JPWO2021048975A1 - 非接触型電圧計測装置 - Google Patents

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Abstract

導体の電圧を非接触の状態で、しかも高い精度で計測できる非接触型電圧計測装置を提供すること。第1電極と第2電極を有する第1対電極と、第3電極と第4電極とを有する第2対電極と、を設け、導体の上記第1対電極方向の変位を補正するための第1補正量を演算する第1補正量演算手段と、上記第1補正量に基づいて上記第1対電極の補正された電圧を算出する第1対電極電圧演算手段と、上記導体の上記第2対電極方向の変位を補正するための第3補正量を演算する第3補正量演算手段と、上記第3補正量とに基づいて上記第2対電極の補正された電圧を算出する第2対電極電圧演算手段と、を有し、上記第1対電極の電圧と上記第2対電極の電圧とに基づいて、上記導体の電圧を算出する、を有する非接触型電圧計測装置。

Description

本発明は、導体の電圧を、該導体に対して非接触の状態で計測する非接触型の計測技術に関する。
従来から、絶縁被覆された導体の電圧を、該導体に対して非接触の状態で計測する非接触型の計測技術が色々提案されている。その一例を特許文献1に示す。特許文献1に開示された技術は、上記導体の電圧を計測するための複数個の電極を、上記導体の外周に同心円の状態で配置することにより、上記各電極と上記導体との間にそれぞれ静電容量が形成され、該静電容量を介して非接触の状態で、上記導体の電圧を計測するものである。この特許文献1に開示された技術は、たいへん優れた技術であり、上記導体の電圧を正確に計測することができ、計測された電圧値をいろいろな目的に利用することができる。
特許第5847339号公報
上記特許文献1に開示された技術は、電圧計測の対象となる導体の位置的なずれ、即ち導体の変位に対する対応が十分ではない。絶縁被覆で覆われた導体の電圧を、さらに高い精度で、計測したいとのニーズがある。例えば電線に印加された電圧を計測する場合を例として従来技術の課題を説明する。電線は導体と該導体の外周を覆う絶縁物とを有している。電線の外周面の形状や電線の外周面に対する上記導体の位置関係は、一定では無く、複雑に変化している。また電線中の導体自身もその形状が一定とは言えない。例えば上記導体として撚線が使用されている場合が多く、この場合には電線の外周形状と上記導体との関係が複雑に変化している。
従来技術を使用して上記導体の電圧を計測しようとした場合に、上述した物理的な形状の変化が、計測精度を低下させる要因となっている。発明者らは、より高い精度で導体の電圧を計測したいとのニーズに応えるため、計測精度を低下させる原因を調査検討し、上述した原因を明らかにした。さらにこれら原因に対する解決策についても検討を行った。その結果、以下で説明する解決技術を開発し、この解決策により導体の電圧をより高い計測精度で計測することを可能とした。
本発明の目的は、導体の電圧を非接触の状態で、しかも高い精度で計測できる非接触型電圧計測装置を提供することである。
上記課題を解決する第1の発明は、導体を配置するための空間の外側に、該空間を挟むように設けられた第1電極と第2電極とを有する第1対電極と、上記空間を挟むように設けられた第3電極と第4電極とを有する第2対電極と、上記導体の電圧に基づいて上記第1電極と上記第2電極および上記第3電極と上記第4電極とにそれぞれ発生した第1電極電圧と第2電極電圧および第3電極電圧と第4電極電圧を計測する電圧計測部と、上記第1電極電圧と上記第2電極電圧とに基づき、上記導体の上記第1対電極方向の変位を補正するための第1補正量を演算する第1補正量演算手段と、上記第1電極電圧と上記第2電極電圧および上記第1補正量とに基づいて上記第1対電極の補正された電圧を求める第1対電極電圧演算手段と、上記第3電極電圧と上記第4電極電圧とに基づき、上記導体の上記第2対電極方向の変位を補正するための第3補正量を演算する第3補正量演算手段と、上記第3電極電圧と上記第4電極電圧および上記第3補正量とに基づいて上記第2対電極の補正された電圧を求める第2対電極電圧演算手段と、上記第1対電極の補正された電圧と上記第2対電極の補正された電圧とに基づいて、上記導体の電圧を算出する導体電圧演算手段と、を有する、ことを特徴とする非接触型電圧計測装置である。
上記課題を解決する第2発明は、上記第1発明において、上記第1補正量を演算するためのパラメータとして、上記第1電極電圧と上記第2電極電圧の比を使用し、上記第3補正量を演算するためのパラメータとして、上記第3電極電圧と上記第4電極電圧の比を使用する、ことを特徴とする非接触型電圧計測装置である。
上記課題を解決する第3発明は、上記第1発明において、さらに上記第1電極電圧と上記第2電極電圧とに基づき、上記導体の上記第2対電極方向の変位を補正するための第2補正量を演算する第2補正量演算手段を更に設け、上記第1対電極電圧演算手段は、上記第1電極電圧と上記第2電極電圧および上記第1補正量と、上記第2補正量とに基づいて上記第1対電極の補正された電圧を算出する、ことを特徴とする非接触型電圧計測装置である。
上記課題を解決する第4発明は、上記第1発明において、さらに上記第3電極電圧と上記第4電極電圧とに基づき、上記導体の上記第1対電極方向の変位を補正するための第4補正量を演算する第4補正量演算手段を更に設け、上記第2対電極電圧演算手段は、上記第3電極電圧と上記第4電極電圧および上記第3補正量と、上記第4補正量とに基づいて上記第2対電極の補正された電圧を算出する、ことを特徴とする非接触型電圧計測装置である。
上記課題を解決する第5発明は、上記第1発明において、上記第1対電極の配置されている軸を直交座標系のX軸とすると、上記第2対電極が直交座標系のY軸上に配置されている、ことを特徴とする非接触型電圧計測装置である。
上記課題を解決する第6発明は、上記第5発明において、上記X軸と上記Y軸との交点を中心とし、上記X軸を起点とする角度において、上記第1対電極が設けられている角度と上記第2対電極が設けられている角度が異なる角度であって、上記角度において互いに重ならないように配置されている、ことを特徴とする非接触型電圧計測装置である。
上記課題を解決する第7発明は、上記第5発明において、上記X軸と上記Y軸との上記交点から上記第1対電極までの距離よりさらに上記交点から離れた位置に上記第2対電極が設けられている、ことを特徴とする非接触型電圧計測装置である。
上記課題を解決する第8発明は、上記第6発明において、上記第1対電極および上記第2対電極のさらに外側に、上記第1対電極および上記第2対電極を覆う接地電極を設けた、ことを特徴とする非接触型電圧計測装置である。
本発明によれば、非接触の状態で、より高い精度で導体の電圧を計測することができる非接触型電圧計測装置を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る非接触型電圧計測装置の構成を説明する説明図である。 図1に記載の非接触型電圧計測装置の各電極の配置を説明する説明図である。 図2に記載の各電極の重なり関係を説明する説明図である。 非接触型電圧計測装置における導体の変位を説明する説明図である。 導体のX軸方向の変位と計測誤差の関係を説明する説明図である。 導体のX軸方向の変位に対する補正について説明する説明図である。 導体のY軸方向の変位と計測誤差の関係を説明する説明図である。 導体のY軸方向の変位に対する補正について説明する説明図である。 導体の電圧を算出する演算処理内容を説明するフローチャートである。 本発明の他の実施形態を説明する説明図である。 本発明のさらに他の実施形態を説明する説明図である。
1.はじめに
本発明を実施するための形態(以下実施形態と記す)を、添付図面を参照して説明する。添付図面において略同じ構成には同じ符号を付し、同じ符号が付された構成は略同じ動作および作用を為し、略同じ効果を奏する。同じ符号の構成に関して繰り返しの説明を省略する。
本明細書では用語「計測」を用語「測定」の概念も含めた広い概念で使用する。また用語「演算」あるいは用語「演算処理」、用語「算出」、用語「計算」は、四則演算などの代数計算だけでなく、色々な計算を含む広い概念で使用し、所定の条件や所定のパラメータに基づいて目的とする値やデータを得るための処理を含めた広い概念で使用する。例えば予め所定の条件やパラメータに基づいて演算や実験などにより目的とする値やデータを得て、これを記憶手段に記憶しておき、記憶内容を上記パラメータ等で検索して、目的とする値やデータを得る処理も、本明細書では用語「演算」あるいは用語「演算処理」、用語「算出」、用語「計算」、の概念に含めるものとする。本明細書では用語「接続」は直接的な接続だけでなく、部品や装置等を介して間接的につながる状態も含める広い概念で使用する。
以下に記載の実施形態は、色々な課題を解決し、色々な効果を奏する。以下に記載する実施形態により解決される課題あるいは得られる効果の中には、上述の「発明が解決しようとする課題」の欄に記載の範囲あるいは上述の「発明の効果」の欄に記載の範囲内に止まらず、それらの範囲を超えるものも含まれている。
2.本発明に係る非接触型電圧計測装置の一実施形態の説明
2.1 本発明の一実施形態に係る非接触型電圧計測装置の適用範囲の説明
本発明の一実施形態である電圧計測装置100は、低電圧から高電圧までの広範囲の電圧を非接触状態で、しかも高い精度で計測することができる。特に高電圧の計測においては危険が伴うため、非接触状態で計測することが好ましい。しかし非接触状態で計測する場合には、計測精度に対して色々な問題が生じてくる。電圧計測装置100は、以下で説明する導体の変位に伴う問題を解決し、高い精度での計測を可能とした。
図1は、本発明の一実施形態に係る電圧計測装置100を電線16の交流電圧の計測に適用した例である。電圧計測装置100に適用されている発明、すなわちこの実施形態の基礎となっている技術思想は、その適用が特定の周波数に限定されるものではない。本実施形態のごとく、商用の交流電力などの低い周波数領域はもちろんのこと、高周波までの広い範囲の周波数の交流電力における電圧の計測に対して適用することが可能である。
また電圧計測装置100に適用されている発明即ち新技術思想は、数V程度の低い電圧から数百キロV等の高い電圧までの広い範囲の電圧の計測に適用できる。このように本発明は、計測対象が特定の電圧や周波数に限定されるものではない。世の中には交流電圧を高い精度で計測したい、とのニーズがある。以下の実施形態に適用されている技術思想は、このようなニーズに十分に答えることができる。
2.2 電圧計測装置100の基本構成の説明
図1に、色々な電力の送配電方式に適応可能な電圧計測装置100の基本構成を示す。交流電力を送電する電線16は、導体である心線12と心線12を覆う絶縁被覆14を備えている。計測対象の交流電圧は、例えば交流電源4から電線16の心線12に電力が供給されたことにより、心線12に生じた電圧である。交流電源4の一方側端子6は心線12に接続され、他方側端子8は、基準電位点20に接続されている。
電圧計測装置100は、心線12が絶縁被覆14で覆われた状態のまま、心線12に非接触の状態で、心線12の交流電圧を計測できる。なお本実施形態では、心線12および絶縁被覆14を単純な円筒形状として図示している。しかしこれらは一例であり、電圧計測装置100は、心線12や絶縁被覆14の形状が同心円の形状以外の形状であっても高い計測精度で電圧を計測することができる。例えば、心線12が撚線であっても良いし、絶縁被覆14が円筒形状以外の形状であっても良い。また絶縁被覆14の中心から外れた位置に心線12が存在していても、電圧計測装置100は高い精度で交流電圧を計測できる。
電圧計測装置100は、絶縁被覆14の外側に心線12に対向する状態で設けられた電極32と電極34を有する第1対電極、および心線12に対向する状態で設けられた電極36と電極38を有する第2対電極を備えている。さらに電圧計測装置100は、これら電極32と電極34および電極36と電極38の電圧を計測し、計測した電圧に基づいて心線12の電圧を高い精度で演算にて算出する演算装置50を有している。具体的には、演算装置50はプログラムを実行することにより心線12の電圧を演算する計算機で構成されている。
このように電圧計測装置100は、計測部102と演算装置50とを備えている。演算装置50は、操作部52や計測部54、演算部58、記憶部62、表示等の方法により情報を出力する出力部64を有している。また演算装置50は電極32と電極34および電極36と電極38とに接続されていると共に基準電位点20にも接続されている。操作部52は、演算装置50自身の動作の開始や終了、その他色々な演算装置50の機能の選択やその実行を行うために使用される。計測部54は、電極32と電極34および電極36と電極38の電圧をそれぞれ計測する機能を有する。演算部58は、計測された電圧に基づいて補正演算を行い、心線12の電圧を高い精度で算出する機能を有する。記憶部62には、心線12の電圧を求めるのに必要ないろいろな補正データが保持されていると共に、演算装置50が動作するために必要なプログラムが記憶されている。出力部64は、操作部52の操作に必要な情報を、例えば表示の形式で出力する。また計測部54で計測された計測値や、演算部58で処理されるデータや、演算部58で算出された計測結果である心線12の電圧の情報を、表示機能により、あるいは通信機能により、またはその他の方法によって出力することができる。この実施形態では、計測対象である心線12の電圧が、演算部58での演算により求められ、その結果が例えば連続的に変化する波形の形式で出力部64から出力することが可能である。上記計測結果の波形は、表示の形式で出力することが可能であるが、さらに図示を省略したプリンタを介して印刷物の形式で出力することもできる。また通信回線を介してデジタル情報の形式で、特定の装置に送ることも可能である。
図2および図3を使用して、心線12の長手方向に垂直な面における電極32や電極34、電極36、電極38の配置関係を説明する。図2および図3では、見易くするために心線12の外周を覆う絶縁被覆14を省略している。図2および図3は心線12の長手方向をZ軸としたときのZ軸に垂直な断面を、直交するX軸とY軸を有する直交座標系で表している。
図2および図3で、電極32と電極34が第1対電極を形成し、これら電極が心線12を挟むように配置されている。また電極36と電極38が第2対電極を形成し、これら電極が心線12を挟むように配置されている。本実施形態では、Z軸10と心線12の中心が一致しているが、実際の計測状態では、Z軸10と心線12の中心が一致する可能性が低い。これらが一致しない状態については以下で説明する。またZ軸10から電極32および電極34までの距離が互いに距離Xaと同じ距離になっているが、これらの距離が異なっていても、本発明では高い精度での計測が可能である。このことは電極36と電極38についても同様であり、図示ではZ軸10から電極36および電極38までの距離がそれぞれ距離Ybと等しくなっているが、異なった距離であっても問題ない。
図3は煩雑さを避けるために、演算装置50や心線12、接地電極40の図示を省略している。図3では、第1対電極を形成する電極32と電極34および第2対電極を形成する電極36と電極38の位置関係を説明するために、各電極の位置関係を、X軸を基準位置としさらにZ軸10を原点とする角度θで表す。電極32は角度θ8と角度θ1との間に設けられ、電極34は角度θ4と角度θ5との間に設けられている。電極36は角度θ6と角度θ7との間に設けられ、電極38は角度θ2と角度θ3との間に設けられている。このように心線12の中心を原点とする角度θにおいて、第1対電極を形成する電極32と電極34および第2対電極を形成する電極36と電極38は互いに重ならない状態で配置されている。もしこれらの電極が重なっていると、心線12の電圧に基づいて各電極に誘起される電圧が重なりの影響を受け、計測精度において悪影響が生じる。
上述したように、図2の実施形態では、Z軸と一致する位置に電線16の心線12の中心が存在しているが、心線12がどの位置に存在しても高い精度で電圧を計測できることが望ましい。そのため本実形態では、心線12が第1対電極の内側の範囲であれば、どの位置に心線12があっても、補正処理を行うことにより高い計測精度で電圧を計測することを可能としている。言い換えると第1対電極の内側であれば、その領域は高い計測精度で電圧を計測できる、心線12が存在可能な自由空間であるとして、本実施例では処理することができる。このことについては、以下で図面を使用して詳述する。
また上述のとおり、図2や図3に記載の実施形態では、電極32と電極34が、Z軸10から等距離に配置され、さらにZ軸を中心とする円に沿った円弧の形状を為している。この形状および配置関係は一例であって、例えば電極32や電極34は円弧の形状でなくてもよい。このことは第2対電極を形成する電極36および電極38に対しても同様である。
上述した図2に示す実施形態では、電極の外周側であるZ軸から距離rcの位置に、さらに電極32や電極34および電極36と電極38を覆うように、接地電極40が設けられている。接地電極40は本実施形態ではその断面が円形であるが、多角形あるいはその他の形状であっても良い。
上述したように図3では、角度θに関して、電極38と電極36および電極34と電極32は、それぞれが互いに重らないように配置されている。各電極が、このように配置されることにより、心線12と上述の各電極との間にそれぞれ静電容量が形成され、更に上述の各電極と接地電極40との間にもそれぞれ静電容量が形成される。このため、心線12の電圧に基づいて、第1対電極を構成する電極32と電極34および第2対電極を構成する電極36と電極38に、それぞれ電圧が発生する。心線12の電圧に基づいて、電極32と電極34の電圧や電極36と電極38の電圧が変化するので、これらの電圧を、演算装置50で計測することにより、最終的には心線12の電圧を非接触で計測することができる。
3 第1対電極の内側を心線の配置可能な自由空間とする高精度電圧計測技術の説明
多くの場合、電圧の測定対象となる導体は絶縁材で覆われており、導体の位置関係や導体の形状を簡単に把握することが困難である。このような状況において、導体の電圧を高い精度で計測したいとのニーズにどのように対応するか、発明者らは色々検討を重ねた。その結果発明者らは、最も導体に近い電極である第1対電極の内側に導体が存在する場合に、一定の手順に従って演算処理を行うことにより、高い精度で導体の電圧を計測できる技術を確立した。すなわち上記手順に従って演算処理を行うことで、第1対電極の内側の自由空間に導体が存在する場合には、その導体の存在位置を明確に把握しなくても、高い精度で電圧の計測が可能となる技術を開発した。
3.1 計測誤差の発生原因の説明
図2の記載では、心線12と各電極との位置関係では、心線12の中心がZ軸10と一致しており、心線12の表面と電極32の対向面や電極34の対向面との距離がそれぞれ同じである。同様に心線12の表面と電極36の対向面や電極38の対向面との距離もまたそれぞれ同じである。この場合には高い精度で電圧の計測が可能となる。
しかし多くの場合は、導体である心線12がZ軸10からどの方向にどれだけ変位しているのか、分からない。さらに図4では、心線12の断面を円形として図示したが、実際には心線12の断面が円形であるかどうかも分からない。従って実際の計測においては、得られた計測結果に関して計測精度が高いのかどうかも分からない。このような現状を踏まえ、発明者らは計測誤差の発生原因とその計測誤差の大きさについて先ず解析した。
3.1.1 導体がX軸方向に変位している場合の計測誤差の説明
図4は直交座標系において、心線12の中心13が、Z軸10に対して、X軸方向に距離X1、Y軸方向に距離Y1、変位している状態を示す。実際にはこのようにX軸方向にもY方向にも心線12が変位している場合が多いが、先ずX軸方向の変位と計測誤差との関係を説明する。
図5において、心線12がX軸方向に変位した場合の電極32の電圧V32の変化をグラフG1で、また電極34の電圧V34の変化をグラフG2で示す。さらに電圧V32と電圧V34の和をグラフG3で示す。図5の各グラフは、心線12のX軸方向の変位が大きくなるに従って、心線12が近づいた方の電極の電圧が大きくなることを示している。従って電極32と電極34の電圧の和は、グラフG3で示すように、X方向の変位が大きくなるに従って大きくなる。変位ゼロの位置が、検出精度が高い状態であり、変位が大きくなるに従って計測誤差が大きくなる傾向にある。
3.2 導体のX方向変位に伴う計測誤差の補正についての説明
心線12のX方向への変位に伴う補正を図5に基づいて行うには、心線12のX方向への変位量X1を知ることが必要となる。しかし現実には変位量X1を直接測ることが難しい。そこで発明者らは電極32の計測電圧である電圧V32と電極34の計測電圧である電圧V34の比に着目した。電圧V34に対する電圧V32の比は、心線12のX方向への変位量X1の変数となり、変位量X1に対して一義的に定まる。
図6は、図5にグラフG3として記載の電圧V32と電圧V34の和のグラフのパラメータを、心線12のX方向の変位量X1から、電圧V32と電圧V34との比であるV32割るV34に変更したグラフである。図6に示すとおり、パラメータを心線12のX方向の変位量X1から電圧V32と電圧V34との比であるV32割るV34に変更すると、電圧V32と電圧V34の和は比較的単純な形状のグラフとなる。このようにグラフの形状が比較的単純な形状であり、記憶するデータ数を少なくし、例えば一次関数に近似させる方法で、補完計算により補正量を算出するようにしてもよい。
図6に記載の変位0で示される状態は、心線12がZ軸10に存在する状態であり、計測誤差が最も少ない状態である。実際には心線12がZ軸10に対して変位しており、この変位によって測定誤差が生じているが、上述したように、第1対電極の電圧V32と電圧V34とから簡単に、測定誤差の最も少ない変位0で示される状態の第1対電極の電圧を演算することができる。
3.3 導体のY軸方向変位に伴う計測誤差とその補正関する説明
図7は、図4における心線12の変位で、心線12がY軸方向に変位した場合の、電極32の電圧V32および電極34の電圧V34に与える電圧変化を示すグラフである。心線12のY軸方向への変位に伴う電極32の電圧V32の変化をグラフG5で示し、同じく電極34の電圧V34の変化をグラフG6で示す。また電極32と電圧V34の和の電圧の変化をグラフG7で示す。心線12のY軸方向への変位に伴う電圧V32と電圧V34への影響は、図5に記載のX方向への変位の影響に比べれば小さい。また図5に記載のX軸方向への変位では、変位が大きくなるに従って実際の電圧より大きくなる方向の計測結果が得られたが、図7に示すY軸方向への変位では、実際の値より計測結果が小さくなる傾向となる。
図7に記載のY方向の変位は、実際には計測できないので、Y方向への変位を電圧比RyであるV32割るV34に置き換える。このグラフを図8に記載する。実際に心線12がどの程度Y軸方向に変位しているかを把握することが困難な場合が多い。従ってY軸方向の変位に代わる電極32と電極34の電圧比Ryをパラメータとして使用できれば、補正が可能となる。またこの場合に電圧比Ryをパラメータとして使用すると図8に記載のように補正データが比較的単純な形状となり、補正し易くまた高い精度が得易くなる効果がある。実際には図8のグラフはもう少し複雑になるが、考え方を説明するために簡素化している。
図6に記載の補正や図8に記載の補正を行うことにより、心線12の存在位置が把握できない状態であっても、心線12のX方向の変位およびY方向の変位に伴う補正が可能となり、精度の高い計測が可能となる。従って第1対電極を構成する電極32と電極34の内側の自由空間に心線12が存在する場合には、上記変位を特定できなくても、第1対電極と第2対電極の計測結果から正確に第1対電極や第2対電極の電圧を算出することができる。これらの値から心線12の電圧を正確に算出できる。
なお上記詳細説明は第1対電極について行ったが、第2対電極の場合には、第2対電極がY軸上に配置されているので、心線12のY軸方向の変位に対する電極36や電極38の電圧V36や電圧V38が、図5や図6で説明した傾向となる。また心線12のX軸方向の変位に対する電極36や電極38の電圧V36や電圧V38が、図7や図8で説明した傾向なる。従って第2対電極の電圧も正確に補正することが可能となり、正確な電圧を得ることが可能となる。上述したように正確な第1対電極の電圧と、正確な第2対電極の電圧とから、正確な心線12の電圧を算出することができる。
4.電圧計測のための演算処理内容の説明
図1に記載した演算装置50の演算処理内容を示すフローチャートの一例を、図9に示す。各電極の電圧を計測して、計測対象とする導体の電圧Voutを算出する演算処理のためのプログラムが、記憶部62に記憶されている。記憶部62にはさらに演算により求められた心線12の電圧をどのような形式で出力するか、およびそのための処理プログラムも記憶されている。このプログラムは計測対象の電圧の変化に対して極めて短い周期で繰り返し実行されるので、本実施形態では、上記導体の電圧変化を、高い精度の、しかも連続した電圧波形として出力することが可能となる。本実施形態では、上述したように演算装置50の出力部64から、上記波形を、表示によりあるいは印刷により、あるいはまたデジタルデータの形式で、出力することができる。
演算部58の実行が開始されるとステップS100からステップS102に実行が遷移し、ステップS102で第1対電極を構成する電極32の電圧V32と電極34の電圧V34が計測部54により計測され、記憶部62に一時的に保持される。さらにこのステップS102で、第2対電極を構成する電極36の電圧V36や電極38の電圧V38が、計測部54により計測され、記憶部62に一時的に保持される。
ステップS104で、先ず計測された電圧V32と電圧V34から計測対象導体である心線12の変位に関する補正を行うためのパラメータを求める。このパラメータに基づきX軸方向の変位に対する補正量Rx1やY軸方向の変位に対する補正量Ry1を求める。X軸方向やY軸方向の変位に対する補正量のパラメータとして色々なデータが使用できるが、図6を用いて説明したように、上記計測された電圧V32と電圧V34の比C1を用いると処理が簡単であり、また計測精度を向上する観点でも優れている。予め計測していた補正量のデータに基づき、比C1をパラメータとして、X軸方向の変位に伴う補正量Rx1を導き出す。
また他の方法として、図6に示すように補正量のグラフは比較的単純な形状となるので、記憶するデータを少なくし、データ間を一次グラフで補完するようにして、補正量を算出しても良い。
ステップS106で、演算された電圧V32と電圧V34の比C1を計測対象導体である心線12のY軸方向の変位に伴う補正量Ry1を求めるためのパラメータとして使用する。図9を用いて説明したように、上記計測された電圧V32と電圧V34の比C1をパラメータとして、心線12のY軸方向の変位に伴う補正量Ry1を導き出すことができる。電圧V32と電圧V34の比C1と補正量Ry1との関係は、予め計測しておいて記憶部62に予め比C1をパラメータとして補正量Ry1のデータを記憶しておき、この補正量Ry1の値を比C1に基づいて検索するようにしても良い。また誤差がやや大きいが、あらい間隔で補正量Ry1の値を記憶し、一次グラフに近似させて補完計算する方法で、補正量Ry1を算出しても良い。
ステップS108で、計測された電極32と電極34の電圧V32と電圧V34、さらに求められた補正量Rx1と補正量Ry1とから、電極32と電極34を有する第1対電極の正確な電圧VAを演算に基づいて算出する。なおこの実施形態では正確な電圧VAは、電圧V32と電圧V34の正確な合計値を表しており、個々の電極の電圧を個別に算出しているのではない。目的である心線12の電圧を正確に算出する上では、電圧V32と電圧V34の合計値を正確に算出できれは十分である。以下の第1式は、上述の処理に関する演算内容を示す。
電圧VA=(電圧V32+電圧V34)× Rx1 × Ry1 ・・・(1)
上述した処理方法では、非常に高い精度で電圧VAを算出することができる。以下で説明する如く非常に高い精度で計測された電圧VAを使用することで、心線12の電圧を非常に高い精度で計測することができる。
X軸上に配置されている第1対電極に関する電圧VAの計測では、X軸上での心線12の変位が計測精度を低下させる大きな要因となる。一方Y軸上での心線12の変位も計測精度を低下させる要因となるがその影響力はX軸上での心線12の変位に比べると非常に小さい。このためX軸上での心線12の変位に対する補正を行えば、Y軸上での心線12の変位に関する補正を行わなくても、高い計測精度で第1対電極に関する電圧VAを計測することができる。従ってX軸上での心線12の変位に対する補正を行えば、心線12の電圧を高い精度で計測することができる。
ステップS110からステップS114は、第2対電極の電圧を算出する演算処理手順、即ち電極36や電極38の電圧V36や電圧V38に関する制度の高い計測方法を示している。基本的な考え方は上述した第1対電極の場合と同様である。
ステップS110で、Y軸方向の変位に伴う補正量を求めるためのパラメータとして電極36の電圧V36と電極38の電圧V38との比C2を算出する。この比C2から第2対電極の電圧VBを算出するための補正量Ry2を求める。電圧V36と電圧V38の比C2と補正量Ry2との関係を、予め計測しておいて記憶部62に予め比C2をパラメータとして記憶しておく。電極36や電極38の電圧V36や電圧V38に基づいて求めた比C2をパラメータとて補正量Ry2を検索して求める。あるいは間隔をあけた状態のデータを記憶しておき、代数計算により補完する方法で、補正量Ry2を算出しても良い。
パラメータとしての電圧V36と電圧V38との比C2と、補正量Ry2との関係は、心線12の補正対象とする変位方向と第2対電極が配置されている軸とが一致する条件であり、上述した図5や図6の説明内容と同じ条件となる。このため同じ考え方で補正量を算出することができる。言い換えると、Y軸上に電極36や電極38が配置されている第2対電極では、心線12のY軸方向の変位が、計測誤差を大きくする要因となる。この状態は、上述した図5や図6の説明内容と同じ状態であり、心線12のY軸方向の変位を補正することにより、計測精度が大きく改善される。
次に、第2対電極が置かれているY軸方向に対して垂直方向であるX軸方向に、心線12が変位した場合を説明する。この場合、第2対電極の電圧の計測結果に対して、図7や図8で説明したと同様の影響が生じる。この影響に基づく計測精度の低下に対応するために、ステップS112で、X軸方向の心線12の変位に対する補正量を算出する。ステップS110で算出した電圧V36と電圧V38との比C2をパラメータとして補正量Rx2を記憶部62から検索する。なお比C2と補正量Rx2との関係は、予め計測しておいて記憶部62に比C2をパラメータとして補正量Rx2のデータを記憶しておく。必要とする補正量Rx2のデータを、ステップS110で算出した比C2をパラメータとして検索することで算出できる。
ステップS112での処理により、電極36と電極38を有する第2対電極における正確な電圧を算出することができる。以下詳述する。先のステップで得られた、電極36の電圧V36と電極38の電圧V38、さらに算出された補正量Ry2と補正量Rx2とから式2に基づいて正確な第2対電極の電圧VBを算出する。算出された電圧VBは、心線12の変位が考慮された電極36と電極38の電圧の正確な合計電圧を表す。なおこの合計電圧VBは、心線12の変位だけでなく、Z軸10と各電極間との距離の違いなども合わせて補正されている。
電圧VB=(電圧V36+電圧V38)× Cy2 × Cx2 ・・・(2)
導体の電圧Vout=VA × 1/(R−a) ・・・(3)
ここで、RはVA/VBで表される。またaは定数である。
式3の算出結果、即ち心線12の正確な電圧である電圧Voutは、第1対電極の正確な電圧VAと第2対電極の正確な電圧VBとから算出することができる。式3は電圧Voutの算出の一例であって式3に限定されるものではない。即ち第1対電極と第2対電極の位置関係が既知であり、また心線12のX軸方向の変位とY軸方向の変位が補正されているので、電圧VAと電圧VBとから心線12の正確な電圧を求めることができる。ステップS116で電圧VAと電圧VBとの比Rを算出する。次にステップS118で心線12の正確な電圧を算出する。
上述したように第1対電極の電圧VAの計測誤差を発生する大きな要因は、第1対電極が配置されている軸と同じ軸方向の心線12の変位である。この実施例ではX軸方向の変位である。従ってX軸方向の変位に関する補正量Rx1を算出して補正することで、計測精度が大きく向上する。
また第2対電極の電圧VBの計測誤差を発生する大きな要因は、第2対電極が配置されている軸と同じ軸方向の心線12の変位である。この実施例ではY軸方向の変位である。従ってY軸方向の変位に関する補正量Ry1を算出して補正することで、計測精度が大きく向上する。
5.実施形態の効果
5.1 心線12である導体の変位にかかわらず高い精度での電圧の計測の実現
本実施形態によれば、上述したように第1対電極の内側であれば心線12の位置がどの位置にあっても変位に基づく補正を正確に行うことができ、高い精度で心線12の電圧を計測できる。
また心線12の変位の状態は、その外周に絶縁被覆14が存在するなどの理由で把握することが難しいが、発明者等の検討の結果、第1対電極の電圧比あるいは第2対電極の電圧比からその変位内容を簡単に把握できることが分かった。
5.2 導体である心線12の太さや絶縁被覆14の厚さ等の変化に対する影響の低減
本実施例では第1対電極や第2対電極など対の電極を使用し、さらに第1対電極に対して第2対電極を構成する電極の間隔を大きくしている。さらに心線12の変位に関係するパラメータとしてそれぞれの対電極の電圧比を使用している。この結果心線12の太さが変化したとしてもその変化が計測結果に与える影響が非常に小さくなっている。言い換えると心線12の太さの変化が算出された計測値に現れにくい状態となっている。このため高い計測精度が得られる。また絶縁被覆14の厚さ等が変化すると静電容量の変化等の関係から計測された電圧値に影響を与えることになる。しかし本実施形態では、第1対電極に対して、第2対電極の電極間の距離を大きくしており、また補正パラメータとして第1対電極や第2対電極を構成する各電極の電圧比、および第1対電極の電圧と第2対電極の電圧比に基づいて心線12の電圧を算出しているので、絶縁被覆14の形状等の変化による静電容量の変化に伴う計測結果への影響が非常に少なくなる。
5.3 第1対電極や第2対電極の電極形状や電極数を自由に変えることができる
説明を簡単にするために第1対電極や第2対電極を構成する電極を円弧形状としたが、心線12の変位と発生電圧との関係において、電極形状が特定される必要がなく、予め計測して補正量を求めるための電極形状と実際に使用する計測装置の電極形状との関係を定めておけば、電極は他の形状であっても全く問題ない。
実施形態では第1対電極と第2対電極を一組ずつ、としたが、電極はそれぞれ複数個設けられていても良い。また複数個設けられている場合の処理についても、例えば平均化しても良いし、その他の処理方法であっても良い。
5.4 連続した計測が可能となる
本実施形態では、計測対象の交流電圧の変動周期に対して極めて短時間に計測が終了するので、計測動作を繰り返すことにより、対象電圧を連続的に計測することができる。使用の要求に対応して高精度の計測結果を連軸的に、例えば連続した波形として出力することが可能となる。
6.他の実施形態の説明
図10は、本発明の他の実施形態を示す。演算装置50の演算処理は先の実施形態と同様であり、演算装置50に関する開示や説明を省略する。電線16はその内部に心線12を備えている。電圧計測装置100は計測部102に電線16を固定することにより、第1対電極や第2対電極と電線16との位置関係を固定するための電線保持具222および電線保持具224を有している。また第1対電極は一個の電極32と一個の電極34とで構成されているのではなく、電極32が、電線16の長手方向の沿って設けられた複数の電極321や電極322で構成されている。また電極34電線16の長手方向の沿って設けられた複数の電極341や電極342で構成されている。電極321と電極322および電極341と電極342は、それぞれ電極36を挟むように配置されている。もちろん電極36についても複数の電極で構成するようにしても良い。
電極36や電極321、電極322、電極341、電極342は、それぞれ電極保持部234に配置され、それぞれの位置関係が変わらないように樹脂などで固定されている。電極保持部234は固定具230によって電線保持具222や電線保持具224に固定されている。電圧計測装置100の計測部102は、図示していないが電線16の長手方向に沿って半分に割れる構造をしており、計測部102を半分に分割した状態で、電線保持具222や電線保持具224の内部に電線16を配置して分割された計測部102を一体の状態に戻すことにより、電線16と電極保持部232との位置関係が定まる。
電極保持部232の内側は計測可能領域である自由空間210を形成されている。この図では電線16は長手方向において直線形状であるが、自由空間210の内部で反るなどの形状変化、即ち電線16が曲がっていてもその心線12の電圧を正確に計測することができる。
図11は、さらに他の実施形態である。電極32や電極34、電極36、電極38が設けられ、それらの外側に接地電極40が設けられている。ここで電極32や電極34および電極36や電極38が円弧形状を為しているが、これら電極の形状が円弧形状でなくても良いことは、何度か上述したとおりである。接地電極40の形状についても同様である。図11では8角形をしている。このように接地電極40は多角形でも問題はない。ただ第1対電極を形成する電極32や電極34の内側に電線16を配置するための自由空間210を設けることが必要である。また自由空間210と接地電極40との間を広くすると扱いにくくなる。このようなことから接地電極40の断面は円に近い方が良い。このため六角形や八角形あるいはそれ以上の多角形の方が望ましい。
接地電極40を八角形とすると電極32や電極34および電極36や電極38が八角形の4面にそれぞれ対応し、計測部102を制作する上でも優れている。また自由空間210に電線16を配置するためには、計測部102を分割することが必要となる。分割部分の一例を分割面202として示す。接地電極40を八角形とすると二分割する上でも適切である。
4・・・交流電源、12・・・心線、14・・・絶縁被覆、16・・・電線、20・・・基準電位点、32・・・電極、34・・・電極、36・・・電極、38・・・電極、40・・・接地電極、50・・・演算装置、52・・・操作部、54・・・計測部、58・・・演算部、62・・・記憶部、64・・・出力部、100・・・非接触型電圧計測装置、102・・・計測部、202・・・分割面、210・・・自由空間、230・・・固定具、232・・・電極保持部、321・・・電極、322・・・電極、341・・・電極、342・・・電極、

Claims (8)

  1. 導体を配置するための空間の外側に、該空間を挟むように設けられた第1電極と第2電極とを有する第1対電極と、
    上記空間を挟むように設けられた第3電極と第4電極とを有する第2対電極と、
    上記導体の電圧に基づいて上記第1電極と上記第2電極および上記第3電極と上記第4電極とにそれぞれ発生した第1電極電圧と第2電極電圧および第3電極電圧と第4電極電圧を計測する電圧計測部と、
    上記第1電極電圧と上記第2電極電圧とに基づき、上記導体の上記第1対電極方向の変位を補正するための第1補正量を演算する第1補正量演算手段と、
    上記第1電極電圧と上記第2電極電圧および上記第1補正量とに基づいて上記第1対電極の補正された電圧を算出する第1対電極電圧演算手段と、
    上記第3電極電圧と上記第4電極電圧とに基づき、上記導体の上記第2対電極方向の変位を補正するための第3補正量を演算する第3補正量演算手段と、
    上記第3電極電圧と上記第4電極電圧および上記第3補正量とに基づいて上記第2対電極の補正された電圧を算出する第2対電極電圧演算手段と、
    上記第1対電極の補正された電圧と上記第2対電極の補正された電圧とに基づいて、上記導体の電圧を算出する導体電圧演算手段と、を有する、ことを特徴とする非接触型電圧計測装置。
  2. 請求項1に記載の非接触型電圧計測装置において、
    上記第1補正量を演算するためのパラメータとして、上記第1電極電圧と上記第2電極電圧の比を使用し、
    上記第3補正量を演算するためのパラメータとして、上記第3電極電圧と上記第4電極電圧の比を使用する、ことを特徴とする非接触型電圧計測装置。
  3. 請求項1に記載の非接触型電圧計測装置において、
    さらに上記第1電極電圧と上記第2電極電圧とに基づき、上記導体の上記第2対電極方向の変位を補正するための第2補正量を演算する第2補正量演算手段を更に設け、
    上記第1対電極電圧演算手段は、上記第1電極電圧と上記第2電極電圧および上記第1補正量と、上記第2補正量とに基づいて上記第1対電極の補正された電圧を算出する、ことを特徴とする非接触型電圧計測装置。
  4. 請求項1に記載の非接触型電圧計測装置において、
    さらに上記第3電極電圧と上記第4電極電圧とに基づき、上記導体の上記第1対電極方向の変位を補正するための第4補正量を演算する第4補正量演算手段を更に設け、
    上記第2対電極電圧演算手段は、上記第3電極電圧と上記第4電極電圧および上記第3補正量と、上記第4補正量とに基づいて上記第2対電極の補正された電圧を算出する、ことを特徴とする非接触型電圧計測装置。
  5. 請求項1に記載の非接触型電圧計測装置において、上記第1対電極の配置されている軸を直交座標系のX軸とすると、上記第2対電極が直交座標系のY軸上に配置されている、ことを特徴とする非接触型電圧計測装置。
  6. 請求項5に記載の非接触型電圧計測装置において、上記X軸と上記Y軸との交点を中心とし、上記X軸を起点とする角度において、上記第1対電極が設けられている角度と上記第2対電極が設けられている角度が異なる角度であって、上記角度において互いに重ならないように配置されている、ことを特徴とする非接触型電圧計測装置。
  7. 請求項5に記載の非接触型電圧計測装置において、上記X軸と上記Y軸との上記交点から上記第1対電極までの距離よりさらに上記交点から離れた位置に上記第2対電極が設けられている、ことを特徴とする非接触型電圧計測装置。
  8. 請求項6に記載の非接触型電圧計測装置において、 上記第1対電極および上記第2対電極のさらに外側に、上記第1対電極および上記第2対電極を覆う接地電極を設けた、ことを特徴とする非接触型電圧計測装置。
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