JPWO2020071512A1 - 巻鉄心及び変圧器 - Google Patents

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Abstract

本発明は、鉄損が低減された、巻鉄心及び変圧器を提供する。
本発明に係る巻鉄心は、第1の電磁鋼板が巻かれて形成され、側面から見て環状であって、側面から見て1以上の屈曲部を有するコア部材と、第2の電磁鋼板が積層された1以上の積層体と、を備え、前記積層体は、前記コア部材の前記屈曲面における前記第1の電磁鋼板の側面で形成される面の少なくとも一方に、前記第2の電磁鋼板の側面で形成される面が沿うように配置されている。

Description

本発明は、巻鉄心及び変圧器に関する。
巻鉄心は、変圧器(トランス)、リアクトル、またはノイズフィルタ等の磁心として用いられている。変圧器においては、従来、高効率化の観点から、低鉄損化が重要な課題の一つとなっており、様々な観点から低鉄損化の検討が行われている。
例えば、特許文献1には、電磁鋼板の積層体からなり、接合部を有する矩形環状の巻鉄心と、巻鉄心の柱状部の少なくとも1つに巻回する巻線と、接合部を有する柱状部を電磁鋼板の積層方向に加圧する加圧部材と、巻鉄心の少なくとも一つの柱状部に周方向の張力を付与する張力付与部材と、を備えるトランスが開示されている。
また、例えば、特許文献2には、側面視環状の複数の方向性電磁鋼板が板厚方向に積層された巻厚40mm以上の巻鉄心であり、内面側に配置された内側鉄心と、内側鉄心の外面側に配置された外側鉄心とからなり、内側鉄心の巻厚が、所定の寸法であり、方向性電磁鋼板のうち内側鉄心を形成している方向性電磁鋼板は、双晶を含む金属組織で形成された側面視曲線状の複数の折曲部を有し、外側鉄心は、内側鉄心よりも前記方向性電磁鋼板の占積率が高いことを特徴とする巻鉄心が開示されている。
また、例えば、特許文献3には、薄板状磁性材料が、略台形状、略不等辺四辺形状、略五角形状等に電磁鋼板を切り出してなり、これらの薄板状磁性材料を上下、左右方向の成す平面上に配列し、厚さ方向の面を相互に衝合することにより、積層鉄心の一層が構成されることが開示されている。そして、特許文献3には、衝合箇所に、ある程度の幅を有するギャップが形成され、ギャップの前面を覆うように、パッチ状磁性材料が固着された構成が開示されている。
また、例えば、特許文献4には、固定鉄心と可動鉄心とからなる分離式トランスにおいて、漏れ磁束を防止するために、固定鉄心と可動鉄心との接合部の周りに押さえ板を密着させた構成が開示されている。
特開2018−32703号公報 特開2017−157806号公報 特開2017−22189号公報 特開2005−38987号公報
しかしながら、鉄損は低いほど好ましく、特許文献1、特許文献2に記載されているような従来の巻鉄心には未だ改善の余地がある。一方、特許文献3、特許文献4に記載された技術では、鉄心の接合箇所に板状の部材を張り付けることで、磁束の漏れを防止している。しかし、このような手法では、板状の部材において渦電流損が発生するため、鉄損を抑制することができない問題がある。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、鉄損が低減された、巻鉄心及び変圧器を提供することにある。
上記課題の解決のため、本発明者らは、鋭意検討し、巻鉄心における屈曲した部分に起因した鉄損に着目した。すなわち、屈曲した部分においては、透磁率が低下して鉄損が増大する。また、これらの部分では、漏れ磁束が発生し、この漏れ磁束によって生じた渦電流により、鉄損が増大する。本発明者らは、このような屈曲した部分についての鉄損の抑制を目的として、巻鉄心における曲げ部分や折れ部分の側面に新たな磁路を設けることで、漏れ磁束を抑制し、かつ、磁路以外の部分に発生する渦電流を抑制することで、鉄損が低減することを見出し、さらに検討した結果、本発明に至った。
上記知見に基づき完成された本発明の要旨は、以下の通りである。
(1) 第1の電磁鋼板が巻かれて形成され、側面から見て環状であって、側面から見て1以上の屈曲部を有するコア部材と、
第2の電磁鋼板が積層された1以上の積層体と、
を備え、
前記積層体は、前記コア部材の前記屈曲部における前記第1の電磁鋼板の側面で形成される面の少なくとも一方に、前記第2の電磁鋼板の側面で形成される面が沿うように配置されている、巻鉄心。
(2) 前記積層体の前記第2の電磁鋼板の積層面の方向は、前記コア部材の前記第1の電磁鋼板の積層面の方向に沿っている、(1)に記載の巻鉄心。
(3) 前記コア部材を前記第1の電磁鋼板の面に沿う方向から見た側面の少なくとも一方において、前記屈曲部における内周部の中点と、前記屈曲部における外周部の中点と、を結ぶ直線に対する、前記第2の電磁鋼板の積層面の角度は、45度以上90度以下である、(1)または(2)に記載の巻鉄心。
(4) 前記コア部材は、前記コア部材を側面から見たときに角部を有する、(1)〜(3)のいずれかに記載の巻鉄心。
(5) 前記コア部材を側面から見たときの前記コア部材の形状は、八角形である、(1)〜(4)のいずれかに記載の巻鉄心。
(6) 前記第2の電磁鋼板の厚みは、前記第1の電磁鋼板の厚みと同一、または前記第1の電磁鋼板の厚みより小さい、(1)〜(5)のいずれかに記載の巻鉄心。
(7) 前記第1の電磁鋼板の厚みをT、前記第2の電磁鋼板の厚みをTとした時、T/Tの比が0.5以上1.0以下である、(6)に記載の巻鉄心。
(8) 前記第2の電磁鋼板は、互いに絶縁されている、(1)〜(7)のいずれかに記載の巻鉄心。
(9) 第1の電磁鋼板が巻き回されて形成され、側面から見て環状であって、側面から見て1以上の屈曲部を有するコア部材と、
第2の電磁鋼板が積層された1以上の積層体と、
を備え、
前記積層体は、前記コア部材の前記屈曲部における前記第1の電磁鋼板の側面で形成される面の少なくとも一方に、前記第2の電磁鋼板の側面で形成される面が沿うように配置されている、変圧器。
本発明によれば、鉄損が低減された、巻鉄心及び変圧器を提供することが可能となる。
本発明の一実施形態に係る巻鉄心の一例を示す斜視図である。 図1に示す巻鉄心が備えるコア部材を電磁鋼板の側面側からみた平面図である。 図1に示す巻鉄心が備えるコア部材及び積層体の配置の一例を説明するための、コア部材の側面の一部を示す部分拡大平面図である。 図1に示す巻鉄心が備える積層体の配置を説明するための説明図である。 図1に示す巻鉄心が備える積層体の取付け方法の一例を示す分解斜視図である。 同実施形態に係るコア部材における屈曲部の別の一例を説明するための、コア部材の側面の一部を示す拡大平面図である。 同実施形態に係るコア部材における屈曲部の別の一例を説明するための、コア部材の側面の一部を示す拡大平面図である。 積層体を設けていない場合に、コア部材を磁束が通る様子を示す模式図である。 図8に対して、歪領域を覆うように積層体を配置した状態を示す模式図である。 図9に示す一点鎖線I−I’に沿った断面を示す図であって、一点鎖線I−I’に沿った断面を磁束が通る様子を示す模式図である。 図3に示した矩形状の積層体の辺部側の領域を、角部よりも外側の位置でカットした例を示す模式図である。 積層体を構成する第2の電磁鋼板を円弧状にした例を示す模式図である。 第1の電磁鋼板の厚みTに対する第2の電磁鋼板の厚みTの比T/Tと、コア部材の鉄損との関係を示す特性図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。また、図中の各構成要素の比率、寸法は、実際の各構成要素の比率、寸法を表すものではない。
<1.巻鉄心及び変圧器>
まず、図1〜図4を参照して、本発明の一実施形態に係る巻鉄心及び変圧器について説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る巻鉄心の一例を示す斜視図である。図2は、図1に示す巻鉄心が備えるコア部材を電磁鋼板の側面側からみた平面図である。図3は、図1に示す巻鉄心が備えるコア部材及び積層体の配置の一例を説明するための、コア部材の側面の一部を示す部分拡大平面図である。図4は、図1に示す巻鉄心が備える積層体の配置を説明するための説明図である。
本実施形態に係る巻鉄心1は、第1の電磁鋼板20が巻き回されて形成され、側面から見て環状であって、側面から見て1以上の屈曲部22を有するコア部材2と、第2の電磁鋼板30が積層された1以上の積層体3と、を備え、積層体3は、コア部材2における第1の電磁鋼板20の側面の少なくとも一方に、積層体3における第2の電磁鋼板30の側面で形成される面が屈曲部22における第1の電磁鋼板20の側面で形成される面に沿うように配置されている。巻鉄心1は、図2に示すように、全体として、八角形に成形されている。本実施形態おいて、巻鉄心1は、コア部材2、積層体3、及び治具4を備える。
図2に示すように、コア部材2は、帯状の第1の電磁鋼板20が巻き回されて形成された巻回体であり、1以上の屈曲部22を有する。具体的には、コア部材2は、第1の電磁鋼板20の側面が最内周において4つの隅部23を形成するように折り曲げられて方形状をなし、その外周の第1の電磁鋼板20は、最内周の第1の電磁鋼板20の隅部23において折り曲げられ、2つの角部24が形成されるように巻き回されている。この結果、コア部材2は、第1の電磁鋼板20の側面側から見たときに、その外周に8つの角部24を有する八角形をなし、一方で、内周に4つの隅部23を有する方形をなす。そして、コア部材2は、最内周の第1の電磁鋼板20の直線部分に沿った直線状の辺部21と、最内周の隅部23と当該隅部23の外周側に形成される2つの角部24とを有する4つの屈曲部22と、で構成される。
第1の電磁鋼板20の厚みは、例えば、0.20mm以上0.40mm以下とすることができる。厚みの薄い電磁鋼板を第1の電磁鋼板20として用いることで、第1の電磁鋼板20の板厚面内において渦電流が生じ難くなり、鉄損のうちの渦電流損を低減することが可能となる。その結果、巻鉄心1の鉄損をより低減することが可能となる。第1の電磁鋼板20の厚みは、好ましくは、0.18mm以上0.35mm以下であり、さらに好ましくは、0.18mm以上0.27mm以下である。
第1の電磁鋼板20には、例えば、既存の方向性電磁鋼板または既存の無方向性電磁鋼板を使用することができる。好ましくは、第1の電磁鋼板20は、方向性電磁鋼板である。方向性電磁鋼板をコア部材に使用することで、鉄損のうちのヒステリシス損を低減することが可能となり、巻鉄心1の鉄損をより低減することが可能となる。
巻き回されて層をなす第1の電磁鋼板20同士の間は、絶縁されていることが好ましい。例えば、第1の電磁鋼板20の表面は、絶縁処理が施されていることが好ましい。第1の電磁鋼板20の層間が絶縁していることで、第1の電磁鋼板20の板厚面内において渦電流が生じ難くなり、渦電流損を低減することが可能となる。その結果、巻鉄心1の鉄損をより低減することが可能となる。例えば、第1の電磁鋼板20の表面は、コロイダルシリカ及びリン酸塩を含有する絶縁コーティング液を用いて絶縁処理が施されていることが好ましい。
積層体3は、複数の板状の第2の電磁鋼板30が積層されて形成される。積層体3は、屈曲部22の側面の少なくとも一方の面に、積層体3の第2の電磁鋼板30の側面が屈曲部22の第1の電磁鋼板20の側面に絶縁を保ちながら接触して沿うように配置されている。コア部材2を通る磁束は、屈曲部22の第1の電磁鋼板20が屈曲した部分から漏れやすく、第1の電磁鋼板20が大きく屈曲する程、磁束は漏れやすい。図2に示したコア部材2では、隅部23と角部24とを結ぶ直線部分で第1の電磁鋼板20が大きく屈曲するため、コア部材2を通る磁束は、かかる部分で漏れやすい。しかしながら、積層体3が、屈曲部22の側面の少なくとも一方の面に、積層体3の第2の電磁鋼板30の側面が屈曲部22の第1の電磁鋼板20の側面に沿うように配置されているため、屈曲部22で生じる漏れ磁束は、一の辺部21から積層体3を通った後、当該積層体3と接続された他の辺部21を通ることが可能となる。その結果、巻鉄心1に生ずる鉄損を低減することが可能となる。特に、積層体3は、図1に示すように、屈曲部22の両側面に配置されることで、鉄損をより一層低減することが可能となる。
積層体3とコア部材2との間は、絶縁されていることが好ましい。例えば、積層体3とコア部材2との間に、絶縁シートを配置されることが好ましい。絶縁シートの素材としては、天然ゴム、エポキシ樹脂、ポリ塩化ビニルまたはポリウレタン絶縁材等、各種公知の絶縁体を使用することができる。
巻鉄心1は、図4に示すように、本実施形態においては、屈曲部22における側面内周の中点Mと、屈曲部22における側面外周の中点Mと、を結ぶ直線Lに対する、積層体3における第2の電磁鋼板30の積層面の角度θは、45度以上90度以下となるように配置されている。角度θが45度以上90度以下となることで、第2の電磁鋼板30が屈曲部22で生じる漏れ磁束の磁路となるため、磁路以外の部分に発生する渦電流がより一層抑制される。さらに好ましくは、積層体における電磁鋼板の積層面の角度は、75度以上90度以下である。
積層体3は、例えば、図3では、直線Lに対して、第2の電磁鋼板30の積層面が90度となるように配置されている。これにより、第2の電磁鋼板30が屈曲部22で生じる漏れ磁束の磁路となるため、磁路以外の部分に発生する渦電流が抑制される。その結果、鉄損が低減される。
第2の電磁鋼板30の厚みTは、特に限定されない。しかしながら、第2の電磁鋼板30の厚みTは、好ましくは、第1の電磁鋼板20の厚みTと同一、または第1の電磁鋼板20の厚みT以下とすることができる。第2の電磁鋼板30の厚みTを第1の電磁鋼板20の厚みTより小さくすることで、コア部材2の屈曲部22で生じる漏れ磁束がより一層効率よく積層体3を通るようになる。また、積層体3の第2の電磁鋼板30の厚みTが、コア部材2の第1の電磁鋼板20の厚みTと同じか、またはコア部材2の第1の電磁鋼板20の厚みTよりも薄いことで、渦電流損が低くなり、積層体3における損失が抑えられる。これにより、漏れ磁束によって生じる渦電流損をより一層低減させることが可能となる。その結果、巻鉄心1の鉄損をより低減することが可能となる。したがって、好ましくは、第1の電磁鋼板20の厚みTに対する第2の電磁鋼板30の厚みTの比T/Tは、1.0以下である。一方、製造可能な板厚の範囲を考慮した場合,T/Tの下限は0.5程度になる。
図13は、第1の電磁鋼板20の厚みTに対する第2の電磁鋼板30の厚みTの比T/Tと、コア部材2の鉄損との関係を示す特性図である。図13では、本実施形態に係る巻鉄心1を用いて25kVAと75kVAのトランスを製造した場合の特性を示している。図13に示すように、25kVAと75kVAのトランスのいずれにおいても、第1の電磁鋼板20の厚みTに対する第2の電磁鋼板30の厚みTの比T/Tが小さくなるほど鉄損が低下する結果が得られた。したがって、T/Tの値はできるだけ小さくすることが好ましい。T/Tが1.0以下になると、T/Tが1.0よりも大きい場合に比べて、T/Tの低下に伴って鉄損が低下する割合がより大きくなり、75kVAのトランスではこの傾向がより顕著に表れている。したがって、上述のように、第1の電磁鋼板20の厚みTに対する第2の電磁鋼板30の厚みTの比T/Tは、1.0以下とすることが好ましい。
また、第2の電磁鋼板30は、第1の電磁鋼板20と同一または異なる電磁鋼板のいずれであってもよい。具体的には、第2の電磁鋼板30として、例えば、既存の方向性電磁鋼板または既存の無方向性電磁鋼板を使用することができる。好ましくは、第2の電磁鋼板30は、方向性電磁鋼板である。方向性電磁鋼板を積層体3に使用することで、鉄損のうちのヒステリシス損を低減することが可能となり、その結果、巻鉄心1の鉄損をより低減することが可能となる。
第2の電磁鋼板30同士の間は、絶縁されていることが好ましく、例えば、電磁鋼板の表面は、絶縁処理が施されることが好ましい。第2の電磁鋼板30の積層間が絶縁されていることで、第2の電磁鋼板30の板厚面内において渦電流がより確実に生じ難くなり、渦電流損をより一層低減することが可能となる。その結果、巻鉄心1の鉄損をより低減することが可能となる。例えば、第2の電磁鋼板30の表面は、コロイダルシリカ及びリン酸塩を含有する絶縁コーティング液を用いて絶縁処理が施されていることが好ましい。
なお、積層体3は、必要に応じて、側面から積層体3を貫通する貫通孔を有していてもよい。この貫通孔に、治具4のボルト等の止め具が挿入されることで、積層体3は、コア部材2に固定される。
治具4は、屈曲部22の周囲に設けられ、積層体3をコア部材2に固定する。ここで、図5を参照して、本実施形態に係る治具4の一例を説明する。図5は、図1に示す巻鉄心が備える積層体の取付け方法の一例を示す分解斜視図である。治具4は、図5に示すように、支持柱41、固定板42、外板43、内板44、ボルト45、及びナット46を有する。
図5に示すように、屈曲部22の外周側及び内周側に、積層体3を支持する支持柱41が配置される。また、屈曲部22と積層体3とを挟むように配置された固定板42と、コア部材2の外周側に配置される外板43と、コア部材2の内周側に配置される内板44と、によって、積層体3は、屈曲部22に固定される。積層体3は、ボルト45が挿入される貫通孔を有しており、支持柱41及び固定板42は、積層体3の貫通孔に対応した位置に貫通孔をそれぞれ有している。積層体3の貫通孔、支持柱41の貫通孔及び固定板42の貫通孔にボルト45が挿入され、ボルト45の先端にナット46が締結される。外板43及び内板44は、板厚方向に、それぞれ対応する複数の貫通孔を有しており、ボルト45は、これらの対応する貫通孔に挿入され、ナット46は、ボルト45の端部で締結される。
なお、ボルト45には、少なくとも表面が絶縁処理されたものを使用することができ、例えば、ボルト45には、セラミック等に例示される絶縁体を使用することができる。これにより、ボルト45によって、コア部材2と積層体3とが導通することなく、積層体3はコア部材2の側面に固定される。
また、ボルト45の素材は、非磁性体であるが好ましい。ボルト45の素材を非磁性体とすることで、漏れ磁束がボルト45に侵入して、渦電流が生じるのを防止することが可能となる。
次に、図8〜図10に基づいて、複数の板状の第2の電磁鋼板30が積層されてなる積層体3を設けたことによる作用を説明する。図8は、積層体3を設けていない場合に、コア部材2を磁束が通る様子を示す模式図である。
コア部材2の第1の電磁鋼板20は角部24の位置で屈曲し、角部24の位置では歪が生じる。このため、図8に示すように、コア部材2には、2つの角部24の位置に沿って、歪領域50が形成されている。図8に示す矢印A1、矢印A2、矢印A3は、歪領域50を磁束が通る際に、磁束が漏れる様子を模式的に示している。また、矢印A1、矢印A2、矢印A3の太さは、磁束の大きさを示している。図8に示すように、歪領域50を磁束が通る際に、磁束が漏れることで、磁束の大きさが小さくなり、鉄損が発生する。
図9は、図8に対して、歪領域50を覆うように積層体3を配置した状態を示している。また、図10は、図9に示す一点鎖線I−I’に沿った断面を示す図であって、一点鎖線I−I’に沿った断面を磁束が通る様子を模式的に示す模式図である。図10では、磁束の流れを矢印で示している。図10に示すように、角部24に対応する歪領域50を積層体3が覆うことで、角部24の位置では積層体3を通って磁束が通るようになる。
具体的には、図10に示すように、磁束が角部24を通過する際に、角部24の位置で漏れ磁束が生じるが、漏れ磁束は、コア部材2の一の辺部21から積層体3を通り、当該積層体3と接続された他の辺部21を通る。つまり、角部24の歪領域50を磁束が通過する際に生じる漏れ磁束は、積層体3で補足(トラップ)され、積層体3を通ってコア部材2に戻される。
そして、積層体3は、複数の板状の第2の電磁鋼板30が積層されることで形成され、好ましくは、隣接する第2の電磁鋼板30同士は互いに絶縁されている。したがって、積層体3を磁束が通る際の渦電流損が抑制される。これにより、巻鉄心1の鉄損が低減される。なお、図10では、コア部材2の両方の側面に積層体3を配置した例を示したが、積層体3は、コア部材2の少なくとも一方の側面に配置されていてもよい。
一方、この積層体3の代わりに、積層体3と同様の形状の一体の連続な金属板を用いると、金属板をコア部材2の側面に配置することによって、第1の電磁鋼板20の積層面が短絡されることになり、第1の電磁鋼板20同士の絶縁が保たれなくなる。したがって、第1の電磁鋼板20の断面に大きな渦電流が流れ、損失(渦電流損)が増大する。仮に、金属板とコア部材2との間を絶縁したとしても、磁束は金属板の大きな断面を通るため、渦電流損は増大してしまう。
本実施形態によれば、複数の板状の第2の電磁鋼板30が積層されることで積層体3が形成され、積層体3の第2の電磁鋼板30同士が絶縁されることで、磁束がより小さい断面を通ることになり、渦電流損が確実に低下される。したがって、巻鉄心1の鉄損が低下される。
次に、図11及び図12に基づいて、積層体3の形状のバリエーションについて説明する。図3では、矩形状の積層体3を示したが、積層体3は、第1電磁鋼板20の隅部23を頂点とし角部24を辺とする三角形と、その周辺部を含む領域を覆うような略V字型の形状をなしてもよい。
図11は、図3に示した矩形状の積層体3の辺部21側の領域を、角部24よりも外側の位置でカットした例を示す模式図である。積層体3の2つの辺部21側の端部は、角部24から所定量Dだけオフセットされている。漏れ磁束は、角部24よりも辺部21側の所定量Dの領域で補足される。なお、所定量Dを大きくするほど漏れ磁束がより確実に補足されるが、積層体3の面積が増加するため、積層体3の製造コストは増加する。
また、図12は、積層体3を構成する第2の電磁鋼板30を円弧状にした例を示す模式図である。図12に示す例においても、積層体3の2つの辺部21側の端部は、角部24から所定量Dだけオフセットされている。第2の電磁鋼板30を円弧状にすることで、角部24よりも辺部21側の領域では、第2の電磁鋼板30は、第1の電磁鋼板20により沿った方向に延在することになる。換言すれば、図3、図11に比べて、図12の構成では、角部24よりも辺部21側の領域で、第2の電磁鋼板30の方向が第1の電磁鋼板20の方向により近づくことになる。したがって、積層体3が漏れ磁束をより確実に補足することが可能となる。
以上、本実施形態によれば、巻鉄心1に生ずる鉄損を低減することが可能となる。また、本実施形態に係る巻鉄心1により、巻鉄心1を用いて製造した変圧器の騒音を抑制することが可能となる。すなわち、積層体3が、屈曲部22の側面の少なくとも一方の面に、積層体3の第2の電磁鋼板30の側面が屈曲部22の第1の電磁鋼板20の側面に沿うように配置されているため、屈曲部22で生じる漏れ磁束は、一の辺部21から積層体3を通った後、当該積層体3と接続された他の辺部21を通ることが可能となる。その結果、巻鉄心1に生ずる騒音を低減することが可能となる。
本実施形態に係る巻鉄心は、変圧器に適用可能である。本実施形態に係る変圧器は、本実施形態に係る巻鉄心と、1次巻線と、2次巻線とを備える。1次巻線に交流電圧が印加されることにより、本実施形態に係る巻鉄心に磁束が生じ、生じた磁束の変化により、2次巻線に電圧が生じる。当該巻鉄心が有する積層体は、屈曲部の側面の少なくとも一方の面に、積層体の第2の電磁鋼板の側面が屈曲部の第1の電磁鋼板の側面に沿うように配置されているため、本実施形態に係る巻鉄心に生じた磁束の巻鉄心外への漏れが抑制される。その結果、巻鉄心に生ずる鉄損を低減することが可能となり、また、変圧器の騒音を抑制することが可能となる。
<2.変形例>
以上、本発明の一実施形態を説明した。以下では、本発明の上記実施形態の幾つかの変形例を説明する。なお、以下に説明する各変形例は、単独で本発明の上記実施形態に適用されてもよいし、組み合わせで本発明の上記実施形態に適用されてもよい。また、各変形例は、本発明の上記実施形態で説明した構成に代えて適用されてもよいし、本発明の上記実施形態で説明した構成に対して追加的に適用されてもよい。
上述した実施形態では、コア部材における側面外周が八角形の場合を説明したが、本発明は、これに限定されない。コア部材における側面外周は、多角形、角丸方形、長円形、または楕円形等とすることができる。この場合、屈曲部は、隣り合う一の辺部と他の辺部との間に位置し、一の辺部における第1の電磁鋼板及び他の辺部における第1の電磁鋼板の延在方向に対して、第1の電磁鋼板が屈曲して積層された部分である。図6及び図7を参照して、コア部材における側面外周を説明する。図6は、本実施形態に係るコア部材における屈曲部の別の一例を説明するための、コア部材の側面の一部を示す拡大平面図である。図7は、本実施形態に係るコア部材における屈曲部の別の一例を説明するための、コア部材の側面の一部を示す拡大平面図である。
例えば、図6に示す屈曲部22Aにおける第1の電磁鋼板20は、一の辺部21Aにおける第1の電磁鋼板20及び他の辺部21Aにおける第1の電磁鋼板20の延在方向に対して、第1の電磁鋼板20の側面側から見たときに、その外周に3つの角部24Aを有するように屈曲されている。この結果、コア部材2Aは、第1の電磁鋼板20の側面側から見たときに、その外周に12の角部24Aを有する十二角形をなす。例えば、図6に示したコア部材2Aでは、隅部23Aと角部24Aとを結ぶ直線部分で第1の電磁鋼板20が屈曲するため、コア部材2を通る磁束は、当該部分で漏れやすい。しかしながら、本実施形態に係る積層体は、屈曲部22Aの側面の少なくとも一方の面に、積層体の第2の電磁鋼板30の側面が屈曲部22Aの第1の電磁鋼板20の側面に沿うように配置されている。そのため、屈曲部22Aで生じる漏れ磁束は、一の辺部21Aから本実施形態に係る積層体を通った後、当該積層体と接続された他の辺部21Aを通ることが可能となる。その結果、巻鉄心に生ずる鉄損を低減することが可能となる。
また、例えば、図7に示すコア部材2Bは、第1の電磁鋼板20が湾曲して巻き回され、屈曲部22Bが円弧状となるように形成されている。屈曲部22Bは、円弧状の第1の電磁鋼板20が積層された領域である。コア部材2Bを通る磁束は、屈曲部22Bから漏れやすい。しかしながら、本実施形態に係る積層体は、屈曲部22Bの側面の少なくとも一方の面に、積層体の第2の電磁鋼板30の側面が屈曲部22Bの第1の電磁鋼板20の側面に沿うように配置されている。そのため、屈曲部22Bで生じる漏れ磁束は、一の辺部21Bから本実施形態に係る積層体を通った後、当該積層体と接続された他の辺部21Bを通ることが可能となる。その結果、巻鉄心に生ずる鉄損を低減することが可能となる。
また、本実施形態では、コア部材における側面内周が四角形の場合を説明したが、本発明は、これに限定されず、コア部材における側面内周は、多角形、角丸方形、長円形、または楕円形等とすることができる。例えば、コア部材の側面内周は、側面外周の形状に応じた形状とすることができ、例えば、コア部材の側面外周が八角形の場合、側面内周を八角形とすることができ、コア部材の側面外周が角丸方形の場合、側面内周を角丸方形とすることができる。コア部材における側面内周は、コア部材の側面外周と異なる形状であってもよい。この場合においても、先立って説明したように、屈曲部は、隣り合う一の辺部と他の辺部との間に位置し、一の辺部における第1の電磁鋼板及び他の辺部における第1の電磁鋼板の延在方向に対して、第1の電磁鋼板が屈曲して積層された部分である。
また、本実施形態では、コア部材の辺部を構成する第1の電磁鋼板が直線状である場合を説明したが、コア部材の辺部を構成する第1の電磁鋼板は、直線状でなくてもよく、湾曲していてもよい。この場合、コア部材において曲率が大きい部分を屈曲部とし、曲率が小さい部分を辺部とすることができる。辺部が湾曲したコア部材の形状は、例えば、円形、または楕円形となる。
また、本実施形態では、積層体の形状が、四角形の板状である場合を説明したが、積層体の形状は、特段制限されず、屈曲部の側面の形状に応じた形状にすることができる。
また、本実施形態では、積層体が、平板上の第2の電磁鋼板が積層されたものである場合を説明したが、第2の電磁鋼板は、平板に限られず、湾曲したものであってもよい。屈曲部における第1の電磁鋼板の積層面の形状に応じて、湾曲した第2の電磁鋼板を用いて形成された積層体を屈曲部の側面に配置することができる。これにより、積層体は、屈曲部で生じる漏れ磁束をより効果的に捕捉することが可能となる。その結果、生じる鉄損をより低減することが可能となる。
また、本実施形態では、積層体が貫通孔を有する場合を説明したが、本発明は、図示の態様に限定されず、例えば、貫通孔を有しない積層体をコア部材に固定するための治具が用いられてもよいし、治具に代えて、既存の各種接着剤を使用して、積層体をコア部材の側面に接着することができる。接着剤を使用する場合は、その接着剤は、絶縁性を有するものであることが好ましい。
以下に、実施例を示しながら、本発明の実施形態について、具体的に説明する。なお、以下に示す実施例は、本発明のあくまでも一例であって、本発明が、下記の例に限定されるものではない。
厚みが0.23mmの方向性電磁鋼板を巻き回し、4隅に屈曲部を有するコア部材を作製した。このコア部材の4つの屈曲部それぞれを挟み込むように、(方向性、無方向性)電磁鋼板を積層した積層体を、積層体の積層面が、屈曲部における第1の電磁鋼板の積層面と平行となるように配置して、巻鉄心を製造し、この巻鉄心を用いてトランスを製造した。
上記の方法で、表1に示すように、25kVA〜750kVAのトランスを製造して、それぞれの鉄損と、騒音の評価として音圧を測定した。表1に、製造した各巻鉄心の容量、コア部材の形状、トランス総重量、第1の電磁鋼板20からなるコア部材2の重量、コア寸法(縦、横、積層厚さ、幅)、鉄損、うなり音、及び第1の電磁鋼板20の厚みTに対する第2の電磁鋼板30の厚みTの比T/Tの値を示す。なお、トランス総重量は、ケース、巻線、コア部材2、積層体3等を含めた総重量である。比較例として、実施例と同様に厚みが0.23mmの方向性電磁鋼板を巻き回して4隅に屈曲部を有するコア部材を作製し、積層体は配置せずに巻鉄心とした比較例1〜6と、積層体を配置してT/Tを1.0以上として巻鉄心とした比較例7、8を用意した。そして、この巻鉄心を用いてトランスを製造した。
上記したように、実施例としてのトランスと、比較例としてのトランスとでは、積層体の有無の点で異なる。実施例1と比較例1とは、積層体の有無の点以外の条件は共通しており、同様に実施例2〜6は、それぞれ比較例2〜6と積層体の有無の点以外の条件は共通している。また、比較例7,8は、積層体を設けた場合に、第1の電磁鋼板20の厚みTに対する第2の電磁鋼板30の厚みTの比T/Tを実施例と異ならせた例を示している。実施例1と比較例7とは、第1の電磁鋼板20の厚みTに対する第2の電磁鋼板30の厚みTの比T/T以外の条件は共通している。また、実施例6と比較例8とは、第1の電磁鋼板20の厚みTに対する第2の電磁鋼板30の厚みTの比T/T以外の条件は共通している。なお、表1において、角丸方形とは、角部に折り曲げ部がなく、ある曲率をもって曲がっている形状であり、例えば図7に示す形状をいう。鉄損(無負荷損)、及び音圧の測定はJEC−2200に基づいて行った。
Figure 2020071512
実施例1と比較例1とを比較すると、実施例1の鉄損は28.1Wであり、比較例1の鉄損30.9Wよりも小さくなった。また、実施例1の音圧の値は、40.0dBであり、比較例1の音圧の値44.0dBと比較して小さな値であった。同様に、実施例2〜実施例6をそれぞれ比較例2〜比較例6と比較したところ、いずれについても、実施例のトランスの方が、鉄損及び音圧の値は小さくなった。
また、実施例1と比較例7を比較すると、実施例1の鉄損は28.1Wであり、比較例7の鉄損29.8Wよりも小さくなった。また、実施例1の音圧の値は、40.0dBであり、比較例7の音圧の値42.1dBと比較して小さな値であった。
また、実施例6と比較例8を比較すると、実施例6の鉄損は47.2Wであり、比較例8の鉄損50.3Wよりも小さくなった。また、実施例6の音圧の値は、47.2dBであり、比較例8の音圧の値50.3dBと比較して小さな値であった。
以上、本発明によれば、鉄損が低減された、巻鉄心及び変圧器を提供することが可能となる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
1 巻鉄心
2、2A、2B コア部材
20 第1の電磁鋼板
21、21A、21B 辺部
22、22A、22B 屈曲部
23 隅部
24 角部
3 積層体
30 第2の電磁鋼板
4 治具
41 支持柱41
42 固定板
43 外板
44 内板
45 ボルト
46 ナット
50 歪領域

Claims (10)

  1. 第1の電磁鋼板が巻かれて形成され、側面から見て環状であって、側面から見て1以上の屈曲部を有するコア部材と、
    第2の電磁鋼板が積層された1以上の積層体と、
    を備え、
    前記積層体は、前記コア部材の前記屈曲部における前記第1の電磁鋼板の側面で形成される面の少なくとも一方に、前記第2の電磁鋼板の側面で形成される面が沿うように配置されている、巻鉄心。
  2. 前記積層体の前記第2の電磁鋼板の積層面の方向は、前記コア部材の前記第1の電磁鋼板の積層面の方向に沿っている、請求項1に記載の巻鉄心。
  3. 前記コア部材を前記第1の電磁鋼板の面に沿う方向から見た側面の少なくとも一方において、前記屈曲部における内周部の中点と、前記屈曲部における外周部の中点と、を結ぶ直線に対する、前記第2の電磁鋼板の積層面の角度は、45度以上90度以下である、請求項1又は2に記載の巻鉄心。
  4. 前記コア部材は、前記コア部材を側面から見たときに角部を有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の巻鉄心。
  5. 前記コア部材を側面から見たときの前記コア部材の形状は、八角形である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の巻鉄心。
  6. 前記第2の電磁鋼板の厚みは、前記第1の電磁鋼板の厚みと同一、または前記第1の電磁鋼板の厚みより小さい、請求項1〜5のいずれか1項に記載の巻鉄心。
  7. 前記第1の電磁鋼板の厚みをT、前記第2の電磁鋼板の厚みをTとした時、T/Tの比が0.5以上1.0以下である、請求項6に記載の巻鉄心。
  8. 前記第2の電磁鋼板は、互いに絶縁されている、請求項1〜7のいずれか1項に記載の巻鉄心。
  9. 前記コア部材と前記積層体は、互いに絶縁されている、請求項1〜8のいずれか1項に記載の巻鉄心。
  10. 第1の電磁鋼板が巻き回されて形成され、側面から見て環状であって、側面から見て1以上の屈曲部を有するコア部材と、
    第2の電磁鋼板が積層された1以上の積層体と、
    を備え、
    前記積層体は、前記コア部材の前記屈曲部における前記第1の電磁鋼板の側面で形成される面の少なくとも一方に、前記第2の電磁鋼板の側面で形成される面が沿うように配置されている、変圧器。
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