エフェクター細胞)及び古典的補体システムの第一成分(C1q)等)
に結合することを、仲立ちすることがある。
本出願で使用する場合、抗体の、用語「抗原結合フラグメント(antigen-binding fragment)」又は「抗原結合部分(antigen binding portion)」は、ターゲット抗原に特異的に
結合する作用能を保持する抗体の1つ以上の部分をいう。抗体の抗原結合機能を、全長抗
体のフラグメントによって果たすことができる。前記抗体フラグメントは、例えば、Fab
、F(ab')2、scFv、ダイアボディ、トリアボディ、アフィボディ、ナノボディ、アプタマ
ー、又はドメイン抗体であることがある。抗体の「抗原結合フラグメント」という用語に包含される結合フラグメントの例としては、限定されるものではないが、以下が挙げられる:(i)Fabフラグメント、VL、VH、CL及びCH1ドメインからなる一価フラグメント;(ii)F(ab')2フラグメント、ヒンジ領域でジスルフィド架橋によって連結した、2つのFabフラグメントを含む二価フラグメント;(iii) VH及びCH1ドメインからなるFdフラグメント;(iv)抗体の単一アームのVL及びVHドメインからなるFvフラグメント;(v) VH及びVLドメイン
を含むdAb;(vi) VHドメインからなるdAbフラグメント(例えば、Ward et al., Nature 341:544-546、1989を参照のこと);(vii) VH又はVLドメインからなるdAb;(viii)単離した
相補性決定領域(CDR);並びに(ix)合成リンカーによって任意選択的に連結することがあ
る2つ以上(例えば、2つ、3つ、4つ、5つ、又は6つ)の単離したCDRの組み合わせ。更に、Fvフラグメントの2つのドメイン(VL及びVH)は、別々の遺伝子によってコードされているが、それらを、組換え方法を使用することで、リンカーによって連結して、その結果、単一タンパク質鎖(VL及びVH領域が対になって一価分子を形成する)とすることができる(
単鎖Fv(scFv)として公知である;例えば、Bird et al., Science 242:423-426, 1988 及
び Huston et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 85:5879-5883, 1988を参照のこと)。これらの抗体フラグメントを、当業者に公知の従来の技術を使用して入手することができ、及び前記フラグメントを、インタクトな(intact)抗体と同じ様式で、有用性についてスクリーニングすることができる。抗原結合フラグメントを、組換えDNA技術、インタクトな
免疫グロブリンの酵素的な又は化学的な切断によって、又は、ある場合には、当該技術分野で公知の化学的ペプチド合成手順によって、産生することができる。
本出願で使用する場合、「インタクト(intact)」又は「全長」抗体は、ジスルフィド結合によって相互接続した2つの重(H)鎖ポリペプチド及び2つの軽(L)鎖ポリペプチドを有する抗体を指す。ある特定の実施形態では、毒素を、本出願に記載する重鎖アミノ酸配列及び/又は軽鎖アミノ酸配列を有する、インタクトな抗-CD45抗体にコンジュゲートさせる
ことがある。
本出願で使用する用語「モノクローナル抗体」は、任意の真核生物、原核生物、又はファージ・クローンを含む単一のクローンから、当技術分野で利用可能な、又は公知の任意の手段によって、得られる抗体を指す、そしてハイブリドーマ技術によって産生される抗体に限定されない。本開示で有用なモノクローナル抗体を、ハイブリドーマ、組換え、及びファージ・ディスプレイ技術、又はそれらの組合せを使用することを含む、当技術分野で公知の多種多様な技術を使用して調製することができる。
用語「Fc領域」、「Fcドメイン」、及び「IgG Fcドメイン」は、本出願で使用する場合、IgG分子のパパイン消化によって得られる結晶化可能なフラグメントに関する免疫グロ
ブリン(例えば、IgG分子)の一部を指す。前記Fc領域は、ジスルフィド結合によって連
結した、IgG分子の2本の重鎖のC末端側の半分を含む。これは、抗原結合活性を有さない
が、糖部分、並びに補体及びFcRnレセプター等を含むFcレセプターに対する結合部位を含む(下記参照)。例えば、Fc領域は、第2の定常ドメインCH2(IgG1のEU位置231-340の残基)及び第3の定常ドメインCH3(ヒトIgG1のEU位置341-447の残基)を含む。本出願で使用する場合、前記Fc領域は、「ロワー・ヒンジ領域(lower hinge region)」(IgG1のEU位置233-239の残基)を含む。
Fcは、単離されたこの領域、又は抗体、抗体フラグメント、若しくはFc融合タンパク質の文脈におけるこの領域、を指すことがある。多型が、限定されるものではないが、EU位置270、272、312、315、356、及び358等を含む、Fcドメイン内の多くの位置で観察されてきており、従って、本出願で提示される配列と当該技術分野で知られている配列との間にわずかな差異が存在することがある。従って、「野生型IgG Fcドメイン」又は「WT IgG Fcドメイン」は、任意の自然に発生するIgG Fc領域(即ち、任意のアレル)を指す。ヒトIgG1、IgG2、IgG3及びIgG4の重鎖の配列は、多くの配列データベース中に見つけることがで
き、例えば、Uniprotデータベース(www.uniprot.org)では、それぞれ、アクセション番号P01857(IGHG1_human)、P01859(IGHG2_human)、P01860(IGHG3_human)及びP01861(IGHG1_human)である。
本出願で使用する場合、用語「改変したFc領域」又は「バリアントFc領域」は、Fc領域内の任意の位置に導入された、1つ以上のアミノ酸置換、欠失、挿入又は改変を含むIgG Fcドメインを指す。ある特定の態様では、バリアントIgG Fcドメインは、1つ以上のアミノ酸置換を含み、その結果、前記1つ以上のアミノ酸置換を含まない野生型Fcドメインと比
較して、FcガンマR及び/又はC1qに対する結合親和性が減少する又は無くなる。更に、Fc結合相互作用は、様々なエフェクター機能及び下流のシグナル伝達イベント(抗体依存性細胞媒介性細胞傷害(antibody dependent cell-mediated cytotoxicity (ADCC))及び補体依存性細胞傷害(complement dependent cytotoxicity (CDC))等を含むが、これらに限定
されない)にとって必須である。従って、ある特定の態様では、バリアントFcドメインを含む抗体(例えば、抗体、融合タンパク質、又はコンジュゲート)は、1つ以上のアミノ酸
置換、欠失、挿入、又は改変を含まないが他の点では同じアミノ酸配列(例えば、Fc領域
中の対応する位置に天然に存在するアミノ酸残基を含む、改変していないFc領域)を有す
る、対応する抗体と比較して、少なくとも1種以上のFcリガンド(例えば、FcガンマR)に対する結合親和性が変わることがある。
バリアントFcドメインは、それらを構成するアミノ酸改変に従って定義される。Fc領域に関して本出願で議論される全てのアミノ酸置換について、番号付けは、常にKabatにあ
るようなEUインデックスに従う。従って、例えば、D265Cは、親Fcドメインに対して、EU
位置265のアスパラギン酸(D)がシステイン(C)で置換されたFcバリアントである。置換を
入れる順序は任意であることに留意されたい。
用語「Fcガンマ・レセプター」又は「FcガンマR」は、本出願で使用する場合、IgG抗体Fc領域に結合する、及びFcガンマR遺伝子によってコードされるタンパク質のファミリー
の任意のメンバーを指す。ヒトにおいては、このファミリーは、限定されるものではないが、FcガンマRI (CD64)(例えば、アイソフォーム FcガンマRIa、FcガンマRIb、及びFcガンマRIcなど);FcガンマRII (CD32)(例えば、アイソフォームFcガンマRIIa[例えば、
アロタイプH131及びR131]、FcガンマRIIb[例えば、FcガンマRIIb-1 及び FcガンマRIIb-2]、並びにFcガンマRIIcなど);並びにFcガンマRIII (CD16)(例えば、アイソフォー
ムFcガンマRIIIa[例えば、アロタイプV158及びF158]並びにFcガンマRIIIb[例えば、アロタイプFcガンマRIIIb-NA1及びFcガンマRIIIb-NA2]、並びに任意の未発見のヒトFcガンマR又はFcガンマRのアイソフォーム若しくはアロタイプ、を含む。FcガンマRは、任意の
生命体(例えば、限定されるものではないが、ヒト、マウス、ラット、ウサギ及びサルなど)に由来することがある。マウスFcガンマRは、限定されるものではないが、FcガンマRI (CD64)、FcガンマRII (CD32)、FcガンマRIII (CD16)、及びFcガンマRIII-2 (CD16-2)、並びに任意の未発見のマウスFcガンマR又はFcガンマRのアイソフォーム若しくはアロタイプ、を含む。
用語「エフェクター機能」は、本出願で使用する場合、FcドメインとFcレセプターとの
相互作用から生じる、生化学的な事象を指す。エフェクター機能としては、限定されるものではないが、ADCC、ADCP、及びCDCが挙げられる。本出願で使用する「エフェクター細
胞」は、1つ以上のFcレセプターを発現する、及び1つ以上のエフェクター機能を媒介する、免疫システムの細胞をいう。エフェクター細胞としては、限定されるものではないが、単球、マクロファージ、好中球、樹状細胞、好酸球、マスト細胞、血小板(platelets)、B細胞、大顆粒リンパ球、ランゲルハンス細胞、ナチュラル・キラー(NK)細胞、及びガンマ-デルタT細胞、が挙げられる、並びに任意の生命体(例えば、限定されるものではないが、ヒト、マウス、ラット、ウサギ及びサル)に由来する。
本出願で使用する場合、用語「サイレント(silent)」、「サイレンス化(silenced)」又は「サイレンシング(silencing)」は、改変していないFc領域を含む同じ抗体のFcγRへの結合と比較して、Fcガンマ・レセプター(FcγR)への結合が減少した、本出願に記載の改
変したFc領域を有する抗体を指す(例えば、BLIで測定した場合、例えば、改変していな
いFc領域を含む同じ抗体のFcγRへの結合と比較して、FcγRへの結合の減少が、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%、である)。いくつかの実施形態では、Fcサイレンス化(Fc silenced)抗体は、FcγRに、検出可能な結合を示さない。改変したFc領域を有する抗体のFcγRへの結合を、当技術分野で公知の様々な技術(例えば、限定されるものではないが、平衡方法[例えば、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA);KinExA、Rathanaswami et al. Analytical Biochemistry, Vol. 373:52-60, 2008;ラジオイムノアッセイ(RIA)]、又は表面プラズモン共
鳴アッセイ若しくは他のメカニズムの動態に基づくアッセイ[例えば、BIACORE.RTM解析
若しくはOctetTM解析(forteBIO)]、並びに他の方法[例えば、間接的結合アッセイ、競
合的結合アッセイ、蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)、ゲル電気泳動及びクロマトグラフィー(例えば、ゲルろ過)など])を使用して、測定することができる。これら及び他の方法は、1つ以上の評価する構成成分上にある標識を利用することがある、及び/又は、様
々な検出方法(例えば、限定されるものではないが、発色性標識、蛍光性標識、発光性標識、又は同位体標識など)を使用することがある。結合親和性及び動態に関しては、Paul, W. E., ed., Fundamental Immunology, 4th Ed., Lippincott-Raven, Philadelphia (1999)(これは、抗体-免疫原相互作用に焦点を当てている)に、詳細に記載されている。
競合的結合アッセイの一例は、標識抗原と目的の抗体とを、未標識の抗原の量を増やしながら、その存在下で、インキュベーションすること、及び前記標識抗原に結合した抗体を検出すること、を含むラジオイムノアッセイである。そのデータから、スキャッチャード・プロット解析により、特定の抗原に対する目的の抗体の親和性及び結合オフ-レート(off-rate)を決定することがある。第2の抗体との競合を、ラジオイムノアッセイを使用して、測定することもある。この場合、前記抗原を、標識化合物にコンジュゲートした目的の抗体と、非-標識の第2の抗体の量を増やしながら、その存在下で、インキュベーションする。
本出願で使用する場合、用語「改変していないFc領域を含む同じ抗体」は、列挙したアミノ酸置換(例えば、D265C、H435A)を欠くが、他の点では、比較されるFcを改変した抗体と、同じアミノ酸配列を有する抗体を指す。
用語「抗体依存性細胞媒介性細胞傷害(antibody dependent cell-mediated cytotoxicity)」又は「ADCC」は、細胞傷害性の一形態を指し、そこでは、Fcドメインを含むポリペ
プチド(例えば、抗体)が、ある特定の細胞傷害性細胞(例えば、主にNK細胞、好中球、及びマクロファージ)上に存在するFcレセプター(FcR)に結合する、並びにこれらの細胞傷
害性エフェクター細胞が、抗原を有する「ターゲット細胞」に特異的に結合するようになる、及び続いてその細胞毒素によって前記ターゲット細胞を傷害する(Hogarth et al., Nature review Drug Discovery 2012, 11:313)。抗体及びそのフラグメントに加えて、抗
原保有ターゲット細胞に特異的に結合する能力を有する、Fcドメインを含む他のポリペプ
チド(例えば、Fc融合タンパク質及びFcコンジュゲート・タンパク質)は、細胞媒介性細胞傷害をもたらすことが企図される。
単純化のために、Fcドメインを含むポリペプチドの活性から生じる細胞媒介性細胞傷害も、本出願では、ADCC活性と呼ぶ。本開示の任意の特定のポリペプチドの、ADCCによるターゲット細胞の溶解を媒介する能力を、アッセイすることができる。ADCC活性を評価するために、目的のポリぺプチド(例えば、抗体)を、免疫エフェクター細胞と一緒に、ターゲット細胞に添加し、その結果、前記ターゲット細胞を細胞溶解させる。細胞溶解を、一般的に、溶解した細胞から、標識(例えば、放射活性基質、蛍光色素又は天然の細胞内タン
パク質)が放出されることによって、検出する。このようなアッセイに有用なエフェクタ
ー細胞としては、末梢血単核細胞(PBMC)及びナチュラル・キラー(NK)細胞、が挙げられる。in vitro ADCCアッセイの具体例は、Bruggemann et al., J. Exp. Med. 166:1351 (1987); Wilkinson et al., J. Immunol. Methods 258:183 (2001); Patel et al., J. Immunol. Methods 184:29 (1995)、に記載されている。或いは、又は更に、目的の抗体のADCC
活性を、in vivoで(例えば、Clynes et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 95:652 (1998)に開示されるような動物モデルで)、評価することがある。
本出願で使用する場合、用語「コンディショニングをする」及び「コンディショニング」は、移植片(例えば、造血幹細胞を含む移植片)を受けることに備えて、患者に対して準備をするプロセスのことを指す。このような手順によって、造血幹細胞の移植片の生着は促進される(例えば、コンディショニング手順及び続いて行った造血幹細胞移植の後に
、患者から単離した血液サンプル内の生存可能な造血幹細胞の量が持続的に増大していることから推測される)。本出願に記載する方法に従って、造血幹細胞が発現するCD45に結
合し得るADC、抗体、又はその抗原結合フラグメントを患者に投与することによって、造
血幹細胞移植療法に備えて、前記患者をコンディショニングすることがある。本出願に記載するように、前記抗体を、薬物-抗体コンジュゲートを形成するように、細胞毒素に共
有結合的にコンジュゲートさせることがある。上記の抗原に結合し得る、抗体、その抗原結合フラグメン、又はADCを、造血幹細胞移植療法を必要とする患者に投与することは、
例えば、内因性の造血幹細胞を選択的に減少させて、それによって、外因性の造血幹細胞の移植片によって埋められる空きができることにより、造血幹細胞移植片が生着することを促進することがある。
本出願で使用する場合、用語「有効量」又は「治療有効量」は、患者における疾患又は障害の徴候を、治療する、予防する、改善する、又は減少させる、ことの文脈における所望の結果を達成させるのに充分な治療薬剤(例えば、抗-CD45 ADC)の量をいう。例えば
、いくつかの実施形態では、抗-CD45抗体又はADCの治療有効量は、患者において、CD45+
細胞の集団を減少させる(reduce)又は減少させる(deplete)のに充分な量である。他の実
施形態では、抗-CD45抗体又はADCの治療有効量は、造血幹細胞移植を受けることに備えて、患者をコンディショニングするのに充分な量である。そのような実施形態では、前記治療有効量は、例えば、内因性の造血幹細胞を、患者から選択的に減少させるのに十分な量、及び/又は患者における造血幹細胞移植物の生着を促進するのに十分な量、であることがある。他の実施形態では、抗-CD45抗体又はADCの治療有効量は、ヒト患者において、自己免疫疾患又はがんに対して効果を及ぼすのに充分な量である。
本出願で使用する場合、用語「半減期」は、対象、例えば、ヒト対象において、体内での抗体薬物の血漿中濃度が半分又は50%減少するのにかかる時間を指す。この血清濃度の50%の低下は、循環する薬物の量を反映する。
本出願で使用する場合、用語「血液から実質的に除去される(substantially cleared from the blood)」は、患者への治療薬剤(例えば、抗-CD45抗体又はその抗原結合フラグメ
ント)の投与後の時点であって、患者から単離した血液サンプル中の治療薬剤の濃度が、
従来の方法によって前記治療薬剤を検出できないようなものである時点(例えば、前記治
療薬剤が、前記治療薬剤を検出するために使用されるデバイス又はアッセイのノイズしきい値を超えて検出できないようなものである時点)、を指す。当技術分野で公知の、又は
本出願に記載するELISA-ベースの検出アッセイなどの、当技術分野で公知の種々の技術を使用して、抗体、又は抗体フラグメントを検出することがある。抗体又は抗体フラグメントを検出するために使用することがある、更なるアッセイとしては、当技術分野で公知のとりわけ、免疫沈降技術及びイムノブロット・アッセイ、が挙げられる。
本出願で使用する場合、用語「特異的結合(specific binding)」又は「特異的に結合する(specifically binding)」は、抗体が、広くタンパク質類というよりも、特異的なタンパク質構造(エピトープ)を認識することができること、及び結合することができること、を指す。抗体がエピトープ「A」に特異的である場合、標識された「A」及び前記抗体を含む反応において、エピトープA(又はフリーの未標識のA)を含む分子が存在すると、前記抗体に結合する標識されたAの量が減少する。例えば、前記抗体が、標識されている場合
に、対応する非-標識の抗体によって、ターゲットから競合的に離れることがある場合、
そのターゲットに「特異的に結合する(binds specifically)」。1つの実施形態では、抗
体は、ターゲット(例えば、CD45)に、前記抗体が、少なくとも約10-4 M、10-5 M、10-6
M、10-7 M、10-8 M、10-9 M、10-10 M、10-11 M、10-12 M、又はそれ未満(未満とは、10-12未満の数値を意味する、例えば10-13)の、前記ターゲットに対するKDを有する場合、
特異的に結合する。1つの実施形態では、用語「CD45への特異的結合(specific binding to CD45)」又は「CD45に特異的に結合する(specifically binds to CD45)」は、本出願で
使用する場合、CD45に結合し、表面プラズモン共鳴によって測定した場合に、1.0×10-7 M以下の解離定数(KD)を有する、抗体を指す。1つの実施形態では、KD (M)を、標準的なバイオレイヤー干渉法(Bio-Layer Interferometry)(BLI)によって測定する。1つの実施形態では、Koff(1/s)を、標準的なバイオレイヤー干渉法(Bio-Layer Interferometry)(BLI)によって測定する。しかし、前記抗体は、配列が関連する2つ以上の抗原に特異的に結合す
ることができることを理解されたい。例えば、1つの実施形態では、抗体は、CD45のヒト
及び非-ヒト(例えば、マウス、カニクイザル又は非-ヒト霊長類)オルソログの両方に特異的に結合することがある。従って、本出願で使用する場合、「ヒトCD45に特異的に結合する(specifically binds to human CD45)」抗体は、ヒトCD45(及び、おそらく1種以上の非-ヒト種[例えば、カニクイザルなど]由来のCD45)と結合するが、非-CD45タンパク質
とは実質的に結合しない抗体を指すことが意図される。好ましくは、前記抗体は、1x10-7
M以下のKD、5x10-8 M以下のKD、3x10-8 M以下のKD、1x10-8 M以下のKD、又は5x10-9 M以下のKDで、ヒトCD45に結合する。
本出願で使用する場合、用語「ヒト抗体」は、ヒト生殖系列免疫グロブリン配列に由来する可変領域を有する抗体を含むことが意図される。ヒト抗体が定常領域を含む実施形態では、前記定常領域は、ヒト生殖系列免疫グロブリン配列に、同様に由来することがある。ヒト抗体は、ヒト生殖系列免疫グロブリン配列によってコードされていないアミノ酸残基(例えば、in vitroでのランダムな若しくは部位特異的な変異誘発によって導入された
変異、又はin vivoでの遺伝子再構成若しくは体細胞変異によって導入された変異)を含むことがある。しかし、本出願で使用する場合、用語「ヒト抗体」に、マウス等の別の哺乳動物種の生殖系列に由来するCDR配列をヒトの骨格配列上に移植した抗体が含まれること
を、意図していない。ヒト抗体を、ヒト細胞において(例えば、組換え発現によって)、又は機能的に再構成したヒト免疫グロブリン(例えば、重鎖及び/又は軽鎖)遺伝子を発現し得る非-ヒト動物又は原核若しくは真核細胞によって、産生することがある。ヒト抗体が
単鎖抗体である場合、それは天然のヒト抗体には見出されないリンカー・ペプチドを含むことがある。例えば、Fvは、2個から約8個のグリシン又は他のアミノ酸残基のようなリンカー・ペプチドを含むことがあり、リンカー・ペプチドは前記重鎖の可変領域及び前記軽
鎖の可変領域を連結する。ヒト抗体を、ヒト免疫グロブリン配列に由来する抗体ライブラリを使用するファージ・ディスプレイ法、又は酵母ディスプレイ法を含む、当該技術分野で公知の種々の方法によって作製することがある。ヒト抗体はまた、機能的な内因性の免疫グロブリンを発現することはできないが、ヒト免疫グロブリン遺伝子を発現することができるトランスジェニック・マウスを使用して産生することもある(例えば、PCT公開番号WO 1998/24893; WO 1992/01047; WO 1996/34096; WO 1996/33735;米国特許第5,413,923号;第5,625,126号;第5,633,425号;第5,569,825号;第5,661,016号;第5,545,806号;第5,814,318号;第5,885,793号;第5,916,771号;及び第5,939,598号を参照のこと)。
用語「キメラ抗体」は、その可変領域配列が1つの種に由来する、及びその定常領域配
列が別の種に由来する、抗体(例えば、前記可変領域配列がラット抗体に由来し、前記定常領域配列がヒト抗体に由来する抗体に由来する抗体など)を指すことが意図される。
非-ヒト(例えば、マウス又はラット)抗体の「ヒト化」形態は、非-ヒト免疫グロブリンに由来する配列を最小限に含む免疫グロブリンである。一般的に、ヒト化抗体は、少なくとも1つ、典型的には2つの可変ドメインの実質的な全てを含み、ここで、CDR領域の全て
又は実質的な全ては非-ヒト免疫グロブリンのものに対応し、FR領域の全て又は実質的な
全てはヒト免疫グロブリン配列のものである。ヒト化抗体はまた、免疫グロブリン定常領域(Fc)の全て又は一部、典型的にはヒト免疫グロブリン・コンセンサス配列の全て又は一部、を含むこともある。抗体をヒト化する方法は、当技術分野で公知である。例えば、Riechmann et al., 1988, Nature 332:323-7; 米国特許 5,530,101; 5,585,089; 5,693,761; 5,693,762; 及び 6,180,370 to Queen et al.; EP239400; PCT公開 WO 91/09967; 米国特許 5,225,539; EP592106; EP519596; Padlan, 1991, Mol. Immunol., 28:489-498; Studnicka et al., 1994, Prot. Eng. 7:805-814; Roguska et al., 1994, Proc. Natl. Acad. Sci. 91:969-973; 及び 米国特許 5,565,332を参照。
本出願に記載する配列番号に記載される配列の「保存的な配列改変(conservative sequence modifications)」もまた提供される。保存的な配列改変としては、本出願で、その
同種抗原(例えば、CD45)に対して提供される、ヌクレオチド配列がコードするアミノ酸配列を含む、抗体又はその抗原結合部位の結合、を失わないヌクレオチド配列及びアミノ酸配列の改変、が挙げられる。そのような保存的な配列改変としては、保存的なヌクレオチド置換及びアミノ酸置換、並びにヌクレオチドの及びアミノ酸の、付加及び欠失、が挙げられる。例えば、改変を、部位特異的な変異誘発及びPCRを介した変異誘発など、当技術
分野で公知の通常の技術によって、本出願に記載の配列番号に導入することがある。保存的な配列改変としては、アミノ酸残基を類似の側鎖を有するアミノ酸残基で置換する、保存的なアミノ酸置換が含まれる。類似の側鎖を有するアミノ酸残基のファミリーは、当技術分野で定義されている。これらのファミリーとしては、塩基性側鎖(例えば、リジン、
アルギニン、ヒスチジン)、酸性側鎖(例えば、アスパラギン酸、グルタミン酸)、非荷電
極性側鎖(例えば、グリシン、アスパラギン、グルタミン、セリン、スレオニン、チロシ
ン、システイン、トリプトファン)、非極性側鎖(例えば、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン)、ベータ分岐側鎖(例えば、スレオニン、バリン、イソロイシン)及び芳香族側鎖(例えば、チロシン、フェニルアラニン、トリプトファン、ヒスチジン)を有するアミノ酸が挙げられる。従って、抗-CD73抗体中の予測される非必須アミノ酸残基を、同じ側鎖ファミリー由来の別のアミノ酸残基で好適に置換する。抗原結合を失うことが無いヌクレオチド及びアミノ酸の保存的置換を同定する方法は、当技術分野で周知である(例えば、Brummell et al., Biochem. 32:1180-1187 (1993); Kobayashi et al. Protein Eng. 12(10):879-884 (1999); 及び Burks et al. Proc. Natl. Acad. Sci. USA 94:412-417 (1997))。
本出願で使用する場合、用語「生着能力(engraftment potential)」は、造血幹細胞及
び造血前駆細胞が組織に再生着する作用能を指すために使用され、そのような細胞が天然に循環しているか、又は移植によって提供されるかに関わらない。前記用語は、注目する組織内での、細胞の組織ホーミング及び細胞のコロニー形成のような、生着を取り巻くか、又は生着に至るすべての事象を包含する。生着の効率又は生着の割合は、当業者に公知の任意の臨床的に許容されるパラメータを用いて評価又は定量することができ、例えば、競合的再生着ユニット(competitive repopulating unit)(CRU)を評価すること;幹細胞がホーミングした、コロニー形成をした、若しくは生着した組織において、マーカーが取り込まれること若しくは発現すること;又は、疾患の進行、造血幹細胞及び造血前駆細胞の生存、若しくはレシピエントの延命により、対象の進行を評価すること、を挙げることができる。生着は、移植後の期間に、末梢血中の白血球細胞数を測定することによっても判定することができる。生着を、骨髄吸引サンプルにおけるドナー細胞による骨髄細胞の回復率を測定することによって、評価することもできる。
本出願で使用する場合、用語「造血幹細胞」(「HSC」)とは、自己複製する能力、及び
顆粒球(例えば、前骨髄球、好中球,好酸球、好塩基球)、赤血球(例えば、網状赤血球、
赤血球)、血小板(thrombocyte)(例えば、巨核芽球、血小板(platelet)産生巨核球、血小
板(platelets))、単球(例えば、単球、マクロファージ)、樹状細胞、ミクログリア、破骨細胞、及びリンパ球(例えば、NK細胞、B細胞及びT細胞)を含むがこれらに限定されない多様な系列を含む成熟血液細胞に分化する能力、を有する未成熟血液細胞を指す。そのような細胞は、CD34+細胞を含むことがある。CD34+細胞は、CD34細胞表面マーカーを発現する未成熟細胞である。ヒトでは、CD34+細胞は、上記に定義された幹細胞の特性を有する細
胞の亜集団を含むと考えられているが、一方マウスでは、HSCはCD34-である。更に、HSC
はまた、長期再生着HSC(LT-HSC)及び短期再生着HSC(ST-HSC)も指す。LT-HSC及びST-HSCは、機能的な可能性及び細胞表面マーカーの発現に基づいて区別される。例えば、ヒトHSC
は、CD34+、CD38-、CD45RA-、CD90+、CD49F+、及びlin-(CD2、CD3、CD4、CD7、CD8、CD10、CD11B、CD19、CD20、CD56、CD235A等を含む成熟系列マーカーについてネガティブ)である。マウスでは、骨髄LT-HSCは、CD34-、SCA-1+、C-kit+、CD135-、Slamfl/CD150+、CD48-、及びlin-(Ter119、CD11b、Gr1、CD3、CD4、CD8、B220、IL7ra等を含む成熟系列マーカーについてネガティブ)であるが、一方、ST-HSCは、CD34+、SCA-1+、C-kit+、CD135-、Slamfl/CD150+、及びlin-(Ter119、CD11b、Gr1、CD3、CD4、CD8、B220、IL7ra等を含む成熟系列マーカーについてネガティブ)である。加えて、ST-HSCは、ホメオスタシス条件下で
、LT-HSCよりも静止性が低く、増殖性が高い。しかし、LT-HSCは、自己複製能がより高い(即ち、LT-HSCは、成人期を通して生存し、レシピエントを代々介して連続的に移植する
ことができる)のに対し、ST-HSCは、自己複製能が限られている(即ち、ST-HSCは、限られた期間のみ生存し、連続して移植することはできない)。これらのHSCの何れも、本出願に記載する方法において使用され得る。ST-HSCは、それらが高度に増殖性であり、それ故、分化した後代をより迅速に生じ得るので、特に有用である。
本出願で使用する場合、用語「造血幹細胞の機能的な可能性」は、1)多能性(multi-potency)(これは、限定されるものではないが、顆粒球[例えば、前骨髄球、好中球,好酸
球、好塩基球]、赤血球[例えば、網状赤血球、赤血球]、血小板(thrombocyte)[例え
ば、巨核芽球、血小板(platelet)産生巨核球、血小板(platelets)]、単球[例えば、単
球、マクロファージ]、樹状細胞、ミクログリア、破骨細胞、及びリンパ球[例えば、NK細胞、T細胞及びB細胞]等を含む、複数の様々な血液系列に分化する能力を指す)、2)自己複製(これは、母細胞と同等の可能性を有する娘細胞を生じさせる造血幹細胞の能力を指す、更に、この能力は消耗することなく個々の生存期間を通して繰り返し起こりうる)、並びに3)造血幹細胞又はその後代が、移植レシピエントに再導入されると、造血幹細胞ニッチにホーミングし、生産的で持続的な造血を再確立する作用能、を含む、造血幹細胞の機能的な特性を指す。
本出願で使用する場合、用語「対象」及び「患者」は、本出願に記載するような特定の疾患又は症状に対して治療を受ける、ヒトのような生命体を指す。いくつかの実施形態では、本出願が提供する方法において参照される対象又は患者は、ヒト対象である。
本出願で使用する場合、用語「レシピエント(recipient)」は、造血幹細胞の集団を含
む移植片等の移植片を受ける患者を指す。レシピエントに投与される移植細胞は、例えば、自家の、同系の、又は同種異系の細胞であることがある。
本出願で使用する場合、用語「治療する/処置する(to treat)」又は「治療/処置(treatment)」は、疾患に関する任意の結果の任意の改善(例えば、生存期間の延長、より少
ない罹患率、及び/又は代替の治療モダリティの副産物である副作用の減少)を指す;当該技術分野で容易に認識されるように、疾患を完全に根絶することが好ましいが、治療行為にとって必須ではない。例えば、治療は、疾患症状の重篤度及び/又は頻度を減少させること、疾患症状及び/又は前記症状の根本的な原因を除くこと、疾患症状の頻度若しくは可能性及び/又はそれらの根本的な原因を減少させること、並びに疾患によって直接的又は間接的に引き起こされた損傷を改善すること又は修復すること、を指すことがある。有益な又は所望の臨床的な結果としては、限定されるものではないが、本出願に記載するような抗体コンディショニング療法及び続いて行う造血幹細胞移植療法後に、患者において外因性の造血細胞の生着が促進されることが含まれる。更なる有益な結果には、造血幹細胞移植を必要としている患者において、コンディショニング療法及び続いて外因性の造血幹細胞移植片を前記患者に投与した後に、造血幹細胞の細胞数が増加すること又は相対的な濃度が増加すること、が含まれる。本出願に記載する療法の有益な結果にはまた、コンディショニング療法及び続いて行う造血幹細胞移植療法の後に、造血系列の1種以上の
細胞(例えば、巨核球、血小板(thrombocyte)、血小板(platelet)、赤血球、マスト細胞
、骨髄芽球、好塩基球、好中球、好酸球、ミクログリア細胞、顆粒球、単球、破骨細胞、抗原提示細胞、マクロファージ、樹状細胞、ナチュラル・キラー細胞、Tリンパ球、又はBリンパ球等)の細胞数が増加すること又は相対的な濃度が増加すること、が含まれることもある。更なる有益な結果には、がん細胞 (例えば、CD45+白血病細胞)又は自己免疫細胞(例えば、自己抗原と交差反応するT-細胞レセプターを発現するCD45+ T-細胞等のCD45+自己免疫リンパ球) の集団等の、疾患を引き起こす細胞集団の量が減少することが含まれることがある。本発明の方法が障害を予防することを対象とする限り、用語「予防する」は、疾患の状態が完全に阻止されることを必要としないことが理解される。むしろ、本出願で使用する場合、予防するという用語は、障害に感受性がある集団を同定し、疾患の発症前に本発明の化合物を投与すること等を、当業者ができることをいう。前記用語は、疾患の状態が完全に回避されることを意味するものではない。
本出願で使用する場合、造血幹細胞移植を「必要とする」患者は、1種以上の血液細胞
の型に欠陥又は欠損を示す患者、並びに幹細胞障害、自己免疫疾患、がん、又は本出願に記載する他の病態を有する患者を含む。造血幹細胞は、一般に、1)多能性(multi-potency)、従って、限定されるものではないが、顆粒球(例えば、前骨髄球、好中球,好酸球、
好塩基球)、赤血球(例えば、網状赤血球、赤血球)、血小板(thrombocyte)(例えば、巨核
芽球、血小板(platelet)産生巨核球、血小板(platelets))、単球(例えば、単球、マクロ
ファージ)、樹状細胞、ミクログリア、破骨細胞、及びリンパ球(例えば、NK細胞、B-細胞及びT-細胞)等を含む、複数の様々な血液系列に分化することができる、2)自己複製、従
って、母細胞と同等の可能性を有する娘細胞を生じさせることができる、並びに3)移植レシピエントに再導入されると、造血幹細胞ニッチにホーミングし、生産的で持続的な造血を再確立する作用能、を示す。従って、造血系列の1種以上の細胞型において欠陥がある
又は欠損した患者に、in vivoで、欠陥がある又は欠損した細胞の集団を再構成するため
に、造血幹細胞を投与することがある。例えば、前記患者は、がんに罹患していることがあり、前記欠損は、がん性細胞集団を選択的に又は非-特異的に減少させる化学療法剤又
は他の薬剤を投与することによって引き起こされることがある。更に、又はその代替として、前記患者は鎌状赤血球貧血、サラセミア、ファンコニ貧血、再生不良性貧血、及びウィスコット-アルドリッチ症候群等の異常ヘモグロビン症(例えば、非-悪性異常ヘモグロ
ビン症)に罹患していることがある。前記対象は、アデノシン・デアミナーゼ重度複合免
疫不全症(ADA SCID)、HIV/AIDS、異染性白質ジストロフィー、ダイアモンド-ブラックフ
ァン貧血、及びシュワックマン-ダイアモンド症候群に罹患している対象であることがあ
る。前記対象は遺伝性の血液障害(例えば、鎌状赤血球貧血)又は自己免疫疾患を有するか、又はその影響を受けていることがある。更に、又はその代替として、前記対象は、神経芽細胞腫又は血液がん等の悪性腫瘍を有するか、又はその影響を受けていることがある。例えば、前記対象は、白血病、リンパ腫又は骨髄腫を有していることがある。いくつかの実施形態では、前記対象は、急性骨髄性白血病、急性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、慢性リンパ性白血病、多発性骨髄腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫又は非-ホジキン・リンパ腫(non-Hodgkin’s lymphoma)を有する。いくつかの実施形態では、前記対象は
骨髄異形成症候群を有する。いくつかの実施形態では、前記対象は、強皮症、多発性硬化症、潰瘍性大腸炎、クローン病、I型糖尿病等の自己免疫疾患、又は本出願に記載する別
の自己免疫性の病態を有する。いくつかの実施形態では、前記対象は、キメラ抗原レセプターT-細胞(CART)療法を必要とする。いくつかの実施形態では、前記対象は、代謝性貯蔵障害を有するか、又はその影響を受けている。前記対象は、グリコーゲン蓄積症、ムコ多糖症、ゴーシェ病、ハーラー病、スフィンゴ脂質症、異染性白質ジストロフィー、からなる群より選択される代謝障害、又は本出願に開示される治療及び療法から恩恵を得ることができる任意の他の疾患又は障害(限定されるものではないが、重度複合免疫不全症、ウィスコット-アルドリッチ症候群、高免疫グロブリンM症候群、チェディアック-東病、遺
伝性リンパ組織球症、大理石骨病、骨形成不全症、貯蔵疾患、サラセミア・メジャー、鎌状赤血球症、全身性硬化症、全身性エリテマトーデス、多発性硬化症、若年性関節リウマチ)、並びに"Bone Marrow Transplantation for Non-Malignant disease"、ASH Education Book、1:319-338(2000)(この開示は、造血幹細胞移植療法を処方することによって治療される可能性のある病態に関するものであり、その全体が本出願に参照により取り込まれる)に記載されている疾患又は障害、に罹患している、又はその影響を受けていることがある。更に又は代わりに、造血幹細胞移植を「必要とする」患者は、前述の病態のうちの1種に罹患している又は罹患していない患者(それにもかかわらず、巨核球、血小板(thrombocyte)、血小板(platelet)、赤血球、マスト細胞、骨髄芽球、好塩基球、好中球、好酸球、ミクログリア、顆粒球、単球、破骨細胞、抗原提示細胞、マクロファージ、樹状細胞、ナチュラル・キラー細胞、T-リンパ球、及びB-リンパ球等の造血系列内の1種以上の
内因性の細胞型のレベルの低下[例えば、その他の点では健康である対象のレベルと比較して、低下]を示す)であることがある。当業者の中のある者は、例えば、当該技術分野で公知の手順の中でも特に、フロー・サイトメトリー及び蛍光活性化細胞選別(FACS)方法によって、前記の細胞型又は他の血液細胞の型のうちの1種以上のもののレベルが、その
他の点では健康である対象に対して、低下しているかどうかを容易に決定することができる。
本出願で使用する場合、語句「幹細胞障害」は、対象のターゲット組織をコンディショニングすることによって、及び/又はターゲット組織中の内因性の幹細胞集団を除去することによって(例えば、対象の骨髄組織から内因性の造血幹細胞集団若しくは造血前駆細
胞集団を除去することによって)、及び/又は対象のターゲット組織中に幹細胞を生着さ
せる若しくは移植することによって、治療又は治癒され得る任意の疾患、障害、又は症状を広く指す。例えば、I型糖尿病は、造血幹細胞移植によって治癒されることが示されて
おり、本出願に記載する組成物及び方法に従ってコンディショニングすることから恩恵を得ることができる。本出願に記載する組成物及び方法を使用して治療され得る更なる障害としては、限定されるものではないが、鎌状赤血球貧血、サラセミア、ファンコニ貧血、再生不良性貧血、ウィスコット-アルドリッチ症候群、ADA SCID、HIV/AIDS、異染性白質
ジストロフィー、ダイアモンド-ブラックファン貧血、及びシュワックマン-ダイアモンド症候群が挙げられる。本出願に記載する患者コンディショニング及び/又は造血幹細胞移植の方法を用いて治療することができる更なる疾患としては、遺伝性血液疾患(例えば、
鎌状赤血球貧血)及び強皮症、多発性硬化症、潰瘍性大腸炎、及びクローン病等の自己免
疫疾患が挙げられる。本出願に記載するコンディショニング及び/又は移植方法を使用して治療され得る更なる疾患としては、悪性腫瘍(例えば、神経芽細胞腫)、又は血液がん(
例えば、白血病、リンパ腫、及び骨髄腫)が挙げられる。例えば、前記がんは、急性骨髄
性白血病、急性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、慢性リンパ性白血病、多発性骨髄腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、又は非-ホジキン・リンパ腫(non-Hodgkin’s lymphoma)であることがある。本出願に記載のコンディショニング及び/又は移植方法を用いて
治療可能な更なる疾患としては、骨髄異形成症候群が挙げられる。いくつかの実施形態では、前記対象は、代謝性貯蔵障害を有するか、又はその影響を受けている。例えば、前記対象は、グリコーゲン蓄積症、ムコ多糖症、ゴーシェ病、ハーラー病、スフィンゴ脂質症、異染性白質ジストロフィー、からなる群より選択される代謝障害、又は本出願に開示される治療及び療法から恩恵を受けることができる任意の他の疾患又は障害(限定されるものではないが、重度複合免疫不全症、ウィスコット-アルドリッチ症候群、高免疫グロブ
リンM(IgM)症候群、チェディアック-東病、遺伝性リンパ組織球症、大理石骨病、骨形成
不全症、貯蔵疾患、サラセミア・メジャー、鎌状赤血球症、全身性硬化症、全身性エリテマトーデス(systemic lupus erythematosus)、多発性硬化症、若年性関節リウマチ)、並びに"Bone Marrow Transplantation for Non-Malignant disease"、ASH Education Book
、1:319-338(2000)(この開示は、造血幹細胞移植療法を処方することによって治療され
る可能性のある病態に関するものであり、その全体が本出願に参照により取り込まれる)に記載されている疾患又は障害、に罹患している、又はその影響を受けていることがある。
本出願で使用する場合、用語「ベクター」は、プラスミド、DNAベクター、プラスミド
、RNAベクター、ウイルス、又は他の好適なレプリコン等の、核酸ベクターを含む。本出
願に記載する発現ベクターは、ポリヌクレオチド配列、並びに、例えば、タンパク質を発現させるために及び/又は哺乳動物細胞のゲノムの中にこれらのポリヌクレオチド配列を組み込ませるために、使用する更なる配列エレメントを含むことがある。本発明の抗体及び抗体フラグメントを発現させるのに用いることができる、ある特定のベクターとしては、遺伝子転写を指示するプロモータ領域及びエンハンサー等の、調節配列を含むプラスミドが挙げられる。抗体及び抗体フラグメントを発現させるための他の有用なベクターは、これらの遺伝子の翻訳速度を増強するか、又は遺伝子転写から生じるmRNAの安定性若しくは核外への移行を改善するポリヌクレオチド配列を含む。これらの配列要素は、例えば、発現ベクター上にある遺伝子を効率的に転写するようにする、5'及び3'非翻訳領域及びポリアデニル化シグナル部位を含むことがある。本出願に記載する発現ベクターはまた、このようなベクターを含む細胞を選択するためのマーカーをコードするポリヌクレオチドを含むこともある。好適なマーカーの例としては、アンピシリン、クロラムフェニコール、カナマイシン、及びノウルセオスリシン(nourseothricin)等の抗生物質に対する耐性をコードする遺伝子が挙げられる。
本出願で使用する場合、用語「コンジュゲート」又は「抗体薬物コンジュゲート」又は「ADC」は、細胞毒素又は毒素に結合した抗体を指し、全体を通して互換的に使用される
。1つの実施形態では、ADCは、抗体又はその抗原結合フラグメントなどの、ある分子の反応性官能基と、本出願に記載する細胞毒素などの別の分子の適切な反応性官能基との化学的な結合によって形成される。いくつかの実施形態では、本出願が提供するコンジュゲートにおいて使用することがある細胞毒素の非-限定的な例としては、有機低分子(例えば、MW 1500Da以下)、生体分子(例えば、タンパク質)、薬物充填ナノ粒子、又は放射性核種、が挙げられる。コンジュゲートは、互いに結合した2つの分子間(例、抗体と細胞毒素の
間)に、リンカーを含むことがある。コンジュゲートの形成に用いることができるリンカーの例としては、ペプチド含有リンカー(例えば、天然に存在する又は天然に存在しないアミノ酸、例えば、D-アミノ酸を含有するリンカー)が挙げられる。リンカーを、本出願に記載する、及び当該技術分野で公知である、種々のストラテジー(strategies)を使用して調製することがある。その中の反応性成分に依存して、リンカーを、例えば、酵素的加水分解、光分解、酸性条件下での加水分解、塩基性条件下での加水分解、酸化、ジスルフィド還元、求核切断、又は有機金属切断によって、切断することがある(例えば、Leriche et al., Bioorg. Med. Chem., 20:571-582, 2012を参照のこと)。
用語「コンジュゲート」、「にコンジュゲートする(conjugate to)」又は「とコンジュゲートする(conjugate with)」は、共にコンジュゲートした少なくとも2つの分子の意味
で使用する場合、第2の分子(例えば、毒素)に連結した又はコンジュゲートした1つの分子(例えば、抗体)を指す。抗-CD45抗体及びそのフラグメントを、他の分子(例えば、
毒素、標識薬剤[例えば、フルオレセイン又はビオチン]、薬物搭載ナノ粒子)にコンジュゲートさせることがある。コンジュゲートさせた分子は、共有結合的な又は非-共有結
合的な相互作用を介して、コンジュゲートしていることがある。ある特定の実施形態では、抗-CD45抗体又はそのフラグメントを、タンパク質毒素にコンジュゲートさせて、タン
パク質融合体(例えば、scFv-毒素キメラ)を形成する。いくつかの実施形態では、前記
コンジュゲートさせた分子は、第1の相互作用部分(例えば、ビオチン)と、そのコンジュ
ゲートさせた分子に結合した第2の相互作用部分(例えば、ストレプトアビジン)との、非
共有結合的な相互作用を介して結合していることがある。
本出願で使用する場合、「薬物対抗体比(drug-to-antibody ratio)」又は「DAR」は、
コンジュゲートの抗体に結合した薬物(例えば、アマトキシン)の数を指す。抗体上の連結部位の個数に応じて、より高い搭載数も考えられるが、ADCのDARは1から8の範囲であることがある。ある特定の実施形態では、前記コンジュゲートは、1、2、3、4、5、6、7、又
は8のDARを有する。
本出願で使用する場合、用語「微小管結合剤」は、細胞における有糸分裂及び間期細胞機能に必須である微小管ネットワークを破壊することによって作用する化合物を指す。微小管結合剤の例としては、限定されるものではないが、メイタシン(maytasine)、メイタ
ンシノイド、及びそれらの誘導体(本出願に記載するか、又は当該技術分野で公知のもの
など)、ビンブラスチン、ビンブラスチン硫酸、ビンクリスチン、ビンクリスチン硫酸、
ビンデシン、及びビノレルビン等のビンカ・アルカロイド、ドセタキセル及びパクリタキセル等のタキサン、ディスコデルモリド、コルヒチン(cochicine)及びエポチロン等のマ
クロライド、並びにそれらの誘導体(エポチロンB又はその誘導体など)が挙げられる。
本出願で使用する場合、用語「アマトキシン」は、Amanita phalloidesキノコによって産生されるペプチドのアマトキシン・ファミリーのメンバー、又はその誘導体(例えば、RNAポリメラーゼII活性を阻害し得るそのバリアント若しくは誘導体)のことを指す。本
出願に記載する組成物及び方法と併用して有用なアマトキシン類としては、本出願に記載する化合物(例えば、α-アマニチン、β-アマニチン、γ-アマニチン、ε-アマニチン、アマニン、アマニンアミド、アマヌリン、アマヌリン酸、又はプロアマヌリン等)が挙げられる。本出願に記載するように、アマトキシンを、例えば、リンカー部分構造(L)を介
して、抗体、又はその抗原結合フラグメントにコンジュゲートさせることがある(これにより、ADCを形成する)。このようなプロセスに有用な、例示的なアマトキシンをコンジュゲートさせる方法及びリンカーを以下に記載する。前記組成物及び方法による、抗体、又は抗原結合フラグメントへのコンジュゲートに有用な、例示的なリンカー含有アマトキシンもまた、本出願に記載する。
本出願で使用する用語「アシル」は、-C(=O)Rを指す、ここで、本出願で定義するよう
に、Rは水素(「アルデヒド」)、C1-C12アルキル、C2-C12アルケニル、C2-C12アルキニル
、C3-C7カルボシクリル、C6-C20アリール、5-10員ヘテロアリール、又は5-10員ヘテロシ
クリルである。非-限定的な例としては、ホルミル、アセチル、プロパノイル、ベンゾイ
ル、及びアクリロイルが挙げられる。
本出願で使用する用語「C1-C12アルキル」は、1から12個の炭素原子を有する直鎖又は
分岐の飽和炭化水素を指す。典型的なC1-C12アルキル基としては、限定されるものではないが、-メチル、-エチル、-n-プロピル、-n-ブチル、-n-ペンチル、及び-n-ヘキシルが挙げられる;一方、分岐C1-C12アルキルとしては、限定されるものではないが、-イソプロ
ピル、-sec-ブチル、-イソブチル、-tert-ブチル、-イソペンチル、及び2-メチルブチル
が挙げられる。C1-C12のアルキル基は、置換されていない、又は置換されていることがある。
本出願で使用する用語「アルケニル」は、不飽和の少なくとも1つの部位、即ち、炭素-炭素、sp2二重結合、を有する、通常の、第2級の、又は第3級の炭素原子を含むC2-C12
化水素を指す。例としては、限定されるものではないが、以下が挙げられる:エチレン又はビニル、-アリル、-1-ブテニル、-2-ブテニル、-イソブチレニル、-1-ペンテニル、-2-ペンテニル、-3-メチル-1-ブテニル、-2-メチル-2-ブテニル、-2,3-ジメチル-2-ブテニル、プロペニル、イソプロペニル、ブテニル、tert-ブチレニル、ヘキセニルなど。アルケ
ニル基は、置換されていない、又は置換されていることがある。
本出願で使用する「アルキニル」は、不飽和の少なくとも1つの部位、即ち、炭素-炭素、sp三重結合を有する、通常の、第2級の、又は第3級の炭素原子を含むC2-C12炭化水素を指す。例としては、限定されるものではないが、アセチレン及びプロパルギル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニルなどが挙げられる。アルキニル基は、置換されていない、又は置換されていることがある。
本出願で使用する「アリール」は、C6-C20炭素環芳香族基を指す。アリール基の例としては、限定されるものではないが、フェニル、ナフチル及びアントラセニルが挙げられる。アリール基は、置換されていない、又は置換されていることがある。
本出願で使用する「アリールアルキル」は、炭素原子(典型的には末端又はsp3炭素原
子)に結合した水素原子のうちの1つがアリール・ラジカルで置換されている、非環状ア
ルキル・ラジカルを指す。典型的なアリールアルキル基としては、限定されるものではないが、ベンジル、2-フェニルエタン-1-イル、2-フェニルエテン-1-イル、ナフチルメチル、2-ナフチルエタン-1-イル、2-ナフチルエテン-1-イル、ナフトベンジル、2-ナフトフェニルエタン-1-イルなどが挙げられる。前記アリールアルキル基は6から20個の炭素原子を含み、例えば、アリールアルキル基のアルキル部分(例えば、アルカニル、アルケニル又はアルキニル基等が挙げられる)は1から6個の炭素原子であり、アリール部分は5から14
個の炭素原子である。アルカリル基は、置換されていない、又は置換されていることがある。
本出願で使用する「シクロアルキル」は、飽和炭素環ラジカルを指し、これは単環式又は二環式であることがある。シクロアルキル基としては、単環として3から7個の炭素原子を有する環、又は二環として7から12個の炭素原子を有する環が挙げられる。単環式シク
ロアルキル基の例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、及びシクロオクチルが挙げられる。シクロアルキル基は、置換されていない、又は置換されていることがある。
本出願で使用する「シクロアルケニル」は不飽和炭素環ラジカルを指し、これは単環式又は二環式であることがある。シクロアルケニル基としては、単環として3から6個の炭素原子を有する環、又は二環として7から12個の炭素原子を有する環が挙げられる。単環式
シクロアルケニル基の例としては、1-シクロペント-1-エニル、1-シクロペント-2-エニル、1-シクロペント-3-エニル、1-シクロヘキサ-1-エニル、1-シクロヘキサ-2-エニル、及
び1-シクロヘキサ-3-エニルが挙げられる。シクロアルケニル基は、置換されていない、
又は置換されていることがある。
本出願で使用する「ヘテロアラルキル」は、炭素原子(典型的には末端又はsp3炭素原
子)に結合した水素原子のうちの1つがヘテロアリール・ラジカルで置換されている、非
環状アルキル・ラジカルを指す。典型的なヘテロアリールアルキル基としては、限定されるものではないが、2-ベンズイミダゾリルメチル、2-フリルエチル等が挙げられる。前記ヘテロアリールアルキル基は6から20個の炭素原子を含み、例えば、前記ヘテロアリール
アルキル基のアルキル部分(アルカニル、アルケニル又はアルキニル基等が挙げられる)は1から6個の炭素原子である、並びにヘテロアリール部分は5から14個の炭素原子である並
びにN、O、P、及びSより選択される1から3個のヘテロ原子である。前記ヘテロアリールアルキル基のヘテロアリール部分は、3から7個の環員(2から6個の炭素原子)を有する単環であることがある、又は7から10個の環員(4から9個の炭素原子並びにN、O、P、及びSより選択される1から3個のヘテロ原子)を有する二環であることがある(例えば:二環[4,5]、[5,5]、[5,6]、又は[6,6]システム)。
本出願で使用する「ヘテロアリール」及び「ヘテロシクロアルキル」は、それぞれ芳香族又は非-芳香族環システムを指し、ここで1つ以上の環原子は、ヘテロ原子、例えば窒素、酸素、及び硫黄である。ヘテロアリール又はヘテロシクロアルキル・ラジカルは、2か
ら20個の炭素原子及びN、O、P、及びSより選択される1から3個のヘテロ原子を含む。ヘテロアリール又はヘテロシクロアルキルは、3から7個の環員(2から6個の炭素原子並びにN、O、P、及びSより選択される1から3個のヘテロ原子)を有する単環であることがある、又は7から10個の環員(4から9個の炭素原子並びにN、O、P、及びSより選択される1から3個のヘテロ原子)を有する二環であることがある(例えば:二環[4,5]、[5,5]、[5,6]、又は[6,6]システム)。ヘテロアリール及びヘテロシクロアルキルは、置換されていない、又は置
換されていることがある。
ヘテロアリール及びヘテロシクロアルキル基は、Paquette, Leo A.; "Principles of Modern Heterocyclic Chemistry" (W. A. Benjamin, New York, 1968), 特に1, 3, 4, 6, 7, 及び 9章; "The Chemistry of Heterocyclic Compounds, A series of Monographs" (John Wiley & Sons, New York, 1950 to present), 特に13, 14, 16, 19, 及び 28巻; 並びに J. Am. Chem. Soc. (1960) 82:5566、に記載されている。
ヘテロアリール基の例としては、例えば、限定されるものではないが、ピリジル、チアゾリル、テトラヒドロチオフェニル、ピリミジニル、フラニル、チエニル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、テトラゾリル、ベンゾフラニル、チアナフタレニル、インドリル、インドレニル、キノリニル、イソキノリニル、ベンズイミダゾリル、イソキサゾリル、ピラジニル、ピリダジニル、インドリジニル、イソインドリル、3H-インドリル、1H-インダゾリル、プリニル、4H-キノリジニル、フタラジニル、ナフチリジニル、キノキサリ
ニル、キナゾリニル、シンノリニル、プテリジニル、4aH-カルバゾリル、カルバゾリル、フェナントリジニル、アクリジニル、ピリミジニル、フェナントロリニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フラザニル、フェノキサジニル、イソクロマニル、クロマニル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、ピラゾリジニル、ピラゾリニル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、及びイサチノイルが挙げられる。
ヘテロシクロアルキルの例としては、例えば、限定されるものではないが、ジヒドロピリジル、テトラヒドロピリジル(ピペリジル)、テトラヒドロチオフェニル、ピペリジニル、4-ピペリドニル、ピロリジニル、2-ピロリドニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、ビス-テトラヒドロピラニル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソ
キノリニル、デカヒドロキノリニル、オクタヒドロイソキノリニル、ピペラジニル、キヌクリジニル、及びモルホリニルが挙げられる。
限定ではなく例として、炭素結合ヘテロアリール類及びヘテロシクロアルキル類は、ピリジンの2、3、4、5、若しくは6位、ピリダジンの3、4、5、若しくは6位、ピリミジンの2、4、5、若しくは6位、ピラジンの2、3、5、若しくは6位、フラン、テトラヒドロフラン
、チオフラン、チオフェン、ピロール若しくはテトラヒドロピロールの2、3、4、若しく
は5位、オキサゾール、イミダゾール若しくはチアゾールの2、4、若しくは5位、イソオキサゾール、ピラゾール、若しくはイソチアゾールの3、4、若しくは5位、アジリジンの2、若しくは3位、アゼチジンの2、3若しくは4位、キノリンの2、3、4、5、6、7、若しくは8
位、又はイソキノリンの1、3、4、5、6、7、若しくは8位、で結合する。更に典型的には
、炭素結合ヘテロ環類としては、2-ピリジル、3-ピリジル、4-ピリジル、5-ピリジル、6-ピリジル、3-ピリダジニル、4-ピリダジニル、5-ピリダジニル、6-ピリダジニル、2-ピリミジニル、4-ピリミジニル、5-ピリミジニル、6-ピリミジニル、2-ピラジニル、3-ピラジニル、5-ピラジニル、6-ピラジニル、2-チアゾリル、4-チアゾリル、又は5-チアゾリルが挙げられる。
限定ではなく例として、窒素結合ヘテロアリール類及びヘテロシクロアルキル類は、アジリジン、アゼチジン、ピロール、ピロリジン、2-ピロリン、3-ピロリン、イミダゾール、イミダゾリジン、2-イミダゾリン、3-イミダゾリン、ピラゾール、ピラゾリン、2-ピラゾリン、3-ピラゾリン、ピペリジン、ピペラジン、インドール、インドリン、1H-インダ
ゾールの1位、イソインドール又はイソインドリンの2位、モルホリンの4位、及びカルバ
ゾール又はベータ・カルボリンの9位、で結合する。更に典型的には、窒素結合ヘテロ環
類としては、1-アジリジル、1-アゼテジル(1-azetedyl)、1-ピロリル、1-イミダゾリル、1-ピラゾリル、及び1-ピペリジニルが挙げられる。
本出願で使用する、並びに上記のアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキル、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクリルなどの何れかに適用される、「置換された」とは、1個以上の水素原子がそれぞれ独立して置換基で置換されて
いることを意味する。典型的な置換基としては、限定されるものではないが、-X, -R, -OH, -OR, -SH, -SR, NH2, -NHR, -N(R)2, -N+(R)3, -CX3, -CN, -OCN, -SCN, -NCO, -NCS,
-NO, -NO2, -N3, -NC(=O)H, -NC(=O)R, -C(=O)H, -C(=O)R, -C(=O)NH2, -C(=O)N(R)2,
-SO3-, -SO3H, -S(=O)2R, -OS(=O)2OR, -S(=O)2NH2, -S(=O)2N(R)2, -S(=O)R, -OP(=O)(OH)2, -OP(=O)(OR)2, -P(=O)(OR)2, -PO3, -PO3H2, -C(=O)X, -C(=S)R, -CO2H, -CO2R, -CO2-, -C(=S)OR, -C(=O)SR, -C(=S)SR, -C(=O)NH2, -C(=O)N(R)2, -C(=S)NH2, -C(=S)N(R)2, -C(=NH)NH2, 及び -C(=NR)N(R)2、が挙げられる;ここで、各Xは、F、Cl、Br、及びIから、それぞれの場合について独立に選択される;及び、各Rは、C1-C12アルキル、C6-C20アリール、C3-C14ヘテロシクロアルキル又はヘテロアリール、保護基及びプロドラック
部分から、それぞれの場合について独立に選択される。基が「任意選択的に置換される」と記載されている場合はどんな場合でも、その基は、それぞれの場合について独立に、1
個以上の上記の置換基で置換されることがある。
あるラジカルの命名規則には、状況に応じて、モノ-ラジカル又はジ-ラジカルの何れかが含まれうることを理解しておく必要がある。例えば、置換基が分子の残りの部分への2
つの結合の位置を必要とする場合、前記置換基はジ-ラジカルであると理解される。例え
ば、2つの結合の位置を必要とするアルキルとして識別される置換基としては、-CH2-、-C
H2CH2-、-CH2CH(CH3)CH2-、等のジ-ラジカルが挙げられる。他のラジカル命名規則は、前記ラジカルが「アルキレン」、「アルケニレン」、「アリーレン」、「ヘテロシクロアルキレン」等のようなジ-ラジカルであることを明確に示す。
置換基がジ-ラジカルとして示される(即ち、分子の残りの部分への2つの結合の位置を
有する)場合はどこでも、前記置換基は、特に断らない限り、任意の方向性配置で結合す
ることができることを理解されたい。
「異性 (Isomerism)」とは、同一の分子式を有するが、その原子の結合の配列、又はその原子の空間配置が異なる化合物を意味する。その原子の空間配置が異なる異性体を「立体異性体」と呼ぶ。互いに鏡像関係にない立体異性体を「ジアステレオマー」と呼ぶ、及び互いに重ね合わせることができない、鏡像関係にある立体異性体を「エナンチオマー」と呼び、時には「光学異性体」と呼ぶ。
4つの非-同一置換基に結合した炭素原子を「キラル中心」と呼ぶ。「キラル異性体」とは、少なくとも1つのキラル中心を有する化合物を意味する。1つ以上のキラル中心を有する化合物は、個々のジアステレオマーとして、又は「ジアステレオマー混合物(diastereomeric mixture)」と呼ばれるジアステレオマーの混合物として存在することがある。1つ
のキラル中心が存在する場合、立体異性体を、そのキラル中心の絶対配置(R又はS)によって特徴付けることができる。絶対配置とは、前記キラル中心に結合した置換基の空間配置をいう。検討するキラル中心に結合した置換基を、Cahn、Ingold及びPrelogの配列規則に従ってランク付けする。(Cahn et al., Angew. Chem. Inter. Edit. 1966, 5, 385; errata 511; Cahn et al., Angew. Chem. 1966, 78, 413; Cahn and Ingold, J. Chem. Soc. 1951 (London), 612; Cahn et al., Experientia 1956, 12, 81; Cahn, J. Chem. Educ. 1964, 41, 116)。キラリティーが反対である個々のエナンチオマー形態を等量で含む混合物を、「ラセミ混合物」と呼ぶ。
本明細書及び特許請求の範囲に開示される化合物は、1つ以上の不斉中心を含むことが
ある、及び、各化合物の異なるジアステレオマー及び/又はエナンチオマーが存在することがある。この明細書及び特許請求の範囲において、任意の化合物についての記載は、別段の記載がない限り、全てのエナンチオマー、ジアステレオマー及びそれらの混合物を含むことを意味する。更に、この明細書及び特許請求の範囲において、任意の化合物についての記載は、別段の記載がない限り、個々のエナンチオマー、並びに前記エナンチオマーの任意の混合物、ラセミ体又は他のものを含むことを意味する。化合物の構造を特定のエナンチオマーとして描いた場合、本出願の開示は、その特定のエナンチオマーに限定されないことを理解されたい。従って、本開示の各々の構造式のエナンチオマー、光学異性体、及びジアステレオマーが、本出願で企図される。本明細書において、前記化合物の構造式は、便宜上、いくつかの場合において、特定の異性体を表すが、本開示は、幾何異性体、不斉炭素に基づく光学異性体、立体異性体、互変異性体等のような全ての異性体を含み、全ての異性体が同じレベルの活性を有するわけではないことが理解される。これらの化合物類は、異なる互変異性体形態で存在することがある。本開示による化合物は、別段の記載がない限り、全ての互変異性体形態を含むことを意味する。化合物の構造を特定の互変異性体として描いた場合、本出願の開示は、その特定の互変異性体に限定されないことが理解されるべきである。
本出願に記載する任意の式の化合物は、適用可能であれば、化合物自体、並びにそれらの塩、及びそれらの溶媒和物を含む。例えば、塩は、アニオンと本開示の化合物上の正に荷電した基(例えば、アミノ)との間で形成されることがある。好適なアニオンとしては、塩化物、臭化物(ブロミド)、ヨウ化物、硫酸塩、重硫酸塩、スルファミン酸塩(スルファメート)、硝酸塩、リン酸塩、クエン酸塩、メタンスルホン酸塩、トリフルオロ酢酸塩
、グルタミン酸塩、グルクロン酸塩、グルタル酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、コハク酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩、トシル酸塩、サリチル酸塩、乳酸塩、ナフタレンスルホン酸塩及び酢酸塩(例、トリフルオロ酢酸塩)が挙げられる。用語「薬学的に許容可能なアニオン」は、薬学的に許容可能な塩を形成するための好適なアニオンをいう。同様に、塩は、カチオンと本開示の化合物上の負に荷電した基(例えば、カルボキシレート)との間で形成されることがある。好適なカチオンとしては、ナトリウム・イオン、カリウム・イオン、マグネシウム・イオン、カルシウム・イオン、及びテトラメチルアンモニウム・イオンなどのアンモニウム・カチオンが挙げられる。いくつかの好適な置換アンモニウム・イオンの例としては、以下から誘導されるものが挙げられる:エチルアミン、ジエチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、トリエチルアミン、ブチルアミン、エチレンジアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、ピペラジン、ベンジルアミン、フェニルベンジルアミン、コリン、メグルミン、及びトロメタミン、リジン及びアルギニンなどのアミノ酸。本開示の化合物はまた、第四級窒素原子を含有する塩を含む。好適な無機アニオンの例としては、限定されるものではないが、以下の無機酸から誘導されるものが挙げられる:塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、亜硫酸、硝酸、亜硝酸、リン(phosphoric)及びリン(phosphorous)。好適な有機アニオンの例としては、限定されるものではないが、以
下の有機酸から誘導されるものが挙げられる:2-アセトキシ安息香酸、酢酸、アスコルビン酸、アスパラギン酸、安息香酸、カンファースルホン酸、桂皮酸、クエン酸、エデト酸、エタンジスルホン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルケプトン酸、グルコン酸、グルタミン酸、グリコール酸、ヒドロキシマレイン酸、ヒドロキシナフタレン・カルボン酸、イセチオン酸、乳酸、ラクトビオン酸、ラウリン酸、マレイン酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、ムチン酸、オレイン酸、シュウ酸、パルミチン酸、パモ酸、パントテン酸、フェニル酢酸、フェニルスルホン酸、プロピオン酸、ピルビン酸、サリチル酸、ステアリン酸、コハク酸、スルファニル酸、酒石酸、トルエンスルフォン酸、及び吉草酸。好適なポリマー有機アニオンの例としては、限定されるものではないが、以下のポリマー酸から誘導されるものが挙げられる:タンニン酸、カルボキシメチル・セルロース。
更に、本開示の化合物(例えば、前記化合物の塩)は、水和物の若しくは非水和物(無
水)の形態で、又は他の溶媒分子との溶媒和物として存在することがある。水和物の非-限定的な例としては、一水和物、二水和物などが挙げられる。溶媒和物の非-限定的な例と
しては、エタノール溶媒和物、アセトン溶媒和物などが挙げられる。「溶媒和物」は、化学量論的な量又は非-化学量論的な量の何れかの溶媒を含有する、溶媒が付加された形態
を意味する。いくつかの化合物は、結晶性の固相中に、固定したモル比率の溶媒分子を捕捉する傾向を有し、それによって溶媒和物を形成する。そして、前記溶媒が水である場合、形成される溶媒和物は水和物である;及び前記溶媒がアルコールである場合、形成される溶媒和物はアルコラートである。水和物は、1分子の物質と1分子以上の水の組合せによって形成され、その中では、水がH2Oとしての分子状態を保持する。水和物とは、例えば
、一水和物、二水和物、三水和物などを指す。
更に、本出願に開示する式が表す化合物又はその塩について、結晶多型が存在することがある。任意の結晶形態、結晶形態の混合物、又はそれらの無水物若しくは水和物が、本開示の範囲に含まれることに留意されたい。
抗-CD45抗体
CD45に結合することが可能であり、治療薬剤単独又は抗体薬物コンジュゲート(ADC)と
して用いて、例えば、(i)CD45+細胞を特徴とする、がん及び自己免疫疾患を治療する、(ii) 移植療法を必要とする患者において、移植した造血幹細胞が生着することを促進する
、ことができる、抗体、又はその抗原-結合フラグメントを、本出願では意図する。これ
らの治療活性は、例えば、細胞(例えば、がん細胞、自己免疫細胞又は造血幹細胞など)の表面に発現しているCD45に結合する、単離した抗-CD45抗体、その抗原結合フラグメン
ト、又はADCsが結合することによって、そしてその後に細胞死が誘導されることによって、引き起こされることがある。内因性の造血幹細胞を減少させることによって、移植した造血幹細胞がホーミングすることができるニッチが提供されることがある、及び、その後、生産的な造血が確立することがある。このようにして、移植した造血幹細胞は、患者(例えば、本出願に記載する幹細胞障害に罹患しているヒト患者など)内で、うまく生着することができる。更に、患者において、HSC移植と組み合わせて白血球を減少させると(
それを、前記患者は必要とする)、患者の免疫システムをリセットすることができ、それによって、例えば、自己免疫疾患の患者を治癒することができる。
CD45(白血球共通抗原及びレセプター型チロシン-タンパク質ホスファターゼCとしても知られている)は、T及びB細胞抗原レセプターを介したシグナル伝達に不可欠な、造血細胞特異的な膜貫通型タンパク質チロシン・ホスファターゼである。CD45は、大きな細胞外ドメイン、及び細胞質ドメインを含むホスファターゼ、を含む。CD45は、刺激の性質及び関与する細胞型に依存して、正及び負の両方の調節因子としての役割を果たすことがある。CD45遺伝子は、様々に並べ替えられたものがあるが、これまでにヒトで同定されているアイソフォームはわずか6種類である。前記アイソフォームは、RA、RO、RB、RAB、RBC及
びRABCである(Hermiston et al. 2003 “CD45: a critical regulator of signaling thresholds in immune cells.” Annu Rev Immunol. 2:107-137.)。CD45RAは、ナイーブT細胞上で発現し、CD45ROは活性化及びメモリーT細胞、一部のB細胞サブセット、活性化単球/マクロファージ、及び顆粒球上で発現する。CD45RBは、末梢B細胞、ナイーブT細胞、胸腺細胞、弱くマクロファージ、及び樹状細胞上で発現する。CD45RABCのアミノ酸配列は、配列番号(SEQ ID NO):112として、本出願において提供される。CD45RAのアミノ酸配列は
、配列番号(SEQ ID NO):107として、本出願において提供される。CD45ROのアミノ酸配列
は、配列番号(SEQ ID NO):108として、本出願において提供される。CD45RBのアミノ酸配
列は、配列番号(SEQ ID NO):109として、本出願において提供される。CD45RABのアミノ酸配列は、配列番号(SEQ ID NO):110として、本出願において提供される。配列番号(SEQ ID
NO):RBCのアミノ酸配列は、配列番号(SEQ ID NO):111として、本出願において提供される。
以下に記載するように、ある特定の実施形態では、新規な抗-ヒトCD45(hCD45)抗体を、完全ヒト抗体をディスプレイする酵母ディスプレイ・ライブラリをスクリーニングすることによって同定した。前記スクリーニングにおいて、7種のヒト抗体(抗体1(Ab1)、抗体2(Ab2)、抗体3(Ab3)、抗体4(Ab4)、抗体5(Ab5)、抗体6(Ab6)、及び抗体7(Ab7))を同定した
。これらは、ヒトCD45(全てのアイソフォーム)に結合し、非-ヒト霊長類由来のCD45(
例えば、カニクイザルCD45及び/又はアカゲザルCD45)と交差反応する。
他の実施形態では、ヒト化及び親和性成熟させた抗体を、3種のラット抗-CD45抗体から調製した。このようにして、更に3種の抗体(抗体A(AbA)、抗体B(AbB)、及び抗体C(AbC)
と命名した)を同定した。これらは、ヒトCD45(全てのアイソフォーム)に結合し、非-
ヒト霊長類由来のCD45(例えば、カニクイザルCD45及び/又はアカゲザルCD45)と交差反応する。同定した抗体は、本出願に記載するように、診断的な及び治療的な特性を有する。
従って、本出願は、ヒトCD45に特異的に結合する、及び非-ヒト霊長類由来のCD45と交
差反応する、抗体、又はその抗原結合部分、を提供する。
1つの実施形態では、本発明は、ヒトCD45(配列番号(SEQ ID NO):112)並びにカニクイザルCD45(配列番号(SEQ ID NO):145)及び/又はアカゲザルCD45(配列番号(SEQ ID NO):146)に結合する、抗体、又はその抗原結合部分、を提供する。いくつかの実施形態では、前記抗体、その抗原-結合部分は、バイオレイヤー干渉法(Bio-Layer Interferometry)(BLI)に
よって測定した場合、約100 nM以下、例えば、約100 nM以下、約90 nM以下、約80 nM以下、約70 nM以下、約60 nM以下、約50 nM以下、約40 nM以下、約30 nM以下、約20 nM以下、約10 nM以下、約10 nM以下、又は約0.1 nM以下、のKDで、ヒトCD45に結合することがある。いくつかの実施形態では、前記抗体、その抗原-結合部分は、バイオレイヤー干渉法(Bio-Layer Interferometry)(BLI)によって測定した場合、約100 nM以下、例えば、約100 nM以下、約90 nM以下、約80 nM以下、約70 nM以下、約60 nM以下、約50 nM以下、約40 nM以下、約30 nM以下、約20 nM以下、約10 nM以下、約10 nM以下、又は約0.1 nM以下、のKDで、カニクイザルCD45に結合することがある。いくつかの実施形態では、前記抗体、その抗原-結合部分は、バイオレイヤー干渉法(Bio-Layer Interferometry)(BLI)によって測定した場合、約100 nM以下、例えば、約100 nM以下、約90 nM以下、約80 nM以下、約70 nM以
下、約60 nM以下、約50 nM以下、約40 nM以下、約30 nM以下、約20 nM以下、約10 nM以下、約10 nM以下、又は約0.1 nM以下、のKDで、アカゲザルCD45に結合することがある。い
くつかの実施形態では、前記抗体は、完全ヒト抗体、又はその抗原結合部分である。他の実施形態では、前記抗体は、ヒト化抗体、又はその抗原結合部分である。いくつかの実施形態では、前記抗体は、キメラ抗体、又はその抗原結合部分である。いくつかの実施形態では、前記抗体は、脱免疫化された抗体、又はその抗原結合部分である。
ヒトCD45の細胞外領域は、ムチン様ドメイン、及び4つのフィブロネクチン-様ドメイン(d1、d2、d3、及びd4)を含む。いかなる理論にも束縛されることを望むものではないが、抗体Ab1、Ab2、Ab3、Ab4、Ab5、Ab6、及びAb7は、d3及びd4のフィブロネクチン-様ドメイン内に位置するヒトCD45の残基と相互作用すると考えられる。特に、これらの抗体は、配列番号(SEQ ID NO):115に記載されるヒトCD45のフラグメント、及び配列番号(SEQ ID NO):117に記載されるヒトCD45のフラグメント、と相互作用することがある。本出願に記載するクロスリンキング試験によれば、前記抗体は、ヒトCD45、カニクイザルCD45、及びアカゲザルCD45の間で保存されている、1つ以上のCD45アミノ酸残基と、特異的に相互作用で
きることが示唆される。これらの残基には、405T、407K、419Y、425K、及び505R(配列番号(SEQ ID NO):113に記載のhCD45のフラグメントを参照して番号付けされている)が含ま
れる。更に、これらの抗体は、ヒトCD45中の残基481R及び/又は509H(配列番号(SEQ ID NO):113に記載されるhCD45のフラグメントを参照して番号付けされる)と相互作用することがある。従って、いくつかの実施形態では、本出願は、d3及び/又はd4のフィブロネクチン-様ドメイン内に位置するエピトープで、ヒトCD45に結合する抗体、又はその抗原結合
部分、を提供する。いくつかの実施形態では、本出願は、CD45フラグメント2(配列番号(SEQ ID NO):115)及び/又はCD45フラグメント4(配列番号(SEQ ID NO):117))内に位置する
ヒトCD45のエピトープで、CD45に結合する抗体、又はその抗原結合部分、を提供する。いくつかの実施形態では、本出願は、CD45フラグメント1(配列番号(SEQ ID NO):114)及び/又はCD45フラグメント3(配列番号(SEQ ID NO):116))内に位置するヒトCD45のエピトープ
で、CD45に結合する抗体、又はその抗原結合部分、を提供する。いくつかの実施形態では、本出願は、ヒトCD45、カニクイザルCD45、及び/又はアカゲザルCD45の間で保存されている少なくとも1個、少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも4個、又は少なくとも5
個のアミノ酸残基を含むエピトープで、CD45に結合する抗体、又はその抗原結合部分、を提供する。例えば、いくつかの実施形態では、前記抗体、又はその抗原結合部分は、ヒトCD45における以下のアミノ酸残基の少なくとも1個、少なくとも2個、少なくとも3個、少
なくとも4個、又は5個全てに結合することがある:405T、407K、419Y、425K、及び505R(
配列番号(SEQ ID NO):113に記載されるhCD45のフラグメントを参照して番号付けされる)
。いくつかの実施形態では、前記抗体、又はその抗原結合部分は、ヒトCD45における以下のアミノ酸残基の1個以上、2個以上、3個以上、4個以上、5個以上、6個以上、又は7個、
に結合することがある:405T、407K、419Y、425K、481R及び505R、509H(配列番号(SEQ ID
NO):113に記載されるhCD45のフラグメントを参照して番号付けされる)。本出願は、ヒトCD45(配列番号(SEQ ID NO):112)への結合について、Ab1、Ab2、Ab3、Ab4、Ab5、Ab6及び
/又はAb7と競合する、抗体、又はその抗原結合部分もまた、提供する。いくつかの実施
形態では、前記抗体、又はその抗原結合部分はまた、カニクイザルCD45(配列番号(SEQ ID
NO):145)及び/又はアカゲザルCD45(配列番号(SEQ ID NO):146)への結合について、Ab1
、Ab2、Ab3、Ab4、Ab5、Ab6、及び/又はAb7と競合することもある。いくつかの実施形態では、前記抗体は、完全ヒト抗体、又はその抗原-結合部分である。他の実施形態では、
前記抗体は、ヒト化抗体、又はその抗原結合部分である。いくつかの実施形態では、前記抗体は、キメラ抗体、又はその抗原結合部分である。いくつかの実施形態では、前記抗体は、脱免疫化された抗体、又はその抗原結合部分である。
いかなる理論にも束縛されることを望むものではないが、本出願に記載する抗体AbAも
また、CD45のd4フィブロネクチン-様ドメインに結合するが、CD45への結合に関してAb1-Ab7のいずれとも競合しないと考えられる。本出願に記載するエピトープ・マッピング実験によれば、AbAは、Ab1-Ab7と比較して、CD45分子の反対側の面でd4フィブロネクチン-様
ドメインに結合することが示唆される。特に、この抗体は、配列番号(SEQ ID NO):118に
記載されるヒトCD45のフラグメントと相互作用すると考えられる。本出願に記載するクロスリンキング試験によれば、AbAは、ヒトCD45、カニクイザルCD45、及びアカゲザルCD45
の間で保存されている、1つ以上のCD45アミノ酸残基と特異的に相互作用し得ることが示
唆される。これらの残基には、493Y及び502T(配列番号(SEQ ID NO):113に記載のhCD45の
フラグメントを参照して番号付けされている)が含まれる。更に、この抗体は、ヒトCD45
中の残基486Rと相互作用することがある(配列番号(SEQ ID NO):113に記載されるhCD45の
フラグメントを参照して番号付けされる)。従って、いくつかの実施形態では、本出願は
、前記d4フィブロネクチン-様ドメイン内に位置するエピトープで、ヒトCD45に結合する
抗体、又はその抗原結合部分、を提供する。いくつかの実施形態では、本出願は、CD45フラグメント5(配列番号(SEQ ID NO):118)内に位置するヒトCD45のエピトープで、CD45に結合する抗体、又はその抗原結合部分、を提供する。いくつかの実施形態では、本出願は、ヒトCD45、カニクイザルCD45、及び/又はアカゲザルCD45の間で保存される少なくとも1
つ又は少なくとも2つのアミノ酸残基を含むエピトープで、CD45に結合する抗体、又はそ
の抗原結合部分、を提供する。例えば、いくつかの実施形態では、前記抗体、又はその抗原結合部分は、ヒトCD45内の以下のアミノ酸残基の1つ又は両方に結合することがある:
493Y及び502T(配列番号(SEQ ID NO):113に記載されるhCD45のフラグメントを参照して
番号付けされる)。いくつかの実施形態では、前記抗体、又はその抗原結合部分は、ヒトCD45内の以下のアミノ酸残基の1つ以上、2つ以上、又は3つに結合することがある: 486R、493Y、及び502T(配列番号(SEQ ID NO):113に記載されるhCD45のフラグメントを参照し
て番号付けされる)。本出願はまた、ヒトCD45(配列番号(SEQ ID NO):112)への結合について、AbAと競合する抗体、又はその抗原結合部分、も提供する。いくつかの実施形態では
、前記抗体、又はその抗原結合部分はまた、カニクイザルCD45(配列番号(SEQ ID NO):145)及び/又はアカゲザルCD45(配列番号(SEQ ID NO):146)への結合について、AbAと競合す
ることがある。いくつかの実施形態では、前記抗体は、完全ヒト抗体、又はその抗原結合部分である。他の実施形態では、前記抗体は、ヒト化抗体、又はその抗原結合部分である。いくつかの実施形態では、前記抗体は、キメラ抗体、又はその抗原結合部分である。いくつかの実施形態では、前記抗体は、脱免疫化された抗体、又はその抗原結合部分である。
他の実施形態では、本出願は、AbBと同じヒトCD45のエピトープに結合する、抗体、又
はその抗原結合部分、を提供する。いくつかの実施形態では、前記抗体、又はその抗原結合部分は、カニクイザルCD45及び/又はアカゲザルCD45と交差反応する。本出願はまた、ヒトCD45(配列番号(SEQ ID NO):112)への結合について、AbBと競合する抗体、又はその抗原結合部分、も提供する。いくつかの実施形態では、前記抗体、又はその抗原結合部分はまた、カニクイザルCD45(配列番号(SEQ ID NO):145)及び/又はアカゲザルCD45(配列番号(SEQ ID NO):146)への結合について、AbBと競合することもある。いくつかの実施形態で
は、前記抗体は、完全ヒト抗体、又はその抗原結合部分である。他の実施形態では、前記
抗体は、ヒト化抗体、又はその抗原結合部分である。いくつかの実施形態では、前記抗体は、キメラ抗体、又はその抗原結合部分である。いくつかの実施形態では、前記抗体は、脱免疫化された抗体、又はその抗原結合部分である。
他の実施形態では、本出願は、AbCと同じヒトCD45のエピトープに結合する、抗体、又
はその抗原結合部分、を提供する。いくつかの実施形態では、前記抗体、又はその抗原結合部分は、カニクイザルCD45及び/又はアカゲザルCD45と交差反応する。本出願はまた、ヒトCD45(配列番号(SEQ ID NO):112)への結合について、AbCと競合する抗体、又はその抗原結合部分、も提供する。いくつかの実施形態では、前記抗体、又はその抗原結合部分はまた、カニクイザルCD45(配列番号(SEQ ID NO):145)及び/又はアカゲザルCD45(配列番号(SEQ ID NO):146)への結合について、AbCと競合することもある。いくつかの実施形態で
は、前記抗体は、完全ヒト抗体、又はその抗原結合部分である。他の実施形態では、前記抗体は、ヒト化抗体、又はその抗原結合部分である。いくつかの実施形態では、前記抗体は、キメラ抗体、又はその抗原結合部分である。いくつかの実施形態では、前記抗体は、脱免疫化された抗体、又はその抗原結合部分である。
抗-CD45抗体Ab1、Ab2、Ab3、Ab4、Ab5、Ab6、Ab7、AbA、AbB及びAbCの種々の結合領域
のアミノ酸配列を、表27に記載する。種々の態様では、本発明は、表27に記載される抗体の重鎖及び/又は軽鎖CDR配列を含む抗体、を提供する。いくつかの態様では、本発
明は、表27に記載される抗体の重鎖可変領域及び/又は軽鎖可変領域を含む抗体、を提供する。いくつかの態様では、本発明は、表27に記載される抗体の重鎖及び/又は軽鎖を含む抗体、を提供する。本出願が提供する抗体、及びその抗原結合部分の追加的な特徴を、以下に記載する。
Ab1
抗体1(Ab1)は、ヒトCD45、カニクイザルCD45及びアカゲザルCD45と交差反応することができ、ヒトCD45の様々なアイソフォームに結合できる。
抗-CD45 Ab1の種々の結合領域のアミノ酸配列を表27に記載する。例えば、表27に
記載のCDRを含む、Ab1に基づく抗-CD45抗体が、本発明に含まれる。
1つの実施形態では、本発明は、Ab1の抗原結合領域に対応する抗原結合領域、例えばCDR及び/又は可変領域、を含む、抗-CD45抗体、又はその抗原結合フラグメント、を提供する。Ab1の重鎖可変領域(VH)アミノ酸配列を配列番号(SEQ ID NO):1に記載する(表27参
照)。Ab1のVH CDRドメイン・アミノ酸配列を、配列番号(SEQ ID NO):2(VH CDR1);配列番号(SEQ ID NO):3(VH CDR2)及び配列番号(SEQ ID NO):4(VH CDR3)、に記載する。Ab1の軽
鎖可変領域(VL)アミノ酸配列を、配列番号(SEQ ID NO):5に記載する(表27参照)。Ab1のVL CDRドメイン・アミノ酸配列を、配列番号(SEQ ID NO):6(VL CDR1);配列番号(SEQ ID NO):7(VL CDR2)及び配列番号(SEQ ID NO):8(VL CDR3)、に記載する。
従って、いくつかの実施形態では、本出願は、配列番号(SEQ ID NO):2に記載のアミノ
酸配列を含むCDR1ドメイン、配列番号(SEQ ID NO):3に記載のアミノ酸配列を含むCDR2ド
メイン、及び配列番号(SEQ ID NO):4に記載のアミノ酸配列を含むCDR3ドメインを含む重
鎖可変領域;並びに/又は配列番号(SEQ ID NO):6に記載のアミノ酸配列を含むCDR1ドメ
イン、配列番号(SEQ ID NO):7に記載のアミノ酸配列を含むCDR2ドメイン;及び配列番号(SEQ ID NO):8に記載のアミノ酸配列を含むCDR3ドメインを含む軽鎖可変領域、を含む、抗-CD45抗体、又はその抗原結合部分、を提供する。ある特定の実施形態では、抗-CD45抗体
は、本出願に記載するCDR(配列番号(SEQ ID Nos):2から4及び6から8)を含む、ここで、前記CDRは、前記抗体のCD45特異性(即ち、Ab1に類似した特異性)を保持しながら、保存的な1アミノ酸置換(又は2、3、4、又は5アミノ酸置換)を含む。
いくつかの実施形態では、本出願は、配列番号(SEQ ID NO):1に記載のアミノ酸配列を
含む重鎖可変領域、及び/又は配列番号(SEQ ID NO):5に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖
可変領域、を含む、抗-CD45抗体、又はその抗原結合部分、を提供する。ある特定の実施
形態では、抗体は、配列番号(SEQ ID NO):1、又は配列番号(SEQ ID NO):1のバリアント、を含むHC可変ドメイン、を含む改変した重鎖(heavy chain (HC))可変領域、を含むことがある、この前記バリアントは、(i)1、2、3、4若しくは5アミノ酸の置換、付加若しくは欠失において、配列番号(SEQ ID NO):1と異なる;(ii)多くとも5、4、3、2若しくは1アミノ酸の置換、付加若しくは欠失において、配列番号(SEQ ID NO):1と異なる;(iii)1-5、1-3、1-2、2-5若しくは3-5アミノ酸の置換、付加若しくは欠失において、配列番号(SEQ ID NO):1と異なる、及び/又は(iv) 配列番号(SEQ ID NO):1と、少なくとも約75%、80%、85%
、90%、95%、96%、97%、98%若しくは99%同一であるアミノ酸配列を含む、ここで、(i)-(iv)の何れにおいても、アミノ酸置換は、保存的アミノ酸置換、又は非-保存的アミノ酸置
換、であっても良い;並びにここで、前記改変した重鎖可変領域は、前記抗体のCD45特異性(即ち、Ab1に類似した特異性)を保持する、又は別のAb1重鎖可変領域の生物学的活性と比較して、増強した生物学的活性を有する。ある特定の実施形態では、抗体は、配列番号(SEQ ID NO):5、又は配列番号(SEQ ID NO):5のバリアント、を含むLC可変ドメイン、を含む改変した軽鎖(light chain (LC))可変領域、を含む、この前記バリアントは、(i)1、2
、3、4若しくは5アミノ酸の置換、付加若しくは欠失において、配列番号(SEQ ID NO):5と異なる;(ii)多くとも5、4、3、2若しくは1アミノ酸の置換、付加若しくは欠失において
、配列番号(SEQ ID NO):5と異なる;(iii)1-5、1-3、1-2、2-5若しくは3-5アミノ酸の置
換、付加若しくは欠失において、配列番号(SEQ ID NO):5と異なる、及び/又は(iv) 配列番号(SEQ ID NO):5と、少なくとも約75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%若しくは99%同一であるアミノ酸配列を含む、ここで、(i)-(iv)の何れにおいても、アミノ酸置換は、保存的アミノ酸置換、又は非-保存的アミノ酸置換、であっても良い;並びにここで、
前記改変した軽鎖可変領域は、前記抗体のCD45特異性(即ち、Ab1に類似した特異性)を保
持する、又は別のAb1軽鎖可変領域の生物学的活性と比較して、増強した生物学的活性を
有する。
Ab1のCDR及び/又は可変領域配列を含む抗体は、完全長抗体, バイスペシフィック抗体(bispecific antibody), 二重可変ドメイン抗体、多重鎖又は単鎖抗体、及び/又はヒトCD45に特異的に結合する結合フラグメント、の形態であることがある、例えば、限定され
るものではないが、Fab、Fab'、(Fab')2、Fv)、scFv(単鎖Fv)、サロボディ(代理軽鎖の
構築物を含む)、単一ドメイン抗体、ラクダ化抗体、などが挙げられる。それらはまた、任意のアイソタイプ(例えば、IgA(例えば、IgA1若しくはIgA2)、IgD、IgE、IgG(例えば
、IgG1、IgG2、IgG3若しくはIgG4)、又はIgMなど)、であることがある、又は、に由来することがある。いくつかの実施形態では、抗-CD45抗体は、IgG(例えば、IgG1、IgG2、IgG3又はIgG4)である。
いくつかの実施形態では、Ab1のCDR及び/又は可変領域配列を含む抗体は、更に、重鎖定常領域及び/又は軽鎖定常領域、を含むことがある。いくつかの実施形態では、前記定常領域は、ヒトIgG1定常領域、ヒトIgG2定常領域、ヒトIgG3定常領域、又はヒトIgG4定常領域、である。いくつかの実施形態では、前記重鎖定常領域は、改変した定常領域であることがある。例示的な定常領域の置換及び/又は改変を、本出願に記載する、並びに、限定されるものではないが、以下の位置のうちの1つ以上での置換が挙げられる:234、235
、265、及び435(KabatによるEUインデックス)。いくつかの実施形態では、Ab1のCDR及び
/又は可変領域配列を含む抗体は、更に、以下の置換のうちの1つ以上を含むIgG1重鎖定
常領域、を含むことがある:L234A、L235A、D265C、及びH435A(KabatによるEUインデックス)。いくつかの実施形態では、Ab1のCDR及び/又は可変領域配列を含む抗体は、更に、
配列番号(SEQ ID NO):102、配列番号(SEQ ID NO):103、配列番号(SEQ ID NO):104、配列
番号(SEQ ID NO):105又は配列番号(SEQ ID NO):106、に記載される重鎖定常領域、を含むことがある。いくつかの実施形態では、前記抗体は、配列番号(SEQ ID NO):101に記載さ
れる軽鎖定常領域を含む。
ある特定の実施形態では、前記抗-CD45抗体、又はその抗原結合部分は、配列番号(SEQ ID NO):9に記載のアミノ酸配列、を含む重鎖、を含む。ある特定の実施形態では、抗体は、配列番号(SEQ ID NO):9、又は配列番号(SEQ ID NO):9のバリアント、を含むHCドメイン、を含む改変した重鎖(heavy chain (HC))領域、を含むことがある、この前記バリアントは、(i)1、2、3、4若しくは5アミノ酸の置換、付加若しくは欠失において、配列番号(SEQ
ID NO):9と異なる;(ii)多くとも5、4、3、2若しくは1アミノ酸の置換、付加若しくは欠失において、配列番号(SEQ ID NO):9と異なる;(iii)1-5、1-3、1-2、2-5若しくは3-5ア
ミノ酸の置換、付加若しくは欠失において、配列番号(SEQ ID NO):9と異なる、及び/又
は(iv) 配列番号(SEQ ID NO):9と、少なくとも約75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%若しくは99%同一であるアミノ酸配列を含む、ここで、(i)-(iv)の何れにおいても、ア
ミノ酸置換は、保存的アミノ酸置換、又は非-保存的アミノ酸置換、であっても良い;並
びにここで、前記改変した重鎖領域は、前記抗体のCD45特異性(即ち、Ab1に類似した特異性)を保持する、又は別のAb1重鎖領域の生物学的活性と比較して、増強した生物学的活性を有する。
ある特定の実施形態では、前記抗-CD45抗体、又はその抗原結合部分は、配列番号(SEQ ID NO):10に記載のアミノ酸配列、を含む軽鎖、を含む。ある特定の実施形態では、抗体
は、配列番号(SEQ ID NO):10、又は配列番号(SEQ ID NO):10のバリアント、を含むLCドメイン、を含む改変した軽鎖(heavy chain (LC))領域、を含むことがある、この前記バリアントは、(i)1、2、3、4若しくは5アミノ酸の置換、付加若しくは欠失において、配列番号(SEQ ID NO):10と異なる;(ii)多くとも5、4、3、2若しくは1アミノ酸の置換、付加若し
くは欠失において、配列番号(SEQ ID NO):10と異なる;(iii)1-5、1-3、1-2、2-5若しく
は3-5アミノ酸の置換、付加若しくは欠失において、配列番号(SEQ ID NO):10と異なる、
及び/又は(iv) 配列番号(SEQ ID NO):10と、少なくとも約75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%若しくは99%同一であるアミノ酸配列を含む、ここで、(i)-(iv)の何れにおいても、アミノ酸置換は、保存的アミノ酸置換、又は非-保存的アミノ酸置換、であっても
良い;並びにここで、前記改変した軽鎖領域は、前記抗体のCD45特異性(即ち、Ab1に類似した特異性)を保持する、又は別のAb1軽鎖領域の生物学的活性と比較して、増強した生物学的活性を有する。
いくつかの実施形態では、Ab1のCDR領域及び/又は可変領域を含む抗体は、本出願に記載するように、抗体-薬物コンジュゲートに組み込まれることがある。更に、Ab1のCDR領
域及び/又は可変領域を含む抗体を、例えば、対象におけるCD45+細胞の減少のために、
本出願に記載する方法において、使用することがある。
Ab2
抗体2(Ab2)は、ヒトCD45、カニクイザルCD45及びアカゲザルCD45と交差反応することができ、ヒトCD45の様々なアイソフォームに結合できる。
抗-CD45 Ab2の種々の結合領域のアミノ酸配列を表27に記載する。例えば、表27に
記載のCDRを含む、Ab2に基づく抗-CD45抗体が、本発明に含まれる。
1つの実施形態では、本発明は、Ab2の抗原結合領域に対応する抗原結合領域、例えばCDR及び/又は可変領域、を含む、抗-CD45抗体、又はその抗原結合フラグメント、を提供する。Ab2の重鎖可変領域(VH)アミノ酸配列を配列番号(SEQ ID NO):11に記載する(表27参照)。Ab2のVH CDRドメイン・アミノ酸配列を、配列番号(SEQ ID NO):12(VH CDR1);配列
番号(SEQ ID NO):13(VH CDR2)及び配列番号(SEQ ID NO):14(VH CDR3)、に記載する。Ab2
の軽鎖可変領域(VL)アミノ酸配列を、配列番号(SEQ ID NO):15に記載する(表27参照)。Ab2のVL CDRドメイン・アミノ酸配列を、配列番号(SEQ ID NO):16(VL CDR1);配列番号(SEQ ID NO):17(VL CDR2)及び配列番号(SEQ ID NO):18(VL CDR3)、に記載する。
従って、いくつかの実施形態では、本出願は、配列番号(SEQ ID NO):12に記載のアミノ酸配列を含むCDR1ドメイン、配列番号(SEQ ID NO):13に記載のアミノ酸配列を含むCDR2ドメイン、及び配列番号(SEQ ID NO):14に記載のアミノ酸配列を含むCDR3ドメインを含む重鎖可変領域;並びに/又は配列番号(SEQ ID NO):16に記載のアミノ酸配列を含むCDR1ドメイン、配列番号(SEQ ID NO):17に記載のアミノ酸配列を含むCDR2ドメイン;及び配列番号(SEQ ID NO):18に記載のアミノ酸配列を含むCDR3ドメインを含む軽鎖可変領域、を含む、
抗-CD45抗体、又はその抗原結合部分、を提供する。ある特定の実施形態では、抗-CD45抗体は、本出願に記載するCDR(配列番号(SEQ ID Nos):12から14及び16から18)を含む、ここで、前記CDRは、前記抗体のCD45特異性(即ち、Ab2に類似した特異性)を保持しながら、保存的な1アミノ酸置換(又は2、3、4、又は5アミノ酸置換)を含む。
いくつかの実施形態では、本出願は、配列番号(SEQ ID NO):11に記載のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域、及び/又は配列番号(SEQ ID NO):15に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、を含む、抗-CD45抗体、又はその抗原結合部分、を提供する。ある特定の実施
形態では、抗体は、配列番号(SEQ ID NO):11、又は配列番号(SEQ ID NO):11のバリアント、を含むHC可変ドメイン、を含む改変した重鎖(heavy chain (HC))可変領域、を含むことがある、この前記バリアントは、(i)1、2、3、4若しくは5アミノ酸の置換、付加若しくは欠失において、配列番号(SEQ ID NO):11と異なる;(ii)多くとも5、4、3、2若しくは1ア
ミノ酸の置換、付加若しくは欠失において、配列番号(SEQ ID NO):11と異なる;(iii)1-5、1-3、1-2、2-5若しくは3-5アミノ酸の置換、付加若しくは欠失において、配列番号(SEQ
ID NO):11と異なる、及び/又は(iv) 配列番号(SEQ ID NO):11と、少なくとも約75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%若しくは99%同一であるアミノ酸配列を含む、ここで、(i)-(iv)の何れにおいても、アミノ酸置換は、保存的アミノ酸置換、又は非-保存的アミ
ノ酸置換、であっても良い;並びにここで、前記改変した重鎖可変領域は、前記抗体のCD45特異性(即ち、Ab2に類似した特異性)を保持する、又は別のAb2重鎖可変領域の生物学的活性と比較して、増強した生物学的活性を有する。ある特定の実施形態では、抗体は、配列番号(SEQ ID NO):15、又は配列番号(SEQ ID NO):15のバリアント、を含むLC可変ドメイン、を含む改変した軽鎖(light chain (LC))可変領域、を含む、この前記バリアントは、(i)1、2、3、4若しくは5アミノ酸の置換、付加若しくは欠失において、配列番号(SEQ ID NO):15と異なる;(ii)多くとも5、4、3、2若しくは1アミノ酸の置換、付加若しくは欠失
において、配列番号(SEQ ID NO):15と異なる;(iii)1-5、1-3、1-2、2-5若しくは3-5アミノ酸の置換、付加若しくは欠失において、配列番号(SEQ ID NO):15と異なる、及び/又は(iv) 配列番号(SEQ ID NO):15と、少なくとも約75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%若しくは99%同一であるアミノ酸配列を含む、ここで、(i)-(iv)の何れにおいても、アミノ酸置換は、保存的アミノ酸置換、又は非-保存的アミノ酸置換、であっても良い;並び
にここで、前記改変した軽鎖可変領域は、前記抗体のCD45特異性(即ち、Ab2に類似した特異性)を保持する、又は別のAb2軽鎖可変領域の生物学的活性と比較して、増強した生物学的活性を有する。
Ab2のCDR及び/又は可変領域配列を含む抗体は、完全長抗体, バイスペシフィック抗体(bispecific antibody), 二重可変ドメイン抗体、多重鎖又は単鎖抗体、及び/又はヒトCD45に特異的に結合する結合フラグメント、の形態であることがある、例えば、限定され
るものではないが、Fab、Fab'、(Fab')2、Fv)、scFv(単鎖Fv)、サロボディ(代理軽鎖の
構築物を含む)、単一ドメイン抗体、ラクダ化抗体、などが挙げられる。それらはまた、任意のアイソタイプ(例えば、IgA(例えば、IgA1若しくはIgA2)、IgD、IgE、IgG(例えば
、IgG1、IgG2、IgG3若しくはIgG4)、又はIgMなど)、であることがある、又は、に由来することがある。いくつかの実施形態では、抗-CD45抗体は、IgG(例えば、IgG1、IgG2、IgG3又はIgG4)である。
いくつかの実施形態では、Ab2のCDR及び/又は可変領域配列を含む抗体は、更に、重鎖定常領域及び/又は軽鎖定常領域、を含むことがある。いくつかの実施形態では、前記定常領域は、ヒトIgG1定常領域、ヒトIgG2定常領域、ヒトIgG3定常領域、又はヒトIgG4定常領域、である。いくつかの実施形態では、前記重鎖定常領域は、改変した定常領域であることがある。例示的な定常領域の置換及び/又は改変を、本出願に記載する、並びに、限定されるものではないが、以下の位置のうちの1つ以上での置換が挙げられる:234、235
、265、及び435(KabatによるEUインデックス)。いくつかの実施形態では、Ab2のCDR及び
/又は可変領域配列を含む抗体は、更に、以下の置換のうちの1つ以上を含むIgG1重鎖定
常領域、を含むことがある:L234A、L235A、D265C、及びH435A(KabatによるEUインデックス)。いくつかの実施形態では、Ab2のCDR及び/又は可変領域配列を含む抗体は、更に、
配列番号(SEQ ID NO):102、配列番号(SEQ ID NO):103、配列番号(SEQ ID NO):104、配列
番号(SEQ ID NO):105又は配列番号(SEQ ID NO):106、に記載される重鎖定常領域、を含むことがある。いくつかの実施形態では、前記抗体は、配列番号(SEQ ID NO):101に記載さ
れる軽鎖定常領域を含む。
ある特定の実施形態では、前記抗-CD45抗体、又はその抗原結合部分は、配列番号(SEQ ID NO):19に記載のアミノ酸配列、を含む重鎖、を含む。ある特定の実施形態では、抗体
は、配列番号(SEQ ID NO):19、又は配列番号(SEQ ID NO):19のバリアント、を含むHCドメイン、を含む改変した重鎖(heavy chain (HC))領域、を含むことがある、この前記バリアントは、(i)1、2、3、4若しくは5アミノ酸の置換、付加若しくは欠失において、配列番号(SEQ ID NO):19と異なる;(ii)多くとも5、4、3、2若しくは1アミノ酸の置換、付加若し
くは欠失において、配列番号(SEQ ID NO):19と異なる;(iii)1-5、1-3、1-2、2-5若しく
は3-5アミノ酸の置換、付加若しくは欠失において、配列番号(SEQ ID NO):19と異なる、
及び/又は(iv) 配列番号(SEQ ID NO):19と、少なくとも約75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%若しくは99%同一であるアミノ酸配列を含む、ここで、(i)-(iv)の何れにおいても、アミノ酸置換は、保存的アミノ酸置換、又は非-保存的アミノ酸置換、であっても
良い;並びにここで、前記改変した重鎖領域は、前記抗体のCD45特異性(即ち、Ab2に類似した特異性)を保持する、又は別のAb2重鎖領域の生物学的活性と比較して、増強した生物学的活性を有する。
ある特定の実施形態では、前記抗-CD45抗体、又はその抗原結合部分は、配列番号(SEQ ID NO):20に記載のアミノ酸配列、を含む軽鎖、を含む。ある特定の実施形態では、抗体
は、配列番号(SEQ ID NO):20、又は配列番号(SEQ ID NO):20のバリアント、を含むLCドメイン、を含む改変した軽鎖(heavy chain (LC))領域、を含むことがある、この前記バリアントは、(i)1、2、3、4若しくは5アミノ酸の置換、付加若しくは欠失において、配列番号(SEQ ID NO):20と異なる;(ii)多くとも5、4、3、2若しくは1アミノ酸の置換、付加若し
くは欠失において、配列番号(SEQ ID NO):20と異なる;(iii)1-5、1-3、1-2、2-5若しく
は3-5アミノ酸の置換、付加若しくは欠失において、配列番号(SEQ ID NO):20と異なる、
及び/又は(iv) 配列番号(SEQ ID NO):20と、少なくとも約75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%若しくは99%同一であるアミノ酸配列を含む、ここで、(i)-(iv)の何れにおいても、アミノ酸置換は、保存的アミノ酸置換、又は非-保存的アミノ酸置換、であっても
良い;並びにここで、前記改変した軽鎖領域は、前記抗体のCD45特異性(即ち、Ab2に類似した特異性)を保持する、又は別のAb2軽鎖領域の生物学的活性と比較して、増強した生物学的活性を有する。
いくつかの実施形態では、Ab2のCDR領域及び/又は可変領域を含む抗体は、本出願に記
載するように、抗体-薬物コンジュゲートに組み込まれることがある。更に、Ab2のCDR領
域及び/又は可変領域を含む抗体を、例えば、対象におけるCD45+細胞の減少のために、
本出願に記載する方法において、使用することがある。
Ab3
抗体3(Ab3)は、ヒトCD45、カニクイザルCD45及びアカゲザルCD45と交差反応することができ、ヒトCD45の様々なアイソフォームに結合できる。
抗-CD45 Ab3の種々の結合領域のアミノ酸配列を表27に記載する。例えば、表27に
記載のCDRを含む、Ab3に基づく抗-CD45抗体が、本発明に含まれる。
1つの実施形態では、本発明は、Ab3の抗原結合領域に対応する抗原結合領域、例えばCDR及び/又は可変領域、を含む、抗-CD45抗体、又はその抗原結合フラグメント、を提供する。Ab3の重鎖可変領域(VH)アミノ酸配列を配列番号(SEQ ID NO):21に記載する(表27参照)。Ab3のVH CDRドメイン・アミノ酸配列を、配列番号(SEQ ID NO):22(VH CDR1);配列
番号(SEQ ID NO):23(VH CDR2)及び配列番号(SEQ ID NO):24(VH CDR3)、に記載する。Ab3
の軽鎖可変領域(VL)アミノ酸配列を、配列番号(SEQ ID NO):25に記載する(表27参照)。Ab3のVL CDRドメイン・アミノ酸配列を、配列番号(SEQ ID NO):26(VL CDR1);配列番号(SEQ ID NO):27(VL CDR2)及び配列番号(SEQ ID NO):28(VL CDR3)、に記載する。
従って、いくつかの実施形態では、本出願は、配列番号(SEQ ID NO):22に記載のアミノ酸配列を含むCDR1ドメイン、配列番号(SEQ ID NO):23に記載のアミノ酸配列を含むCDR2ドメイン、及び配列番号(SEQ ID NO):24に記載のアミノ酸配列を含むCDR3ドメインを含む重鎖可変領域;並びに/又は配列番号(SEQ ID NO):26に記載のアミノ酸配列を含むCDR1ドメイン、配列番号(SEQ ID NO):27に記載のアミノ酸配列を含むCDR2ドメイン;及び配列番号(SEQ ID NO):28に記載のアミノ酸配列を含むCDR3ドメインを含む軽鎖可変領域、を含む、
抗-CD45抗体、又はその抗原結合部分、を提供する。ある特定の実施形態では、抗-CD45抗体は、本出願に記載するCDR(配列番号(SEQ ID Nos):22から24及び26から28)を含む、ここで、前記CDRは、前記抗体のCD45特異性(即ち、Ab3に類似した特異性)を保持しながら、保存的な1アミノ酸置換(又は2、3、4、又は5アミノ酸置換)を含む。
いくつかの実施形態では、本出願は、配列番号(SEQ ID NO):21に記載のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域、及び/又は配列番号(SEQ ID NO):25に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、を含む、抗-CD45抗体、又はその抗原結合部分、を提供する。ある特定の実施
形態では、抗体は、配列番号(SEQ ID NO):21、又は配列番号(SEQ ID NO):21のバリアント、を含むHC可変ドメイン、を含む改変した重鎖(heavy chain (HC))可変領域、を含むことがある、この前記バリアントは、(i)1、2、3、4若しくは5アミノ酸の置換、付加若しくは欠失において、配列番号(SEQ ID NO):21と異なる;(ii)多くとも5、4、3、2若しくは1ア
ミノ酸の置換、付加若しくは欠失において、配列番号(SEQ ID NO):21と異なる;(iii)1-5、1-3、1-2、2-5若しくは3-5アミノ酸の置換、付加若しくは欠失において、配列番号(SEQ
ID NO):21と異なる、及び/又は(iv) 配列番号(SEQ ID NO):21と、少なくとも約75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%若しくは99%同一であるアミノ酸配列を含む、ここで、(i)-(iv)の何れにおいても、アミノ酸置換は、保存的アミノ酸置換、又は非-保存的アミ
ノ酸置換、であっても良い;並びにここで、前記改変した重鎖可変領域は、前記抗体のCD45特異性(即ち、Ab3に類似した特異性)を保持する、又は別のAb3重鎖可変領域の生物学的活性と比較して、増強した生物学的活性を有する。ある特定の実施形態では、抗体は、配列番号(SEQ ID NO):25、又は配列番号(SEQ ID NO):25のバリアント、を含むLC可変ドメイン、を含む改変した軽鎖(light chain (LC))可変領域、を含む、この前記バリアントは、(i)1、2、3、4若しくは5アミノ酸の置換、付加若しくは欠失において、配列番号(SEQ ID NO):25と異なる;(ii)多くとも5、4、3、2若しくは1アミノ酸の置換、付加若しくは欠失
において、配列番号(SEQ ID NO):25と異なる;(iii)1-5、1-3、1-2、2-5若しくは3-5アミノ酸の置換、付加若しくは欠失において、配列番号(SEQ ID NO):25と異なる、及び/又は(iv) 配列番号(SEQ ID NO):25と、少なくとも約75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%若しくは99%同一であるアミノ酸配列を含む、ここで、(i)-(iv)の何れにおいても、アミノ酸置換は、保存的アミノ酸置換、又は非-保存的アミノ酸置換、であっても良い;並び
にここで、前記改変した軽鎖可変領域は、前記抗体のCD45特異性(即ち、Ab3に類似した特異性)を保持する、又は別のAb3軽鎖可変領域の生物学的活性と比較して、増強した生物学的活性を有する。
Ab3のCDR及び/又は可変領域配列を含む抗体は、完全長抗体, バイスペシフィック抗体(bispecific antibody), 二重可変ドメイン抗体、多重鎖又は単鎖抗体、及び/又はヒトCD45に特異的に結合する結合フラグメント、の形態であることがある、例えば、限定され
るものではないが、Fab、Fab'、(Fab')2、Fv)、scFv(単鎖Fv)、サロボディ(代理軽鎖の
構築物を含む)、単一ドメイン抗体、ラクダ化抗体、などが挙げられる。それらはまた、任意のアイソタイプ(例えば、IgA(例えば、IgA1若しくはIgA2)、IgD、IgE、IgG(例えば
、IgG1、IgG2、IgG3若しくはIgG4)、又はIgMなど)、であることがある、又は、に由来することがある。いくつかの実施形態では、抗-CD45抗体は、IgG(例えば、IgG1、IgG2、IgG3又はIgG4)である。
いくつかの実施形態では、Ab3のCDR及び/又は可変領域配列を含む抗体は、更に、重鎖定常領域及び/又は軽鎖定常領域、を含むことがある。いくつかの実施形態では、前記定常領域は、ヒトIgG1定常領域、ヒトIgG2定常領域、ヒトIgG3定常領域、又はヒトIgG4定常領域、である。いくつかの実施形態では、前記重鎖定常領域は、改変した定常領域であることがある。例示的な定常領域の置換及び/又は改変を、本出願に記載する、並びに、限定されるものではないが、以下の位置のうちの1つ以上での置換が挙げられる:234、235
、265、及び435(KabatによるEUインデックス)。いくつかの実施形態では、Ab3のCDR及び
/又は可変領域配列を含む抗体は、更に、以下の置換のうちの1つ以上を含むIgG1重鎖定
常領域、を含むことがある:L234A、L235A、D265C、及びH435A(KabatによるEUインデックス)。いくつかの実施形態では、Ab3のCDR及び/又は可変領域配列を含む抗体は、更に、
配列番号(SEQ ID NO):102、配列番号(SEQ ID NO):103、配列番号(SEQ ID NO):104、配列
番号(SEQ ID NO):105又は配列番号(SEQ ID NO):106、に記載される重鎖定常領域、を含むことがある。いくつかの実施形態では、前記抗体は、配列番号(SEQ ID NO):101に記載さ
れる軽鎖定常領域を含む。
ある特定の実施形態では、前記抗-CD45抗体、又はその抗原結合部分は、配列番号(SEQ ID NO):29に記載のアミノ酸配列、を含む重鎖、を含む。ある特定の実施形態では、抗体
は、配列番号(SEQ ID NO):29、又は配列番号(SEQ ID NO):29のバリアント、を含むHCドメイン、を含む改変した重鎖(heavy chain (HC))領域、を含むことがある、この前記バリアントは、(i)1、2、3、4若しくは5アミノ酸の置換、付加若しくは欠失において、配列番号(SEQ ID NO):29と異なる;(ii)多くとも5、4、3、2若しくは1アミノ酸の置換、付加若し
くは欠失において、配列番号(SEQ ID NO):29と異なる;(iii)1-5、1-3、1-2、2-5若しく
は3-5アミノ酸の置換、付加若しくは欠失において、配列番号(SEQ ID NO):29と異なる、
及び/又は(iv) 配列番号(SEQ ID NO):29と、少なくとも約75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%若しくは99%同一であるアミノ酸配列を含む、ここで、(i)-(iv)の何れにおいても、アミノ酸置換は、保存的アミノ酸置換、又は非-保存的アミノ酸置換、であっても
良い;並びにここで、前記改変した重鎖領域は、前記抗体のCD45特異性(即ち、Ab3に類似した特異性)を保持する、又は別のAb3重鎖領域の生物学的活性と比較して、増強した生物学的活性を有する。
ある特定の実施形態では、前記抗-CD45抗体、又はその抗原結合部分は、配列番号(SEQ
ID NO):30に記載のアミノ酸配列、を含む軽鎖、を含む。ある特定の実施形態では、抗体
は、配列番号(SEQ ID NO):30、又は配列番号(SEQ ID NO):30のバリアント、を含むLCドメイン、を含む改変した軽鎖(heavy chain (LC))領域、を含むことがある、この前記バリアントは、(i)1、2、3、4若しくは5アミノ酸の置換、付加若しくは欠失において、配列番号(SEQ ID NO):30と異なる;(ii)多くとも5、4、3、2若しくは1アミノ酸の置換、付加若し
くは欠失において、配列番号(SEQ ID NO):30と異なる;(iii)1-5、1-3、1-2、2-5若しく
は3-5アミノ酸の置換、付加若しくは欠失において、配列番号(SEQ ID NO):30と異なる、
及び/又は(iv) 配列番号(SEQ ID NO):30と、少なくとも約75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%若しくは99%同一であるアミノ酸配列を含む、ここで、(i)-(iv)の何れにおいても、アミノ酸置換は、保存的アミノ酸置換、又は非-保存的アミノ酸置換、であっても
良い;並びにここで、前記改変した軽鎖領域は、前記抗体のCD45特異性(即ち、Ab3に類似した特異性)を保持する、又は別のAb3軽鎖領域の生物学的活性と比較して、増強した生物学的活性を有する。
いくつかの実施形態では、Ab3のCDR領域及び/又は可変領域を含む抗体は、本出願に記載するように、抗体-薬物コンジュゲートに組み込まれることがある。更に、Ab3のCDR領
域及び/又は可変領域を含む抗体を、例えば、対象におけるCD45+細胞の減少のために、
本出願に記載する方法において、使用することがある。
Ab4
抗体4(Ab4)は、ヒトCD45、カニクイザルCD45及びアカゲザルCD45と交差反応することができ、ヒトCD45の様々なアイソフォームに結合できる。
抗-CD45 Ab4の種々の結合領域のアミノ酸配列を表27に記載する。例えば、表27に
記載のCDRを含む、Ab4に基づく抗-CD45抗体が、本発明に含まれる。
1つの実施形態では、本発明は、Ab4の抗原結合領域に対応する抗原結合領域、例えばCDR及び/又は可変領域、を含む、抗-CD45抗体、又はその抗原結合フラグメント、を提供する。Ab4の重鎖可変領域(VH)アミノ酸配列を配列番号(SEQ ID NO):31に記載する(表27参照)。Ab4のVH CDRドメイン・アミノ酸配列を、配列番号(SEQ ID NO):32(VH CDR1);配列
番号(SEQ ID NO):33(VH CDR2)及び配列番号(SEQ ID NO):34(VH CDR3)、に記載する。Ab4
の軽鎖可変領域(VL)アミノ酸配列を、配列番号(SEQ ID NO):35に記載する(表27参照)。Ab4のVL CDRドメイン・アミノ酸配列を、配列番号(SEQ ID NO):36(VL CDR1);配列番号(SEQ ID NO):37(VL CDR2)及び配列番号(SEQ ID NO):38(VL CDR3)、に記載する。
従って、いくつかの実施形態では、本出願は、配列番号(SEQ ID NO):32に記載のアミノ酸配列を含むCDR1ドメイン、配列番号(SEQ ID NO):33に記載のアミノ酸配列を含むCDR2ドメイン、及び配列番号(SEQ ID NO):34に記載のアミノ酸配列を含むCDR3ドメインを含む重鎖可変領域;並びに/又は配列番号(SEQ ID NO):36に記載のアミノ酸配列を含むCDR1ドメイン、配列番号(SEQ ID NO):37に記載のアミノ酸配列を含むCDR2ドメイン;及び配列番号(SEQ ID NO):38に記載のアミノ酸配列を含むCDR3ドメインを含む軽鎖可変領域、を含む、
抗-CD45抗体、又はその抗原結合部分、を提供する。ある特定の実施形態では、抗-CD45抗体は、本出願に記載するCDR(配列番号(SEQ ID Nos):32から34及び36から38)を含む、ここで、前記CDRは、前記抗体のCD45特異性(即ち、Ab4に類似した特異性)を保持しながら、保存的な1アミノ酸置換(又は2、3、4、又は5アミノ酸置換)を含む。
いくつかの実施形態では、本出願は、配列番号(SEQ ID NO):31に記載のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域、及び/又は配列番号(SEQ ID NO):35に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、を含む、抗-CD45抗体、又はその抗原結合部分、を提供する。ある特定の実施
形態では、抗体は、配列番号(SEQ ID NO):31、又は配列番号(SEQ ID NO):31のバリアント
、を含むHC可変ドメイン、を含む改変した重鎖(heavy chain (HC))可変領域、を含むことがある、この前記バリアントは、(i)1、2、3、4若しくは5アミノ酸の置換、付加若しくは欠失において、配列番号(SEQ ID NO):31と異なる;(ii)多くとも5、4、3、2若しくは1ア
ミノ酸の置換、付加若しくは欠失において、配列番号(SEQ ID NO):31と異なる;(iii)1-5、1-3、1-2、2-5若しくは3-5アミノ酸の置換、付加若しくは欠失において、配列番号(SEQ
ID NO):31と異なる、及び/又は(iv) 配列番号(SEQ ID NO):31と、少なくとも約75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%若しくは99%同一であるアミノ酸配列を含む、ここで、(i)-(iv)の何れにおいても、アミノ酸置換は、保存的アミノ酸置換、又は非-保存的アミ
ノ酸置換、であっても良い;並びにここで、前記改変した重鎖可変領域は、前記抗体のCD45特異性(即ち、Ab4に類似した特異性)を保持する、又は別のAb4重鎖可変領域の生物学的活性と比較して、増強した生物学的活性を有する。ある特定の実施形態では、抗体は、配列番号(SEQ ID NO):35、又は配列番号(SEQ ID NO):35のバリアント、を含むLC可変ドメイン、を含む改変した軽鎖(light chain (LC))可変領域、を含む、この前記バリアントは、(i)1、2、3、4若しくは5アミノ酸の置換、付加若しくは欠失において、配列番号(SEQ ID NO):35と異なる;(ii)多くとも5、4、3、2若しくは1アミノ酸の置換、付加若しくは欠失
において、配列番号(SEQ ID NO):35と異なる;(iii)1-5、1-3、1-2、2-5若しくは3-5アミノ酸の置換、付加若しくは欠失において、配列番号(SEQ ID NO):35と異なる、及び/又は(iv) 配列番号(SEQ ID NO):35と、少なくとも約75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%若しくは99%同一であるアミノ酸配列を含む、ここで、(i)-(iv)の何れにおいても、アミノ酸置換は、保存的アミノ酸置換、又は非-保存的アミノ酸置換、であっても良い;並び
にここで、前記改変した軽鎖可変領域は、前記抗体のCD45特異性(即ち、Ab4に類似した特異性)を保持する、又は別のAb4軽鎖可変領域の生物学的活性と比較して、増強した生物学的活性を有する。
Ab4のCDR及び/又は可変領域配列を含む抗体は、完全長抗体, バイスペシフィック抗体(bispecific antibody), 二重可変ドメイン抗体、多重鎖又は単鎖抗体、及び/又はヒトCD45に特異的に結合する結合フラグメント、の形態であることがある、例えば、限定され
るものではないが、Fab、Fab'、(Fab')2、Fv)、scFv(単鎖Fv)、サロボディ(代理軽鎖の
構築物を含む)、単一ドメイン抗体、ラクダ化抗体、などが挙げられる。それらはまた、任意のアイソタイプ(例えば、IgA(例えば、IgA1若しくはIgA2)、IgD、IgE、IgG(例えば
、IgG1、IgG2、IgG3若しくはIgG4)、又はIgMなど)、であることがある、又は、に由来することがある。いくつかの実施形態では、抗-CD45抗体は、IgG(例えば、IgG1、IgG2、IgG3又はIgG4)である。
いくつかの実施形態では、Ab4のCDR及び/又は可変領域配列を含む抗体は、更に、重鎖定常領域及び/又は軽鎖定常領域、を含むことがある。いくつかの実施形態では、前記定常領域は、ヒトIgG1定常領域、ヒトIgG2定常領域、ヒトIgG3定常領域、又はヒトIgG4定常領域、である。いくつかの実施形態では、前記重鎖定常領域は、改変した定常領域であることがある。例示的な定常領域の置換及び/又は改変を、本出願に記載する、並びに、限定されるものではないが、以下の位置のうちの1つ以上での置換が挙げられる:234、235
、265、及び435(KabatによるEUインデックス)。いくつかの実施形態では、Ab4のCDR及び
/又は可変領域配列を含む抗体は、更に、以下の置換のうちの1つ以上を含むIgG1重鎖定
常領域、を含むことがある:L234A、L235A、D265C、及びH435A(KabatによるEUインデックス)。いくつかの実施形態では、Ab4のCDR及び/又は可変領域配列を含む抗体は、更に、
配列番号(SEQ ID NO):102、配列番号(SEQ ID NO):103、配列番号(SEQ ID NO):104、配列
番号(SEQ ID NO):105又は配列番号(SEQ ID NO):106、に記載される重鎖定常領域、を含むことがある。いくつかの実施形態では、前記抗体は、配列番号(SEQ ID NO):101に記載さ
れる軽鎖定常領域を含む。
ある特定の実施形態では、前記抗-CD45抗体、又はその抗原結合部分は、配列番号(SEQ
ID NO):39に記載のアミノ酸配列、を含む重鎖、を含む。ある特定の実施形態では、抗体
は、配列番号(SEQ ID NO):39、又は配列番号(SEQ ID NO):39のバリアント、を含むHCドメイン、を含む改変した重鎖(heavy chain (HC))領域、を含むことがある、この前記バリアントは、(i)1、2、3、4若しくは5アミノ酸の置換、付加若しくは欠失において、配列番号(SEQ ID NO):39と異なる;(ii)多くとも5、4、3、2若しくは1アミノ酸の置換、付加若し
くは欠失において、配列番号(SEQ ID NO):39と異なる;(iii)1-5、1-3、1-2、2-5若しく
は3-5アミノ酸の置換、付加若しくは欠失において、配列番号(SEQ ID NO):39と異なる、
及び/又は(iv) 配列番号(SEQ ID NO):39と、少なくとも約75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%若しくは99%同一であるアミノ酸配列を含む、ここで、(i)-(iv)の何れにおいても、アミノ酸置換は、保存的アミノ酸置換、又は非-保存的アミノ酸置換、であっても
良い;並びにここで、前記改変した重鎖領域は、前記抗体のCD45特異性(即ち、Ab4に類似した特異性)を保持する、又は別のAb4重鎖領域の生物学的活性と比較して、増強した生物学的活性を有する。
ある特定の実施形態では、前記抗-CD45抗体、又はその抗原結合部分は、配列番号(SEQ ID NO):40に記載のアミノ酸配列、を含む軽鎖、を含む。ある特定の実施形態では、抗体
は、配列番号(SEQ ID NO):40、又は配列番号(SEQ ID NO):40のバリアント、を含むLCドメイン、を含む改変した軽鎖(heavy chain (LC))領域、を含むことがある、この前記バリアントは、(i)1、2、3、4若しくは5アミノ酸の置換、付加若しくは欠失において、配列番号(SEQ ID NO):40と異なる;(ii)多くとも5、4、3、2若しくは1アミノ酸の置換、付加若し
くは欠失において、配列番号(SEQ ID NO):40と異なる;(iii)1-5、1-3、1-2、2-5若しく
は3-5アミノ酸の置換、付加若しくは欠失において、配列番号(SEQ ID NO):40と異なる、
及び/又は(iv) 配列番号(SEQ ID NO):40と、少なくとも約75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%若しくは99%同一であるアミノ酸配列を含む、ここで、(i)-(iv)の何れにおいても、アミノ酸置換は、保存的アミノ酸置換、又は非-保存的アミノ酸置換、であっても
良い;並びにここで、前記改変した軽鎖領域は、前記抗体のCD45特異性(即ち、Ab4に類似した特異性)を保持する、又は別のAb4軽鎖領域の生物学的活性と比較して、増強した生物学的活性を有する。
いくつかの実施形態では、Ab4のCDR領域及び/又は可変領域を含む抗体は、本出願に記載するように、抗体-薬物コンジュゲートに組み込まれることがある。更に、Ab4のCDR領
域及び/又は可変領域を含む抗体を、例えば、対象におけるCD45+細胞の減少のために、
本出願に記載する方法において、使用することがある。
Ab5
抗体5(Ab5)は、ヒトCD45、カニクイザルCD45及びアカゲザルCD45と交差反応することができ、ヒトCD45の様々なアイソフォームに結合できる。
抗-CD45 Ab5の種々の結合領域のアミノ酸配列を表27に記載する。例えば、表27に
記載のCDRを含む、Ab5に基づく抗-CD45抗体が、本発明に含まれる。
1つの実施形態では、本発明は、Ab5の抗原結合領域に対応する抗原結合領域、例えばCDR及び/又は可変領域、を含む、抗-CD45抗体、又はその抗原結合フラグメント、を提供する。Ab5の重鎖可変領域(VH)アミノ酸配列を配列番号(SEQ ID NO):41に記載する(表27参照)。Ab5のVH CDRドメイン・アミノ酸配列を、配列番号(SEQ ID NO):42(VH CDR1);配列
番号(SEQ ID NO):43(VH CDR2)及び配列番号(SEQ ID NO):44(VH CDR3)、に記載する。Ab5
の軽鎖可変領域(VL)アミノ酸配列を、配列番号(SEQ ID NO):45に記載する(表27参照)。Ab5のVL CDRドメイン・アミノ酸配列を、配列番号(SEQ ID NO):46(VL CDR1);配列番号(SEQ ID NO):47(VL CDR2)及び配列番号(SEQ ID NO):48(VL CDR3)、に記載する。
従って、いくつかの実施形態では、本出願は、配列番号(SEQ ID NO):42に記載のアミノ酸配列を含むCDR1ドメイン、配列番号(SEQ ID NO):43に記載のアミノ酸配列を含むCDR2ドメイン、及び配列番号(SEQ ID NO):44に記載のアミノ酸配列を含むCDR3ドメインを含む重鎖可変領域;並びに/又は配列番号(SEQ ID NO):46に記載のアミノ酸配列を含むCDR1ドメイン、配列番号(SEQ ID NO):47に記載のアミノ酸配列を含むCDR2ドメイン;及び配列番号(SEQ ID NO):48に記載のアミノ酸配列を含むCDR3ドメインを含む軽鎖可変領域、を含む、
抗-CD45抗体、又はその抗原結合部分、を提供する。ある特定の実施形態では、抗-CD45抗体は、本出願に記載するCDR(配列番号(SEQ ID Nos):42から44及び46から48)を含む、ここで、前記CDRは、前記抗体のCD45特異性(即ち、Ab5に類似した特異性)を保持しながら、保存的な1アミノ酸置換(又は2、3、4、又は5アミノ酸置換)を含む。
いくつかの実施形態では、本出願は、配列番号(SEQ ID NO):41に記載のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域、及び/又は配列番号(SEQ ID NO):45に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、を含む、抗-CD45抗体、又はその抗原結合部分、を提供する。ある特定の実施
形態では、抗体は、配列番号(SEQ ID NO):41、又は配列番号(SEQ ID NO):41のバリアント、を含むHC可変ドメイン、を含む改変した重鎖(heavy chain (HC))可変領域、を含むことがある、この前記バリアントは、(i)1、2、3、4若しくは5アミノ酸の置換、付加若しくは欠失において、配列番号(SEQ ID NO):41と異なる;(ii)多くとも5、4、3、2若しくは1ア
ミノ酸の置換、付加若しくは欠失において、配列番号(SEQ ID NO):41と異なる;(iii)1-5、1-3、1-2、2-5若しくは3-5アミノ酸の置換、付加若しくは欠失において、配列番号(SEQ
ID NO):41と異なる、及び/又は(iv) 配列番号(SEQ ID NO):41と、少なくとも約75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%若しくは99%同一であるアミノ酸配列を含む、ここで、(i)-(iv)の何れにおいても、アミノ酸置換は、保存的アミノ酸置換、又は非-保存的アミ
ノ酸置換、であっても良い;並びにここで、前記改変した重鎖可変領域は、前記抗体のCD45特異性(即ち、Ab5に類似した特異性)を保持する、又は別のAb5重鎖可変領域の生物学的活性と比較して、増強した生物学的活性を有する。ある特定の実施形態では、抗体は、配列番号(SEQ ID NO):45、又は配列番号(SEQ ID NO):45のバリアント、を含むLC可変ドメイン、を含む改変した軽鎖(light chain (LC))可変領域、を含む、この前記バリアントは、(i)1、2、3、4若しくは5アミノ酸の置換、付加若しくは欠失において、配列番号(SEQ ID NO):45と異なる;(ii)多くとも5、4、3、2若しくは1アミノ酸の置換、付加若しくは欠失
において、配列番号(SEQ ID NO):45と異なる;(iii)1-5、1-3、1-2、2-5若しくは3-5アミノ酸の置換、付加若しくは欠失において、配列番号(SEQ ID NO):45と異なる、及び/又は(iv) 配列番号(SEQ ID NO):45と、少なくとも約75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%若しくは99%同一であるアミノ酸配列を含む、ここで、(i)-(iv)の何れにおいても、アミノ酸置換は、保存的アミノ酸置換、又は非-保存的アミノ酸置換、であっても良い;並び
にここで、前記改変した軽鎖可変領域は、前記抗体のCD45特異性(即ち、Ab5に類似した特異性)を保持する、又は別のAb5軽鎖可変領域の生物学的活性と比較して、増強した生物学的活性を有する。
Ab5のCDR及び/又は可変領域配列を含む抗体は、完全長抗体, バイスペシフィック抗体(bispecific antibody), 二重可変ドメイン抗体、多重鎖又は単鎖抗体、及び/又はヒトCD45に特異的に結合する結合フラグメント、の形態であることがある、例えば、限定され
るものではないが、Fab、Fab'、(Fab')2、Fv)、scFv(単鎖Fv)、サロボディ(代理軽鎖の
構築物を含む)、単一ドメイン抗体、ラクダ化抗体、などが挙げられる。それらはまた、任意のアイソタイプ(例えば、IgA(例えば、IgA1若しくはIgA2)、IgD、IgE、IgG(例えば
、IgG1、IgG2、IgG3若しくはIgG4)、又はIgMなど)、であることがある、又は、に由来することがある。いくつかの実施形態では、抗-CD45抗体は、IgG(例えば、IgG1、IgG2、IgG3又はIgG4)である。
いくつかの実施形態では、Ab5のCDR及び/又は可変領域配列を含む抗体は、更に、重鎖
定常領域及び/又は軽鎖定常領域、を含むことがある。いくつかの実施形態では、前記定常領域は、ヒトIgG1定常領域、ヒトIgG2定常領域、ヒトIgG3定常領域、又はヒトIgG4定常領域、である。いくつかの実施形態では、前記重鎖定常領域は、改変した定常領域であることがある。例示的な定常領域の置換及び/又は改変を、本出願に記載する、並びに、限定されるものではないが、以下の位置のうちの1つ以上での置換が挙げられる:234、235
、265、及び435(KabatによるEUインデックス)。いくつかの実施形態では、Ab5のCDR及び
/又は可変領域配列を含む抗体は、更に、以下の置換のうちの1つ以上を含むIgG1重鎖定
常領域、を含むことがある:L234A、L235A、D265C、及びH435A(KabatによるEUインデックス)。いくつかの実施形態では、Ab5のCDR及び/又は可変領域配列を含む抗体は、更に、
配列番号(SEQ ID NO):102、配列番号(SEQ ID NO):103、配列番号(SEQ ID NO):104、配列
番号(SEQ ID NO):105又は配列番号(SEQ ID NO):106、に記載される重鎖定常領域、を含むことがある。いくつかの実施形態では、前記抗体は、配列番号(SEQ ID NO):101に記載さ
れる軽鎖定常領域を含む。
ある特定の実施形態では、前記抗-CD45抗体、又はその抗原結合部分は、配列番号(SEQ ID NO):49に記載のアミノ酸配列、を含む重鎖、を含む。ある特定の実施形態では、抗体
は、配列番号(SEQ ID NO):49、又は配列番号(SEQ ID NO):49のバリアント、を含むHCドメイン、を含む改変した重鎖(heavy chain (HC))領域、を含むことがある、この前記バリアントは、(i)1、2、3、4若しくは5アミノ酸の置換、付加若しくは欠失において、配列番号(SEQ ID NO):49と異なる;(ii)多くとも5、4、3、2若しくは1アミノ酸の置換、付加若し
くは欠失において、配列番号(SEQ ID NO):49と異なる;(iii)1-5、1-3、1-2、2-5若しく
は3-5アミノ酸の置換、付加若しくは欠失において、配列番号(SEQ ID NO):49と異なる、
及び/又は(iv) 配列番号(SEQ ID NO):49と、少なくとも約75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%若しくは99%同一であるアミノ酸配列を含む、ここで、(i)-(iv)の何れにおいても、アミノ酸置換は、保存的アミノ酸置換、又は非-保存的アミノ酸置換、であっても
良い;並びにここで、前記改変した重鎖領域は、前記抗体のCD45特異性(即ち、Ab5に類似した特異性)を保持する、又は別のAb5重鎖領域の生物学的活性と比較して、増強した生物学的活性を有する。
ある特定の実施形態では、前記抗-CD45抗体、又はその抗原結合部分は、配列番号(SEQ ID NO):50に記載のアミノ酸配列、を含む軽鎖、を含む。ある特定の実施形態では、抗体
は、配列番号(SEQ ID NO):50、又は配列番号(SEQ ID NO):50のバリアント、を含むLCドメイン、を含む改変した軽鎖(heavy chain (LC))領域、を含むことがある、この前記バリアントは、(i)1、2、3、4若しくは5アミノ酸の置換、付加若しくは欠失において、配列番号(SEQ ID NO):50と異なる;(ii)多くとも5、4、3、2若しくは1アミノ酸の置換、付加若し
くは欠失において、配列番号(SEQ ID NO):50と異なる;(iii)1-5、1-3、1-2、2-5若しく
は3-5アミノ酸の置換、付加若しくは欠失において、配列番号(SEQ ID NO):50と異なる、
及び/又は(iv) 配列番号(SEQ ID NO):50と、少なくとも約75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%若しくは99%同一であるアミノ酸配列を含む、ここで、(i)-(iv)の何れにおいても、アミノ酸置換は、保存的アミノ酸置換、又は非-保存的アミノ酸置換、であっても
良い;並びにここで、前記改変した軽鎖領域は、前記抗体のCD45特異性(即ち、Ab5に類似した特異性)を保持する、又は別のAb5軽鎖領域の生物学的活性と比較して、増強した生物学的活性を有する。
いくつかの実施形態では、Ab5のCDR領域及び/又は可変領域を含む抗体は、本出願に記載するように、抗体-薬物コンジュゲートに組み込まれることがある。更に、Ab5のCDR領
域及び/又は可変領域を含む抗体を、例えば、対象におけるCD45+細胞の減少のために、
本出願に記載する方法において、使用することがある。
Ab6
抗体6(Ab6)は、ヒトCD45、カニクイザルCD45及びアカゲザルCD45と交差反応することができ、ヒトCD45の様々なアイソフォームに結合できる。
抗-CD45 Ab6の種々の結合領域のアミノ酸配列を表27に記載する。例えば、表27に
記載のCDRを含む、Ab6に基づく抗-CD45抗体が、本発明に含まれる。
1つの実施形態では、本発明は、Ab6の抗原結合領域に対応する抗原結合領域、例えばCDR及び/又は可変領域、を含む、抗-CD45抗体、又はその抗原結合フラグメント、を提供する。Ab6の重鎖可変領域(VH)アミノ酸配列を配列番号(SEQ ID NO):51に記載する(表27参照)。Ab6のVH CDRドメイン・アミノ酸配列を、配列番号(SEQ ID NO):52(VH CDR1);配列
番号(SEQ ID NO):53(VH CDR2)及び配列番号(SEQ ID NO):54(VH CDR3)、に記載する。Ab6
の軽鎖可変領域(VL)アミノ酸配列を、配列番号(SEQ ID NO):55に記載する(表27参照)。Ab6のVL CDRドメイン・アミノ酸配列を、配列番号(SEQ ID NO):56(VL CDR1);配列番号(SEQ ID NO):57(VL CDR2)及び配列番号(SEQ ID NO):58(VL CDR3)、に記載する。
従って、いくつかの実施形態では、本出願は、配列番号(SEQ ID NO):52に記載のアミノ酸配列を含むCDR1ドメイン、配列番号(SEQ ID NO):53に記載のアミノ酸配列を含むCDR2ドメイン、及び配列番号(SEQ ID NO):54に記載のアミノ酸配列を含むCDR3ドメインを含む重鎖可変領域;並びに/又は配列番号(SEQ ID NO):56に記載のアミノ酸配列を含むCDR1ドメイン、配列番号(SEQ ID NO):57に記載のアミノ酸配列を含むCDR2ドメイン;及び配列番号(SEQ ID NO):58に記載のアミノ酸配列を含むCDR3ドメインを含む軽鎖可変領域、を含む、
抗-CD45抗体、又はその抗原結合部分、を提供する。ある特定の実施形態では、抗-CD45抗体は、本出願に記載するCDR(配列番号(SEQ ID Nos):52から54及び56から58)を含む、ここで、前記CDRは、前記抗体のCD45特異性(即ち、Ab6に類似した特異性)を保持しながら、保存的な1アミノ酸置換(又は2、3、4、又は5アミノ酸置換)を含む。
いくつかの実施形態では、本出願は、配列番号(SEQ ID NO):51に記載のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域、及び/又は配列番号(SEQ ID NO):55に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、を含む、抗-CD45抗体、又はその抗原結合部分、を提供する。ある特定の実施
形態では、抗体は、配列番号(SEQ ID NO):51、又は配列番号(SEQ ID NO):51のバリアント、を含むHC可変ドメイン、を含む改変した重鎖(heavy chain (HC))可変領域、を含むことがある、この前記バリアントは、(i)1、2、3、4若しくは5アミノ酸の置換、付加若しくは欠失において、配列番号(SEQ ID NO):51と異なる;(ii)多くとも5、4、3、2若しくは1ア
ミノ酸の置換、付加若しくは欠失において、配列番号(SEQ ID NO):51と異なる;(iii)1-5、1-3、1-2、2-5若しくは3-5アミノ酸の置換、付加若しくは欠失において、配列番号(SEQ
ID NO):51と異なる、及び/又は(iv) 配列番号(SEQ ID NO):51と、少なくとも約75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%若しくは99%同一であるアミノ酸配列を含む、ここで、(i)-(iv)の何れにおいても、アミノ酸置換は、保存的アミノ酸置換、又は非-保存的アミ
ノ酸置換、であっても良い;並びにここで、前記改変した重鎖可変領域は、前記抗体のCD45特異性(即ち、Ab6に類似した特異性)を保持する、又は別のAb6重鎖可変領域の生物学的活性と比較して、増強した生物学的活性を有する。ある特定の実施形態では、抗体は、配列番号(SEQ ID NO):55、又は配列番号(SEQ ID NO):55のバリアント、を含むLC可変ドメイン、を含む改変した軽鎖(light chain (LC))可変領域、を含む、この前記バリアントは、(i)1、2、3、4若しくは5アミノ酸の置換、付加若しくは欠失において、配列番号(SEQ ID NO):55と異なる;(ii)多くとも5、4、3、2若しくは1アミノ酸の置換、付加若しくは欠失
において、配列番号(SEQ ID NO):55と異なる;(iii)1-5、1-3、1-2、2-5若しくは3-5アミノ酸の置換、付加若しくは欠失において、配列番号(SEQ ID NO):55と異なる、及び/又は(iv) 配列番号(SEQ ID NO):55と、少なくとも約75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%若しくは99%同一であるアミノ酸配列を含む、ここで、(i)-(iv)の何れにおいても、アミノ酸置換は、保存的アミノ酸置換、又は非-保存的アミノ酸置換、であっても良い;並び
にここで、前記改変した軽鎖可変領域は、前記抗体のCD45特異性(即ち、Ab6に類似した特異性)を保持する、又は別のAb6軽鎖可変領域の生物学的活性と比較して、増強した生物学的活性を有する。
Ab6のCDR及び/又は可変領域配列を含む抗体は、完全長抗体, バイスペシフィック抗体(bispecific antibody), 二重可変ドメイン抗体、多重鎖又は単鎖抗体、及び/又はヒトCD45に特異的に結合する結合フラグメント、の形態であることがある、例えば、限定され
るものではないが、Fab、Fab'、(Fab')2、Fv)、scFv(単鎖Fv)、サロボディ(代理軽鎖の
構築物を含む)、単一ドメイン抗体、ラクダ化抗体、などが挙げられる。それらはまた、任意のアイソタイプ(例えば、IgA(例えば、IgA1若しくはIgA2)、IgD、IgE、IgG(例えば
、IgG1、IgG2、IgG3若しくはIgG4)、又はIgMなど)、であることがある、又は、に由来することがある。いくつかの実施形態では、抗-CD45抗体は、IgG(例えば、IgG1、IgG2、IgG3又はIgG4)である。
いくつかの実施形態では、Ab6のCDR及び/又は可変領域配列を含む抗体は、更に、重鎖定常領域及び/又は軽鎖定常領域、を含むことがある。いくつかの実施形態では、前記定常領域は、ヒトIgG1定常領域、ヒトIgG2定常領域、ヒトIgG3定常領域、又はヒトIgG4定常領域、である。いくつかの実施形態では、前記重鎖定常領域は、改変した定常領域であることがある。例示的な定常領域の置換及び/又は改変を、本出願に記載する、並びに、限定されるものではないが、以下の位置のうちの1つ以上での置換が挙げられる:234、235
、265、及び435(KabatによるEUインデックス)。いくつかの実施形態では、Ab6のCDR及び
/又は可変領域配列を含む抗体は、更に、以下の置換のうちの1つ以上を含むIgG1重鎖定
常領域、を含むことがある:L234A、L235A、D265C、及びH435A(KabatによるEUインデックス)。いくつかの実施形態では、Ab6のCDR及び/又は可変領域配列を含む抗体は、更に、
配列番号(SEQ ID NO):102、配列番号(SEQ ID NO):103、配列番号(SEQ ID NO):104、配列
番号(SEQ ID NO):105又は配列番号(SEQ ID NO):106、に記載される重鎖定常領域、を含むことがある。いくつかの実施形態では、前記抗体は、配列番号(SEQ ID NO):101に記載さ
れる軽鎖定常領域を含む。
ある特定の実施形態では、前記抗-CD45抗体、又はその抗原結合部分は、配列番号(SEQ ID NO):59に記載のアミノ酸配列、を含む重鎖、を含む。ある特定の実施形態では、抗体
は、配列番号(SEQ ID NO):59、又は配列番号(SEQ ID NO):59のバリアント、を含むHCドメイン、を含む改変した重鎖(heavy chain (HC))領域、を含むことがある、この前記バリアントは、(i)1、2、3、4若しくは5アミノ酸の置換、付加若しくは欠失において、配列番号(SEQ ID NO):59と異なる;(ii)多くとも5、4、3、2若しくは1アミノ酸の置換、付加若し
くは欠失において、配列番号(SEQ ID NO):59と異なる;(iii)1-5、1-3、1-2、2-5若しく
は3-5アミノ酸の置換、付加若しくは欠失において、配列番号(SEQ ID NO):59と異なる、
及び/又は(iv) 配列番号(SEQ ID NO):59と、少なくとも約75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%若しくは99%同一であるアミノ酸配列を含む、ここで、(i)-(iv)の何れにおいても、アミノ酸置換は、保存的アミノ酸置換、又は非-保存的アミノ酸置換、であっても
良い;並びにここで、前記改変した重鎖領域は、前記抗体のCD45特異性(即ち、Ab6に類似した特異性)を保持する、又は別のAb6重鎖領域の生物学的活性と比較して、増強した生物学的活性を有する。
ある特定の実施形態では、前記抗-CD45抗体、又はその抗原結合部分は、配列番号(SEQ ID NO):60に記載のアミノ酸配列、を含む軽鎖、を含む。ある特定の実施形態では、抗体
は、配列番号(SEQ ID NO):60、又は配列番号(SEQ ID NO):60のバリアント、を含むLCドメイン、を含む改変した軽鎖(heavy chain (LC))領域、を含むことがある、この前記バリアントは、(i)1、2、3、4若しくは5アミノ酸の置換、付加若しくは欠失において、配列番号(SEQ ID NO):60と異なる;(ii)多くとも5、4、3、2若しくは1アミノ酸の置換、付加若し
くは欠失において、配列番号(SEQ ID NO):60と異なる;(iii)1-5、1-3、1-2、2-5若しく
は3-5アミノ酸の置換、付加若しくは欠失において、配列番号(SEQ ID NO):60と異なる、
及び/又は(iv) 配列番号(SEQ ID NO):60と、少なくとも約75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%若しくは99%同一であるアミノ酸配列を含む、ここで、(i)-(iv)の何れにおいても、アミノ酸置換は、保存的アミノ酸置換、又は非-保存的アミノ酸置換、であっても
良い;並びにここで、前記改変した軽鎖領域は、前記抗体のCD45特異性(即ち、Ab6に類似した特異性)を保持する、又は別のAb6軽鎖領域の生物学的活性と比較して、増強した生物学的活性を有する。
いくつかの実施形態では、Ab6のCDR領域及び/又は可変領域を含む抗体は、本出願に記載するように、抗体-薬物コンジュゲートに組み込まれることがある。更に、Ab6のCDR領
域及び/又は可変領域を含む抗体を、例えば、対象におけるCD45+細胞の減少のために、
本出願に記載する方法において、使用することがある。
Ab7
抗体7(Ab7)は、ヒトCD45、カニクイザルCD45及びアカゲザルCD45と交差反応することができ、ヒトCD45の様々なアイソフォームに結合できる。
抗-CD45 Ab7の種々の結合領域のアミノ酸配列を表27に記載する。例えば、表27に
記載のCDRを含む、Ab7に基づく抗-CD45抗体が、本発明に含まれる。
1つの実施形態では、本発明は、Ab7の抗原結合領域に対応する抗原結合領域、例えばCDR及び/又は可変領域、を含む、抗-CD45抗体、又はその抗原結合フラグメント、を提供する。Ab7の重鎖可変領域(VH)アミノ酸配列を配列番号(SEQ ID NO):61に記載する(表27参照)。Ab7のVH CDRドメイン・アミノ酸配列を、配列番号(SEQ ID NO):62(VH CDR1);配列
番号(SEQ ID NO):63(VH CDR2)及び配列番号(SEQ ID NO):64(VH CDR3)、に記載する。Ab7
の軽鎖可変領域(VL)アミノ酸配列を、配列番号(SEQ ID NO):65に記載する(表27参照)。Ab7のVL CDRドメイン・アミノ酸配列を、配列番号(SEQ ID NO):66(VL CDR1);配列番号(SEQ ID NO):67(VL CDR2)及び配列番号(SEQ ID NO):68(VL CDR3)、に記載する。
従って、いくつかの実施形態では、本出願は、配列番号(SEQ ID NO):62に記載のアミノ酸配列を含むCDR1ドメイン、配列番号(SEQ ID NO):63に記載のアミノ酸配列を含むCDR2ドメイン、及び配列番号(SEQ ID NO):64に記載のアミノ酸配列を含むCDR3ドメインを含む重鎖可変領域;並びに/又は配列番号(SEQ ID NO):66に記載のアミノ酸配列を含むCDR1ドメイン、配列番号(SEQ ID NO):67に記載のアミノ酸配列を含むCDR2ドメイン;及び配列番号(SEQ ID NO):68に記載のアミノ酸配列を含むCDR3ドメインを含む軽鎖可変領域、を含む、
抗-CD45抗体、又はその抗原結合部分、を提供する。ある特定の実施形態では、抗-CD45抗体は、本出願に記載するCDR(配列番号(SEQ ID Nos):62から64及び66から68)を含む、ここで、前記CDRは、前記抗体のCD45特異性(即ち、Ab7に類似した特異性)を保持しながら、保存的な1アミノ酸置換(又は2、3、4、又は5アミノ酸置換)を含む。
いくつかの実施形態では、本出願は、配列番号(SEQ ID NO):61に記載のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域、及び/又は配列番号(SEQ ID NO):65に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、を含む、抗-CD45抗体、又はその抗原結合部分、を提供する。ある特定の実施
形態では、抗体は、配列番号(SEQ ID NO):61、又は配列番号(SEQ ID NO):61のバリアント、を含むHC可変ドメイン、を含む改変した重鎖(heavy chain (HC))可変領域、を含むことがある、この前記バリアントは、(i)1、2、3、4若しくは5アミノ酸の置換、付加若しくは欠失において、配列番号(SEQ ID NO):61と異なる;(ii)多くとも5、4、3、2若しくは1ア
ミノ酸の置換、付加若しくは欠失において、配列番号(SEQ ID NO):61と異なる;(iii)1-5、1-3、1-2、2-5若しくは3-5アミノ酸の置換、付加若しくは欠失において、配列番号(SEQ
ID NO):61と異なる、及び/又は(iv) 配列番号(SEQ ID NO):61と、少なくとも約75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%若しくは99%同一であるアミノ酸配列を含む、ここで、(i)-(iv)の何れにおいても、アミノ酸置換は、保存的アミノ酸置換、又は非-保存的アミ
ノ酸置換、であっても良い;並びにここで、前記改変した重鎖可変領域は、前記抗体のCD45特異性(即ち、Ab7に類似した特異性)を保持する、又は別のAb7重鎖可変領域の生物学的活性と比較して、増強した生物学的活性を有する。ある特定の実施形態では、抗体は、配列番号(SEQ ID NO):65、又は配列番号(SEQ ID NO):65のバリアント、を含むLC可変ドメイン、を含む改変した軽鎖(light chain (LC))可変領域、を含む、この前記バリアントは、(i)1、2、3、4若しくは5アミノ酸の置換、付加若しくは欠失において、配列番号(SEQ ID NO):65と異なる;(ii)多くとも5、4、3、2若しくは1アミノ酸の置換、付加若しくは欠失
において、配列番号(SEQ ID NO):65と異なる;(iii)1-5、1-3、1-2、2-5若しくは3-5アミノ酸の置換、付加若しくは欠失において、配列番号(SEQ ID NO):65と異なる、及び/又は(iv) 配列番号(SEQ ID NO):65と、少なくとも約75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%若しくは99%同一であるアミノ酸配列を含む、ここで、(i)-(iv)の何れにおいても、アミノ酸置換は、保存的アミノ酸置換、又は非-保存的アミノ酸置換、であっても良い;並び
にここで、前記改変した軽鎖可変領域は、前記抗体のCD45特異性(即ち、Ab7に類似した特異性)を保持する、又は別のAb7軽鎖可変領域の生物学的活性と比較して、増強した生物学的活性を有する。
Ab7のCDR及び/又は可変領域配列を含む抗体は、完全長抗体, バイスペシフィック抗体(bispecific antibody), 二重可変ドメイン抗体、多重鎖又は単鎖抗体、及び/又はヒトCD45に特異的に結合する結合フラグメント、の形態であることがある、例えば、限定され
るものではないが、Fab、Fab'、(Fab')2、Fv)、scFv(単鎖Fv)、サロボディ(代理軽鎖の
構築物を含む)、単一ドメイン抗体、ラクダ化抗体、などが挙げられる。それらはまた、任意のアイソタイプ(例えば、IgA(例えば、IgA1若しくはIgA2)、IgD、IgE、IgG(例えば
、IgG1、IgG2、IgG3若しくはIgG4)、又はIgMなど)、であることがある、又は、に由来することがある。いくつかの実施形態では、抗-CD45抗体は、IgG(例えば、IgG1、IgG2、IgG3又はIgG4)である。
いくつかの実施形態では、Ab7のCDR及び/又は可変領域配列を含む抗体は、更に、重鎖定常領域及び/又は軽鎖定常領域、を含むことがある。いくつかの実施形態では、前記定常領域は、ヒトIgG1定常領域、ヒトIgG2定常領域、ヒトIgG3定常領域、又はヒトIgG4定常領域、である。いくつかの実施形態では、前記重鎖定常領域は、改変した定常領域であることがある。例示的な定常領域の置換及び/又は改変を、本出願に記載する、並びに、限定されるものではないが、以下の位置のうちの1つ以上での置換が挙げられる:234、235
、265、及び435(KabatによるEUインデックス)。いくつかの実施形態では、Ab7のCDR及び
/又は可変領域配列を含む抗体は、更に、以下の置換のうちの1つ以上を含むIgG1重鎖定
常領域、を含むことがある:L234A、L235A、D265C、及びH435A(KabatによるEUインデックス)。いくつかの実施形態では、Ab7のCDR及び/又は可変領域配列を含む抗体は、更に、
配列番号(SEQ ID NO):102、配列番号(SEQ ID NO):103、配列番号(SEQ ID NO):104、配列
番号(SEQ ID NO):105又は配列番号(SEQ ID NO):106、に記載される重鎖定常領域、を含むことがある。いくつかの実施形態では、前記抗体は、配列番号(SEQ ID NO):101に記載さ
れる軽鎖定常領域を含む。
ある特定の実施形態では、前記抗-CD45抗体、又はその抗原結合部分は、配列番号(SEQ ID NO):69に記載のアミノ酸配列、を含む重鎖、を含む。ある特定の実施形態では、抗体
は、配列番号(SEQ ID NO):69、又は配列番号(SEQ ID NO):69のバリアント、を含むHCドメイン、を含む改変した重鎖(heavy chain (HC))領域、を含むことがある、この前記バリアントは、(i)1、2、3、4若しくは5アミノ酸の置換、付加若しくは欠失において、配列番号(SEQ ID NO):69と異なる;(ii)多くとも5、4、3、2若しくは1アミノ酸の置換、付加若し
くは欠失において、配列番号(SEQ ID NO):69と異なる;(iii)1-5、1-3、1-2、2-5若しく
は3-5アミノ酸の置換、付加若しくは欠失において、配列番号(SEQ ID NO):69と異なる、
及び/又は(iv) 配列番号(SEQ ID NO):69と、少なくとも約75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%若しくは99%同一であるアミノ酸配列を含む、ここで、(i)-(iv)の何れにおいても、アミノ酸置換は、保存的アミノ酸置換、又は非-保存的アミノ酸置換、であっても
良い;並びにここで、前記改変した重鎖領域は、前記抗体のCD45特異性(即ち、Ab7に類似した特異性)を保持する、又は別のAb7重鎖領域の生物学的活性と比較して、増強した生物学的活性を有する。
ある特定の実施形態では、前記抗-CD45抗体、又はその抗原結合部分は、配列番号(SEQ ID NO):70に記載のアミノ酸配列、を含む軽鎖、を含む。ある特定の実施形態では、抗体
は、配列番号(SEQ ID NO):70、又は配列番号(SEQ ID NO):70のバリアント、を含むLCドメイン、を含む改変した軽鎖(heavy chain (LC))領域、を含むことがある、この前記バリアントは、(i)1、2、3、4若しくは5アミノ酸の置換、付加若しくは欠失において、配列番号(SEQ ID NO):70と異なる;(ii)多くとも5、4、3、2若しくは1アミノ酸の置換、付加若し
くは欠失において、配列番号(SEQ ID NO):70と異なる;(iii)1-5、1-3、1-2、2-5若しく
は3-5アミノ酸の置換、付加若しくは欠失において、配列番号(SEQ ID NO):70と異なる、
及び/又は(iv) 配列番号(SEQ ID NO):70と、少なくとも約75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%若しくは99%同一であるアミノ酸配列を含む、ここで、(i)-(iv)の何れにおいても、アミノ酸置換は、保存的アミノ酸置換、又は非-保存的アミノ酸置換、であっても
良い;並びにここで、前記改変した軽鎖領域は、前記抗体のCD45特異性(即ち、Ab7に類似した特異性)を保持する、又は別のAb7軽鎖領域の生物学的活性と比較して、増強した生物学的活性を有する。
いくつかの実施形態では、Ab7のCDR領域及び/又は可変領域を含む抗体は、本出願に記載するように、抗体-薬物コンジュゲートに組み込まれることがある。更に、Ab7のCDR領
域及び/又は可変領域を含む抗体を、例えば、対象におけるCD45+細胞の減少のために、
本出願に記載する方法において、使用することがある。
AbA
抗体A(AbA)は、ヒトCD45、カニクイザルCD45及びアカゲザルCD45と交差反応することができ、ヒトCD45の様々なアイソフォームに結合できる。
抗-CD45 AbAの種々の結合領域のアミノ酸配列を表27に記載する。例えば、表27に
記載のCDRを含む、AbAに基づく抗-CD45抗体が、本発明に含まれる。
1つの実施形態では、本発明は、AbAの抗原結合領域に対応する抗原結合領域、例えばCDR及び/又は可変領域、を含む、抗-CD45抗体、又はその抗原結合フラグメント、を提供する。AbAの重鎖可変領域(VH)アミノ酸配列を配列番号(SEQ ID NO):71に記載する(表27参照)。AbAのVH CDRドメイン・アミノ酸配列を、配列番号(SEQ ID NO):72(VH CDR1);配列
番号(SEQ ID NO):73(VH CDR2)及び配列番号(SEQ ID NO):74(VH CDR3)、に記載する。AbA
の軽鎖可変領域(VL)アミノ酸配列を、配列番号(SEQ ID NO):75に記載する(表27参照)。AbAのVL CDRドメイン・アミノ酸配列を、配列番号(SEQ ID NO):76(VL CDR1);配列番号(SEQ ID NO):77(VL CDR2)及び配列番号(SEQ ID NO):78(VL CDR3)、に記載する。
従って、いくつかの実施形態では、本出願は、配列番号(SEQ ID NO):72に記載のアミノ酸配列を含むCDR1ドメイン、配列番号(SEQ ID NO):73に記載のアミノ酸配列を含むCDR2ドメイン、及び配列番号(SEQ ID NO):74に記載のアミノ酸配列を含むCDR3ドメインを含む重鎖可変領域;並びに/又は配列番号(SEQ ID NO):76に記載のアミノ酸配列を含むCDR1ドメイン、配列番号(SEQ ID NO):77に記載のアミノ酸配列を含むCDR2ドメイン;及び配列番号(
SEQ ID NO):78に記載のアミノ酸配列を含むCDR3ドメインを含む軽鎖可変領域、を含む、
抗-CD45抗体、又はその抗原結合部分、を提供する。ある特定の実施形態では、抗-CD45抗体は、本出願に記載するCDR(配列番号(SEQ ID Nos):72から74及び76から78)を含む、ここで、前記CDRは、前記抗体のCD45特異性(即ち、AbAに類似した特異性)を保持しながら、保存的な1アミノ酸置換(又は2、3、4、又は5アミノ酸置換)を含む。
いくつかの実施形態では、本出願は、配列番号(SEQ ID NO):71に記載のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域、及び/又は配列番号(SEQ ID NO):75に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、を含む、抗-CD45抗体、又はその抗原結合部分、を提供する。ある特定の実施
形態では、抗体は、配列番号(SEQ ID NO):71、又は配列番号(SEQ ID NO):71のバリアント、を含むHC可変ドメイン、を含む改変した重鎖(heavy chain (HC))可変領域、を含むことがある、この前記バリアントは、(i)1、2、3、4若しくは5アミノ酸の置換、付加若しくは欠失において、配列番号(SEQ ID NO):71と異なる;(ii)多くとも5、4、3、2若しくは1ア
ミノ酸の置換、付加若しくは欠失において、配列番号(SEQ ID NO):71と異なる;(iii)1-5、1-3、1-2、2-5若しくは3-5アミノ酸の置換、付加若しくは欠失において、配列番号(SEQ
ID NO):71と異なる、及び/又は(iv) 配列番号(SEQ ID NO):71と、少なくとも約75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%若しくは99%同一であるアミノ酸配列を含む、ここで、(i)-(iv)の何れにおいても、アミノ酸置換は、保存的アミノ酸置換、又は非-保存的アミ
ノ酸置換、であっても良い;並びにここで、前記改変した重鎖可変領域は、前記抗体のCD45特異性(即ち、AbAに類似した特異性)を保持する、又は別のAbA重鎖可変領域の生物学的活性と比較して、増強した生物学的活性を有する。ある特定の実施形態では、抗体は、配列番号(SEQ ID NO):75、又は配列番号(SEQ ID NO):75のバリアント、を含むLC可変ドメイン、を含む改変した軽鎖(light chain (LC))可変領域、を含む、この前記バリアントは、(i)1、2、3、4若しくは5アミノ酸の置換、付加若しくは欠失において、配列番号(SEQ ID NO):75と異なる;(ii)多くとも5、4、3、2若しくは1アミノ酸の置換、付加若しくは欠失
において、配列番号(SEQ ID NO):75と異なる;(iii)1-5、1-3、1-2、2-5若しくは3-5アミノ酸の置換、付加若しくは欠失において、配列番号(SEQ ID NO):75と異なる、及び/又は(iv) 配列番号(SEQ ID NO):75と、少なくとも約75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%若しくは99%同一であるアミノ酸配列を含む、ここで、(i)-(iv)の何れにおいても、アミノ酸置換は、保存的アミノ酸置換、又は非-保存的アミノ酸置換、であっても良い;並び
にここで、前記改変した軽鎖可変領域は、前記抗体のCD45特異性(即ち、AbAに類似した特異性)を保持する、又は別のAbA軽鎖可変領域の生物学的活性と比較して、増強した生物学的活性を有する。
AbAのCDR及び/又は可変領域配列を含む抗体は、完全長抗体, バイスペシフィック抗体(bispecific antibody), 二重可変ドメイン抗体、多重鎖又は単鎖抗体、及び/又はヒトCD45に特異的に結合する結合フラグメント、の形態であることがある、例えば、限定され
るものではないが、Fab、Fab'、(Fab')2、Fv)、scFv(単鎖Fv)、サロボディ(代理軽鎖の
構築物を含む)、単一ドメイン抗体、ラクダ化抗体、などが挙げられる。それらはまた、任意のアイソタイプ(例えば、IgA(例えば、IgA1若しくはIgA2)、IgD、IgE、IgG(例えば
、IgG1、IgG2、IgG3若しくはIgG4)、又はIgMなど)、であることがある、又は、に由来することがある。いくつかの実施形態では、抗-CD45抗体は、IgG(例えば、IgG1、IgG2、IgG3又はIgG4)である。
いくつかの実施形態では、AbAのCDR及び/又は可変領域配列を含む抗体は、更に、重鎖定常領域及び/又は軽鎖定常領域、を含むことがある。いくつかの実施形態では、前記定常領域は、ヒトIgG1定常領域、ヒトIgG2定常領域、ヒトIgG3定常領域、又はヒトIgG4定常領域、である。いくつかの実施形態では、前記重鎖定常領域は、改変した定常領域であることがある。例示的な定常領域の置換及び/又は改変を、本出願に記載する、並びに、限定されるものではないが、以下の位置のうちの1つ以上での置換が挙げられる:234、235
、265、及び435(KabatによるEUインデックス)。いくつかの実施形態では、AbAのCDR及び
/又は可変領域配列を含む抗体は、更に、以下の置換のうちの1つ以上を含むIgG1重鎖定
常領域、を含むことがある:L234A、L235A、D265C、及びH435A(KabatによるEUインデックス)。
いくつかの実施形態では、AbAのCDR及び/又は可変領域配列を含む抗体は、更に、配列番号(SEQ ID NO):102、配列番号(SEQ ID NO):103、配列番号(SEQ ID NO):104、配列番号(SEQ ID NO):105又は配列番号(SEQ ID NO):106、に記載される重鎖定常領域、を含むことが
ある。いくつかの実施形態では、前記抗体は、配列番号(SEQ ID NO):101に記載される軽
鎖定常領域を含む。
ある特定の実施形態では、前記抗-CD45抗体、又はその抗原結合部分は、配列番号(SEQ ID NO):79に記載のアミノ酸配列、を含む重鎖、を含む。ある特定の実施形態では、抗体
は、配列番号(SEQ ID NO):79、又は配列番号(SEQ ID NO):79のバリアント、を含むHCドメイン、を含む改変した重鎖(heavy chain (HC))領域、を含むことがある、この前記バリアントは、(i)1、2、3、4若しくは5アミノ酸の置換、付加若しくは欠失において、配列番号(SEQ ID NO):79と異なる;(ii)多くとも5、4、3、2若しくは1アミノ酸の置換、付加若し
くは欠失において、配列番号(SEQ ID NO):79と異なる;(iii)1-5、1-3、1-2、2-5若しく
は3-5アミノ酸の置換、付加若しくは欠失において、配列番号(SEQ ID NO):79と異なる、
及び/又は(iv) 配列番号(SEQ ID NO):79と、少なくとも約75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%若しくは99%同一であるアミノ酸配列を含む、ここで、(i)-(iv)の何れにおいても、アミノ酸置換は、保存的アミノ酸置換、又は非-保存的アミノ酸置換、であっても
良い;並びにここで、前記改変した重鎖領域は、前記抗体のCD45特異性(即ち、AbAに類似した特異性)を保持する、又は別のAbA重鎖領域の生物学的活性と比較して、増強した生物学的活性を有する。
ある特定の実施形態では、前記抗-CD45抗体、又はその抗原結合部分は、配列番号(SEQ ID NO):80に記載のアミノ酸配列、を含む軽鎖、を含む。ある特定の実施形態では、抗体
は、配列番号(SEQ ID NO):80、又は配列番号(SEQ ID NO):80のバリアント、を含むLCドメイン、を含む改変した軽鎖(heavy chain (LC))領域、を含むことがある、この前記バリアントは、(i)1、2、3、4若しくは5アミノ酸の置換、付加若しくは欠失において、配列番号(SEQ ID NO):80と異なる;(ii)多くとも5、4、3、2若しくは1アミノ酸の置換、付加若し
くは欠失において、配列番号(SEQ ID NO):80と異なる;(iii)1-5、1-3、1-2、2-5若しく
は3-5アミノ酸の置換、付加若しくは欠失において、配列番号(SEQ ID NO):80と異なる、
及び/又は(iv) 配列番号(SEQ ID NO):80と、少なくとも約75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%若しくは99%同一であるアミノ酸配列を含む、ここで、(i)-(iv)の何れにおいても、アミノ酸置換は、保存的アミノ酸置換、又は非-保存的アミノ酸置換、であっても
良い;並びにここで、前記改変した軽鎖領域は、前記抗体のCD45特異性(即ち、AbAに類似した特異性)を保持する、又は別のAbA軽鎖領域の生物学的活性と比較して、増強した生物学的活性を有する。
いくつかの実施形態では、AbAのCDR領域及び/又は可変領域を含む抗体は、本出願に記載するように、抗体-薬物コンジュゲートに組み込まれることがある。更に、AbAのCDR領
域及び/又は可変領域を含む抗体を、例えば、対象におけるCD45+細胞の減少のために、
本出願に記載する方法において、使用することがある。
AbB
抗体B(AbB)は、ヒトCD45、カニクイザルCD45及びアカゲザルCD45と交差反応することができ、ヒトCD45の様々なアイソフォームに結合できる。
抗-CD45 AbBの種々の結合領域のアミノ酸配列を表27に記載する。例えば、表27に
記載のCDRを含む、AbBに基づく抗-CD45抗体が、本発明に含まれる。
1つの実施形態では、本発明は、AbBの抗原結合領域に対応する抗原結合領域、例えばCDR及び/又は可変領域、を含む、抗-CD45抗体、又はその抗原結合フラグメント、を提供する。AbBの重鎖可変領域(VH)アミノ酸配列を配列番号(SEQ ID NO):81に記載する(表27参照)。AbBのVH CDRドメイン・アミノ酸配列を、配列番号(SEQ ID NO):82(VH CDR1);配列
番号(SEQ ID NO):83(VH CDR2)及び配列番号(SEQ ID NO):84(VH CDR3)、に記載する。AbB
の軽鎖可変領域(VL)アミノ酸配列を、配列番号(SEQ ID NO):85に記載する(表27参照)。AbBのVL CDRドメイン・アミノ酸配列を、配列番号(SEQ ID NO):86(VL CDR1);配列番号(SEQ ID NO):87(VL CDR2)及び配列番号(SEQ ID NO):88(VL CDR3)、に記載する。
従って、いくつかの実施形態では、本出願は、配列番号(SEQ ID NO):82に記載のアミノ酸配列を含むCDR1ドメイン、配列番号(SEQ ID NO):83に記載のアミノ酸配列を含むCDR2ドメイン、及び配列番号(SEQ ID NO):84に記載のアミノ酸配列を含むCDR3ドメインを含む重鎖可変領域;並びに/又は配列番号(SEQ ID NO):86に記載のアミノ酸配列を含むCDR1ドメイン、配列番号(SEQ ID NO):87に記載のアミノ酸配列を含むCDR2ドメイン;及び配列番号(SEQ ID NO):88に記載のアミノ酸配列を含むCDR3ドメインを含む軽鎖可変領域、を含む、
抗-CD45抗体、又はその抗原結合部分、を提供する。ある特定の実施形態では、抗-CD45抗体は、本出願に記載するCDR(配列番号(SEQ ID Nos):82から84及び86から88)を含む、ここで、前記CDRは、前記抗体のCD45特異性(即ち、AbBに類似した特異性)を保持しながら、保存的な1アミノ酸置換(又は2、3、4、又は5アミノ酸置換)を含む。
いくつかの実施形態では、本出願は、配列番号(SEQ ID NO):81に記載のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域、及び/又は配列番号(SEQ ID NO):85に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、を含む、抗-CD45抗体、又はその抗原結合部分、を提供する。ある特定の実施
形態では、抗体は、配列番号(SEQ ID NO):81、又は配列番号(SEQ ID NO):81のバリアント、を含むHC可変ドメイン、を含む改変した重鎖(heavy chain (HC))可変領域、を含むことがある、この前記バリアントは、(i)1、2、3、4若しくは5アミノ酸の置換、付加若しくは欠失において、配列番号(SEQ ID NO):81と異なる;(ii)多くとも5、4、3、2若しくは1ア
ミノ酸の置換、付加若しくは欠失において、配列番号(SEQ ID NO):81と異なる;(iii)1-5、1-3、1-2、2-5若しくは3-5アミノ酸の置換、付加若しくは欠失において、配列番号(SEQ
ID NO):81と異なる、及び/又は(iv) 配列番号(SEQ ID NO):81と、少なくとも約75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%若しくは99%同一であるアミノ酸配列を含む、ここで、(i)-(iv)の何れにおいても、アミノ酸置換は、保存的アミノ酸置換、又は非-保存的アミ
ノ酸置換、であっても良い;並びにここで、前記改変した重鎖可変領域は、前記抗体のCD45特異性(即ち、AbBに類似した特異性)を保持する、又は別のAbB重鎖可変領域の生物学的活性と比較して、増強した生物学的活性を有する。ある特定の実施形態では、抗体は、配列番号(SEQ ID NO):85、又は配列番号(SEQ ID NO):85のバリアント、を含むLC可変ドメイン、を含む改変した軽鎖(light chain (LC))可変領域、を含む、この前記バリアントは、(i)1、2、3、4若しくは5アミノ酸の置換、付加若しくは欠失において、配列番号(SEQ ID NO):85と異なる;(ii)多くとも5、4、3、2若しくは1アミノ酸の置換、付加若しくは欠失
において、配列番号(SEQ ID NO):85と異なる;(iii)1-5、1-3、1-2、2-5若しくは3-5アミノ酸の置換、付加若しくは欠失において、配列番号(SEQ ID NO):85と異なる、及び/又は(iv) 配列番号(SEQ ID NO):85と、少なくとも約75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%若しくは99%同一であるアミノ酸配列を含む、ここで、(i)-(iv)の何れにおいても、アミノ酸置換は、保存的アミノ酸置換、又は非-保存的アミノ酸置換、であっても良い;並び
にここで、前記改変した軽鎖可変領域は、前記抗体のCD45特異性(即ち、AbBに類似した特異性)を保持する、又は別のAbB軽鎖可変領域の生物学的活性と比較して、増強した生物学的活性を有する。
AbBのCDR及び/又は可変領域配列を含む抗体は、完全長抗体, バイスペシフィック抗体(bispecific antibody), 二重可変ドメイン抗体、多重鎖又は単鎖抗体、及び/又はヒトCD45に特異的に結合する結合フラグメント、の形態であることがある、例えば、限定され
るものではないが、Fab、Fab'、(Fab')2、Fv)、scFv(単鎖Fv)、サロボディ(代理軽鎖の
構築物を含む)、単一ドメイン抗体、ラクダ化抗体、などが挙げられる。それらはまた、任意のアイソタイプ(例えば、IgA(例えば、IgA1若しくはIgA2)、IgD、IgE、IgG(例えば
、IgG1、IgG2、IgG3若しくはIgG4)、又はIgMなど)、であることがある、又は、に由来することがある。いくつかの実施形態では、抗-CD45抗体は、IgG(例えば、IgG1、IgG2、IgG3又はIgG4)である。
いくつかの実施形態では、AbBのCDR及び/又は可変領域配列を含む抗体は、更に、重鎖定常領域及び/又は軽鎖定常領域、を含むことがある。いくつかの実施形態では、前記定常領域は、ヒトIgG1定常領域、ヒトIgG2定常領域、ヒトIgG3定常領域、又はヒトIgG4定常領域、である。いくつかの実施形態では、前記重鎖定常領域は、改変した定常領域であることがある。例示的な定常領域の置換及び/又は改変を、本出願に記載する、並びに、限定されるものではないが、以下の位置のうちの1つ以上での置換が挙げられる:234、235
、265、及び435(KabatによるEUインデックス)。いくつかの実施形態では、AbBのCDR及び
/又は可変領域配列を含む抗体は、更に、以下の置換のうちの1つ以上を含むIgG1重鎖定
常領域、を含むことがある:L234A、L235A、D265C、及びH435A(KabatによるEUインデックス)。いくつかの実施形態では、AbBのCDR及び/又は可変領域配列を含む抗体は、更に、
配列番号(SEQ ID NO):102、配列番号(SEQ ID NO):103、配列番号(SEQ ID NO):104、配列
番号(SEQ ID NO):105又は配列番号(SEQ ID NO):106、に記載される重鎖定常領域、を含むことがある。いくつかの実施形態では、前記抗体は、配列番号(SEQ ID NO):101に記載さ
れる軽鎖定常領域を含む。
ある特定の実施形態では、前記抗-CD45抗体、又はその抗原結合部分は、配列番号(SEQ ID NO):89に記載のアミノ酸配列、を含む重鎖、を含む。ある特定の実施形態では、抗体
は、配列番号(SEQ ID NO):89、又は配列番号(SEQ ID NO):89のバリアント、を含むHCドメイン、を含む改変した重鎖(heavy chain (HC))領域、を含むことがある、この前記バリアントは、(i)1、2、3、4若しくは5アミノ酸の置換、付加若しくは欠失において、配列番号(SEQ ID NO):89と異なる;(ii)多くとも5、4、3、2若しくは1アミノ酸の置換、付加若し
くは欠失において、配列番号(SEQ ID NO):89と異なる;(iii)1-5、1-3、1-2、2-5若しく
は3-5アミノ酸の置換、付加若しくは欠失において、配列番号(SEQ ID NO):89と異なる、
及び/又は(iv) 配列番号(SEQ ID NO):89と、少なくとも約75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%若しくは99%同一であるアミノ酸配列を含む、ここで、(i)-(iv)の何れにおいても、アミノ酸置換は、保存的アミノ酸置換、又は非-保存的アミノ酸置換、であっても
良い;並びにここで、前記改変した重鎖領域は、前記抗体のCD45特異性(即ち、AbBに類似した特異性)を保持する、又は別のAbB重鎖領域の生物学的活性と比較して、増強した生物学的活性を有する。
ある特定の実施形態では、前記抗-CD45抗体、又はその抗原結合部分は、配列番号(SEQ ID NO):90に記載のアミノ酸配列、を含む軽鎖、を含む。ある特定の実施形態では、抗体
は、配列番号(SEQ ID NO):90、又は配列番号(SEQ ID NO):90のバリアント、を含むLCドメイン、を含む改変した軽鎖(heavy chain (LC))領域、を含むことがある、この前記バリアントは、(i)1、2、3、4若しくは5アミノ酸の置換、付加若しくは欠失において、配列番号(SEQ ID NO):90と異なる;(ii)多くとも5、4、3、2若しくは1アミノ酸の置換、付加若し
くは欠失において、配列番号(SEQ ID NO):90と異なる;(iii)1-5、1-3、1-2、2-5若しく
は3-5アミノ酸の置換、付加若しくは欠失において、配列番号(SEQ ID NO):90と異なる、
及び/又は(iv) 配列番号(SEQ ID NO):90と、少なくとも約75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%若しくは99%同一であるアミノ酸配列を含む、ここで、(i)-(iv)の何れにおい
ても、アミノ酸置換は、保存的アミノ酸置換、又は非-保存的アミノ酸置換、であっても
良い;並びにここで、前記改変した軽鎖領域は、前記抗体のCD45特異性(即ち、AbBに類似した特異性)を保持する、又は別のAbB軽鎖領域の生物学的活性と比較して、増強した生物学的活性を有する。
いくつかの実施形態では、AbBのCDR領域及び/又は可変領域を含む抗体は、本出願に記載するように、抗体-薬物コンジュゲートに組み込まれることがある。更に、AbBのCDR領
域及び/又は可変領域を含む抗体を、例えば、対象におけるCD45+細胞の減少のために、
本出願に記載する方法において、使用することがある。
AbC
抗体C(AbC)は、ヒトCD45、カニクイザルCD45及びアカゲザルCD45と交差反応することができ、ヒトCD45の様々なアイソフォームに結合できる。
抗-CD45 AbCの種々の結合領域のアミノ酸配列を表27に記載する。例えば、表27に
記載のCDRを含む、AbCに基づく抗-CD45抗体が、本発明に含まれる。
1つの実施形態では、本発明は、AbCの抗原結合領域に対応する抗原結合領域、例えばCDR及び/又は可変領域、を含む、抗-CD45抗体、又はその抗原結合フラグメント、を提供する。AbCの重鎖可変領域(VH)アミノ酸配列を配列番号(SEQ ID NO):91に記載する(表27参照)。AbCのVH CDRドメイン・アミノ酸配列を、配列番号(SEQ ID NO):92(VH CDR1);配列
番号(SEQ ID NO):93(VH CDR2)及び配列番号(SEQ ID NO):94(VH CDR3)、に記載する。AbC
の軽鎖可変領域(VL)アミノ酸配列を、配列番号(SEQ ID NO):95に記載する(表27参照)。AbCのVL CDRドメイン・アミノ酸配列を、配列番号(SEQ ID NO):96(VL CDR1);配列番号(SEQ ID NO):97(VL CDR2)及び配列番号(SEQ ID NO):98(VL CDR3)、に記載する。
従って、いくつかの実施形態では、本出願は、配列番号(SEQ ID NO):92に記載のアミノ酸配列を含むCDR1ドメイン、配列番号(SEQ ID NO):93に記載のアミノ酸配列を含むCDR2ドメイン、及び配列番号(SEQ ID NO):94に記載のアミノ酸配列を含むCDR3ドメインを含む重鎖可変領域;並びに/又は配列番号(SEQ ID NO):96に記載のアミノ酸配列を含むCDR1ドメイン、配列番号(SEQ ID NO):97に記載のアミノ酸配列を含むCDR2ドメイン;及び配列番号(SEQ ID NO):98に記載のアミノ酸配列を含むCDR3ドメインを含む軽鎖可変領域、を含む、
抗-CD45抗体、又はその抗原結合部分、を提供する。ある特定の実施形態では、抗-CD45抗体は、本出願に記載するCDR(配列番号(SEQ ID Nos):92から94及び96から98)を含む、ここで、前記CDRは、前記抗体のCD45特異性(即ち、AbCに類似した特異性)を保持しながら、保存的な1アミノ酸置換(又は2、3、4、又は5アミノ酸置換)を含む。
いくつかの実施形態では、本出願は、配列番号(SEQ ID NO):91に記載のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域、及び/又は配列番号(SEQ ID NO):95に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、を含む、抗-CD45抗体、又はその抗原結合部分、を提供する。ある特定の実施
形態では、抗体は、配列番号(SEQ ID NO):91、又は配列番号(SEQ ID NO):91のバリアント、を含むHC可変ドメイン、を含む改変した重鎖(heavy chain (HC))可変領域、を含むことがある、この前記バリアントは、(i)1、2、3、4若しくは5アミノ酸の置換、付加若しくは欠失において、配列番号(SEQ ID NO):91と異なる;(ii)多くとも5、4、3、2若しくは1ア
ミノ酸の置換、付加若しくは欠失において、配列番号(SEQ ID NO):91と異なる;(iii)1-5、1-3、1-2、2-5若しくは3-5アミノ酸の置換、付加若しくは欠失において、配列番号(SEQ
ID NO):91と異なる、及び/又は(iv) 配列番号(SEQ ID NO):91と、少なくとも約75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%若しくは99%同一であるアミノ酸配列を含む、ここで、(i)-(iv)の何れにおいても、アミノ酸置換は、保存的アミノ酸置換、又は非-保存的アミ
ノ酸置換、であっても良い;並びにここで、前記改変した重鎖可変領域は、前記抗体のCD
45特異性(即ち、AbCに類似した特異性)を保持する、又は別のAbC重鎖可変領域の生物学的活性と比較して、増強した生物学的活性を有する。ある特定の実施形態では、抗体は、配列番号(SEQ ID NO):95、又は配列番号(SEQ ID NO):95のバリアント、を含むLC可変ドメイン、を含む改変した軽鎖(light chain (LC))可変領域、を含む、この前記バリアントは、(i)1、2、3、4若しくは5アミノ酸の置換、付加若しくは欠失において、配列番号(SEQ ID NO):95と異なる;(ii)多くとも5、4、3、2若しくは1アミノ酸の置換、付加若しくは欠失
において、配列番号(SEQ ID NO):95と異なる;(iii)1-5、1-3、1-2、2-5若しくは3-5アミノ酸の置換、付加若しくは欠失において、配列番号(SEQ ID NO):95と異なる、及び/又は(iv) 配列番号(SEQ ID NO):95と、少なくとも約75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%若しくは99%同一であるアミノ酸配列を含む、ここで、(i)-(iv)の何れにおいても、アミノ酸置換は、保存的アミノ酸置換、又は非-保存的アミノ酸置換、であっても良い;並び
にここで、前記改変した軽鎖可変領域は、前記抗体のCD45特異性(即ち、AbCに類似した特異性)を保持する、又は別のAbC軽鎖可変領域の生物学的活性と比較して、増強した生物学的活性を有する。
AbCのCDR及び/又は可変領域配列を含む抗体は、完全長抗体, バイスペシフィック抗体(bispecific antibody), 二重可変ドメイン抗体、多重鎖又は単鎖抗体、及び/又はヒトCD45に特異的に結合する結合フラグメント、の形態であることがある、例えば、限定され
るものではないが、Fab、Fab'、(Fab')2、Fv)、scFv(単鎖Fv)、サロボディ(代理軽鎖の
構築物を含む)、単一ドメイン抗体、ラクダ化抗体、などが挙げられる。それらはまた、任意のアイソタイプ(例えば、IgA(例えば、IgA1若しくはIgA2)、IgD、IgE、IgG(例えば
、IgG1、IgG2、IgG3若しくはIgG4)、又はIgMなど)、であることがある、又は、に由来することがある。いくつかの実施形態では、抗-CD45抗体は、IgG(例えば、IgG1、IgG2、IgG3又はIgG4)である。
いくつかの実施形態では、AbCのCDR及び/又は可変領域配列を含む抗体は、更に、重鎖定常領域及び/又は軽鎖定常領域、を含むことがある。いくつかの実施形態では、前記定常領域は、ヒトIgG1定常領域、ヒトIgG2定常領域、ヒトIgG3定常領域、又はヒトIgG4定常領域、である。いくつかの実施形態では、前記重鎖定常領域は、改変した定常領域であることがある。例示的な定常領域の置換及び/又は改変を、本出願に記載する、並びに、限定されるものではないが、以下の位置のうちの1つ以上での置換が挙げられる:234、235
、265、及び435(KabatによるEUインデックス)。いくつかの実施形態では、AbCのCDR及び
/又は可変領域配列を含む抗体は、更に、以下の置換のうちの1つ以上を含むIgG1重鎖定
常領域、を含むことがある:L234A、L235A、D265C、及びH435A(KabatによるEUインデックス)。いくつかの実施形態では、AbCのCDR及び/又は可変領域配列を含む抗体は、更に、
配列番号(SEQ ID NO):102、配列番号(SEQ ID NO):103、配列番号(SEQ ID NO):104、配列
番号(SEQ ID NO):105又は配列番号(SEQ ID NO):106、に記載される重鎖定常領域、を含むことがある。いくつかの実施形態では、前記抗体は、配列番号(SEQ ID NO):101に記載さ
れる軽鎖定常領域を含む。
ある特定の実施形態では、前記抗-CD45抗体、又はその抗原結合部分は、配列番号(SEQ ID NO):99に記載のアミノ酸配列、を含む重鎖、を含む。ある特定の実施形態では、抗体
は、配列番号(SEQ ID NO):99、又は配列番号(SEQ ID NO):99のバリアント、を含むHCドメイン、を含む改変した重鎖(heavy chain (HC))領域、を含むことがある、この前記バリアントは、(i)1、2、3、4若しくは5アミノ酸の置換、付加若しくは欠失において、配列番号(SEQ ID NO):99と異なる;(ii)多くとも5、4、3、2若しくは1アミノ酸の置換、付加若し
くは欠失において、配列番号(SEQ ID NO):99と異なる;(iii)1-5、1-3、1-2、2-5若しく
は3-5アミノ酸の置換、付加若しくは欠失において、配列番号(SEQ ID NO):99と異なる、
及び/又は(iv) 配列番号(SEQ ID NO):99と、少なくとも約75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%若しくは99%同一であるアミノ酸配列を含む、ここで、(i)-(iv)の何れにおい
ても、アミノ酸置換は、保存的アミノ酸置換、又は非-保存的アミノ酸置換、であっても
良い;並びにここで、前記改変した重鎖領域は、前記抗体のCD45特異性(即ち、AbCに類似した特異性)を保持する、又は別のAbC重鎖領域の生物学的活性と比較して、増強した生物学的活性を有する。
ある特定の実施形態では、前記抗-CD45抗体、又はその抗原結合部分は、配列番号(SEQ ID NO):100に記載のアミノ酸配列、を含む軽鎖、を含む。ある特定の実施形態では、抗体は、配列番号(SEQ ID NO):100、又は配列番号(SEQ ID NO):100のバリアント、を含むLCドメイン、を含む改変した軽鎖(heavy chain (LC))領域、を含むことがある、この前記バリアントは、(i)1、2、3、4若しくは5アミノ酸の置換、付加若しくは欠失において、配列番号(SEQ ID NO):100と異なる;(ii)多くとも5、4、3、2若しくは1アミノ酸の置換、付加若しくは欠失において、配列番号(SEQ ID NO):100と異なる;(iii)1-5、1-3、1-2、2-5若しくは3-5アミノ酸の置換、付加若しくは欠失において、配列番号(SEQ ID NO):100と異なる、及び/又は(iv) 配列番号(SEQ ID NO):100と、少なくとも約75%、80%、85%、90%、95%
、96%、97%、98%若しくは99%同一であるアミノ酸配列を含む、ここで、(i)-(iv)の何れにおいても、アミノ酸置換は、保存的アミノ酸置換、又は非-保存的アミノ酸置換、であっ
ても良い;並びにここで、前記改変した軽鎖領域は、前記抗体のCD45特異性(即ち、AbCに類似した特異性)を保持する、又は別のAbC軽鎖領域の生物学的活性と比較して、増強した生物学的活性を有する。
いくつかの実施形態では、AbCのCDR領域及び/又は可変領域を含む抗体は、本出願に記載するように、抗体-薬物コンジュゲートに組み込まれることがある。更に、AbCのCDR領
域及び/又は可変領域を含む抗体を、例えば、対象におけるCD45+細胞の減少のために、
本出願に記載する方法において、使用することがある。
コンセンサスCDRs
Ab1、Ab2、Ab3、Ab4、Ab5、Ab6、及びAb7のCDRのアミノ酸配列の比較を、図32として提供する。 これらの抗体は、ヒトCD45上の同じエピトープに結合し、それらのCDR領域内に、ある特定のコンセンサス残基を共有している。コンセンサス重鎖アミノ酸CDR配列を
、配列番号(SEQ ID NO):119、配列番号(SEQ ID NO):120、及び配列番号(SEQ ID NO):121
に示す;並びにコンセンサス軽鎖アミノ酸CDR配列を、配列番号(SEQ ID NO):122、配列番号(SEQ ID NO):123, 及び配列番号(SEQ ID NO):124 に示す。
従って、いくつかの実施形態では、本出願は、配列番号(SEQ ID NO):119に記載のアミ
ノ酸配列を含むCDR1ドメイン、配列番号(SEQ ID NO):120に記載のアミノ酸配列を含むCDR2ドメイン、及び配列番号(SEQ ID NO):121に記載のアミノ酸配列を含むCDR3ドメインを含む重鎖可変領域;並びに/又は配列番号(SEQ ID NO):122に記載のアミノ酸配列を含むCDR1ドメイン、配列番号(SEQ ID NO):123に記載のアミノ酸配列を含むCDR2ドメイン;及び配
列番号(SEQ ID NO):124に記載のアミノ酸配列を含むCDR3ドメインを含む軽鎖可変領域、
を含む、抗-CD45抗体、又はその抗原結合部分、を提供する。いくつかの実施形態では、
前述の抗体は、更に、重鎖定常領域及び/又は軽鎖定定常領域を含むことがある。 例え
ば、いくつかの実施形態では、前述の抗体は、更に、配列番号(SEQ ID NO):102、配列番
号(SEQ ID NO):103、配列番号(SEQ ID NO):104、配列番号(SEQ ID NO):105、又は配列番
号(SEQ ID NO):106 の内の何れか1つに記載される重鎖定常領域より選択される重鎖定常
領域、及び/又は配列番号(SEQ ID NO):101 に記載される軽鎖定常領域、を含むことがある。
Fc-改変抗体
CD45に結合することができる、及びFcサイレンシングを可能にするFc改変を有する、抗体、又はその抗原結合フラグメントが本出願で意図される、そのような抗体、又はその抗
原結合フラグメントを、治療薬剤単独として、又はADCとして、使用し、患者において、CD45を発現する細胞を減少させることがある(前記患者は、CD45を発現する細胞を減少さ
せることを必要とする)。例えば、いくつかの実施形態では、本出願で意図される、そのような抗体、又はその抗原結合フラグメントを使用して。HSC及び白血球などの、ある特
定の細胞型を減少させることがある。従って、ある特定の実施形態では、本出願で意図される、抗体、又はその抗原結合フラグメントを使用して、HSC移植に備えて、患者をコン
ディショニングすることがある。いくつかの実施形態では、本出願で意図される、前記抗体、又はその抗原結合フラグメントを使用して、患者の免疫系をリセットすること(例えば、前記患者において、HSC及び白血球を減少させることによる、並びに前記患者にHSC移植物を投与することによる)がある。いくつかの実施形態では、本出願で意図される、前記抗体、又はその抗原結合フラグメントを使用して、CD45陽性細胞に関連する疾患(例えば、限定されるものではないが、がん及び自己免疫疾患など)を、疾患を引き起こすCD45+細胞を前記患者から排除することによって、治療することがある。
例えば、本出願は、造血幹細胞が発現する抗原(例えば、CD45)に結合することができる、並びにFcサイレンシングを可能にするFc改変を有する、抗体、又はその抗原結合フラグメント、を意図する、そのような抗体、又はその抗原結合フラグメントを、治療薬剤単独として、又はADCとして、使用し、(i)CD45+造血幹細胞を特徴とするがん及び自己免疫疾
患を治療することがある;及び(ii)移植療法を必要とする患者において、移植した造血幹細胞の生着を促進することがある。これらの治療活性は、例えば、血液細胞(例えば、造血幹細胞、又は成熟免疫細胞(例えば、T細胞))が発現するCD45に結合する、抗-CD45抗体、又はその抗原結合フラグメントが、例えば、がん細胞、自己免疫細胞又は造血幹細胞などに結合することによって、並びに、その後、細胞死を誘導することによって、引き起こされることがある。内因性の造血幹細胞を減少させることによって、移植した造血幹細胞がホーミングすることができるニッチが提供されることがある、及び、その後、生産的な造血が確立することがある。このようにして、移植した造血幹細胞は、患者(例えば、本出願に記載する幹細胞障害に罹患しているヒト患者など)内で、うまく生着することができる。本出願が意図するFc-改変抗体及びADCによって、内因性の造血幹細胞が選択的に減少するだけでなく、外因性の造血幹細胞移植片に対する細胞傷害性効果も減少し、それによって造血幹細胞移植片の生着が更に促進される。
本出願に記載する、抗体、又は結合フラグメントは、前記抗体及び/又はフラグメントの特性を変化させる改変及び/又は変異(例えば、半減期を増大させる、又はADCCを増大させる若しくは低下させる、改変及び/又は変異)を含むことがある。1つの実施形態で
は、1つ以上の放射性標識アミノ酸を含む抗体が提供される。放射性標識された抗体は、
診断及び治療の両方の目的のために使用され得る(別の特徴として、放射性標識された分
子にコンジュゲートすることが可能である)。ポリペプチドの標識に関する限定されない
例としては、3H、14C、15N、35S、90Y、99Tc及び125I、131I及び186Reが挙げられるが、
これらに限定されない。放射性標識アミノ酸及び関連ペプチド誘導体を調製するための方法は当該技術分野で公知である(例えば、Junghans et al.、Cancer Chemotherapy and Biotherapy 655-686、第2版、Chafner及びLongo編、Lippincott Raven(1996)及び米国特許
第4,681,581号、米国特許第4,735,210号、米国特許第5,101,827号、米国特許第5,102,990[U.S. RE35,500号]、米国特許第5,648,471号、米国特許第5,697,902号を参照のこと)。例えば、放射性同位体を、クロラミンTの方法によってコンジュゲートさせることがある
1つの実施形態では、前記抗-CD45抗体、又はその結合フラグメントは、改変したFc領域を含む、ここで、前記改変したFc領域は、野生型Fc領域に対して少なくとも1つのアミノ
酸改変を含み、その結果、前記分子は、FcガンマR(FcγR)に対する親和性又は結合が変わる。前記Fc領域内のある特定のアミノ酸位置は、FcγRと直接接触させた結晶学的研究に
よって分かっている。具体的には、アミノ酸234から239(ヒンジ領域)、アミノ酸265から269(B/Cループ)、アミノ酸297から299(C'/Eループ)、及びアミノ酸327から332(F/G)ループである。(Sondermann et al、2000 Nature、406: 267-273参照)。本出願に記載する抗体
は、構造的な及び結晶学的な解析に基づいて、FcγRと直接的に接触する、少なくとも1つの残基が改変されたバリアントFc領域を含むことがある。1つの実施形態では、抗-CD45抗体(又はそのフラグメント)のFc領域は、Kabat et al., Sequences of Proteins of Immunological Interest, 5th Ed. Public Health Service, NH1, MD (1991) (本出願に明確に参照により取り込まれる)にあるようなEUインデックスによるアミノ酸265でのアミノ酸置換を含む。「KabatにあるようなEUインデックス」は、ヒトIgG1 EU抗体の番号付けをいう。1つの実施形態では、前記Fc領域は、D265A変異を含む。1つの実施形態では、前記Fc
領域はD265C変異を含む。いくつかの実施形態では、前記抗体(又はそのフラグメント)
のFc領域は、例えばKabatにあるようなEUインデックスによるアミノ酸234でのアミノ酸置換を含む。
1つの実施形態では、前記Fc領域は、D265、V205、H435、I253、及び/又はH310のアミ
ノ酸位置に変異を含む。例えば、これらの位置での特異的な変異としては、D265C、V205C、H435A、I253A、及び/又はH310Aが挙げられる。
1つの実施形態では、前記Fc領域は、L234A変異を含む。いくつかの実施形態では、前記抗-CD45抗体(又はそのフラグメント)のFc領域は、KabatにあるようなEUインデックスによるアミノ酸235でのアミノ酸置換を含む。1つの実施形態では、前記Fc領域は、L235A変異
を含む。更に別の実施形態では、前記Fc領域は、L234A及びL235A変異を含む。更なる実施形態では、前記Fc領域は、D265C、L234A、及びL235A変異を含む。更に更なる実施形態で
は、前記Fc領域は、D265C、L234A、L235A、及びH435A変異を含む。更なる実施形態では、前記Fc領域は、D265C及びH435A変異を含む。
いくつかの実施形態では、本出願に記載する抗-CD45抗体は、以下の改変又は改変の組
み合わせ、のうちの1種を含むFc領域を含む:D265A, D265C, D265C / H435A, D265C / LALA, D265C / LALA / H435A, D265C / N297G, D265C / N297G / H435A, D265C (IgG2*), D265C (IgG2) / H435A, D265C / N297Q / H435A, D265C / N297Q, EPLVLAdelG / H435A, N297A, N297G, 又は N297Q(KabatによるEUインデックス)。
改変したFc領域とFcガンマ・レセプターとの間の結合又は親和性を、当技術分野で公知の様々な技術(例えば、限定されるものではないが、平衡方法[例えば、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA);KinExA、Rathanaswami et al. Analytical Biochemistry, Vol. 373:52-60, 2008;ラジオイムノアッセイ(RIA)]、又は表面プラズモン共鳴アッセイ若しく
は他のメカニズムの動態に基づくアッセイ[例えば、BIACORE(登録商標)解析若しくはOctetTM解析(forteBIO)]、並びに他の方法[例えば、間接的結合アッセイ、競合的結合アッセイ、蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)、ゲル電気泳動及びクロマトグラフィー(例えば、ゲルろ過)など])を使用して、測定することがある。これらの及び他の方法は、1つ以
上の評価する構成成分上にある標識を利用することがある、及び/又は、様々な検出方法(例えば、限定されるものではないが、発色性標識、蛍光性標識、発光性標識、又は同位体標識など)を使用することがある。結合親和性及び動態に関しては、Paul, W. E., ed., Fundamental Immunology, 4th Ed., Lippincott-Raven, Philadelphia (1999)(これは、抗体-免疫原相互作用に焦点を当てている)に、詳細に記載されている。競合的結合ア
ッセイの一例は、標識抗原と目的の抗体とを、非-標識の抗原の量を増やしながら、その
存在下で、インキュベーションすること、及び前記標識抗原に結合した抗体を検出すること、を含むラジオイムノアッセイである。そのデータから、スキャッチャード・プロット解析により、特定の抗原に対する目的の抗体の親和性及び結合オフ-レート(off-rate)を
決定することがある。第2の抗体との競合を、ラジオイムノアッセイを使用して、測定す
ることもある。この場合、前記抗原を、標識化合物にコンジュゲートした目的の抗体と、非-標識の第2の抗体の量を増やしながら、その存在下で、インキュベーションする。
1つの実施形態では、本出願に記載するFc改変(例えば、D265C、L234A、L235A、及び/
又はH435A)を有する抗体は、Fcガンマ・レセプターへの結合が、改変していないFc領域を含む同じ抗体の前記Fcガンマ・レセプターへの結合と比較して、少なくとも70%の減少、
少なくとも80%の減少、少なくとも90%の減少、少なくとも95%の減少、少なくとも98%の減少、少なくとも99%の減少、又は約100%の減少である(例えば、バイオレイヤー干渉法(biolayer Interferometry)(BLI)で評価した場合)。
Fcガンマ・レセプターとのFc領域結合相互作用は、種々のエフェクター機能及び下流のシグナル伝達イベント(例えば、限定されるものではないが、抗体依存性細胞媒介性細胞傷害(antibody dependent cell-mediated cytotoxicity (ADCC))及び補体依存性細胞傷害(complement dependent cytotoxicity (CDC))など)に必須であると考えられる。従って
、ある特定の態様では、改変したFc領域を含む抗体(例えば、L234A、L235A、及び/又はD265C変異を含む)では、エフェクター機能が実質的に減少している、又は消失している。
エフェクター機能を、当技術分野で公知の種々の方法を使用して(例えば、目的の抗体に対する細胞応答[例えば、マスト細胞脱顆粒又はサイトカイン放出]を測定することによって)アッセイすることがある。例えば、当技術分野での標準的な方法を用いて、Fc改変抗体を、そのin vitroでマスト細胞脱顆粒を誘発する作用能、又はそのサイトカイン放出(例えば、ヒト末梢血単核細胞により放出される)を誘発する作用能、について、アッセイすることがある。
従って、1つの実施形態では、前記Fc領域は、半減期の低下(例えば、改変していないFc領域を有する抗体と比較して)をもたらす変異を含む。短い半減期を有する抗体は、前
記抗体が短寿命の治療薬として機能することが期待される、ある特定の例では(例えば、前記抗体を投与し、続いてHSCを投与するという本出願に記載するコンディショニング・
ステップでは)、有益であることがある。典型的には、内因性の幹細胞とは異なり、一般にターゲット抗原(例えば、CD45)を発現してもいるが前記抗-CD45抗体のターゲットで
はないHSCを投与する前に、前記抗体は実質的にクリアランスされるべきである。1つの実施形態では、前記Fc領域は、435(KabatによるEUインデックス)の位置での変異を含む。1つの実施形態では、前記変異はH435A変異である。
1つの実施形態では、本出願に記載する抗-CD45抗体は、(例えば、ヒトにおいて)24時間以下、23時間以下、22時間以下、21時間以下、20時間以下、19時間以下、18時間以下、17時間以下、16時間以下、15時間以下、14時間以下、13時間以下、12時間以下、又は11時間以下の半減期を有する。
1つの実施形態では、本出願に記載する抗-CD45抗体は、(例えば、ヒトにおいて)約1-2
時間、約1-3時間、約1-5時間、約1-10時間、約5-10時間、約5-15時間、約10-15時間、約10-20時間、約15-20時間、約15-25時間、又は約20-25時間の半減期を有する。
いくつかの態様では、前記Fc領域は、半減期を減少させる、及び前記抗体のエフェクター機能を低下させる、2つ以上の変異を含む。いくつかの実施形態では、前記Fc領域は、
半減期の減少をもたらす変異、及びFcγRと直接的に接触することができる(例えば、構造的な及び結晶学的な解析に基づく)少なくとも1つの残基の変異、を含む。1つの実施形態
では、前記Fc領域は、H435A変異、L234A変異、及びL235A変異、を含む。1つの実施形態では、前記Fc領域は、H435A変異及びD265C変異を含む。1つの実施形態では、前記Fc領域は
、H435A変異、L234A変異、L235A変異、及びD265C変異を含む。
いくつかの実施形態では、前記抗体、又はその抗原結合フラグメントは、本抗体、又はその抗原結合フラグメントのFcドメインにおけるシステイン残基を介して、細胞毒素(例
えば、アマトキシン)にコンジュゲートする。いくつかの実施形態では、前記システイン
残基は、前記抗体、又はその抗原結合フラグメントのFcドメインにおける変異によって導入される。例えば、前記システイン残基は、Cys118、Cys239、及びCys265からなる群より選択されることがある。1つの実施形態では、前記抗-CD45抗体(又はそのフラグメント)のFc領域は、KabatにあるようなEUインデックスによるアミノ酸265でのアミノ酸置換を含む。1つの実施形態では、前記Fc領域は、D265C変異を含む。1つの実施形態では、前記Fc
領域は、D265C及びH435A変異を含む。1つの実施形態では、前記Fc領域は、D265C、L234A
、及びL235A変異を含む。1つの実施形態では、前記Fc領域は、D265C、L234A、L235A、及
びH435A変異を含む。
特に、Fcのアミノ酸位置は、特に断らない限り、EU番号付けインデックスを参照している。
前記の刊行物の各々の開示は、抗-CD45抗体に関するものとして、本出願に参照により
取り込まれる。本出願に記載する組成物及び方法と組み合わせて使用することがある抗体及び抗原結合フラグメントとしては、上記の抗体及びその抗原結合フラグメント、並びに上記の非-ヒト抗体及び抗原結合フラグメントのバリアント、及び(例えば、競合的抗原結合アッセイによって評価した場合に)上記の抗体及びその抗原結合フラグメントと同じエ
ピトープに結合する抗体又は抗原結合フラグメント、が挙げられる。
抗体を操作して本出願の何れかのFc改変を入れる方法は、当技術分野で周知である。これらの方法としては、限定されるものではないが、前記抗体又は少なくとも前記抗体の定常領域をコードする、調製したDNA分子に関する、部位特異的(又はオリゴヌクレオチドを媒介した)変異誘発、PCR変異誘発、及びカセット変異誘発、による調製が挙げられる。部位特異的変異誘発は、当技術分野で周知である(例えば、Carter et al., Nucleic Acids
Res., 13:4431-4443 (1985) 及び Kunkel et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 82:488 (1987)を参照)。PCR変異誘発もまた、出発ポリペプチドのアミノ酸配列バリアントを
作製するのに適している。Higuchi, in PCR Protocols, pp. 177-183 (Academic Press, 1990); 及び Vallette et al., Nuc. Acids Res. 17:723-733 (1989)を参照。配列バリアントを調製するための別の方法(カセット変異誘発)は、Wells et al., Gene, 34:315-323 (1985)に記載されている技術に基づく。
ある特定の実施形態では、本出願に記載する抗-CD45抗体、又はその結合フラグメント
は、標識にコンジュゲートすることがある。標識としては、限定されるものではないが、直接的に検出される標識又は部分構造(例えば、蛍光標識、発色団標識、電子密度標識、化学発光標識、及び放射性標識)、並びに、例えば、酵素反応又は分子相互作用によって
間接的に検出される酵素又はリガンドなどの部分構造、が挙げられる。例示的な標識としては、限定されるものではないが、ラジオアイソトープ32P、14C、125I、3H、及び131I、希土類キレート又はフルオレセイン及びその誘導体、ローダミン及びその誘導体、ダンシル、ウンベリフェロン、などの蛍光色素分子、ルシフェラーゼ(luceriferases)、例えば
、ホタルのルシフェラーゼ及びバクテリアのルシフェラーゼ(US 4,737,456)、ルシフェリン、2,3-ジヒドロフタラジンジオン、西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)、アルカリ・ホ
スファターゼ、3-ガラクトシダーゼ、グルコアミラーゼ、リゾチーム(lysozyme)、サッカライド・オキシダーゼ、例えば、グルコース・オキシダーゼ、ガラクトース・オキシダーゼ、及びグルコース-6-リン酸デヒドロゲナーゼ、ウリカーゼ及びキサンチン・オキシダ
ーゼなどのヘテロ環オキシダーゼ、(これらは、HRP、ラクトペルオキシダーゼ、又はミ
クロペルオキシダーゼ、ビオチン/アビジン、スピン・ラベル、バクテリオファージ標識、安定なフリーラジカルなどの、色素前駆体を酸化するために、過酸化水素を用いる酵素
、と共役する)、が挙げられる。
核酸、ベクター、及び宿主細胞
本出願はまた、本出願に記載する抗-CD45抗体、又はその抗原結合部位をコードする核
酸配列を含む核酸分子(例えば、DNA又はmRNA)、も提供する。
従って、いくつかの実施形態では、本出願は、Ab1、Ab2、Ab3、Ab4、Ab5、Ab6、Ab7、AbA、AbB、又はAbCの重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3を含む重鎖可変領域をコードする単離された核酸分子、を提供する。他の実施形態では、本出願は、Ab1、Ab2、Ab3、Ab4、Ab5、Ab6、Ab7、AbA、AbB、又はAbCの重鎖可変領域をコードする単離された核酸分子、を提供する。他の実施形態では、本出願は、Ab1、Ab2、Ab3、Ab4、Ab5、Ab6、Ab7、AbA、AbB、又はAbCの重鎖をコードする単離された核酸分子、を提供する。
いくつかの実施形態では、本出願は、Ab1、Ab2、Ab3、Ab4、Ab5、Ab6、Ab7、AbA、AbB
、又はAbCの軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3を含む軽鎖可変領域をコードする単離された核酸
分子、を提供する。他の実施形態では、本出願は、Ab1、Ab2、Ab3、Ab4、Ab5、Ab6、Ab7
、AbA、AbB、又はAbCの軽鎖可変領域をコードする単離された核酸分子、を提供する。他
の実施形態では、本出願は、Ab1、Ab2、Ab3、Ab4、Ab5、Ab6、Ab7、AbA、AbB、又はAbCの軽鎖をコードする単離された核酸分子、を提供する。
いくつかの実施形態では、本出願は、Ab1、Ab2、Ab3、Ab4、Ab5、Ab6、Ab7、AbA、AbB
、又はAbCの、重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3を含む重鎖可変領域、並びに軽鎖CDR1、CDR2、
及びCDR3を含む軽鎖可変領域、をコードする単離された核酸分子、を提供する。他の実施形態では、本出願は、Ab1、Ab2、Ab3、Ab4、Ab5、Ab6、Ab7、AbA、AbB、又はAbCの、重鎖可変領域及び軽鎖可変領域、をコードする単離された核酸分子、を提供する。他の実施形態では、本出願は、Ab1、Ab2、Ab3、Ab4、Ab5、Ab6、Ab7、AbA、AbB、又はAbCの、重鎖及び軽鎖、をコードする単離された核酸分子、を提供する。
抗体重鎖、又はその一部、をコードする核酸は、抗体軽鎖、又はその一部、をコードする核酸と、同じ核酸分子(例えば、発現ベクター)中に存在しても良い。或いは、重鎖配列及び軽鎖配列は、別々の核酸分子(例えば、別々の発現ベクター)上に存在しても良い。
1つの実施形態では、本発明は、以下を含む単離された核酸分子を提供する:
(a) 配列番号(SEQ ID NO):125に記載の核酸配列;
(b) 配列番号(SEQ ID NO):126に記載の核酸配列;
(c) 配列番号(SEQ ID NO):127に記載の核酸配列;
(d) 配列番号(SEQ ID NO):128に記載の核酸配列;
(e) 配列番号(SEQ ID NO):129に記載の核酸配列;
(f) 配列番号(SEQ ID NO):130に記載の核酸配列;
(g) 配列番号(SEQ ID NO):131に記載の核酸配列;
(h) 配列番号(SEQ ID NO):132に記載の核酸配列;
(i) 配列番号(SEQ ID NO):133に記載の核酸配列;
(j) 配列番号(SEQ ID NO):134に記載の核酸配列;
(k) 配列番号(SEQ ID NO):135に記載の核酸配列;
(l) 配列番号(SEQ ID NO):136に記載の核酸配列;
(m) 配列番号(SEQ ID NO):137に記載の核酸配列;
(n) 配列番号(SEQ ID NO):138に記載の核酸配列;
(o) 配列番号(SEQ ID NO):139に記載の核酸配列;
(p) 配列番号(SEQ ID NO):140に記載の核酸配列;
(q) 配列番号(SEQ ID NO):141に記載の核酸配列;
(r) 配列番号(SEQ ID NO):142に記載の核酸配列;
(s) 配列番号(SEQ ID NO):143に記載の核酸配列;及び/又は、
(t) 配列番号(SEQ ID NO):144に記載の核酸配列;
ここで、前記単離された核酸は、抗-CD45抗体、又はその一部、をコードする。
別の実施形態では、本発明は、以下を含む単離された核酸分子を提供する:
(a) 配列番号(SEQ ID NO):150に記載の核酸配列;
(b) 配列番号(SEQ ID NO):151に記載の核酸配列;
(c) 配列番号(SEQ ID NO):152に記載の核酸配列;
(d) 配列番号(SEQ ID NO):153に記載の核酸配列;
(e) 配列番号(SEQ ID NO):154に記載の核酸配列;
(f) 配列番号(SEQ ID NO):155に記載の核酸配列;
(g) 配列番号(SEQ ID NO):156に記載の核酸配列;
(h) 配列番号(SEQ ID NO):157に記載の核酸配列;
(i) 配列番号(SEQ ID NO):158に記載の核酸配列;
(j) 配列番号(SEQ ID NO):159に記載の核酸配列;
(k) 配列番号(SEQ ID NO):160に記載の核酸配列;及び/又は、
(l) 配列番号(SEQ ID NO):161に記載の核酸配列;
ここで、前記単離された核酸は、抗-CD45抗体、又はその一部、をコードする。
抗体を、例えば、米国特許4,816,567に記載されるように、組換え方法及び組成物を使
用して産生することがある。1つの実施形態では、本出願に記載する抗-CD45抗体をコードする単離された核酸が提供される。このような核酸は、前記抗体の、VLを含むアミノ酸配列、及び/又はVHを含むアミノ酸配列(例えば、前記抗体の軽鎖及び/又は重鎖)をコードすることがある。更なる実施形態では、このような核酸を含む1種以上のベクター(例
えば、発現ベクター)が提供される。更なる実施形態では、そのような核酸を含む宿主細胞が提供される。1つのそのような実施形態では、宿主細胞は以下を含む(以下によって
形質転換している):(1)前記抗体のVLを含むアミノ酸配列及び前記抗体のVHを含むアミ
ノ酸配列、をコードする核酸、を含むベクター、又は(2)前記抗体のVLを含むアミノ酸配
列をコードする核酸配列を含む第1のベクター、及び前記抗体のVHを含むアミノ酸配列を
コードする核酸を含む第2のベクター。1つの実施形態では、宿主細胞は真核生物、例えばチャイニーズ・ハムスター卵巣(Chinese Hamster Ovary (CHO))細胞又はリンパ系細胞(
例えばY0、NS0、Sp20細胞)である。1つの実施形態では、抗-CLL-1抗体を作製する方法、ここで、前記方法は、上記で提供される抗体をコードする核酸を含む宿主細胞を、前記抗体を発現させることに適した条件下で、培養する工程、及び任意選択的に、前記宿主細胞(又は宿主細胞の培養培地)から前記抗体を回収する工程、を含む、が提供される。
抗-CD45抗体を組換え的に産生するために、例えば、上記に記載したような抗体をコー
ドする核酸を、単離し、そして宿主細胞において更にクローニングする及び/又は発現させるために、1種以上のベクターの中に挿入する。このような核酸を、従来の手順を使用
して(例えば、本抗体の重鎖及び軽鎖をコードする遺伝子に特異的に結合し得るオリゴヌ
クレオチド・プローブを使用することによって)、容易に単離することができる、及びシ
ークエンシングをすることができる。
抗体をコードするベクターをクローニングする又は発現させるのに適した宿主細胞としては、本出願に記載する原核生物細胞又は真核生物細胞が挙げられる。例えば、抗体を、特にグリコシル化及びFcエフェクター機能が必要とされない場合に、バクテリア中で産生させても良い。バクテリア中で抗体フラグメント及びポリペプチドを発現させることについては、例えば、米国特許第5,648,237、5,789,199、及び5,840,523号を参照のこと(Charlton, Methods in Molecular Biology, Vol. 248 (B.K.C. Lo, ed., Humana Press, Tot
owa, N.J., 2003), pp. 245-254も参照のこと、これには、大腸菌中で抗体フラグメント
を発現させることが記載されている)。発現させた後、前記抗体を、バクテリア細胞ペーストから可溶性画分として単離し、更に精製しても良い。
宿主として、脊椎動物細胞を使用することもできる。例えば、懸濁液中で増殖するように適合した哺乳動物細胞株が有用であることがある。有用な哺乳動物宿主細胞株の他の例は、SV40で形質転換したサル腎臓CV1株(COS-7);ヒト胚性腎臓細胞株(例えば、Graham et
al., J. Gen Virol. 36:59 (1977)に記載されるような293又は293細胞);ベビー・ハム
スター腎臓細胞(BHK);マウス・セルトリ細胞(例えば、Mather, Biol. Reprod. 23:243-251 (1980)に記載されるようなTM4細胞);サル腎臓細胞(CV1);アフリカ・ミドリザル腎臓細胞(VERO-76);ヒト子宮頸がん細胞(HELA);イヌ腎臓細胞(MDCK);バッファロー・ラッ
ト肝臓細胞(BRL 3A);ヒト肺細胞(W138);ヒト肝臓細胞(Hep G2);マウス乳がん(MMT 060562);TRI細胞(例えば、Mather et al., Annals N.Y. Acad. Sci. 383:44-68 (1982)に記載される);MRC 5細胞;及びFS4細胞、である。他の有用な哺乳動物宿主細胞株としては
、チャイニーズ・ハムスター卵巣(CHO)細胞(DHFR-CHO細胞(Urlaub et al., Proc. Natl.
Acad. Sci. USA 77:4216 (1980))等を含む);及び骨髄腫細胞株(例えば、Y0、NS0及びSp2/0等)が挙げられる。抗体産生に適したある特定の哺乳動物宿主細胞株に関するレビューについては、例えば、Yazaki and Wu, Methods in Molecular Biology, Vol. 248 (B. K.
C. Lo, ed., Humana Press, Totowa, N.J.), pp. 255-268 (2003)を参照のこと。
1つの実施形態では、前記抗-CD45抗体、又はその抗原結合フラグメントは、本出願に開示される配列番号と少なくとも95%、96%、97%又は99%同一であるアミノ酸配列を有する可変領域を含む。或いは、前記抗-CD45抗体、又はその抗原結合フラグメントは、本出願に
開示される配列番号と少なくとも95%、96%、97%又は99%同一であるアミノ酸配列を有する、本出願に記載する可変領域のフレームワーク領域を有する、本出願に開示される配列番号を含むCDR、を含む。
1つの実施形態では、前記抗-CD45抗体、又はその抗原結合フラグメントは、本出願に開示されるアミノ酸配列を有する、重鎖可変領域及び重鎖定常領域、を含む。別の実施形態では、前記抗-CD45抗体、又はその抗原結合フラグメントは、本出願に開示されるアミノ
酸配列を有する、軽鎖可変領域及び軽鎖定常領域、を含む。更に別の実施形態では、前記抗-CD45抗体、又はその抗原結合フラグメントは、本出願に開示されるアミノ酸配列を有
する重鎖可変領域、軽鎖可変領域、重鎖定常領域及び軽鎖定常領域、を含む。
抗体を同定する方法
本出願は、例えば、患者中のCD45+細胞を減少させるために使用され得る、新規な抗-CD45抗体を提供する。これらの抗体は、例えば、幹細胞移植のためのコンディショニング方法において、有用であることがある。本出願が提供する開示を考慮して、他の抗-CD45抗
体を同定することができる。
造血幹細胞が発現するCD45に結合することができる、抗体、又は抗体フラグメントのライブラリをハイスループット・スクリーニングするための方法を使用して、がん、自己免疫疾患を治療するために、及び本出願に記載するような造血幹細胞療法を必要とする患者(例えば、ヒト患者)をコンディショニングするために、有用な抗-CD45抗体を同定するこ
とがある。このような方法を使用して、本出願に記載する抗-CD45抗体の改良品を同定す
ることがある。このような方法としては、当技術分野で公知のin vitroディスプレイ技術、例えば、とりわけ、ファージ・ディスプレイ、バクテリア・ディスプレイ、酵母ディスプレイ、哺乳動物細胞ディスプレイ、リボソーム・ディスプレイ、mRNAディスプレイ、及びcDNAディスプレイなど、が挙げられる。
生物学的に関連する分子に結合する抗体、又は抗原結合フラグメントを単離するためにファージ・ディスプレイを使用することは、例えば、Felici et al., Biotechnol. Annual Rev. 1:149-183, 1995; Katz, Annual Rev. Biophys. Biomol. Struct. 26:27-45, 1997; 及び Hoogenboom et al., Immunotechnology 4:1-20, 1998、でレビューされてきている、これらの各々の開示は、in vitroディスプレイ技術に関連するものとして、本出願に参照により取り込まれる。Kay, Perspect. Drug Discovery Des. 2:251-268, 1995 及び Kay et al., Mol. Divers. 1:139-140, 1996に記載されるように、ランダム化したコンビナトリアル・ペプチド・ライブラリを構築して、細胞表面抗原に結合するポリペプチドを選択することも行われてきている、これらの各々の開示は、抗原結合分子の発見に関連するものとして、本出願に参照により取り込まれる。タンパク質類(例えば、多量体タンパ
ク質類)を、機能的分子として、ファージ・ディスプレイすることが、うまくできてきて
いる(例えば、EP 0349578; EP 4527839;及びEP 0589877、並びにChiswell and McCafferty, Trends Biotechnol. 10:80-84 1992を参照、これらの各々の開示は、抗原結合分子を
発見するためにin vitroディスプレイ技術を使用することに関するものとして、本出願に参照により取り込まれる)。更に、機能的抗体フラグメント(例えば、Fab及びscFvフラグメント)を、in vitroディスプレイ・フォーマットで、発現させることも行われてきてい
る(例えば、McCafferty et al., Nature 348:552-554, 1990; Barbas et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 88:7978-7982, 1991; 及び Clackson et al., Nature 352:624-628, 1991を参照、これらの各々の開示は、抗原結合分子を発見するためのin vitroディスプレイ・プラットフォームに関連するものとして、本出願に参照により取り込まれる)。ヒト抗-CD45抗体を、例えば、HuMAb-マウス登録商標又はXenoMouseTMにおいて産生させることもある。とりわけ、これらの技術を使用して、造血幹細胞が発現するCD45に結合することができる、次いで、造血幹細胞移植療法を必要とする患者(例えば、ヒト患者)において内因性の造血幹細胞を減少させるために使用することができる、抗体類、抗体、又はフラグメントの親和性を同定する、及び改善する、ことがある。
in vitroディスプレイ技術に加えて、計算モデリング技術を使用して、造血幹細胞が発現する抗原(例えば、CD45)に結合することができる抗体を、設計する、及び同定することがある。例えば、計算モデリング技術を使用して、当業者のある者は、造血幹細胞が発現する抗原(例えば、CD45)にある特異的なエピトープ(例えば、前記抗原の細胞外のエピトープ)に結合することができる分子を求めて、抗体、又は抗体フラグメントのライブラリをin silicoでスクリーニングすることがある。
更なる技術を使用して、造血幹細胞が発現するCD45に結合することができる、及び、例えば、レセプター媒介エンドサイトーシスによって、前記細胞が内部に取り込むことができる、抗体、又は抗体フラグメントを同定することがある。例えば、上記のin vitroディスプレイ技術を、CD45に結合する、及び続いて内部に取り込まれる、抗体、又はその抗体フラグメントを求めてスクリーニングすることに、適合させることがある。ファージ・ディスプレイは、このスクリーニング・パラダイムと組み合わせて使用することがあるような技術の1つの代表である。造血幹細胞の内部に取り込まれることがある抗-CD45抗体、又は抗体フラグメントを同定するために、当業者のある者は、Williams et al., Leukemia 19:1432-1438, 2005に記載されるファージ・ディスプレイ技術を使用することがある(その開示は、その全体が本出願に参照により取り込まれる)。例えば、当技術分野で公知の変異誘発方法を使用して、抗体、抗体フラグメント(例えば、とりわけscFvフラグメント、Fabフラグメント、ダイアボディ、トリアボディ、及び10Fn3ドメイン)、又はリガンド(これらは、ランダム化アミノ酸カセットを[例えば、CDR若しくはその等価領域、又は
抗体若しくは抗体フラグメントの1つ以上、若しくは全ての中に]含有する)をコードす
る組換えファージ・ライブラリを産生することができる。前記抗体又は抗体フラグメントの骨格領域、ヒンジ、Fcドメイン、及び他の領域を、例えば、ヒト生殖系列抗体配列、又はヒト生殖系列抗体と比較して僅かに違う配列を有するようにすることによって、ヒトに
おいて非-免疫原性であるように設計することがある。
本出願に記載する、又は当技術分野で公知のファージ・ディスプレイ技術を使用して、ファージ粒子に共有結合したランダム化抗体、又は抗体フラグメントを含むファージ・ライブラリを、CD45とインキュベートする(例えば、まず最初に、非-特異的なタンパク質
結合を示す抗体、又は抗体フラグメントをコードするファージを除去するために、及びFcドメインに結合する抗体又はそのフラグメントをコードするファージを除去するために、前記ファージ・ライブラリをブロッキング薬剤[例えば、乳タンパク質、ウシ血清アルブミン、及び/又はIgGなど]とインキュベートする、並びに次に、前記ファージ・ライブ
ラリを、CD45を発現する、細胞(例えば、造血幹細胞)の集団とインキュベートする)。抗-CD45抗体、又は抗体フラグメントが細胞表面の同種抗原に結合する、及び続いて、前
記造血幹細胞によって内部に取り込まれる、のに十分な時間(例えば、4℃で30分から6時間、例えば、4℃で1時間など)、前記ファージ・ライブラリを前記造血幹細胞とインキュベートすることがある。続いて、例えば、冷した(4℃)pH 2.8の0.1 Mグリシン・バッファーで洗うことによって、造血幹細胞に結合すること、及び造血幹細胞によって内部に取り込まれること、の目的にとって、前記CD45に対して十分な親和性を示さない、抗体、又は抗体フラグメントを含むファージを、除去することがある。前記造血幹細胞が内部に取り込んだ、抗体、又はその抗体フラグメントに結合したファージを、例えば、前記細胞を溶解し、その細胞培養培地から細胞の内部に取り込まれたファージを回収することによって、同定することがある。次いで、例えば、当技術分野で公知の方法を使用して、バクテリア細胞を回収したファージと共に2×YT培地中でインキュベートすることによって、前記
ファージをバクテリア細胞中で増幅することがある。次いで、この培地から回収したファージを、例えば、ファージ・ゲノム内に挿入された抗体又は抗体フラグメントをコードする遺伝子の核酸配列を決定することによって、同定することがある。そのコードされた抗体又は抗体フラグメントを、続いて、(例えば、その抗体フラグメント、例えば、scFvフ
ラグメントについては)化学合成することによって、又は(例えば、全長抗体については)
組換え発現することによって、新たに調製することがある。
調製した抗体、又は抗体フラグメントを、細胞の内部に取り込む許容量を、例えば、当技術分野で公知の放射性核種内部取り込みアッセイを使用して、評価することがある。例えば、本出願に記載する、又は当技術分野で公知のin vitroディスプレイ技術を用いて同定した抗-CD45抗体、又は抗体フラグメントを、放射性同位元素(例えば、18F, 75Br,77Br, 122I, 123I, 124I, 125I, 129I, 131I, 211At, 67Ga, 111In, 99Tc, 169Yb, 186Re, 64Cu, 67Cu, 177Lu, 77As, 72As, 86Y, 90Y, 89Zr, 212Bi, 213Bi, 又は 225Ac)を組み込ませることにより、機能的にすることがある。例えば、放射性ハロゲン(例えば、18F, 75Br,77Br, 122I, 123I, 124I, 125I, 129I, 131I, 211At等)を、求電子性ハロゲン試薬
を含むビーズ(例えば、ポリスチレン・ビーズ)(例えば、ヨード化ビーズ、Thermo Fisher Scientific, Inc., Cambridge, MA)を使用して、抗体、又は抗体フラグメントの中に
組み込ませることがある。放射性標識した抗体、そのフラグメント又はADCを、内部に取
り込まれるのに十分な時間(例えば、4℃で30分から6時間、例えば、4℃で1時間等)、造血幹細胞と共にインキュベートすることがある。次いで、(例えば、冷した(4℃)pH 2.8の0.1 Mグリシン・バッファーを使用して)前記細胞を洗浄して、細胞の内部に取り込まれなかった抗体又はそのフラグメントを除去する。細胞の内部に取り込まれた抗体、又は抗体フラグメントを、得られた造血幹細胞から放出される放射線(例えば、γ線)を検出し、回収した洗浄バッファーから放出される放射線(例えば、γ線)と比べることによって、同定することがある。前記の内部取り込みアッセイを使用して、ADCを特徴付けることもある
抗体を、例えば、米国特許第4,816,567号に記載されるように、組換え方法及び組成物
を使用して産生することがある。1つの実施形態では、本出願に記載する抗-CD45抗体をコ
ードする単離された核酸が提供される。このような核酸は、本抗体のVLを含むアミノ酸配列及び/又は本抗体のVHを含むアミノ酸配列(例えば、本抗体の軽鎖及び/又は重鎖)をコードすることがある。更なる実施形態では、このような核酸を含む1種以上のベクター(例えば、発現ベクター)が提供される。更なる実施形態では、このような核酸を含む宿主細
胞が提供される。1つのこのような実施形態では、宿主細胞は以下を含む(例えば、以下を使って形質転換されている):(1)本抗体のVLを含むアミノ酸配列及び本抗体のVHを含むアミノ酸配列をコードする核酸を含むベクター、又は(2)本抗体のVLを含むアミノ酸配列を
コードする核酸を含む第1のベクター及び本抗体のVHを含むアミノ酸配列をコードする核
酸を含む第2のベクター。1つの実施形態では、前記宿主細胞は、真核生物、例えばチャイニーズ・ハムスター卵巣(CHO)細胞又はリンパ系細胞(例えばY0、NS0、Sp20細胞)である。1つの実施形態では、抗-CLL-1抗体を作製する方法が提供され、ここで、前記方法は、上
記に提供されるような抗体をコードする核酸を含む宿主細胞を、前記抗体の発現に適した条件下で、培養することを、及び任意選択的に、前記宿主細胞(又は宿主細胞培養培地)から前記抗体を回収することを、含む。
抗-CD45抗体を組換え的に産生するために、例えば、上記に記載したような抗体をコー
ドする核酸を、単離し、そして宿主細胞において更にクローニングする及び/又は発現させるために、1種以上のベクターの中に挿入する。このような核酸を、従来の手順を使用
して(例えば、本抗体の重鎖及び軽鎖をコードする遺伝子に特異的に結合し得るオリゴヌ
クレオチド・プローブを使用することによって)容易に単離することができる、及びシー
クエンシングをすることができる。
抗体をコードするベクターをクローニングする又は発現させるのに適した宿主細胞としては、本出願に記載する原核生物細胞又は真核生物細胞が挙げられる。例えば、抗体を、特にグリコシル化及びFcエフェクター機能が必要とされない場合に、バクテリア中で産生させても良い。バクテリア中で抗体フラグメント及びポリペプチドを発現させることについては、例えば、米国特許第5,648,237、5,789,199、及び5,840,523号を参照のこと(Charlton, Methods in Molecular Biology, Vol. 248 (B.K.C. Lo, ed., Humana Press, Totowa, N.J., 2003), pp. 245-254も参照のこと、これには、大腸菌中で抗体フラグメント
を発現させることが記載されている)。発現させた後、前記抗体を、バクテリア細胞ペーストから可溶性画分として単離し、更に精製しても良い。
宿主として、脊椎動物細胞を使用することもできる。例えば、懸濁液中で増殖するように適合した哺乳動物細胞株が有用であることがある。有用な哺乳動物宿主細胞株の他の例は、SV40で形質転換したサル腎臓CV1株(COS-7);ヒト胚性腎臓細胞株(例えば、Graham et
al., J. Gen Virol. 36:59 (1977)に記載されるような293又は293細胞);ベビー・ハム
スター腎臓細胞(BHK);マウス・セルトリ細胞(例えば、Mather, Biol. Reprod. 23:243-251 (1980)に記載されるようなTM4細胞);サル腎臓細胞(CV1);アフリカ・ミドリザル腎臓細胞(VERO-76);ヒト子宮頸がん細胞(HELA);イヌ腎臓細胞(MDCK);バッファロー・ラッ
ト肝臓細胞(BRL 3A);ヒト肺細胞(W138);ヒト肝臓細胞(Hep G2);マウス乳がん(MMT 060562);TRI細胞(例えば、Mather et al., Annals N.Y. Acad. Sci. 383:44-68 (1982)に記載される);MRC 5細胞;及びFS4細胞、である。他の有用な哺乳動物宿主細胞株としては
、チャイニーズ・ハムスター卵巣(CHO)細胞(DHFR-CHO細胞(Urlaub et al., Proc. Natl.
Acad. Sci. USA 77:4216 (1980))等を含む);及び骨髄腫細胞株(例えば、Y0、NS0及びSp2/0等)が挙げられる。抗体産生に適したある特定の哺乳動物宿主細胞株に関するレビューについては、例えば、Yazaki and Wu, Methods in Molecular Biology, Vol. 248 (B. K.
C. Lo, ed., Humana Press, Totowa, N.J.), pp. 255-268 (2003)を参照のこと。1つの
実施形態では、前記宿主細胞は真核生物、例えば、チャイニーズ・ハムスター卵巣(CHO)
細胞又はリンパ系細胞(例えば、Y0、NS0、Sp20細胞)である。
抗体薬物コンジュゲート(ADC)
本出願に記載する抗-CD45抗体、又はその抗原結合フラグメントは、リンカーを介して
細胞毒素にコンジュゲート(連結)していることがある。いくつかの実施形態では、その細胞毒性分子は、本出願で開示するような細胞の内部に取り込まれる抗体、又はその抗原結合フラグメントにコンジュゲートして、前記抗体、又はそのフラグメントが細胞の内部に取り込まれた後に、前記細胞毒素がその細胞内ターゲットに接近し、造血細胞の死を媒介することがある。ある特定の実施形態では、本出願に記載するVH可変領域及びVL可変領域(又は本出願に記載する軽鎖の及び重鎖のCDRセットを含む可変領域)を含む抗-CD45 scFv
は、毒素にコンジュゲートして、scFv毒素を形成する。
細胞毒素
種々の細胞毒素を、本出願に記載する療法における使用のために、リンカーを介して抗-CD45抗体にコンジュゲートすることができる。特に、抗-CD45 ADCは、細胞毒性部分(又
は細胞毒素)にコンジュゲートした(即ち、リンカーによって共有結合した)、抗-CD45抗体(又はその抗原結合フラグメント)を含む。様々な実施形態では、前記細胞毒性部分は、コンジュゲートとして結合している場合、細胞毒性は減少している、又は細胞毒性を示さない。しかし、前記リンカーからの切断後、細胞毒性を再び示すようになる。様々な実施形態では、前記細胞毒性部分は、前記リンカーから切断されること無しに、細胞毒性を保持する。いくつかの実施形態では、前記細胞毒性分子は、本出願に記載するような、細胞の内部に取り込まれる抗体、又はその抗原結合フラグメントにコンジュゲートする、その結果、前記抗体、又はそのフラグメントが細胞の内部に取り込まれた後に、前記細胞毒素がその細胞内ターゲットにアクセスし、例えば、T細胞死を媒介することがある。
従って、本発明のADCは、一般式Ab-(Z-L-D)nであることがある、ここで、抗体又はその抗原結合フラグメント(Ab)は、リンカー(L)にコンジュゲート(共有結合)し、化学的な部
分構造(Z)を通じて、細胞毒性部分(「薬物」、”D”又は”Cy”)にコンジュゲートする。
従って、前記抗-CD45抗体又はその抗原結合フラグメントは、整数nによって示されるような多数の薬物部分にコンジュゲートすることがある、ここで、整数nは抗体当たりの細
胞毒素の平均個数を表す、ここで、整数nは例えば約1から約20の範囲であることがある。いくつかの実施形態では、nは1から4である。いくつかの実施形態では、nは1である。コ
ンジュゲーション反応によるADCの調製物中の抗体当たりの薬物部分の平均個数を、質量
分析、ELISAアッセイ、及びHPLCのような従来の手段によって明らかにすることができる
。nに関するADCの定量的な分布も決定することができる。場合によっては、逆相HPLC又は電気泳動のような手段によって、nが特定の数値である均質なADCを、他の薬物搭載量を有するADCから、分離する、精製する、及び特性評価することができる。
いくつかの抗-CD45 ADCについて、nは、その抗体上の結合部位の数によって制限されることがある。例えば、結合がシステインのチオールである場合、抗体は1個だけ又は数個
のシステインのチオール基を持つ、又はリンカーが結合するのに十分な反応性をもつチオール基を1個だけ又は数個持つ。一般に、抗体は、薬物部分に結合することができる遊離
及び反応性システイン基を多くは含まない;主に、抗体中のシステインのチオール残基は、ジスルフィド架橋として存在する。ある特定の実施形態では、抗体を、ジチオトレイトール(DTT)又はトリカルボニルエチルホスフィン(TCEP)などの還元剤で還元して、部分的
又は全還元条件下で、反応性システインのチオール基を生成させることがある。ある特定の実施形態では、より高く薬物を搭載(DAR)させると(例えば、n>5)、ある特定の抗体-薬
物コンジュゲートでは凝集性、不溶性、毒性が引き起こされる、又は細胞透過性が失われることが引き起されることがある。
ある特定の実施形態では、コンジュゲーション反応の間に、理論上の最大よりも少ない
薬物部分が、抗体にコンジュゲートする。抗体は、例えば、以下に論じるように、薬物-
リンカー中間体又はリンカー試薬と反応しないリジン残基を含むことがある。最も反応性の高いリジン基のみがアミン反応性リンカー試薬と反応することができる。ある特定の実施形態では、抗体を、変性条件下に供し、リジン又はシステインのような反応性求核基を表に露出させる。
ADCの搭載(薬物/抗体比)を、種々の方法で(例えば、(i)抗体に対する、薬物-リンカ
ー中間体又はリンカー試薬のモル過剰を制限すること、(ii)コンジュゲーション反応の時間又は温度を制限すること、(iii)システインのチオール修飾のために、部分的又は制限
的な還元条件下にすること、(iv)リンカー-薬物結合の数及び/又は位置をコントロール
するために、システイン残基の数及び位置を改変するように、抗体のアミノ酸配列を組換え技術によって操作すること、によって)、コントロールすることがある。
本出願に記載する組成物及び方法と共に使用するのに適した細胞毒素としては、当該技術分野において公知の、とりわけ、DNA-インターカレーティング剤(例えば、アントラサ
イクリン)、紡錘体装置を破壊することができる薬剤(例えば、ビンカ・アルカロイド、メイタンシン、メイタンシノイド、及びその誘導体)、RNAポリメラーゼ阻害剤(例えば、α-アマニチン等のアマトキシン、及びその誘導体)、並びにタンパク質生合成を破壊するこ
とができる薬剤(例えば、サポリン及びリシンA鎖等のrRNA N-グリコシダーゼ活性を示す
薬剤)が挙げられる。
いくつかの実施形態では、前記細胞毒素は、微小管結合剤(例えば、メイタンシン若し
くはメイタンシノイド)、アマトキシン、シュードモナス外毒素A、deブーガニン、ジフテリア毒素、サポリン、アウリスタチン、アントラサイクリン、カリケアマイシン、イリノテカン、SN-38、デュオカルマイシン、ピロロベンゾジアゼピン、ピロロベンゾジアゼピ
ン二量体、インドリノベンゾジアゼピン、インドリノベンゾジアゼピン二量体、若しくはそれらのバリアント、又は本出願に記載する若しくは当該技術分野で公知の他の細胞毒性化合物である。
いくつかの実施形態では、前記抗体-薬物コンジュゲートの細胞毒素は、RNAポリメラーゼ阻害剤である。いくつかの実施形態では、前記RNAポリメラーゼ阻害剤は、アマトキシ
ン又はその誘導体である。いくつかの実施形態では、本出願で開示する抗体-薬物コンジ
ュゲートの細胞毒素は、アマトキシン又はその誘導体(例えば、α-アマニチン、β-アマニチン、γ-アマニチン、ε-アマニチン、アマニン、アマニンアミド、アマヌリン、アマヌリン酸、プロアマヌリン又はその誘導体など)である。
本発明の組成物及び方法において有用な抗-CD45 ADCにおいて使用することがある細胞
毒素に関する更なる詳細を、以下に記載する。
アマトキシン類
いくつかの実施形態では、前記抗体-薬物コンジュゲートの細胞毒素は、RNAポリメラーゼ阻害剤である、アマトキシン又はその誘導体である。いくつかの実施形態では、本出願で開示する抗体-薬物コンジュゲートの細胞毒素は、アマトキシン又はその誘導体(例え
ば、α-アマニチン、β-アマニチン、γ-アマニチン、ε-アマニチン、アマニン、アマニンアミド、アマヌリン、アマヌリン酸、プロアマヌリン又はその誘導体など)である。
下記式(IV)で表される例示的なアマトキシンの構造;例えば、Zanotti et al., Int. J. Peptide Protein Res. 30, 1987, 450-459、に開示されていることもある。
Figure 2021087368000021

以下の表は、更なるアマトキシン構造を示す。
Figure 2021087368000022
本出願に記載の、組成物、例えば、抗-CD45 ADC、及び方法と併せて有用なアマトキシ
ンとしては、限定されるものではないが、式(V)による化合物、が挙げられる、
Figure 2021087368000023


ここで、R1は、H、OH、又はORAである;
R2は、H、OH、又はORBである;
RA及びRBは、存在する場合、それらが結合している酸素原子と一緒になって、任意選択的に置換された5員ヘテロシクロアルキル基を形成する;
R3は、H、又はRDである;
R4は、H、OH、ORD、又はRDである;
R5は、H、OH、ORD、又はRDである;
R6は、H、OH、ORD、又はRDである;
R7は、H、OH、ORD、又はRDである;
R8は、OH、NH2、又はORDである;
R9は、H、OH、又はORDである;
Xは、-S-、-S(O)-、又は-SO2-である;並びに、
RDは、任意選択的に置換されたアルキル(例えば、C1-C6アルキル)、任意選択的に
置換されたヘテロアルキル(例えば、C1-C6ヘテロアルキル)、任意選択的に置換された
アルケニル(例えば、C2-C6アルケニル)、任意選択的に置換されたヘテロアルケニル(
例えば、C2-C6ヘテロアルケニル)、任意選択的に置換されたアルキニル(例えば、C2-C6アルキニル)、任意選択的に置換されたヘテロアルキニル(例えば、C2-C6ヘテロアルキ
ニル)、任意選択的に置換されたシクロアルキル、任意選択的に置換されたヘテロシクロアルキル、任意選択的に置換されたアリール、又は任意選択的に置換されたヘテロアリー
ルである。
例えば、1つの実施形態では、本出願に記載する組成物及び方法と併せることにおいて
有用なアマトキシンには、式(VA)による化合物が含まれる
Figure 2021087368000024

ここで、R4、R5、X、及びR8は、それぞれ上記で定義されたものである。
例えば、1つの実施形態では、本出願に記載する組成物及び方法と併せることにおいて
有用なアマトキシンには、式(VB)による化合物が含まれる
Figure 2021087368000025

ここで、
R1は、H、OH、又はORAである;
R2は、H、OH、又はORBである;
RA及びRBは、存在する場合、それらが結合している酸素原子と一緒になって、任意選択的に置換された5員ヘテロシクロアルキル基を形成する;
R3は、H、又はRDである;
R4は、H、OH、ORD、又はRDである;
R5は、H、OH、ORD、又はRDである;
R6は、H、OH、ORD、又はRDである;
R7は、H、OH、ORD、又はRDである;
R8は、OH、NH2、又はORDである;
R9は、H、OH、又はORDである;
Xは、-S-、-S(O)-、又は-SO2-である;並びに、
RDは、任意選択的に置換されたアルキル(例えば、C1-C6アルキル)、任意選択的に
置換されたヘテロアルキル(例えば、C1-C6ヘテロアルキル)、任意選択的に置換された
アルケニル(例えば、C2-C6アルケニル)、任意選択的に置換されたヘテロアルケニル(
例えば、C2-C6ヘテロアルケニル)、任意選択的に置換されたアルキニル(例えば、C2-C6アルキニル)、任意選択的に置換されたヘテロアルキニル(例えば、C2-C6ヘテロアルキ
ニル)、任意選択的に置換されたシクロアルキル、任意選択的に置換されたヘテロシクロアルキル、任意選択的に置換されたアリール、又は任意選択的に置換されたヘテロアリールである。
例えば、1つの実施形態では、本出願に記載する組成物及び方法と併せることにおいて
有用なアマトキシンには、式(VC)による化合物が含まれる
Figure 2021087368000026

ここで:
R1は、H、OH、又はORAである;
R2は、H、OH、又はORBである;
RA及びRBは、存在する場合、それらが結合している酸素原子と一緒になって、任意選択的に置換された5員ヘテロシクロアルキル基を形成する;
R3は、H、又はRDである;
R4は、H、OH、ORD、又はRDである;
R5は、H、OH、ORD、又はRDである;
R6は、H、OH、ORD、又はRDである;
R7は、H、OH、ORD、又はRDである;
R8は、OH、NH2、又はORDである;
R9は、H、OH、又はORDである;
Xは、-S-、-S(O)-、又は-SO2-である;並びに、
RDは、任意選択的に置換されたアルキル(例えば、C1-C6アルキル)、任意選択的に
置換されたヘテロアルキル(例えば、C1-C6ヘテロアルキル)、任意選択的に置換された
アルケニル(例えば、C2-C6アルケニル)、任意選択的に置換されたヘテロアルケニル(
例えば、C2-C6ヘテロアルケニル)、任意選択的に置換されたアルキニル(例えば、C2-C6アルキニル)、任意選択的に置換されたヘテロアルキニル(例えば、C2-C6ヘテロアルキ
ニル)、任意選択的に置換されたシクロアルキル、任意選択的に置換されたヘテロシクロアルキル、任意選択的に置換されたアリール、又は任意選択的に置換されたヘテロアリー
ルである。
本出願に記載するコンジュゲートで使用されることがあるアマトキシンの更なる例としては、WO 2020/216927 に記載されるものが挙げられ、その内容は、本出願に参照により
取り込まれる。1つの実施形態では、抗-CD45抗体、又はその抗原結合フラグメントは、リンカーを介してアマトキシンにコンジュゲートする、ここで、前記ADCは、式(VI)の構造

Figure 2021087368000027


又はその立体異性体、を有する;
ここで、
Qは、Sである;
Lは、リンカーである;
Zは、L上に存在する反応性置換基と、前記抗体、又はその抗原結合フラグメント内に存在する反応性置換基との間のカップリング反応から形成される化学的な部分構造である;並びに、
Abは、抗-CD45抗体、又はその抗原結合フラグメントである。1つの実施形態では、前記リンカーは、切断可能なリンカーである。別の実施形態では、前記リンカーは、非-切
断可能なリンカーである。1つの実施形態では、Lは、-(CH2)n-ユニットを含む、ここで、nは、2-6からの整数である。1つの実施形態では、Lは-(CH2)n - である、ここで、nは、6
である。1つの実施形態では、Ab、Z、及びLは、Ab-Z-Lとして一緒になって、次式で表される:
Figure 2021087368000028

ここで、Sは、前記抗-CD45抗体、又はその抗原結合フラグメント中に存在する、システイン残基の硫黄原子である。
1つの実施形態では、ADCは、アマトキシンにコンジュゲートした抗-CD45抗体を含む、
前記ADCは、式(VII)の構造:
Figure 2021087368000029

又はその立体異性体、を有する。
1つの実施形態では、ADCは、アマトキシンにコンジュゲートした抗-CD45抗体を含む、
前記ADCは、式(VIIA)の構造を有する:
Figure 2021087368000030

1つの実施形態では、ADCは、アマトキシンにコンジュゲートした抗-CD45抗体を含む、
前記ADCは、式(VIIB)の構造を有する:
Figure 2021087368000031

アマトキシンを製造する合成方法は、米国特許第9,676,702号に記載されている、これ
は、本出願に参照により取り込まれる。
他の実施形態では、本出願に記載する、抗-CD45抗体、又はその抗原-結合フラグメントを、アマトキシンに結合させて、式Ab-Z-L-Am(式中、Abは抗-CD45抗体又はその抗原結合フラグメントである、Lはリンカーである、Zは化学的な部分構造である、及びAmはアマトキシンである)によって表されるコンジュゲートを形成することがある。アマトキシン又はその誘導体上の多くの位置は、連結部分構造L、及びそれ故に前記抗体又はその抗原-結合フラグメントを共有結合させる位置として働くことがある。
いくつかの実施形態では、Am-L-Zは、式(I)によって表される
ここで:
R1は、H、OH、ORA、又はORCである;
R2は、H、OH、ORB、又はORCである;
RA及びRBは、存在する場合、それらが結合している酸素原子と一緒になって、任意選択的に置換された5員ヘテロシクロアルキル基を形成する;
R3は、H、RC、又はRDである;
R4は、H、OH、ORC、ORD、RC、又はRDである;
R5は、H、OH、ORC、ORD、RC、又はRDである;
R6は、H、OH、ORC、ORD、RC、又はRDである;
R7は、H、OH、ORC、ORD、RC、又はRDである;
R8は、OH、NH2、ORC、ORD、NHRC、又はNRCRDである;
R9は、H、OH、ORC、又はORDである;
Xは、-S-、-S(O)-、又は-SO2-である;
RCは、-L-Zである;
RDは、任意選択的に置換されたアルキル(例えば、C1-C6アルキル)、任意選択的に
置換されたヘテロアルキル(例えば、C1-C6ヘテロアルキル)、任意選択的に置換された
アルケニル(例えば、C2-C6アルケニル)、任意選択的に置換されたヘテロアルケニル(
例えば、C2-C6ヘテロアルケニル)、任意選択的に置換されたアルキニル(例えば、C2-C6アルキニル)、任意選択的に置換されたヘテロアルキニル(例えば、C2-C6ヘテロアルキ
ニル)、任意選択的に置換されたシクロアルキル、任意選択的に置換されたヘテロシクロアルキル、任意選択的に置換されたアリール、又は任意選択的に置換されたヘテロアリールである;
Lは、任意選択的に置換されたアルキレン(例えば、C1-C6アルキレン)、任意選択的に置換されたヘテロアルキレン(例えば、C1-C6ヘテロアルキレン)、任意選択的に置換
されたアルケニレン(例えば、C2-C6アルケニレン)、任意選択的に置換されたヘテロア
ルケニレン(例えば、C2-C6ヘテロアルケニレン)、任意選択的に置換されたアルキニレ
ン(例えば、C2-C6アルキニレン)、任意選択的に置換されたヘテロアルキニレン(例え
ば、C2-C6ヘテロアルキニレン)、任意選択的に置換されたシクロアルキレン、任意選択
的に置換されたヘテロシクロアルキレン、任意選択的に置換されたアリーレン、任意選択的に置換されたヘテロアリーレン、ペプチド、ジペプチド、-C(=O)-、ジスルフィド、ヒ
ドラゾン、又はそれらの組合せであるような、リンカーである;並びに、
Zは、L上に存在する反応性置換基と、ターゲット抗原(例えば、CD45)に結合する抗体、又はその抗原結合フラグメント内に存在する反応性置換基との間のカップリング反応から形成される化学的な部分構造である。
いくつかの実施形態では、Amは、丁度1個のRC置換基を含む。
いくつかの実施形態では、L-Zは、
Figure 2021087368000032

ここで、Sは、ターゲット抗原に結合する抗体、又はその抗原結合フラグメント内に存
在する反応性置換基を表す硫黄原子である(例えば、システイン残基の-SH基に由来する)
いくつかの実施形態では、前記コンジュゲートは、式III、IIIA、又はIIIBのうちの1つによって表される:
Figure 2021087368000033
ここで、XはS、SO又はSO2である、及びAbはAbに結合する位置を示すように示されてい
る。
いくつかの実施形態では、Am-L-Z-Abは、
Figure 2021087368000034

である、ここで、Abは、Abに結合する位置を示すように示されている。
いくつかの実施形態では、Am-L-Z-Abは、
Figure 2021087368000035

である、ここで、Abは、Abに結合する位置を示すように示されている。
いくつかの実施形態では、Am-L-Z-Abは、
Figure 2021087368000036


である、ここで、Abは、Abに結合する位置を示すように示されている。
いくつかの実施形態では、Am-L-Z-Ab前駆体、Am-L-Z'は、
Figure 2021087368000037


である、ここで、そのマレイミドが前記抗体中のシステインにあるチオール基と反応する。
いくつかの実施形態では、Am-L-Z-Ab前駆体、Am-L-Z'は、
Figure 2021087368000038


である、ここで、そのマレイミドが前記抗体中のシステインにあるチオール基と反応する。
いくつかの実施形態では、Am-L-Zは、式(IA)で表される、
Figure 2021087368000039

ここで、
R1は、H、OH、ORA、又はORCである;
R2は、H、OH、ORB、又はORCである;
RA及びRBは、存在する場合、それらが結合している酸素原子と一緒になって、任意選択的に置換された5員ヘテロシクロアルキル基を形成する;
R3は、H、RC、又はRDである;
R4は、H、OH、ORC、ORD、RC、又はRDである;
R5は、H、OH、ORC、ORD、RC、又はRDである;
R6は、H、OH、ORC、ORD、RC、又はRDである;
R7は、H、OH、ORC、ORD、RC、又はRDである;
R8は、OH、NH2、ORC、ORD、NHRC、又はNRCRDである;
R9は、H、OH、ORC、又はORDである;
Xは、-S-、-S(O)-、又は-SO2-である;
RCは、-L-Zである;
RDは、任意選択的に置換されたアルキル(例えば、C1-C6アルキル)、任意選択的に
置換されたヘテロアルキル(例えば、C1-C6ヘテロアルキル)、任意選択的に置換された
アルケニル(例えば、C2-C6アルケニル)、任意選択的に置換されたヘテロアルケニル(
例えば、C2-C6ヘテロアルケニル)、任意選択的に置換されたアルキニル(例えば、C2-C6アルキニル)、任意選択的に置換されたヘテロアルキニル(例えば、C2-C6ヘテロアルキ
ニル)、任意選択的に置換されたシクロアルキル、任意選択的に置換されたヘテロシクロアルキル、任意選択的に置換されたアリール、又は任意選択的に置換されたヘテロアリールである;
Lは、任意選択的に置換されたアルキレン(例えば、C1-C6アルキレン)、任意選択的に置換されたヘテロアルキレン(例えば、C1-C6ヘテロアルキレン)、任意選択的に置換
されたアルケニレン(例えば、C2-C6アルケニレン)、任意選択的に置換されたヘテロア
ルケニレン(例えば、C2-C6ヘテロアルケニレン)、任意選択的に置換されたアルキニレ
ン(例えば、C2-C6アルキニレン)、任意選択的に置換されたヘテロアルキニレン(例え
ば、C2-C6ヘテロアルキニレン)、任意選択的に置換されたシクロアルキレン、任意選択
的に置換されたヘテロシクロアルキレン、任意選択的に置換されたアリーレン、任意選択的に置換されたヘテロアリーレン、ペプチド、ジペプチド、-C(=O)-、ジスルフィド、ヒ
ドラゾン、又はそれらの組合せであるような、リンカーである;
Zは、L上に存在する反応性置換基と、CD45に結合する抗体、又はその抗原結合フラグメント内に存在する反応性置換基との間のカップリング反応から形成される化学的な部分構造である;並びに、
ここで、Amは、丁度1個のRC置換基を含む。
いくつかの実施形態では、L-Zは
Figure 2021087368000040

である。
いくつかの実施形態では、Am-L-Zは、式(IB)で表される、
Figure 2021087368000041

ここで、
R1は、H、OH、ORA、又はORCである;
R2は、H、OH、ORB、又はORCである;
RA及びRBは、存在する場合、それらが結合している酸素原子と一緒になって、任意選択的に置換された5員ヘテロシクロアルキル基を形成する;
R3は、H、RC、又はRDである;
R4は、H、OH、ORC、ORD、RC、又はRDである;
R5は、H、OH、ORC、ORD、RC、又はRDである;
R6は、H、OH、ORC、ORD、RC、又はRDである;
R7は、H、OH、ORC、ORD、RC、又はRDである;
R8は、OH、NH2、ORC、ORD、NHRC、又はNRCRDである;
R9は、H、OH、ORC、又はORDである;
Xは、-S-、-S(O)-、又は-SO2-である;
RCは、-L-Zである;
RDは、任意選択的に置換されたアルキル(例えば、C1-C6アルキル)、任意選択的に
置換されたヘテロアルキル(例えば、C1-C6ヘテロアルキル)、任意選択的に置換された
アルケニル(例えば、C2-C6アルケニル)、任意選択的に置換されたヘテロアルケニル(
例えば、C2-C6ヘテロアルケニル)、任意選択的に置換されたアルキニル(例えば、C2-C6アルキニル)、任意選択的に置換されたヘテロアルキニル(例えば、C2-C6ヘテロアルキ
ニル)、任意選択的に置換されたシクロアルキル、任意選択的に置換されたヘテロシクロアルキル、任意選択的に置換されたアリール、又は任意選択的に置換されたヘテロアリールである;
Lは、任意選択的に置換されたアルキレン(例えば、C1-C6アルキレン)、任意選択的に置換されたヘテロアルキレン(例えば、C1-C6ヘテロアルキレン)、任意選択的に置換
されたアルケニレン(例えば、C2-C6アルケニレン)、任意選択的に置換されたヘテロア
ルケニレン(例えば、C2-C6ヘテロアルケニレン)、任意選択的に置換されたアルキニレ
ン(例えば、C2-C6アルキニレン)、任意選択的に置換されたヘテロアルキニレン(例え
ば、C2-C6ヘテロアルキニレン)、任意選択的に置換されたシクロアルキレン、任意選択
的に置換されたヘテロシクロアルキレン、任意選択的に置換されたアリーレン、任意選択的に置換されたヘテロアリーレン、ペプチド、ジペプチド、-C(=O)-、ジスルフィド、ヒ
ドラゾン、又はそれらの組合せであるような、リンカーである;
Zは、L上に存在する反応性置換基と、CD45に結合する抗体、又はその抗原結合フラグメント内に存在する反応性置換基との間のカップリング反応から形成される化学的な部分構造である;並びに、
ここで、Amは、丁度1個のRC置換基を含む。
いくつかの実施形態では、L-Zは
Figure 2021087368000042

である。
いくつかの実施形態では、RA及びRBは、存在する場合、それらが結合している酸素原子と一緒になって、次式の5員ヘテロシクロアルキル基を形成する:
Figure 2021087368000043

ここで、Yは-(C=O)-、-(C=S)-、-(C=NRE)-, 又は-(CRERE’)-である;並びに、
RE及びRE'は、それぞれ独立して、任意選択的に置換されたC1-C6アルキレン-RC、任
意選択的に置換されたC1-C6ヘテロアルキレン-RC、任意選択的に置換されたC2-C6アルケ
ニレン-RC、任意選択的に置換されたC2-C6ヘテロアルケニレン-RC、任意選択的に置換さ
れたC2-C6アルキニレン-RC、任意選択的に置換されたC2-C6ヘテロアルキニレン-RC、任意選択的に置換されたシクロアルキレン-RC、任意選択的に置換されたヘテロシクロアルキ
レン-RC、任意選択的に置換されたアリーレン-RC、又は任意選択的に置換されたヘテロアリーレン-RC、である。
いくつかの実施形態では、Am-L-Zは、式(IA)又は式(IB)によって表される、
ここで、R1は、H、OH、ORA、又はORCである;
R2は、H、OH、ORB、又はORCである;
RA及びRBは、存在する場合、それらが結合している酸素原子と一緒になって、以下を
形成する:
Figure 2021087368000044

R3は、H、又はRCである;
R4は、H、OH、ORC、ORD、RC、又はRDである;
R5は、H、OH、ORC、ORD、RC、又はRDである;
R6は、H、OH、ORC、ORD、RC、又はRDである;
R7は、H、OH、ORC、ORD、RC、又はRDである;
R8は、OH、NH2、ORC、又はNHRCである;
R9は、H、又はOHである;
Xは、 -S-、-S(O)-、又は-SO2-である;並びに、
ここで、RC及びRDは、それぞれ上記に規定した通りである。
いくつかの実施形態では、Am-L-Zは、式(IA)又は式(IB)によって表される、
ここで、R1は、H、OH、ORA、又はORCである;
R2は、H、OH、ORB、又はORCである;
RA及びRBは、存在する場合、それらが結合している酸素原子と一緒になって、以下を形成する:
Figure 2021087368000045

R3は、H、又はRCである;
R4及びR5は、それぞれ独立してH、OH、ORC、RC、又はORDである;
R6及びR7は、それぞれHである;
R8は、OH、NH2、ORC、又はNHRCである;
R9は、H、又はOHである;
Xは、 -S-、-S(O)-、又は-SO2-である;並びに、
ここで、RCは、上記に規定した通りである。
いくつかの実施形態では、Am-L-Zは、式(IA)又は式(IB)によって表される、
ここで、R1は、H、OH、又はORAである;
R2は、H、OH、又はORBである;
RA及びRBは、存在する場合、それらが結合している酸素原子と一緒になって、以下を形成する:
Figure 2021087368000046

R3、R4、R6、及びR7は、それぞれHである;
R5は、ORCである;
R8は、OH、又はNH2である;
R9は、H、又はOHである;
Xは、 -S-、-S(O)-、又は-SO2-である;並びに、
ここで、RCは、上記に規定した通りである。このようなアマトキシン・コンジュゲートは、例えば、米国特許出願公開第2016/0002298号に記載されており、その開示は、その全体が本出願に参照により取り込まれる。
いくつかの実施形態では、Am-L-Zは、式(IA)又は式(IB)によって表される、
ここでR1及びR2は、それぞれ独立してH、又はOHである;
R3は、RCである;
R4、R6、及びR7は、それぞれHである;
R5は、H、OH、又はOC1-C6アルキルである;
R8は、OH、又はNH2である;
R9は、H、又はOHである;
Xは、 -S-、-S(O)-、又は-SO2-である;並びに、
ここで、RCは、上記に規定した通りである。このようなアマトキシン・コンジュゲートは、例えば、米国特許出願公開第2014/0294865号に記載されており、その開示は、その全体が本出願に参照により取り込まれる。
いくつかの実施形態では、Am-L-Zは、式(IA)又は式(IB)によって表される、
ここでR1及びR2は、それぞれ独立してH、又はOHである;
R3、R6、及びR7は、それぞれHである;
R4とR5は、それぞれ独立してH、OH、ORC、又はRCである;
R8は、OH、又はNH2である;
R9は、H、又はOHである;
Xは、 -S-、-S(O)-、又は-SO2-である;並びに、
ここで、RCは、上記に規定した通りである。このようなアマトキシン・コンジュゲートは、例えば、米国特許出願公開第2015/0218220号に記載されており、その開示は、その全体が本出願に参照により取り込まれる。
いくつかの実施形態では、Am-L-Zは、式(IA)又は式(IB)によって表される、
ここで:
R1及びR2は、それぞれ独立してH、又はOHである;
R3、R6、及びR7は、それぞれHである;
R4及びR5は、それぞれ独立してH、又はOHである;
R8は、OH、NH2、ORC、又はNHRCである;
R9は、H、又はOHである;
Xは、 -S-、-S(O)-、又は-SO2-である;並びに、
ここで、RCは、上記に規定した通りである。このようなアマトキシン・コンジュゲー
トは、例えば、米国特許第9,233,173号及び第9,399,681号、並びにUS 2016/0089450に記
載されており、これらの各々の開示は、その全体が本出願に参照により取り込まれる。
いくつかの実施形態では、前記Am-L-Z-Ab前駆体Am-L-Z'は、
Figure 2021087368000047

である。
本出願に記載する組成物及び方法に従って、抗体、又はその抗原結合フラグメントへのコンジュゲーションに用いることができる更なるアマトキシンは、例えば、WO 2016/142049;WO 2016/071856;WO 2017/149077; WO 2018/115466;及びWO 2017/046658に記載され
ており、これらの開示は、その全体が本出願に参照により取り込まれる。
いくつかの実施形態では、Am-L-Zは、式(II)、式(IIA)又は式(IIB)で表される
Figure 2021087368000048

ここで、Xは、S、SO、又はSO2である;R1は、H又は化学的な部分構造Zを介して前記抗
体若しくはその抗原結合フラグメントに共有結合したリンカーであり、Zは、前記リンカ
ー上に存在する反応性置換基Z’と、抗体若しくはその抗原結合フラグメント内に存在す
る反応性置換基との間のカップリング反応から形成される;並びに、R2は、H又は化学的
な部分構造Zを介して前記抗体若しくはその抗原結合フラグメントに共有結合したリンカ
ーであり、Zは、前記リンカー上に存在する反応性置換基Z’と、抗体若しくはその抗原結合フラグメント内に存在する反応性置換基との間のカップリング反応から形成される;ここで、R1がHの場合、R2がリンカーで、R2がHの場合、R1がリンカーである。
いくつかの実施形態では、R1はリンカーである、及びR2はHである、並びに前記リンカ
ー及び化学的な部分構造は、一緒にL-Zとして、
Figure 2021087368000049

である。
いくつかの実施形態では、R1はリンカーである、及びR2はHである、並びに前記リンカ
ー及び化学的な部分構造は、一緒にL-Zとして、
Figure 2021087368000050

である。
1つの実施形態では、Am-L-Z-Abは:
Figure 2021087368000051

である。
1つの実施形態では、Am-L-Z-Abは:
Figure 2021087368000052

である。
いくつかの実施形態では、前記Am-L-Z-Ab前駆体Am-L-Z'は、以下のうちの1つ:
Figure 2021087368000053

である、ここで、そのマレイミドが前記抗体中のシステインにあるチオール基と反応して、コンジュゲートAm-L-Z-Abを形成する。
いくつかの実施形態では、前記細胞毒素はα-アマニチンである。いくつかの実施形態
では、前記α-アマニチンは、リンカーLを介して抗-CD45抗体に結合している。いくつか
の実施形態では、前記α-アマニチンは、式Vの化合物である。前記リンカーLは、式Vのα-アマニチンのいくつかの考えられる位置の何れか1つ(例えば、R1-R9の何れか)に結合し
て、式I、IA、IB、II、IIA、又はIIBのα-アマニチン-リンカー・コンジュゲートを提供
することがある。いくつかの実施形態では、前記リンカーは、ヒドラジン、ジスルフィド、チオエーテル又はジペプチドを含む。いくつかの実施形態では、前記リンカーは、Val-Ala及びVal-Citより選択されるジペプチドを含む。いくつかの実施形態では、前記リンカーは、パラ-アミノベンジル基(PAB)を含む。いくつかの実施形態では、前記リンカーは、
部分PAB-Cit-Valを含む。いくつかの実施形態では、前記リンカーは、部分PAB-Ala-Valを含む。いくつかの実施形態では、前記リンカーは、-((C=O)(CH2)n-ユニットを含み、ここで、nは1から6の整数である。
いくつかの実施形態では、前記リンカーは、-(CH2)n- ユニットを含む。ここで、nは2
から6の整数である。いくつかの実施形態では、前記リンカーは-PAB-Cit-Val-(C=O)(CH2)n-である。いくつかの実施形態では、前記リンカーは-PAB-Ala-Val-(C=O)(CH2)n-である
。いくつかの実施形態では、前記リンカーL及び化学的な部分構造Zは、一緒にL-Zとして

Figure 2021087368000054

である。
いくつかの実施形態では、前記細胞毒素はβ-アマニチンである。いくつかの実施形態
では、前記β-アマニチンは、リンカーLを介して抗-CD45抗体に結合している。いくつか
の実施形態では、前記β-アマニチンは、式Vの化合物である。前記リンカーLは、式Vのβ-アマニチンのいくつかの考えられる位置の何れか1つ(例えば、R1-R9の何れか)に結合し
て、式I、IA、IB、II、IIA、又はIIBのβ-アマニチン-リンカー・コンジュゲートを提供
することがある。いくつかの実施形態では、前記リンカーは、ヒドラジン、ジスルフィド、チオエーテル又はジペプチドを含む。いくつかの実施形態では、前記リンカーは、Val-Ala及びVal-Citより選択されるジペプチドを含む。いくつかの実施形態では、前記リンカーは、パラ-アミノベンジル基(PAB)を含む。いくつかの実施形態では、前記リンカーは、部分PAB-Cit-Valを含む。いくつかの実施形態では、前記リンカーは、部分PAB-Ala-Valを含む。いくつかの実施形態では、前記リンカーは、-(C=O)(CH2)n-ユニットを含み、ここ
で、nは1から6の整数である。
いくつかの実施形態では、前記リンカーは、-(CH2)n- ユニットを含む。ここで、nは2
から6の整数である。いくつかの実施形態では、前記リンカーは-PAB-Cit-Val-(C=O)(CH2)n-である。いくつかの実施形態では、前記リンカーは-PAB-Ala-Val-(C=O)(CH2)n-である
。いくつかの実施形態では、前記リンカーL及び化学的な部分構造Zは、一緒にL-Zとして

Figure 2021087368000055

である。
いくつかの実施形態では、前記細胞毒素はγ-アマニチンである。いくつかの実施形態
では、前記γ-アマニチンは、リンカーLを介して抗-CD45抗体に結合している。いくつか
の実施形態では、前記γ-アマニチンは、式Vの化合物である。前記リンカーLは、式Vのγ-アマニチンのいくつかの考えられる位置の何れか1つ(例えば、R1-R9の何れか)に結合し
て、式I、IA、IB、II、IIA、又はIIBのγ-アマニチン-リンカー・コンジュゲートを提供
することがある。いくつかの実施形態では、前記リンカーは、ヒドラジン、ジスルフィド、チオエーテル又はジペプチドを含む。いくつかの実施形態では、前記リンカーは、Val-Ala及びVal-Citより選択されるジペプチドを含む。いくつかの実施形態では、前記リンカーは、パラ-アミノベンジル基(PAB)を含む。いくつかの実施形態では、前記リンカーは、部分PAB-Cit-Valを含む。いくつかの実施形態では、前記リンカーは、部分PAB-Ala-Valを含む。いくつかの実施形態では、前記リンカーは、-(C=O)(CH2)n-ユニットを含み、ここ
で、nは1から6の整数である。
いくつかの実施形態では、前記リンカーは、-(CH2)n- ユニットを含む。ここで、nは2
から6の整数である。いくつかの実施形態では、前記リンカーは-PAB-Cit-Val-(C=O)(CH2)n-である。いくつかの実施形態では、前記リンカーは-PAB-Ala-Val-((C=O)(CH2)n-である。いくつかの実施形態では、前記リンカーL及び化学的な部分構造Zは、一緒にL-Zとして

Figure 2021087368000056

である。
いくつかの実施形態では、前記細胞毒素はε-アマニチンである。いくつかの実施形態
では、前記ε-アマニチンは、リンカーLを介して抗-CD45抗体に結合している。いくつか
の実施形態では、前記ε-アマニチンは、式Vの化合物である。前記リンカーLは、式Vのε-アマニチンのいくつかの考えられる位置の何れか1つ(例えば、R1-R9の何れか)に結合し
て、式I、IA、IB、II、IIA、又はIIBのε-アマニチン-リンカー・コンジュゲートを提供
することがある。いくつかの実施形態では、前記リンカーは、ヒドラジン、ジスルフィド、チオエーテル又はジペプチドを含む。いくつかの実施形態では、前記リンカーは、Val-Ala及びVal-Citより選択されるジペプチドを含む。いくつかの実施形態では、前記リンカーは、パラ-アミノベンジル基(PAB)を含む。いくつかの実施形態では、前記リンカーは、部分PAB-Cit-Valを含む。いくつかの実施形態では、前記リンカーは、部分PAB-Ala-Valを含む。いくつかの実施形態では、前記リンカーは、-(C=O)(CH2)n-ユニットを含み、ここ
で、nは1から6の整数である。
いくつかの実施形態では、前記リンカーは、-(CH2)n- ユニットを含む。ここで、nは2
から6の整数である。いくつかの実施形態では、前記リンカーは-PAB-Cit-Val-(C=O)(CH2)n-である。いくつかの実施形態では、前記リンカーは-PAB-Ala-Val-((C=O)(CH2)n-である。いくつかの実施形態では、前記リンカーL及び化学的な部分構造Zは、一緒にL-Zとして

Figure 2021087368000057

である。
いくつかの実施形態では、前記細胞毒素はアマニンである。いくつかの実施形態では、前記アマニンは、リンカーLを介して抗-CD45抗体に結合している。いくつかの実施形態では、前記アマニンは、式Vの化合物である。前記リンカーLは、式Vのアマニンのいくつか
の考えられる位置の何れか1つ(例えば、R1-R9の何れか)に結合して、式I、IA、IB、II、IIA、又はIIBのアマニン-リンカー・コンジュゲートを提供することがある。いくつかの実施形態では、前記リンカーは、ヒドラジン、ジスルフィド、チオエーテル又はジペプチドを含む。いくつかの実施形態では、前記リンカーは、Val-Ala及びVal-Citより選択されるジペプチドを含む。いくつかの実施形態では、前記リンカーは、パラ-アミノベンジル基(PAB)を含む。いくつかの実施形態では、前記リンカーは、部分PAB-Cit-Valを含む。いく
つかの実施形態では、前記リンカーは、部分PAB-Ala-Valを含む。いくつかの実施形態で
は、前記リンカーは、-(C=O)(CH2)n-ユニットを含み、ここで、nは1から6の整数である。
いくつかの実施形態では、前記リンカーは、-(CH2)n- ユニットを含む。ここで、nは2
から6の整数である。いくつかの実施形態では、前記リンカーは-PAB-Cit-Val-(C=O)(CH2)n-である。いくつかの実施形態では、前記リンカーは-PAB-Ala-Val-(C=O)(CH2)n-である
。いくつかの実施形態では、前記リンカーL及び化学的な部分構造Zは、一緒にL-Zとして

Figure 2021087368000058

である。
いくつかの実施形態では、前記細胞毒素はアマニンアミドである。いくつかの実施形態では、前記アマニンアミドは、リンカーLを介して抗-CD45抗体に結合している。いくつかの実施形態では、前記アマニンアミドは、式Vの化合物である。前記リンカーLは、式Vの
アマニンアミドのいくつかの考えられる位置の何れか1つに結合することがある。いくつ
かの実施形態では、前記リンカーは、ヒドラジン、ジスルフィド、チオエーテル又はジペプチドを含む。いくつかの実施形態では、前記リンカーは、Val-Ala及びVal-Citより選択されるジペプチドを含む。いくつかの実施形態では、前記リンカーは、パラ-アミノベン
ジル基(PAB)を含む。いくつかの実施形態では、前記リンカーは、部分PAB-Cit-Valを含む
。いくつかの実施形態では、前記リンカーは、部分PAB-Ala-Valを含む。いくつかの実施
形態では、前記リンカーは、-(C=O)(CH2)n-ユニットを含み、ここで、nは1から6の整数である。
いくつかの実施形態では、前記リンカーは、-(CH2)n- ユニットを含む。ここで、nは2
から6の整数である。いくつかの実施形態では、前記リンカーは-PAB-Cit-Val-(C=O)(CH2)n-である。いくつかの実施形態では、前記リンカーは-PAB-Ala-Val-(C=O)(CH2)n-である
。いくつかの実施形態では、前記リンカーL及び化学的な部分構造Zは、一緒にL-Zとして

Figure 2021087368000059

である。
いくつかの実施形態では、前記細胞毒素はアマヌリンである。いくつかの実施形態では、前記アマヌリンは、リンカーLを介して抗-CD45抗体に結合している。いくつかの実施形態では、前記アマヌリンは、式Vの化合物である。前記リンカーLは、式Vのアマヌリンの
いくつかの考えられる位置の何れか1つ(例えば、R1-R9の何れか)に結合して、式I、IA、IB、II、IIA、又はIIBのアマヌリン-リンカー・コンジュゲートを提供することがある。いくつかの実施形態では、前記リンカーは、ヒドラジン、ジスルフィド、チオエーテル又はジペプチドを含む。いくつかの実施形態では、前記リンカーは、Val-Ala及びVal-Citより選択されるジペプチドを含む。いくつかの実施形態では、前記リンカーは、パラ-アミノ
ベンジル基(PAB)を含む。いくつかの実施形態では、前記リンカーは、部分PAB-Cit-Valを含む。いくつかの実施形態では、前記リンカーは、部分PAB-Ala-Valを含む。いくつかの
実施形態では、前記リンカーは、-(C=O)(CH2)n-ユニットを含み、ここで、nは1から6の整数である。
いくつかの実施形態では、前記リンカーは、-(CH2)n- ユニットを含む。ここで、nは2
から6の整数である。いくつかの実施形態では、前記リンカーは-PAB-Cit-Val-(C=O)(CH2)n-である。いくつかの実施形態では、前記リンカーは-PAB-Ala-Val-(C=O)(CH2)n-である
。いくつかの実施形態では、前記リンカーL及び化学的な部分構造Zは、一緒にL-Zとして

Figure 2021087368000060

である。
いくつかの実施形態では、前記細胞毒素はアマヌリン酸である。いくつかの実施形態では、前記アマヌリン酸は、リンカーLを介して抗-CD45抗体に結合している。いくつかの実施形態では、前記アマヌリン酸は、式Vの化合物である。前記リンカーLは、式Vのアマヌ
リン酸のいくつかの考えられる位置の何れか1つ(例えば、R1-R9の何れか)に結合して、式I、IA、IB、II、IIA、又はIIBのアマヌリン酸-リンカー・コンジュゲートを提供することがある。いくつかの実施形態では、前記リンカーは、ヒドラジン、ジスルフィド、チオエーテル又はジペプチドを含む。いくつかの実施形態では、前記リンカーは、Val-Ala及びVal-Citより選択されるジペプチドを含む。いくつかの実施形態では、前記リンカーは、パラ-アミノベンジル基(PAB)を含む。いくつかの実施形態では、前記リンカーは、部分PAB-Cit-Valを含む。いくつかの実施形態では、前記リンカーは、部分PAB-Ala-Valを含む。いくつかの実施形態では、前記リンカーは、-(C=O)(CH2)n-ユニットを含み、ここで、nは1
から6の整数である。
いくつかの実施形態では、前記リンカーは、-(CH2)n- ユニットを含む。ここで、nは2
から6の整数である。いくつかの実施形態では、前記リンカーは-PAB-Cit-Val-(C=O)(CH2)n-である。いくつかの実施形態では、前記リンカーは-PAB-Ala-Val-(C=O)(CH2)n-である
。いくつかの実施形態では、前記リンカーL及び化学的な部分構造Zは、一緒にL-Zとして

Figure 2021087368000061

である。
いくつかの実施形態では、前記細胞毒素はプロアマヌリンである。いくつかの実施形態では、前記プロアマヌリンは、リンカーLを介して抗-CD45抗体に結合している。いくつかの実施形態では、前記プロアマヌリンは、式Vの化合物である。前記リンカーLは、式Vの
プロアマヌリンのいくつかの考えられる位置の何れか1つ(例えば、R1-R9の何れか)に結合して、式I、IA、IB、II、IIA、又はIIBのプロアマヌリン-リンカー・コンジュゲートを提供することがある。いくつかの実施形態では、前記リンカーは、ヒドラジン、ジスルフィド、チオエーテル又はジペプチドを含む。いくつかの実施形態では、前記リンカーは、Val-Ala及びVal-Citより選択されるジペプチドを含む。いくつかの実施形態では、前記リンカーは、パラ-アミノベンジル基(PAB)を含む。いくつかの実施形態では、前記リンカーは、部分PAB-Cit-Valを含む。いくつかの実施形態では、前記リンカーは、部分PAB-Ala-Valを含む。いくつかの実施形態では、前記リンカーは、-(C=O)(CH2)n-ユニットを含み、こ
こで、nは1から6の整数である。
いくつかの実施形態では、前記リンカーは、-(CH2)n- ユニットを含む。ここで、nは2
から6の整数である。いくつかの実施形態では、前記リンカーは-PAB-Cit-Val-(C=O)(CH2)n-である。いくつかの実施形態では、前記リンカーは-PAB-Ala-Val-(C=O)(CH2)n-である
。いくつかの実施形態では、前記リンカーL及び化学的な部分構造Zは、一緒にL-Zとして

Figure 2021087368000062

である。
アマトキシンを製造する合成方法は、米国特許第9,676,702号に記載されている、これ
は、本出願に参照により取り込まれる。
本出願に記載する組成物及び方法と共に使用するための抗体、及び抗原結合フラグメントは、当該技術分野で公知の又は本出願に記載のコンジュゲートする技術を使用して、α-アマニチン又はそのバリアント等のアマトキシンにコンジュゲートさせることができる
。例えば、ターゲット抗原を認識し、結合する抗体、及びその抗原結合フラグメント(抗-CD45抗体)は、US 2015/0218220に記載されるように、α-アマニチン又はそのバリアン
ト等のアマトキシンにコンジュゲートさせることができ、その開示内容は、例えば、α-
アマニチン及びそのバリアント等のアマトキシン、並びに共有結合的にコンジュゲートさせることに使用することができる共有結合リンカーに関連するため、本出願に参照により取り込まれる。
アウリスタチン類
本出願に記載する抗-CD45抗体又はその抗原結合フラグメントは、アウリスタチンであ
る細胞毒素にコンジュゲートすることがある(米国特許第5,635,483号;第5,780,588号)。
アウリスタチン類は、微小管動態、GTP加水分解、核分裂及び細胞分裂を妨げる抗-有糸分裂剤であり(Woyke et al (2001) Antimicrob. Agents and Chemother. 45(12):3580-3584)、並びに抗がん活性(米国特許第5,663,149号)及び抗真菌活性(Pettit et al (1998) Antimicrob. Agents Chemother. 42:2961-2965). (米国特許第5,635,483; 5,780,588号)を有する。アウリスタチン薬物部分は、ペプチド薬物部分のN-(アミノ)末端又はC-(カルボキ
シル)末端を介して、抗体に結合することがある(WO02/088172)。
例示的なアウリスタチンの実施形態は、N-末端結合モノメチルアウリスタチン薬物部分DE及びDFを含み、これらは、Senter et al, Proceedings of the American Association for Cancer Research, Volume 45, Abstract Number 623, 2004年3月28日に開示されている(この開示は、その全体が本出願に参照により取り込まれる)。
例示的なアウリスタチンの実施形態はMMAEであり、ここで、その波線は、抗体-リンカ
ー・コンジュゲート(本出願で記載されるように、-L-Z-Ab又は-L-Z')のリンカーに共有結合する位置を示す。
Figure 2021087368000063
別の例示的なアウリスタチンの実施形態はMMAFであり、ここで、その波線は、US 2005/0238649で開示されているように、抗体-リンカー・コンジュゲート(本出願で記載される
ように、-L-Z-Ab又は-L-Z')のリンカーに共有結合する位置を示す。
Figure 2021087368000064
アウリスタチン類は以下の方法に従って調製することができる:米国特許第5,635,483
号;米国特許第5,780,588;Pettit et al (1989) J. Am. Chem. Soc. 111:5463-5465; Pettit et al (1998) Anti-Cancer Drug Design 13:243-277; Pettit, G. R., et al. Synthesis, 1996, 719-725; Pettit et al (1996) J. Chem. Soc. Perkin Trans. 15:859-863; 及び Doronina (2003) Nat. Biotechnol. 21(7):778-784。
メイタンシノイド類
本出願に記載する抗体及びその抗原結合フラグメントは、微小管結合剤である細胞毒素にコンジュゲートすることがある。いくつかの実施形態では、前記微小管結合剤は、メイタンシン、メイタンシノイド又はメイタンシノイド類似体である。メイタンシノイド類は微小管と結合し、チューブリン重合を阻害することによって作用する有糸分裂阻害剤である。メイタンシンは最初に、東アフリカ低木Maytenus serrataから単離された(米国特許
第3,896,111号)。続いて、特定の微生物もまた、メイタンシノイド類(例えば、メイタン
シノール及びC-3メイタンシノール・エステル類)を産生することが発見された(米国特許
第4,151,042号)。合成メイタンシノール、並びにその誘導体及びその類似体は、例えば、米国特許4,137,230; 4,248,870; 4,256,746; 4,260,608; 4,265,814; 4,294,757; 4,307,016; 4,308,268; 4,308,269; 4,309,428; 4,313,946; 4,315,929; 4,317,821; 4,322,348; 4,331,598; 4,361,650; 4,364,866; 4,424,219; 4,450,254; 4,362,663; 及び 4,371,533 号において開示されている。メイタンシノイドの薬物部分は、抗体薬物コンジュゲー
トにおいて魅力的な薬物部分である。なぜならば、メイタンシノイドの薬物部分は:(i)
発酵又は、発酵産物の化学修飾、誘導体化によって調製することに、比較的アクセス可能である、(ii)非-ジスルフィド・リンカーを介した抗体へのコンジュゲートに適した官能
基による誘導体化がやり易い、(iii)血漿中で安定である、及び(iv)種々の腫瘍細胞株に
対して効果的である、からである。
好適なメイタンシノイド類の例としては、メイタンシノール、合成メイタンシノール、並びにメイタンシノール類似体及び誘導体、のエステルが挙げられる。メイタンシノイド、メイタンシノール、並びにメイタンシノール類似体、及び誘導体のように、微小管形成を阻害し、哺乳動物細胞に対して非常に毒性である、任意の細胞毒素が本出願に含まれる。
好適なメイタンシノール・エステル類の例としては、改変された芳香環を有するもの、及び他の位置に改変を有するものが含まれる。そのような好適なメイタンシノイド類は、米国特許第4,137,230; 4,151,042; 4,248,870; 4,256,746; 4,260,608; 4,265,814; 4,294,757; 4,307,016; 4,308,268; 4,308,269; 4,309,428; 4,313,946; 4,315,929; 4,317,821; 4,322,348; 4,331,598; 4,361,650; 4,362,663; 4,364,866; 4,424,219 ;4,450,254; 4,322,348; 4,362,663; 4,371,533; 5,208,020; 5,416,064; 5,475,092; 5,585,499; 5,846,545; 6,333,410; 7,276,497; 及び 7,473,796号に開示されており、これらの各々は、メイタンシノイド類及びその誘導体に関連するものとして、本出願に参照により取り込まれる。
いくつかの実施形態では、本開示の抗体-薬物コンジュゲート(ADC)は、細胞毒性薬物として、チオール含有メイタンシノイド(DM1)(正式にはN2'-デアセチル-N2'-(3-メルカプ
ト-1-オキソプロピル)-メイタンシンと呼ばれる)を利用する。DM1は、以下の構造式で表される:
Figure 2021087368000065

別の実施形態では、本発明のコンジュゲートは、チオール含有メイタンシノイドN2'-デアセチル-N2'(4-メチル-4-メルカプト-1-オキソペンチル)-メイタンシン(例えば、DM4)を細胞毒性薬物として利用する。DM4は、以下の構造式で表される:
Figure 2021087368000066

立体障害チオール結合を含む側鎖を含む別のメイタンシノイドは、N2'-デアセチル-N-2'(4-メルカプト-1-オキソペンチル)-メイタンシン(DM3と呼ばれる)であり、以下の構造式で表される:
Figure 2021087368000067

米国特許第5,208,020 及び 7,276,497が教示する各メイタンシノイドを、本発明のコンジュゲートにおいて使用することもある。この点に関して、5,208,020及び7,276,697の開示全体は、本出願に参照により取り込まれる。
メイタンシノイド類上の多くの位置は、連結部分と共有結合する位置としての役割を果たすことができる、及び、それ故に前記抗体又はその抗原結合フラグメントと共有結合する位置としての役割を果たすことができる(本出願に記載するように、-L-Z-Ab又は-L-Z')。例えば、ヒドロキシル基を有するC-3位、ヒドロキシメチルで修飾されたC-14位、ヒ
ドロキシで修飾されたC-15位、及びヒドロキシ基を有するC-20位は、全て有用であると予想される。いくつかの実施形態では、前記C-3位は、リンカー部分構造と共有結合する位
置としての役割を果たし、いくつかの特定の実施形態では、メイタンシノールのC-3位が
、連結部分と共有結合する位置としての役割を果たす。抗体-メイタンシノイド・コンジ
ュゲートを作製するために、当該技術分野で知られている多くの連結基が存在し、例えば、それらは、米国特許第5,208,020、6,441,163、及び欧州特許第0425235 B1; Chari et al., Cancer Research 52:127-131 (1992); 並びに U.S. 2005/0169933 A1に開示されているもの等を含む(これらの開示は、本出願に明確に参照により取り込まれる)。更なる連結基は、本出願に記載され、例示される。
本発明はまた、メイタンシノイド類及びコンジュゲートの種々の異性体及び混合物を含む。本発明のある特定の化合物及びコンジュゲートは、種々の立体異性体、鏡像異性体、及びジアステレオマーの形態で存在することがある。このような抗体-メイタンシノイド
・コンジュゲートを生成することは、米国特許5,208,020、5,416,064、6,333,410、6,441,163、6,716,821、及び7,368,565に記載されている(これらの各々は、その全体が本出願
に取り込まれる)。
アントラサイクリン類
他の実施形態では、本出願に記載する抗体及びその抗原結合フラグメントは、アントラサイクリン分子である細胞毒素にコンジュゲートすることがある。アントラサイクリン類は、細胞傷害活性を示す抗生物質化合物である。研究によれば、アントラサイクリン類は、以下を含む多数の異なるメカニズムによって、細胞を傷害することがあることが示されてきている: 1)前記薬物分子が細胞のDNAにインターカレーションすることによって、DNA依存性の核酸合成を阻害すること;2) 薬物によるフリーラジカルの産生、フリーラジカルは、次いで細胞性高分子と反応して細胞に損傷を引き起こす、又は3)薬物分子と細胞膜との相互作用[例えば、C. Peterson et al.," Transport And Storage Of Anthracycline
In Experimental Systems And Human Leukemia" in Anthracycline Antibiotics In Cancer Therapy; N.R. Bachur, "Free Radical Damage" id. at pp.97-102を参照のこと]。
細胞毒性の可能性があるため、白血病、乳がん、肺がん、卵巣腺がん及び肉腫のような多数のがんの治療にアントラサイクリン類が用いられている[例えば、P.H- Wiernik, in Anthracycline: Current Status And New Developments p 11を参照]。一般的に使用されるアントラサイクリン類としては、ドキソルビシン、エピルビシン、イダルビシン及びダウノマイシンが挙げられる。いくつかの実施形態では、前記細胞毒素は、ダウノルビシン、ドキソルビシン、エピルビシン、及びイダルビシンからなる群より選択されるアントラサイクリンである。アントラサイクリン類の代表的な例としては、限定されるものではないが、ダウノルビシン(セルビジン(Cerubidine);ベッドフォード研究所(Bedford Laboratories))、ドキソルビシン(アドリアマイシン;ベッドフォード研究所(Bedford Laboratories);塩酸ドキソルビシン、ヒドロキシ-ダウノルビシン、及びルベックス(Rubex)とも呼
ばれる)、エピルビシン(エレンス(Ellence);ファイザー)、及びイダルビシン(イダマイ
シン(Idamycin);ファイザー社)が挙げられる。
アントラサイクリン類似体であるドキソルビシン(ADRIAMYCINO)は、インターカレーシ
ョンによってDNAと相互作用し、及び転写のためにDNAをほどく酵素トポイソメラーゼIIが進むことを阻害する、と考えられている。ドキソルビシンは、トポイソメラーゼII複合体を、複製のためにDNA鎖を切断した後に安定化させ、DNA二重らせんが再び閉じないようにし、それによって複製のプロセスを止める。ドキソルビシン及びダウノルビシン(DAUNOMYCIN)は、プロトタイプの細胞毒性天然物アントラサイクリン化学療法剤である(Sessa et
al., (2007) Cardiovasc. Toxicol. 7:75-79)。
本出願で使用するのに適したアントラサイクリンの非-限定的な一例は、PNU-159682(「PNU」)である。PNUは、親であるネモルビシンに対して3000倍を超える細胞毒性を示す(Quintieri et al., Clinical Cancer Research 2005, 11, 1608-1617)。PNUは、以下の構造式によって表される:
Figure 2021087368000068

PNUのようなアントラサイクリン類上の複数の位置は、前記連結部分に共有結合する位
置としての役割を果たす、そして、それ故に、本出願に記載するような抗-CD45抗体又は
その抗原結合フラグメントと共有結合する位置としての役割を果たすことができる。例えば、リンカーを、ヒドロキシメチル・ケトン側鎖への改変を介して導入することがある。
いくつかの実施形態では、前記細胞毒素は、下記構造式で表されるPNU誘導体である:
Figure 2021087368000069

ここで、波線は、本出願に記載するようなADCのリンカーに共有結合する位置を示す。
いくつかの実施形態では、前記細胞毒素は、下記構造式で表されるPNU誘導体である:
Figure 2021087368000070

ここで、波線は、本出願に記載するようなADCのリンカーに共有結合する位置を示す。
ベンゾジアゼピン類
他の実施形態では、本出願に記載する抗-CD45抗体、又はその抗原結合フラグメントは
、本出願に記載するように、PBD又はIGNなどのベンゾジアゼピン部分構造を含む細胞毒素にコンジュゲートすることがある。
ピロロベンゾジアゼピン類(PBDs)
いくつかの実施形態では、本出願に記載するCD45に結合する、抗体、又はその抗原-結
合フラグメントは、ピロロベンゾジアゼピン(「PBD」)である細胞毒素に、又はPBDを含む細胞毒素に、コンジュゲートすることがある。PBD類は、ある特定の放線菌によって産生
される天然物であり、配列選択的なDNAアルキル化化合物であることが示されてきている
。PBD細胞毒素類としては、限定されるものではないが、アントラマイシン、二量体PBD類、及び、例えば、Hartley, J.A. (2011). “The development of pyrrolobenzodiazepines as antitumor agents.” Expert Opin. Inv. Drug, 20(6), 733-744; 及び Antonow, D.; Thurston, D.E. (2011) “Synthesis of DNA-interactive pyrrolo[2,1-c][1,4]benzodiazepines (PBDs).” Chem. Rev. 111: 2815-2864の中で開示されているものが挙げら
れる。
PBDsは、以下の一般的な構造である:
Figure 2021087368000071
これらの化合物は、置換基の数、種類、及び位置において、芳香族(「A」)環及びピ
ロロ(「C」)環の両方において、並びにC環の飽和度において、異なる。ジアゼピンB-環において、N10-C11位には、イミン(N=C)、カルビノールアミン(NH-CH(OH))、又はカ
ルビノールアミン・メチル・エーテル(NH-CH(OMe))のうちの、何れかが存在する。この位置は、DNAアルキル化の原因となる親電子性の部分構造である。既知の天然物PBDsは、
全て、キラルC11a位に(S)構造を持ち、C環からA環に向かって見た場合に、右巻きのねじ
れ(right-handed twist)が生じている。このため、B型DNAの小溝(minor groove)を有する等価ヘリックス構造に適した3次元形状(appropriate three-dimensional shape for
isohelicity with the minor groove of B-form DNA)になり、結合部位にぴったりとフィットするようになる(Kohn, In Antibiotics III. Springer-Verlag, New York, pp. 3-11 (1975); Hurley and Needham-VanDevanter, Acc. Chem. Res., 19, 230-237 (1986))に記載されている。前記小溝(minor groove)に付加物を形成するPBDsの作用能により、DNAのプロセシングは妨害され、抗-腫瘍活性がもたらされることがある。
可撓性アルキレン・リンカーを介して、2つのPBDユニットを、C8-ヒドロキシル官能基
を介して結合させることにより、これらの分子の生物学的活性を向上させることができることが、以前に開示されてきている(Bose, D. S., et al., J. Am. Chem. Soc., 114, 4939-4941 (1992); Thurston, D. E., et al., J. Org. Chem., 61, 8141-8147 (1996))
。PBD二量体は、パリンドローム5'-Pu-GATC-Py-3'鎖内間架橋のような、配列選択的なDNA損傷を形成すると考えられ(Smellie, M., et al., Biochemistry, 42, 8232-8239 (2003); Martin, C., et al., Biochemistry, 44, 4135-4147)、これが、主にそれらの生物活性に関与すると考えられる。有利な二量体ピロロベンゾジアゼピン化合物は、Gregson et
al. (Chem. Commun. 1999, 797-798; "compound 1", and by Gregson et al. (J. Med. Chem. 2001, 44, 1161-1174; "compound 4a")に記載されている。この化合物は、SG2000
としても知られていて、構造式は以下である:
Figure 2021087368000072
一般的に、ピロリジン・アルケン部分構造への改変によって、結合させる部分構造(それ故に、抗体又はその抗原結合フラグメント)への共有結合に使われるハンドルが提供される(本出願に記載されているように、それぞれ、-L-Z'及び-L-Z-Ab)。或いは、リンカーを、N10の位置に結合させることもある。
いくつかの実施形態では、前記細胞毒素は、以下の構造式によって表されるピロロベンゾジアゼピン二量体である:
Figure 2021087368000073

ここで、nは、2から5までの整数である。nが3であるこの式の化合物は、DSB-120として知られている(Bose et al., J. Am. Chem. Soc. 1992, 114, 4939-4941)。
いくつかの実施形態では、前記細胞毒素は、以下の構造式によって表されるピロロベンゾジアゼピン二量体である:
Figure 2021087368000074

ここで、nは、2から5までの整数である。nが3であるこの式の化合物は、SJG-136として知られている(Gregson et al., J. Med. Chem. 2001, 44, 737 - 748)。nが5であるこの
式の化合物は、DRG-16として知られている(Gregson et al., Med. Chem. 2004;47:1161-1174)。
いくつかの実施形態では、前記細胞毒素は、以下の構造式によって表されるピロロベンゾジアゼピン二量体である:
Figure 2021087368000075

ここで、波線は、本出願に記載するADCのリンカーへの、共有結合 (covalent attachment)の位置を示す。このPBDに基づくADCは、例えば、Sutherland et al., Blood 2013 122:1455-1463に開示され、これは、その全体が、本出願に参照により取り込まれる。
いくつかの実施形態では、前記細胞毒素は、以下の構造式によって表されるPBD二量体
である:
Figure 2021087368000076

ここで、nは、3又は5である、及びここで、波線は、本出願に記載するADCのリンカーへの、共有結合(covalent attachment)の位置を示す。
いくつかの実施形態では、前記細胞毒素は、以下の構造式によって表されるPBD二量体
である:
Figure 2021087368000077

ここで、波線は、本出願に記載するADCのリンカーへの、共有結合 (covalent attachment)の位置を示す。
特定の実施形態では、前記細胞毒素は、PBD二量体であってもよく、これは、リンカー
及び反応性部分構造Z'と一緒になった場合、それぞれ本出願に記載するように、以下の構造によって表されることがある:
Figure 2021087368000078
この特定の細胞毒素-リンカー・コンジュゲートは、テシリン(SG3249)として知られてお
り、例えば、Howard et al., ACS Med. Chem. Lett. 2016, 7(11), 983-987、に記載されている、その開示は、その全体が本出願に参照により取り込まれる。
いくつかの実施形態では、前記細胞毒素-リンカー・コンジュゲートは、抗体に結合す
る前に、及び反応性置換基Z'を含み、Cy-L-Z'として一緒になって、以下の構造を有する

Figure 2021087368000079

この特定の細胞毒素-リンカー・コンジュゲートは、タリリンとして知られており、例え
ば、ADCバダスツキシマブ・タリリン(ADC Vadastuximab talirine (SGN-CD33A))に関連して、Mantaj et al., Angewandte Chemie International Edition English 2017,56, 462-488、に記載されている、その開示は、その全体が本出願に参照により取り込まれる。
インドリノベンゾジアゼピン類(IGNs)
いくつかの実施形態では、本出願に記載する、CD45に結合する抗体又はその抗原-結合
フラグメントは、インドリノベンゾジアゼピン(「IGN」)である細胞毒素に、又はIGNを含む細胞毒素に、コンジュゲートすることがある。いくつかの実施形態では、IGN細胞毒素
は、インドリノベンゾジアゼピン二量体又はインドリノベンゾジアゼピン偽二量体である。
インドリノベンゾジアゼピン二量体は、がん細胞に対して、in vitroの効果が高い(低pMレンジIC50値)、比較的新しいケミカル・クラス(chemical class)の細胞毒素である。PBD二量体のSJG-136と同様に、IGN二量体は、DNAの小溝(minor groove)に結合し、前記二量体中の2つのイミン官能基を介して、グアニン残基に共有結合し、その結果、DNAのクロスリンキングがもたらされる。IGN二量体(IGN 6;PBD部分構造のメチレン基をフェニル環に置き換える)は、おそらくDNA IGNとの付加物形成がより速い速度であるために、SJG-136と比較して、in vitroで、~10倍以上高い効果を示した(例えば、Miller et al., "A New Class of Antibody-Drug Conjugates with Potent DNA Alkylating Activity" Mol. Cancer Ther. 2016, 15(8), 1870-1878、を参照)。対照的に、IGN偽二量体は、単一の
反応性のインドリノベンゾジアゼピンのイミンを含む;二量体細胞毒素中の第2のインド
リノベンゾジアゼピンは、還元(アミン)形態で存在する。従って、IGN偽二量体は、前
記二量体中に存在する単一のイミン部分構造を介して、DNAをアルキル化する、及びDNAをクロスリンキングしない。
いくつかの実施形態では、前記細胞毒素は、以下の構造の式を有するIGN偽二量体であ
る;
Figure 2021087368000080
ここで、波線は、前記リンカーの結合位置を示す。
いくつかの実施形態では、前記細胞毒素-リンカー・コンジュゲートは、前記抗体にコ
ンジュゲートする前に、反応性置換基Z'を含み、Cy-L-Z'として一緒になっていて、以下
の構造を有する:
Figure 2021087368000081

この細胞毒素-リンカー・コンジュゲートは、本出願ではDGN549という、及びADC IMGN632中に存在する。両者は、例えば、国際特許出願 WO2017004026に開示されている(これ
は、本出願に参照により取り込まれる)。
いくつかの実施形態では、前記細胞毒素は、以下の構造の式を有するインドリノベンゾジアゼピン偽二量体である:
Figure 2021087368000082

ここで、波線は、前記リンカーの結合位置を示す。このIGN偽二量体の細胞毒素は、本
出願ではDGN462といい、例えば、米国特許出願公開第20170080102号において開示されて
いる(これは、本出願に参照により取り込まれる)。
いくつかの実施形態では、前記細胞毒素-リンカー・コンジュゲートは、前記抗体にコ
ンジュゲートする前に、化学的部分構造Zを含み、Cy-L-Zとして一緒になっていて、以下
の構造を有する:
Figure 2021087368000083

ここで、波線は、前記抗体(例えば、抗-CD45抗体又はそのフラグメント)への結合位
置(point of attachment)を示す。この細胞毒素-リンカー・コンジュゲートは、ADC IMGN779中に存在し、例えば、米国特許出願公開第20170080102号において開示されている(こ
れは、本出願に参照により、以前に取り込まれる)。
カリケアマイシン
他の実施形態では、本出願に記載する抗体及びその抗原結合フラグメントは、エネジイン抗腫瘍抗生物質(例えば、カリケアマイシン類、オゾガマイシン)である細胞毒素にコンジュゲートすることがある。カリケアマイシン・ファミリーの抗生物質は、ピコモル未満の濃度で、二本鎖DNAを切断することができる。カリケアマイシン・ファミリーのコンジ
ュゲートの調製については、米国特許第5,712,374; 5,714,586; 5,739,116; 5,767,285; 5,770,701; 5,770,710; 5,773,001; 及び 5,877,296号を参照のこと(全てAmerican Cyanamid Companyに関する)。使用され得るカリケアマイシンの構造類似体としては、限定されるものではないが、例えば、Hinman et al., Cancer Research 53:3336-3342 (1993), Lode et al., Cancer Research 58:2925-2928 (1998), 及びAmerican Cyanamidに関する
上記の米国特許、に開示されているものが挙げられる。
例示的なカリケアマイシンは、γ1と命名されている、これらを、本出願では単にガン
マとして呼び、以下の構造式を有する:
Figure 2021087368000084

いくつかの実施形態では、前記カリケアマイシンは、ガンマ-カリケアマイシン誘導体
又はN-アセチル・ガンマ-カリケアマイシン誘導体である。使用することがあるカリケア
マイシンの構造類似体としては、限定されるものではないが、例えば、Hinman et al., Cancer Research 53:3336-3342 (1993), Lode et al., Cancer Research 58:2925-2928 (1998)、及び上記の米国特許に開示されるものが挙げられる。カリケアマイシン類は、適当なチオールと反応してジスルフィドを形成することができるメチルトリスルフィド部分を含み、メチルトリスルフィド部分は、同時に、カリケアマイシン誘導体を本出願に記載の抗-CD45抗体又はその抗原結合フラグメントに、リンカーを介して結合させるのに有用な
官能基を導入する。カリケアマイシン・ファミリーのコンジュゲートを調製することについては、米国特許5,712,374; 5,714,586; 5,739,116; 5,767,285; 5,770,701; 5,770,710
; 5,773,001; 及び5,877,296(全てAmerican Cyanamid Company)を参照のこと。使用する
ことがあるカリケアマイシンの構造類似体としては、限定されるものではないが、例えば、Hinman et al., Cancer Research 53:3336-3342(1993)、Lode et al., Cancer Research 58:2925-2928(1998)、及びAmerican Cyanamidに対する上記の米国特許中に開示される
ものが挙げられる。
1つの実施形態では、本出願で開示するADCの細胞毒素は、以下の式で表されるカリケアマイシン・ジスルフィド誘導体である:
Figure 2021087368000085

ここで、波線は、前記リンカーに結合する位置を示す。
リボソーム不活性化タンパク質類(RIPs)
いくつかの実施形態では、本出願に記載されている、抗-CD45抗体、又はそのフラグメ
ントにコンジュゲートした細胞毒素は、リボソーム不活性化タンパク質(RIP)である。リ
ボソーム不活性化タンパク質は、タンパク質合成阻害剤であり、通常は不可逆的にリボソームに作用する。RIPはバクテリアだけでなく植物にも見られる。RIPの例としては、限定されるものではないが、サポリン、リシン、アブリン、ゲロニン、シュードモナス外毒素(又は外毒素A)、トリコサンチン、ルフィン、アグルチニン及びジフテリア毒素、が挙げ
られる。
本出願に開示される抗-CD45抗体コンジュゲート及び方法で使用されることがあるRIPの別の例は、志賀毒素(Stx)又は志賀-様毒素(SLT)である。志賀毒素(Stx)は、Shigella dysenteriae 1及びEscherichia coliの一部の血清群(例えば、血清型O157:H7、O104:H4など)(大腸菌ではStx1と呼ばれる)にみられる、強力なバクテリア毒素である。Stx1に加えて、一部の大腸菌株は、Stx/Stx1と同じ作用様式を有するが、抗原的に異なる、第2の型のStx
(Stx2)を産生する。SLTは、Escherichia coliが産生する類似の毒素又は同一の毒素に対して、過去に使われた用語である。各毒素のサブタイプが同定されているため、現在では、各グループの原型毒素はStx1a又はStx2aと命名されている。Stx1a及びStx2aは、様々な細胞型に対する細胞毒性において、違いを示し、レセプター・アナログ(analogs)又はミ
ミックス(mimics)に異なって結合し、異なるケモカイン応答を誘導し、いくつかの特徴的な構造特性を有する。
志賀毒素ファミリーのメンバーは、構造的に及び機能的に、特に、S. dysenteriae及びE. coliから単離された毒素類に関連する、天然に存在するタンパク質毒素のファミリー
の任意メンバーを指す(Johannes L, Romer W, Nat Rev Microbiol 8: 105-16 (2010))
。例えば、前記志賀毒素ファミリーは、S. dysenteriae血清型1から単離された真の志賀
毒素(Stx)、腸管出血性E. coliの血清型から単離された志賀-様毒素1バリアント(SLT1若
しくはStx1若しくはSLT-1又はSlt-I)、及び腸管出血性E. coliの血清型から単離された志賀-様毒素2バリアント(SLT2若しくはStx2又はSLT-2)、を包含する。SLT1 は、Stx とは1 つの残基だけで異なる、及びどちらもベロ細胞毒素(Verocytotoxins)又はベロ毒素(Verotoxins (VTs)) (O'Brien A et al., Curr Top Microbiol Immunol 180: 65-94 (1992)) と呼ばれてきた。SLT1とSLT2バリアントは、アミノ酸配列レベルでは、お互いに、ほぼ53-60%だけ似ている、と報告されているが、それらは志賀毒素ファミリーのメンバーで共通している、酵素活性の及び細胞毒性のメカニズムを共有する(Johannes, Nat Rev Microbiol 8: 105-16 (2010))。
志賀毒素ファミリーのメンバーは、一般的に、2つのサブユニットを有する;AサブユニットとBサブユニット。前記毒素の前記Bサブユニットは、糖脂質グロボトリアオシルセラミド(Gb3)として知られる細胞膜の構成要素に結合する。前記サブユニットBがGb3に結合
すると、狭い管状の膜陥入が誘導され、バクテリアが細胞の内部に取り込まれるための内向きの膜管が形成される。志賀毒素(非-孔形成毒素)は、ゴルジ・ネットワーク及びERを
介して、細胞質に移行する。ゴルジ体から、毒素は、ERに輸送される。志賀毒素は、リシン(ricin)と同様のメカニズムによって、ターゲット細胞内のタンパク質合成を阻害する
働きをする(Sandvig and van Deurs (2000) EMBO J 19(220:5943)。細胞の中に入った
後、前記毒素の前記Aサブユニットは、リボソームの60Sサブユニットの28S RNAから、特
定のアデニン核酸塩基を切断し、それによって、タンパク質合成を停止させる(Donohue-Rolfe et al. (2010) Reviews of Infectious Diseases 13 Suppl. 4(7): S293-297)。
本出願で使用する場合、志賀ファミリー毒素とは、構造的に及び機能的に関連する、天然に存在するタンパク質毒素の志賀毒素ファミリーの任意メンバーを指す(例えば、S. dysenteriae及びE. coliから単離された毒素類)。例えば、前記志賀毒素ファミリーは、S. dysenteriae血清型1から単離された真の志賀毒素(Stx)、腸管出血性E. coliの血清型から単離された志賀-様毒素1バリアント(SLT1若しくはStx1若しくはSLT-1又はSlt-I)、及び腸管出血性E. coliの血清型から単離された志賀-様毒素2バリアント(SLT2若しくはStx2又はSLT-2)、を包含する。本出願で使用する場合、「志賀ファミリー毒素由来のサブユニットA」又は「志賀ファミリー毒素サブユニットA」とは、志賀毒素又は志賀-様毒素を含む
志賀毒素ファミリーの任意メンバー由来のサブユニットAを指す。
1つの実施形態では、前記抗-CD45 ADCは、志賀ファミリー毒素サブユニットA、又は細
胞傷害活性、即ち、リボソーム阻害活性、を有する志賀ファミリー毒素サブユニットAの
一部、にコンジュゲートした、抗-CD45抗体を含む。志賀毒素サブユニットAの細胞傷害活性としては、例えば、リボソーム不活化、タンパク質合成阻害、N-グリコシダーゼ活性、ポリヌクレオチド:アデノシン・グリコシダーゼ活性、RNAse活性、及びDNAse活性、が挙げられる。志賀毒素エフェクター活性のアッセイの非-限定的な例は、タンパク質合成阻
害活性、脱プリン活性、細胞増殖の阻害、細胞傷害性、超らせんDNA緩和活性、及びヌク
レアーゼ活性、を測定する。
ある特定の実施形態では、抗-CD45抗体、又はその抗原結合フラグメントは、リボソー
ム阻害活性を有する志賀ファミリー毒素Aサブユニット又はそのフラグメントにコンジュ
ゲートする。志賀ファミリー毒素サブユニットAの例は、志賀-様毒素1サブユニットA (SLT-1A)であり、そのアミノ酸配列を以下に示す。
KEFTLDFSTAKTYVDSLNVIRSAIGTPLQTISSGGTSLLMIDSGSGDNLFAVDVRGIDPEEGRFNNLRLIVERNNLYVTGFVNRTNNVFYRFADFSHVTFPGTTAVTLSGDSSYTTLQRVAGISRTGMQINRHSLTTSYLDLMSHSGTSLTQSVARAMLRFVTVTAEALRFRQIQRGFRTTLDDLSGRSYVMTAEDVDLTLNWGRLSSVLPDYHGQDSVRVGRISFGSINAILGSVALILNCHHHASRVARMASDEFPSMCPADGRVRGITHNKILWDSSTLGAILMRRTISS
(配列番号(SEQ ID NO): 147)。
志賀ファミリー毒素サブユニットAのもう1つ別の例は、志賀毒素サブユニットA (StxA)であり、そのアミノ酸配列を以下に示す。
KEFTLDFSTAKTYVDSLNVIRSAIGTPLQTISSGGTSLLMIDSGTGDNLFAVDVRGIDPEEGRFNNLRLIVERNNLYVTGFVNRTNNVFYRFADFSHVTFPGTTAVTLSGDSSYTTLQRVAGISRTGMQINRHSLTTSYLDLMSHSGTSLTQSVARAMLRFVTVTAEALRFRQIQRGFRTTLDDLSGRSYVMTAEDVDLTLNWGRLSSVLPDYHGQDSVRVGRISFGSINAILGSVALILNCHHHASRVARMASDEFPSMCPADGRVRGITHNKILWDSSTLGAILMRRTISS
(配列番号(SEQ ID NO): 148)。
志賀ファミリ-毒素サブユニットAのもう1つ別の例は、志賀-様毒素2サブユニットA (SLT-2A)であり、そのアミノ酸配列を以下に示す
DEFTVDFSSQKSYVDSLNSIRSAISTPLGNISQGGVSVSVINHVLGGNYISLNVRGLDPYSERFNHLRLIMERNNLYVAGFINTETNIFYRFSDFSHISVPDVITVSMTTDSSYSSLQRIADLERTGMQIGRHSLVGSYLDLMEFRGRSMTRASSRAMLRFVTVIAEALRFRQIQRGFRPALSEASPLYTMTAQDVDLTLNWGRISNVLPEYRGEEGVRIGRISFNSLSAILGSVAVILNCHSTGSYSVRSVSQKQKTECQIVGDRAAIKVNNVLWEANTIAALLNRKPQDLTEPNQ
(配列番号(SEQ ID NO): 149)。
ある特定の環境下では、天然に存在する志賀ファミリー毒素サブユニットAは、それら
のアミノ末端における約22アミノ酸のシグナル配列(これが除かれることによって成熟した志賀ファミリー毒素Aサブユニットが生成され、当業者に認識されるようになる)を含
む前駆体を含む。志賀ファミリー毒素サブユニットAの細胞毒性フラグメント又は一部が
切断されたバージョンを、本出願に記載するADC及び方法において、使用することがある
ある特定の実施形態では、志賀ファミリー毒素サブユニットAは、天然に存在する志賀
毒素Aサブユニットとは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40個、又はそれを超えたアミノ酸残基まで異なる(ただし、少なくとも85%、90%、95%、99%、又
はそれを超えたアミノ酸配列同一性を保持する)。いくつかの実施形態では、志賀ファミ
リー毒素サブユニットAは、天然に存在する志賀ファミリー毒素Aサブユニットとは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40個、又はそれを超えたアミノ酸残
基まで異なる(ただし、少なくとも85%、90%、95%、99%、又はそれを超えたアミノ酸配列
同一性を保持する)。従って、志賀毒素ファミリーのメンバーのAサブユニットから得られるポリペプチド領域は、天然に存在する志賀ファミリー毒素サブユニットAに対して、少
なくとも85%、90%、95%、99%、又はそれを超えたアミノ酸配列同一性が維持されている限り、元の配列からの付加、欠失、切断又はその他の改変を含むことがある。
従って、ある特定の実施形態では、前記志賀ファミリー毒素サブユニットAは、SLT-1A(配列番号(SEQ ID NO): 147)、StxA(配列番号(SEQ ID NO):148)、及び/又はSLT-2A(配列
番号(SEQ ID NO):149)などの、天然に存在する志賀ファミリー毒素サブユニットAに対し
て、少なくとも55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、98%、99%、99.5%
又は99.7%の、全体的な配列同一性を有するアミノ酸配列、を含む、又は本質的に、から
なる。
細胞毒素として好適な志賀毒素及びRIPは、例えば、US20180057544に開示されている、その全体が本出願に参照により取り込まれる。
ある特定の実施形態では、本出願に記載するVH可変領域及びVL可変領域(又は本出願に
記載する軽鎖の及び重鎖のCDRセットを含む可変領域)を含む抗-CD45 scFvは、毒素にコンジュゲートして、scFv毒素を形成する。毒素のそのような例は、上記のような志賀毒素である。
追加の細胞毒素類
他の実施形態では、本出願に記載する抗体及びその抗原結合フラグメントを、本出願において上記で開示した細胞毒素以外の、又はそれに加えた細胞毒素に、コンジュゲートすることがある。本出願に記載する組成物及び方法と共に使用するのに適した追加の細胞毒素類としては、限定されるものではないが、5-エチニルウラシル、アビラテロン(abiraterone)、アシルフルベン(acylfulvene)、アデシペノール(adecypenol)、アドゼレシン(adozelesin)、アルデスロイキン(aldesleukin)、アルトレタミン(altretamine)、アンバムスチン(ambamustine)、アミドックス(amidox)、アミフォスチン(amifostine)、アミノレブ
リン酸(aminolevulinic acid)、アムルビシン(amrubicin)、アムサクリン(amsacrine)、
アナグレリド(anagrelide)、アナストロゾール(anastrozole)、アンドログラフォリド(andrographolide)、血管新生阻害剤、アンタレリクス(antarelix)、抗背側形成タンパク質-1(anti-dorsalizing morphogenetic protein-1)、抗アンドロゲン、前立腺がん、抗エストロゲン、抗新生物薬(antineoplaston)、アンチセンス・オリゴヌクレオチド、アフィジコリン・グリシネート(aphidicolin glycinate)、アポトーシス遺伝子モジュレーター
、アポトーシス・レギュレーター、アプリン酸(apurinic acid)、アスラクリン(asulacrine)、アタメスタン(atamestane)、アトリムスチン(atrimustine)、アキシナスタチン1(axinastatin 1)、アキシナスタチン2、アキシナスタチン3、アザセトロン(azasetron)、ア
ザトキシン(azatoxin)、アザチロシン(azatyrosine)、バッカチンIII(baccatin III.)誘導体、バラノール(balanol)、バチマスタット(batimastat)、BCR/ABL拮抗薬、ベンゾクロリン、ベンゾイルスタウロスポリン(benzoylstaurosporine)、βラクタム誘導体、βアレチン(beta-alethine)、βクラマイシン(betaclamycin)B、ベツリン酸、bFGF阻害剤、ビカルタミド(bicalutamide)、ビサントレン(bisantrene)、ビスアジリジニルスペルミン(bisaziridinylspermine)、ビスナフィド(bisnafide)、ビストラテン(bistratene)A、ビゼ
レシン(bizelesin)、ブレフラート(breflate)、ブレオマイシンA2、ブレオマイシンB2、
ブロピリミン(bropirimine)、ブドチタン(budotitane)、ブチオニン・スルホキシイミン(buthionine sulfoximine)、カルシポトリオール(calcipotriol)、カルホスチン(calphostin)C、カンプトテシン(camptothecin)誘導体(例えば、10-ヒドロキシ-カンプトテシン)、カペシタビン(capecitabine)、カルボキサミド-アミノ-トリアゾール、カルボキシアミドトリアゾール、カルゼレシン(carzelesin)、カゼイン・キナーゼ阻害剤、カスタノスペルミン(castanospermine)、セクロピン(cecropin)B、セトロレリクス(cetrorelix)、クロリン(chlorins)、クロロキノキサリン・スルホンアミド(chloroquinoxaline sulfonamide)、シカプロスト(cicaprost)、シス-ポルフィリン、クラドリビン(cladribine)、クロミ
フェン(clomifene)及びその類似体、クロトリマゾール(clotrimazole)、コリスマイシン(collismycin)A、コリスマイシンB、コンブレタスタチン(combretastatin)A4、コンブレタスタチン類似体、コナゲニン(conagenin)、クラムベシジン(crambescidin)816、クリスナトール(crisnatol)、クリプトフィシン(cryptophycin)8、クリプトフィシンA誘導体、キ
ュラシン(curacin)A、シクロペンタアントラキノン(cyclopentanthraquinones)、シクロ
プラタム(cycloplatam)、シペマイシン(cypemycin)、シタラビン・オクホスファート(cytarabine ocfosfate)、細胞溶解因子、シトスタチン(cytostatin)、ダクリキシマブ(dacliximab)、デシタビン(decitabine)、デヒドロジデムニン(dehydrodidemnin)B、2'デオキシコホルマイシン(DCF)、デスロレリン(deslorelin)、デキシホスファミド(dexifosfamide)、デクスラゾキサン(dexrazoxane)、デクスベラパミル(dexverapamil)、ジアジクオン(diaziquone)、ジデムニン(didemnin)B、ジドクス(didox)、ジエチルノルスペルミン(diethylnorspermine)、ジヒドロ-5-アザシチジン、ジヒドロタキソール、ジオキサマイシン(dio
xamycin)、ジフェニル・スピロムスチン(diphenyl spiromustine)、ディスコデルモライ
ド(discodermolide)、ドコサノール(docosanol)、ドラセトロン(dolasetron)、ドキシフ
ルリジン(doxifluridine)、ドロロキシフェン(droloxifene)、ドロナビノール(dronabinol)、デュオカルマイシン(duocarmycin)SA、エブセレン(ebselen)、エコムスチン(ecomustine)、エデルフォシン(edelfosine)、エドレコロマブ(edrecolomab)、エフロルニチン(eflornithine)、エレメン(elemene)、エミテフール(emitefur)、エポチロン(epothilones
)、エピチロン(epithilones)、エプリステリド(epristeride)、エストラムスチン(estramustine)及びその類似体、エトポシド(etoposide)、エトポシド4’-リン酸(etoposide 4’-phosphate)(エトポフォスとも呼ばれる)、エキセメスタン(exemestane)、ファドロゾール(fadrozole)、ファザラビン(fazarabine)、フェンレチニド(fenretinide)、フィルグラスチム(filgrastim)、フィナステリド(finasteride)、フラボピリドール(flavopiridol)、フレゼラスチン(flezelastine)、フルアステロン(fluasterone)、フルダラビン(fludarabine)、塩酸フルロダウノルニシン(fluorodaunorunicin hydrochloride)、フォ
ルフェニメクス(forfenimex)、フォルメスタン(formestane)、フォストリエシン(fostriecin)、フォテムスチン(fotemustine)、ガドリニウム・テキサフィリン(gadolinium texaphyrin)、硝酸ガリウム、ガロシタビン(galocitabine)、ガニレリクス(ganirelix)、ゲラ
チナーゼ阻害剤、ゲムシタビン(gemcitabine)、グルタチオン阻害剤、ヘプスルファム(hepsulfam)、ホモハリングトニン(homoharringtonine(HHT))、ハイペリシン(hypericin)
、イバンドロン酸(Ibandronic acid)、イドキシフェン(idoxifene)、イドラマントン(idramantone)、イルモフォシン(ilmofosine)、イロマスタット(ilomastat)、イミダゾアクリドン、イミキモド(imiquimod)、免疫刺激ペプチド、イオベングアン(iobenguane)、ヨ
ードドキソルビシン(iododoxorubicin)、イポメアノール(ipomeanol)、イリノテカン、イロプラクト(iroplact)、イルソグラジン(irsogladine)、イソベンガゾール(isobengazole)、ジャスプラキノリド(jasplakinolide)、カハラリド(kahalalide)F、三酢酸ラメラリン-N(lamellarin-N triacetate)、ランレオチド(lanreotide)、レイナマイシン(leinamycin)、レノグラスチム(lenograstim)、硫酸レンチナン(lentinan sulfate)、レプトルスタチン(leptolstatin)、レトロゾール(letrozole)、親油性白金化合物、リソクリナミド(lissoclinamide)7、ロバプラチン(lobaplatin)、ロメトレキソール(lometrexol)、ロニダミン(lonidamine)、ロソキサントロン(losoxantrone)、ロキソリビン(loxoribine)、ルルトテカン(lurtotecan)、ルテチウム・テキサフィリン(lutetium texaphyrin)、リソフィリン(lysofylline)、マソプロコール(masoprocol)、マスピン(maspin)、マトリックス・メタロプロテイナーゼ阻害剤、メノガリル(menogaril)、メルバロン(merbarone)、メテレリン(meterelin)、メチオニナーゼ、メトクロプラミド(metoclopramide)、MIF阻害剤、イフェプリストン(ifepristone)、ミルテホシン(miltefosine)、ミリモスチム(mirimostim)、ミトラシン(mithracin)、ミトグアゾン(mitoguazone)、ミトラクトール(mitolactol)、マイトマイシン及びその類似体、ミトナフィド(mitonafide)、ミトキサントロン(mitoxantrone)、モファロテン(mofarotene)、モルグラモスチム(molgramostim)、マイカペルオキシドB
、ミリアポロン(myriaporone)、N-アセチルジナリン(acetyldinaline)、N-置換ベンズア
ミド、ナファレリン(nafarelin)、ナグレスチップ(nagrestip)、ナパビン(napavin)、ナ
フテルピン(naphterpin)、ナルトグラスチム(nartograstim)、ネダプラチン(nedaplatin)、ネモルビシン(nemorubicin)、ネリドロン酸、ニルタミド(nilutamide)、ニサマイシン(nisamycin)、ニトルリン(nitrullyn)、オクトレオチド(octreotide)、オキセノン(okicenone)、オナプリストン(onapristone)、オンダンセトロン(ondansetron)、オラシン(oracin)、オルマプラチン(ormaplatin)、オキサリプラチン(oxaliplatin)、オキサウノマイシ
ン(oxaunomycin)、パクリタキセル(paclitaxel)及びその類似体、パラウアミン(palauamine)、パルミトイルリゾキシン(palmitoylrhizoxin)、パミドロン酸、パナキシトリオール(panaxytriol)、パノミフェン(panomifene)、パラバクチン(parabactin)、パゼリプチン(pazelliptine)、ぺグアスパルガーゼ(pegaspargase)、ペルデシン(peldesine)、ポリ硫酸ペントサンナトリウム、ペントスタチン(pentostatin)、ペントロゾール(pentrozole)、
パーフルブロン(perflubron)、パーホスファミド(perfosfamide)、フェナジノマイシン(p
henazinomycin)、ピシバニル(picibanil)、ピラルビシン(pirarubicin)、ピリトレキシム(piritrexim)、ポドフィロトキシン(podophyllotoxin)、ポルフィロマイシン(porfiromycin)、プリン・ヌクレオシド・ホスホリラーゼ阻害剤、ラルチトレキセド(raltitrexed)、リゾキシン(rhizoxin)、ログレチミド(rogletimide)、ロヒツキン(rohitukine)、ルビ
ギノン(rubiginone)B1、ルボキシル(ruboxyl)、サフィンゴル(safingol)、サイントピン(saintopin)、サルコフィトール(sarcophytol)A、サルグラモスチム(sargramostim)、ソブゾキサン(sobuzoxane)、ソネルミン(sonermin)、スパルホジン酸(sparfosic acid)、スピカマイシン(spicamycin)D、スピロムスチン(spiromustine)、スチピアミド(stipiamide)
、スルフィノシン(sulfinosine)、タリムスチン(tallimustine)、テガフール(tegafur)、テモゾロミド(temozolomide)、テニポシド(teniposide)、タリブラスチン(thaliblastine)、チオコラリン(thiocoraline)、チラパザミン(tirapazamine)、トポテカン、トプセン
チン(topsentin)、トリシリビン(triciribine)、トリメトレキサート(trimetrexate)、ベラミン(veramine)、ビノレルビン(vinorelbine)、ビンキサルチン(vinxaltine)、ボロゾ
ール(vorozole)、ゼニプラチン(zeniplatin)、並びにジラスコルブ(zilascorb)、が挙げ
られる。
リンカー類
本出願で使用する用語「リンカー」は、それぞれ本出願に記載するように、抗-CD45抗
体を細胞毒素に共有結合的に結合させて抗-CD45抗体薬物コンジュゲート(ADC)を形成する共有結合又は原子鎖を含む二価の化学的な部分構造を意味する。好適なリンカーは2つの
反応性末端を有し、一方は抗体にコンジュゲートさせるためであり、他方は細胞毒素にコンジュゲートさせるためである。抗体とコンジュゲートする前記リンカーの反応性末端(
反応性部分構造、Z′)は、典型的には、前記抗体上のシステイン・チオール又はリジン・アミン基を介して、前記抗体にコンジュゲートさせることができる部位であり、従って、典型的には二重結合のようなチオールとの反応性がある基(例えば、マレイミドなど)、又はクロロ、ブロモ、ヨード等の脱離基、若しくはR-スルファニル基、又はカルボキシル基のようなアミンとの反応性がある基である;一方、抗体とコンジュゲートする前記リンカーの反応性末端は、典型的には、細胞毒素上の塩基性アミン基又はカルボキシル基とのアミド結合の形成を介して細胞毒素にコンジュゲートすることができる部位であり、従って、典型的にはカルボキシル基又は塩基性アミン基である。前記用語「リンカー」を、コンジュゲートした形態のリンカーを説明する際に使用する場合、反応性末端の一方又は両方は、前記リンカー及び/又は前記細胞毒素間の、並びに前記リンカー及び/又は前記抗体若しくはその抗原結合フラグメント間の、結合が形成されているので、存在しない(例え
ば、反応性部分構造Z′、化学的な部分構造Zに変換されている)か、又は反応途中にある(例えば、カルボン酸のカルボニルだけになっている等)。このようなコンジュゲートさせ
る反応を、本出願中以下に更に記載する。
様々なリンカーを用いて、本出願に記載の抗体、又は抗体フラグメントを、細胞毒性分子にコンジュゲートさせることができる。いくつかの実施形態では、前記リンカーは、細胞内の条件下で切断可能であり、その結果、前記リンカーの切断によって、細胞内環境において、抗体から薬物ユニットが放出される。更に他の実施形態では、そのリンカー・ユニットは切断可能ではなく、薬物は、例えば、抗体の分解によって、放出される。本発明のADCに有用なリンカーは、好ましくは細胞外で安定であり、ADC分子が凝集することを防止し、ADCが水溶性の媒体中で及びモノマー状で溶け易いように維持する。細胞内に輸送
される又は送達される前には、前記ADCは、好ましくは安定であり、及びインタクトなま
まであり、即ち、前記抗体は、前記薬物部分に連結したままである。前記リンカーはターゲット細胞の外部では安定であり、細胞内部ではある有効な速度で切断されることがある。効果的なリンカーは:(i)前記抗体の特異的な結合特性を維持する;(ii)前記コンジュ
ゲート又は薬物部分が細胞内に送達されることを可能にする;(iii)前記コンジュゲート
がそのターゲット部位に送達又は輸送されるまで、安定かつインタクトなままであり、即
ち切断されない;及び(iv)前記細胞毒性部分の、細胞毒性、細胞傷害効果又は細胞増殖抑制効果を維持する。前記ADCの安定性を、質量分析、HPLC、及び分離/解析技術のLC/MS等の標準的な分析技術によって測定することができる。前記抗体及び前記薬物部分の共有結合は、前記リンカーが2つの反応性官能基を有することを要求する(即ち反応性の意味で
の二価である)。ペプチド、核酸、薬物、毒素、抗体、ハプテン、及びレポーター基等の2つ以上の機能的又は生物学的に活性な部分を結合させるのに役立つ二価のリンカー試薬
が知られており、それらのコンジュゲートを得る方法については記載されている(Hermanson, G. T. (1996) Bioconjugate Techniques; Academic Press: New York, p. 234-242)
好適な切断され得るリンカーとしては、例えば、酵素的加水分解、光分解、酸性条件下での加水分解、塩基性条件下での加水分解、酸化、ジスルフィド還元、求核切断、又は有機金属切断によって切断され得るものが挙げられる(例えば、Leriche et al., Bioorg. Med. Chem., 20:571-582、2012を参照のこと、その開示は共有結合的にコンジュゲートさ
せることに適したリンカーに関連するものとして、本出願に参照により取り込まれる)。
好適な切断され得るリンカーとしては、例えば、ヒドラジン、ジスルフィド、チオエーテル又はジペプチドなどの化学的な部分構造が挙げられる。
酸性条件下で加水分解可能なリンカーとしては、例えば、ヒドラゾン類、セミカルバゾン類、チオセミカルバゾン類、シス-アコニット・アミド類、オルトエステル類、アセタ
ール類、ケタール類等が挙げられる(例えば、米国特許第 5,122,368; 5,824,805; 5,622,929号; Dubowchik and Walker, 1999, Pharm. Therapeutics 83:67-123; Neville et al., 1989, Biol. Chem. 264:14653-14661、これらの各開示は、共有結合的にコンジュゲートさせることに適したリンカーに関するものとして、その全体が本出願に参照により取り込まれる)。このようなリンカーは、血中の条件のような中性pHの条件下では比較的安定
であるが、リソソームのおよそのpHであるpH 5.5又は5.0未満では不安定である。
還元条件下で切断され得るリンカーとしては、例えば、ジスルフィドが挙げられる。例えば、SATA(N-スクシンイミジル-S-アセチルチオアセテート)、SPDP(N-スクシンイミジル-3-(2-ピリジルジチオ)プロピオネート)、SPDB(N-スクシンイミジル-3-(2-ピリジルジチ
オ)ブチレート)及びSMPT(N-スクシンイミジル-オキシカルボニル-α-メチル-α-(2-ピリ
ジル-ジチオ)トルエン)、SPDB及びSMPT、を使用して形成することができるジスルフィド
・リンカーなど、様々なジスルフィド・リンカーが当該技術分野で知られている(例えば
、Thorpe et al., 1987, Cancer Res. 47:5924-5931; Wawrzynczak et al., In Immunoconjugates: Antibody Conjugates in Radioimagery and Therapy of Cancer (C. W. Vogel
ed., Oxford U. Press, 1987を参照のこと。米国特許第4,880,935も参照のこと。これらの各開示は、共有結合的にコンジュゲートさせることに適したリンカーに関するものとして、その全体が本出願に参照により取り込まれる。
酵素的な加水分解に感受性があるリンカーは、例えば、細胞内ペプチダーゼ又はプロテアーゼ酵素(リソソーム・プロテアーゼ又はエンドソーム・プロテアーゼが挙げられるが
、これらに限定されない)によって切断されるペプチド含有リンカーであることがある。
治療薬剤が細胞内タンパク質分解によって放出されることを利用することの1つの利点は
、前記治療薬剤は、コンジュゲートしている場合、通常は減弱していて、及び前記コンジュゲートの血清安定性は通常は高い、ということである。いくつかの実施形態では、前記ペプチジル・リンカーは、少なくとも2アミノ酸長又は少なくとも3アミノ酸長である。例示的なアミノ酸リンカーとしては、ジペプチド、トリペプチド、テトラペプチド又はペンタペプチドが挙げられる。好適なペプチドの例としては、バリン、アラニン、シトルリン(Cit)、フェニルアラニン、リジン、ロイシン、及びグリシン等のアミノ酸を含有するペ
プチドが挙げられる。アミノ酸リンカー成分を含むアミノ酸残基としては、天然に存在す
るもの、並びにマイナーなアミノ酸及び非-天然に存在するアミノ酸類似体(例えば、シトルリン)が挙げられる。例示的なジペプチドとしては、バリン-シトルリン(vc又はval-cit)及びアラニン-フェニルアラニン(af又はala-phe)が挙げられる。例示的なトリペプチド
としては、グリシン-バリン-シトルリン(gly-val-cit)及びグリシン-グリシン-グリシン(gly-gly-gly)が挙げられる。いくつかの実施形態では、前記リンカーとしては、Val-Cit
、Ala-Val、又はPhe-Lys、Val-Lys、Ala-Lys、Phe-Cit、Leu-Cit、Ile-Cit、Phe-Arg、又はTrp-Citのようなジペプチドが挙げられる。Val-Cit又はPhe-Lys等のジペプチドを含む
リンカーは、例えば、米国特許第6,214,345号に開示されている(この開示は、共有結合
的にコンジュゲートさせることに適したリンカーに関するものとして、その全体が本出願に参照により取り込まれる)。いくつかの実施形態では、前記リンカーとしては、Val-Ala及びVal-Citより選択されるジペプチドが挙げられる。
本出願に記載する、抗体、又は抗体フラグメントを細胞毒性分子にコンジュゲートさせるのに適したリンカーとしては、1,6-脱離過程によって、細胞毒素を放出することができるリンカーが挙げられる。この脱離過程を可能にする化学的な部分構造としては、p-アミノベンジル(PAB)基、6-マレイミドヘキサン酸、pH感受性炭酸塩、及びJain et al., Pharm. Res. 32:3526-3540, 2015(この開示は、共有結合のコンジュゲーションに適したリンカーに関連するので、その全体が本出願に参照により取り込まれる)に記載される他の試薬など、が挙げられる。
いくつかの実施形態では、前記リンカーとしては、前述のPAB又はPABC(パラ-アミノベ
ンジルオキシカルボニル)等の「自壊」基が挙げられ、これらは、例えば、Carl et al., J. Med. Chem. (1981) 24:479-480; Chakravarty et al (1983) J. Med. Chem. 26:638-644; US 6214345; US20030130189; US20030096743; US6759509; US20040052793; US6218519; US6835807; US6268488; US20040018194; WO98/13059; US20040052793; US6677435; US5621002; US20040121940; WO2004/032828に開示されている。このプロセスが可能な他の
このような化学的な部分構造(「自壊リンカー」)としては、メチレン・カルバメート類及びヘテロアリール基、例えばアミノチアゾール類、アミノイミダゾール類、アミノピリミジン類などが挙げられる。このような複素環の自壊基を含むリンカーは、例えば、米国特許出願公開20160303254 及び20150079114、並びに米国特許第7,754,681; Hay et al. (1999) Bioorg. Med. Chem. Lett. 9:2237; US 2005/0256030; de Groot et al (2001) J. Org. Chem. 66:8815-8830; 及び US 7223837に開示されている。いくつかの実施形態では
、ジペプチドを、自壊リンカーと併せて使用する。
本出願での使用に適したリンカーは、C1-C6アルキレン、C1-C6ヘテロアルキレン、C2-C6アルケニレン、C2-C6ヘテロアルケニレン、C2-C6アルキニレン、C2-C6ヘテロアルキニレン、C3-C6シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキレン、アリーレン、ヘテロアリーレン
、及びそれらの組合せより選択される1つ以上の基を更に含むことがあり、これらの各々
は任意選択的に置換されていることがある。このような基の非-限定的な実施例としては
、(CH2)p、(CH2CH2O)p、及び-(C=O)(CH2)p-ユニットが挙げられ、ここで、pは1から6の整数であり、各々の場合に対して独立に選択される。
好適なリンカーは、溶解性を高める特性を有する基を含むことがある。例えば、(CH2CH2O)pユニット(ポリエチレングリコール、PEG)を含むリンカーは、溶解性を高めることが
できる(例えば、アミノ、スルホン酸、ホスホン酸又はリン酸残基で置換して、アルキル鎖の溶解性を高めることができる)。このような部分構造を含むリンカーは、例えば、米国特許番号8,236,319 及び9,504,756に開示されている(これらの各々の開示は、共有結
合的なコンジュゲーションに適したリンカーに関連するものとして、その全体が本出願に参照により取り込まれる)。更なる溶解性を高める基としては、例えば、以下の構造を有するアシル及びカルバモイル・スルファミド基が挙げられる:
Figure 2021087368000086

ここで、aは0又は1である;並びに
R10は、水素、C1-C24アルキル基、C3-C24シクロアルキル基、C1-C24(ヘテロ)アリール
基、C1-C24アルキル(ヘテロ)アリール基、及びC1-C24(ヘテロ)アリールアルキル基、C1-C24アルキル基、C3-C24シクロアルキル基、C2-C24(ヘテロ)アリール基、C3-C24アルキル(ヘテロ)アリール基、及びC3-C24(ヘテロ)アリールアルキル基、からなる基より選択され、これらの各々は、O、S、及びNR11R12より選択される1種以上のヘテロ原子によって、任意選択的に置換している、及び/又は任意選択的に割り込まれていることがある、ここで、R11及びR12は、水素及びC1-C4アルキル基からなる群から独立して選択される
;又はR10は細胞毒素である、ここで、前記細胞毒素は、スペーサ部分を介して、Nに任意選択的に結合する。そのような基を含むリンカーは、例えば、米国特許9,636,421号及び
米国特許出願公開第2017/0298145号(これら開示は、細胞毒素及び抗体又はその抗原結合
フラグメントへの共有結合的なコンジュゲーションに適したリンカーに関連するものとして、その全体が本出願に参照により取り込まれる)に記載されている。
いくつかの実施形態では、前記リンカーは、ヒドラジン、ジスルフィド、チオエーテル、ジペプチド、p-アミノベンジル(PAB)基、複素環自壊基、任意選択的に置換されたC1-C6アルキル、任意選択的に置換されたC1-C6ヘテロアルキル、任意選択的に置換されたC2-C6アルケニル、任意選択的に置換されたC2-C6ヘテロアルケニル、任意選択的に置換されたC2-C6アルキニル、任意選択的に置換されたC2-C6ヘテロアルキニル、任意選択的に置換さ
れたC3-C6シクロアルキル、任意選択的に置換されたヘテロシクロアルキル、任意選択的
に置換されたアリール、任意選択的に置換されたヘテロアリール、溶解性増強基、アシル、-(C=O)-、又は-(CH2CH2O)p-基のうちの1つ以上を含むことがある、ここで、pは1から6
の整数である。当業者の中のある者は、列挙した基の1つ以上が、二価(ジラジカル)種(例えば、C1-C6アルキレン等)の形態で存在し得ることを認識する。
いくつかの実施形態では、前記リンカーLは、部分*-L1L2-**を含む、ここで:
L1は、存在しない、又は-(CH2)mNR13C(=O)-, -(CH2)mNR13-, -(CH2)mX3(CH2)m-,
Figure 2021087368000087

である;
L2は、存在しない、又は-(CH2)m-, -NR13(CH2)m-, -(CH2)mNR13C(=O)(CH2)m-, -X4, -(CH2)mNR13C(=O)X4, - (CH2)mNR13C(=O)-, -((CH2)mO)n(CH2)m-, -((CH2)mO)n(CH2)mX3(CH2)m-, - NR13((CH2)mO)nX3(CH2)m-, -NR13((CH2)mO)n(CH2)mX3(CH2)m-, -X1X2C(=O)(CH2)m-, - (CH2)m(O(CH2)m)n-, -(CH2)mNR13(CH2)m-, -(CH2)mNR13C(=O)(CH2)mX3(CH2)m-, - (CH2)mC(=O)NR13(CH2)mNR13C(=O)(CH2)m-, -(CH2)mC(=O)-, - (CH2)mNR13(CH2)mC(=O)X2X1C(=O)-, -(CH2)mX3(CH2)mC(=O)X2X1C(=O)-, - (CH2)mC(=O)NR13(CH2)m-, -(CH2)mC(=O)NR13(CH2)mX3(CH2)m-, -(CH2)mX3(CH2)mNR13C(=O)(CH2)m-, -(CH2)mX3(CH2)mC(=O)NR13(CH2)m-, - (CH2)mO)n(CH2)mNR13C(=O)(CH2)m-, -(CH2)mC(=O)NR13(CH2)m(O(CH2)m)n-, - (CH2)m(O(CH2)m)nC(=O)-, -(CH2)mNR13(CH2)mC(=O)-, -(CH2)mC(=O)NR13(CH2)mNR13C(=O)-, -(CH2)m(O(CH2)m)nX3(CH2)m-, - (CH2)mX3((CH2)mO)n(CH2)m-, -(CH2)mX3(CH2)mC(=O)-, - (CH2)mC(=O)NR13(CH2)mO)n(CH2)mX3(CH2)m-, - (CH2)mX3(CH2)m(O(CH2)m)nNR13C(=O)(CH2)m-, -(CH2)mX3(CH2)m(O(CH2)m)nC(=O)-, -(CH2)mX3(CH2)m(O(CH2)m)n-, -(CH2)mC(=O)NR13(CH2)mC(=O)-, -(CH2)mC(=O)NR13(CH2)m(O(CH2)m)nC(=O)-, -((CH2)mO)n(CH2)mNR13C(=O)(CH2)m-, -(CH2)mC(=O)NR13(CH2)mC(=O)NR13(CH2)m-, -(CH2)mNR13C(=O)(CH2)mNR13C(=O)(CH2) -(CH2)mX3(CH2)mC(=O)NR13-, -(CH2)mC(=O)NR13-, -(CH2)mX3-, -C(R13)2(CH2)m-, -(CH2)mC(R13)2NR13-, -(CH2)mC(=O)NR13(CH2)mNR13-, - (CH2)mC(=O)NR13(CH2)mNR13C(=O)NR13-, -(CH2)mC(=O)X2X1C(=O)-, - C(R13)2(CH2)mNR13C(=O)(CH2)m-, -(CH2)mC(=O)NR13(CH2)mC(R13)2NR13-, - C(R13)2(CH2)mX3(CH2)m-, -(CH2)mX3(CH2)mC(R13)2NR13-, -C(R13)2(CH2)mOC(=O)NR13(CH2)m-, -(CH2)mNR13C(=O)O(CH2)mC(R13)2NR13-, -(CH2)mX3(CH2)mNR13-, -(CH2)mX3(CH2)m(O(CH2)m)nNR13-, -(CH2)mNR13-, -(CH2)mC(=O)NR13(CH2)m(O(CH2)m)nNR13-, -(CH2)m(O(CH2)m)nNR13-, -(CH2CH2O)n(CH2)m-, -(CH2)m(OCH2CH2)n;-(CH2)mO(CH2)m-, -(CH2)mS(=O)2-, - (CH2)mC(=O)NR13(CH2)mS(=O)2-, -(CH2)mX3(CH2)mS(=O)2-, -(CH2)mX2X1C(=O)-, -(CH2)m(O(CH2)m)nC(=O)X2X1C(=O)-, -(CH2)m(O(CH2)m)nX2X1C(=O)-, - (CH2)mX3(CH2)mX2X1C(=O)-, -(CH2)mX3(CH2)m(O(CH2)m)nX2X1C(=O)-, -
(CH2)mX3(CH2)mC(=O)NR13(CH2)mNR13C(=O)-, -(CH2)mX3(CH2)mC(=O)NR13(CH2)mC(=O)-, -(CH2)mX3(CH2)mC(=O)NR13(CH2)m(O(CH2)m)nC(=O)-, -(CH2)mC(=O)X2X1C(=O)NR13(CH2)m-, -(CH2)mX3(O(CH2)m)nC(=O)-, -(CH2)mNR13C(=O)((CH2)mO)n(CH2)m-, -(CH2)m(O(CH2)m)nC(=O)NR13(CH2)m-, -(CH2)mNR13C(=O)NR13(CH2)m- 若しくは -(CH2)mX3(CH2)mNR13C(=O)-である;
ここで、
X1は、
Figure 2021087368000088

である;
X2は、
Figure 2021087368000089

である;
X3は、
Figure 2021087368000090

である;及び
X4は、
Figure 2021087368000091

である;
ここで
R13は、H及びC1-C6アルキルから、それぞれの場合に独立して選択される;
mは、1、2、3、4、5、6、7、8、9及び10から、それぞれの場合に独立して選択される;
nは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13及び14から、それぞれの場合に独立して選択される;
並びに、
ここで、1個のアステリスク(*)は、細胞毒素(例えば、アマトキシン)に結合する位置を示す、及び2個のアステリスク(**)は、反応性置換基Z'又は化学的な部分構造Zに結合する位置を示す(但し、L1及びL2の両方ともが存在しない、ということはない、という条件付き)。
いくつかの実施形態では、前記リンカーは、p-アミノベンジル基(PAB)を含む。1つの実施形態では、前記p-アミノベンジル基は、細胞毒性薬物とリンカー中のプロテアーゼ切断部位との間に配置される。1つの実施形態では、前記p-アミノベンジル基は、p-アミノベ
ンジルオキシカルボニル・ユニットの一部である。1つの実施形態では、p-アミノベンジ
ル基は、p-アミノベンジルアミド・ユニットの一部である。
いくつかの実施形態では、前記リンカーは、PAB、Val-Cit-PAB、Val-Ala-PAB、Val-Lys(Ac)-PAB、Phe-Lys-PAB、Phe-Lys(Ac)-PAB、D-Val-Leu-Lys、Gly-Gly-Arg、Ala-Ala-Asn-PAB、又はAla-PAB、を含む。
いくつかの実施形態では、前記リンカーは、ペプチド、オリゴ糖、-(CH2)p-、-(CH2CH2O)p-、PAB、Val-Cit-PAB、Val-Ala-PAB、Val-Lys(Ac)-PAB、Phe-Lys-PAB、Phe-Lys(Ac)-PAB、D-Val-Leu-Lys、Gly-Gly-Arg、Ala-Ala-Asn-PAB、又はAla-PABのうちの1種以上の組
み合わせを含む。
いくつかの実施形態では、前記リンカーは、-((CH2)nを含み、nは6である。いくつかの実施形態では、L-Zは、
Figure 2021087368000092

ここで、Sは、抗体、又はその抗原結合フラグメント内に存在する反応性置換基を表す
硫黄原子である。
いくつかの実施形態では、前記リンカーは、-(C=O)(CH2)p-ユニットを含み、ここで、pは1から6の整数である。
1つの具体的な実施形態では、前記リンカーは、以下の構造を含む:
Figure 2021087368000093

ここで、波線は、細胞毒素及び反応性部分構造Z'に結合する位置を示す。
別の具体的な実施形態では、前記リンカーは、以下の構造を含む:
Figure 2021087368000094

ここで、波線は、細胞毒素及び反応性部分構造Z'に結合する位置を示す。このようなPAB-ジペプチド-プロピオニル・リンカーは、例えば、国際公開第2017/149077号(本出願に参照により取り込まれる)、に開示されている。更に、WO2017/149077に開示されている
細胞毒素は、本出願に参照により取り込まれる。
ある特定の実施形態では、前記ADCのリンカーは、マレイミドカプロイル-Val-Ala-パラ-アミノベンジル(mc-Val-Ala-PAB)である。
ある特定の実施形態では、前記ADCのリンカーは、マレイミドカプロイル-Val-Cit-パラ-アミノベンジル(mc-vc-PAB)である。
いくつかの実施形態では、前記リンカーは、
Figure 2021087368000095

を含む。
いくつかの実施形態では、前記リンカーは、MCC(4-[N-マレイミドメチル]シクロヘキサン-1-カルボキシレート)を含む。
いくつかの実施形態では、前記リンカーは、n及びmが、それぞれ独立して、1、2、3、4、5、6、7、8、9、及び10より選択される、((CH2)mO)n(CH2)m-基;及びヘテロアリール基、を含む、ここで、前記ヘテロアリール基は、トリアゾールである。いくつかの実施形態では、前記((CH2)mO)n(CH2)m-基及びトリアゾールは、一緒に以下を含む
Figure 2021087368000096

ここで、nは、1から10である、及びその波線は、追加のリンカー構成要素、化学的な部分構造Z、又はアマトキシン、への結合(attachment)の位置を示す。本出願に記載する方
法及び組成物において使用することがある他のリンカーは、US 2019/0144504に記載され
ている、これは、本出願に参照により取り込まれる。
本出願で開示する化学基、部分構造及び特徴の何れか1つ以上を、多様な方法で組み合
わせて、本出願で開示するような抗体と細胞毒素とをコンジュゲートさせることに対して有用なリンカーを形成し得ることは、当業者のある者によって認識されるだろう。本出願に記載する組成物及び方法と併せることにおいて有用な更なるリンカーは、例えば、米国特許出願公開第2015/0218220号に記載されており、その開示内容は、その全体が本出願に参照により取り込まれる。
ある特定の実施形態では、リンカーの前駆物質である中間体を、好適な条件下で薬物部分と反応させる。ある特定の実施形態では、反応性基を、前記薬物及び/又は前記中間体若しくはリンカー上で使用する。前記薬物と前記中間体との間の反応の生成物、又は誘導体化した薬物を、その後、好適な条件下で、抗体又は抗原結合フラグメントと反応させる。あるいは、前記リンカー又は中間体を、最初に前記抗体又は誘導体化した抗体と反応させ、次いで前記薬物又は誘導体化した薬物と反応させてもよい。このようなコンジュゲーション反応を、ここで、より完全に記載する。
前記抗体又はその抗原結合フラグメントに、リンカー又は薬物-リンカー・コンジュゲ
ートを共有結合させるために、多くの様々な反応を利用することができる。前記抗体分子上の好適な結合の位置としては、リジンのアミン基、グルタミン酸及びアスパラギン酸の遊離カルボン酸基、システインのスルフヒドリル基、及び芳香族アミノ酸の種々の部分が挙げられる。例えば、化合物上のカルボキシ(又はアミノ)基を抗体部分上のアミノ(又は
カルボキシ)基に連結するために、非-特異的な共有結合を、カルボジイミド反応を用いて行うことがある。更に、化合物上のアミノ基を抗体部分上のアミノ基に結合させるために、ジアルデヒド又はイミドエステルなどの二官能基性の薬剤を使用することもある。薬物を結合剤に結合させることには、シッフ塩基反応を利用することも可能である。この方法は、グリコール又は水酸基を含有する薬物を過ヨウ素酸酸化させることを含み、このようにしてアルデヒドを形成させ、次いでこれを結合剤と反応させる。結合は、前記結合剤のアミノ基とのシッフ塩基の形成を介して起こる。イソチオシアネートを、薬物を結合剤に共有結合させるためのカップリング剤として使用することもある。他の技術は当業者に知られており、本発明の範囲内である。
本出願に記載する場合、抗体又は抗原結合フラグメントへのコンジュゲーションに有用なリンカーとしては、限定されるものではないが、以下の表1に示すような、カップリング反応によって形成される化学的な部分構造Zを含むリンカーが挙げられる。曲線は、そ
れぞれ、抗体又は抗原結合フラグメント、及び細胞毒性分子に結合する位置を示す。
Figure 2021087368000097

Figure 2021087368000098
Figure 2021087368000099
Figure 2021087368000100
当業者の中のある者は、前記リンカーに結合した反応性置換基Z'及び前記抗体又はその
抗原結合フラグメント上の反応性置換基が、化学的な部分構造Zを生成する共有結合カッ
プリング反応に関与するものであることを認識し、前記反応性部分構造Z'を認識する。従って、本出願に記載の方法と併せることにおいて有用な抗体-薬物コンジュゲートは、抗
体、又はその抗原結合フラグメントが、リンカー又は細胞毒素-リンカー・コンジュゲー
トと反応することによって形成されることがあり、本出願に記載するように、前記リンカー又は細胞毒素-リンカー・コンジュゲートは反応性置換基Z'等を含み、抗体、又はその
抗原結合フラグメント上の反応性置換基との反応に適していて、化学的な部分構造Zを形
成する。
Figure 2021087368000101
Figure 2021087368000102
である;
ここで、
R13は、H及びC1-C6アルキルから、それぞれの場合に独立して選択される;
R14は、-S(CH2)nCHR15NHC(=O)R13である;
R15は、R13又は-C(=O)OR13である;
R16は、H、C1-C6アルキル、F、Cl、及び-OHから、それぞれの場合に独立して選択され
る;
R17は、H、C1-C6アルキル、F、Cl 、-NH2、-OCH3、-OCH2CH3、-N(CH3)2、-CN、-NO2 及び-OHから、それぞれの場合に独立して選択される;並びに、
R18は、H、C1-C6アルキル、F、-C(=O)OHで置換されたベンジルオキシ、-C(=O)OHで置換されたベンジル、-C(=O)OHで置換されたC1-C4アルコキシ基、及び-C(=O)OHで置換されたC1-C4アルキル基から、それぞれの場合に独立して選択される。
前記リンカー及び抗体、又はその抗原結合フラグメント上の好適な反応性置換基の例としては、求核/求電子対(例えば、チオール/ハロアルキル対、アミン/カルボニル対、
又はチオール/α, β-不飽和カルボニル対等)、ジエン/ジエノフィル対(例えば、とり
わけ、アジド/アルキン対、又はジエン/α,β-不飽和カルボニル対)等が挙げられる。
化学的な部分構造Zを形成するための反応性置換基間のカップリング反応としては、限定
されるものではないが、チオール・アルキル化、ヒドロキシル・アルキル化、アミン・アルキル化、アミン又はヒドロキシルアミン縮合、ヒドラジン形成、アミド化、エステル化、ジスルフィド形成、環化付加(例えば、とりわけ、[4+2]Diels-Alder環化付加、[3+2]Huisgen環化付加)、芳香族求核置換、芳香族求電子置換、及び当該技術分野で知られているか又は本出願に記載されている他の反応様式が挙げられる。好ましくは、前記リンカーは、前記抗体、又はその抗原結合フラグメント上の求核性官能基との反応のための求電子性官能基を含む。
本出願で開示するように、抗体、又はその抗原結合フラグメント内に存在し得る反応性置換基としては、限定されるものではないが、(i)N-末端アミン基、(ii)側鎖アミン基(例えば、リジン)、(iii)側鎖チオール基(例えば、システイン)、及び(iv)糖水酸基又はアミノ基(ここで、前記抗体はグリコシル化されている)、のような求核基が挙げられる。本出願で開示するように、抗体、又はその抗原結合フラグメント内に存在し得る反応性置換基としては、限定されるものではないが、セリン、スレオニン、及びチロシン残基のヒドロキシル部分;リジン残基のアミノ部分;アスパラギン酸及びグルタミン酸残基のカルボキシル部分;並びにシステイン残基のチオール部分、並びに、非-天然アミノ酸のプロパル
ギル、アジド、ハロアリール(例えば、フルオロアリール)、ハロヘテロアリール(例えば
、フルオロヘテロアリール)、ハロアルキル、及びハロヘテロアルキル部分が挙げられる
。いくつかの実施形態では、本出願で開示するように、抗体、又はその抗原結合フラグメント内に存在する反応性置換基としては、アミン又はチオール部分が挙げられる。ある特定の抗体は、還元可能な鎖間ジスルフィド(即ち、システイン架橋)を有する。抗体を、DTT(ジチオトレイトール)等の還元剤で処理することによって、リンカー試薬とコンジュ
ゲートさせるために、反応性にすることができる。従って、各システイン架橋は、理論的には、2つの反応性チオール求核基を形成する。リジンと2-イミノチオラン(トラウト試薬)との反応によって、更なる求核基を抗体中に導入して、アミンをチオールに転化させる
ことができる。1個、2個、3個、4個、又はそれ以上のシステイン残基を導入することによって(例えば、1個以上の元々は無かったシステイン・アミノ酸残基を含む変異抗体を調製することによって)、反応性チオール基を、抗体(又はそのフラグメント)に導入すること
がある。米国特許第7,521,541号は、反応性システイン・アミノ酸を導入することによる
工学的に操作した抗体を教示している。
いくつかの実施形態では、前記リンカーに結合した反応性部分構造Z'は、抗体上に存在する求電子基と反応性である求核基である。抗体上の有用な求電子基としてはアルデヒド及びケトンのカルボニル基が挙げられるが、これらに限定されない。求核基のヘテロ原子は、抗体上の求電子基と反応し、前記抗体と共有結合を形成することがある。有用な求核
基としては、ヒドラジド、オキシム、アミノ、ヒドロキシル、ヒドラジン、チオセミカルバゾン、ヒドラジン・カルボキシレート、及びアリールヒドラジドが挙げられるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態では、Zは、抗体、又はその抗原結合フラグメント内に存在する反
応性求核置換基(例えば、アミン及びチオール部分)、及び反応性求電子置換基Z'との間の反応の生成物である。例えば、Z'は、特に、マイケル・アクセプター(例えば、マレイミ
ド)、活性化エステル、電子欠損カルボニル化合物、及びアルデヒドであることがある。
例えば、ADCの合成に好適なリンカーとしては、限定されるものではないが、マレイミ
ド又はハロアルキル基などの反応性置換基Z'が挙げられる。これらは、試薬(例えば、特に、スクシンイミジル4-(N-マレイミドメチル)-シクロヘキサン-L-カルボキシレート(SMCC)、N-スクシンイミジル・ヨードアセテート(SIA)、スルホ-SMCC、m-マレイミドベンゾイル-N-ヒドロキシスクシンイミジル・エステル(MBS)、スルホ-MBS、及びスクシンイミジル・ヨードアセテート、等であり、例えば、Liu et al., 18:690-697, 1979に記載されている[この開示は、化学的にコンジュゲートさせるためのリンカーに関するものとして、本出願に参照により取り込まれる])によって、前記リンカーに結合することがある。
いくつかの実施形態では、リンカーLに結合した反応性置換基Z'は、マレイミド、アジ
ド、又はアルキンである。マレイミド含有リンカーの例は、非-切断性マレイミドカプロ
イル-ベースのリンカーであり、これは、アウリスタチン類などの微小管破壊剤をコンジ
ュゲートするのに特に有用である。このようなリンカーはDoronina et al., Bioconjugate Chem. 17:14-24, 2006に記載されている(この開示は、化学的にコンジュゲートさせるためのリンカーに関するものとして、本出願に参照により取り込まれる)。
いくつかの実施形態では、反応性置換基Z'は-(C=O)-又は-NH(C=O)-であり、その結果、前記リンカーは、それぞれ、-(C=O)-又は-NH(C=O)-基と抗体又はその抗原結合フラグメントのアミノ基との反応から生じるアミド又は尿素の部分構造によって、前記抗体、又はその抗原結合フラグメントに結合することがある。
いくつかの実施形態では、前記反応性置換基は、N-マレイミジル基、ハロゲン化N-アルキルアミド基、スルホニルオキシN-アルキルアミド基、カーボネート基、ハロゲン化スルホニル基、チオール基又はその誘導体、内部に炭素-炭素の三重結合を含むアルキニル基
、(ヘテロ)シクロアルキニル基、ビシクロ[6.1.0]ノン-4-イン-9-イル基(bicyclo[6.1.0]non-4-yn-9-yl group)、内部に炭素-炭素の二重結合を含むアルケニル基、シクロア
ルケニル基、テトラジニル基、アジド基、ホスフィン基、ニトリル・オキシド基、ニトロン基、ニトリル・イミン基、ジアゾ基、ケトン基、(O-アルキル)ヒドロキシルアミノ基、ヒドラジン基、ハロゲン化N-マレイミジル基、1,1-ビス(スルホニルメチル)メチルカルボニル基又はその脱離誘導体、ハロゲン化カルボニル基、又はアレンアミド基であり、これらはそれぞれ任意に置換されていることがある。いくつかの実施形態では、前記反応性置換基は、シクロアルケン基、シクロアルキン基、又は任意選択的に置換された(ヘテロ)シクロアルキニル基を含む。
前記抗体又はその抗原結合フラグメント上の反応性残基との反応に適した反応性置換基Z'を含むアマトキシン-リンカー・コンジュゲートの非-限定的な例としては、限定されるものではないが、以下が挙げられる、7'C-(4-(6-(マレイミド)ヘキサノイル)ピペラジン-1-イル)-アマトキシン;7'C-(4-(6-(マレイミド)ヘキサンアミド)ピペリジン-1-イル)-アマトキシン;7'C-(4-(6-(6-(マレイミド)ヘキサンアミド)ヘキサノイル)ピペラジン-1-イル)-アマトキシン;7'C-(4-(4-((マレイミド)メチル)シクロヘキサンカルボニル)ピペラ
ジン-1-イル)-アマトキシン;7'C-(4-(6-(4-((マレイミド)メチル)シクロヘキサンカルボ
キサミド)ヘキサノイル)ピペラジン-1-イル)-アマトキシン;7'C-(4-(2-(6-(マレイミド)ヘキサンアミド)エチル)ピペリジン-1-イル)-アマトキシン;7'C-(4-(2-(6-(6-(マレイミド)ヘキサンアミド)ヘキサンアミド)エチル)ピペリジン-1-イル)-アマトキシン;7'C-(4-(2-(4-((マレイミド)メチル)シクロヘキサンカルボキサミド)エチル)ピペリジン-1-イル)-アマトキシン;7'C-(4-(2-(6-(4-((マレイミド)メチル)シクロヘキサンカルボキサミド)ヘキサンアミド)エチル)ピペリジン-1-イル)-アマトキシン;7'C-(4-(2-(3-カルボキシプロパンアミド)エチル)ピペリジン-1-イル)-アマトキシン;7'C-(4-(2-(2-ブロモアセトアミド)エチル)ピペリジン-1-イル)-アマトキシン;7'C-(4-(2-(3-(ピリジン-2-イルジスルファニル)プロパンアミド)エチル)ピペリジン-1-イル)-アマトキシン;7'C-(4-(2-(4-(マレイミド)ブタンアミド)エチル)ピペリジン-1-イル)-アマトキシン;7'C-(4-(2-(マレイ
ミド)アセチル)ピペラジン-1-イル)-アマトキシン;7'C-(4-(3-(マレイミド)プロパノイ
ル)ピペラジン-1-イル)-アマトキシン;7'C-(4-(4-(マレイミド)ブタノイル)ピペラジン-1-イル)-アマトキシン;7'C-(4-(2-(6-(4-((マレイミド)メチル)シクロヘキサンカルボキサミド)ヘキサンアミド)エチル)ピペリジン-1-イル)-アマトキシン;7'C-(3-((6-(マレイミド)ヘキサンアミド)メチル)ピロリジン-1-イル)-アマトキシン;7'C-(3-((6-(6-(マレ
イミド)ヘキサンアミド)ヘキサンアミド)メチル)ピロリジン-1-イル)-アマトキシン;7'C-(3-((4-((マレイミド)メチル)シクロヘキサンカルボキサミド)メチル)ピロリジン-1-イ
ル)-アマトキシン;7'C-(3-((6-((4-(マレイミド)メチル)シクロヘキサンカルボキサミド)ヘキサンアミド)メチル)ピロリジン-1-イル)-アマトキシン;7'C-(4-(2-(6-(2-(アミノ
オキシ)アセトアミド)ヘキサンアミド)エチル)ピペリジン-1-イル)-アマトキシン;7'C-(4-(2-(4-(2-(アミノオキシ)アセトアミド)ブタンアミド)エチル)ピペリジン-1-イル)-ア
マトキシン;7'C-(4-(4-(2-(アミノオキシ)アセトアミド)ブタノイル)ピペラジン-1-イル)-アマトキシン;7'C-(4-(6-(2-(アミノオキシ)アセトアミド)ヘキサノイル)ピペラジン-1-イル)-アマトキシン;7'C-((4-(6-(マレイミド)ヘキサンアミド)ピペリジン-1-イル)メチル)-アマトキシン;7'C-((4-(2-(6-(マレイミド)ヘキサンアミド)エチル)ピペリジン-1-イル)メチル)-アマトキシン;7'C-((4-(6-(マレイミド)ヘキサノイル)ピペラジン-1-イ
ル)メチル)-アマトキシン;(R)-7'C-((3-((6-(マレイミド)ヘキサンアミド)メチル)ピロ
リジン-1-イル)メチル)-アマトキシン;(S)-7'C-((3-((6-(マレイミド)ヘキサンアミド)
メチル)ピロリジン-1-イル)メチル)-アマトキシン;7'C-((4-(2-(6-(6-(マレイミド)ヘキサンアミド)ヘキサンアミド)エチル)ピペリジン-1-イル)メチル)-アマトキシン;7'C-((4-(2-(4-((マレイミド)メチル)シクロヘキサンカルボキサミド)エチル)ピペリジン-1-イル)メチル)-アマトキシン;7'C-((4-(2-(6-(4-((マレイミド)メチル)シクロヘキサンカルボキサミド)ヘキサンアミド)エチル)ピペリジン-1-イル)メチル)-アマトキシン;7'C-((4-(2-(6-(マレイミド)ヘキサンアミド)エチル)ピペラジン-1-イル)メチル)-アマトキシン;7'C-((4-(2-(6-(6-(マレイミド)ヘキサンアミド)ヘキサンアミド)エチル)ピペラジン-1-イル)メチル)-アマトキシン;7'C-((4-(2-(4-((マレイミド)メチル)シクロヘキサンカルボ
キサミド)エチル)ピペラジン-1-イル)メチル)-アマトキシン;7'C-((4-(2-(6-(4-((マレ
イミド)メチル)シクロヘキサンカルボキサミド)ヘキサンアミド)エチル)ピペラジン-1-イル)メチル)-アマトキシン;7'C-((3-((6-(6-(マレイミド)ヘキサンアミド)ヘキサンアミ
ド)-S-メチル)ピロリジン-1-イル)メチル)-アマトキシン;7'C-((3-((6-(6-(マレイミド)ヘキサンアミド)ヘキサンアミド)-R-メチル)ピロリジン-1-イル)メチル)-アマトキシン;7'C-((3-((4-((マレイミド)メチル)シクロヘキサンカルボキサミド)-S-メチル)ピロリジ
ン-1-イル)メチル)-アマトキシン;7'C-((3-((4-((マレイミド)メチル)シクロヘキサンカルボキサミド)-R-メチル)ピロリジン-1-イル)メチル)-アマトキシン;7'C-((3-((6-(4-((マレイミド)メチル)シクロヘキサンカルボキサミド)ヘキサンアミド)メチル)ピロリジン-1-イル)メチル)-アマトキシン;7'C-((4-(2-(3-カルボキシプロパンアミド)エチル)ピペ
ラジン-1-イル)メチル)-アマトキシン;7'C-((4-(6-(6-(マレイミド)ヘキサンアミド)ヘ
キサノイル)ピペラジン-1-イル)メチル)-アマトキシン;7'C-((4-(6-(4-((マレイミド)メチル)シクロヘキサンカルボキサミド)ヘキサノイル)ピペラジン-1-イル)メチル)-アマト
キシン;7'C-((4-(2-(マレイミド)アセチル)ピペラジン-1-イル)メチル)-アマトキシン;
7'C-((4-(3-(マレイミド)プロパノイル)ピペラジン-1-イル)メチル)-アマトキシン;7'C-((4-(4-(マレイミド)ブタノイル)ピペラジン-1-イル)メチル)-アマトキシン;7'C-((4-(2-(2-(マレイミド)アセトアミド)エチル)ピペリジン-1-イル)メチル)-アマトキシン;7'C-((4-(2-(4-(マレイミド)ブタンアミド)エチル)ピペリジン-1-イル)メチル)-アマトキシン;7'C-((4-(2-(6-(4-((マレイミド)メチル)シクロヘキサンカルボキサミド)ヘキサンアミド)エチル)ピペリジン-1-イル)メチル)-アマトキシン;7'C-((3-((6-(マレイミド)ヘキサンアミド)メチル)アゼチジン-1-イル)メチル)-アマトキシン;7'C-((3-(2-(6-(マレイミ
ド)ヘキサンアミド)エチル)アゼチジン-1-イル)メチル)-アマトキシン;7'C-((3-((4-((
マレイミド)メチル)シクロヘキサンカルボキサミド)メチル)アゼチジン-1-イル)メチル)-アマトキシン;7'C-((3-(2-(4-((マレイミド)メチル)シクロヘキサンカルボキサミド)エ
チル)アゼチジン-1イル)メチル)-アマトキシン;7'C-((3-(2-(6-(4-((マレイミド)メチル)シクロヘキサンカルボキサミド)ヘキサンアミド)エチル)アゼチジン-1-イル)メチル)-アマトキシン;7'C-(((2-(6-(マレイミド)-N-メチルヘキサンアミド)エチル)(メチル)アミ
ノ)メチル)-アマトキシン;7'C-(((4-(6-(マレイミド)-N-メチルヘキサンアミド)ブチル(メチル)アミノ)メチル)-アマトキシン;7'C-((2-(2-(6-(マレイミド)ヘキサンアミド)エ
チル)アジリジン-1-イル)メチル)-アマトキシン;7'C-((2-(2-(6-(4-((マレイミド)メチ
ル)シクロヘキサンカルボキサミド)ヘキサンアミド)エチル)アジリジン-1-イル)メチル)-アマトキシン;7'C-((4-(6-(6-(2-(アミノオキシ)アセトアミド)ヘキサンアミド)ヘキサ
ノイル)ピペラジン-1-イル)メチル)-アマトキシン;7'C-((4-(1-(アミノオキシ)-2-オク
ソ-6,9,12,15-テトラオキサ-3-アザヘプタデカン-17-オイル)ピペラジン-1-イル)メチル)-アマトキシン;7'C-((4-(2-(2-(アミノオキシ)アセトアミド)アセチル)ピペラジン-1-イル)メチル)-アマトキシン;7'C-((4-(3-(2-(アミノオキシ)アセトアミド)プロパノイル)
ピペラジン-1-イル)メチル)-アマトキシン;7'C-((4-(4-(2-(アミノオキシ)アセトアミド)ブタノイル)ピペラジン-1-イル)メチル)-アマトキシン;7'C-((4-(2-(6-(2-(アミノオキシ)アセトアミド)ヘキサンアミド)エチル)ピペリジン-1-イル)メチル)-アマトキシン;7'C-((4-(2-(2-(2-(アミノオキシ)アセトアミド)アセトアミド)エチル)ピペリジン-1-イル)メチル)-アマトキシン;7'C-((4-(2-(4-(2-(アミノオキシ)アセトアミド)ブタンアミド)
エチル)ピペリジン-1-イル)メチル)-アマトキシン;7'C-((4-(20-(アミノオキシ)-4,19-
ジオクソ-6,9,12,15-テトラオキサ-3,18-ジアザイコシル)ピペリジン-1-イル)メチル)-アマトキシン;7'C-(((2-(6-(2-(アミノオキシ)アセトアミド)-N-メチルヘキサンアミド)エチル)(メチル)アミノ)メチル)-アマトキシン;7'C-(((4-(6-(2-(アミノオキシ)アセトア
ミド)-N-メチルヘキサンアミド)ブチル)(メチル)アミノ)メチル)-アマトキシン;7'C-((3-((6-(4-((マレイミド)メチル)シクロヘキサンカルボキサミド)ヘキサンアミド)メチル)
ピロリジン-1-イル)-S-メチル)-アマトキシン;7'C-((3-((6-(4-((マレイミド)メチル)シクロヘキサンカルボキサミド)ヘキサンアミド)-R-メチル)ピロリジン-1-イル)メチル)-アマトキシン;7'C-((4-(2-(2-ブロモアセトアミド)エチル)ピペラジン-1-イル)メチル)-アマトキシン;7'C-((4-(2-(2-ブロモアセトアミド)エチル)ピペリジン-1-イル)メチル)-アマトキシン;7'C-((4-(2-(3-(ピリジン-2-イルジスルファニル)プロパンアミド)エチル)
ピペリジン-1-イル)メチル)-アマトキシン;6'O-(6-(6-(マレイミド)ヘキサンアミド)ヘ
キシル)-アマトキシン;6'O-(5-(4-((マレイミド)メチル)シクロヘキサンカルボキサミド)ペンチル)-アマトキシン;6'O-(2-((6-(マレイミド)ヘキシル)オキシ)-2-オキソエチル)-アマトキシン;6'O-((6-(マレイミド)ヘキシル)カルバモイル)-アマトキシン;6'O-((6-(4-((マレイミド)メチル)シクロヘキサンカルボキサミド)ヘキシル)カルバモイル)-アマ
トキシン;6'O-(6-(2-ブロモアセトアミド)ヘキシル)-アマトキシン;7'C-(4-(6-(アジド)ヘキサンアミド)ピペリジン-1-イル)-アマトキシン;7'C-(4-(へクス-5-イノイルアミノ)ピペリジン-1-イル)-アマトキシン;7'C-(4-(2-(6-(マレイミド)ヘキサンアミド)エチル)ピペラジン-1-イル)-アマトキシン;7'C-(4-(2-(6-(6-(マレイミド)ヘキサンアミド)ヘ
キサンアミド)エチル)ピペラジン-1-イル)-アマトキシン;6'O-(6-(6-(11,12-ジデヒドロ-5,6-ジヒドロ-ジベンズ[b,f]アゾシン-5-イル)-6-オクソヘキサンアミド)ヘキシル)-ア
マトキシン;6'O-(6-(へクス-5-イノイルアミノ)ヘキシル)-アマトキシン;6'O-(6-(2-(
アミノオキシ)アセチルアミド)ヘキシル)-アマトキシン;6'O-((6-アミノオキシ)ヘキシ
ル)-アマトキシン;及び 6'O-(6-(2-イオドアセトアミド)ヘキシル)-アマトキシン。
いくつかの実施形態では、前記化学的な部分構造Zを、表1から選択する。いくつかの
実施形態では、前記化学的な部分構造Zは、
Figure 2021087368000103

ここで、Sは、CD45に結合する、抗体、又はその抗原結合フラグメント内に存在する反
応性置換基を表す硫黄原子である(例えば、システイン残基の-SH基に由来する)。
いくつかの実施形態では、抗体又はその抗原結合フラグメントとコンジュゲーションさせる前のリンカー-反応性置換基の構造L-Z'は、以下である:
Figure 2021087368000104

いくつかの実施形態では、本出願で開示するアマトキシンは、以下の式を有するリンカー-反応性部分構造-L-Z'にコンジュゲートする:
Figure 2021087368000105

いくつかの実施形態では、本出願で開示するアマトキシンは、以下の式を有するリンカ
ー-反応性部分構造-L-Z'にコンジュゲートする:
Figure 2021087368000106

本出願に記載する組成物及び方法と併せることにおいて、とりわけ有用な、上記のリンカーの部分構造及びアマトキシン-リンカー・コンジュゲートは、例えば、米国特許出願
公開第2015/0218220号及び特許出願公開第WO2017/149077号に記載され、これらの各々の
開示内容は、その全体が本出願に参照により取り込まれる。
抗体-薬物コンジュゲートの調製
本出願で開示するADCにおいて、抗-CD45抗体、又はその抗原結合フラグメントは、本出願で開示するリンカーL及び化学的な部分構造Zを介して、1個以上の細胞毒性薬物部分(D)(例えば、1抗体あたり約1から約20個の薬物部分)にコンジュゲートする。本開示のADCは
、以下を含む、当業者に公知の有機化学反応、条件、及び試薬を使用するいくつかの経路によって調製され得る:(1)抗体、又はその抗原結合フラグメントの反応性置換基を、2価リンカー試薬と反応させて、本出願中上記のようなAb-Z-Lを形成させる、続いて、薬物部分Dと反応させる;又は、(2)薬物部分の反応性置換基を、2価リンカー試薬と反応させて
、D-L-Z'を形成させる、続いて、本出願中上記のような抗体又はその抗原結合フラグメントの反応性置換基と反応させる。ADCを調製するための更なる方法は、本出願に記載する
別の態様において、前記抗-CD45抗体、又はその抗原結合フラグメントは、1つ以上のスルフヒドリル基を導入するために化学的に修飾され得る1つ以上のリジン残基を有する。
次いで、前記ADCを、本出願中上記に記載するように、スルフヒドリル基の硫黄原子を介
してコンジュゲートすることによって形成する。リジンを修飾するために使用することができる試薬としては、限定されるものではないが、N-スクシンイミジルS-アセチルチオアセテート(SATA)及び2-イミノチオラン塩酸塩(Traut’s試薬)が挙げられる。
別の態様において、前記抗-CD45抗体、又はその抗原結合フラグメントは、1つ以上のスルフヒドリル基を有するように化学的に修飾され得る1つ以上の糖鎖部分(carbohydrate groups)を有することがある。次いで、前記ADCを、本出願中上記に記載されるように、ス
ルフヒドリル基の硫黄原子を介してコンジュゲートすることによって形成する。
更に別の態様において、前記抗-CD45抗体は、酸化されてアルデヒド(-CHO)基を提供し
得る1つ以上の糖鎖部分(carbohydrate groups)を有することがある(例えば、Laguzza, et
al., J. Med. Chem. 1989, 32(3), 548-55を参照のこと)。次いで、前記ADCを、本出願
中上記に記載されるように、対応するアルデヒドを介してコンジュゲートすることによって形成する。細胞毒素を結合させる又は会合させるためのタンパク質を改変する他のプロトコールは、Coligan et al., Current Protocols in Protein Science, vol. 2, John Wiley & Sons (2002)に記載されている(本出願に参照により取り込まれる)。
抗体、免疫グロブリン又はそのフラグメント等の細胞をターゲットにするタンパク質に、リンカー-薬物部分をコンジュゲートさせるための方法は、例えば、米国特許第5,208,020号; 米国特許第6,441,163号; WO2005037992; WO2005081711; 及びWO2006/034488に記載されている(これらの全ては、その全体が本出願に明確に参照により取り込まれる)。
或いは、前記抗体及び細胞毒性薬物を含む融合タンパク質を、例えば、組換え技術又はペプチド合成によって、作製することがある。DNAの長さは、互いに隣接した、又は前記
コンジュゲートの所望の特性を破壊しないリンカー・ペプチドをコードする領域によって分離された、前記コンジュゲートの2つの部分をコードするそれぞれの領域を含むことが
ある。
本出願に記載するADCを、種々の投薬形態で患者(例えば、自己免疫疾患又はがんに罹患しているヒト患者)に投与することがある。例えば、本出願に記載するADCを、自己免疫疾患又はがんに罹患している患者に、水溶液(例えば、1種以上の薬学的に許容可能な賦形
剤を含む水溶液等)の形態で投与することがある。本出願に記載する組成物及び方法と共に使用するために好適な薬学的に許容される賦形剤としては、粘度調整剤が挙げられる。前記水溶液を、当該技術分野で公知の技術を使用して滅菌することがある。
本出願に記載するような前記抗-CD45 ADCsを含む医薬製剤は、このようなADCを、1種以上の任意選択的な薬学的に許容可能な担体と混合することによって(Remington's Pharmaceutical Sciences 16th edition, Osol, A. Ed. (1980))、凍結乾燥製剤又は水溶液の形
態で、調製する。薬学的に許容可能な担体は、一般に、使用する用量及び濃度で、レシピエントに対して無毒性であり、これには、限定されるものではないが、以下が挙げられる:リン酸塩、クエン酸塩、及び他の有機酸等のバッファー;アスコルビン酸及びメチオニンを含む酸化防止剤;保存剤(塩化オクタデシルジメチルベンジル・アンモニウム;塩化ヘキサメトニウム;塩化ベンザルコニウム;塩化ベンゼトニウム;フェノール、ブチル若しくはベンジル・アルコール;メチル若しくはプロピル・パラベン等のアルキル・パラベン;カテコール;レゾルシノール;シクロヘキサノール;3-ペンタノール;及びm-クレゾール等);低分子量(約10残基未満)ポリペプチド;血清アルブミン、ゼラチン、若しくは免疫グロブリン等のタンパク質;ポリビニルピロリドンなどの親水性ポリマー;グリシン、グルタミン、アスパラギン、ヒスチジン、アルギニン、若しくはリジンなどのアミノ酸;グルコース、マンノース、若しくはデキストリンなどの、単糖類、二糖類、及び他の糖類;EDTAなどのキレート剤;ショ糖、マンニトール、トレハロース、若しくはソルビトールなどの糖類;ナトリウムなどの塩形成性対イオン;金属錯体(例えば、Zn-タンパク質
錯体);並びに/又はポリエチレン・グリコール(PEG)などの非-イオン性界面活性剤。
治療的な使用
CD45は、造血及び免疫システム全体に広く発現する、重要な細胞表面分子である。本出願に記載するのは、CD45+細胞の減少が有益である症状(例えば、限定されるものではな
いが、白血病及びリンパ腫など)を有する患者、並びに多発性硬化症及び強皮症などの自己免疫疾患を有する患者、を治療するために使用することがある、抗-CD45抗体及び抗-CD45 ADC、である。更に、現在、外因性の造血幹細胞移植片の生着を、これらの細胞の多能性(multi-potency)及び造血機能性が移植後に保存されるように、促進するための組成
物及び方法に対するニーズが存在する。本出願に開示される組成物及び方法によって、こ
の困難な問題に対する解決策が更に提供される。
本出願に記載する抗-CD45抗体、その結合フラグメント、及びADCを用いてCD45をターゲティングすることによって、広く、造血幹細胞(HSC)及び白血球の両方を減少させること
ができる(CD45は汎白血球マーカーである)。従って、ある特定の実施形態では、本出願は、対象において、免疫をリセットするための方法(前記対象はそれを必要とする)、を提供する。例えば、本出願に記載する抗-CD45抗体又はADCを、疾患を引き起こす白血球に関連する疾患(例えば、自己免疫疾患)を有する患者に投与することによって、前記疾患を引き起こす白血球が(HSCと共に)除去されることがある、次いで、前記患者は、その後
に移植されたHSCに由来する新たな免疫システムを構築することがある。
本出願に記載するCD45特異的抗体及びADCの更なる利点は、非-ターゲティングな、高い毒性の化学療法とは対照的に、赤血球細胞が一般にCD45を発現しないことを考慮すると、赤血球細胞は、前記患者において影響を受けないはずである、ということである。
従って、様々な障害(例えば、特に、造血系列における細胞型の疾患、がん、自己免疫疾患、代謝障害、幹細胞障害など)を治療する方法を、本出願で更に開示する。本出願に記載する組成物及び方法によって、(i)がん細胞(例えば、白血病細胞)及び自己免疫細胞(例えば、自己反応性T-細胞)の集団等の、病態を引き起こす細胞の集団を直接的に減少さ
せることができる、及び/又は(ii)移植した細胞がホーミングすることができるニッチを提供することによって、移植した造血幹細胞の生着が促進されるように、内因性の造血幹細胞の集団を減少させることができる。上記の活性は、疾患を引き起こす内因性の細胞又は造血幹細胞に結合し得る、抗-CD45 ADC、抗体、又はその抗原結合フラグメントを投与
することによって得られる。疾患を直接治療する場合、この投与によって、注目する病態を生じさせる細胞の量を減少させることができる。造血幹細胞移植療法に備えて、患者に対して準備をする場合においては、この投与によって、内因性の造血幹細胞の集団は選択的に減少し、それによって、骨髄のような造血組織中に空きが作り出され、その空きは、次いで、移植した外因性の造血幹細胞で埋められることがある。CD45に結合することができる、本出願に記載する、ADC、抗体、又はその抗原結合フラグメントを患者に投与し、
上記の活性の両方の効果を得ることができる。免疫細胞(例えば、造血幹細胞)が発現するCD45抗原に結合するADC、抗体、又は抗原結合フラグメントを、がん性細胞又は自己免
疫細胞の集団を直接的に減少させるために、がん、又は自己免疫疾患に罹患している患者に投与することがある、並びに、移植した造血幹細胞の生存及び生着能を促進させるために、造血幹細胞移植療法を必要とする患者に投与することもある。
本出願に記載する場合、造血幹細胞移植療法は、1種以上の血液細胞型を生着させる又
は再生着させるために、治療を必要とする対象に処方され得る。造血幹細胞は、一般に多能性(multi-potency)を示し、従って、限定されるものではないが、顆粒球(例えば、
前骨髄球、好中球,好酸球、好塩基球)、赤血球(例えば、網状赤血球、赤血球)、血小板(thrombocytes)(例えば、巨核芽球、血小板(platelet)産生巨核球、血小板(platelets))、単球(例えば、単球、マクロファージ)、樹状細胞、ミクログリア、破骨細胞、及びリンパ球(例えば、NK細胞、B-細胞及びT-細胞)等を含む、複数の様々な血液系列に分化することができる。造血幹細胞は、更に自己複製能を有し、従って、母細胞と同等の可能性を有する娘細胞を生じさせることができ、また、移植レシピエントに再導入され、造血幹細胞ニッチにホーミングし、生産的で持続的な造血を再確立する作用能、を特徴とする。
従って、造血系列の1種以上の細胞型において欠陥のある又は欠損した患者に、in vivoで、欠陥のある又は欠損した細胞集団を再構成するために、造血幹細胞を投与することがあり、それによって、内因性の血液細胞集団における欠陥又は欠損に関連する病態を治療することができる。従って、本出願に記載する組成物及び方法を、非-悪性異常ヘモグロ
ビン症(例えば、鎌状赤血球貧血、サラセミア、ファンコニ貧血、再生不良性貧血、及び
ウィスコット-アルドリッチ症候群からなる群より選択される異常ヘモグロビン症)を治療するために、使用することがある。更に、又は代わりに、本出願に記載する組成物及び方法を、先天性免疫不全症等の免疫不全症を治療するために使用することがある。更に、又は代わりに、本出願に記載する組成物及び方法を、後天性免疫不全症(例えば、HIV及びAIDSからなる群より選択される後天性免疫不全症)を治療するために使用することがある。
本出願に記載する組成物及び方法を、代謝障害(例えば、グリコーゲン蓄積症、ムコ多糖
症、ゴーシェ病、ハーラー病、スフィンゴ脂質症、及び異染性白質ジストロフィー、からなる群より選択される代謝障害)を治療するために使用することがある。
更に、又は代わりに、本出願に記載する組成物及び方法を使用して、悪性腫瘍又は増殖性障害、例えば血液がん、骨髄増殖性疾患、を治療することができる。がん治療の場合、本出願に記載する組成物及び方法を、造血幹細胞移植療法の前に内因性の造血幹細胞の集団を減少させるように患者に投与してもよく、その場合、移植した細胞は、内因性の細胞を減少させるステップによって作り出されたニッチにホーミングし、生産的な造血を確立することができる。これによって、今度は、全身性の化学療法の過程のようながん細胞を根絶させる過程で減少した細胞の集団を再構成することができる。本出願に記載する組成物及び方法を用いて治療することができる例示的な血液がんには、限定されるものではないが、急性骨髄性白血病、急性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、慢性リンパ性白血病、多発性骨髄腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、及び非-ホジキン・リンパ腫(non-Hodgkin’s lymphoma)、並びに神経芽細胞腫を含む他のがん症状が含まれる。
本出願に記載する組成物及び方法で治療することができる更なる疾患としては、限定されるものではないが、アデノシン・デアミナーゼ欠損症及び重度複合免疫不全症、高免疫グロブリンM症候群、チェディアック-東病、遺伝性リンパ組織球症、大理石骨病、骨形成不全症、貯蔵疾患、サラセミア・メジャー、全身性硬化症、全身性エリテマトーデス(systemic lupus erythematosus)、多発性硬化症、並びに若年性関節リウマチが挙げられる。
本出願に記載する抗体、又はその抗原結合フラグメント、及びコンジュゲートを使用して、固形臓器の移植トレランスを誘導することがある。例えば、本出願に記載する組成物及び方法を使用して、ターゲット組織から細胞の集団を減少させる、又は欠損させることがある(例えば、骨髄幹細胞ニッチから造血幹細胞を減少させる)。前記ターゲット組織から細胞をこのように減少させた後、臓器ドナーからの幹細胞又は前駆細胞の集団(例えば
、臓器ドナー由来の造血幹細胞)を移植レシピエントに投与することがある。そしてこの
ような幹細胞又は前駆細胞が生着した後では、一時的な又は安定な混合キメラとなり、これにより、免疫抑制剤を更に必要とすることなく、長期の移植臓器トレランスが可能になる。例えば、本出願に記載する組成物及び方法を使用して、固形臓器の移植レシピエントにおいて移植トレランスを誘導することがある(例えば、とりわけ、腎臓移植、肺移植、
肝臓移植、及び心臓移植)。本出願に記載する組成物及び方法は、例えば、一時的な又は
安定なドナーの生着が低割合でも、移植した臓器の長期トレランスが十分に誘導されるので、固形臓器の移植トレランスを誘導することに関連して使用する目的に十分に適している。
更に、本出願に記載する組成物及び方法を使用して、CD45+である細胞を特徴とするが
ん等のがんを直接的に治療することがある。例えば、本出願に記載する組成物及び方法を使用して、白血病(例えば、CD45+白血病細胞を示す患者における白血病)を治療するこ
とがある。CD45+がん性細胞(例えば、白血病性細胞)を減少させることによって、本出願
に記載する組成物及び方法を使用して、種々のがんを直接的に治療することができる。この様式で治療することがある例示的ながんとしては、急性骨髄性白血病、急性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、慢性リンパ性白血病、多発性骨髄腫、びまん性大細胞型B細胞
リンパ腫、及び非-ホジキン・リンパ腫(non-Hodgkin’s lymphoma)のような血液がんが挙げられる。
更に、本出願に記載する組成物及び方法を使用して、自己免疫障害を治療することがある。例えば、抗体、又はその抗原結合フラグメントを、CD45+免疫細胞を傷害するために
、自己免疫障害に罹患しているヒト患者のような対象に投与することがある。例えば、CD45+免疫細胞は、自己抗原に特異的に結合するT-細胞レセプターを発現する、及び自己抗
原に対して免疫反応を開始する、T-細胞のような自己反応性リンパ球であることがある。自己反応性CD45+細胞を減少させることによって、本出願に記載する組成物及び方法を使
用して、以下に記載されるような自己免疫性の病態を治療することがある。更に、又は代わりに、本出願に記載する組成物及び方法を使用して、造血幹細胞移植療法の前に、内因性の造血幹細胞の集団を減少させることによって、自己免疫疾患を治療することがあり、その場合、移植した細胞は、内因性の細胞を減少させるステップによって作り出されたニッチにホーミングし、生産的な造血を確立することができる。これによって、今度は、自己免疫細胞を根絶させる間に減少した細胞の集団を再構成させることができる。
本出願に記載する組成物及び方法を用いて治療することができる自己免疫疾患としては、限定されるものではないが、乾癬、乾癬性関節炎、1型糖尿病(1型糖尿病)、関節リウマチ(RA)、ヒト全身性エリテマトーデス(SLE)、多発性硬化症(MS)、炎症性腸疾患(IBD)、リンパ球性大腸炎、急性散在性脳脊髄炎(ADEM)、アジソン病、汎発性脱毛症、強直性脊椎炎、抗リン脂質抗体症候群(APS)、再生不良性貧血、自己免疫性溶血性貧血、自己免疫性肝
炎、自己免疫性内耳疾患(AIED)、自己免疫性リンパ増殖症候群(ALPS)、自己免疫性卵巣炎、バロー病、ベーチェット病、水疱性類天疱瘡、心筋症、シャーガス病、慢性疲労免疫不全症候群(CFIDS)、慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチー、クローン病、瘢痕性類天疱瘡
、セリアック・スプルー疱疹状皮膚炎、寒冷凝集素症、CREST症候群、デゴス病、円板状
エリテマトーデス、自律神経障害、子宮内膜症、本態性混合型クリオグロブリン血症、線維筋痛症-線維筋炎、グッドパスチャー症候群、グレーブス病、ギラン-バレー症候群(GBS)、橋本甲状腺炎、化膿性汗腺炎、特発性及び/又は急性血小板減少性紫斑病、特発性肺線維症、IgAニューロパチー、間質性膀胱炎、若年性関節炎、川崎病、扁平苔癬、ライム
病、メニエール病、混合性結合組織病(MCTD)、重症筋無力症、ニューロミオトニア、オプソクローヌス・ミオクローヌス症候群(OMS)、視神経炎、オルド甲状腺炎(Ord's thyroiditis)、尋常性天疱瘡、悪性貧血、多発軟骨炎、多発性筋炎及び皮膚筋炎、原発性胆汁性肝硬変、結節性多発動脈炎、多内分泌腺症候群、リウマチ性多発筋痛症、原発性無ガンマグロブリン血症(primary agammaglobulinemia)、レイノー現象、ライター症候群、リウマチ熱、サルコイドーシス、強皮症、シェーグレン症候群、スティッフ・パーソン症候群、高安動脈炎、側頭動脈炎(巨細胞性動脈炎としても知られる)、潰瘍性大腸炎、膠原線維性大腸炎、ぶどう膜炎、血管炎、白斑、外陰部痛(外陰部前庭炎)、及びヴェーゲナー肉芽腫症、が挙げられる。
いくつかの実施形態では、前記移植片は同種異系である。いくつかの実施形態では、前記移植片は自家である。
いくつかの実施形態では、前記移植は、骨髄移植、末梢血移植、又は臍帯血移植である。
いくつかの実施形態では、前記移植片は、造血細胞(例えば、造血幹細胞)を含む。
本出願に記載する実施形態の何れにおいても、前記移植片は、任意の固形臓器又は皮膚移植片であることがある。いくつかの実施形態では、前記移植を、腎移植、心臓移植、肝臓移植、膵臓移植、肺移植、小腸移植、及び皮膚移植からなる群より選択する。
本出願に記載する抗体、その抗原結合フラグメント、又はADCを、種々の投薬形態で患
者(例えば、がん、自己免疫疾患に罹患しているか、又は造血幹細胞移植療法を必要とす
るヒト患者)に投与することがある。例えば、本出願に記載する抗体、その抗原結合フラ
グメント、又はADCを、がん、自己免疫疾患に罹患しているか、又は造血幹細胞移植療法
を必要とする患者に、水溶液(例えば、1種以上の薬学的に許容可能な賦形剤を含む水溶
液等)の形態で投与することがある。本出願に記載する組成物及び方法と共に使用するための薬学的に許容される賦形剤としては、粘度調整剤が挙げられる。前記水溶液を、当該技術分野で公知の技術を使用して滅菌することがある。
抗-CD45抗体、又はそのコンジュゲート(例えば、本出願に記載のADC)を含む医薬製剤を、そのような抗体又はADCを、1種以上の任意選択的な薬学的に許容可能な担体と混合することによって(Remington's Pharmaceutical Sciences 16th edition, Osol, A. Ed. (1980))、凍結乾燥製剤又は水溶液の形態で、調製する。薬学的に許容可能な担体は、一般
に、使用する用量及び濃度で、レシピエントに対して無毒性であり、これには、限定されるものではないが、以下が挙げられる:リン酸塩、クエン酸塩、及び他の有機酸等のバッファー;アスコルビン酸及びメチオニンを含む酸化防止剤;保存剤(塩化オクタデシルジメチルベンジル・アンモニウム;塩化ヘキサメトニウム;塩化ベンザルコニウム;塩化ベンゼトニウム;フェノール、ブチル若しくはベンジル・アルコール;メチル若しくはプロピル・パラベン等のアルキル・パラベン;カテコール;レゾルシノール;シクロヘキサノール;3-ペンタノール;及びm-クレゾール等);低分子量(約10残基未満)ポリペプチド;血清アルブミン、ゼラチン、若しくは免疫グロブリン等のタンパク質;ポリビニルピロリドンなどの親水性ポリマー;グリシン、グルタミン、アスパラギン、ヒスチジン、アルギニン、若しくはリジンなどのアミノ酸;グルコース、マンノース、若しくはデキストリンなどの、単糖類、二糖類、及び他の糖類;EDTAなどのキレート剤;ショ糖、マンニトール、トレハロース、若しくはソルビトールなどの糖類;ナトリウムなどの塩形成性対イオン;金属錯体(例えば、Zn-タンパク質錯体);並びに/又はポリエチレン・グリコール(PEG)などの非-イオン性界面活性剤。
本出願に記載の抗体、抗原結合フラグメント、又はADCを、経口、経皮、皮下、鼻腔内
、静脈内、筋肉内、眼内、又は非経口等の様々な経路によって投与することがある。任意の所与のケースにおいて、投与に最も適した経路は、投与する特定の抗体、又は抗原結合フラグメント、患者、医薬製剤化方法、投与方法(例えば、投与時刻及び投与経路)、患者の年齢、体重、性別、治療する疾患の重症度、患者の食事、及び患者の排泄速度に依存する。
本出願に記載の抗体、その抗原結合フラグメント、の有効用量は、例えば、単回(例え
ば、ボーラス)投与、複数回投与、又は持続投与あたりで、体重に関して約0.001から約100 mg/kgの範囲にすることで、前記抗体、その抗原結合フラグメントは、最適な血中濃度(例えば、0.0001から5000 μg/mLの血中濃度)になることがある。前記用量を、がん、自己免疫疾患に罹患している対象(例えば、ヒト)、又は造血幹細胞移植を受けることに備えてコンディショニング療法を受けている対象(例えば、ヒト)に、1日、1週間、又は1ヶ月あ
たり1回以上(例えば、2から10回)、投与することがある。造血幹細胞移植前におけるコンディショニング手順の場合では、前記抗体、又はその抗原結合フラグメントを、外因性の造血幹細胞の生着が最適に促進されるタイミングで、例えば、外因性の造血幹細胞の移植片を投与する1時間から1週間(例えば、1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、11時間、12時間、13時間、14時間、15時間、16時間、17時間、18時間、19時間、20時間、21時間、22時間、23時間、24時間、2日、3日、4日、5日、6
日、若しくは7日)又はそれ以上前に、前記患者に投与することがある。
本出願で開示する方法を使用して、当業者である医師は、造血幹細胞移植療法を必要とするヒト患者に、造血幹細胞が発現するCD45に結合することができるADC、抗体、又はそ
の抗原結合フラグメントを投与することがある。この様式では、外因性の造血幹細胞移植片を投与する前に、前記造血幹細胞移植片の生着が促進されるように、内因性の造血幹細胞の集団を、減少させることがある。前記抗体を、本出願に記載するか、又は当該技術分野で公知の細胞毒性分子のような毒素に、共有結合的にコンジュゲートさせることがある。例えば、抗-CD45抗体、又はその抗原結合フラグメントを、細胞毒素(例えば、シュードモナス外毒素A、deブーガニン、ジフテリア毒素、アマトキシン、例えばγ-アマニチン、α-アマニチン、サポリン、メイタンシン、メイタンシノイド、アウリスタチン、アント
ラサイクリン、カリケアマイシン、イリノテカン、SN-38、デュオカルマイシン、ピロロ
ベンゾジアゼピン、ピロロベンゾジアゼピン二量体、インドリノベンゾジアゼピン、及びインドリノベンゾジアゼピン二量体、又はそれらのバリアント)に、共有結合的にコンジ
ュゲートさせることがある。このコンジュゲートを、本出願に記載するか、又は当該技術分野で公知の共有結合形成技術を使用して実施することがある。その後、前記抗体、その抗原結合フラグメント、又は薬物-抗体コンジュゲートを、外因性の造血幹細胞(例えば、自己、同系、又は同種異系造血幹細胞等)を前記患者に移植する前に、例えば、静脈内投
与によって前記患者に投与することがある。
前記抗-CD45抗体、その抗原結合フラグメント、又はADCを、ターゲットCD45発現細胞の量を減少させるのに充分な量で、投与することがある。例えば、前記抗-CD45抗体、その
抗原結合フラグメント、又はADCを、骨髄及び/又は末梢血中の内因性CD45+細胞の量を、例えば、約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、又はそれ以上、減少させるのに充分な量で投与することがある。いくつかの実施形態では、前記抗-CD45抗体、
その抗原結合フラグメント、又はADCを、造血幹細胞移植療法の前に、内因性の造血幹細
胞の量を、例えば、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、又はそれ以上、減少させるのに十分な量で、投与することがある。コンディショニング療法中に、様々な間隔で、前記患者から採取した血液サンプル中の、特徴的な造血幹細胞表面抗原を発現する細胞をFACS解析する等の、当該技術分野で公知の従来の技術を用いて、造血幹細胞数の減少を、モニターすることがある。例えば、当業者である医師は、コンディショニング療法中の様々な時点で患者から血液サンプルを採取し、造血幹細胞マーカー抗原に結合する抗体を使用するFACS解析を実施することで前記サンプル中の造血幹細胞の相対的な濃度を解明することによって、内因性の造血幹細胞が減少した程度を測定することがある。いくつかの実施形態によれば、抗-CD45抗体、その抗原結合フラグメント、又はADCを用いたコンディショニング療法に応答して、造血幹細胞の濃度が最低値に達した場合、前記医師は、前記コンディショニング療法を終了することがあり、造血幹細胞移植療法に備えて、前記患者に対して、準備を開始することがある。
抗-CD45抗体、その抗原結合フラグメント、又はADCを、1種以上の薬学的に許容可能な
賦形剤(例えば、粘度調整剤など)を含む水溶液として、前記患者に投与することがある。前記水溶液を、本出願に記載する、又は当技術分野で公知の技術を使用して、滅菌することがある。例えば、前記患者に造血幹細胞移植片を投与する前に、前記抗体、その抗原結合フラグメント、又は薬物-抗体コンジュゲートを、前記患者に、例えば、0.001 mg/kgから100 mg/kg、の用量で投与することがある。1つの実施形態では、前記抗体、その抗原結合フラグメント、又は薬物-抗体コンジュゲートを、約0.1 mg/kgから約0.3 mg/kgの用量
で、前記患者に投与することがある。1つの実施形態では、前記抗体、その抗原結合フラ
グメント、又は薬物-抗体コンジュゲートを、約0.15 mg/kgから約0.3 mg/kgの用量で、前記患者に投与することがある。1つの実施形態では、前記抗体、その抗原結合フラグメン
ト、又は薬物-抗体コンジュゲートを、約0.15 mg/kgから約0.25 mg/kgの用量で、前記患
者に投与することがある。1つの実施形態では、前記抗体、その抗原結合フラグメント、
又は薬物-抗体コンジュゲートを、約0.2 mg/kgから約0.3 mg/kgの用量で、前記患者に投
与することがある。1つの実施形態では、前記抗体、その抗原結合フラグメント、又は薬
物-抗体コンジュゲートを、約0.25 mg/kgから約0.3 mg/kgの用量で、前記患者に投与することがある。いくつかの実施形態では、前記抗体、その抗原結合フラグメント、又は薬物-抗体コンジュゲートを、約0.1 mg/kg、0.2 mg/kg、0.3 mg/kg、0.4 mg/kg、0.5 mg/kg、0.6 mg/kg、0.7 mg/kg、0.8 mg/kg、0.9 mg/kg、又は1.0 mg/kgの用量で、前記患者に投
与することがある。
他の実施形態では、前記抗体、その抗原結合フラグメント、又は薬物-抗体コンジュゲ
ートを、前記患者に、約 0.001 mg/kgから約 10 mg/kg, 約 0.01 mg/kgから約 9.5 mg/kg, 約 0.1 mg/kgから約 9 mg/kg, 約 0.1 mg/kgから約 8.5 mg/kg, 約 0.1 mg/kgから約 8
mg/kg, 約 0.1 mg/kgから約 7.5 mg/kg, 約 0.1 mg/kgから約 7 mg/kg, 約 0.1 mg/kgから約 6.5 mg/kg, 約 0.1 mg/kgから約 6 mg/kg, 約 0.1 mg/kgから約 5.5 mg/kg, 約 0.1
mg/kgから約 5 mg/kg, 約 0.1 mg/kgから約 4.5 mg/kg, 約 0.1 mg/kgから約 4 mg/kg, 約 0.5 mg/kgから約 3.5 mg/kg, 約 0.5 mg/kgから約 3 mg/kg, 約 1 mg/kgから約 10 mg/kg, 約 1 mg/kgから約 9 mg/kg, 約 1 mg/kgから約 8 mg/kg, 約 1 mg/kgから約 7 mg/kg, 約 1 mg/kgから約 6 mg/kg, 約 1 mg/kgから約 5 mg/kg, 約 1 mg/kgから約 4 mg/kg,
又は、約 1 mg/kgから約 3 mg/kgの用量で、投与することがある。
ある特定の実施形態では、外因性の造血幹細胞の生着が最適に促進されるタイミングで、例えば、外因性の造血幹細胞の移植片を投与する前の約1時間から約1週間 (例えば、約1時間, 2 時間, 3 時間, 4 時間, 5 時間, 6 時間, 7 時間, 8 時間, 9 時間, 10 時間, 11 時間, 12 時間, 13 時間, 14 時間, 15 時間, 16 時間, 17 時間, 18 時間, 19 時間,
20 時間, 21 時間, 22 時間, 23 時間, 24 時間, 2日, 3日, 4日, 5日, 6日, 若しくは7日)に、又はそれ以上前に、抗-CD45抗体、その抗原結合フラグメント、又はADCを、前記
患者に、投与することがある。
コンディショニング療法が終了した後、前記患者は、次に、例えば、前記コンディショニング療法を実施した同一の医師、又は別の医師から、外因性の造血幹細胞の注射投与(例えば、静脈内注射投与)を受けることがある。前記医師は、前記患者に、自己の、同系の、同種異系の造血幹細胞の注射投与を、例えば、約1×103から約1×109造血幹細胞/kg
の投薬量で、投与することがある。前記医師は、前記移植片を投与した後に、例えば、前記患者から血中サンプルを採取することにより、及び造血幹細胞又は造血系列の細胞(例えば、巨核球, 血小板(thrombocytes)、血小板(platelets)、赤血球、マスト細胞、骨髄
芽球、好塩基球、好中球、好酸球、ミクログリア、顆粒球、単球、破骨細胞、抗原提示細胞、マクロファージ、樹状細胞、ナチュラル・キラー細胞、T-リンパ球、及びB-リンパ球など)の濃度が増加していることを測定することにより、造血幹細胞の移植片が生着していることをモニタリングすることがある。この解析を、例えば、造血幹細胞移植療法の後の約1時間から約6月に、又はそれより後に(例えば、約1時間, 2時間, 3時間, 4時間, 5
時間, 6時間, 7時間, 8時間, 9時間, 10時間, 11時間, 12時間, 13時間, 14時間, 15時間, 16時間, 17時間, 18時間, 19時間, 20時間, 21時間, 22時間, 23時間, 24時間, 2日, 3日, 4日, 5日, 6日, 7日, 2週, 3週, 4週, 5週, 6週, 7週, 8週, 9週, 10週, 11週, 12週, 13週, 14週, 15週, 16週, 17週, 18週, 19週, 20週, 21週, 22週, 23週, 24週, 又はより後に)、行うことがある。造血幹細胞又は造血系列の細胞の濃度が、前記移植療法の後
に、移植療法の前の対応する細胞型の濃度と比較して、増加した(例えば、約1%, 2%, 3%, 4%, 5%, 6%, 7%, 8%, 9%, 10%, 20%, 30%, 40%, 50%, 60%, 70%, 80%, 90%, 100%, 200%, 500%増加した、又はより増加した)ことが見られたら、抗-CD45抗体、若しくはその抗原結合フラグメント、又はADCを使った治療によって、移植した造血幹細胞移植片の生着
を促進することに成功したことが、示されたことになる。前記のことをまた、CD45細胞を減少させることに関連した治療法、例えば、自己免疫疾患を治療するために、又は血液がんを治療するために、HSC及び免疫細胞を減少させること、に使用することもある。
抗-CD45抗体、その抗原結合フラグメント、又はADCを投与することにより、造血幹細胞の移植片が生着することを、種々の実験的な測定において明らかにすることができる。例えば、移植した造血幹細胞が生着することは、抗-CD45抗体、又はその抗原結合フラグメ
ントを投与し、及び続いて造血幹細胞の移植片を投与した後に、患者の骨髄内に存在する競合的再生着ユニット(competitive repopulating unit (CRU))の量を評価することに
よって評価することができる。更に、ドナーの造血幹細胞をトランスフェクトするベクターに、蛍光産物、発色産物、又は発光産物を生じさせる化学反応を触媒する酵素等のレポーター遺伝子を組み込み、続いて、これに対応するシグナルを、骨髄等の前記造血幹細胞がホーミングした組織中でモニターすることによって、造血幹細胞の移植片が生着することを観察することができる。また、例えば、当該技術分野で知られている蛍光活性化細胞選別(fluorescence activated cell sorting(FACS))解析方法によって測定するように、
造血幹細胞及び造血前駆細胞の量及び生存性を評価することによって、造血幹細胞が生着することを観察することもできる。また、生着は、移植後の期間中に、末梢血中の白血球細胞数を測定することによって、及び/又は骨髄吸引サンプル中のドナー細胞による骨髄細胞の回収率を測定することによって、測定することもできる。
以下の実施例を、本出願に記載する組成物及び方法をどのように使用し、作成し、及び評価することがあるか、ということに関して、当業者に説明するために提示する、並びに、以下の実施例は、純粋に本発明の例示であり、本発明者らが発明とみなす範囲を限定することを、意図していない。
実施例1.抗-CD45抗体Ab1-Ab7の同定
完全ヒト・ライブラリーをスクリーニングし、抗-ヒトCD45抗体Ab1、Ab2、Ab3、Ab4、Ab5、Ab6、及びAb7を同定した。前記の抗体の各々は、CD45発現細胞上で、内部に取り込まれることが可能であった。ライブラリーのスクリーニングに際しての更なる詳細、及び得られる抗体を、以下の実施例において記載する。
酵母ディスプレイ
完全ヒト抗体(天然又は合成の何れか)をディスプレイする酵母ディスプレイ・ライブラリーを、ヒトCD45(アイソフォームCD45RABC;Uniprot: P08575-3)及び非-ヒト霊長類(non-human primate (NHP))CD45、の外部ドメインへの結合について、スクリーニングした
。組換えCD45抗原に結合する抗体をコードする酵母細胞を選択した。その選択した酵母細胞由来の抗体を表す核酸配列を、当技術分野で公知の手法によって単離した。
特に、前記スクリーニングを行って、ヒト及びNHPに交差反応性の抗-CD45抗体を同定した。最初のスクリーニングでは、約55個の抗体が得られたが、これらはヒトCD45に対してのみ結合し、NHP CD45抗原に対しては、交差反応性ではなかった。2回目のスクリーニン
グでは、82個のヒト反応性クローンが得られ、そのうちの17個は、ヒトCD45及びアカゲザルCD45に対して、反応性を示し、そのうち8個は、ヒト、アカゲザル及びカニクイザルのCD45組換え抗原に対して、3重の交差反応性を示した。
8個の3重交差反応性(ヒト、アカゲザル、カニクイザルのCD45に反応性)抗体の中から、CDR3 重鎖配列が異なる4個のヒトIgG抗体を、重鎖及び軽鎖内のCDR1、CDR2、CDR3の配列
を多様化させることによる、及び当技術分野で公知の方法に従って親和性を改善するために選択することによる、親和性を更に改善するための親和性成熟を、数ラウンド行うために、選択した。続いて、4個のインプット抗体を親和性成熟させた後に、改善された親和
性及びバリアント配列を有する全部で55個のヒトIgG抗体を、同定した。親和性成熟のプ
ロセスにインプットした4個の親抗体から、1個の抗体だけが、ヒトの及びカニクイザルの
末梢血単核細胞(PBMC)に対して実施した結合アッセイにより、生細胞上で真の交差反応性クローンであることが検証された、娘バリアントを生成した(図1参照)。
図1に示すように、Ab1に由来する娘バリアントは、Octet結合アッセイによって評価した場合、親抗体と比較して、ヒトCD45への結合が改善されていた。また、Ab1由来の親和
性成熟させた娘バリアントは、ヒトCD45及びカニクイザルCD45との種間交差反応性を示した(図1)。対照的に、他の3個の親抗体に由来する抗体は、交差反応性に乏しかった(図1)。
Ab1に由来する選択した娘バリアントを発現させ、得られた抗体を更にスクリーニング
して、CD45を発現する細胞上で、内部に取り込まれることが可能な抗-CD45抗体を同定し
た。抗体ディスプレイ・ライブラリーを生成する際に、及びスクリーニングする際に、使用するのに適した例示的な方法及び試薬は、例えば、Boder E.T. and Wittrup K.D., Yeast surface display for directed evolution of protein expression, affinity, and stability, Methods Enzymol, 328:430-44 (2000) 及びBoder E.T. and Wittrup K.D., Yeast surface display for screening combinatorial polypeptide libraries, Nat Biotechnol. 15(6):553-7 (June 1997)、に記載されている。
前記のスクリーニング・プロセスから、所望の抗原及び生細胞結合特性に基づいて、親和性成熟の前に同定された1個の抗体(Ab1)、及び親和性成熟の後の4個(Ab2、Ab3、Ab4、
及びAb6)を含む、5個のヒトIgG抗体を選択した。その後、部位特異的置換をAb4に導入し
、Ab5を生成した。同様に、部位特異的置換をAb3に導入して、Ab7を生成した。その7個の選択した抗体の、重鎖及び軽鎖の、可変領域及びCDR領域の、アミノ酸配列を表27に示
す。その7個の抗体としては、以下が含まれる:抗体1(Ab1)、抗体2(Ab2)、抗体3(Ab3)、
抗体4(Ab4)、抗体5(Ab5)、抗体6(Ab6)、及び抗体7(Ab7)。
Ab1-7についての更なる特性評価を、実施例2から14に記載する。
実施例2.抗-CD45抗体のin vitro安定性解析
実施例1で同定した抗体の安定性を、種々のストレス条件下で評価した。これらの試験によって、抗体の不均一性及び/又は結合に影響を及ぼし得る翻訳後修飾が形成され易い、VH/VL骨格及びCDRアミノ酸を同定した。
Ab3及びAb4を、4℃、25℃、及び40℃で、15日間インキュベートすることによって、2週間の安定性アッセイを行い、その後、その抗体を親水性相互作用クロマトグラフィー(hydrophilic interaction chromatography (HIC))によって分析した。簡潔には、25マイクログラムの示した抗体を、Waters ARC HPLC/UPLCシステムに備えた、Tosoh TSKgel Phenyl-5PW 7.5mm ID×7.5 cm 10-ミクロン・カラム(カタログ#07573)にインジェクトした。本抗体のHIC溶出プロフィールは、熱ストレスに応じて増加する比較的親水性のプレ-ピークを示した。この親水性プレ-ピークは、翻訳後修飾(例えば、酸化又は脱アミド化)の可能
性が有る部位を示した。続いて、ペプチド・マッピングを行って、ストレス(高pH、低pH
、及び酸化ストレス)に曝露した際に、それぞれの抗体においてどのアミノ酸が修飾され
たかを同定した。前記ペプチド・マッピング解析により、高pH条件(例えば、pH 8以上)に反応して、CDR-L1におけるアスパラギン(N30位置)が、脱アミド化を受ける可能性がある
部位であること、を同定した。
親和性成熟後に同定された他のクローンを比較すると、CDR-L1のN30位置で、セリンが
許容される可能性が示唆された。従って、CDR-L1中のアスパラギン(例えば、位置30Bで)
をセリンで置換した、Ab3及びAb4のバリアントを生成した。得られた抗体を、それぞれAb7及びAb5と命名した。脱アミド化種に対応するプレ-ピークは、高pH処理に暴露した後のA
b5のHICプロフィールにおいては観察されず、この置換によって、この脱アミド化の可能
性がある部位が除去されることが確認された。
実施例3.抗-CD45抗体のin vitro結合解析
実施例1及び2に記載された抗体を試験して、それらの結合特性を、ヒトCD45に関して、決定し、アカゲザルの及びカニクイザルのCD45との交差反応能を評価した。
抗体結合試験を、バイオレイヤー干渉法(BLI)を用いて、Pall ForteBio Octet Red96を用いて、0.1% w/vウシ血清アルブミンを添加した1×PBS中、25℃で、行った。精製したヒト抗体をそれぞれ、抗-ヒトFcバイオセンサー(AHQ; Pall ForteBio 18-5001)上に固定化
し、親和性成熟させたクローンAb2-Ab7については、50nMの精製したヒトの、アカゲザル
の又はカニクイザルのCD45の外部ドメインと、並びに親クローンAb1については、100nMのヒトCD45及び300nMのアカゲザルの又はカニクイザルのCD45と、一緒にインキュベートし
た。
精製したヒトの、アカゲザルの又はカニクイザルのCD45の外部ドメインに対する、それぞれのIgGに関して、ForteBioデータ解析ソフトウエア・バージョン10によって計算する
、1:1結合モデルを用いて、局所完全フィッティングによって、見かけ上の一価親和性(KD)、見かけ上の結合速度(KON)、及び見かけ上の解離速度(KOFF)を、決定した。それぞれの抗体についての、KD、KON、及びKdisを表2に示す。親和性成熟させた娘クローン(Ab2-Ab7)は、親クローンAb1と比較して、ヒトCD45への結合が改善していることが示された。更
に、これらの結果は、Ab5及びAb7の、N_30_S置換によって、CD45結合は変化しなかったことを示す。特に、選択した抗体Ab2-Ab7の各々は、ヒトの、カニクイザルの、及びアカゲ
ザルのCD45と交差反応することが可能であった。結合は、用いて確認した
Figure 2021087368000107
実施例4.抗-CD45抗体のin vitro REH及びPBMC細胞結合活性
実施例1及び2において同定した選択抗-CD45抗体(Ab5及びAb7)のin vitro REH及びPBMC細胞結合を、この実施例において、評価した。それぞれの抗体のFc領域を、アミノ酸置
換D265C LALA H435Aで改変した。
細胞培養培地中の、REH-1(B細胞非-ホジキン・リンパ腫(non-Hodgkin's lymphoma)細
胞株、ATCC No. CRL-3004)細胞又は初代ヒト又はカニクイザル末梢血単核細胞(PBMC)を
、Ab5及びAb7の用量を漸増させて、37度で、一晩、インキュベートした。結合した抗-CD45抗体を、フロー・サイトメトリーを用いて、AF488蛍光標識した抗-ヒトIgG二次抗体で検出した。そのデータを、GraphPad Prismを用いてフィッティングすることによって、IC50を決定した。
表3及び図2に示すように、Ab5及びAb7は、ヒトPBMC及びカニクイザルPBMC間で、同様のIC50を示し、生きた細胞上で、ヒトCD45及びカニクイザルCD45に対する交差反応性結合を示した。前記抗体はまた、ヒトCD45を発現するREH-1細胞株に対する強力な結合も示し
た。
Figure 2021087368000108
実施例5.エピトープ・マッピング
実施例1及び2において同定した抗-CD45抗体(Ab5)が結合するエピトープを、クロスリンキング質量分析を用いてマッピングした。クロスリンキング実験を行うことにより、High-Mass MALDI質量分析による非-共有結合性の相互作用を直接的に解析することが可能になる。非-共有結合性の相互作用を含むタンパク質サンプルを、特別に開発したクロス
リンキング混合物と混合することによって(Bich, C et al. Anal. Chem., 2010, 82 (1),
pp 172-179)、非-共有結合性の複合体を、高感度で、特異的に、検出することができる
。クロスリンキングによって生成された共有結合によって、相互作用種が、サンプル調製過程及びMALDIイオン化に耐えることが可能になる。特殊なHigh-Mass検出系により、High-Massレンジでの相互作用の特性評価が可能になる。
高分解能でAb5のエピトープを決定するために、タンパク質複合体を重水素化したクロ
ス-リンカーと共にインキュベートし、複数の酵素的切断(multi-enzymatic cleavage)に
供した。前記タンパク質複合体は、ヒトCD45に結合したAb5バリアント抗体(Ab5と同じエ
ピトープを有する)とした。クロスリンキングしたペプチドを富化した後、そのサンプル
を高分解能質量分析(nLC-LTQ-Orbitrap MS)によって分析し、生成したデータをXQuest及
びStavroxソフトウェアを用いて解析した。
重水素化したd0d12を有するタンパク質複合体CD45/Ab5を、トリプシン、キモトリプシ
ン、ASP-N、エラスターゼ及びサーモリシンによってタンパク質分解をした後に、nLC-orbitrap MS/MS解析を行うと、Ab5エピトープには、ペプチドTEKDCLNLDKNLIKYDLQNLK (配列番号(SEQ ID NO):114)及びRPPRDRNGPHERYHLEVEAGNTLVRNESH (配列番号(SEQ ID NO):116)中の残基が含まれること、特に、Ab5エピトープは、配列番号(SEQ ID NO):113(NP_002829.3に対応するCD45アイソフォームのフラグメント)の405T、407K、419Y、425K、481R
、505R、及び509Hに対応するヒトCD45上のアミノ酸と相互作用すること、が示された。これらの結果を図3に示し、Ab5のエピトープ(例えば、配列番号(SEQ ID NO):114及び配列
番号(SEQ ID NO):116に記載のエピトープ)、及び相互作用の特定部位、を包含する配列番号(SEQ ID NO): 115及び117に対応するCD45アミノ酸フラグメントを示す。
CD45は、ムチン-様ドメイン、d1-d4フィブロネクチン-様ドメイン、並びに膜貫通ドメ
イン及びホスファターゼ・ドメインを含む。本結果に基づくと、Ab5は、CD45の、d3及びd4フィブロネクチン-様ドメインと相互作用するようである。Ab5エピトープの残基405T、407K、419Y、425K、及び505Rは、ヒト、カニクイザル、及びアカゲザルのCD45に渡り、保
存されている、これは、Ab5(及びAb1から派生したクローン)がヒトCD45、アカゲザルCD45、及びカニクイザルCD45に、結合することができること、と一致している。
実施例6.抗-CD45抗体コンジュゲートが細胞の内部に取り込まれること
この試験のために、実施例1及び2において同定した抗-CD45抗体(Ab5)を、ヒト骨髄細胞におけるin vitro 内部取り込みアッセイにおいて、評価した。改変したFc領域を有
するAb5(D265C LALA H435A)を、アマトキシン(アマトキシン1(AM1))にコンジュゲートさ
せて、抗体薬物コンジュゲート(Ab5-AM1)を形成した。AM1は、特に明記しない限り、全体を通して使用される場合、本出願に記載する式VIによって、表される。
前記抗-CD45 ADCを、水溶性で、明るく、光感受性があり、及びpH反応性である、pHAb
色素にコンジュゲートさせた。細胞の内部に取り込まれると、コンジュゲートした抗体は、酸性エンドソーム/リソソームに移動することができ、そこで、pHAb色素は、563nmで
発光し、フロー・サイトメトリーによって検出することができる。この方法を用いて、Ab5-AM1 ADCが、細胞の内部に取り込まれることを、CD34+ヒト骨髄細胞において、評価した。
このアッセイは、CD34+ヒト骨髄細胞を、飽和する濃度のADCと共に、氷上で2時間イン
キュベートし、0、2、24、48、又は72時間インキュベートすることによって行った。pHAbのレベル(gMFIにより測定)を経時的に評価した(図4;左パネル)。その時間経過の終了時に、蛍光標識した抗-IgG分子を使用して、フロー・サイトメトリーによって、結合した表面のhIgG1を評価した。ヒトCD34+細胞に結合しない、アマトキシン1にコンジュゲートし
たアイソタイプIgG(アイソタイプ-AM1)を、非-内部取り込みのコントロールとして、含めた。0時間の時点は、CD45の飽和した結合を表すので、各時点における結合した表面のIgGの幾何平均蛍光強度(geometric mean fluorescence intensity (gMFI))を、0時間におけ
る同じADCのgMFIと比較することによって、細胞の内部に取り込まれたADCのパーセントを計算した(図4;右パネル)。
図4に示すように、細胞中で検出されたpHAbのレベルは、経時的に増加し(図4、左パ
ネル)、これは、経時的にADCが細胞の内部に取り込まれるの割合が増加することに対応した(図4、右パネル)。Ab5-AM1が、細胞の内部に取り込まれる割合は、アイソタイプ-AM1
のそれと比較して、著しく高く、これは、Ab5-AM1は、ヒトCD34+骨髄細胞により細胞の内部に取り込まれること、一方で、アイソタイプ・コントロールは、細胞の内部に取り込まれないこと、を示す。これらの結果は、Ab5-AM1は、ヒトCD34+骨髄細胞により、細胞の内部に取り込まれること、を示す。
実施例7. in vitro細胞株傷害アッセイを用いる、抗-CD45抗体コンジュゲートの解析
実施例1及び2において同定した抗-CD45抗体(Ab2-Ab7)の抗体-薬物コンジュゲート (ADC)を、Jurkat(急性T細胞白血病細胞株、ATCC No. TIB-152)、SKNO-1(急性骨髄性白血
病細胞株JCRB1170)、及びREH-1(B細胞非-ホジキン・リンパ腫(non-Hodgkin's lymphoma)細胞株、ATCC No. CRL-3004)細胞株、及びREH CD45 -/-ノックアウト細胞株の、in vitro傷害について、評価した。改変したFc領域(D265C LALA H435A、又はD265C.LALA.H435A-SG3249)を有する抗-CD45抗体を、それぞれ、2種のアマトキシンのうちの1種(アマトキシン1(AM1)又はアマトキシン2(AM2))、又はPBD(テシリン)、にコンジュゲートさせて、ADCを
形成した。AM2は、特に明記しない限り、全体を通して使用される場合、式III(式中、XはSである)で表される。
細胞株を用いたin vitro傷害アッセイのために、前記細胞を、ATCCのガイドラインに沿って、増殖させた。より具体的には、細胞を、CD45-ADC又はアイソタイプ・コントロール-ADCの存在下で、7日間、培養した。次いで、細胞生存率を、生細胞に相関する、アデノ
シン三リン酸(ATP)含有量を測定するCell-Titer Gloアッセイによって、測定した。その
細胞株傷害アッセイをした後、細胞毒性のレベルを定量し、GraphPad Prismを用いてIC50を計算した。
表4及び5、並びに図5A及び5Bに示す結果は、試験した抗-CD45-ADCの各々は、in vitroで、CD45発現細胞株(例えば、Jurkat、REH-1、又はSKNO-1細胞)を傷害するのに有効であったこと、を示す。
Figure 2021087368000109
Figure 2021087368000110
実施例8. in vitro PBMC及びHSC傷害アッセイを用いる抗-CD45抗体コンジュゲートの解析
実施例1及び2で同定した抗-CD45抗体(Ab2-Ab7)の抗体-薬物コンジュゲート(ADC)を、in vitroでの初代ヒト末梢血単核細胞(PBMC)若しくはカニクイザル末梢血単核細胞(PBMC)又はヒト造血幹細胞(HSC)の傷害について、評価した。本試験では、改変したFc領域(D265C LALA H435A又はD265C.LALA.H435A-SG3249)を有する抗-CD45抗体を、それぞれ、2種のアマトキシンのうちの1種(アマトキシン1(AM1)又はアマトキシン2(AM2))、又はPBD、にコンジュゲートさせて、ADCを形成した。
PBMCは、リンパ球(T細胞、B細胞、ナチュラル・キラー細胞)、及び単球の不均一な細胞集団からなるCD45発現細胞である。細胞株を用いるin vitro傷害アッセイのために、前記PBMCを、CD45-ADC又はアイソタイプ・コントロール-ADCの存在下、10%ウシ胎仔血清を含
むRPMI 1640中で、7日間、培養した。次いで、Cell-titer Gloアッセイによって、細胞生
存率を測定した。そのPBMC傷害アッセイをした後、細胞毒性のレベルを定量し、GraphPad
Prismを用いてIC50を計算した。
図6A及び表6に記載された結果は、抗-CD45-ADCの各々が、in vitroで、ヒトPBMC及
びカニクイザルPBMCを傷害するのに有効であったこと、を示す。Ab5-AM1についてのヒト
及びcynoの傷害を示す例示的なグラフを、図6A及び表7に示す。Ab5-AM1は、ヒトPBMC
に対しては8.5 pMのIC50、cyno PBMCに対しては9.1 pmのIC50、で初代PBMCを強力に傷害
した。これは、ヒトPBMC及びcyno PBMCが、Ab5-AM1に対して、同等に感受性であることを示す。
Figure 2021087368000111
Figure 2021087368000112
ヒトHSCを用いるin vitro傷害アッセイのために、初代ヒトCD34+骨髄細胞を、Ab2-AM2
、Ab4-AM2、Ab5-AM1又はアイソタイプADCと共に、5日間、培養した。生きているCD34+CD90+ HSCのカウントを、抗体濃度を変化させながら、フロー・サイトメトリーによって測定した。図6Bに示すように、Ab5-AM1は、0.49 nmのIC50で、ヒトHSCを強力に傷害した。
図6Cに示すように、及び表8に纏めるように、Ab2-AM2及びAb4-AM2もまた、in vitroでHSCを傷害した。
Figure 2021087368000113
実施例9.in vitroでの、刺激を受けた、分裂 PBMC vs 非-刺激を受けた、非-分裂PBMC、での、抗-CD45 ADCの細胞傷害活性の解析
in vitroでの、増殖刺激を受けた初代ヒト末梢血単核細胞(PBMC)を、及び非-増殖刺激
を受けた初代ヒト末梢血単核細胞(PBMC)を、傷害する作用能について、実施例1に記載した抗-CD45抗体(Ab2)を含む抗体-薬物コンジュゲート(ADC)を、評価した。この試験のために、改変したFc領域(D265C LALA H435A)を有するAb2を、アマトキシン2(AM2)にコンジュ
ゲートさせて、Ab2-AM2を形成した。
凍結保存したヒトPBMCを解凍し、2つに分割した。その細胞の半分を、2:1の細胞対ビーズ比率で、CD3 CD28 Dynaビーズで刺激し、その細胞の残りの半分を、刺激しなかった。
両方の細胞を、5000個の細胞/ウェルで、384ウェル・プレートに播種し、4日間、ADCで処理し、その後、細胞生存率を、Cell-titer Gloによって測定した。
図7に記載した結果は、アマトキシン2ペイロード(payload)を有する抗-CD45-ADCは、in vitroで、非-刺激を受けた(非-分裂)及び刺激を受けた(分裂)の両方の、CD45発現ヒトPBMCを傷害することに効果的であったこと、を示す。以下の表9は、この細胞傷害アッセ
イで得られたEC50値を定量化する追加のデータを提供する。
Figure 2021087368000114
実施例10.in vitro初代単球由来マクロファージ・アッセイを用いる抗-CD45 ADCの
解析
実施例1に記載した抗-CD45抗体(Ab6)を含む抗体-薬物コンジュゲート(ADC)を、初代単球由来マクロファージのin vitro傷害について、評価した。この試験のために、改変したFc領域(D265C LALA H435A)を有するAb6を、アマトキシン1(AM1)にコンジュゲートさせて
、Ab6-AM1を形成した。
ヒトPBMCを播種し、組換えM-CSFを用いて、7日間、分化させた。次いで、分化を止めて、これらの細胞を、マクロファージ・マーカーについて評価し、細胞傷害アッセイのために、5×10^3個の細胞/ウェルで、384フラット・ボトム・プレート(flat bottom plate)
に播種した。細胞を、10点に希釈したAb6-AM1で、6日間、処理し、その後、Cell-titer Gloを用いて、それらの生存率を評価した。
図8に示すように、ヒト単球由来マクロファージは、Ab6-AM1による傷害に対して感受
性であった。
実施例11.in vitro細胞傷害アッセイを用いる、抗-CD45抗体コンジュゲートの血清
安定性の解析
実施例1及び2に記載した抗-CD45抗体(Ab5)を含む抗体-薬物コンジュゲート(ADC)を、血清中でのその安定性について、評価した。この試験のために、Ab5を、アマトキシン1(AM1)にコンジュゲートさせて、ADCを形成した。
前記ADCを、ヒト又はカニクイザルの血清中で、37℃で、0又は72時間、プレ-インキュ
ベートした。血清中でインキュベートした後、前記ADCを力価測定し、増殖培養培地中のREH細胞に添加した。前記細胞を、7日間、インキュベートし、細胞生存率をCell-titer Gloによって評価した。
図9に示すように、Ab5-AM1は、ヒト又はカニクイザル血清中で72時間インキュベート
した後、0時間と比較して、同様に傷害作用を示した。これは、前記ADCは、ヒト及びカニクイザル血清中で安定であることを示す。
実施例12.ヒト化NSGマウスにおける、短い半減期の抗-CD45 ADCを用いる、in vivo での、造血幹細胞(HSC)及び免疫細胞の減少アッセイ
ヒト化NSGマウス(Jackson Laboratories)における、in vivo での、HSC及び免疫細胞の減少について、実施例1及び2で同定した、選択した抗-CD45抗体(Ab2、Ab3、Ab5、及びAb7)の抗体-薬物コンジュゲート(ADC)を、評価した。この試験では、Fc領域に改変(即ち
、D265C LALA H435Aアミノ酸置換)を有する、Ab2、Ab3、Ab5、及びAb7を、それぞれ、2
種のアマトキシンのうちの1種(アマトキシン1(AM1)又はアマトキシン2(AM2))にコンジュ
ゲートさせて、ADC(Ab2-AM2、Ab3-AM2、Ab5-AM1、Ab7-AM1)を形成した。前記Fc領域中にH435Aアミノ酸置換を導入すると、それぞれの抗体の半減期は減少した。
Ab5-AM1及びAb7-AM1を、ヒト化マウス・モデルに、1 mg/kg、3 mg/kg、又は6 mg/kgの
単回注射投与として、投与した。Ab2-AM2(DAR 1.8)及びAb3-AM2(DAR 2.0)を、ヒト化マウス・モデルに、1 mg/kg、2 mg/kg、又は3 mg/kgの単回注射投与として、投与した。14日
目に骨髄を採取し、フロー・サイトメトリーにより、CD34+細胞の絶対数を測定した。7日目と14日目に採血もして、フロー・サイトメトリーで調べた。
処置した又はコントロールで処置したマウスの、ヒトCD3+ T-細胞、CD19+ B-細胞及びCD33+骨髄性細胞の、ベースラインに対する割合を、図10Aに示す。Ab2-AM2及びAb3-AM2で処置したヒト化NSGマウスでは、処置レジメンの単回投与後に、ヒトCD3+ T-細胞、CD19+ B-細胞、及びCD33+骨髄性細胞が、ベースラインと比較して、有意に減少した(図10A)。これらの結果より、前記Ab2-AM2及びAb3-AM2は、免疫細胞(骨髄性、T細胞、及びB細
胞)を減少させることが示された。
更に、図10B-10Eに示すように、1 mg/kg、3 mg/kg、又は6 mg/kgのADC Ab2-AM2
、Ab3-AM2、Ab5-AM1、又はAb7-AM1の単回注射投与で処置したヒト化NSGマウスでは、コン
トロールと比較した場合、ADCの単回投与の14日後に、末梢血及び骨髄において、ヒトHSCを含む、ターゲットのヒトCD45細胞が有意に減少した。
これらの結果は、選択した短い半減期の抗-CD45 ADCは、用量依存的に、末梢中の及び
骨髄中のターゲット・ヒト細胞を、効率的に減少させること、を示す。
実施例13:短い半減期の抗-CD45-アマトキシン抗体薬物コンジュゲートは、in vivo
で、非-ヒト霊長類のHSC及び免疫細胞を、効果的に減少させる
実施例1及び2に記載された、選択した抗-CD45抗体(Ab4、Ab5、及びAb7)の抗体-薬物
コンジュゲート(ADC)を、非-ヒト霊長類(NHP)における、in vivoの、HSC減少及び免疫細
胞減少について、評価した。この試験では、前記Fc領域内に改変(即ち、前記Fc領域内に
おけるD265C LALA H435Aのアミノ酸置換)を有するAb4、Ab5、及びAb7を、アマトキシン1(AM1)にコンジュゲートさせて、ADC(Ab4-AM1、Ab5-AM1、Ab7-AM1)を形成した。前記Fc領域中に改変を導入すると、それぞれの抗体の半減期は減少した。
オスのカニクイザルに本薬を単回漸増投与し(3匹/群)、NHP HSC及び免疫の減少を評価した。骨髄中のHSC含有量、及び末梢血中と骨髄中の免疫の減少を、フロー・サイトメト
リーにより、モニターした。
図11Aに示すように、抗-CD45 ADC(0.5 mg/kg又は2 mg/kgのAb5-AM1及びAb7-AM1)を
投与して72時間後の末梢血において、リンパ球は、オン-ターゲットで(on-target)、用量依存的に、減少することが観察された(90%以上の減少)。更に、抗-CD45 ADC(1 mg/kgのAb4-AM1、並びに0.5 mg/kg及び2 mg/kgのAb5-AM1;図11B)の投与後7日目で、WBC、HSC、及びリンパ球は、オン-ターゲットで(on-target)、用量依存的に、減少することが、骨髄で、観察された。
これらの結果によれば、短い半減期の抗-CD45 ADC Ab4-AM1、Ab5-AM1、及びAb7-AM1は
、in vivo で、NHP HSC及び免疫細胞を、強力に除去すること、が示された。
実施例14:NHPにおける、短い半減期の抗-CD45抗体薬物コンジュゲートの、薬物動態解析及び血清中での安定性
実施例1に記載した抗-CD45抗体(Ab4)を含む抗体-薬物コンジュゲート(ADC)の薬物動態を、非-ヒト霊長類において、評価した。この試験では、前記Fc領域内に改変(即ち、前記Fc領域内におけるD265C LALA H435Aのアミノ酸置換)を有するAb4を、2種のアマトキシン
のうちの1種(アマトキシン1(AM1)又はアマトキシン2(AM2))にコンジュゲートさせて、ADC(Ab4-AM1、Ab4-AM2)を形成した。前記Fc領域中に改変を導入すると、前記抗体の半減期は減少した。
市販のELISAキットを用いて、オスのカニクイザルにおける血漿中薬物濃度を測定した
。簡単に述べると、プレートを、抗-ヒトIgG捕捉抗体で、コーティングした。サンプル及び標準(ADC)を、本アッセイのダイナミック・レンジ内に収まるように、希釈剤に希釈し
、前記プレート上でインキュベートした。インキュベートした後、プレートを、(総抗体
を計算するための)抗-IgG-HRP、又は(ADCを計算するための)抗-アマトキシン-HRP、と共
にインキュベートした。最後に、HRP基質のTMBを添加し、続いて停止溶液を添加した。その色の強さは、結合した(総抗体を計算するための)IgG、又は(ADCを計算するための)IgG
/アマトキシンの量に、正比例した。
図12に示すように、抗-アマトキシン検出ベースのPKと抗-IgG検出ベースのPKとを重
ね合わせると、ADCが血清中で安定的であることが示された。薬物動態解析の結果を、表
10に更にまとめる。抗-CD45 ADCは、3.2-7.4時間の半減期で、速やかにクリアランスさ
れた。これは、前記ADCが、in vivoで、短い半減期を有することを示す。
Figure 2021087368000115
実施例15.ヒト化抗-CD45モノクローナル抗体の調製
ヒトCD45(具体的には、ヒトCD45 ROの細胞外領域)を用いて、ラットに免疫し、抗-ヒトCD45抗体を取得した。ヒトCD45RO、ヒト全長CD45(RABC)、cyno RABC及びマウスCD45 RABC、を発現する細胞株を作成し、フロー・サイトメトリーを用いて、216個の抗体クローン
がCD45に結合することを評価した。
Octetバイオレイヤー干渉法(Bio-Layer Interferometry)(BLI)の結合実験を行って、交差反応性のmAbを同定した。クローンを、前記抗体が、ヒトCD45RO及びCD45RABC、並びに
非-ヒト霊長類(カニクイザル)CD45RABC、に結合することができること、に基づいて、選
択した。3クローン(親クローンA、親クローンB、及び親クローンC)が、ヒト及び非-ヒト
霊長類CD45 RABCに対して、良好な交差反応性を有するとして、同定された。親クローンA、B、及びCの配列は、国際公開WO 2020/092654 A1(例えば、WO 2020/092654 A1の配列番
号(SEQ ID NO): 1-30を参照)に記載されている、これは、その全体が本出願に参照により取り込まれる。
ヒト化及び親和性成熟を、3つの選択した交差反応性のmAbのそれぞれについて、適用した。親クローンA由来の13個のヒト化クローン、親クローンB由来の11個のヒト化クローン、及び親クローンC由来の5個のヒト化クローン、を得た。
親クローンA、B、及びC由来の、ヒト化及び親和性成熟クローンもまた、多特異性試薬(polyspecificity reagent (PSR))結合アッセイ(ビオチン化した細胞溶解物が、それぞれの抗体に対して、非-特異的結合をすること、を評価するアッセイ)を用いて、膜タンパ
ク質及び細胞質タンパク質の混合物への非-特異的結合に関して、試験した。本結果を図
13に示す。図13に示されるように、親クローンAのヒト化及び親和性成熟させたバリ
アントは、(低いPSRスコアから明らかなように)非-特異的結合が低レベルであった。親クローンB及びCのヒト化バリアントは、一般に、非-特異的結合がより高いレベルであった
。しかしながら、親和性成熟をした後で、クローン化Aのバリアントで観察されるレベル
に匹敵する、非-特異的結合が著しく減少したレベルであるバリアントを選択した(図13)。
続いて、ヒト化及び親和性成熟させたクローンを、IgG1抗体として発現させ、ヒトCD45細胞に対する結合及び活性について、試験した。ヒトCD45 RABC、カニクイザル(cyno)CD45 RABC及びアカゲザルCD45RABCに対するAbA、AbB及びAbCの一価結合の程度を、BLIにより評価し、ヒトPBMC及びカニクイザルPBMCへの結合を、フロー・サイトメトリーにより確認した。
このスクリーニング・プロセスから、ヒト及びカニクイザルCD45との交差反応性、並びに低い非-特異的結合などの所望の特性に基づいて、3つのヒト化IgG1抗体を選択した。これらの抗体には、AbA(親クローンAをヒト化及び親和性成熟させたバリアント)、AbB(親クローンBを親和性成熟させたバリアント)、及びAbC(親クローンCを親和性成熟させたバリ
アント)が含まれる。その3つの選択した抗体の、重鎖及び軽鎖の、可変領域及びCDR領域
の、アミノ酸配列を表27に示す。
実施例16.抗-CD45抗体のin vitro結合解析
実施例15に記載したヒト化及び親和性成熟させた抗-CD45抗体(AbA、AbB、及びAbC)を試験し、ヒトCD45に関するそれらの結合特性、及びそれらのカニクイザル(cyno)CD45との交差反応能、を決定した。ヒトCD45 RABC及びカニクイザルCD45 RABCへの一価結合の程度に関して、ヒト化クローンを評価するために、AbA、AbB、及びAbCのそれぞれ、並びにそ
れぞれの親クローンA、B、及びCを、OCTET バイオレイヤー干渉法(Bio-Layer Interferometry)(BLI)によって評価した。
簡単に述べると、バイオレイヤー干渉法(BLI)を用いるPALL FORTEBIO OCTET RED96によって、0.1% w/vウシ血清アルブミンを添加した1×PBS中、25度で、抗体結合試験を行った。それぞれの精製抗体を、抗-ヒトFcバイオセンサー(AHQ; PALL FORTEBIO 18-5001)上に
固定化し、100 nMの精製ヒトCD45外部ドメイン又は300 nMのカニクイザルCD45外部ドメインとインキュベートした。
FORTEBIOデータ解析ソフトウェア・バージョン10によって計算した、1:1結合モデルを
用いて、局所完全フィッティングによって、見かけ上の一価親和性 (KD)、見かけ上の結
合速度(KON)、及び見かけ上の解離速度(KDIS又はKOFF)を、決定した。精製した、ヒトCD45外部ドメイン又はカニクイザルCD45外部ドメイン、に対する、それぞれの抗体のKD、KON、及びKDISを、表11に示す。表11に記載するように、ヒト化クローンAbA及びAbBの結合親和性は、それぞれの親クローンA及びBの結合親和性に類似しており、一方、ヒト化クローンAbCは、親クローンCよりも、4倍を超えて改善された親和性を示した。選択したヒ
ト化抗体AbA、AbB、及びAbCの各々は、ヒト及びカニクイザルCD45と交差反応することが
できた。更に、ヒト化及び親和性成熟させた抗体AbBは、多特異的な結合スコアが、有意
に改善した(図13)。これは、AbBが、親クローンBと比較して、非-特異的な抗原に対し
て、有意に低い結合であることを示す。
Figure 2021087368000116
実施例17.抗-CD45抗体のin vitro でのPBMC細胞結合活性
実施例15に記載したヒト化及び親和性成熟させた抗-CD45抗体(AbA、AbB、AbC)を、CD45-発現細胞への結合について評価した。この目的のために、細胞培養培地中の初代ヒト
末梢血単核細胞(peripheral blood mononuclear cells (PBMCs))又は初代カニクイザル(cyno)末梢血単核細胞(peripheral blood mononuclear cells (PBMCs))を、抗-CD45抗体の
用量を漸増させて、37度で、一晩、インキュベートした。簡単に述べると、抗-CD45抗体
の4つの濃度点(最高濃度は6.25 nMであり、これを4倍で漸減させて対数用量反応曲線を
作成した)を使用した。結合した抗-CD45抗体を、フロー・サイトメトリーを用いて、AF488蛍光標識した抗-ヒトIgG二次抗体で検出した。そのデータを、GraphPad Prismを用いてフィッティングすることによって、IC50を決定した。アイソタイプIgGを、コントロール
として使用した。
上記の方法を用いて、ヒト化クローンAbA、AbB、及びAbCのPBMC結合活性を決定した。
本結果を図14及び表12に示す。図14に記載するように、アイソタイプ・コントロールと比較して、ヒト化クローンAbA、AbB、及びAbCは、ヒトPBMC及びcyno PBMCの両方に、強く結合した。また、図14及び表12に記載するように、AbA、AbB、及びAbCは、それ
ぞれの細胞型にわたって、低nMのEC50で、CD45に結合し、そのようにして、生細胞上のヒトCD45及びカニクイザルCD45への交差反応性結合が実証された。しかしながら、全体的には、cyno PBMCよりもヒトPBMCにおいて、より高い結合シグナルが観察された。
Figure 2021087368000117
次に、上記の方法を用いて、ヒトPBMC及びcyno PBMCに対する、ヒト化クローンAbA、AbB及びAbC結合を、それぞれの親クローンA、B及びCのそれと比較した。表13に示すよう
に、ヒトPBMC及びcyno PBMCに対する、ヒト化クローンAbA及びAbBの結合は、それぞれの
親クローンA及びBのそれと類似していたが、一方で、ヒト化クローンAbCは、親クローンCよりも結合が向上した。
Figure 2021087368000118
次に、上記の方法を用いて、前記ヒト化クローンAbAのFcバリアント(i.e., AbA_D265C_LALA_H435A)、AbBのFcバリアント(i.e., AbB_D265C_LALA_H435A)、及びAbCのFcバリアン
ト(i.e., AbC_D265C_LALA_H435A)、のPBMC結合活性を測定した。これらの抗体は、Fc置換D265C、L234A/L235A(「LALA」)、及びH435Aを含む。本結果を、表14に示す。アイソタ
イプ・コントロールと比較して、ヒト化クローンのFcバリアントは、ヒトPBMC及びcyno PBMCに対して、強く結合した。また、表14に示すように、前記ヒト化クローンのFcバリ
アントは、それぞれの細胞型にわたって、低nMのEC50で、CD45に結合し、そのようにして、生細胞上のヒトCD45及びカニクイザルCD45への交差反応性結合が実証された。しかしながら、全体的には、cyno PBMCよりもヒトPBMCにおいて、より高い結合シグナルが観察さ
れた。従って、表14に記載する結果は、D265C、L234A/L235A(LALA)、及びH435Aの改変
が、ヒト化クローンのPBMC結合に影響しないことを示す。
Figure 2021087368000119
実施例18.AbAのエピトープ・マッピング
AbAが結合するエピトープを、クロスリンキング質量分析を用いて、マッピングした。
クロスリンキング実験を行うと、非-共有結合的な相互作用を、High-Mass MALDI質量分析計によって、直接的に解析することが可能になる。非-共有結合的な相互作用を含むタン
パク質サンプルを、特別に開発されたクロスリンキング混合物と混合することによって(Bich et al., Anal Chem 82:172-179 (2010))、上記実施例5に記載したように、非-共有
結合複合体を、高感度で、特異的に検出することができる。
高分解能でAbAのエピトープを決定するために、タンパク質複合体を重水素化したクロ
ス-リンカーと共にインキュベートし、多-酵素的切断(multi-enzymatic cleavage)に供した。前記タンパク質複合体は、ヒトCD45に結合したAbAバリアント抗体(AbAと同じエピト
ープを有する)とした。クロスリンキングしたペプチドを富化した後、そのサンプルを高
分解能質量分析計(nLC-LTQ-Orbitrap MS)によって分析し、生成したデータをXQUEST及びSTAVROXソフトウェアを用いて解析した。
トリプシン、キモトリプシン、ASP-N、エラスターゼ及びサーモリシンにより、重水素
化d0d12を有するタンパク質複合体CD45/AbAをタンパク質分解した後、前記nLC-orbitrap MS/MS解析を行うと、AbAエピトープはペプチドRNGPHERYHLEVEAGNT (配列番号(SEQ ID NO):118)中の残基を含み、特に、配列番号(SEQ ID NO):113(NP_002829.3に対応するCD45ア
イソフォームのフラグメント)の486R、493Y及び502Tに対応するヒトCD45上のアミノ酸と相互作用することが示された。これらの結果を図15に示す。図15は、AbAのエピトー
プを含むアミノ酸フラグメント、特に領域RNGPHERYHLEVEAGNT (配列番号(SEQ ID NO):118)を示す。
本結果に基づくと、AbAは、選択的スプライシングを受けたCD45アイソフォーム (例え
ば、RO, RA、RB、RC、RABCなど) 間で保存されている、CD45のフィブロネクチンd4ドメインと相互作用する。AbAエピトープの残基493Y及び502Tは、ヒトCD45、カニクイザルCD45
、及びアカゲザルCD45、にわたって保存されていて、AbAが種間-交差反応性であることと一致する。
実施例19.AbAのFcバリアント(AbA_D265C_LALA_H435A)ADCが細胞の内部に取り込まれること
AbAのFcバリアント("AbA_D265C_LALA_H435A")をアマトキシン(AM1)にコンジュゲートさせて、抗体薬物コンジュゲート(ADC)("AbA_D265C_LALA_H435A-AM1")を形成した。AbA_D265C_LALA_H435A-AM1が細胞の内部に取り込まれる量を、in vitro抗体内部取り込みアッセ
イで評価した。
このアッセイのために、前記抗-CD45 ADCをpHAb色素にコンジュゲートさせた。細胞の
内部に取り込まれると、そのコンジュゲートした抗体/ADCは、酸性エンドソーム/リソソームに移動し、ここで、pHAb色素は、上記のように、フロー・サイトメトリーによって、PEチャネルで、検出され得る。この方法を用いて、AbA_D265C_LALA_H435AアマトキシンADCが細胞の内部に取り込まれることを、ヒトCD34+骨髄細胞を使用するin vitroで評価した。
CD34+ヒト骨髄細胞を、飽和する濃度のADCと共に、氷上で2時間インキュベートし、0、2、24、48、又は72時間インキュベートした。pHAbのレベル(gMFIにより測定)を経時的に
評価した。その時間経過の終了時に、蛍光標識した抗-IgG分子を使用して、フロー・サイトメトリーによって、結合した表面のヒトIgG1(hIgG1)を評価した。ヒトCD34+細胞に結合しない、アマトキシン1にコンジュゲートしたアイソタイプIgG(アイソタイプ-AM1)を、非-内部取り込みのコントロールとして、含めた。0時間の時点は、CD45の飽和した結合を表すので、各時点における結合した表面のIgGの幾何平均蛍光強度(geometric mean fluorescence intensity (gMFI))を、0時間における同じADCのgMFIと比較することによって、細
胞の内部に取り込まれたADCのパーセントを計算した。本結果を図16に示す。
図16に示すように、細胞中で検出されたpHAbのレベルは、経時的に増加し(図16、
左パネル)、これは、経時的に、細胞の内部に取り込まれるADCの割合が増加することに対応した(図16、右パネル)。AbA_D265C_LALA_H435A-AM1 ADCが細胞の内部に取り込まれる割合は、アイソタイプ-AM1のそれと比較して、著しく高く、これは、AbA_D265C_LALA_H435A-AM1は、ヒトCD34+骨髄細胞により、細胞の内部に取り込まれること、一方で、アイソ
タイプ・コントロールは、細胞の内部に取り込まれないこと、を示す。
実施例20.in vitro細胞株傷害アッセイを用いる、CD45 ADCの解析
AbAのFcバリアント(例えば、AbA_D265C_LALA_H435A、AbA_D265C_LALA_IHH、及びAbA_S239C_LALA_IHH)を、ピロロベンゾジアゼピン(PBD)、又は2種のアマトキシンのうちの1種(即ち、アマトキシン1(AM1)又はアマトキシン2(AM2))、にコンジュゲートさせて、以下のADCを形成した:AbA_D265C_LALA_IHH-PBD、AbA_S239C_LALA_IHH-PBD、AbA_D265C_LALA_H435A-AM1、又はAbA_D265C_LALA_H435A-AM2。以下の実施例は、in vitroで、CD45-陽性がん細胞株(例えば、SKNO-1[急性骨髄性白血病細胞株JCRB1170]、Jurkat [急性T細胞白血病細胞株、ATCC No. TIB-152]、及びREH-1[B細胞非-ホジキン・リンパ腫(non-Hodgkin's lymphoma)細胞株、ATCC No. CRL-3004]など)を傷害する、これらのADCの作用能を試
験する、in vitro細胞傷害アッセイを記載する。
SKNO-1、Jurkat、及びREH-1細胞株を用いるin vitro傷害アッセイのために、前記細胞
を、ATCCのガイドラインに沿って、増殖させた。より具体的には、細胞をCD45 ADC(例えば、AbA_D265C_LALA_IHH-PBD、AbA_S239C_LALA_IHH-PBD、AbA_D265C_LALA_H435A-AM1、若しくはAbA_D265C_LALA_H435A-AM2)、又はアイソタイプ・コントロール-ADC(即ち、アマトキシンにコンジュゲートしたIgG1アイソタイプ[「アイソタイプ-AM」]、若しくはPBDにコンジュゲートしたIgG1アイソタイプ[「アイソタイプ-PBD」])の存在下で、(10% FBS及び1% Pen-Strepを添加した、RPMI-1640(1X)培地中で)、7日間、培養した。次いで、
細胞生存率を、生細胞に相関する、アデノシン三リン酸(ATP)含有量を測定するCELL-TITER GLOアッセイによって、測定した。生存細胞の割合(y-軸)を、抗体濃度を横軸(x-軸)と
して、CELL-TITER GLO(CTG)により、測定した。その細胞株傷害アッセイをした後、細胞
毒性のレベルを定量し、GraphPad Prismを用いてIC50を計算した。本結果を表15に示す。
表15に記載するように、試験した種々の抗-CD45 ADCの各々は、in vitroで、CD45発
現細胞株(即ち、SKNO-1、Jurkat、及びREH-1細胞株)を傷害するのに有効であった。
Figure 2021087368000120
Figure 2021087368000121
実施例21.in vitro PBMC傷害アッセイを使用した、CD45 ADCの解析
実施例15に記載したヒト化抗-CD45抗体の抗体-薬物コンジュゲート(ADC)を、in vitroで初代末梢血単核細胞(PBMC)を傷害する作用能について、評価した。
AbAのFcバリアント(AbA_D265C_LALA_H435A)をアマトキシンAM1又はAM2にコンジュゲ
ートさせて、ADCである、AbA_D265C_LALA_H435A-AM1及びAbA_D265C_LALA_H435A-AM2を形
成した。初代ヒトPBMC又は初代カニクイザルPBMCを傷害するこれらのADCの作用能を、in vitro PBMC傷害アッセイにより、評価した。PBMCは、リンパ球(T細胞、B細胞、ナチュラル・キラー細胞)、及び単球の不均一な細胞集団からなるCD45発現細胞である。ヒトPBMC又はカニクイザルPBMCを用いるin vitro傷害アッセイのために、前記PBMCを、CD45 ADC、又はアイソタイプ・コントロール-ADC(即ち、AM1にコンジュゲートしたIgG1アイソタイ
プの抗体[「アイソタイプ-AM1」]又はAM2にコンジュゲートしたIgG1アイソタイプの抗
体[「アイソタイプ-AM2」])、の存在下で、10%ウシ胎仔血清を添加したRPMI-1640培地中で、7日間、培養した。次いで、細胞生存率を、CELL-TITER GLO(CTG)アッセイによって、測定した。そのPBMC傷害アッセイをした後、細胞毒性のレベルを定量し、GraphPad Prismを用いてIC50を計算した。本結果を、図17A-17B、表16及び表17に示す。
図17A-17B、表16及び表17に記載するように、AM1-コンジュゲートの、又はAM20コンジュゲートの、抗-CD45 ADCの各々は、in vitroで、ヒトPBMC及びカニクイザルPBMCを傷害するのに有効であった。以下の表16及び17は、細胞傷害アッセイの定量化に
関する追加のデータを提供する。図17A-17B、表16及び表17から明らかなよう
に、ヒトPBMC及びcyno PBMCは、AM1-コンジュゲートのCD45 ADC及びAM2-コンジュゲート
のCD45 ADCに対して、同等に感受性であった。
Figure 2021087368000122
Figure 2021087368000123
更に、AbAのFcバリアントをPBDにコンジュゲートさせ(AbA_D265C_LALA_IHH-PBD)、AbC
のFcバリアントをAM1にコンジュゲートさせた(AbC_D265C_LALA_H435A-AM1)。初代ヒトPBMC及びREH細胞株を傷害する、これらのADCの作用能を、先のパラグラフで記載したADC(AbA_D265C_LALA_H435A-AM1及びAbA_D265C_LALA_H435A-AM2)と一緒に、評価した。本結果を以下の表18に示す。
表18に記載するように、PBD-コンジュゲートのADCは、REH細胞に対して、より強い効力を示し、一方で、AM1-コンジュゲートのADC、又はAM2-コンジュゲートのADCは、PBMCに対して、より高い効力を示した。
Figure 2021087368000124
次に、実施例15に記載したヒト化抗-CD45抗体の抗体-薬物コンジュゲート(ADC)を、i
n vitroで、増殖刺激を受けた、及び刺激を受けなかった、初代ヒトPBMCを傷害する作用
能について、試験した。凍結保存したヒトPBMCを解凍し、2つに分割した。その細胞の半
分を、2:1の細胞対ビーズ比率で、CD3 CD28 DYNA BEADSで刺激し、その細胞の残りの半分を、刺激しないままにした。刺激を受けた、及び刺激を受けなかった細胞の両方を、5000個の細胞/ウェルの濃度で、384ウェル・プレートに播種し、CD45 ADC(AbA_D265C_LALA_H435A-AM2)又はアイソタイプ・コントロールADC(アイソタイプ-AM2)で、様々な濃度で
、4日間、処置し、その後、細胞生存率を、CELL TITER-GLO(CTG)アッセイによって測定した。その細胞傷害アッセイをした後、細胞毒性のレベルを定量し、GRAPHPAD PRISMを用いてIC50を計算した。代表的な結果を、図19に示す。
表19に記載するように、AbA_D265C_LALA_H435A-AM2は、in vitroで、刺激を受けていない(非-分裂)、及び刺激を受けた(分裂)CD45発現ヒトPBMCの両方を、傷害するのに有効
であった。
Figure 2021087368000125
実施例22.in vitro HSC傷害アッセイを用いる、CD45 ADCの解析
次に、実施例15に記載した、選択した抗-CD45ヒトIgG抗体の抗体-薬物コンジュゲー
ト(ADC)を、in vitroで、ヒト造血幹細胞(HSC)を傷害する作用能について、試験した。
AbAのFcバリアントを、AM1、AM2、又はPBDにコンジュゲートさせて、それぞれ、ADC AbA_D265C_LALA_H435A-AM1、AbA_D265C_LALA_H435A-AM2、及びAbA_D265C_LALA_IHH-PBD、を形成した。ヒト骨髄(BM)HSCを傷害させるこれらのADCの作用能を評価した。CD34+ヒトBM
細胞を、SCF、IL-6、FLT3、及びTPOを添加したSFEM培地中で、前記ADCのうちの1種の存在下で、又はAM1(アイソタイプ-AM1)、AM2(「アイソタイプ-AM2」)、又はPBD(「アイソタイプ-PBD」)に結合したアイソタイプ・コントロール抗体を含むアイソタイプ・コントロー
ル-ADCの存在下で、5日間、培養した。CD34+CD90+ヒトBM HSCの生存率を、7-AADによって測定した。その細胞傷害アッセイをした後、細胞毒性のレベルを定量し、そしてIC50値を、GRAPHPAD PRISMを用いて計算した。本結果を図18に記載し、これは、AM1、AM2、又はPBDにコンジュゲートしたAbA ADCが、ヒトCD34+CD90+ BM HSCを傷害することを示す代表
的な結果、を提供する。IC50値を表20及び表21に示す。
これらの結果によって、AbA ADCが、ヒト骨髄HSCを、効果的に傷害すること、が確認される。
Figure 2021087368000126
Figure 2021087368000127
実施例23.in vitro初代単球-由来マクロファージ(monocyte-derived macrophage (MDM))アッセイを用いるCD45 ADCの解析
次に、AM1にコンジュゲートしたAbAのFcバリアントを含む抗体-薬物コンジュゲート(ADC)(AbA_D265C_LALA_H435A-AM1)を、in vitroでヒト単球由来マクロファージ(MDM)
を傷害する作用能について、試験した。 簡単に説明すると、ヒトPBMCを播種し、組換えM-CSFを用いて、7日間、分化させた。 次いで、分化を止めて、これらの細胞を、マクロファージ・マーカーについて評価し、C100傷害アッセイのために、5x103細胞/ウェルの濃
度で、384-ウェルのフラット・ボトム・プレート(384-well flat bottom plate)に播種した。次に、10-点に希釈をした、CD45 ADC(即ち、AbA_D265C_LALA_H435A-AM1)、又はア
イソタイプ・コントロール-ADC(即ち、アマトキシン1にコンジュゲートしたIgG1アイソ
タイプ(「アイソタイプ-AM1」)で、7日間、前記細胞を処置し、その後、CELL TITER GLO(CTG)アッセイを用いて、それら細胞の生存率を評価した。 本結果を図19に記載す
る。
図19に記載するように、ヒトMDMは、AbA_D265C_LALA_H435A-AM1による傷害に感受性
があった。
実施例24.ヒト化NSGマウス・モデルにおける、抗-CD45-PBD ADCのin vivo有効性
PBD細胞毒素(テシリン)にコンジュゲートした、ヒトCD45に特異的に結合することが
できる抗体(AbA)を含む抗-CD45抗体薬物コンジュゲート(ADC)を、本実施例で評価し
た(「CD45-PBD」)。前記ADCの抗-CD45抗体は、そのFc領域内に、アミノ酸置換L234A L235A D265C及びH435Aを含むものであった。
ヒト化NSGマウスにおいて、末梢血リンパ球、骨髄(bone marrow (BM))造血幹細胞、
又は成熟シングル・ポジティブ(single positive (SP))胸腺細胞、を減少させる作用能について、そのCD45-PBDを評価した(図20)。媒体(PBS)、PBDにコンジュゲートしたアイソタイプ・コントロール抗体(「Iso-PBD」)、又はCD45-PBDの何れかの示した単回
用量を、hNSGマウスに投与した。CD45-PBDを、0.3 mg/kg、1 mg/kg、3 mg/kg、又は6 mg/
kg ADCの単回投与で、マウスに投与した。Iso-PBDを、1 mg/kg、3 mg/kg、又は6 mg/kg ADCの単回投与で、マウスに投与した。
末梢血を、0日目、7日目、及び14日目に、採取し、総ヒト造血細胞含有量(hβ2M+)、骨髄系細胞含有量(CD33+)、B 細胞含有量(CD19+)、及びT 細胞含有量(CD3+)について、評価した。本末梢血試験による結果を図20に示す。 これらの結果は、CD45-PBDの
忍容用量において、末梢血で、ヒト細胞が用量依存的に減少したこと、を示す。 3 mg/kg以上のCD45-PBDの用量は、忍容ではなかった。
骨髄の減少を評価するために、投与後14日目に、マウスから骨髄サンプルを採取し、ヒト前駆細胞/HSCの含有量を評価した。本骨髄試験による結果を、図21に記載し、ヒト
細胞のパーセンテージ(「パーセンテージ(Percentage)」)又は大腿骨当たりの細胞の絶対数(「数(Count)」)として、示す。 これらの結果は、CD45-PBD処置後の骨髄における、ヒト前駆細胞及びHSCの、ターゲット化した、用量依存的な、且つ大きな減少を、CD45-PBDが媒介すること、を示した。アイソタイプ-PBDは、3 mg/kg及び6 mg/kgの高用量で、
骨髄で、有意なプラットフォーム毒性を示した。
次に、CD45-PBDが、ダブル・ポジティブ(double positive (DP))胸腺細胞、及び成熟シングル・ポジティブ(single positive (SP))胸腺細胞、を減少させること、を評価した。hNSGマウスを無作為化し、用量を増やしながら、アイソタイプ-PBD、CD45-PBD、又は媒体(PBS)を投与した。前記胸腺細胞の減少試験の結果を、図22に示す。CD45-PBDで
処置した動物では、ヒトCD45+細胞及びヒト・ダブル・ポジティブ(double positive (DP))胸腺細胞が用量依存的に減少すること、が観察された。 成熟CD4及びCD8 SP胸腺細胞
が、不完全にターゲット化して減少することが、CD45-PBDの忍容用量で観察された。アイソタイプPBDの高用量で、ダブル・ポジティブ(double positive (DP))胸腺細胞の減少
が観察されたことは、PBDの既知のプラットフォーム毒性と一致する。
実施例25:ヒト化NSGマウス・モデルにおける、抗-CD45-IGN ADCのin vivo有効性
IGN細胞毒素(DGN549)にコンジュゲートした、ヒトCD45に特異的に結合することがで
きる抗体(AbA)を含む抗-CD45抗体薬物コンジュゲート(ADC)を、本実施例において評
価した(「CD45-IGN」)。 前記ADCの抗-CD45抗体は、そのFc領域内に、アミノ酸置換L234A L235A D265C及びH435Aを含むものであった。
媒体(PBS)、IGNにコンジュゲートしたアイソタイプ・コントロール抗体(「Iso-IGN
」)、又はCD45-IGDの何れかの単回用量を、hNSGマウスに投与した。CD45-IGNを、0.3 mg/kg、1 mg/kg、3 mg/kg、又は6 mg/kg ADCの単回用量で、マウスに投与した。Iso-IGNを
、1 mg/kg、3 mg/kg、又は6 mg/kg ADCの単回用量で、マウスに投与した。
末梢血を、0日目、7日目、及び14日目に、採取し、総ヒト造血細胞含有量(hβ2M+)、骨髄系細胞含有量(CD33+)、B 細胞含有量(CD19+)、及びT 細胞含有量(CD3+)について、評価した。本末梢血試験による結果を図23に示す。 これらの結果は、CD45-IGNの
単回用量を投与した後で、末梢血で、ヒト細胞が用量依存的に減少したこと、を示す。CD45-IGNは、試験した全ての用量で、十分に忍容であった。
骨髄の減少を、処置後14日目に、マウスから骨髄サンプルを採取することによって、評価した。サンプルを、ヒト前駆細胞/HSCの含有量について評価した。本骨髄試験による
結果を、図24に記載し、ヒト細胞のパーセンテージ(「パーセンテージ(Percentage)」)又は大腿骨当たりの細胞の絶対数(「数(Count)」)として、示す。これらの結果は、CD45-IGN処置後の骨髄における、ヒト前駆細胞及びHSCの、ターゲット化した、用量依存的な、且つ大きな減少を、CD45-IGNが媒介すること、を示した。アイソタイプ-IGNは、試験
した何れの用量でも、有意な影響を示さなかった。
CD45-IGNが、ダブル・ポジティブ(double positive (DP))胸腺細胞、及び成熟シングル・ポジティブ(single positive (SP))胸腺細胞、を減少させること、を評価した。hNSGマウスを無作為化し、用量を増やしながら、アイソタイプ-IGN、CD45-IGN、又は媒体コントロール(PBS)、で処置した。前記胸腺細胞の減少試験の結果を、図25に示す。CD45-IGNで処置した動物では、ヒトCD45+細胞及びヒト・ダブル・ポジティブ(double positive (DP))胸腺細胞が用量依存的に減少すること、が観察された。更に、CD45-IGNを介したターゲティングによって、アイソタイプ-IGNと比較して、一致した用量で、CD4及びCD8
SP胸腺細胞が、より大きく減少した。これは、CD45-IGN ADCが、ヒト胸腺細胞を、強固
に且つターゲット化して減少させることを実証する。
実施例26.CD45 ADCは、in vivoで、非-ヒト霊長類(non-human primate (NHP))HSC及び免疫細胞を減少させる
ヒトCD45に特異的に結合することができる抗体(AbA)を含む、抗-CD45抗体薬物コンジュゲート(ADC)を、in vivoで、非-ヒト霊長類(NHP)由来の造血幹細胞(HSC)及び免疫細胞を
減少させる作用能について、試験した。そのFc領域内に、半減期を低下させる H435A改変を含むAbAのFcバリアント(AbA_D265C_LALA_H435A)を、アマトキシンAM1又はアマトキシンAM2にコンジュゲートさせて、CD45 ADCである、それぞれ、AbA_D265C_LALA_H435A-AM1(「CD45 ADC-AM1」)及びAbA_D265C_LALA_H435A-AM2(「CD45 ADC-AM2」)を形成した。これらCD45 ADCによるHSC及び免疫細胞を減少させる有効性を、in vivoのNHPで試験した。
オスのカニクイザルに、1 mg/kgのCD45 ADC-AM1、CD45 ADC-AM2、又は媒体コントロー
ル (PBS)を単回注射投与した。骨髄中のHSC含有量、及び末梢血中の免疫細胞の減少を、
示した時間にフロー・サイトメトリーによってモニターした。本試験期間中、血液学的検査及び臨床化学的検査を実施した。本結果を図26に示す。
図26に記載するように、CD45 ADCによる処置後に、NHPのBMにおいて、WBC、HSC、及
びリンパ球のオン-ターゲットな減少が観察された。結論として、Fc領域内に、抗体半減
期を減少させる改変を有するAbAを含む、ADCであるCD45 ADC-AM1及びCD45 ADC-AM2は、in
vivoで、NHP HSC及び免疫細胞を、強力に除去すること、を示した。
実施例27.NHPにおける、CD45 ADCの薬物動態解析と血清中安定性
抗-CD45抗体AbAを含むADCを試験し、非-ヒト霊長類における、血清中安定性及び薬物動態を評価した。市販のELISAキットを適用して、オスのカニクイザルにおけるCD45 ADC-AM1及びCD45 ADC-AM2(実施例26に記載した)の血漿中薬物濃度を測定した。
簡単に述べると、ELISAプレートを、抗-ヒトIgG捕捉抗体でコーティングした。血漿サ
ンプル及び標準(CD45 ADC)を、本アッセイのダイナミック・レンジ内に収まるように、希釈剤に希釈し、前記プレート上でインキュベートした。インキュベートした後、プレートを、(総抗体を計算するための)抗-IgG-HRP、又は(CD45 ADCを計算するための)抗-アマト
キシン-HRP、と共にインキュベートした。最後に、HRP基質のTMBを添加し、続いて停止溶液を添加した。その色の強さは、結合した(総抗体を計算するための)IgG、又は(AM1-又はAM2-コンジュゲートのCD45 ADCを計算するための)IgG/アマトキシンの量に、正比例した
。本結果を図27及び表22に示す。
抗-アマトキシン検出ベースのPKと抗-IgG検出ベースのPKとを重ね合わせると、前記ADCは、NHPにおいて、in vivoで、血清中で安定的であることが示された。CD45 ADCは、3.79-14.4 時間の半減期で、速やかにクリアランスされた。これは、前記CD45 ADCが、in vivoで、短い半減期を有することを示す。
Figure 2021087368000128
実施例28.AbA-AMの単回用量は、患者由来の腫瘍に対して腫瘍縮小的である、及び血液悪性腫瘍の複数の前-臨床モデルにおいて、標準治療を超えて生存期間を延長する
この実施例に記載するターゲット化した抗体薬物コンジュゲート(ADC)のアプローチは
、CD45+細胞を特異的に減少させることによって、現在のコンディショニング・プロトコ
ルの安全性を改善するように設計したものである。アマトキシンにコンジュゲートしたAbA(AbA-AM1)を含む、抗-ヒトCD45-ターゲット化、短い半減期のADCを、この試験で使用し
た。CD45は、全ての造血細胞(赤血球、プラズマ細胞及び血小板(platelets)を除く)、及
びほとんどの血液悪性腫瘍に発現しているため、CD45は、アロ-HSCT(allo-HSCT)コンディショニングにとっての、ターゲットとなりうる。それらのターゲット化した特異性を考慮すると、抗-CD45-AMは、HSCTを目的とした効果的なコンディショニングと、ターゲットを有する腫瘍細胞の減少とを組み合わせることによる、二重の恩恵を、白血病の患者に対して、もたらすことができる。
AbA-AMが抗-白血病活性を有することを実証するために、前記ADCを、ヒト白血病異種移植マウス・モデルにおいて、試験した。未処置の及び難治性の疾患を模倣するために、一連のモデルを評価した:AML患者に由来する異種移植片(patient derived xenograft (PDX))モデル(治療歴が無い、及び同種異系HCT後に再発した患者に由来する;全てのFLT-3+NPM1+)、不死化細胞株に由来するALL細胞(REH-Luc)、並びにT-ALL患者に由来する異種移植
片(PDX)モデル(DHAP化学療法後に進行する患者に由来する)。
AML #1は、治療歴が無い患者(J000106134)に由来し、AML #2は、多くの治療歴があり、同種異系HSCT後に再発した、難治性(refectory)の患者(J000106132)に由来する。前記T-ALLは、DHAP化学療法後に進行した患者に由来した。細胞株-由来のALLに形質導入して、ホタルのルシフェラーゼを発現させた。それぞれの腫瘍型の細胞を、免疫不全マウス(NSG-SGM3、又はNSG)の中に、全身的に接種した。
PDX(n=3-5匹/群)、及びCDXマウスの末梢の腫瘍負荷が、末梢血中で2-16%の芽球に達した場合、又は、REH-lucモデルについて(n=10匹/群)、移植後5日目に達した場合、処置を開始した。抗-CD45-ADCの単回用量(1、3、6、又は10 mg/kg)を、媒体(PBS)又はアイソタ
イプ-AM1(6、又は10 mg/kg)、と比較したところ、Ara-c(30 mg/kg QDx5、IV)、デキサメ
タゾン(5 mg/kg Q3Dx9、IP)、又はドキソルビシン(3 mg/kg QWx3、IV)という臨床的に検
証された標準治療レジメンと、同等であった。本試験の過程にわたる腫瘍負荷を図28に示す。
ヒトALLのREH-ルシフェラーゼ・モデル細胞株に由来する(CDX)モデルでは、AbA-AM1の
単回用量は、忍容性が良い、細胞減少性である、媒体(PBS)、アイソタイプ-AM1、又は標
準治療(standard of care (SoC))であるドキソルビシンと比較して、腫瘍増殖が遅くなった、及び生存期間の中央値が少なくとも2倍(2.2-2.8倍)に延長した(図28;左パネル下
及び図29B)。図29A及び表23に示すように、ALLを接種後5日目に、AbA-AM1を単回注射投与すると(1、3、又は10 mg/kg)、PBS、又はアイソタイプ-ADC処置のコントロール
と比較して、中央値として55-66日、生存期間がより長くなり、ALLに対する標準治療(standard of care treatment)として使用されるドキソルビシンと同様であった(n=10匹マ
ウス/群)。生物発光シグナルを、IVISイメージング・システム(PerkinElmer)を用いて測定した。放射輝度(平均± SEM)を、本試験期間にわたって、取得した。代表的な生物発光シグナルの擬似カラー画像を、図29Cに示すように、全ての処置群について、移植後22-23日目に取得した。
Figure 2021087368000129
T-ALL患者に由来する異種移植片(PDX)モデルでは、T-ALL接種後5日目に、短い半減期のCD45-ADCを単回注射投与(3又は6 mg/kgのAbA-AM1)した結果、PBS(28日間)、又はアイソタイプ-ADC(28日間)で処置したコントロール、又はデキサメタゾン(47日間、n=5匹マウス/群;図30A及び表24)と比較して、中央値として66-67日分、生存期間がより長くなった。更に、図30Bに示すように、AbA-AM処置によって、T-ALL PDXモデルにおいて、媒
体、アイソタイプ-ADCと比較して、並びに、2つの臨床的に検証された標準治療(それぞ
れ、Ara-C、及びデキサメタゾン)と同等に、腫瘍増殖が遅くなって、末梢の腫瘍負荷が有意に減少した。これらの結果は、短い半減期のCD45-ADCの単回用量を使った治療により、腫瘍増殖が遅くなって、末梢の白血病細胞が減少して、及び生存期間の中央値が2倍にな
ること、を示している。
Figure 2021087368000130
治療歴が無い、及び同種異系HCT後に再発した患者に由来する、AML患者に由来する異種移植片(PDX)モデルでは、末梢中で、2-16%の芽球が検出された場合に、処置を開始した (n=3-5匹のマウス/群/AML PDXモデル)。マウスを、抗-ヒトCD45-ADC(AbA-AM)、アイソタイプ-ADC、又は媒体(PBS)の単回静脈内投与で処置した。Ara-cを、1日1回、5日間連続で
静脈内投与した。図31A及び31B(並びに表25及び26)に示すように、ADC(抗-CD45-ADC(AbA-AM)、アイソタイプ-ADC)、媒体(PBS)の単回静脈内投与で処置したPDX AMLマウスは、PBSコントロールと比較して、抗-CD45-ADCのレシピエント(recipient)において、
より長く生存した。更に、図31C及び31Dに示すように、短い半減期のCD45-ADCの単回用量は、媒体(PBS)又はアイソタイプ-ADCと比較して、2例の患者に由来する異種移植モデルにわたって、ヒト急性骨髄性白血病細胞の腫瘍負荷を効果的に減少させ、臨床的に検証された標準治療レジメン(Ara-c)と同等であった。
Figure 2021087368000131
Figure 2021087368000132
これらの結果から、短い半減期のCD45-ADC(AbA-AM)の単回用量投与は、忍容性が良好であり、複数の異種移植モデル(ALL、T-All、AML)において、白血病細胞を強力にターゲテ
ィングすることによって、腫瘍負荷を減少させることができること、並びに、コントロール及び臨床的に検証された標準治療と比較して、確立された白血病異種移植モデル(細胞
株及び患者由来)の生存期間の中央値を有意に延長するができること、が実証された。
PDX AML、及びT-ALLにおける、AbA-AM治療は、媒体、アイソタイプ-AMと比較して、並
びに、2種の臨床的に検証された標準治療(それぞれ、Ara-C、及びデキサメタゾン;図2
8)と同等に、腫瘍増殖が遅くなって、末梢の腫瘍負荷を有意に減少させた。移植適用の
ためにデザインしたので、前記ADCは、野生型の抗体コントロールと比較して、半減期が
短かった(16時間対79時間)。
ヒト化マウス異種移植モデルにおけるこれらの結果は、短い半減期のAbA-AM ADCは、強力なターゲット化抗-白血病剤であることを実証する。これらの非-遺伝毒性的なADCは、
移植後の患者、特に再発のリスクが高い、強度を低下させたコンディショニングを受けた患者において、疾病負荷を軽減することに、及び持続的な寛解を誘導することに、有用である可能性がある。
本開示全体を通して参照される配列を、表27に記載する。
Figure 2021087368000133
Figure 2021087368000134
Figure 2021087368000135
Figure 2021087368000136
Figure 2021087368000137
Figure 2021087368000138
Figure 2021087368000139
Figure 2021087368000140
Figure 2021087368000141
Figure 2021087368000142
Figure 2021087368000143
Figure 2021087368000144
Figure 2021087368000145
Figure 2021087368000146
Figure 2021087368000147
Figure 2021087368000148
Figure 2021087368000149
Figure 2021087368000150
Figure 2021087368000151
他の実施形態
本出願において言及される全ての刊行物、特許、及び特許出願は、あたかも各独立した刊行物又は特許出願が具体的かつ個別に示され、参照により取り込まれたかのように、同じ程度まで、本出願に参照により取り込まれる。
本発明を、その特定の実施形態に関連して説明してきたが、更なる改変をすることが可能であることを、並びに、本出願は、一般に、本発明の原理に従う本発明の任意の改変、使用、又は適応を、並びに、本発明が関係する技術内の既知の又は慣習的な実務内に入る本発明からの逸脱を、及び本出願に記載され、特許請求の範囲に従う本質的な特徴に適用され得る本発明からの逸脱を、含む本発明の任意の改変、使用、又は適応を、包含することが意図されていることを、理解されるであろう。
他の実施形態は、本願の特許請求の範囲の範囲内である。

Claims (20)

  1. 以下を含む、単離された、抗-CD45抗体又はその抗原-結合部分:
    配列番号(SEQ ID NO):42に記載のアミノ酸配列を含むCDR1ドメイン、配列番号(SEQ ID NO):43に記載のアミノ酸配列を含むCDR2ドメイン、及び配列番号(SEQ ID NO):44に記載のアミノ酸配列を含むCDR3ドメイン、を含む重鎖可変領域;並びに、
    配列番号(SEQ ID NO):46に記載のアミノ酸配列を含むCDR1ドメイン、配列番号(SEQ ID NO):47に記載のアミノ酸配列を含むCDR2ドメイン、及び配列番号(SEQ ID NO):48に記載のアミノ酸配列を含むCDR3ドメイン、を含む軽鎖可変領域、
    ここで、前記単離された抗-CD45抗体は、IgG1である。
  2. 請求項1に記載の、単離された、抗-CD45抗体又はその抗原-結合部分、
    ここで、前記重鎖可変領域は、配列番号(SEQ ID NO):41に記載のアミノ酸配列を含む、及びここで、前記軽鎖可変領域は、配列番号(SEQ ID NO):45に記載のアミノ酸配列を含む。
  3. 請求項1に記載の、単離された、抗-CD45抗体又はその抗原-結合部分、
    ここで、前記抗体又はその抗原-結合部分は、配列番号(SEQ ID NO):49に記載のアミノ酸配列を含む重鎖、及び配列番号(SEQ ID NO):50に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖、を含む。
  4. 請求項1に記載の、単離された、抗-CD45抗体又はその抗原-結合部分、
    ここで、前記抗体又はその抗原-結合部分は、配列番号(SEQ ID NO):106に記載のアミノ酸配列を含む重鎖、及び配列番号(SEQ ID NO):101に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖、を含む。
  5. リンカーを介して細胞毒素にコンジュゲートした、請求項1に記載の、単離された、抗-CD45抗体又はその抗原-結合部分を含む、抗体-薬物コンジュゲート(ADC)。
  6. 請求項5に記載のADC、
    ここで、前記重鎖可変領域は、配列番号(SEQ ID NO):41に記載のアミノ酸配列を含む、及びここで、前記軽鎖可変領域は、配列番号(SEQ ID NO):45に記載のアミノ酸配列を含む。
  7. 請求項5に記載のADC、
    ここで、前記抗体又はその抗原-結合部分は、配列番号(SEQ ID NO):49に記載のアミノ酸配列を含む重鎖、及び配列番号(SEQ ID NO):50に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖、を含む。
  8. 請求項5に記載のADC、
    ここで、前記細胞毒素は、インドリノベンゾジアゼピン又はインドリノベンゾジアゼピン疑似二量体(pseudodimer)である。
  9. 請求項5に記載のADC、
    ここで、前記細胞毒素は、以下によって表される構造を有する:
    ここで、波線は、前記ADCの、前記リンカーへの共有結合(attachment)の位置、を示す。
  10. 請求項5に記載のADC、
    ここで、前記抗-CD45抗体又はその抗原-結合部分は、D265の位置(EUインデックスによる番号付け)のシステイン残基を介して前記細胞毒素にコンジュゲートする。
  11. リンカーを介して細胞毒素にコンジュゲートした、抗-CD45抗体又はその抗原-結合部分を含む、抗体-薬物コンジュゲート(ADC)、
    ここで、前記抗-CD45抗体又はその抗原-結合部分は、配列番号(SEQ ID NO):41に記載のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域を含む、及び配列番号(SEQ ID NO):45に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、
    ここで、前記抗体は、IgG1である、並びに、
    ここで、前記抗体は、アミノ酸D265C(EUインデックス)を介して、前記リンカーにコンジュゲートする。
  12. 請求項11に記載のADC、
    ここで、前記細胞毒素は、インドリノベンゾジアゼピン又はインドリノベンゾジアゼピン疑似二量体(pseudodimer)である。
  13. 請求項11に記載のADC、
    ここで、前記細胞毒素は、以下によって表される構造を有する:
    ここで、波線は、前記ADCの、前記リンカーへの共有結合(attachment)の位置、を示す。
  14. リンカーを介して細胞毒素にコンジュゲートした、抗-CD45抗体又はその抗原-結合部分を含む、抗体-薬物コンジュゲート(ADC)、
    ここで、前記抗-CD45抗体又はその抗原-結合部分は、配列番号(SEQ ID NO):49に記載のアミノ酸配列を含む重鎖を含む、及び配列番号(SEQ ID NO):50に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む、
    ここで、前記抗体は、IgG1である、並びに、
    ここで、前記抗体は、アミノ酸D265C(EUインデックス)を介して、前記リンカーにコンジュゲートする。
  15. 請求項14に記載のADC、
    ここで、前記細胞毒素は、インドリノベンゾジアゼピン又はインドリノベンゾジアゼピン疑似二量体(pseudodimer)である。
  16. 請求項14に記載のADC、
    ここで、前記細胞毒素は、以下によって表される構造を有する:
    ここで、波線は、前記ADCの、前記リンカーへの共有結合(attachment)の位置、を示す。
  17. 請求項1から4の何れか一項に記載の抗体若しくはその抗原-結合部分、又は請求項5から16の何れか一項に記載のADC、及び薬学的に許容可能な担体、を含む医薬組成物。
  18. ヒト患者におけるCD45+細胞の集団を減少させるための医薬組成物、
    ここで、前記ヒト患者は、それを必要とする、
    ここで、前記医薬組成物は、請求項1から4の何れか一項に記載の抗体若しくはその抗原-結合部分、又は請求項5から16の何れか一項に記載のADC、を含む。
  19. 請求項18に記載の医薬組成物、ここで、
    (a) 前記CD45+細胞は、CD3+、CD19+、CD33+、CD34+、若しくはCD45+/B2M+、である;
    (b) 前記CD45+細胞は、造血幹細胞(HSC)、T細胞、B細胞、及び/若しくは骨髄性細胞である;並びに/又は、
    (c) 前記CD45+細胞を、前記患者の骨髄、及び/若しくは前記患者の末梢血、から減少させる。
  20. 請求項18に記載の医薬組成物、ここで、前記患者は、以下を有する:
    (a) 血液疾患;
    (b) 代謝障害;
    (c) がん、任意選択的にここで、前記がんは、血液がんである、任意選択的にここで、前記血液がんは、急性骨髄性白血病、急性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、慢性リンパ性白血病、若しくは多発性骨髄腫、である;若しくは、
    (d) 自己免疫障害、任意選択的にここで:
    (i) 前記自己免疫障害は、多発性硬化症、1型糖尿病、若しくは強皮症、である;若しくは、
    (ii) 前記自己免疫障害は、多発性硬化症、ヒト全身性エリテマトーデス、関節リウマチ、炎症性腸疾患、乾癬の治療、1型糖尿病、急性播種性脳脊髄炎、アジソン病、汎発性脱毛症、強直性脊椎炎、抗リン脂質抗体症候群、再生不良性貧血、自己免疫性溶血性貧血、自己免疫性肝炎、自己免疫性内耳疾患、自己免疫性リンパ増殖症候群、自己免疫性卵巣炎、バロー病、ベーチェット病、水疱性類天疱瘡、心筋症、シャーガス病、慢性疲労性免疫不全症候群、慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチー、クローン病、瘢痕性類天疱瘡、セリアック・スプルー疱疹状皮膚炎(coeliac sprue-dermatitis herpetiformis)、寒冷凝集素症、CREST症候群、デゴス病、円板状エリテマトーデス、自律神経障害、子宮内膜症、本態性混合型クリオグロブリン血症、線維筋痛症-線維筋炎、グッドパスチャー症候群、グレーブス病、ギラン-バレー症候群(GBS)、橋本甲状腺炎、化膿性汗腺炎、特発性及び/若しくは急性血小板減少性紫斑病、特発性肺線維症、IgAニューロパチー、間質性膀胱炎、若年性関節炎、川崎病、扁平苔癬、ライム病、メニエール病、混合性結合組織病、重症筋無力症、ニューロミオトニア、オプソクローヌス・ミオクローヌス症候群、視神経炎、オルド甲状腺炎(Ord's thyroiditis)、尋常性天疱瘡、悪性貧血、多発軟骨炎、多発性筋炎及び皮膚筋炎、原発性胆汁性肝硬変、結節性多発動脈炎、多内分泌腺症候群、リウマチ性多発筋痛症、原発性無ガンマグロブリン血症(primary agammaglobulinemia)、レイノー現象、ライター症候群、リウマチ熱、サルコイドーシス、強皮症、シューグレン症候群、スティッフ・パーソン症候群、高安動脈炎、側頭動脈炎、潰瘍性大腸炎、ブドウ膜炎、血管炎、白斑、外陰部痛、並びにヴェーゲナー肉芽腫症、からなる群より選択される;又は、
    (e) 重度複合免疫不全症疾患(severe combined immunodeficiency disease)(SCID)。
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