JP7359497B1 - 非接触型電圧計測装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】電線の電圧を、電線の絶縁被膜の外側から内部の導体に対して非接触状態で計測する非接触型電圧計測装置において、高湿度による測定誤差を抑制すること。【解決手段】電圧検出用の第1電極144と第2電極244とをそれぞれ備える第1測定部130と第2測定部230とを、電線16を介して互いに対向するように配置し、第1測定部130と第2測定部230とが、電線16の外周面18に接触する部分に、導電性を有する第1一方側接触子152や第1他方側接触子154、第2一方側接触子252、第2他方側接触子254を設け、上記各接触子を電気的に互いに短絡接続し、さらに上記各接触子を、高抵抗を介して基準電位点20に接続することにより、上記各接触子の電位を平均化して安定化することにより、高湿度により影響を低減した非接触型電圧計測装置100。【選択図】図1

Description

本発明は、電線等の電圧を非接触の状態で計測する、非接触型電圧計測装置に関する。
例えば電力を供給する電線の電圧を、被覆の外側から被覆内部の導体に対して非接触の状態で計測する、非接触型電圧計測装置が以前から提案されている。一例として、上記非接触型電圧計測装置が、特許文献1および特許文献2に詳細に説明されている。具体的には、特許文献1および特許文献2には、非接触型電圧計測装置の測定原理、さらに加えて測定誤差を低減するための補正方法についても記載されている。例えば特許文献2では、計測対象の電線における電流を流すための心線の位置あるいは形状に伴う計測誤差を低減し、計測精度を向上する技術が説明されている。
特許第5847339号公報 特許第7117804号公報
非接触型電圧計測装置の計測精度の向上について、上述のとおり、特に特許文献2に詳述されている。しかし電線の電圧を計測する場合に生じる計測誤差には色々な要因があり、要因毎にそれに即した対応策が求められる。本発明は、湿度が要因となる誤差を低減することが目的であり、上述の特許文献1および特許文献2では、湿度が要因となる誤差の低減策については、触れられていない。
非接触型電圧計測装置は、ニーズとして、より使用し易いことが望まれる。非接触型電圧計測装置は小型軽量にする方が使い易くなるが、反面計測中に外気の影響を受け易くなる。計測対象の電線においても、通常の使用状態のまま、その場で電圧を計測できることが望ましい。しかし使用状態のままの電線は、その外周面に色々な物が付着しており、その付着物が外気の影響を受け、電気的特性に色々な影響を与える。
特に測定環境において湿度が高い場合に、外気の影響を大きく受けて電気的特性が複雑に変化し、計測誤差の要因となることが分かった。高湿度の状態においても、計測誤差を抑制できる、非接触型電圧計測装置が望まれる。
本発明の目的は、高湿度の環境においても、電線の電圧を高い精度で計測できる非接触型電圧計測装置を提供することである。
上記課題を解決する第1の発明は、
計測対象の電線の外側に、前記電線を挟むように互いに対向して配置される第1電極と第2電極、および前記第1電極と前記第2電極に生じた電圧をそれぞれ取込み、前記電線)の電圧を算出する演算装置、を備えた、非接触型電圧計測装置において、
前記電線を挟むように互いに対向して配置された第1測定部と第2測定部とを有し、
前記第1測定部は、前記電線の長手方向に長い形状を成す第1支持部を有し、
前記第1支持部は、前記電線が配置される側に前記第1電極を備え、さらに前記長手方向における一方側端部に前記電線に向かって伸びる第1一方側支持部を有し、また前記長手方向における他方側端部に前記電線に向かって伸びる第1他方側支持部を有し、
前記第2測定部は、前記電線の前記長手方向に長い形状を成す第2支持部を有し、
前記第2支持部は、前記電線が配置される側に前記第2電極を備え、さらに前記長手方向における一方側端部に前記電線に向かって伸びる第2一方側支持部を有し、また前記長手方向における他方側端部に前記電線に向かって伸びる第2他方側支持部を有し、
前記第1一方側支持部および前記第1他方側支持部はそれぞれその前記電線の側に、前記電線の外周面と接するための導電性を有する第1一方側接触子および第1他方側接触子をそれぞれ有し、
前記第2一方側支持部および前記第2他方側支持部はそれぞれその前記電線の側に、前記電線の前記外周面と接するための導電性を有する第2一方側接触子および第2他方側接触子をそれぞれ有し、
前記第1一方側接触子と前記第1他方側接触子、および前記第2一方側接触子と前記第2他方側接触子が、それぞれ電気的に接続され、さらに1MΩ以上の抵抗値を有する高抵抗を介して基準電位点に接続されている、ことを特徴とする非接触型電圧計測装置、である。
上記課題を解決する第2の発明は、上記第1の発明において、
前記第1一方側接触子と前記第1他方側接触子、および前記第2一方側接触子と前記第2他方側接触子はそれぞれ、前記電線の前記外周面に押圧されることにより前記外周面に沿って変形する導電性を備えた弾性体で構成されている、ことを特徴とする非接触型電圧計測装置、である。
上記課題を解決する第3の発明は、上記第1の発明または第2の発明の内の一の発明において、
前記高抵抗と、前記第1一方側接触子と、前記第1他方側接触子と、前記第2一方側接触子と、前記第2他方側接触子と、を電気的に接続する接続線は、それぞれの外周がシールド装置で覆われている、ことを特徴とする非接触型電圧計測装置、である。
上記課題を解決する第4の発明は、上記第3の発明において、
前記第1測定部と前記第2測定部との外側にカバーが設けられ、
前記カバーにより前記シールド装置が支持されている、ことを特徴とする非接触型電圧計測装置、である。
上記課題を解決する第5の発明は、上記第4の発明において、
前記第1一方側接触子と前記第1他方側接触子と前記第2一方側接触子と前記第2他方側接触子とを電気的に接続する前記接続線は、前記第1一方側接触子と前記第1他方側接触子とを接続する第1接続線と、前記第2一方側接触子と前記第2他方側接触子とを電気的に接続する第2接続線と、を有し、
前記カバーは、前記第1測定部の外側に設けられた第1カバーと、前記第2測定部の外側に設けられた第2カバーとを有しており、
前記シールド装置により、前記第1カバーに第1シールド空間が形成され、また前記第2カバーに第2シールド空間が形成され、
前記第1シールド空間の内部に前記第1接続線が配置され、前記第2シールド空間の内部に前記第2接続線が配置される、ことを特徴とする非接触型電圧計測装置、である。
本発明によれば、湿度の高い環境においても、電線の電圧を高い精度で計測できる非接触型電圧計測装置を得ることである。
本発明が適用された非接触型電圧計測装置100の一実施例を説明する説明図であり、電圧計測対象である電線16の長手方向に沿って断面した断面図である。 図1に記載の非接触型電圧計測装置における、A-A断面図である。 高湿度環境で電線16の電圧を計測する状態を概念的に説明する説明図である。 高湿度環境での、実施例の作用効果を概念的に説明する説明図である。 非接触型電圧計測装置100の一方側の側面を示す説明図である。
1.はじめに
本発明を実施するための一実施例を、添付図面を参照して以下説明する。添付図面において略同じ構成には同じ符号を付し、同じ符号が付された構成は略同じ動作および作用を為し、略同じ効果を奏する。同じ符号の構成に関する繰り返しの説明を省略する。また本明細書の説明で、用語「計測」と用語「測定」は、同じ概念で互いにそれぞれ両方の概念を含む広い概念として使用する。また用語「演算」あるいは用語「演算処理」、用語「算出」、用語「計算」は、四則演算などの代数計算だけでなく、色々な演算処理を含む広い概念で使用し、所定の条件や所定のパラメータに基づいて目的とする値やデータを得るための処理も含んでいる。例えば予め所定の条件やパラメータに基づいて演算よりあるいは実験などにより目的とする値やデータを得て、これを記憶手段に記憶しておき、記憶内容を上記パラメータ等で検索して、目的とする値やデータを得る処理も、本明細書では用語「演算」あるいは用語「演算処理」、用語「算出」、用語「計算」、の概念に含めるものとする。本明細書では用語「接続」は、直接的な電気接続だけでなく、部品や装置等を介して間接的につながる状態も含める広い概念で使用する。本明細書で、用語「電線」は、電流が流れる心線の外側に絶縁被膜が設けられているものであり、ケーブル等も含むものとして使用する。
2.本発明に係る非接触型電圧計測装置100の一実施例の説明
2.1 非接触型電圧計測装置100の一実施例の基本構造と基本動作の説明
(1)はじめに
最初に構造的な観点を説明し、その後に作用効果について説明する。なお、本発明に係る非接触型電圧計測装置100の動作原理および測定対象である電圧を算出するための演算処理の方法やその技術的な考え方は、上述した特許文献1や特許文献2において、発明者達は説明しているので、本明細書では具体的な説明は省略する。なお特許文献1や特許文献2に記載されている非接触型電圧計測装置100は、計測精度を向上させるために精巧に作られている。このため測定環境の変化、言い換えると外気の影響、を受け難い利点がある。しかし非接触型電圧計測装置100は一方大型化し易く、高価になり易いなどの傾向がある。世の中のニーズは多彩であり、小型軽量で使い勝手の良いあるいは安価な非接触型電圧計測装置100に関するニーズも大きい。このような使い勝手の良い比較的小型の非接触型電圧計測装置100においては、測定環境の影響を受け易い。特に湿度の影響が大きな課題であることが、発明者達の実験や試作に基づく検討の結果、明らかになった。以下の実施例は、湿度の影響を大幅に低減できる効果を有している。
図1は、一実施例である非接触型電圧計測装置100を電線16の長手方向に沿って断面した断面図である。また図2は、図1に記載の非接触型電圧計測装置100のA-A断面図である。なお図1において、シールド装置を破線で記載している。これは単に他の構成に対して見分け易くするためであり、一般的な記載方法では実線での記載となる。
本実施例における非接触型電圧計測装置100は、一例として、商用周波数の交流電圧の測定を例としているが、これに限るものではない。商用周波数よりはるかに高い周波数の交流電圧の測定於いても適用可能である。また本実施例に示す非接触型電圧計測装置100の計測電圧は、数V程度の低い電圧から数キロVや数十キロボルト等の高い電圧まで、広い範囲の電圧に対して使用可能である。
計測対象である電線16は、例えば交流電力を送電するための電線であり、心線12と心線12を覆う絶縁被膜14を備えている。計測対象の交流電圧は、例えば交流電源4の一方側電線6から電線16の心線12に加えられ、交流電源4の他方側は、他方側電線8を介して基準電位点20である接地点に接続される。非接触型電圧計測装置100は、心線12が絶縁被膜14で覆われた状態のまま、心線12に非接触の状態で、心線12の交流電圧を計測することができる。なお図1では、心線12および絶縁被膜14を単純な円筒形状として図示している。これらは一例であり、非接触型電圧計測装置100は、心線12や絶縁被覆14の形状が同心円の形状以外の形状であってもよいし、心線12がより線であっても使用可能である。
図1や図2の記載は、電線16の電圧の計測中の状態を示している。非接触型電圧計測装置100は、非接触状態で電線16の電圧を計測するために、第1測定部130と第2測定部230とを有している。電圧の計測の開始前に、図2に記載のハンドル72とハンドル74とを開いた状態とすることで、支点78を介して第1測定部130と第2測定部230は開いた状態となる。なお、ばね76が設けられているので、握りしめていたハンドル72やハンドル74から手を離すと、自動的に第1測定部130と第2測定部230は開いた状態となる。電線16を第1測定部130や第2測定部230に挟み込むようにして、ハンドル72とハンドル74を握りしめ、ハンドル72とハンドル74との間隔を狭くすると、支点78を介して第1測定部130と第2測定部230とが、電線16を挟み込む状態となる。この時第1測定部130や第2測定部230と電線16との位置関係が自動的に設定される。この点に付いては、図5を用いて以下で説明する。計測状態では、図1や図2に記載のように、第1測定部130と第2測定部230との中央に電線16が位置し、電線16を挟んで、第1測定部130と第2測定部230が互いに対向する配置となる。先ず第1測定部130と、第2測定部230の構造について説明し、次に第1測定部130と第2測定部230に基づく作用および効果について説明する。
(2)第1測定部130の説明
第1測定部130は、第1電極144を備えた第1検知部142を有し、さらに第1検知部142を保持し固定するために第1支持部131を有し、さらに第1一方側接触子152と第1他方側接触子154とを有している。第1電極144は電線16の長手方向に長い形状を成し、電線16の外周面18に対向した状態で配置されている。第1電極144は、電圧の計測状態では、以下で説明する第2電極244と電線16の心線12に対して対称の位置関係に配置される。
第1検知部142は、その内部に第1電極144を保持しており、電線16の長手方向に長い形状を成し、電線16の外周面18に対向した状態に配置される。第1検知部142は、電圧の計測状態では、以下で説明する第2検知部242と電線16の心線12に対して対称の位置関係となる。第1電極144は電圧計測において非常に重要な役割を果たす。このため、長期間に渡り第1電極144が保護され、計測中においても特性が安定していることが求められる。第1電極144全体は第1検知部142により保護されている。この実施例では、電圧計測状態において、第1検知部142と電線16の外周面18との間に、第1空間110が形成される。
第1支持部131の第1支持中央部132の外周面には、第1電極144に対向する形状の第1接地電極138が設けられている。第1接地電極138は、電圧の計測状態では、以下に記載する第2支持部231の第2支持中央部232の外周面に設けられた第2接地電極238と、電線16を介して対称の位置関係となる。電圧の計測状態において、第1電極144と電線16の心線12との間に生じる容量により、および第1電極144と第1接地電極138との間生じる容量により、第1電極144に心線12の電圧に基づく電位が発生する。この電圧は、第1検出線146を介して演算装置120の入力部128に取り込まれる。
第1支持部131は、電線16の長手方向に長い形状を成す第1支持中央部132と、第1支持中央部132の一方側端部に設けられた第1一方側支持部134と、第1支持中央部132の他方側端部に設けられた第1他方側支持部136と、を備えている。第1一方側支持部134の第1一方側支持端135には、電線16の外周面18に電気的に接続するための第1一方側接触子152が設けられ、さらに第1他方側支持部136の第1他方側支持端137には、電線16の外周面18に電気的に接続するための第1他方側接触子154が設けられている。
第1一方側接触子152と第1他方側接触子154は、第1接続線164により、電気的に短絡状態に接続さている。これによりこれらの電位は、それぞれの接触子の電位を平均化した電位に維持される。以下で説明するが、第1一方側接触子152と第1他方側接触子154はさらに第2測定部230における第2一方側接触子252や第2他方側接触子254に対して電気的短絡状態で接続されている。従って第1測定部130の第1一方側接触子152や第1他方側接触子154、第2測定部230の第2一方側接触子252や第2他方側接触子254は、それぞれの電位を平均化した平均電位に維持される。このようにそれぞれの接触子の電位を平均化した電位に維持することにより、全体が電気的に安定化し、湿度等による影響を抑制できる。
上述の作用効果について、さらに詳述する。第1一方側支持部134や第1他方側支持部136を有する第1支持部131、および第2一方側支持部234や第2他方側支持部236を有する第2支持部231は、数MΩ以上の高い抵抗値(以下ハイインピーダンスと記す。)である。さらに電線16の絶縁被膜14の外周面18もまたハイインピーダンスである。ハイインピーダンスの構成は、本発明の解決課題である湿度の影響を非常に受け易い。このため、上述の各接触子を接続する構成が無い状態では、第1一方側支持部134や第1他方側支持部136と電線16の外周面18との接触部、あるいは第2一方側支持部234や第2他方側支持部236と、電線16の外周面18との接触部において、それぞれの電位が極めて不安定な状態とになる。上述したような第1一方側接触子152や第1他方側接触子154、第2一方側接触子252、第2他方側接触子254を設け、更にこれらの接触子を電気的に接続することにより、上述のそれぞれの接触子の電位を、言い換えると基準電位点20に対するそれぞれの接触子の電圧を、平均化することができる。これにより非接触型電圧計測装置100における全体が、電気的に極めて安定な状態となる。この結果、湿度による悪影響を大きく抑制できる。さらに本実施例では、第1接続線164や第2接続線264をシールド状態に維持している。第1電極144や第2電極244を備える第1支持部131や第2支持部231は、ハイインピーダンスの特性を有しており、湿度に起因する悪影響が他の構成に波及し易い課題を有している。このため第1接続線164や第2接続線264は、それぞれ第1シールド装置166や第2シールド装置266により、電気的にシールドされた状態で保持されている。この構成により、他の構成への不安定状態の波及を防止できる。
(3)第2測定部230の説明
第2測定部230は、第2電極244を備えた第2検知部242を有し、さらに第2検知部242を保持し固定するために第2支持部231、および第2一方側接触子252や第2他方側接触子254を有している。第2電極244は電線16の長手方向に長い形状を成し、電線16の外周面18に対向した状態で配置されている。電圧の計測状態では、第2電極244は、電線16の心線12を挟んで、上述した第1電極144と対称の位置関係に配置される。
内部に第2電極244を保持する第2検知部242は、電線16の長手方向に沿って長い形状を成し、電線16の外周面18に対向した状態に配置されている。第2検知部242内の第2電極244は、電圧の計測状態では、上述した第1検知部142の第1電極144と、電線16に対して対称の位置関係となる。第2電極244は電圧の計測において非常に重要に役割を果たす。このため長期間に渡り第2電極244は保護され、計測中においても特性が安定していることが求められる。第2電極244全体は第2検知部242により保護される構造となっている。なお第2検知部242と電線16の外周面18との間に第2空間210が形成される形状となっている。
第2支持部231の第2支持中央部232の外周面には、第2電極244に対向する形状の第2接地電極238が設けられている。第2接地電極238は、電圧の計測状態では、上述の第1支持部131の第1支持中央部132の外周面に設けられた第1接地電極138と、電線16に対して対称の位置関係に維持される。電圧の計測状態において、第2電極244と電線16の心線12との間に存在する容量により、および第2電極244と第2接地電極238との間に存在する容量により、第2電極244に心線12の電圧に基づく電圧が発生する。この電圧は、第2検出線246を介して演算装置120の入力部128に取り込まれる。
第2支持部231は、電線16の長手方向に長い形状を成す第2支持中央部232と、第2支持中央部232の一方側端部に設けられた第2一方側支持部234と、第2支持中央部232の他方側端部に設けられた第2他方側支持部236と、を備えている。第2一方側支持部234の第2一方側支持端235には、電線16の外周面18と電気的に接続するための第2一方側接触子252が設けられ、さらに第2他方側支持部236の第2他方側支持端237には、電線16の外周面18と電気的に接続するための第2他方側接触子254が設けられている。
上述したように、第2一方側接触子252と第2他方側接触子254とは第2接続線264により電気的に短絡状態に接続され、さらに第1一方側接触子152や第1他方側接触子154とも、電気的に短絡状態に接続されている。このような構成により上述したように、第2一方側接触子252や第2他方側接触子254、第1一方側接触子152、第1他方側接触子154の各電位は、これら各接触子の電位を平均化した電位に維持される。このような構成により、既に上述したように、湿度による影響を大幅に低減でき、安定して電線16の心線12の電圧を計測することができる。また上述の各接触子を電気的に接続する第1接続線164や第2接続線264が、第1シールド装置166や第2シールド装置266により、シールドされた状態に維持されるので、他に影響を及ぼすことも抑制できる。なおこの実施例では、第2シールド装置266はカバー190を構成する第2カバー292の内側に設けられていて、第2カバー292は電導性に優れた金属で作られ、さらに基準電位点20に接続されている。上述したが、第1シールド装置166も第1カバー192の内側に設けられ、同様の構成を有している。このような構成により、非接触型電圧計測装置100の内部で互いに影響を及ぼし合うことを抑制できるのに加え、非接触型電圧計測装置100を使用する環境に、電気的な影響を及ぼす可能性を有する機器が仮に近くに存在していたとしても、それらの機器からの電気的な影響に対して第1カバー192や第2カバー292は非接触型電圧計測装置100を遮蔽状態に維持し、電気的な影響を抑制できる効果を奏する。
なお、この実施例では、第1一方側接触子152や第1他方側接触子154を接続するための第1接続線164を設け、さらに第2一方側接触子252や第2他方側接触子254を接続するための第2接続線264を設け、さらに第1接続線164と第2接続線264とを第3接続線160で接続すると共に、第2一方側接触子252を高抵抗R104を介して基準電位点20に接続している。この構成は理解し易いように記載した構成であり、この構成に限る必要は無い。重要なことは、第1一方側接触子152や第1他方側接触子154、第2一方側接触子252、第2他方側接触子254の電位を平均化するために互いに電気的に接続することであり、平均化した電位を安定化するために、さらに上記互いに接続されている接触子を、高抵抗R104を介して基準電位点20に接続することである。
(4)第1測定部130と第2測定部230とによる電圧計測動作の説明
電圧計測動作については、発明者達は、既に特許文献1や特許文献2で具体的に説明した。従ってここでは技術的な詳細説明は省略する。電線16を挟んで、第1測定部130と第2測定部230とを互いに対向した状態に配置することにより、第1電極144と第2電極244にそれぞれ電圧が誘起される。これらの電圧は、電線16の心線12と第1電極144との間の容量C11、および第1電極144と第1接地電極138との間の容量C13に基づき、また電線16の心線12と第2電極244との間の容量C21、および第2電極244と第2接地電極238との間の容量C23に基づき、心線12の電圧に基づいて誘起される。第1電極144の電圧は、第1検出線146を介して入力部128に取り込まれ、また第2電極244の電圧は、第2検出線246を介して入力部128に取りこまれ、第1電極144の電圧や第2電極244の電圧が計測される。演算装置120は上記取り込んだ電圧から心線12の電圧を演算して求め、出力部126から出力する。この心線12の電圧の計測および演算動作は、操作部122からの指示により行われる。この計測方法や操作方法、計測についての技術的な説明等は、上述のとおり特許文献1や特許文献2に記載されている。
2.2 湿度による影響とその対応策の説明
(1)湿度による影響の説明
図1および図2において、湿度の影響を低減するための構成である、第1一方側接触子152や、第1他方側接触子154、第2一方側接触子252、第2他方側接触子254、さらに設置のための高抵抗R104、さらにこれらを電気的に接続する第1接続線164や第2接続線264、等は、湿度の影響を低減する作用をする。逆にこれらの構成が設けられていない状態、言い換えると湿度対策がなされていない状態での、湿度による影響について、先ず説明する。なおこの状態は、第1一方側支持部134の第1一方側支持端135や第1他方側支持部136の第1他方側支持端137、さらに第2一方側支持部234の第2一方側支持端235や第2他方側支持部236の第2他方側支持端237が、電線16の外周面18に直接接して外周面18を押圧している状態であり、この状態で、第1支持部131や第2支持部231が支えられ、一定の位置関係に保持されている状態である。
大気中の湿度が低い状態では、電線16の外周面18の表面抵抗R18は、その抵抗値が無限大に近い値であり、しかも湿度との関係では電気特性が安定している。また第1一方側支持端135や第1他方側支持端137と、電線16の外周面18との間の接触抵抗である第1一方側接触抵抗R135や第1他方側接触抵抗R137、さらには第2一方側支持端235や第2他方側支持端237と、電線16の外周面18との間の接触抵抗である第2一方側接触抵抗R235や第2他方側接触抵抗R237についても、湿度との関係においては安定している。ただし、上述の接触抵抗は接触面積に大きく依存するため、湿度以外の条件である接触状態により大きく変化する。この点に関しては、湿度が低い状態であっても電気的な特性が変化し、対策することが望ましい。この対策については以下で説明する。
上述の状態では、第1一方側支持部134の内側外側の表面に関係した第1一方側支持抵抗R134、第1他方側支持部136の内側外側の表面に関係した第1他方側支持抵抗R136、さらには第2一方側支持部234の内側外側の表面に関係した第2一方側支持抵抗R234や第2他方側支持部236の内側外側の表面に関係した第2他方側支持抵抗R236は、大気中の湿度に敏感反応し、上述したそれぞれの面は、湿度の上昇に伴って、その抵抗値が複雑に変化する。
図2に記載の非接触型電圧計測装置100は、一例であるが、計測状態において、第1測定部130と第2測定部230との間に一方側空隙180や一方側空隙182が存在している。非接触型電圧計測装置100の外側に存在する気体、(以下外気と記す)が、計測中に、一方側空隙180や他方側空隙182を介して、非接触型電圧計測装置100の内部に流れ込む。なお一方側空隙180や一方側空隙182が見かけ上存在しない状態であっても、密閉状態でないので、計測中に非接触型電圧計測装置100の内部に外気が流れ込む。非接触型電圧計測装置100の内部に流れ込んだ外気は、不均一に上述した表面に作用する。上記外気の湿度が高い場合、上述した表面では、空気の流れに基づいて、湿度が複雑に変化する。このため、上述した各表面では、抵抗値が複雑に変化する。
上述した不安定な抵抗値が計測結果に及ぼす状態を、図3を用いて説明します。この図は現象を技術的に正確に説明することが目的ではなく、大きな概念として説明するための図である。第1測定部130の第1電極144に誘起される電圧は、電線16の心線12と第1電極144との間の容量C11と第1接地電極138と第1電極144との間の容量C13に依存する。しかしそれだけではなく、容量C11や容量C13に並列に表面抵抗R18や第1一方側接触抵抗R135、第1他方側接触抵抗R137、第1一方側支持抵抗R134、第1他方側支持抵抗R136、が存在している。これらの抵抗値の変化は、第1電極144の誘起電圧に大きな影響を与える。
第2測定部230についても同様である。容量C21や容量C23に並列に配置された、上述した表面抵抗R18や第2一方側接触抵抗R235、第2他方側接触抵抗R237、第2一方側支持抵抗R234、第2他方側支持抵抗R236の状態変化が、第2電極244の誘起電圧に大きな影響を与える。このため外気の湿度が高くなると、第2電極244の電圧が、第1電極144の電圧と同様に正常値から外れ、不安定化すると共に大きな誤差を発生する。
(2)湿度による測定誤差の低減方法の説明
上述したように抵抗値が変化する要因は非常に複雑であり、色々な要因が関係している。このため、これらの要因を技術的な観点から正確に解析して技術的な解析結果で問題点を一つ一つ解決しようとする方策は、大変困難である。このため発明者達は、概念的に現象を捉え、それを踏まえて、長年の経験に基づき、試作を繰り返し、上述した誤差低減のための方策を導き出した。このようにして高湿度による誤差を低減することに成功した構成が、実施例で示す構成である。試作に基づく検証結果において、実施例の構成に基づく非接触型電圧計測装置100では、高湿度状態においても計測結果は正確であり、さらに安定した計測動作が得られた。上述したが、本発明に係る解決策では、計測中に高湿度の外気が非接触型電圧計測装置100の内部に流れ込む状態を完全に防止しなくても、高湿度に伴う誤差を大幅に低減でき、安定した計測が可能となる。このため、小型で、また使い勝手の良い非接触型電圧計測装置100を実現するうえで、本発明は極めて有効である。
上記作用効果に係る構成として本実施例は、第1一方側支持部134の第1一方側支持端135と電線16の外周面18との間に第1一方側接触子152を、また第1他方側支持部136の第1他方側支持端137と電線16の外周面18との間に第1他方側接触子154を設け、さらに第2一方側支持部234の第2一方側支持端235と電線16の外周面18との間に第2一方側接触子252を設け、第2他方側支持部236の第2他方側支持端237と電線16の外周面18との間に第2他方側接触子254を設けている。さらに本実施例では、これらの各接触子を電気的に短絡状態に接続している。具体的には、第1接続線164や第2接続線264、さらにこれらを第3接続線160で、各接触子を短絡状態に接続し、さらに上記接続線を、高抵抗R104を介して基準電位点20に接続している。なお本実施例で、基準電位点20は例えば接地である。
(3)電線16の外周面18における接触抵抗値の安定化の説明
湿度が低い状態での電圧の計測では、電線16の外周面18の抵抗は無限大と考えることができ、第1測定部130や第2測定部230と外周面18との間の抵抗値は安定している。別の考え方では、抵抗値が無限大であり、接触状態による抵抗値の変化を問題にする必要が無かった。しかし湿度が高くなると、上記接触抵抗値は不安定化し、その影響は無視できなくなり、計測誤差として現れる。上述したようにハイインピーダンスの状態は、湿度による電気的な影響を敏感に受けて不安定化すると共に、さらに不安定化の影響が、隣接する部分に拡大する状態となる。
本実施例では、上記各接触子を設けたことによる改善に加え、さらに次に記載する改善を行っている。第1一方側接触子152や第1他方側接触子154、第2一方側接触子252、第2他方側接触子254を、それぞれ導電性を有する変形可能な構成としている。これにより、電線16の外周面18に対する各接触子間の接触抵抗の不安定化を抑制できる。上記各接触子を、導電性を有する弾性体で形成することにより、電線16の径が変化しても電線16の外周面18に対して安定した密着有効面積、すなわち電気的な接続状態を作り出すことができる。このことにより、各接触子と電線16の外周面18との間の接触抵抗のアンバランスや不安定な変化を抑制でき、高湿度による誤差を抑制できる。導電性を有する弾性体の一例としては、例えば導電性ゴムがある。
上記各接触子に電導性弾性体を使用することによる作用効果は上述のとおりであるが、再度繰り返して説明する。電線16の外周面18に対して、第1一方側接触子152や第1他方側接触子154、第2一方側接触子252、第2他方側接触子254が、所定の接触面積を持って密着することが可能となる。このことにより、各密着部の電気的な特性である抵抗値が均一で安定した状態となる。電線16の表面形状が変形していても、さらに電線16の太さが異なる場合であっても、計測誤差の抑制が可能となる。このような電気的特性を得るには、電線16の外周面18に沿って、上記各接触子が変形できることが重要である。これについては、以下で図5を用いて再度説明する。各接触子についての上記構成に加えて、第1一方側接触子152や第1他方側接触子154、第2一方側接触子252、第2他方側接触子254の、それぞれの電線16の側に、さらに変形可能な薄い金属板、言い換えると導電性の金属箔を設けても良い。
図4は、上述した改善策による安定化の概念を示す説明図である。第1測定部130の表面抵抗R18や第1一方側接触抵抗R135、第1一方側支持抵抗R134、第1他方側接触抵抗R137、第1他方側支持抵抗R136は、それぞれハイインピーダンスである。また同様に第2測定部230における表面抵抗R18や第2一方側接触抵抗R235、第2一方側支持抵抗R234、第2他方側接触抵抗R237、第2他方側支持抵抗R236は、それぞれハイインピーダンスである。上述したように、ハイインピーダンスの状態は、湿度影響、あるいは湿度の影響に基づく電線16の外周面18との接触状態の影響を極めて敏感に受ける。従って上記それぞれの抵抗が個別に大きく変化する状態が生じる。この不安定化に対応するために、第1一方側接触抵抗R135や第1他方側接触抵抗R137、第2一方側接触抵抗R235、第2他方側接触抵抗R237を、互いに第1接続線164や第2接続線264で電気的に接続し、これらをさらに、高抵抗R104を介して基準電位点20に接続し、電気的に接地状態とする。この構成により、第1一方側接触抵抗R135や第1他方側接触抵抗R137、第2一方側接触抵抗R235、第2他方側接触抵抗R237の電位、すなわち基準電位点20に対する電圧を平均化することができ、安定に維持することができる。このように1一方側接触抵抗R135や第1他方側接触抵抗R137、第2一方側接触抵抗R235、第2他方側接触抵抗R237の電圧を平均化することにより、第1測定部130や第2測定部230で構成する図4の構成全体を安定化することができる。言い換えるとハイインピーダンスであるにも関わらず、湿度の影響を受け難い状態に維持することができる。上述したように非接触型電圧計測装置100の内部に高湿度の空気が流入し、第1測定部130や第2測定部230において部分的に電気的特性が影響を受けた場合であっても、第1一方側接触抵抗R135や第1他方側接触抵抗R137や第2一方側接触抵抗R235や第2他方側接触抵抗R237の電圧がそれぞれの平均電圧に維持されて全体が安定化しているので、上記影響を抑制でき、さらに上記影響が他の部分に波及して、全体が不安定化するのを抑制することができる。この結果、従来は困難であった高湿度の状態においても、簡単な構造でありながら、高い計測精度を維持できる非接触型電圧計測装置100を作ることが可能となった。
2.3 実施例におけるさらなる改善策の説明
図1および図2、図5に記載のように、実施例では、第1測定部130や第2測定部230の外側にカバー190が設けられている。カバー190は第1カバー192と第2カバー292を有していて、第1測定部130の外側に第1カバー192が設けられ、また第2測定部230の外側に第2カバー292が設けられている。また第1カバー192の一方側に、第1一方側支持部134の外側を覆うように、第1一方側カバー193が設けられ、第1カバー192の他方側に、第1他方側支持部136の外側を覆うように、第1他方側カバー194が設けられている。同様に第2カバー292の一方側に、第2一方側支持部234の外側を覆うように、第2一方側カバー293が設けられ、第2カバー292の他方側に、第2他方側支持部236の外側を覆うように、第2他方側カバー294が設けられている。
第1カバー192や第2カバー292は金属材料で作られたカバーであり、良好な導電性を要する。これらはそれぞれ、基準電位点20に電気的に接続されている。このため、非接触型電圧計測装置100自身は、近くに電磁波を発生する色々な電力設備が有っても、その設備からの電気的な影響を低減できる。さらに第1一方側支持部134や第1他方側支持部136、第2一方側支持部234や第2他方側支持部236に対し、それぞれその外側に第1一方側カバー193や第1他方側カバー194、第2一方側カバー293や第2他方側カバー294が設けられているので、湿度の影響を受け難く、さらに上述した他の機器からの電気的な影響も低減できる。
非接触型電圧計測装置100は、外部からの電気的な影響だけでなく、上述したが、内部においても互いに電気的な影響を及ぼし合うことが無いようにすることが重要である。上述したように本実施例では、第1接続線164や第2接続線264、第3接続線160、高抵抗R104、等は完全に電気的にシールドされた第1シールド空間184や第2シールド空間284、抵抗用シールド空間286、等にそれぞれ個別に、しかもそれぞれ独立した状態で形成されているシールド空間に、配置されている。第1シールド空間184や抵抗用シールド空間286、抵抗用シールド空間286は、第1カバー192や第2カバー292に設けられると共に、第1カバー192や第2カバー292の内側に設けられている。この結果、電気的に高い精度でシールドできるとともに、非接触型電圧計測装置100の使用状態において、他の機器に機械的に接触する等の原因による損傷を受け難い。使用上での安全性が向上し、使い勝手が向上する。
図5は、非接触型電圧計測装置100を電線16の長手方向に垂直な一方の側面から見た側面図である。他の側の面も同様であり、代表して一方の側面に基づいて説明する。第1支持部131や第2支持部231の第1一方側支持部134や第2一方側支持部234は、電線16と第1測定部130や第2測定部230と、電線16との位置関係を固定するために、第1支持部131や第2支持部231において、第1一方側支持端135や第2一方側支持端235が山形の切欠き形状を有している。それぞれの頂点は第1測定部130や第2測定部230の中央に位置し、これにより電線16の中心の位置を固定することができる。このため電線16と、第1測定部130や第2測定部230との位置関係が、自動的に設定状態となる。この形状および作用効果は、第1他方側支持部136や第2他方側支持部236に関しても同様である。従って、第1測定部130や第2測定部230で、第3接続線160を挟み込んだ状態で、電線16が既定の条件の位置に固定される効果を奏する。
電線16の位置の自動設定に加えて、第1一方側支持端135と電線16の外周面18との接触の安定化、および第2一方側支持端235と電線16の外周面18との接触の安定化を図ることが、上述したとおり、重要である。このため上述したとおり、導電性を有する弾性体が第1他方側接触子154や第2他方側接触子254として、第1一方側支持端135の電線16の側に、第2一方側支持端235の電線16の側に、それぞれ設けられている。この構造は、第1他方側支持部136の第1他方側支持端137や第2他方側支持部236の第2他方側支持端237についても同様である。この構成により、上述した作用効果が得られる。
山形の切欠き形状を備える第1一方側支持部134や第2一方側支持部234、第1他方側支持部136、第2他方側支持部236は、それぞれが変形しない硬い材料で作られており、その電線16側に設けられた各接触子は弾性体で構成されている。上記接触子を構成する弾性体は、その厚さが前記山形の切欠き形状の山の一方側の辺の長さの半分に満たない長さである。このため弾性体からなる接触子が設けられたことにより、電線16と第1測定部130や第2測定部230との位置関係の自動設定に対して悪影響を及ぼすことが無い。上記各接触子を弾性体で構成することの効果は、上述したとおりである。
4・・・交流電源、6・・・一方側電線、8・・・他方側電線、12・・・心線、14・・・絶縁被膜、16・・・電線、18・・・外周面、20・・・基準電位点、100・・・非接触型電圧計測装置、102・・・接続線、106・・・接続線、108・・・シールド装置、110・・・第1空間、120・・・演算装置、122・・・操作部、124・・・演算部、126・・・出力部、128・・・入力部、130・・・第1測定部、131・・・第1支持部、132・・・第1支持中央部、134・・・第1一方側支持部、135・・・第1一方側支持端、136・・・第1他方側支持部、137・・・第1他方側支持端、138・・・第1接地電極、142・・・第1検知部、144・・・第1電極、146・・・第1検出線、152・・・第1一方側接触子、154・・・第1他方側接触子、160・・・第3接続線、162・・・第3シールド装置、164・・・第1接続線、166・・・第1シールド装置、180・・・一方側空隙、182・・・他方側空隙、183・・・第1シールド装置、184・・・第1シールド空間、190・・・カバー、192・・・第1カバー、193・・・第1一方側カバー、194・・・第1他方側カバー、210・・・第2空間、230・・・第2測定部、231・・・第2支持部、232・・・第2支持中央部、234・・・第2一方側支持部、235・・・第2一方側支持端、236・・・第2他方側支持部、237・・・第2他方側支持端、238・・・第2接地電極、242・・・第2検知部、244・・・第2電極、246・・・第2検出線、252・・・第2一方側接触子、254・・・第2他方側接触子、264・・・第2接続線、266・・・第2シールド装置、283・・・第2シールド装置、284・・・第2シールド空間、285・・・抵抗用シールド装置、286・・・抵抗用シールド空間、292・・・第2カバー、第2一方側カバー293・・・第2一方側カバー、294・・・第2他方側カバー、R18・・・表面抵抗、R134・・・第1一方側支持抵抗、R135・・・第1一方側接触抵抗、R136・・・第1他方側支持抵抗、R137・・・第1他方側接触抵抗、R234・・・第2一方側支持抵抗、235・・・第2一方側接触抵抗R、R236・・・第2他方側支持抵抗、R237・・・第2他方側接触抵抗、C11・・・容量、C13・・・容量、C21・・・容量、C23・・・容量。

Claims (5)

  1. 電線の電圧を計測するために、第1電極を有する第1検知部を保持する第1測定部と、第2電極を有する第2検知部を保持する第2測定部と、を備え、
    前記第1電極を有する前記第1検知部と前記第2電極を有する前記第2検知部は、それぞれ前記電線の長手方向に沿って伸びる形状を成していて、前記第1検知部と前記第2検知部は前記電線に対して対称の位置に配置されており、
    前記第1電極と前記第2電極に発生した電圧に基づき前記電線の電圧を算出する、非接触型電圧計測装置において、
    前記第1測定部は、前記第1検知部の前記電線に沿って伸びる形状を成す中央部の外周面を覆う第1支持中央部と、前記第1検知部の前記中央部の一方端側の外周面および前記中央部の他方側の外周面をそれぞれ覆う第1一方側支持部と第1他方側支持部と、を有し、
    前記第2測定部は、前記第2検知部の前記電線に沿って伸びる形状を成す中央部の外周面を覆う第2支持中央部と、前記第2検知部の前記中央部の一方端側の外周面および前記中央部の他方側の外周面をそれぞれ覆う第2一方側支持部と第2他方側支持部と、を有しており、
    前記第1検知部は第1空間を介して前記電線の外周面に対向する状態で前記第1測定部に支持されており、また前記第2検知部は第2空間を介して前記電線の前記外周面に対向する状態で前記第2測定部に支持されており、
    前記第1一方側支持部と前記第1他方側支持部はそれぞれ、前記第1空間を越えて前記電線の前記外周面に向かって伸び、前記第1一方側支持部の第1一方側支持端には、前記電線の前記外周面に接するための導電性を有する第1一方側接触子が設けられ、前記第1他方側支持部の第1他方側支持端には、前記電線の前記外周面に接するための導電性を有する第1他方側接触子が設けられ、
    前記第2一方側支持部と前記第2他方側支持部はそれぞれ、前記第2空間を越えて前記電線の前記外周面に向かって伸び、前記第2一方側支持部の第2一方側支持端には、前記電線の前記外周面に接するための導電性を有する第2一方側接触子が設けられ、前記第2他方側支持部の第2他方側支持端には、前記電線の前記外周面に接するための導電性を有する第2他方側接触子が設けられ、
    前記第1一方側接触子と前記第1他方側接触子と前記第2一方側接触子と前記第2他方側接触子は、それぞれ電気的に接続され、さらに1MΩ以上の抵抗値を有する高抵抗を介して基準電位点に接続される、ことを特徴とする非接触型電圧計測装置。
  2. 請求項1に記載の非接触型電圧計測装置において、
    前記第1一方側接触子と前記第1他方側接触子とがそれぞれ前記第1測定部の前記第1一方側支持部と前記第1他方側支持部とにより前記電線の前記外周面に押圧され、前記第2一方側接触子と前記第2他方側接触子とがそれぞれ前記第2測定部の前記第2一方側支持部と前記第2他方側支持部とにより前記電線の前記外周面に押圧されることにより、前記電線の前記外周面に沿って前記第1一方側接触子と前記第1他方側接触子と前記第2一方側接触子と前記第2他方側接触子とが変形するように、前記第1一方側接触子と前記第1他方側接触子と前記第2一方側接触子と前記第2他方側接触子とがそれぞれ導電性を有する弾性体で構成されている、ことを特徴とする非接触型電圧計測装置。
  3. 請求項1または請求項2の内の一に記載の非接触型電圧計測装置において、
    前記高抵抗と、前記第1一方側接触子と、前記第1他方側接触子と、前記第2一方側接触子と、前記第2他方側接触子と、を互いに電気的に接続する接続線は、それぞれの外周がシールド装置で覆われている、ことを特徴とする非接触型電圧計測装置。
  4. 請求項3に記載の非接触型電圧計測装置において、
    前記第1測定部と前記第2測定部との外側にカバーが設けられ、
    前記カバーにより前記シールド装置が支持されている、ことを特徴とする非接触型電圧計測装置。
  5. 請求項4に記載の非接触型電圧計測装置において、
    前記第1一方側接触子と前記第1他方側接触子と前記第2一方側接触子と前記第2他方側接触子とを電気的に接続する前記接続線は、前記第1一方側接触子と前記第1他方側接触子とを接続する第1接続線と、前記第2一方側接触子と前記第2他方側接触子とを電気的に接続する第2接続線と、を有し、
    前記カバーは、前記第1測定部の外側に設けられた第1カバーと、前記第2測定部の外側に設けられた第2カバーとを有しており、
    前記シールド装置により、前記第1カバーに第1シールド空間が形成され、また前記第2カバーに第2シールド空間が形成され、
    前記第1シールド空間の内部に前記第1接続線が配置され、前記第2シールド空間の内部に前記第2接続線が配置される、ことを特徴とする非接触型電圧計測装置。
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