JP2017048817A - 減衰力調整式緩衝器 - Google Patents
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Abstract
【課題】 バルブケースとソレノイドケースとをかしめにより固定しても、各ケース内の部品が変形することを抑制できるようにする。【解決手段】 緩衝器1の筒部材20は、ソレノイドケース21と、バルブケース22と、かしめ部23とにより構成する。このかしめ部23は、ソレノイドケース21に設けられる第1の周溝24、第2の周溝25A,25B、隔壁部26A,26Bと、バルブケース22に設けられる突出部27とにより構成する。バルブケース22をソレノイドケース21にかしめ固定する際に、突出部27が隔壁部26A,26Bに当接することにより、該隔壁部26A,26Bは第2の周溝25A,25B側にそれぞれ傾斜する。【選択図】 図4
Description
本発明は、例えば4輪自動車等の車両に搭載され、車両の振動を緩衝するのに好適に用いられる減衰力調整式緩衝器に関する。
4輪自動車等の車両には、相対的に移動する車輪側と車体側との間に減衰力調整式緩衝器が設けられ、走行時に発生する上,下方向の振動等を緩衝する構成としている。この減衰力調整式緩衝器は、作動流体が封入されたシリンダ部と、該シリンダ部内に挿入されたピストンと、該ピストンに連結されて前記シリンダ部の外部に延出されたピストンロッドと、前記シリンダ部の側壁に設けられた筒部材内に収納された減衰力発生手段とを備えている(例えば、特許文献1参照)。
ところで、特許文献1に記載された減衰力調整式緩衝器は、減衰力発生手段として、ソレノイドと減衰バルブとが前記筒部材内に収納して設けられている。この筒部材は、ソレノイドを収納するソレノイドケースを、減衰バルブを収納するバルブケースの位置決め溝にかしめて固定する構成としている。この場合、バルブケースとソレノイドケースとを回り止めするために、内部にソレノイドと減衰バルブとを収納した状態で強力なかしめ力により各ケースを塑性変形させる必要があるので、各ケース内に設けられた部品が変形する虞がある。
本発明は、上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、本発明の目的は、バルブケースとソレノイドケースとをかしめにより固定しても、各ケース内の部品が変形することを抑制できる減衰力調整式緩衝器を提供することにある。
上述した課題を解決するため、本発明は、内部に減衰力発生手段が収納され、作動流体が封入されたシリンダ部の側壁に接合されてなる筒部材を有する減衰力調整式緩衝器であって、前記筒部材は、第1の筒体と、該第1の筒体の外側に配される第2の筒体と、前記第1の筒体に対し前記第2の筒体をかしめて固定するかしめ部と、を有し、前記かしめ部は、前記第1の筒体の周方向に設けられる第1の溝部と、該第1の溝部を軸方向に挟んで一側および/または他側に形成される第2の溝部と、前記第1の溝部と前記第2の溝部との間の隔壁部と、前記第2の筒体に設けられ前記第1の筒体の前記第1の溝部に向けて部分的に突出する突出部と、からなり、前記突出部は、前記隔壁部に当接し、前記隔壁部は前記第2の溝部側に傾斜してなることを特徴としている。
本発明によれば、バルブケースとソレノイドケースとをかしめにより固定しても、各ケース内の部品が変形することを抑制できる。
以下、本発明の実施の形態による減衰力調整式緩衝器を、車両用の減衰力調整式油圧緩衝器に適用した場合を例に挙げ、図1ないし図7に従って詳細に説明する。
まず、第1の実施の形態による減衰力調整式緩衝器1(以下、緩衝器1とする)について、図1ないし図4を参照しつつ説明する。
緩衝器1の外殻をなす有底筒状の外筒2は、下端側がボトムキャップ3により溶接手段等を用いて閉塞され、上端側には、後述のロッドガイド9が設けられている。この外筒2は、内筒4と共にシリンダ部を構成している。内筒4は、外筒2内に同軸に設けられている。一方、外筒2の下部側には、後述する中間筒12の接続口12Cと同心に開口2Aが形成され、該開口2Aと対向して後述する減衰力調整装置17が取付けられている。また、ボトムキャップ3には、例えば車両の車輪側に取付けられる取付アイ3Aが設けられている。
外筒2内には、内筒4が軸方向に伸長して設けられている。内筒4は、下端側が後述のボトムバルブ13に嵌合して取付けられ、上端側はロッドガイド9に嵌合して取付けられている。内筒4内には作動流体としての油液が封入されている。ここで、作動流体としては油液、オイルに限らず、例えば添加剤を混在させた水等でもよい。
内筒4と外筒2との間には、環状のリザーバ室Aが形成され、このリザーバ室A内には、前記油液と共にガスが封入されている。このガスは、大気圧状態の空気であってもよく、また圧縮された窒素ガス等の気体を用いてもよい。また、内筒4の長さ方向の途中位置には、ロッド側油室Bを環状油室Dに常時連通させる油穴4Aが径方向に穿設されている。
ピストン5は、内筒4内に摺動可能に挿嵌されている。このピストン5は、内筒4内をロッド側油室Bとボトム側油室Cとに画成している。ピストン5には、ロッド側油室Bとボトム側油室Cとを連通可能とする油路5A,5Bがそれぞれ複数個、周方向に離間して形成されている。
ここで、ピストン5の下端面には、伸長側のディスクバルブ6が設けられている。この伸長側のディスクバルブ6は、ピストンロッド8の伸長行程でピストン5が上向きに摺動変位するときに、ロッド側油室B内の圧力がリリーフ設定圧を越えると開弁し、このときの圧力を各油路5Aを介してボトム側油室C側にリリーフする。このリリーフ設定圧は、後述の減衰力調整装置17がハードに設定されたときの開弁圧より高い圧に設定される。
ピストン5の上端面には、ピストンロッド8の縮小行程でピストン5が下向きに摺動変位するときに開弁し、これ以外のときには閉弁する縮み側逆止弁7が設けられている。この逆止弁7は、ボトム側油室C内の油液がロッド側油室Bに向けて各油路5B内を流通するのを許し、これとは逆向きに油液が流れるのを阻止するものである。この逆止弁7の開弁圧は、後述の減衰力調整装置17がソフトに設定されたときの開弁圧より低い圧に設定され、実質的に減衰力を発生しない。この実質的に減衰力を発生しないとは、ピストン5やシール部材10のフリクション以下の力であり、車の運動に対し影響しないものである。
内筒4内を長さ方向に延びるピストンロッド8は、下端側が内筒4内に挿入され、ナット8A等によりピストン5に固着して設けられている。また、ピストンロッド8の上端側は、ロッドガイド9を介して外筒2および内筒4の外部に突出している。なお、ピストンロッド8の下端をさらに延ばしてボトム部(例えば、ボトムキャップ3)側から外向きに突出させ、所謂、両ロッドとしてもよい。
内筒4の上端側には、段付円筒状のロッドガイド9が設けられている。ロッドガイド9は、内筒4の上側部分を外筒2の中央に位置決めすると共に、その内周側でピストンロッド8を長さ方向に摺動可能にガイドしている。また、ロッドガイド9と外筒2の上端との間には、環状のシール部材10が設けられている。シール部材10は、中心にピストンロッド8が挿通される孔が設けられた金属性の円輪板にゴム等の弾性材料を焼き付けたもので、内周がピストンロッド8の外周側に摺接することによりピストンロッド8との間をシールするものである。
また、シール部材10は、下面側にロッドガイド9と接触するように延びるチェック弁としてのリップシール10Aが形成されている。リップシール10Aは、油溜め室11とリザーバ室Aとの間に配置され、油溜め室11内の油液等がロッドガイド9の戻し通路9Aを介してリザーバ室A側に向け流通するのを許し、逆向きの流れを阻止するものである。
外筒2と内筒4との間には、中間筒12が配設されている。中間筒12は、例えば、内筒4の外周側に上,下の筒状シール12A,12Bを介して取付けられている。中間筒12は、内筒4の外周側を全周にわたって取囲むように延びた環状油室Dを内部に形成し、環状油室Dはリザーバ室Aとは独立した油室となっている。環状油室Dは、内筒4に形成した径方向の油穴4Aによりロッド側油室Bと常時連通している。また、中間筒12の下端側には、後述する減衰バルブ19の流入口となる筒形ホルダ19Aが取付けられる接続口12Cが設けられている。
ボトムバルブ13は、内筒4の下端側に位置してボトムキャップ3と内筒4との間に設けられている。ボトムバルブ13は、ボトムキャップ3と内筒4との間でリザーバ室Aとボトム側油室Cとを画成するバルブボディ14と、バルブボディ14の下面側に設けられた縮小側のディスクバルブ15と、バルブボディ14の上面側に設けられた伸び側逆止弁16とにより構成されている。バルブボディ14には、リザーバ室Aとボトム側油室Cとを連通可能にする油路14A,14Bがそれぞれ周方向に間隔をあけて形成されている。
縮小側のディスクバルブ15は、ピストンロッド8の縮小行程でピストン5が下向きに摺動変位するときに、ボトム側油室C内の圧力がリリーフ設定圧を越えると開弁し、このときの圧力を各油路14Aを介してリザーバ室A側にリリーフする。このリリーフ設定圧は、後述の減衰力調整装置17がハードに設定されたときの開弁圧より高い圧に設定される。
伸び側逆止弁16は、ピストンロッド8の伸長行程でピストン5が上向きに摺動変位するときに開弁し、これ以外のときには閉弁する。この逆止弁16は、リザーバ室A内の油液がボトム側油室Cに向けて各油路14B内を流通するのを許し、これとは逆向きに油液が流れるのを阻止するものである。この逆止弁16の開弁圧は、後述の減衰力調整装置17がソフトに設定されたときの開弁圧より低い圧に設定され、実質的に減衰力を発生しない。
次に、緩衝器1の発生減衰力を可変に調整するための減衰力調整装置17について、説明する。
図1中に示すように、減衰力調整装置17は、その基端側(図1の左端側)がリザーバ室Aと環状油室Dとの間に介在して配置され、先端側(図1の右端側)が外筒2の下部側から径方向外向きに突出するように設けられている。この減衰力調整装置17は、減衰力調整装置17の減衰力可変アクチュエータとして用いられるソレノイド18と、減衰力調整装置17内を流通する油液の流量を調整する減衰バルブ19と、減衰力調整装置17の外形をなす筒部材20と、を含んで構成されている。減衰力調整装置17は、環状油室Dからリザーバ室Aへの油液の流通を、減衰バルブ19により制御することで、減衰力を発生する。また、減衰バルブ19の開弁圧を、減衰力可変アクチュエータとして用いられるソレノイド18で調整することにより、発生減衰力を可変に調整する。
ソレノイド18は、後述の筒部材20のソレノイドケース21内に位置して設けられている。ソレノイド18は、コイル、ステータコア、プランジャ、弁体(いずれも図示せず)等により構成され、減衰力調整装置17の減衰力発生手段を形成している。このソレノイド18は、ケーブル18Aを通じてコイルに電力を供給し、該コイルに対する通電量に応じてプランジャを軸方向(図1中の左,右方向)に付勢する力を変化させて、発生減衰力を可変に調整する。
減衰バルブ19は、後述の筒部材20のバルブケース22内に位置して設けられ、中間筒12の接続口12Cに固定された筒形ホルダ19Aを介して、環状油室Dと接続されている。減衰バルブ19は、ディスクバルブ、油路(いずれも図示せず)等により構成され、ソレノイド18とともに減衰力調整装置17の減衰力発生手段を形成している。この減衰バルブ19は、ソレノイド18に通電する電流により減衰バルブ19のディスクバルブの開弁圧を調整して、発生減衰力を可変に調整する。
筒部材20は、減衰力調整装置17の外殻を構成し、外筒2の下部側に位置して該外筒2の側壁に設けられている。即ち、筒部材20の基端側は外筒2の開口2Aの周囲に固着され、筒部材20の先端側は外筒2から径方向の外向に突出している。この筒部材20は、ソレノイドケース21とバルブケース22とかしめ部23とにより構成されている。筒部材20は、ソレノイドケース21とバルブケース22とにより全体として段付円筒状に形成され、その内部にソレノイド18と減衰バルブ19とを収納している。
ソレノイドケース21は、第1の筒体として、筒部材20の先端側に位置してバルブケース22に固定して設けられている。ソレノイドケース21は、先端側が蓋部21Aとなり、基端側が開口端21Bとなった有蓋筒状に形成されている。ソレノイドケース21の先端側の蓋部21Aには、ソレノイド18に通電するためのケーブル18Aが配線されている。ソレノイドケース21の基端側は、バルブケース22の内周側に嵌合し、かしめ部23によりバルブケース22と固定されている。ソレノイドケース21は、内部にソレノイド18を収納し、ソレノイド18の外周側で磁気通路(磁気回路)を形成するものである。ここで、図3に示すように、ソレノイドケース21の基端側外周面には、後述のかしめ部23の第1の周溝24と第2の周溝25A,25Bと隔壁部26A,26Bとがそれぞれ設けられている。
バルブケース22は、第2の筒体として、筒部材20の基端側に位置してソレノイドケース21の外周側に設けられている。バルブケース22は、全体として略円筒状に形成され、基端側が外筒2の側壁に溶接等の手段を用いて接合されている。また、バルブケース22の先端側は、図3に示すように開口端となり、この内側にソレノイドケース21が嵌合した状態で、かしめ部23によりソレノイドケース21と固定されている。バルブケース22は、内部に減衰バルブ19を収納し、バルブケース22の内周面と減衰バルブ19との間は、リザーバ室Aに通じる油室(図示せず)となっている。ここで、図2に示すように、バルブケース22の外周面には、ソレノイドケース21とバルブケース22とをかしめて固定する際に、かしめ部23の突出部27が形成される。
かしめ部23は、筒部材20のソレノイドケース21とバルブケース22とを固定するために設けられている。かしめ部23は、ソレノイドケース21の外周面に設けられる第1の周溝24および第2の周溝25A,25Bと、該第1の周溝24と第2の周溝25A,25Bとの間に設けられる隔壁部26A,26Bと、バルブケース22の外周面に設けられ径方向内向きに屈曲した突出部27とから構成されている。このかしめ部23は、ソレノイドケース21をバルブケース22の内周側にかしめ固定して、ソレノイドケース21を周方向に回り止めし、軸方向に位置決めするものである。
第1の周溝24は、第1の溝部として、ソレノイドケース21の基端側寄りに位置して、ソレノイドケース21の周方向に延びて設けられている。この第1の周溝24は、ソレノイドケース21に塑性加工、切削加工等を施すことにより、ソレノイドケース21の外周面を全周に亘って凹陥状に切欠いた全周溝として形成されている。第1の周溝24は、突出部27が嵌合する嵌合溝を構成するものである。
一対の第2の周溝25A,25Bは、第2の溝部として、ソレノイドケース21の外周面に位置して、第1の周溝24および隔壁部26A,26Bを挟んで軸方向に所定の間隔をもって設けられている。この第2の周溝25A,25Bは、第1の周溝24と同様に、ソレノイドケース21に塑性加工、切削加工等を施すことにより、第1の周溝24よりも軸方向寸法(幅寸法)および径方向寸法(深さ寸法)が僅かに小さい全周溝として形成されている。なお、第1の周溝24および第2の周溝25A,25Bは、必ずしも全周溝として形成する必要はない。
この場合、図3、図4に示すように、第2の周溝25Aは筒部材20の基端側寄りに位置し、第2の周溝25Bは筒部材20の先端側寄りに位置している。即ち一対の第2の周溝25A,25Bは、第1の周溝24と隔壁部26A,26Bとを軸方向に挟んで、一側(筒部材20の基端側)および他側(筒部材20の先端側)にそれぞれ設けられている。この第2の周溝25A,25Bは、突出部27が第1の周溝24内に嵌合したときに、隔壁部26A,26Bが傾斜するための逃し溝(強度調整溝)を構成するものである。
一対の隔壁部26A,26Bは、ソレノイドケース21の外周面に位置して、第1の周溝24を挟んで対面して設けられている。この場合、隔壁部26Aは、筒部材20の基端側寄りに位置して、第1の周溝24と第2の周溝25Aとの間に設けられている。一方、隔壁部26Bは、筒部材20の先端側寄りに位置して、第1の周溝24と第2の周溝25Bとの間に設けられている。この隔壁部26A,26Bは、第1の周溝24および第2の周溝25A,25Bの底面からソレノイドケース21の外周面に向けて立上がった円環状の環状突起として形成されている。一対の隔壁部26A,26Bは、かしめ部23の突出部27が第1の周溝24内に嵌合したときに、隣り合う第2の周溝25A,25B側にそれぞれ傾斜して、かしめによる応力が第1の周溝24内に集中するのを抑えるものである。即ち、隔壁部26A,26Bは、第1の周溝24内に作用するかしめによる応力を受承する。
突出部27は、バルブケース22の先端側寄りに位置して、バルブケース22の周方向に部分的に離間して(所定の間隔をもって)複数個(例えば、4個)設けられている。この突出部27は、バルブケース22をソレノイドケース21に対してかしめ固定するときに、バルブケース22の外周側からかしめ工具を当ててかしめることにより凹窪部として形成される。この場合、突出部27は、バルブケース22の外周面から内周面に向けて凹陥して、第1の周溝24内に向けて突出して嵌合される。このとき、突出部27は、隔壁部26A,26Bの第1の周溝24側に当接して、隔壁部26A,26Bを第2の周溝25A,25B側にそれぞれ傾斜させる。
本実施の形態による緩衝器1は、上述の如き構成を有するもので、次にその作動について説明する。
まず、緩衝器1を自動車等の車両に実装するときには、例えば、ピストンロッド8の上端側が車両の車体側に取付けられ、ボトムキャップ3に設けられた取付アイ3A側が車輪側に取付けられる。また、ソレノイド18のケーブル18Aは、車両のコントローラ等を介して電源(いずれも図示せず)に接続される。
車両の走行時には、路面の凹凸等により上,下方向の振動が発生すると、ピストンロッド8が外筒2から伸長、縮小するように変位し、減衰力調整装置17等により発生減衰力を可変に制御することができ、車両の振動を緩衝することができる。このとき、コントローラによりソレノイド18のコイルへの電流値を制御し、減衰バルブ19の弁体の開弁圧を変えることにより、緩衝器1の発生減衰力を可変に調整することができる。
例えば、ピストンロッド8の伸び行程時には、内筒4内のピストン5の移動によってピストン5の縮み側逆止弁7が閉じる。ピストン5のディスクバルブ6の開弁前には、ロッド側油室Bの油液が加圧され、内筒4の油穴4A、環状油室Dを通じて減衰バルブ19の筒形ホルダ19A内に油液が流入する。そして、筒形ホルダ19A内に流入した油液は、減衰バルブ19を介して、筒形ホルダ19Aの外周面と開口2Aとの隙間からリザーバ室A内に流出する。このとき、減衰バルブ19により減衰力が発生する。また、ピストン5が移動した分の油液は、リザーバ室Aからボトムバルブ13の伸び側逆止弁16を開いてボトム側油室Cに流入する。なお、ロッド側油室Bの圧力がディスクバルブ6の開弁圧力に達すると、該ディスクバルブ6が開き、ロッド側油室Bの圧力をボトム側油室Cにリリーフする。
一方、ピストンロッド8の縮み行程時には、内筒4内のピストン5の移動によってピストン5の縮み側逆止弁7が開き、ボトムバルブ13の伸び側逆止弁16が閉じる。ボトムバルブ13(ディスクバルブ15)の開弁前には、ボトム側油室Cの油液がロッド側油室Bに流入する。これと共に、ピストンロッド8が内筒4内に進入した分に相当する油液が、ロッド側油室Bから減衰バルブ19を介してリザーバ室Aに、伸び行程時と同様の経路で流れる。なお、ボトム側油室C内の圧力がボトムバルブ13(ディスクバルブ15)の開弁圧力に達すると、ボトムバルブ13(ディスクバルブ15)が開き、ボトム側油室Cの圧力をリザーバ室Aにリリーフする。
これにより、ピストンロッド8の伸び行程時と縮み行程時に、減衰力調整装置17(減衰バルブ19)によって減衰力が発生する。この場合、減衰力調整装置17は、ソレノイド18のコイルへの通電量によって、減衰バルブ19の弁体の開弁圧力を変えることにより、発生減衰力を可変に制御することができる。
かくして、第1の実施の形態では、かしめ部23は、ソレノイドケース21に設けられた第1の周溝24、第2の周溝25A,25B、隔壁部26A,26Bと、バルブケース22に設けられた突出部27とを備える構成としている。これにより、バルブケース22をソレノイドケース21に対してかしめ固定するときに、突出部27を第1の周溝24内に嵌合させることができる。この結果、バルブケース22を第1の周溝24により軸方向および周方向に位置決めして、ソレノイドケース21が筒部材20の軸方向に動く軸力を抑制しつつ、ソレノイドケース21とバルブケース22とを固定することができる。この場合、ソレノイドケース21に特別な加工を要することなく、突出部27を第1の周溝24内に嵌合させて位置決めをすることができるので、ソレノイドケース21の加工工程の簡素化を図ることができる。
また、筒部材20を組付ける工程において、かしめ部23によりソレノイドケース21とバルブケース22とをかしめ固定する構成としている。これにより、ソレノイドケース21およびバルブケース22等の部品に寸法ばらつきがある場合でも、かしめ部23によりこの寸法ばらつきを吸収することができる。
また、ソレノイドケース21とバルブケース22とをかしめ固定する際に、隔壁部26A,26Bの第1の周溝24側には突出部27がそれぞれ当接する構成としている。この場合、隔壁部26A,26Bは、かしめによる応力を受承する逃し溝としての第2の周溝25A,25Bにより、第2の周溝25A,25B側にそれぞれ傾斜する。これにより、第1の周溝24内にかしめによる応力が集中するのを抑制することができるので、該応力により磁気通路を形成するソレノイドケース21およびソレノイドケース21内でソレノイド18の構成部品が変形することを防ぐことができる。
また、隔壁部26A,26Bは、第2の周溝25A,25B側にそれぞれ傾斜する際に、スプリングバックによる弾性力を残して塑性変形するようになる。これにより、バルブケース22がソレノイドケース21に対してがたつくことを抑えることができる。
次に、図5は本発明の第2の実施の形態を示している。第2の実施の形態の特徴は、かしめ部の第2の周溝および隔壁部を第1の周溝の他側(例えば、ソレノイド側)にのみ設けたことにある。なお、第2の実施の形態では、前述した第1の実施の形態と同一の構成要素については同一の符号を付し、その説明は省略する。
ここで、筒部材31は、前記第1の実施の形態で述べた筒部材20とほぼ同様に構成され、ソレノイドケース21と、バルブケース22と、かしめ部32とにより構成されている。
かしめ部32は、第1の周溝33と、第2の周溝34と、隔壁部35と、突出部36とから構成されている。かしめ部32は、ソレノイドケース21をバルブケース22の内周側にかしめ固定して、ソレノイドケース21を周方向に回り止めし、軸方向に位置決めするものである。
第1の周溝33は、第1の実施の形態の第1の周溝24と同様に、ソレノイドケース21の基端側寄りに位置して、ソレノイドケース21の周方向に延びて設けられている。この第1の周溝33は、第1の溝部として、突出部36が嵌合する嵌合溝を構成するものである。
第2の周溝34は、第2の溝部として、ソレノイドケース21の外周面に位置して、第1の周溝33に隣接してソレノイド18側にのみ設けられている。即ち、第2の周溝34は、筒部材31の軸方向の他側であるソレノイドケース21の先端側にのみ形成されている。この第2の周溝34は、突出部36が第1の周溝33内に嵌合したときに、隔壁部35が傾斜するための逃し溝を構成するものである。
隔壁部35は、ソレノイドケース21の外周面に位置して、第1の周溝33と第2の周溝34との間に設けられている。即ち、隔壁部35は、第2の周溝34と同様に、ソレノイドケース21のソレノイド18側にのみ設けられている。この隔壁部35は、突出部36が第1の周溝33内に嵌合したときに、第2の周溝34側に傾斜して、かしめによる応力が第1の周溝33内に集中するのを抑えるものである。
突出部36は、第1の実施の形態の突出部27と同様に、バルブケース22の先端側寄りに位置して、バルブケース22の周方向に部分的に離間して複数個設けられている。この突出部27は、バルブケース22の外周面から内周面に向けて凹陥して、第1の周溝33内に向けて突出して嵌合される。このとき、突出部36は、隔壁部35の第1の周溝33側に当接して、隔壁部35を第2の周溝34側に傾斜させる。
かくして、第2の実施の形態でも、第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。第2の実施の形態では、第2の周溝34と隔壁部35とをソレノイドケース21のソレノイド18側にのみ設ける構成とした。また、ソレノイドケース21とバルブケース22とをかしめ固定する際に、隔壁部35の第1の周溝33側には突出部36が当接する構成とした。この場合、隔壁部35は、かしめによる応力を受承する逃し溝としての第2の周溝34により、第2の周溝34側に傾斜する。これにより、第1の周溝33内のソレノイドケース21側にかしめによる応力が集中するのを抑制することができるので、該応力により磁気通路を形成するソレノイドケース21およびソレノイドケース21内でソレノイド18の構成部品が変形することを防ぐことができる。
また、第2の実施の形態では、ソレノイドケース21の基端側には第1の周溝33のみを設け、ソレノイドケース21の先端側には第2の周溝34と隔壁部35とを設ける構成とした。これにより、筒部材31を組付ける工程において、第2の周溝34と隔壁部35とによりかしめによる応力集中を抑えつつ、第1の周溝33によりソレノイドケース21が筒部材31の軸方向に動く軸力を抑制して、かしめ固定することができる。
次に、図6は本発明の第3の実施の形態を示している。第3の実施の形態の特徴は、かしめ部の一対の隔壁部の軸方向寸法(肉厚)を異ならせたことにある。なお、第3の実施の形態では、前述した第1の実施の形態と同一の構成要素については同一の符号を付し、その説明は省略する。
ここで、筒部材41は、第1の実施の形態で述べた筒部材20とほぼ同様に構成され、ソレノイドケース21と、バルブケース22と、かしめ部42とにより構成されている。
かしめ部42は、第1の周溝43と、第2の周溝44A,44Bと、隔壁部45A,45Bと、突出部46とから構成されている。このかしめ部42は、ソレノイドケース21をバルブケース22の内周側にかしめ固定して、ソレノイドケース21を周方向に回り止めし、軸方向に位置決めするものである。
第1の周溝43は、第1の実施の形態の第1の周溝24と同様に、ソレノイドケース21の基端側寄りに位置して、ソレノイドケース21の周方向に延びて設けられている。この第1の周溝43は、第1の溝部として、突出部46が嵌合する嵌合溝を構成するものである。
一対の第2の周溝44A,44Bは、第2の溝部として、ソレノイドケース21の外周面に位置して、第1の周溝43および隔壁部45A,45Bを挟んで軸方向に所定の間隔をもって設けられている。この場合、図6に示すように、第2の周溝44Aは筒部材41の基端側寄りに位置し、第2の周溝44Bは筒部材41の先端側寄りに位置している。この第2の周溝44A,44Bは、突出部46が第1の周溝43内に嵌合したときに、隔壁部45A,45Bが傾斜するための逃し溝を構成するものである。
一対の隔壁部45A,45Bは、ソレノイドケース21の外周面に位置して、第1の周溝43を挟んで対面して設けられている。この場合、隔壁部45Aは、筒部材41の基端側寄りに位置して、第1の周溝43と第2の周溝44Aとの間に設けられている。一方、隔壁部45Bは、筒部材41の先端側寄りに位置して、第1の周溝43と第2の周溝44Bとの間に設けられている。ここで、先端側寄りに位置する隔壁部45Bの軸方向寸法は、基端側寄りに位置する隔壁部45Aの軸方向寸法よりも僅かに小さく設定されている。これにより、かしめ部42の突出部46が第1の周溝43内に嵌合したときに、隔壁部45Aは線形域の変形にとどまるので、ソレノイド18側に位置する隔壁部45Bの傾斜角は、隔壁部45Aの傾斜角よりも大きくなる。
突出部46は、第1の実施の形態の突出部27と同様に、バルブケース22の先端側寄りに位置して、バルブケース22の周方向に部分的に離間して複数個設けられている。この突出部46は、バルブケース22の外周面から内周面に向けて凹陥して、第1の周溝43内に向けて突出して嵌合される。このとき、突出部46は、隔壁部45A,45Bの第1の周溝43側に当接して、隔壁部45A,45Bを第2の周溝44A,44B側にそれぞれ傾斜させる。
かくして、第3の実施の形態でも、第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。第3の実施の形態では、先端側に位置する隔壁部45Bの軸方向寸法を、基端側に位置する隔壁部45Aの軸方向寸法よりも僅かに小さく設定する構成とした。これにより、かしめ部42の突出部46が第1の周溝43内に嵌合したときに、隔壁部45Aを線形域の変形にとどめ、隔壁部45Bの傾斜角を、隔壁部45Aの傾斜角よりも大きくすることができる。この結果、隔壁部45A側でソレノイドケース21が筒部材20の軸方向に動く軸力を抑制しつつ、隔壁部45B側でかしめによる応力集中を抑えることができる。即ち、隔壁部45Aにより軸方向の位置決めをし、隔壁部45Bにより周方向の回り止めをすることができるので、一対の隔壁部45A,45Bの役割を分けることができる。
次に、図7は本発明の第4の実施の形態を示している。第4の実施の形態の特徴は、かしめ部の第1の溝部、第2の溝部、隔壁部をソレノイドケースの軸方向に延びて形成したことにある。なお、第4の実施の形態では、前述した第1の実施の形態と同一の構成要素については同一の符号を付し、その説明は省略する。
ここで、筒部材51は、第1の実施の形態で述べた筒部材20とほぼ同様に構成され、ソレノイドケース21と、バルブケース22と、かしめ部52とにより構成されている。
かしめ部52は、筒部材51の周方向に180度離間して2組設けられている。このかしめ部52は、第1の溝部53と、第2の溝部54A,54Bと、隔壁部55A,55Bと、突出部56とから構成されている。このかしめ部52は、ソレノイドケース21をバルブケース22の内周側にかしめ固定して、ソレノイドケース21を周方向に回り止めし、軸方向に位置決めするものである。
第1の溝部53は、ソレノイドケース21の軸方向に延びて設けられている。この第1の溝部53は、ソレノイドケース21に塑性加工、切削加工等を施すことにより、ソレノイドケース21の外周面を基端側から先端側に亘って凹陥状に切欠いた軸方向溝として形成されている。ここで、第1の溝部53は、ソレノイドケース21の周方向に180度離間して複数本(例えば、2本)形成され、突出部56が嵌合する嵌合溝を構成している。
一対の第2の溝部54A,54Bは、ソレノイドケース21の外周面に位置して、第1の溝部53および隔壁部55A,55Bを挟んで周方向の一側および他側に所定の間隔をもって設けられている。この第2の溝部54A,54Bは、第1の溝部53と同様に、ソレノイドケース21に塑性加工、切削加工等を施すことにより、第1の溝部53よりも周方向寸法(幅寸法)が僅かに小さい軸方向溝として形成されている。なお、第1の溝部53および第2の溝部54A,54Bは、必ずしもソレノイドケース21の基端側から先端側に亘って切欠いた軸方向溝として形成する必要はない。
この場合、図7に示すように、一対の第2の溝部54A,54Bは、第1の溝部53と同様に、ソレノイドケース21の周方向に180度離間してそれぞれ設けられている。この第2の溝部54A,54Bは、突出部56が第1の溝部53内に嵌合したときに、隔壁部55A,55Bが傾斜するための逃し溝を構成するものである。
一対の隔壁部55A,55Bは、ソレノイドケース21の外周面に位置して、第1の溝部53を挟んで対面して設けられている。この場合、隔壁部55Aは、周方向の一側に位置して、第1の溝部53と第2の溝部54Aとの間に設けられている。一方、隔壁部55Bは、周方向の他側に位置して、第1の溝部53と第2の溝部54Bとの間に設けられている。この隔壁部55A,55Bは、第1の溝部53および第2の溝部54A,54Bの底面からソレノイドケース21の外周面に向けて立上がり、ソレノイドケース21の基端側から先端側に向けて延出した直線状の突起として形成されている。図7に示すように、隔壁部55A,55Bは、第1の溝部53および第2の溝部54A,54Bと同様に、ソレノイドケース21の周方向に180度離間してそれぞれ設けられている。一対の隔壁部55A,55Bは、突出部56が第1の溝部53内に嵌合したときに、隣り合う第2の溝部54A,54B側にそれぞれ傾斜して、かしめによる応力が第1の溝部53内に集中するのを抑えるものである。
突出部56は、バルブケース22の先端側寄りに位置して、バルブケース22の周方向に部分的に離間して(所定の間隔をもって)複数個(例えば、2個)設けられている。この突出部56は、バルブケース22をソレノイドケース21に対してかしめ固定するときに、バルブケース22の外周側からかしめ工具を当ててかしめることにより凹窪部として形成される。この場合、突出部56は、バルブケース22の外周面から内周面に向けて凹陥して、第1の溝部53内に向けて突出して嵌合される。このとき、突出部56は、隔壁部55A,55Bの第1の溝部53側に当接して、隔壁部55A,55Bを第2の溝部54A,54B側にそれぞれ傾斜させる。
かくして、第4の実施の形態でも、第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。第4の実施の形態では、第1の溝部53、第2の溝部54A,54B、隔壁部55A,55Bを、ソレノイドケース21の軸方向に設ける構成とした。これにより、筒部材51をかしめ固定する場合に、軸方向にバルブケース22を固定する軸方向荷重よりも、周方向にバルブケース22を固定する回り止め荷重の方を大きくすることができる。この結果、バルブケース22をソレノイドケース21に対して回り止めすることができる。
なお、上述した第1の実施の形態では、ソレノイドケース21を第1の筒体とし、該第1の筒体の外側に配される第2の筒体をバルブケース22とし、バルブケース22をシリンダ部となる外筒3の側壁に接合した場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、例えば、第1の筒体をバルブケースとし、該第1の筒体の外側に配される第2の筒体をソレノイドケースとし、第1の筒体となるバルブケースをシリンダ部(外筒)の側壁に接合する構成としてもよい。この場合は、第1の筒体となるバルブケースに、第1の周溝、第2の周溝、隔壁部を設けて、ソレノイドケースに突出部を設ける構成とすればよい。このことは、第2、第3、第4の実施の形態についても同様である。
また、上述した第1の実施の形態では、減衰力発生手段の減衰力可変アクチュエータとしてソレノイド18を用いた場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、減衰力発生手段の減衰力可変アクチュエータとして、例えば、電動モータ等、電流に応じて減衰バルブを駆動させることができる各種のアクチュエータを用いることができる。このことは、第2、第3、第4の実施の形態についても同様である。
また、上述した第1の実施の形態では、かしめ部23の突出部27を、バルブケース22の周方向に4個設けた場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、例えば、突出部をバルブケースの周方向に1〜3個または5個以上設ける構成としてもよい。このことは、第2、第3の実施の形態についても同様である。
また、上述した第2の実施の形態では、第2の周溝34と隔壁部35とをソレノイドケース21のソレノイド18側(他側)にのみ設けた場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、例えば、第2の周溝と隔壁部とをバルブケースの減衰バルブ側(一側)にのみ設ける構成としてもよい。
また、上述した第4の実施の形態では、第2の溝部54A,54Bと隔壁部55A,55Bとを、周方向の一側および他側に設けた場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、例えば、第2の溝部と隔壁部とを、周方向の一側または他側のみに設ける構成としてもよい。
また、上述した第4の実施の形態では、かしめ部52(1本の第1の溝部53、2本の第2の溝部54A,54B、2個の隔壁部55A,55B、1個の突出部56)を周方向に180度離間して2組設けた場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、例えば、かしめ部を1組または3組以上設ける構成としてもよい。
さらに、各実施の形態は例示であり、異なる実施の形態で示した構成の部分的な置換または組み合わせが可能であることは言うまでもない。
次に、上記実施の形態に含まれる発明について、以下に述べる。即ち、減衰力発生手段は、ソレノイドと減衰バルブとを備え、第1の筒体は、ソレノイドの磁気通路を構成し、第2の筒体は、減衰バルブが収納されシリンダ部の側壁に接合され、第2の溝部は、ソレノイド側にのみ形成される構成としている。これにより、第1の筒体側にかしめによる応力が集中するのを抑制することができる。
また、本発明は、内部に減衰力発生手段が収納され、作動流体が封入されたシリンダ部の側壁に接合されてなる筒部材を有する減衰力調整式緩衝器であって、筒部材は、第1の筒体と、第1の筒体の外側に配される第2の筒体と、第1の筒体に対し第2の筒体をかしめて固定するかしめ部と、を有し、かしめ部は、第1の筒体の軸方向に設けられる第1の溝部と、第1の溝部を周方向に挟んで一側および/または他側に形成される第2の溝部と、第1の溝部と第2の溝部との間の隔壁部と、第2の筒体に設けられ第1の筒体の第1の溝部に向けて部分的に突出する突出部と、からなり、突出部は、隔壁部に当接し、隔壁部は第2の溝部側に傾斜してなる構成としている。これにより、筒部材をかしめ固定する場合に、軸方向に第2の筒体を固定する軸方向荷重よりも、周方向に第2の筒体を固定する回り止め荷重の方を大きくすることができる。
また、本発明は、第1の筒体は、第2の筒体の内周側に嵌合されるものであり、かしめ部を構成する、第1の溝部、第2の溝部および隔壁部は、第1の筒体の外周面に形成され、かしめ部を構成する突出部は、第2の筒体の外周面から内周面に向けて凹陥して形成されてなる構成としている。これにより、かしめ部を用いて、第1の筒体を第2の筒体の内周側にかしめ固定することができる。
1 減衰力調整式緩衝器
2 外筒(シリンダ部)
4 内筒(シリンダ部)
18 ソレノイド(減衰力発生手段)
19 減衰バルブ(減衰力発生手段)
20,31,41,51 筒部材
21 ソレノイドケース(第1の筒体)
22 バルブケース(第2の筒体)
23,32,42,52 かしめ部
24,33,43 第1の周溝(第1の溝部)
25A,25B,34,44A,44B 第2の周溝(第2の溝部)
26A,26B,35,45A,45B,55A,55B 隔壁部
27,36,46,56 突出部
53 第1の溝部
54A,54B 第2の溝部
2 外筒(シリンダ部)
4 内筒(シリンダ部)
18 ソレノイド(減衰力発生手段)
19 減衰バルブ(減衰力発生手段)
20,31,41,51 筒部材
21 ソレノイドケース(第1の筒体)
22 バルブケース(第2の筒体)
23,32,42,52 かしめ部
24,33,43 第1の周溝(第1の溝部)
25A,25B,34,44A,44B 第2の周溝(第2の溝部)
26A,26B,35,45A,45B,55A,55B 隔壁部
27,36,46,56 突出部
53 第1の溝部
54A,54B 第2の溝部
Claims (4)
- 内部に減衰力発生手段が収納され、作動流体が封入されたシリンダ部の側壁に接合されてなる筒部材を有する減衰力調整式緩衝器であって、
前記筒部材は、
第1の筒体と、
該第1の筒体の外側に配される第2の筒体と、
前記第1の筒体に対し前記第2の筒体をかしめて固定するかしめ部と、
を有し、
前記かしめ部は、
前記第1の筒体の周方向に設けられる第1の溝部と、
該第1の溝部を軸方向に挟んで一側および/または他側に形成される第2の溝部と、
前記第1の溝部と前記第2の溝部との間の隔壁部と、
前記第2の筒体に設けられ前記第1の筒体の前記第1の溝部に向けて部分的に突出する突出部と、からなり、
前記突出部は、前記隔壁部に当接し、前記隔壁部は前記第2の溝部側に傾斜してなる減衰力調整式緩衝器。 - 前記減衰力発生手段は、ソレノイドと減衰バルブとを備え、
前記第1の筒体は、前記ソレノイドの磁気通路を構成し、
前記第2の筒体は、前記減衰バルブが収納され前記シリンダ部の側壁に接合され、
前記第2の溝部は、前記ソレノイド側にのみ形成される請求項1に記載の減衰力調整式緩衝器。 - 内部に減衰力発生手段が収納され、作動流体が封入されたシリンダ部の側壁に接合されてなる筒部材を有する減衰力調整式緩衝器であって、
前記筒部材は、
第1の筒体と、
該第1の筒体の外側に配される第2の筒体と、
前記第1の筒体に対し前記第2の筒体をかしめて固定するかしめ部と、
を有し、
前記かしめ部は、
前記第1の筒体の軸方向に設けられる第1の溝部と、
該第1の溝部を周方向に挟んで一側および/または他側に形成される第2の溝部と、
前記第1の溝部と前記第2の溝部との間の隔壁部と、
前記第2の筒体に設けられ前記第1の筒体の前記第1の溝部に向けて部分的に突出する突出部と、からなり、
前記突出部は、前記隔壁部に当接し、前記隔壁部は前記第2の溝部側に傾斜してなる減衰力調整式緩衝器。 - 前記第1の筒体は、前記第2の筒体の内周側に嵌合されるものであり、
前記かしめ部を構成する、前記第1の溝部、前記第2の溝部および前記隔壁部は、前記第1の筒体の外周面に形成され、
前記かしめ部を構成する前記突出部は、前記第2の筒体の外周面から内周面に向けて凹陥して形成されてなる請求項1,2または3に記載の減衰力調整式緩衝器。
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