JPWO2020162449A1 - 光学構造体およびアーティファクト低減方法 - Google Patents

光学構造体およびアーティファクト低減方法 Download PDF

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Abstract

エンボス面上に複数のプリーツ構造からなるセルが規則的に互いに接して整列されてなる光学構造体であって、プリーツ構造は互いに平行な複数の斜面を有し、プリーツ構造は斜面端部によって形成される直線状の稜線を有し、各稜線は、滑らかな曲線を近似した直線と平行であり、隣接するセルのプリーツ構造の深さは均一であり、セル内の稜線の間隔は隣接するセル間で連続的に変化し、整列された各セルの斜面群は、斜面の反射光により滑らかな曲面の外観を表示し、各セルの所定の基準点からのセル内の各稜線のうち最も基準点に近い稜線の距離は人工のゆらぎを有する。

Description

本発明の実施形態は、対象に装飾性やセキュリティ性を付与する光学構造体と、該光学構造体におけるアーティファクト低減方法に関する。
図6は、凸レンズの一例を示す側面図である。
図6に例示するように、曲面構造を有する凸レンズ20のような光学構造体は、凸レンズ20の厚みtを変えることによって、レンズのパワーを大きくできる。
したがって、レンズのパワーを大きくすると、厚みtは増大する。
しかしながら、厚みtを増やすことは、材料コストの増加につながる。例えば、10倍の厚みの凸レンズを製作するためには、10倍の量の樹脂が必要となる。そのため、材料コストが10倍に増加する。
したがって、曲面構造によって実現される凸レンズ20のような単純なレンズ構造では、その効果と材料コストがトレードオフになる。
このトレードオフを解消するために、凸レンズ20のような単純なレンズ構造の代わりに、フレネルレンズが使用される。
図7は、フレネルレンズの一例を示す側面図である。
図7で説明されるような側面形状により、フレネルレンズ30は、レンズ表面のプリーツ構造の角度やピッチを変化させることによって、曲面構造によって実現される光学機能を得ることができる。したがって、単純な凸レンズ20ほど厚みtを増加させる必要はない。
このように、フレネルレンズ30を適用することによって、凸レンズ20と比べて、低コスト化、薄膜化、および軽量化を実現しつつ、凸レンズ20と同等の光学特性を得ることができる。
しかしながら、フレネルレンズには、以下のような問題がある。
図8は、図7に例示されるような側面形状を有するフレネルレンズの平面図である。
図9は、フレネルレンズを直線形状で近似した光学構造体の一例を示す平面図である。
フレネルレンズでは、複数の同心円状の構造を有している。この構造は、設計の自由度が低く加工性も低い。そのため、図9(a)のように、図8に例示されるフレネルレンズ30の平面上の曲面を、直線状の構造で近似することで、設計の自由度を高め、かつ加工性を高めることができる。
このとき、光学構造体10は、xy平面上に規則正しく正方配列された、等サイズの正方形状の複数のセル14によって構成できる。
セル14内では、図7に例示される凹凸のピークpに対応する稜線12が、直線状に配置される。
このように、光学構造体10をセル14で分割し、セル14内の構造を、直線形状とし、曲線の構造を近似することができる。しかし、曲線の構造を直線形状で近似した場合、近似誤差が生じ、その結果、セル14間では、直線形状同士が連続とならず、隣接するセル14の境界16において、プリーツ構造が不連続になる箇所が存在する。なお、セル14のサイズを極小化すれば、その近似誤差は最小化するが、小さなセル14は、加工が困難となり、小さすぎるセル14は実用的ではない。
このように光学構造体10をセル14で構成し、曲線の構造を、直線形状によって近似した場合には、近似誤差が生じ、図9(a)の部分拡大図である図9(b)に示すように、隣接するセル14の境界16において、プリーツ構造が連続する箇所も存在するが、図9(a)の別の部分拡大図である図9(c)に示すように、隣接するセル14の境界16において、プリーツ構造が不連続になる箇所が存在する。
隣接するセル14の境界16において、プリーツ構造が不連続になる箇所では、光の散乱が生じる。その散乱の強度は、不連続となるプリーツ構造の稜線12の境界でのズレ量が大きいほど強くなる傾向がある。そのズレ量は、場所によって異なる。また、そのズレ量は、近似する構造が、連続的な形状である場合、隣接するセル14間で類似する。言い換えれば、ズレ量は、隣接するセル14間で、段階的に変化する。そのため、ズレが大きい部分と、ズレが小さい部分が、密集する傾向がある。そのため、ズレが大きい部分は、散乱による光が強く、ズレが小さい部分は、散乱による光の強度が弱い。そのため、散乱の強弱によるアーティファクトが発生する。このアーティファクトは、類似する周期構造同士による双方の周期の周波数の差分のノイズが発生するモアレと類似した現象である。
本発明の実施形態では、曲面を、直線形状で模擬する場合であっても、光学特性の変化をもたらすことなく、アーティファクトを低減することが可能な光学構造体およびアーティファクト低減方法を提供できる。
上記の目的を達成するために、本発明の実施形態は、以下のような側面を有する。
本発明の第1の側面は、エンボス面上に複数のプリーツ構造からなるセルが規則的に互いに接して整列されてなる光学構造体、および該光学構造体におけるアーティファクトを低減するための方法である。該光学構造体では、プリーツ構造は互いに平行な複数の斜面を有し、プリーツ構造は斜面端部によって形成される直線状の稜線を有し、各稜線は、滑らかな曲線を近似した直線と平行であり、隣接するセルのプリーツ構造の深さは均一であり、セル内の稜線の間隔は隣接するセル間で連続的に変化し、整列された各セルの斜面群は、斜面の反射光により滑らかな曲面の外観を表示し、各セルの所定の基準点からのセル内の前記各稜線のうち最も基準点に近い稜線の距離は人工のゆらぎを有する。
本発明の第2の側面は、本発明の第1の側面の光学構造体およびアーティファクト低減方法において、人工のゆらぎは、稜線が、複数のセルのうちの何れかのセルにおいて、乱数によって決定されるシフト量、平行にシフトされることによって実現される。
本発明の第3の側面は、本発明の第2の側面の光学構造体およびアーティファクト低減方法において、シフト量は、同一セル内において隣接する稜線間の間隔以下の範囲で、擬似乱数を用いて計算される。
本発明の第4の側面は、本発明の第2または第3の側面の光学構造体およびアーティファクト低減方法において、シフト量は、セル毎に計算される。
本発明の第5の側面は、本発明の第2または第3の側面の光学構造体およびアーティファクト低減方法において、エンボス面上において所定距離離れた各セル同士が、同一のグループに属するように、複数のセルがそれぞれグルーピングされ、シフト量は、グループ毎に計算される。
本発明の第6の側面は、本発明の第5の側面の光学構造体およびアーティファクト低減方法において、所定距離は、グルーピングされたセルの繰り返しによる濃淡をアーティファクトとして認識しない隔離距離である。
本発明の第7の側面は、本発明の第6の側面の光学構造体およびアーティファクト低減方法において、隔離距離は10cm以上である。
本発明の第8の側面は、エンボス面上に複数のプリーツ構造からなるセルが規則的に互いに接して整列されてなる光学構造体であって、プリーツ構造は互いに平行な複数の斜面を有し、プリーツ構造は斜面端部によって形成される直線状の稜線を有し、各稜線は、滑らかな曲線を近似した直線と平行であり、セル内の斜面の角度は隣接するセル間で連続的に変化し、整列された各セルの斜面群は、斜面の反射光により滑らかな曲面の外観を表示し、各セル間のプリーツ構造の稜線の間隔深さが異なるセルを有している。
このような構成とすることで、プリーツ構造による虹色の発色を抑制できる。なお、このような構造とする際に、各セル間のプリーツ構造の深さが異なってもよい。また本発明の第1の側面と合せることもでき、それにより、アーティファクトや虹色の発色を抑えることで、良好な外観を得やすい。なお、各セル内のプリーツ構造の深さが異なると、各セルの所定の基準点からのセル内の前記各稜線のうち最も基準点に近い稜線の距離は人工のゆらぎは、相関してもよいし、非相関とすることもできる。
本発明によれば、曲線形状を、直線形状で模擬する場合であっても、光学特性の変化をもたらすことなく、アーティファクトを低減することが可能な光学構造体およびアーティファクト低減方法を実現することができる。
図1は、本発明の実施形態に係るアーティファクト低減方法を説明するためのセル平面図である。 図2は、本発明の実施形態に係るアーティファクト低減方法を説明するための別のセル平面図である。 図3は、アーティファクトの空間周波数とその見え易さを示す概念図である。 図4は、シフト量を計算する計算量を低減するために、複数のセルがまとめられた正方領域の概念を説明するための図である。 図5は、本発明の実施形態に係るアーティファクト低減方法の適用前および適用後の光学構造体を比較する図である。 図6は、凸レンズの一例を示す側面図である。 図7は、フレネルレンズの一例を示す側面図である。 図8は、図7に例示されるような側面形状を有するフレネルレンズの平面図である。 図9は、フレネルレンズを直線形状で模擬した光学構造体の一例を示す平面図である。
以下に、本発明の実施形態に係るアーティファクト低減方法が適用される光学構造体を、図面を参照して説明する。なお、本発明の実施形態は、発明の趣旨を説明するものであり、以下の本発明の実施形態の解釈を限定すべきものではない本発明の代表的なものであることを理解されたい。以下に説明する代表的な本発明の実施形態は、当業者であれば、その設計を適宜変更することが可能である。
また、図面は説明的なものであり、それらに示される寸法は、例えば、各層の厚さや、その比率など、実際と異なることがあり、図面中の寸法比は、それらに示される比に限定されるものと解釈すべきではない。また、便宜上の理由がない限り、本発明の各実施形態における同様な構成については同一の符号を付して説明し、重複する説明は省略する。また、図面において、同様の部分には同一の符号を付している。
本開示の実施形態は、背景からの独自の単一の発明を元とする一群の実施形態である。また、本開示の各側面は、単一の発明を元とした一群の実施形態の側面である。本開示の各構成は、本開示の各側面を有しうる。本開示の各特徴(feature)は組合せ可能であり、各構成をなせる。したがって、本開示の各特徴(feature)、本開示の各構成、本開示の各側面、本開示の各実施形態は、組合せることが可能であり、その組合せは相乗的機能を有し、相乗的な効果を発揮しうる。
本発明の実施形態に係るアーティファクト低減方法が適用される光学構造体を、再び図9を用いて説明する。
本発明の実施形態に係る光学構造体10は、図9に例示されるように、例えばエンボス面上に複数のプリーツ構造からなるセル14が規則的に互いに接して整列されて構成される。各セル14は、隣接するセル14との間の隙間なくセル14を密にタイリングできる。これにより、セル14とセル14との間の隙間による光学効果の低下を防止できる。一方、セル14を密にタイリングすると、一般に周期性が生じることが知られている。タイリングは、正方配列や、六方配列とできる。
各セル14の表面には、図7に例示されるように、プリーツ構造が設けられている。プリーツ構造は互いに平行な複数の斜面を有し、プリーツ構造は斜面端部、すなわち、凹凸のピークpによって形成される直線状の稜線12が、図8のような曲線形状に近似した直線状となっている。これによって、各稜線12は、滑らかな曲線を近似した曲線と平行しており、プリーツ構造は、直線的である。プリーツ構造のピッチは、5μm以上、30μm以下であり、ピークpの高さ、すなわちプリーツ構造の深さは、1μm以上、10μm以下とできる。隣接するセル14のプリーツ構造の深さは均一とでき、セル14内の稜線12の間隔は、隣接するセル14間で連続的に変化する。プリーツ構造の断面形状は、傾斜面と、ライズ面を有する鋸形状とできる。傾斜面の傾斜角は60°以下とできる。また、鋸形状の頂点の曲率半径は、0.1〜0.5μmである。また傾斜面の表面粗さは、1.0〜20nmである。表面粗さの測手方法としては、原子間力顕微鏡などを用いる。また、表面粗さの単位としてはRaとできる。言い換えれば、プリーツ構造は、傾斜面と、ライズ面を備えた、三角柱形状とできる。
また、図9において、セル14内では、プリーツ構造の方向(すなわち、鋸形状の傾斜面の向き)や、プリーツ構造の各傾斜面は、連続的な曲面の傾斜を近似するようにできる。近似する連続的な曲面は、少なくとも局所的に微分可能な面とできる。プリーツ構造の各傾斜面は、曲面の一次微分とできる。つまり、プリーツ構造の法線ベクトルとその近似する曲面のプリーツ構造に対応する局所での法線ベクトルは、一致するものとできる。また、セル14の傾斜面の法線ベクトルは、そのセルに隣接する周囲のセルの傾斜面の法線ベクトルの内側とできる。言い換えれば、セル14の傾斜面の法線ベクトルを、そのセルに隣接する周囲のセルの傾斜面の法線ベクトルの加算で表したとき、そのセルに隣接する周囲のセルの傾斜面の法線ベクトルの係数は正とできる。また、セル14の傾斜面の傾斜角度は、隣接する両側のセルの傾斜面の傾斜角度の中間とできる。
また、プリーツ構造の傾斜面を解析接続した面は、近似した連続的な曲面とできる。つまり、プリーツ構造の傾斜面の傾きを、図8に示すように、球面の傾斜と同様にできる。このように、セル14内の、プリーツ構造が線形な形状である場合、そのプリーツ構造の大きさやセル14内での配置の位置によらず、プリーツ構造の傾斜面の法線ベクトルによる光学的機能を発現できる。
これによって、整列された各セル14の傾斜面群は、傾斜面の反射光により滑らかな曲面の外観を表示するようになるので、図9のように、プリーツ構造が線形な形状で構成された光学構造体であっても、図8のように連続的な曲面で構成された光学構造体と同様の光学特性を実現できる。つまり、光学構造体10の配列されたセル14内の線形なプリーツ構造の傾斜面により、連続的な曲面の光学特性を擬似的に再現できる。言い換えれば、光学構造体10の配列されたセル14内の線形な形状のプリーツ構造により、連続的な曲面の光学特性を近似できる。
各セル14のサイズは、10μm以上、500μm以下とできる。10μm以上であれば散乱が生じにくい。また、各セル14のサイズが500μm以下では、肉眼で視認されにくい。さらに、各セル14のサイズは、10μm以上、150μm以下とできる。各セル14のサイズが150μm以下の場合、ジャギーが生じにくい。セル14のサイズはセル14の一辺の長さとできる。各セルは、同一サイズでも良いし、ことなるサイズであってもよい。また、セルは周期的に配置とできる。周期的配置は、セルを隣接して配置しやすく、傾斜面の反射光を最大化しやすい。周期的配置は格子配列とすることができる。また、モチーフ毎、またはモチーフ内のセグメント毎にセルのサイズが異なってもよい。この場合、繊細なモチーフを形成しやすい。
このように、光学構造体10をセル14で分割し、セル14内の構造を、直線形状とし、曲線の構造を近似することができる。しかし、曲線の構造を直線形状で近似した場合、近似誤差が生じ、その結果、隣接するセル14間では、プリーツ構造同士が不連続となる場所が生じる。この場合、隣接するセル14の境界16において、プリーツ構造が不連続になる箇所が存在する。なお、セル14のサイズを極小化すれば、その近似誤差は最小化するが、小さなセル14は、加工が困難となり、小さすぎるセル14は実用的ではない。
曲線形状を線形のプリズムによって近似した場合、図9(a)の部分拡大図である図9(b)に示すように、隣接するセル14の境界16において、直線状のプリーツ構造が連続する箇所も存在するが、図9(a)の別の部分拡大図である図9(c)に示すように、隣接するセル14の直線状のプリーツ構造が不連続になる箇所も存在する。
図9(c)に示すように、隣接するセル14の境界16において、直線状のプリーツ構造の隣接するセル14の境界16での不連続となるプリーツ構造のズレが同様の境界が密集して存在すると、直線状のプリーツ構造のズレに起因する散乱により、散乱の光が肉眼で視認できるアーティファクトとなる場合がある。アーティファクトは、光学構造体10の理想的な光学特性ではなくノイズとなる。そのため、アーティファクトが発生すると、光学特性が低下してしまう。
そこで、本発明の実施形態に係るアーティファクト低減方法では、セル14における直線状のプリーツ構造を、該セル14内において、シフト量だけ平行にシフトさせる。これは、例えば、各セル14の中心である基準点からのセル14内の各稜線12のうち最も基準点に近い稜線の距離が、人工のゆらぎを有するようにすることによって実現できる。また、各セル内での稜線の間隔が人工のゆらぎを有してもよい。このとき稜線の間隔に応じて隣接するセル間のプリーツの深さもゆらぎを有してもよい。言いかえれば、稜線の間隔やセル間のプリーツの深さは、ランダム性を有する。このときモチーフ内では、平均の深さは均一とすることができる。このようにすることで、成形性と、アーティスト低減を両立しやすい。さらに、各セル14の所定の基準点からのセル14内の各稜線12のうち最も基準点に近い稜線の距離と、各セル内での稜線の距離の双方が人工のゆらぎを有してもよい。なお、セル内のプリーツは、異なる深さであっても良い。
図1および図2は、本発明の実施形態に係るアーティファクト低減方法を説明するためのセル平面図である。
図1(a)は、図9(c)と同様に、隣接するセル14の境界16において、直線状のプリーツ構造が不連続になる箇所を説明している。図1(a)では、セル14間でのプリーツ構造のズレ量Aが多い箇所が密集していることが説明されている。
図2(a)は、図9(b)と同様に、隣接するセル14の境界16において、直線状のプリーツ構造が連続する箇所を説明している。
図1(b)は、図1(a)に説明される状態から、セル14における直線状のプリーツ構造を、該セル14内において、隣接する稜線間の間隔s以下の範囲の人工のゆらぎ量で、平行にシフトさせた状態を説明している。
図1(b)では、セル14(#1)において、直線状のプリーツ構造の稜線12(#1a)および直線状のプリーツ構造の稜線12(#1b)が、図中矢印に示すように、隣接する稜線間の間隔s以下の範囲のシフト量で、稜線12(#1a’)および稜線12(#1b’)へそれぞれ平行にシフトされている。つまり、人工のゆらぎとして、直線状のプリーツ構造の設けられた位置が平行にシフトされている。セル14(#2)において、稜線12(#2a)および稜線12(#2b)も同様に、図中矢印に示すように、稜線12(#2a’)および稜線12(#2b’)へそれぞれ平行にシフトされている。セル14(#3)およびセル14(#4)でも、同様に、稜線12(#3)および稜線12(#4)が、シフト量、稜線12(#3’)および稜線12(#4’)へと平行にシフトされている。図1(c)は、シフト後の稜線を説明する図である。
稜線12をシフト量に応じて平行にシフトする前の光学構造体、すなわち、人工のゆらぎがない光学構造体は、図1(a)のように、セル14の境界16においてプリーツ構造が不連続となる境界が複数存在する。そして、セル14の境界16における不連続なプリーツ構造の稜線12のズレ量が同様な複数の境界が、平面上に密集して存在すれば、アーティファクトが発生する可能性がある。
しかしながら、隣接する稜線間の間隔s以下の範囲のシフト量で、稜線12を平行にシフトさせることによって、人工のゆらぎが実現された後は、図1(c)に示すように、セル14の境界16における不連続なプリーツ構造の稜線12のズレ量Bが同様な複数の境界が密集せず、分散される。そのため、図1(b)および図1(c)に示すように、直線状のプリーツ構造のズレ量Bの分布が均質化され、そのズレ量Bに応じた散乱が均一化するため、アーティファクトの発生が低下する。
ところで、図1(a)では、隣接するセル14の境界16において、稜線12が不連続になる箇所が存在する場合であったが、図2(a)のように、隣接するセル14の境界16において、稜線12が連続的となる場合、上述したように稜線12を、シフト量、平行にシフトさせることによって人工のゆらぎが実現された場合、シフト前の、すなわち、人工のゆらぎが実現される前の稜線を例示する図2(a)から、稜線の平行なシフトを示す図2(b)、およびシフト後の稜線を例示する図2(c)に示すように、シフト後、すなわち、人工のゆらぎが実現された後、隣接するセル14の境界16において、稜線12が不連続になってしまう。
しかしながら、アーティファクトは、隣接するセル14の境界16における不連続な稜線12のズレ量が同様なセル14の境界16が、平面上に密集して存在することによって発生するので、図2(c)に示すように、隣接するセル14の境界16において、稜線12が不連続になっても、同一のセル14内で、隣接する稜線12間の間隔s以下の範囲でなされる、平行なシフト量でなされる人工のゆらぎにより、隣接するセル14の境界16での不連続な稜線12のズレ量が同様なセル14の境界16が、平面上で密集しないため、アーティファクトの発生を防止できる。
なお、図2(c)のように、稜線12をシフト量、平行にシフトさせることによって人工のゆらぎが実現されても、プリーツ構造のピッチや向きは変わらないため、プリーツ構造の光学特性は変わらない。
このように、セル14内の稜線12を、該セル14内において、隣接する稜線12間の間隔s以下の範囲で、シフト量、平行にシフトさせて人工のゆらぎを実現することによって、セル14の境界16における不連続なプリーツ構造の稜線12のズレ量が隣接する複数の境界16で類似せず、分散されるので、アーティファクトを低減できる。
次に、シフト量の決定方法について説明する。
前述したように、シフト量は、隣接する稜線12間の間隔s以下の範囲であるので、最大値が間隔sとなるように、乱数を用いて計算することができる。ただし、一般的にコンピュータによって、完全な乱数、すなわち、完全に周期性なく数値を出力することは困難である。そのため、完全な乱数に代えて、疑似乱数を使用することができる。疑似乱数は、等頻度、無相関、及び長周期であることが好ましい。この等頻度、無相関、及び長周期が担保されることで、効果的にアーティファクトの発生を抑制できる。また、等頻度性、無相関性、及び長周期性は、当業者が適切に定めることができる。擬似乱数でも、周期性はあるものの、アーティファクトの発生を考慮すべき対象となるセルの数よりも、周期を十分に長くすることができる。そのため、ズレ量の周期性に起因する濃淡が現れる可能性を低くできる。したがって、シフト量を計算するために、完全な乱数に代えて、擬似乱数を使用できる。擬似乱数を発生するためには、線形合同法、線形帰還シフトレジスタ、およびメルセンヌ・ツイスタ法を適用することができる。
なお、アーティファクトの発生を考慮すべき領域の大きさについて、図3を用いて説明する。
図3は、アーティファクトの空間周波数とその見え易さを示す概念図であり、横軸が不連続性の周期を表し、縦軸がアーティファクトの見え易さを表す。これは、人間の目の濃淡のコントラストの空間周波数特性に依存する。
図3は、例えば図1(a)に説明するように、数mm〜数cmの濃淡の周波数成分は、最も観察され易く、従ってアーティファクトが最も目立つことを示している。また、図3によれば、不連続性の周期が数mm〜数cmよりも大きくなった場合、アーティファクトの見え易さは、徐々に減少することを示している。例えば、不連続性の周期が数十cmの場合、仮に、隣接するセル14の境界16において、不連続となるプリーツ構造の稜線12のズレ量が同様の複数の境界が密集しても、アーティファクトは視認されにくくなる。また、アーティファクトの周期が、数mm以下となると、アーティファクトは人間の目の解像度を下回ってくるため、アーティファクトが解像されず、視認されなくなっていく。
本発明の実施形態では、セル14のサイズは、数mm以下であり、特に10μm以上、500μm以下が好適である。この場合、10cmの中に、セル14は、約200〜10,000個存在する。したがって、擬似乱数の周期が10,000以上であればアーティファクトを発生させるような濃淡が発生する可能性は低い。擬似乱数は、周期が10,000以上のものが知られており、本発明の実施形態では、シフト量に、このような乱数を使用することができる。
シフト量は、セル14毎に固有の値とすることができる。なぜなら、すべてのセル14において、稜線12を同じシフト量、平行にシフトさせた場合、プリーツ構造の稜線12のズレ量が類似した複数の境界が密集し、アーティファクトの発生原因となり得るからである。
アーティファクトの発生原因となり得るパターンが形成されないよう、セル14毎に、隣接する稜線12間の間隔s以下の範囲で、擬似乱数により決定されたシフト量で、稜線12を平行にシフトさせることができる。また、上記観点からは、隣接するセル14では、異なるシフト量で、稜線12を平行にシフトさせることが要求される。
しかしながら、すべてのセル14に対して、シフト量を計算することは、計算に要する時間が懸念される。例えば、光学構造体10のサイズが小さく、セル14の数が少ない場合には、さほど影響ないかもしれないが、光学構造体10のサイズが大きく、セル14の数が多い場合には、多大な計算時間を要することになる。
このような場合、以下に説明するように、図3を用いて前述した原理を利用して、計算量を低減することが可能である。
すなわち、図3のように、隣接するセル14の境界16における構造の不連続な稜線12のズレ量の分布の周期が数cmよりも大きくなった場合、アーティファクトの見え易さは、徐々に減少し、アーティファクトの周期が数十cmになれば、隣接するセル14の境界16において、不連続となるプリーツ構造の稜線12のズレ量が同様の複数の境界が密集して存在している場合でも、アーティファクトが観察され難くなる。
そのため、セル14間の稜線12の不連続性によるセル14間でのプリーツ構造のアーティファクトは、光学構造体10のエンボス面において、数十cmまでの周期は視認されやすいが、数十cm以上離れたセル14については、同じシフト量で、稜線12を平行にシフトさせても、視認し難い。そのため、シフト量に用いる数列は、セル14が数十cm離れているところで、同じパターンとなるような長い周期を有していてもよい。これにより計算結果を流用することによって、計算量を低減できる。これを図4で説明する。
図4は、シフト量を計算する計算量を低減するために、複数のセルがまとめられた正方領域の概念を説明するための図である。
図4に示すように、一辺10cm以上離れた正方領域B(#1)内の各セル14(g11)、(g12)、・・・(g1n)について、シフト量を計算し、他の正方領域B(#2)〜B(#m)内の各セル14については、正方領域B(#1)内の対応する位置におけるセル14について計算されたシフト量を使用することができる。
例えば、正方領域B(#1)内のセル14(g11)について計算されたシフト量は、正方領域B(#2)内のセル14(g21)、正方領域B(#3)内のセル14(g31)、正方領域B(#4)内のセル14(g41)、・・・・正方領域B(#m)内のセル14(gm1)にも利用され、同様に、正方領域B(#1)内のセル14(g12)について計算されたシフト量は、正方領域B(#2)内のセル14(g22)、正方領域B(#3)内のセル14(g32)、正方領域B(#4)内のセル14(g42)、・・・・正方領域B(#m)内のセル14(gm2)にも利用されるようにできる。
このように、10cmのような、肉眼で、濃淡の差を明確に認識しない距離以上に離れた各セル14同士(例えば、セル14(g11)、セル14(g21)、セル14(g31)、セル14(g41)、・・・セル14(gm1)同士)が、同一のグループ(例えば、「第1グループ」)に属するように、複数のセル14をそれぞれグルーピングし、グループについて1つだけシフト量を計算するようにすれば、アーティファクトが観察されず、かつ、計算量の低減を図れる。また、同様に異なるモチーフでも同じシフト量を適用できる。
上述したように、本発明の実施形態に係るアーティファクト低減方法が適用された光学構造体10によれば、セル14内のプリーツ構造を、セル14毎に計算されたシフト量、平行にシフトさせ配置することによって、光学特性を変化させることなく、アーティファクトを低減することができる。
セル14毎のシフト量は、擬似乱数のような乱数で、セル14毎に決定することが望ましい。しかしながら、人間がアーティファクトを認識できる範囲を考慮することによって、代表的ないくつかのセル14のみについてシフト量を計算すればよくなるので、計算量を低減することも可能となる。
このような本発明の実施形態に係るアーティファクト低減方法による効果を、図5を用いて例示する。
図5は、本発明の実施形態に係るアーティファクト低減方法の適用前および適用後の光学構造体を比較する図である。
構造顕微鏡平面写真17Aは、本発明の実施形態に係るアーティファクト低減方法の適用前の光学構造体10Aを正面から撮影した一例である。
光学構造体10Aは、部分斜視図18aに例示するように、セル14の境界16における不連続なプリーツ構造の稜線12のズレ量が小さい境界と、部分斜視図18bに例示するように、セル14の境界16における不連続なプリーツ構造の稜線12のズレ量が大きい境界とを含んでいる。これによって、光学構造体10Aには、外観写真19Aに示されているように、セル14の境界16における稜線12の不連続な境界での散乱によりアーティファクトCが発生する。
一方、構造顕微鏡平面写真17Bは、光学構造体10Aに対して、本発明の実施形態に係るアーティファクト低減方法を適用した光学構造体10Bを、正面から撮影したものである。
構造顕微鏡平面写真17Bに示されるように、光学構造体10Bは、セル14内の稜線12の位置が、セル14毎に計算されたシフト量、平行にシフトされているので、セル14の境界16におけるプリーツ構造の稜線12のズレ量が、全体的に均質化されている。
外観写真19Bは、このような光学構造体10Bを撮影したものである。外観写真19Bには、外観写真19Aで観察されたアーティファクトが消滅していることが分かる。
このように、本発明の実施形態によれば、曲面を、線形のプリーツ構造で模擬する場合であっても、光学特性の変化をもたらすことなく、アーティファクトを低減することが可能となる。説明した曲面は球形状であるが、放物面や多項式で表現される曲面でもよい。すなわち、楕円面、双曲面、4次曲面などである。また、凸状の曲面だけではなく。凹状の曲面でもよい。また、凸状の曲面と、凹状の曲面との組合せでもよい。また、高さがゼロとなる等高線が、曲面の外形でもよい。また、文字やシンボルのモチーフとなっていてもよい。
[光学構造体の製造方法]
なお、以下では、光学構造体10がエンボス層に加えて、反射層、粘着層、および、キャリアを備える光学構造体10の製造方法を説明する。
光学構造体10を製造するときには、まず、平坦面よびエンボス面を含むエンボス層を形成する。凹凸を含むエンボス面を有したエンボス層を形成する方法は、エンボス面の形状に対応する原版を製造した後に、原版のスタンプ面をエンボス層で覆うことによって、原版が有する凹凸形状を複製する方法であってよい。つまり、原版のスタンプ面を、光学構造体10のエンボス層にエンボスすることで、エンボス層にエンボス面を形成できる。
原版を製造するときには、まず、平板状を有した基板の一方の面に感光性レジストを塗布する。その後、感光性レジストにビームを照射して感光性レジストの一部を露光する。次に、感光性レジストを現像する。そして、電気めっきなどによって、金属製のスタンパを現像後の感光性レジストから形成する。金属製のスタンパを母型として、エンボス面11Rの形状に対応するスタンプ面を有した原版を形成する。なお、金属製のスタンパは、金属板を切削加工することで形成することもできる。
エンボス層は、多層でもよい。エンボス層が多層の場合、熱可塑樹脂の剥離層と硬化樹脂の形成層の構成とできる。剥離層は、キャリア上にエンボス層を剥離可能に保持できる。形成層には、凹凸形状をエンボスで形成できる。
エンボス層の形成材料は、樹脂とできる。形成材料の樹脂は、熱可塑樹脂や硬化樹脂とできる。各種の樹脂は、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリイミド系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、メタクリル系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、および、セルロース系樹脂などを用いることができる。ポリスチレン系樹脂は、アクリロニトリル−(ポリ)スチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)などであってよい。なお、エンボス層の形成材料は、これらの樹脂のうち1つの樹脂のみであってもよいし、2つ以上の樹脂の混合または複合であってもよい。樹脂は、硬化剤を添加しない場合は熱可塑樹脂となる。また、一方で、硬化剤を添加することで硬化樹脂とできる。エンボス層の厚みは、1μm以上、20μm以下とできる。
エンボス層の形成材料は、さらに添加剤を含んでもよい。添加剤は、硬化剤、可塑剤、分散剤、各種レベリング剤、紫外線吸収剤、抗酸化剤、粘性改質剤、潤滑剤、光安定化剤などの少なくとも1つであってよい。
また、エンボス層のエンボス面に追従するように反射層を形成してもよい。反射層は堆積により形成できる。反射層を形成する工程において、反射層を形成する方法が、物理気相成長および化学気相成長のいずれかであってよい。物理気相成長は、真空蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング、イオンクラスタービームなどであってよい。化学気相成長には、プラズマ化学気相成長、熱化学気相成長、光化学気相成長などであってよい。反射層の厚みは、10nm以上、300nm以下とできる。また反射層は、透光性または隠蔽性とできる。透光性の反射層は、誘電体層とできる。隠蔽性の反射層は、金属層とできる。誘電体層の形成材料は、金属化合物または酸化ケイ素できる。金属化合物は、金属硫化物、金属酸化物、金属フッ化物、窒化金属とできる。金属硫化物は、硫化亜鉛などとできる。金属酸化物は、酸化チタンなどとできる。金属フッ化物は、フッ化マグネシウムやフッ化カルシウムなどとできる。窒化金属は、窒化アルミニウムなどとできる。反射層の金属は、アルミニウム、銀、銅、ニッケル、チタン、金とできる。
これらの方法の中でも、真空蒸着およびイオンプレーティングは、他の製法よりも生産性が高い点、および、良質な反射層を形成することができる点で好ましい。なお、物理気相成長法および化学気相成長における成膜条件は、反射層の形成材料に応じて選択することができる。
反射層のなかで、エンボス層に接する面とは反対側の面に粘着層を形成してもよい。このとき、エンボス層と反射層との積層体が有する凹凸を埋めるような厚みを有する粘着層を形成する。そして、粘着層のなかで、反射層に接する面とは反対側の面に被着体を重ねる。被着体とエンボス層とが、粘着層によって接着される。これにより、光学構造体を得ることができる。
以上、本発明を実施するための最良の形態について、添付図面を参照しながら説明したが、本開示の範囲は、図示され記載された実施形態に限定されるものではなく、本発明が目的とするものと均等な効果をもたらす全ての実施形態をも含むことができる。更に、本開示の範囲は、請求項により画される発明の特徴(feature)に限定されるものではなく、全ての開示されたそれぞれの特徴(feature)、その特徴(feature)のあらゆる組み合わせも含む。
本開示で用いられる「部分」、「要素」、「画素」、「セル」、「セグメント」「単位」「表示体」、「物品」という用語は、物理的存在である。物理的存在は、物質的形態または、物質に囲まれた空間的形態を指すことができる。物理的存在は、構造体とできる。構造体は、特定の機能を有するものとできる。特定の機能を有した構造体の組合せは、各構造体の各機能の組合せにより相乗的効果を発現できる。
本開示および特に添付の特許請求の範囲内で使用される用語(例えば、添付の特許請求の範囲の本文)は、一般的に、「オープンな」用語として意図される(例えば、「有する」という用語は、「少なくとも有する」と解釈すべきであり、「含む」という用語は「含むがそれに限定されない」などと解釈されるべきである。
また、用語、構成、特徴(feature)、側面、実施形態を解釈する場合、必要に応じて図面を参照すべきである。図面により、直接的かつ一義的に導き出せる事項は、テキストと同等に、補正の根拠となるべきである。
さらに、特定の数の導入された請求項の記載が意図される場合、そのような意図は、請求項に明示的に記載され、そのような記載がない場合、そのような意図は存在しない。例えば、理解を助けるために、以下の添付の特許請求の範囲は、「少なくとも1つ」および「1つまたは複数」の導入句の使用を含み、請求の列挙を導入することができる。しかしながら、そのような語句の使用は、不定冠詞「a」または「an」によるクレーム記載の導入が、そのようなクレームを含む特定のクレームを、そのような記載を1つだけ含む実施形態に限定することを意味すると解釈されるべきではない。「1つ以上」または「少なくとも1つ」の冒頭の語句および「a」または「an」などの不定冠詞(例えば、「a」および/または「an」)は、少なくとも「少なくとも」を意味すると解釈されるべきである。「1つ」または「1つ以上」)。請求項の記述を導入するために使用される明確な記事の使用についても同様である。
本発明の実施形態によれば、セル内の稜線の位置を、隣接する稜線の間隔以下の範囲で、擬似乱数のような乱数により決定されたシフト量で、平行にシフトさせることによって、同一の光学特性を、異なる物理的構成によって実現することができる。このような技術は、パターンの複雑化によって偽造防止性を向上させる技術分野に応用することが可能である。

Claims (15)

  1. エンボス面上に複数のプリーツ構造からなるセルが規則的に互いに接して整列されてなる光学構造体であって、
    前記プリーツ構造は互いに平行な複数の斜面を有し、前記プリーツ構造は斜面端部によって形成される直線状の稜線を有し、前記各稜線は、滑らかな曲線を近似した直線と平行であり、隣接するセルのプリーツ構造の深さは均一であり、セル内の稜線の間隔は隣接するセル間で連続的に変化し、整列された各セルの斜面群は、前記斜面の反射光により滑らかな曲面の外観を表示し、各セルの所定の基準点からの前記セル内の前記各稜線のうち最も前記基準点に近い稜線の距離は人工のゆらぎを有することを特徴とする、光学構造体。
  2. 前記人工のゆらぎは、前記稜線が、前記複数のセルのうちの何れかのセルにおいて、乱数によって決定されるシフト量、平行にシフトされることによって実現されることを特徴とする、請求項1に記載の光学構造体。
  3. 前記シフト量は、同一セル内において隣接する稜線間の間隔以下の範囲で、擬似乱数を用いて計算されることを特徴とする、請求項2に記載の光学構造体。
  4. 前記シフト量は、前記セル毎に計算されることを特徴とする、請求項2または3に記載の光学構造体。
  5. 前記エンボス面上において所定距離離れた各セル同士が、同一のグループに属するように、前記複数のセルがそれぞれグルーピングされ、
    前記シフト量は、前記グループ毎に計算されることを特徴とする、請求項2または3に記載の光学構造体。
  6. 前記所定距離は、グルーピングされたセルの繰り返しによる濃淡をアーティファクトとして認識しない隔離距離であることを特徴とする、請求項5に記載の光学構造体。
  7. 前記隔離距離は10cm以上であることを特徴とする、請求項6に記載の光学構造体。
  8. エンボス面上に複数のプリーツ構造からなるセルが規則的に互いに接して整列されてなる光学構造体であって、
    前記プリーツ構造は互いに平行な複数の斜面を有し、前記プリーツ構造は斜面端部によって形成される直線状の稜線を有し、前記各稜線は、滑らかな曲線を近似した直線と平行であり、セル内の斜面の角度は隣接するセル間で連続的に変化し、整列された各セルの斜面群は、前記斜面の反射光により滑らかな曲面の外観を表示し、各セル間のプリーツ構造の稜線の間隔深さが異なるセルを有していることを特徴とする、光学構造体。
  9. エンボス面上に複数のプリーツ構造からなるセルが規則的に互いに接して整列されてなる光学構造体におけるアーティファクトを低減するための方法であって、
    前記光学構造体では、
    前記プリーツ構造は互いに平行な複数の斜面を有し、前記プリーツ構造は斜面端部によって形成される直線状の稜線を有し、前記各稜線は、滑らかな曲線を近似した直線と平行であり、隣接するセルのプリーツ構造の深さは均一であり、セル内の稜線の間隔は隣接するセル間で連続的に変化し、整列された各セルの斜面群は、前記斜面の反射光により滑らかな曲面の外観を表示し、各セルの所定の基準点からの前記セル内の前記各稜線のうち最も前記基準点に近い稜線の距離は人工のゆらぎを有することを特徴とする、アーティファクト低減方法。
  10. 前記人工のゆらぎは、前記稜線が、前記複数のセルのうちの何れかのセルにおいて、乱数によって決定されるシフト量、平行にシフトされることによって実現されることを特徴とする、請求項9に記載のアーティファクト低減方法。
  11. 前記シフト量は、同一セル内において隣接する稜線間の間隔以下の範囲内で、擬似乱数を用いて計算されることを特徴とする、請求項10に記載のアーティファクト低減方法。
  12. 前記シフト量は、前記セル毎に計算されることを特徴とする、請求項10または11に記載のアーティファクト低減方法。
  13. 前記エンボス面上において所定距離離れた各セル同士が、同一のグループに属するように、前記複数のセルをそれぞれグルーピングし、
    前記シフト量を、前記グループ毎に計算することを特徴とする、請求項10または11に記載のアーティファクト低減方法。
  14. 前記所定距離を、グルーピングされたセルの繰り返しによる濃淡をアーティファクトとして認識しない隔離距離としたことを特徴とする、請求項13に記載のアーティファクト低減方法。
  15. 前記隔離距離を10cm(センチメートル)としたことを特徴とする、請求項14に記載のアーティファクト低減方法。
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