JPWO2020100247A1 - 車両用変圧器 - Google Patents

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Abstract

車両用変圧器は、変圧器本体(110)と、冷却器(120)と、コンサベータ(140)とを備える。変圧器本体(110)は、鉄心、鉄心に巻き回された巻線、および、鉄心と巻線とを冷媒に浸漬した状態で収納するタンク(111)を有する。冷却器(120)は、タンク(111)内に連通し、外気との熱交換によって上記冷媒を冷却する。コンサベータ(140)は、タンク(111)の天井(111c)に設けられ、内部に上記冷媒が充填された金属製のベローズ(141)を有する。変圧器本体(110)および冷却器(120)は、車両の屋根上において車両の進行方向に沿って並んで配置されている。ベローズ(141)は、上記冷媒の体積変化に応じてタンク(111)の天井(111c)の上方の位置にて伸縮する。ベローズ(140)の外表面は、露出して外気と接している。

Description

本発明は、車両用変圧器に関する。
車両用変圧器の構成を開示した先行文献として、特開2018−37518号公報(特許文献1)がある。特許文献1に記載された車両用変圧器は、タンク、冷却器、ブッシング、コンサベータおよび油ポンプを備えている。タンクは、鉄心および巻線を絶縁油とともに収納している。コンサベータは、筐体、および、筐体内に配置された金属製のベローズを有している。金属製のベローズは、一端側が封鎖され、他端側が通気孔を有する状態で筐体に油密溶接されている。
特開2018−37518号公報
特許文献1に記載された車両用変圧器においては、絶縁油の冷却を冷却器のみで行なっているため、絶縁油を効率よく冷却できるようにする余地がある。
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであって、絶縁油を効率よく冷却しつつ冷却器を小型化できる車両用変圧器を提供することを目的とする。
本発明に基づく車両用変圧器は、変圧器本体と、冷却器と、コンサベータとを備える。変圧器本体は、鉄心、鉄心に巻き回された巻線、および、鉄心と巻線とを冷媒に浸漬した状態で収納するタンクを有する。冷却器は、タンク内に連通し、外気との熱交換によって上記冷媒を冷却する。コンサベータは、タンクの天井に設けられ、内部に上記冷媒が充填された金属製のベローズを有する。変圧器本体および冷却器は、車両の屋根上において車両の進行方向に沿って並んで配置されている。ベローズは、上記冷媒の体積変化に応じてタンクの天井の上方の位置にて伸縮する。ベローズの外表面は、露出して外気と接している。
本発明によれば、金属製のベローズの外表面が露出して外気と接しているため、走行風とベローズとの接触を確保し、走行風を利用して絶縁油を効率よく冷却しつつ冷却器を小型化できる。
本発明の実施の形態1に係る車両用変圧器を搭載した車両の外観を示す側面図である。 本発明の実施の形態1に係る車両用変圧器においてコンサベータのベローズが収縮した状態を示す側面図である。 図2の車両用変圧器を矢印III方向から見た平面図である。 本発明の実施の形態1に係る車両用変圧器においてコンサベータのベローズが伸長した状態を示す側面図である。 図4の車両用変圧器のV部を拡大して示す側面図である。 本発明の実施の形態2に係る車両用変圧器においてコンサベータのベローズが収縮した状態を示す側面図である。 図6の車両用変圧器を矢印VII方向から見た平面図である。 本発明の実施の形態2に係る車両用変圧器においてコンサベータのベローズが伸長した状態を示す側面図である。
以下、本発明の各実施の形態に係る車両用変圧器について図面を参照して説明する。以下の実施の形態の説明においては、図中の同一または相当部分には同一符号を付して、その説明は繰り返さない。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る車両用変圧器を搭載した車両の外観を示す側面図である。図2は、本発明の実施の形態1に係る車両用変圧器においてコンサベータのベローズが収縮した状態を示す側面図である。図3は、図2の車両用変圧器を矢印III方向から見た平面図である。図4は、本発明の実施の形態1に係る車両用変圧器においてコンサベータのベローズが伸長した状態を示す側面図である。図5は、図4の車両用変圧器のV部を拡大して示す側面図である。
図1〜図5に示すように、本発明の実施の形態1に係る車両用変圧器100は、変圧器本体110と、冷却器120と、コンサベータ140とを備える。変圧器本体110は、鉄心、鉄心に巻き回された巻線、および、鉄心と巻線とを冷媒に浸漬した状態で収納するタンク111を有する。冷却器120は、タンク111内に連通し、外気との熱交換によって上記冷媒を冷却する。コンサベータ140は、タンク111の天井111cに設けられ、内部に上記冷媒が充填された金属製のベローズ141を有する。変圧器本体110および冷却器120は、車両10の屋根上において車両10の進行方向1に沿って並んで配置されている。ベローズ141は、上記冷媒の体積変化に応じてタンク111の天井111cの上方の位置にて伸縮する。ベローズ141の外表面は、露出して外気と接している。
以下、本発明の実施の形態1に係る車両用変圧器100の各構成について詳細に説明する。図1に示すように、車両10の進行方向1は、車両10が走行するレール20に沿った方向である。図3に示すように、車両10の進行方向1に直交する方向を、直交方向2とする。
変圧器本体110のタンク111は、略直方体状の外形を有している。具体的には、図3に示すように、直交方向2におけるタンク111の中央部は、車両10の進行方向1の幅、直交方向2の長さ、および、上下方向の高さの各々の寸法において、直交方向2におけるタンク111の両端部の各々より大きい。
タンク111の天井111cは、直交方向2におけるタンク111の中央部の天井であり、略水平に位置している。タンク111の天井111cに、コンサベータ140が設けられている。具体的には、タンク111の天井111cに開口が設けられている。タンク111の天井111cの開口の縁に、コンサベータ140のベローズ141が取り付けられている。
図3に示すように、直交方向2におけるタンク111の一方の端部は、第1配管131によって冷却器120と接続されている。直交方向2におけるタンク111の他方の端部は、第2配管132によって冷却器120と接続されている。タンク111と冷却器120との間を、第1配管131および第2配管132を通じて、冷媒が強制循環させられる。
冷却器120の内部を外気が通流可能である。冷却器120は、走行風が内部を通流するように構成されている。冷却器120の内部において、外気と強制循環させられている冷媒とが熱交換することにより、冷媒が冷却される。本実施の形態においては、冷媒は絶縁油である。
冷却器120は、略直方体状の外形を有している。冷却器120は、車両10の進行方向1において、タンク111の中央部と対向するように配置されている。図3に示すように、直交方向2において、冷却器120の長さL3は、タンク111の中央部の長さと同等である。図2に示すように、上下方向において、冷却器120は、タンク111の中央部より高い。本実施の形態に係る車両用変圧器100は、冷却器120を1つのみ備えているが、車両用変圧器100が備える冷却器120の数は、1つに限られず、複数であってもよい。
図1〜図4に示すように、コンサベータ140は、ベローズ141と天板142とを含む。ベローズ141は、重ね合わせるように配置された環状の複数の金属板が上下方向に互いに隣接する金属板同士の内周側と外周側とを交互に溶接して繋ぎ合わせられることにより、図4に示す伸縮方向3に伸縮可能に構成されている。
ベローズ141は、ベローズ141の伸縮方向3から見て、互いに車両10の進行方向1に間隔をあけて直交方向2に延在する1対の辺を含む四角形状の外形を有している。具体的には、図3に示すように、上記1対の辺は、車両の進行方向1において、冷却器120側に位置する第1辺141a、および、冷却器120側とは反対側に位置する第2辺141bとからなる。ベローズ141の外形の上記四角形状は、直交方向2に間隔をあけて車両の進行方向1に延在する、第3辺141cおよび第4辺141dをさらに含む。
本実施の形態においては、ベローズ141の外形の上記四角形状は、矩形状である。図3に示すように、第1辺141aの長さをL1、第2辺141bの長さをL2とすると、L1=L2<L3である。すなわち、直交方向2において、第1辺141aおよび第2辺141bの各々の長さは、冷却器120の外形の長さより短い。
なお、ベローズ141の伸縮方向3から見たベローズ141の外形は、互いに車両10の進行方向1に間隔をあけて直交方向2に延在する1対の辺を含む四角形状に限られず、車両10の進行方向1に対して全ての辺が交差する四角形状であってもよいし、多角形状、三角形状、または、円形状などでもあってもよい。
ベローズ141の上端に天板142が溶接により接合されることにより、ベローズ141の内側に密閉空間が形成される。天板142は、ベローズ141の伸縮方向3から見て、ベローズ141の外形と略同一の四角形状の外形を有しており、上方に膨出した十字形の膨出部が設けられている。
ベローズ141の下端は、タンク111の天井111cの開口の縁に、溶接により接合されている。本実施の形態に係る車両用変圧器100においては、図4に示すように、ベローズ141は、車両10の進行方向1の冷却器120側に位置する部分が冷却器120側とは反対側に位置する部分より一段低くなっている。
具体的には、ベローズ141の下端に位置する上記環状の金属板は、車両10の進行方向1の冷却器120側に行くにしたがって薄くなって、冷却器120側の端部において厚さが略0となっている。その結果、ベローズ141の伸縮方向3は、タンク111の天井111cに対して冷却器120側に傾斜している。よって、ベローズ141の第1辺141aは、ベローズ141の伸縮時に関わらず常に第2辺141bより下方に位置している。なお、ベローズ141の伸縮方向3は、上下方向と平行であってもよい。
図4および図5に示すように、ベローズ141における直交方向2に延在する部分を構成し、ベローズ141の収縮時に互いに折り重なる複数の面141fの各々は、直交方向2から見て、波形状である。具体的には、ベローズ141を構成する上記環状の複数の金属板の各々が、直交方向2から見て、ジグザグに曲折している。なお、複数の面141fの各々が、平坦面であってもよい。
以下、本発明の実施形態1に係る車両用変圧器100の動作について説明する。
タンク110内の冷媒の温度が上昇して冷媒が膨張した際には、コンサベータ140のベローズ141内に冷媒が流入し、図4に示すようにベローズ141が伸長する。ベローズ141がタンク111の天井111cから突出していることにより、ベローズ141の外表面と走行風とを接触させることができる。
車両10が走行した際に生ずる走行風とベローズ141との接触を確保することにより、ベローズ141の内部に流入した冷媒を、走行風との熱交換によって冷却することができる。その結果、本実施の形態に係る車両用変圧器100は、走行風を効率良く利用して冷媒を冷却することができる。
特に、高温の冷媒がベローズ141に流入してベローズ141が伸長した状態においては、ベローズ141の外表面と走行風とが接触する表面積が、ベローズ141が収縮した状態に比較して大きくなるため、より効果的に高温の冷媒を冷却することができる。
タンク110内の冷媒の温度が下降して冷媒が収縮した際には、ベローズ141の内部から冷媒がタンク110内に流出し、図2に示すようにベローズ141が収縮する。
上記のように、コンサベータ140によって冷媒を冷却することにより、冷却器120に求められる冷却性能を低減することができるため、冷却器120を小型化することができる。
本実施の形態においては、変圧器本体110および冷却器120が、車両10の屋根上において車両10の進行方向1に沿って並んで配置されており、直交方向2において、第1辺141aおよび第2辺141bの各々の長さが冷却器120の外形の長さより短いため、第3辺141cおよび第4辺141dの各々に沿うように流れる走行風が、冷却器120を通過することができる。これにより、冷却器120を通過する走行風を確保することができる。
本実施の形態においては、ベローズ141の伸縮方向3が、タンク111の天井111cに対して冷却器120側に傾斜していることにより、図4に示すように、第3辺141cおよび第4辺141dの各々に沿うように流れる走行風W1を冷却器120に向けて誘導することができる。これにより、冷却器120を通過する走行風を増やして、冷却器120の冷却性能を高めることができる。
本実施の形態においては、ベローズ141における直交方向2に延在する部分を構成し、ベローズ141の収縮時に互いに折り重なる複数の面141fの各々が、直交方向2から見て、波形状であることにより、走行風とベローズ141との接触面積を増やすことができる。また、複数の面141fに衝突した走行風を乱流にして、走行風とベローズ141の外表面での熱交換効率を向上することができる。これにより、冷却器120において走行風を効率良く利用して冷媒を冷却することができる。
実施の形態2.
以下、本発明の実施の形態2に係る車両用変圧器について図面を参照して説明する。本発明の実施の形態2に係る車両用変圧器は、ベローズの伸縮方向から見たベローズの外形のみ、本発明の実施の形態1に係る車両用変圧器100と異なるため、本発明の実施の形態1に係る車両用変圧器100と同様である構成については説明を繰り返さない。
図6は、本発明の実施の形態2に係る車両用変圧器においてコンサベータのベローズが収縮した状態を示す側面図である。図7は、図6の車両用変圧器を矢印VII方向から見た平面図である。図8は、本発明の実施の形態2に係る車両用変圧器においてコンサベータのベローズが伸長した状態を示す側面図である。
図6〜図8に示すように、本発明の実施の形態2に係る車両用変圧器200は、変圧器本体110と、冷却器120と、コンサベータ240とを備える。コンサベータ240は、ベローズ241と天板142とを含む。
ベローズ241は、ベローズ241の伸縮方向3から見て、互いに車両10の進行方向1に間隔をあけて直交方向2に延在する1対の辺を含む四角形状の外形を有している。具体的には、図7に示すように、上記1対の辺は、車両の進行方向1において、冷却器120側に位置する第1辺241a、および、冷却器120側とは反対側に位置する第2辺241bとからなる。ベローズ241の外形の上記四角形状は、直交方向2に間隔をあけて車両の進行方向1に延在する、第3辺241cおよび第4辺241dをさらに含む。
本実施の形態においては、ベローズ241の外形の上記四角形状は、台形状である。図7に示すように、第1辺241aの長さをL4、第2辺241bの長さをL2とすると、L4<L2<L3である。すなわち、直交方向2において、第1辺241aおよび第2辺241bの各々の長さは、冷却器120の外形の長さより短く、かつ、第1辺241aは、第2辺241bより短い。
これにより、図7に示すように、ベローズ241の伸縮方向3から見て、第3辺241cおよび第4辺241dの各々を冷却器120の中央部に向くように傾斜させることができるため、図8に示すように、第3辺241cおよび第4辺241dの各々に沿うように流れる走行風W2をより多く冷却器120に向けて誘導することができる。これにより、冷却器120を通過する走行風を増やして、冷却器120の冷却性能を高めることができる。
上述した実施の形態の説明において、組み合わせ可能な構成を相互に組み合わせてもよい。
なお、今回開示した上記実施の形態はすべての点で例示であって、限定的な解釈の根拠となるものではない。したがって、本発明の技術的範囲は、上記した実施の形態のみによって解釈されるものではない。また、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
10 車両、20 レール、100,200 車両用変圧器、110 変圧器本体、111 タンク、111c 天井、120 冷却器、131 第1配管、132 第2配管、140,240 コンサベータ、141,241 ベローズ、141a,241a 第1辺、141b,241b 第2辺、141c,241c 第3辺、141d,241d 第4辺。

Claims (5)

  1. 鉄心、該鉄心に巻き回された巻線、および、前記鉄心と前記巻線とを冷媒に浸漬した状態で収納するタンクを有する変圧器本体と、
    前記タンク内に連通し、外気との熱交換によって前記冷媒を冷却する冷却器と、
    前記タンクの天井に設けられ、内部に前記冷媒が充填された金属製のベローズを有するコンサベータとを備え、
    前記変圧器本体および前記冷却器は、車両の屋根上において該車両の進行方向に沿って並んで配置されており、
    前記ベローズは、前記冷媒の体積変化に応じて前記タンクの前記天井の上方の位置にて伸縮し、
    前記ベローズの外表面は、露出して外気と接している、車両用変圧器。
  2. 前記ベローズは、前記ベローズの伸縮方向から見て、互いに前記車両の進行方向に間隔をあけて前記車両の進行方向に直交する方向に延在する1対の辺を含む四角形状の外形を有し、
    前記車両の進行方向に直交する方向において、前記1対の辺の各々の長さは、前記冷却器の外形の長さより短い、請求項1に記載の車両用変圧器。
  3. 前記1対の辺のうち、前記車両の進行方向において冷却器側に位置する第1辺は、前記冷却器側とは反対側に位置する第2辺より短い、請求項2に記載の車両用変圧器。
  4. 前記ベローズにおける前記車両の進行方向に直交する方向に延在する部分を構成し、前記ベローズの収縮時に互いに折り重なる複数の面の各々は、前記車両の進行方向に直交する方向から見て、波形状である、請求項2または請求項3に記載の車両用変圧器。
  5. 前記ベローズの伸縮方向は、前記タンクの前記天井に対して冷却器側に傾斜している、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の車両用変圧器。
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