JPWO2021015134A1 - 材料設計システム、材料設計方法、及び材料設計プログラム - Google Patents

材料設計システム、材料設計方法、及び材料設計プログラム Download PDF

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Abstract

材料設計システムは、設計対象材料の設計条件と、材料特性値との対応関係を入出力とするモデルの機械学習を行うためのモデル学習用インタフェイスを利用可能なエキスパート端末と、特定の設計対象材料について、エキスパート端末により作成された特定の設計対象材料のための学習済みモデルを用いて、設計条件から材料特性値を、または、材料特性値から設計条件を推定するための材料設計用インタフェイスを利用可能な複数の汎用端末と、を備える。

Description

本開示は、材料設計システム、材料設計方法、及び材料設計プログラムに関する。
従来、複数の組成からなる材料、または、複数の製造条件の組合せにより製造される材料を設計する際には、材料開発者の経験に基づき材料の組成や製造条件を調整しながら試作を繰り返すことによって、所望の材料特性を実現し得る最適解が求められる。しかし材料開発者の経験に基づいた試作は、多くの場合最適設計を得るまで試作を繰り返す必要があり、時間と手間を要する。また、材料開発者が過去に行った設計条件の近傍で局所的に条件探索が行われることが多く、大域的な最適設計条件の探索には向かない。
また、第一原理計算などのシミュレーション技術を利用した材料の設計が行われることもある。この場合、シミュレーション技術者が設定した条件で材料特性予測を行う順問題解析を実施することになる。しかし、第一原理計算などシミュレーション技術を利用した材料の設計においても、シミュレーション技術者が経験に基づいて設定した条件における結果を出力する。また、通常、シミュレーションは結果取得まで長時間実行する必要があり、短時間での予測や網羅的な材料設計の探索には向かない。
また、過去の実験・評価データベースを使用した材料の設計や、最近ではデータベースに機械学習を適用した材料特性の予測(順問題解析)を行うことがある。機械学習をうまく進めるには、適切な学習手法の選択、目的変数の選択、及び学習用の各種ハイパーパラメータの調整が重要であり、この設定によって学習結果に差異が出る場合がある。近年は、機械学習用のプラットフォームをユーザに提供して、ユーザがプラットフォームを介した操作を行うことによって、ユーザの機械学習に関する熟練度によらずに、より簡易に適切な学習結果を提供する技術が提案されている(例えば特許文献1参照)。
特開2019−23906号公報
ところで、機械学習のパラメータ設定においては、操作や設定手順が簡略されたとしても、材料設計者などの機械学習に関する非熟練者が行う難易度は依然として高いと考えられる。やはり統計学、機械学習、計算機科学、情報科学などに精通したデータサイエンティストなどの熟練者によって機械学習を行うほうが、より適切な設定が可能であり依然として有利である。しかし、材料設計分野においてはデータサイエンティストのマンパワーが少なく、各材料設計システムの周囲に機械学習の専門家が必ずしもいるとは限らない。
本開示は、少数の機械学習の熟練者のノウハウを活用して、広範囲で高品質な機械学習の学習結果を利用できる材料設計システム、材料設計方法、及び材料設計プログラムを提供することを目的とする。
本開示は、以下に示す構成を備える。
[1] 複数の組成からなる材料、または、複数の製造条件の組合せにより製造される材料を含む設計対象材料を設計するための材料設計システムであって、
前記設計対象材料の設計条件と、材料特性値との対応関係を入出力とするモデルの機械学習を行うためのモデル学習用インタフェイスを利用可能なエキスパート端末と、
特定の前記設計対象材料について、前記エキスパート端末により作成された前記特定の設計対象材料のための学習済みモデルを用いて、前記設計条件から前記材料特性値を、または、前記材料特性値から前記設計条件を推定するための材料設計用インタフェイスを利用可能な複数の汎用端末と、
を備える材料設計システム。
[2] 前記エキスパート端末により作成された前記学習済みモデルを保存する中間装置を備え、
前記複数の汎用端末は、前記中間装置に保存される前記学習済みモデルを利用して、前記設計条件から前記材料特性値を、または、前記材料特性値から前記設計条件を推定する、
[1]に記載の材料設計システム。
[3] 前記モデル学習用インタフェイスと前記材料設計用インタフェイスとの間の通信はネットワーク回線を介して行われる、
[1]または[2]に記載の材料設計システム。
[4] 前記モデル学習用インタフェイスと、前記材料設計用インタフェイスとは、クラウドサーバに搭載され、前記モデル学習用インタフェイスと前記材料設計用インタフェイスとの間の通信は前記クラウドサーバ内の通信で行われる、
[1]または[2]に記載の材料設計システム。
[5] 前記モデル学習用インタフェイスと、前記材料設計用インタフェイスとは、互いに互換性のある別個のソフトウェアに搭載される、
[1]または[2]に記載の材料設計システム。
[6] 前記エキスパート端末は、
前記モデルの機械学習の各種条件を設定する学習条件設定部と、
前記各種条件に基づき前記モデルの機械学習を行うモデル学習部と、
前記学習済みモデルを出力するモデル出力部と、
を備える、
[1]〜[5]のいずれか1項に記載の材料設計システム。
[7] 前記汎用端末は、
前記設計対象材料の設計条件の指定範囲を設定する設計条件設定部と、
前記設計条件設定部により設定された指定範囲内で複数の網羅予測点を生成する網羅予測点生成部と、
前記網羅予測点生成部により生成された網羅予測点を前記学習済みモデルに入力して算出した材料特性値を、前記網羅予測点の各点と紐づけたデータセットを記憶する設計条件−材料特性テーブルと、
前記設計対象材料の要求特性の指定範囲を設定する要求特性設定部と、
前記要求特性設定部により設定された要求特性を満たすデータセットを前記設計条件−材料特性テーブルから抽出する設計条件抽出部と、
を備える、
[1]〜[6]のいずれか1項に記載の材料設計システム。
[8] 前記汎用端末は、
前記設計条件抽出部により抽出されたデータセットの設計条件の範囲を調整する設計条件調整部を備え、
前記設計条件抽出部は、前記抽出したデータセットから、前記設計条件調整部により調整された設計条件を満たすデータセットをさらに絞り込む、
[7]に記載の材料設計システム。
[9] 複数の組成からなる材料、または、複数の製造条件の組合せにより製造される材料を含む設計対象材料を設計するための材料設計方法であって、
前記設計対象材料の設計条件と、材料特性値との対応関係を入出力とするモデルの機械学習を行う学習ステップと、
特定の前記設計対象材料について、前記学習ステップにて作成された前記特定の設計対象材料のための学習済みモデルを用いて、前記設計条件から前記材料特性値を、または、前記材料特性値から前記設計条件を推定する推定ステップと、
を含む材料設計方法。
[10] 複数の組成からなる材料、または、複数の製造条件の組合せにより製造される材料を含む設計対象材料を設計するための材料設計プログラムであって、
前記設計対象材料の設計条件と、材料特性値との対応関係を入出力とするモデルの機械学習を行う学習機能と、
特定の前記設計対象材料について、前記学習機能により作成された前記特定の設計対象材料のための学習済みモデルを用いて、前記設計条件から前記材料特性値を、または、前記材料特性値から前記設計条件を推定する推定機能と、
をコンピュータに実現させるための材料設計プログラム。
本開示によれば、少数の機械学習の熟練者のノウハウを活用して、広範囲で高品質な機械学習の学習結果を利用できる材料設計システム、材料設計方法、及び材料設計プログラムを提供することができる。
実施形態に係る材料設計システムの概略構成を示すブロック図である。 実施形態に係る材料設計システムの概略構成の変形例を示すブロック図である。 エキスパート端末の機能ブロック図である。 モデル学習用インタフェイスにおける学習条件設定部の入力画面の一例を示す図である。 モデル学習用インタフェイスにおける学習条件設定部の入力画面の一例を示す図である。 モデル学習用インタフェイスにおける学習条件設定部の入力画面の一例を示す図である。 モデル学習用インタフェイスにおける学習条件設定部の入力画面の一例を示す図である。 モデル学習用インタフェイスにおける学習条件設定部の入力画面の一例を示す図である。 モデル学習用インタフェイスにおける学習条件設定部の入力画面の一例を示す図である。 汎用端末の機能ブロック図である。 材料設計用インタフェイスにおける設計条件設定部の入力画面の一例を示す図である。 材料設計用インタフェイスにおける順問題解析部の出力画面の一例を示す図である。 要求特性設定部の入力画面の一例を示す図である。 逆問題解析部の出力画面の一例を示す図である。 逆問題解析部の出力画面の他の例である出力画面を示す図である。 エキスパート端末、汎用端末のハードウェア構成を示すブロック図である。 エキスパート端末により実施されるモデル学習処理のフローチャートである。 汎用端末の順問題解析部により実施される順問題解析処理のフローチャートである。 汎用端末の逆問題解析部及び設計条件調整部により実施される逆問題解析処理のフローチャートである。
以下、添付図面を参照しながら実施形態について説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
[材料設計システムの全体構成]
図1、図2を参照して実施形態に係る材料設計システム1の構成を説明する。図1は、実施形態に係る材料設計システム1の概略構成を示すブロック図である。材料設計システム1は、複数の組成からなる材料、または、複数の製造条件の組合せにより製造される材料を含む設計対象材料を設計するための装置である。
材料設計システム1は、合成ゴム、合成樹脂、合成エラストマーなどの有機材料、合金、鋼などの金属材料、さらに無機材料や複合材料といった材料全般の設計に適用可能である。要は、材料設計システム1の設計対象材料は、複数の組成からなる材料、または複数の製造条件・処理(温度、圧力、加工、酸化処理、酸処理、配合、混合、撹拌など)の組み合わせにより製造される材料全般を含む。
図1に示すように、材料設計システム1は、単一のエキスパート端末2と、複数(図1では2台)の汎用端末3とを備える。
エキスパート端末2は、モデル学習用インタフェイスI1を利用可能な装置である。モデル学習用インタフェイスI1は、設計対象材料の設計条件と、材料特性値との対応関係を入出力とするモデルの機械学習を行うためのインタフェイスである。モデル学習用インタフェイスI1は、GUI(グラフィカル・ユーザ・インタフェイス)、またはコマンドによるプログラミングを用いるためのAPI(アプリケーション・プログラミング・インタフェイス)である。エキスパート端末2のモデル学習用インタフェイスI1は、データサイエンティストなどの機械学習の熟練者が利用する。
汎用端末3は、特定の前記設計対象材料について、材料設計用インタフェイスI2を利用可能な装置である。材料設計用インタフェイスI2は、エキスパート端末2により作成された特定の設計対象材料のための学習済みモデルを用いて、設計条件から材料特性値を推定する、または、材料特性値から設計条件を推定するためのインタフェイスである。材料設計用インタフェイスI2は、ユーザ操作性の高いGUIである。汎用端末3の材料設計用インタフェイスI2は、材料設計者などの機械学習の非熟練者、すなわち非データサイエンティストが利用する。
汎用端末3は、例えば材料設計システム1が一企業内に設置されている場合、企業内に複数ある設計部門ごとに設置される。このとき、汎用端末3は全ての部門に設置される必要はない。図1の例では、部門Aと部門Bの二つの部門が例示され、部門Aでは設計対象材料として材料A、Bの設計が行われ、部門Bでは設計対象材料として材料B、Cの設計が行われる場合が例示されている。
エキスパート端末2ではモデル学習用インタフェイスI1を利用して学習済みモデルが作成される。エキスパート端末2と汎用端末3とは通信可能に接続されており、エキスパート端末2から学習済みモデルが各汎用端末3に送信される。この例の場合、エキスパート端末2は、設計対象材料の材料A、B、Cにそれぞれ用いる三種類の学習済みモデルを作成し、各部門で扱う材料に応じて学習済みモデルを各部門の汎用端末3に送信する。図1の例では、材料A、Bを扱う部門Aの汎用端末3には、材料A用学習済みモデルと材料B用学習済みモデルが送信され、材料B、Cを扱う部門Bの汎用端末3には、材料B用学習済みモデルと材料C用学習済みモデルが送信されている。
材料設計システム1では、独立して動作可能なモデル学習用インタフェイスI1と材料設計用インタフェイスI2とがネットワーク接続などによって連携することができる。材料設計用インタフェイスI2は、非データサイエンティストである材料開発者が機械学習を実施しなくても材料設計を行うことができるよう構成される。また、材料設計用インタフェイスI2は、材料の種類に依らない汎用性の高いデザインになっており、モデル学習用インタフェイスI1からのファイル転送などによる情報の提供により、あらゆる種類の材料の開発に適用できるよう構成されている。
図1に示すように、材料設計システム1では、モデル学習用インタフェイスI1を利用可能なエキスパート端末2は、材料設計用インタフェイスI2を利用可能な汎用端末3より少数であり、各端末2,3が別装置である。これにより、本実施形態に係る材料設計システム1は、エキスパート端末2で作成された学習済みモデルを多数の汎用端末3で共用することができるので、少数の機械学習の熟練者のノウハウを活用して、高品質な機械学習の学習結果を複数の材料設計部門で利用できる。すなわち広範囲で高品質な機械学習の学習結果を利用できるという効果を奏することができる。
一般に、機械学習と、その基礎となる統計学、計算機科学、情報科学を習得するためには多大な労力、費用、時間を要するため、データ分析の専門家ではない(非データサイエンティストの)材料開発者には高度な機械学習の実施は困難である。また世間でもデータサイエンティストの不足が叫ばれており、材料メーカーの組織内で十分な人員を確保することが困難である。このような問題に対して、本実施形態の材料設計システム1では、上記のとおり、汎用端末3に対して少数のエキスパート端末2を設ける構成とすることによって、少人数のデータサイエンティストを確保するだけで、材料メーカーの組織内、あるいは組織外の多数の材料開発部門に効率的に材料設計を支援するシステムを展開することができる。
なお、本実施形態では、材料設計システム1が一企業内に設置され、汎用端末3が企業内に複数ある設計部門ごとに設置される構成を例示したが、材料設計システム1の設置態様はこれに限られない。例えば複数の企業や組織に横断的に一つの材料設計システム1が設置され、各企業または組織ごとに汎用端末3が設置される構成でもよい。または、材料設計システム1がある一つのグループ内に設置され、汎用端末3がこのグループ内に用途に応じて複数台設置される構成でもよい。
図2は、実施形態に係る材料設計システム1の概略構成の変形例を示すブロック図である。図2に示すように、材料設計システム1は、エキスパート端末2により作成された学習済みモデルを保存する中間装置4を備える構成でもよい。図2の構成では、複数の汎用端末3は、中間装置4に保存される学習済みモデルを利用して、設計条件から材料特性値を、または、材料特性値から設計条件を推定する。
このように中間装置4を備える構成とすることで、各汎用端末3は中間装置4に記憶された学習済みモデルにアクセスして利用することができるので、各汎用端末3が学習済みモデルを利用するために各端末へ学習済みモデルのデータを個別に配布するなどの作業が不要となり、より簡易に学習済みモデルを利用して機械学習を行うことができる。また、各汎用端末3の利用可否の設定を、中間装置4の各学習済みモデルへのアクセス権で行うことができるので、各汎用端末3が利用可能な学習済みモデルの割り当ての管理を容易にできる。
ここで、エキスパート端末2と汎用端末3との間の通信、すなわちモデル学習用インタフェイスI1と材料設計用インタフェイスI2との間の通信は、例えば以下の3つ形態で実現できる。このように様々な通信形態に対応可能とすることで、材料設計システム1の実装のバリエーションを増やすことができ、汎用性を高めることができる。
(形態1:ネットワークシステム)
モデル学習用インタフェイスI1と材料設計用インタフェイスI2との間の通信はネットワーク回線を介して行われる。
モデル学習用インタフェイスI1が搭載されているサーバ(エキスパート端末2)と、材料設計用インタフェイスI2が搭載されているサーバ(汎用端末3)はネットワークによって接続されており、モデル学習用インタフェイスI1のサーバから材料設計用インタフェイスI2のサーバに学習済みモデルや名称ファイル(材料名、材料特性名、設計条件項目名)といった情報を転送することができる。学習済みモデルはpickleファイル、joblibファイル等の形式を取り、名称ファイルはテキストファイル、CSVファイル、JSONファイル、XMLファイル等の形式を取る。
前述した情報の提供の方法はファイル転送に限らず、フラッシュメモリ等の半導体メモリやDVD−ROM等のディスクメディアといった記録媒体に保持された情報を転送する形式でも良い。
モデル学習用インタフェイスI1から材料設計用インタフェイスI2への情報の転送は、図1に示すように、モデル学習用インタフェイスI1のサーバから材料設計用インタフェイスI2のサーバに直接行っても良いし、図2に示すように、モデル学習用インタフェイスI1から中間サーバやディレクトリ(中間装置4)に転送した上で、材料設計用インタフェイスI2から中間装置4へのアクセスを許可する形式で行っても良い。
(形態2:ウェブサービス)
モデル学習用インタフェイスI1と、材料設計用インタフェイスI2とは、クラウドサーバに搭載され、モデル学習用インタフェイスI1と材料設計用インタフェイスI2との間の通信はクラウドサーバ内の通信で行われる。
モデル学習用インタフェイスI1と材料設計用インタフェイスI2は、AWS(登録商標;アマゾン・ウェブ・サービス)やGCP(登録商標;グーグル・クラウド・プラットフォーム)といったクラウドサーバに搭載されている別個のインタフェイスであり、クラウドサーバ内での通信が確保されている。クラウドサーバ内のモデル学習用インタフェイスI1のインスタンスから、材料設計用インタフェイスI2のインスタンスへは、学習済みモデルや名称に関する情報が、ファイル転送、あるいはフラッシュメモリ等の半導体メモリやDVD−ROM等のディスクメディアといった記録媒体に保持された情報の転送といった形式で伝達される。
モデル学習用インタフェイスI1から材料設計用インタフェイスI2への情報の転送は、図1に示すように、モデル学習用インタフェイスI1のインスタンスから材料設計用インタフェイスI2のインスタンスに直接行っても良いし、図2に示すように、モデル学習用インタフェイスI1から中間インスタンスやディレクトリ(中間装置4)に転送した上で、材料設計用インタフェイスI2から中間装置4へのアクセスを許可する形式で行っても良い。
(形態3:ソフトウェア)
モデル学習用インタフェイスI1と、材料設計用インタフェイスI2とは、互いに互換性のある別個のソフトウェアに搭載される。
モデル学習用インタフェイスI1のソフトウェアは学習済みモデルや名称ファイルを外部に出力することができ、材料設計用インタフェイスI2のソフトウェアはその学習済みモデルや名称ファイルを読み込むことができる。
なお、図1、図2の例では、モデル学習用インタフェイスI1を利用可能なエキスパート端末2と、材料設計用インタフェイスI2を利用可能な汎用端末3とが別装置である構成を例示したが、エキスパート端末2と汎用端末3の少なくとも1つとが同一の装置でもよい。単一装置内でもモデル学習用インタフェイスI1に対して、多数の材料設計用インタフェイスI2を利用可能であれば、少数の機械学習の熟練者のノウハウを活用して、高品質な機械学習の学習結果を複数の材料設計部門で利用できる。すなわち広範囲で高品質な機械学習の学習結果を利用できるという効果を得られる。
[エキスパート端末の機能説明]
図3〜図9を参照して、エキスパート端末2の機能構成を説明する。図3は、エキスパート端末2の機能ブロック図である。
図3に示すように、エキスパート端末2は、学習条件設定部41と、モデル学習部42と、モデル送信部(モデル出力部)43とを備える。
学習条件設定部41は、モデルの機械学習の各種条件を設定する。
図4〜図9は、モデル学習用インタフェイスI1における学習条件設定部41の入力画面41A〜41Fの一例を示す図である。
図4に示すように入力画面41Aは、「データ可視化」のタブ付きウィンドウとして表示されている。入力画面41Aには、モデル学習用のデータファイルの内容が様々な態様で表示されている。モデル学習用インタフェイスI1では、CSV形式などのデータファイルの読み込みを行う機能を備え、図4ではファイル選択ボックス40Aにて「Y合金データ.csv」というデータファイルが選択されて読み込まれている。このデータファイルには、Y合金に関するモデル入力(設計条件)とモデル出力(材料特性値)のデータセットの組が大量に記録されている。図4の入力画面41Aでは、読み込んだデータファイルに含まれるデータセットがテーブル表示され、また、データセットに含まれる数値をヒストグラムや散布図などで図示されている。
図5に示すように、入力画面41Bは、「データ分割」のタブ付きウィンドウとして表示されている。入力画面41Bでは、読み込んだデータファイルに含まれるデータセットを、訓練データと試験データにどのように分割するかの各種条件(試験データの割合、乱数シードなど)の数値を入力可能となっている。
図6に示すように、入力画面41Cは、「前処理」のタブ付きウィンドウとして表示されている。入力画面41Cでは、データセットに含まれる変数を、関数などを用いて変換したり正規化したりする設定や、データセットに含まれる変数の次元を、例えば主成分分析(PCA(principal component analysis))を用いて圧縮するための設定、データセットに含まれる変数をモデルの目的変数、説明変数に割り当てる設定などを入力可能となっている。
なお図6の画面例では、変数変換の項目欄に「+」ボタン41C1が表示されているが、例えばこの「+」ボタン41C1を押下することで、手法などの記入欄を追加することができる。
図7に示すように、入力画面41Dは、「機械学習」のタブ付きウィンドウとして表示されている。入力画面41Dでは、機械学習手法の選択や、ハイパーパラメータチューニングの設定などを入力可能となっている。なお、図7の画面例では、ハイパーチューニングパラメータの範囲として「(100、1000、100)」が記入されているが、これらの数値は、ハイパーチューニングパラメータの範囲の(最小、最大、刻み幅)を示す。
図8に示すように、入力画面41Eは、「精度検証」のタブ付きウィンドウとして表示されている。入力画面41Eでは、学習済みモデルの予測精度を交差検証により評価する機能の設定や、学習済みモデルの予測精度を、試験データを用いて評価する機能の設定や、学習済みモデルによる予測結果を図示する機能の設定を入力可能となっている。
図9に示すように、入力画面41Fは、「名称作成」のタブ付きウィンドウとして表示されている。入力画面41Fでは、モデルの名称及び材料名を指定した上で、学習済みモデルを外部に出力する。また、入力画面41Fでは、材料名、材料特性名、設計条件項目名を入力することができ、それらをテキストファイル、CSVファイル、JSONファイル、XMLファイル等の形式で外部に出力する設定を入力可能となっている。材料特性名、設計条件項目名の各名称は手動で入力することもできるし、読み込んだデータファイルに記載された名称を機械的に反映させても良い。材料特性名ファイル、設計条件項目名ファイルは材料名に紐づいている。材料特性名ファイルと設計条件項目名ファイルは材料特性名と設計条件項目名の各名称のみ入力されていても良いし、それぞれの取り得る値の範囲の既定値が入力されていても良い。
なお、入力画面41A〜41Fは、図4〜図9に示すようにタブによって切り替えても良いし、入力画面41A〜41Fに備わる機能にそれぞれ対応するアイコンと、アイコン間をつなげる矢印を用いて解析フローが構成され、解析フローに沿って学習条件の設定がされても良い。
図3に戻り、モデル学習部42は、学習条件設定部41により設定された各種条件に基づきモデルの機械学習を行う。モデル学習用インタフェイスI1の「解析実行」ボタン40Bを押下することで、図4〜図8で設定された学習条件下でモデルの機械学習が実施される。図1〜図3の例では、設計対象材料の材料A、B、Cにそれぞれ割り当てられる「材料A用モデル」、「材料B用モデル」、「材料C用モデル」について機械学習を行って、材料A、B、Cの設計に用いる学習済みモデルを個別に作成する。
なお、モデル学習部42では、回帰、およびクラス分類といった機械学習を行うことができ、手法としては線形、一般化線形(ラッソ、リッジ、エラスティックネット、ロジスティック)、カーネルリッジ、ベイズリッジ、ガウス過程、k近傍法、決定木、ランダムフォレスト、アダブースト、バギング、勾配ブースティング、サポートベクターマシン、ニューラルネットワーク、ディープラーニングなどを用いることができる。
モデル送信部43は、学習済みモデルを出力する。モデルの名称及び材料名を指定した上で、モデル学習用インタフェイスI1の「モデル出力」ボタン40Cを押下することで、学習済みモデルが外部に出力される。また、「名称出力」ボタン40Dを押下することで、図9で設定された各種名称(材料名、材料特性名、設計条件項目名)を含む名称ファイルが外部に出力される。
このように、エキスパート端末2は、モデルの機械学習の各種条件を設定する学習条件設定部41と、各種条件に基づきモデルの機械学習を行うモデル学習部42と、学習済みモデル13を出力するモデル送信部43と、を備える。これにより、モデルの機械学習の各種条件を詳細に調整することが可能となるので、様々な用途に適した機械学習を行うことができる。また、エキスパート端末2は、データサイエンティストなどの機械学習の熟練者が利用すれば、熟練者の知見に基づきより適切な条件設定が期待できるので特に有効である。
[汎用端末の機能説明]
図10〜図15を参照して、汎用端末3の機能構成を説明する。図10は、汎用端末3の機能ブロック図である。
図4に示すように、汎用端末3は、順問題解析部10と、逆問題解析部20と、入出力部30と、を備える。順問題解析部10は、学習済みモデル13を用いて、材料設計者の所望の設計条件を満たす材料特性を出力する。逆問題解析部20は、順問題解析部10の出力結果に基づき作成される設計条件−材料特性テーブル14を用いて、材料設計者の所望の要求特性を満たす設計条件を出力する。入出力部30は、順問題解析部10及び逆問題解析部20の出力結果を表示して材料設計者に提示したり、材料設計者による出力結果の調整操作を受け付ける。
順問題解析部10は、設計条件設定部11と、網羅予測点生成部12と、学習済みモデル13と、設計条件−材料特性テーブル14と、を有する。
設計条件設定部11は、設計対象材料の設計条件の指定範囲を設定する。設計条件設定部11は、例えば材料設計用インタフェイスI2上に設計条件の入力画面を表示して材料設計者に設計対象材料の種類と設計条件の指定範囲の入力を促すことによって、設計対象材料の設計条件の指定範囲を設定できる。
図11は、材料設計用インタフェイスI2における設計条件設定部11の入力画面11Aの一例を示す図である。材料設計用インタフェイスI2では、この入力画面11Aは、「設計条件」のタブ付きウィンドウとして表示されている。材料設計用インタフェイスI2では、設計対象の材料名を選択するためのプルダウンリスト10Aが表示され、図11では設計対象材料として「Y合金」が選択されている。この場合、例えば設計条件設定部11は、図9を参照して説明した名称ファイルを読み込んで、選択可能な材料名のプルダウンリスト10Aを作成することができる。また、設計条件設定部11は、選択された材料名に紐づけられた学習済みモデルを読み込む。
設計条件は、原料の組成に関する項目(図11では「原料A」、「原料B」)や、製造条件に関する項目(図11では「処理温度」)を含む。入力画面11Aでは、プルダウンメニューで条件パターンを選択可能となっている。この場合、例えば、設計条件設定部11は、図9を参照して説明した名称ファイルを読み込んで、選択可能な条件パターンのプルダウンメニューを作成する。条件パターンとして選択可能な項目は、材料名に紐づけられて決まっている。
原料の組成の項目としては、例えば設計対象材料がアルミニウム(Al)合金の場合、Si、Fe、Cu、Mn、Mg、Cr、Ni、Zn、Ti、Na、V、Pb、Sn、B、Bi、Zr、Oなどの元素種を添加物として質量百分率(質量%)で含む。なお、Alの質量百分率は、100%−(上記元素の質量百分率の和)によって表される。
製造条件の項目としては、例えば設計対象材料がアルミニウム合金の場合、熱処理に関する項目は、焼きなまし、溶体化処理、人工時効硬化処理、自然時効処理、熱間加工処理、冷間加工処理、安定化処理などの各処理の温度(℃)及び実施時間(h)を含み、加工条件に関する項目は、加工率、押比、減面率、製品形状などを含む。
入力画面11Aにおいて条件パターンを選択して、設計条件を設定後、材料設計用インタフェイスI2の「解析実行」ボタン10Bを押下することで、順問題解析部10の処理が開始される。
網羅予測点生成部12は、設計条件設定部11により設定された設計条件の指定範囲内で複数の網羅予測点を生成する。例えば、組成項目のSiの質量百分率と、製造条件項目の焼きなましの実施時間の範囲が指定された場合には、まずSi質量百分率の指定範囲、及び、焼きなまし実施時間の指定範囲内でそれぞれランダムまたは所定の刻み幅で複数の数値が算出され、各項目の複数の数値同士の全ての組合せが作成される。これらの組合せが網羅予測点として出力される。
学習済みモデル13は、設計対象材料の設計条件を含む入力情報と、材料特性値を含む出力情報との対応関係を、機械学習により既に取得して定式化したものである。学習済みモデル13は、図11の例では、設計対象材料が「Y合金」の場合に用いる学習済みモデルがエキスパート端末2によって作成され、汎用端末3が利用可能となっている。
材料特性の項目としては、引張強度、0.2%耐力、伸び、線膨張係数、ヤング率、ポワソン比、疲労特性、硬さ、クリープ強度やクリープ歪みを含むクリープ特性、せん断強度、比熱、熱伝導率、電気抵抗率、密度、固相線、液相線などを含む。
図12は、材料設計用インタフェイスI2における順問題解析部10の出力画面31Aの一例を示す図である。材料設計用インタフェイスI2では、この出力画面31Aは、「結果(材料特性)」のタブ付きウィンドウとして表示されている。出力画面31Aは、例えば情報表示部31を介して材料設計用インタフェイスI2上に表示される。図12では、学習済みモデル13の出力(材料特性)は、説明の簡略化のため「引張強度」、「線膨張係数」及び「ヤング率」の3つのみに限定されているがこの限りではない。図12の例では、各材料特性の値の範囲が箱ひげ図によって表示されている。
設計条件−材料特性テーブル14は、網羅予測点生成部12により生成された網羅予測点を学習済みモデル13に入力して算出した材料特性値を、網羅予測点の各点と紐づけたデータセットを記憶する。順問題解析部10は、学習済みモデル13により網羅予測点の演算を行うと、出力を網羅予測点(入力)と紐づけて設計条件−材料特性テーブル14に記憶させる。設計条件−材料特性テーブル14では、学習済みモデルの入力(製造条件、材料組成)と出力(材料特性)とが1つのデータセットとして纏められて、設計条件−材料特性テーブル14の同一行に記録される。設計条件−材料特性テーブル14の各行は個々のデータセットであり、各列は学習済みモデル13の入力及び出力の各項目の数値が記録される。設計条件−材料特性テーブル14は、図11の入力画面11Aで選択された材料名と紐づけられて記憶される。
このように、順問題解析部10は、材料設計者が多次元の設計条件の範囲を指定する操作を行うだけで、多次元の設計条件の範囲内をすべて網羅する設計条件と材料特性とのデータセット群を自動生成できるよう構成される。
逆問題解析部20は、要求特性設定部21と、設計条件抽出部22と、を有する。また、上述の設計条件−材料特性テーブル14も逆問題解析部20に含まれる。
要求特性設定部21は、設計対象材料の要求特性の指定範囲を設定する。要求特性設定部21は、例えば材料設計用インタフェイスI2上に要求特性の入力画面を表示して材料設計者に指定範囲の入力を促すことによって、要求特性の指定範囲を設定できる。
図13は、要求特性設定部21の入力画面21Aの一例を示す図である。材料設計用インタフェイスI2では、この入力画面21Aは、「要求特性」のタブ付きウィンドウとして表示されている。材料設計用インタフェイスI2では、設計対象の材料名を選択するためのプルダウンリスト10Aが表示され、図13では設計対象材料として「Y合金」が選択されている。この場合、例えば要求特性設定部21は、図9を参照して説明した名称ファイルを読み込んで、選択可能な材料名のプルダウンリスト10Aを作成することができる。また、要求特性設定部21は、選択された材料名に紐づけられた設計条件−材料特性テーブル14を読み込む。
要求特性の項目は、上述した材料特性の項目と同一である。入力画面21Aでは、プルダウンメニューで特性名を選択可能となっている。この場合、例えば、設計条件設定部11は、図9を参照して説明した名称ファイルを読み込んで、選択可能な特性名のプルダウンメニューを作成する。特性名として選択可能な項目は、材料名に紐づけられて決まっている。図13の例では、要求特性として「引張強度」、「線膨張係数」及び「ヤング率」が選択されている。また、入力画面21Aでは、各特性の最大値と最小値とを入力可能となっている。
入力画面21Aにおいて特性名を選択して要求特性を設定後、材料設計用インタフェイスI2の「解析実行」ボタン10Bを押下することで、逆問題解析部20の処理が開始される。
設計条件抽出部22は、要求特性設定部21により設定された要求特性を満たすデータセットを設計条件−材料特性テーブル14から抽出する。
図14は、逆問題解析部20の出力画面31Bの一例を示す図である。材料設計用インタフェイスI2では、この出力画面31Bは、「結果(設計条件)」のタブ付きウィンドウとして表示されている。出力画面31Bは、例えば情報表示部31を介して材料設計用インタフェイスI2上に表示される。図14に示す出力画面31Bでは、図13で設定された要求特性をすべて満たす組成(原料A、原料B)及び製造条件(処理温度)の値の範囲が箱ひげ図によって表示されている。このとき、前述した「結果(材料特性)」のタブ付きウィンドウに切り替えると、各材料特性の値の範囲が、図14で示す設計条件に対応する各材料特性の値の範囲に更新して表示される。
図15は、逆問題解析部20の出力画面の他の例である出力画面31Cを示す図である。材料設計用インタフェイスI2では、この出力画面31Cは、「結果(テーブル)」のタブ付きウィンドウとして表示されている。出力画面31Cは、例えば情報表示部31を介して材料設計用インタフェイスI2上に表示される。図15に示す出力画面31Cでは、図13で設定された要求特性(引張強度、線膨張係数、ヤング率)と、図14に示すこの要求特性をすべて満たす設計条件(原料A、原料B、処理温度)の各値が纏められたテーブルが表示されている。また、このテーブルは、スクロールバーにより表の表示部分の移動が可能な態様としてもよい。
また、出力画面31Cにおいて、材料設計用インタフェイスI2の「結果出力」ボタン10Cを押下することで、図15に示すテーブルをCSVファイルなどの形式で外部に出力することができる。
このように、逆問題解析部20は、材料設計者が多次元の要求特性の範囲を指定する操作を行うだけで、多次元の要求特性を同時に満たす設計条件(材料組成または製造条件)を抽出できるよう構成される。また、逆問題解析にシミュレーションや学習モデルを用いず、順問題解析部10が作成した設計条件−材料特性テーブル14を流用するので、計算コストも格段に低減できる。
入出力部30は、情報表示部31を有する。
情報表示部31は、順問題解析部10や逆問題解析部20の出力を表示する。例えば図14、図15に示すように、設計条件抽出部22により抽出されたデータセットに関する要求特性及び設計条件の範囲を表示する。
入出力部30は、さらに、設計条件調整部32を有してもよい。
設計条件調整部32は、設計条件抽出部22により抽出されたデータセットの設計条件の範囲を調整する。設計条件調整部32は、例えば材料設計用インタフェイスI2上に表示される出力画面31Bの組成範囲を変更する材料設計者の操作入力によって、設計条件の範囲を調整できる。
また、設計条件抽出部22は、要求特性に応じて抽出したデータセット群から、上記の設計条件調整部32により調整された設計条件を満たすデータセット群にさらに絞り込むこともできる。
逆問題解析部20は要求特性を満たす設計条件を出力するが、これらの設計条件はあくまで設計条件−材料特性テーブル14の網羅予測点の中から自動的に抽出したもので、実際の製造の難易度などの製造上の制約は考慮されていない。例えば、ハンドリングが難しくて実際に作るのが難しい、作るのに長時間がかかる、処理に手間がかかる、鋳造するときに巣が入る組成、成形できない、コスト度外視なら製造可能だが通常の工場設備では作れない、など様々な製造上の制約が考えられる。入出力部30が設計条件調整部32を有する場合、逆問題解析部20の出力結果を、設計条件調整部32を用いて材料設計者により調整可能とすることによって、要求特性を満たす製造条件を、材料設計者の経験則に基づき製造上の制約を考慮して絞り込むことができる。つまり、機械学習による予測と材料設計者の経験が協働した材料設計が可能になる。
このように汎用端末3では、順問題解析の実施中に、逆問題解析で利用するデータセット群を作成して設計条件−材料特性テーブル14に記憶する。そして、逆問題解析の実施時には、設計条件−材料特性テーブル14を参照して、要求特性を満たすデータセットを抽出する。つまり逆問題解析では、何らシミュレーションやモデル演算などの数値計算を行わずに、設計条件−材料特性テーブル14を検索する作業のみを行うので、計算コストを大幅に低減でき、所望の材料特性を満たす設計条件の最適解を短時間で導出できる。
また、従来のシミュレーションによる逆問題解析や、逆問題解析に機械学習系を適用したものは、要求特性が複数ある場合には、各特性ごとに順番に調整を行いながら徐々に最適解に到達するよう演算が行われるのであって、複数種の特性を同時に満たすように候補材料の探索を纏めて実施するものではない。複数の材料特性は互いにトレードオフの関係となる場合が多く、最適解の到達まで試行錯誤が繰り返されるので、所望の材料特性を満たす設計条件の最適解を求めるまでの時間が長い。これに対して本実施形態では、学習済みモデル13の出力(材料特性)を複数個に設定して、設計条件−材料特性テーブル14に複数の材料特性の項目を作成しておけば、逆問題解析において、複数種の材料特性を同時に満たすように候補材料の探索を纏めて実施することができる。これにより、要求特性を複数種設定する場合でも、最適解の導出までの所要時間を従来手法より大幅に低減できる。
また、設計条件−材料特性テーブル14に記憶されているデータセット群は、順問題解析において自動生成される大量の網羅予測点から導出された情報なので、設計条件や材料特性の各項目の刻み幅が充分に小さく、分解能が高い。このため、逆問題解析においても要求特性を満たす設計条件の予測を高精度に行うことができる。
また、汎用端末3は、設計条件抽出部22により抽出されたデータセットの設計条件の範囲を調整する設計条件調整部32を備えることが好ましい。汎用端末3が設計条件調整部32を有する場合、設計条件抽出部22は、抽出したデータセットから、設計条件調整部32により調整された設計条件を満たすデータセットをさらに絞り込む。
この場合、要求特性に応じて設計条件抽出部22が設計条件−材料特性テーブル14が機械的に抽出した設計条件に、材料設計者の経験に基づく製造上の制約等を加味して絞り込みを行うことができる。これにより、機械学習による予測と材料設計者の経験が協働した材料設計が可能となり、より製造しやすい設計条件の抽出が可能となる。
また汎用端末3は、設計条件抽出部22により抽出されたデータセットに関する要求特性及び設計条件の範囲を表示する情報表示部31を備える。さらに、汎用端末3が設計条件調整部32を有する場合、設計条件調整部32は、情報表示部31に表示されている設計条件の範囲を変更するユーザ操作に応じて設計条件の範囲を調整する。
汎用端末3が設計条件調整部32を有する場合、材料設計者による設計条件の範囲の調整操作を入出力部30上でより直観的に行うことができ、調整操作の負荷を減らして簡易にできる。また、調整操作による結果を即座に反映できるので、材料設計者によるインタラクティブな調整操作が可能となり、設計条件の範囲の調整をより効率良く行うことができる。
また、汎用端末3で利用可能な材料設計用インタフェイスI2は、図11〜図15を参照して説明したように、設計対象の材料名を選択するためのプルダウンリスト10Aで設計対象材料を選択することによって、選択した材料の設計が可能となるので、材料ごとに個別のインタフェイスを用意する必要がなく、複数の材料の設計作業においてインタフェイスを共通化でき、汎用性を向上できる。一般に、材料メーカーにおいては多数の部署で多品種の材料を開発しているため、組織全体に展開可能な汎用性の高いインタフェイスを用意することは非常に有用である。
[各端末のハードウェア構成]
図16は、エキスパート端末2、汎用端末3のハードウェア構成を示すブロック図である。図16に示すように、エキスパート端末2、汎用端末3は、物理的には、CPU(Central Processing Unit)101、主記憶装置であるRAM(Random Access Memory)102およびROM(Read Only Memory)103、入力デバイスであるキーボード及びマウス等の入力装置104、ディスプレイ等の出力装置105、ネットワークカード等のデータ送受信デバイスである通信モジュール106、ハードディスク等の補助記憶装置107、などを含むコンピュータシステムとして構成することができる。
図3に示すエキスパート端末2の各機能、及び図10に示す汎用端末3の各機能は、CPU101、RAM102等のハードウェア上に所定のコンピュータソフトウェア(材料設計プログラム)を読み込ませることにより、CPU101の制御のもとで通信モジュール106、入力装置104、出力装置105を動作させるとともに、RAM102や補助記憶装置107におけるデータの読み出し及び書き込みを行うことで実現される。すなわち、本実施形態の材料設計プログラムをコンピュータ上で実行させることで、材料設計システム1は、図3の学習条件設定部41と、モデル学習部42と、モデル送信部43、図10の設計条件設定部11と、網羅予測点生成部12と、学習済みモデル13と、要求特性設定部21と、設計条件抽出部22と、情報表示部31と、設計条件調整部32として、それぞれ機能する。また、設計対象材料の設計条件と、材料特性値との対応関係を入出力とするモデルの機械学習を行う学習機能と、特定の設計対象材料について、学習機能により作成された特定の設計対象材料のための学習済みモデル13を用いて、設計条件から材料特性値を推定する、または、材料特性値から設計条件を推定する推定機能も実現できる。また、網羅予測点生成機能により生成された網羅予測点を学習済みモデル13に入力して算出した材料特性値を、網羅予測点の各点と紐づけたデータセットを設計条件−材料特性テーブル14に記憶するデータセット作成機能も実現できる。なお、図10に示す設計条件−材料特性テーブル14は、コンピュータが備える記憶装置(RAM102、ROM103、補助記憶装置107など)の一部により実現できる。また、図1、図2などに示すモデル学習用インタフェイスI1、材料設計用インタフェイスI2や、図10に示す入出力部30は、コンピュータが備える出力装置105や入力装置104で実現できる。
本実施形態の材料設計プログラムは、例えばコンピュータが備える記憶装置内に格納される。なお、材料設計プログラムは、その一部又は全部が、通信回線等の伝送媒体を介して伝送され、コンピュータが備える通信モジュール等により受信されて記録(インストールを含む)される構成としてもよい。また、材料設計プログラムは、その一部又は全部が、CD−ROM、DVD−ROM、フラッシュメモリなどの持ち運び可能な記憶媒体に格納された状態から、コンピュータ内に記録(インストールを含む)される構成としてもよい。
[材料設計方法]
図17〜図19を参照して、本実施形態に係る材料設計システム1による材料設計方法を説明する。
まず図17を参照してエキスパート端末2により実施されるモデル学習処理について説明する。図17は、エキスパート端末2により実施されるモデル学習処理のフローチャートである。
ステップS101では、学習条件設定部41により、モデル学習用のデータファイルの読み込みが行われる。例えば図4の入力画面41Aに示したように、モデル学習用インタフェイスI1のファイル選択ボックス40Aを用いた操作者の選択操作に応じて、データファイルが選択されて読み込まれる。
ステップS102では、学習条件設定部41により、読み込んだデータの可視化が行われる。例えば図4の入力画面41Aに示したように、読み込んだデータファイルに含まれるデータセットがテーブル表示され、また、データセットに含まれる数値がヒストグラムや散布図などで図示される。
ステップS103では、学習条件設定部41により、読み込んだデータファイルに含まれるデータセットが、訓練データと試験データとに分割される。例えば図5の入力画面41Bに示したように、操作者により設定された各種条件に基づきデータが分割される。
ステップS104では、モデル学習部42により、モデル学習用のデータセットの前処理が行われる。例えば図6の入力画面41Cに示したように、操作者により設定された前処理に関する各種条件に基づき、変数変換、正規化などの前処理が行われる。
ステップS105では、モデル学習部42により、モデルの機械学習が実行される。例えば図7の入力画面41Dに示したように、操作者により設定された機械学習に関する各種条件に基づき、モデルの機械学習が行われる。
ステップS106では、モデル学習部42により、予測精度の検証が行われる。例えば図8の入力画面41Eに示したように、操作者により設定された精度検証の各種条件に基づき検証処理が行われる。
ステップS107では、モデル学習部42により、予測精度が十分か否かが判定される。例えば図8の入力画面41Eに示したように、操作者により設定された検証結果の条件を満たす場合に、予測精度が十分であると判定できる。予測精度が不十分の場合(ステップS107のNo)ステップS104に戻りモデルの機械学習が繰り返される。予測精度が十分の場合(ステップS107のYes)ステップS108に進む。
ステップS108では、モデル送信部43により、学習済みモデルがファイル出力される。また、モデル送信部43は、学習済みモデル、及び、図9で設定された各種名称(材料名、材料特性名、設計条件項目名)を含む名称ファイルを出力する。ステップS108の処理が完了すると本制御フローが終了する。
図17に示すフローチャートのエキスパート端末2による一連の処理が、本実施形態に係る材料設計方法における「設計対象材料の設計条件と、材料特性値との対応関係を入出力とするモデルの機械学習を行う学習ステップ」に相当する。
次に図18、図19を参照して汎用端末3により実施される材料設計処理について説明する。図18は、汎用端末3の順問題解析部10により実施される順問題解析処理のフローチャートである。
なお、図10の順問題解析処理を行う前に、設計対象材料の設計条件を含む入力情報と材料特性値を含む出力情報との対応関係を機械学習により取得した学習済みモデル13を汎用端末3の材料設計用インタフェイスI2が利用可能となっている。
ステップS201では、設計条件設定部11により、設計対象材料の材料名が選択される。例えば図11の入力画面11Aに示したように、材料設計用インタフェイスI2のプルダウンリスト10Aを介した操作者の選択操作に応じて材料名が選択される。
ステップS202では、設計条件設定部11により、ステップS201にて選択された材料名に紐づけられた学習済みモデルが呼び出されて読み込まれる。
ステップS203では、設計条件設定部11により、設計対象材料の設計条件の指定範囲が設定される(設計条件設定ステップ)。設計条件設定部11は、例えば図11に示した入力画面11Aを材料設計用インタフェイスI2上に表示して、材料設計者に指定範囲を入力させる。
ステップS204では、網羅予測点生成部12により、ステップS203にて設定された設計条件の指定範囲内で複数の網羅予測点が生成される(網羅予測点生成ステップ)。
ステップS205〜S208では、順問題解析部10により、ステップS204にて生成された網羅予測点を学習済みモデル13に入力して算出した材料特性値を、網羅予測点の各点と紐づけたデータセットを設計条件−材料特性テーブル14に記憶される(データセット作成ステップ)。
まずステップS205では1つの網羅予測点が選択され、ステップS206では、ステップS205にて選択した網羅予測点を学習済みモデル13に入力して材料特性値が算出される。そしてステップS207では、ステップS205にて選択した、学習済みモデル13の入力の網羅予測点と、出力の材料特性値とを紐づけて設計条件−材料特性テーブル14に記憶される。ステップS205〜S207の処理により、1つのデータセットが生成される。
ステップS208では、未選択の網羅予測点があるか否かが判定される。未選択の網羅予測点がある場合には(ステップS208のYES)、ステップS205に戻りデータセットの生成が繰り返される。網羅予測点がすべて選択済みの場合には(ステップS208のNO)、データセットの生成を終了してステップS209に進む。
ステップS209では、情報表示部31により、ステップS206にて算出された各網羅予測点の材料特性が材料設計用インタフェイスI2上に表示される。情報表示部31は、例えば図12に例示した出力画面31Aを材料設計用インタフェイスI2上に表示する。
ステップS210では、順問題解析部10により、網羅予測点生成部12により生成された網羅予測点を学習済みモデル13に入力して算出した材料特性値を、網羅予測点の各点と紐づけたデータセットを作成し、これらのデータセットを設計条件−材料特性テーブル14に記憶させる。設計条件−材料特性テーブル14は、図11の入力画面11Aで選択された材料名と紐づけられて記憶される。ステップS210の処理が完了すると本制御フローの順問題解析処理を終了する。
図19は、汎用端末3の逆問題解析部20及び設計条件調整部32により実施される逆問題解析処理のフローチャートである。
ステップS301では、要求特性設定部21により、設計対象材料の材料名が選択される。例えば図13の入力画面21Aに示したように、材料設計用インタフェイスI2のプルダウンリスト10Aを介した操作者の選択操作に応じて材料名が選択される。
ステップS302では、要求特性設定部21により、ステップS301にて選択された材料名に紐づけられた設計条件−材料特性テーブル14が呼び出されて読み込まれる。
ステップS303では、要求特性設定部21により、設計対象材料の要求特性の指定範囲が設定される(要求特性設定ステップ)。要求特性設定部21は、例えば図13に示した入力画面21Aを材料設計用インタフェイスI2上に表示して、材料設計者に指定範囲を入力させる。
ステップS304では、設計条件抽出部22により、ステップS303にて設定された要求特性を満たすデータセットが、設計条件−材料特性テーブル14から抽出される(設計条件抽出ステップ)。
ステップS305では、情報表示部31により、ステップ304にて抽出されたデータセットを用いて、ステップS303にて指定された要求特性を満たす材料組成の範囲と要求特性とが材料設計用インタフェイスI2上に表示される。情報表示部31は、例えば図14に例示した出力画面31Bを材料設計用インタフェイスI2上に表示する。
ステップS306では、設計条件調整部32により、要求特性を満たす材料組成の範囲を示す出力画面31Bにおいて、材料設計者による組成調整の操作の有無が判定される。材料設計者は出力画面31Bの材料組成の箱ひげ図の最大値や最小値の位置を変更する操作を行うことができる(設計条件調整ステップ)。この操作が有った場合には(ステップS306のYes)、設計条件調整部32によって調整後の組成範囲の情報が設計条件抽出部22に出力され、ステップS307に進む。操作が無かった場合には(ステップS306のNo)本制御フローの逆問題解析処理を終了する。
ステップS307では、ステップS306にて組成調整の操作が検出されたので、設計条件抽出部22により、ステップS304にて抽出したデータセット群の中から、組成範囲調整後の材料組成を満たすデータが絞り込まれる(絞り込みステップ)。
ステップS308では、情報表示部31により、ステップ307にて絞り込まれたデータセットを用いて、ステップS305にて表示された要求特性の出力画面31Bが更新される。ステップS308の処理が完了すると逆問題解析処理を終了する。
図18、図19に示すフローチャートの汎用端末3による一連の処理が、本実施形態に係る材料設計方法における「特定の前記設計対象材料について、学習ステップにて作成された特定の設計対象材料のための学習済みモデル13を用いて、設計条件から材料特性値を推定する、または、材料特性値から設計条件を推定する推定ステップ」に相当する。
以上、具体例を参照しつつ本実施形態について説明した。しかし、本開示はこれらの具体例に限定されるものではない。これら具体例に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本開示の特徴を備えている限り、本開示の範囲に包含される。前述した各具体例が備える各要素およびその配置、条件、形状などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。前述した各具体例が備える各要素は、技術的な矛盾が生じない限り、適宜組み合わせを変えることができる。
上記実施形態では、汎用端末3が順問題解析部10と逆問題解析部20とを有する構成を例示したが、汎用端末3は順問題または逆問題の一方のみを解析する構成でもよい。なお、汎用端末3が逆問題解析のみを行う構成の場合には、モデルの入力と出力の関係が上記実施形態とは入れ替わって、モデル入力が材料特性で、モデル出力が設計条件となって、この入出力関係の学習済みモデルを用いて逆問題の解析が行われる。要は、汎用端末3は、エキスパート端末2により作成された学習済みモデル13を利用して処理を行う構成であれば良い。
本国際出願は2019年7月23日に出願された日本国特許出願2019−135216号に基づく優先権を主張するものであり、2019−135216号の全内容をここに本国際出願に援用する。
1 材料設計システム
2 エキスパート端末
3 汎用端末
4 中間装置
11 設計条件設定部
12 網羅予測点生成部
13 学習済みモデル
14 設計条件−材料特性テーブル
21 要求特性設定部
22 設計条件抽出部
31 情報表示部
32 設計条件調整部
41 学習条件設定部
42 モデル学習部
43 モデル送信部
I1 モデル学習用インタフェイス
I2 材料設計用インタフェイス

Claims (10)

  1. 複数の組成からなる材料、または、複数の製造条件の組合せにより製造される材料を含む設計対象材料を設計するための材料設計システムであって、
    前記設計対象材料の設計条件と、材料特性値との対応関係を入出力とするモデルの機械学習を行うためのモデル学習用インタフェイスを利用可能なエキスパート端末と、
    特定の前記設計対象材料について、前記エキスパート端末により作成された前記特定の設計対象材料のための学習済みモデルを用いて、前記設計条件から前記材料特性値を、または、前記材料特性値から前記設計条件を推定するための材料設計用インタフェイスを利用可能な複数の汎用端末と、
    を備える材料設計システム。
  2. 前記エキスパート端末により作成された前記学習済みモデルを保存する中間装置を備え、
    前記複数の汎用端末は、前記中間装置に保存される前記学習済みモデルを利用して、前記設計条件から前記材料特性値を、または、前記材料特性値から前記設計条件を推定する、
    請求項1に記載の材料設計システム。
  3. 前記モデル学習用インタフェイスと前記材料設計用インタフェイスとの間の通信はネットワーク回線を介して行われる、
    請求項1または2に記載の材料設計システム。
  4. 前記モデル学習用インタフェイスと、前記材料設計用インタフェイスとは、クラウドサーバに搭載され、前記モデル学習用インタフェイスと前記材料設計用インタフェイスとの間の通信は前記クラウドサーバ内の通信で行われる、
    請求項1または2に記載の材料設計システム。
  5. 前記モデル学習用インタフェイスと、前記材料設計用インタフェイスとは、互いに互換性のある別個のソフトウェアに搭載される、
    請求項1または2に記載の材料設計システム。
  6. 前記エキスパート端末は、
    前記モデルの機械学習の各種条件を設定する学習条件設定部と、
    前記各種条件に基づき前記モデルの機械学習を行うモデル学習部と、
    前記学習済みモデルを出力するモデル出力部と、
    を備える、
    請求項1〜5のいずれか1項に記載の材料設計システム。
  7. 前記汎用端末は、
    前記設計対象材料の設計条件の指定範囲を設定する設計条件設定部と、
    前記設計条件設定部により設定された指定範囲内で複数の網羅予測点を生成する網羅予測点生成部と、
    前記網羅予測点生成部により生成された網羅予測点を前記学習済みモデルに入力して算出した材料特性値を、前記網羅予測点の各点と紐づけたデータセットを記憶する設計条件−材料特性テーブルと、
    前記設計対象材料の要求特性の指定範囲を設定する要求特性設定部と、
    前記要求特性設定部により設定された要求特性を満たすデータセットを前記設計条件−材料特性テーブルから抽出する設計条件抽出部と、
    を備える、
    請求項1〜6のいずれか1項に記載の材料設計システム。
  8. 前記汎用端末は、
    前記設計条件抽出部により抽出されたデータセットの設計条件の範囲を調整する設計条件調整部を備え、
    前記設計条件抽出部は、前記抽出したデータセットから、前記設計条件調整部により調整された設計条件を満たすデータセットをさらに絞り込む、
    請求項7に記載の材料設計システム。
  9. 複数の組成からなる材料、または、複数の製造条件の組合せにより製造される材料を含む設計対象材料を設計するための材料設計方法であって、
    前記設計対象材料の設計条件と、材料特性値との対応関係を入出力とするモデルの機械学習を行う学習ステップと、
    特定の前記設計対象材料について、前記学習ステップにて作成された前記特定の設計対象材料のための学習済みモデルを用いて、前記設計条件から前記材料特性値を、または、前記材料特性値から前記設計条件を推定する推定ステップと、
    を含む材料設計方法。
  10. 複数の組成からなる材料、または、複数の製造条件の組合せにより製造される材料を含む設計対象材料を設計するための材料設計プログラムであって、
    前記設計対象材料の設計条件と、材料特性値との対応関係を入出力とするモデルの機械学習を行う学習機能と、
    特定の前記設計対象材料について、前記学習機能により作成された前記特定の設計対象材料のための学習済みモデルを用いて、前記設計条件から前記材料特性値を、または、前記材料特性値から前記設計条件を推定する推定機能と、
    をコンピュータに実現させるための材料設計プログラム。
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