JPWO2020054603A1 - 有機溶剤回収システム - Google Patents

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Abstract

本発明の有機溶剤回収システムは、キャリアガスの循環経路と、被処理ガスの導入による有機溶剤の吸着とキャリアガスの導入による有機溶剤の脱着とを交互に行う吸脱着処理装置と、吸脱着処理装置から排出されたキャリアガスを冷却することで有機溶剤を凝縮して回収する凝縮回収装置と、吸脱着処理装置の上流側に設けられ、凝縮回収装置から排出された低温状態のキャリアガスを加熱する加熱部と、を備え、凝縮回収装置は、冷却により凍結した成分を一時的に加熱して融解させる融解部を有する。よって、ランニングコストが抑制できるとともに、被処理ガスの浄化能力および有機溶剤の回収効率の向上、さらにシステム構成の簡略化および小型化を図ることができる。【選択図】図1

Description

本発明は、有機溶剤を含有する被処理ガスから有機溶剤を分離し、分離した有機溶剤をキャリアガスを用いて回収する有機溶剤回収システムに関する。
従来、有機溶剤を含有する被処理ガスに吸着材を用いて有機溶剤の吸着処理および脱着処理を行なって、有機溶剤を被処理ガスからキャリアガスに移動させることにより、被処理ガスの清浄化と有機溶剤の回収とを可能にした有機溶剤含有ガス処理システムが知られている。
この種の有機溶剤回収システムは、一般に有機溶剤を含有する被処理ガスおよび高温の状態にあるキャリアガスを時間的に交互に吸着材に接触させる吸脱着処理装置と、当該吸脱着処理装置から排出されるキャリアガスを冷却することによって有機溶剤を凝縮させて回収する凝縮回収装置とを備えている。
このような有機溶剤回収システムの一つとして、特許文献1には、キャリアガスとして水蒸気を使用した有機溶剤含有ガス処理システムが開示されている。
また、最近では回収した有機溶剤の高品質化や排水処理工程の簡略化を目的とした低排水量の有機溶剤回収システムが望まれており、特許文献2には、キャリアガスとして高温に加熱された不活性ガスを使用した有機溶剤回収システムが開示されている。また、特許文献3には、キャリアガスとして高温に加熱された不活性ガスを使用し、有機溶剤回収システム内において不活性ガスを循環させて使用することで不活性ガス使用量を削減する有機溶剤回収システムが開示されている。
日本国公開実用新案公報「実全平3−32924号」 日本国公開特許公報「特開平7−68127号」 日本国特許公報「特許第5482776号」
このような有機溶剤回収システムにおいて、被処理ガスに対する浄化能力および有機溶剤の回収効率を向上させるためには、脱着処理における有機溶剤の脱着、すなわち吸着材の再生が、十分に行なわれることが必要になる。
また、有機溶剤回収システムのランニングコストを抑制するためには、使用したキャリアガスを有機溶剤回収システム内で循環させて再利用するように構成することが好ましい。
しかしながら、凝縮回収装置において有機溶剤をキャリアガスから完全に分離させることは困難である、そのため、凝縮回収装置から排出されるキャリアガスには、未凝縮の有機溶剤が含まれることになる。よって、キャリアガスを循環させて吸脱着処理装置に戻す構成の場合は吸着材の再生が不十分となってしまい、被処理ガスに対する浄化能力および有機溶剤の回収効率の向上に自ずと限界が生じるという問題があった。
ところで、特許文献3では凝縮回収装置から排出される未凝縮の有機溶剤を含有するキャリアガスから有機溶剤を吸着除去する第2の吸脱着素子を備えることで、被処理ガスに対する浄化能力および有機溶剤の回収効率を向上させている。しかしながら、第2の吸脱着素子を充填した第2吸脱着処理装置や、第2の吸脱着素子から有機溶剤を脱着するためにキャリアガスを高温の状態にする手段などをキャリアガスの循環経路上に設ける必要があり、有機溶剤回収システムの構成が複雑化かつ大型化する問題がある。
そこで、本発明は、上述した問題点を解決すべくなされ、ランニングコストが抑制できるとともに、被処理ガスの浄化能力および有機溶剤の回収効率を向上でき、さらにシステム構成の簡略化および小型化が図られた有機溶剤回収システムを提供することを目的とする。
本発明者らは鋭意検討した結果、以下に示す手段により、上記課題を解決できることを見出し、本発明に到達した。すなわち、本発明は以下の構成からなる。
1.有機溶剤を含有する被処理ガスから有機溶剤を分離して回収する有機溶剤回収システムであって、キャリアガスが循環する循環経路と、 前記循環経路上に設けられ、吸脱着素子を有し、前記被処理ガスの導入による前記有機溶剤の吸着と、前記キャリアガスの導入による前記有機溶剤の脱着とを交互に行う吸脱着処理装置と、前記循環経路上で前記吸脱着処理装置の下流側に設けられ、当該吸脱着処理装置から排出された前記キャリアガスを冷却する冷却部を有し、当該冷却により前記キャリアガス中の有機溶剤を凝縮させて凝縮液として回収する凝縮回収装置と、前記循環経路上で前記吸脱着処理装置の上流側に設けられ、前記凝縮回収装置から排出された低温状態の前記キャリアガスを加熱する加熱部と、を備え、前記凝縮回収装置は、前記冷却により凍結した成分を一時的に加熱して融解させる融解部を有することを特徴とする有機溶剤回収システム。 上記構成によると、融解部により冷却により凍結した成分を一時的に加熱して融解させるため、凍結した成分の付着によるガス流動の問題を解消することができる。このため、従来のシステムよりも低温でキャリアガスを冷却することができるので、有機溶剤の凝縮回収効率を高めることができる。また、これにより、凝縮回収装置から排出されるキャリアガス中の有機溶剤の濃度を低減でき、吸着処理装置でのキャリアガスによる脱着効率が高まるため、凝縮回収装置の下流側に別途第2の吸脱着処理装置を設ける必要がなくなる。その結果、ランニングコストが低減できるともに、被処理ガスの浄化能力及び有機溶剤の回収効率の向上がなされ、さらにシステム構成の簡略化及び小型化を図ることができる。
2.前記凝縮回収装置は、冷媒と熱媒とを選択して供給する冷媒熱媒供給部を有し、前記冷却部と前記融解部とが冷却融解部として同一に構成され、当該冷却融解部は、前記冷媒熱媒供給部から冷媒を供給されて前記冷却部として機能し、前記冷媒熱媒供給部から熱媒を供給されて前記融解部として機能する、ことを特徴とする上記1に記載の有機溶剤回収システム。 上記構成によると、冷却源となった冷却融解部に熱媒を一時的に供給して凍結成分を効率よく加熱することができるため、短時間で凍結成分を融解させることができる。
3.前記凝縮回収装置における前記キャリアガスの入口側と出口側との静圧の差を測定する静圧差測定部を備え、前記冷媒熱媒供給部は、前記静圧測定部が測定した静圧の差が所定値を超えると前記熱媒の供給を選択することを特徴とする上記2に記載の有機溶剤回収システム。 上記構成によると、静圧差測定部の測定結果により、凍結成分の付着によるガス流動の問題を検知でき、熱媒供給に切り替えることで、自動的に凍結成分を加熱して融解することができる。
4.前記凝縮回収装置から排出されるキャリアガスに含有される有機溶剤の蒸気圧を測定する蒸気圧測定部を備え、前記蒸気圧測定部が測定した有機溶剤の蒸気圧が所定値以下となるように、前記冷却部の温度を調節する温度調節部を有することを特徴とする、上記1から3のいずれか1つに記載の有機溶剤回収システム。 上記構成によると、冷却部の温度を調節することで、排出されるキャアリアガス中の有機溶剤の濃度を一定以下にすることができ、吸脱着素子に吸着した有機溶剤を効率よく脱着させることができる。
5.前記融解部による前記融解中にはキャリアガスを前記凝縮回収装置に供給しないことを特徴とする、上記1から4のいずれかに1つに記載の有機溶剤回収システム。 上記構成によると、凝縮回収装置から排出されるキャリアガス中の有機溶剤の濃度が一定以上になることを防止して、吸脱着素子に吸着した有機溶剤を効率よく脱着させることができる。
6.前記吸脱着処理装置は、前記吸着後であり前記脱着前に前記吸脱着素子にパージ処理を実施し、前記融解部は、前記パージ処理期間に前記融解を実施する、ことを特徴とする上記1から5のいずれか1つに記載の有機溶剤回収システム。 上記構成によると、パージ処理期間に融解を実施することで、一旦吸脱着の処理を止めて融解させることがないので、効率よくシステムを稼働させることができる。
本発明によれば、有機溶剤回収システムに融解部を設けることにより冷却により凍結した成分を一時的に加熱して融解させるため、凍結した成分の付着によるガス流動の問題を解消することができる。このため、従来のシステムよりも低温でキャリアガスを冷却することができるので、有機溶剤の凝縮回収効率を高めることができる。また、これにより、凝縮回収装置から排出されるキャリアガス中の有機溶剤の濃度を低減でき、吸着処理装置でのキャリアガスによる脱着効率が高まるため、凝縮回収装置の下流側に別途第2の吸脱着処理装置を設ける必要がなくなる。その結果、ランニングコストが低減できるともに、被処理ガスの浄化能力及び有機溶剤の回収効率の向上がなされ、さらにシステム構成の簡略化及び小型化を図ることができる。
実施の形態における有機溶剤回収システムの構造を示す図である。 実施の形態における有機溶剤回収システムにおいて、一対の吸脱着素子を用いた吸着処理および脱着処理の時間的な切り替えの様子を示すタイムチャートを示す図である。
以下、本発明の実施の形態について、図を参照して詳細に説明する。なお、以下に示す実施の形態においては、同一のまたは共通する部分について図中同一の符号を付し、その説明は繰り返さない。
図1に示すように、本実施の形態における有機溶剤回収システム100Aは、キャリアガスが循環する循環経路L1と、循環経路L1上に設けられた吸脱着処理装置10及び凝縮回収装置20とを備えている。さらに、循環経路L1上には、循環送風機40、被処理ガス送風機50を備えている。キャリアガスとしては、水蒸気、加熱空気、高温に加熱した不活性ガス等、様々な種類のガスを使用することが可能である。特に水分を含まないガスである不活性ガスを使用すれば、有機溶剤回収システム100Aをより簡素に構成することができる。
循環経路L1は、図中に示す配管ラインL4〜L7を備えている。循環送風機40は、循環経路L1をキャリアガスが循環するようキャリアガスを通流させる送風手段であり、被処理ガス送風機50は、配管ラインL2から吸脱着処置装置10に被処理ガスを供給する送風手段である。
吸脱着処理装置10は、吸脱着槽A11および吸脱着槽B12を備えている。吸脱着槽A11には有機溶剤を吸着および脱着する吸脱着素子A13が充填されており、吸脱着槽B12には有機溶剤を吸着および脱着する吸脱着素子B14が充填されている。本実施の形態では2つの吸脱着槽を備えているが、1であっても3以上であってもよい。さらに、吸脱着処理装置10は、ヒーター(加熱部)30を備えている。
ヒーター30は、吸脱着槽A11または吸脱着槽B12に供給されるキャリアガスを加熱する。より具体的には、ヒーター30は、凝縮回収装置20から排出されて循環送風機40を経由したキャリアガスを高温の状態にして吸脱着槽A11または吸脱着槽B12に供給する。ここで、ヒーター30は、吸脱着素子A13および吸脱着素子B14が所定の脱着温度に維持されるように、吸脱着槽A11および吸脱着槽B12に導入されるキャリアガスの温度を調節する。なお、ヒーター30は、吸脱着処置装置10の外に設けられていてもよい。
吸脱着素子A13および吸脱着素子B14は、配管ラインL2から導入された被処理ガスを接触させることで被処理ガスに含有される有機溶剤を吸着する。被処理ガスには水分が含まれていることもあり、この水分も吸着する。したがって、脱着処理装置10においては、吸脱着槽A11または吸脱着槽B12に被処理ガスを供給すると、有機溶剤および水分が吸脱着素子A13または吸脱着素子B14に吸着されることで被処理ガスから有機溶剤が除去さ
れ、被処理ガスが清浄化され清浄ガスとして吸脱着槽A11または吸脱着槽B12から排出される。
また、吸脱着素子A13および吸脱着素子B14は、高温の状態にあるキャリアガスを接触させることで、吸着した有機溶剤および水分を脱着する。したがって、吸脱着処理装置10においては、吸脱着槽A11または吸脱着槽B12に高温の状態にあるキャリアガスを供給すると、有機溶剤および水分が吸脱着素子A13または吸脱着素子B14から脱着され、有機溶剤および水分を含有するキャリアガスが吸脱着槽A11または吸脱着槽B12から排出される。
吸脱着素子A13および吸脱着素子B14は、粒状活性炭、活性炭素繊維、ゼオライト、シリカゲル、多孔質性高分子および金属有機構造体のいずれかを含む吸着材にて構成される。好適には、粒状、粉体状、ハニカム状等の活性炭やゼオライトが利用されるが、より好適には、活性炭素繊維が利用される。活性炭素繊維は、表面にミクロ孔を有する繊維状構造を有しているため、ガスとの接触効率が高く、他の吸着材に比べて高い吸着効率を実現する。
また、活性炭素繊維は、粒状、粉体状、ハニカム状等の活性炭に比べて有機溶剤に対する吸着選択性が高いため、被処理ガスに含まれる水分をほとんど吸着しない。そのため、吸脱着処理装置10の吸脱着槽A11または吸脱着槽B12から排出されるキャリアガスに含有される水分が極微量となり、有機溶剤回収システムをより簡素に構成することができ、有機溶剤回収システムを小型化できる。有機溶剤に対する吸着選択性が低い吸脱着素子を使用した場合、被処理ガスに含まれる水分を多量に吸着してしまう。そのため、吸脱着処理装置10の吸脱着槽A11および吸脱着槽B12から排出されるキャリアガスに含有される水分もまた多量となり、有機溶剤回収システム100Aから有機溶剤を含有する廃水が排出されるため、別途廃水処理が必要となる。
吸脱着処理装置10には、配管ラインL2,L3がそれぞれ接続されている。配管ラインL2は、被処理ガス送風機50を経由して有機溶剤および水分を含有する被処理ガスを吸脱着槽A11または吸脱着槽B12に供給するための配管ラインである。配管ラインL2は、バルブV1によって吸脱着槽A11に対する接続/非接続状態が切り替えられ、バルブV3によって吸脱着槽B12に対する接続/非接続状態が切り替えられる。配管ラインL3は、清浄ガスを吸脱着槽A11または吸脱着槽B12から排出するための配管ラインである。配管ラインL3は、バルブV2によって吸脱着槽A11に対する接続/非接続状態が切り替えられ、バルブV4によって吸脱着槽B12に対する接続/非接続状態が切り替えられる。
さらに、吸脱着処理装置10には、配管ラインL5,L6がそれぞれ接続されている。配管ラインL5は、キャリアガスをヒーター30を介して吸脱着槽A11または吸脱着槽B12に供給するための配管ラインである。配管ラインL5は、バルブV5によって吸脱着槽A11に対する接続/非接続状態が切り替えられ、バルブV7によって吸脱着槽B12に対する接続/非接続状態が切り替えられる。配管ラインL6は、キャリアガスを吸脱着槽A11または吸脱着槽B12から排出するための配管ラインである。配管ラインL6は、バルブV6よって吸脱着槽A11に対する接続/非接続状態が切り替えられ、V8によって吸脱着槽B12に対する接続/非接続状態が切り替えられる。
吸脱着槽A11および吸脱着槽B12のそれぞれには、上述したバルブV1〜V8の開閉を操作することにより、被処理ガスと高温の状態にあるキャリアガスとが、時間的に交互に供給される。これにより、吸脱着槽A11および吸脱着槽B12は、時間的に交互に吸着槽および脱着槽として機能することになり、これに伴って有機溶剤および水分が被処理ガスから高温の状態にあるキャリアガスに移動する。なお、具体的には、吸脱着槽A11が吸着槽として機能している期間には、吸脱着槽B12が脱着槽として機能し、吸脱着槽A11が脱着槽として機能している期間には、吸脱着槽B12が吸着槽として機能する。
凝縮回収装置20は、コンデンサ(凝縮器)21と、回収タンク22と、冷媒/熱媒供給部23とを備えている。コンデンサ21は、吸脱着槽A11または吸脱着槽B12から排出された高温の状態にあるキャリアガスを低温の状態に温度調節することによって、キャリアガスに含有される有機溶剤および微量水分を凝縮させるものである。コンデンサ21は、具体的には、冷媒を用いてキャリアガスを間接冷却することで有機溶剤および水分を液化させる。回収タンク22は、コンデンサ21にて液化された有機溶剤および水分を凝縮液として貯留するものである。なお、回収タンク22と冷媒/熱媒供給部23とは、凝縮回収装置20の外に設けられていてもよい。
冷媒/熱媒供給部23は、コンデンサ21に冷媒または熱媒を時間的に交互に供給する。凝縮回収装置20は、冷媒/熱媒供給部23から冷媒を供給して、吸脱着処理装置10から排出された有機溶剤および水分を含むキャリアガスをコンデンサ21で間接冷却し、低温の状態に温度調節して有機溶剤および水分を凝縮させる凝縮処理(冷媒供給)を実施する。また、凝縮回収装置20は、冷媒/熱媒供給部23から熱媒を供給して、コンデンサ21及びその周辺で凍結した水分および有機溶剤(凍結成分)を間接加熱して融解させる融解処理(熱媒供給)を、実施する。融解処理により、冷却源となったコンデンサに熱媒を一時的に供給して凍結成分を効率よく加熱することができるため、短時間で凍結成分を融解させることができる。
ここで、冷媒および熱媒として、水、エタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、クロロフルオロカーボン類、ハイドロクロロフルオロカーボン類、ハイドロフルオロカーボン類のいずれかまたはそれらの混合物を用いることができるが、特に限定されるものではない。また、熱媒は冷媒よりも高温の状態にある媒体を意味する。
凝縮回収装置20には、配管ラインL6,L7がそれぞれ接続されている。配管ラインL6は、吸脱着処理装置10から排出されたキャリアガスをコンデンサ21に供給するための配管ラインである。配管ラインL7は、キャリアガスをコンデンサ21から排出するための配管ラインである。
また、コンデンサ21には、配管ラインL9が接続されている。配管ラインL9は、コンデンサ21で凝縮させた有機溶剤および微量水分を回収タンク22に導入するための配管ラインである。
さらに、コンデンサ21には、配管ラインL10、L11がそれぞれ接続されている。配管ラインL10は、冷媒/熱媒供給部23から冷媒または熱媒をコンデンサ21に供給するための配管ラインである。配管ラインL11は、コンデンサ21から冷媒または熱媒を外部に放出する配管ラインである。本実施の形態では、配管ラインL11は、冷媒/熱媒供給部23に接続され、冷媒または熱媒を循環させて使用する。冷媒または熱媒を循環して使用することで、熱量回収でき、凝縮回収装置20を省エネルギーで運転することができる。
図2は、図1に示す有機溶剤回収システム100Aにおいて、吸脱着素子A13と吸着素子B14とを用いた吸着処理および脱着処理の時間的な切り替えの様子を示すタイムチャートである。次に、この図2を参照して、本実施の形態における有機溶剤回収システム100Aを用いた被処理ガスの処理の詳細について、キャリアガスに不活性ガスを用いた場合を例にして説明する。
有機溶剤回収システム100Aは、図2に示す1サイクルを単位期間として当該サイクルを繰り返し実施することにより、被処理ガスの処理を連続して行なうことができる。
上記1サイクルの前半(図2中に示す時刻t0〜t2の間)においては、吸脱着素子A13が充填された吸脱着処理装置10の吸脱着槽A11において、吸着処理が実施される。これと並行して、吸脱着素子B14が充填された吸脱着処理装置10の吸脱着槽B12において、吸脱着槽B12内を不活性ガスで置換するパージ処理(図2中に示す時刻t0〜t1の間)が実施され、その後、脱着処理(図2中に示す時刻t1〜t2の間)が実施される。パージ処理で使用する不活性ガスとキャリアガスとは同じである。パージ処理中の吸脱着槽B12の下流は、被処理ガス送風機50の上流側と繋げ、不活性ガスで置換されて排出された被処理ガス(吸脱着槽B12内に残っていたガス)は、吸着処理を行っている吸脱着槽A11に被処理ガスと一緒に供給されるように、配管するのが好ましい。再度吸着処理に供するようにすることで、有機溶剤の回収濃度を高めることができるからである。本実施形態では上記のようにバージ処理中の吸脱着槽の下流は、被処理ガス送風機40の上流側と接続状態となり、かつ、コンデンサ21側とは非接続状態となるよう、構成されているものとする(図示せず)。この接続/非接続状態に切替もバルブで行う。
また、上記1サイクルの後半(図2中に示す時刻t2〜t4の間)においては、吸脱着素子B14が充填された吸脱着処理装置10の吸脱着槽B12において吸着処理が実施され、これと並行して、吸脱着素子A13が充填された吸脱着処理装置10の吸脱着槽A11において吸脱着槽A11内を不活性ガスで置換するパージ処理(図2中に示す時刻t2〜t3の間)が実施された後、脱着処理(図2中に示す時刻t3〜t4の間)が実施される。
凝縮回収装置20において、冷媒/熱媒供給部23から冷媒を供給して吸脱着処理装置10から排出された有機溶剤および微量水分を含むキャリアガスをコンデンサ21で間接冷却し、低温の状態に温度調節して有機溶剤を凝縮させる凝縮処理(図2中に示す時刻t0〜t2の間)が実施され、有機溶剤および微量水分が回収される。
凝縮回収装置20は、コンデンサ21から排出されるキャリアガスに含有される有機溶剤の蒸気圧を測定する蒸気圧測定部(図示しない)を備え、この蒸気圧測定部が測定した有機溶剤の蒸気圧が所定値以下となるように、コンデンサ21の温度を調節する温度調節する温度調節部(図示しない)を有していてもよい。コンデンサの温度を調節することで、排出されるキャアリアガス中の有機溶剤の濃度を一定以下にすることができ、吸脱着素子に吸着した有機溶剤を効率よく脱着させることができる。
例えば、後述の実施例のように、有機溶剤が酢酸エチルである場合、凝縮処理において、コンデンサ21から排出されるキャリアガスに含有される有機溶剤の蒸気圧が、11.4mmHg以下となるようにキャリアガスを温度調節することが好ましく、さらに6.1mmHg以下となるようにキャリアガスを温度調整することがより好ましい。コンデンサ21から排出されるキャリアガスに含有される有機溶剤の蒸気圧が11.4mmHg以下の場合、循環して吸脱着素子A13および吸脱着素子B14に接触させられるキャリアガスに含有される有機溶剤の蒸気圧もまた十分に低下するため、吸脱着素子A13および吸脱着素子B14の再生が効果的に促進される。一方、コンデンサ21から排出されるキャリアガスに含有される有機溶剤の蒸気圧が11.4mmHgを超える場合、循環して吸脱着素子A13および吸脱着素子B14に接触させられるキャリアガスに含有される有機溶剤の蒸気圧もまた高値のため、吸脱着素子A13および吸脱着素子B14の再生が十分に行われ難く、システムとして性能低下が生じる。この11.4mmHg、6.1mmHgという値は、後述の実施例における実験結果から導き出した値である。
キャリアガスの温度調整は、冷媒/熱媒供給部23からの冷媒の量または冷媒の温度によって制御することができる。具体的には、温度と蒸気圧との関係をデータとして持っていて、所望の蒸気圧になるよう冷媒によりキャリアガスの温度調節をする。なお、温度と蒸気圧との関係は有機溶剤の種類によって異な
るが、文献等で確認できる。有機溶剤の蒸気圧は、VOC濃度計やガスクロマトグラフィなどで測定することができる。
また、凝縮回収装置20がコンデンサ21から排出されるキャリアガスに含有される有機溶剤の蒸気圧が所定値以下となるようにキャリアガスを温度調節すれば、例えばコンデンサ21と吸脱着処理装置10との間にキャリアガス中の有機溶剤を吸着除去するための吸脱着素子を設置する必要等がなくなり、有機溶剤回収システム100Aを簡素な構成にでき小型化できる。
また、凝縮回収装置20が、コンデンサ21から排出されるキャリアガスに含有される有機溶剤の蒸気圧が所定値以下となるようにキャリアガスを温度調節する場合、有機溶剤の種類によってキャリアガスを0℃以下に温度調節する必要がある。このため、キャリアガスに含まれる有機溶剤および水分がコンデンサ21内で凍結し、キャリアガスの流路が遮られ、コンデンサ21の通気抵抗が上昇し、キャリアガスが流通できなくなる。そこで冷媒/熱媒供給部23において、冷媒の供給から熱媒の供給に切り替えることにより、コンデンサ21内の流路が遮られないように凍結した有機溶剤および微量水分を間接加熱して融解させる融解処理(図2中に示す時刻t2〜t3の間)を実施する。融解した有機溶剤および微量水分は配管ラインL9を通って回収タンク22に排出される。
また、融解処理中には、キャリアガスをコンデンサ21に供給しないほうがよい。融解処理中にキャリアガスをコンデンサ21に供給すると融解した有機溶剤および水分が気化してキャリアガスに含有され、配管ラインL7を通って循環経路L1上に排出されてしまい、効率よく液化回収できなくなる。このため、吸脱着素子A13または吸脱着素子B14が脱着処理を行わないパージ処理の間でコンデンサ21にキャリアガスを供給せずに融解処理を実施するとよい。本実施形態では、上記したように、パージ処理中の吸脱着槽12はコンデンサ21とは非接続状態にあり、代りに、被処理ガス送風機50の上流と接続状態にあるため、パージ処理にて不活性ガスで置換されて排出された被処理ガス(吸脱着槽B12内に残っていたガス)が、コンデンサ21には供給されることは無い。
また、凝縮回収装置20では、コンデンサ21内の有機溶剤および微量水分がほぼ融解するまで継続され、有機溶剤および微量水分の融解が完了した時点で冷媒/熱媒供給部23は熱媒の供給から冷媒の供給に切り替える。これにより、コンデンサ21はキャリアガスを間接冷却し、低温の状態に温度調節して有機溶剤および微量水分を凝縮させる凝縮処理(図2中に示す時刻t3〜t4の間)を再度実施する。
ここで、図2中では一例として時刻t2〜t3の間に融解処理を実施するように示したが、コンデンサ21の融解処理は、すべてのサイクル毎に実施する必要はない。定期的に行っても不定期に行ってもよい。また図2中に示すように吸脱着素子A13のパージ処理の間に限定して行う必要もなく、吸脱着素子B14のパージ処理の間でもよい。
また、融解処理が吸脱着素子A13または吸脱着素子B14のパージ処理の間で完了できない場合はコンデンサを数台設置し、一方のコンデンサで融解処理を継続している間、他方のコンデンサで凝縮処理を実施するような構成にしてもよい。またこの場合、融解処理を実施するコンデンサと凝縮処理を実施するコンデンサはバルブ操作で切り替わるような構成等が考えられるが、特に限定されない。
ここで、キャリアガスのコンデンサ21入口における静圧とコンデンサ21出口における静圧との差を測定する静圧差測定部(図示せず)を備え、この静圧の差が所定の値以上に達した時点で上記凝縮処理から上記融解処理に切り替えるようにすれば、コンデンサ21の通気抵抗の上昇を常時防止することができる。静圧差測定部の測定結果により、凍結成分の付着によるガス流動の問題を検知でき、融解処理(熱媒供給)に切り替えることで、自動的に凍結成分を加熱して融解することができる。ここで、「所定の値」は、循環送風機40の吐出圧が低下しない程度のコンデンサ21の圧力損失(差圧)を限界値として決定する。循環送風機40の吐出圧は循環送風機40のモーター能力によって決まる。静圧差測定部として、圧力計を用い、圧力計のプラス圧測定口とコンデンサ21の入口(L6側)を繋ぎ、マイナス圧測定口とコンデンサ21の出口(L7側)を繋ぐと、静圧差が測定できる。
また、被処理ガスに含有される有機溶剤の濃度と水分の量とがあらかじめ把握できていれば、それをデータとして持っておき、冷媒/熱媒供給部23において一定の時間間隔で凝縮処理と融解処理とを切り替えるようにしてもよい。
ここで、吸脱着素子A13および吸脱着素子B14に活性炭素繊維を用いれば、被処理ガスに含まれる水分をほとんど吸着しないため、コンデンサ21に供給されるキャリアガスに含有される水分が極微量となる。そのため、コンデンサ21において凍結する水分量が極めて少なくて済み、コンデンサ21が融解処理を実施する頻度が著しく低減され、融解処理にかかるエネルギーを削減でき、さらに有機溶剤回収システム100Aをより簡素な構成にすることができる。
本実施形態の有機溶剤回収システム100Aは、循環経路L1の構築によりキャリアガスを繰り返し使用できるため、経済性にも優れる。従って、窒素ガス等に代表される不活性ガスをキャリアガスとして使用した場合に、特にランニングコストを抑制できる効果が得られる。
以上において説明した本実施形態の有機溶剤回収システム100Aでは、コンデンサ21に熱媒を供給することにより、凍結した成分を一時的に加熱して融解させるため、凍結した成分の付着によるガス流動の問題を解消することができる。このため、従来のシステムよりも低温でキャリアガスを冷却することができるので、有機溶剤の凝縮回収効率を高めることができる。また、これにより、凝縮回収装置20から排出されるキャリアガス中の有機溶剤の濃度を低減でき、吸着処理装置10でのキャリアガスによる脱着効率が高まるため、凝縮回収装置20の下流側に別途第2の吸脱着処理装置を設ける必要がなくなる。キャリアガス中の有機溶剤の濃度を低減できるため、脱着処理において吸脱着素子A13および吸脱着素子B14の再生が促進される結果となり、その後に実施される吸着処理の際に、より効率的に被処理ガスから有機溶剤を吸着除去できるようになる。従って、有機溶剤回収システム100Aを用いることで、ランニングコストが低減できるともに、被処理ガスの浄化能力及び有機溶剤の回収効率の向上がなされ、さらにシステム構成の簡略化及び小型化を図ることができる。このように、本実施形態により、従来と比べて、高性能かつ簡素な構成の有機溶剤回収システムを提供することができる。
(実施例) 以下の実施例では、上述した本発明の実施の形態における有機溶剤回収システム100Aを用いて被処理ガスの処理を行なった。
実施例においては、有機溶剤として酢酸エチルを3000ppmの濃度で含有する40℃、相対湿度60%RHのガスを被処理ガスとして使用した。キャリアガスとして120℃の窒素ガスを使用した。また、吸脱着素子A13,吸脱着素子B14として、BET比表面積が1500mg/mの活性炭素繊維を使用し、冷媒および熱媒として70質量%のエチレングリコール水溶液を使用した。
まず、被処理ガス送風機50を用いて吸脱着処理装置10の吸脱着槽A11および吸脱着槽B12のうち一方の吸脱着槽に風量10Nm/minで10分間送風することで上記一方の吸脱着槽を吸着槽として機能させ、吸着処理を実施した。
上記吸着処理の終了後に、バルブを切り替え操作し、上記一方の吸脱着槽を脱着槽に切り替えると共に、他方の吸脱着槽を吸着槽とした。脱着槽においては脱着槽内を窒素ガスで置換するパージ処理を行った後、ヒーター30で120℃に加熱した窒素ガスを風量1.5Nm/minで導入することで吸脱着素子の脱着処理を行った。吸着槽においては、上述した条件と同様の吸着処理を行った。凝縮回収装置20では、冷媒/熱媒供給部23からコンデンサ21に冷媒を供給して、脱着槽から排出される酢酸エチルを含有する窒素ガスを−30℃まで冷却する凝縮処理を行った。
以上において説明した1サイクルを連続的に繰り返し実施したところ、吸脱着処理装置10から排出される清浄ガスに含有される酢酸エチルの濃度が、約20ppmにまで低減されていることが確認された。すなわち、実施例においては、約99%の高い除去率で酢酸エチルを除去できることが確認された。
また、上述した脱着処理において、凝縮回収装置20にガスが導入される配管ラインL6を流通する窒素ガス中に含まれる酢酸エチルの蒸気圧が平均15.2mmHgに上昇していることが確認され、凝縮回収装置20からガスを排出する配管ラインL7を流通する窒素ガス中に含まれる酢酸エチルの蒸気圧が常時2.7mmHg以下に低下していることが確認された。本実施例は、冷媒の温度を変更して、酢酸エチルの蒸気圧が常時2.7mmHg以下となるよう、窒素ガスの温度を調整した。
また、被処理ガスの送風を開始してから5時間後に凝縮回収装置20のコンデンサ21内に微量水分が凍結(凝固)したことにより窒素ガスの入口と出口の静圧の差圧が150mmHOから300mmHOまで上昇していることが確認されたため、吸脱着素子A13または吸脱着素子B14の一方がパージ処理を行っている間に、冷媒/熱媒供給部23を冷媒の供給から熱媒の供給へ切り替え、コンデンサ21を凝縮処理から融解処理へ切り替えた。冷媒/熱媒供給部23から供給する熱媒温度は30℃に設定した。
コンデンサ21の融解処理により、凍結していた微量水分が速やかに融解されたため、再び冷媒/熱媒供給部23を熱媒の供給から冷媒の供給へと切り替え、コンデンサ21を融解処理から凝縮処理へと切り替えた。
以上において説明したコンデンサ21の融解処理は、窒素ガスのコンデンサ21入口の静圧とコンデンサ21出口の静圧との差圧が150mmHOから300mmHOまで上昇した時点で実施した。より具体的には約5時間毎に、吸脱着素子A13または吸脱着素子B14の一方がパージ処理を行っている間に、コンデンサ21の融解処理を実施した。
以上において説明したコンデンサ21の融解処理を行った直後も、吸脱着処理装置10から排出される清浄ガスに含有される酢酸エチルの濃度が、約20ppmにまで低減されていることが確認された。すなわち、本実施例において、被処理ガスからの酢酸エチルの除去効率に影響することなくコンデンサの融解処理ができることが確認された。
以上に開示した実施の形態および実施例はすべての点で例示であって、制限的なものではない。本発明の技術的範囲は特許請求の範囲によって画定され、また特許請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものである。
本発明は、例えば工場やビルから排出される有機溶剤を含有する被処理ガスを処理するシステム等に有効に利用することができる。
10 吸脱着処理装置、 11 吸脱着槽A、 12 吸脱着槽B、 13 吸脱着素子A、 14 吸脱着素子B、 20 凝縮回収装置、 21 コンデンサ(融解部、冷却部、冷却融解部)、 22 回収タンク、 23 冷媒/熱媒供給部(冷媒熱媒供給部)、 30 ヒーター(加熱部)、 40 循環送風機、 50 被処理ガス送風機、 100A 有機溶剤回収システム、 L1 循環経路、 L2〜L11 配管ライン、 V1〜V8 バルブ

Claims (6)

  1. 有機溶剤を含有する被処理ガスから有機溶剤を分離して回収する有機溶剤回収システムであって、 キャリアガスが循環する循環経路と、 前記循環経路上に設けられ、吸脱着素子を有し、前記被処理ガスの導入による前記有機溶剤の吸着と、前記キャリアガスの導入による前記有機溶剤の脱着とを交互に行う吸脱着処理装置と、 前記循環経路上で前記吸脱着処理装置の下流側に設けられ、当該吸脱着処理装置から排出された前記キャリアガスを冷却する冷却部を有し、当該冷却により前記キャリアガス中の有機溶剤を凝縮させて凝縮液として回収する凝縮回収装置と、 前記循環経路上で前記吸脱着処理装置の上流側に設けられ、前記凝縮回収装置から排出された低温状態の前記キャリアガスを加熱する加熱部と、を備え、 前記凝縮回収装置は、前記冷却により凍結した成分を一時的に加熱して融解させる融解部を有することを特徴とする有機溶剤回収システム。
  2. 前記凝縮回収装置は、冷媒と熱媒とを選択して供給する冷媒熱媒供給部を有し、 前記冷却部と前記融解部とが冷却融解部として同一に構成され、当該冷却融解部は、前記冷媒熱媒供給部から冷媒を供給されて前記冷却部として機能し、前記冷媒熱媒供給部から熱媒を供給されて前記融解部として機能する、ことを特徴とする請求項1に記載の有機溶剤回収システム。
  3. 前記凝縮回収装置における前記キャリアガスの入口側と出口側との静圧の差を測定する静圧差測定部を備え、 前記冷媒熱媒供給部は、前記静圧測定部が測定した静圧の差が所定値を超えると前記熱媒の供給を選択することを特徴とする請求項2に記載の有機溶剤回収システム。
  4. 前記凝縮回収装置から排出されるキャリアガスに含有される有機溶剤の蒸気圧を測定する蒸気圧測定部を備え、 前記蒸気圧測定部が測定した有機溶剤の蒸気圧が所定値以下となるように、前記冷却部の温度を調節する温度調節部を有することを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項に記載の有機溶剤回収システム。
  5. 前記融解部による前記融解中にはキャリアガスを前記凝縮回収装置に供給しないことを特徴とする、請求項1から4のいずれかに1項に記載の有機溶剤回収システム。
  6. 前記吸脱着処理装置は、前記吸着後であり前記脱着前に前記吸脱着素子にパージ処理を実施し、 前記融解部は、前記パージ処理期間に前記融解を実施する、ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の有機溶剤回収システム。
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