以下、本発明に係る冷凍サイクル装置の実施の形態について図面を参照して説明する。本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、本発明は、以下の実施の形態に示す構成のうち、組み合わせ可能な構成のあらゆる組み合わせを含むものである。また、各図において、同一の符号を付したものは、同一の又はこれに相当するものであり、これは明細書の全文において共通している。また、A、B等の添字で区別等している複数の同種の機器等について、特に区別したり、特定したりする必要がない場合には、添字を省略して記載する場合もある。なお、各図面では、各構成部材の相対的な寸法関係または形状等が実際のものとは異なる場合がある。
実施の形態1.
以下、実施の形態1に係る冷凍サイクル装置について説明する。図1は、実施の形態1に係る冷凍サイクル装置の構成を示す構成図である。図1では、冷凍サイクル装置として、空気調和装置1000を例示している。図1に示すように、空気調和装置1000は、室外機1と、2台の室内機2A、2Bと、制御装置3とを備えている。2台の室内機2A、2Bは、それぞれ互いに並列に接続されており、それぞれ同じ構成となっている。室外機1と室内機2A、2Bのそれぞれとが冷媒配管で接続されることにより、冷媒回路が形成される。なお、図1に示す例では、室外機1に対して2台の室内機2A、2Bが接続されているが、これに限られず、1台の室内機2または3台以上の室内機2が接続されていてもよい。また、複数の室外機1が接続されていてもよい。
実施の形態1に係る空気調和装置1000は、液面検知装置15を有している。液面検知装置15は、空気調和装置1000の暖房起動時、または、除霜動作完了後の暖房復帰時に、室外機1内に設置されたアキュムレータ14に貯留されている冷媒の液面の位置を検知する。以下では、液面の位置が予め設定された閾値Thよりも高いことを「液面レベルが閾値Thより大きい」と呼ぶこととする。アキュムレータ14の液面レベルが閾値Thよりも大きいことは、アキュムレータ14以外の冷媒回路内の冷媒の量が少ないことを意味する。その場合、冷媒回路を流れる冷媒のガス流速が増大し、圧縮機11が低圧のガス冷媒を引き込み易くなる。その結果、アキュムレータ14から圧縮機11への液バックが発生する可能性がある。液バックが発生すると、圧縮機11の底部に液状の冷媒が溜まり、暖房時の立ち上がり特性が悪くなる。そのため、実施の形態1では、アキュムレータ14の液面レベルが閾値Thよりも大きい場合に、制御装置3が、アキュムレータから圧縮機11へ吸引される冷媒の引き込み量を抑制する制限運転を行う。具体的には、制御装置3は、室外機1内に設置された圧縮機11の周波数を、予め設定した第1の規定値以下にする。これにより、圧縮機11への液バックの発生を抑制でき、空気調和装置1000の暖房時の立ち上がり特性を改善することができる。以下、実施の形態1に係る空気調和装置1000について詳細に説明する。
[空気調和装置1000の構成]
(室外機1)
室外機1は、室外に設置されている。室外機1は、圧縮機11、冷媒流路切替装置12、室外熱交換器13、アキュムレータ14、および、絞り装置20を備えている。
圧縮機11は、低圧のガス冷媒を吸入し、吸入したガス冷媒を圧縮することで、高温高圧のガス冷媒を吐出する。圧縮機11は、例えば、周波数を変化させることにより、単位時間あたりの送出量である容量が制御されるインバータ圧縮機等である。圧縮機11の周波数は、制御装置3によって制御される。
冷媒流路切替装置12は、例えば四方弁であり、冷媒の流れる方向を切り替えることにより、冷房運転および暖房運転の切り替えを行う。冷媒流路切替装置12は、冷房運転時に、図1の実線で示すように、圧縮機11の吐出側と室外熱交換器13とが接続されるように切り替わる。また、冷媒流路切替装置12は、暖房運転時に、図1の破線で示すように、圧縮機11の吐出側と室内機2A、2Bの室内熱交換器22A、22Bとが接続されるように切り替わる。冷媒流路切替装置12における流路の切替は、制御装置3によって制御される。
室外熱交換器13は、図示しないファン等によって供給される室外空気と冷媒回路を流れる冷媒との間で熱交換を行う。室外熱交換器13は、第1の熱交換器を構成している。室外熱交換器13は、冷房運転の際には、冷媒の熱を室外空気に放熱して冷媒を凝縮させる凝縮器として機能する。また、室外熱交換器13は、暖房運転の際には、冷媒を蒸発させ、その際の気化熱により室外空気を冷却する蒸発器として機能する。
アキュムレータ14は、圧縮機11の吸入側である低圧側に設けられている。アキュムレータ14は、密閉容器141と、密閉容器141内に冷媒を導入する導入管142と、内部のガス冷媒を導出させるU字型の導出管143とを備えている。
アキュムレータ14は、冷房運転と暖房運転との運転状態の違いによって生じる余剰冷媒または過渡的な運転の変化によって生じる余剰冷媒が導入管142から密閉容器141内に導入される。アキュムレータ14の密閉容器141内では、導入された余剰冷媒がガス冷媒と液冷媒とに分離される。こうして分離されたガス冷媒は、アキュムレータ14から、導出管143を介して、圧縮機11に吸引される。一方、分離された液冷媒は、アキュムレータ14に貯留される。分離された液冷媒は、油戻し孔143aから少量ずつ圧縮機11に吸い込まれるか、あるいは、時間の経過とともに蒸発してガス化し、圧縮機11に吸引される。
絞り装置20は、開度が可変で、冷媒の流量を調整する。絞り装置20は、室外熱交換器13と室内熱交換器22Aおよび22Bとの間に接続されている。絞り装置20は、例えば、電子式膨張弁等の開度の制御が可能な弁で構成される。絞り装置20の開度は、制御装置3によって制御される。絞り装置20は、第1の絞り装置を構成している。
また、室外機1は、冷媒温度センサ18および外気温度センサ19を備えている。冷媒温度センサ18は、アキュムレータ14の冷媒入口側に設けられ、アキュムレータ14に流入する冷媒の温度を検知する。外気温度センサ19は、外気の温度を検知する。
(室内機2A)
室内機2Aは、室内に設置されている。室内機2Aは、絞り装置21Aおよび室内熱交換器22Aを備えている。
絞り装置21Aは、開度が可変で、冷媒の流量を調整する。絞り装置21Aは、室内熱交換器22Aと絞り装置20との間に接続されている。絞り装置21Aは、例えば、電子式膨張弁等の開度の制御が可能な弁で構成される。絞り装置21Aの開度は、制御装置3によって制御される。
室内熱交換器22Aは、図示しないファン等によって供給される空気と冷媒回路を流れる冷媒との間で熱交換を行う。これにより、室内空間に供給される暖房用空気または冷房用空気が生成される。室内熱交換器22Aは、冷房運転の際に蒸発器として機能し、空調対象空間の空気を冷却して冷房を行う。また、室内熱交換器22Aは、暖房運転の際に凝縮器として機能し、空調対象空間の空気を加熱して暖房を行う。
(室内機2B)
室内機2Bは、室内に設置されている。室内機2Bは、絞り装置21Bおよび室内熱交換器22Bを備えている。
絞り装置21Bは、開度が可変で、冷媒の流量を調整する。絞り装置21Bは、室内熱交換器22Bと絞り装置20との間に接続されている。絞り装置21Bは、例えば、電子式膨張弁等の開度の制御が可能な弁で構成される。絞り装置21Bの開度は、制御装置3によって制御される。
室内熱交換器22Bは、図示しないファン等によって供給される空気と冷媒回路を流れる冷媒との間で熱交換を行う。これにより、室内空間に供給される暖房用空気または冷房用空気が生成される。室内熱交換器22Bは、冷房運転の際に蒸発器として機能し、空調対象空間の空気を冷却して冷房を行う。また、室内熱交換器22Bは、暖房運転の際に凝縮器として機能し、空調対象空間の空気を加熱して暖房を行う。
絞り装置21A、21Bは、第2の絞り装置を構成している。また、室内熱交換器22A、22Bは、第2の熱交換器を構成している。
また、アキュムレータ14、圧縮機11、室外熱交換器13、絞り装置20、絞り装置21A、21B、および、室内熱交換器22A、22Bは、冷媒配管により接続されて、冷媒が流通する冷媒回路を構成している。
(制御装置3)
制御装置3は、室外機1および室内機2A、2Bの動作全般の制御を行う。また、制御装置3は、アキュムレータ14内の冷媒の液面の検知結果に基づき、圧縮機11の周波数を制御する。制御装置3は、マイクロコンピュータなどの演算装置を有し、メモリに記憶されたプログラム等のソフトウェアを実行することにより、各種機能を実現する。もしくは、制御装置3は、各種機能を実現する回路デバイスなどの専用のハードウェア等で構成される。なお、図1においては、制御装置3は、室外機1および室内機2A、2Bの外部に設けられているが、これに限らず、室外機1および室内機2A、2Bのいずれかの内部に設けられてもよい。
実施の形態1では、アキュムレータ14には、上述したように、アキュムレータ14に貯留された冷媒の液面の位置を検知するための液面検知装置15が取り付けられている。液面検知装置15は、ヒータ16および複数の温度センサ17a〜17cを備えている。なお、この例では、3つの温度センサ17a〜17cが設けられている。しかしながら、温度センサの個数はこれに限らない。すなわち、液面検知装置15は、アキュムレータ14の密閉容器141の液面の位置を2段階以上で検知できればよいため、温度センサは、2つ以上であれば、任意の個数でよい。
ヒータ16は、制御装置3の制御に基づき、アキュムレータ14の表面を高さ方向に対して均一に加熱する。以下では、高さ方向をZ方向と呼ぶ。複数の温度センサ17a〜17cは、それぞれがアキュムレータ14に対して異なる高さに配置され、配置された高さにおけるアキュムレータ14の表面温度を検知する。温度センサ17aは、アキュムレータ14における下部の表面温度Taを検知する。温度センサ17bは、アキュムレータ14における中部の表面温度Tbを検知する。温度センサ17cは、アキュムレータ14における上部の表面温度Tcを検知する。
制御装置3は、液面検知装置15の温度センサ17a〜17c、冷媒温度センサ18および外気温度センサ19等によって検知された温度に基づき、液面検知装置15による液面検知動作を制御する。また、制御装置3は、液面検知結果に基づき、アキュムレータ14の液面レベルを決定する。さらに、制御装置3は、アキュムレータ14の液面レベルに基づいて、圧縮機11の周波数を制御する。
図2は、実施の形態1に係る空気調和装置1000の制御装置3の構成を示すブロック図である。図2に示すように、制御装置3は、温度差演算部31、液面判定部32、出力部33、ヒータ制御部34、記憶部35、および、周波数制御部36を備えている。
温度差演算部31は、温度センサ17cで検知されたアキュムレータ14の表面温度Tcから温度センサ17aで検知されたアキュムレータ14の表面温度Taを減算した温度差ΔThighを演算する。また、温度差演算部31は、温度センサ17bで検知されたアキュムレータ14の表面温度Tbから温度センサ17aで検知されたアキュムレータ14の表面温度Taを減算した温度差ΔTmiddleを演算する。
液面判定部32は、記憶部35に記憶された設定値T1を読み出し、温度差演算部31で演算された温度差ΔThighおよび温度差ΔTmiddleと設定値T1とを比較する。そして、液面判定部32は、比較結果に基づき、アキュムレータ14内の液冷媒の液面の位置を判定する。
出力部33は、液面判定部32による判定結果に基づき、アキュムレータ14の液面レベルに関する情報を出力する。出力部33として、例えば、ディスプレイ、LED(Light Emitting Diode)またはスピーカ等が用いられる。出力部33がディスプレイである場合には、液面レベルに関する情報が文字または図形等で表示される。出力部33がLEDである場合には、液面レベルに関する情報が点灯、点滅または消灯等で表示される。出力部33がスピーカである場合には、液面レベルに関する情報が音声で報知される。
ヒータ制御部34は、温度センサ17a〜17c、冷媒温度センサ18および外気温度センサ19によって検知された各種温度に基づき、ヒータ16のON/OFFを制御する。ヒータ制御部34は、ヒータ16のON/OFFを制御するための制御信号をヒータ16に供給する。
記憶部35は、制御装置3の各部で処理を行う際に用いられる各種情報を記憶する。記憶部35には、液面判定部32で用いられる設定値T1が予め記憶されている。また、記憶部35には、ヒータ制御部34で用いられる設定温度T2、T3およびT4が予め記憶されている。
周波数制御部36は、液面判定部32による判定結果に基づき、記憶部35に記憶された周波数情報を参照して、圧縮機11の周波数を決定する。周波数制御部36は、圧縮機11の周波数を制御するための周波数制御信号を圧縮機11に供給する。
[液面検知装置15の構造]
液面検知装置15の構造について説明する。図3は、図1の液面検知装置15の構造の一例を示す平面図である。図3に示すように、液面検知装置15は、ベルト部151、断熱材152、ヒータ16および温度センサ17a〜17cを有している。
ベルト部151は、長尺状のアルミテープ等の金属部材で形成されている。ベルト部151は、取り付けるアキュムレータ14の形状および大きさに応じた長さを有し、アキュムレータ14の高さ方向、すなわち、Z方向に沿って巻き付けられる。
断熱材152は、ベルト部151の表面に設けられている。断熱材152は、ベルト部151の長手方向に延びるように形成されている。ヒータ16は、ベルト部151の表面に設けられている。ヒータ16は、例えば曲げ可能なベルトヒータであり、断熱材152の幅方向の両端に沿うように設けられている。
ヒータ16の長さは、ベルト部151の長手方向の全長よりも短くてよく、アキュムレータ14の大きさに応じて決定される。例えば、ヒータ16の長さは、液面検知装置15をアキュムレータ14に取り付けた際に、アキュムレータ14の高さ方向、すなわち、Z方向の全長と同程度の長さとすると好ましい。なお、ヒータ16は、複数である場合に限られない。例えば、アキュムレータ14を十分に加熱することができれば、ヒータ16が1つであってもよい。
温度センサ17a〜17cは、断熱材152上に設けられている。すなわち、液面検知装置15に複数のヒータ16が設けられている場合、温度センサ17a〜17cは、複数のヒータ16に挟まれるようにして設けられている。温度センサ17a〜17cは、アキュムレータ14の高さ方向、すなわち、Z方向の異なる位置に並んで配置されている。温度センサ17a〜17cのそれぞれの配置位置は、液面検知装置15をアキュムレータ14に取り付けた際に、アキュムレータ14の表面温度を検知する高さに応じて決定される。
このように、断熱材152の長手方向の両端であり、アキュムレータ14の高さ方向、すなわち、Z方向にヒータ16を設けるのは、ヒータ16によってアキュムレータ14を加熱した際に、アキュムレータ14の高さに対して均等に加熱するためである。また、断熱材152上に温度センサ17a〜17cを設けるのは、温度センサ17a〜17cによってアキュムレータ14の表面温度を検知する際に、ヒータ16の熱および外部からの熱等が温度センサ17a〜17cに伝わるのを防ぐためである。さらに、複数のヒータ16に挟まれるように温度センサ17a〜17cを設けるのは、アキュムレータ14の表面温度を精度よく検知するためである。
図4は、図3の液面検知装置15をアキュムレータ14に取り付ける際の形状について説明するための概略図である。図3に示す液面検知装置15において、ベルト部151およびヒータ16が折り曲げ可能とされていることにより、液面検知装置15は、図4に示すように、アキュムレータ14の形状に応じて折り曲げることができる。
[液面検知装置15の取付]
図5は、図3の液面検知装置15がアキュムレータ14に取り付けられた状態を示す斜視図である。図5に示すように、液面検知装置15は、ベルト部151の長手方向がZ方向となるように、アキュムレータ14に巻き付けるようにして取り付けられる。なお、図5において、アキュムレータ14の幅方向をY方向と呼び、アキュムレータ14の奥行方向をX方向と呼ぶ。
このとき、ヒータ16および温度センサ17a〜17cが設けられたベルト部151の上面が内周面となるように、ベルト部151が折り曲げられる。そして、ヒータ16および温度センサ17a〜17cがアキュムレータ14の表面に接触するようにして、液面検知装置15が取り付けられる。
図6は、図3の液面検知装置15がアキュムレータ14に取り付けられた状態を模式的に示す断面図である。図6に示すように、液面検知装置15は、温度センサ17a〜17cが予め決定された高さに位置するように、アキュムレータ14に取り付けられる。なお、図6において、Z方向およびY方向は、それぞれ、図5のZ方向およびY方向に対応している。
なお、図6に示す例において、アキュムレータ14は、密閉容器141と、密閉容器141に冷媒を導入する導入管142と、内部のガス冷媒を圧縮機11に供給するU字型の導出管143とを備えている。導出管143には、液冷媒を流入させる油戻し孔143aと、ガス冷媒を吸い込むガス吸込口143bが形成されている。
アキュムレータ14内では、導入管142から密閉容器141内に導入された余剰冷媒がガス冷媒と液冷媒とに分離される。分離されたガス冷媒は、アキュムレータ14から、ガス吸込口143bおよび導出管143を介して、圧縮機11に吸引される。一方、分離された液冷媒は、アキュムレータ14に貯留される。分離された液冷媒は、油戻し孔143aから少量ずつ圧縮機11に吸い込まれるか、あるいは、時間の経過とともに蒸発してガス化し、ガス吸込口143bに吸い込まれ、圧縮機11に吸引される。
特に、温度センサ17aは、アキュムレータ14の下部の表面温度を検知できる位置とする。具体的には、最下部に設けられた温度センサ17aは、アキュムレータ14の導出管143の油戻し孔143aよりも下側に位置するようにする。これは、温度センサ17aが、液冷媒が必ず存在する位置におけるアキュムレータ14の表面温度を検知できるようにするためである。
また、温度センサ17cは、アキュムレータ14の上部の表面温度を検知できる位置とする。具体的には、最上部に設けられた温度センサ17cは、アキュムレータ14の導出管143のガス吸込口143bよりも下側に位置するようにする。これは、液面検知の際に、液冷媒の液面140がガス吸込口143bの上側に到達してしまうのを防ぐためである。
温度センサ17bは、温度センサ17aと温度センサ17cとの間で任意の高さの位置とすることができる。具体的には、温度センサ17bは、液面140を検知したい位置になるようにすると好ましい。
上記のように温度センサ17a〜17cの位置が決定された場合において、以下の説明では、アキュムレータ14の上面から温度センサ17cまでの領域を領域Aと称する。また、温度センサ17cから温度センサ17bまでの領域を領域Bと称し、温度センサ17bから温度センサ17aまでの領域を領域Cと称する。なお、温度センサ17aから底面までの領域は、液冷媒が必ず存在する領域である。これは、温度センサ17aが油戻し孔143aよりも下側に位置し、油戻し孔143aよりも下側には、貯留された液冷媒が導出管143に吸い込まれずに残留するからである。実施の形態1では、領域Aと領域Bとの境界を閾値Thとする。すなわち、温度センサ17cの高さ方向の位置、すなわちZ方向における設置位置が、閾値Thとなる。
[液面検知処理]
本実施の形態1による、アキュムレータ14内の液冷媒における液面140の検知方法について説明する。図7は、アキュムレータ14の表面温度と温度センサ17a〜17cの高さとの関係について説明するためのグラフを示す図である。
図7は、図6に示すように、アキュムレータ14内の液冷媒の液面140が領域Bに存在する場合の、各温度センサ17a〜17cの位置の表面温度を示す。
図7に示すように、領域Bに存在する液冷媒の液面140よりも上側に位置する温度センサ17cと、液冷媒の液面140よりも下側に位置する温度センサ17aおよび17bとでは、検知されたアキュムレータ14の表面温度が相違する。具体的には、温度センサ17cで検知された表面温度Tcは、温度センサ17aおよび17bで検知されたそれぞれの表面温度TaおよびTbよりも高い。これは、液冷媒による熱伝導率と気体による熱伝導率とが相違することにより、加熱後のアキュムレータ14の表面温度に違いが生じるためである。
そこで、本実施の形態1では、制御装置3は、液面検知装置15の温度センサ17a〜17cでそれぞれ検知される加熱後のアキュムレータ14の表面温度Ta〜Tcに基づき、アキュムレータ14内の液面140を検知する。
本実施の形態1において、温度センサ17aは、液冷媒が必ず存在する位置に設けられている。したがって、温度センサ17aは、液冷媒が常に存在している液体領域でのアキュムレータ14の表面温度を検知しているので、このとき検知される温度を基準温度とすることができる。
上述したように、温度センサ17b、17cが液冷媒の液面140よりも下側に位置し、液体領域でのアキュムレータ14の表面温度を検知した場合、温度センサ17b、17cで検知された表面温度は、温度センサ17aで検知された表面温度と略同等となる。一方、温度センサ17b、17cが液冷媒の液面140よりも上側に位置し、ガス領域でのアキュムレータ14の表面温度を検知した場合、温度センサ17b、17cで検知された表面温度は、温度センサ17aで検知された表面温度よりも高くなる。
すなわち、温度センサ17bおよび17cで検知された表面温度と、温度センサ17aで検知された表面温度との温度差をそれぞれ演算し、予め設定された設定値T1と比較することにより、液面140が領域A〜Cのどの領域に存在するかを判定することができる。具体的には、温度センサ17bで検知された表面温度と、温度センサ17aで検知された表面温度との温度差が、設定値T1以上の場合に、液面140の位置は、温度センサ17bよりも下側の領域に存在すると判定する。同様に、温度センサ17cで検知された表面温度と、温度センサ17aで検知された表面温度との温度差が、設定値T1以上の場合に、液面140の位置は、温度センサ17cよりも下側の領域に存在すると判定する。
なお、液体領域でのアキュムレータ14の表面温度と、ガス領域でのアキュムレータ14の表面温度との温度差は、加熱するヒータ16の加熱容量等によって異なる。そのため、閾値としての設定値の値は、ヒータ16の加熱容量等に応じて予め決定される。
液面検知処理は、ヒータ16がONすることによってアキュムレータ14が加熱された後に行われるが、ヒータ16は、空気調和装置1000の安全性を考慮してONとされる。
本実施の形態1において、ヒータ制御部34は、温度センサ17a〜17cで検知されたアキュムレータ14のそれぞれの表面温度Ta〜Tcが設定温度T2以下である場合に、ヒータ16をONとするように制御する。設定温度T2は、空気調和装置1000が動作を保証する外気温度またはそれよりも少し高い温度であり、予め決定される。これは、外気温度が空気調和装置1000の動作保証外であるときに液面検知処理が行われないようにするためである。
また、ヒータ制御部34は、温度センサ17aで検知された表面温度と、冷媒温度センサ18で検知されたアキュムレータ14の入口側の冷媒温度との温度差が設定温度T3以下である場合に、ヒータ16をONとするように制御する。設定温度T3は、アキュムレータ14内に貯留された液冷媒が蒸発しないようにするために設定される。これは、ヒータ16によってアキュムレータ14を加熱した際に、アキュムレータ14内の液冷媒が蒸発してガス冷媒とならないようにするためである。
さらに、ヒータ制御部34は、外気温度センサ19で検知された外気温度が予め設定された設定温度T4以下である場合に、ヒータ16をONとするように制御してもよい。また、ヒータ16のONおよびOFFの制御は、このように安全性を考慮する場合に限られず、例えば設定時間毎にONおよびOFFが繰り返されるようにしてもよい。
図8は、実施の形態1に係る空気調和装置1000における液面検知処理の流れの一例を示すフローチャートである。
ステップS1において、ヒータ制御部34は、ヒータ16をONとするように制御する。これにより、アキュムレータ14が加熱される。
ステップS2において、ヒータ16がONとされてから設定時間経過後に、温度センサ17a〜17cは、アキュムレータ14の表面温度Ta〜Tcをそれぞれ検知する。
ステップS3において、温度差演算部31は、温度センサ17a〜17cのそれぞれで検知された表面温度Ta〜Tcに基づき、温度差ΔTmiddleおよび温度差ΔThighを演算する。温度センサ17bで検知される表面温度Tbと温度センサ17aで検知される基準温度としての表面温度Taとの温度差ΔTmiddleは、式(1)に基づき算出される。また、温度センサ17cで検知される表面温度Tcと温度センサ17aで検知される表面温度Taとの温度差ΔThighは、式(2)に基づき算出される。
温度差ΔTmiddle=Tb−Ta ・・・(1)
温度差ΔThigh =Tc−Ta ・・・(2)
次に、液面判定部32は、記憶部35から温度差ΔTmiddleおよび温度差ΔThighに対する設定値T1を読み出す。そして、液面判定部32は、ステップS3で演算された温度差ΔTmiddleおよび温度差ΔThighのそれぞれと、記憶部35から読み出した設定値T1とを比較する。
ステップS4において、液面判定部32は、温度差ΔTmiddleが設定値T1以上であり、かつ、温度差ΔThighが設定値T1以上であるか否かを判定する。このときの判定条件は、温度センサ17bおよび温度センサ17cの位置が、液冷媒の存在しないガス領域であることを示す。
ステップS4でYesの場合、液面判定部32は、ステップS5において、領域Aおよび領域Bがガス領域であり、液面140が領域Cに存在していると判定する。一方、ステップS4でNoの場合には、処理がステップS6に移行する。
ステップS6において、液面判定部32は、温度差ΔThighが設定値T1以上であり、かつ、温度差ΔTmiddleが設定値T1未満であるか否かを判定する。このときの判定条件は、温度センサ17bの位置がガス領域であり、温度センサ17cの位置が、液冷媒が存在する液体領域であることを示す。
ステップS6でYesの場合、液面判定部32は、ステップS7において、領域Aがガス領域であり、液冷媒の液面140が領域Bに存在していると判定する。一方、ステップS6でNoの場合には、処理がステップS8に移行する。
ステップS8において、液面判定部32は、温度差ΔThighが設定値T1未満であり、かつ、温度差ΔTmiddleが設定値T1未満であるか否かを判定する。このときの判定条件は、温度センサ17bおよび温度センサ17cの位置が液体領域であることを示す。
ステップS8でYesの場合、液面判定部32は、ステップS9において、液冷媒の液面140が領域Aに存在していると判定する。一方、ステップS8でNoの場合、液面判定部32は、ステップS10において、液冷媒の液面140がどの領域に存在するか不明であると判定する。
ステップS11において、液面判定部32は、ステップS5、S7、S9またはS10において判定された結果を出力する。液面判定部32は、ステップS5の判定結果に基づいて、液冷媒の液面140が領域Cに存在している場合に、液面レベルがレベルcであるという結果を出力する。液面判定部32は、ステップS7の判定結果に基づいて、液冷媒の液面140が領域Bに存在している場合に、液面レベルがレベルbであるという結果を出力する。液面判定部32は、ステップS9の判定結果に基づいて、液冷媒の液面140が領域Aに存在している場合に、液面レベルがレベルaであるという結果を出力する。また、ステップS10で、液冷媒の液面140がどの領域に存在するか不明であると判定された場合には、液面判定部32は、液面レベルは不明という結果を出力する。
上述したように、実施の形態1では、液面検知装置15を用いて液面検知を行う液面検知方法について説明した。しかしながら、これは一例であって、これに限定されない。他の液面検知方法としては、例えば、制御装置3による以下の方法がある。
アキュムレータ14の入口側と出口側とに、サーミスタ等の温度検出装置を設置しておき、制御装置3が、アキュムレータ14の入口側と出口側の冷媒温度の温度差が予め設定された設定値T5より大きい場合、液面レベルが閾値Thよりも大きいと判定する。なお、アキュムレータ14の入口側の温度検出装置として、冷媒温度センサ18を用いるようにしてもよい。
あるいは、圧縮機11の高圧側に圧力センサとサーミスタとを設置しておき、制御装置3が、検出された圧力と温度とから吐出過熱度を算出し、吐出過熱度に基づいて、液面レベルが閾値Thよりも大きいか正常かを判定するようにしてもよい。なお、過熱度とは、ある圧力における過熱蒸気温度と飽和温度との温度差である。従って、圧縮機11が吸引するガス冷媒の量が少ないと、過熱度が上昇する。逆に、圧縮機11が吸引するガス冷媒の量が多いと、過熱度は下降する。そのため、過熱度が予め設定された設定値T6よりも小さいときに、液面レベルが閾値Thよりも大きいと判定する。
このように、液面検知装置15が設けられていない場合においても、アキュムレータ14の液面レベルを検知することができる。なお、液面検知装置15を用いる場合のメリットは、液面レベルの検出精度が高いことである。一方、液面検知装置15を用いない場合のメリットは、コストが安いことである。
このように、実施の形態1に係る空気調和装置1000は、液面検知装置15を有している。液面検知装置15は、空気調和装置1000の暖房起動時、または、除霜動作完了後の暖房復帰時に、室外機1内に設置されたアキュムレータ14の液面レベルを検出する。アキュムレータ14の液面レベルが予め設定された閾値Thよりも大きい場合に、制御装置3は、室外機1内に設置された圧縮機11の周波数を予め設定された第1の規定値Sp1以下にする。これにより、アキュムレータ14から圧縮機11への液バックの発生を抑制でき、空気調和装置1000の立ち上がり特性を改善することができる。以下、制御装置3の動作について説明する。
[圧縮機11の周波数の制御処理]
図9は、実施の形態1に係る空気調和装置1000の周波数制御処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS21において、圧縮機11の運転が停止している状態で、図8のフローチャートの処理を行って、アキュムレータ14の液面レベルを検知する。
ステップS22において、制御装置3の周波数制御部36は、ステップS21で検知された液面レベルに基づいて、アキュムレータ14の液面レベルが閾値Thよりも大きいか否かを判定する。具体的には、周波数制御部36は、アキュムレータ14の液面レベルがレベルaの場合に、液面レベルが閾値Thよりも大きいと判定して、ステップS23に進む。一方、周波数制御部36は、アキュムレータ14の液面レベルがレベルbまたはレベルcの場合に、液面レベルが正常と判定して、図9の処理を終了する。
ステップS23において、制御装置3の周波数制御部36は、圧縮機11の周波数を、予め設定された第1の規定値Sp1以下に設定する。
このように、実施の形態1では、液面判定部32が検知したアキュムレータ14の液面レベルに基づいて、周波数制御部36が、圧縮機11の周波数を制御する。具体的には、周波数制御部36は、アキュムレータ14の液面レベルが閾値Thよりも大きい場合には、圧縮機11の周波数を第1の規定値Sp1以下に設定する。これにより、圧縮機11を起動した際に、アキュムレータ14からの圧縮機11への液バックの発生を抑制できる。その結果、空気調和装置1000の暖房起動時、または、除霜動作完了後の暖房復帰時の空気調和装置1000の立ち上がり特性を向上させることができる。
一方、周波数制御部36は、アキュムレータ14の液面レベルが正常であると判定した場合には、圧縮機11の周波数を、通常運転時の制御方法により制御する。すなわち、周波数制御部36は、目標凝縮温度あるいは目標吐出温度が得られるように、圧縮機11の周波数を制御する。
以上のように、実施の形態1では、液面検知装置15が、空気調和装置1000の暖房起動時、または、除霜動作完了後の暖房復帰時に、室外機1内に設置されたアキュムレータ14の液面レベルを検出する。アキュムレータ14の液面レベルが閾値Thよりも大きい場合に、制御装置3は、室外機1内に設置された圧縮機11の周波数を予め設定された第1の規定値Sp1以下にする。これにより、冷媒回路を流れる冷媒のガス流速の増大が抑えられ、圧縮機11への低圧の冷媒の引き込みが抑制できる。その結果、アキュムレータ14から圧縮機11への液バックの発生を抑制でき、空気調和装置1000の暖房時の立ち上がり特性を改善することができる。また、アキュムレータの構造を複雑にすることなく、圧縮機の信頼性の向上を図ることができる。
(実施の形態1の変形例)
実施の形態1の変形例においては、周波数制御部36が、図9のステップS23で、圧縮機11の周波数を第1の規定値Sp1以下に設定した後に、アキュムレータ14の液面レベルの変化量に応じて、圧縮機11の周波数の増加量を決定する。
具体的には、図8の液面検知処理を2回以上行う。周波数制御部36は、前回の液面レベルと今回の液面レベルとの差異を演算する。当該差異が、アキュムレータ14の液面レベルの変化量となる。記憶部35には、液面レベルの変化量ごとに、圧縮機11の周波数の増加量を予め定めたテーブルが記憶されている。周波数制御部36は、当該テーブルを参照して、アキュムレータ14の液面レベルの変化量に基づいて、圧縮機11の周波数の増加量を決定する。これにより、圧縮機11の周波数を、液面レベルの変化量に応じて、徐々に増加させることができる。
なお、上記の実施の形態1では、液面検知装置15が3個の温度センサ17を有して、液面レベルを3つのレベルに分類していた。しかしながら、実施の形態1の変形例においては、液面検知装置15が、4個以上の温度センサ17を有していてもよい。その場合には、液面レベルの変化量を、さらに細かく検知することができる。
以上のように、実施の形態1の変形例においては、周波数制御部36は、アキュムレータ14の液面レベルの変化量に応じて、圧縮機11の周波数の増加量を決定する。これにより、圧縮機11への低圧の冷媒の引き込みを抑制しつつ、圧縮機11の周波数を増加させることができるので、実施の形態1よりも、さらに、空気調和装置1000の立ち上がり特性を向上させることができる。また、アキュムレータの構造を複雑にすることなく、圧縮機の信頼性の向上を図ることができる。
実施の形態2.
図10は、実施の形態2に係る空気調和装置1000の制御装置3の構成を示すブロック図である。図10に示すように、制御装置3は、温度差演算部31、液面判定部32、出力部33、ヒータ制御部34、記憶部35、および、絞り制御部37を備えている。
上記の実施の形態1との差異は、図10に示すように、制御装置3において、図2に示した周波数制御部36の代わりに、絞り制御部37を備えている点である。なお、制御装置3の他の構成および動作については、実施の形態1と同じであるため、ここでは、その説明を省略する。
また、実施の形態2においても、冷凍サイクル装置として、空気調和装置1000を例に挙げて説明する。空気調和装置1000の全体の構成は、図1と同じであるため、ここでは、その説明を省略する。
絞り制御部37は、液面判定部32による判定結果に基づき、記憶部35に記憶された開度情報を参照して、絞り装置20、21A、21Bのうちの少なくとも1つの開度を決定する。絞り制御部37は、絞り装置20、21A、21Bのうちの少なくとも1つの開度を制御するための開度制御信号を、絞り装置20、21A、21Bのうちの少なくとも1つに供給する。
[絞り装置20、21A、21Bの開度の制御処理]
図11は、実施の形態2に係る空気調和装置1000の絞り装置20、21A、21Bの開度の制御処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS31において、圧縮機11の運転が停止している状態で、図8のフローチャートの処理を行って、アキュムレータ14の液面レベルを検知する。
ステップS32において、制御装置3の絞り制御部37は、ステップS31で検知された液面レベルに基づいて、アキュムレータ14の液面レベルが閾値Thよりも大きいか否かを判定する。具体的には、絞り制御部37は、アキュムレータ14の液面レベルがレベルaの場合に、液面レベルが閾値Thよりも大きいと判定して、ステップS33に進む。一方、絞り制御部37は、アキュムレータ14の液面レベルがレベルbまたはレベルcの場合に、液面レベルが正常と判定して、図11の処理を終了する。
ステップS33において、制御装置3の絞り制御部37は、絞り装置20、21A、21Bのうちの少なくとも1つの開度を、予め設定された第2の規定値Sp2以上に設定する。
このように、実施の形態2では、液面判定部32が検知したアキュムレータ14の液面レベルに基づいて、絞り制御部37が、絞り装置20、21A、21Bのうちの少なくとも1つの開度を制御する。具体的には、絞り制御部37は、アキュムレータ14の液面レベルが閾値Thよりも大きい場合には、絞り装置20、21A、21Bのうちの少なくとも1つの開度を第2の規定値Sp2以上に設定する。これにより、圧縮機11を起動した際に、アキュムレータ14からの圧縮機11への液バックの発生を抑制できる。その結果、空気調和装置1000の暖房起動時、または、除霜動作完了後の暖房復帰時の空気調和装置1000の立ち上がり特性を向上させることができる。
一方、絞り制御部37は、アキュムレータ14の液面レベルが正常であると判定した場合には、絞り装置20、21A、21Bの開度を、通常運転時の制御方法により制御する。すなわち、絞り制御部37は、室外熱交換器13、または、室内熱交換器22A、22Bの出口過冷却度SCが目標過冷却度に到達できるように、絞り装置20、21A、21Bの開度を制御する。
以上のように、実施の形態2では、液面検知装置15が、空気調和装置1000の暖房起動時、または、除霜動作完了後の暖房復帰時に、室外機1内に設置されたアキュムレータ14の液面レベルを検出する。アキュムレータ14の液面レベルが閾値Thよりも大きい場合に、制御装置3は、制限運転として、絞り装置20、21A、21Bのうちの少なくとも1つの開度を第2の規定値Sp2以上に設定する。これにより、圧縮機11への低圧の冷媒の引き込みが抑制できるので、空気調和装置1000の暖房時の立ち上がり特性を改善することができる。また、実施の形態2においても、実施の形態1と同様に、冷媒回路を流れる冷媒のガス流速が抑えられるので、液バックの発生も抑制できる。また、アキュムレータの構造を複雑にすることなく、圧縮機の信頼性の向上を図ることができる。
(実施の形態2の変形例)
実施の形態2の変形例においては、絞り制御部37が、図11のステップS33で、絞り装置20、21A、21Bのうちの少なくとも1つの開度を第2規定値以上に設定した後に、アキュムレータ14の液面レベルの変化量に応じて、絞り装置20、21A、21Bのうちの少なくとも1つの開度の減少量を決定する。
具体的には、図8の液面検知処理を2回以上行う。絞り制御部37は、前回の液面レベルと今回の液面レベルとの差異を演算する。当該差異が、アキュムレータ14の液面レベルの変化量となる。記憶部35には、液面レベルの変化量ごとに、絞り装置20、21A、21Bの開度の減少量を予め定めたテーブルが記憶されている。絞り制御部37は、当該テーブルを参照して、アキュムレータ14の液面レベルの変化量に基づいて、絞り装置20、21A、21Bのうちの少なくとも1つの開度の減少量を決定する。これにより、絞り装置20、21A、21Bのうちの少なくとも1つの開度を、液面レベルの変化量に応じて、徐々に減少させることができる。
なお、実施の形態2では、液面検知装置15が3個の温度センサ17を有して、液面レベルを3つのレベルに分類していた。しかしながら、実施の形態2の変形例においては、液面検知装置15が4個以上の温度センサ17を有していてもよい。その場合には、液面レベルの変化量を、さらに細かく検知することができる。
以上のように、実施の形態2の変形例においては、絞り制御部37は、アキュムレータ14の液面レベルの変化量に応じて、絞り装置20、21A、21Bのうちの少なくとも1つの開度の減少量を決定する。これにより、圧縮機11への低圧の冷媒の引き込みを抑制しつつ、絞り装置の開度を徐々に減少できるので、凝縮器として機能する室内熱交換器22A、22Bにおける冷媒の凝縮を促進できる。その結果、実施の形態2よりも、さらに、空気調和装置1000の立ち上がり特性を向上させることができる。
実施の形態3.
図12は、実施の形態3に係る冷凍サイクル装置の構成を示す構成図である。図12では、冷凍サイクル装置として、空気調和装置1000を例示している。図12と図1との差異は、図12においては、バイパス回路51、および、ホットガスバイパス弁52とが、設けられている点である。空気調和装置1000の他の構成は、図1と同じであるため、ここでは、その説明を省略する。
バイパス回路51は、圧縮機11の冷媒の吐出側である高圧側と、アキュムレータ14の流入側である低圧側との間に設けられている。バイパス回路51は、圧縮機11から吐出された高温のガス冷媒を、アキュムレータ14の流入側にバイパスする。
ホットガスバイパス弁52は、バイパス回路51に設けられている。ホットガスバイパス弁52は、例えば、電磁弁から構成される。ホットガスバイパス弁52は、開閉によって、バイパス回路51を流れるガス冷媒の流通または遮断を行う。具体的には、ホットガスバイパス弁52は、開状態のときには、圧縮機11の吐出側からバイパス回路51に流入する高温のガス冷媒をアキュムレータ14の流入側に流出させる。一方、ホットガスバイパス弁52は、閉の状態のときには、圧縮機11の吐出側からアキュムレータ14の流入側へのガス冷媒の流れを遮断する。ホットガスバイパス弁52の開閉は、制御装置3によって制御される。
図13は、実施の形態3に係る空気調和装置1000の制御装置3の構成を示すブロック図である。図13に示すように、制御装置3は、温度差演算部31、液面判定部32、出力部33、ヒータ制御部34、記憶部35、および、バイパス弁制御部38を備えている。
上記の実施の形態1との差異は、図13に示すように、制御装置3において、図2に示した周波数制御部36の代わりに、バイパス弁制御部38を備えている点である。なお、制御装置3の他の構成および動作については、実施の形態1と同じであるため、ここでは、その説明を省略する。
バイパス弁制御部38は、液面判定部32による判定結果に基づき、ホットガスバイパス弁52の開閉を決定する。バイパス弁制御部38は、ホットガスバイパス弁52の開閉を制御するための開閉制御信号を、ホットガスバイパス弁52に供給する。
[ホットガスバイパス弁52の開閉制御処理]
図14は、実施の形態3に係る空気調和装置1000のホットガスバイパス弁52の開閉制御処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS41において、圧縮機11の運転が停止している状態で、図8のフローチャートの処理を行って、アキュムレータ14の液面レベルを検知する。
ステップS42において、制御装置3のバイパス弁制御部38は、ステップS41で検知された液面レベルに基づいて、アキュムレータ14の液面レベルが閾値Thよりも大きいか否かを判定する。具体的には、バイパス弁制御部38は、アキュムレータ14の液面レベルがレベルaの場合に、液面レベルが閾値Thよりも大きいと判定して、ステップS43に進む。一方、バイパス弁制御部38は、アキュムレータ14の液面レベルがレベルbまたはレベルcの場合に、液面レベルが正常と判定して、図14の処理を終了する。
ステップS43において、制御装置3のバイパス弁制御部38は、ホットガスバイパス弁52を閉状態から開状態にする。
このように、実施の形態3では、液面判定部32が検知したアキュムレータ14の液面レベルに基づいて、バイパス弁制御部38が、ホットガスバイパス弁52の開閉を制御する。具体的には、バイパス弁制御部38は、アキュムレータ14の液面レベルが閾値Thよりも大きい場合には、制限運転として、ホットガスバイパス弁52を閉状態から開状態にする。これにより、圧縮機11を起動した際に、圧縮機11から吐出された高温のガスが、バイパス回路51を介して、アキュムレータ14の吸入配管に導入される。こうして、高温のガスがアキュムレータ14に流入されることで、アキュムレータ14内の液冷媒が蒸発する。その結果、アキュムレータ14から冷媒回路に対して冷媒が導出される。これにより、アキュムレータ14からの圧縮機11への液バックの発生を抑制できる。その結果、空気調和装置1000の暖房起動時、または、除霜動作完了後の暖房復帰時の空気調和装置1000の立ち上がり特性を向上させることができる。
一方、バイパス弁制御部38は、アキュムレータ14の液面レベルが正常であると判定した場合には、ホットガスバイパス弁52を開状態から閉状態にする。これにより、空気調和装置1000は、通常運転を行う。
以上のように、実施の形態3では、液面検知装置15が、空気調和装置1000の暖房起動時、または、除霜動作完了後の暖房復帰時に、室外機1内に設置されたアキュムレータ14の液面レベルを検出する。アキュムレータ14の液面レベルが閾値Thよりも大きい場合に、制御装置3は、ホットガスバイパス弁52を閉状態から開状態にする。これにより、圧縮機11のホットガスがアキュムレータ14の導入管142に導入され、高温のホットガスがアキュムレータ14に流入される。これにより、アキュムレータ14の液冷媒が蒸発し、アキュムレータ14以外の冷媒回路に導出される。その結果、圧縮機11への低圧の冷媒の引き込みが抑制できるので、圧縮機11への液バックの発生を抑制できる。それにより、空気調和装置1000の暖房時の立ち上がり特性を改善することができる。実施の形態3では、このように、ホットガスによりアキュムレータ14の蒸発特性を向上させることができ、且つ、暖房時の立ち上がり特性を改善することができる。また、アキュムレータの構造を複雑にすることなく、圧縮機の信頼性の向上を図ることができる。
実施の形態4.
図15は、実施の形態4に係る空気調和装置1000の制御装置3の構成を示すブロック図である。図15に示すように、制御装置3は、温度差演算部31、液面判定部32、出力部33、ヒータ制御部34、記憶部35、周波数制御部36、絞り制御部37、および、バイパス弁制御部38を備えている。
上記の実施の形態1との差異は、図15に示すように、制御装置3において、絞り制御部37とバイパス弁制御部38とが追加されている点である。制御装置3の他の構成および動作については、実施の形態1と同じであるため、ここでは、その説明を省略する。また、絞り制御部37は、実施の形態2で説明したものと同じである。バイパス弁制御部38は、実施の形態3で説明したものと同じである。
また、実施の形態4においても、冷凍サイクル装置として、空気調和装置1000を例に挙げて説明する。空気調和装置1000の全体の構成は、図12と同じであるため、ここでは、その説明を省略する。
このように、実施の形態4は、実施の形態1〜3を組み合わせた実施の形態である。
[制御処理]
図16は、実施の形態4に係る空気調和装置1000の制御処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS51において、圧縮機11の運転が停止している状態で、図8のフローチャートの処理を行って、アキュムレータ14の液面レベルを検知する。
ステップS52において、制御装置3の周波数制御部36は、ステップS51で検知された液面レベルに基づいて、アキュムレータ14の液面レベルが閾値Thよりも大きいか否かを判定する。具体的には、周波数制御部36は、アキュムレータ14の液面レベルがレベルaの場合に、液面レベルが閾値Thよりも大きいと判定して、ステップS53に進む。一方、周波数制御部36は、アキュムレータ14の液面レベルがレベルbまたはレベルcの場合に、液面レベルが正常と判定して、図16の処理を終了する。
ステップS53において、制御装置3の周波数制御部36は、圧縮機11の周波数を、予め設定された第1の規定値以下に設定する。
次に、ステップS54において、制御装置3の絞り制御部37は、絞り装置20、21A、21Bのうちの少なくとも1つの開度を、予め設定された第2の規定値以上に設定する。
次に、ステップS55において、制御装置3のバイパス弁制御部38は、ホットガスバイパス弁52を閉状態から開状態にする。
このように、実施の形態4では、液面判定部32が検知したアキュムレータ14の液面レベルに基づいて、周波数制御部36が、第1の制限運転として、圧縮機11の周波数を、第1の規定値Sp1以下に設定する。さらに、絞り制御部37が、第2の制限運転として、絞り装置20、21A、21Bのうちの少なくとも1つの開度を、第2の規定値Sp2以上に設定する。さらに、バイパス弁制御部38が、第3の制限運転として、ホットガスバイパス弁52を閉状態から開状態にする。これにより、圧縮機11を起動した際に、圧縮機11への低圧の冷媒の引き込みが抑制できるので、アキュムレータ14からの圧縮機11への液バックの発生を抑制できる。その結果、空気調和装置1000の暖房起動時、または、除霜動作完了後の暖房復帰時の空気調和装置1000の立ち上がり特性を向上させることができる。
一方、周波数制御部36は、アキュムレータ14の液面レベルが正常であると判定した場合には、通常運転を行うために、図16の処理を終了する。
以上のように、実施の形態4では、実施の形態1〜3を組み合わせているため、実施の形態1〜3と同様の効果が得られる。
なお、実施の形態4では、周波数制御部36がステップS52の液面レベルの判定処理を行っているが、これに限定されない。例えば、絞り制御部37、または、バイパス弁制御部38が、ステップS52の液面レベルの判定処理を行ってもよい。
また、上記の実施の形態1〜4では、周波数制御部36、絞り制御部37、または、バイパス弁制御部38が、液面レベルの判定処理を行っているが、これに限定されない。例えば、液面判定部32が、液面レベルの判定処理を行ってもよい。
実施の形態5.
図17は、実施の形態5に係る冷凍サイクル装置の構成を示す構成図である。図17では、冷凍サイクル装置として、空気調和装置1000を例示している。
図17に示すように、空気調和装置1000は、室外機100と、複数の室内機300A、300Bと、中継機200と、制御装置3とを備えている。制御装置3は、図1と同様に、室外機100および室内機300A、300Bの外部に設けられる。しかしながら、これに限らず、制御装置3は、室外機100、中継機200、および、室内機300A、300Bのいずれかの内部に設けてもよい。なお、本実施の形態1では、1台の室外機100に2台の室内機300A、300Bが接続された場合について例示するが、室外機100の台数は、2台以上でもよい。また、室内機300A、300Bの台数は、3台以上でもよい。
図17に示すように、室外機100と、室内機300A、300Bと、中継機200とは冷媒配管によって接続されて、冷媒回路を構成している。室外機100は、2台の室内機300A、300Bに温熱又は冷熱を供給する機能を有している。2台の室内機300A、300Bは、それぞれ互いに並列に接続されており、それぞれ同じ構成となっている。室内機300A、300Bは、室外機100から供給される温熱又は冷熱によって、室内等の空調対象空間を冷房又は暖房する機能を有している。中継機200は、室外機100と室内機300A、300Bとの間に介在し、室内機300A、300Bからの要求に応じて室外機100から供給される冷媒の流れを切り替える機能を有している。
また、空気調和装置1000は、複数の室内機300A、300Bの冷暖房負荷容量を検出する負荷容量検出部220を備えている。ここで、冷暖房負荷容量とは、複数の室内機300A、300Bにおける冷房負荷容量及び暖房負荷容量である。負荷容量検出部220は、液管温度検出部303A、303B及びガス管温度検出部304A、304Bを有している。
ここで、室外機100と中継機200とは、高圧側において、高圧の冷媒が流れる高圧管402によって接続され、低圧側において、低圧の冷媒が流れる低圧管401によって接続されている。また、中継機200と室内機300A、300Bは、それぞれ、ガス枝管403A、403Bによって接続されている。ガス枝管403A、403Bには、主にガス状態の冷媒が流れる。また、中継機200と室内機300A、300Bは、それぞれ、液枝管404A、404Bによって接続されている。液枝管404A、404Bには、主に液状態の冷媒が流れる。
(室外機100)
室外機100は、容量可変の圧縮機111と、冷媒流路切替装置112と、熱交換ユニット150と、アキュムレータ14と、流路調整ユニット130とを備えている。流路調整ユニット130は冷媒が流れる方向を制限する。冷媒流路切替装置112は、室外機100において冷媒が流れる方向を切り替える。冷媒流路切替装置112は、四方弁である場合について例示しているが、二方弁又は三方弁等を組み合わせることによって構成されてもよい。
熱交換ユニット150は、主管114、送風機115、第1の熱交換器としての室外熱交換器113、および、第1の絞り装置としての絞り装置120を備えている。
室外熱交換器113は、蒸発器又は凝縮器として機能する。室外熱交換器113は、空冷式の場合、冷媒と室外空気とを熱交換するものであり、水冷式の場合、冷媒と水又はブライン等とを熱交換するものである。送風機115は、室外熱交換器113に送風する空気の送風量を可変し、熱交換容量を制御するものである。主管114は、一方が冷媒流路切替装置112に接続され、他方が高圧管402に接続されており、室外熱交換器113及び絞り装置120が設けられている。
絞り装置120は、主管114において室外熱交換器113に直列に接続されており、主管114に流れる冷媒の流量を調整するものである。絞り装置120は、例えば開度可変の電気式膨張弁等で構成されている。絞り装置120の開度は、制御装置3によって制御される。
流路調整ユニット130は、第3の逆止弁105、第4の逆止弁106、第5の逆止弁107、第6の逆止弁108を有している。第3の逆止弁105は、熱交換ユニット150と高圧管402とを接続する配管に設けられ、熱交換ユニット150から高圧管402に向かう冷媒の流れを許容する。第4の逆止弁106は、室外機100の冷媒流路切替装置112と低圧管401とを接続する配管に設けられ、低圧管401から冷媒流路切替装置112に向かう冷媒の流れを許容する。第5の逆止弁107は、室外機100の冷媒流路切替装置112と高圧管402とを接続する配管に設けられ、冷媒流路切替装置112から高圧管402に向かう冷媒の流れを許容する。第6の逆止弁108は、熱交換ユニット150と低圧管401とを接続する配管に設けられ、低圧管401から熱交換ユニット150に向かう冷媒の流れを許容する。
また、室外機100には、吐出圧力検出部126が設けられている。吐出圧力検出部126は、冷媒流路切替装置112と圧縮機111の吐出側とを接続する配管に設けられており、圧縮機111の吐出圧力を検出するものである。吐出圧力検出部126は、例えばセンサ等で構成されており、検出された吐出圧力の信号を制御装置3に送信する。なお、吐出圧力検出部126は、記憶装置等を有していてもよい。この場合、吐出圧力検出部126は、検出された吐出圧力のデータを記憶装置等に予め設定された期間蓄積し、設定周期毎に検出された吐出圧力のデータを含む信号を制御装置3に送信する。
そして、室外機100には、吸入圧力検出部127が設けられている。吸入圧力検出部127は、冷媒流路切替装置112とアキュムレータ14とを接続する配管に設けられており、圧縮機111の吸入圧力を検出するものである。吸入圧力検出部127は、例えばセンサ等で構成されており、検出された吸入圧力の信号を制御装置3に送信する。なお、吸入圧力検出部127は、記憶装置等を有していてもよい。この場合、吸入圧力検出部127は、検出された吸入圧力のデータを記憶装置等に予め設定された期間蓄積し、設定周期毎に検出された吸入圧力のデータを含む信号を制御装置3に送信する。
(室内機300A、300B)
室内機300A、300Bは、それぞれ、第2の熱交換器としての室内熱交換器322A、322Bと、第2の絞り装置としての絞り装置321A、321Bとを備えている。室内熱交換器322A、322Bは、凝縮器又は蒸発器として機能する。絞り装置321A、321Bは、室内機300A、300Bに流通する冷媒の流量を調整する。室内機300A、300Bは、それぞれ、室外機100から供給される温熱又は冷熱によって、室内等の空調対象空間を冷房又は暖房する機能を有している。絞り装置321A、321Bは、例えば開度可変の電気式膨張弁等で構成されている。
室内機300A、300Bには、それぞれ、ガス管温度検出部304A、304B及び液管温度検出部303A、303Bが設けられている。ガス管温度検出部304A、304Bは、それぞれ、室内熱交換器322A、322Bと中継機200との間に設けられており、室内熱交換器322A、322Bと中継機200とを接続するガス枝管403A、403Bに流れる冷媒の温度を検出するものである。ガス管温度検出部304A、304Bは、例えばサーミスタ等で構成されており、検出された温度の信号を制御装置3に送信する。なお、ガス管温度検出部304A、304Bは、記憶装置等を有していてもよい。この場合、ガス管温度検出部304A、304Bは、検出された温度のデータを記憶装置等に予め設定された期間蓄積し、設定周期毎に検出された温度のデータを含む信号を制御装置3に送信する。
液管温度検出部303A、303Bは、それぞれ、室内熱交換器322A、322Bと絞り装置321A、321Bとの間に設けられている。液管温度検出部303A、303Bは、それぞれ、室内熱交換器322A、322Bと絞り装置321A、321Bとを接続する液枝管404A、404Bに流れる冷媒の温度を検出する。液管温度検出部303A、303Bは、例えばサーミスタ等で構成されており、検出された温度の信号を制御装置3に送信する。なお、液管温度検出部303A、303Bは、記憶装置等を有していてもよい。この場合、液管温度検出部303A、303Bは、検出された温度のデータを記憶装置等に予め設定された期間蓄積し、設定周期毎に検出された温度のデータを含む信号を制御装置3に送信する。
(中継機200)
中継機200は、第1の分岐部240、第2の分岐部250、気液分離器201、中継バイパス配管209、液流出側流量調整弁204、熱交換部260、中継バイパス流量調整弁205を備えている。中継機200は、室外機100と室内機300A、300Bとの間に設けられている。中継機200は、室内機300A、300Bからの要求に応じて室外機100から供給される冷媒の流れを切り替え、室外機100から供給される冷媒を複数の室内機300A、300Bに分配する。
第1の分岐部240は、一方がガス枝管403A、403Bに接続され、他方が低圧管401及び高圧管402に接続され、冷房運転時の冷媒の流通方向と暖房運転時の冷媒の流通方向とが異なるものである。第1の分岐部240は、暖房用電磁弁202A、202B及び冷房用電磁弁203A、203Bを備えている。暖房用電磁弁202A、202Bは、それぞれの一方がガス枝管403A、403Bに接続され、それぞれの他方が高圧管402に接続されており、暖房運転時に開放され、冷房運転時に閉止されるものである。冷房用電磁弁203A、203Bは、それぞれの一方がガス枝管403A、403Bに接続され、それぞれの他方が低圧管401に接続されており、冷房運転時に開放され、暖房運転時に閉止されるものである。
第2の分岐部250は、一方が液枝管404A、404Bに接続され、他方が低圧管401及び高圧管402に接続され、冷房運転時の冷媒の流通方向と暖房運転時の冷媒の流通方向とが異なるものである。第2の分岐部250は、第1の逆止弁210A、210Bと第2の逆止弁211A、211Bとを有している。
第1の逆止弁210A、210Bは、それぞれの一方が液枝管404A、404Bに接続され、それぞれの他方が高圧管402に接続されており、高圧管402から液枝管404A、404Bに向かう冷媒の流通を許容する。
第2の逆止弁211A、211Bは、それぞれの一方が液枝管404A、404Bに接続され、それぞれの他方が低圧管401に接続されており、液枝管404A、404Bから高圧管402に向かう冷媒の流通を許容する。
気液分離器201は、ガス状態の冷媒と液状態の冷媒とを分離するものであり、流入側が高圧管402に接続され、ガス流出側が第1の分岐部240に接続され、液流出側が第2の分岐部250に接続されている。中継バイパス配管209は、第2の分岐部250と低圧管401とを接続するものである。液流出側流量調整弁204は、気液分離器201の液流出側に接続されており、例えば開度可変の電気式膨張弁等で構成されている。液流出側流量調整弁204は、気液分離器201から流出する液状態の冷媒の流量を調整するものである。
熱交換部260は、第1の熱交換部206と第2の熱交換部207とから構成されている。第1の熱交換部206は、気液分離器201の液流出側と液流出側流量調整弁204との間、及び、中継バイパス配管209に設けられている。第1の熱交換部206は、気液分離器201から流出する液状態の冷媒と、中継バイパス配管209に流れる冷媒とを熱交換するものである。第2の熱交換部207は、液流出側流量調整弁204の下流側と中継バイパス配管209に設けられている。第2の熱交換部207は、液流出側流量調整弁204から流出する冷媒と、中継バイパス配管209に流れる冷媒とを熱交換するものである。
中継バイパス流量調整弁205は、中継バイパス配管209において、第2の熱交換部207の上流側に接続されており、例えば開度可変の電気式膨張弁等で構成されている。中継バイパス流量調整弁205は、第2の熱交換部207から流出する冷媒のうち、中継バイパス配管209に流入した冷媒の流量を調整するものである。
ここで、第1の逆止弁210A、210Bの上流側は、第2の熱交換部207の下流側及び中継バイパス配管209に接続されている。従って、第2の熱交換部207から流出した冷媒は、第1の逆止弁210A、210Bに向かう冷媒と、中継バイパス配管209に流入する冷媒とに分かれる。また、第2の逆止弁211A、211Bの下流側は、液流出側流量調整弁204と第2の熱交換部207の上流側との間に接続されている。即ち、第2の逆止弁211A、211Bから流出した冷媒は、第2の熱交換部207に流入して熱交換された後、第1の逆止弁210A、210Bに向かう冷媒と、中継バイパス配管209に流入する冷媒とに分かれる。
また、中継機200には、液流出圧力検出部231、下流側液流出圧力検出部232、及び、中継バイパス温度検出部208が設けられている。液流出圧力検出部231は、第1の熱交換部206と液流出側流量調整弁204の上流側との間に設けられており、気液分離器201の液流出側の冷媒の圧力を検出するものである。液流出圧力検出部231は、例えばセンサ等で構成されており、検出された圧力の信号を制御装置3に送信する。なお、液流出圧力検出部231は、記憶装置等を有していてもよい。この場合、液流出圧力検出部231は、検出された圧力のデータを記憶装置等に予め設定された期間蓄積し、設定周期毎に検出された圧力のデータを含む信号を制御装置3に送信する。
下流側液流出圧力検出部232は、液流出側流量調整弁204の下流側と第2の熱交換部207との間に設けられており、液流出側流量調整弁204から流出した冷媒の圧力を検出するものである。下流側液流出圧力検出部232は、例えばセンサ等で構成されており、検出された圧力の信号を制御装置3に送信する。なお、下流側液流出圧力検出部232は、記憶装置等を有していてもよい。この場合、下流側液流出圧力検出部232は、検出された圧力のデータを記憶装置等に予め設定された期間蓄積し、設定周期毎に検出された圧力のデータを含む信号を制御装置3に送信する。ここで、液流出側流量調整弁204は、液流出圧力検出部231によって検出された圧力と下流側液流出圧力検出部232によって検出された圧力との差が一定となるように、制御装置3によって開度が調整されている。
中継バイパス温度検出部208は、中継バイパス配管209に設けられており、中継バイパス配管209に流れる冷媒の圧力を検出するものである。中継バイパス温度検出部208は、例えばサーミスタ等で構成されており、検出された温度の信号を制御装置3に送信する。なお、中継バイパス温度検出部208は、記憶装置等を有していてもよい。この場合、中継バイパス温度検出部208は、検出された温度のデータを記憶装置等に予め設定された期間蓄積し、設置周期毎に検出された温度のデータを含む信号を制御装置3に送信する。ここで、制御装置3は、液流出圧力検出部231の検出圧力、下流側液流出圧力検出部232の検出圧力、及び、中継バイパス温度検出部208の検出温度のうち少なくとも一つ以上に基づいて、中継バイパス流量調整弁205の開度を調整する。
図17に示すように、実施の形態5においても、実施の形態1〜4と同様に、アキュムレータ14に、液面検知装置15が取り付けられている。なお、アキュムレータ14および液面検知装置15の構成および動作は、実施の形態1と同様であるため、ここでは、その説明を省略する。
実施の形態5においても、実施の形態1と同様に、液面検知装置15が、空気調和装置1000の暖房起動時、または、除霜動作完了後の暖房復帰時に、室外機100内に設置されたアキュムレータ14の液面レベルを検出する。アキュムレータ14の液面レベルが予め設定された閾値Thよりも大きい場合に、制御装置3は、制限運転として、室外機100内に設置された圧縮機111の周波数を予め設定された第1の規定値Sp1以下にする。これにより、アキュムレータ14から圧縮機111への液バックの発生を抑制でき、空気調和装置1000の立ち上がり特性を改善することができる。以下、制御装置3の動作について説明する。
[圧縮機111の周波数の制御処理]
制御装置3の動作は、上述した図9のフローチャートと同じである。そのため、図9を用いて、制御装置3の動作について説明する。なお、制御装置3の構成は、図2に示した構成と同じである。
ステップS21において、圧縮機111の運転が停止している状態で、図8のフローチャートの処理を行って、アキュムレータ14の液面レベルを検知する。
ステップS22において、制御装置3の周波数制御部36は、ステップS21で検知された液面レベルに基づいて、アキュムレータ14の液面レベルが閾値Thよりも大きいか否かを判定する。具体的には、周波数制御部36は、アキュムレータ14の液面レベルがレベルaの場合に、液面レベルが閾値Thよりも大きいと判定して、ステップS23に進む。一方、周波数制御部36は、アキュムレータ14の液面レベルがレベルbまたはレベルcの場合に、液面レベルが正常と判定して、図9の処理を終了する。
ステップS23において、制御装置3の周波数制御部36は、圧縮機111の周波数を、予め設定された第1の規定値Sp1以下に設定する。
このように、実施の形態5では、液面判定部32が検知したアキュムレータ14の液面レベルに基づいて、周波数制御部36が、圧縮機111の周波数を制御する。具体的には、周波数制御部36は、アキュムレータ14の液面レベルが閾値Thよりも大きい場合には、圧縮機111の周波数を第1の規定値Sp1以下に設定する。これにより、圧縮機111を起動した際に、アキュムレータ14からの圧縮機111への液バックの発生を抑制できる。その結果、空気調和装置1000の暖房起動時、または、除霜動作完了後の暖房復帰時の空気調和装置1000の立ち上がり特性を向上させることができる。
一方、周波数制御部36は、アキュムレータ14の液面レベルが正常であると判定した場合には、圧縮機111の周波数を、通常運転時の制御方法により制御する。すなわち、周波数制御部36は、目標凝縮温度あるいは目標吐出温度に到達できるように、圧縮機111の周波数を制御する。
以上のように、実施の形態5では、液面検知装置15が、空気調和装置1000の暖房起動時、または、除霜動作完了後の暖房復帰時に、室外機100内に設置されたアキュムレータ14の液面レベルを検出する。アキュムレータ14の液面レベルが閾値Thよりも大きい場合に、制御装置3は、室外機100内に設置された圧縮機111の周波数を予め設定された第1の規定値Sp1以下にする。これにより、冷媒回路を流れる冷媒のガス流速の増大が抑えられるので、圧縮機11への低圧の冷媒の引き込みが抑制できる。それにより、圧縮機111への液バックの発生を抑制でき、空気調和装置1000の暖房時の立ち上がり特性を改善することができる。また、アキュムレータの構造を複雑にすることなく、圧縮機の信頼性の向上を図ることができる。
なお、実施の形態5においても、上記の実施の形態1の変形例のように、圧縮機11の周波数を第1の規定値Sp1以下に設定した後に、アキュムレータ14の液面レベルの変化量に応じて、圧縮機11の周波数の増加量を決定するようにしてもよい。その場合には、実施の形態1の変形例と同様の効果が得られる。
(実施の形態5の変形例1)
制御装置3は、実施の形態2と同様に、図10に示す構成にしてもよい。その場合、制御装置3は、上述した図11のフローチャートに従って、以下の処理を行う。
ステップS31において、圧縮機111の運転が停止している状態で、図8のフローチャートの処理を行って、アキュムレータ14の液面レベルを検知する。
ステップS32において、制御装置3の絞り制御部37は、ステップS31で検知された液面レベルに基づいて、アキュムレータ14の液面レベルが閾値Thよりも大きいか否かを判定する。具体的には、絞り制御部37は、アキュムレータ14の液面レベルがレベルaの場合に、液面レベルが閾値Thよりも大きいと判定して、ステップS33に進む。一方、絞り制御部37は、アキュムレータ14の液面レベルがレベルbまたはレベルcの場合に、液面レベルが正常と判定して、図11の処理を終了する。
ステップS33において、制御装置3の絞り制御部37は、絞り装置120、321A、321Bのうちの少なくとも1つの開度を、予め設定された第2の規定値Sp2以上に設定する。
このように、実施の形態5の変形例1では、液面判定部32が検知したアキュムレータ14の液面レベルに基づいて、絞り制御部37が、絞り装置120、321A、321Bのうちの少なくとも1つの開度を制御する。具体的には、絞り制御部37は、アキュムレータ14の液面レベルが閾値Thよりも大きい場合には、制限運転として、絞り装置120、321A、321Bのうちの少なくとも1つの開度を第2の規定値Sp2以上に設定する。これにより、圧縮機111を起動した際に、アキュムレータ14からの圧縮機111への液バックの発生を抑制できる。その結果、空気調和装置1000の暖房起動時、または、除霜動作完了後の暖房復帰時の空気調和装置1000の立ち上がり特性を向上させることができる。
一方、絞り制御部37は、アキュムレータ14の液面レベルが正常であると判定した場合には、絞り装置120、321A、321Bの開度を、通常運転時の制御方法により制御する。すなわち、絞り制御部37は、室外熱交換器113、または、室内熱交換器322A、322Bの出口過冷却度SCが目標過冷却度に到達できるように、絞り装置120、321A、321Bの開度を制御する。
以上のように、実施の形態5の変形例1では、液面検知装置15が、空気調和装置1000の暖房起動時、または、除霜動作完了後の暖房復帰時に、室外機1内に設置されたアキュムレータ14の液面レベルを検出する。アキュムレータ14の液面レベルが閾値Thよりも大きい場合に、制御装置3は、絞り装置120、321A、321Bのうちの少なくとも1つの開度を第2の規定値Sp2以上に設定する。これにより、圧縮機11への低圧の冷媒の引き込みが抑制できるので、圧縮機111への液バックの発生を抑制でき、空気調和装置1000の暖房時の立ち上がり特性を改善することができる。また、アキュムレータの構造を複雑にすることなく、圧縮機の信頼性の向上を図ることができる。
なお、実施の形態5の変形例1においても、上記の実施の形態2の変形例のように、絞り装置120、321A、321Bのうちの少なくとも1つの開度を第2の規定値Sp2以上に設定した後に、アキュムレータ14の液面レベルの変化量に応じて、絞り装置120、321A、321Bのうちの少なくとも1つの開度の減少量を決定するようにしてもよい。その場合には、実施の形態2の変形例と同様の効果が得られる。
(実施の形態5の変形例2)
実施の形態5においても、実施の形態3と同様に、図12に示すように、圧縮機11の冷媒の吐出側である高圧側と、アキュムレータ14の流入側である低圧側との間に、バイパス回路51を設けるようにしてもよい。また、図12に示すように、バイパス回路51に、ホットガスバイパス弁52を設けるようにしてもよい。バイパス回路51およびホットガスバイパス弁52の構成および動作は、実施の形態3と同じであるため、ここでは、その説明を省略する。
なお、この場合、制御装置3の構成は、上述した図13に示す構成となる。また、制御装置3は、上述した図14のフローチャートに従って、ホットガスバイパス弁52の閉および開の制御を行う。
以上のように、実施の形態5の変形例2では、液面検知装置15が、空気調和装置1000の暖房起動時、または、除霜動作完了後の暖房復帰時に、室外機1内に設置されたアキュムレータ14の液面レベルを検出する。アキュムレータ14の液面レベルが閾値Thよりも大きい場合に、制御装置3は、制限運転として、ホットガスバイパス弁52を閉状態から開状態にする。これにより、高温のホットガスがアキュムレータ14内に流入されるので、アキュムレータ14内の液冷媒が蒸発し、冷媒回路に冷媒が導出される。その結果、圧縮機11への低圧の冷媒の引き込みを抑制できるので、圧縮機111への液バックの発生を抑制でき、空気調和装置1000の暖房時の立ち上がり特性を改善することができる。
(実施の形態5の変形例3)
実施の形態5においても、実施の形態4と同様に、制御装置3の構成を、上述した図15の構成としてもよい。
その場合、制御装置3は、上述した図16のフローチャートに従う処理を行う。当該処理については、実施の形態5、実施の形態5の変形例1、および、実施の形態5の変形例2の組み合わせに相当するため、ここでは、その説明を省略する。
以上のように、実施の形態5の変形例3においては、実施の形態5、実施の形態5の変形例1、および、実施の形態5の変形例2を組み合わせているため、実施の形態5、実施の形態5の変形例1、および、実施の形態5の変形例2と同様の効果が得られる。
実施の形態6.
図18は、実施の形態6に係る冷凍サイクル装置の構成を示す構成図である。図18では、冷凍サイクル装置として、空気調和装置1000を例示している。
図18に示すように、空気調和装置1000においては、室外機400と複数の室内機500A、500B、500C、500Dとが冷媒配管で接続されて冷媒回路を構成しており、冷媒を循環させている。4台の室内機500A、500B、500C、500Dは、それぞれ互いに並列に接続されており、それぞれ同じ構成となっている。ここで、本実施の形態の空気調和装置は4台の室内機500を備えているが、設置台数を4台に限定するものではない。また、A、B、C、Dの添字で区別等している複数の同種の機器等について、特に区別したり、特定したりする必要がない場合には、添字を省略して記載する場合もある。そして、温度、圧力等の高低については、特に絶対的な値との関係で高低等が定まっているものではなく、システム、装置等における状態、動作等において相対的に定まるものとする。
また、空気調和装置1000は、上記の実施の形態1〜5と同様に、制御装置3を有している。制御装置3は、図1と同様に、室外機400および室内機500A、500B、500C、500Dの外部に設けられる。しかしながら、これに限らず、制御装置3は、室外機400および室内機500A、500B、500C、500Dのいずれかの内部に設けてもよい。
図18において、室外機400は、本実施の形態においては、圧縮機411、冷媒流路切替装置412、室外熱交換器413、室外ファン404、アキュムレータ14、絞り装置420、二重管407、および、バイパス膨張弁408を有している。
圧縮機411は、吸入した冷媒を圧縮して吐出する。ここで、圧縮機411は、インバータ装置等を備え、周波数を任意に変化させることにより、圧縮機411の単位時間あたりの冷媒を送り出す量を細かく変化させることができるものとする。
四方弁等の冷媒流路切替装置412は、室外制御装置110からの指示に基づいて、例えば冷房運転時と暖房運転時とによって冷媒の流れを切り換える。また、室外熱交換器413は、冷媒と室外の空気との熱交換を行う。例えば、室外熱交換器413は、暖房運転時においては蒸発器として機能し、絞り装置420を介して流入した低圧の冷媒と空気との熱交換を行い、冷媒を蒸発させ、気化させる。また、室外熱交換器413は、冷房運転時においては凝縮器として機能し、冷媒流路切替装置412側から流入した圧縮機411において圧縮された冷媒と空気との熱交換を行い、冷媒を凝縮して液化させる。室外熱交換器413には、冷媒と空気との熱交換を効率よく行うため、送風機となる室外ファン404が設けられている。ファンモータ405は、室外ファン404を駆動させるためのモータである。室外ファン404についても、インバータ装置によりファンモータ405の駆動周波数を任意に変化させてファンの回転速度を細かく変化させることができる。ここで、ファンモータ405による室外ファン404の回転方向を正回転とする。
冷媒間熱交換器となる二重管407は、冷媒回路の主となる流路を流れる冷媒と、その流路から分岐してバイパス膨張弁408により流量調整された冷媒との間で熱交換を行う。特に冷房運転時において冷媒を過冷却する必要がある場合に、冷媒を過冷却して室内機500A、500B、500C、500Dに供給するものである。バイパス膨張弁408を介して流れる液体は、バイパス配管を介してアキュムレータ14に戻される。アキュムレータ14は、圧縮機411の低圧側に接続され、余剰冷媒を貯溜する。
また、本実施の形態の室外機400は、高圧用圧力センサ415及び低圧用圧力センサ416を有している。高圧用圧力センサ415は、圧縮機411の吐出側配管における圧力を検出する。低圧用圧力センサ416は、アキュムレータ14の入口側配管における圧力を検出する。
室内機500A、500B、500C、500Dのそれぞれは、室内熱交換器522A、522B、522C、522D、および、絞り装置521A、521B、521C、521Dを有している。室内熱交換器522A、522B、522C、522Dのそれぞれは、冷媒と空調対象空間の空気との熱交換を行う。室内熱交換器522A、522B、522C、522Dのそれぞれは、暖房運転時においては凝縮器として機能する。すなわち、室内熱交換器522A、522B、522C、522Dのそれぞれは、気体の冷媒が流れる配管から流入した冷媒と空気との熱交換を行い、冷媒を凝縮させて液化又は気液二相化させて流出させる。一方、冷房運転時においては、室内熱交換器522A、522B、522C、522Dのそれぞれは、蒸発器として機能する。すなわち、室内熱交換器522A、522B、522C、522Dのそれぞれは、絞り装置521A、521B、521C、521Dにより低圧状態にされた冷媒と空気との熱交換を行い、冷媒に空気の熱を奪わせて気化させて流出させる。また、室内機500A、500B、500C、500Dのそれぞれには、熱交換を行う空気の流れを調整するための室内ファン517A、517B、517C、517Dが設けられている。特に限定するものではないが、これらの室内ファン517A、517B、517C、517Dの駆動速度、すなわち、風量は、例えば利用者の設定により決定される。絞り装置521A、521B、521C、521Dは、開度を変化させることで、室内熱交換器522A、522B、522C、522D内における冷媒の圧力を調整するために設ける。
図18に示すように、実施の形態6においても、実施の形態1〜5と同様に、アキュムレータ14に、液面検知装置15が取り付けられている。なお、アキュムレータ14および液面検知装置15の構成および動作は、実施の形態1と同様であるため、ここでは、その説明を省略する。
実施の形態6においても、実施の形態1と同様に、液面検知装置15が、空気調和装置1000の暖房起動時、または、除霜動作完了後の暖房復帰時に、室外機400内に設置されたアキュムレータ14の液面レベルを検出する。アキュムレータ14の液面レベルが予め設定された閾値Thよりも大きい場合に、制御装置3は、制限運転として、室外機400内に設置された圧縮機411の周波数を予め設定された第1の規定値Sp1以下にする。これにより、圧縮機411への液バックの発生を抑制でき、空気調和装置1000の立ち上がり特性を改善することができる。以下、制御装置3の動作について説明する。
なお、実施の形態6では、室外熱交換器413が第1の熱交換器であり、室内熱交換器522A、522B、522C、522Dが第2の熱交換器である。また、絞り装置420が第1の絞り装置であり、絞り装置521A、521B、521C、521Dが第2の絞り装置である。
[圧縮機411の周波数の制御処理]
制御装置3の動作は、上述した図9のフローチャートと同じである。そのため、図9を用いて、制御装置3の動作について説明する。なお、制御装置3の構成は、図2に示した構成と同じである。
ステップS21において、圧縮機411の運転が停止している状態で、図8のフローチャートの処理を行って、アキュムレータ14の液面レベルを検知する。
ステップS22において、制御装置3の周波数制御部36は、ステップS21で検知された液面レベルに基づいて、アキュムレータ14の液面レベルが閾値Thよりも大きいか否かを判定する。具体的には、周波数制御部36は、アキュムレータ14の液面レベルがレベルaの場合に、液面レベルが閾値Thよりも大きいと判定して、ステップS23に進む。一方、周波数制御部36は、アキュムレータ14の液面レベルがレベルbまたはレベルcの場合に、液面レベルが正常と判定して、図9の処理を終了する。
ステップS23において、制御装置3の周波数制御部36は、圧縮機411の周波数を、予め設定された第1の規定値Sp1以下に設定する。
このように、実施の形態6では、液面判定部32が検知したアキュムレータ14の液面レベルに基づいて、周波数制御部36が、圧縮機411の周波数を制御する。具体的には、周波数制御部36は、アキュムレータ14の液面レベルが閾値Thよりも大きい場合には、圧縮機411の周波数を第1の規定値Sp1以下に設定する。これにより、圧縮機411を起動した際に、圧縮機11への低圧の冷媒の引き込みが抑制できるので、アキュムレータ14からの圧縮機411への液バックの発生を抑制できる。その結果、空気調和装置1000の暖房起動時、または、除霜動作完了後の暖房復帰時の空気調和装置1000の立ち上がり特性を向上させることができる。
一方、周波数制御部36は、アキュムレータ14の液面レベルが正常であると判定した場合には、圧縮機411の周波数を、通常運転時の制御方法により制御する。すなわち、周波数制御部36は、目標凝縮温度あるいは目標吐出温度に到達できるように、圧縮機411の周波数を制御する。
以上のように、実施の形態6では、液面検知装置15が、空気調和装置1000の暖房起動時、または、除霜動作完了後の暖房復帰時に、室外機100内に設置されたアキュムレータ14の液面レベルを検出する。アキュムレータ14の液面レベルが閾値Thよりも大きい場合に、制御装置3は、室外機100内に設置された圧縮機411の周波数を予め設定された第1の規定値Sp1以下にする。これにより、圧縮機411を起動した際に、圧縮機11への低圧の冷媒の引き込みが抑制できるので、圧縮機411への液バックの発生を抑制でき、空気調和装置1000の暖房時の立ち上がり特性を改善することができる。また、アキュムレータの構造を複雑にすることなく、圧縮機の信頼性の向上を図ることができる。
なお、実施の形態6においても、上記の実施の形態1の変形例のように、圧縮機11の周波数を第1の規定値Sp1以下に設定した後に、アキュムレータ14の液面レベルの変化量に応じて、圧縮機11の周波数の増加量を決定するようにしてもよい。その場合には、実施の形態1の変形例と同様の効果が得られる。
(実施の形態6の変形例1)
制御装置3は、実施の形態2と同様に、図10に示す構成を有していてもよい。その場合、制御装置3は、上述した図11のフローチャートに従って、以下の処理を行う。
ステップS31において、圧縮機411の運転が停止している状態で、図8のフローチャートの処理を行って、アキュムレータ14の液面レベルを検知する。
ステップS32において、制御装置3の絞り制御部37は、ステップS31で検知された液面レベルに基づいて、アキュムレータ14の液面レベルが閾値Thよりも大きいか否かを判定する。具体的には、絞り制御部37は、アキュムレータ14の液面レベルがレベルaの場合に、液面レベルが閾値Thよりも大きいと判定して、ステップS33に進む。一方、絞り制御部37は、アキュムレータ14の液面レベルがレベルbまたはレベルcの場合に、液面レベルが正常と判定して、図11の処理を終了する。
ステップS33において、制御装置3の絞り制御部37は、絞り装置120、321A、321Bのうちの少なくとも1つの開度を、予め設定された第2の規定値Sp2以上に設定する。
このように、実施の形態6の変形例1では、液面判定部32が検知したアキュムレータ14の液面レベルに基づいて、絞り制御部37が、絞り装置120、321A、321Bのうちの少なくとも1つの開度を制御する。具体的には、絞り制御部37は、アキュムレータ14の液面レベルが閾値Thよりも大きい場合には、制限運転として、絞り装置120、321A、321Bのうちの少なくとも1つの開度を第2の規定値Sp2以上に設定する。これにより、圧縮機411を起動した際に、アキュムレータ14からの圧縮機411への液バックを抑制できる。その結果、空気調和装置1000の暖房起動時、または、除霜動作完了後の暖房復帰時の空気調和装置1000の立ち上がり特性を向上させることができる。
一方、絞り制御部37は、アキュムレータ14の液面レベルが正常であると判定した場合には、絞り装置120、321A、321Bの開度を、通常運転時の制御方法により制御する。すなわち、絞り制御部37は、室外熱交換器113、または、室内熱交換器322A、322Bの出口過冷却度SCが目標過冷却度に到達できるように、絞り装置120、321A、321Bの開度を制御する。
以上のように、実施の形態6の変形例1では、液面検知装置15が、空気調和装置1000の暖房起動時、または、除霜動作完了後の暖房復帰時に、室外機1内に設置されたアキュムレータ14の液面レベルを検出する。アキュムレータ14の液面レベルが閾値Thよりも大きい場合に、制御装置3は、絞り装置120、321A、321Bのうちの少なくとも1つの開度を第2の規定値Sp2以上に設定する。これにより、圧縮機411を起動した際に、圧縮機11への低圧の冷媒の引き込みが抑制できるので、圧縮機411への液バックを抑制でき、空気調和装置1000の暖房時の立ち上がり特性を改善することができる。また、アキュムレータの構造を複雑にすることなく、圧縮機の信頼性の向上を図ることができる。
なお、実施の形態6の変形例1においても、上記の実施の形態2の変形例のように、絞り装置120、321A、321Bのうちの少なくとも1つの開度を第2の規定値Sp2以上に設定した後に、アキュムレータ14の液面レベルの変化量に応じて、絞り装置120、321A、321Bのうちの少なくとも1つの開度の減少量を決定するようにしてもよい。その場合には、実施の形態2の変形例と同様の効果が得られる。
(実施の形態6の変形例2)
実施の形態6においても、実施の形態3と同様に、図12に示すように、圧縮機11の冷媒の吐出側である高圧側と、アキュムレータ14の流入側である低圧側との間に、バイパス回路51を設けるようにしてもよい。また、図12に示すように、バイパス回路51に、ホットガスバイパス弁52を設けるようにしてもよい。バイパス回路51およびホットガスバイパス弁52の構成および動作は、実施の形態3と同じであるため、ここでは、その説明を省略する。
なお、この場合、制御装置3の構成は、上述した図13に示す構成となる。また、制御装置3は、上述した図14のフローチャートに従って、ホットガスバイパス弁52の開閉動作の制御を行う。
以上のように、実施の形態6の変形例2では、液面検知装置15が、空気調和装置1000の暖房起動時、または、除霜動作完了後の暖房復帰時に、室外機1内に設置されたアキュムレータ14の液面レベルを検出する。アキュムレータ14の液面レベルが閾値Thよりも大きい場合に、制御装置3は、制限運転として、ホットガスバイパス弁52を閉状態から開状態にする。これにより、高温のホットガスがアキュムレータ14内に流入されるので、アキュムレータ14内の液冷媒が蒸発し、冷媒回路に冷媒が導出される。その結果、圧縮機11への低圧の冷媒の引き込みが抑制できるので、圧縮機411への液バックの発生を抑制できる。その結果、空気調和装置1000の暖房時の立ち上がり特性を改善することができる。また、アキュムレータの構造を複雑にすることなく、圧縮機の信頼性の向上を図ることができる。
(実施の形態6の変形例3)
実施の形態6においても、実施の形態4と同様に、制御装置3の構成を、上述した図15の構成としてもよい。
その場合、制御装置3は、上述した図16のフローチャートに従う処理を行う。当該処理については、実施の形態6、実施の形態6の変形例1、および、実施の形態6の変形例2の組み合わせに相当するため、ここでは、その説明を省略する。
以上のように、実施の形態6の変形例3においては、実施の形態6、実施の形態6の変形例1、および、実施の形態6の変形例2を組み合わせているため、実施の形態6、実施の形態6の変形例1、および、実施の形態6の変形例2と同様の効果が得られる。
また、上記の実施の形態1〜6では、冷凍サイクル装置として、空気調和装置1000を例に挙げたが、その場合に限らず、実施の形態1〜6は、給湯装置、冷凍庫、冷蔵庫、自動販売機等の他の冷凍サイクル装置にも適用可能である。
本発明に係る冷凍サイクル装置は、圧縮機、第1の熱交換器、第1の絞り装置、第2の絞り装置、および、第2の熱交換器が冷媒配管により接続され、冷媒が流通する冷媒回路と、前記冷媒回路に設けられ、液冷媒を貯留するとともに、ガス冷媒を前記圧縮機に吸引させるアキュムレータと、前記アキュムレータに設けられ、前記アキュムレータに貯留された前記液冷媒の液面レベルを検知する液面検知装置と、前記液面検知装置が検知した前記液面レベルが閾値よりも大きい場合に、前記アキュムレータから前記圧縮機へ吸引される前記ガス冷媒の引き込み量を抑制する制限運転を行い、前記液面レベルが前記閾値未満の場合に通常運転を行う、制御装置と、前記圧縮機の吐出側と前記アキュムレータの流入側とをバイパスするバイパス回路と、前記バイパス回路に設けられ、開閉によって前記バイパス回路を流れる前記ガス冷媒の流通または遮断を行うバイパス弁と、を備え、前記制御装置は、前記液面検知装置が検知した前記液面レベルが前記閾値よりも大きい場合に、前記制限運転として、前記圧縮機の周波数を第1の規定値以下にする、周波数制御部と、前記液面検知装置が検知した前記液面レベルが前記閾値よりも大きい場合に、前記制限運転として、前記第1の絞り装置および前記第2の絞り装置のうちの少なくとも1つの開度を第2の規定値以上にする、絞り制御部と、前記液面検知装置が検知した前記液面レベルが前記閾値よりも大きい場合に、前記制限運転として、前記バイパス弁を閉状態から開状態に切り替える、バイパス弁制御部と、を有するものである。