JPWO2020218301A1 - 漏洩磁束探傷装置 - Google Patents

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Abstract

漏洩磁束探傷ユニットは、鋼帯Kに対面しており、回転可能に支持された回転ディスクと、回転ディスクの回転方向の異なる位置にそれぞれ設置されており、鋼帯Kを磁化方向へ直流磁化するとともに、直流磁化によって線状欠陥から漏洩する漏洩磁束を検知する複数の欠陥検出ヘッドと、を有する。複数の欠陥検出ヘッドの少なくとも一つは、欠陥検出ヘッドの設置位置における回転軌道の接線と磁化方向との傾斜角度が、他の欠陥検出ヘッドと異なる。

Description

本発明は、薄鋼帯(steel strip)の表層下あるいは内部に存在する線状欠陥を検出する漏洩磁束探傷装置に関するものである。
近年、鉄鋼製品に求められる品質レベルが高くなり、従来では有害視されなかった大きさの表面欠陥や内部欠陥が問題とされるようになってきた。これらのうち、例えば自動車外板用として使用される亜鉛鍍金鋼板などの薄板製品も同様に、表面欠陥や内部欠陥の有無が品質上非常に重要である。電化製品向け鋼板や、その他の用途向けの鋼板、特に外板用途向け鋼板でも同様に、従来以上の品質レベルを要求されていることが増えている。
自動車外板用の亜鉛鍍金鋼板は、鉄鋼プロセスでの製鋼工程、熱延工程、酸洗工程、冷延工程、鍍金工程を経て製造され、さらに自動車製造メーカーにてプレス工程、塗装工程を経て使用される。この自動車外板に表面欠陥が有ると、その他の健全部と明らかに異なって見えるため、強度に問題は無くとも、外観を損ねるという問題を引き起こす。
鉄鋼製品製造プロセスでは、表面欠陥を検出する光学式の表面欠陥検査装置が使用されることがある。たとえば、自動車外板用鋼板の製造過程において、初期凝固殻(シェル)に捕捉された製鋼起因のアルミナ系介在物及びパウダー系介在物といった非金属介在物が熱間圧延や冷間圧延で薄く延ばされると、線状のスリバーやヘゲと呼ばれる重大欠陥(線状欠陥)になる。これらスリバー欠陥やヘゲ欠陥のうち、冷延工程後に鋼板表面に存在するものは、光学式の表面欠陥検査装置により検出可能である。しかしながら、欠陥の一部や大部分が鋼板表層下に潜り込んでいると、欠陥を過小に評価したり、検出できずに自動車製造メーカーへ流出してしまう。
自動車製造メーカーにおいて、納品された薄板製品の表層下に潜り込んだ内部欠陥の存在に気付かずにプレス加工した後に、内部欠陥が鋼板の表面に顕在化する場合がある。顕在化した欠陥が軽微なものであれば、簡単な手入れにより除去可能であるため、除去作業はさほどの負荷とならない。しかしながら、顕在化した欠陥が幅1〜2mm程度であっても長さ100mmを超えるような線状欠陥である場合、その除去に多大な手間や時間を要してしまうため、有害視される。
このような、自動車外板の素材に用いられる薄鋼帯において、幅が1〜2mm程度で、長さが100mm以上に圧延方向に薄く延ばされ、且つ薄鋼帯表層下に埋もれた線状欠陥を、表層近傍での不感帯が無くオンラインで自動検出し得る探傷法として、渦流探傷法及び漏洩磁束探傷法がある。
このうち、渦流探傷法は、交流励磁用として、通常、数十kHz以上の周波数を有する交流電源を使用する。渦流探傷法は、表皮効果の原理を積極的に利用するものであり、探傷範囲が極表層近傍に限定される。よって、渦流探傷法は鋼帯の表層から深く潜り込んだ内部欠陥の検出には不向きである。また、板厚が0.9mm以下の薄鋼帯であっても、両面検査のためには、表裏面の双方に幅方向に渦流センサ群を配列する必要が有る。このため、センサチャンネル数が多くなり、コストが掛かる懸念がある。
一方、漏洩磁束探傷法は、検査対象とする被検査材の板厚を0.9mm以下の薄鋼帯に限定すれば、使用する磁気センサ群を片方の面側のみに配置することで、探傷範囲を板厚方向の一方の面から反対面までカバーできる可能性がある。このため、漏洩磁束探傷法は渦流探傷法に比べてセンサチャンネル数が少なくなるため、安価に済むメリットがある。
特許文献1には、漏洩磁束探傷法による薄鋼帯の微小内部欠陥検出装置が開示されている。特許文献1によれば、長さの短い点状欠陥であっても、比較的厚みのあるものに対しては検出性能が高い。特許文献2には漏洩磁束検出素子を常時回転させることで長手方向線状欠陥を横切るよう構成された漏洩磁束探傷装置が開示されている。
特開平9−145679号公報 特開平2−147950号公報
しかしながら、特許文献1の場合、磁化する方向と線状欠陥の方向とが平行であるため、線状欠陥からの漏洩磁束が小さく、S/N比が悪いという問題がある。特許文献2の場合、交流にて磁化する手段を用いるため、渦流探傷法同様、表皮効果の問題があり、表層から深く潜り込んだ内部欠陥に対して不向きである。また、励磁コイルに通電する励磁電流を交流でなく直流とし、これを薄鋼帯における内部欠陥検出装置として適用することが考えられる。しかしながら、特許文献2で開示されている構成においては、漏洩磁束検出素子回転機構を挟み込むほどの磁極間隔が広い電磁石を用いている。一般的に直流励磁による漏洩磁束探傷では、被検材の材料性ノイズを低減させるため、被検材を磁気飽和域近傍まで磁化する必要がある。特許文献2で開示されている構成では、磁極間にこれに見合った磁力を到底発生させることができず、探傷に必要なS/N比を実現することができない。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、S/N比を向上させて薄鋼帯の表層下あるいは内部に存在する線状欠陥を精度よく検出することができる漏洩磁束探傷装置を提供することにある。また、鋼帯の幅方向全域にわたって、線状欠陥をもれなく検出できる漏洩磁束探傷装置を提供する。
本発明は、これら課題を解決するために以下の構成を有する。
[1] 鋼帯の線状欠陥を検出する漏洩磁束探傷装置において、
前記鋼帯に対し非接触の位置に設けられ、前記鋼帯の幅方向に配列された複数の漏洩磁束探傷ユニットを備え、
前記漏洩磁束探傷ユニットは、
前記鋼帯の被探傷面に対向しており、回転する回転ディスクと、
前記回転ディスク上の異なる周方向の位置にそれぞれ設置され、前記鋼帯を直流磁化するとともに、直流磁化によって線状欠陥から漏洩する漏洩磁束を検知する複数の欠陥検出ヘッドと、
を有し、
複数の前記欠陥検出ヘッドの少なくとも一つは、欠陥検出ヘッドの設置位置における回転軌道の接線と前記磁化方向との傾斜角度が、他の欠陥検出ヘッドと異なる漏洩磁束探傷装置。
[2]複数の前記欠陥検出ヘッドは、前記傾斜角度の相違に対応した周方向の異なる領域を探傷可能範囲として前記線状欠陥を検出するものであり、
前記漏洩磁束探傷ユニットは、すべての前記欠陥検出ヘッドの前記探傷可能範囲に対応した前記鋼帯の幅方向の有効探傷範囲を有する[1]に記載の漏洩磁束探傷装置。
[3] 複数の前記欠陥検出ヘッドの前記傾斜角度は、周方向に隣接する前記探傷可能範囲同士を重複させた重複探傷範囲を形成するように設定されている[2]に記載の漏洩磁束探傷装置。
[4] 複数の前記漏洩磁束探傷ユニットは、隣接する前記有効探傷範囲同士を重複させた有効重複範囲を形成するように配列されている[2]または[3]に記載の漏洩磁束探傷装置。
[5] 前記欠陥検出ヘッドは、
2個の永久磁石と、一方の前記永久磁石のS極と、他方の前記永久磁石のN極とを結合するヨークとを備え、前記ヨークの磁化方向に沿って前記鋼帯を直流磁化する磁化器と、
前記2個の永久磁石との間に設けられ、前記線状欠陥から漏洩する漏洩磁束を検出する磁気センサと、
を備えた[1]から[4]のいずれかに記載の漏洩磁束探傷装置。
[6] 複数の前記漏洩磁束探傷ユニットは、前記鋼帯を走行させながら前記線状欠陥を検出するものであって、走行する前記鋼帯のうち、非磁性ロールに巻き付けられた部位の前記鋼帯に対面するように設置されている[1]から[5]のいずれかに記載の漏洩磁束探傷装置。
[7] 複数の前記漏洩磁束探傷ユニットは、前記鋼帯を走行させながら前記線状欠陥を検出するものであって、走行する前記鋼帯を押さえる2つの押さえロールの間に挟まれた領域に配置されている[1]から[5]のいずれかに記載の漏洩磁束探傷装置。
[8] 複数の前記漏洩磁束探傷ユニットは、千鳥状に配列されている[1]から[7]のいずれかに記載の漏洩磁束探傷装置。
[9] 複数の前記漏洩磁束探傷ユニットにおいて検知された検出信号に基づいて、前記鋼帯の線状欠陥の有無を検知する検出制御部をさらに備えた[1]から[8]のいずれかに記載の漏洩磁束探傷装置。
本発明に係る漏洩磁束探傷装置によれば、少なくとも1つの欠陥検出ヘッドの傾斜角度を他の欠陥検出ヘッドの傾斜角度と異なるように設定された複数の欠陥検出ヘッドを鋼帯に対して回転させることにより、周方向の異なる領域毎にそれぞれ各欠陥検出ヘッドの探傷可能範囲を設定して線状欠陥を検出することになるため、圧延方向に延ばされた線状欠陥からの漏洩磁束を精度よく検出することができる。
本発明の第1の実施形態に係る漏洩磁束探傷装置を示す模式図である。 図1の漏洩磁束探傷ユニットの一例を示す模式図である。 図1の漏洩磁束探傷ユニットの一例を示す模式図である。 欠陥検出ヘッドの一例を示す模式図である。 欠陥検出ヘッドと線状欠陥との位置関係を示す模式図である。 異なる探傷角度で線状欠陥を検出したときの相対出力値の一例を示すグラフである。 探傷角度と相対出力値との関係を示すグラフである。 図3に示す複数の欠陥検出ヘッド毎の探傷可能範囲と鋼帯の幅方向の探傷領域との関係を示す模式図である。 隣接する漏洩磁束探傷ユニット同士の有効探傷範囲を示す模式図である。 複数の漏洩磁束探傷ユニット10を、複数列で配置した例の模式図である。 本発明の第2の実施形態に係る漏洩磁束探傷装置を示す模式図である。 図11の場合の漏洩磁束探傷ユニットと、非磁性ロールとの関係を示す図である。
[第1の実施形態]
以下、本発明の実施形態について説明する。図1は、本発明の第1の実施形態に係る漏洩磁束探傷装置を示す模式図である。図1の漏洩磁束探傷装置1は、鋼帯(steel strip)Kを長手方向(矢印X方向)に走行させながらオンラインで線状欠陥DTを検出するものであり、鋼帯Kの被検査部分を直流磁化したときに線状欠陥DTから漏洩する漏洩磁束を検出して線状欠陥を検出する。なお、鋼帯の幅方向をY方向、鋼帯の板厚方向をZ方向とする。
漏洩磁束探傷装置1は、走行する鋼帯Kに対面して配置された収納ボックス3a、3bを有している。各収納ボックス3a、3b内には鋼帯Kを直流磁化するとともに、線状欠陥DTで発生する漏洩磁束を検出する漏洩磁束探傷ユニット10が板幅方向に複数配列されるとともに、鋼帯Kの進行方向に複数列配置されている。収納ボックス3aは鋼帯Kの表面側に設置されており、鋼帯Kの表面側から漏洩磁束を検知する。収納ボックス3bは鋼帯Kの裏面側に設置されており、鋼帯Kの裏面側から漏洩磁束を検知する。
漏洩磁束探傷装置1は、収納ボックス3a、3b内の複数の漏洩磁束探傷ユニット10の動作を制御するとともに、各漏洩磁束探傷ユニット10で検知された漏洩磁束に基づき線状欠陥の有無を判定する検出制御部4を有している。
なお、図1において、鋼帯Kの両面に収納ボックス3a、3bが両面にそれぞれ設置された場合について例示しているが、鋼帯Kの板厚が0.9mm以下の場合、表面もしくは裏面のいずれか一方のみ配置されていれば、板厚方向の全範囲について探傷することができる。ただし、収納ボックス3a、3bは同一の場所にある必要はなく、異なる場所に設置されていてもよい。
各収納ボックス3a、3bの鋼帯Kと対向する面には、それぞれ複数の漏洩磁束探傷ユニット10が配置されている。複数の漏洩磁束探傷ユニット10は、走行する鋼帯Kに対面するように設置されている。
複数の漏洩磁束探傷ユニット10は、収納ボックス3a内の漏洩磁束探傷ユニット10と収納ボックス3b内の漏洩磁束探傷ユニット10とで、いわゆる千鳥状に配列されている。すなわち、複数の漏洩磁束探傷ユニット10は、収納ボックス3a、3b各々において、鋼帯Kの幅方向(矢印Y方向)へ直線状に並んで複数(たとえば5個)、一列に配列されているとともに、幅方向の配置位置が互いにずれるように走行方向(矢印X方向)に配置された状態になっている(後述する図10参照)。なお、漏洩磁束探傷ユニット10の幅の個数は、鋼帯Kの幅に応じて適宜決定すればよい。
図2は、図1の漏洩磁束探傷ユニット10の一例を示す模式図である。図2の漏洩磁束探傷ユニット10は、鋼帯Kに対し非接触の位置に設けられたものであって、回転可能に支持された回転ディスク20と、回転ディスク20の周方向の異なる位置にそれぞれ設置された複数の欠陥検出ヘッド30A〜30Dとを備える。漏洩磁束探傷ユニット10は、図2に示すように、鋼帯Kに対して、所定のリフトオフ量Lだけ離れた位置に設置される。線状欠陥DTからの漏洩磁束を確実に、かつ安定して検出するには、鋼帯Kと回転ディスク20が平行であること、およびリフトオフ量Lが変動しないことが重要である。そこで、回転ディスク20は、リフトオフ量Lが鋼帯Kに対して一定になるように、鋼帯Kと平行になるように設置される。
リフトオフ量Lは、鋼帯Kの種類、後述する永久磁石の大きさや磁束密度などによって適宜設定してよいが、例えば、1mmを例示することができる。好適範囲は0.5〜3mm程度である。リフトオフ量が小さすぎると、鋼帯Kの上下動によって、磁束探傷ユニット10が破損する場合がある。反対に、リフトオフ量が大きすぎると、漏洩磁束を検出しにくくなるので、欠陥検出精度が悪くなる。
リフトオフ量Lの変動を小さくするために、図1に示すように、押えロール201を収納ボックスの前後に設置して、鋼帯Kの上下動を抑えるようにしてもよい。押えロール201は、図1では鋼帯の上側にあるが、押えロール201は鋼帯の下側に設けてもよく、さらに、上下の押えロールで鋼帯Kを挟み込むようにしてもよい。また、図1では、鋼帯Kが水平方向に移動する部分で探傷するようにしているが、鋼帯Kが垂直方法に移動する部分で探傷するようにしてもよく、またロールの部分で探傷するようにしてもよい。
図2に示すように、回転ディスク20は、鋼帯Kの探傷面に対向しており、例えば半径R1=175mmの大きさを有する。回転ディスク20は、中心CLで回転軸21に固定されており、回転軸21は矢印R10方向に回転可能に支持されている。回転軸21は、タイミングベルト23を介してモータ22に接続されている。タイミングベルト23がモータ22により矢印R10方向に回転すると、回転軸21とともに回転ディスク20が矢印R10方向に回転する。なお、モータ22の動作及び回転ディスク20の回転速度は検出制御部4により制御されており、回転ディスク20は例えば一定の速度で回転する。なお、回転ディスク20は、モータ22に直接、または変速機等を介してモータ22に接続されていてもよい。
複数の欠陥検出ヘッド30A〜30Dは、図3に示すように、回転ディスク20の回転半径R2(例えばR2=150mm)の回転軌道RR上において、回転ディスク20の周方向の異なる位置にそれぞれ設置されている。図3においては、4つの欠陥検出ヘッド30A〜30Dがそれぞれ等間隔に90°ずつ周方向にずれた状態で配置された場合について例示している。また、図2に示すように、各欠陥検出ヘッド30A〜30Dは、鋼帯Kに対し所定のリフトオフ量Lだけ離れており、鋼帯Kとは非接触で対面している。
図4(A)、(B)は、欠陥検出ヘッド30A〜30Dの一例を示す模式図であり、これらの図を用いて、欠陥検出ヘッド30A〜30Dの構成について説明する。なお、欠陥検出ヘッド30A〜30Dは同一の構成を有しているため、図4を用いて欠陥検出ヘッド30Aの構成について説明する。欠陥検出ヘッド30Aは、鋼帯Kを直流磁化するとともに、直流磁化によって線状欠陥DTから漏洩する漏洩磁束を検知するものである。具体的には、欠陥検出ヘッド30Aは、鋼帯Kを直流磁化するための磁化器31と、磁化器31により磁化されたときに線状欠陥DTから漏洩する漏洩磁束を検知する磁気センサ32を有する。
磁化器31は、永久磁石31a、31bと、永久磁石31a、31bによって磁化される軟鋼からなるヨーク31cとを有する。永久磁石31a、31bは、たとえばネオジム磁石からなっており、ヨーク31cの両端に所定の磁極間隔だけ離れて配置されている。ヨーク31cの延びる方向が、鋼帯Kが直流磁化される際の磁化方向になる。磁気センサ32は、後述するように、磁気センサ32の磁化方向と線状欠陥DTとがなす探傷角度が、磁気センサ32の探傷可能範囲内にある線状欠陥DTを検出するようになっている。例えば、永久磁石31a、31bがネオジム磁石からなり、ヨーク31cの磁極間隔が30mm程度である場合、板厚が0.9mm以下の鋼帯Kの漏洩磁束の探傷に必要とされる十分な磁力を得ることができる。
図3に示すように、欠陥検出ヘッド30A〜30Dは、設置位置における回転軌道RRの接線Tと磁化方向J1〜J4との傾斜角度β1〜β4がそれぞれ異なるように配置されている。例えば、欠陥検出ヘッド30A〜30Dにおける傾斜角度β1〜β4は、回転軌道RR上の任意の1点の基準位置で、時計回りを正としたとき、それぞれβ1=30°、β2=10°、β3=−10°、β4=−30°になるように配置されている。そして、複数の欠陥検出ヘッド30A〜30Dは、傾斜角度β1〜β4の相違に対応した周方向の異なる領域を探傷可能範囲として線状欠陥を検出する。以下に、探傷可能範囲及び傾斜角度β1〜β4と探傷可能範囲との関係について説明する。ここで、回転軌道RR上の任意の1点の基準位置とは、たとえば、回転ディスク20の中心を通り、鋼帯Kの長手方向(図3ではZ方向)に垂直な線と、回転軌道RRとが交わる2点のうちの1点である。また、時計回りを正とは、任意の1点の基準位置上で、欠陥検出ヘッド30の磁化方向が、任意の1点の基準位置上の接線の方向から、時計回りの方向に移動した時を正とすることをいう。
図5は、欠陥検出ヘッドと線状欠陥との位置関係を示す模式図である。なお、図5の欠陥検出ヘッド130は、図4に示す欠陥検出ヘッド30Aと同一の構成を有するものであるが、磁化方向J(磁石のN極とS極を結ぶ線)が接線Tと等しくなるように(傾斜角度β=0°)、回転ディスク20上に1つ設置されたもので、図5では欠陥検出ヘッド130の各回転位置での状態を示している。この場合、線状欠陥DTの形成方向(矢印X方向)と磁化方向とがなす探傷角度γは回転角度θと一致し(γ=θ)、例えば回転角度θ=90°の場合には探傷角度γ=90°になる。ここで、回転角度θは、回転ディスク20の中心を通り、鋼帯Kの長手方向(図5ではX方向)に垂直な線を基準とする。
図6は、図5に示す欠陥検出ヘッド130が、異なる探傷角度で線状欠陥を通過したときに検出された漏洩磁束の値を相対的に示した相対出力値の一例を示すグラフであり、図7は、探傷角度と相対出力値との関係を示すグラフである。なお、図6(a)は探傷角度γ=90°であり、図6(b)は探傷角度γ=75°であり、図6(c)は探傷角度γ=65°である場合の相対出力値を示す。
まず試験用の鋼帯Kには回転角度θ=90°、80°、75°、65°に相当する幅方向(矢印Y方向)の位置に線状欠陥(スリバー欠陥)DTを予め形成しておく。回転ディスク20を回転させ、欠陥検出ヘッド130の磁気センサ32で鋼帯Kからの漏洩磁束を検出する。欠陥検出ヘッド130が線状欠陥DTを横切るときに、大きな漏洩磁束が検出される。一方、線状欠陥DTがない部分からの漏洩磁束は、ノイズレベルになる。回転ディスク20の回転によって、欠陥検出ヘッド130が異なる角度で線状欠陥DTを横切るので、回転角度に応じた大きさの漏洩磁束が検出される。そこで、回転角度θ毎に漏洩磁束を検出し、相対出力値として求める。
また、図6及び図7において探傷角度γ=65°〜90°の範囲のグラフを例示しているが、探傷角度γが90°よりも大きい場合、すなわち回転角度θが90°<θ≦180°の場合の相対出力値は、探傷角度γ=180°−θのときの相対出力値と同一である。そして、図1の検出制御部4は、欠陥検出ヘッド30A〜30Dにおいて検知された図6に示すような出力値を取得し、取得した出力値が予め設定された閾値を超えた場合に、欠陥があるとの判定結果を出力する。欠陥の判定基準は、取得した出力値の最大値が閾値を超えた場合を欠陥有りとする、または取得した出力値が複数回閾値を超えた場合を欠陥有りとする、等適宜設定してよい。
図7は、γが90°のときの相対出力値の最大値に対する、各探傷角度での相対出力値の最大値の比の一例を表したものである。図6及び図7に示すように、探傷角度γが90°から小さくなるにつれて線状欠陥を検出した際の相対出力値は小さくなっていく。つまり、磁化方向Jと線状欠陥とのなす探傷角度γが90°に近づくほど、相対出力値は大きくなる。ここで、ノイズレベルと、検出した相対出力値との比、つまりS/N比を適切にとることで、線状欠陥の検出を精度よく行うことができる。たとえば、S/N比が3以上の時に、十分高い欠陥検出精度が得られるとすれば、図7の例ではノイズレベルN=0.21に対して、相対出力値=0.63以上であればよい、ということができる。S/N比を3以上とすると、図5の場合、欠陥検出ヘッド130の探傷可能範囲FR0は、回転角度θ=90°の±15°の範囲(75°≦θ≦105°)になる。なお、この探傷可能範囲の幅は、この範囲に限定されず、永久磁石31a、31bの磁力やヨーク31cにおける磁極間隔等で異なるものである。S/N比も、確実に線状欠陥DTを検出できるように、適宜設定されてよい。
上述の通り、図5は、磁化方向Jが接線方向Tと一致するように、欠陥検出ヘッド130が回転ディスク20上に設置されている場合について例示している。一方、磁化方向Jが接線方向Tに対して傾斜角度βだけ傾斜すれば、探傷可能範囲FR0も傾斜角度βだけ回転する(75°−β≦θ≦105°−β)。つまり、図3のように、欠陥検出ヘッド30A〜30Dの傾斜角度β1〜β4がそれぞれ異なっていれば、各欠陥検出ヘッド30A〜30Dの探傷可能範囲FR1〜FR4は、周方向においてそれぞれ異なる領域に設定されることになる。
図8は、図3に示す複数の欠陥検出ヘッド毎の探傷可能範囲と鋼帯の幅方向の探傷領域との関係を示す模式図である。なお、図8の探傷可能範囲FR1〜FR4は、それぞれ図3の欠陥検出ヘッド30A〜30Dに対応している。また各欠陥検出ヘッド30A〜30Dは、図5〜図7の欠陥検出ヘッド130と同一の性能を有しているものとする。また、傾斜角度β1〜β4は、図3と同様、それぞれβ1=30°、β2=10°、β3=−10°、β4=−30°に設定されている。
すなわち、欠陥検出ヘッド30Aの探傷可能範囲FR1は、β=β1を代入して、周方向の45°≦θ≦75°の範囲に形成される。つまり、例えばS/N比が3以上となる探傷可能範囲FR1が、FR0に対して30°回転した位置に形成されることになる。同様に、検出ヘッド30Bの探傷可能範囲FR2は、β=β2を代入して、周方向の65°≦θ≦95°の範囲に形成される。欠陥検出ヘッド30Cの探傷可能範囲FR3は、β=β3を代入して、周方向の85°≦θ≦115°の範囲に形成される。欠陥検出ヘッド30Dの探傷可能範囲FR4は、β=β4を代入して、周方向の105°≦θ≦135°の範囲に形成される。
このように、各前記欠陥検出ヘッド30A〜30Dは、それぞれ周方向の異なる位置の探傷可能範囲FR1〜FR4について線状欠陥DTの検知を行う。この例では、欠陥検出ヘッド30Aの相対出力値は、θ=60°(45°≦θ≦75°の中央)で最大となる。これは、θ=60°の時に、欠陥検出ヘッド30Aの磁化方向Jが接線方向Tと一致するからである。一方、θ=45°およびθ=75°で相対出力値が最小となる。つまり、FR1の中央で相対出力値が最大となり、FR1の両端では最小となる。欠陥検出ヘッド30B〜30Dでも同様である。FR1〜FR4の、それぞれの探傷角度、鋼帯Kの位置と、相対出力値の関係を図8に示す。図8の相対出力値は、FR1〜FR4の中央の角度での相対出力値を1とし、S/N比が3となる探傷角度での値を最小値として、模式的に示している。
傾斜角度β1〜β4は、周方向で隣接する探傷可能範囲FR1〜FR4のそれぞれ一部を互いに重複させた重複探傷範囲DRを形成するように設定されている。例えば、欠陥検出ヘッド30Aの探傷可能範囲FR1が45°≦θ≦75°であるのに対し、欠陥検出ヘッド30Bの探傷可能範囲FR2は65°≦θ≦95°である。65°〜75°の範囲において探傷可能範囲FR1、FR2が互いに重複し、重複探傷範囲DRが形成されている。同様に、探傷可能範囲FR2、FR3の間及び探傷可能範囲FR3、FR4の間にもそれぞれ重複探傷範囲DRが設定されている。隣り合う探傷可能範囲FR1〜FR4同士を互いに重複させることにより、回転ディスク20の回転軌道内の線状欠陥DTを漏れなく検出することができる。なお、図1の検出制御部4は、重複探傷範囲DRにおいて、信号レベルの高い出力値(図8にて、重複探傷範囲DR内に太破線で示した相対出力値)を線状欠陥の有無の判定に用いる。
そして、1つの漏洩磁束探傷ユニット10全体の有効探傷範囲FRは、複数の欠陥検出ヘッド30A〜30Dによって形成される周方向の探傷可能範囲FR1〜FR4をすべて重ね合わせた領域になる。図8においては、1つの漏洩磁束探傷ユニット10の有効探傷範囲FR(θFR)は45°≦θ≦135°になる。これを鋼帯Kの幅方向(矢印Y方向)に換算すると、鋼帯Kの幅方向(矢印Y方向)の有効探傷範囲FRは、検出ヘッド30A〜30Dの回転軌道半径R2=150mmの場合、FR=2×(R2×cos45°)=R2×21/2=212mm(回転ディスク20の中心を原点として鋼帯Kの幅方向位置に±106mmの範囲)となる。このようにβ1〜β4に傾斜角度をつけることで、一つの漏洩磁束探傷ユニット10の欠陥の探傷範囲を広くすることができる。このようにして、FR1〜FR4に相当する範囲の、一つの漏洩磁束探傷ユニット10の鋼帯Kの幅方向の探傷領域が設定される。
上記のとおり、有効探傷範囲FRは、回転ディスク20の直径よりも小さくなる。漏洩磁束探傷ユニット10を鋼帯Kの幅方向に単に複数配置しただけでは、線状欠陥DTが有効探傷範囲FRの間をすり抜ける可能性がある。そこで、図9に示すように、隣接する漏洩磁束探傷ユニット10の有効探傷範囲FRが重なるように複数の漏洩磁束探傷ユニット10を配置する。有効探傷範囲FRが重なった部分を、有効重複範囲EDRと呼ぶ。有効重複範囲EDRを適宜設定することで、線状欠陥DTが漏洩磁束探傷ユニット10の間をすり抜ける可能性を減少させることができる。なお、有効重複範囲EDRにおいても、信号レベルの高い出力値(図9にて、重複探傷範囲DR内に太破線で示した相対出力値)を線状欠陥の有無の判定に用いる。
ここで、有効重複範囲EDRを設ける場合、複数の漏洩磁束探傷ユニット10を、鋼帯Kの進行方向に対して直交する方向に、一列に配置することはできない。そこで、有効重複範囲EDRを設ける場合は、複数の漏洩磁束探傷ユニット10を、鋼帯Kの進行方向に対して直交する方向に、複数の列になるように配置する。
図10は、複数の漏洩磁束探傷ユニット10を、複数列で配置した例の模式図である。図10は、この例では、漏洩磁束探傷ユニット10の中心が、鋼帯Kの幅方向にそれぞれ所定量ずれるように、配置されている。漏洩磁束探傷ユニット10が一列だと、有効重複範囲EDRを設けることはできないが、漏洩磁束探傷ユニット10の中心が互いにずれるようにして複数列配置することで、全体として有効重複範囲EDRを設けることが可能になる。そして、このように漏洩磁束探傷ユニット10を配置、配列することで、線状欠陥DTの検出漏れをさらに減少させ、鋼帯Kの幅方向(図10のY方向)全体の線状欠陥DTを検出することが可能になる。
回転ディスク20の半径R1=175mm、欠陥検出ヘッド30A〜30Dの回転軌道半径R2=150mm、欠陥検出ヘッド30A〜30Dの検出角度がそれぞれβ1=30°、β2=10°、β3=−10°、β4=−30°である漏洩磁束探傷ユニット10の場合、有効探傷範囲FR=R2×21/2=212mmである。有効重複範囲EDRが鋼帯Kの幅方向に24mmになるように、収納ボックス3a内の漏洩磁束探傷ユニット10をそれぞれ設置すれば、最大1904mmの幅まで検査が可能になる。なお、最も外側の漏洩磁束探傷ユニット10のFR内に、鋼帯の幅方向端部が収まるように、漏洩磁束探傷ユニット10を配置してもよい。
以上をまとめると、上記第1の実施形態によれば、異なる傾斜角度β1〜β4を有する複数の欠陥検出ヘッド30A〜30Dを鋼帯Kに対して回転させることにより、周方向の異なる領域毎にそれぞれ各欠陥検出ヘッド30A〜30Dの探傷可能範囲FR1〜FR4を設定して線状欠陥DTを検出することになるため、線状欠陥DTからの漏洩磁束を精度よく検出することができる。
特に、薄鋼帯の表層下あるいは内部に存在するもので、幅が1〜2mmで、圧延方向に先頭部からなだらかに厚くなり(途中の厚みが厚いところでも20〜30μm程度)、その後、尾端部にかけてなだらかに薄くなるような線状欠陥を精度よく検出することができる。
また、検出可能な線状欠陥DTの最短長さは、例えばモータ22による回転ディスク20の回転速度が3000rpm、鋼帯Kの走行速度が200mpmであるとき、67mm(=(60/3000)×(200/60)×1000)となる。
複数の欠陥検出ヘッド30A〜30Dが、互いの探傷可能範囲FR1〜FR4が重複する重複探傷範囲DRを有するとき、漏洩磁束探傷ユニット10の有効探傷範囲FR内では、隙間なく線状欠陥DTを検出することができる。さらに、複数の漏洩磁束探傷ユニット10が、互いの有効探傷範囲FRが重複する有効重複範囲EDRを有する場合、漏洩磁束探傷装置1全体として、鋼帯Kの幅方向(矢印Y方向)において、隙間なく線状欠陥DTを検出することができる。
また、図1のように、複数の漏洩磁束探傷ユニット10が、走行する鋼帯Kを押さえる2つの押えロール201の間に挟まれた領域に配置されていれば、鋼帯Kのばたつきによる距離変動の影響を抑えることができる。
さらに、図10のように、複数の漏洩磁束探傷ユニット10が、千鳥状に配列されているとき、装置全体として、鋼帯Kの幅方向(矢印Y方向)に隙間のない探傷範囲を設定することができる。
[第2の実施形態]
図11は、本発明の第2の実施形態に係る漏洩磁束探傷装置300を示す模式図である。この例では、漏洩磁束探傷装置300は、非磁性ロール2aに巻き付けられて走行する鋼帯Kに対面して配置された収納ボックス301aを有している。各収納ボックス301a内には漏洩磁束探傷ユニット10が複数配置されている。また、漏洩磁束探傷装置300は、収納ボックス内の漏洩磁束探傷ユニット10の動作を制御するとともに、各漏洩磁束探傷ユニット10で検知された漏洩磁束に基づき線状欠陥の有無を判定する検出制御部4を有していることは、第1の実施形態と同様である。
図12は、図11の場合の漏洩磁束探傷ユニット10と、非磁性ロール2aとの関係を示す図である。この実施形態では、図12に示すように、漏洩磁束探傷ユニット10は、非磁性ロール2aに巻き付けられた部位の鋼帯Kに対面するように設置されている。具体的には、欠陥検出ヘッド30A(または30B〜30D)と非磁性ロール2aの中心Pを結ぶ線GLが非磁性ロール2aと交わる点Eでの、非磁性ロール2の接線と回転ディスク20とが平行になるように、漏洩磁束探傷ユニット10を設置する。また前記の点Pで、欠陥検出ヘッド30A(または30B〜30D)と鋼帯Kとのリフトオフ量が所定の値Lになるように設置される。当然ながら、GLとCLとは、平行である。
鋼帯KはX方向に与えられた張力によって非磁性ロール2に密着しており、リフトオフ量Lの変動が抑えられるので、鋼帯Kと漏洩磁束探傷ユニット10との間の距離の変動もほとんどない。その結果、漏洩磁束を検出する際に距離変動の影響が排除でき、極めて安定した鋼帯Kのオンライン探傷が実現できる。また、収納ボックス301aが設置された非磁性ロール2aとは異なる非磁性ロール2bに、収納ボックス301aとは反対の面の線状欠陥DTを検出するように、収納ボックス301bを設置してもよい。なお、第3の実施形態で鋼帯Kの全幅を検査するには、図12に示すように、異なる角度で漏洩磁束探傷ユニット10を設置すればよい。あるいは、別の非磁性ロール2に、あらたに収納ボックスを設置してもよい。
本発明の実施形態は、上記実施形態に限定されず、種々の変更を加えることができる。たとえば、上記各実施形態において、4つの欠陥検出ヘッド30A〜30Dが配置された場合について例示しているが、3つ以上であればよい。また、欠陥検出ヘッド30A〜30Dを4個よりも多くすることで、一層精度の高い探傷が可能となる。さらに、上記実施形態において、4つの欠陥検出ヘッド30A〜30Dの傾斜角度β1〜β4がすべて異なる場合について例示しているが、複数の欠陥検出ヘッド30A〜30Dのうち少なくとも一つの傾斜角度が他の欠陥検出ヘッドと異なっていればよい。
また、図3において複数の欠陥検出ヘッド30A〜30Dが、それぞれ周方向に等間隔で設置されている場合について例示しているが、異なる間隔で設置されていてもよい。さらに、複数の欠陥検出ヘッド30A〜30Dが、同一の回転軌道RR上に設置される場合について例示しているが、径方向の異なる位置に設置されていてもよい。
また、上記は、線状欠陥DTの方向が、図3、または図5のように、θ=90°の方向である場合について説明しているが、これに限らず、線状欠陥DTの方向がθ=90°に対して傾斜していても、本発明が適用可能である。この場合も、図7で示した探傷角度γと相対出力値の関係は、基本的には変わらない。
また、収納ボックス3a、3b内に、漏洩磁束探傷ユニット10が鋼帯Kの進行方向に複数列配置されるとしたが、漏洩磁束探傷ユニット10が一列配置としてもよい。ただし、一列配置とする場合には、板幅方向全体の欠陥検出をするために、収納ボックスを鋼帯Kの進行方向に複数配置する必要がある。
さらに上記各実施形態において、鋼板は、自動車用の車体や部品に用いられる場合について例示しているが、電化製品用等の自動車用以外の種々の広範囲の用途の鋼板に適用することができる。
1、300 漏洩磁束探傷装置
2a、2b 非磁性ロール
3a、3b、301a、301b 収納ボックス
4 検出制御部
10 漏洩磁束探傷ユニット
20 回転ディスク
21 回転軸
22 モータ
23 タイミングベルト
30A〜30D、130 欠陥検出ヘッド
31 磁化器
31a、31b 永久磁石
31c ヨーク
32 磁気センサ
201 押さえロール
DR 重複探傷範囲
DT 線状欠陥(スリバー欠陥)
EDR 有効重複範囲
FR、θFR 有効探傷範囲
FR0〜FR4 探傷可能範囲
J、J1〜J4 磁化方向
K 鋼帯
L リフトオフ量
RR 回転軌道
T 接線
β 傾斜角度
β1〜β4 傾斜角度
γ 探傷角度
θ 回転角度

Claims (9)

  1. 鋼帯の線状欠陥を検出する漏洩磁束探傷装置において、
    前記鋼帯に対し非接触の位置に設けられ、前記鋼帯の幅方向に配列された複数の漏洩磁束探傷ユニットを備え、
    前記漏洩磁束探傷ユニットは、
    前記鋼帯の被探傷面に対向しており、回転する回転ディスクと、
    前記回転ディスク上の異なる周方向の位置にそれぞれ設置され、前記鋼帯を直流磁化するとともに、直流磁化によって線状欠陥から漏洩する漏洩磁束を検知する複数の欠陥検出ヘッドと、
    を有し、
    複数の前記欠陥検出ヘッドの少なくとも一つは、欠陥検出ヘッドの設置位置における回転軌道の接線と前記磁化方向との傾斜角度が、他の欠陥検出ヘッドと異なる漏洩磁束探傷装置。
  2. 複数の前記欠陥検出ヘッドは、前記傾斜角度の相違に対応した周方向の異なる領域を探傷可能範囲として前記線状欠陥を検出するものであり、
    前記漏洩磁束探傷ユニットは、すべての前記欠陥検出ヘッドの前記探傷可能範囲に対応した前記鋼帯の幅方向の有効探傷範囲を有する請求項1に記載の漏洩磁束探傷装置。
  3. 複数の前記欠陥検出ヘッドの前記傾斜角度は、周方向に隣接する前記探傷可能範囲同士を重複させた重複探傷範囲を形成するように設定されている請求項2に記載の漏洩磁束探傷装置。
  4. 複数の前記漏洩磁束探傷ユニットは、隣接する前記有効探傷範囲同士を重複させた有効重複範囲を形成するように配列されている請求項2または3に記載の漏洩磁束探傷装置。
  5. 前記欠陥検出ヘッドは、
    2個の永久磁石と、一方の前記永久磁石のS極と、他方の前記永久磁石のN極とを結合するヨークとを備え、前記ヨークの磁化方向に沿って前記鋼帯を直流磁化する磁化器と、
    前記2個の永久磁石との間に設けられ、前記線状欠陥から漏洩する漏洩磁束を検出する磁気センサと、
    を備えた請求項1から4のいずれか1項に記載の漏洩磁束探傷装置。
  6. 複数の前記漏洩磁束探傷ユニットは、前記鋼帯を走行させながら前記線状欠陥を検出するものであって、走行する前記鋼帯のうち、非磁性ロールに巻き付けられた部位の前記鋼帯に対面するように設置されている請求項1から5のいずれか1項に記載の漏洩磁束探傷装置。
  7. 複数の前記漏洩磁束探傷ユニットは、前記鋼帯を走行させながら前記線状欠陥を検出するものであって、走行する前記鋼帯を押さえる2つの押さえロールの間に挟まれた領域に配置されている請求項1から5のいずれか1項に記載の漏洩磁束探傷装置。
  8. 複数の前記漏洩磁束探傷ユニットは、千鳥状に配列されている請求項1から7のいずれか1項に記載の漏洩磁束探傷装置。
  9. 複数の前記漏洩磁束探傷ユニットにおいて検知された検出信号に基づいて、前記鋼帯の線状欠陥の有無を検知する検出制御部をさらに備えた請求項1から8のいずれか1項に記載の漏洩磁束探傷装置。
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