JPWO2020137277A1 - 表面処理された光学部材 - Google Patents

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Abstract

表面処理剤、好ましくは親油性基及び基材との密着性官能基を含有するオルガノシラン又はオルガノシロキサン化合物を含む表面処理剤により表面処理されてなり、該表面処理剤層のオレイン酸接触角が20°以下である光学部材は、優れた親油性を有し、油汚れが付着した場合も透過性を失わない。

Description

本発明は、分子中に基材との密着性官能基と親油性基とを含有するオルガノシラン又はオルガノシロキサン化合物を含む表面処理剤で表面処理された光学部材に関する。
一般に、光学部材、例えばカメラレンズ等の撮像装置は、天候や周辺環境により表面に水滴や油汚れが付着して透過性が失われ、撮影される画像が不鮮明になる場合がある。そこで、外観や透過性を向上するために、光学部材に汚れを付きにくくする技術や、汚れを目立たなくする技術の要求が年々高まってきており、これらの要求に応えることのできる材料の開発が望まれている。
一般に、ガラスや樹脂などの基材の表面改質剤としては、シランカップリング剤が良く知られており、各種基材表面のコーティング剤として幅広く利用されている。シランカップリング剤は、1分子中に有機官能基と反応性シリル基(一般にはアルコキシシリル基等の加水分解性シリル基)を有し、この加水分解性シリル基が、空気中の水分などによって自己縮合反応を起こして被膜を形成する。該被膜は、加水分解性シリル基がガラスや金属などの表面と化学的・物理的に結合することにより耐久性を有する強固な被膜となる。
そこで、フルオロポリエーテル基含有化合物に加水分解性シリル基を導入したフルオロポリエーテル基含有ポリマーを用いることによって、基材表面に防汚性等を有する被膜を形成しうる組成物が数多く開示されている(特許文献1〜6:特表2008−534696号公報、特表2008−537557号公報、特開2012−072272号公報、特開2012−157856号公報、特開2013−136833号公報、特開2015−199906号公報)。
しかし、従来のフルオロポリエーテル基含有ポリマーを用いて作製した被膜層は、その高い撥水撥油性から防汚性に優れるものの、付着した液体が表面に弾かれることで微小な液滴を形成し、光が散乱するために曇りが生じ、透過性が低下するという問題点があった。
特表2008−534696号公報 特表2008−537557号公報 特開2012−072272号公報 特開2012−157856号公報 特開2013−136833号公報 特開2015−199906号公報
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、親油性を示す硬化被膜を形成し得るオルガノシラン化合物又はオルガノシロキサン化合物を含有する表面処理剤により表面処理された光学部材を提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、表面処理剤、好ましくは親油性基及び基材との密着性官能基を含有するオルガノシラン又はオルガノシロキサン化合物を含む表面処理剤により表面処理されてなり、該表面処理剤層のオレイン酸接触角が20°以下である光学部材が、優れた親油性を有し、油汚れが付着した場合も透過性を保つことを見出し、本発明をなすに至った。
従って、本発明は、下記の光学部材を提供する。
〔1〕
表面処理剤により表面処理されてなり、該表面処理剤層のオレイン酸接触角が20°以下である光学部材。
〔2〕
表面処理剤層の膜厚が2nm以上100nm以下である〔1〕に記載の光学部材。
〔3〕
オレイン酸に1分間浸漬し、引き揚げた後のHAZEが1.5%以下である〔1〕又は〔2〕に記載の光学部材。
〔4〕
表面処理剤が、親油性基及び基材との密着性官能基を含有するオルガノシラン又はオルガノシロキサン化合物を含むものである〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の光学部材。
〔5〕
表面処理剤が、親油性基及び水酸基もしくは加水分解性基を含有する、オルガノシラン化合物、オルガノシロキサン化合物、及びそれらの部分(加水分解)縮合物から選ばれる1種又は2種以上を含むものである〔4〕に記載の光学部材。
〔6〕
表面処理剤が、下記一般式(1)で表されるオルガノシラン化合物及び/又はその部分(加水分解)縮合物を含むものである〔5〕に記載の光学部材。
Figure 2020137277
(式中、Aは−C(=O)OR1、−C(=O)NR1 2、−C(=O)SR1、及び−P(=O)(OR12のいずれかであり、R1は水素原子、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数6〜30のアリール基又は炭素数7〜30のアラルキル基であり、Yは独立に2価の有機基であり、Rは独立に炭素数1〜4のアルキル基又はフェニル基であり、Xは独立に水酸基又は加水分解性基であり、nは1〜3の整数である。)
〔7〕
前記一般式(1)において、Yが−O−、−S−、−NR−、−C(=O)−、−C(=O)O−、−C(=O)NR−、−OC(=O)NR−(Rは炭素数1〜4のアルキル基又はフェニル基である)、シルアルキレン基、シルアリーレン基、及びケイ素原子数2〜10個の直鎖状、分岐状又は環状の2価のオルガノ(ポリ)シロキサン残基から選ばれる2価の基を含んでいてもよく、また炭素数6〜20のアリーレン基を含んでいてもよい炭素数2〜30のアルキレン基である〔6〕に記載の光学部材。
〔8〕
表面処理剤が、下記一般式(2)で表されるオルガノシラン化合物及び/又はその部分(加水分解)縮合物を含むものである〔6〕又は〔7〕に記載の光学部材。
Figure 2020137277
(式中、R2は炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基又は炭素数7〜20のアラルキル基であり、mはそれぞれ独立に2〜20の整数であり、Xは独立に水酸基又は加水分解性基である。)
〔9〕
前記一般式(1)又は(2)において、Xがそれぞれ独立に、水酸基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数2〜10のアルコキシ置換アルコキシ基、炭素数1〜10のアシロキシ基、炭素数2〜10のアルケニルオキシ基、ハロゲン原子、オキシム基、イソシアネート基、及びシアネート基からなる群より選ばれる基である〔6〕〜〔8〕のいずれかに記載の光学部材。
〔10〕
表面処理剤が、下記一般式(3)で表されるオルガノシロキサン化合物及び/又はその部分(加水分解)縮合物を含むものである〔5〕に記載の光学部材。
Figure 2020137277
(式中、A’は−CH3、−C(=O)OR1、−C(=O)NR1 2、−C(=O)SR1、及び−P(=O)(OR12のいずれかであり、R1は水素原子、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数6〜30のアリール基又は炭素数7〜30のアラルキル基であり、Y’は独立に2価の有機基であり、Wは独立に炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基、水酸基又は加水分解性基であり、Rは独立に炭素数1〜4のアルキル基又はフェニル基であり、Xは独立に水酸基又は加水分解性基であり、nは1〜3の整数であり、qは1〜3の整数である。)
〔11〕
前記一般式(3)において、Y’が−O−、−S−、−NR−、−C(=O)−、−C(=O)O−、−C(=O)NR−、−OC(=O)NR−(Rは炭素数1〜4のアルキル基又はフェニル基である)、シルアルキレン基、シルアリーレン基、及びケイ素原子数2〜10個の直鎖状、分岐状又は環状の2価のオルガノ(ポリ)シロキサン残基から選ばれる2価の基を含んでいてもよく、また炭素数6〜20のアリーレン基を含んでいてもよい炭素数2〜30のアルキレン基である〔10〕に記載の光学部材。
〔12〕
前記一般式(3)において、Wがそれぞれ独立に、炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基、水酸基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数2〜10のアルコキシ置換アルコキシ基、炭素数1〜10のアシロキシ基、炭素数2〜10のアルケニルオキシ基、ハロゲン原子、オキシム基、イソシアネート基、及びシアネート基からなる群より選ばれる基である〔10〕又は〔11〕に記載の光学部材。
〔13〕
表面処理剤が、下記一般式(4)で表されるオルガノシロキサン化合物及び/又はその部分(加水分解)縮合物を含むものである〔10〕〜〔12〕のいずれかに記載の光学部材。
Figure 2020137277
(式中、R3は炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基又は炭素数7〜20のアラルキル基であり、Qは単結合、又はシルアルキレン基、シルアリーレン基、及びケイ素原子数2〜10個の直鎖状、分岐状もしくは環状の2価のオルガノ(ポリ)シロキサン残基から選ばれる2価の基であり、m’はそれぞれ独立に1〜20の整数であり、m''は2〜20の整数であり、Xは独立に水酸基又は加水分解性基である。)
〔14〕
前記一般式(3)又は(4)において、Xがそれぞれ独立に、水酸基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数2〜10のアルコキシ置換アルコキシ基、炭素数1〜10のアシロキシ基、炭素数2〜10のアルケニルオキシ基、ハロゲン原子、オキシム基、イソシアネート基、及びシアネート基からなる群より選ばれる基である〔10〕〜〔13〕のいずれかに記載の光学部材。
〔15〕
光学部材がメガネレンズである〔1〕〜〔14〕のいずれかに記載の光学部材。
〔16〕
光学部材がカメラレンズ又はレンズカバーである〔1〕〜〔14〕のいずれかに記載の光学部材。
本発明の光学部材は、表面処理剤、好ましくは分子内に親油性基及び基材との密着性官能基を含有するオルガノシラン又はオルガノシロキサン化合物により表面処理されてなり、該表面処理剤層のオレイン酸接触角が20°以下であることで、付着した油汚れ等を表面に濡れ広げることができる。よって、本発明の表面処理剤により表面処理された光学部材は、油汚れ等が付着した場合も透過性を失わない。
本発明の光学部材は、表面処理剤により表面処理されてなり、該表面処理剤層のオレイン酸接触角が20°以下であるものである。オレイン酸接触角が20°以下であると、親油性、及び油汚れが付着した際の透過性が良好となる。オレイン酸接触角は、20°以下であり、好ましくは15°以下、より好ましくは10°以下である。オレイン酸接触角の下限は特に限定されないが、例えば2°である。なお、本発明において、オレイン酸接触角は、表面処理剤層に対して接触角計Drop Master(協和界面科学社製)を用いることで測定できる。より具体的には、オレイン酸を用いて室温20℃で、水平を保った表面処理剤層上に液滴2μLを滴下し、滴下後40秒時点での接触角を10箇所で測定し、測定結果の平均値を接触角とする。
本発明の光学部材を上記接触角の範囲とするためには、好適には、分子内にアルキル基、エステル基、アミド基、スルホン酸基又はホスホン酸基等の親油性基と、アルコキシシリル基等の基材との密着性官能基とを有するオルガノシラン化合物又はオルガノシロキサン化合物を用いて光学部材の表面を表面処理することが好ましい。
本発明の光学部材の表面処理剤層の膜厚は、2nm以上100nm以下であることが好ましい。膜厚の下限は、より好ましくは2.5nm以上であり、更に好ましくは3nm以上である。膜厚の上限は、より好ましくは90nm以下であり、更に好ましくは50nm以下である。膜厚が2nmよりも薄いと親油性が損なわれる場合があり、100nmよりも厚くなると光学部材の透明性が損なわれる場合がある。
本発明の光学部材は、オレイン酸に1分間浸漬し、引き揚げた後のHAZEが1.5%以下である。HAZEが1.5%以下であると、油汚れが付着した際の透過性が良好となる。HAZEは、好ましくは1%以下であり、更に好ましくは0.5%以下である。HAZEの下限は特に限定されないが、例えば0.01%である。なお、本発明において、HAZEは、表面処理剤層に対してヘーズメーターNDH5000(日本電色工業社製)を用いることで測定できる。
本発明の光学部材を上記HAZEの範囲とするためには、好適には、分子内にアルキル基、エステル基、アミド基、スルホン酸基又はホスホン酸基等の親油性基と、アルコキシシリル基等の基材との密着性官能基とを有するオルガノシラン化合物又はオルガノシロキサン化合物を用いて光学部材の表面を表面処理して該表面処理剤層のオレイン酸接触角を20°以下にすることが好ましい。
本発明の光学部材は、親油性基及び基材との密着性官能基を含有するオルガノシラン又はオルガノシロキサン化合物を含む表面処理剤を用いて表面処理することが好ましい。このような表面処理剤を用いると、表面処理された光学部材は、親油性、及び油汚れが付着した際の透過性が良好となる。
上記密着性官能基としては、水酸基、加水分解性シリル基、エポキシ基、ビニル基、アクリル基、メタクリル基、アミノ基、メルカプト基、イミダゾール基、リン酸基、イソシアネート基、ウレイド基、スチリル基が挙げられる。好ましくは、水酸基、加水分解性シリル基である。このような密着性官能基を用いると、該表面処理剤は基材と強固に密着した被膜を形成できる。
上記表面処理剤としては、中でも、親油性基と水酸基もしくは加水分解性基とを含有する、オルガノシラン化合物、オルガノシロキサン化合物、及びそれらの部分(加水分解)縮合物を含むものが好ましく、下記一般式(1)で表されるオルガノシラン化合物及び/又はその部分(加水分解)縮合物、又は下記一般式(3)で表されるオルガノシロキサン化合物及び/又はその部分(加水分解)縮合物を有することがより好ましい。
Figure 2020137277
(式中、Aは−C(=O)OR1、−C(=O)NR1 2、−C(=O)SR1、及び−P(=O)(OR12のいずれかであり、R1は水素原子、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数6〜30のアリール基又は炭素数7〜30のアラルキル基であり、Yは独立に2価の有機基であり、Rは独立に炭素数1〜4のアルキル基又はフェニル基であり、Xは独立に水酸基又は加水分解性基であり、nは1〜3の整数である。)
Figure 2020137277
(式中、A’は−CH3、−C(=O)OR1、−C(=O)NR1 2、−C(=O)SR1、及び−P(=O)(OR12のいずれかであり、R1は水素原子、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数6〜30のアリール基又は炭素数7〜30のアラルキル基であり、Y’は独立に2価の有機基であり、Wは独立に炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基、水酸基又は加水分解性基であり、Rは独立に炭素数1〜4のアルキル基又はフェニル基であり、Xは独立に水酸基又は加水分解性基であり、nは1〜3の整数であり、qは1〜3の整数である。)
下記一般式(1)で表されるオルガノシラン化合物
Figure 2020137277
(式中、Aは−C(=O)OR1、−C(=O)NR1 2、−C(=O)SR1、及び−P(=O)(OR12のいずれかであり、R1は水素原子、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数6〜30のアリール基又は炭素数7〜30のアラルキル基であり、Yは独立に2価の有機基であり、Rは独立に炭素数1〜4のアルキル基又はフェニル基であり、Xは独立に水酸基又は加水分解性基であり、nは1〜3の整数である。)
上記式(1)で表される親油性基含有(加水分解性)オルガノシラン化合物は、親油性末端基と、アルコキシシリル基等の加水分解性シリル基あるいは水酸基含有シリル基が、連結基であるシルフェニレン基を介して結合した構造であり、基材密着性、親油性に優れる。
上記式(1)において、Aは−C(=O)OR1で示されるエステル又はカルボン酸、−C(=O)NR1 2で示されるアミド、−C(=O)SR1で示されるチオエステル又はチオ酸、及び−P(=O)(OR12で示されるホスホン酸エステル又はホスホン酸のいずれかであり、本発明における親油性末端基である。
ここで、R1は水素原子、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数6〜30のアリール基又は炭素数7〜30のアラルキル基であり、アルキル基としては、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよく、またこれらの組み合わせでもよい。好ましくは炭素数1〜8の直鎖状のアルキル基であり、より好ましくは炭素数2〜4の直鎖状のアルキル基である。
1として、具体的には、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、イソプロピル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ネオペンチル基、テキシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロヘキシルメチル基、ノルボルニル基、デカヒドロナフチル基、アダマンチル基、アダマンチルメチル基等のアルキル基、フェニル基、トリル基、ナフチル基等のアリール基、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基等のアラルキル基などが挙げられる。R1として、好ましくはエチル基、オクチル基である。
Aとしては、例えば、下記に示すものを例示することができる。
Figure 2020137277
Figure 2020137277
(CH3O)2OP−
(C25O)2OP−
上記式(1)において、Xは互いに異なっていてよい水酸基又は加水分解性基である。このようなXとしては、水酸基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基などの炭素数1〜10のアルコキシ基、メトキシメトキシ基、メトキシエトキシ基などの炭素数2〜10のアルコキシ置換アルコキシ基、アセトキシ基などの炭素数1〜10のアシロキシ基、イソプロペノキシ基などの炭素数2〜10のアルケニルオキシ基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子、オキシム基、イソシアネート基、シアネート基などが挙げられる。中でもメトキシ基、エトキシ基、イソプロペノキシ基、塩素原子が好適である。
上記式(1)において、Rは、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等の炭素数1〜4のアルキル基、又はフェニル基であり、中でもメチル基が好適である。nは1〜3の整数、好ましくは2又は3であり、反応性、基材に対する密着性の観点から3がより好ましい。
上記式(1)において、Yは2価の有機基で、A基とシルフェニレン基、及び加水分解性シリル基又は水酸基含有シリル基とシルフェニレン基との連結基であり、−O−、−S−、−NR−、−C(=O)−、−C(=O)O−、−C(=O)NR−、−OC(=O)NR−(Rは上記と同じ)、シルアルキレン基、シルアリーレン基、及びケイ素原子数2〜10個の直鎖状、分岐状又は環状の2価のオルガノ(ポリ)シロキサン残基から選ばれる2価の基を含んでいてもよく、また炭素数6〜20のアリーレン基を含んでいてもよい炭素数2〜30、特に炭素数2〜20のアルキレン基であることが好ましく、より好ましくは下記式(5)で表される2価の基である。
−R4−Z−(R4a− (5)
上記式(5)において、R4は独立に2価の炭化水素基であり、具体的には、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ヘキサメチレン基等の炭素数2〜30のアルキレン基、フェニレン基等の炭素数6〜20のアリーレン基を含む炭素数7〜30のアルキレン基が挙げられ、好ましくは炭素数2〜20のアルキレン基である。
上記式(5)において、Zは単結合、又は−O−、−S−、−NR−、−C(=O)−、−C(=O)O−、−C(=O)NR−、−OC(=O)NR−、シルアルキレン基、シルアリーレン基、及びケイ素原子数2〜10個、好ましくは2〜5個の直鎖状、分岐状又は環状の2価のオルガノ(ポリ)シロキサン残基から選ばれる2価の基であり、Rは上記と同じである。
ここで、シルアルキレン基、シルアリーレン基としては、下記に示すものが例示できる。
Figure 2020137277
(式中、R5はメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基等の炭素数6〜10のアリール基であり、R5は同一でも異なっていてもよい。R6はメチレン基、エチレン基、プロピレン基(トリメチレン基、メチルエチレン基)等の炭素数1〜4のアルキレン基、フェニレン基等の炭素数6〜10のアリーレン基である。)
また、ケイ素原子数2〜10個、好ましくは2〜5個の直鎖状、分岐状又は環状の2価のオルガノ(ポリ)シロキサン残基としては、下記に示すものが例示できる。
Figure 2020137277
(式中、R5は上記と同じである。gは1〜9の整数、好ましくは1〜4の整数であり、hは1〜8の整数、好ましくは1〜3の整数である。)
上記式(5)において、aは0又は1である。
Yの具体例としては、例えば、下記の基が挙げられる。
Figure 2020137277
Figure 2020137277
Figure 2020137277
上記式(1)で表される親油性基含有(加水分解性)オルガノシラン化合物としては、下記式で表されるものが例示できる。
Figure 2020137277
Figure 2020137277
Figure 2020137277
Figure 2020137277
Figure 2020137277
上記式(1)で表される親油性基含有(加水分解性)オルガノシラン化合物として、更に好ましくは下記一般式(2)で表されるものである。
Figure 2020137277
(式中、R2は炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基又は炭素数7〜20のアラルキル基であり、mはそれぞれ独立に2〜20の整数、好ましくは3〜10の整数であり、Xは上記と同じである。)
ここで、R2は炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基又は炭素数7〜20のアラルキル基であり、好ましくは炭素数1〜8の直鎖状のアルキル基であり、より好ましくは炭素数2〜4の直鎖状のアルキル基である。
2として、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、イソプロピル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ネオペンチル基、テキシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロヘキシルメチル基、ノルボルニル基、デカヒドロナフチル基、アダマンチル基、アダマンチルメチル基等のアルキル基、フェニル基、トリル基、ナフチル基等のアリール基、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基等のアラルキル基などが挙げられる。R2として、好ましくはエチル基、オクチル基である。
上記式(2)で表される親油性基含有(加水分解性)オルガノシラン化合物としては、下記式で表されるものが例示できる。
Figure 2020137277
上記式(1)で表される親油性基含有(加水分解性)オルガノシラン化合物、特に式(1)においてYがそれぞれ独立に炭素数2〜20のアルキレン基であり、Rがメチル基である親油性基含有(加水分解性)オルガノシラン化合物の調製方法としては、例えば、下記のような方法が挙げられる。
分子鎖末端に上記式(1)におけるAとフェニルジメチルシリル部位をそれぞれ有するシラン化合物(例えば、ケイ素原子に結合する置換基として上記式(1)におけるAとジメチルハイドロジェンシリルフェニル基とを有するジメチルシラン)を40〜120℃、好ましくは60〜100℃、より好ましくは約80℃の温度で加熱撹拌し、ヒドロシリル化反応触媒、例えば塩化白金酸/ビニルシロキサン錯体のトルエン溶液を添加する。続いて分子鎖末端に加水分解性シリル基とオレフィン部位(例えば、アルケニル基)をそれぞれ有する化合物を滴下し、40〜120℃、好ましくは60〜100℃、より好ましくは約80℃の温度で、10分〜12時間、好ましくは1〜6時間、より好ましくは3〜6時間熟成させる。また、反応を行う際、有機溶剤で希釈してもよい。
ここで、分子鎖末端に上記式(1)におけるAとフェニルジメチルシリル部位をそれぞれ有するシラン化合物としては、下記一般式(6a)、(6b)、(6c)及び(6d)で表されるシラン化合物が例示できる。
Figure 2020137277
(式中、R2、mは上記と同じである。)
式(6a)で表されるシラン化合物として、具体的には、下記に示すものが例示できる。
Figure 2020137277
Figure 2020137277
Figure 2020137277
式(6b)で表されるシラン化合物として、具体的には、下記に示すものが例示できる。
Figure 2020137277
式(6c)で表されるシラン化合物として、具体的には、下記に示すものが例示できる。
Figure 2020137277
式(6d)で表されるシラン化合物として、具体的には、下記に示すものが例示できる。
Figure 2020137277
上記式(6a)、(6b)、(6c)及び(6d)で表されるシラン化合物の調製方法としては、1,4−ビス(ジメチルシリル)ベンゼンを40〜120℃、好ましくは60〜100℃、より好ましくは約80℃の温度で加熱撹拌し、ヒドロシリル化反応触媒、例えば塩化白金酸/ビニルシロキサン錯体のトルエン溶液を添加する。続いて分子鎖末端に上記式(1)におけるAとオレフィン部位(例えば、アルケニル基)をそれぞれ有する化合物を、ゆっくり時間をかけて滴下し、40〜120℃、好ましくは60〜100℃、より好ましくは約80℃の温度で、10分〜12時間、好ましくは1〜6時間熟成させる。また、反応を行う際、有機溶剤で希釈してもよい。
ここで、分子鎖末端に上記式(1)におけるAとオレフィン部位をそれぞれ有する化合物として、具体的には、下記に示すものが挙げられる。
Figure 2020137277
Figure 2020137277
分子鎖末端に上記式(1)におけるAとオレフィン部位をそれぞれ有する化合物の使用量は、1,4−ビス(ジメチルシリル)ベンゼン1当量に対して0.05〜0.5当量、より好ましくは0.1〜0.4当量である。
上記式(6a)、(6b)、(6c)及び(6d)で表されるシラン化合物の調製において、ヒドロシリル化反応触媒としては、白金黒、塩化白金酸、塩化白金酸のアルコール変性物、塩化白金酸とオレフィン、アルデヒド、ビニルシロキサン、アセチレンアルコール類等との錯体等、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、クロロトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム等の白金族金属系触媒が挙げられる。好ましくはビニルシロキサン配位化合物等の白金系化合物である。
ヒドロシリル化反応触媒の使用量は、1,4−ビス(ジメチルシリル)ベンゼンと分子鎖末端に上記式(1)におけるAとオレフィン部位をそれぞれ有する化合物の合計質量に対して、遷移金属換算(質量)で0.5〜100ppm、より好ましくは0.5〜50ppmとなる量で使用する。
上記式(6a)、(6b)、(6c)及び(6d)で表されるシラン化合物の調製には有機溶剤を用いてもよい。用いられる有機溶剤としては、エーテル系溶剤(ジブチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランなど)、炭化水素系溶剤(石油ベンジン、トルエン、キシレンなど)を例示することができる。これらの中では特にトルエンが好ましい。
溶剤を配合する場合の使用量は、分子鎖末端に上記式(1)におけるAとオレフィン部位をそれぞれ有する化合物100質量部に対して、10〜300質量部、好ましくは50〜150質量部である。
続いて、反応を停止し、溶剤を留去することで、上記式(6a)、(6b)、(6c)及び(6d)で表されるシラン化合物が得られる。
式(1)で表される親油性基含有(加水分解性)オルガノシラン化合物の調製において、分子鎖末端に加水分解性シリル基とオレフィン部位(例えば、アルケニル基)をそれぞれ有する化合物として、具体的には、下記に示すものが例示できる。
Figure 2020137277
分子鎖末端に加水分解性シリル基とオレフィン部位をそれぞれ有する化合物の使用量は、上記分子鎖末端に上記式(1)におけるAとフェニルジメチルシリル部位をそれぞれ有するシラン化合物1当量に対して1〜5当量、より好ましくは1〜2.5当量、更に好ましくは1.1〜2当量である。
上記式(1)で表される親油性基含有(加水分解性)オルガノシラン化合物の調製において、ヒドロシリル化反応触媒としては、白金黒、塩化白金酸、塩化白金酸のアルコール変性物、塩化白金酸とオレフィン、アルデヒド、ビニルシロキサン、アセチレンアルコール類等との錯体等、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、クロロトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム等の白金族金属系触媒が挙げられる。好ましくはビニルシロキサン配位化合物等の白金系化合物である。
ヒドロシリル化反応触媒の使用量は、上記分子鎖末端に上記式(1)におけるAとフェニルジメチルシリル部位をそれぞれ有するシラン化合物と分子鎖末端に加水分解性シリル基とオレフィン部位をそれぞれ有する化合物の合計質量に対して、遷移金属換算(質量)で0.5〜100ppm、より好ましくは1〜50ppmとなる量で使用する。
上記式(1)で表される親油性基含有(加水分解性)オルガノシラン化合物の調製には有機溶剤を用いてもよい。用いられる有機溶剤としては、エーテル系溶剤(ジブチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランなど)、炭化水素系溶剤(石油ベンジン、トルエン、キシレンなど)を例示することができる。これらの中では特にトルエンが好ましい。
溶剤を配合する場合の使用量は、分子鎖末端に上記式(1)におけるAとフェニルジメチルシリル部位をそれぞれ有する化合物100質量部に対して、10〜300質量部、好ましくは50〜150質量部である。
続いて、反応を停止し、溶剤及び未反応成分を留去することで、上記式(1)で表される親油性基含有(加水分解性)オルガノシラン化合物が得られる。
例えば、分子鎖末端に上記式(1)におけるAとフェニルジメチルシリル部位をそれぞれ有するシラン化合物として、下記式で表される化合物
Figure 2020137277
を使用し、分子鎖末端に加水分解性シリル基とオレフィン部位をそれぞれ有する化合物として、下記式で表される化合物
Figure 2020137277
を使用した場合には、下記式で表される化合物が得られる。
Figure 2020137277
下記一般式(3)で表されるオルガノシロキサン化合物
Figure 2020137277
(式中、A’は−CH3、−C(=O)OR1、−C(=O)NR1 2、−C(=O)SR1、及び−P(=O)(OR12のいずれかであり、R1は水素原子、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数6〜30のアリール基又は炭素数7〜30のアラルキル基であり、Y’は独立に2価の有機基であり、Wは独立に炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基、水酸基又は加水分解性基であり、Rは独立に炭素数1〜4のアルキル基又はフェニル基であり、Xは独立に水酸基又は加水分解性基であり、nは1〜3の整数であり、qは1〜3の整数である。)
上記式(3)で表される親油性基含有(加水分解性)オルガノシロキサン化合物は、親油性末端基と、シロキサン骨格と、好ましくは複数(即ち2個以上)、より好ましくは2〜9個、更に好ましくは3〜9個のシラノール基、あるいは1個以上、好ましくは2個又は3個、より好ましくは3個の加水分解性シリル基(即ち、それぞれ独立に1〜3個、好ましくは2個又は3個の加水分解性基を有するシリル基)とを有し、親油性、耐切削油性に優れる。
上記式(3)において、A’は−CH3、−C(=O)OR1で示されるエステル又はカルボン酸、−C(=O)NR1 2で示されるアミド、−C(=O)SR1で示されるチオエステル又はチオ酸、及び−P(=O)(OR12で示されるホスホン酸エステル又はホスホン酸のいずれかであり、本発明における親油性末端基である。
ここで、R1は水素原子、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数6〜30のアリール基又は炭素数7〜30のアラルキル基であり、式(1)のR1と同様のものが例示でき、好ましくはエチル基、オクチル基である。
−CH3以外のA’としては、例えば、下記に示すものを例示することができる。
Figure 2020137277
Figure 2020137277
(CH3O)2OP−
(C25O)2OP−
上記式(3)において、Wは互いに異なっていてよい炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基、水酸基又は加水分解性基である。このようなWとしては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等のアルキル基、フェニル基、水酸基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基などの炭素数1〜10のアルコキシ基、メトキシメトキシ基、メトキシエトキシ基などの炭素数2〜10のアルコキシ置換アルコキシ基、アセトキシ基などの炭素数1〜10のアシロキシ基、イソプロペノキシ基などの炭素数2〜10のアルケニルオキシ基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子、オキシム基、イソシアネート基、シアネート基などが挙げられる。中でもメチル基、メトキシ基、エトキシ基、イソプロペノキシ基、塩素原子が好適である。
上記式(3)において、Xは互いに異なっていてよい水酸基又は加水分解性基であり、式(1)のXと同様のものが例示でき、中でもメトキシ基、エトキシ基、イソプロペノキシ基、塩素原子が好適である。
上記式(3)において、Rは、炭素数1〜4のアルキル基、又はフェニル基であり、式(1)のRと同様のものが例示でき、中でもメチル基が好適である。
上記式(3)において、Y’は2価の有機基で、−O−、−S−、−NR−、−C(=O)−、−C(=O)O−、−C(=O)NR−、−OC(=O)NR−(Rは上記と同じ)、シルアルキレン基、シルアリーレン基、及びケイ素原子数2〜10個の直鎖状、分岐状又は環状の2価のオルガノ(ポリ)シロキサン残基から選ばれる2価の基を含んでいてもよく、また炭素数6〜20のアリーレン基を含んでいてもよい炭素数2〜30、特に炭素数2〜20のアルキレン基であることが好ましく、より好ましくは下記式(7)で表される2価の基である。
Figure 2020137277
(式中、Z、aは上記と同じであり、R7は独立に2価の炭化水素基である。)
上記式(7)において、R7は独立に2価の炭化水素基であり、具体的には、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ヘキサメチレン基等の炭素数1〜30のアルキレン基、フェニレン基等の炭素数6〜20のアリーレン基を含む炭素数7〜30のアルキレン基が挙げられ、好ましくは炭素数2〜20のアルキレン基である。
Y’の具体例としては、例えば、下記の基が挙げられる。
Figure 2020137277
Figure 2020137277
Figure 2020137277
Figure 2020137277
上記式(3)において、nは1〜3の整数であり、qは1〜3の整数であり、好ましくは、nは2又は3、qは2又は3であり、より好ましくは、nは3、qは3である。
上記式(3)で表される親油性基含有(加水分解性)オルガノシロキサン化合物としては、下記式で表されるものが例示できる。
Figure 2020137277
Figure 2020137277
Figure 2020137277
Figure 2020137277
Figure 2020137277
Figure 2020137277
Figure 2020137277
Figure 2020137277
Figure 2020137277
上記式(3)で表される親油性基含有(加水分解性)オルガノシロキサン化合物として、更に好ましくは下記一般式(4)で表されるものである。
Figure 2020137277
(式中、R3は炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基又は炭素数7〜20のアラルキル基であり、Qは単結合、又はシルアルキレン基、シルアリーレン基、及びケイ素原子数2〜10個の直鎖状、分岐状もしくは環状の2価のオルガノ(ポリ)シロキサン残基から選ばれる2価の基であり、m’はそれぞれ独立に1〜20の整数、好ましくは2〜10の整数であり、m''は2〜20の整数、好ましくは2〜10の整数であり、Xは上記と同じである。)
上記式(4)において、R3は炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基又は炭素数7〜20のアラルキル基であり、好ましくは炭素数1〜8の直鎖状のアルキル基である。
3として、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、イソプロピル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ネオペンチル基、テキシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロヘキシルメチル基、ノルボルニル基、デカヒドロナフチル基、アダマンチル基、アダマンチルメチル基等のアルキル基、フェニル基、トリル基、ナフチル基等のアリール基、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基等のアラルキル基などが挙げられる。R3として、好ましくはメチル基、エチル基、ブチル基、オクチル基である。
上記式(4)において、Qは単結合、又はシルアルキレン基、シルアリーレン基、及びケイ素原子数2〜10個、好ましくは2〜5個の直鎖状、分岐状もしくは環状の2価のオルガノ(ポリ)シロキサン残基から選ばれる2価の基である。
ここで、シルアルキレン基、シルアリーレン基、ケイ素原子数2〜10個、好ましくは2〜5個の直鎖状、分岐状もしくは環状の2価のオルガノ(ポリ)シロキサン残基は、上述した式(5)及び(7)のZ中のシルアルキレン基、シルアリーレン基、もしくはケイ素原子数2〜10個、好ましくは2〜5個の直鎖状、分岐状又は環状の2価のオルガノ(ポリ)シロキサン残基として例示したものと同様のものが例示できる。
上記式(4)で表される親油性基含有(加水分解性)オルガノシロキサン化合物としては、下記式で表されるものが例示できる。
Figure 2020137277
Figure 2020137277
上記式(3)で表される親油性基含有(加水分解性)オルガノシロキサン化合物、特にRがメチル基である親油性基含有(加水分解性)オルガノシロキサン化合物の調製方法としては、例えば、下記のような方法が挙げられる。
分子鎖末端に上記式(3)におけるA’と複数のSiH基(ケイ素原子に結合した水素原子)とをそれぞれ有するシロキサン化合物(オルガノハイドロジェンシロキサン化合物)を40〜120℃、好ましくは60〜100℃、より好ましくは約80℃の温度で加熱撹拌し、ヒドロシリル化反応触媒、例えば塩化白金酸/ビニルシロキサン錯体のトルエン溶液を添加する。続いて分子鎖末端に加水分解性シリル基とオレフィン部位(例えば、アルケニル基)をそれぞれ有するシラン化合物を滴下し、40〜120℃、好ましくは60〜100℃、より好ましくは約80℃の温度で、10分〜12時間、好ましくは1〜6時間熟成させる。また、反応を行う際、有機溶剤で希釈してもよい。
ここで、分子鎖末端に上記式(3)におけるA’と複数のSiH基とをそれぞれ有するシロキサン化合物(オルガノハイドロジェンシロキサン化合物)としては、下記一般式(8)で表されるシロキサン化合物が例示できる。
Figure 2020137277
(式中、A’、Y’、W、qは上記と同じである。)
式(8)で表されるシロキサン化合物として、具体的には、下記一般式(a)〜(j)で表されるオルガノハイドロジェンシロキサン化合物が例示できる。
Figure 2020137277
Figure 2020137277
Figure 2020137277
Figure 2020137277
Figure 2020137277
Figure 2020137277
Figure 2020137277
Figure 2020137277
Figure 2020137277
Figure 2020137277
(式中、R3、W、m’、m''、qは上記と同じである。Q’はシルアルキレン基、シルアリーレン基、及びケイ素原子数2〜10個の直鎖状、分岐状もしくは環状の2価のオルガノ(ポリ)シロキサン残基から選ばれる2価の基である。)
式(a)で表されるオルガノハイドロジェンシロキサン化合物として、具体的には、下記に示すものが例示できる。
Figure 2020137277
Figure 2020137277
Figure 2020137277
式(b)で表されるオルガノハイドロジェンシロキサン化合物として、具体的には、下記に示すものが例示できる。
Figure 2020137277
Figure 2020137277
式(c)で表されるオルガノハイドロジェンシロキサン化合物として、具体的には、下記に示すものが例示できる。
Figure 2020137277
Figure 2020137277
式(d)で表されるオルガノハイドロジェンシロキサン化合物として、具体的には、下記に示すものが例示できる。
Figure 2020137277
Figure 2020137277
式(e)で表されるオルガノハイドロジェンシロキサン化合物として、具体的には、下記に示すものが例示できる。
Figure 2020137277
Figure 2020137277
式(f)で表されるオルガノハイドロジェンシロキサン化合物として、具体的には、下記に示すものが例示できる。
Figure 2020137277
Figure 2020137277
式(g)で表されるオルガノハイドロジェンシロキサン化合物として、具体的には、下記に示すものが例示できる。
Figure 2020137277
Figure 2020137277
式(h)で表されるオルガノハイドロジェンシロキサン化合物として、具体的には、下記に示すものが例示できる。
Figure 2020137277
Figure 2020137277
式(i)で表されるオルガノハイドロジェンシロキサン化合物として、具体的には、下記に示すものが例示できる。
Figure 2020137277
式(j)で表されるオルガノハイドロジェンシロキサン化合物として、具体的には、下記に示すものが例示できる。
Figure 2020137277
Figure 2020137277
上記式(8)、特に式(a)〜(j)で表されるオルガノハイドロジェンシロキサン化合物の調製方法としては、分子鎖末端に上記式(3)におけるA’と加水分解性シリル基をそれぞれ有するシラン又はシロキサン化合物を−20〜40℃、好ましくは−10〜20℃、より好ましくは0〜10℃の温度で撹拌し、テトラメチルジシロキサン(1,3−ジヒドロ−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン)等のテトラオルガノジシロキサン(1,3−ジヒドロ−1,1,3,3−テトラオルガノジシロキサン)及び共加水分解反応触媒、例えば塩酸又は硫酸を滴下し、−20〜40℃、好ましくは−10〜20℃、より好ましくは0〜10℃の温度で、10分〜12時間、好ましくは1〜6時間熟成させる。また、反応を行う際、有機溶剤で希釈してもよい。
ここで、分子鎖末端に上記式(3)におけるA’と加水分解性シリル基をそれぞれ有するシラン又はシロキサン化合物としては、下記一般式(9)で表されるシラン又はシロキサン化合物が例示できる。
Figure 2020137277
(式中、A’、Y’、W、qは上記と同じである。)
式(9)で表されるシラン又はシロキサン化合物として、具体的には、下記に示すものが挙げられる。なお、式(9)で表されるシロキサン化合物としては、上述した式(1)で表されるオルガノシラン化合物も例示できる。
Figure 2020137277
Figure 2020137277
Figure 2020137277
Figure 2020137277
Figure 2020137277
Figure 2020137277
Figure 2020137277
Figure 2020137277
Figure 2020137277
Figure 2020137277
Figure 2020137277
Figure 2020137277
Figure 2020137277
Figure 2020137277
Figure 2020137277
Figure 2020137277
Figure 2020137277
Figure 2020137277
式(9)で表される分子鎖末端に上記式(3)におけるA’と加水分解性シリル基をそれぞれ有するシラン又はシロキサン化合物、特に式(9)において、Y’がシルアリーレン基を含むアルキレン基であるシラン化合物の調製方法としては、上述した式(1)で表されるオルガノシラン化合物の調製方法で例示した方法により得ることができる。
式(9)で表される分子鎖末端に上記式(3)におけるA’と加水分解性シリル基をそれぞれ有するシラン又はシロキサン化合物、特に式(9)において、Y’がシルアルキレン基、及びケイ素原子数2〜10個の直鎖状、分岐状又は環状の2価のオルガノ(ポリ)シロキサン残基から選ばれる2価の基を含むアルキレン基であるシラン又はシロキサン化合物の調製方法としては、分子鎖末端に2個のSiH基を有する化合物を40〜120℃、好ましくは60〜100℃、より好ましくは約80℃の温度で加熱撹拌し、ヒドロシリル化反応触媒、例えば塩化白金酸/ビニルシロキサン錯体のトルエン溶液を添加する。続いて分子鎖末端に上記式(3)におけるA’とオレフィン部位(例えば、アルケニル基)をそれぞれ有する化合物を、ゆっくり時間をかけて滴下し、40〜120℃、好ましくは60〜100℃の温度で、10分〜12時間、好ましくは30分〜6時間熟成させることにより、分子鎖末端に上記式(3)におけるA’と末端SiH基をそれぞれ有するシラン又はシロキサン化合物を得ることができる。また、反応を行う際、有機溶剤で希釈してもよい。
続いて、上記で得られた分子鎖末端に上記式(3)におけるA’と末端SiH基をそれぞれ有するシラン又はシロキサン化合物を40〜120℃、好ましくは60〜100℃の温度で加熱撹拌し、ヒドロシリル化反応触媒、例えば塩化白金酸/ビニルシロキサン錯体のトルエン溶液を添加する。続いて分子鎖末端に加水分解性シリル基とオレフィン部位(例えば、アルケニル基)をそれぞれ有するシラン化合物を滴下し、40〜120℃、好ましくは60〜100℃の温度で、10分〜12時間、好ましくは1〜6時間熟成させる。また、反応を行う際、有機溶剤で希釈してもよい。
ここで、分子鎖末端に2個のSiH基を有する化合物として、具体的には、下記に示すものが挙げられる。
Figure 2020137277
また、分子鎖末端に上記式(3)におけるA’とオレフィン部位をそれぞれ有する化合物として、具体的には、下記に示すものが挙げられる。
Figure 2020137277
Figure 2020137277
分子鎖末端に上記式(3)におけるA’とオレフィン部位をそれぞれ有する化合物の使用量は、分子鎖末端に2個のSiH基を有する化合物1当量に対して0.05〜0.5当量、より好ましくは0.1〜0.4当量である。
上記式(9)で表されるシラン又はシロキサン化合物の調製において、ヒドロシリル化反応触媒としては、白金黒、塩化白金酸、塩化白金酸のアルコール変性物、塩化白金酸とオレフィン、アルデヒド、ビニルシロキサン、アセチレンアルコール類等との錯体等、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、クロロトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム等の白金族金属系触媒が挙げられる。好ましくはビニルシロキサン配位化合物等の白金系化合物である。
分子鎖末端に2個のSiH基を有する化合物と、分子鎖末端に上記式(3)におけるA’とオレフィン部位をそれぞれ有する化合物との反応に用いるヒドロシリル化反応触媒の使用量は、分子鎖末端に2個のSiH基を有する化合物と、分子鎖末端に上記式(3)におけるA’とオレフィン部位をそれぞれ有する化合物との合計質量に対して、遷移金属換算(質量)で0.1〜100ppm、より好ましくは0.5〜50ppmとなる量で使用する。
上記式(9)で表されるシラン又はシロキサン化合物の調製には、有機溶剤を用いてもよい。用いられる有機溶剤としては、エーテル系溶剤(ジブチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランなど)、炭化水素系溶剤(石油ベンジン、トルエン、キシレンなど)を例示することができる。これらの中では特にトルエンが好ましい。
分子鎖末端に2個のSiH基を有する化合物と、分子鎖末端に上記式(3)におけるA’とオレフィン部位をそれぞれ有する化合物との反応に用いる有機溶剤の使用量は、分子鎖末端に上記式(3)におけるA’とオレフィン部位をそれぞれ有する化合物100質量部に対して、10〜300質量部、好ましくは50〜150質量部である。
続いて、反応を停止し、有機溶剤を留去することで、分子鎖末端に上記式(3)におけるA’と末端SiH基をそれぞれ有するシラン又はシロキサン化合物が得られる。
上記式(9)で表されるシラン又はシロキサン化合物の調製において、分子鎖末端に加水分解性シリル基とオレフィン部位(例えば、アルケニル基)をそれぞれ有するシラン化合物として、具体的には、下記に示すものが例示できる。
Figure 2020137277
分子鎖末端に加水分解性シリル基とオレフィン部位をそれぞれ有するシラン化合物の使用量は、上記で得られた分子鎖末端に上記式(3)におけるA’と末端SiH基をそれぞれ有するシラン又はシロキサン化合物1当量に対して1〜5当量、より好ましくは1.1〜2.5当量である。
上記式(9)で表されるシラン又はシロキサン化合物の調製において、上記で得られた分子鎖末端に上記式(3)におけるA’と末端SiH基をそれぞれ有するシラン又はシロキサン化合物と、分子鎖末端に加水分解性シリル基とオレフィン部位をそれぞれ有するシラン化合物との反応に用いるヒドロシリル化反応触媒の使用量は、上記分子鎖末端に上記式(3)におけるA’と末端SiH基をそれぞれ有するシラン又はシロキサン化合物と、分子鎖末端に加水分解性シリル基とオレフィン部位をそれぞれ有するシラン化合物との合計質量に対して、遷移金属換算(質量)で0.1〜100ppm、より好ましくは0.5〜50ppmとなる量で使用する。
上記式(9)で表されるシラン又はシロキサン化合物の調製において、上記で得られた分子鎖末端に上記式(3)におけるA’と末端SiH基をそれぞれ有するシラン又はシロキサン化合物と、分子鎖末端に加水分解性シリル基とオレフィン部位をそれぞれ有するシラン化合物との反応に有機溶剤を用いる場合、有機溶剤としては上記と同様のものが例示でき、この有機溶剤の使用量は、上記で得られた分子鎖末端に上記式(3)におけるA’と末端SiH基をそれぞれ有するシラン又はシロキサン化合物100質量部に対して、10〜300質量部、好ましくは50〜150質量部である。
続いて、反応を停止し、有機溶剤及び未反応成分を留去することで、上記式(9)で表されるシラン又はシロキサン化合物、特に式(9)において、Y’がシルアルキレン基、及びケイ素原子数2〜10個の直鎖状、分岐状又は環状の2価のオルガノ(ポリ)シロキサン残基から選ばれる2価の基を含むアルキレン基であるシラン又はシロキサン化合物を得ることができる。
また、式(9)で表される分子鎖末端に上記式(3)におけるA’と加水分解性シリル基をそれぞれ有するシラン又はシロキサン化合物、特に式(9)において、Y’がアルキレン基であるシラン化合物の調製方法としては、上述した分子鎖末端に上記式(3)におけるA’とオレフィン部位(例えば、アルケニル基)をそれぞれ有する化合物を40〜120℃、好ましくは60〜100℃、より好ましくは約80℃の温度で加熱撹拌し、ヒドロシリル化反応触媒、例えば塩化白金酸/ビニルシロキサン錯体のトルエン溶液を添加する。続いて分子鎖末端に加水分解性シリル基とSiH基をそれぞれ有するシラン化合物を、ゆっくり時間をかけて滴下し、40〜120℃、好ましくは60〜100℃、より好ましくは約80℃の温度で、10分〜12時間、好ましくは30分〜6時間熟成させることにより、上記式(3)におけるA’と加水分解性シリル基をそれぞれ有するシラン又はシロキサン化合物、特に式(9)において、Y’がアルキレン基であるシラン化合物を得ることができる。また、反応を行う際、有機溶剤で希釈してもよい。
ここで、分子鎖末端に加水分解性シリル基とSiH基をそれぞれ有するシラン化合物として、具体的には、下記に示すものが挙げられる。
Figure 2020137277
分子鎖末端に上記式(3)におけるA’とオレフィン部位(例えば、アルケニル基)をそれぞれ有する化合物の使用量は、分子鎖末端に加水分解性シリル基とSiH基をそれぞれ有するシラン化合物1当量に対して0.2〜1当量、より好ましくは0.4〜0.8当量である。
上記式(9)において、Y’がアルキレン基であるシラン化合物の調製において、ヒドロシリル化反応触媒としては上記と同様のものが例示でき、このヒドロシリル化反応触媒の使用量は、分子鎖末端に上記式(3)におけるA’とオレフィン部位をそれぞれ有する化合物と、分子鎖末端に加水分解性シリル基とSiH基をそれぞれ有するシラン化合物との合計質量に対して、遷移金属換算(質量)で0.1〜100ppm、より好ましくは0.5〜50ppmとなる量で使用する。
上記式(9)において、Y’がアルキレン基であるシラン化合物の調製において、有機溶剤を用いる場合、有機溶剤としては上記と同様のものが例示でき、この有機溶剤の使用量は、分子鎖末端に上記式(3)におけるA’とオレフィン部位をそれぞれ有する化合物100質量部に対して、10〜300質量部、好ましくは50〜150質量部である。
上記式(8)、特に式(a)〜(j)で表されるオルガノハイドロジェンシロキサン化合物の調製において、分子鎖末端に上記式(3)におけるA’と加水分解性シリル基をそれぞれ有するシラン又はシロキサン化合物の使用量は、テトラオルガノジシロキサン1当量に対して0.2〜0.6当量、より好ましくは0.3〜0.5当量である。
上記式(8)、特に式(a)〜(j)で表されるオルガノハイドロジェンシロキサン化合物の調製において、共加水分解反応触媒としては、有機錫化合物(ジブチル錫ジメトキシド、ジラウリン酸ジブチル錫など)、有機チタン化合物(テトラn−ブチルチタネートなど)、有機酸(酢酸、メタンスルホン酸など)、無機酸(塩酸、硫酸、リン酸など)が挙げられる。これらの中では、塩酸、硫酸が好ましい。
共加水分解反応触媒の使用量は、分子鎖末端に上記式(3)におけるA’と加水分解性シリル基をそれぞれ有するシラン又はシロキサン化合物1当量に対して、1〜5当量、より好ましくは2〜4当量である。
上記式(8)、特に式(a)〜(j)で表されるオルガノハイドロジェンシロキサン化合物の調製には有機溶剤を用いてもよい。用いられる有機溶剤としては、エーテル系溶剤(ジブチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランなど)、炭化水素系溶剤(石油ベンジン、トルエン、キシレンなど)、フッ素系溶剤(パーフルオロヘキサン、1,4−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼンなど)を例示することができる。これらの中では特にトルエン、1,4−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼンが好ましい。
有機溶剤の使用量は、分子鎖末端に上記式(3)におけるA’と加水分解性シリル基をそれぞれ有するシラン又はシロキサン化合物100質量部に対して、10〜300質量部、好ましくは50〜150質量部である。
続いて、反応を停止し、有機溶剤を留去することで、上記式(8)、特に式(a)〜(j)で表されるオルガノハイドロジェンシロキサン化合物が得られる。
式(3)で表される親油性基含有(加水分解性)オルガノシロキサン化合物の調製において、分子鎖末端に加水分解性シリル基とオレフィン部位(例えば、アルケニル基)をそれぞれ有するシラン化合物として、具体的には、下記に示すものが例示できる。
Figure 2020137277
分子鎖末端に加水分解性シリル基とオレフィン部位をそれぞれ有するシラン化合物の使用量は、上記分子鎖末端に上記式(3)におけるA’と複数のSiH基とをそれぞれ有するオルガノハイドロジェンシロキサン化合物1当量に対して3〜5当量、より好ましくは3.5〜4.5当量である。
上記式(3)で表される親油性基含有(加水分解性)オルガノシロキサン化合物の調製において、ヒドロシリル化反応触媒としては、白金黒、塩化白金酸、塩化白金酸のアルコール変性物、塩化白金酸とオレフィン、アルデヒド、ビニルシロキサン、アセチレンアルコール類等との錯体等、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、クロロトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム等の白金族金属系触媒が挙げられる。好ましくはビニルシロキサン配位化合物等の白金系化合物である。
ヒドロシリル化反応触媒の使用量は、上記分子鎖末端に上記式(3)におけるA’と複数のSiH基とをそれぞれ有するオルガノハイドロジェンシロキサン化合物と分子鎖末端に加水分解性シリル基とオレフィン部位をそれぞれ有するシラン化合物の合計質量に対して、遷移金属換算(質量)で0.1〜100ppm、より好ましくは0.2〜50ppmとなる量で使用する。
上記式(3)で表される親油性基含有(加水分解性)オルガノシロキサン化合物の調製には有機溶剤を用いてもよい。用いられる有機溶剤としては、エーテル系溶剤(ジブチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランなど)、炭化水素系溶剤(石油ベンジン、トルエン、キシレンなど)を例示することができる。これらの中では特にトルエンが好ましい。
有機溶剤を配合する場合の使用量は、分子鎖末端に上記式(3)におけるA’と複数のSiH基とをそれぞれ有するオルガノハイドロジェンシロキサン化合物100質量部に対して、10〜300質量部、好ましくは50〜150質量部である。
続いて、反応を停止し、有機溶剤及び未反応成分を留去することで、上記式(3)で表される親油性基含有(加水分解性)オルガノシロキサン化合物が得られる。
例えば、分子鎖末端に上記式(3)におけるA’と複数のSiH基とをそれぞれ有するオルガノハイドロジェンシロキサン化合物として、下記式で表される化合物
Figure 2020137277
を使用し、分子鎖末端に加水分解性シリル基とオレフィン部位をそれぞれ有するシラン化合物として、下記式で表される化合物
Figure 2020137277
を使用した場合には、下記式で表されるシロキサン化合物が得られる。
Figure 2020137277
以上のような反応で得られる一般式(1)で表される親油性基含有(加水分解性)オルガノシラン化合物、又は一般式(3)で表される親油性基含有(加水分解性)オルガノシロキサン化合物は、濃縮、カラム精製、蒸留、抽出等の精製単離操作を行い、また反応溶液をそのまま一般式(1)で表される親油性基含有(加水分解性)オルガノシラン化合物、又は一般式(3)で表される親油性基含有(加水分解性)オルガノシロキサン化合物を含む混合物として、あるいは有機溶剤等で更に希釈して使用することもできる。
以上のようにして得られる親油性基含有(加水分解性)オルガノシラン又はオルガノシロキサン化合物を各種光学部材のための表面処理剤として用いることで、基材表面に高い親油性を与えることができる。これによって、光学部材表面は油汚れが付着した場合でも透過性が低下しない。
本発明にかかる表面処理剤は、上記親油性基含有(加水分解性)オルガノシラン又はオルガノシロキサン化合物を1種単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよく、また、該親油性基含有オルガノシラン又はオルガノシロキサン化合物の水酸基を部分的に縮合させて得られる部分縮合物、又は該親油性基含有加水分解性オルガノシラン又はオルガノシロキサン化合物の末端加水分解性基を予め公知の方法により部分的に加水分解した水酸基を縮合させて得られる部分加水分解縮合物を含んでいてもよい。
該表面処理剤は、適当な溶剤を含んでもよい。このような溶剤としては、アルコール系溶剤(プロピレングリコールモノメチルエーテル、ブタノール、イソプロパノールなど)、エーテル系溶剤(ジブチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランなど)、炭化水素系溶剤(石油ベンジン、トルエン、キシレンなど)、ケトン系溶剤(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど)を例示することができる。これらの中では、溶解性、濡れ性などの点で、アルコール系溶剤、エーテル系溶剤が望ましく、特には、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジブチルエーテルが好ましい。
上記溶剤は、その2種以上を混合してもよく、親油性基含有(加水分解性)オルガノシラン又はオルガノシロキサン化合物及びその部分(加水分解)縮合物等の親油性基及び基材との密着性官能基を含有するオルガノシラン又はオルガノシロキサン化合物を均一に溶解させることが好ましい。なお、溶剤に溶解させる親油性基及び基材との密着性官能基を含有するオルガノシラン又はオルガノシロキサン化合物の最適濃度は、処理方法により異なり、秤量し易い量であればよいが、直接塗工する場合は、溶剤と親油性基及び基材との密着性官能基を含有するオルガノシラン又はオルガノシロキサン化合物との合計100質量部に対して0.01〜10質量部、特に0.05〜5質量部であることが好ましく、蒸着処理をする場合は、溶剤と親油性基及び基材との密着性官能基を含有するオルガノシラン又はオルガノシロキサン化合物との合計100質量部に対して1〜100質量部、特に3〜30質量部であることが好ましく、ウェット処理する場合は、溶剤と親油性基及び基材との密着性官能基を含有するオルガノシラン又はオルガノシロキサン化合物との合計100質量部に対して0.01〜10質量部、特に0.05〜1質量部であることが好ましい。
該表面処理剤には、加水分解縮合触媒、例えば、有機錫化合物(ジブチル錫ジメトキシド、ジラウリン酸ジブチル錫など)、有機チタン化合物(テトラn−ブチルチタネートなど)、有機酸(酢酸、メタンスルホン酸など)、無機酸(塩酸、硫酸、リン酸など)を添加してもよい。これらの中では、特に酢酸、テトラn−ブチルチタネート、ジラウリン酸ジブチル錫などが望ましい。
加水分解縮合触媒の添加量は、親油性基及び基材との密着性官能基を含有するオルガノシラン又はオルガノシロキサン化合物100質量部に対して0.1〜150質量部、特に25〜125質量部であることが好ましく、更に50〜110質量部であることが好ましい。
該表面処理剤は、刷毛塗り、ディッピング、スプレー、蒸着処理など公知の方法で光学部材に施与することができる。蒸着処理時の加熱方法は、抵抗加熱方式でも、電子ビーム加熱方式のどちらでもよく、特に限定されるものではない。また、硬化温度は、硬化方法によって異なるが、例えば、直接塗工(刷毛塗り、ディッピング、スプレー等)の場合は、25〜200℃、特に25〜150℃にて15分〜36時間、特に30分〜24時間とすることが好ましい。加湿下で硬化させてもよい。また、蒸着処理で施与する場合は、20〜200℃の範囲が望ましい。加湿下で硬化させてもよい。硬化被膜の膜厚は、基材の種類により適宜選定されるが、2nm以上100nm以下であることが好ましい。膜厚の下限は、より好ましくは2.5nm以上であり、更に好ましくは3nm以上である。膜厚の上限は、より好ましくは90nm以下であり、更に好ましくは50nm以下である。また、例えばスプレー塗工では予め水分を添加した溶剤に希釈し、加水分解、つまりSi−OHを生成させた後にスプレー塗工すると塗工後の硬化が速い。
該表面処理剤で処理される基材は光学部材に用いられるものであれば特に制限されず、ガラス、プラスチック、セラミック、石英など各種材質のものであってよい。該表面処理剤は、前記基材に親油性に優れた硬化被膜を形成し得る。
本発明の表面処理剤で処理される光学部材としては、カーナビゲーション、携帯電話、スマートフォン、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、PDA、ポータブルオーディオプレーヤー、カーオーディオ、ゲーム機器、眼鏡レンズ、カメラレンズ、レンズカバー、レンズフィルター、サングラス、胃カメラ等の医療用器機、複写機、PC、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイ、タッチパネルディスプレイ、保護フイルム、反射防止フイルム等が挙げられる。本発明においては、特にメガネレンズ、カメラレンズ、レンズカバーに用いることが、油汚れが付着した場合の透過性付与の点から好適である。
以下、合成例、実施例及び比較例を示し、本発明をより詳細に説明するが、本発明は下記実施例によって限定されるものではない。
[合成例1]
反応容器に入れた1,4−ビス(ジメチルシリル)ベンゼン45.7g(2.35×10-1mol)を80℃まで加熱した。続いて、塩化白金酸/ビニルシロキサン錯体のトルエン溶液1.0×10-2g(Pt単体として3.0×10-7molを含有)を添加した後、ウンデセン酸エチル10.0g(4.71×10-2mol)を3時間かけて滴下し、1時間加熱撹拌した。その後、溶剤及び未反応物を減圧留去することで、下記式(A)
Figure 2020137277
で示される生成物を18.0g得た。
1H−NMR
δ0.2−0.4(−Si−C 3 )12H
δ0.7(−(CH27 2 −Si−)2H
δ1.2−1.5(−(C 2 7−,−OCH2 3 )17H
δ1.6(−OOC−CH2 2 (CH27CH2−Si−)2H
δ2.3(−OOC−C 2 −)2H
δ4.1(−OC 2 CH3)2H
δ4.4(−Si−H)1H
δ7.5(−Si−C6 4 −Si−)4H
反応容器に入れた、上記で得られた下記式(A)
Figure 2020137277
で表される化合物10.0g(2.46×10-2mol)を80℃まで加熱した。続いて、塩化白金酸/ビニルシロキサン錯体のトルエン溶液1.0×10-2g(Pt単体として3.0×10-7molを含有)を添加した後、アリルトリメトキシシラン8.00g(4.92×10-2mol)を滴下し、3時間加熱撹拌した。その後、溶剤及び未反応物を減圧留去することで、下記式(B)
Figure 2020137277
で示される生成物(化合物1)を13.1g得た。
1H−NMR
δ0.2−0.3(−Si−C 3 )12H
δ0.7(−(CH27 2 −Si−,−SiC 2 CH2CH2−Si(OCH33)4H
δ0.8(−SiCH2CH2 2 −Si(OCH33)2H
δ1.2−1.4(−(C 2 7−,−OCH2 3 )17H
δ1.5(−SiCH2 2 CH2−Si(OCH33)2H
δ1.6(−OOC−CH2 2 (CH27CH2−Si−)2H
δ2.3(−OOC−C 2 −)2H
δ3.5(−SiCH2CH2CH2−Si(OC 3 3)9H
δ4.1(−OC 2 CH3)2H
δ7.5(−Si−C6 4 −Si−)4H
[合成例2]
反応容器に入れたウンデセン酸エチル10.0g(4.71×10-2mol)を80℃まで加熱した。続いて、塩化白金酸/ビニルシロキサン錯体のトルエン溶液1.0×10-2g(Pt単体として3.0×10-7molを含有)を添加した後、トリメトキシシラン8.6g(7.06×10-2mol)を3時間かけて滴下し、1時間加熱撹拌した。その後、溶剤及び未反応物を減圧留去することで、下記式(C)
Figure 2020137277
で示される化合物を12.1g得た。
1H−NMR
δ0.8(−(CH27 2 −Si(OCH33)2H
δ1.2−1.4(−(C 2 7−,−OCH2 3 )17H
δ1.6(−OOC−CH2 2 (CH27CH2−Si−)2H
δ2.3(−OOC−C 2 −)2H
δ3.5(−Si(OC 3 3)9H
δ4.1(−OC 2 CH3)2H
反応容器に入れたテトラメチルジシロキサン4.5g(3.4×10-2mol)、12規定塩酸水溶液3.6g(4.3×10-2mol)、1,4−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン2.5gの混合物を0℃まで冷却した。続いて、上記で合成した下記式(C)
Figure 2020137277
で表される化合物5.0g(1.5×10-2mol)を滴下し、0℃で6時間熟成した。その後、分液操作により下層を回収し、溶剤及び未反応物を減圧留去することで、下記式(D)
Figure 2020137277
で示される生成物を5.8g得た。
1H−NMR
δ0.1−0.2(−Si−C 3 )18H
δ0.5(−(CH27 2 −Si(O−Si(CH32−)3)2H
δ1.2−1.5(−(C 2 7−,−OCH2 3 )17H
δ1.6(−OOC−CH2 2 (CH27CH2−Si−)2H
δ2.3(−OOC−C 2 −)2H
δ4.1(−OC 2 CH3)2H
δ4.7(−Si−H)3H
反応容器に入れた、上記で得られた下記式(D)
Figure 2020137277
で表される化合物5.0g(1.1×10-2mol)を80℃まで加熱した。続いて、塩化白金酸/ビニルシロキサン錯体のトルエン溶液5.0×10-3g(Pt単体として1.5×10-7molを含有)を添加した後、アリルトリメトキシシラン7.3g(4.5×10-2mol)を滴下し、3時間加熱撹拌した。その後、溶剤及び未反応物を減圧留去することで、下記式(E)
Figure 2020137277
で示される生成物(化合物2)を8.8g得た。
1H−NMR
δ0.1−0.2(−Si−C 3 )18H
δ0.5(−(CH27 2 −Si(O−Si(CH32−)3)2H
δ0.6−0.8(−SiCH2CH2 2 −Si(OCH33,−SiC 2 CH2CH2−Si(OCH33)12H
δ1.2−1.4(−(C 2 7−,−OCH2 3 )17H
δ1.5(−SiCH2 2 CH2−Si(OCH33)6H
δ1.6(−OOC−CH2 2 (CH27CH2−Si−)2H
δ2.3(−OOC−C 2 −)2H
δ3.5(−SiCH2CH2CH2−Si(OC 3 3)27H
δ4.1(−OC 2 CH3)2H
[合成例3]
反応容器に入れたテトラメチルジシロキサン5.3g(4.0×10-2mol)、12規定塩酸水溶液4.3g(5.2×10-2mol)、1,4−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン5.0gの混合物を0℃まで冷却した。続いて、上記で合成した下記式(B)
Figure 2020137277
で表される化合物10.0g(1.8×10-2mol)を滴下し、0℃で6時間熟成した。その後、分液操作により下層を回収し、溶剤及び未反応物を減圧留去することで、下記式(F)
Figure 2020137277
で示される生成物を8.2g得た。
1H−NMR
δ0.1−0.2(−Si−C 3 )30H
δ0.5(−(CH27 2 −Si(O−Si(CH32−)3)2H
δ0.7−0.8(−C64−Si−C 2 −)4H
δ1.2−1.5(−(C 2 7−,−OCH2 3 ,−Si−CH2 2 CH2−Si−)19H
δ1.6(−OOC−CH2 2 (CH27CH2−Si−)2H
δ2.3(−OOC−C 2 −)2H
δ4.1(−OC 2 CH3)2H
δ4.7(−Si−H)3H
δ7.5(−Si−C6 4 −Si−)4H
反応容器に入れた、上記で得られた下記式(F)
Figure 2020137277
で表される化合物6.0g(8.6×10-3mol)を80℃まで加熱した。続いて、塩化白金酸/ビニルシロキサン錯体のトルエン溶液5.0×10-3g(Pt単体として1.5×10-7molを含有)を添加した後、アリルトリメトキシシラン5.8g(3.6×10-2mol)を滴下し、3時間加熱撹拌した。その後、溶剤及び未反応物を減圧留去することで、下記式(G)
Figure 2020137277
で示される生成物(化合物3)を9.4g得た。
1H−NMR
δ0.1−0.2(−Si−C 3 )30H
δ0.5(−(CH27 2 −Si(O−Si(CH32−)3)2H
δ0.6−0.8(−C64−Si−C 2 −,−SiCH2CH2 2 −Si(OCH33,−SiC 2 CH2CH2−Si(OCH33)16H
δ1.2−1.4(−(C 2 7−,−OCH2 3 ,−Si−CH2 2 CH2−Si−)19H
δ1.5(−SiCH2 2 CH2−Si(OCH33)6H
δ1.6(−OOC−CH2 2 (CH27CH2−Si−)2H
δ2.3(−OOC−C 2 −)2H
δ3.5(−SiCH2CH2CH2−Si(OC 3 3)27H
δ4.1(−OC 2 CH3)2H
δ7.5(−Si−C6 4 −Si−)4H
[合成例4]
反応容器に入れた、上記で得られた下記式(A)
Figure 2020137277
で表される化合物10.0g(2.46×10-2mol)を80℃まで加熱した。続いて、塩化白金酸/ビニルシロキサン錯体のトルエン溶液1.0×10-2g(Pt単体として3.0×10-7molを含有)を添加した後、7−オクテニルトリメトキシシラン9.10g(3.94×10-2mol)を滴下し、4時間加熱撹拌した。その後、溶剤及び未反応物を減圧留去することで、下記式(H)
Figure 2020137277
で示される化合物を14.0g得た。
1H−NMR
δ0.2(−Si−C 3 )12H
δ0.6(−SiC 2 (CH26CH2−Si(OCH33)4H
δ0.7(−(CH27 2 −Si−,−SiCH2(CH26 2 −Si(OCH33)2H
δ1.2−1.4(−(C 2 7−,−(C 2 6−,−OCH2 3 )31H
δ1.6(−OOC−CH2 2 (CH27CH2−Si−)2H
δ2.3(−OOC−C 2 −)2H
δ3.5(−SiCH2(CH26CH2−Si(OC 3 3)9H
δ4.1(−OC 2 CH3)2H
δ7.5(−Si−C6 4 −Si−)4H
反応容器に入れたテトラメチルジシロキサン3.3g(2.5×10-2mol)、12規定塩酸水溶液2.6g(3.1×10-2mol)、1,4−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン3.5gの混合物を0℃まで冷却した。続いて、上記で合成した下記式(H)
Figure 2020137277
で表される化合物7.0g(1.1×10-2mol)を滴下し、0℃で6時間熟成した。その後、分液操作により下層を回収し、溶剤及び未反応物を減圧留去することで、下記式(I)
Figure 2020137277
で示される生成物を5.6g得た。
1H−NMR
δ0.1−0.2(−Si−C 3 )30H
δ0.5(−(CH27 2 −Si(O−Si(CH32−)3)2H
δ0.7−0.8(−C64−Si−C 2 −)4H
δ1.2−1.5(−(C 2 7−,−OCH2 3 ,−Si−CH2(C 2 6CH2−Si−)29H
δ1.6(−OOC−CH2 2 (CH27CH2−Si−)2H
δ2.3(−OOC−C 2 −)2H
δ4.1(−OC 2 CH3)2H
δ4.7(−Si−H)3H
δ7.5(−Si−C6 4 −Si−)4H
反応容器に入れた、上記で得られた下記式(I)
Figure 2020137277
で表される化合物3.0g(3.9×10-3mol)を80℃まで加熱した。続いて、塩化白金酸/ビニルシロキサン錯体のトルエン溶液2.5×10-3g(Pt単体として7.5×10-8molを含有)を添加した後、アリルトリメトキシシラン2.6g(1.6×10-2mol)を滴下し、3時間加熱撹拌した。その後、溶剤及び未反応物を減圧留去することで、下記式(J)
Figure 2020137277
で示される生成物(化合物4)を4.2g得た。
1H−NMR
δ0.1−0.2(−Si−C 3 )30H
δ0.5(−(CH27 2 −Si(O−Si(CH32−)3)2H
δ0.6−0.8(−C64−Si−C 2 −,−SiCH2CH2 2 −Si(OCH33,−SiC 2 CH2CH2−Si(OCH33)16H
δ1.2−1.4(−(C 2 7−,−OCH2 3 ,−Si−CH2(C 2 6CH2−Si−)29H
δ1.5(−SiCH2 2 CH2−Si(OCH33)6H
δ1.6(−OOC−CH2 2 (CH27CH2−Si−)2H
δ2.3(−OOC−C 2 −)2H
δ3.5(−SiCH2CH2CH2−Si(OC 3 3)27H
δ4.1(−OC 2 CH3)2H
δ7.5(−Si−C6 4 −Si−)4H
[合成例5]
反応容器に入れたテトラメチルジシロキサン31.6g(2.35×10-1mol)を80℃まで加熱した。続いて、塩化白金酸/ビニルシロキサン錯体のトルエン溶液1.0×10-2g(Pt単体として3.0×10-7molを含有)を添加した後、ウンデセン酸エチル10.0g(4.71×10-2mol)を3時間かけて滴下し、1時間加熱撹拌した。その後、溶剤及び未反応物を減圧留去することで、下記式(K)
Figure 2020137277
で示される生成物を16.4g得た。
1H−NMR
δ0.2−0.4(−Si−C 3 )12H
δ0.7(−(CH27 2 −Si−)2H
δ1.2−1.5(−(C 2 7−,−OCH2 3 )17H
δ1.6(−OOC−CH2 2 (CH27CH2−Si−)2H
δ2.3(−OOC−C 2 −)2H
δ4.1(−OC 2 CH3)2H
δ4.4(−Si−H)1H
反応容器に入れた、上記で得られた下記式(K)
Figure 2020137277
で表される化合物10.0g(2.88×10-2mol)を80℃まで加熱した。続いて、塩化白金酸/ビニルシロキサン錯体のトルエン溶液1.0×10-2g(Pt単体として3.0×10-7molを含有)を添加した後、7−オクテニルトリメトキシシラン9.4g(4.04×10-2mol)を滴下し、3時間加熱撹拌した。その後、溶剤及び未反応物を減圧留去することで、下記式(L)
Figure 2020137277
で示される化合物を15.1g得た。
1H−NMR
δ0.2−0.3(−Si−C 3 )12H
δ0.7(−(CH27 2 −Si−,−SiC 2 (CH26CH2−Si(OCH33)4H
δ0.8(−SiCH2(CH26 2 −Si(OCH33)2H
δ1.2−1.4(−(C 2 7−,−SiCH2(C 2 6CH2−Si(OCH33,−OCH2 3 )29H
δ1.6(−OOC−CH2 2 (CH27CH2−Si−)2H
δ2.3(−OOC−C 2 −)2H
δ3.5(−SiCH2(CH26CH2−Si(OC 3 3)9H
δ4.1(−OC 2 CH3)2H
反応容器に入れたテトラメチルジシロキサン5.1g(3.8×10-2mol)、12規定塩酸水溶液4.1g(4.9×10-2mol)、1,4−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン5.0gの混合物を0℃まで冷却した。続いて、上記で合成した下記式(L)
Figure 2020137277
で表される化合物10.0g(1.7×10-2mol)を滴下し、0℃で6時間熟成した。その後、分液操作により下層を回収し、溶剤及び未反応物を減圧留去することで、下記式(M)
Figure 2020137277
で示される生成物を8.6g得た。
1H−NMR
δ0.1−0.2(−Si−C 3 )30H
δ0.5−0.6(−O−Si(CH32−C 2 −)6H
δ1.2−1.5(−(C 2 7−,−OCH2 3 ,−Si−CH2(C 2 6CH2−Si−)29H
δ1.6(−OOC−CH2 2 (CH27CH2−Si−)2H
δ2.3(−OOC−C 2 −)2H
δ4.1(−OC 2 CH3)2H
δ4.7(−Si−H)3H
反応容器に入れた、上記で得られた下記式(M)
Figure 2020137277
で表される化合物5.0g(7.0×10-3mol)を80℃まで加熱した。続いて、塩化白金酸/ビニルシロキサン錯体のトルエン溶液5.0×10-3g(Pt単体として1.5×10-7molを含有)を添加した後、アリルトリメトキシシラン4.6g(2.8×10-2mol)を滴下し、3時間加熱撹拌した。その後、溶剤及び未反応物を減圧留去することで、下記式(N)
Figure 2020137277
で示される生成物(化合物5)を6.7g得た。
1H−NMR
δ0.1−0.2(−Si−C 3 )30H
δ0.5−0.7(−O−Si(CH32−C 2 −,−SiCH2CH2 2 −Si(OCH33,−SiC 2 CH2CH2−Si(OCH33)18H
δ1.2−1.4(−(C 2 7−,−OCH2 3 ,−Si−CH2(C 2 6CH2−Si−)29H
δ1.5(−SiCH2 2 CH2−Si(OCH33)6H
δ1.6(−OOC−CH2 2 (CH27CH2−Si−)2H
δ2.3(−OOC−C 2 −)2H
δ3.5(−SiCH2CH2CH2−Si(OC 3 3)27H
δ4.1(−OC 2 CH3)2H
[合成例6]
反応容器に入れた、合成例2で得られた下記式(D)
Figure 2020137277
で表される化合物5.0g(1.1×10-2mol)を80℃まで加熱した。続いて、塩化白金酸/ビニルシロキサン錯体のトルエン溶液5.0×10-3g(Pt単体として1.5×10-7molを含有)を添加した後、7−オクテニルトリメトキシシラン10.0g(4.3×10-2mol)を滴下し、3時間加熱撹拌した。その後、溶剤及び未反応物を減圧留去することで、下記式(O)
Figure 2020137277
で示される生成物(化合物6)を11.0g得た。
1H−NMR
δ0.1−0.2(−Si−C 3 )18H
δ0.5(−(CH27 2 −Si(O−Si(CH32−)3)2H
δ0.6−0.8(−SiCH2(C 2 6 2 −Si(OCH33,−SiC 2 (C 2 6CH2−Si(OCH33)12H
δ1.2−1.4(−(C 2 7−,−OCH2 3 )17H
δ1.5(−SiCH2(C 2 6CH2−Si(OCH33)36H
δ1.6(−OOC−CH2 2 (CH27CH2−Si−)2H
δ2.3(−OOC−C 2 −)2H
δ3.5(−SiCH2CH2CH2−Si(OC 3 3)27H
δ4.1(−OC 2 CH3)2H
[合成例7]
反応容器に入れた、合成例3で得られた下記式(F)
Figure 2020137277
で表される化合物10.0g(1.4×10-2mol)を80℃まで加熱した。続いて、塩化白金酸/ビニルシロキサン錯体のトルエン溶液1.0×10-2g(Pt単体として3.0×10-7molを含有)を添加した後、7−オクテニルトリメトキシシラン13.4g(5.8×10-2mol)を滴下し、3時間加熱撹拌した。その後、溶剤及び未反応物を減圧留去することで、下記式(P)
Figure 2020137277
で示される生成物(化合物7)を15.4g得た。
1H−NMR
δ0.1−0.2(−Si−C 3 )30H
δ0.5(−(CH27 2 −Si(O−Si(CH32−)3)2H
δ0.6−0.8(−C64−Si−C 2 −,−SiCH2(C 2 6 2 −Si(OCH33,−SiC 2 (C 2 6CH2−Si(OCH33)16H
δ1.2−1.4(−(C 2 7−,−OCH2 3 )17H
δ1.5(−SiCH2(C 2 6CH2−Si(OCH33)36H
δ1.6(−OOC−CH2 2 (CH27CH2−Si−)2H
δ2.3(−OOC−C 2 −)2H
δ3.5(−SiCH2CH2CH2−Si(OC 3 3)27H
δ4.1(−OC 2 CH3)2H
δ7.5(−Si−C6 4 −Si−)4H
[合成例8]
反応容器に入れた、合成例4で得られた下記式(I)
Figure 2020137277
で表される化合物1.8g(2.3×10-3mol)を80℃まで加熱した。続いて、塩化白金酸/ビニルシロキサン錯体のトルエン溶液2.0×10-3g(Pt単体として6.0×10-8molを含有)を添加した後、7−オクテニルトリメトキシシラン2.3g(9.8×10-3mol)を滴下し、3時間加熱撹拌した。その後、溶剤及び未反応物を減圧留去することで、下記式(Q)
Figure 2020137277
で示される生成物(化合物8)を2.7g得た。
1H−NMR
δ0.1−0.2(−Si−C 3 )30H
δ0.5(−(CH27 2 −Si(O−Si(CH32−)3)2H
δ0.6−0.8(−C64−Si−C 2 −,−SiCH2(C 2 6 2 −Si(OCH33,−SiC 2 (C 2 6CH2−Si(OCH33)16H
δ1.2−1.4(−(C 2 7−,−OCH2 3 )17H
δ1.5(−SiCH2(C 2 6CH2−Si(OCH33)36H
δ1.6(−OOC−CH2 2 (CH27CH2−Si−)2H
δ2.3(−OOC−C 2 −)2H
δ3.5(−SiCH2CH2CH2−Si(OC 3 3)27H
δ4.1(−OC 2 CH3)2H
δ7.5(−Si−C6 4 −Si−)4H
[合成例9]
反応容器に入れた、合成例5で得られた下記式(M)
Figure 2020137277
で表される化合物5.0g(7.0×10-3mol)を80℃まで加熱した。続いて、塩化白金酸/ビニルシロキサン錯体のトルエン溶液5.0×10-3g(Pt単体として1.5×10-7molを含有)を添加した後、7−オクテニルトリメトキシシラン6.5g(2.8×10-2mol)を滴下し、3時間加熱撹拌した。その後、溶剤及び未反応物を減圧留去することで、下記式(R)
Figure 2020137277
で示される生成物(化合物9)を7.6g得た。
1H−NMR
δ0.1−0.2(−Si−C 3 )30H
δ0.5−0.7(−O−Si(CH32−C 2 −,−SiCH2(C 2 6 2 −Si(OCH33,−SiC 2 (C 2 6CH2−Si(OCH33)18H
δ1.2−1.4(−(C 2 7−,−OCH2 3 )17H
δ1.5(−SiCH2(C 2 6CH2−Si(OCH33)36H
δ1.6(−OOC−CH2 2 (CH27CH2−Si−)2H
δ2.3(−OOC−C 2 −)2H
δ3.5(−SiCH2CH2CH2−Si(OC 3 3)27H
δ4.1(−OC 2 CH3)2H
[合成例10]
反応容器に入れた1,4−ビス(ジメチルシリル)ベンゼン40.6g(2.09×10-1mol)を80℃まで加熱した。続いて、塩化白金酸/ビニルシロキサン錯体のトルエン溶液1.0×10-2g(Pt単体として3.0×10-7molを含有)を添加した後、下記式(S)
Figure 2020137277
で示される化合物10.0g(4.18×10-2mol)を3時間かけて滴下し、6時間加熱撹拌した。その後、溶剤及び未反応物を減圧留去することで、下記式(T)
Figure 2020137277
で示される生成物を17.1g得た。
1H−NMR
δ0.2−0.4(−Si−C 3 )12H
δ0.7(−(CH27 2 −Si−)2H
δ1.0−1.2(−N(CH2 3 2)6H
δ1.2−1.5(−(C 2 7−)14H
δ1.6(−NOC−CH2 2 (CH27CH2−Si−)2H
δ2.3(−NOC−C 2 −)2H
δ3.2−3.4(−N(C 2 CH32)4H
δ4.4(−Si−H)1H
δ7.5(−Si−C6 4 −Si−)4H
反応容器に入れた、上記で得られた下記式(T)
Figure 2020137277
で表される化合物10.0g(2.31×10-2mol)を80℃まで加熱した。続いて、塩化白金酸/ビニルシロキサン錯体のトルエン溶液1.0×10-2g(Pt単体として3.0×10-7molを含有)を添加した後、7−オクテニルトリメトキシシラン7.5g(3.23×10-2mol)を滴下し、6時間加熱撹拌した。その後、溶剤及び未反応物を減圧留去することで、下記式(U)
Figure 2020137277
で示される化合物を12.6g得た。
1H−NMR
δ0.2−0.3(−Si−C 3 )12H
δ0.7(−(CH27 2 −Si−,−SiC 2 CH2CH2−Si(OCH33)4H
δ0.8(−SiCH2CH2 2 −Si(OCH33)2H
δ1.0−1.2(−N(CH2 3 2)6H
δ1.2−1.4(−(C 2 7−)14H
δ1.5(−SiCH2 2 CH2−Si(OCH33)2H
δ1.6(−NOC−CH2 2 (CH27CH2−Si−)2H
δ2.3(−NOC−C 2 −)2H
δ3.2−3.4(−N(C 2 CH32)4H
δ3.5(−SiCH2CH2CH2−Si(OC 3 3)9H
δ7.5(−Si−C6 4 −Si−)4H
反応容器に入れたテトラメチルジシロキサン4.5g(3.4×10-2mol)、12規定塩酸水溶液3.6g(4.3×10-2mol)、1,4−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン5.0gの混合物を0℃まで冷却した。続いて、上記で得られた下記式(U)
Figure 2020137277
で表される化合物10.0g(1.5×10-2mol)を滴下し、0℃で6時間熟成した。その後、分液操作により下層を回収し、溶剤及び未反応物を減圧留去することで、下記式(V)
Figure 2020137277
で示される生成物を8.6g得た。
1H−NMR
δ0.1−0.2(−Si−C 3 )30H
δ0.5(−(CH27 2 −Si(O−Si(CH32−)3)2H
δ0.7−0.8(−C64−Si−C 2 −)4H
δ1.0−1.2(−N(CH2 3 2)6H
δ1.2−1.5(−(C 2 7−,−Si−CH2(C 2 6CH2−Si−)26H
δ1.6(−NOC−CH2 2 (CH27CH2−Si−)2H
δ2.3(−NOC−C 2 −)2H
δ3.2−3.4(−N(C 2 CH32)4H
δ4.7(−Si−H)3H
δ7.5(−Si−C6 4 −Si−)4H
反応容器に入れた、上記で得られた下記式(V)
Figure 2020137277
で表される化合物5.0g(6.3×10-3mol)を80℃まで加熱した。続いて、塩化白金酸/ビニルシロキサン錯体のトルエン溶液5.0×10-3g(Pt単体として1.5×10-7molを含有)を添加した後、7−オクテニルトリメトキシシラン5.9g(2.5×10-2mol)を滴下し、3時間加熱撹拌した。その後、溶剤及び未反応物を減圧留去することで、下記式(W)
Figure 2020137277
で示される生成物(化合物10)を8.1g得た。
1H−NMR
δ0.1−0.2(−Si−C 3 )30H
δ0.5(−(CH27 2 −Si(O−Si(CH32−)3)2H
δ0.6−0.8(−C64−Si−C 2 −,−SiCH2CH2 2 −Si(OCH33,−SiC 2 CH2CH2−Si(OCH33)16H
δ1.0−1.2(−N(CH2 3 2)6H
δ1.2−1.4(−(C 2 7−,−Si−CH2(C 2 6CH2−Si−)26H
δ1.5(−SiCH2 2 CH2−Si(OCH33)6H
δ1.6(−NOC−CH2 2 (CH27CH2−Si−)2H
δ2.3(−NOC−C 2 −)2H
δ3.2−3.4(−N(C 2 CH32)4H
δ3.5(−SiCH2CH2CH2−Si(OC 3 3)27H
δ7.5(−Si−C6 4 −Si−)4H
比較化合物として、以下の化合物を使用した。
下記式(X)で示される化合物11
Figure 2020137277
表面処理剤の調製及び硬化被膜の形成
[実施例1〜10]
合成例1〜10で得られた式(B)、(E)、(G)、(J)、(N)、(O)、(P)、(Q)、(R)、(W)で示される親油性基含有加水分解性オルガノシラン又はオルガノシロキサン化合物1〜10を濃度0.1質量%、更に酢酸を濃度0.1質量%になるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルに溶解させて表面処理剤を調製した。その後、コーニング社製Gorillaガラスに、ディップ塗工し、120℃、30分硬化させ、それぞれ表1に記載の膜厚の硬化被膜を作製した。
[比較例1]
式(X)で示される加水分解性オルガノシラン化合物11を、濃度0.1質量%になるようにNovec 7200(3M社製、エチルパーフルオロブチルエーテル)に溶解させて表面処理剤を調製した。その後、コーニング社製Gorillaガラスに、ディップ塗工し、120℃、30分硬化させ、表1に記載の膜厚の硬化被膜を作製した。
[比較例2]
比較例2(ブランク)として、何も塗工していないコーニング社製Gorillaガラスを用いた。
[膜厚の評価]
上記にて作製した硬化被膜を形成したガラスについて、透過電子顕微鏡H−9500((株)日立ハイテクノロジーズ製)により膜厚を測定した。試料はFIB法により薄片化し、加速電圧200kVで断面を観察した。結果を表1に示す。
[HAZEの評価]
上記にて作製した硬化被膜を形成したガラスをオレイン酸に1分間浸漬した後に引き揚げ、ヘーズメーターNDH5000(日本電色工業社製)を用いてヘーズ(HAZE)を測定した。結果を表1に示す。
[親油性の評価]
上記にて作製した硬化被膜を形成したガラスについて、接触角計Drop Master(協和界面科学社製)を用いて、硬化被膜のオレイン酸に対する接触角(親油性)を測定した(液滴:2μl、温度:25℃、湿度(RH):40%)。結果(オレイン酸接触角)を表1に示す。
Figure 2020137277
実施例1〜10は、いずれにおいてもオレイン酸浸漬後のHAZEの値が低く、高い透過性が確認された。一方、撥油系表面処理剤である化合物11を用いた比較例1、表面処理を行わなかった比較例2は、HAZEの値が高く、曇りが生じていた。

Claims (16)

  1. 表面処理剤により表面処理されてなり、該表面処理剤層のオレイン酸接触角が20°以下である光学部材。
  2. 表面処理剤層の膜厚が2nm以上100nm以下である請求項1に記載の光学部材。
  3. オレイン酸に1分間浸漬し、引き揚げた後のHAZEが1.5%以下である請求項1又は2に記載の光学部材。
  4. 表面処理剤が、親油性基及び基材との密着性官能基を含有するオルガノシラン又はオルガノシロキサン化合物を含むものである請求項1〜3のいずれか1項に記載の光学部材。
  5. 表面処理剤が、親油性基及び水酸基もしくは加水分解性基を含有する、オルガノシラン化合物、オルガノシロキサン化合物、及びそれらの部分(加水分解)縮合物から選ばれる1種又は2種以上を含むものである請求項4に記載の光学部材。
  6. 表面処理剤が、下記一般式(1)で表されるオルガノシラン化合物及び/又はその部分(加水分解)縮合物を含むものである請求項5に記載の光学部材。
    Figure 2020137277
    (式中、Aは−C(=O)OR1、−C(=O)NR1 2、−C(=O)SR1、及び−P(=O)(OR12のいずれかであり、R1は水素原子、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数6〜30のアリール基又は炭素数7〜30のアラルキル基であり、Yは独立に2価の有機基であり、Rは独立に炭素数1〜4のアルキル基又はフェニル基であり、Xは独立に水酸基又は加水分解性基であり、nは1〜3の整数である。)
  7. 前記一般式(1)において、Yが−O−、−S−、−NR−、−C(=O)−、−C(=O)O−、−C(=O)NR−、−OC(=O)NR−(Rは炭素数1〜4のアルキル基又はフェニル基である)、シルアルキレン基、シルアリーレン基、及びケイ素原子数2〜10個の直鎖状、分岐状又は環状の2価のオルガノ(ポリ)シロキサン残基から選ばれる2価の基を含んでいてもよく、また炭素数6〜20のアリーレン基を含んでいてもよい炭素数2〜30のアルキレン基である請求項6に記載の光学部材。
  8. 表面処理剤が、下記一般式(2)で表されるオルガノシラン化合物及び/又はその部分(加水分解)縮合物を含むものである請求項6又は7に記載の光学部材。
    Figure 2020137277
    (式中、R2は炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基又は炭素数7〜20のアラルキル基であり、mはそれぞれ独立に2〜20の整数であり、Xは独立に水酸基又は加水分解性基である。)
  9. 前記一般式(1)又は(2)において、Xがそれぞれ独立に、水酸基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数2〜10のアルコキシ置換アルコキシ基、炭素数1〜10のアシロキシ基、炭素数2〜10のアルケニルオキシ基、ハロゲン原子、オキシム基、イソシアネート基、及びシアネート基からなる群より選ばれる基である請求項6〜8のいずれか1項に記載の光学部材。
  10. 表面処理剤が、下記一般式(3)で表されるオルガノシロキサン化合物及び/又はその部分(加水分解)縮合物を含むものである請求項5に記載の光学部材。
    Figure 2020137277
    (式中、A’は−CH3、−C(=O)OR1、−C(=O)NR1 2、−C(=O)SR1、及び−P(=O)(OR12のいずれかであり、R1は水素原子、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数6〜30のアリール基又は炭素数7〜30のアラルキル基であり、Y’は独立に2価の有機基であり、Wは独立に炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基、水酸基又は加水分解性基であり、Rは独立に炭素数1〜4のアルキル基又はフェニル基であり、Xは独立に水酸基又は加水分解性基であり、nは1〜3の整数であり、qは1〜3の整数である。)
  11. 前記一般式(3)において、Y’が−O−、−S−、−NR−、−C(=O)−、−C(=O)O−、−C(=O)NR−、−OC(=O)NR−(Rは炭素数1〜4のアルキル基又はフェニル基である)、シルアルキレン基、シルアリーレン基、及びケイ素原子数2〜10個の直鎖状、分岐状又は環状の2価のオルガノ(ポリ)シロキサン残基から選ばれる2価の基を含んでいてもよく、また炭素数6〜20のアリーレン基を含んでいてもよい炭素数2〜30のアルキレン基である請求項10に記載の光学部材。
  12. 前記一般式(3)において、Wがそれぞれ独立に、炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基、水酸基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数2〜10のアルコキシ置換アルコキシ基、炭素数1〜10のアシロキシ基、炭素数2〜10のアルケニルオキシ基、ハロゲン原子、オキシム基、イソシアネート基、及びシアネート基からなる群より選ばれる基である請求項10又は11に記載の光学部材。
  13. 表面処理剤が、下記一般式(4)で表されるオルガノシロキサン化合物及び/又はその部分(加水分解)縮合物を含むものである請求項10〜12のいずれか1項に記載の光学部材。
    Figure 2020137277
    (式中、R3は炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基又は炭素数7〜20のアラルキル基であり、Qは単結合、又はシルアルキレン基、シルアリーレン基、及びケイ素原子数2〜10個の直鎖状、分岐状もしくは環状の2価のオルガノ(ポリ)シロキサン残基から選ばれる2価の基であり、m’はそれぞれ独立に1〜20の整数であり、m''は2〜20の整数であり、Xは独立に水酸基又は加水分解性基である。)
  14. 前記一般式(3)又は(4)において、Xがそれぞれ独立に、水酸基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数2〜10のアルコキシ置換アルコキシ基、炭素数1〜10のアシロキシ基、炭素数2〜10のアルケニルオキシ基、ハロゲン原子、オキシム基、イソシアネート基、及びシアネート基からなる群より選ばれる基である請求項10〜13のいずれか1項に記載の光学部材。
  15. 光学部材がメガネレンズである請求項1〜14のいずれか1項に記載の光学部材。
  16. 光学部材がカメラレンズ又はレンズカバーである請求項1〜14のいずれか1項に記載の光学部材。
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