JPWO2020194407A1 - 電力変換装置および空気調和機 - Google Patents

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Abstract

リアクタの小型化を可能にしつつ電源電流の歪を抑制できる電力変換装置を実現する。そのため、電力変換装置(100)は、交流電源(102)によって第1および第2のコンデンサ(40,42)の双方を充電する第1の状態と、交流電源(102)によって第1のコンデンサ(40)を充電する第2の状態と、交流電源(102)によって第2のコンデンサ(42)を充電する第3の状態と、リアクタ(16)を交流電源(102)に接続する第4の状態と、のうち何れかの状態を選択できるスイッチング回路(60)と、第2のコンデンサ(42)の端子電圧(EdLo)を第1および第2のコンデンサ(40,42)が成す直列回路の端子電圧である出力電圧(Ed)で除算した電圧比(α)を、0.5よりも大きい電圧比指令値に近づけるようにスイッチング回路(60)を制御する制御部(50)と、を備える。

Description

本発明は、電力変換装置および空気調和機に関する。
単相交流電圧を直流電圧に変換する電力変換回路においては、電源短絡によってリアクタにエネルギを貯め、整流動作時にリアクタのエネルギを放出する動作を繰り返すものが知られている。また、この種の電力変換回路においては、直列接続された2個のコンデンサを適用するものが知られている。これら2個のコンデンサの電圧について、例えば、下記特許文献1の明細書、段落0015には、「本発明によれば、第1の電圧検出手段により複数のコンデンサの両端間の電圧を検出し、第2の電圧検出手段により複数のコンデンサのうち低電位側に位置するコンデンサの電圧を検出し、第3の電圧検出手段により第1の電圧検出手段の検出電圧と第2の電圧検出手段の検出電圧の差分から高電位側に位置するコンデンサの電圧を検出するようにしたので、複数のコンデンサの耐圧保護および電圧の平衡制御が可能となり、リアクタを小型化することができる。また、複数のコンデンサの電圧不平衡をフィードバックにより抑制できるため、複数のコンデンサの電圧変動を抑制でき、コンデンサ容量の経年劣化による回路の発煙・発火を防ぐことができる。」と記載されている。
また、下記特許文献2の明細書の段落0051には、「したがって、交流電源1の同一極性中に第1のコンデンサ6および第2のコンデンサ7が充電され、出力電圧Voの1/2のバランスが保たれるように第1のスイッチ手段3と第2のスイッチ手段4をバランス良く動作させる必要がある。」と記載されている。
特開2009−261077号公報 特開2010−68552号公報
近年、半導体部品の低価格化に伴って、交流電圧を直流電圧に変換する電力変換回路においては、受動素子であるリアクタのコスト比率が高くなりつつある。このため、リアクタを小型化して、さらなる低コスト化を実現することが望まれている。しかし、リアクタを小型化すると、磁気飽和によってインダクタンスが低下しやすくなり、電流リプルが大きくなりやすい。そのため、リアクタを小型化するに伴って、リアクタに流れる電流を抑制することが望まれている。一方、リアクタに流れる電流を抑制した場合、特許文献1,2に記載された技術のように直列接続された2個のコンデンサの電圧が等しくなるように制御すると、電源電流の歪が大きくなることがある。
この発明は上述した事情に鑑みてなされたものであり、リアクタの小型化を可能にしつつ電源電流の歪を抑制できる電力変換装置および空気調和機を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため本発明の電力変換装置は、第1のコンデンサと、前記第1のコンデンサの低圧側に直列接続された第2のコンデンサと、リアクタと、交流電源によって前記第1および第2のコンデンサの双方を充電する第1の状態と、前記交流電源によって前記第1のコンデンサを充電する第2の状態と、前記交流電源によって前記第2のコンデンサを充電する第3の状態と、前記リアクタを前記交流電源に接続する第4の状態と、のうち何れかの状態を選択できるスイッチング回路と、前記第2のコンデンサの端子電圧を前記第1および第2のコンデンサが成す直列回路の端子電圧である出力電圧で除算した電圧比を、0.5よりも大きい電圧比指令値に近づけるように前記スイッチング回路を制御する制御部と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、リアクタの小型化を可能にしつつ電源電流の歪を抑制できる。
本発明の第1実施形態による電力変換装置のブロック図である。 リアクタのインダクタンス値の特性図である。 電力変換装置の動作説明図である。 第1実施形態における各部の波形例を示す図である。 電圧比に応じた電流実効値およびリプル成分の例を示す図である。 比較例における各部の波形例を示す図である。 本発明の第2実施形態による空気調和機の冷媒系統図である。
[第1実施形態]
〈第1実施形態の構成〉
図1は、本発明の第1実施形態による電力変換装置100のブロック図である。
電力変換装置100は、交流電源102から供給された交流電圧vsを直流電圧である出力電圧Edに変換し、負荷装置104に印加するものである。電力変換装置100は、電流検出器10と、電圧検出器12,34,36と、リアクタ16a,16bと、ブリッジ回路20と、双方向スイッチ30,32と、コンデンサ40,42(第1および第2のコンデンサ)と、制御部50と、を備えている。
ブリッジ回路20は、ブリッジ接続された4個のスイッチング素子22,24,26,28と、これらに各々逆並列接続された4個のダイオード(符号なし)と、を備えている。スイッチング素子22,24の接続点は、リアクタ16aを介して交流電源102の一端に接続されている。また、スイッチング素子26,28の接続点は、リアクタ16bを介して交流電源102の他端に接続されている。
また、双方向スイッチ30は、スイッチング素子22,24の接続点と、コンデンサ40,42の接続点との間に接続されている。また、双方向スイッチ32は、スイッチング素子26,28の接続点と、コンデンサ40,42の接続点との間に接続されている。電流検出器10は交流電源102に流れる電流isを測定し、電圧検出器12は交流電圧vsを測定する。
リアクタ16a,16bを総称して「リアクタ16」と呼ぶことがある。リアクタ16は、鉄心入りのリアクタであり、リアクタ16のインダクタンス値Lは、鉄心の磁気飽和が大きくなるほど減少する。また、高圧側のコンデンサ40の端子電圧を電圧EdHiと呼び、低圧側のコンデンサ42の端子電圧を電圧EdLoと呼ぶ。また、EdLo/Edを電圧比αと呼ぶ。従って、EdLo=αEdとなり、EdHi=(1−α)Edとなる。電圧検出器34,36は、それぞれ電圧EdHi,EdLoを測定する。
制御部50は、CPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等、一般的なコンピュータとしてのハードウエアを備えており、ROMには、CPUによって実行される制御プログラム、DSPによって実行されるマイクロプログラムおよび各種データ等が格納されている。図1において、制御部50の内部は、制御プログラムおよびマイクロプログラム等によって実現される機能を、ブロックとして示している。
すなわち、制御部50は、動作モード設定部52と、電流指令部54と、スイッチング制御部56と、インダクタンス値出力部58と、を備えている。詳細は後述するが、電力変換装置100には、高電圧モードMH(第1の動作モード)および低電圧モードML(第2の動作モード)という2つの動作モードがあり、動作モード設定部52は、何れかの動作モードを指令するモード指令信号SMを出力する。
また、電流指令部54は、電流isの指令値である電流指令値is *を出力する。本実施形態において、電流指令値is *は、交流電圧vsに同期して正弦波状に変化する値になる。インダクタンス値出力部58は、電流検出器10が検出した電流isに基づいて、リアクタ16のインダクタンス値Lを出力する。スイッチング制御部56は、モード指令信号SMと、電流指令値is *と、インダクタンス値Lと、に基づいて、スイッチング回路60の状態を制御する。
図2は、リアクタ16のインダクタンス値Lの特性図である。
上述したように、リアクタ16は鉄心入りのリアクタであり、そのインダクタンス値Lは鉄心が磁気飽和すると減少する。図2の縦軸はインダクタンス値であり、横軸は電流値(電流isの絶対値)である。図2におけるインダクタンス値L0は、磁気飽和が無かったと仮定した場合(換言すれば電流isがゼロである場合)のインダクタンス値であり、L=dΦ/dtは、実際のインダクタンス値である。
インダクタンス値出力部58(図1参照)は、電流検出器10から電流isが供給されると、その絶対値|is|と、L=dΦ/dtの特性と、に基づいて、インダクタンス値Lを出力する。より具体的には、インダクタンス値出力部58は、図2におけるL=dΦ/dtのサンプリング値(黒矩形で示す点の値)をテーブル内に記憶しており、|is|に基づいてサンプリング値を補間演算してインダクタンス値Lを算出する。なお、インダクタンス値出力部58は、テーブルを設けるものに限られず、多項式演算等によってdΦ/dtを算出するようにしてもよい。
〈第1実施形態の動作〉
図3は、電力変換装置100の動作説明図である。
電力変換装置100は、交流電圧vsの正の半周期において、図示の状態ST1〜ST4を採り得る。図3において実線で示した要素は有意な電流が流れる要素であり、他の要素は破線で示す。また、図1に示したリアクタ16a,16bは、図3では1個のリアクタ16として図示している。
状態ST1(第1の状態)においては、スイッチング素子22,28がオン状態であり、スイッチング素子24,26および双方向スイッチ30,32がオフ状態である。従って、状態ST1においては、下式(1)が成立する。
L・dis/dt=vs−Ed …(1)
また、状態ST2(第2の状態)においては、スイッチング素子22および双方向スイッチ32がオン状態であり、スイッチング素子24,26,28および双方向スイッチ30がオフ状態である。従って、状態ST2においては、下式(2)が成立する。
L・dis/dt=vs−EdHi=vs−(1−α)Ed …(2)
また、状態ST3(第3の状態)においては、スイッチング素子28および双方向スイッチ30がオン状態であり、スイッチング素子22,24,26および双方向スイッチ32がオフ状態である。従って、状態ST3においては、下式(3)が成立する。
L・dis/dt=vs−EdLo=vs−αEd …(3)
また、状態ST4(第4の状態)においては、スイッチング素子24,28がオン状態であり、スイッチング素子22,26および双方向スイッチ30,32がオフ状態である。従って、状態ST4においては、下式(4)が成立する。
L・dis/dt=vs …(4)
また、電力変換装置100は、交流電圧vsの正の半周期において、高電圧モードMHおよび低電圧モードMLという2つの動作モードのうち何れかが選択される。高電圧モードMHは、交流電圧vsが比較的高いときに選択され、低電圧モードMLは、交流電圧vsが比較的低いときに選択される。高電圧モードMHにおいては、状態ST1,ST2が交互に切り替えられる。同様に、低電圧モードMLにおいては、状態ST3,ST4が交互に切り替えられる。すなわち、高電圧モードMHおよび低電圧モードMLの何れにおいても、交流電圧vsがPWM(Pulse Width Modulation)変調されることになる。なお、交流電圧vsの負の半周期においては、正の半周期とは対称的な動作を行うため、図示を省略する。
高電圧モードMHにおいて、状態がST2になるデューティ比をDHALF(第1のデューティ比)とすると、電流指令値is *に対応するデューティ比DHALFは下式(5)によって求められる。
L・dis */dt=vs−(1−αDHALF)Ed
∴DHALF=(1/α)(1−(vs−L・dis */dt)/Ed
…(5)
また、低電圧モードMLにおいて、状態がST4になるデューティ比をDSHORT(第2のデューティ比)とすると、電流指令値is *に対応するデューティ比DSHORTは下式(6)によって求められる。
L・dis */dt=vs−(1−αDSHORT
∴DSHORT=(1/α)(1−(vs−L・dis */dt)/Ed
…(6)
図4は本実施形態における各部の波形例を示す図である。
図4において、交流電圧vsは、正の半周期の波形を示しており、交流電圧vsは正弦波状に変化する。時刻t20および時刻t32が交流電圧vsのゼロクロス点になる。また、出力電圧Edは図示の期間において一定である。また、電圧αEdは、上述のように、電圧EdLo(図1参照)に等しい。そして、本実施形態においては、電圧比αは0.5よりも大きい値に設定される。図4においては、電圧αEdおよび電圧αEd+vsの波形も、破線によって示す。
電流指令値is *の波形については図示を省略するが、交流電圧vsと同周期の正弦波状の波形になる。図中の高電圧期間THは、高電圧モードMH(図3参照)が適用される期間であり、低電圧期間TLは、低電圧モードMLが適用される期間である。デューティ比DHALF,DSHORTは、上述の式(5),(6)に基づいて求められた値である。デューティ比DHALF,DSHORTは、実際に適用される期間を実線で示し、適用外の区間を破線で示す。
図示の例では、「vs>αEd」が成立する期間を高電圧期間THとし、その他の期間を低電圧期間TLとしている。これは、高電圧期間THを最も短くした例である。すなわち、高電圧期間THは、図示の期間よりも前後方向に長くできるが、図示の期間よりも短くすることはできない。その理由は、「vs>αEd」となる期間において低電圧モードMLは採用できないためである。
このように、図4に示す例においては、時刻t20〜t24,時刻t28〜t32の期間は制御部50によって低電圧モードMLが選択され、デューティ比DSHORTが適用される。一方、時刻t24〜t28の期間は制御部50によって高電圧モードMHが選択され、デューティ比DHALFが適用される。
図1に戻り、制御部50における動作モード設定部52は、電圧検出器34,36の検出結果に基づいて電圧比αを演算する。また、動作モード設定部52は、電圧比αの指令値である電圧比指令値α*(図示せず)を記憶しており、電圧比αを電圧比指令値α*に近づけるように、モード指令信号SMを出力する。すなわち、「α<α*」であれば低電圧期間TLを長くし、「α>α*」であれば低電圧期間TLを短くするように、モード指令信号SMを出力する。
また、電流指令部54は、出力電圧Edを、その指令値である出力電圧指令値Ed *(図示せず)に近づけるように、電流指令値is *を出力する。すなわち、「Ed<Ed *」であれば、電流指令値is *の振幅を大きくし、「Ed>Ed *」であれば、電流指令値is *の振幅を小さくする。
上述したように、スイッチング制御部56は、モード指令信号SMと、電流指令値is *と、インダクタンス値Lと、に基づいて、スイッチング回路60の状態を制御する。より具体的には、スイッチング制御部56は、上述した式(5)または(6)に基づいて、デューティ比DHALF,DSHORTのうち、モード指令信号SMに応じた一方のデューティ比を算出する。
そして、スイッチング制御部56は、算出したデューティ比を実現するように状態ST1〜ST4(図3参照)のうち何れかをスイッチング回路60に設定する。本実施形態によって得られる電流isは、図示のように正弦波に近い波形になる。特に、時刻t24の付近の、破線で示す領域P2において、電流isのレベルは、滑らかに上昇している。これは、スイッチング回路60が状態ST2になる期間が連続的に減少するように、デューティ比DHALFが連続的に変化することによる。
図5は、電圧比αに応じた電流実効値およびリプル成分の例を示す図である。
図5において、横軸は電圧比αであり、縦軸は電流値である。また、実線で示す電源電流実効値IRは、負荷装置104(図1参照)に流れる電流をある一定値にしたときの、電流isの実効値である。また、破線で示す電源電流リプル成分iRPLは、交流電圧vsに対するPWM変調によって、電流isに生じるリプル成分のレベルを示している。
図示のように、電圧比αが0.5〜0.6の範囲では、電圧比αが小さくなるほど、実効値IRが大きくなっていることが解る。これは、電流isの歪が大きくなるため、電力変換装置100の効率が悪化することを意味する。なお、電圧比αが小さくなるほど電流isの歪が大きくなる理由については、後述する比較例において説明する。図5に示す特性例によれば、電力変換装置100を効率よく動作させるためには、電圧比指令値α*は「0.5<α*」の範囲にすることが好ましい。
また、図示の範囲では、電圧比αが大きくなるほど、電源電流リプル成分iRPLが大きくなっている。特に、電圧比αが0.6であるとき、電源電流リプル成分iRPLは、電圧比αが0.5のときの2倍以上になっている。この現象は、小型・安価なリアクタ16を適用したため、低電圧モードML(図3参照)において状態がST3からST4に切り替わる際、リアクタ16に流れるラッシュカレントが大きくなることに起因している。ここで、「小型・安価なリアクタ16」とは、α=0.6のときの電源電流リプル成分iRPLがα=0.5のときと比較して、「1.2倍以上」または「1.5倍以上」と考えることができ、また、図5の例のように「2倍以上」と考えることができる。
従って、図示の例においては、電力変換装置100の効率を確保し電源電流リプル成分iRPLを抑制するためには、電圧比αまたは電圧比指令値α*を「0.5<α*<0.6」の範囲にすることが好ましい。また、電圧比αまたは電圧比指令値α*を「0.52〜0.58」の範囲にすると、電源電流実効値IRおよび電源電流リプル成分iRPLの双方を相当に低いレベルに抑制できるため、さらに好ましい。
〈比較例〉
次に、本実施形態の効果を明確にするため、比較例について説明する。なお、以下の説明において、上述した第1実施形態の各部に対応する部分には同一の符号を付し、その説明を省略する場合がある。比較例の構成および全体的な動作は、上述した第1実施形態(図1〜図5)のものと同様である。但し、本比較例は、電圧比指令値α*が0.5に設定されている点で、第1実施形態とは異なる。
図6は、比較例における各部の波形例を示す図である。交流電圧vsおよび出力電圧Edのレベルは、上述した図4のものと同様である。但し、図6において、交流電圧vsのゼロクロス点の時刻をt0およびt12とする。また、本比較例において電圧比指令値α*は0.5であるため、電圧比αも、ほぼ0.5になる。従って、図4と比較すると、電圧αEdのレベルは、若干下がっている。
図示の例は、「vs>αEd」が成立する期間を高電圧期間THとしている。すなわち、時刻t4〜t8の期間が高電圧期間THであり、時刻t0〜t4,t8〜t12の期間が低電圧期間TLである。そして、図示の高電圧期間THは、本比較例において最も短くした例である。但し、電圧比αがほぼ0.5であることに起因して、図6に示す高電圧期間THは、図4の高電圧期間THよりも長くなっている。
時刻t4において交流電圧vsが電圧αEd=0.5Edに一致すると、動作モード設定部52(図1参照)は動作モードを高電圧モードMHに切り替える。しかし、時刻t4〜t6の期間において、デューティ比DHALFは最大値(100%)になっているため、電流isを充分に上昇させることができない。このため、特に時刻t4〜t6付近の、破線で示す領域P1において、電流isが歪んでいる。
なお、領域P1において、状態ST1,ST4(図3参照)を交互に切り替えるようにすると、電流isをスムーズに上昇させることが可能である。しかし、この動作を行うと、リアクタ16に流れるラッシュカレントが大きくなるため、リアクタ16に磁気飽和が起こりやすくなる。これにより、電源電流リプル成分iRPL(図5参照)が非常に大きくなるという問題が生じる。
〈第1実施形態の効果〉
以上のように本実施形態の電力変換装置(100)は、第1のコンデンサ(40)と、第1のコンデンサ(40)の低圧側に直列接続された第2のコンデンサ(42)と、リアクタ(16)と、スイッチング回路(60)と、第2のコンデンサ(42)の端子電圧(EdLo)を第1および第2のコンデンサ(40,42)が成す直列回路の端子電圧である出力電圧(Ed)で除算した電圧比(α)を、0.5よりも大きい電圧比指令値(α*)に近づけるようにスイッチング回路(60)を制御する制御部(50)と、を備える。これにより、本実施形態によれば、リアクタの小型化を可能にしつつ電源電流の歪を抑制できる。
また、制御部(50)は、リアクタ(16)に流れる電流に応じて変化するインダクタンス値(L)を出力するインダクタンス値出力部(58)を備え、制御部(50)は、インダクタンス値(L)に基づいてスイッチング回路(60)の状態を制御する。これにより、制御部(50)は、電流に応じて変化するインダクタンス値(L)に基づいて、スイッチング回路(60)を制御することができる。
また、電圧比指令値(α*)は、0.5よりも大きく0.6よりも小さい値である。これにより、電力変換装置(100)の効率を高くしつつ、電源電流リプル成分を低いレベルに制御できる。
また、制御部(50)は、動作モードとして、第1のデューティ比(DHALF)で第1および第2の状態(ST1,ST2)を交互に選択する第1の動作モード(MH)、または第2のデューティ比(DSHORT)で第3および第4の状態(ST3,ST4)を交互に選択する第2の動作モード(ML)のうち何れかを設定する動作モード設定部(52)と、動作モードに応じてスイッチング回路(60)を制御するスイッチング制御部(56)と、を備え、スイッチング制御部(56)は、動作モードが第2の動作モード(ML)から第1の動作モード(MH)に切り替わった際、スイッチング回路(60)が第2の状態(ST2)になる期間が連続的に減少するように第1のデューティ比(DHALF)を連続的に変化させる。
これにより、交流電源(102)から流れる電流をスムーズに変化させることができ、電力変換装置(100)の効率を一層高めることができる。
[第2実施形態]
図7は、本発明の第2実施形態による空気調和機900の冷媒サイクル系統図である。
図7に示すように、本実施形態の空気調和機900は、室外機960と、室内機970と、を備えるとともに、両者を接続するガス配管982と、液配管984と、を備えている。
そして、室外機960は、圧縮機950と、四方弁962と、室外熱交換器963と、室外膨張弁964と、を備えている。これらは、配管(符号なし)によって順次接続されている。圧縮機950は、冷媒を圧縮する圧縮機構951と、これを回転駆動するモータ952と、を備えている。さらに、室外機960は、室外ファン965と、室外ファンモータ966と、を備えている。室外ファン965は、室外ファンモータ966によって回転駆動され、室外熱交換器963を冷却する。
また、室内機970は、室内熱交換器973と、室内膨張弁974と、を備えている。両者は、配管(符号なし)によって相互に接続されている。また、室内機970は、室内ファン975と、室内ファンモータ976と、を備えている。室内ファン975は室内ファンモータ976によって回転駆動され、室内熱交換器973を冷却する。室外機960に設けられた四方弁962は、冷媒の流れを切り替える弁であり、これにより冷房運転と暖房運転とが切り替わる。室外膨張弁964と室内膨張弁974とは、冷媒を減圧して低温低圧にする。
図7において、ガス配管982、液配管984等の配管に沿って示した実線の矢印は、空気調和機900の冷房運転における冷媒の流れを示している。
冷房運転において、四方弁962は、実線で示すように、圧縮機950の吐出側と室外熱交換器963とを連通させ、圧縮機950の吸入側とガス配管982とを連通させる。圧縮機950から吐出される冷媒は、高温高圧のガス状であり、四方弁962を通過して、室外熱交換器963に流れる。室外熱交換器963に流入したガス状の冷媒は、室外ファン965によって供給される室外の空気と熱交換して凝縮され、液状の冷媒となる。この液状の冷媒は、全開状態の室外膨張弁964および液配管984を通過して、室内機970に流入する。
室内機970に流入した液状の冷媒は、室内膨張弁974によって減圧され、低温低圧のガス液混合状の冷媒となる。この低温低圧のガス液混合状の冷媒は、室内熱交換器973に流入して、室内ファン975によって供給される室内の空気と熱交換されて蒸発し、ガス状の冷媒となる。この際、室内の空気は、ガス液混合状の冷媒の蒸発潜熱によって冷却され、冷風が部屋内に送られる。その後、室内機120から流出したガス状の冷媒は、ガス配管982を通過し、室外機960に戻される。室外機960に戻されたガス状の冷媒は、四方弁962を通過し、圧縮機950に吸入され、再度ここで圧縮されることによって、一連の冷媒サイクルが形成される。
電力変換装置100は、交流電源102から供給された交流電力を直流電力に変換しインバータ106に供給する。インバータ106は、供給された直流電力を任意の周波数の三相交流電力に変換し、モータ952を駆動する。なお、電力変換装置100の構成は第1実施形態のもの(図1参照)と同様である。インバータ106は、図1における負荷装置104に対応する。
これにより、本実施形態によれば、第1実施形態と同様に高効率な電力変換装置100を安価に構成することができ、高効率な空気調和機900を実現することができる。
[変形例]
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。上述した実施形態は本発明を理解しやすく説明するために例示したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について削除し、もしくは他の構成の追加・置換をすることが可能である。また、図中に示した制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上で必要な全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。上記実施形態に対して可能な変形は、例えば以下のようなものである。
(1)第1実施形態の電力変換装置100は、第2実施形態の空気調和機900のみならず、冷凍機、洗濯機、掃除機、工業機械、電気自動車、鉄道車両、船舶、エレベータ、エスカレータ等、種々の電気機器に適用することができる。これにより、これらの電気機器においては、リアクタの小型化を可能にしつつ電源電流の歪を抑制できる。
10 電流検出器
12,34,36 電圧検出器
16,16a,16b リアクタ
40 コンデンサ(第1のコンデンサ)
42 コンデンサ(第2のコンデンサ)
50 制御部
52 動作モード設定部
54 電流指令部
56 スイッチング制御部
58 インダクタンス値出力部
60 スイッチング回路
100 電力変換装置
102 交流電源
900 空気調和機
α* 電圧比指令値
α 電圧比
HALF デューティ比(第1のデューティ比)
SHORT デューティ比(第2のデューティ比)
d 出力電圧
L インダクタンス値
MH 高電圧モード(第1の動作モード)
ML 低電圧モード(第2の動作モード)
ST1 状態(第1の状態)
ST2 状態(第2の状態)
ST3 状態(第3の状態)
ST4 状態(第4の状態)

Claims (5)

  1. 第1のコンデンサと、
    前記第1のコンデンサの低圧側に直列接続された第2のコンデンサと、
    リアクタと、
    交流電源によって前記第1および第2のコンデンサの双方を充電する第1の状態と、前記交流電源によって前記第1のコンデンサを充電する第2の状態と、前記交流電源によって前記第2のコンデンサを充電する第3の状態と、前記リアクタを前記交流電源に接続する第4の状態と、のうち何れかの状態を選択できるスイッチング回路と、
    前記第2のコンデンサの端子電圧を前記第1および第2のコンデンサが成す直列回路の端子電圧である出力電圧で除算した電圧比を、0.5よりも大きい電圧比指令値に近づけるように前記スイッチング回路を制御する制御部と、を備える
    ことを特徴とする電力変換装置。
  2. 前記制御部は、前記リアクタに流れる電流に応じて変化するインダクタンス値を出力するインダクタンス値出力部を備え、
    前記制御部は、前記インダクタンス値に基づいて前記スイッチング回路の状態を制御する
    ことを特徴とする請求項1に記載の電力変換装置。
  3. 前記電圧比指令値は、0.5よりも大きく0.6よりも小さい値である
    ことを特徴とする請求項1に記載の電力変換装置。
  4. 前記制御部は、
    動作モードとして、第1のデューティ比で前記第1および第2の状態を交互に選択する第1の動作モード、または第2のデューティ比で前記第3および第4の状態を交互に選択する第2の動作モードのうち何れかを設定する動作モード設定部と、
    前記動作モードに応じて前記スイッチング回路を制御するスイッチング制御部と、
    を備え、
    前記スイッチング制御部は、前記動作モードが前記第2の動作モードから前記第1の動作モードに切り替わった際、前記スイッチング回路が前記第2の状態になる期間が連続的に減少するように前記第1のデューティ比を連続的に変化させる
    ことを特徴とする請求項1に記載の電力変換装置。
  5. 第1のコンデンサと、
    前記第1のコンデンサの低圧側に直列接続された第2のコンデンサと、
    リアクタと、
    交流電源によって前記第1および第2のコンデンサの双方を充電する第1の状態と、前記交流電源によって前記第1のコンデンサを充電する第2の状態と、前記交流電源によって前記第2のコンデンサを充電する第3の状態と、前記リアクタを前記交流電源に接続する第4の状態と、のうち何れかの状態を選択できるスイッチング回路と、
    前記第2のコンデンサの端子電圧を前記第1および第2のコンデンサが成す直列回路の端子電圧である出力電圧で除算した電圧比を、0.5よりも大きい電圧比指令値に近づけるように前記スイッチング回路を制御する制御部と、を有する電力変換装置を備える
    ことを特徴とする空気調和機。
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