JPWO2020065875A1 - 渦電流を利用した材質異常部検知方法および材質異常部検知装置 - Google Patents

渦電流を利用した材質異常部検知方法および材質異常部検知装置 Download PDF

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Abstract

この材質異常部検知方法は、非磁性導電体である板材を準備する準備工程と;第1渦流センサを前記板材の一方の面側に対して中心軸が略垂直な方向に延びるように対向配置する第1渦流センサ配置工程と;前記第1渦流センサに第1交流電流を通電させることにより、交流磁界を該一方の面に作用させて前記板材に渦電流を誘起する第1渦流センサ励起工程と;該渦電流によって生じる磁束を検出する第1渦流センサ検出工程と;第2渦流センサを前記板材の前記一方の面と反対側に位置する他方の面側に対して中心軸が略垂直な方向に延びるように対向配置する第2渦流センサ配置工程と;前記第2渦流センサに第2交流電流を通電させることにより、交流磁界を該他方の面に作用させて前記板材に渦電流を誘起する第2渦流センサ励起工程と;該渦電流によって生じる磁束を検出する第2渦流センサ検出工程と;を有し、前記第1渦流センサ励起工程及び前記第2渦流センサ励起工程では、同一時点における、前記第1渦流センサが前記板材の前記一方の面に作用させる交流磁界の中心軸の向きと、前記第2渦流センサが前記板材の前記他方の面に作用させる交流磁界の中心軸の向きとが一致するように渦電流を誘起し、さらに、前記第1渦流センサ及び前記第2渦流センサを、前記板材を挟んで略同一直線上に配置する。

Description

本発明は、渦電流を利用した材質異常部検知方法および材質異常部検知装置に関する。特に、本発明は、渦流センサによって非磁性導電体の板材内に生成される磁束の広がりを抑制することで、該板材の異常部を高感度に検知することが可能な渦電流を利用した材質異常部検知方法および材質異常部検知装置に関する。
導電性材料から形成された板材などの被探傷材の健全性を管理・保証する手法の一つとして渦流探傷法が知られている。渦流探傷法は、渦流センサが具備する励磁コイルで被探傷材に交流磁界を作用させて該被探傷材に渦電流を誘起し、きずにより渦電流の経路が変化することを渦流センサが具備する検出コイルのインピーダンス変化として検出する手法である。
渦流探傷法できず検出感度を高めるには、被探傷材内に所望する渦電流分布を如何に実現するかが重要である。具体的には、以下の事項が重要である。
(1)被探傷材に効率良く渦電流を誘起するには、被探傷材に作用させる交流磁界を効率良く被探傷材に到達させる必要がある。
(2)検出することが必要なきずの最小寸法に応じて設計された渦流センサが、設計通りに渦流センサ直下に渦電流を誘起するには、渦流センサによって生成される交流磁界が広がりを持たずに被探傷材に入り、被探傷材内に生成される磁束の広がりが抑制されることが重要である。
上記の(1)、(2)の事項を満足するには、渦流センサと被探傷材との間の距離であるリフトオフは小さければ小さいほどよい。また、リフトオフの変動は、渦流センサと被探傷材との結合インピーダンスを変化させて、不要な信号変動、すなわちノイズの発生要因となるため、これも小さければ小さいほどよい。
すなわち、渦流探傷法できず検出感度を高めるには、渦流センサは可能な限り被探傷材に近づけ、被探傷材との距離変動の無い状態にすることが好ましい。
上記の観点から、これまでにも種々の渦流探傷装置が提案されている。例えば、特許文献1には、検査対象物の移送手段に配置する非破壊検査装置が開示されている。この非破壊検査装置は、前記検査対象物の下面または上面のいずれか一面に接触するように非導電性のシートを配するギャップ保持手段と、該ギャップ保持手段のシートを検査対象物とで挟み込む渦流探傷のプローブとを備え、前記ギャップ保持手段はシートの厚みでプローブ先端から検査対象物までのギャップを一定にし、検査対象物の移送中に非破壊検査を行うように構成している。
特許文献1に記載の装置によれば、非導電性のシートとして、例えば厚みが上限である0.5mm程度のシートを用いれば、一般的には十分と認識される程度に渦流センサ(特許文献1ではプローブ)を被探傷材(特許文献1では検査対象物)に近づけることができ、なお且つ、その距離変動を抑制することが可能である、とされている。
しかしながら、本発明者らは、鋭意検討した結果、被探傷材が厚み0.5mmの薄板であり、渦流センサと被探傷材とのリフトオフが0.5mmであったとしても、渦流センサによって被探傷材内に生成される磁束に渦流センサの寸法を超える広がりが生じてしまうことを知見した。また、被探傷材に誘起された渦電流のシールド効果によって、被探傷材の渦流センサを配置した側の面に生成される磁束密度に比べ、渦流センサを配置した側の面と反対側の面に生成される磁束密度が著しく低下することを知見した。これらの事象により、所望するきず検出感度が得られない場合があることがわかった。
日本国特開2011−180010号公報
本発明は、上記従来技術の問題点を解決するべくなされたものであり、渦流センサによって非磁性導電体の板材内に生成される磁束の広がりを抑制することで、該板材の異常部を高感度に検知することが可能な材質異常部検知方法及び材質異常部検知装置を提供することを課題とする。
本発明は、上記課題を解決して係る目的を達成するために、以下の態様を採用した。
(1)本発明の一態様に係る材質異常部検知方法では、非磁性導電体である板材を準備する準備工程と;第1渦流センサを前記板材の一方の面側に対して中心軸が略垂直な方向に延びるように対向配置する第1渦流センサ配置工程と;前記第1渦流センサに第1交流電流を通電させることにより、交流磁界を該一方の面に作用させて前記板材に渦電流を誘起する第1渦流センサ励起工程と;該渦電流によって生じる磁束を検出する第1渦流センサ検出工程と;第2渦流センサを前記板材の前記一方の面と反対側に位置する他方の面側に対して中心軸が略垂直な方向に延びるように対向配置する第2渦流センサ配置工程と;前記第2渦流センサに第2交流電流を通電させることにより、交流磁界を該他方の面に作用させて前記板材に渦電流を誘起する第2渦流センサ励起工程と;該渦電流によって生じる磁束を検出する第2渦流センサ検出工程と;を有し、前記第1渦流センサ励起工程及び前記第2渦流センサ励起工程では、同一時点における、前記第1渦流センサが前記板材の前記一方の面に作用させる交流磁界の中心軸の向きと、前記第2渦流センサが前記板材の前記他方の面に作用させる交流磁界の中心軸の向きとが一致するように渦電流を誘起し、さらに、前記第1渦流センサ及び前記第2渦流センサを、前記板材を挟んで略同一直線上に配置する。
(2)上記(1)に記載の材質異常部検知方法では、前記第1渦流センサ配置工程及び前記第2渦流センサ配置工程では、前記第1渦流センサ及び前記板材の前記一方の面との距離と、前記第2渦流センサ及び前記板材の前記他方の面との距離を略同一に設定し、前記各距離を0〜2.0mmに設定してもよい。
(3)上記(1)又は(2)に記載の材質異常部検知方法では、前記第1渦流センサ励起工程及び前記第2渦流センサ励起工程では、前記第1交流電流の周波数と前記第2交流電流の周波数とを、略同一に設定し、さらに、前記第1交流電流の位相と前記第2交流電流の位相とを、一致するように設定してもよい。
(4)本発明の別の一態様に係る材質異常部検知装置は、上記(1)〜(3)のいずれか一項に記載の材質異常部検知方法により板材の異常部を検知する手段を備える。
本発明によれば、渦流センサによって非磁性導電体の板材内に生成される磁束の広がりを抑制することで、該板材の異常部を高感度に検知することが可能である。
本発明の一実施形態に係る材質異常部検知装置100の概略構成を示す図であり、板材Sの長手方向(X方向)から見た側面図である。 図1Aを板材Sの幅方向(Y方向)から見た正面図である。 同実施形態の、第1渦流センサ1が作用させる交流磁界(中心磁界H1)と、第2渦流センサ2が作用させる交流磁界(中心磁界H2)との関係を模式的に示すグラフである。 比較例について算出された所定の時点での磁束の分布を示す正面図であり、第1渦流センサ1のみを備える場合を示す。 比較例について算出された所定の時点での磁束の分布を示す正面図であり、第2渦流センサ2のみを備える場合を示す。 図2Aに示す場合において、板材Sの表面S1に生成される磁束密度の分布のイメージを示す図である。 図2Aに示す場合において、板材Sの裏面S2に生成される磁束密度の分布のイメージを示す図である。 本発明の一実施形態に係る実施例について算出された所定の時点での磁束の分布を示す正面図である。 本発明の一実施形態に係る実施例において、板材Sの表面S1に生成される磁束密度の分布のイメージを示す図である。 本発明の一実施形態に係る実施例において、板材Sの裏面S2に生成される磁束密度の分布のイメージを示す図である。 本発明の他の実施形態に係る材質異常部検知装置400の概略構成を示す正面図であり、被試験材が管材Pである場合を示す。 図6Aを管材Pの長手方向(X方向)から見た側面図である。
以下、添付図面を適宜参照しつつ、本発明の一実施形態に係る材質異常部検知方法および材質異常部検知装置について説明する。本実施形態では、被試験材が板材である場合を例に挙げて説明する。まず、非磁性導電体である板材を準備する(板材の準備工程)。板材としては、例えば非磁性導電体であるチタン合金製の薄板を挙げることができる。非磁性導電体とは、主に金属からなる、電気を通す性質のある物質で、透磁率などの磁気特性が、ほぼ真空のそれと等しいものを指す。非磁性体の場合、磁性体に比べて磁場が浸透しやすく、一般的には、非磁性体の侵入長は磁性体の侵入長に比べて10倍以上となり、深部を検知することができる。その他の板材としては、ステンレス合金などの非磁性体から形成された薄板でもよいし、強磁性導電体から形成された薄板であっても透磁率を下げるために十分に磁気飽和された状態であればよい。
図1A及び図1Bは、本発明の一実施形態に係る材質異常部検知装置100の概略構成を示す図である。図1Aは、本実施形態に係る材質異常部検知装置100を板材Sの長手方向(X方向)から見た側面図である。図1Bは、本実施形態に係る材質異常部検知装置100を板材Sの幅方向(Y方向)から見た正面図である。図1Cは、材質異常部検知装置100が備える第1渦流センサ1が作用させる交流磁界(中心磁界H1)と、材質異常部検知装置100が備える第2渦流センサ2が作用させる交流磁界(中心磁界H2)との関係を模式的に示すグラフである。
図1A及び図1Bに示すように、本実施形態に係る材質異常部検知装置100は、第1渦流センサ1と、第2渦流センサ2とを備えている。また、本実施形態に係る材質異常部検知装置100は、第1交流電源3と、第2交流電源4とを備えている。
第1渦流センサ1は、板材Sの表面(上面)S1側に対して中心軸が略垂直な方向に延びるように対向配置され(第1渦流センサ配置工程)、表面S1に対して中心軸が略垂直な方向に延びる交流磁界(中心磁界H1)を表面S1に作用させて板材Sに渦電流を誘起し(第1渦流センサ励起工程)、該渦電流によって生じる磁束を検出する(第1渦流センサ検出工程)。具体的には、第1渦流センサ1は、板材Sの表面S1に対して略垂直な方向周りに巻回されたコイル11を具備する。なお、第1渦流センサ1の中心軸が板材Sの表面S1に対して略垂直とは、板材Sの法線方向と第1渦流センサ1の中心軸とのなす角度が、5度以内であること、より望ましくは1度以内であることである。コイル11は、板材Sの表面S1に交流磁界を作用させる励磁コイルとして機能すると共に、板材Sに誘起された渦電流によって生じる磁束を検出する検出コイルとしても機能する。すなわち、第1渦流センサ1は、励磁コイルと検出コイルとが同じ一つのコイル11で構成された自己誘導方式の渦流センサである。ただし、本発明の一実施形態に係る第1渦流センサ1は、これに限るものではない。例えば、板材Sの表面S1に対して略垂直な方向周りに互いに同心状に配置された励磁コイル及び検出コイルを具備する等、励磁コイルと検出コイルとが別体とされた相互誘導方式の渦流センサを採用することも可能である。
第2渦流センサ2は、板材Sの表面S1と反対側に位置する裏面(下面)S2側に対して中心軸が略垂直な方向に延びるように対向配置され(第2渦流センサ配置工程)、裏面S2に対して中心軸が略垂直な方向に延びる交流磁界(中心磁界H2)を裏面S2に作用させて板材Sに渦電流を誘起し(第2渦流センサ励起工程)、該渦電流によって生じる磁束を検出する(第2渦流センサ検出工程)。具体的には、第2渦流センサ2は、板材Sの裏面S2に対して略垂直な方向周りに巻回されたコイル21を具備する。なお、第2渦流センサ2の中心軸が板材Sの裏面S2に対して略垂直とは、板材Sの法線方向と第2渦流センサ2の中心軸とのなす角度が、5度以内であること、より望ましくは1度以内であることである。第2渦流センサ2は、第1渦流センサ1と同様に、励磁コイルと検出コイルとが同じ一つのコイル21で構成された自己誘導方式の渦流センサである。ただし、第1渦流センサと同様に、本発明の一実施形態に係る第2渦流センサ2は、これに限るものではない。例えば、励磁コイルと検出コイルとが別体とされた相互誘導方式の渦流センサを採用することも可能である。
第1渦流センサ1及び第2渦流センサ2は、図1A及び図1Bに示すように、板材Sを挟んで略同一直線上に配置されている。具体的には、第1渦流センサ1が具備するコイル11の中心軸(中心磁界H1が通る軸)と、第2渦流センサ2が具備するコイル21の中心軸(中心磁界H2が通る軸)とが略一致するように、第1渦流センサ1及び第2渦流センサ2は、板材Sを挟んで上下に配置されている。なお、第1渦流センサ1及び第2渦流センサ2が板材Sを挟んで略同一直線上に配置とは、第1渦流センサ1が具備するコイル11と第2渦流センサ2が具備するコイル21が略円形断面の場合、各コイルの中心軸間のずれ量が、各コイルの直径の1/4よりも小さい範囲にあることである。第1渦流センサ1が具備するコイル11と第2渦流センサ2が具備するコイル21が略矩形断面の場合、短辺および長辺それぞれの方向の許容ずれ量が、各々の辺の長さの1/4よりも小さい範囲にあることである。
なお、第1渦流センサ1及び第2渦流センサ2が相互誘導方式の渦流センサである場合には、第1渦流センサ1及び第2渦流センサ2がそれぞれ具備する各励磁コイルの各中心軸が板材Sを挟んで略同一直線上に配置されると共に、第1渦流センサ1及び第2渦流センサ2がそれぞれ具備する各検出コイルの各中心軸が板材Sを挟んで略同一直線上に配置されることになる。なお、第1渦流センサ1及び第2渦流センサ2の各励磁コイルの各中心軸及び各検出コイルの各中心軸が板材Sを挟んで略同一直線上に配置とは、第1渦流センサ1及び第2渦流センサ2がそれぞれ具備するコイルが略円形断面の場合、各コイルの中心軸間のずれ量が、各コイルの直径の1/4よりも小さい範囲にあることである。第1渦流センサ1及び第2渦流センサ2がそれぞれ具備するコイルが略矩形断面の場合、短辺および長辺それぞれの方向の許容ずれ量が、各々の辺の長さの1/4よりも小さい範囲にあることである。
このような配置により、第1渦流センサ1が作用させる交流磁界と、第2渦流センサ2が作用させる交流磁界とは、上記の同一直線(コイルの中心軸)に対して板材Sの面において線対称な分布となる。
このため、板材Sの一方の面及び他方の面に沿った方向の成分に関し、第1渦流センサ1が作用させる交流磁界の成分と第2渦流センサ2が作用させる交流磁界の成分とは互いに逆向きで相殺される部分が増える結果、板材Sに生成される一方の面及び他方の面に沿った方向の磁束の成分はより一層小さくなる。
したがい、上記の好ましい構成によれば、従来のように第1渦流センサ又は第2渦流センサを単独で用いた場合と比べると、板材S内に生成される磁束の広がりがより一層抑制され、板材S内に生成される磁束密度(板材Sの一方の面及び他方の面に対して略垂直な方向の磁束密度)が大きくなることで、板材Sの異常部をより一層高感度に検知することが可能である。なお、板材S内に生成される磁束の広がりとは、板材Sの一方の面及び他方の面に沿った方向の広がりである。渦流センサの平面視形状が円形である場合には、等方的(軸対称的)な広がりで、渦流センサの平面視形状が矩形である場合には、矩形を構成する各辺に沿った広がりである。
第1交流電源3は、第1渦流センサ1(コイル11)に電気的に接続され、第1渦流センサ1に第1交流電流を通電する。これにより、前述のように、板材Sの表面S1に作用する交流磁界(中心磁界H1)が生成されることになる。
同様に、第2交流電源4は、第2渦流センサ2(コイル21)に電気的に接続され、第2渦流センサ2に第2交流電流を通電する。これにより、前述のように、板材Sの裏面S2に作用する交流磁界(中心磁界H2)が生成されることになる。
ここで、第1交流電源3から通電される交流電流と、第2交流電源4から通電される交流電流とは、周波数が同一に設定されると共に、位相が一致するように所定の同期手段(図示せず)によって同期されている。また、好ましくは、各交流電流の振幅値も同一に設定される。
そして、第1渦流センサ1が具備するコイル11の巻回方向と、第2渦流センサ2が具備するコイル21の巻回方向とは同一にされている。
以上の構成により、図1Cに示すように、同一時点(例えば、時点t)における、第1渦流センサ1が板材Sの表面S1に作用させる交流磁界の中心軸の向き(中心磁界H1の向き)と、第2渦流センサ2が板材Sの裏面S2に作用させる交流磁界の中心軸の向き(中心磁界H2の向き)とが一致することになる。図1Cにおいて、例えば、中心磁界H1、H2が下向きの場合を正とし、上向きの場合を負とすると、時点tでは、中心磁界H1、H2の双方が下向きになっている。他の時点についても、中心磁界H1、H2の向きは同一である。
このため、板材の一方の面及び他方の面に対して略垂直な方向の成分に関し、第1渦流センサが作用させる交流磁界の成分と第2渦流センサが作用させる交流磁界の成分とは互いに強め合う。その結果、板材に生成される一方の面及び他方の面に対して略垂直な方向の磁束の成分も大きくなる。
一方、板材の一方の面及び他方の面に沿った方向の成分に関し、第1渦流センサが作用させる交流磁界の成分と第2渦流センサが作用させる交流磁界の成分とは互いに逆向きで相殺される部分がある。その結果、板材に生成される一方の面及び他方の面に沿った方向の磁束の成分は小さくなる。
したがい、本実施形態に係る材質異常部検知装置によれば、従来のように第1渦流センサ又は第2渦流センサを単独で用いた場合と比べると、板材S内に生成される磁束の広がりがより一層抑制され、板材S内に生成される磁束密度(板材Sの一方の面及び他方の面に対して略垂直な方向の磁束密度)が大きくなることで、板材Sの異常部をより一層高感度に検知することが可能である。なお、板材S内に生成される磁束の広がりとは、板材Sの一方の面及び他方の面に沿った方向の広がりである。渦流センサの平面視形状が円形である場合には、等方的(軸対称的)な広がりで、渦流センサの平面視形状が矩形である場合には、矩形を構成する各辺に沿った広がりである。
なお、第1渦流センサ1と板材Sの表面S1との間の距離(リフトオフ)と、第2渦流センサ2と板材Sの裏面S2との間の距離(リフトオフ)とは略同一に設定されることが好ましい。各リフトオフの値は、異常部の存在が高感度に検出できる範囲の離間距離として、0〜2.0mm程度に設定されることが好ましい。各リフトオフを一定の値に維持するには、例えば、特許文献1に記載の非導電性のシートを、第1渦流センサ1及び板材Sの表面S1との間と、第2渦流センサ2及び板材Sの裏面S2との間との双方に介在させる手段を設けてもよい。
また、本実施形態に係る材質異常部検知装置によって異常部を検知する被試験材を管材とすることも可能である。被試験材が管材である場合、「一方の面に対して中心軸が略垂直な方向に延びる交流磁界」とは、管材の外面(又は内面)の接平面に対して中心軸が略垂直な方向に延びる交流磁界を意味する。また、「他方の面に対して中心軸が略垂直な方向に延びる交流磁界」とは、管材の内面(又は外面)の接平面に対して中心軸が略垂直な方向に延びる交流磁界を意味する。なお、管材の外面(又は内面)の接平面に対して中心軸が略垂直とは、管材の外面(又は内面)の接平面の法線方向と渦流センサの中心軸とのなす角度が、5度以内であること、より望ましくは1度以内であることである。
なお、本実施形態では、第1交流電源3から通電される交流電流と第2交流電源4から通電される交流電流との周波数を同一に設定すると共に、位相が一致するように同期させる。これにより、同一時点における中心磁界H1の向きと中心磁界H2の向きとを一致させているが、本発明はこれに限るものではない。
例えば、第1渦流センサ1が具備するコイル11と、第2渦流センサ2が具備するコイル21とを直列接続し、この直列接続された両コイル11、21に単一の交流電源を接続することによっても、同一時点における中心磁界H1の向きと中心磁界H2の向きとを一致させることが可能である。
以下、本実施形態に係る材質異常部検知装置100によって得られる効果を電磁場解析によって評価した結果の一例について説明する。
<比較例>
最初に、比較例として、第1渦流センサ1及び第2渦流センサ2のうち、何れか一方の渦流センサのみを備える従来の渦流探傷装置によって生成される磁束を電磁場解析によって算出した結果について説明する。
この比較例では、第1渦流センサ1が具備するコイル11及び第2渦流センサ2が具備するコイル21の平面視形状は矩形とし、板材Sの長手方向(X方向)に沿った前記矩形の辺の長さを5mm、板材Sの幅方向(Y方向)に沿った前記矩形の辺の長さを80mmに設定した。また、板材Sとして厚み0.5mmのチタン合金製の薄板(比透磁率1、導電率2.34×10[S/m])を設定し、第1渦流センサ1と板材Sの表面S1とのリフトオフ、又は、第2渦流センサ2と板材Sの裏面S2とのリフトオフを0.8mmに設定し、各渦流センサと板材Sとの間に空気が介在する条件で電磁場解析を行った。
図2A及び図2Bは、比較例について算出された所定の時点での磁束の分布を示す正面図である。図2Aは第1渦流センサ1のみを備える従来の渦流探傷装置によって生成される磁束の分布を、図2Bは第2渦流センサ2のみを備える従来の渦流探傷装置によって生成される磁束の分布を示す。図2A及び図2B中に示す矢印の向きは、磁束の向きを意味する。なお、図2A及び図2Bにおいては、第1交流電源3、第2交流電源4、コイル11、及びコイル21の図示を省略している。
図2Aに示すように、第1渦流センサ1の直下の領域(図中に破線で挟まれた領域)では、板材Sの長手方向(X方向)における第1渦流センサ1の端部に近づくにつれ、上下方向(Z方向)の成分よりも板材Sの長手方向(X方向)の成分の方が大きな磁束が存在することが分かる。同様に、図2Bに示すように、第2渦流センサ2の直上の領域(図中に破線で挟まれた領域)でも、板材Sの長手方向(X方向)における第2渦流センサ2の端部に近づくにつれ、上下方向(Z方向)の成分よりも板材Sの長手方向(X方向)の成分の方が大きな磁束が存在することが分かる。換言すれば、図2A及び図2Bで示す従来の渦流探傷装置では、渦流センサによって板材S内に生成される磁束に渦流センサの板材Sの長手方向(X方向)における寸法を超える広がりが生じてしまう。
なお、上記では、板材Sの長手方向(X方向)についての磁束の広がりを例に挙げて説明したが、板材Sの幅方向(Y方向)についても同様に渦流センサの板材Sの幅方向(Y方向)における寸法を超える磁束の広がりが生じている。
図3Aは、図2Aに示す従来の渦流探傷装置を用いる場合において、板材Sの表面S1に生成される磁束密度の分布のイメージを、図3Bは、図2Aに示す従来の渦流探傷装置を用いる場合において、板材Sの裏面S2に生成される磁束密度の分布のイメージを示す図である。図3A及び図3Bで用いられた交流磁場の周波数は、32kHzである。図3A及び図3Bはモノクロ表示であるが、実際には、図の右端に示すカラーバーに従い、磁束密度の大きさに応じた異なる色が付されて表示されている。なお、図3A及び図3Bに示す結果は、第1渦流センサ1の半分(板材Sの幅方向(Y方向)について半分)について得られた結果のみを示しているが、実際にはY方向の残りの半分についても同一の分布図が得られる。
図3A及び図3Bに示すように、第1渦流センサ1を配置した側の表面S1に生成される磁束密度(図3A)に比べ、反対側の裏面S2に生成される磁束密度(図3B)が著しく低下している。すなわち、図3Aに示す略矩形状の色の濃い領域S11の磁束密度は、図3Bに示す略矩形状の色の濃い領域S21の磁束密度よりも大きく、その大きな磁束密度に対応する色が色付けされている。このように、第1渦流センサ1を配置した側の表面S1に生成される磁束密度に比べ、反対側の裏面S2に生成される磁束密度が著しく低下しているのは、板材Sに誘起された渦電流のシールド効果が原因であると考えられる。
<実施例>
次に、実施例として、図1A及び図1Bに示す本実施形態に係る材質異常部検知装置100によって生成される磁束を電磁場解析によって算出した結果について説明する。
この実施例では、比較例と同様に、第1渦流センサ1が具備するコイル11及び第2渦流センサ2が具備するコイル21の平面視形状は矩形とし、板材Sの長手方向(X方向)に沿った前記矩形の辺の長さを5mm、板材Sの幅方向(Y方向)に沿った前記矩形の辺の長さを80mmに設定した。また、板材Sとして厚み0.5mmのチタン合金製の薄板(比透磁率1、導電率2.34×10[S/m])を設定し、第1渦流センサ1と板材Sの表面S1とのリフトオフ、及び、第2渦流センサ2と板材Sの裏面S2とのリフトオフを0.8mmに設定し、各渦流センサと板材Sとの間に空気が介在する条件で電磁場解析を行った。
図4は、本実施例について算出された所定の時点での磁束の分布を示す正面図である。図4は、第1渦流センサ1および第2渦流センサ2を備える材質異常部検知装置100によって生成される磁束の分布を示す。図4中に示す矢印の向きは、磁束の向きを意味する。なお、図4においては、第1交流電源3、第2交流電源4、コイル11、及びコイル21の図示を省略している。
図5Aは、本実施例において板材Sの表面S1に生成される磁束密度の分布のイメージを、図5Bは本実施例において板材Sの裏面S2に生成される磁束密度の分布のイメージを示す図である。図5A及び図5Bで用いられた交流磁場の周波数は、32kHzである。図5A及び図5Bはモノクロ表示であるが、実際には、図の右端に示すカラーバーに従い、磁束密度の大きさに応じた異なる色が付されて表示されている。なお、図5A及び図5Bに示す結果は、第1渦流センサ1及び第2渦流センサ2の半分(板材Sの幅方向(Y方向)について半分)について得られた結果のみを示しているが、実際にはY方向の残りの半分についても同一の分布図が得られる。
板材Sの表面S1及び裏面S2に対して略垂直な方向である上下方向(Z方向)の成分に関し、第1渦流センサ1の直下の領域及び第2渦流センサ2の直上の領域(図4中の破線で挟まれた領域)において、第1渦流センサ1が作用させる交流磁界の成分と第2渦流センサ2が作用させる交流磁界の成分とは互いに強め合う。
一方、板材Sの表面S1及び裏面S2に沿った方向(X方向及びY方向)の成分に関し、第1渦流センサ1の直下の領域外及び第2渦流センサ2の直上の領域外(図4中の破線で挟まれた領域外)において、第1渦流センサ1が作用させる交流磁界の水平(図4の紙面左右方向)成分と第2渦流センサ2が作用させる交流磁界の水平(図4の紙面左右方向)成分とは互いに逆向きで相殺される。図2Aと図2Bとを対比して参照すれば、板材Sの長手方向(X方向)の成分に関し、第1渦流センサ1の直下の領域外及び第2渦流センサ2の直上の領域外(図4中の破線で挟まれた領域外)において、第1渦流センサ1が作用させる交流磁界の水平(図4の紙面左右方向)成分と第2渦流センサ2が作用させる交流磁界の水平(図4の紙面左右方向)成分とが互いに逆向きで相殺されることは明らかである。
板材Sの幅方向(Y方向)に関しても同様であり、第1渦流センサ1の直下の領域外及び第2渦流センサ2の直上の領域外(図4中の破線で挟まれた領域外)において、第1渦流センサ1が作用させる交流磁界の水平(図4の紙面左右方向)成分と第2渦流センサ2が作用させる交流磁界の水平(図4の紙面左右方向)成分とが互いに逆向きで相殺されることになる。このことは、図3A及び図5Aに示す略矩形状の色の濃い領域S11のY方向の広がりの差異(図5Aに示す略矩形状の色の濃い領域S11の方がY方向の広がりが少ない)からも示唆される。
上記の結果、図4に示すように、第1渦流センサ1の直下及び第2渦流センサ2の直上の領域(図中に破線で挟まれた領域)において、板材Sに生成される上下方向(Z方向)の磁束の成分の方が、表面S1及び裏面S2に沿った方向(X方向及びY方向)の磁束の成分よりも大きくなる。また、図5A及び図5Bに示すように、第1渦流センサ1を配置した側の表面S1に生成される磁束密度(図5A参照)と、第2渦流センサ2を配置した側の裏面S2に生成される磁束密度(図5B参照)とは同等になる。すなわち、図5Aに示す略矩形状の色の濃い領域S11の磁束密度は、図5Bに示す略矩形状の色の濃い領域S21の磁束密度と同等であり、その磁束密度の大きさに対応する色が色付けされている。
ここで、磁束が材料内に浸透する深さ(侵入長)δについて説明する。磁束が材料内に浸透する深さδ(侵入長)は、以下の式で与えられる。
δ(m)=1/(π・f・μ・σ)1/2
π:3.14
f:周波数(本実施形態では、32kHz(32000Hz))
μ:透磁率(本実施形態では、4π×10−7) [H/m]
σ:導電率(本実施形態では、2.34×10) [S/m]
ここで、侵入長δは、過電流および磁束の大きさが材料の表面(最大値となる位置)に比べて約37%(1/e)となる深さを指す。
本実施形態の場合、侵入長δ=1.8×10−3=1.8mmとなる。この場合、侵入長δは、厚み0.5mmのチタン合金製の薄板において、侵入長が板厚に比べて十分深くなり、磁束が板の中心まで十分浸透する程度となる。周波数が、本実施形態の周波数よりも高ければ磁束が透過しにくくなり、低ければ磁束が透過しやすくなる。
以上のように、本実施例の材質異常部検知装置100によれば、第1渦流センサ1又は第2渦流センサ2を単独で用いた比較例の渦流探傷装置(図2A及び図2B参照)と比べると、板材S内に生成される磁束の広がり(板材Sの表面S1及び裏面S2に沿った方向の広がり)が抑制され、板材S内に生成される上下方向(Z方向)の磁束密度が大きくなることで、板材Sの異常部を高感度に検知することが可能であることが分かる。
なお、本実施形態では、被試験材が板材Sである場合を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限るものではなく、例えば、被試験材が管材である場合にも適用可能である。
図6A及び図6Bは、本発明の他の実施形態に係る材質異常部検知装置400の概略構成例を示す正面図であり、被試験材が管材Pである場合を示す。図6A及び図6Bにおいては、第1渦流センサ1に交流電流を通電する第1交流電源3(図1A及び図1B参照)及び第2渦流センサ2に交流電流を通電する第2交流電源4(図1A及び図1B参照)の図示を省略している。
図6A及び図6Bに示すように、被試験材が管材Pである場合、第1渦流センサ1は管材Pの外面P1側に対向配置され、外面P1に対して(外面P1の接平面に対して)中心軸が略垂直な方向に延びる交流磁界を外面P1に作用させる。第2渦流センサ2は管材Pの内面P2側に対向配置され、内面P2に対して(内面P2の接平面に対して)中心軸が略垂直な方向に延びる交流磁界を内面P2に作用させる。そして、第1渦流センサ1及び第2渦流センサ2は、管材P(管材Pの肉厚)を挟んで略同一直線上に配置される。なお、第1渦流センサ1及び第2渦流センサ2が管材P(管材Pの肉厚)を挟んで略同一直線上に配置とは、第1渦流センサ1及び第2渦流センサ2の各コイルの中心軸間のずれ量が、各コイルの直径の1/4よりも小さい範囲にあることである。
第1渦流センサ1は、例えば一軸ステージ5のステージ51に取り付けられ、管材Pの長手方向(X方向)に延びるガイドレール52に沿ってステージ51と共に移動する。同様に、第2渦流センサ2は、例えば一軸ステージ6のステージ61に取り付けられ、管材Pの長手方向(X方向)に延びるガイドレール62に沿ってステージ61と共に移動する。この際、第1渦流センサ1と第2渦流センサ2との相対的な位置関係は移動前後で維持される。そして、管材Pが軸周りに回転することで、第1渦流センサ1及び第2渦流センサ2によって、管材Pの全面が検知されることになる。
ただし、本実施形態はこれに限るものではなく、例えば、第1渦流センサ1及び第2渦流センサ2の位置を固定し、管材Pを長手方向に搬送しつつ軸周りに回転させることでも、管材Pの全面を検知可能である。
被試験材が管材Pである場合、管材Pの外面P1は平坦ではなく、管材Pの外面P1側に配置された第1渦流センサ1に向けて凸の円弧状に湾曲しているため、第1渦流センサ1の中心軸(第1渦流センサ1が具備するコイルの中心軸)におけるリフトオフ(第1渦流センサ1と管材Pの外面P1との距離)の方が、第1渦流センサ1の端部におけるリフトオフよりも小さくなる。同様に、管材Pの内面P2は平坦ではなく、管材Pの内面P2側に配置された第2渦流センサ2に向けて凹の円弧状に湾曲しているため、第2渦流センサ2の中心軸(第2渦流センサ2が具備するコイルの中心軸)におけるリフトオフ(第2渦流センサ2と管材Pの内面P2との距離)の方が、第2渦流センサ2の端部におけるリフトオフよりも大きくなる。
したがい、被試験材が管材Pであって、第1渦流センサ1及び第2渦流センサ2のうち何れか一方の渦流センサのみを備える場合には、渦流センサの中心軸と端部におけるリフトオフの差に起因して、渦流センサときずとの位置関係に応じて、きず検出感度が変動するおそれがある。しかしながら、図6A及び図6Bに示すように、第1渦流センサ1及び第2渦流センサ2の双方を備える材質異常部検知装置400の場合、第1渦流センサ1の中心軸と端部におけるリフトオフの差と、第2渦流センサ2の中心軸と端部におけるリフトオフの差とが互いに逆向きで相殺される。すなわち、第1渦流センサ1は中心軸におけるリフトオフの方が小さく、第2渦流センサ2は端部におけるリフトオフの方が小さくなるため、リフトオフの差に起因した異常部検知感度の変動が生じ難いという利点を有する。
本発明によれば、渦流センサによって非磁性導電体の板材内に生成される磁束の広がりを抑制することで、該板材の異常部を高感度に検知することが可能となる。よって、本発明は、産業上の利用可能性は大である。
1・・・第1渦流センサ
2・・・第2渦流センサ
3・・・第1交流電源
4・・・第2交流電源
100、400・・・材質異常部検知装置
S・・・板材(被試験材)
S1・・・表面(一方の面)
S2・・・裏面(他方の面)

Claims (4)

  1. 非磁性導電体である板材を準備する準備工程と;
    第1渦流センサを前記板材の一方の面側に対して中心軸が略垂直な方向に延びるように対向配置する第1渦流センサ配置工程と;
    前記第1渦流センサに第1交流電流を通電させることにより、交流磁界を該一方の面に作用させて前記板材に渦電流を誘起する第1渦流センサ励起工程と;
    該渦電流によって生じる磁束を検出する第1渦流センサ検出工程と;
    第2渦流センサを前記板材の前記一方の面と反対側に位置する他方の面側に対して中心軸が略垂直な方向に延びるように対向配置する第2渦流センサ配置工程と;
    前記第2渦流センサに第2交流電流を通電させることにより、交流磁界を該他方の面に作用させて前記板材に渦電流を誘起する第2渦流センサ励起工程と;
    該渦電流によって生じる磁束を検出する第2渦流センサ検出工程と;
    を有し、
    前記第1渦流センサ励起工程及び前記第2渦流センサ励起工程では、同一時点における、前記第1渦流センサが前記板材の前記一方の面に作用させる交流磁界の中心軸の向きと、前記第2渦流センサが前記板材の前記他方の面に作用させる交流磁界の中心軸の向きとが一致するように渦電流を誘起し、さらに、前記第1渦流センサ及び前記第2渦流センサを、前記板材を挟んで略同一直線上に配置する
    ことを特徴とする前記板材の異常部を検出する材質異常部検知方法。
  2. 前記第1渦流センサ配置工程及び前記第2渦流センサ配置工程では、前記第1渦流センサ及び前記板材の前記一方の面との距離と、前記第2渦流センサ及び前記板材の前記他方の面との距離を略同一に設定し、
    前記各距離を0〜2.0mmに設定する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の材質異常部検知方法。
  3. 前記第1渦流センサ励起工程及び前記第2渦流センサ励起工程では、前記第1交流電流の周波数と前記第2交流電流の周波数とを、略同一に設定し、さらに、前記第1交流電流の位相と前記第2交流電流の位相とを、一致するように設定することを特徴とする請求項1又は2に記載の材質異常部検知方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の材質異常部検知方法により板材の異常部を検知する手段を備えることを特徴とする材質異常部検知装置。
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