JPWO2020136856A1 - クラッチ - Google Patents

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Abstract

係合時のショックを抑制できるクラッチを提供する。クラッチ(10)は、第1面(21)を有する第1部材(20)と、第1面(21)と軸線の方向に対向する第2面(51)を有する第2部材(50)と、トルクを伝達できる状態にする切換装置(60)と、を備える。第1部材(20)は、第1面(21)に複数の第1穴(22)が形成され、第1穴(22)に第1係合子(40)が揺動可能に配置される。第2部材(50)は、第2面(51)に複数の第2穴(52)が形成され、トルクを伝達するときは第1係合子(40)が第1穴(22)及び第2穴(52)に係合する。トルクを伝達するときに係合する第1係合子(40)の数Neは1であり、第2穴(52)の数Nnは、配置された第1係合子(40)の数Npで割り切れない数である。

Description

本発明はトルクの伝達・遮断を行うクラッチに関するものである。
軸線に交差する第1面に複数の係合子が配置された第1部材と、第1面と軸線の方向に対向する第2面に複数の穴が形成された第2部材と、トルクの伝達が遮断された状態からトルクを伝達できる状態にする切換装置と、を備えるクラッチが知られている(特許文献1及び2)。特許文献1及び2に開示される技術では、切換装置を作動させると、第1部材に配置された係合子が第2部材の穴に係合した後に、第1部材と第2部材との間にトルクが伝達される。
特許第5145019号公報 特許第6209608号公報
しかし上記従来の技術では、第2部材に形成された穴と穴との間に距離があるので、ある穴に係合子が係合できないときは、次に係合できる穴に係合子が達するまで、第2部材に対して第1部材が相対回転する。この間の第1部材の相対的な加速度が大きいと、係合時の第1部材と第2部材との間の速度差が大きくなるので、係合時のショックが大きくなる。このショックを抑制する技術が求められている。
本発明はこの要求に応えるためになされたものであり、係合時のショックを抑制できるクラッチを提供することを目的としている。
この目的を達成するために本発明のクラッチは、軸線に交差する第1面を有する第1部材と、第1面と軸線の方向に対向する第2面を有する第2部材と、トルクの伝達が遮断された状態から第1部材と第2部材との間に軸線回りのトルクを伝達できる状態にする切換装置と、を備える。第1部材は、第1面の軸線を中心とする第1円周上に複数の第1穴が形成され、第1穴の各々に第1係合子が揺動可能に配置される。第2部材は、第2面の軸線を中心とする第2円周上に複数の第2穴が形成され、トルクを伝達するときは第1係合子が第1穴の縁部および第2穴の縁部にそれぞれ係合する。トルクを伝達するときに係合する第1係合子の数Neは1であり、第2穴の数Nnは、第1円周上に配置された第1係合子の数Npで割り切れない数である。
請求項1記載のクラッチによれば、トルクを伝達するときに係合する第1係合子の数Neは1であり、第2穴の数Nnは、第1円周上に配置された第1係合子の数Npで割り切れない数である。これにより、係合できる穴に第1係合子が達するまで第1部材が相対回転する角度を、隣り合う第2穴の縁部と第2穴の縁部との間の弧の中心角よりも小さくできる。これにより、第1部材の相対的な加速度が大きくても係合時の第1部材と第2部材との間の速度差を生じ難くできる。よって、係合時のショックを抑制できる。
請求項2記載のクラッチによれば、第1部材および第2部材のそれぞれに形成された径方向の外側を向く面および径方向の内側を向く面が、接触部により、直接または軸受を介して互いに接触する。第1係合子が係合したときに第1部材と第2部材との間に生じる回転方向および径方向の反力を接触部が受けるので、応力を軽減できる。よって、請求項1の効果に加え、クラッチの耐久性を確保できる。
請求項3記載のクラッチによれば、第1穴の縁部は第1円周上に等間隔に配置され、第2穴の縁部は第2円周上に等間隔に配置される。よって、請求項1又は2の効果に加え、係合できずに第1部材が相対回転する角度を任意の位置で小さくできる。
請求項4記載のクラッチによれば、第1部材は、第1面の第1円周上に複数の第3穴が形成され、第3穴の各々に第2係合子が揺動可能に配置される。第2係合子は、第1係合子が係合する回転方向と逆方向の回転により第3穴の縁部および第2穴の縁部にそれぞれ係合する。トルクを伝達するときに係合する第2係合子の数Nfは、第1円周上に配置された第2係合子の数Nqよりも少なく、数Nnは数Nqで割り切れない数なので、請求項1から3のいずれかの効果に加え、第2係合子の係合時のショックも抑制できる。
請求項5記載のクラッチによれば、第1部材は、軸線を中心とし第1円とは直径が異なる第1面の第3円周上に複数の第3穴が形成される。第2部材は、軸線を中心とし第2円とは直径が異なる第2面の第4円周上に複数の第4穴が形成される。第3穴の各々に第2係合子が揺動可能に配置され、第2係合子は、第1係合子が係合する回転方向と逆方向の回転により第3穴の縁部および第4穴の縁部にそれぞれ係合する。トルクを伝達するときに係合する第2係合子の数Nfは、第3円周上に配置された第2係合子の数Nqよりも少なく、第4穴の数Nmは数Nqで割り切れない数なので、請求項1から3のいずれかの効果に加え、第2係合子の係合時のショックも抑制できる。
第1実施の形態におけるクラッチの断面図である。 図1のII−II線におけるクラッチの断面図である。 第2部材の正面図である。 (a)は図2のIVa−IVa線におけるクラッチの断面図であり、(b)はトルクを伝達するクラッチの断面図である。 (a)は第1部材と第2部材との間の位置関係を示す模式図であり、(b)は第1部材と第2部材との間の別の位置関係を示す模式図であり、(c)は比較例におけるクラッチの位置関係を示す模式図であり、(d)は比較例におけるクラッチの別の位置関係を示す模式図である。 第2実施の形態におけるクラッチの断面図である。 図6のVII−VII線におけるクラッチの断面図である。 図6のVIII−VIII線におけるクラッチの断面図である。 (a)は第1方向のトルクが入力されたクラッチの模式図であり、(b)は第2方向のトルクが入力されたクラッチの模式図である。 (a)は第1部材と第2部材との間の位置関係を示す模式図であり、(b)は第1部材と第2部材との間の別の位置関係を示す模式図であり、(c)は第3実施の形態におけるクラッチの第1部材と第2部材との間の位置関係を示す模式図であり、(d)は第1部材と第2部材との間の別の位置関係を示す模式図である。
以下、本発明の好ましい実施の形態について添付図面を参照して説明する。まず図1を参照してクラッチ10の概略構成について説明する。図1は第1実施の形態におけるクラッチ10の軸線Oを含む断面図であり、図2は図1のII−II線におけるクラッチ10の断面図である。クラッチ10は、軸線Oを中心に回転する第1部材20、第2部材50及び切換装置60を備えている。本実施の形態では入力軸11及び出力軸12が同一の軸線O上に配置され、第1部材20は入力軸11(駆動側)に結合し、第2部材50は出力軸12(被動側)に結合している。
第1部材20は、軸線Oを中心とする円環状に形成される部材であり、軸線Oに交差する(本実施形態では軸線Oに直交する)平坦面状の第1面21に第1穴22及び第3穴25(図2参照)が複数形成されている。第1面21は、第2部材50の平坦面状の第2面51と軸線O方向に対向する。第1穴22及び第3穴25には、第2部材50側を向く第3面28がそれぞれ形成されている。第3面28よりも第2部材50から離れた位置にある第1穴22及び第3穴25の底面29には、第1部材20の第1面21の反対側の端面30に開口する油穴31が形成されている。
第1穴22の第3面28には第1係合子40が配置され、第3穴25(図2参照)の第3面28には第2係合子43が配置されている。第1穴22の底面29と第1係合子40との間、第3穴25の底面29と第2係合子43との間に、圧縮ばね46がそれぞれ配置されている。圧縮ばね46は、第1係合子40及び第2係合子43を第2部材50側へ付勢する。第1部材20の第1面21には、第1係合子40及び第2係合子43に接触するリテーナ47が配置されている。
第2部材50は、軸線Oを中心とする円環状に形成される部材であり、軸線Oに交差する(本実施形態では軸線Oに直交する)平坦面状の第2面51に第2穴52が複数形成されている。第2穴52は、第1部材20に配置された第1係合子40及び第2係合子43(図3参照)が係合する部位である。
図3は第2部材50の正面図である。第2穴52は、周方向に互いに間隔をあけて第2部材50に複数(本実施形態では10個)形成されている。第2穴52は同じ大きさであり、軸線O方向から見て略矩形状である。第2穴52の周方向に対向する縁部53,54は、軸線Oを中心とする第2円55の円周上に位置する。第2部材50は、第2穴52を周方向に繋ぐリング溝56が第2面51に形成されている。第2部材50は、リング溝56の溝底に連通するピン穴57が複数形成されている。
図1に戻って説明する。ピン穴57は、第2部材50の第2面51の反対側の端面58に開口する。切換装置60は、リング61、ピン62、板部材63及びアクチュエータ64を備えている。リング61はリング溝56(図3参照)に収容され、ピン62はピン穴57に収容される。ピン62は、出力軸12の周囲に配置された円環状の板部材63を介して、アクチュエータ64の軸線O方向の力をリング61に伝達する。アクチュエータ64は板部材63及びピン62を介してリング61を軸線O方向へ移動させる。
クラッチ10は接触部34,37が設けられている。接触部34は、径方向の外側を向く第2部材50の外面50aとの間に径方向の距離をあけて第1部材20と一体成形された円環状の第1部35と、第1部35の径方向の内側を向く内面35aと第2部材50の外面50aとに接触する軸受36と、を備えている。軸受36は転がり軸受、すべり軸受などが挙げられる。第1部35の内面35a及び第2部材50の外面50aは、軸受36を介して接触している。軸受36と第1部35の内面35aとは油膜を介して接触していても良い。同様に、軸受36と第2部材50の外面50aとは油膜を介して接触していても良い。
接触部37は、接触部34よりも径方向の内側に設けられている。接触部37は、第1部材20の内周に一体成形された円環状の第2部38と、第2部材50の内周に一体成形された円環状の第3部39と、を備えている。第2部38の径方向の外側を向く外面38aと第3部39の径方向の内側を向く内面39aとは、油膜を介して直接接触している。
図2に示すように第1部材20は、第1穴22及び第3穴25が周方向に交互に並んでいる。第1穴22及び第3穴25は軸線O方向から見て略矩形状である。本実施形態では、第1穴22の周方向の長さは第3穴25の周方向の長さよりも長い。第1部材20は、第1穴22の周方向の一方の縁部23から径方向の両側に延びる凹部24が第1面21に形成されており、第3穴25の周方向の一方の縁部26から径方向の両側に延びる凹部27が第1面21に形成されている。本実施形態では、凹部24の周方向の長さは凹部27の周方向の長さよりも長い。第1穴22は軸線Oの周りに複数(本実施形態では4個)が等間隔に配置され、第3穴25は軸線Oの周りに複数(本実施形態では4個)が等間隔に配置されている。
第1穴22の縁部23及び第3穴25の縁部26は、軸線Oを中心とする第1円32の円周上に位置する。第1円32の直径は、第2円55(図3参照)の直径と同一である。第1部材20は、第1穴22及び第3穴25を周方向に繋ぐ円形の溝33が第1面21に形成されている。溝33は、第2部材50(図1参照)に配置されたリング61が進入する窪みである。
第1係合子40は第1穴22に配置され、第2係合子43は第3穴25に配置される。第1係合子40は、矩形の板状の支柱41と、支柱41の端から支柱41の幅方向の両側に突出する腕42と、を備えている。第2係合子43は、矩形の板状の支柱44と、支柱44の端から支柱44の幅方向の両側に突出する腕45と、を備えている。第1係合子40及び第2係合子43は、第1部材20に配置される周方向の向きが異なる以外は同一の部品である。
第1係合子40の腕42は凹部24に収容され、第2係合子43の腕45は凹部27に収容される。第1穴22及び凹部24の周方向の長さは第1係合子40の支柱41及び腕42の周方向の長さよりも長いので、第1係合子40は、第1穴22の内側を周方向にスライドできる。
リテーナ47は円板状の部材であり、放射状に延びる複数の第1腕48及び第2腕49が、周方向に交互に配置されている。リテーナ47は、第1部材20に配置された圧縮ばね(図示せず)の復元力により、軸線Oを中心に第1方向(矢印F方向)に付勢されている。リテーナ47が第1方向(矢印F方向)に付勢された状態で、第1腕48は第1係合子40の支柱41の周方向の端面に当接し、第2腕49は第2係合子43の支柱44の一部を覆う。
図4(a)は図2のIVa−IVa線におけるクラッチ10の断面図であり、図4(b)はトルクを伝達するクラッチ10の断面図である。図4(a)及び図4(b)では、説明を容易にするため、第1部材20の第1面21に第2部材50の第2面51を向かい合わせた状態が図示されている。
第1穴22の第3面28に配置された第1係合子40と第1穴22の底面29との間に配置された圧縮ばね46は、第1係合子40の支柱41のうち腕42(図2参照)が設けられた部分と反対側の部分に弾性力(復元力)を加える。本実施形態では、圧縮ばね46はねじりコイルばねである。リテーナ47(図2参照)の第1腕48は第1係合子40の腕42側の支柱41の端面に押し当てられており、第1係合子40の腕42は第2部材50の第2面51に押さえられるので、第1係合子40は腕42を中心に揺動できる。
しかし、切換装置60(図1参照)のリング61が第2穴52に進入している場合は、第1係合子40は、リング61に当たって第2穴52に係合できない。また、切換装置60を作動させてリング61が第2穴52から退出しても、図4(a)のように、第2部材50に対して第1部材20が第2方向(反矢印F方向)へ相対回転する場合は、第1係合子40は第2穴52に係合できない。このときの第2係合子43は、リテーナ47の第2腕49に支柱44の一部が覆われているので、第2穴52に進入できない。
これに対し、第2部材50に対して第1部材20が第1方向(矢印F方向)へ相対回転する場合に、切換装置60を作動させてリング61を第2穴52から退出させると、第1係合子40は起き上がり、第2穴52に進入できる。そうすると第1腕48が第1係合子40に押され、リテーナ47は第2方向(反矢印F方向)へ回転する。その結果、図4(b)のように、第1係合子40はリテーナ47を押し退けて第1穴22の縁部23及び第2穴52の縁部53にそれぞれ係合する。これにより、第1部材20及び第2部材50は第1方向(矢印F方向)へ一体に回転し、トルクを伝達する。
第1係合子40に押し退けられたリテーナ47の第2腕49は第2係合子43を覆えなくなるので、第2係合子43は圧縮ばね46の弾性力によって第2部材50側へ起き上がる。第2部材50の第2穴52は、第2部材50側へ起き上がった第2係合子43が進入できる位置に形成されているので、第2係合子43は第2部材50の第2穴52に進入する。これにより、第2部材50に対して第1部材20が第2方向(反矢印F方向)へ相対回転する場合に、第2係合子43は第3穴25の縁部26及び第2穴52の縁部54にそれぞれ係合して、第1部材20及び第2部材50は一体に回転しトルクを伝達する。
ここで、第2部材50に形成された第2穴52と第2穴52との間は周方向に距離があるので、第2部材50に対して第1部材20が第1方向(矢印F方向)へ相対回転する場合に、あるタイミングで第1係合子40が第2穴52に係合できないときは、次に係合できる第2穴52に第1係合子40が達するまで、第2部材50に対して第1部材20が相対回転する。この間の第1部材20の相対的な加速度が大きいと、係合時の第1部材20と第2部材50との間の速度差が大きくなる。これにより、係合時のショックが大きくなるという問題点がある。
この問題点を解決するには、次に係合できる第2穴52の位置に第1係合子40が達するまでに第1部材20が相対回転する角度を小さくすることが有効である。この角度を小さくできれば、相対的な加速度が大きくても係合時の第1部材20と第2部材50との間の速度差を生じ難くできるので、係合時のショックを抑制できるからである。
図5を参照して、第1部材20と第2部材50との間にトルクが伝達される状態を説明する。図5(a)は第1部材20と第2部材50との間の位置関係を示す模式図であり、図5(b)は第1部材20と第2部材50との間の別の位置関係を示す模式図である。図5(c)は比較例におけるクラッチ200の位置関係を示す模式図であり、図5(d)は比較例におけるクラッチ200の別の位置関係を示す模式図である。
図5(a)及び図5(b)は、第1面21(第1部材20)の第1円32、及び、第2面51(第2部材50)の第2円55の円周をそれぞれ線分に展開した図である。各線分の両端の点は、円周上の同じ点を示す。第1円32の円周は、第2円55の円周と同じ長さである。
第1部材20は、第2部材50に対して第1方向(矢印F方向)に相対移動する。第2円55の円周上に等間隔に配置された第2穴52(Nn=10)に、第1円32の円周上に等間隔に配置された第1係合子40(Np=3)のいずれかが一致すると、第1係合子40により第1部材20と第2部材50との間にトルクが伝達される。また、第2穴52(Nn=10)に、第1円32の円周上に等間隔に配置された第2係合子43(Nf=3)のいずれかが一致すると、第2係合子43により第1部材20と第2部材50との間にトルクが伝達される。
図5(a)に示すようにクラッチ10は、3つの第1係合子40のうちの1つが第2穴52と一致する(Ne=1)。このタイミングで第1係合子40が第2穴52に係合できないときは、第2部材50に対して第1部材20が第1方向(矢印F方向)へ相対移動する。そうすると、図5(b)に示すように、第1係合子40のうち別の1つが第2穴52と一致する。図5(a)に示すタイミングから図5(b)に示すタイミングになるまで、第1部材20が相対移動する角度Rは、式(1)で表される。
R(°)=360°/(Nn・Np/Ne) …式(1)
本実施形態ではNp=3,Ne=1,Nn=10なので、これらを式(1)に代入すると、R1=12°となる。
これに対し、図5(c)に示す比較例におけるクラッチ200は、第1部材210の第1円32の円周上に4つの第1係合子40が等間隔に配置されている(Np=4)。第2部材220の第2円55の円周上に12個の第2穴52が等間隔に形成されている(Nn=12)。クラッチ200は、4つの第1係合子40の全てが第2穴52と一致する(Ne=4)。このタイミングで第1係合子40が第2穴52に係合できないときに、第2穴52の間隔の分(R2=30°)だけ第2部材220に対して第1部材210が第1方向(矢印F方向)へ相対移動すると、図5(d)に示すように、第1係合子40の全てが別の第2穴52と一致する。
比較例におけるクラッチ200では、トルクを伝達するときに係合する第1係合子40の数Neが第1係合子40の数Npと同じなので、あるタイミングで第1係合子40が第2穴52に係合できないときに、次に係合できるタイミングになるのは、第2穴52の間隔の分だけ、第2部材220に対して第1部材210が相対回転したときである。この間の第1部材20の相対的な加速度が大きいと、係合時の第1部材20と第2部材50との間の速度差が大きくなるので、係合時のショックが大きくなる。
一方、クラッチ10は、トルクを伝達するときに係合する第1係合子40の数Neが1であり、第2穴52の数Nn(=10)が数Np(=3)で割り切れない数に設定されている。その結果、次に係合できる第2穴52に第1係合子40が達するまで第1部材20が相対回転する角度Rを、第2穴52の間隔(隣り合う第2穴52の縁部53と第2穴52の縁部53との間の弧の中心角)よりも小さくできる。これにより、第1部材の加速度が大きくても係合時の第1部材20と第2部材50との間の速度差を生じ難くできる。よって、係合時のショックを抑制できる。
また、Np(=3),Nn(=10)は1以外に公約数をもたない数なので、トルクを伝達するときに係合する第1係合子40の数Neを1にできる。これにより、トルクを伝達するときに複数の第1係合子40が同時に係合するようにクラッチを製造する場合に比べ、第1部材20、第2部材50及び第1係合子40の寸法公差を緩和できる。
クラッチ10は、第1穴22の縁部23が第1円32の円周上に等間隔に配置され、第2穴52の縁部53が第2円55の円周上に等間隔に配置されるので、第1部材20が相対回転する角度Rを任意の位置で小さくできる。
クラッチ10は、トルクを伝達するときに係合する第2係合子43の数Nf(=1)が、配置された第2係合子43の数Nq(=3)よりも少なく、第2穴52の数Nn(=10)が数Nqで割り切れない数に設定されている。よって、第2係合子43により第1部材20と第2部材50との間にトルクが伝達されるときも同様に、係合時のショックを抑制できる。
接触部34,37は、第1係合子40や第2係合子43が係合したときに第1部材10と第2部材50との間に生じる回転方向および径方向の反力を受ける。接触部34,37により第1部材10や第2部材50に生じる応力を軽減できるので、クラッチ10の耐久性を確保できる。
次に第2実施の形態について説明する。第1実施形態では、第1部材20の第1円32の円周上に第1係合子40及び第2係合子43が配置された場合について説明した。これに対し第2実施形態では、第1部材80の第1円85の円周上に第1係合子89が配置され、第1円85と大きさが異なる第3円88の円周上に第2係合子90が配置される場合について説明する。なお、第1実施形態と同一の部分については、同一の符号を付して以下の説明を省略する。図6は第2実施の形態におけるクラッチ70の軸線Oを含む断面図である。
図6に示すようにクラッチ70は、入力軸11と出力軸12との間のトルクの伝達または遮断を行うための装置である。クラッチ70は、出力軸12に結合される第1部材80と、入力軸11に結合される第2部材100と、切換装置120と、を備えている。第1部材80は、第2部材100の円筒部112の内側に配置される。第1部材80は、円筒部112に固定された規制部材113によって、第2部材100に対する軸線方向の移動が規制される。第1部材80の第1面81は軸線Oと直交する平坦面である。第1面81は、第2部材100の第2面101と軸線方向に対向する。
図7は図6のVII−VII線におけるクラッチ70の断面図である。第1部材80は、スプラインによって出力軸12に結合する略円環状の部材である。第1部材80は、有底の第1穴82及び第3穴86が、第1面81に複数形成されている。第1穴82及び第3穴86には、第2部材100側を向く第3面84(図9(a)参照)がそれぞれ形成されている。第1穴82及び第3穴86は、第1実施形態で説明した第3穴25と同一の形状である。
第1穴82の縁部83は、軸線Oを中心とする第1円85の円周上に位置する。第3穴86の縁部87は、軸線Oを中心とする第3円88の円周上に位置する。第3円88の直径は第1円85の直径よりも小さい。第1穴82に第1係合子89が配置され、第3穴86に第2係合子90が配置される。本実施形態では、第1係合子89及び第2係合子90はそれぞれ4個ずつ配置されている(Np=Nq=4)。
第1係合子89及び第2係合子90は、第1部材80に配置される周方向の向きが異なる以外は互いに同一の部品であり、第1実施形態で説明した第1係合子40と同一の部品である。第1係合子89及び第2係合子90は、第1穴82及び第3穴86にそれぞれ配置された圧縮ばね91,92(図1参照)により、第2部材100側へ付勢されている。本実施形態では、圧縮ばね91,92はねじりコイルばねである。
図8は図6のVIII−VIII線におけるクラッチ70の断面図である。第2部材100は、軸線Oを中心とする円環状に形成される部材であり、軸線Oに交差する(本実施形態では軸線Oに直交する)平坦面状の第2面101に、第2穴102及び第4穴107が複数形成されている。第2穴102は第1係合子89が係合する部位であり、第4穴107は第2係合子90が係合する部位である。
第2穴102は、周方向に互いに間隔をあけて第2部材100に複数(本実施形態では9個)形成されている(Nn=9)。第2穴102は同じ大きさであり、等間隔に配置されている。周方向に位置する第2穴102の片方の縁部103は、軸線Oを中心とする第2円104の円周上に位置する。第2円104の直径は第1円85の直径と同じ大きさである。第2部材100は、第2穴102を周方向に繋ぐリング溝105が第2面101に形成されている。第2部材100は、リング溝105の溝底に連通するピン穴106が複数形成されている。ピン穴106は第2部材100を厚さ方向(軸線方向)に貫通する。
第4穴107は、周方向に互いに間隔をあけて第2部材100に複数(本実施形態では9個)形成されている(Nm=9)。第4穴107は同じ大きさであり、等間隔に配置されている。周方向に位置する第4穴107の片方の縁部108は、軸線Oを中心とする第4円109の円周上に位置する。第4円109の直径は第3円88の直径と同じ大きさである。第2部材100は、第4穴107を周方向に繋ぐリング溝110が第2面101に形成されている。第2部材100は、リング溝110の溝底に連通するピン穴111が複数形成されている。ピン穴111は第2部材100を厚さ方向(軸線方向)に貫通する。
図6に戻って説明する。クラッチ70は接触部71が設けられている。接触部71は、第1部材80の内周に一体成形された円環状の第1部72と、第2部材100の内周に一体成形された円環状の第2部73と、を備えている。第1部72の径方向の外側を向く外面72aと第2部73の径方向の内側を向く内面73aとは、油膜を介して直接接触している。
切換装置120は、リング121,122、ピン123,124及びカム機構130を備えている。リング121,122はそれぞれリング溝105,110に収容され、ピン123,124はそれぞれピン穴106,111に収容される。ピン123,124は、リング121,122にカム機構130の力を伝達する。リング121,122は第1係合子89及び第2係合子90の揺動を規制する。
カム機構130は、第1係合子89に対する軸線方向に配置された第1カム131と、第2係合子90に対する軸線方向に配置された第2カム133と、第1カム131及び第2カム133に対向する第3カム135と、を備えている。第1カム131と第3カム135との間に複数の第1ボール138が介在し、第2カム133と第3カム135との間に複数の第2ボール139が介在する。
第1カム131は、第2部材100を挟んで第1部材80の反対側に入力軸11を取り囲んで配置される円環状の部材である。第1カム131は、円筒部112及び第1カム131に形成されたスプラインの係合により円筒部112と一体に回転すると共に、円筒部112に対して軸線方向に移動可能に円筒部112の内側に配置されている。第1カム131には、第2部材100の反対側に開放するカム溝132が形成されている。カム溝132は、径方向へ延びる例えば断面三角形の溝であり、周方向に間隔をあけて複数設けられている。
第2カム133は、第2部材100を挟んで第1部材80の反対側、且つ、第1カム131の内側(軸線O側)に配置される円環状の部材である。第2カム133は入力軸11を取り囲んでいる。第2カム133は、入力軸11及び第2カム133に形成されたスプラインの係合により入力軸11と一体に回転すると共に、入力軸11に対して軸線方向に移動可能に入力軸11の外側に配置されている。第2カム133は、第1カム131に対して軸線方向に移動可能である。第2カム133には、第2部材100の反対側に開放するカム溝134が形成されている。カム溝134は、径方向へ延びる例えば断面三角形の溝であり、周方向に間隔をあけて複数設けられている。
第3カム135は、第1カム131及び第2カム133に対向する円環状の部材である。第3カム135は入力軸11を取り囲んでいる。第3カム135は、入力軸11及び円筒部112に対して回転自在に円筒部112の内側に配置されている。第3カム135は、第2部材100と反対側への軸線方向の移動が規制されている。第3カム135には、第2部材100側に開放するカム溝136,137が形成されている。カム溝136は、第1カム131のカム溝132と対向する位置に設けられており、カム溝137は、第2カム133のカム溝134と対向する位置に設けられている。カム溝136,137は、径方向に延びる例えば断面三角形の溝である。
第1カム131及び第2カム133と第3カム135とは、回転方向の位相差が設けられている。第1カム131及び第2カム133と第3カム135とは、その位相差の分だけ、第1ボール138及び第2ボール139の反力を受けながら相対回転できる。第1カム131及び第2カム133と第3カム135との相対回転により、第1ボール138又は第2ボール139が第1カム131又は第2カム133と第3カム135とに係合すると、第1カム131又は第2カム133と第3カム135とは一体に回転する。第3カム135は軸線方向の移動が規制されているので、第1カム131及び第2カム133と第3カム135とに回転差が生じると、第1カム131又は第2カム133を軸線方向(第1部材80側)へ移動させる。
図9を参照してクラッチ70の動作について説明する。図9(a)は入力軸11に第1方向(矢印F方向)のトルクが入力されたクラッチ70の模式図である。図9(b)は入力軸11に第2方向(矢印R方向)のトルクが入力されたクラッチ70の模式図である。
図9(a)に示すように第1係合子89及び第2係合子90は、圧縮ばね91,92によって、それぞれ第2部材100側へ付勢されている。入力軸11と一体に回転する第1カム131のカム溝132と第3カム135のカム溝136との間の第1ボール138が、第1方向(矢印F方向)へ回転することでカム溝132,136に係合し、第1カム131が第2部材100に対して遠ざかる。一方、第2カム133のカム溝134は、第1カム131のカム溝132と位相が異なるため、第3カム135と第2カム133との間にある第2ボール139の反力により、第2カム133は第2部材100に近づく。
第2カム133は、圧縮ばね92の弾性力に抗してピン124を第1部材20側へ押し込み、ピン124に押されたリング122は、第2係合子90を第1部材80の第3穴86内へ収容する。第2係合子90は第4穴107内へ揺動できないので、第2係合子90によるトルク伝達は遮断される。
一方、圧縮ばね91に付勢された第1係合子89は揺動して第2穴102内へ進入する。第1係合子89が、第1穴82の縁部83及び第2穴102の縁部103に係合すると、第2部材100から第1部材80へ第1方向(矢印F方向)のトルクが伝達される。
この状態から、入力軸11の回転が遅くなるか出力軸12の回転が速くなり、第1部材80の回転数が第1カム131及び第2カム133の回転数より高くなると、第1係合子89は第2穴102と係合できないので、トルク伝達が遮断される。
図9(b)に示すように、入力軸11と一体に回転する第2カム133のカム溝134と第3カム135のカム溝137との間の第2ボール139が、第2方向(矢印R方向)へ回転することでカム溝134,137に係合し、第2カム133が第2部材100に対して遠ざかる。一方、第1カム131のカム溝132は、第2カム133のカム溝134と位相が異なるため、第3カム135と第1カム131との間にある第1ボール138の反力により、第1カム131は第2部材100に近づく。
第1カム131は、圧縮ばね91の弾性力に抗してピン123を第2部材100側へ押し込み、ピン123に押されたリング121は、第1係合子89を第1部材80の第1穴82内へ収容する。第1係合子89は第1穴82内へ揺動できないので、第1係合子89によるトルク伝達は遮断される。
一方、圧縮ばね92に付勢された第2係合子90は揺動して第4穴107内へ進入する。第2係合子90が、第3穴86の縁部87及び第4穴107の縁部108に係合すると、第2係合子90により第2部材100から第1部材80へ第2方向(矢印R方向)のトルクが伝達される。
この状態から、入力軸11の回転が遅くなるか出力軸12の回転が速くなり、第1部材80の回転数が第1カム131及び第2カム133の回転数より高くなると、第2係合子90は第4穴107と係合できないので、トルク伝達が遮断される。
図10(a)及び図10(b)を参照して、第1部材80と第2部材100との間にトルクが伝達される状態を説明する。図10(a)は第1部材80と第2部材100との間の位置関係を示す模式図であり、図10(b)は第1部材80と第2部材100との間の別の位置関係を示す模式図である。図10(a)及び図10(b)は、第1面81(第1部材80)の第1円85、及び、第2面101(第2部材100)の第2円104の円周をそれぞれ線分に展開した図である。各線分の両端の点は、円周上の同じ点を示す。第2部材100は、第1部材80に対して第1方向(矢印F方向)に相対移動する。
図10(a)に示すようにクラッチ70は、4個の第1係合子89のうちの1つが第2穴102と一致する(Ne=1)。このタイミングで第1係合子89が第2穴102に係合できないときは、第1部材80に対して第2部材100が第1方向(矢印F方向)へ相対移動する。そうすると、図10(b)に示すように、第1係合子89のうち別の1つが第2穴102と一致する。本実施形態ではNp=4,Ne=1,Nn=9なので、これらを式(1)に代入すると、R3=10°となる。
第2係合子90も同様に、4個の第2係合子90のうちの1つが第4穴107と一致する(Ne=1)。このタイミングで第2係合子90が第4穴107に係合できないときは、第1部材80に対して第2部材100が第2方向(反矢印F方向)へ相対移動する。そうすると、第2係合子90のうち別の1つが第4穴107と一致する。本実施形態ではNq=4,Nf=1,Nm=9なので、これらを式(2)に代入すると、R=10°となる。
R(°)=360°/(Nm・Nq/Nf) …式(2)
第2実施形態においても、トルクを伝達するときに係合する第1係合子89の数Neが1であり、第2穴102の数Nnが数Npで割り切れない数に設定されているので、第1実施形態と同様に、係合時のショックを抑制できる。
また、トルクを伝達するときに係合する第2係合子90の数Nfが第2係合子90の数Nqよりも少なく、第4穴107の数Nmは数Nqで割り切れない数なので、第1係合子89の場合と同様に、第2係合子90の係合時のショックを抑制できる。さらに、数Nfは1なので、トルクを伝達するときに複数の第2係合子90が同時に係合するようにクラッチを製造する場合に比べ、第1部材80、第2部材100及び第2係合子90の寸法公差を緩和できる。
図10(c)及び図10(d)を参照して第3実施の形態について説明する。第3実施形態におけるクラッチ140は、第2穴102が第2部材100に10個形成され、第4穴107が第2部材100に10個形成されており、第1係合子89及び第2係合子90が等間隔に7個ずつ配置されている以外は、第2実施形態で説明したクラッチ70と同一である。図10(c)は第3実施の形態におけるクラッチ140の第1部材80と第2部材100との間の位置関係を示す模式図であり、図10(d)は第1部材80と第2部材100との間の別の位置関係を示す模式図である。
図10(c)に示すようにクラッチ140は、7個の第1係合子89のうちの1つが第2穴102と一致する(Ne=1)。このタイミングで第1係合子89が第2穴102に係合できないときは、第1部材80に対して第2部材100が第1方向(矢印F方向)へ相対移動する。そうすると、図10(d)に示すように、第1係合子89のうち別の1つが第2穴102と一致する。本実施形態ではNp=7,Ne=1,Nn=10なので、これらを式(1)に代入すると、R4≒5°となる。
第3実施形態においても、トルクを伝達するときに係合する第1係合子89の数Neが1であり、第2穴102の数Nnは数Npで割り切れない数なので、第1実施形態と同様に、係合時のショックを抑制できる。
また、トルクを伝達するときに係合する第2係合子90の数Nf(=1)が第2係合子90の数Nq(=7)よりも少なく、第4穴107の数Nm(=10)は数Nqで割り切れない数なので、第1係合子89の場合と同様に、第2係合子90の係合時のショックを抑制できる。
接触部71は、第1係合子89や第2係合子90が係合したときに第1部材80と第2部材100との間に生じる回転方向および径方向の反力を受ける。接触部71により第1部材80や第2部材100に生じる応力を軽減できるので、クラッチ70の耐久性を確保できる。
以上、実施の形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。例えば、第1係合子40,89や第2係合子43,90の数や形状、第2穴52,102及び第4穴107の数や形状は一例であり、適宜設定できる。
第1実施形態では、第1部材20が駆動側、第2部材50が被動側の場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。第1部材20を被動側、第2部材50を駆動側とすることは当然可能である。同様に、第2実施形態において、第1部材80を駆動側、第2部材100を被動側とすることは当然可能である。
実施形態では、第1係合子40,89及び第2係合子43,90を備える二方向クラッチの場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。第2係合子43,90を省略して、一方向クラッチとすることは当然可能である。
第1実施形態では、第2係合子90の起き上がりを規制するリテーナ47が配置された場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、リテーナ47を省略することは当然可能である。リテーナ47を省略する場合には、第1係合子40が第1穴22内をスライドできないように第1穴22の周方向の長さを短くし、第1円32の円周上の第3穴25と第3穴25との間の中央に第1穴22を形成する。即ち、第1穴22と第3穴25とを軸線Oの周りに等間隔に配置できる。
実施形態では、圧縮ばね46,91,92としてねじりコイルばねを用いる場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。ねじりコイルばねの代わりに、圧縮コイルばね等の他の圧縮ばねを用いることは当然可能である。
第1実施形態では、アクチュエータ64を用いてトルクを伝達できる状態にする切換装置60について説明し、第2実施形態では、カム機構130を用いてトルクを伝達できる状態にする切換装置120について説明した。しかし、必ずしもこれに限られるものではない。切換装置60は、公知の機構を適宜設定できる。
実施形態では、切換装置60,120が、リング61,121,122やピン62,123,124を介して第1係合子40,89及び第2係合子43,90の揺動を規制する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。リング61,121,122を省略し、ピン62,123,124の先端形状や第1係合子および第2係合子の形状を変更することで、ピンを介して第1係合子および第2係合子の揺動を規制することは当然可能である。また、ピンやリングに代えて、第2穴52,102や第4穴107に第1係合子や第2係合子が進入できないようにする板状のシャッター等を設け、それを切換装置の一部とすることは当然可能である。
実施形態では、第1係合子40,89及び第2係合子43,90の大きさ及び形状が同じ場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。第1係合子40,89及び第2係合子43,90の長さ、幅、厚さが互いに異なるようにすることは当然可能である。
実施形態では、複数の第1係合子40,89が軸線Oの周りに等間隔に配置される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。第1係合子40,89の軸線Oの周りの間隔を互いに異ならせることは当然可能である。同様に、第2係合子43,90の軸線Oの周りの間隔を互いに異ならせることは当然可能である。
実施形態では、第1係合子40と第2係合子43とが同じ数であり、第1係合子89と第2係合子90とが同じ数の場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。第1係合子40の数と第2係合子43の数とを異ならせたり、第1係合子89の数と第2係合子90の数とを異ならせたりすることは当然可能である。
第1実施形態では、接触部34,37が設けられる場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば接触部34,37の片方を省略することは当然可能である。また、接触部34に配置された軸受36を省略して、油膜を介して内面35aと外面50aとを直接接触させることは当然可能である。接触部34のように、接触部37に軸受を配置することは当然可能である。
第2実施形態では、接触部71が設けられる場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。接触部71よりも径方向の外側に、別の接触部を設けることは当然可能である。第2実施形態において、第1実施形態のように接触部71に軸受を配置することは当然可能である。
10,70,140 クラッチ
20,80 第1部材
21,81 第1面
22,82 第1穴
23,83 縁部
25,86 第3穴
26,87 縁部
32,85 第1円
34,37,71 接触部
36 軸受
40,89 第1係合子
43,90 第2係合子
50,100 第2部材
51,101 第2面
52,102 第2穴
53,54,103 縁部
55,104 第2円
60,120 切換装置
107 第4穴
108 縁部
109 第4円
O 軸線

Claims (5)

  1. 軸線に交差する第1面を有する第1部材と、
    前記第1面と前記軸線の方向に対向する第2面を有する第2部材と、
    トルクの伝達が遮断された状態から前記第1部材と前記第2部材との間に前記軸線回りのトルクを伝達できる状態にする切換装置と、を備えるクラッチであって、
    前記第1部材は、前記第1面の前記軸線を中心とする第1円周上に複数の第1穴が形成され、
    前記第1穴の各々に第1係合子が揺動可能に配置され、
    前記第2部材は、前記第2面の前記軸線を中心とする第2円周上に複数の第2穴が形成され、
    トルクを伝達するときは前記第1係合子が前記第1穴の縁部および前記第2穴の縁部にそれぞれ係合し、
    トルクを伝達するときに係合する前記第1係合子の数Neは1であり、
    前記第2穴の数Nnは、前記第1円周上に配置された前記第1係合子の数Npで割り切れない数であるクラッチ。
  2. 前記第1部材および前記第2部材のそれぞれに形成された径方向の外側を向く面および径方向の内側を向く面が、直接または軸受を介して互いに接触する接触部を備える請求項1記載のクラッチ。
  3. 前記第1穴の前記縁部は前記第1円周上に等間隔に配置され、前記第2穴の前記縁部は前記第2円周上に等間隔に配置される請求項1又は2に記載のクラッチ。
  4. 前記第1部材は、前記第1面の前記第1円周上に複数の第3穴が形成され、
    前記第3穴の各々に第2係合子が揺動可能に配置され、
    前記第2係合子は、前記第1係合子が係合する回転方向と逆方向の回転により前記第3穴の縁部および前記第2穴の縁部にそれぞれ係合し、
    トルクを伝達するときに係合する前記第2係合子の数Nfは、前記第1円周上に配置された前記第2係合子の数Nqよりも少なく、
    前記数Nnは、前記数Nqで割り切れない数である請求項1から3のいずれかに記載のクラッチ。
  5. 前記第1部材は、前記軸線を中心とし前記第1円とは直径が異なる前記第1面の第3円周上に複数の第3穴が形成され、
    前記第2部材は、前記軸線を中心とし前記第2円とは直径が異なる前記第2面の第4円周上に複数の第4穴が形成され、
    前記第3穴の各々に第2係合子が揺動可能に配置され、
    前記第2係合子は、前記第1係合子が係合する回転方向と逆方向の回転により前記第3穴の縁部および前記第4穴の縁部にそれぞれ係合し、
    トルクを伝達するときに係合する前記第2係合子の数Nfは、前記第3円周上に配置された前記第2係合子の数Nqよりも少なく、
    前記第4穴の数Nmは、前記数Nqで割り切れない数である請求項1から3のいずれかに記載のクラッチ。
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