JPWO2020110891A1 - 造形用粉末 - Google Patents

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Abstract

粉末をニアネットシェイプにする付加加工に好適で、インゴットメイキングで必要であったソーキングを省略しても、粗大な炭化物を含まない高速度工具鋼を製造可能な造形用粉末を提供する。
質量%で、C:0.4〜0.9%、Si:1.0%以下、Mn:1.0%以下、Cr:4.0〜6.0%、WおよびMoの1種または2種が(1/2W+Mo)で1.5〜6.0%(但し、W:3.0%以下)、VおよびNbの1種または2種が(V+Nb)で0.5〜3.0%、残部がFeおよび不可避的不純物からなる組成を有する造形用粉末。

Description

本発明は、例えば、ダイス、パンチ等の圧造工具や金型等に適用される高速度工具鋼を製造するための造形用粉末に関するものである。
従来、熱間精密プレス加工用のパンチや金型等の工具には、高温強度の高いJISでいうSKD8等の熱間工具鋼や、JISでいうSKH51等の高速度工具鋼が使用されている。この熱間工具鋼は、C(炭素)が低く、へたり、摩耗や破損が生ずる場合があった。また、上記の高速度工具鋼は、割れやヒートクラックが発生しやすいという問題があった。
これらの問題点を解決するために、常温および高温強度と、靭性を改善して、かつ耐ヒートクラック性に優れた高速度工具鋼が、例えば、特許文献1で提案されている。
特開2004−307963号公報
特許文献1は、靭性が高く、且つ、そのばらつきが少ない、安定した工具性能を提供できるという点では有用な技術である。
特許文献1に開示のある高速度工具鋼の製造方法では、鋼塊の鋳造または再溶解プロセスといったインゴットメイキングを行ない、このインゴットについて、分塊および仕上げという熱間での塑性加工を経て工具や金型に成形されるため、加工に多大な工数を要していた。
また、特許文献1に開示のある高速度工具鋼は、上記のインゴットメイキング中の冷却時における凝固の偏析により、インゴット中に粗大な一次炭化物が形成される。この一次炭化物が存在すると、クラックの発生、進展を助長するため、靭性や耐ヒートクラック性が低下する。
そして、特許文献1に開示のある高速度工具鋼は、析出炭化物が微細に分散した均一な組織を得るために、1200〜1300℃で10〜20時間のソーキングを必要とする。
上記のソーキングという熱処理は、製造工数の増大に伴うコストの上昇という問題に繋がる。また、ダイス、パンチ等の圧造工具や金型等を得るために、高速度工具鋼にソーキングを施しても、後工程の焼入れ、焼戻し処理の条件によっては、1μm以上の粗大な炭化物が析出する場合があり、靭性や耐ヒートクラック性を低下させる虞がある。
本発明の目的は、粉末をニアネットシェイプにする付加加工に好適で、インゴットメイキングで必要であったソーキングを省略しても、粗大な炭化物を含まない高速度工具鋼を製造可能な造形用粉末を提供することである。
本発明は、上記の課題を解決するため、次のように構成される。
本発明の造形用粉末は、質量%で、C:0.4〜0.9%、Si:1.0%以下、Mn:1.0%以下、Cr:4.0〜6.0%、WおよびMoの1種または2種が(1/2W+Mo)で1.5〜6.0%(但し、W:3.0%以下)、VおよびNbの1種または2種が(V+Nb)で0.5〜3.0%、残部がFeおよび不可避的不純物からなる組成を有する。
本発明の造形用粉末は、質量%で、Coを5%以下含有することが好ましい。
本発明の造形用粉末は、粉末の断面において、最大長が0.1μm以上の炭化物が1個未満であることが好ましい。
本発明は、インゴットメイキングで必要であったソーキングを省略しても、粗大な炭化物を含まない造形用粉末を提供できる。これにより、本発明の造形用粉末は、例えば、粉末床溶融結合法や指向性エネルギー堆積法に適用しても、粗大化した炭化物が生成され難く、ソーキングが省略可能、すなわち、容易な工程にて、優れた特性の高速度工具鋼が得られる。このため、本発明は、高靭性、高耐ヒートクラック性を有するダイス、パンチ等の圧造工具や金型といった高速度工具鋼の製造に有用な技術となる。
本発明例1の造形用粉末の走査型電子顕微鏡写真。 本発明例2の造形用粉末の走査型電子顕微鏡写真。 本発明例2の造形用粉末を用いて作製した積層造形物の走査型電子顕微鏡写真。 本発明例2の造形用粉末を用いて作製した積層造形物の光学顕微鏡写真。
本発明の造形用粉末は、例えば、粉末床溶融結合法や指向性エネルギー堆積法といった粉末をニアネットシェイプにする付加加工に用いる粉末である。これにより、本発明は、従来のインゴットメイキングで必要とされていた分塊および仕上げという熱間での塑性加工を経る必要がないため、加工工数の短縮に寄与できる。
そして、本発明の造形用粉末は、以下の成分組成で構成される。本発明の造形用粉末は、質量%で、C:0.4〜0.9%、Si:1.0%以下、Mn:1.0%以下、Cr:4.0〜6.0%、WおよびMoの1種または2種が(1/2W+Mo)で1.5〜6.0%(但し、W:3.0%以下)、VおよびNbの1種または2種が(V+Nb)で0.5〜3.0%、残部がFeおよび不可避的不純物からなる。
以下に、本発明が適用する成分範囲を限定した理由について説明する。尚、以下の説明では、「質量%」を単に「%」ともいう。
Cは、Cr、W、Mo、V、Nb等の炭化物形成元素と結合して、硬い複炭化物を生成し、工具として必要な耐摩耗性の向上に効果がある。また、Cは、一部基地中に固溶して基地を強化する効果を有する。このとき、Cは、0.4%以上にすることで、工具として必要な硬さを確保することができる。また、上記と同様の理由から、Cは、0.5%以上が好ましい。
一方、Cは、0.9%以下にすることで、炭化物量が過剰になることを抑制でき、靭性を向上させることができる。また、上記と同様の理由から、Cは、0.7%以下が好ましい。より好ましくは0.6%以下である。
Siは、1.0%以下にすることで、靭性の低下を抑制できる。また、上記と同様の理由から、Siは、0.5%以下にすることが好ましい。より好ましくは0.3%以下であり、さらに好ましくは0.2%以下である。そして、Siは、脱酸材として、0.1%以上含有させることが好ましい。
Mnは、1.0%以下にすることで、被削性を向上させることができる。好ましくは0.8%以下であり、より好ましくは0.6%以下である。また、Mnは、焼入れ性を向上させるため、0.3%以上含有させることが好ましい。より好ましくは0.4%以上である。
Crは、Cと結合して炭化物を形成し、耐摩耗性を向上させるとともに、焼入性の向上にも寄与する。このため、本発明ではCrを4.0%以上とする。これにより、炭化物の形成量を適正化でき、耐摩耗性および焼入性を向上させることができる。また、上記と同様の理由から、Crは、4.1%以上にすることが好ましい。
一方、Crは、6.0%以下にすることで、粗大な炭化物の形成を抑制でき、靭性を向上させることができる。また、上記と同様の理由から、Crは、5.0%以下にすることが好ましい。より好ましくは4.8%以下であり、さらに好ましくは4.5%以下である。
WおよびMoは、Cと結合して炭化物を形成し、また、基地中に固溶して熱処理硬さを増して耐摩耗性を向上させることができる。WおよびMoの1種または2種を(1/2W+Mo)で1.5%以上にすることで、Ms点を上げて、焼入れ後の残留オーステナイトを減少させることができ、硬さの向上に寄与する。また、上記と同様の理由から、上記の(1/2W+Mo)は、2.0%以上にすることが好ましい。より好ましくは2.3%以上、さらに好ましくは2.5%以上である。
また、WおよびMoの1種または2種を(1/2W+Mo)で6.0%以下にすることで、被削性や靭性の低下を抑制できる。また、上記と同様の理由から、上記の(1/2W+Mo)は、5.0%以下にすることが好ましい。より好ましくは4.0%以下、さらに好ましくは3.0%以下である。
尚、Wは、機械的強度を確保する観点から、3.0%以下とする。好ましくは2.4%以下、より好ましくは1.8%以下である。また、好ましくは1.0%以上、より好ましくは1.5%以上である。
VおよびNbは、炭化物を形成して耐摩耗性と耐焼付性を向上する。また、VおよびNbは、焼入れ時に基地に固溶して焼戻し時に微細で凝集し難い炭化物を析出し、高温域における軟化抵抗を大きくして、高い高温耐力を与える。また、VおよびNbは、結晶粒を微細化して靭性を向上させるとともにA1変態点を上げ、優れた高温耐力とあいまって耐ヒートクラック性を向上させる。
また、Nbは、軟化抵抗、高温強度を高め、焼入れ時の結晶粒の粗大化を抑制する。一方、Nbが多すぎるとMs点を下げて、焼入れ後の残留オーステナイトを増加させるため、硬さが低下する。また、Nbは、少なすぎると型表面部の早期軟化を招く等上記効果が得られない。そこで、VおよびNbの1種または2種を(V+Nb)で0.5〜3.0%とする。好ましくは0.7%以上、より好ましくは0.9%以上、さらに好ましくは1.1%以上である。また、好ましくは2.4%以下、より好ましくは1.5%以下、さらに好ましくは1.3%以下である。
本発明の造形用粉末は、上記元素の他に、Coを含有させることができる。
Coは、0.3%以上にすることが好ましく、これにより工具使用中の昇温時に極めて緻密で密着性の良い保護酸化被膜を形成して相手材との金属接触を減少し、表面の温度上昇が低減され、優れた耐摩耗性を付与できる。また、Coは、上記の保護酸化被膜の形成によって、断熱効果が得られ、また、保護作用により耐ヒートクラック性も向上でき、クラックの起点の生成抑制効果が得られる。
一方、Coの含有量が多すぎると、靭性を低下させる虞があるため、Coは5.0%以下が好ましい。より好ましくは3.5%以下、さらに好ましくは2.0%以下、よりさらに好ましくは1.0%以下である。また、好ましくは0.3%以上、より好ましくは0.5%以上、さらに好ましくは0.7%以上である。
また、本発明の造形用粉末は、上記元素の他に、Niを含有させることもできる。
Niは、上記のC、Cr、Mn、Mo、W等とともに、優れた焼入性を付与し、マルテンサイト主体の組織を形成し、基地の本質的な靭性を改善する観点から、0.05%以上にすることが好ましい。
また、Niは、1.00%以下にすることが好ましく、これにより、A1変態点を適正化し、焼戻し硬さを低く抑え、機械加工性を向上できる。より好ましくは0.80%以下、さらに好ましくは0.40%以下、よりさらに好ましくは0.20%以下である。
そして、本発明の造形用粉末は、残部をFeおよび不可避的不純物とする。
造形用粉末に含まれる炭化物は、造形時の入熱条件によっては、溶融されずに造形物に残存する虞がある。また、造形用粉末に含まれる炭化物は、より微細であると、造形物の炭化物が微細になりやすく、靭性、耐ヒートクラック性を向上させることができる。このため、本発明の造形用粉末は、粉末の断面において、最大長が0.1μm以上の炭化物が1個未満であることが好ましい。
本発明の造形用粉末を用いた造形物は、インゴット鋳造や連続鋳造等のインゴットメイキングと比較して、凝固プロセスにおける冷却速度が非常に速いため、形成される一次炭化物は微細になる。このため、上述した1200〜1300℃で10〜20時間という高温で長時間のソーキングを省略しても、焼きなまし、焼入れ等の熱処理によって一次炭化物を分解することが可能である。
本発明の造形用粉末は、例えば、ガスアトマイズ法や水アトマイズ法、ディスクアトマイズ法、プラズマアトマイズ法、回転電極法等によって製造することができる。
これらの製造方法の中でも、ガスアトマイズ法は、スクラップ金属や金属粗原料等を溶解原料に使用することが可能であり、予め所望の組成および形状の原料を準備する必要があるプラズマアトマイズ法や回転電極法等と比較して、安価なコストで製造することが可能となる。このため、本発明の造形用粉末の製法として好ましい。
ガスアトマイズ法は、所望の組成となるように準備した溶解原料を高周波誘導加熱により、その融点以上に加熱、溶融させた後、細孔を経由して流出させた溶融金属に対してアルゴンガスや窒素ガス等の不活性ガスを噴射することにより溶融金属を微細に粉砕し、急冷凝固させることによって粉末を得る方法である。
本発明においては、粉末組織に晶出する炭化物をより微細に制御する観点から、窒素ガスを使用することも可能である。
本発明の造形用粉末は、体積基準の累積粒度分布の50%粒径(以下、「D50」という。)が10〜250μmであることが好ましい。本発明の造形用粉末は、そのD50を250μm以下とすることにより、急速な凝固速度、および凝固後の冷却速度を確保することが可能となり、粉末の組織内に最大長が0.1μm以上の炭化物が形成されることを抑制できる。
また、本発明の造形用粉末は、そのD50を10μm以上とすることにより、雰囲気中の湿気等の影響を受けにくくなり、良好な流動性を確保することができる。
尚、本発明の造形用粉末おける累積粒度分布は、累積体積粒度分布で表され、そのD50は、JIS Z 8825で規定される、レーザー回折散乱法による測定値で表される。
本発明の造形用粉末は、その粉末が用いられる造形方法に合わせてメッシュを用いた篩別分級や気流分級等により粉末粒径を調整してもよい。
レーザービームを用いた粉末床溶融結合法に使用される造形用粉末は、熱源となるレーザービームにより粉末を溶融させる一方で、熱影響の範囲を極力狭めるために溶融しづらい粗大な粉末を除去する必要がある。また、粉末の敷設性を確保するための最適な流動性を得るために、付着性の高い微細な粉末も除去する必要がある。このため、本発明の造形用粉末を粉末床溶融結合法に適用する場合は、D50を10〜53μmの範囲に調整することが好ましい。
また、レーザービームを用いた指向性エネルギー堆積法に使用される金属粉末は、熱源となるレーザービームによって粉末を溶融させるために、溶融しづらい粗大な粉末を除去する必要がある。また、粉末を熱源へ供給する際の粉塵飛散を予防し、且つ粉末を容易に搬送可能とする流動性を確保する目的で微細な粉末も除去する必要がある。このため、本発明の造形用粉末を指向性エネルギー堆積法に適用する場合は、D50を53〜106μmの範囲に調整することが好ましい。
さらに、熱源に電子ビームやプラズマを用いる場合は、より粗大な金属粒子を用いて造形することが可能となるため、D50は75〜250μmにすることが好ましい。
表1の組成となるように、各金属粗原料を準備した後、高周波誘導溶解炉に装入して溶融させ、溶融金属をガス圧3.0MPaのアルゴンガスによって粉砕することでアトマイズ粉末を得た。
得られたアトマイズ粉末に対して、目開き53μmの金属メッシュ篩を用いた篩別分級により、53μmよりも微細な粉末を除去してから、目開き106μmの金属メッシュ篩を用いた篩別分級により、106μmよりも粗大な粉末を除去し、粒径が53μm〜106μmとなる本発明例1および本発明例2の造形用粉末を得た。
上記の造形用粉末のD50を、Malvern Instruments製のレーザー回折散乱式粒子径分布測定装置 MasterSizer2000で測定した。測定したD50の値は、本発明例1が84μm、本発明例2が82μmであった。これにより、本発明例となる造形用粉末は、レーザービームを用いた指向性エネルギー堆積法に好適な粉末であることが確認できた。
また、得られた造形用粉末について、Cを赤外線吸収法、C以外の表1に記載した元素をICP発光分光法によって分析した。
表1より、本発明例となる粉末は、いずれも、C、Si、Mn、Cr、W、Mo、V、Nb、Ni、Coの各々の元素の分析値が本発明の規定範囲に収まっており、本発明例の粉末で造形した後に、高速度工具鋼として十分な特性を発現可能であることが確認できた。
本発明例の造形用粉末のミクロ組織を観察するために、各々の粉末の集合を、一般的な顕微鏡観察用試料の作製要領にしたがい、その複数の粉末が概ね一面に並ぶようにして熱硬化性樹脂に埋め込んだ後、バフ研磨して試料調整した。これらの試料をナイタールによって腐食し、断面組織をZEISS製の走査型電子顕微鏡 ULRTA55を用いて、その二次電子像を観察した。その結果を図1および図2に示す。
本発明例の造形用粉末は、いずれも、断面組織内に、最大長が0.1μm以上の粗大な炭化物を含んでいないことが確認できた。これは、本発明の造形用粉末を造形に使用した際に、製造工程の中でソーキング処理を施す必要がなく、且つ1μm以上の点状炭化物が少ない高速度工具鋼を製造することが可能な造形用粉末となっていることが確認できた。
本発明例2の粉末を用いて、指向性エネルギー堆積法により積層造形を実施した。具体的には、DMG森精機製のLASERTEC 65 3Dを用いて、JISでいうSKD61製のプレート上に、本発明例2の造形用粉末を供給しながらレーザー熱源を照射することによって、線形のビードを積層させることにより、積層造形物を作製した。
そして、この積層造形物に対して、1140℃で焼入れ、560℃で焼戻しを行なった。
上記で得た焼戻しした積層造形物の厚さ方向における断面の組織を観察した。具体的には、積層造形物の厚さ方向の断面を露出させるように熱硬化性樹脂に埋め込んだ後、バフ研磨して試料調整し、ナイタールによって腐食して、観察用試料を作製した。そして、この観察用試料について、キーエンス製の走査型顕微鏡 VE−8800および光学顕微鏡を用いてそれぞれ観察した。その結果を図3および図4に示す。
本発明の造形用粉末を用いて得た積層造形物は、図3に示す走査型電子顕微鏡の二次電子像の観察結果から、図3中の矢印で示される点状炭化物が確認される。そして、その点状炭化物は、倍率5000倍、4750μmの範囲において観察される最大粒径が0.8μmであった。また、本発明の造形用粉末を用いて得た積層造形物は、図4に示す光学顕微鏡による観察結果から、倍率500倍、直径が15mm円の面積内において、粒径が1μm以上の点状炭化物は、認められなかった。
以上のことから、本発明の造形用粉末は、インゴットメイキングで必要であったソーキングを省略しても、1μm以上の点状炭化物が少ない高速度工具鋼を製造することができる、レーザービームを用いた指向性エネルギー堆積法に好適な造形用粉末であることが確認できた。

Figure 2020110891

Claims (3)

  1. 質量%で、C:0.4〜0.9%、Si:1.0%以下、Mn:1.0%以下、Cr:4.0〜6.0%、WおよびMoの1種または2種が(1/2W+Mo)で1.5〜6.0%(但し、W:3.0%以下)、VおよびNbの1種または2種が(V+Nb)で0.5〜3.0%、残部がFeおよび不可避的不純物からなる造形用粉末。
  2. 質量%で、Coを5%以下含有する請求項1に記載の造形用粉末。
  3. 粉末の断面において、最大長が0.1μm以上の炭化物が1個未満である請求項1または請求項2に記載の造形用粉末。

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