JPWO2021053727A1 - 緩衝器 - Google Patents
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Abstract
Description
例えば、特許文献1に記載された緩衝器は、ピストンに対してピストンロッドとは反対側に設けられ、内筒の一端側の端部よりも外筒の前記一端側の端部を前記ピストンロッドが配された側に位置させた状態で前記外筒及び前記内筒を保持する保持部材を備え、前記保持部材は、減衰力発生部を収容するダンパ収容部と、前記内筒の内側と前記ダンパ収容部とを連通する第一連通路と、隙間と前記ダンパ収容部とを連通する第二連通路と、前記外筒の端部よりも前記ピストンロッドとは反対側に形成され、前記第二連通路と前記隙間とを連通する流路開口部と、を備える。
本発明は、伸長行程及び圧縮行程の一方から他方へ切り替わった後に早期に減衰力を生じさせることができる緩衝器を提供することを目的とする。
以下、本発明について説明する。以下の説明では、本発明の理解を容易にするために添付図面中の参照符号を括弧書きで付記するが、それによって本発明が図示の形態に限定されるものではない。
本発明は、シリンダ(11)の軸方向の端部に固定された減衰力発生部(40)と、ピストン(120、220、320、325)により区画された前記シリンダ内の空間のうち、車両本体と車輪との間の相対変位が大きくなる伸長行程のときに圧力が高くなる空間である第1室(S1)の圧力(Pt)が、予め定められた第1圧力(Pmt)を超えないように調整する第1形態、前記車両本体と前記車輪との間の相対変位が小さくなる圧縮行程のときに圧力が高くなる空間である第2室(S2)の圧力(Pc)が予め定められた第2圧力(Pmc)を超えないように調整する第2形態、又は、前記第1室の圧力が前記第1圧力を超えないように調整するとともに、前記第2室の圧力が前記第2圧力を超えないように調整する第3形態、の何れかを行う圧力調整部(100、200、300、400、500、600)と、を有する緩衝器(1、2、3、4、5、6)である。
ここで、前記減衰力発生部(40)は、前記伸長行程のときに第1減衰バルブ(63)が開くことで減衰力を発生させ、前記圧力調整部(100、300、400、600)は、前記第1室(S1)の圧力(Pt)が、前記第1減衰バルブが開く第1開圧力(Pnt)よりも大きくなるのを許容しても良い。
また、前記圧力調整部(100、300)は、前記第1室(S1)から前記第2室(S2)へ流体を流通させる、前記ピストン(120、320)に形成された第1流路(121)を、前記第1室の圧力(Pt)が、前記第1開圧力(Pnt)と前記第1圧力(Pmt)との間の圧力(P1)であるときに開き始める第1バルブ(130)を有しても良い。
また、前記減衰力発生部(40)は、前記圧縮行程のときに第2減衰バルブ(65)が開くことで減衰力を発生させ、前記圧力調整部(200、300)は、前記第2室(S2)の圧力が前記第2圧力(Pmc)を超えないように調整するとともに、前記第2室の圧力が、前記第2減衰バルブが開く第2開圧力(Pnc)よりも大きくなるのを許容しても良い。
また、前記圧力調整部(200、300)は、前記第2室(S2)から前記第1室(S1)へ流体を流通させる、前記ピストン(220、320)に形成された第2流路(222)を、前記第2室の圧力(Pc)が、前記第2開圧力(Pnc)と前記第2圧力(Pmc)との間の圧力(P2)であるときに開き始める第2バルブ(250)を有しても良い。
前記減衰力発生部(40)は、前記伸長行程のときに第1減衰バルブ(63)が開くことで減衰力を発生させ、前記圧縮行程のときに第2減衰バルブ(65)が開くことで減衰力を発生させ、前記圧力調整部(300)は、前記第1室(S1)の圧力が前記第1圧力(Pmt)を超えないように調整するとともに、前記第1室の圧力が、前記第1減衰バルブが開く第1開圧力(Pnt)よりも大きくなるのを許容し、前記圧力調整部は、前記第2室(S2)の圧力が前記第2圧力(Pmc)を超えないように調整するとともに、前記第2室の圧力が、前記第2減衰バルブが開く第2開圧力(Pnc)よりも大きくなるのを許容しても良い。
前記圧力調整部(300)は、前記第1室(S1)から前記第2室(S2)へ流体を流通させる、前記ピストン(320)に形成された第1流路(121)を、前記第1室(S1)の圧力が、前記第1開圧力(Pnt)と前記第1圧力(Pmt)との間の圧力であるときに開き始める第1バルブ(130)を有するとともに、前記第2室から前記第1室へ流体を流通させる、前記ピストンに形成された第2流路(222)を、前記第2室の圧力が、前記第2開圧力(Pnc)と前記第2圧力(Pmc)との間の圧力であるときに開き始める第2バルブ(250)を有しても良い。
また、前記圧力調整部(400、500、600)は、前記第1形態のときに、前記ピストン(320)を保持する中空状のロッド(310)の内部を介して前記第1室(S1)と前記第2室(S2)とを連通する連通路(313)を開くことで、前記第1圧力(Pmt)を超えないように調整し、前記第2状態のときに、前記連通路を開くことで、前記第2圧力(Pmc)を超えないように調整し、前記第3形態のときに、前記連通路を開くことで前記第1圧力を超えないように調整するとともに、前記連通路を開くことで前記第2圧力を超えないように調整しても良い。
また、前記減衰力発生部(40)は、前記伸長行程のときに第1減衰バルブ(63)が開くことで減衰力を発生させ、前記圧縮行程のときに第2減衰バルブ(65)が開くことで減衰力を発生させ、前記圧力調整部(400、500、600)は、前記第1形態及び前記第3形態のときに、前記第1室(S1)の圧力(Pt)が、前記第1減衰バルブが開く第1開圧力(Pnt)よりも大きくなるのを許容し、前記第2形態及び前記第3形態のときに、前記第2室(S2)の圧力(Pc)が、前記第2減衰バルブが開く第2開圧力(Pnc)よりも大きくなるのを許容しても良い。
また、前記圧力調整部(400、500、600)は、前記ロッド(310)の内部に挿入されて、前記連通路(313)を閉じる位置と前記連通路を開く位置とに移動可能な開閉部材(340)と、前記開閉部材を移動させる駆動部材(350)と、前記第1室(S1)の圧力(Pt)を検出する第1センサ(360)と、前記第2室(S1)の圧力(Pc)を検出する第2センサ(480)と、前記第1センサが検出した圧力が前記第1開圧力(Pnt)と前記第1圧力(Pmt)との間の圧力となったときに前記開閉部材が前記連通路を開き、前記第2センサが検出した圧力が前記第2開圧力(Pnc)と前記第2圧力(Pmc)との間の圧力になったときに前記開閉部材が前記連通路を開くように、前記駆動部材を制御する制御部(370、470、670)と、を有しても良い。
<第1の実施形態>
図1は、第1の実施形態に係る緩衝器1の概略構成の一例を示す図である。
図2は、減衰力発生装置40の断面の一例を示す図である。
第1の実施形態に係る緩衝器1は、例えば自動二輪車のほか、前輪が2つで後輪が1つ、又は、前輪が1つで後輪が2つである鞍乗型車両の車両本体(車体)と、車輪の一例としての後輪との間に設けられ、後輪から入力される衝撃や振動を緩衝する装置である。
また、以下の説明において、シリンダ11の中心線方向を「軸方向」と称する場合がある。また、軸方向に関して、図1の上側を一方側、図1の下側を他方側と称する場合がある。また、シリンダ11の中心線から、半径方向内側を「内側」、半径方向外側を「外側」と称する場合がある。
シリンダ11は、内筒20と外筒21とによって構成されている。
内筒20は、その上端部20tが、ダンパーケース15に形成された内筒保持凹部18に挿入されて保持されている。外筒21は、その上端部21tがダンパーケース15に設けられた外筒保持部16に挿入されて保持されている。
ロッドガイド25は、外筒21の下端部21bの内側に設けられている。ロッドガイド25には、ピストンロッド110が挿通される挿通孔25hが形成されており、ピストンロッド110を軸方向に摺動可能にガイドする。また、ロッドガイド25は、内筒20と外筒21との間の環状流路101の下端を閉塞する。
ダンパーケース15は、取付部材10tを有する。ダンパーケース15には、内筒20の上端部20tの開口に対向する位置に、連通路102の一端が開口して形成されている。この連通路102は、油室S2と減衰力発生装置40の油室S11とを連通する。
ダンパーケース15には、流路開口部104が形成されている。この流路開口部104に連続して、減衰力発生装置40の油室S13と環状流路101とを連通する連通路105が形成されている。
シリンダ11内の油室S2、油室S1、環状流路101、リザーバ30内の油溜室S3、及び減衰力発生装置40内には、流体である油が充填されている。
図2に示したように、減衰力発生装置40は、ホルダ部材42と、アウターキャップ43と、メインダンパ60と、減衰調整部80と、を有するダンパーユニット41を備える。
ホルダ部材42は、軸状部45と、大径部46と、を有する。大径部46には、他端42b側から一端42a側に窪んだ凹部47が形成されている。また、大径部46には、凹部47と径方向外側とを連通する孔46hが、周方向に間隔をあけて複数形成されている。ホルダ部材42には、軸状部45の中心軸C方向に沿って連続し、一端42aと凹部47とを連通する中心孔48が形成されている。
アウターキャップ43は、ダンパ収容部29の開口部29aを塞ぐよう設けられ、開口部29aの内周面に装着されたCリング49によって、ダンパ収容部29から抜け出る方向への移動が規制されている。
ピストン62には、複数のポート62tとポート62cとが、それぞれ、ピストン62を中心軸C方向に貫通して形成されている。
第1減衰バルブ63は、複数枚のディスクバルブが積層されることで構成されている。
チェック弁61は、ディスクバルブからなり、ポート62cの大径部46側の出口を塞ぐように設けられている。
第2減衰バルブ65は、複数枚のディスクバルブが積層されることで構成されている。
チェック弁67は、ディスクバルブからなり、ポート66tのストッパプレート68側の出口を塞ぐように設けられている。
ストッパプレート68は、チェック弁67に対して、ホルダ部材42の軸状部45の一端42a側に配置されている。
軸状部45の一端42aに形成されたネジ溝45nには、ナット部材69が螺着されている。
弁81は、先端部側が、ホルダ部材42の大径部46に形成された凹部47から中心孔48内に挿入され、基端部側には、凹部47内で円板状のエンドピース81bが結合されている。
弁81は、中心孔48の内径よりも小さな外径を有し、これによって、中心孔48の内周面と弁81の外周面との間には、流路85が形成されている。また、弁81は、その先端部側に弁部81vを備える。中心孔48には、流路70よりもホルダ部材42の一端42a側に、内径が絞られた絞り部71が形成されており、弁部81vは、絞り部71に挿入されている。
アジャスタ84は、凹部47内に延び、弁83に締め付けられている。アジャスタ84の基部84aは、インナーキャップ87から外方に露出している。これにより、ダンパーケース15の外側からアジャスタ84を回転させると、弁83が中心軸C方向に進退する。すると、弁83の弁部83vが中心孔48の開口に対して進退し、弁部83vと流路85との間の隙間を増減する。
ダンパ収容部29内は、ピストン66のシールリング76Aと、ピストン62のシールリング76Bとによって、油室S11、油室S12、及び、油室S13に区画されている。
図1に示したように、圧力調整装置100は、ピストンロッド110と、ピストン120と、ピストン120の軸方向を貫通する第1流路121と、ピストン120の一方側に配置されて第1流路121を開閉する第1バルブ130と、ワッシャ140と、を有している。
第1バルブ130は、複数枚のディスクバルブが積層されることで構成されている。第1バルブ130の内径は、第1部111の径よりも大きく、第2部112の径よりも小さい。第1バルブ130は、外側の端部が第1流路121よりも外側にあるとともに第1流路121を覆う開閉バルブ131と、外側の端部が第1流路121よりも内側にあるとともに第1流路121を覆わない支持バルブ132とを有している。
支持バルブ132は、開閉バルブ131の外径よりも小さい外径のディスクバルブが複数枚積層されることで構成されている。支持バルブ132は、開閉バルブ131とワッシャ140との間に配置されて、その外側に、開閉バルブ131の外側の端部が撓む空間を形成する。
ワッシャ140には、半径方向の内側である中央部に、軸方向を貫通する孔140aが形成された板状の部材である。孔140aは、第1部111の径よりも大きく、第2部112の径よりも小さい。ワッシャ140の外径は、支持バルブ132の外径よりも大きい。
〈圧縮行程〉
ピストン120がシリンダ11内で車体側に移動する圧縮行程においては、油室S2内の油がピストン120により圧縮される。すると、油室S2内の油は、ダンパーケース15に形成された連通路102を通って、油室S11へと流れ込む。
油室S11に流れ込んだ油は、メインダンパ60のピストン66に形成されたポート66cに流れ込み、その出口側に設けられた第2減衰バルブ65を押し開いて、油室S12へと流出する。第2減衰バルブ65を押し開いて油が通ることで、減衰力が発生する。
油室S13に流れ込んだ油は、連通路105、シリンダ11の環状流路101、及び、複数の油孔103を通って、油室S1に流れ込む。
後輪の上下動によってピストン120がシリンダ11内で後輪側に移動する伸長行程においては、油室S1内の油がピストン120により圧縮される。すると、油室S1内の油は、内筒20の下端部に形成された油孔103を通り、内筒20と外筒21との間に形成された円筒状の環状流路101へと流れ込む。この環状流路101を流れる油は、その後、ダンパーケース15に形成された流路開口部104及び連通路105を通って、減衰力発生装置40の油室S13へと流れ込む。
また、油室S13に流れ込んだ油の一部は、ホルダ部材42の大径部46に形成された孔46hから凹部47内に流れ込む。そして、油は、弁83の弁部83vと流路85との間の隙間を通って、流路85、軸状部45に形成された流路70、及び、中間部材64に形成された流路64hを介して、油室S12に流出する。油が弁部83vと流路85との隙間を通るときに、減衰力が発生する。また、アジャスタ84で弁83を進退させて弁部83vと流路85との隙間を調整することで、この隙間を油が通るときに生じる減衰力を調整することができる。
油室S12に流れ込んだ油は、ピストン66のポート66tを通り、チェック弁67を押し開いて油室S11へと流れ込む。
油室S11内の油は、ダンパーケース15に形成された連通路102を通って、油室S2に流れ込む。
第1比較構成においては、第1バルブ130が開かないため、油室S1の圧力Pt1は、速度Vpに応じた圧力が生じる。ゆえに、第1比較構成では、速度Vpが大きくなるのに応じて圧力Pt1が大きくなる。
ゆえに、伸長行程において、油室S1の圧力Ptが圧力P1以上になると、油室S1内の油は、第1流路121の一方側端部に設けられた第1バルブ130を押し開き、油室S2に流出する。これにより、油室S1の圧力Ptは、圧力P1を大幅に超えて高くなることが抑制される。例えば第1バルブ130の開閉バルブ131の撓み剛性や支持バルブ132の外径を調整することにより、油室S1の圧力Ptが予め定められた第1圧力Pmtを超えないように設定することができる。第1圧力Pmtは、速度Vpが1.5(m/s)であるときに、5(MPa)であることを例示することができる。
図4は、緩衝器1が最も縮んだ最圧縮状態、言い換えれば、ピストン120が最も車体側に位置する状態から、緩衝器1が最も伸びた最伸長状態、言い換えれば、ピストン120が最も車輪側に位置する状態となるまで、伸長行程を行い、その後、最圧縮状態となるまで圧縮行程を行ったときの、圧力Ptと圧力Pcの時間変化を示している。図4においては、伸長行程の際には、最圧縮状態と最伸長状態との中間の中間状態のときに速度Vpが最大で、最圧縮状態から中間状態まで速度Vpが高まり、中間状態から最伸長状態まで速度Vpが低下するサインカーブを描くようにピストン120を移動させている。また、圧縮行程の際には、最伸長状態と最圧縮状態との中間の中間状態のときに速度Vpが最大で、最伸長状態から中間状態まで速度Vpが高まり、中間状態から最圧縮状態まで速度Vpが低下するサインカーブを描くようにピストン120を移動させている。なお、図4においては、圧力Ptを太い実線で示し、圧力Pcを太い破線で示している。また、第1比較構成の、圧力Pt1を細い実線で示し、油室S2の圧力Pc1を細い破線で示している。
図4に示すように、伸長行程から圧縮行程への切り替わり時から、圧力Ptと圧力Pcとが同じになるまでの時間t0は、圧力Pt1と圧力Pc1とが同じになるまでの時間t1よりも短い。
理想的には、伸長行程から圧縮行程への切り替わるのと同時に圧力Pcと圧力Ptとが同じになり、圧縮行程への切り替わった後、直ちに圧力Pcが圧力Ptよりも高くなると良い。圧縮行程に切り替わった後、直ちに圧縮行程における減衰力が生じ易くなるからである。これにより、例えば、ジャンプ後の着地の際に、ジャンプに伴うエネルギーを早期に吸収し始めることができ、ジャンプに続いて着地したときの操舵性を向上させることができる。
そして、このように構成された緩衝器1によれば、第1比較構成に比べて、伸長行程から圧縮行程へ切り替わった後に早期に圧縮行程における減衰力を生じさせることができる。これにより、圧縮行程に切り替わった直後における乗り心地を、第1比較構成よりも向上させることができる。
図5は、第2の実施形態に係る緩衝器2の概略構成の一例を示す図である。
緩衝器2は、上記緩衝器1に対して、圧力調整装置100に相当する圧力調整装置200が異なる。以下、圧力調整装置200について、圧力調整装置100と異なる点について説明する。圧力調整装置200と圧力調整装置100とで、同じ機能を有するものについては同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。
圧力調整装置200は、ピストンロッド110と、ピストン120に相当するピストン220と、を有している。ピストン220には、第1流路121に代えて、軸方向を貫通する第2流路222が中央孔220aの周囲に、等間隔に複数(本実施形態では4つ)形成されている。
第2バルブ250は、複数枚のディスクバルブが積層されることで構成されている。第2バルブ250の内径は、第1部111の径よりも大きく、第2部112の径よりも小さい。第2バルブ250は、外側の端部が第2流路222よりも外側にあるとともに第2流路222を覆う開閉バルブ251と、外側の端部が第2流路222よりも内側にあるとともに第2流路222を覆わない支持バルブ252とを有している。
支持バルブ252は、開閉バルブ251の外径よりも小さい外径のディスクバルブが複数枚積層されることで構成されている。支持バルブ252は、開閉バルブ251とワッシャ260との間に配置されて、その外側に、開閉バルブ251の外側の端部が撓む空間を形成する。
ワッシャ260には、半径方向の内側である中央部に、軸方向を貫通する孔260aが形成された板状の部材である。孔260aは、第1部111の径よりも大きく、第2部112の径よりも小さい。ワッシャ260の外径は、支持バルブ252の外径よりも大きい。
緩衝器2は、圧力調整装置200の機能に伴い、以下の機能を有する。
図6は、圧縮行程における、ピストン220の速度Vpと油室S2の圧力Pcとの関係の一例を示す図である。図6においては、緩衝器2の圧力Pcを実線で示している。また、緩衝器2に対して、第2バルブ250が開かない構成(以下、「第2比較構成」と称する場合がある。)の油室S2の圧力Pc2を二点鎖線で示している。
第2比較構成においては、第2バルブ250が開かないため、油室S2の圧力Pc2は、速度Vpに応じた圧力が生じる。ゆえに、第2比較構成では、速度Vpが大きくなるのに応じて圧力Pc2が大きくなる。
ゆえに、圧縮行程において、油室S2の圧力Pcが圧力P2以上になると、油室S2内の油は、第2流路222の他方側端部に設けられた第2バルブ250を押し開き、油室S1に流れ込む。これにより、油室S2の圧力Pcは、圧力P2を大幅に超えて高くなることが抑制される。例えば第2バルブ250の開閉バルブ251の撓み剛性や支持バルブ252の外径を調整することにより、油室S2の圧力Pcが第2圧力Pmcを超えないように設定することができる。第2圧力Pmcは、速度Vpが1.5(m/s)であるときに、6(MPa)であることを例示することができる。なお、第2圧力Pmcは、第1圧力Pmtと同じであっても良い。
圧縮行程から伸長行程への切り替わり時から、圧力Pcと圧力Ptとが同じになるまでの時間は、圧力Pc2と第2比較構成の油室S1の圧力Pt2とが同じになるまでの時間よりも短い。
理想的には、圧縮行程から伸長行程への切り替わるのと同時に圧力Ptと圧力Pcとが同じになり、伸長行程へと切り替わった後、直ちに圧力Ptが圧力Pcよりも高くなると良い。伸長行程に切り替わった後、直ちに伸長行程における減衰力が生じ易くなるからである。
そして、このように構成された緩衝器2によれば、第2比較構成に比べて、圧縮行程から伸長行程へ切り替わった後に早期に伸長行程における減衰力を生じさせることができる。これにより、伸長行程に切り替わった直後における乗り心地を、第2比較構成よりも向上させることができる。したがって、緩衝器2によれば、ジャンプに続いて着地した後の伸長行程における操舵性を向上させることができる。
図7は、第3の実施形態に係る緩衝器3の概略構成の一例を示す図である。
緩衝器3は、上記緩衝器1に対して、圧力調整装置100に相当する圧力調整装置300が異なる。以下、圧力調整装置300について、圧力調整装置100と異なる点について説明する。圧力調整装置300と、圧力調整装置100及び圧力調整装置200とで、同じ機能を有するものについては同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。
圧力調整装置300は、ピストンロッド110と、ピストン120に相当するピストン320と、第1バルブ130と、ワッシャ140と、を有している。ピストン320には、第1流路121に加えて、軸方向を貫通する第2流路222が孔220aの周囲に、等間隔に複数(本実施形態では4つ)形成されている。第1流路121と第2流路222は、周方向に交互に形成されていることを例示することができる。
また、圧力調整装置300は、第2流路222における他方側の開口部を開閉する第2バルブ250と、ワッシャ260と、を有している。
緩衝器3は、緩衝器1が有する機能に加えて、緩衝器2が有する機能を有する。
図8は、油室S1の圧力Ptと油室S2の圧力Pcの時間変化の一例を示す図である。
図8は、緩衝器3が最圧縮状態から最伸長状態となるまで伸長行程を行い、その後、最圧縮状態となるまで圧縮行程を行ったときの、圧力Ptと圧力Pcの時間変化を示している。図8においては、伸長行程の際には、最圧縮状態と最伸長状態との中間の中間状態のときに速度Vpが最大で、最圧縮状態から中間状態まで速度Vpが高まり、中間状態から最伸長状態まで速度Vpが低下するサインカーブを描くようにピストン320を移動させている。また、圧縮行程の際には、中間状態のときに速度Vpが最大で、最伸長状態から中間状態まで速度Vpが高まり、中間状態から最圧縮状態まで速度Vpが低下するサインカーブを描くようにピストン320を移動させている。なお、図8においては、圧力Ptを太い実線で示し、圧力Pcを太い破線で示している。また、第2比較構成の、圧力Pt2を細い実線で示し、油室S2の圧力Pc2を細い破線で示している。
従って、緩衝器3によれば、速度Vpが速く、第2バルブ250が開く高速域での乗り心地を、第2比較構成よりも良くすることができる。
以上のことより、緩衝器3によれば、緩衝器1と同様に、伸長行程から圧縮行程へ切り替わった後に早期に圧縮行程における減衰力を生じさせることができる。これにより、圧縮行程に切り替わった直後における乗り心地を向上させることができる。したがって、緩衝器3によれば、ジャンプ後の着地時の操舵性を向上させることができる。これに加えて、緩衝器3は第2バルブ250を有しているので、第2比較構成に比べて、圧縮行程から伸長行程へと切り替わった後に早期に伸長行程における減衰力を生じさせることができる。これにより、伸長行程に切り替わった直後における乗り心地を、第2比較構成よりも向上させることができる。したがって、緩衝器3によれば、ジャンプに続いて着地した後の伸長行程における操舵性を向上させることができる。
図9は、第4の実施形態に係る緩衝器4の概略構成の一例を示す図である。
緩衝器4は、上記緩衝器1に対して、圧力調整装置100に相当する圧力調整装置400が異なる。以下、圧力調整装置400について、圧力調整装置100と異なる点について説明する。
ピストンロッド310は、ピストンロッド110に対して、中空の部材である点が異なる。より具体的には、ピストンロッド310は、内径が同じで外径が異なる2つの円筒状の部位である、第1部311と、第2部312とを、一方側から他方側にかけて順に有する。第1部311の外径は、第2部312の外径よりも小さい。第1部311における一方側の端部には、ナット27が締め付けられる雄ネジが形成されている。第2部312における他方側の端部には、取付部材10bが締め付けられる雄ネジが形成されている。
第2部312における一方側の端部には、内部と外部とを連通するように、半径方向の貫通孔である連通路313が形成されている。
ワッシャ330は、半径方向の内側である中央部に、軸方向を貫通する孔330aが形成された板状の部材である。孔330aは、第1部311の外径よりも大きく、第2部312の外径よりも小さい。ワッシャ330の外径は、ピストン325の外径以下である。
また、圧力調整装置400は、油室S1の圧力Ptを検出する第1センサ360と、第1センサ360が検出した圧力Ptを用いて駆動部材350の動作を制御する制御装置370とを有している。
駆動部材350は、コイル(不図示)と、コア(不図示)と、コアに案内される作動ロッド351と、コイルばね(不図示)と、コイル、コア、作動ロッド351及びコイルばねを収容するケース352とを備えている。
ケース352は、ボルトやビス等の締付部材にて、取付部材10bに固定されている。
作動ロッド351は、他方側の端部がケース352内に収容され、一方側の端部がケース352から飛び出て、開閉部材340に連結されている。
一方、駆動部材350への電圧の印加を停止すると、作動ロッド351に推力が発生せず、作動ロッド351がコイルばねのばね力により一方側に移動し、開閉部材340が一方側に移動する。これにより、開閉部材340が連通路313を塞ぐ閉状態となる。
図10は、開閉部材340が開状態である場合を示す図である。
以上説明したように構成された圧力調整装置400においては、油室S1の圧力Ptが圧力P1以上になったときに、開閉部材340が連通路313を塞がない開状態となる。ゆえに、伸長行程において、油室S1の圧力Ptが圧力P1以上になると、油室S1内の油は、図10に示すように、連通路313を通って、油室S2に流出する。これにより、圧力調整装置100と同様に、油室S1の圧力Ptは、圧力P1を大幅に超えて高くなることが抑制される。
その結果、緩衝器4によれば、緩衝器1と同様に、第1比較構成に比べて、伸長行程から圧縮行程へ切り替わった後に、早期に圧縮行程における減衰力を生じさせることができる。
図11は、第5の実施形態に係る緩衝器5の概略構成の一例を示す図である。
緩衝器5は、上記緩衝器4に対して、圧力調整装置400に相当する圧力調整装置500が異なる。以下、圧力調整装置500について、圧力調整装置400と異なる点について説明する。圧力調整装置500と圧力調整装置400とで、同じ機能を有するものについては同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。
より具体的には、圧力調整装置500は、第1センサ360に代えて、油室S2の圧力Pcを検出する第2センサ480を備えている。そして、制御装置370に相当する制御装置470には、第2センサ480からの出力信号が入力される。制御装置470は、第2センサ480が検出した圧力Pcが圧力P2以上である場合には、開閉部材340を開状態とするべく、駆動部材350に電圧を印加する。一方、制御装置470は、第2センサ480が検出した圧力Pcが圧力P2未満である場合には、開閉部材340を閉状態とするべく、駆動部材350への電圧の印加を停止する。
以上説明したように構成された圧力調整装置500においては、油室S2の圧力Pcが圧力P2以上になったときに、開閉部材340が連通路313を塞がない開状態となる。ゆえに、圧縮行程において、油室S2の圧力Pcが圧力P2以上になると、油室S2内の油は、連通路313を通って、油室S1に流出する。これにより、圧力調整装置200と同様に、油室S2の圧力Pcは、圧力P2を大幅に超えて高くなることが抑制される。
その結果、緩衝器5によれば、緩衝器2と同様に、第2比較構成に比べて、圧縮行程から伸長行程へ切り替わった後に、早期に伸長行程における減衰力を生じさせることができる。これにより、伸長行程に切り替わった直後における乗り心地を、第2比較構成よりも向上させることができる。したがって、緩衝器5によれば、ジャンプに続いて着地した後の伸長行程における操舵性を向上させることができる。
図12は、第6の実施形態に係る緩衝器6の概略構成の一例を示す図である。
緩衝器6は、上記緩衝器4に対して、圧力調整装置400に相当する圧力調整装置600が異なる。以下、圧力調整装置600について、圧力調整装置400と異なる点について説明する。圧力調整装置600と圧力調整装置400とで、同じ機能を有するものについては同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。
より具体的には、圧力調整装置600は、さらに、油室S2の圧力Pcを検出する第2センサ480を備えている。そして、制御装置370に相当する制御装置670には、第2センサ480からの出力信号が入力される。制御装置670は、第1センサ360が検出した圧力Ptが圧力P1以上である場合、又は、第2センサ480が検出した圧力Pcが圧力P2以上である場合には、開閉部材340を開状態とするべく、駆動部材350に電圧を印加する。一方、制御装置670は、第1センサ360が検出した圧力Ptが圧力P1未満である場合、又は、第2センサ480が検出した圧力Pcが圧力P2未満である場合には、開閉部材340を閉状態とするべく、駆動部材350への電圧の印加を停止する。
以上説明したように構成された圧力調整装置600においては、油室S1の圧力Ptが圧力P1以上になったときに、開閉部材340が連通路313を塞がない開状態となるので、圧力調整装置400と同様に、油室S1の圧力Ptが、圧力P1を大幅に超えて高くなることが抑制される。加えて、圧力調整装置600においては、油室S2の圧力Pcが圧力P2以上になったときに、開閉部材340が連通路313を塞がない開状態となる。ゆえに、圧縮行程において、油室S2の圧力Pcが圧力P2以上になると、油室S2内の油は、連通路313を通って、油室S1に流出する。これにより、圧力調整装置500と同様に、油室S2の圧力Pcは、圧力P2を大幅に超えて高くなることが抑制される。従って、緩衝器6によれば、圧縮行程において、速度Vpが速く、開閉部材340が連通路313を塞がない開状態となる高速域での乗り心地を、第2比較構成よりも良くすることができる。
以上のことより、緩衝器6によれば、緩衝器4と同様に、伸長行程から圧縮行程へ切り替わった後に早期に圧縮行程における減衰力を生じさせることができる。これにより、圧縮行程に切り替わった直後における乗り心地を向上させることができる。したがって、緩衝器6によれば、ジャンプ後の着地時の操舵性を向上させることができる。これに加えて、緩衝器6は、緩衝器5と同様に、第2比較構成に比べて、圧縮行程から伸長行程へと切り替わった後に早期に伸長行程における減衰力を生じさせることができる。これにより、伸長行程に切り替わった直後における乗り心地を、第2比較構成よりも向上させることができる。したがって、緩衝器6によれば、ジャンプに続いて着地した後の伸長行程における操舵性を向上させることができる。
以下、本発明について説明する。以下の説明では、本発明の理解を容易にするために添付図面中の参照符号を括弧書きで付記するが、それによって本発明が図示の形態に限定されるものではない。
本発明は、シリンダ(11)の軸方向の端部に固定された減衰力発生部(40)と、ピストン(120、320)により区画された前記シリンダ内の空間のうち、車両本体と車輪との間の相対変位が大きくなる伸長行程のときに圧力が高くなる空間である第1室(S1)の圧力(Pt)が、前記伸長行程における前記ピストンの速度が1.5m/sである場合の前記第1室の圧力に相当する第1圧力(Pmt)を超えないように調整する第1形態、前記車両本体と前記車輪との間の相対変位が小さくなる圧縮行程のときに圧力が高くなる空間である第2室(S2)の圧力(Pc)が、前記圧縮行程における前記ピストンの速度が1.5m/sである場合の前記第2室の圧力に相当する第2圧力(Pmc)を超えないように調整する第2形態、又は、前記第1室の圧力が前記第1圧力を超えないように調整するとともに、前記第2室の圧力が前記第2圧力を超えないように調整する第3形態、の何れかを行う、前記シリンダ内のピストンに設けられた圧力調整部(100、300)と、を有し、前記減衰力発生部は、前記伸長行程のときに第1減衰バルブ(63)が開くことで減衰力を発生させ、前記圧力調整部は、前記第1室の圧力が前記第1圧力を超えないように調整するとともに、前記第1室の圧力が、前記第1減衰バルブが開く第1開圧力(Pnt)よりも大きくなるのを許容する、緩衝器(1、3、)である。
ここで、前記圧力調整部(100、300)は、前記第1室(S1)から前記第2室(S2)へ流体を流通させる、前記ピストン(120、320)に形成された第1流路(121)を、前記第1室の圧力(Pt)が、前記第1開圧力(Pnt)と前記第1圧力(Pmt)との間の圧力(P1)であるときに開き始める第1バルブ(130)を有しても良い。
また、本発明は、シリンダ(11)の軸方向の端部に固定された減衰力発生部(40)と、ピストン(220、320)により区画された前記シリンダ内の空間のうち、車両本体と車輪との間の相対変位が大きくなる伸長行程のときに圧力が高くなる空間である第1室(S1)の圧力(Pt)が、前記伸長行程における前記ピストンの速度が1.5m/sである場合の前記第1室の圧力に相当する第1圧力(Pmt)を超えないように調整する第1形態、前記車両本体と前記車輪との間の相対変位が小さくなる圧縮行程のときに圧力が高くなる空間である第2室(S2)の圧力(Pc)が、前記圧縮行程における前記ピストンの速度が1.5m/sである場合の前記第2室の圧力に相当する第2圧力(Pmc)を超えないように調整する第2形態、又は、前記第1室の圧力が前記第1圧力を超えないように調整するとともに、前記第2室の圧力が前記第2圧力を超えないように調整する第3形態、の何れかを行う、前記シリンダ内のピストンに設けられた圧力調整部(200、300)と、を有し、前記減衰力発生部は、前記圧縮行程のときに第2減衰バルブ(65)が開くことで減衰力を発生させ、前記圧力調整部は、前記第2室の圧力が前記第2圧力を超えないように調整するとともに、前記第2室の圧力が、前記第2減衰バルブが開く第2開圧力(Pnc)よりも大きくなるのを許容する、緩衝器(2、3)である。
ここで、前記圧力調整部(200、300)は、前記第2室(S2)から前記第1室(S1)へ流体を流通させる、前記ピストン(220、320)に形成された第2流路(222)を、前記第2室の圧力(Pc)が、前記第2開圧力(Pnc)と前記第2圧力(Pmc)との間の圧力(P2)であるときに開き始める第2バルブ(250)を有しても良い。
また、本発明は、シリンダ(11)の軸方向の端部に固定された減衰力発生部(40)と、ピストン(320)により区画された前記シリンダ内の空間のうち、車両本体と車輪との間の相対変位が大きくなる伸長行程のときに圧力が高くなる空間である第1室(S1)の圧力(Pt)が、前記伸長行程における前記ピストンの速度が1.5m/sである場合の前記第1室の圧力に相当する第1圧力(Pmt)を超えないように調整する第1形態、前記車両本体と前記車輪との間の相対変位が小さくなる圧縮行程のときに圧力が高くなる空間である第2室(S2)の圧力(Pc)が、前記圧縮行程における前記ピストンの速度が1.5m/sである場合の前記第2室の圧力に相当する第2圧力(Pmc)を超えないように調整する第2形態、又は、前記第1室の圧力が前記第1圧力を超えないように調整するとともに、前記第2室の圧力が前記第2圧力を超えないように調整する第3形態、の何れかを行う、前記シリンダ内のピストンに設けられた圧力調整部(300)と、を有し、前記減衰力発生部は、前記伸長行程のときに第1減衰バルブ(63)が開くことで減衰力を発生させ、前記圧縮行程のときに第2減衰バルブ(65)が開くことで減衰力を発生させ、前記圧力調整部は、前記第1室の圧力が前記第1圧力を超えないように調整するとともに、前記第1室の圧力が、前記第1減衰バルブが開く第1開圧力(Pnt)よりも大きくなるのを許容し、前記圧力調整部は、前記第2室の圧力が前記第2圧力を超えないように調整するとともに、前記第2室の圧力が、前記第2減衰バルブが開く第2開圧力(Pnc)よりも大きくなるのを許容する、緩衝器(3)である。
ここで、前記圧力調整部(300)は、前記第1室(S1)から前記第2室(S2)へ流体を流通させる、前記ピストン(320)に形成された第1流路(121)を、前記第1室(S1)の圧力が、前記第1開圧力(Pnt)と前記第1圧力(Pmt)との間の圧力であるときに開き始める第1バルブ(130)を有するとともに、前記第2室から前記第1室へ流体を流通させる、前記ピストンに形成された第2流路(222)を、前記第2室の圧力が、前記第2開圧力(Pnc)と前記第2圧力(Pmc)との間の圧力であるときに開き始める第2バルブ(250)を有しても良い。
また、本発明は、シリンダ(11)の軸方向の端部に固定された減衰力発生部(40)と、ピストン(325)により区画された前記シリンダ内の空間のうち、車両本体と車輪との間の相対変位が大きくなる伸長行程のときに圧力が高くなる空間である第1室(S1)の圧力(Pt)が、前記伸長行程における前記ピストンの速度が1.5m/sである場合の前記第1室の圧力に相当する第1圧力(Pmt)を超えないように調整する第1形態、前記車両本体と前記車輪との間の相対変位が小さくなる圧縮行程のときに圧力が高くなる空間である第2室(S2)の圧力(Pc)が、前記圧縮行程における前記ピストンの速度が1.5m/sである場合の前記第2室の圧力に相当する第2圧力(Pmc)を超えないように調整する第2形態、又は、前記第1室の圧力が前記第1圧力を超えないように調整するとともに、前記第2室の圧力が前記第2圧力を超えないように調整する第3形態、の何れかを行う、前記シリンダ内に設けられた圧力調整部(600)と、を有し、前記圧力調整部は、前記第1形態のときに、前記ピストンを保持する中空状のロッド(310)の内部を介して前記第1室と前記第2室とを連通する連通路(313)を開くことで、前記第1圧力を超えないように調整し、前記第2形態のときに、前記連通路を開くことで、前記第2圧力を超えないように調整し、前記第3形態のときに、前記連通路を開くことで前記第1圧力を超えないように調整するとともに、前記連通路を開くことで前記第2圧力を超えないように調整する、緩衝器(6)である。
ここで、前記減衰力発生部(40)は、前記伸長行程のときに第1減衰バルブ(63)が開くことで減衰力を発生させ、前記圧縮行程のときに第2減衰バルブ(65)が開くことで減衰力を発生させ、前記圧力調整部(400、500、600)は、前記第1形態及び前記第3形態のときに、前記第1室(S1)の圧力(Pt)が、前記第1減衰バルブが開く第1開圧力(Pnt)よりも大きくなるのを許容し、前記第2形態及び前記第3形態のときに、前記第2室(S2)の圧力(Pc)が、前記第2減衰バルブが開く第2開圧力(Pnc)よりも大きくなるのを許容しても良い。
また、本発明は、シリンダ(11)の軸方向の端部に固定された減衰力発生部(40)と、ピストン(325)により区画された前記シリンダ内の空間のうち、車両本体と車輪との間の相対変位が大きくなる伸長行程のときに圧力が高くなる空間である第1室(S1)の圧力(Pt)が、前記伸長行程における前記ピストンの速度が1.5m/sである場合の前記第1室の圧力に相当する第1圧力(Pmt)を超えないように調整する第1形態、前記車両本体と前記車輪との間の相対変位が小さくなる圧縮行程のときに圧力が高くなる空間である第2室(S2)の圧力(Pc)が、前記圧縮行程における前記ピストンの速度が1.5m/sである場合の前記第2室の圧力に相当する第2圧力(Pmc)を超えないように調整する第2形態、又は、前記第1室の圧力が前記第1圧力を超えないように調整するとともに、前記第2室の圧力が前記第2圧力を超えないように調整する第3形態、の何れかを行う圧力調整部(600)と、を有し、前記圧力調整部は、前記第1形態のときに、前記ピストンを保持する中空状のロッド(310)の内部を介して前記第1室と前記第2室とを連通する連通路(313)を開くことで、前記第1圧力を超えないように調整し、前記第2形態のときに、前記連通路を開くことで、前記第2圧力を超えないように調整し、前記第3形態のときに、前記連通路を開くことで前記第1圧力を超えないように調整するとともに、前記連通路を開くことで前記第2圧力を超えないように調整し、前記減衰力発生部は、前記伸長行程のときに第1減衰バルブ(63)が開くことで減衰力を発生させ、前記圧縮行程のときに第2減衰バルブ(65)が開くことで減衰力を発生させ、前記圧力調整部(600)は、前記第1形態及び前記第3形態のときに、前記第1室の圧力が、前記第1減衰バルブが開く第1開圧力(Pnt)よりも大きくなるのを許容し、前記第2形態及び前記第3形態のときに、前記第2室の圧力が、前記第2減衰バルブが開く第2開圧力(Pnc)よりも大きくなるのを許容し、前記圧力調整部は、前記ロッドの内部に挿入されて、前記連通路を閉じる位置と前記連通路を開く位置とに移動可能な開閉部材(340)と、前記開閉部材を移動させる駆動部材(350)と、前記第1室の圧力を検出する第1センサ(360)と、前記第2室の圧力を検出する第2センサ(480)と、前記第1センサが検出した圧力が前記第1開圧力と前記第1圧力との間の圧力となったときに前記開閉部材が前記連通路を開き、前記第2センサが検出した圧力が前記第2開圧力と前記第2圧力との間の圧力になったときに前記開閉部材が前記連通路を開くように、前記駆動部材を制御する制御部(670)と、を有する緩衝器(6)である。
Claims (10)
- シリンダの軸方向の端部に固定された減衰力発生部と、
ピストンにより区画された前記シリンダ内の空間のうち、車両本体と車輪との間の相対変位が大きくなる伸長行程のときに圧力が高くなる空間である第1室の圧力が、予め定められた第1圧力を超えないように調整する第1形態、
前記車両本体と前記車輪との間の相対変位が小さくなる圧縮行程のときに圧力が高くなる空間である第2室の圧力が予め定められた第2圧力を超えないように調整する第2形態、又は、
前記第1室の圧力が前記第1圧力を超えないように調整するとともに、前記第2室の圧力が前記第2圧力を超えないように調整する第3形態、の何れかを行う圧力調整部と、
を有する緩衝器。 - 前記減衰力発生部は、前記伸長行程のときに第1減衰バルブが開くことで減衰力を発生させ、
前記圧力調整部は、前記第1室の圧力が前記第1圧力を超えないように調整するとともに、前記第1室の圧力が、前記第1減衰バルブが開く第1開圧力よりも大きくなるのを許容する
請求項1に記載の緩衝器。 - 前記圧力調整部は、前記第1室から前記第2室へ流体を流通させる、前記ピストンに形成された第1流路を、前記第1室の圧力が、前記第1開圧力と前記第1圧力との間の圧力であるときに開き始める第1バルブを有する
請求項2に記載の緩衝器。 - 前記減衰力発生部は、前記圧縮行程のときに第2減衰バルブが開くことで減衰力を発生させ、
前記圧力調整部は、前記第2室の圧力が前記第2圧力を超えないように調整するとともに、前記第2室の圧力が、前記第2減衰バルブが開く第2開圧力よりも大きくなるのを許容する
請求項1に記載の緩衝器。 - 前記圧力調整部は、前記第2室から前記第1室へ流体を流通させる、前記ピストンに形成された第2流路を、前記第2室の圧力が、前記第2開圧力と前記第2圧力との間の圧力であるときに開き始める第2バルブを有する
請求項4に記載の緩衝器。 - 前記減衰力発生部は、前記伸長行程のときに第1減衰バルブが開くことで減衰力を発生させ、前記圧縮行程のときに第2減衰バルブが開くことで減衰力を発生させ、
前記圧力調整部は、前記第1室の圧力が前記第1圧力を超えないように調整するとともに、前記第1室の圧力が、前記第1減衰バルブが開く第1開圧力よりも大きくなるのを許容し、
前記圧力調整部は、前記第2室の圧力が前記第2圧力を超えないように調整するとともに、前記第2室の圧力が、前記第2減衰バルブが開く第2開圧力よりも大きくなるのを許容する、
請求項1に記載の緩衝器。 - 前記圧力調整部は、前記第1室から前記第2室へ流体を流通させる、前記ピストンに形成された第1流路を、前記第1室の圧力が、前記第1開圧力と前記第1圧力との間の圧力であるときに開き始める第1バルブを有するとともに、
前記第2室から前記第1室へ流体を流通させる、前記ピストンに形成された第2流路を、前記第2室の圧力が、前記第2開圧力と前記第2圧力との間の圧力であるときに開き始める第2バルブを有する、
請求項6に記載の緩衝器。 - 前記圧力調整部は、
前記第1形態のときに、前記ピストンを保持する中空状のロッドの内部を介して前記第1室と前記第2室とを連通する連通路を開くことで、前記第1圧力を超えないように調整し、
前記第2形態のときに、前記連通路を開くことで、前記第2圧力を超えないように調整し、
前記第3形態のときに、前記連通路を開くことで前記第1圧力を超えないように調整するとともに、前記連通路を開くことで前記第2圧力を超えないように調整する
請求項1に記載の緩衝器。 - 前記減衰力発生部は、前記伸長行程のときに第1減衰バルブが開くことで減衰力を発生させ、前記圧縮行程のときに第2減衰バルブが開くことで減衰力を発生させ、
前記圧力調整部は、
前記第1形態及び前記第3形態のときに、前記第1室の圧力が、前記第1減衰バルブが開く第1開圧力よりも大きくなるのを許容し、
前記第2形態及び前記第3形態のときに、前記第2室の圧力が、前記第2減衰バルブが開く第2開圧力よりも大きくなるのを許容する、
請求項8に記載の緩衝器。 - 前記圧力調整部は、
前記ロッドの内部に挿入されて、前記連通路を閉じる位置と前記連通路を開く位置とに移動可能な開閉部材と、
前記開閉部材を移動させる駆動部材と、
前記第1室の圧力を検出する第1センサと、
前記第2室の圧力を検出する第2センサと、
前記第1センサが検出した圧力が前記第1開圧力と前記第1圧力との間の圧力となったときに前記開閉部材が前記連通路を開き、前記第2センサが検出した圧力が前記第2開圧力と前記第2圧力との間の圧力になったときに前記開閉部材が前記連通路を開くように、前記駆動部材を制御する制御部と、
を有する請求項9に記載の緩衝器。
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