JPWO2020050294A1 - 相同組換え効率上昇剤及びその使用 - Google Patents

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Abstract

マーモセットの細胞と比較して相同組換え効率が低い種の細胞よりも、マーモセットの細胞における発現量が高い、DNA切断修復関連タンパク質又は前記タンパク質をコードする核酸を有効成分として含有する、相同組換え効率上昇剤。

Description

本発明は、相同組換え効率上昇剤及びその使用に関する。より詳細には、相同組換え効率上昇剤、相同組換え効率が上昇した細胞の製造方法及び相同組換えによりゲノムDNAが改変された細胞の製造方法に関する。本願は、2018年9月5日に日本に出願された特願2018−165813号に基づき優先権を主張し、それらの内容をここに援用する。
相同組換えとは、異なるふたつの二本鎖DNAのうち一方の二本鎖DNAが切断され、その切断箇所の近傍に相同なDNA配列が存在する場合に、その相同配列において交叉が起き、前記二本鎖DNAの間でDNA配列が交換されることを指す。
部位特異的ヌクレアーゼを用いて任意のゲノム領域にDNA二本鎖切断を引き起こし、DNA修復機構を利用する遺伝子改変技術はゲノム編集と呼ばれ、細胞あるいは個体レベルでの遺伝子ノックイン・ノックアウトが可能である。
例えば、非特許文献1には、ゲノム編集技術を用いて、マウスES細胞において、5種の遺伝子を同時に変異させた例が示されている。
DNA修復機構には2種類あり、一つは非相同末端結合(Non−homologous end joining、NHEJ)である。この経路を用いたゲノム編集は、切断末端の修復過程において頻繁に起こる塩基の欠失・挿入等のエラーによるフレームシフトを利用し、遺伝子機能の喪失(ノックアウト)を起こすものである。
もう一つは相同指向性修復(Homology−directed DNA repair、HDR)であり、部位特異的DNA二本鎖切断の際に、標的部位と相同な配列を持つ1本鎖オリゴDNAあるいは二本鎖DNA等のドナーDNAを加えることで、相同組換えによって任意の変異あるいはDNA断片を標的部位に挿入(ノックイン)することが可能である。
多くの遺伝性疾患においては、1塩基置換等の変異により引き起こされることが多いため、ヒト疾患iPS細胞や疾患モデルマウスの作製において、ノックイン技術はノックアウトと比較して優位性を持つ。また、時空間特異的なコンディショナル・ノックアウトなど高度な遺伝子改変を行う際にもノックイン技術は欠かせないものとなる。
Wang H et al., One-step generation of mice carrying mutations in multiple genes by CRISPR/Cas-mediated genome engineering. Cell, 153(4), 910-918, 2013.
NHEJを介したDNA修復は、挿入・欠失させるDNA配列を制御することができない。標的部位に所望のDNA断片を挿入させるためには、HDRを介したDNA修復を利用する必要がある。
しかしながら、HDRによるDNA修復はNHEJよりも頻度が非常に低いため、一般にノックインの効率は単純ノックアウトよりもはるかに劣る。そこで、本発明では、相同組換え効率を改善する技術を提供することを目的とする。
本発明は、以下の態様を含む。
[1]マーモセットの細胞と比較して相同組換え効率が低い種の細胞よりも、マーモセットの細胞における発現量が高い、DNA切断修復関連タンパク質又は前記タンパク質をコードする核酸を有効成分として含有する、相同組換え効率上昇剤。
[2]マーモセットの細胞と比較して相同組換え効率が低い前記種が、ヒト、マウス、ラット、ウサギ、サル、ブタ、ヤギ、ヒツジ、ウシ、フェレット、イヌ、ネコ及びニワトリからなる群より選択される、請求項1に記載の相同組換え効率上昇剤。
[3]前記DNA切断修復関連タンパク質が、RAD51パラログ及び乳癌易罹患性に関わる相同組換え因子である[1]または[2]に記載の相同組換え効率上昇剤。
[4]前記DNA切断修復関連タンパク質が、BRCA1、BRCA2、RAD51C、RAD51Dからなる群より選択される、[3]に記載の相同組換え効率上昇剤。
[5]相同組換え効率が上昇した細胞の製造方法であって、前記細胞はマーモセットの細胞と比較して相同組換え効率が低い種の細胞であり、前記細胞に[1]〜[4]のいずれか一項に記載の相同組換え効率上昇剤を導入することを含む、製造方法。
[6]マーモセットの細胞と比較して相同組換え効率が低い前記種が、ヒト、マウス、ラット、ウサギ、サル、ブタ、ヤギ、ヒツジ、ウシ、フェレット、イヌ、ネコ及びニワトリからなる群より選択される、[5]に記載の製造方法。
[7][1]〜[4]のいずれか一項に記載の相同組換え効率上昇剤が導入された、マーモセットの細胞と比較して相同組換え効率が低い種の細胞。
[8]マーモセットの細胞と比較して相同組換え効率が低い前記種が、ヒト、マウス、ラット、ウサギ、サル、ブタ、ヤギ、ヒツジ、ウシ、フェレット、イヌ、ネコ及びニワトリからなる群より選択される、[7]に記載の細胞。
[9]相同組換えによりゲノムDNAが改変された細胞の製造方法であって、前記細胞はマーモセットの細胞と比較して相同組換え効率が低い種の細胞であり、前記細胞に[1]〜[4]のいずれか一項に記載の相同組換え効率上昇剤を導入することと、前記細胞にドナーDNAを導入することと、前記細胞のゲノムDNAを切断することと、を含む、製造方法。
[10]マーモセットの細胞と比較して相同組換え効率が低い前記種が、ヒト、マウス、ラット、ウサギ、サル、ブタ、ヤギ、ヒツジ、ウシ、フェレット、イヌ、ネコ及びニワトリからなる群より選択される、[9]に記載の製造方法。
本発明によれば、相同組換え効率を改善する技術を提供することができる。
実験例2における、HPRT遺伝子座において相同組換えを引き起こし、相同組換え効率を算出する実験系について説明する図である。 実験例2における、マーモセットES細胞又はヒトiPS/ES細胞においての、RAD51C遺伝子の発現をリアルタイムPCRによって測定した結果である。 実験例2における、マーモセットES細胞又はヒトiPS/ES細胞においての、RAD51D遺伝子の発現をリアルタイムPCRによって測定した結果である。 実験例2における、マーモセットES細胞又はヒトiPS/ES細胞においての、RAD51遺伝子の発現をリアルタイムPCRによって測定した結果である。 実験例2における、マーモセットES細胞又はヒトiPS/ES細胞においての、BRCA1遺伝子の発現をリアルタイムPCRによって測定した結果である。 実験例2における、マーモセットES細胞又はヒトiPS/ES細胞においての、BRCA2遺伝子の発現をリアルタイムPCRによって測定した結果である。 実験例3における、ヒトiPS細胞に各DNA切断修復関連タンパク質を発現させた時の、HPRT遺伝子における相同組換え効率を算出した結果である。 実験例3における、ヒトiPS細胞に各DNA切断修復関連タンパク質(BRCA1、BRCA2、RAD51C及びRAD51D)を組み合わせて発現させた時の、HPRT遺伝子における相同組換え効率を算出した結果である。 実験例4における、Sox2遺伝子座において相同組換えを行う実験系について説明する図である。 実験例4における、核においてSOX2::Venus融合タンパク質を発現する細胞の顕微鏡像である。 実験例4における、Venus陽性コロニー率を算出した結果である。
[相同組換え効率上昇剤]
1実施形態において、本発明は、マーモセットの細胞と比較して相同組換え効率が低い種の細胞よりも、マーモセットの細胞における発現量が高い、DNA切断修復関連タンパク質又は前記タンパク質をコードする核酸を有効成分として含有する、相同組換え効率上昇剤を提供する。
本明細書において、相同組換え効率は、下記式(1)にしたがって求めることができる。
(相同組換え効率)=(HDRにより修復された例)/{(NHEJにより修復された例)+(HDRにより修復された例)} (1)
マーモセット(Callithrix jacchus)は、霊長目に分類される新世界ザルの一種であり、その体型は小型で、世代交代時間が約1年と短いことから、霊長類のモデル動物として位置づけられている。
実施例において詳述するように、発明者らは、相同組換え効率は、ヒトES細胞(胚性幹細胞)及びiPS細胞(人工多能性幹細胞)では1%未満であり、マウスES細胞では1〜5%であるのに対し、マーモセットES細胞では80%より高いことを見出した。
マーモセットと相同組換え効率を比較する対象の細胞としては、例えば、多能性幹細胞であってもよいし、分化した細胞であってもよいし、癌細胞等の株化した細胞等であってもよい。多能性幹細胞としては、組織幹細胞、胚性幹細胞(ES細胞)及び人工多能性幹細胞(iPS細胞)等が挙げられる。
相同組換え効率が低い種としては、例えば、ヒト、マウス、ラット、ウサギ、サル、ブタ、ヤギ、ヒツジ、ウシ、フェレット、イヌ、ネコ及びニワトリ等が挙げられるが、これに限定されない。
発現量を比較する方法としては、例えば、RNAシーケンシング(RNA−Seq)、マイクロアレイ、二次元電気泳動などが挙げられるが、これに限定されない。
DNA切断修復関連タンパク質としては、例えば、RAD51パラログ、乳癌易罹患性に関わる相同組換え因子等が挙げられる。前記タンパク質はヒトタンパク質であってもよいし、マーモセットタンパク質であってもよいし、他動物種のタンパク質であってもよい。
RAD51パラログとしては、RAD51B、RAD51C、RAD51D、XRCC2(RefSeq ID NP_005422.1)、XRCC3(RefSeq ID NP_001093588.1)等が挙げられる。
乳癌易罹患性に関わる相同組換え因子としては、ATM(RefSeq ID NP_000042.3)、BARD1(RefSeq ID NP_000456.2)、BRIP1(RefSeq ID NP_114432.2)、CHEK2(RefSeq ID NP_001005735.1)、MRE11A(RefSeq ID NP_001317276.1)、MSH6(RefSeq ID NP_000170.1)、NBN(RefSeq ID NP_001019859.1)、PALB2(RefSeq ID NP_078951.2)、PMS2(RefSeq ID NP_000526.2)、RAD50(RefSeq ID NP_005723.2)等が挙げられるが、これに限定されない。
また、DNA切断修復関連タンパク質としては、上述したもののうち一種類を単独で用いてもよいし、二種類以上を混合して用いてもよい。さらに、本実施形態の相同組換え効率上昇剤は、タンパク質に限定されず、そのタンパク質をコードするRNAやDNAであってもよい。
DNA切断修復関連タンパク質は、RAD51C、RAD51D、BRCA1、BRCA2であってもよい。
DNA切断修復関連タンパク質としては、BRCA1及びBRCA2を混合して用いてもよく、RAD51C及びRAD51Dを混合して用いてもよく、BRCA1、BRCA2、RAD51C及びRAD51Dを混合して用いてもよく、BRCA1、BRCA2、RAD51C、RAD51D及びRAD51を混合して用いてもよい。
ヒト、マーモセット、マウスのBRCA1、BRCA2、RAD51C及びRAD51Dタンパク質、及び、そのタンパク質をコードするmRNAのNCBIアクセッション番号の例を表1及び2に示す。
Figure 2020050294
Figure 2020050294
本実施形態の相同組換え効率上昇剤は、相同組換え効率を上昇させる活性を持つ限り、表1と表2に例示したDNA切断修復関連タンパク質及びそれらをコードする核酸の変異体であってもよい。
相同組換え効率上昇剤がタンパク質又はRNAである場合には、マイクロインジェクション、エレクトロポレーション等の定法によりこれらを細胞に取り込ませることにより、相同組換え効率を上昇させることができる。
相同組換え効率上昇剤は、上記DNA切断修復関連タンパク質をコードするDNAとプロモーターを連結した発現コンストラクトであってもよい。プロモーターとしては、対象細胞において活性を有するものであってもよいし、薬剤などにより活性を誘導可能な発現誘導型プロモーターであってもよい。
プロモーターとしては、例えば、ほぼ全ての細胞において強いプロモーター活性を有する、サイトメガロウイルス・プロモーター(CMVプロモーター)やCMV early enhancer/chicken beta actin(CAGプロモーター)等であってもよいし、組織特異的なプロモーター活性を有するプロモーター等であってもよい。
発現誘導型プロモーターとしては、人為的にプロモーター活性を制御することのできる、ドキシサイクリン誘導型プロモーター(TetOプロモーター)等が挙げられる。
前記発現コンストラクトは、例えば、トランスポゾンベクター、アデノウイルスベクター、アデノ随伴ウイルスベクター、プラスミドベクター、エピソーマルベクター等に組み込まれたものであってもよい。
ベクターとしては、ベクターがゲノムに組み込まれないもの、又は、一時的にゲノムに組み込まれるが、人為的な操作によってゲノムから除去することのできるベクターが好ましい。
ベクターを細胞に導入する方法としては、例えば、リポフェクション法、DEAE−デキストラン法、リン酸カルシウム法、マイクロインジェクション法、エレクトロポレーション法、ウイルスベクター法等が挙げられる。
[相同組換え効率が上昇した細胞の製造方法]
1実施形態において、本発明は、相同組換え効率が上昇した細胞の製造方法であって、前記細胞はマーモセットの細胞と比較して相同組換え効率が低い種の細胞であり、上述した相同組換え効率上昇剤を導入することを含む、製造方法を提供する。
本実施形態において、マーモセットの細胞と比較して相同組換え効率が低い種は、例えば、ヒト、マウス、ラット、ウサギ、サル、ブタ、ヤギ、ヒツジ、ウシ、フェレット、イヌ、ネコ及びニワトリからなる群より選択されるが、これに限定されない。
[相同組換え効率が上昇した細胞]
1実施形態において、本発明は、前記の相同組換え効率上昇剤が導入された、マーモセットの細胞と比較して相同組換え効率が低い種の細胞を提供する。本実施形態の細胞は、前記相同組換え効率上昇剤が導入されない場合と比較して、相同組換え効率が上昇している。
本実施形態において、マーモセットの細胞と比較して相同組換え効率が低い種は、例えば、ヒト、マウス、ラット、ウサギ、サル、ブタ、ヤギ、ヒツジ、ウシ、フェレット、イヌ、ネコ及びニワトリからなる群より選択されるが、これに限定されない。
[相同組換えによりゲノムDNAが改変された細胞の製造方法]
1実施形態において、本発明は、相同組換えによりゲノムDNAが改変された細胞の製造方法であって、前記細胞はマーモセットの細胞と比較して相同組換え効率が低い種の細胞であり、前記細胞に前記の相同組換え効率上昇剤を導入することと、前記細胞にドナーDNAを導入することと、前記細胞のゲノムDNAを切断することと、を含む、製造方法を提供する。
本実施形態において、マーモセットの細胞と比較して相同組換え効率が低い前記種は、例えば、ヒト、マウス、ラット、ウサギ、サル、ブタ、ヤギ、ヒツジ、ウシ、フェレット、イヌ、ネコ及びニワトリからなる群より選択されるが、これに限定されない。
ドナーDNAは、50〜5,000塩基程度の一本鎖DNAであってもよいし、500〜5,000塩基対程度の二本鎖DNAであってもよい。ドナーDNAは、ゲノムDNAの二本鎖DNA切断の位置を含む領域と、90%以上、好ましくは95%以上、更に好ましくは99%以上の配列同一性を有することが好ましい。
本明細書において、配列同一性とは、対象の塩基配列が、基準となる塩基配列(基準塩基配列)に対して一致している割合を示す値である。基準塩基配列に対する、対象塩基配列の配列同一性は、例えば次のようにして求めることができる。まず、基準塩基配列及び対象塩基配列をアラインメントする。ここで、各塩基配列には、配列同一性が最大となるようにギャップを含めてもよい。続いて、基準塩基配列及び対象塩基配列において、一致した塩基の塩基数を算出し、下記式(2)にしたがって、配列同一性を求めることができる。
配列同一性(%)=一致した塩基数/対象塩基配列の総塩基数×100 (2)
ドナーDNAは、例えば、蛍光タンパク質やタンパク質タグをコードする遺伝子を含んでいてもよい。HDRにより、ゲノムDNA切断の近傍に位置する遺伝子と前記遺伝子が融合タンパク質を発現するように、ドナーDNAを設計してもよい。
通常の生育環境においては、細胞内でゲノムDNAの切断が起こる頻度は非常に低い。人為的にゲノムDNAを切断する酵素を細胞に発現させることにより、特異的にゲノムDNA切断を起こすことができる。
前記酵素としては、ゲノムDNAを標的配列特異的に切断するものであれば特に制限されない。ゲノムDNAを切断する酵素が認識する標的配列の長さは、例えば、10〜40塩基程度であってよい。
ゲノムDNAを切断する酵素は、いわゆるゲノム編集において一般的に用いられる、RNA誘導型人工ヌクレアーゼや人工ヌクレアーゼであってもよい。
RNA誘導型人工ヌクレアーゼとは、ガイドとなる短鎖RNAが標的配列に結合し、ヌクレアーゼが標的配列特異的にDNAを切断する酵素である。RNA誘導型人工ヌクレアーゼとしては、Casファミリータンパク質が挙げられるが、これに限定されない。
人工ヌクレアーゼは、標的配列に結合するDNA結合ドメインと、制限酵素 FokIのヌクレアーゼドメインを融合させた人工制限酵素である。人工ヌクレアーゼとしては、Zinc finger nuclease(ZFN)、Transcription activator−like effector nuclease(TALEN)等が挙げられるが、これらに限定されない。
また、ゲノムDNAを切断する酵素として、例えばニッカーゼを用いてもよい。ニッカーゼとは、二本鎖DNAのうちの一本鎖を切断する酵素である。例えば、ゲノムDNA上の近接した位置において、ニッカーゼが二本鎖DNAの双方の鎖にニックを形成することにより、二本鎖DNA切断が形成される。
以下、実施例により本発明を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実験例1]
(マーモセットES細胞の相同組換え効率)
マーモセットES細胞の相同組換え効率を解析した。
マーモセットES細胞株にCas9及びsgRNA発現ベクター及びターゲティングベクターをリポフェクション法により導入し、薬剤選別によりクローンを得た。それぞれのクローンを増幅し、PCRあるいはサザンブロッティングにより遺伝型を判定した。
相同組換え効率は、ヒトES細胞(胚性幹細胞)及びiPS細胞(人工多能性幹細胞)では1%未満であり、マウスES細胞では1〜5%であることが知られている。これに対し、マーモセットES細胞の相同組換え効率は、ヒトES/iPS細胞及びマウスES細胞の相同組換え効率よりも高いことが明らかとなった。
ヒトとマーモセットは近縁種であるにもかかわらず、上述したように、相同組換え効率が大きく異なる。発明者らは、マーモセットにおいては、ヒトに比べて、DNA切断修復関連タンパク質が高発現し、このことが高い相同組換え効率に寄与している可能性を想定した。
[実験例2]
(DNA切断修復関連タンパク質の発現解析)
マーモセットES細胞の高い相同組換え効率に寄与するタンパク質を同定するために、マーモセットES細胞とヒトES/iPS細胞から、RNAを分離し、これらRNAについて、RNA−Seqにより解析を行った。
その結果、マーモセットES細胞においては、ヒトES/iPS細胞よりも、BRCA1、BRCA2、RAD51C及びRAD51Dが高発現していることが明らかになった。
続いて、リアルタイムPCRにより、BRCA1、BRCA2、RAD51C及びRAD51D遺伝子の、マーモセットES細胞とヒトES/iPS細胞における発現量をより正確に解析した。
マーモセットES細胞、ヒトiPS/ES細胞から、スピンカラムによりRNAを分離し、逆転写酵素によりcDNAを合成した。検出にはリアルタイムPCR装置(型式ViiA7、サーモフィッシャー社)を用いた。
各細胞株における各遺伝子の発現量を評価するために、GAPDH遺伝子を内部標準とした相対値を算出した。結果を図2〜6に示す。図中、DSY127はマーモセット胚性幹細胞の細胞株名を示す。201B7、WD39及びetKA4はiPS細胞株であり、ヒトiPSKhES−1はヒトES細胞株である。
図2は、RAD51C遺伝子の発現量を比較した結果を示し、図3は、RAD51D遺伝子の発現量を比較した結果を示し、図4は、RAD51遺伝子の発現量を比較した結果を示し、図5は、BRCA1遺伝子の発現量を比較した結果を示し、図6は、BRCA2遺伝子の発現量を比較した結果を示す。
さらに、マーモセットES細胞については、他の複数のマーモセットES細胞においてもDSY127細胞と同様の結果が得られている。その結果、マーモセットES細胞において、RAD51、RAD51C、RAD51D、BRCA1及びBRCA2遺伝子は、ヒトES細胞又はヒトiPS細胞と比較して、優位に発現が高いことが確認された。
前記の遺伝子群がコードするタンパク質は、相同組換えに関わることから、前記遺伝子の高い発現レベルが、マーモセットES細胞における高い相同組換え効率に寄与している可能性が考えられた。
[実験例3]
(相同組換え効率の制御)
実験例2に示されたマーモセットで高発現するDNA切断修復関連タンパク質である、BRCA1、BRCA2、RAD51C及びRAD51DをヒトiPS細胞において発現させて、相同組換え効率への影響を検討した。
《相同組換え効率の定量化》
まず、相同組換え効率を定量化するために、ヒトiPS細胞において、hypoxanthine phosphoribosyl transferase(HPRT)遺伝子座にネオマイシン耐性遺伝子カセットを相同組換えにより挿入する実験系を用いた。この相同組換えの概略を図1に示した。
図1中、HPRTWTは、正常なヒトHPRT遺伝子座を示し、HPRT targeting vectorは、ネオマイシン耐性遺伝子を含むターゲティングベクターを示し、HPRTNeoは、相同組換え後のHPRT遺伝子座を示す。
HPRTが正常である細胞をグアニン類似体の6−チオグアニン(6−TG)存在下で培養すると、DNAに6−TGが誤って取り込まれてしまうため細胞は死滅するが、HPRT遺伝子が破壊された細胞は6−TG存在下でも生存可能である。
また、ゲンタマイシン類似体のG418は、真核生物のタンパク質合成を阻害して細胞を死滅させるが、ネオマイシン耐性遺伝子が挿入され形質転換した細胞は、G418存在下でも生存可能である。
また、ゲノムDNAを切断する酵素として、Cas9タンパク質を用いた。ガイドRNAの配列はHPRT遺伝子のエクソン2を標的とするものを用いた。ガイドRNAの標的配列の塩基配列を配列番号1に示す。Cas9タンパク質とガイドRNAを、それぞれ、CAGプロモーター又はU6プロモーター制御下で発現させるDNAコンストラクトを作製した。
また、HPRT遺伝子座に相同な配列とネオマイシン耐性遺伝子カセットを有するドナーDNAを作製した。ドナーDNAの塩基配列を配列番号2に示す。ドナーDNAは環状二本鎖DNAを用いた。
前記のDNA切断修復関連タンパク質の発現コンストラクト、ドナーDNA、Cas9タンパク質とガイドRNAの発現コンストラクトを混合し、エレクトロポレーション法を用いて野生型ヒトiPS細胞へ導入した。
前記DNAを細胞へ導入した後、これら細胞を等量の2群に分け、一方にはG418のみを加え、他方にはG418と6−TGを加えて、培養し、選別を行った。この2群のコロニー数をそれぞれ計測した。
ここで、ネオマイシン耐性遺伝子カセットがゲノム上のいずれかの位置に挿入されたG418耐性クローンの数は、相同組換え体と非相同組換え体の合計の数を反映する。一方、ネオマイシン遺伝子カセットがHPRT遺伝子座に挿入された、G418と6−TGの両方に耐性を持つクローンの数は、相同組換え体の数を反映する。
そして、G418と6−TGの両方に耐性を持つ細胞と、G418耐性細胞のコロニー数の比を下記式(3)から算出することにより、相同組換え効率を算出することができる。
(相同組換え効率)=(G418と6−TGの両方に耐性を持つ細胞のコロニー数)/(G418耐性細胞のコロニー数) (3)
《DNA切断修復関連タンパク質の過剰発現》
ヒトRAD51、ヒトRAD51C及びヒトRAD51Dをコードする遺伝子配列を、それぞれ、CAGプロモーターの下流に連結した発現コンストラクトを作製した。また、ヒトBRCA1及びヒトBRCA2をコードする遺伝子配列を、それぞれ、CMVプロモーターの下流に連結した発現コンストラクトを作製した。
RAD51のmRNAのNCBIアクセッション番号はNM_002875.4であり、RADタンパク質のNCBIアクセッション番号はNP_002866.2である。BRCA1、BRCA2、RAD51C及びRAD51DのNCBIアクセッション番号は表1と2に示した通りである。
複数のDNA切断修復関連タンパク質を発現させる場合には、複数の前記DNA切断修復関連タンパク質の発現コンストラクトを、前記ドナーDNAコンストラクト、ゲノムDNAを切断する酵素の発現コンストラクトと共に混合し、ヒトiPS細胞に導入した。
前記DNAを細胞へ導入した後、これら細胞を等量の2群に分け、一方にはG418のみを加え、他方にはG418と6−TGを加えて、培養し、選別を行った。この2群のコロニー数をそれぞれ計測した。
計測したコロニー数から、上記式(3)を用いて、相同組換え効率を算出した。結果を図7と図8に示す。図7と図8の縦軸は、上記式(3)により算出した相同組換え効率を示す。図7は1種類の、図8は2種以上のDNA切断修復関連タンパク質を発現させた場合の相同組換え効率を示す。図7及び図8中、mockはDNA切断修復関連タンパク質を発現させなかった場合を示す。
図7に示す結果から、CMVプロモーター制御下にヒトBRCA1及びヒトBRCA2を発現するヒトiPS細胞は、野生型ヒトiPS細胞に比べて、相同組換え効率が上昇することが明らかになった。
図8に示す結果から、DNA切断修復関連タンパク質を組み合わせて発現させた場合、すなわちBRCA1とBRCA2、RAD51CとRAD51D、BRCA1とBRCA2とRAD51CとRAD51Dを発現させた場合、相同組換え効率は有意に上昇することが明らかになった。
これらの結果から、BRCA1、BRCA2、RAD51C及びRAD51Dは、相同組換え効率上昇に寄与することが明らかになった。
[実験例4]
マウスES細胞に、BRCA1、BRCA2、RAD51C、RAD51D、RAD51を発現させ、Sox2遺伝子座にVenus遺伝子を相同組換えにより挿入して、相同組換え効率を算出した。
相同組換え効率を定量化するために、マウスES細胞において、Sox2遺伝子座に緑色蛍光タンパク質であるVenusを相同組換えにより挿入する実験系を利用した。この相同組換えの実験の概略を図9に示した。
図9中、Wild typeはゲノムDNA上のSox2遺伝子座を示し、Knock−inは、VenusがSox2遺伝子座にインフレームで挿入された、相同組換え後のSox2遺伝子座を示す。
ゲノムDNAを切断する酵素としてCas9タンパク質を用いた。また、ガイドRNAは、SOX2遺伝子の終止コドン周辺を標的とするように設計した。また、マウスES細胞として、EB3株を用いた。
ドナーDNAとして、VenusをコードするORFと、SOX2遺伝子の終止コドンの上流の約500塩基対と、SOX2遺伝子の終止コドンの下流の約500塩基対とを有するものを作製した。VenusのORFは、SOX2遺伝子とインフレームで連結するように、ドナーDNAを設計した。ドナーDNAは環状二本鎖DNAを用いた。
DNA切断修復関連タンパク質の発現コンストラクトとして、ヒトBRCA1遺伝子、ヒトBRCA2遺伝子、ヒトRAD51C遺伝子、ヒトRAD51D遺伝子、ヒトRAD51遺伝子を、それぞれ、CAGプロモーターの下流に連結した発現コンストラクトを用いた。
DNA切断修復関連タンパク質の発現コンストラクトと、ドナーDNAと、Cas9タンパク質及びガイドRNAの発現コンストラクトとを混合したものを、エレクトロポレーション法によりマウスES細胞へ導入した。続いて、得られた細胞を播種して培養した。結果を図10に示す。
図10は、相同組換え後、Venusを発現する細胞を撮影した顕微鏡像である。その結果、相同組換えによりVenusがSox2遺伝子座に挿入された細胞においては、SOX2::Venus融合タンパク質が核に局在することが明らかになった。
また、エレクトロポレーションを行った細胞を培養し、コロニーを形成させた。形成されたコロニーのうち、Venusを発現する細胞を有するコロニーの割合(Venus陽性コロニー率)を計測した。結果を図11に示す。
図11は、DNA切断修復関連タンパク質を発現させた場合の、Venus陽性コロニー率を示す結果である。図11中、4Fは、BRCA1、BRCA2、RAD51C及びRAD51Dを同時に発現させた場合を示し、5Fは、BRCA1、BRCA2、RAD51C、RAD51D及びRAD51を同時に発現させた場合を示す。図11中、MockはDNA切断修復関連タンパク質を発現させなかった場合を示す。
その結果、BRCA1、BRCA2、RAD51C、RAD51Dを単独で発現させた場合、BRCA1、BRCA2、RAD51C及びRAD51Dを発現させた場合、並びに、BRCA1、BRCA2、RAD51C、RAD51D及びRAD51を発現させた場合、DNA切断修復関連タンパク質を発現させなかった場合と比較して、Venus陽性コロニー率が有意に上昇した。
本発明によれば、相同組換え効率を改善する技術を提供することができる。

Claims (10)

  1. マーモセットの細胞と比較して相同組換え効率が低い種の細胞よりも、マーモセットの細胞における発現量が高い、DNA切断修復関連タンパク質又は前記タンパク質をコードする核酸を有効成分として含有する、相同組換え効率上昇剤。
  2. マーモセットの細胞と比較して相同組換え効率が低い前記種が、ヒト、マウス、ラット、ウサギ、サル、ブタ、ヤギ、ヒツジ、ウシ、フェレット、イヌ、ネコ及びニワトリからなる群より選択される、請求項1に記載の相同組換え効率上昇剤。
  3. 前記DNA切断修復関連タンパク質が、RAD51パラログ及び乳癌易罹患性に関わる相同組換え因子である請求項1または2に記載の相同組換え効率上昇剤。
  4. 前記DNA切断修復関連タンパク質が、RAD51C、RAD51D、BRCA1、BRCA2からなる群より選択される、請求項3に記載の相同組換え効率上昇剤。
  5. 相同組換え効率が上昇した細胞の製造方法であって、
    前記細胞はマーモセットの細胞と比較して相同組換え効率が低い種の細胞であり、
    前記細胞に請求項1〜4のいずれか一項に記載の相同組換え効率上昇剤を導入することを含む、製造方法。
  6. マーモセットの細胞と比較して相同組換え効率が低い前記種が、ヒト、マウス、ラット、ウサギ、サル、ブタ、ヤギ、ヒツジ、ウシ、フェレット、イヌ、ネコ及びニワトリからなる群より選択される、請求項5に記載の製造方法。
  7. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の相同組換え効率上昇剤が導入された、マーモセットの細胞と比較して相同組換え効率が低い種の細胞。
  8. マーモセットの細胞と比較して相同組換え効率が低い前記種が、ヒト、マウス、ラット、ウサギ、サル、ブタ、ヤギ、ヒツジ、ウシ、フェレット、イヌ、ネコ及びニワトリからなる群より選択される、請求項7に記載の細胞。
  9. 相同組換えによりゲノムDNAが改変された細胞の製造方法であって、
    前記細胞はマーモセットの細胞と比較して相同組換え効率が低い種の細胞であり、
    前記細胞に請求項1〜4のいずれか一項に記載の相同組換え効率上昇剤を導入することと、
    前記細胞にドナーDNAを導入することと、
    前記細胞のゲノムDNAを切断することと、
    を含む、製造方法。
  10. マーモセットの細胞と比較して相同組換え効率が低い前記種が、ヒト、マウス、ラット、ウサギ、サル、ブタ、ヤギ、ヒツジ、ウシ、フェレット、イヌ、ネコ及びニワトリからなる群より選択される、請求項9に記載の製造方法。
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