JPWO2020095635A1 - 電子制御装置 - Google Patents

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河合 義夫
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Abstract

耐熱性を向上することができるようにした電子制御装置を提供すること。
電子制御装置A1は、電子部品が実装された回路基板5と、回路基板5を収容する筐体とを備えている。筐体は、ベース7と、カバー1とを備えている。ベース7には、溝v1が設けられている。カバー1には、溝v1内に接着剤6を介して配置される突起w1が設けられている。溝v1には、傾斜内側面e1を形成されている。突起w1には、傾斜外側面f1を形成されている。

Description

本発明は、電子制御装置に関する。
近年、自動車は、電子電動化と、自動運転技術を始めとした高機能化とが進んでいる。
しかし、市場競争力を確保するためには、機能アップ分をそのまま車両価格に転嫁できないため、電子制御装置を含む各構成部品の低コスト競争は、益々激化している。
このような背景の中、電子制御装置は、ハーネス及びコネクタの削減を目的として、エンジン、トランスミッション、及びモーターの制御対象物に対して、近接化及び機電一体化が進んでいる。このため、エンジンルーム内の過酷な温度環境及び振動環境であっても使用可能な安価な電子制御装置の必要性が高まっている。
上記エンジンルーム内のような水が掛かる環境に電子制御装置を搭載する場合、電子制御装置を防水化及び防塵化する必要がある。互いに接合される外装部材の外周部の間に接着剤を配置する方法が一般的である。しかし、接着剤の材料強度は、外装部材の10分の1以下の低さであり、且つ、接着剤は、外装部品間の熱膨張率及び熱収縮率の差による応力を受けるため、特に過酷な温度環境に晒された場合には破損する虞がある。
特開2016−545414号公報
これに対し、両外装部品の外周部の内、接着剤が膨張及び収縮し難い部分において、接着剤の断面積を減少させることによって、防水性を維持しつつ、接着剤の使用量を減らす方法が特許文献1に開示されている。ところで、電子制御装置には、接着剤の使用量の抑制だけでなく、耐熱性の向上も求められる。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、耐熱性を向上することができる電子制御装置を提供することにある。
上記課題を解決すべく、本発明に従う電子制御装置は、電子部品が実装された回路基板と、前記回路基板を収容する筐体と、を備えた電子制御装置であって、前記筐体は、凹部が設けられた第一筐体と、前記凹部内にシール材を介して配置される凸部が設けられた第二筐体と、を備え、前記凹部または前記凸部の少なくとも何れか一方に傾斜側面を形成した。
本発明によれば、耐熱性を向上することができる。
第1実施形態に係る電子制御装置の斜視図。 第1実施形態に係る電子制御装置の分解斜視図。 従来の電子制御装置の斜視図及び断面部。 第1実施形態に係る電子制御装置の斜視図及び断面図。 第2実施形態に係る電子制御装置の斜視図及び断面図。 第3実施形態に係る電子制御装置の斜視図及び断面図。 第4実施形態に係る電子制御装置の斜視図及び断面図。 接着剤の応力分布の説明図。 第4実施形態に係る接着剤の厚みと最大応力との関係の説明図。 第5実施形態に係る電子制御装置の斜視図及び断面図。 突起の側面及び溝の側面の傾斜角度と接着剤の最大応力との関係の説明図。 第6実施形態に係る電子制御装置の斜視図及び断面図。 第7実施形態に係る電子制御装置の斜視図及び断面図。 第8実施形態に係る電子制御装置の斜視図及び断面図。 第9実施形態に係る電子制御装置の斜視図。 第9実施形態に係る電子制御装置の分解斜視図。 第9実施形態に係る電子制御装置のXVII−XVII断面図。
幾つかの実施形態について、図面を参照しながら説明する。尚、以下に説明する実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態の中で説明されている諸要素およびその組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。各図において共通の構成については、同一の参照符号が付されている。
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態に係る電子制御装置の斜視図である。
電子制御装置A1は、一対のブラケット11に形成された固定孔にボルトが挿通されることによって自動車に搭載されて、エンジン、トランスミッション、又はブレーキを制御する。
図2は、第1実施形態に係る電子制御装置の分解斜視図である。
電子制御装置A1は、回路基板5と、「第一筐体」の一例としてのベース7と、「第二筐体」の一例としてのカバー1と、を備えている。回路基板5には、コネクタ3及び電子部品4が実装されている。コネクタ3は、回路基板5に形成される電気回路と外部機器とを電気的に接続する。回路基板5は、ネジ2によってベース7に固定される。回路基板5は、ネジ2によってカバー1に固定されてよい。
ベース7は、矩形の底面と、この底面の外周に沿って立設した枠部とを備えた有底筒状をなしている。ベース7は、回路基板5を収容する。ベース7の枠部の先端部には、「凹部」の一例としての溝v1が全周に亘って形成されている。即ち、溝v1は、ベース7の外周に沿って形成されている。
カバー1は、開口12が形成された矩形の上面と、この上面の外周に沿って立設した枠部とを備えた有底筒状をなしている。カバー1は、開口12にコネクタ3を挿通させてベース7に収容された回路基板5を覆う。カバー1の枠部の先端部には、「凸部」の一例としての突起w1が全周に亘って形成されている。即ち、突起w1は、カバー1の外周に沿って形成されている。
カバー1に設けられた突起w1とベース7に形成された溝v1との間には、「シール材」の一例としての液体状の接着剤6を塗布した後に硬化され、カバー1とコネクタ3との間には、パッキン8が配置される。このように突起w1及び溝v1に接着剤を塗布すると、接着剤6の接着面積が広がり、電子制御装置A1の内部の気密性を高めることができる。尚、回路基板5には、図示した電子部品4以外にも電子部品が複数実装されてよい。さらに、カバー1に溝v1を形成すると共に、ベース7に突起w1を形成してよい。
ここで、従来の電子制御装置Bの接着剤6が、高温環境に晒された状態について説明する。
図3は、従来の電子制御装置の斜視図及び断面部である。
従来の電子制御装置Bにおいて、溝v0は、外側側面c1及び内側側面c2が底面に向かって同一幅であり、突起w0は、外側側面d1及び内側側面d2が先端に向かって同一厚みである。
このような従来の電子制御装置Bの接着剤6は、溝v0の外側側面c1と、突起w0の外側側面d1との間に挟さまれている。このため、高温環境に晒された接着剤6が膨張しようとした場合、突起w0の外側側面d1には、この外側側面d1に垂直な方向に力g1が発生すると共に、突起w0の内側側面d2には、この内側側面d2に垂直な方向に力h1が発生する。このとき、これら力g1と力h1とは、大きさが等しく、且つ互いに逆向きである。したがって、力g1と力h1とは、互いに相殺されて、突起w0は移動しない。
一方、溝v0の外側側面c1には、この外側側面c1に垂直な方向に力j1が発生し、溝v0の内側側面c2には、この内側側面c2に垂直な方向に力k1が発生する。これら力j1と力k1とは、大きさが等しく、且つ互いに逆向きである。したがって、力j1と力k1とは、互いに相殺されて、溝v0は移動しない。これらの結果、接着剤6の膨張は、突起w0及び溝v0によって阻まれ、接着剤6には、高い応力が発生する。
図4は、第1実施形態に係る電子制御装置の斜視図及び断面図である。
電子制御装置A1は、図3の従来の電子制御装置Bに対し、溝v1の半周に亘って傾斜内側面e1が形成されると共に、突起w1の半周に亘って傾斜外側面f1が形成されている。傾斜内側面e1は、回路基板5に垂直な外側内側面c1に対してθ1だけ内側に傾斜している。即ち、溝v1には、溝v1の幅を底面に向かって減少させた傾斜内側面e1が形成されている。一方、突起w1の傾斜外側面f1は、回路基板5に垂直な外側外側面d1に対してθ2(=θ1)分だけ内側に傾斜している。即ち、突起w1は、突起w1の厚みを先端側に向かって増加させた傾斜外側面f1を有する。これら傾斜内側面e1と、傾斜外側面f1とは、接着剤6を介して対向するように配置される。
これにより、高温環境で接着剤6が膨張しようとした場合、突起w1の傾斜外側面f1には、この傾斜外側面f1に垂直な方向に力m1が発生し、突起w1の外側外側面d1には、この外側外側面d1に垂直な方向に力h1が発生する。このとき、突起w1は、これら力m1と力h1とを足し合わせた力p1の方向(溝v1から離れる方向)に移動する。
一方、溝v1の傾斜内側面e1には、この傾斜内側面e1に垂直方向に力n1が発生し、溝v1の外側内側面c1には、この外側内側面c1に垂直な方向に力k1が発生する。
このとき、溝v1は、これら力n1と力k1とを足し合わせた力q1の方向(突起w1から離れる方向)に移動する。
この構成によれば、接着剤6の膨張が、突起w1及び溝v1の移動範囲(互いに離間する範囲)分だけ許容されるため、図3の従来の電子制御装置Bの構造と比較して、接着剤6に発生する応力が低減する。さらに、突起w1の外側外側面d1と溝v1の外側内側面c1との間隙(クリアランス)x1と、突起w1の傾斜外側面f1と溝v1の傾斜内側面e1との間隙y1とは、図3の従来の電子制御装置Bにおけるの間隙x1,y1と等しい。このため、従来の電子制御装置Bに比べて、電子制御装置A1における間隙x1,y1に塗布される接着剤6の量は増えない。よって、電子制御装置A1には、コストアップが発生しない。
<第2実施形態>
第2実施形態に係る電子制御装置A2について説明する。尚、第2実施形態に係る電子制御装置A2は、第1実施形態に係る電子制御装置A1とは、溝及び突起の構成が異なるだけであり、その他の構成は、第1実施形態に係る電子制御装置A1と同様である。したがって、第1実施形態との相違点を中心に述べる。
図5は、第2実施形態に係る電子制御装置の斜視図及び断面図である。
電子制御装置A2は、回路基板5の一側(図5中、左側)における溝v1に傾斜内側面e1が形成されると共に、回路基板5の他側(図5中、右側)における溝v2の他側に傾斜内側面e2が形成されている。溝v2の内、傾斜内側面e2は、回路基板5に垂直な内側内側面c2に対してθ3分だけ外側に傾斜している。一方、カバー1の突起w1と回路基板5を挟んで反対側に形成された突起w2には、傾斜内側面e2と対向する部分に、内側内側面d2に対してθ4分だけ外側に傾斜した傾斜外側面f2が形成されている。
この第二実施形態では、傾斜内側面e1が溝v2の内側に形成されている場合、傾斜内側面e2は、溝v3の外側に形成する。よって、x1=y1=x2=y2且つθ1=θ2=θ3=θ4の場合、突起w1に発生する力p1と、突起w2に発生する力p2とは大きさが等しく、且つ互いに同じ方向となる。これにより、これらp1とp2とを足し合わせた力p3は、第1実施形態の電子制御装置A1の接着剤6に発生するp1の2倍となり、カバー1がより大きくベース7から離間するように移動するため、接着剤6の膨張をより許容しやすくなる。尚、これは溝v1側についても同様である。
<第3実施形態>
第3実施形態に係る電子制御装置A3について説明する。尚、第3実施形態に係る電子制御装置A3は、第2実施形態に係る電子制御装置A2とは、溝及び突起の構成が異なるだけであり、その他の構成は、第2実施形態に係る電子制御装置A2と同様である。したがって、第2実施形態との相違点を中心に述べる。
図6は、第3実施形態に係る電子制御装置の斜視図及び断面図である。
電子制御装置A3は、回路基板5の一側(図6中、左側)における溝v1に傾斜内側面e1が形成されると共に、回路基板5の他側(図6中、右側)における溝v3の一側に傾斜内側面e3が形成されている。溝v3の内、傾斜内側面e3は、回路基板5に垂直な外側内側面c3に対してθ5分だけ内側に傾斜している。一方、突起w1の内、外側内側面e3に対向する部分w3(以下、突起w3)には、外側外側面d3に対してθ6分だけ内側に傾斜した傾斜外側面f3が形成されている。
この第三実施形態では、両傾斜内側面e1,e3が溝v1,v3の内側に形成されている場合、突起w1に発生する力p1と、突起w3に発生する力p3とを足し合わせた力P4は、h1とh3とが互いに逆方向であるために相殺される。したがって、相殺された分、力P4は、第2実施形態の電子制御装置A2における接着剤6に発生するp3よりも小さくなる。これにより、溝v1,v3及び突起w1,w3に傾斜内側面e1,e3及び傾斜外側面f1,f3を形成し易くすることができる。
<第4実施形態>
第4実施形態に係る電子制御装置A4について説明する。尚、第4実施形態に係る電子制御装置A4は、第2実施形態に係る電子制御装置A2とは、溝及び突起の構成が異なるだけであり、その他の構成は、第2実施形態に係る電子制御装置A2と同様である。したがって、第2実施形態との相違点を中心に述べる。
図7は、第4実施形態に係る電子制御装置の斜視図及び断面図である。
電子制御装置A4は、突起w4の傾斜外側面f4と溝v4の傾斜内側面e4との間隙y4よりも、突起w4の外側側面d4と溝v4の内側側面c4との間隙x4が大きい。但し、接着剤6の使用量が変わらないように、間隙x1+間隙y1の値は、第2実施形態の電子制御装置A2の場合と同じ程度の値とする。
ここで、第2実施形態の電子制御装置A2において、CAE解析によって算出した、接着剤6に発生する応力分布について説明する。
図8は、接着剤の応力分布の説明図であり、図9は、第4実施形態に係る接着剤の厚みと最大応力との関係の説明図である。
図8に示すように、突起w1の外側側面d1と溝v1の外側側面c1との界面に最も大きな応力が発生している。この応力を低減すべく、間隙x1と間隙y1の大小関係を変化させたときに接着剤6に発生する最大応力は、図9に示すような放物線となる。図9に示すように、x1>y1の場合に応力が最小となる。したがって、第4実施形態の電子制御装置A4は、第2実施形態の電子制御装置A2よりも、接着剤6に発生する応力をさらに低減できる。
<第5実施形態>
第5実施形態に係る電子制御装置A5について説明する。尚、第5実施形態に係る電子制御装置A5は、第2実施形態に係る電子制御装置A2とは、溝及び突起の構成が異なるだけであり、その他の構成は、第2実施形態に係る電子制御装置A2と同様である。したがって、第2実施形態との相違点を中心に述べる。
図10は、第5実施形態に係る電子制御装置の斜視図及び断面図であり、図11は、突起の側面及び溝の側面の傾斜角度と接着剤の最大応力との関係の説明図である。
電子制御装置A5は、突起w5の外側外側面d5及び溝v5の外側内側面c5に一般的な抜き勾配である5°以下だけ傾斜角度θ7が設けられており、突起w5の傾斜外側面f5及び溝v5の傾斜内側面e5の傾斜角度θ8が、θ7<θ8の関係を有している。このとき、θ7が0°のときのθ8の最大角度をθ8maxとすると、θ7が5°の場合、θ8=θ7−5°とすれば、電子制御装置A5が大型化することはなく、接着剤6の使用量が増加して電子制御装置A5がコストアップすることもない。θ8max=20°とし、θ7とθ8とを下記の条件(1)〜(5)の通り変化させたときの最大応力を図11に示す。
θ7=0°、θ8=0°…(1)
θ7=5°、θ8=5°…(2)
θ7=10°、θ8=10°…(3)
θ7=5°、θ8=15°…(4)
図11に示すように、接着剤6に発生する最大応力は、条件(1)>条件(2)>条件
(3)>条件(4)の順となる。よって、θ7<θ8とする電子制御装置A5は、θ7=θ8とした一般的な電子制御装置と比較して、接着剤6に発生する応力をさらに低減できる。
<第6実施形態>
第6実施形態に係る電子制御装置A6について説明する。尚、第6実施形態に係る電子制御装置A6は、第2実施形態に係る電子制御装置A2とは、溝及び突起の構成が異なるだけであり、その他の構成は、第2実施形態に係る電子制御装置A2と同様である。したがって、第2実施形態との相違点を中心に述べる。
図12は、第6実施形態に係る電子制御装置の斜視図及び断面図である。
電子制御装置A6は、ベース7の底面及びカバー1の上面が五角形状をなしており、カバー1とベース7との間を、「締結部材」の一例としての4本のネジ9a〜9dで固定している。この電子制御装置A6において、ネジ9a及びネジ9d間の距離をN、ネジ9a及びネジ9b間の距離をB、ネジ9b及びネジ9c間の距離をC、ネジ9c及びネジ9d間の距離をDとする。それらの距離の関係がN>C>B>Dである場合、溝v1の内、ネジ間距離が最も長いネジ9a及びネジ9d間の二辺をなす外周G,Hに亘って傾斜内側面e1を形成すると共に、突起w6に傾斜外側面f1を形成した。
そのとき、突起w6の傾斜外側面f1と溝v6の傾斜内側面e1とは、対向させる。突起w6及び溝v6の内、ボルト9a,9d間の距離が長い部分は、環境温度変化による寸法変化が他と比較して大きいことから、そこに塗布された接着剤6に発生する応力が大きい。したがって、この部分の応力を低減させることにより、他の部分に発生する応力を低減させた場合よりも、接着剤6の使用量を抑制しながら、耐熱性を向上することができる。
<第7実施形態>
第7実施形態に係る電子制御装置A7について説明する。尚、第7実施形態に係る電子制御装置A7は、第6実施形態に係る電子制御装置A6とは、溝及び突起の構成が異なるだけであり、その他の構成は、第6実施形態に係る電子制御装置A6と同様である。したがって、第6実施形態との相違点を中心に述べる。
図13は、第7実施形態に係る電子制御装置の斜視図及び断面図である。
電子制御装置A7は、第6実施形態に対し、突起w6の傾斜外側面f1及び溝v6の傾斜内側面e1を形成する領域を、ボルト9aとボルト9dとの間の内の中央部Jのみとしている。即ち、突起w6の傾斜外側面f1及び溝v6の傾斜内側面e1は、ボルト9a〜9dから離間した部分に形成されている。環境温度変化によって接着剤6に発生する応力は、ボルト9a,9d間の中央部Jが最も大きくなる。したがって、この部分の応力を低減させることにより、他の部分に発生する応力を低減させた場合よりも有効である。
<第8実施形態>
第8実施形態に係る電子制御装置A8について説明する。尚、第8実施形態に係る電子制御装置A8は、第6実施形態に係る電子制御装置A6とは、溝及び突起の構成が異なるだけであり、その他の構成は、第6実施形態に係る電子制御装置A6と同様である。したがって、第6実施形態との相違点を中心に述べる。
図14は、第8実施形態に係る電子制御装置の斜視図及び断面図である。
電子制御装置A8は、溝v6の内、傾斜内側面e1を形成する領域以外に、傾斜外側面e2を形成すると共に、突起w6の内、傾斜外側面f1を形成する領域以外に、傾斜外側面f2を形成した。即ち、回路基板5の一側(ネジ9a、9d及び9c間)における溝v1に傾斜内側面e1が半周に亘って形成されると共に、回路基板5の他側(ネジ9a、9b及び9c間)における溝v3の一側に傾斜内側面e3が半周に亘って形成されている。
これにより、電子制御装置A8は、第6実施形態の電子制御装置A6よりも、接着剤6に発生する応力をさらに低減できる。
<第9実施形態>
第9実施形態に係る電子制御装置A9について説明する。尚、第9実施形態に係る電子制御装置A9は、第6実施形態に係る電子制御装置A6とは、ベースの構成が異なるだけであり、その他の構成は、第6実施形態に係る電子制御装置A6と同様である。したがって、第6実施形態との相違点を中心に述べる。
図15は、第9実施形態に係る電子制御装置の斜視図であり、図16は、第9実施形態に係る電子制御装置の分解斜視図であり、図17は、第9実施形態に係る電子制御装置のXVII−XVII断面図である。
電子制御装置A9のベース71は、底面から溝v1とは反対側に立設する筒状の収容部72を有している。収容部72は、溝v1が設けられた一側(図17中、左側)よりも溝v2が設けられた他側(図17中、右側)が高い。収容部72の底面とは反対側の四隅には、ブラケット73が外側に向かってそれぞれ立設されている。電子制御装置A9は、自動車に搭載される「搭載装置」の一例としてのミッションケースに形成された開口にブラケット73を介して固定され、一側に傾いた状態でミッションケースに形成された開口を塞ぐ。
以上、本発明に係る電子制御装置の実施形態について詳述したが、本発明は、前記の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の精神を逸脱しない範囲で、種々の設計変更を行うことができるものである。
例えば、上記した実施形態では、溝v1に傾斜内側面e1を形成すると共に、突起w1に傾斜外側面f1を形成した。これに限らず、傾斜内側面e1及び傾斜外側面f1の何れかのみを形成してもよい。
A…電子制御装置、1…カバー、4…電子部品、5…回路基板、6…接着剤、7…ベース、9a…ネジ、9b…ネジ、9c…ネジ、9d…ネジ、w1…突起、v1…溝、e1…傾斜内側面、f1…傾斜外側面、w2…突起、v2…溝、e2…傾斜内側面、f2…傾斜外側面、w3…突起、v3…溝、e3…傾斜内側面、f3…傾斜外側面、w4…突起、v4…溝、e4…傾斜内側面、f4…傾斜外側面、x4…間隙、y4…間隙、θ7…抜き勾配、θ8…傾斜角度

Claims (10)

  1. 電子部品が実装された回路基板と、
    前記回路基板を収容する筐体と、を備えた電子制御装置であって、
    前記筐体は、凹部が設けられた第一筐体と、前記凹部内にシール材を介して配置される凸部が設けられた第二筐体と、を備え、
    前記凹部または前記凸部の内の少なくとも何れか一方に傾斜側面を形成した電子制御装置。
  2. 前記凹部には、当該凹部の幅を底面に向かって減少させた傾斜内側面を形成した、請求項1に記載の電子制御装置。
  3. 前記凸部には、当該凸部の厚みを先端に向かって増加させた傾斜外側面を形成した、請求項2に記載の電子制御装置。
  4. 前記傾斜内側面及び前記傾斜外側面が対向する、請求項3に記載の電子制御装置。
  5. 前記凹部は、前記第一筐体の外周に沿った溝であり、
    前記凸部は、前記第二筐体の外周に沿ったリブである、請求項3に記載の電子制御装置。
  6. 前記回路基板の一側における前記溝の他側、及び前記回路基板の他側における前記溝の他側に、前記傾斜内側面を形成した、請求項5に記載の電子制御装置。
  7. 前記傾斜内側面と前記傾斜外側面との間隙は、前記溝と前記リブとの間隙の内、他の部分よりも狭い、請求項5に記載の電子制御装置。
  8. 前記傾斜内側面及び前記傾斜外側面は、抜き勾配よりも傾斜させた、請求項5に記載の電子制御装置。
  9. 前記第一筐体及び前記第二筐体は、複数の締結部材によって固定されており、
    前記傾斜内側面及び前記傾斜外側面は、前記溝の内、前記複数の締結部材から離間した部分に形成された、請求項5に記載の電子制御装置。
  10. 前記筐体には、車載装置のケースに形成された開口の外周に固定可能なブラケットを設けた、請求項1に記載の電子制御装置。
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