以下、図面を参照して、本発明の実施の形態に係る冷蔵庫について詳細に説明する。なお、図中、同一または相当する部分には、同じ符号を付す。
(実施の形態1)
図1に示すように、本実施の形態1に係る冷蔵庫100は、開口部を有する断熱箱体110と、断熱箱体110の開口部を開閉する断熱扉121〜125を備える。
断熱箱体110は、外箱、内箱等から構成される。外箱と内箱の間には、断熱材が封入されている。断熱箱体110の内箱の内部は、仕切り部品で仕切られ、複数の貯蔵室に分けられている。図1の例では、冷蔵庫100は、貯蔵室として、冷蔵室131、製氷室132、温度切替室133、冷凍室134および野菜室135を備える。冷蔵庫100の断面S1の断面図を図2に示す。
図2に示すように、冷蔵庫100は、貯蔵室131〜135に加えて、断熱箱体110の内部に、ファン201および冷却器202を格納する冷却器室136と、冷却器室136と各貯蔵室131〜135とをつなぐダクト137と、制御装置10を格納する制御装置室138とを備える。
ダクト137は、各貯蔵室131〜135に冷却器室136の冷気を供給する吹き出し風路と、各貯蔵室131〜135から冷気を冷却器室136に戻す戻り風路とを有する。制御装置10がファン201を駆動することで、冷却器202によって冷却された冷気が、ダクト137の吹き出し風路を通って各貯蔵室131〜135へ送られる。各貯蔵室131〜135に設けられた吹き出し口から冷気が吹き出し、貯蔵室131〜135内を冷却する。冷気は、各貯蔵室131〜135に設けられた戻り口から、ダクト137の戻り風路を通って冷却器室136へ流れる。このように、ダクト137を介して冷気が庫内を循環する。また、冷蔵庫100は、制御装置10からの指示に従って氷を生成する製氷部を備える。製氷部を含む領域R1を拡大した断面図を図3に示す。
図3(a)に示すように、製氷部1は、製氷用の給水タンク11、氷が生成される製氷器12、および、給水タンク11の水を製氷器12に供給する給水パイプ13を含む。給水タンク11は、冷蔵室131内に設置される。製氷器12は、製氷室132内に設置される。給水パイプ13は、冷蔵室131と製氷室132の間の仕切り部品6を貫通して配置される。制御装置10から製氷を指示されると、製氷部1は、給水タンク11の水を、給水パイプ13を介して、製氷器12に注入する。製氷器12に注入された水が凍って、氷が生成される。生成された氷は、製氷器12が回転することで離氷され、製氷室132に貯蔵される。以下、給水タンク11の水が製氷器12に注入されてから、氷が離氷されるまでの一連の動作を製氷動作と呼ぶ。給水タンク11は脱着可能であって、給水タンク11への水の補給はユーザが行う。
給水タンク11の近傍には、タンク検知センサ2および温度センサ3が配置されている。タンク検知センサ2は、給水タンク11の装着を検知する。タンク検知センサ2は、給水タンク11の装着を検知すると、給水タンク11が装着されたことを示す検知情報を制御装置10に送る。温度センサ3の感知部は、給水タンク11の装着時に給水タンク11の中に挿入される。温度センサ3は、制御装置10からの指示に従って、給水タンク11の水の温度Twを測定する。温度センサ3は、給水タンク11の水の温度Twを測定すると、給水タンク11の水の温度Twを示す水温情報を制御装置10に送る。
図3(a)の例では、温度センサ3は、給水タンク11の装着時に給水タンク11の中に感知部が挿入され、給水タンク11の水の温度Twを直接測定するが、温度Twの測定方法は、これに限らない。冷蔵室131内に装着された給水タンク11の外面の温度が、給水タンク11の水の温度Twに従う場合は、給水タンク11の外面の温度を給水タンク11の水の温度Twとして測定してもよい。給水タンク11の外面の温度を測定する場合、例えば、温度センサ3は、熱電対、サーミスタのような接触式温度センサであって、図3(b)に示すように、給水タンク11と接触して給水タンク11の外面の温度を測定する。または、温度センサ3は、サーモパイルのような非接触式の温度センサであって、給水タンク11と離隔して給水タンク11の外面の温度を測定してもよい。給水タンク11の外面の温度を測定する場合、温度センサ3は、給水タンク11の内面が中の水に接する部分の外面の温度を測定する。
続いて、図4を用いて、制御装置10の機能構成について説明する。制御装置10は、給水タンク11の水の温度の変化量を算出する変化量演算部101と、給水タンク11の貯水量を算出する貯水量演算部102と、給水タンク11の貯水量を算出する基準となる基準データ31を記憶する記憶部103と、製氷可能回数を算出する製氷可能回数演算部104と、製氷可能回数を通知する通知部105と、製氷部1に製氷を指示する製氷指示部106とを備える。
変化量演算部101は、タンク検知センサ2から検知情報を受け取ると、温度センサ3に給水タンク11の水の温度Twの測定を指示する。温度センサ3は、変化量演算部101からの指示に従って、給水タンク11の水の温度Twを測定する。この時の測定時刻を時刻t0とする。温度センサ3は、時刻t0の水温情報を変化量演算部101に送る。変化量演算部101は、タイマを有し、温度センサ3に給水タンク11の水の温度Twの測定を指示してから、予め決められた単位時間Δtaが経過したか否かを判定する。単位時間Δtaが経過したとき、変化量演算部101は、温度センサ3に給水タンク11の水の温度Twの測定を再度指示する。温度センサ3は、変化量演算部101からの指示に従って、時刻t1に給水タンク11の水の温度Twを測定する。この時の測定時刻を時刻t1とする。温度センサ3は、時刻t1の水温情報を変化量演算部101に送る。変化量演算部101は、温度センサ3から受け取った時刻t1の水温情報が示す給水タンク11の水の温度Twから時刻t0の水温情報が示す給水タンク11の水の温度Twを減算して、単位時間Δtaあたりの給水タンク11の水の温度Twの変化量ΔTwを算出する。
貯水量演算部102は、記憶部103が記憶する基準データ31を参照し、変化量演算部101が算出した単位時間Δtaあたりの給水タンク11の水の温度Twの変化量ΔTwから、給水タンク11の貯水量Vwを算出する。基準データ31の詳細は後述する。
ここで、一般的な、ある環境温度下に置かれた水の容量と経過時間による水温の変化量との関係について説明する。容量V[m3]の水が環境温度Ta[℃]の空気中に設置された場合の、経過時間tによって変化する水温の変化量(T(t)−Ta)は、水の温度分布が一様であると仮定すると以下の式で表される。
T(t)−Ta=exp(−H*S/(c*ρ*V)*t)*(Ti−Ta)
Ti[℃]は水の初期温度、Hは水と空気との間の熱伝達率[W/(m2*K)]、ρは水の密度[kg/m3]、cは水の比熱[J/(kg*K)]、Sは水の表面積[m2]である。同式より、水の容量Vが大きければ、経過時間tによって変化する水温の変化量(T(t)−Ta)が小さくなることが分かる。
続いて、冷蔵庫100の給水タンク11の貯水量Vwと単位時間Δtaあたりの給水タンク11の水の温度Twの変化量ΔTwとの関係について図5を用いて説明する。図5に示すグラフG1は、給水タンク11の貯水量Vwが多い場合の給水タンク11の水の温度Twの時間変化を示すグラフの例である。図5に示すグラフG2は、給水タンク11の貯水量Vwが少ない場合の給水タンク11の水の温度Twの時間変化を示すグラフの例である。
図5に示す様に、給水タンク11の水は、庫内に設置された時刻t0から、庫内の冷気により冷却され徐々に温度Twが低下していく。このとき、給水タンクの貯水量Vwが多い条件のグラフG1の場合、水の熱容量が大きいため温度低下量は小さくなる。反対に給水タンクの貯水量Vwが少ない条件のグラフG2の場合、水の熱容量が小さいため温度低下量は大きくなる。グラフG1の時刻t0から単位時間Δtaが経過した時刻t1までの温度Twの変化量をΔTw_1とし、グラフG2の時刻t0から単位時間Δtaが経過した時刻t1までの温度Twの変化量をΔTw_2とすると、 ΔTw_1<ΔTw_2の関係となる。このことから、単位時間Δtaあたりの給水タンク11の水の温度Twの変化量ΔTwは、給水タンク11の貯水量Vwと相関関係があると言える。貯水量演算部102は、このような給水タンク11の貯水量Vwと単位時間Δtaあたりの給水タンク11の水の温度Twの変化量ΔTwとの相関関係を利用して、給水タンク11の貯水量Vwを算出する。
図4に戻り、記憶部103が記憶する基準データ31は、給水タンク11の貯水量Vwと単位時間Δtaあたりの給水タンク11の水の温度Twの変化量ΔTwとの相関関係を示すデータである。例えば、基準データ31は、予め冷蔵庫100と同じ冷蔵庫で行った実験の給水タンク11の貯水量Vwと単位時間Δtaあたりの給水タンク11の水の温度Twの変化量ΔTwとの実測値を記録したデータである。または、実験の給水タンク11の貯水量Vwと単位時間Δtaあたりの給水タンク11の水の温度Twの変化量ΔTwとの実測値から、給水タンク11の貯水量Vwを算出する計算式が導き出せる場合には、基準データ31はその計算式でもよい。例えば、計算式は、実測値を単回帰分析して導き出す。なお、基準データ31の元になる実測値は、冷蔵庫100と同じ条件で測定されたものとする。
製氷可能回数演算部104は、貯水量演算部102が算出した給水タンク11の貯水量Vwから、製氷可能回数を算出する。
通知部105は、製氷可能回数演算部104が算出した製氷可能回数を示す製氷可能回数情報を出力して、製氷可能回数をユーザに通知する。製氷可能回数情報の出力は、例えば、冷蔵庫100がモニタを備える場合には、モニタに表示してもよいし、冷蔵庫100がスピーカを備える場合には、スピーカから音声出力してもよい。または、ユーザが使用する端末に製氷可能回数情報を送信してもよい。
製氷指示部106は、製氷可能回数演算部104が算出した製氷可能回数が1回以上であって、製氷動作を開始可能にする第1製氷開始条件が満たされている場合、製氷部1に製氷を指示する。第1製氷開始条件とは、例えば、製氷動作中でないこと、製氷室132に1回分の製氷量以上の空きがあることなどの条件である。製氷指示部106から製氷を指示されると、製氷部1は製氷動作を開始する。
製氷可能回数演算部104は、製氷指示部106が製氷部1に製氷を指示する度に、前回算出した製氷可能回数から1を減算する。製氷指示部106は、製氷可能回数が1回以上である間は、第1製氷開始条件が満たされると、製氷部1に製氷を指示する。
通知部105は、製氷可能回数演算部104が製氷可能回数を算出する度に製氷可能回数情報を出力する。あるいは、通知部105は、製氷可能回数演算部104が算出した製氷可能回数が決められた回数以下の場合にのみ製氷可能回数情報を出力してもよい。決められた回数は、例えば0回である。通知部105が出力する情報は、製氷可能回数情報に限らない。通知部105は、製氷可能回数演算部104が算出した製氷可能回数が決められた回数以下の場合に水切れを通知する警告情報を出力してもよい。
続いて、制御装置10が実行する、製氷可能回数を通知する製氷可能回数通知処理のフローについて、図6を用いて説明する。図6に示す製氷可能回数通知処理は、冷蔵庫100の電源が投入されたことで開始する。タンク検知センサ2は、給水タンク11の装着を検知すると、給水タンク11が装着されたことを示す検知情報を制御装置10に送る。制御装置10の変化量演算部101は、タンク検知センサ2から、検知情報を受け取っていない場合(ステップS11;NO)、ステップS11を繰り返して、検知情報が送られるのを待機する。タンク検知センサ2から、検知情報を受け取った場合(ステップS11;YES)、変化量演算部101は、温度センサ3に給水タンク11の水の温度Twの測定を指示する。
温度センサ3は、変化量演算部101からの指示に従って、給水タンク11の水の温度Twを測定する。この時の測定時刻を時刻t0とする。温度センサ3は、時刻t0の水温情報を制御装置10に送る。制御装置10の変化量演算部101は、温度センサ3から時刻t0の水温情報を受け取る(ステップS12)。
変化量演算部101は、温度センサ3に給水タンク11の水の温度Twの測定を指示してから、予め決められた単位時間Δtaが経過したか否かを判定する(ステップS13)。単位時間Δtaが経過していない場合(ステップS13;NO)、変化量演算部101は、ステップS13を繰り返し、単位時間Δtaの経過を待機する。単位時間Δtaが経過すると(ステップS13;YES)、変化量演算部101は、温度センサ3に給水タンク11の水の温度Twの測定を再度指示する。温度センサ3は、変化量演算部101からの指示に従って、給水タンク11の水の温度Twを測定する。この時の測定時刻を時刻t1とする。温度センサ3は、時刻t1の給水タンク11の水の温度Twを示す水温情報を制御装置10に送る。制御装置10の変化量演算部101は、温度センサ3から時刻t1の給水タンク11の水の温度Twを示す水温情報を受け取る(ステップS14)。
変化量演算部101は、温度センサ3から受け取った時刻t1の水温情報が示す給水タンク11の水の温度Twから時刻t0の水温情報が示す給水タンク11の水の温度Twを減算して、単位時間Δtaあたりの給水タンク11の水の温度Twの変化量ΔTwを算出する(ステップS15)。貯水量演算部102は、記憶部103が記憶する基準データ31を参照し、変化量演算部101が算出した単位時間Δtaあたりの給水タンク11の水の温度Twの変化量ΔTwから、給水タンク11の貯水量Vwを算出する(ステップS16)。例えば、基準データ31が予め冷蔵庫100と同じ冷蔵庫で行った実験の給水タンク11の貯水量Vwと単位時間Δtaあたりの給水タンク11の水の温度Twの変化量ΔTwとの実測値を記録したデータである場合、貯水量演算部102は、基準データ31を参照し、ステップS15で算出した変化量ΔTwに対応する給水タンク11の貯水量Vwを算出する。
製氷可能回数演算部104は、貯水量演算部102が算出した給水タンク11の貯水量Vwを製氷器12に注入される1回あたりの給水量で除算して、小数点以下を切り捨てて製氷可能回数nを算出する。(ステップS17)。通知部105は、製氷可能回数演算部104が算出した製氷可能回数nを示す製氷可能回数情報を出力し(ステップS18)、製氷可能回数nをユーザに通知する。
製氷可能回数nが1以上である場合(ステップS19;YES)、製氷指示部106は、第1製氷開始条件が満たされているか否かを判定する(ステップS20)。第1製氷開始条件は、例えば、製氷動作中でないこと、および、製氷室132に1回分の製氷量以上の空きがあることである。第1製氷開始条件を満たされていない場合(ステップS20;NO)、製氷指示部106は、ステップS20を繰り返し、第1製氷開始条件が満たされるのを待機する。第1製氷開始条件が満たされている場合(ステップS20;YES)、製氷指示部106は、製氷部1に製氷を指示する(ステップS21)。製氷部1は、製氷指示部106からの指示に従って、製氷動作を開始する。処理はステップS17に戻り、制御装置10の製氷可能回数演算部104は、前回算出した製氷可能回数から1を減算して製氷可能回数nを算出する(ステップS17)。制御装置10は、製氷可能回数nが1以上である間はステップS17〜ステップS21を繰り返す。
製氷可能回数nが0である場合(ステップS19;NO)、冷蔵庫100の電源がOFFになっていなければ(ステップS22;NO)、ステップS11に戻り、ステップS11〜ステップS22を繰り返す。電源がOFFになった場合(ステップS22;YES)、処理を終了する。
なお、ステップS19で製氷可能回数nが決められた回数以下であると判定した場合に、通知部105が水切れを通知する警告情報を出力してもよい。
以上説明したとおり、実施の形態1に係る冷蔵庫100によれば、温度センサ3を用いて、製氷用の給水タンク11の貯水量Vwを算出し、製氷可能回数nを示す製氷可能回数情報を出力することで、貯水量Vwを算出するために重量センサまたは水位検知センサのような新たな種類のセンサを必要としないので、製造コストの増加を抑え、かつ、給水タンク11の水がなくなる前に、水切れが近いことをユーザに知らせることができる。
(実施の形態2)
実施の形態2では、温度センサ3は、製氷器12に注入された給水タンク11の水の温度Twを測定する。制御装置10は、給水タンク11が装着されてから1回目に製氷器12に注入された給水タンク11の水の温度Twと、2回目に製氷器12に注入された給水タンク11の水の温度Twとの変化量ΔTwに基づいて給水タンク11の貯水量Vwを算出し、貯水量Vwから製氷可能回数を算出する。さらに、実施の形態2では、製氷器12に注入された給水タンク11の水の温度Twから、製氷器12への水の注入が完了してから製氷が完了するまでの時間を予測する。これにより、ユーザに対して製氷可能回数に加え、製氷が完了するまでの時間を通知することができ、利便性が向上する。実施の形態2に係る冷蔵庫100は、実施の形態1に係る冷蔵庫100と、温度センサ3の位置と、制御装置10の機能構成以外は同様の構成である。
実施の形態2に係る製氷部1を含む領域R1を拡大した断面図を図7に示す。図7(a)に示すように、製氷器12の近傍に温度センサ3が配置されている。温度センサ3は、制御装置10からの指示に従って、製氷器12に注入された給水タンク11の水の温度Twを測定する。温度センサ3は、製氷器12に注入された給水タンク11の水の温度Twを示す水温情報を制御装置10に送る。
図7(a)の例では、温度センサ3は、製氷器12に注入された水の中に感知部が挿入され、製氷器12に注入された給水タンク11の水の温度Twを直接測定するが、温度Twの測定方法はこれに限らない。給水タンク11の水が注入された製氷器12の外面の温度が、注入された給水タンク11の水の温度Twに従う場合は、給水タンク11の水が注入された製氷器12の外面の温度を給水タンク11の水の温度Twとして測定してもよい。製氷器12の外面の温度を測定する場合、例えば、図7(b)に示すように、温度センサ3は、熱電対、サーミスタのような接触式温度センサであって、製氷器12と接触して製氷器12の外面の温度を測定する。温度センサ3は、製氷器12の内面が中の水に接する部分の外面の温度を測定する。あるいは、温度センサ3は、サーモパイルのような非接触式の温度センサであって、製氷器12と離隔して製氷器12に注入された水の表面温度を測定してもよい。
続いて、図8を用いて、制御装置10の機能構成について説明する。実施の形態2の制御装置10は、実施の形態1の制御装置10の機能構成に加え、製氷器12への水の注入が完了してから製氷が完了するまでの時間を予測する製氷時間予測部107を備える。以下、製氷器12への水の注入が完了してから製氷が完了するまでの時間を製氷時間Δtiと呼ぶ。また、記憶部103は、製氷時間Δtiを予測する基準となる基準データ32を記憶する。
製氷指示部106は、タンク検知センサ2から検知情報を受け取ると、2回の製氷動作を開始可能にする第2製氷開始条件が満たされている場合、製氷部1に1回目の製氷を指示する。第2製氷開始条件は、例えば、製氷室132に2回分の製氷量以上の空きがあるという条件である。製氷指示部106は、製氷部1に1回目の製氷を指示した後、予め決められた単位時間Δtbが経過すると、製氷部1に2回目の製氷を指示する。ここでの単位時間Δtbは、1回の製氷動作の所要時間より長いものとする。
変化量演算部101は、製氷指示部106が製氷部1に1回目の製氷の指示をすると、温度センサ3に給水タンク11の水の温度Twの測定を指示する。温度センサ3は、変化量演算部101からの指示に従って、製氷器12に注入された給水タンク11の水の温度Twを測定する。この時の測定時刻を時刻t2とする。時刻t2は、温度センサ3が変化量演算部101からの指示を受けてから注水時間が経過後の時刻とする。注水時間とは、製氷部1が製氷の指示を受けてから給水タンク11の水を製氷器12に注入完了するまでの時間である。温度センサ3は、時刻t2の水温情報を制御装置10に送る。制御装置10の変化量演算部101および製氷時間予測部107は、温度センサ3から時刻t2の水温情報を受け取る。
変化量演算部101は、製氷指示部106が製氷部1に2回目の製氷の指示をすると、温度センサ3に給水タンク11の水の温度Twの測定を指示する。温度センサ3は、変化量演算部101からの指示に従って、製氷器12に注入された給水タンク11の水の温度Twを測定する。この時の測定時刻を時刻t3とする。時刻t3は、温度センサ3が変化量演算部101からの指示を受けてから注水時間が経過後の時刻とする。温度センサ3は、時刻t3の給水タンク11の水の温度Twを示す水温情報を制御装置10に送る。制御装置10の変化量演算部101および製氷時間予測部107は、温度センサ3から時刻t3の給水タンク11の水の温度Twを示す水温情報を受け取る。
変化量演算部101は、温度センサ3から受け取った時刻t3の水温情報が示す給水タンク11の水の温度Twから時刻t2の水温情報が示す給水タンク11の水の温度Twを減算して、単位時間Δtbあたりの給水タンク11の水の温度Twの変化量ΔTwを算出する。
貯水量演算部102および製氷可能回数演算部104は、実施の形態1と同様の処理を行う。3回目以降の製氷については、製氷指示部106は、製氷可能回数演算部104が算出した製氷可能回数が1回以上であって、第1製氷開始条件が満たされている場合、製氷部1に製氷を指示する。
製氷時間予測部107は、記憶部103が記憶する基準データ32を参照し、温度センサ3から受け取った水温情報が示す給水タンク11の水の温度Twから、製氷時間Δtiを予測する。
製氷器12に注入された水は製氷室132の冷気により冷却され、温度が低下していく。このとき、製氷器12に注入された水の温度が高ければ、製氷完了までに要する冷却量が大きく、製氷時間Δtiは長くなる。反対に、製氷器12に注入された水の温度が低ければ、製氷完了までに要する冷却量が小さく、製氷時間Δtiは短くなる。このことから、温度センサ2が測定した給水タンク11の水の温度Twは、製氷時間Δtiと相関関係があると言える。製氷時間予測部107は、このような給水タンク11の水の温度Twと製氷時間Δtiとの相関関係を利用して、製氷時間Δtiを予測する。
記憶部103が記憶する基準データ32は、給水タンク11の水の温度Twと製氷時間Δtiとの相関関係を示すデータである。例えば、基準データ32は、予め冷蔵庫100と同じ冷蔵庫で行った実験の給水タンク11の水の温度Twと製氷時間Δtiとの実測値を記録したデータである。または、実験の給水タンク11の水の温度Twと製氷時間Δtiとの実測値から、製氷時間Δtiを算出する計算式が導き出せる場合には、基準データ32はその計算式でもよい。例えば、計算式は、実測値を単回帰分析して導き出す。また、基準データ32は、冷蔵室131の温度に対応する製氷時間Δtiを含む。なお、基準データ32の元になる実測値は、冷蔵庫100と同じ条件で測定されたものとする。
3回目以降の製氷動作時には、給水タンク11の水の温度Twは冷蔵室131の温度とほぼ同じ温度になっているので、製氷時間予測部107は、製氷指示部106が製氷部1に3回目以降の製氷を指示すると、記憶部103が記憶する基準データ32を参照し、冷蔵室131の温度から、製氷が完了するまでの時間を予測する。
通知部105は、製氷時間予測部107が予測した製氷時間Δtiを示す製氷時間情報を出力して、製氷時間Δtiをユーザに通知する。製氷時間情報の出力は、例えば、冷蔵庫100がモニタを備える場合には、モニタに表示してもよいし、冷蔵庫100がスピーカを備える場合には、スピーカから音声出力してもよい。あるいは、ユーザが使用する端末に製氷時間情報を送信してもよい。制御装置10のその他の機能構成は、実施の形態1と同様である。
続いて、制御装置10が実行する、製氷可能回数を通知する製氷可能回数通知処理のフローについて、図9を用いて説明する。図9に示す製氷可能回数通知処理は、冷蔵庫100の電源が投入されたことで開始する。タンク検知センサ2は、給水タンク11の装着を検知すると、給水タンク11が装着されたことを示す検知情報を制御装置10に送る。
制御装置10の製氷指示部106は、タンク検知センサ2から検知情報を受け取っていない場合(ステップS31;NO)、ステップS31を繰り返して、検知情報が送られるのを待機する。タンク検知センサ2から、検知情報を受け取った場合(ステップS31;YES)、第2製氷開始条件が満たされているか否かを判定する(ステップS32)。第2製氷開始条件は、例えば、製氷室132に2回分の製氷量以上の空きがあるという条件である。第2製氷開始条件が満たされていない場合(ステップS32;NO)、製氷指示部106は、ステップS32を繰り返し、第2製氷開始条件が満たされるのを待機する。第2製氷開始条件が満たされている場合(ステップS32;YES)、製氷指示部106は、製氷部1に1回目の製氷を指示する(ステップS33)。
製氷部1は、製氷指示部106からの指示に従って、1回目の製氷動作を開始する。製氷指示部106が製氷部1に1回目の製氷を指示すると、変化量演算部101は、温度センサ3に給水タンク11の水の温度Twの測定を指示する。温度センサ3は、変化量演算部101からの指示に従って、製氷器12に注入された給水タンク11の水の温度Twを測定する。この時の測定時刻を時刻t2とする。時刻t2は、温度センサ3が変化量演算部101からの指示を受けてから注水時間が経過後の時刻とする。温度センサ3は、時刻t2の水温情報を制御装置10に送る。制御装置10の変化量演算部101は、温度センサ3から時刻t2の給水タンク11の水の温度Twを示す水温情報を受け取る(ステップS34)。
製氷指示部106は、製氷部1に1回目の製氷を指示してから単位時間Δtbが経過したか否かを判定する(ステップS35)。単位時間Δtbが経過していない場合(ステップS35;NO)、製氷指示部106は、ステップS35を繰り返し、単位時間Δtbの経過を待機する。単位時間Δtbが経過すると(ステップS35;YES)、製氷指示部106は、製氷部1に2回目の製氷を指示する(ステップS36)。製氷部1は、製氷指示部106からの指示に従って、2回目の製氷動作を開始する。製氷指示部106が、製氷部1に2回目の製氷を指示すると、変化量演算部101は、温度センサ3に給水タンク11の水の温度Twの測定を指示する。温度センサ3は、変化量演算部101からの指示に従って、製氷器12に注入された給水タンク11の水の温度Twを測定する。この時の測定時刻を時刻t3とする。時刻t3は、温度センサ3が変化量演算部101からの指示を受けてから注水時間が経過後の時刻とする。時刻t3の水温情報を変化量演算部101および製氷時間予測部107に送る。制御装置10の変化量演算部101は、温度センサ3から時刻t3の給水タンク11の水の温度Twを示す水温情報を受け取る(ステップS37)。
変化量演算部101は、温度センサ3から受け取った時刻t3の水温情報が示す給水タンク11の水の温度Twから時刻t2の水温情報が示す給水タンク11の水の温度Twを減算して、単位時間Δtbあたりの給水タンク11の水の温度Twの変化量ΔTwを算出する(ステップS38)。貯水量演算部102は、記憶部103が記憶する基準データ31を参照し、変化量演算部101が算出した単位時間Δtbあたりの給水タンク11の水の温度Twの変化量ΔTwから、給水タンク11の貯水量Vwを算出する(ステップS39)。例えば、基準データ31が予め冷蔵庫100と同じ冷蔵庫で行った実験の給水タンク11の貯水量Vwと単位時間Δtbあたりの給水タンク11の水の温度Twの変化量ΔTwとの実測値を記録したデータである場合、貯水量演算部102は、基準データ31を参照し、ステップS38で算出した変化量ΔTwに対応する給水タンク11の貯水量Vwを算出する。
ステップS40〜ステップS45については、図6のフローチャートのステップS17〜ステップS22と同様であるので説明を省略する。このように、実施の形態2では、給水タンク11が装着されてから1回目に製氷器12に注入された給水タンク11の水の温度Twと、2回目に製氷器12に注入された給水タンク11の水の温度Twとの変化量ΔTwに基づいて給水タンク11の貯水量Vwを算出する。
続いて、冷蔵庫100が実行する、製氷時間を通知する製氷時間通知処理のフローについて、図10を用いて説明する。図10に示す製氷時間通知処理は、冷蔵庫100の電源が投入されたことで開始する。
制御装置10の製氷時間予測部107は、温度センサ3から、時刻t2の水温情報を受け取ると(ステップS51)、記憶部103が記憶する基準データ32を参照し、時刻t2の水温情報が示す給水タンク11の水の温度Twから、製氷時間Δtiを予測する(ステップS52)。例えば、基準データ32が、予め冷蔵庫100と同じ冷蔵庫で行った実験の給水タンク11の水の温度Twと製氷時間Δtiとの実測値を記録したデータである場合、製氷時間予測部107は、基準データ32を参照して、時刻t2の水温情報が示す給水タンク11の水の温度Twに対応する製氷時間Δtiを算出する。通知部105は、製氷時間予測部107が予測した製氷時間Δtiを示す製氷時間情報を出力し(ステップS53)、製氷時間Δtiをユーザに通知する。
製氷時間予測部107は、温度センサ3から、時刻t3の水温情報を受け取ると(ステップS54)、記憶部103が記憶する基準データ32を参照し、時刻t3の水温情報が示す給水タンク11の水の温度Twから、製氷時間Δtiを予測する(ステップS55)。例えば、基準データ32が、予め冷蔵庫100と同じ冷蔵庫で行った実験の給水タンク11の水の温度Twと製氷時間Δtiとの実測値を記録したデータである場合、製氷時間予測部107は、基準データ32を参照して、時刻t3の水温情報が示す給水タンク11の水の温度Twに対応する製氷時間Δtiを算出する。通知部105は、製氷時間予測部107が予測した製氷時間Δtiを示す製氷時間情報を出力し(ステップS56)、製氷時間Δtiをユーザに通知する。
製氷可能回数演算部104が算出した製氷可能回数nが1以上である場合(ステップS57;YES)、製氷時間予測部107は、製氷指示部106が製氷部1に製氷を指示したか否かを判定する(ステップS58)。製氷指示部106が製氷部1に製氷を指示していない場合(ステップS58;NO)、製氷時間予測部107は、ステップS58を繰り返し、製氷指示部106が製氷部1に製氷を指示するのを待機する。製氷指示部106が製氷部1に製氷を指示した場合(ステップS58;YES)、製氷時間予測部107は、記憶部103が記憶する基準データ32を参照し、冷蔵室131の温度から、製氷が完了するまでの時間を予測する(ステップS59)。通知部105は、製氷時間予測部107が予測した製氷時間Δtiを示す製氷時間情報を出力し(ステップS60)、製氷時間Δtiをユーザに通知する。
冷蔵庫100は、製氷可能回数nが1以上である間はステップS57〜ステップS60を繰り返す。製氷可能回数nが0である場合(ステップS57;NO)、冷蔵庫100の電源がOFFになっていなければ(ステップS61;NO)、ステップS51に戻り、ステップS51〜ステップS61を繰り返す。電源がOFFになった場合(ステップS61;YES)、処理を終了する。
以上説明したとおり、実施の形態2に係る冷蔵庫100によれば、温度センサ3を用いて、製氷用の給水タンク11の貯水量Vwを算出し、製氷可能回数nを示す製氷可能回数情報を出力することで、貯水量Vwを算出するために重量センサまたは水位検知センサのような新たな種類のセンサを必要としないので、製造コストの増加を抑え、かつ、給水タンク11の水がなくなる前に、水切れが近いことをユーザに知らせることができる。また、製氷器12に注入された給水タンク11の水の温度から製氷が完了するまでの時間を予測することで、ユーザに対して製氷が完了するまでの時間を通知することができ、利便性が向上する。
(実施の形態3)
実施の形態1および2では、冷蔵庫100の冷蔵室131および製氷室132の設定温度を一定であると仮定したが、実施の形態3では、冷蔵室131および製氷室132の設定温度を変更可能とする。実施の形態3では、冷蔵室131および製氷室132の温度と、単位時間Δtbあたりの給水タンク11の水の温度Twの変化量ΔTwとに基づいて、給水タンク11の貯水量Vwを算出する。また、製氷室132の温度によって製氷時間Δtiは異なるので、製氷室132の温度と、製氷器12に注入された給水タンク11の水の温度とに基づいて、製氷時間Δtiを算出する。図11は、実施の形態3に係る冷蔵庫100の断面図である。
図11に示すように、冷蔵庫100は、図2に示す冷蔵庫100の構成に加え、冷蔵室131の温度を測定する冷蔵室温度センサ4および製氷室温度センサ5を備える。冷蔵室温度センサ4は、冷蔵室131に配置され、制御装置10からの指示に従って、冷蔵室131の温度Trを測定する。冷蔵室温度センサ4は、冷蔵室131の温度Trを示す冷蔵室温度情報を制御装置10に送る。製氷室温度センサ5は、製氷室132に配置され、制御装置10からの指示に従って、製氷室132の温度Tfを測定する。製氷室温度センサ5は、製氷室132の温度Tfを示す製氷室温度情報を制御装置10に送る。冷蔵庫100のその他の構成は実施の形態2と同様である。
続いて、図12を用いて、制御装置10の機能構成について説明する。実施の形態3の制御装置10の貯水量演算部102は、冷蔵室温度センサ4および製氷室温度センサ5からそれぞれ冷蔵室温度情報および製氷室温度情報を受け取り、製氷時間予測部107は、製氷室温度センサ5から製氷室温度情報を受け取る。
貯水量演算部102は、記憶部103が記憶する基準データ31を参照し、変化量演算部101が算出した単位時間Δtbあたりの給水タンク11の水の温度Twの変化量ΔTwと、冷蔵室温度センサ4から受け取った冷蔵室温度情報が示す冷蔵室131の温度Trと、製氷室温度センサ5から受け取った製氷室温度情報が示す製氷室132の温度Tfとに基づいて、給水タンク11の貯水量Vwを算出する。
基準データ31は、冷蔵室131の温度Trと、製氷室132の温度Tfと、給水タンク11の貯水量Vwと、給水タンク11の水の温度Twの変化量ΔTwと、の相関関係を示すデータである。例えば、基準データ31は、予め冷蔵庫100と同じ冷蔵庫で行った実験の冷蔵室131の温度Trと、製氷室132の温度Tfと、給水タンク11の貯水量Vwと、単位時間Δtbあたりの給水タンク11の水の温度Twの変化量ΔTwとの実測値を記録したデータである。または、実験の冷蔵室131の温度Trと、製氷室132の温度Tfと、給水タンク11の貯水量Vwと、単位時間Δtbあたりの給水タンク11の水の温度Twの変化量ΔTwとの実測値から、給水タンク11の貯水量Vwを算出する計算式が導き出せる場合には、基準データ31はその計算式でもよい。例えば、計算式は、実測値を重回帰分析して導き出す。
あるいは、基準データ31は、実施の形態2の基準データ31に冷蔵室131の温度Trおよび製氷室132の温度Tfそれぞれの温度ごとの補正値を示す補正データを追加したデータでもよい。補正値は、実験の冷蔵室131の温度Trと、製氷室132の温度Tfと、給水タンク11の貯水量Vwと、単位時間Δtbあたりの給水タンク11の水の温度Twの変化量ΔTwとの実測値から算出する。冷蔵室131の温度Trおよび製氷室132の温度Tfがそれぞれ、実施の形態2で仮定していた冷蔵室131の温度および製氷室132の温度と同じ場合には、補正値は「0」である。
製氷時間予測部107は、記憶部103が記憶する基準データ32を参照し、温度センサ3から受け取った水温情報が示す給水タンク11の水の温度Twと、製氷室温度センサ5から受け取った製氷室温度情報が示す製氷室132の温度Tfとに基づいて、製氷が完了するまでの時間を予測する。制御装置10のその他の機能構成は、実施の形態2と同様である。
基準データ32は、製氷室132の温度Tfと、給水タンク11の水の温度Twと、製氷時間Δtiとの相関関係を示すデータである。例えば、基準データ32は、予め冷蔵庫100と同じ冷蔵庫で行った実験の製氷室132の温度Tfと、給水タンク11の水の温度Twと、製氷時間Δtiとの実測値を記録したデータである。実験の製氷室132の温度Tfと、給水タンク11の水の温度Twと、製氷時間Δtiとの実測値から、製氷時間Δtiを算出する計算式が導き出せる場合には、基準データ32はその計算式でもよい。例えば、計算式は、実測値を重回帰分析して導き出す。
あるいは、基準データ32は、実施の形態2の基準データ32に、製氷室132の温度Tfごと補正値を示す補正データを追加したデータでもよい。補正値は、実験の製氷室132の温度Tfと、給水タンク11の水の温度Twと、製氷時間Δtiとの実測値から算出する。製氷室132の温度Tfが、実施の形態2で仮定していた製氷室132の温度と同じ場合には、補正値は「0」である。
以上説明したとおり、実施の形態3に係る冷蔵庫100によれば、温度センサ3を用いて、製氷用の給水タンク11の貯水量Vwを算出し、製氷可能回数nを示す製氷可能回数情報を出力することで、貯水量Vwを算出するために重量センサまたは水位検知センサのような新たな種類のセンサを必要としないので、製造コストの増加を抑え、かつ、給水タンク11の水がなくなる前に、水切れが近いことをユーザに知らせることができる。また、冷蔵室131および製氷室132の温度と単位時間Δtbあたりの給水タンク11の水の温度Twの変化量ΔTwとに基づいて、給水タンク11の貯水量Vwを算出することで、給水タンク11の貯水量Vwの見積もり精度が向上する。また、製氷室132の温度と、製氷器12に注入された給水タンク11の水の温度とに基づいて、製氷時間Δtiを算出することで、製氷時間Δtiの見積もり精度が向上する。
上述した実施の形態では、通知部105は、製氷可能回数演算部104が算出した製氷可能回数nを示す製氷可能回数情報、または、製氷可能回数演算部104が算出した製氷可能回数nが決められた回数以下の場合に水切れを通知する警告情報を出力する。これに限らず、通知部105は、貯水量演算部102が算出した給水タンク11の貯水量Vwを通知する貯水量情報を出力してもよい。または、通知部105は、貯水量演算部102が算出した給水タンク11の貯水量Vwが閾値以下になった時に水切れを通知する警告情報を出力してもよい。これらの場合、制御装置10は、製氷可能回数演算部104を備えなくてもよい。製氷可能回数情報、警告情報および貯水量情報は、それぞれ貯水量に関する情報の例である。
上述した実施の形態2では、温度センサ3は、製氷器12に注入された給水タンク11の水の温度Twを測定する。これに限らず、実施の形態1と同様に、温度センサ3は、給水タンク11の水の温度Twを直接測定してもよいし、給水タンク11の外面の温度を給水タンク11の水の温度Twとして測定してもよい。この場合、製氷可能回数通知処理のフローは、図6に示すフローチャートと同様になる。この場合の製氷時間通知処理のフローを図13に示す。図13に示す製氷時間通知処理は、冷蔵庫100の電源が投入されたことで開始する。
制御装置10の製氷時間予測部107は、製氷指示部106が製氷部1に製氷を指示したか否かを判定する(ステップS71)。製氷指示部106が製氷部1に製氷を指示していない場合(ステップS71;NO)、ステップS71を繰り返して、製氷が指示されるのを待機する。製氷指示部106が製氷部1に製氷を指示した場合(ステップS71;YES)、製氷時間予測部107は、温度センサ3に給水タンク11の水の温度Twの測定を指示する。温度センサ3は、製氷時間予測部107からの指示に従って、給水タンク11の水の温度Twを測定する。温度センサ3は、給水タンク11の水の温度Twを示す水温情報を制御装置10に送る。製氷時間予測部107は、温度センサ3から水温情報を受け取る(ステップS72)。
製氷時間予測部107は、記憶部103が記憶する基準データ32を参照し、温度センサ3から受け取った水温情報が示す給水タンク11の水の温度Twから、製氷時間Δtiを予測する(ステップS73)。通知部105は、製氷時間予測部107が予測した製氷時間Δtiを示す製氷時間情報を出力する(ステップS74)。冷蔵庫100の電源がOFFになっていなければ(ステップS75;NO)、ステップS71に戻り、ステップS71〜ステップS75を繰り返す。電源がOFFになった場合(ステップS75;YES)、処理を終了する。
上述した実施の形態2では、製氷時間予測部107は、3回目以降の製氷については、冷蔵室131の温度から、製氷が完了するまでの時間を予測する。これに限らず、製氷時間予測部107は、3回目以降の製氷についても、温度センサ3から受け取った水温情報が示す給水タンク11の水の温度Twから、製氷が完了するまでの時間を予測してもよい。この場合、変化量演算部101は、3回目以降の製氷についても、製氷指示部106が製氷部1に製氷を指示すると、温度センサ3に給水タンク11の水の温度Twの測定を指示する。
上述した実施の形態3では、貯水量演算部102は、基準データ31を参照し、冷蔵室131の温度および製氷室132の温度と、単位時間Δtあたりの給水タンク11の水の温度Twの変化量ΔTwとに基づいて、給水タンク11の貯水量Vwを算出する。これに限らず、貯水量演算部102は、冷蔵室131の温度および製氷室132の温度のいずれかと、単位時間Δtあたりの給水タンク11の水の温度Twの変化量ΔTwとに基づいて、給水タンク11の貯水量Vwを算出してもよい。この場合、基準データ31は、冷蔵室131の温度Trおよび製氷室132の温度Tfのいずれかと、給水タンク11の貯水量Vwと、給水タンク11の水の温度Twの変化量ΔTwと、の相関関係を示すデータである。
上述した実施の形態3では、実施の形態2の冷蔵庫100の構成に冷蔵室温度センサ4および製氷室温度センサ5を加え、冷蔵室131の温度および製氷室132の温度に基づいて、給水タンク11の貯水量Vwを補正し、製氷室132の温度に基づいて、製氷時間Δtiを補正する。これに限らず、実施の形態1の冷蔵庫100の構成に冷蔵室温度センサ4および製氷室温度センサ5を加え、冷蔵室131の温度および製氷室132の温度に基づいて、給水タンク11の貯水量Vwを補正してもよい。
上述した実施の形態3の冷蔵庫100は、冷蔵室温度センサ4が冷蔵室131の温度を測定し、製氷室温度センサ5が製氷室132の温度を測定するが、これに限らない。変化量演算部101は、冷蔵室131および製氷室132の設定温度を示す情報を取得する構成にしてもよい。この場合、冷蔵庫100は、冷蔵室温度センサ4および製氷室温度センサ5を備えなくてもよい。例えば、冷蔵室131および製氷室132の温度設定がそれぞれ、「強・中・弱」であったとする。この場合、例えば、基準データ31は、冷蔵室131および製氷室132の温度設定の組み合わせごとの、予め冷蔵庫100と同じ冷蔵庫で行った実験の給水タンク11の貯水量Vwと、単位時間Δtあたりの給水タンク11の水の温度Twの変化量ΔTwとの実測値を記録したデータである。または、基準データ31は、冷蔵室131および製氷室132の温度設定の組み合わせごとの、予め冷蔵庫100と同じ冷蔵庫で行った実験の給水タンク11の貯水量Vwと単位時間Δtあたりの給水タンク11の水の温度Twの変化量ΔTwとの実測値から導き出した計算式である。貯水量演算部102は、基準データ31を参照し、取得した冷蔵室131および製氷室132の設定温度を示す情報と単位時間Δtあたりの給水タンク11の水の温度Twの変化量ΔTwと、に基づいて、給水タンク11の貯水量Vwを算出する。
上述した実施の形態では、温度センサ3、冷蔵室温度センサ4および製氷室温度センサ5は、制御装置10からの指示にしたがって、温度を測定する。これに限らず、温度センサ3、冷蔵室温度センサ4および製氷室温度センサ5は、連続的に温度を測定してもよいし、一定の間隔で定期的に温度を測定してもよい。この構成を実施の形態1に適用する場合、変化量演算部101は、タンク検知センサ2から検知情報を受け取った時に温度センサ3から受け取った水温情報を時刻t0の水温情報とし、単位時間Δtが経過後に温度センサ3から受け取った水温情報を時刻t1の水温情報とする。この構成を実施の形態2および実施の形態3に適用する場合、変化量演算部101は、製氷指示部106が製氷部1に1回目の製氷を指示してから注水時間が経過後に温度センサ3から受け取った水温情報を時刻t2の水温情報とし、製氷指示部106が製氷部1に2回目の製氷を指示してから注水時間が経過後に温度センサ3から受け取った水温情報を時刻t3の水温情報とする。
本発明は、本発明の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施の形態および変形が可能とされるものである。また、上述した実施の形態は、本発明を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。本発明の範囲は、実施の形態ではなく、請求の範囲によって示される。そして、請求の範囲内およびそれと同等の発明の意義の範囲内で施される様々な変形が、本発明の範囲内とみなされる。