JPH1153425A - 合成ルート設計システム及び合成ルート設計プログラムを記録した機械読み取り可能な記録媒体 - Google Patents

合成ルート設計システム及び合成ルート設計プログラムを記録した機械読み取り可能な記録媒体

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JPH1153425A
JPH1153425A JP9223150A JP22315097A JPH1153425A JP H1153425 A JPH1153425 A JP H1153425A JP 9223150 A JP9223150 A JP 9223150A JP 22315097 A JP22315097 A JP 22315097A JP H1153425 A JPH1153425 A JP H1153425A
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reaction
target molecule
route
index
synthesis
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JP9223150A
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Inventor
Kazumi Yuki
一美 幸
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Sumitomo Chemical Co Ltd
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Sumitomo Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 予測された数多くの合成ルートの中で、経済
的かつ工業的に実現可能な合成ルートがどれであるかを
利用者が容易に判断できるようにする。 【解決手段】 入力条件設定モジュール11は、利用者か
ら標的分子の指定を入力し、実行条件と共に入力条件フ
ァイル21に格納する。合成ルート設計モジュール12は反
応知識ベース5に蓄積された反応ルールを適用して、市
場より購入可能な原料から標的分子を合成するルートを
予測し、合成樹ファイル22に格納する。合成ルート創出
モジュール13は、予測された各合成ルート毎に、原料デ
ータベース6を参照して出発原料から標的化合物を製造
するまでに要するコストの目安となる変動費指数を推算
すると共に、合成ルート中の各段階の反応が既知か否か
を反応データベース7を検索して調査し、この調査結果
を付加した合成ルートを、推算した変動費指数の小さい
順に表示装置4に表示する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は既知の化合物から標
的分子を合成するルートを予測する合成ルート設計シス
テムの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】合成ルート設計システムとしては、従来
より各種のシステムが提案されているが、その代表的な
ものに経験型システムと呼ばれるシステムがある。
【0003】この経験型の合成ルート設計システムで
は、既知の化学反応から導出した反応ルールを蓄積する
反応知識ベースを使用する。反応ルールには、反応条
件,適用条件などが定められている。
【0004】システムは、利用者から標的分子(合成し
ようとする目的の化合物)が与えられると、反応ルール
を適用して、1段階の化学反応により標的分子を生成す
ることができる前駆体をその反応条件と共に予測する。
一般に、標的分子からその前駆体へと1ステップ遡るた
めの逆反応は複数存在し得るので、標的分子の前駆体は
複数存在する。これらの前駆体の中に既知の化合物が存
在すれば、その前駆体とその化学反応とが1段階の合成
ルートの予測結果となる。
【0005】多段階の合成ルートをも予測する場合、標
的分子の前駆体に対して更に反応ルールが適用され、そ
の前駆体が反応条件と共に求められ、更にその前駆体の
前駆体を求めるという処理が次々と行われる。標的分子
の前駆体を第1レベルの前駆体、第1レベルの前駆体の
前駆体を第2レベルの前駆体、…、第i−1レベルの前
駆体の前駆体を第iレベルの前駆体と呼ぶ。第1レベル
の前駆体と同様に、第2レベル以降の前駆体も複数存在
し得る。このため、標的分子を根とし、各レベルの前駆
体を節とする複雑なツリー状の経路ができる。これを一
般に合成樹と呼ぶ。この合成樹の末端に存在する既知の
化合物から、その母の前駆体を辿って標的分子に至るま
でのルートが、各々合成ルートの予測結果となる。一般
にレベル数の多い複雑な合成樹ほど、予測される合成ル
ート数が増大する傾向にある。
【0006】経験型の合成ルート設計システムは、ファ
クトデータベースの検索システムである反応検索システ
ムと異なり、前述したような多段階の合成ルートの予測
が可能である。また、各反応ルール毎に適用条件が定義
されており、与えられた化合物が反応例と異なる場合で
も反応性のチェックや副反応の評価を行うようになって
いる。この為、新規な反応を含む合成ルートを予測する
能力を持っている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】このように合成ルート
設計システムは、多段階の合成ルートの予測が行え、ま
た新規反応を含む合成ルートの予測が行えるという高度
な機能を持つことから、研究レベルでの適用のみなら
ず、実用化レベルでも有効に機能するツールとして大い
に期待されている。しかしながら、実際の商品の開発に
合成ルート設計システムを適用するには、未だ解決すべ
き課題が残されている。
【0008】その1つは、商品の開発に際しては、その
商品たる化合物の有用性と同等以上に商業ベースに乗る
か否か、即ち、安いコストで比較的大量に製造できるか
否かが重要になるが、従来の合成ルート設計システムで
は、予測された数多くの合成ルートの中で、経済的かつ
工業的に実現可能な合成ルートがどれであるかを容易に
は判断できないことである。その理由は、予測された各
合成ルートの出発原料が既知化合物であっても市場から
購入できる化合物である保証がなく、また出発原料から
標的分子を製造するまでに要するコストの目安もないか
らである。
【0009】他の1つは、前述したように未知反応を含
む合成ルートも予測される結果、予測された各々の合成
ルートの各反応が既知の反応なのか、未知の反応なのか
が容易には判断できず、最適な合成ルートを選択する作
業が容易でないことである。その理由は、既知の反応は
過去に実績があるため信頼性が高く、逆に未知の反応は
信頼性に乏しいと言えるため、合成ルート中の反応が既
知か未知かの情報は、利用者が最適な合成ルートを選択
する重要な判断基準になるからである。
【0010】そこで本発明の第1の目的は、予測された
数多くの合成ルートの中で、経済的かつ工業的に実現可
能な合成ルートがどれであるかを利用者が容易に判断で
きるようにすることにある。
【0011】また本発明の第2の目的は、予測された各
々の合成ルートの各反応が既知の反応か、未知の反応か
を利用者が即座に判断し得るようにすることにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の第1の目
的を達成するために、反応知識ベースに蓄積された反応
ルールを適用して、市場より購入可能な化合物から標的
分子を合成するルートを予測する手段と、予測した各々
の合成ルート毎に、出発原料から標的分子を製造するま
でに要するコストの目安となる変動費指数を推算する手
段と、予測した合成ルートを、推算した変動費指数の小
さい順に利用者に提示する手段とを備えている。
【0013】このように、単に既知化合物から標的分子
を合成するルートではなく、市場より購入可能な化合物
から標的分子を合成するルートを予測することで、予測
結果の各合成ルートの出発原料が市場から購入できる化
合物であることが保証される。また、予測した各々の合
成ルート毎に、出発原料から標的分子を製造するまでに
要するコストの目安となる変動費指数を推算し、予測し
た合成ルートを、推算した変動費指数の小さい順に利用
者に提示することで、利用者は予測された数多くの合成
ルートの中で、経済的な合成ルートがどれであるかを容
易に判断することができる。
【0014】また本発明は上記の第1および第2の目的
を達成するために、反応知識ベースに蓄積された反応ル
ールを適用して、市場より購入可能な化合物から標的分
子を合成するルートを予測する手段と、予測した各々の
合成ルート毎に、出発原料から標的分子を製造するまで
に要するコストの目安となる変動費指数を推算する手段
と、予測した各々の合成ルート中の各段階の反応が既知
か否かを、既知の化学反応を蓄積してある反応データベ
ースを検索して調査する手段と、前記調査結果を付加し
た合成ルートを、推算した変動費指数の小さい順に利用
者に提示する手段とを備えている。
【0015】このように、単に既知化合物から標的分子
を合成するルートではなく、市場より購入可能な化合物
から標的分子を合成するルートを予測することで、予測
結果の各合成ルートの出発原料が市場から購入できる化
合物であることが保証される。また、予測した各々の合
成ルート毎に、出発原料から標的分子を製造するまでに
要するコストの目安となる変動費指数を推算すると共
に、予測した各々の合成ルート中の各段階の反応が既知
か否かを反応データベースを検索して調査し、この調査
結果を付加した合成ルートを、推算した変動費指数の小
さい順に利用者に提示することで、利用者は、予測され
た各々の合成ルートの各反応が既知か否かを即座に判断
できると共に、経済的な合成ルートがどれであるかの判
断が容易となる。
【0016】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施の形態の例につ
いて図面を参照して詳細に説明する。
【0017】先ず、出発原料から標的分子を製造するま
でに要するコストの計算方法について説明する。
【0018】一般に製造コストは、変動費と固定費の総
和として表される。工場におけるプラントの操業度(生
産量)にほぼ比例して発生額が増減する原価要素として
定義されるものが変動費であり、例えば製品を作るため
に必要な原料費などが含まれる。これに対して操業度と
かかわりなく一定期間、発生額が殆ど変化しない原価要
素が固定費であり、例えば製品の製造装置の原価償却
費,製造に携わる作業員の人件費,経理,開発および営
業部門等の本社費などが含まれる。製造コストを厳密に
見積もるためには固定費も重要な要素となるが、厳密に
固定費を見積もるには製造条件を最適化する必要があ
る。この最適化を実施する以前であれば反応ステップ数
を人が判断して比較する程度で十分である。そこで本発
明では、変動費のみを考慮し、変動費とほぼ比例関係に
なる変動費指数TOTALVCという指数を導入して、
合成ルート間のコスト比較を行う。
【0019】変動費指数TOTALVCは、出発原料の
価格GMolPrice,各段階の反応における副原料
価格指数STVCと推定収率ESTYIELDの関数と
して表される。
【0020】出発原料の価格GMolPriceは、市
場より購入可能なバルク原料についての価格情報を保持
する原料データベースを設け、この原料データベースか
ら取得する。原料バルク価格は、例えば円/kgで表さ
れる。原料バルク価格が不明な場合、試薬価格を原料デ
ータベースに設定しておく。そして、一般に原料バルク
価格は試薬価格の10%程度になるという統計に基づ
き、試薬価格から原料バルク価格を推算する。例えば1
00g入り試薬の価格(円)が推定原料バルク価格(円
/Kg)となる。
【0021】各段階の反応における副原料価格指数ST
VCは、反応知識ベースの反応ルールに設定されたメリ
ット指数MERITから求める。反応の副原料とは、溶
媒や反応試剤などのことである。メリット指数MERI
Tは、反応の副原料に基づき例えば2〜100の範囲内
で予め決定され、反応ルールに事前に設定される。メリ
ット指数は副原料の価格が安い程、大きな値に設定され
る。副原料価格指数STVCは、このメリット指数ME
RITから、例えば次式により求められる。 STVC=2000/MERIT …(1)
【0022】各段階の反応における推定収率ESTYI
ELDは、反応知識ベースの反応ルールに設定された収
率GYIELD(0〜100%)から求める。なお、反
応ルールに設定された収率GYIELDは、そのルール
で定める種類の反応で、或る原料Aから或る生成物Bを
得る場合のものである。しかし、反応ルールの適用はそ
のような原料A,生成物Bに限定されずに適用される。
このため、具体的には収率の確度SFACを導入し、推
定収率ESTYIELDを以下のようにして求める。 ESTYIELD=SFAC×(GYIELD/100) …(2)
【0023】ここで、確度SFACは、例えば以下のよ
うに定めることができる。 SFAC=1 原料,生成物が、知識ベースから引用した反応(原料A
/生成物B)と同分子構造の場合 SFAC=0.8 原料,生成物が、知識ベースから引用した反応(原料A
/生成物B)と異なる場合 SFAC=0.5 知識ベースから引用した反応の収率が当該反応ケースが
例えば芳香族親電子置換反応における位置異性体生成等
の理由により著しく低いと判定される場合
【0024】図1に合成ルートの変動費指数TOTAL
VCの計算例を示す。
【0025】図1(a)に示される合成ルートは、入手
可能原料Aから反応aによって前駆体Bを生成し、この
前駆体Bから反応bによって前駆体Cを生成し、この前
駆体Cから反応cによって標的分子TMを生成する3段
階の合成ルートである。
【0026】先ず、入手可能原料Aから反応aによって
前駆体Bを生成する場合の前駆体Bの変動費指数は、 Bの変動費指数=(反応単位当量当たりの主原料Aのバ
ルク価格+反応単位当量当たりの副原料価格指数)/推
定収率 であるため、主原料Aのバルク価格をGMolPric
eB(A),反応aの単位当量当たりの副原料価格指数
をSTVC(a),反応aの推定収率をESTYIEL
D(a),A,Bの分子量をMW(A),MW(B)と
すると、Bの変動費指数TOTALVC(B)は、図1
(b)で与えられる。
【0027】Bの変動費指数TOTALVC(B)は、
言わばCをBから製造する際の原料コストに相当する。
このため、前駆体Bから反応bによって前駆体Cを生成
する場合の前駆体Cの変動費指数は、 Cの変動費指数=(Bの変動費指数+反応単位当量当た
りの副原料価格指数)/推定収率 となる。従って、反応bの単位当量当たりの副原料価格
指数をSTVC(b),反応bの推定収率をESTYI
ELD(b),Cの分子量をMW(C)とすると、Cの
変動費指数TOTALVC(C)は、図1(c)で与え
られる。
【0028】同様に、Cの変動費指数TOTALVC
(C)は、TMをCから製造する際の原料コストに相当
する。このため、前駆体Cから反応cによって標的分子
TMを生成する場合の標的分子TMの変動費指数は、 TMの変動費指数=(Cの変動費指数+反応単位当量当
たりの副原料価格指数)/推定収率 となる。従って、反応cの単位当量当たりの副原料価格
指数をSTVC(c),反応cの推定収率をESTYI
ELD(c),TMの分子量をMW(TM)とすると、
TMの変動費指数TOTALVC(TM)は、図1
(d)で与えられる。
【0029】標的分子TMに関する他の全ての合成ルー
トについても同様に、TMの変動費指数TOTALVC
(TM)を推算することができる。
【0030】次に本発明の合成ルート設計システムの実
施例について説明する。なお、以下では、複数種類の置
換基の組み合わせからなる多置換ベンゼンの合成を例に
するが、本発明はそれのみに限定されるものではない。
【0031】図2を参照すると、本発明を適用した多置
換ベンゼン合成ルート設計システムの一実施例は、コン
ピュータ1と、このコンピュータ1に接続された記憶装
置2,入力装置3,表示装置4,反応知識ベース5,原
料データベース6,反応データベース7および記録媒体
8とから構成されている。
【0032】反応知識ベース5は、工業的に汎用性のあ
る複数の置換基(F,Cl,Br等の例えば41種類の
置換基)を対象とし、当該置換基を有する化合物群につ
き工業的に利用可能な一般的反応を、親電子置換反応,
官能基変換反応,サンドマイヤー型反応(ジアゾニウム
塩経由の置換基導入反応),求核置換反応といった反応
の種類毎に反応ルールとして一般化して蓄積したもので
ある。個々の反応ルールには、図3に示すように反応条
件,適用条件などの基本的な規則に加えて、その反応に
かかる参考文献名や、反応の収率GYIELDおよび反
応のメリット指数MERITが登録されている。これら
の一般的な反応ルールに加えて、工業的に実施されてい
る個別の反応、および反応ルールとしては一般化困難な
個別の反応等の個々の反応を蓄積して利用するようにし
ても良い。
【0033】原料データベース6は、図4に例示するよ
うに、市場より購入可能なバルク原料について、原料
名,原料バルクの価格,供給メーカ,試薬価格等を蓄積
したものである。
【0034】反応データベース7は、ベンゼン類の置換
反応につき既知の反応を蓄積したものである。例えば、
反応データベースとして有名なOSIRIS(Info
Chem社)には230万もの反応が蓄積されているた
め、そのデータベースからベンゼン類の置換反応のデー
タを抽出してデータベース化することで、反応データベ
ース7を構築することができる。
【0035】入力装置3はキーボードやマウス等で構成
され、表示装置4はCRTやLCD等で構成される。こ
れらは、利用者による標的分子や実行条件の指定、予測
結果の出力などに利用される。
【0036】記憶装置2は、磁気ディスク装置等で構成
され、合成ルート設計過程で生成される各種のファイル
の記憶用などに利用される。本実施例では、入力条件フ
ァイル21,合成樹ファイル22および合成ルートファ
イル23が記憶される。
【0037】記憶媒体8は、CD−ROM,磁気ディス
ク,半導体メモリ等の機械読み取り可能な記録媒体であ
る。ここに記録された合成ルート設計用プログラムは、
コンピュータ1に読み取られ、コンピュータ1の動作を
制御することにより、コンピュータ1上に入力条件設定
モジュール11,合成ルート設計モジュール12および
合成ルート創出モジュール13を実現する。
【0038】入力条件設定モジュール11は、標的分子
の指定,実行条件の設定等を行うプログラムであり、そ
の処理の一例を図5に示す。合成ルート設計モジュール
12は、実行条件の下に、標的分子の合成樹を生成する
プログラムであり、その処理の一例を図6に示す。合成
ルート創出モジュール13は、生成された合成樹から合
成ルートを創出するプログラムであり、その処理の一例
を図7に示す。
【0039】以下、各図を参照して本実施例の動作を説
明する。
【0040】コンピュータ1は、入力条件設定モジュー
ル11,合成ルート設計モジュール12,合成ルート創
出モジュール13を、その順に実行する。
【0041】(1)入力条件設定モジュール11 入力条件設定モジュール11は、まず利用者から標的分
子の入力を受け付ける(S1)。図8に標的分子の入力
画面の一例を示す。利用者は、画面左に表示された置換
基一覧から置換基を選択し、その適用箇所を画面右側の
ベンゼン環上の1〜6の位置で指定することにより、1
つの置換基を指定する。標的分子が複数の置換基を持つ
場合、以上の作業を繰り返す。
【0042】次に入力条件設定モジュール11は、実行
条件を設定する(S2)。実行条件としては、例えば以
下のようなものがある。 許容合成ステップ数 前駆体の許容置換基数 標的分子の許容価格
【0043】許容合成ステップ数は、最大何段階までの
合成ルートを予測するかを指定するもので、例えば1か
ら7の範囲内で設定される。前駆体の許容置換基数は、
最大幾つの置換基をもつ前駆体まで許容するかを指定す
るもので、その指定方法としては、例えば「標的分子の
置換基数+1」と言うように標的分子の置換基数を基準
にする方法が採用できる。標的分子の許容価格は、文字
通り、標的分子の価格の上限であり、例えば円/kgで
与えられる。これらの実行条件は、入力条件設定モジュ
ール11が自動的に設定するようにしても良く、利用者
による指定を可能にしても良い。
【0044】次に入力条件設定モジュール11は、標的
分子の情報と実行条件の情報とを入力条件ファイル21
に格納する(S3)。そして、制御を合成ルート設計モ
ジュール12に渡す。
【0045】(2)合成ルート設計モジュール12 合成ルート設計モジュール12は、まず入力条件ファイ
ル21を読み込み(S11)、内部の変数である合成ス
テップ数を初期値の1に設定し(S12)、標的分子を
内部の検討対象分子の集合に格納する(S13)。
【0046】次に、検討対象分子の集合から検討対象分
子として標的分子を取り出し(S14)、標的分子の正
規化(S16),標的分子の置換基の位置関係の認識
(S17),標的分子の置換基数の計算(S18)を行
って標的分子の構造の認識を行う。そして、反応知識ベ
ース5に格納されている親電子置換反応,官能基変換反
応,サンドマイヤー型反応(ジアゾニウム塩経由の置換
基導入反応),求核置換反応の各反応ルールやその他の
個別反応の反応ルールの適用条件による前駆体の創出可
否のチェックを行い(S19)、創出可と判断された場
合に反応ルールの反応条件を適用して前駆体を創出する
(S20)。創出された前駆体は、その前駆体から標的
分子を生成するための反応条件と共に、標的分子と関連
付けて内部に保持される。
【0047】例えば、標的分子をTMとし、その前駆体
として1,2,3の3つの前駆体が創出され、各前駆体
から標的分子TMを生成するための反応条件がH1,H
2,H3であったとすると、例えば図9に示すように、
標的分子TMの配下に前駆体1,2,3が存在し、各々
の反応条件がH1,H2,H3であるという状態が保持
される。
【0048】また、このとき合成ルート設計モジュール
12は、適用した反応ルールの図3に示した収率GYI
ELDとメリット指数MERITとを用い、前述した式
(1),(2)により、各創出反応の副原料価格指数S
TVCと推定収率ESTYIELDとを計算する(S2
1)。計算結果は、図9に示すように各反応条件と関連
付けて保持される。
【0049】次に合成ルート設計モジュール12は、原
料データベース6を参照して、各々の創出前駆体の原料
としての入手可否をチェックする(S22)。原料デー
タベース6に創出前駆体と同じ構造の原料が登録されて
いれば、入手可、そうでなければ入手不可とする。
【0050】次に合成ルート設計モジュール12は、創
出前駆体の合否判定と分類とを行う(S23)。基準と
分類先は以下の通りである。 ○既に創出された前駆体と同一;「SAME」に分類 ○原料として入手可能であり、価格は標的分子の許容価
格以下;「合格」に分類 ○原料として入手可能であるが、価格は標的分子の許容
価格以上;「?」に分類 ○許容置換基数より置換基数が大きい;「失格」に分類 ○上記4ケース以外の場合;「?」に分類
【0051】標的分子TMの上記3つの前駆体の分類先
が、例えば「?」,「失格」,「?」と決定されたとす
ると、その情報が図9に示すように各前駆体に付与され
る。
【0052】合成ルート設計モジュール12は、標的分
子TMに対するS16〜S23の処理を終えると、ステ
ップS15からステップS24へ進み、合成ステップ数
を+1して2とし、許容合成ステップ数を超えていなけ
れば(S25でNO)、前回の合成ステップで「?」に
分類された創出前駆体を検討対象分子の集合に格納し
(S26)、ステップS14に戻る。今、許容合成ステ
ップ数を3とすると、標的分子TMから創出された3つ
の前駆体1,2,3のうち「?」の1と3とが検討対象
分子の集合に格納され、各々の前駆体1,3毎に、標的
分子の場合と同様の処理が行われる(S14〜S2
3)。
【0053】図9は、前駆体1から2つの前駆体4,5
が創出され、前駆体3から1つの前駆体6が生成された
場合を示している。また、その分類結果は、前駆体4が
「?」,前駆体5が前駆体4と同一を示す「SAM
E」,前駆体6が「合格」となった場合を示している。
許容合成数が3の場合、更に、前駆体4についてステッ
プS14〜S23の処理が実行され、図9ではその結果
1つの前駆体7が創出され、「合格」に分類された場合
を示している。
【0054】前駆体4の処理後、ステップS24で合成
ステップ数を+1すると4となり、許容合成ステップ数
の3を超えるので、合成ルート設計モジュール12は、
図9に示したような合成樹の情報を合成樹ファイル22
に格納し(S27)、制御を合成ルート創出モジュール
13に渡す。
【0055】(3)合成ルート創出モジュール13 合成ルート創出モジュール13は、まず合成樹ファイル
22を読み込み(S31)、分類「合格」の創出前駆体
を出発原料の集合に格納する(S32)。例えば合成樹
が図9に示したものである場合、前駆体6,7が出発原
料の集合に格納される。
【0056】次に、出発原料の集合から1つの創出前駆
体、例えば図9の場合の前駆体6を取り出し(S3
3)、この前駆体6からその母前駆体を辿って標的分子
に至る合成ルートを創出する(S35)。この合成ルー
トは、6→3→TMである。次に、この合成ルートの変
動費指数を図1で説明した方法で計算する(S36)。
合成ルート中の反応H3,H6の副原料価格指数STV
C(H3),STVC(H6),推定収率ESTYIE
LD(H3),ESTYIELD(H6)は合成ルート
設計モジュール12で既に求められているので、前駆体
6のバルク価格GMolPrice3(6)を原料デー
タベース6から求め、各前駆体6,3と標的分子TMの
分子量を考慮して、当該合成ルートのTOTALVC
(TM)を計算する。この計算結果は合成ルートに付加
され、合成ルートの集合に格納される(S37)。
【0057】次に合成ルート創出モジュール13は、出
発原料の集合から残りの1つの創出前駆体7を取り出し
(S33)、先の前駆体6と同様に処理する。この結
果、合成ルートとして、7→4→1→TMが創出され、
その変動費指数TOTALVC(TM)が計算される。
また、図9の場合、この合成ルート中の前駆体4は、前
駆体5としても現れている。従って、合成ルート創出モ
ジュール13は、ステップS35の合成ルートの創出で
は、7→5→1→TMも合成ルートとして創出し、ステ
ップS36でその変動費指数の計算も行う。
【0058】結局、図9の合成樹の場合、以下の3つの
合成ルートが創出される。 6→3→TM 7→4→1→TM 7→5→1→TM
【0059】合成ルートの創出と変動費指数の計算とを
終えると(S34でYES)、合成ルート創出モジュー
ル13は、合成ルートの集合から合成ルートを1つずつ
取り出し、その合成ルート中の各反応が既知か否かを反
応データベース7を検索することにより調査し、若し既
知であれば反応データベース7に登録されている当該反
応に関する情報を合成ルートに付加する(ステップS3
8〜S40)。例えば、前記合成ルートの場合、前駆
体6から前駆体3を生成する反応が既知か否か、前駆体
3から標的分子TMを生成する反応が既知か否かが調べ
られ、その調査結果が付与される。,の合成ルート
についても同じである。
【0060】そして最後に合成ルート創出モジュール1
3は、合成ルート情報をその変動費指数の値で昇順にソ
ートし(S41)、ソート後の合成ルートの情報を合成
ルートファイル23に格納する(S42)。また、表示
装置4の画面に、変動費指数の小さい順に合成ルートを
表示する(S43)。
【0061】図10に合成ルートの表示画面の一例を示
す。画面右側の最下段に表示されている化合物が標的分
子で、その上が第1レベルの前駆体,更にその上が第2
レベルの前駆体であり、この場合は出発原料である。出
発原料である第2レベルの前駆体から第1レベルの前駆
体へ、第1レベルの前駆体から標的分子へそれぞれ至る
矢印は反応を示し、実際には詳細な反応条件が合わせて
表示される。ここで、点線の矢印は当該反応が未知反応
であることを、実線の矢印は当該反応が既知反応である
ことを示している。また、画面の左側上部には、当該合
成ルートが第1候補であり、その変動費指数が2160
円/kgであること、出発原料である2,5−DICH
LORONITROBENZENEのバルク価格は35
0円/kg、CAS No.は89−61−2であり、そ
の供給メーカは△△△であることが表示されている。な
お、第2候補以降の合成ルートは表示画面の頁を切り替
えることで表示することができる。
【0062】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば以下
のような効果を得ることができる。
【0063】予測結果の各合成ルートの出発原料が市場
から購入できる化合物であることが保証されており、ま
た予測した合成ルートが、出発原料から標的分子を製造
するまでに要するコストの目安となる変動費指数の小さ
い順に利用者に提示されるため、利用者は、経済的かつ
工業的に実現可能な合成ルートがどれであるかを容易に
判断することができる。
【0064】各々の合成ルート中の各段階の反応が既知
か否かの調査結果が付加されているため、利用者による
最適な合成ルートの選択作業が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】合成ルートの変動費指数の計算例を示す図であ
る。
【図2】本発明を適用した多置換ベンゼン合成ルート設
計システムの一実施例のブロック図である。
【図3】反応知識ベースの内容説明図である。
【図4】原料データベースの内容説明図である。
【図5】入力条件設定モジュールの処理の一例を示すフ
ローチャートである。
【図6】合成ルート設計モジュールの処理の一例を示す
フローチャートである。
【図7】合成ルート創出モジュールの処理の一例を示す
フローチャートである。
【図8】標的分子の入力画面の一例を示す図である。
【図9】合成樹の一例を示す図である。
【図10】合成ルートの表示画面の一例を示す図であ
る。
【符号の説明】
1…コンピュータ 2…記憶装置 3…入力装置 4…表示装置 5…反応知識ベース 6…原料データベース 7…反応データベース 8…記録媒体 11…入力条件設定モジュール 12…合成ルート設計モジュール 13…合成ルート創出モジュール 21…入力条件ファイル 22…合成樹ファイル 23…合成ルートファイル

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 反応知識ベースに蓄積された反応ルール
    を適用して、市場より購入可能な化合物から標的分子を
    合成するルートを予測する手段と、 予測した各々の合成ルート毎に、出発原料から標的分子
    を製造するまでに要するコストの目安となる変動費指数
    を推算する手段と、 予測した合成ルートを、推算した変動費指数の小さい順
    に利用者に提示する手段とを備えることを特徴とする合
    成ルート設計システム。
  2. 【請求項2】 反応知識ベースに蓄積された反応ルール
    を適用して、市場より購入可能な化合物から標的分子を
    合成するルートを予測する手段と、 予測した各々の合成ルート毎に、出発原料から標的分子
    を製造するまでに要するコストの目安となる変動費指数
    を推算する手段と、 予測した各々の合成ルート中の各段階の反応が既知か否
    かを、既知の化学反応を蓄積してある反応データベース
    を検索して調査する手段と、 前記調査結果を付加した合成ルートを、推算した変動費
    指数の小さい順に利用者に提示する手段とを備えること
    を特徴とする合成ルート設計システム。
  3. 【請求項3】 変動費指数は、出発原料の価格,各段階
    の反応における副原料価格指数と推定収率の関数である
    請求項1または2記載の合成ルート設計システム。
  4. 【請求項4】 出発原料の価格は市場より購入可能なバ
    ルク原料についての価格情報を保持する原料データベー
    スから取得し、各段階の反応における副原料価格指数は
    反応知識ベースの反応ルールに設定されたメリット指数
    から求め、各段階の反応における推定収率は反応知識ベ
    ースの反応ルールに設定された収率から求める構成を有
    する請求項3記載の合成ルート設計システム。
  5. 【請求項5】 コンピュータを、 反応知識ベースに蓄積された反応ルールを適用して、市
    場より購入可能な化合物から標的分子を合成するルート
    を予測する手段、 予測した各々の合成ルート毎に、出発原料から標的分子
    を製造するまでに要するコストの目安となる変動費指数
    を推算する手段、 予測した合成ルートを、推算した変動費指数の小さい順
    に利用者に提示する手段、 として機能させる合成ルート設計プログラムを記録した
    機械読み取り可能な記録媒体。
  6. 【請求項6】 コンピュータを、 反応知識ベースに蓄積された反応ルールを適用して、市
    場より購入可能な化合物から標的分子を合成するルート
    を予測する手段、 予測した各々の合成ルート毎に、出発原料から標的分子
    を製造するまでに要するコストの目安となる変動費指数
    を推算する手段、 予測した各々の合成ルート中の各段階の反応が既知か否
    かを、既知の化学反応を蓄積してある反応データベース
    を検索して調査する手段、 前記調査結果を付加した合成ルートを、推算した変動費
    指数の小さい順に利用者に提示する手段、 として機能させる合成ルート設計プログラムを記録した
    機械読み取り可能な記録媒体。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10510434B2 (en) 2016-02-15 2019-12-17 Samsung Electronics Co., Ltd. Device and method of selecting pathway of target compound
WO2021015134A1 (ja) * 2019-07-23 2021-01-28 昭和電工株式会社 材料設計システム、材料設計方法、及び材料設計プログラム
WO2022176945A1 (ja) 2021-02-22 2022-08-25 パナソニックIpマネジメント株式会社 生成プロセス出力装置、生成プロセス出力方法、及びプログラム

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JPWO2021015134A1 (ja) * 2019-07-23 2021-11-18 昭和電工株式会社 材料設計システム、材料設計方法、及び材料設計プログラム
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