JPWO2020045653A5 - - Google Patents

Download PDF

Info

Publication number
JPWO2020045653A5
JPWO2020045653A5 JP2020539644A JP2020539644A JPWO2020045653A5 JP WO2020045653 A5 JPWO2020045653 A5 JP WO2020045653A5 JP 2020539644 A JP2020539644 A JP 2020539644A JP 2020539644 A JP2020539644 A JP 2020539644A JP WO2020045653 A5 JPWO2020045653 A5 JP WO2020045653A5
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
formula
pharmaceutical composition
compound
cells
composition according
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2020539644A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7376107B2 (ja
JPWO2020045653A1 (ja
Filing date
Publication date
Application filed filed Critical
Priority claimed from PCT/JP2019/034220 external-priority patent/WO2020045653A1/ja
Publication of JPWO2020045653A1 publication Critical patent/JPWO2020045653A1/ja
Publication of JPWO2020045653A5 publication Critical patent/JPWO2020045653A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7376107B2 publication Critical patent/JP7376107B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Description

フィチン酸(myo-イノシトール-1,2,3,4,5,6リン酸、IP6)はヒト等の哺乳類の細胞内で生合成され、また種子など多くの植物組織にも存在するリンの主要な貯蔵形態である。穀物、豆類などの食物からも摂取される。その一部は吸収され、細胞にもピノサイトーシスなどにより取り込まれる。
高濃度のIP6をがん細胞に加えた場合に、細胞増殖抑制効果を示すことがよく研究され、注目されてきた。特開2003-238414は、イノシトールリン酸類(イノシトール6リン酸を含む)を有効成分する抗腫瘍剤を開示している。またIP6は、免疫力上昇、腎結石形成抑制、コレステロール低下、冠動脈疾患や糖尿病の発症リスク軽減などの多彩な活性を持つことが知られる。Vucenik l.et al.,Nutrion and Cancer,2006,55,109は、抗酸化、免疫力上昇、抗炎症、Phase I酵素およびPase II酵素の修飾、がん遺伝子の制御、抗-血管新生作用、腫瘍転移抑制、アポトーシス誘導、細胞分化上昇、細胞増殖抑制などの多様な作用をIP6が有することを記載している。
本発明らは上記問題解決のため鋭意研究に務めた結果、フィチン酸エステル誘導体を合成し、本発明を想到した。限定されるわけではないが、本発明は以下の態様を含む。
[態様1]
以下の式Iの化合物。
Figure 2020045653000002
(式IV中、-CH-CH-は所望により1若しくは複数の置換基により置換されていてもよい)
からなるグループから選択される、
ただし、R-R12の全てがHである場合を除く。
[態様2]
式II、式IIIまたは式IVにおいて、置換若しくは未置換のC1-6アルキル若しくはアリールが、置換若しくは未置換のメチル、置換若しくは未置換のエチルおよび置換若しくは未置換のブチルからなる群から選択される、態様1の化合物。
[態様3]
、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11およびR12の6個以上がHではない、態様1または2に記載の化合物。
[態様4]
、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11およびR12の全てがHではない、態様1-3のいずれか1項に記載の化合物。
[態様5]
1-6アルキル若しくはアリールが、ハロゲン、C1-4アルキル、アミノ基、ニトロ基、フェニル基、ヒドロキシル基、チオール基、C1-4アシルおよびアリル基からなる群から選択される置換基で置換されている、態様1-4のいずれか1項に記載の化合物。
[態様6]
式II中の-CH-、式III中の-CH-C-、および式IV中の-CH-CH-の1以上が、ハロゲン、C1-4アルキル、アミノ基、ニトロ基、フェニル基、ヒドロキシル基、チオール基、C1-4アシルおよびアリル基からなる群から選択される置換基で置換されている、態様1-5のいずれか1項に記載の化合物。
[態様7]
、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11およびR12の全てが、ブチリルオキメチルまたはアセトキシメチルである、態様1に記載の化合物。
[態様8]
生体内で加水分解されて、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11およびR12の一部または全てがHになる、態様1-7のいずれか1項に記載の化合物。
[態様9]
態様1-8のいずれか1項に記載の式Iの化合物を含む、医薬組成物。
[態様10]
細胞増殖抑制、細胞傷害抑制、免疫力上昇、コレステロール低下、腎結石形成抑制、がん転移抑制、および繊維化抑制からなる群から選択される活性を有する、態様9に記載の医薬組成物。
[態様11]
がん、冠動脈疾患、糖尿病および結石症からなる群から選択される疾患を予防または処置するための態様9または10に記載の医薬組成物。
[態様12]
がんが白血病、リンパ腫、骨髄腫からなる群から選択されるがんである、態様11に記載の医薬組成物。
[態様13]
経口投与、経皮投与、腹腔内投与または静脈内投与される、態様9-12のいずれか1項に記載の医薬組成物。
[態様14]
式Iの化合物が生体内で加水分解されて、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11およびR12の一部または全てがHになる、態様9-13のいずれか1項に記載の医薬組成物。
[態様15]
態様1-8のいずれか1項に記載の式Iの化合物の医薬組成物の製造のための使用。
[態様16]
態様1-8のいずれか1項に記載の式Iの化合物を含む、化粧用組成物。
[態様17]
美白作用または美肌作用を有する態様16に記載の化粧用組成物。
[態様18]
態様1-8のいずれか1項に記載の式Iの化合物を含む、研究用試薬。
置換若しくは未置換のアリールは、単純芳香環から誘導された芳香炭化水素基および多環芳香族炭化水素基を含む。アリールは、好ましくは単純芳香環の芳香属炭化水素基、即ち、炭素数が6のCアリールである。置換若しくは未置換のアリールは、非限定的に、フェニル基、ベンジル基、トリル基、キシリル基、ナチル基を含む。
本明細書において、フィチン酸(myo-イノシトール-1,2,3,4,5,6六リン酸、IP6)のエステル誘導体、即ち、式Iの化合物を総称して、あるいは、式Iに含まれる特定の化合物を「Pro-IP6」と呼称する場合がある。「Pro-IP6」のIP6のプロドラッグ、との意味を有する。本明細書においては、「プロドラッグ」とは、生体内投与後に代謝される、あるいは化合物の生物学的、医薬的または治療的に活性な型に転換される化合物である。
実施例3においてPro-IP6は、正常細胞に対して毒性を示さないことが示された。式Iの化合物を含む組成物は生体に対して安全に使用でき、医薬組成物または化粧用組成物として有用である。
メチレンジブチレート(1)の合成
酪酸(2.65g=2.75ml、30.1mmol)に2M NaOH水溶液(30ml)を加え30分間撹拌した。その後、テトラブチルアンモニウム硫酸水素塩(10.2g、30.5mmol)を加え30分撹拌し、水層をCHCl(50ml×4)で抽出した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過して2日間45℃で還流した。CHCl溜去することにより結果物を濃縮し、ヘキサン(60ml)に溶かし10%酢酸(50ml)、水(50ml×2)、飽和食塩水(50ml)で分液して硫酸マグネシウムで乾燥させた。乾燥後濾液をエバポレーターで濃縮し、無色液体の化合物、メチレンジブチレート(1)(1.354g、96%)を得た。
H NMR (600MHz,CDCl) δ:0.96(t,6H,CH),δ:1.66(sext,4H,CHCH),δ:2.34(t,4H,CHCHCH),δ:5.76(s,2H,OCHO)
HeLa細胞(5x10細胞/ウェル、培養液1mL)を3.5cmディッシュに播種し、24時間培養した。その後、DMSO(1%、富士フィルム和光純薬株式会社、IP6(最終濃度:10μM,シグマアルドリッチ)の水溶液(1%)、または、実施例1で合成したPro-IP6(最終濃度:10μM)のDMSO溶液(1%)を加え、さらに30分間培養した。ネガティブコントロールとして、IP6、Pro-IP6のいずれも加えずに培養したHela細胞に上記と同量のDMSOを加えたものを用いた。
実施例3 MTTアッセイ
本実施例では、MTTアッセイにより、4種類の血液がん細胞株および健常者由来の細胞に対するPro-IP6の殺細胞効果を調べた。MTTアッセイは、MTT(3-(4,5-ジ-メチルチアゾル-2-イル)-2,5-ジフェニルテトラゾリウムブロミド)をホルマザン色素(紫色)へ還元する酵素活性を測定する比色定量法である。MTTアッセイにより培養細胞の生存率を調べることが可能である。
がん細胞株(1.74x10細胞/ウェル、培養液200μL)
MT-2細胞(HTLV形質転換ヒトT細胞白血病細胞)
M8166細胞(ヒトT-リンパ芽球様細胞)
ジャーカット細胞(ヒトT-リンパ球細胞株)
K562細胞(慢性骨髄性白血病細胞)
健常者由来の細胞(5.0x10細胞/ウェル、培養液200μL)
PBMC(末梢血単核球細胞)
Jurkat細胞(1x10細胞/ウェル、培養液500μL)を24ウェルプレートに播種し、終夜培養した。その後、DMSO(1%、富士フィルム和光純薬株式会社)、IP6(最終濃度:10μM、シグマアルトリッチ)の水溶液(1%)、またはPro-IP6(最終濃度:1μMまたは10μM)のDMSO溶液(1%)を加え、8時間または24時間培養した。上清を取り除き、1xPBS(-)で1回洗浄した後Laemmliサンプルバッファーを加えて1時間100℃で煮沸して細胞を溶解した。これを電気泳動した後に膜(Millipore)に転写し、anti-phospho-Akt(Thr308)抗体(CST)、anti-PARP-1抗体(Merck)、Caspase-3抗体(CST)、または、anti-β-アクチン抗体(シグマアルトリッチ)を一次抗体として反応させた。検出はImmunoStar LD(富士フィルム和光純薬株式会社)を用いて行った。
マウスへの投与薬剤は以下のように調した。1日の投与量を20mg/kgとなるようにした。
1.DMSO2μl+生理食塩水198μl
2.IP62μl+生理食塩水196μl+DMSO2μl(終濃度7.1mg/kg:11μmol/kg、DMSO1%)
3.pro-IP62μl+生理食塩水198μl(終濃度20mg/kg:11μmol/kg,DMSO1%)0.2ml(DMSO1%)
Jurkat細胞(1x10細胞/ウェル、培養液500μL)を24ウェルプレートに播種し、終夜培養した。その後、DMSO(1%、富士フィルム和光純薬株式会社)、IP6(最終濃度:10μM、シグマアルトリッチ)の水溶液(1%)、またはPro-IP6(最終濃度:1μMまたは10μM)のDMSO溶液(1%)を加え、8時間または24時間培養した。上清を取り除き、1xPBS(-)で1回洗浄した後Laemmliサンプルバッファーを加えて1時間100℃で煮沸して細胞を溶解した。これを電気泳動した後に膜(Millipore)に転写した。
式Iの化合物は細胞内に有意にとりこまれ、がん細胞等の悪性細胞に対する殺細胞効果、抗腫瘍効果等を含め、フィチン酸(IP6)と同様の作用効果を奏する。またPro-IP6は、正常細胞に対して毒性を示さない。式Iの化合物を含む医薬組成物および化粧用組成物は、IP6よりも効果の高くかつ生体に安全な組成物として有用である。

Claims (12)

  1. 以下の式Iの化合物。
    Figure 2020045653000001
    [式中、R 、R 、R 、R 、R 、R 、R 、R 、R 、R 10 、R 11 およびR 12 の全てが、ブチリルオキシメチルである。]
  2. 生体内で加水分解されて、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11およびR12の一部または全てがHになる、請求項1に記載の化合物。
  3. 請求項1または2に記載の式Iの化合物を含む、医薬組成物。
  4. 細胞増殖抑制、細胞傷害抑制、免疫力上昇、コレステロール低下、腎結石形成抑制、がん転移抑制、および繊維化抑制からなる群から選択される活性を有する、請求項3に記載の医薬組成物。
  5. がん、冠動脈疾患、糖尿病および結石症からなる群から選択される疾患を予防または処置するための請求項3または4に記載の医薬組成物。
  6. がんが白血病、リンパ腫、骨髄腫からなる群から選択されるがんである、請求項5に記載の医薬組成物。
  7. 経口投与、経皮投与、腹腔内投与または静脈内投与される、請求項4-6のいずれか1項に記載の医薬組成物。
  8. 式Iの化合物が生体内で加水分解されて、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11およびR12の一部または全てがHになる、請求項4-7のいずれか1項に記載の医薬組成物。
  9. 請求項1または2に記載の式Iの化合物の医薬組成物の製造のための使用。
  10. 請求項1または2に記載の式Iの化合物を含む、化粧用組成物。
  11. 美白作用または美肌作用を有する請求項10に記載の化粧用組成物。
  12. 請求項1または2に記載の式Iの化合物を含む、研究用試薬。
JP2020539644A 2018-08-30 2019-08-30 フィチン酸エステル誘導体 Active JP7376107B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018161944 2018-08-30
JP2018161944 2018-08-30
PCT/JP2019/034220 WO2020045653A1 (ja) 2018-08-30 2019-08-30 フィチン酸エステル誘導体

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JPWO2020045653A1 JPWO2020045653A1 (ja) 2021-08-26
JPWO2020045653A5 true JPWO2020045653A5 (ja) 2022-11-08
JP7376107B2 JP7376107B2 (ja) 2023-11-08

Family

ID=69643863

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020539644A Active JP7376107B2 (ja) 2018-08-30 2019-08-30 フィチン酸エステル誘導体

Country Status (3)

Country Link
US (2) US20210177722A1 (ja)
JP (1) JP7376107B2 (ja)
WO (1) WO2020045653A1 (ja)

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5082833A (en) * 1988-06-30 1992-01-21 Shamsuddin Abulkalam M Reduction of cell proliferation and enhancement of nk-cell activity
US5866548A (en) * 1993-04-09 1999-02-02 The Regents Of The University Of California Caged membrane-permeant inositol phosphates
SE502574C2 (sv) * 1994-01-25 1995-11-13 Perstorp Ab En farmaceutisk komposition med förbättrad biotillgänglighet hos inositolfosfat
JP2003238414A (ja) * 2001-12-13 2003-08-27 Sangaku Renkei Kiko Kyushu:Kk 医薬組成物
US20070293458A1 (en) * 2006-06-16 2007-12-20 Ip-6 Research Inc. Prevention of nuclear, solar, and other radiation-induced tissue damage
WO2013085558A1 (en) * 2011-12-08 2013-06-13 Kulesza John E Methods and compositions for alteration of skin pigmentation

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2763894B2 (ja) 生物学的に活性なカルボン酸エステル類
Pettit et al. E-Combretastatin and E-resveratrol structural modifications: Antimicrobial and cancer cell growth inhibitory β-E-nitrostyrenes
EP3134421B1 (en) New lipophenol compounds and uses thereof
JP3577183B2 (ja) 動脈硬化症予防・治療剤
CA2902276C (fr) Heterocycles phosphores analogues de sucres a activite antimetastatique
EP3922628A1 (fr) Composes cytotoxiques inhibiteurs de la polymerisation de la tubuline
KR20000016387A (ko) 콜히친골격화합물과 그들의 의약품으로서의 용도 및 이들을함유한 조성물
JPWO2020045653A5 (ja)
JPWO2002078685A1 (ja) 血管障害疾患用剤
JPH02311462A (ja) 制ガン剤ならびに制ガン剤として有用な新規複素環化合物またはそれらの塩
JP2669762B2 (ja) 2―(1―ヒドロキシエチル)―5―ヒドロキシナフト〔2,3―b〕フラン―4,9―ジオンを含有する発癌プロモーション阻害剤
CN109734561B (zh) 一种法尼基酚类化合物及其药物组合物和其应用
JP7376107B2 (ja) フィチン酸エステル誘導体
EP1592660A1 (fr) Aminopropanediols acyles et analogues et leurs utilisations therapeutiques
EP1299400B1 (en) Novel cytotoxic compounds and their use
KR0143718B1 (ko) 항암 활성을 갖는 신규 제리쿠드라닌 이 및 제이 화합물, 및 그의 제조방법
WO1990007520A1 (fr) Phosphates d'oxysteryle, synthese et utilisation comme agent pharmaceutique
WO1993017027A1 (fr) Nouvelle application therapeutique de derives du pyridylpyrrolothiazole carboxamide
WO1993000899A1 (fr) Utilisation du (pyridyl-3)-3-1h,3h-pyrrolo (1,2-c) thiazole-carboxamide-7 pour le traitement des infections a retrovirus
FR2485015A1 (fr) Derives de l'olivacine et leur application therapeutique
CA2968483A1 (fr) Derives hydroxybisphosphoniques hydrosolubles de la doxorubicine
JP4376189B2 (ja) 生理活性物質rs−k3574から成る、ユビキチン活性化酵素の阻害剤、ならびに生理活性物質rs−k3574から成る、細胞内タンパク質のユビキチン化の阻害剤
JPH0967360A (ja) 癌遺伝子機能抑制剤
KR20070070302A (ko) 디아실 글리세롤 아실트랜스퍼라제 활성 억제제 및 이를포함하는 고지혈증과 비만의 예방 및 치료용 약학 조성물
WO2015193382A1 (fr) Utilisation d'un nouveau compose 3-aryl-4-catechol-pyrrole-n-propanol et ses derives pour le traitement du cancer et des pathologies associees a une angiogenese excessive