JPWO2020044988A1 - 二相ステンレス継目無鋼管およびその製造方法 - Google Patents

二相ステンレス継目無鋼管およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

耐食性に優れるとともに、管軸方向の引張降伏強度と圧縮降伏強度との差が少ない二相ステンレス継目無鋼管およびその製造方法およびその製造方法を提供することを目的とする。
質量%で、C:0.005〜0.08%、Si:0.01〜1.0%、Mn:0.01〜10.0%、Cr:20〜35%、Ni:1〜15%、Mo:0.5〜6.0%、N:0.005〜0.150%未満を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる成分組成であり、管軸方向引張降伏強度が689MPa以上であり、管軸方向圧縮降伏強度/管軸方向引張降伏強度が0.85〜1.15である二相ステンレス継目無鋼管。

Description

本発明は、耐食性に優れるとともに、管軸方向の引張降伏強度と圧縮降伏強度との差が少ない二相ステンレス継目無鋼管およびその製造方法に関する。なお、管軸方向の引張降伏強度と圧縮降伏強度との差が少ないとは、管軸方向圧縮降伏強度/管軸方向引張降伏強度が0.85〜1.15の範囲であるものをいう。
油井・ガス井採掘用の継目無鋼管は、高温・高圧下で高い腐食環境に耐える耐食性能と、高深度まで連結した際の自重や高圧に耐える高い強度特性が重要である。耐食性能は、鋼にCr、Mo、W、Nなどの耐食性向上元素の添加量が重要であり、例えばCrを22%含んだSUS329J3Lや25%含んだSUS329J4L、また、加えてMoを多く添加したISO S32750、S32760などの二相ステンレス鋼が利用される。
一方、強度特性について、最も重要視されるのは管軸方向引張降伏強度であり、この値が製品強度仕様の代表値となる。この理由は、高深度まで管を連結した際に、管自身の自重による引張応力に耐える能力が最も重要であり、自重による引張応力に対し、十分に大きな管軸方向引張降伏強度を備えることで塑性変形を抑制し、管表面の耐食性維持に重要な不動態被膜の損傷を防いでいる。
製品の強度仕様では管軸方向引張降伏強度が最も重要であるが、管の連結部については管軸方向圧縮降伏強度も重要となる。油井・ガス井用の管は火災防止や抜き差しを繰り返す観点から、連結に溶接が利用できず、ネジによる締結が利用される。そのため、ネジ山には締結力に応じた管軸方向圧縮強度が発生する。したがって、この圧縮強度にも耐えることができる管軸方向圧縮降伏強度が重要となる。
二相ステンレス鋼は、組織中にフェライト相と結晶構造的に降伏強度の低いオーステナイト相との二相で構成されており、熱間成形や熱処理の状態では油井管用に必要な強度を確保できない。そのため、油井用に用いられる管は、各種冷間圧延による転位強化を利用して管軸方向引張降伏強度を高めている。油井用に用いられる管の冷間圧延方法は冷間引抜圧延と冷間ピルガー圧延の2種類に限定されており、油井管の利用に関する国際規格であるNACE(National Association of Corrosion Engineers)でもCold drawing(冷間引抜圧延)とCold pilgering(冷間ピルガー圧延)のみ定義が記されている。いずれの冷間圧延も減肉、縮管により管長手方向へ延ばす加工であるため、ひずみによる転位強化は管長手方向の引張降伏強度向上に最も有効に働く。一方で管軸長手方向へひずみを与えるこれらの冷間圧延では、管軸方向への強いバウシンガー効果を発生させるため管軸方向圧縮降伏強度が20%程度低下することが知られており、管軸方向圧縮降伏強度特性が要求されるネジ締結部ではバウシンガー効果発生を前提とした低い降伏強度で強度設計されるのが一般的であり、この設計に全体の製品仕様が律速を受けていた。
これらの課題に対し、特許文献1では、質量%で、C:0.008〜0.03%、Si:0〜1%、Mn:0.1〜2%、Cr:20〜35%、Ni:3〜10%、Mo:0〜4%、W:0〜6%、Cu:0〜3%、N:0.15〜0.35%を含有し、残部が鉄および不純物からなり、二相ステンレス鋼管の管軸方向に、689.1〜1000.5MPaの引張降伏強度YSLTを有し、前記引張降伏強度YSLT、前記管軸方向の圧縮降伏強度YSLC、前記二相ステンレス鋼管の管周方向の引張降伏強度YSCT及び前記管周方向の圧縮降伏強度YSCCが、所定の式を満たすことを特徴とする二相ステンレス鋼管が提案されている。
特許第5500324号公報
しかしながら、特許文献1では耐食性について検討されていない。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、耐食性に優れるとともに、管軸方向の引張降伏強度と圧縮降伏強度との差が少ない二相ステンレス継目無鋼管およびその製造方法を提供することを目的とする。
二相ステンレス鋼は、Cr、Moの鋼中の固溶量を高めることで高い耐食性被膜の形成と局所的な腐食の進展を抑制する。また、組織中のフェライト相とオーステナイト相分率を適切な2相状態にすることも様々な腐食形態から材料を保護するために重要である。一方で、主要な耐食性元素であるCr、Moはすべてフェライト相形成元素であり、単純な添加量増加では相分率を適切な2相状態にできない。そのため、オーステナイト相形成元素の適量添加が必要となる。オーステナイト相形成元素はC、N、Mn、Ni、Cuがあるが、C量の鋼中の増加は耐食性を劣化させるため最大量を制限すべきであり、二相ステンレス鋼では0.08%以下とすることが多い。一方で、その他のオーステナイト相形成元素については、添加コストが安く、固溶状態で耐食性向上効果があるNを多く利用するケースが多い。
ここで、二相ステンレス継目無鋼管は、耐食性元素を鋼中に固溶させ、かつ相分率を適切な2相状態とするため熱間成形後に1000℃以上の高温熱処理である固溶体加熱処理を行った後に利用される。さらにその後、高強度化が必要な場合は冷間圧延により転位強化が施される。固溶体化熱処理、または冷間圧延の状態で製品になる場合は、耐食性に有効な元素は鋼中に固溶しており、高い耐食性能を示す。
ネジ締結部のバウシンガー効果発生を前提とした降伏強度の低減が必要な場合は、特許文献1のように低温の熱処理が有効である。しかしながら、低温の熱処理では固溶体化熱処理で鋼中に溶かし込んだ元素が拡散し、耐食性能に重要な元素が炭窒化物として析出し、消費され耐食性効果を失ってしまう。その場合、特にコスト低減、耐食性向上の観点で、意図的に、または大気中での溶解や、その他添加金属元素に結合する形で多量に添加されたNが悪影響を及ぼすことが考えられる。つまり、Nは原子サイズが小さく、低温の熱処理でも容易に拡散し周囲の耐食性元素と結合して窒化物となり耐食性元素としての効果を無力化してしまうのである。
そこで本発明者らは、低温熱処理時の炭窒化物の析出に関して、微量添加されているCに対し、多量に添加されるNの量が窒化物形成による耐食性低下を引き起こすと考え、種々の調査を行った。その結果、以下の知見を得た。
まず、熱処理時におけるN量と窒化物量との関係について調べた。図1、2には、SUS329J3L(22%Crステンレス鋼、図1)とSUS329J4L(25%Crステンレス鋼、図2)のN量と低温熱処理(590℃)後のCr、Moの窒化物析出量を熱平衡計算により算出した値を示す。なお、熱処理無では耐食性元素との窒化物の形成は確認されず、すべて鋼中に固溶していた。また、熱処理温度が150〜450℃の場合についても、図1、2と同様に、Nの増加に従い、窒化物が増加した。低温熱処理により析出が確認された窒化物はCr系、Mo系が大半であり、いずれも耐食性能に重要な元素であった。また、Nの増加に従い、いずれの鋼種でも窒化物が増加しており、より多くの耐食性元素を析出物として消費していた。つまり、N量は固溶体化熱処理のままでは、鋼中に固溶し、その他耐食性元素と合わせて耐食性能を向上させるが、低温熱処理を行うと、N量増加に比例して窒化物が増加、それに伴い耐食性元素を消費し、鋼中の濃度を低下させるため耐食性能を低下させる原因になると考えられる。また、過剰なNの添加は、CrやMo以外の耐食性元素(たとえばW)とも窒化物を形成し、耐食性を低下させると考えられる。
特許文献1によれば、冷間引抜圧延や冷間圧延に加えて低温の熱処理を必須条件としている。つまり、特許文献1の手法は通常の冷間引抜や冷間ピルガー圧延を利用するため、管軸方向へのバウシンガー効果の発生自体は防げておらず、バウシンガー効果発生後の降伏強度異方性を熱処理により緩和している。しかし、冷間引抜圧延、冷間圧延に加えて熱処理を行う特許文献1の手法は、鋼中の耐食性元素の低下に伴う耐食性の低下が発生する。つまり、二相ステンレス継目無鋼管の耐食性能は、鋼中に固溶したCr、Mo、W、Nなどの耐食性元素の量が重要であるにもかかわらず、バウシンガー効果を低減させるために行う熱処理により、これらの耐食性元素が窒化物として析出し、その結果、固溶量が低下、耐食性が低下すると考えられる。
さらに本発明者らは、N量と耐食性能の関係を明らかにするため、N量を変化させた場合の耐応力腐食性能を評価した。図1の成分系について、N量のみを0.050、0.110、0.149、0.152、0.185、0.252%へ調整し溶解、熱間成形し、その後1050℃で固溶体化熱処理、冷間加工を行い、降伏強度を865〜931MPaへ調整後、4点曲げ腐食試験片を作成した。各試験片には熱処理を行わない場合と400℃の熱処理を行った場合の2条件を準備して、耐応力腐食性能を比較した。
4点曲げによる負荷応力条件は降伏強度の90%固定とし、腐食環境は油井採掘時の塩化物、硫化物腐食環境を模擬した水溶液(20%NaCl+0.5%CHCOOH+CHCOONaの水溶液にHSガスを添加しpHを3.5に調整、試験温度25℃)とした。調査では応力付与状態で腐食液中に720hr浸漬し、N量と試験後の腐食状態を比較した。調査の結果、N量がいずれであっても熱処理を行わない場合は腐食の発生はなかった。一方で、熱処理を行った場合ではN量0.149%までは腐食の発生はなかったが、0.152%で微小な孔状の腐食とクラックの発生が確認され、さらにそれ以上のN量では、き裂の大きな伝播が確認された。微細な腐食部を観察すると、材料組織の粒界に沿って析出した窒化物を起点として発生しており、熱処理中に、より拡散速度の速い粒界付近の耐食性元素が優先的に窒化物となり消費され、耐食性元素の固溶量が局所的に減少したことが孔状の腐食発生の原因であった。そのため、N量はばらつきも考慮して最大でも0.150%未満と決定した。
本発明は以上の知見に基づきなされたものであり、その要旨は次のとおりである。
[1]質量%で、C:0.005〜0.08%、Si:0.01〜1.0%、Mn:0.01〜10.0%、Cr:20〜35%、Ni:1〜15%、Mo:0.5〜6.0%、N:0.005〜0.150%未満を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる成分組成であり、管軸方向引張降伏強度が689MPa以上であり、管軸方向圧縮降伏強度/管軸方向引張降伏強度が0.85〜1.15である二相ステンレス継目無鋼管。
[2]管周方向圧縮降伏強度/管軸方向引張降伏強度が0.85以上である[1]に記載の二相ステンレス継目無鋼管。
[3]さらに質量%で、W:0.1〜6.0%、Cu:0.1〜4.0%のうちから選ばれた1種または2種を含有する[1]または[2]に記載の二相ステンレス継目無鋼管。
[4]さらに質量%で、Ti:0.0001〜0.51%、Al:0.0001〜0.29%、V:0.0001〜0.55%、Nb:0.0001〜0.75%のうちから選ばれた1種または2種以上を含有する[1]〜[3]のいずれかに記載の二相ステンレス継目無鋼管。
[5]さらに質量%で、B:0.0001〜0.010%、Zr:0.0001〜0.010%、Ca:0.0001〜0.010%、Ta:0.0001〜0.3%、REM:0.0001〜0.010%のうちから選ばれた1種または2種以上を含有する[1]〜[4]のいずれかに記載の二相ステンレス継目無鋼管。
[6][1]〜[5]のいずれかに記載の二相ステンレス継目無鋼管の製造方法であって、管軸方向への延伸加工を行い、その後、460〜480℃を除く150〜600℃の加熱温度で熱処理する二相ステンレス継目無鋼管の製造方法。
[7][1]〜[5]のいずれかに記載の二相ステンレス継目無鋼管の製造方法であって、460〜480℃を除く150〜600℃の加工温度で管軸方向への延伸加工を行う二相ステンレス継目無鋼管の製造方法。
[8]前記延伸加工後、さらに、460〜480℃を除く150〜600℃の加熱温度で熱処理する[7]に記載の二相ステンレス継目無鋼管の製造方法。
[9][1]〜[5]のいずれかに記載の二相ステンレス継目無鋼管の製造方法であって、管周方向の曲げ曲げ戻し加工を行う二相ステンレス継目無鋼管の製造方法。
[10]前記管周方向の曲げ曲げ戻し加工の加工温度は、460〜480℃を除く600℃以下である[9]に記載の二相ステンレス継目無鋼管の製造方法。
[11]前記曲げ曲げ戻し加工後、さらに、460〜480℃を除く150〜600℃の加熱温度で熱処理する[9]または[10]に記載の二相ステンレス継目無鋼管の製造方法。
本発明によれば、高い耐食性能を有し、かつ管軸方向引張降伏強度と管周方向圧縮降伏強度との差が小さい二相ステンレス継目無鋼管を得ることができる。したがって、本発明の二相ステンレス継目無鋼管であれば、ネジ締結部の設計自由度向上と管軸方向の引張降伏強度で評価されることが多い圧潰強度が保証可能となる。
図1は、SUS329J3L(22%Crステンレス鋼)における、N量と低温熱処理時のCr、Moの窒化物量との関係を示すグラフである。 図2は、SUS329J4L(25%Crステンレス鋼)における、N量と低温熱処理時のCr、Moの窒化物量との関係を示すグラフである。 図3は、管周方向の曲げ曲げ戻し加工を示す模式図である。
以下に、本発明について説明する。
まず、本発明の鋼管の組成限定理由について説明する。以下、とくに断らない限り、質量%は単に%と記す。
C:0.005〜0.08%
Cはオーステナイト相形成元素であり、適量の含有で相分率の適正化に役立つ。しかし、過剰な含有は炭化物の形成により耐食性の低下を招く。そのため、Cの上限は0.08%以下とする。下限については、C量低下に伴うオーステナイト相の低下を、その他オーステナイト相形成元素で賄うことができるため特に設ける必要はないが、C量が低すぎると溶解時の脱炭コストが上昇するため、0.005%以上とする。
Si:0.01〜1.0%
Siは鋼の脱酸作用があるため、溶鋼中への適量の含有が有効である。しかし、多量のSi含有に伴う鋼中への残存は、加工性と低温靱性を損なう。そのため、Siの上限は1.0%以下とする。下限については、脱酸後のSiを過剰に低減することは製造コスト上昇につながるため、0.01%以上とする。なお、十分に脱酸作用を得つつ、過剰に鋼中に残存することによる副作用抑制を両立する観点から、Siは0.2%以上とすることが好ましく、また0.8%以下とすることが好ましい。
Mn:0.01〜10.0%
Mnは強力なオーステナイト相形成元素であり、かつその他のオーステナイト相形成元素に比べ安価である。さらに低温熱処理を実施してもCやNのように耐食性元素を消費することがない。そのため、CやNを低減した際に二相ステンレス継目無鋼管のオーステナイト相分率を適切な2相状態とするために、0.01%以上含有する必要がある。一方で、Mnの過剰な含有は低温靱性を低下させる。そのため、10.0%以下とする。低温靭性を損なわないためには1.0%未満であることが好ましい。下限については、溶鋼中に混入する不純物元素であるSの無害化にMnが有効であり、微量添加で鋼の耐食性、靭性を大きく劣化させるSをMnSとして固定する効果があるため、Mnは0.01%以上含有する。一方で、低温靱性に注意しつつ、コスト低減を両立させる観点でMnをオーステナイト相形成元素として十分に活用したい場合は2.0%以上とすることが好適であり、また8.0%以下が好適である。
Cr:20〜35%
Crは鋼の不動態被膜を強固にし、耐食性能を高めるもっとも重要な元素である。過酷な腐食環境で利用される二相ステンレス継目無鋼管には20%以上のCr量が必要となる。Cr量が増加するほど耐食性向上に寄与するが、35%超えの含有は溶解から凝固する過程で脆化相が析出し全体に割れが発生してしまい、その後の成形加工が困難になる。そのため上限は35%以下とする。なお、耐食性の確保と製造性の両立の観点から好ましい範囲は21.5%以上であり、また好ましくは28.5%以下である。
Ni:1〜15%
Niは強力なオーステナイト相形成元素であり、かつ鋼の低温靱性を向上させる。そのため安価なオーステナイト相形成元素であるMnの利用では低温靱性が問題になる場合に積極的に活用すべきであり、下限は1%以上とする。一方で、Niはその他オーステナイト相形成元素中で最も高価な元素であり、含有量の増加は製造コスト上昇につながる。そのため、不要に多く含有することは好ましくない。そのため、上限は15%以下とする。なお、低温靱性が問題にならない用途の場合は1〜5%の範囲で、その他元素と複合添加することが好ましい。一方で、高い低温靱性が必要な場合はNiの積極的な添加が有効であり、5%以上とすることが好ましく、また13%以下とすることが好ましい。
Mo:0.5〜6.0%
Moは含有量に応じて鋼の耐孔食性を高める。そのため腐食環境に応じて適量添加される。一方で過剰なMoの含有は溶鋼〜凝固時に脆化相が析出し、凝固組織中に多量の割れを発生させ、その後の成形安定性を大きく損なう。そのため、上限は6.0%以下とする。Moの含有は含有量に応じて耐孔食性を向上させるが、硫化物環境で安定した耐食性を維持するためには0.5%以上が必要である。なお、二相ステンレス継目無鋼管に必要とされる耐食性と製造安定性両立の観点から1.0%以上とすることが好適であり、また5.0%以下が好適である。
N:0.005〜0.150%未満
Nは強力なオーステナイト相形成元素であり、かつ安価である。また、単体では耐食性向上元素であるため積極的に利用される。しかし、固溶体化熱処理の後で低温の熱処理を行う場合は、多量のN添加は窒化物析出を招き、耐食性元素の消費による耐食性低下を引き起こす。そのため、上限は0.150%未満とする。なお、下限については特に制限はないが、N量が低すぎると、溶解時の処理が複雑になり生産性低下を招く。そのため、下限値は0.005%以上とする。なお、耐食性に問題のない範囲でNを含有することはその他のオーステナイト相形成元素であるNi、Mn、Cuの含有量を抑えコストダウンにつながるため、好ましくは0.08%以上であり、また好ましくは0.14%以下である。
残部はFeおよび不可避不純物である。なお、不可避的不純物としては、P:0.05%以下、S:0.05%以下、O:0.01%以下が挙げられる。P、S、Oは製錬時に不可避的に混入する不純物である。これらの元素は不純物として残留量が多すぎた場合、熱間加工性の低下や耐食性、低温靱性の低下など様々な問題が生じる。そのためそれぞれP:0.05%以下、S:0.05%以下、O:0.01%以下に管理が必要である。
上記成分組成のほかに、本発明では必要に応じて、以下に述べる元素を適宜含有してもよい。
W:0.1〜6.0%、Cu:0.1〜4.0%のうちから選ばれた1種または2種
W:0.1〜6.0%
WはMoと同様に含有量に応じて耐孔食性を高めるが、過剰に含有すると熱間加工時の加工性を損ない製造安定性を損なう。そのため、Wを含有する場合は、上限は6.0%以下とする。Wの含有は含有量に応じて耐孔食性を向上させるため、特に下限を設ける必要はないが、二相ステンレス継目無鋼管の耐食性能を安定させる理由で0.1%以上の含有が好適である。なお、二相ステンレス継目無鋼管に必要とされる耐食性と製造安定性の観点から1.0%以上がより好適であり、また5.0%以下がより好適である。
Cu: 0.1〜4.0%
Cuは強力なオーステナイト相形成元素であり、かつ鋼の耐食性を向上させる。そのためその他オーステナイト相形成元素であるMnやNiでは耐食性が不足する場合に積極的に活用すべきである。一方で、Cuは含有量が多くなりすぎると熱間加工性の低下を招き、成形が困難になる。そのため、含有する場合、Cuは4.0%以下とする。含有量の下限は特に規定する必要はないが、0.1%以上の含有で耐食性効果が得られる。なお、耐食性の向上と熱間加工性の両立の観点から1.0%以上がより好適であり、また3.0%以下がより好適である。
本発明はさらに必要に応じて、以下に述べる元素を適宜含有してもよい。
Ti:0.0001〜0.51%、Al:0.0001〜0.29%、V:0.0001〜0.55%、Nb:0.0001〜0.75%のうちから選ばれた1種または2種以上
Ti、Al、V、Nbは適量添加すると余剰なNと結合し、鋼中の固溶N量を低減し、耐食性元素とNが結合するのを抑制して耐食性を向上させる効果がある。添加は単独、または複合してもよく、適宜利用できる。添加量は下限を特に設ける必要はないが、含有する場合は0.0001%以上により耐食性効果が得られる。しかしながら、過剰な添加は合金コストの増加を招くため、それぞれTi:0.51%以下、Al:0.29%以下、V:0.55%以下、Nb:0.75%以下を上限とすることが好ましい。より好ましくは、Ti:0.30%以下、Al:0.20%以下、V:0.30%以下、Nb:0.30%以下を上限とすることが好ましい。
本発明はさらに必要に応じて、以下に述べる元素を適宜含有してもよい。
B:0.0001〜0.010%、Zr:0.0001〜0.010%、Ca:0.0001〜0.010%、Ta:0.0001〜0.3%、REM:0.0001〜0.010%のうちから選ばれた1種また2種以上
B、Zr、Ca、REMは、ごく微量を添加すると粒界の結合力向上や、表面の酸化物の形態を変化させ熱間の加工性、成形性を向上する。二相ステンレス継目無鋼管は一般的に難加工材料であるため、加工量や加工形態に起因した圧延疵や形状不良が発生しやすいが、そのような問題が発生するような成形条件の場合にこれらの元素は有効である。添加量は下限を特に設ける必要はないが、含有する場合は0.0001%以上により加工性や成形性向上の効果が得られる。一方で、添加量が多くなりすぎると逆に熱間加工性を悪化させることに加え、希少元素のため合金コストが増大する。そのため添加量の上限は、B、Zr、Ca、REMについてはそれぞれ0.010%以下とする。Taは少量添加すると脆化相への変態を抑制し、熱間加工性と耐食性を同時に向上する。熱間加工やその後の冷却で脆化相が安定な温度域で長時間滞留する場合にTaは有効である。したがって、Taを含有する場合は0.0001%以上とする。一方で添加量が多くなりすぎると合金コストが増大するため、Taは上限を0.3%以下とする。
次に耐食性に重要な製品中のフェライト、オーステナイト相の適切な相分率について説明する。
2相ステンレス鋼の各相は耐腐食性に関して異なる作用を有しており、それらが2相で鋼中に存在することで高い耐食性を発揮する。そのため2相ステンレス鋼中にはオーステナイト相とフェライト相の両方が存在していなければならず、さらにその相分率も耐食性能の観点で重要である。例えば日本金属学会会報技術資料, 第17巻 第8号 (1978年),662の図9にはCrを21〜23%含む2相ステンレス鋼について、そのフェライト相分率と腐食環境中の材料破断時間との関係が示されており、フェライト相分率が20%以下、または80%以上で大きく耐食性が損なわれていることが読み取れる。さらに、ISO15156-3 (NACE MR0175)では上記を含む耐食性能への影響を根拠に、2相ステンレス鋼のフェライト相分率は35%以上、65%以下とするように定義されている。本発明の材料は耐食性能が必要な用途で使用される2相ステンレス鋼管であるため、耐食性の観点から適切な2相分率状態にすることが重要である。そのため、本発明における適切な2相分率状態とは、2相ステンレス鋼管組織中の少なくともフェライト相分率を20%以上、80%以下とする。また、より耐食性が厳しく求められる環境で利用される際はISO15156-3に準拠し、フェライト相を35〜65%とすることが好ましい。
次に、本発明の二相ステンレス継目無鋼管の製造方法について説明する。
まず、上記の二相ステンレス鋼組成を有する鋼素材を作製する。二相ステンレス鋼の溶製は各種溶解プロセスが適用でき、制限はない。たとえば、鉄スクラップや各元素の塊を電気溶解して製造する場合は真空溶解炉、大気溶解炉が利用できる。また、高炉法による溶銑を利用する場合はAr-O2混合ガス底吹き脱炭炉や真空脱炭炉等が利用できる。溶解した材料は静止鋳造、または連続鋳造により凝固させ、インゴットやスラブとし、その後、熱間圧延、または鍛造で丸ビレット形状に成形し鋼素材となる。
次に、丸ビレットは加熱炉で加熱され、各種熱間圧延プロセスを経て鋼管形状となる。丸ビレットを中空管にする熱間成形(穿孔プロセス)を行う。熱間成形としては、マンネスマン方式、押出製管法等のいずれの手法も利用できる。また、必要に応じて、中空管に対し減肉、外径定型を行う熱間圧延プロセスであるエロンゲーター、アッセルミル、マンドレルミル、プラグミル、サイザー、ストレッチレデューサー等を利用してもよい。
次に、熱間成形後、固溶体化熱処理を行うことが望ましい。熱間圧延中の二相ステンレス鋼は加熱時の高温状態から熱間圧延中に徐々に温度が低下する。また熱間成形後も空冷されることが多く、サイズや品種により温度履歴が異なり制御できない。そのため、耐食性元素が温度低下中の種々の温度域で熱化学的に安定な析出物となり消費され、耐食性が低下する可能性がある。また、脆化相への相変態が生じ低温靱性を著しく低下させる可能性もある。さらに二相ステンレス鋼は種々の腐食環境に耐えるため、利用時のオーステナイト相とフェライト相分率が適切な2相状態であることが重要であるが、加熱温度からの冷却速度が制御できないため、保持温度により逐次変化する二相分率の制御が困難となる。以上の問題があることから、析出物の鋼中への固溶、脆化相の非脆化相への逆変態、相分率を適切な2相状態とする目的で高温加熱後、急速冷却を行う固溶体化熱処理が多用される。この処理により、析出物や脆化相を鋼中に溶かし込み、かつ、相分率を適切な2相状態へ制御する。固溶体加熱処理の温度は析出物の溶解、脆化相の逆変態、相分率が適切な2相状態となる温度が添加元素により多少異なるが、1000℃以上の高温であることが多い。また加熱後は固溶体化状態を維持するため急冷を行うが、圧空冷却やミスト、油、水など各種冷媒が利用できる。
固溶体化熱処理後の継目無素管は低降伏強度であるオーステナイト相を含むため、そのままでは油井・ガス井採掘に必要な強度が得られない。そのため、各種冷間圧延による転位強化を利用して管の高強度化を行う。なお、高強度化後の二相ステンレス継目無鋼管の強度グレードは管軸方向引張降伏強度により決定される。
本発明では、以下に説明するように、(1)管軸方向への延伸加工、もしくは、(2)管周方向への曲げ曲げ戻し加工、のいずれかの方法により、管の強度化を行う。
(1)管軸方向への延伸加工:冷間引抜圧延、冷間ピルガー圧延
管の冷間圧延法で油井・ガス井採掘に関して規格化されているのは冷間引抜圧延、冷間ピルガー圧延の2種類であり、いずれの手法も管軸方向への高強度化が可能であり、適宜利用できる。これらの手法では、主に圧下率と外径変化率を変化させて必要な強度グレードまで高強度化を行う。一方で、冷間引抜圧延や冷間ピルガー圧延は管の外径と肉厚を減じ、その分を管軸長手方向に大きく延伸する圧延形態であるため、管軸長手方向へは高強度化が容易に起こる。その反面、管軸圧縮方向へ大きなバウシンガー効果が発生し、管軸方向圧縮降伏強度が管軸引張降伏強度に対し最大20%程度低下することが問題として知られている。
そこで本発明では、管軸方向への延伸加工を行った後に460〜480℃を除く150〜600℃の熱処理を行う。N量が0.150%未満であれば上記熱処理後でも耐食性元素の消費による耐食性能低下を起こすことなく管軸方向への延伸加工により生じた管軸方向圧縮降伏強度の低下を改善することができる。
また、管軸方向への延伸加工温度を460〜480℃を除く150〜600℃として延伸加工を行うことも有効である。N量が0.150%未満であれば延伸加工後の熱処理同様に耐食性能低下を起こすことなく管軸方向への延伸加工により生じた管軸方向圧縮降伏強度の低下を改善することができる。また、材料の軟化による加工負荷の低減効果も期待できる。延伸加工後の熱処理と、延伸加工は上昇した温度で組み合わせて行っても、N量が0.150%未満であれば耐食性に影響を与えることなく管軸方向への延伸加工により生じた管軸方向圧縮降伏強度の低下を改善することができる。本発明では、460〜480℃を除く150〜600℃として延伸加工を行った後、熱処理を行ってもよく、熱処理時の加熱温度は460〜480℃を除く150〜600℃であることが好ましい。
延伸加工時の加工温度および熱処理時の加熱温度の上限は、加工による転位強化が消失しない温度であることが必要であり600℃以下まで適用できる。また、フェライト相の脆化温度である460〜480℃での加工は管の脆化による製品特性の劣化に加え、加工中の割れにもつながるため避けるべきである。
なお、熱処理時の加熱温度や、延伸加工時の加工温度が150℃未満では急激な降伏強度低下が生じる温度域となる。また、十分な加工負荷低減効果を得るために、150℃以上とする。好ましくは、加熱冷却時の脆化相通過を避ける為に350〜450℃とする。
(2)管周方向への曲げ曲げ戻し加工
油井・ガス井採掘用二相ステンレス継目無鋼管の冷間加工手法として規格化されていないが、管周方向への曲げ曲げ戻し加工による転位強化を利用した管の高強度化も利用できる。図面に基づいて、本加工手法について説明する。この手法は、圧延によるひずみが管軸長手方向へ生じる冷間引抜圧延や冷間ピルガー圧延と異なり、図3に示すように、ひずみは管の扁平による曲げ加工後(1回目の扁平加工)、再び真円に戻す際の曲げ戻し加工(2回目の扁平加工)により与えられる。この手法では、曲げ曲げ戻しの繰り返しや曲げ量の変化を利用してひずみ量を調整するが、与えるひずみは加工前後の形状を変えることがない付加的せん断ひずみである。さらに、管軸方向へのひずみがほとんど発生せず管周方向と管肉厚方向へ与えられたひずみによる転位強化で高強度化するため、管軸方向へのバウシンガー効果発生を抑制できる。つまり、冷間引抜圧延や冷間ピルガー圧延のように管軸圧縮強度の低下がない、または少ないため、ネジ締結部の設計自由度が向上できる。さらに、管外周長が減ずるように加工を行えば、管周方向圧縮強度が向上し、高深度の油井・ガス井採掘時の外圧に対しても強い鋼管とすることができる。管周方向への曲げ曲げ戻し加工は、冷間引抜圧延や冷間ピルガー圧延のように大きな外径、肉厚変化を与えることはできないが、特に管軸方向と管軸引張に対する管周方向圧縮方向の強度異方性の低減が求められる場合に有効である。
なお、図3(a)(b)は、工具接触部を2ヶ所とした場合の断面図であり、図3(c)は工具接触部を3か所とした場合の断面図である。また、図3における太い矢印は、鋼管に偏平加工を行う際の力の掛かる方向である。図3に示すように、2回目の偏平加工を行う際、1回目の偏平加工を施していない箇所に工具が接触するように、鋼管を回転させるように工具を動かしたり、工具の位置をずらしたりなどの工夫をすればよい(図3中の斜線部は1回目の扁平箇所を示す。)。
図3のように、鋼管を扁平させる管周方向への曲げ曲げ戻し加工を、管の周方向全体に間欠的、または連続的に与えることで、鋼管の曲率の最大値付近で曲げによるひずみが加えられ、鋼管の曲率の最小値に向けて曲げ戻しによるひずみが加わる。その結果、鋼管の強度向上(転位強化)に必要な曲げ曲げ戻し変形によるひずみが蓄積される。また、この加工形態を用いる場合、管の肉厚や外径を圧縮して行う加工形態とは異なり、多大な動力を必要とせず、偏平による変形であるため加工前後の形状変化を最小限にとどめながら加工可能な点が特徴的である。
図3のような鋼管の扁平に用いる工具形状について、ロールを用いてもよく、鋼管周方向に2個以上配置したロール間で鋼管を扁平させ回転させれば、容易に繰り返し曲げ曲げ戻し変形によるひずみを与えることが可能である。さらにロールの回転軸を管の回転軸に対し、90°以内で傾斜させれば、鋼管は偏平加工を受けながら管回転軸方向に進行するため、容易に加工の連続化が可能となる。また、このロールを用いて連続的に行う加工は、例えば、鋼管の進行に対して扁平量を変化させるように、適切にロールの間隔を変化させれば、容易に一度目、二度目の鋼管の曲率(扁平量)を変更できる。したがって、ロールの間隔を変化させることで中立線の移動経路を変更して、肉厚方向でのひずみの均質化が可能となる。また同様に、ロール間隔ではなく、ロール径を変更することにより扁平量を変化させることで同様の効果が得られる。また、これらを組み合わせても良い。設備的には複雑になるが、ロール数を3個以上とすれば、加工中の管の振れ回りが抑制でき、安定した加工が可能になる。
管周方向への曲げ曲げ戻し加工における加工温度については、常温でも良い。一方、加工温度が常温であればNをすべて固溶した状態にできるため、耐食性の観点で好ましいが、N量が0.150%未満の範囲であれば、冷間加工負荷が高く、加工が困難な場合は加工温度を上昇させて材料を軟化させることが有効である。加工温度の上限は、加工による転位強化が消失しない温度であることが必要であり600℃以下まで適用できる。また、フェライト相の脆化温度である460〜480℃での加工は管の脆化による製品特性の劣化に加え、加工中の割れにもつながるため避けるべきである。したがって、管周方向への曲げ曲げ戻し加工の場合、加工温度は460〜480℃を除く600℃以下とすることが好ましい。加工温度の下限について、加工温度が150℃未満では急激な降伏強度低下が生じる温度域となるため、加工温度は150℃以上とすることがより好ましい。加工温度の上限については、より好ましくは、省エネと加熱冷却時の脆化相通過を避ける為に450℃とする。また、加工温度の上昇は加工後の管の強度異方性を若干低減する効果もあるため、強度異方性が問題になる場合も有効である。
転位強化に利用した上記(1)もしくは(2)の加工後、本発明ではさらに熱処理を行っても良い。熱処理を行うことにより、耐食性を維持したまま強度異方性を改善できる。熱処理の加熱温度が150℃未満では急激な降伏強度低下が生じる温度域となるため、加熱温度は150℃以上とすることが好ましい。また、加熱温度の上限は、加工による転位強化が消失しない温度であることが必要であり600℃以下まで適用できる。一方で、フェライト相の脆化温度である460〜480℃での熱処理は管の脆化による製品特性の劣化につながるため避けるべきである。したがって、さらに熱処理を行う場合は、460〜480℃を除く150〜600℃の加熱温度で熱処理することが好ましい。異方性の改善効果を得つつ、省エネ、加熱冷却時の脆化相通過を避ける為に350〜450℃とすることがより好ましい。加熱後の冷却速度は空冷相当、水冷相当いずれでもよい。
以上の製造方法により、本発明の二相ステンレス継目無鋼管を得ることができる。油井・ガス井用二相ステンレス継目無鋼管の強度グレードはもっとも高い荷重の発生する管軸方向引張降伏強度で決定されており、本発明の二相ステンレス継目無鋼管においても、管軸方向引張降伏強度689MPa以上とする。通常、二相ステンレス鋼は軟質なオーステナイト相を組織中に含むため、固溶体加熱処理の状態では管軸方向引張降伏強度が689MPaに到達しないため、上述した冷間加工(管軸方向への延伸加工もしくは管周方向の曲げ曲げ戻し加工)による転位強化により管軸方向引張降伏強度を調整されて利用される。なお、管軸方向引張降伏強度が高いほど、管を薄肉厚で採掘用井戸デザインを設計でき、コスト的に有利となるが、管の外径が変わらないままに肉厚のみ薄くすると高深度部の外圧による圧潰に対し弱くなり、利用できない。以上の理由から、管軸方向引張降伏強度は高くても1033.5MPa以内の範囲で用いられることが多い。
また、本発明では、管軸方向圧縮降伏強度と管軸方向引張降伏強度の比、すなわち管軸方向圧縮降伏強度/管軸方向引張降伏強度が0.85〜1.15とする。0.85〜1.15とすることにより、ネジ締結時や、井戸内で鋼管が湾曲した際に発生する管軸方向圧縮応力に対し、より高い応力まで耐えられるようになり、耐圧縮応力のために必要であった管肉厚の減少が可能になる。管肉厚の自由度の向上、特に減肉範囲の拡大は材料費の削減によるコストダウンや生産量向上につながる。なお、N量を0.005〜0.150%未満として、温間延伸加工、または曲げ曲げ戻し加工をすることにより、耐食性を維持しつつ、管軸方向圧縮降伏強度/管軸方向引張降伏強度を0.85〜1.15とすることができる。更に、曲げ曲げ戻し加工を温間にする、またはそれぞれの加工後に低温熱処理をさらに行うと、管軸方向圧縮降伏強度/管軸方向引張降伏強度をより異方性が少ない1に近づけることができる。
また、本発明では、管周方向圧縮降伏強度と管軸方向引張降伏強度との比、すなわち管周方向圧縮降伏強度/管軸方向引張降伏強度が0.85以上であることが好ましい。採掘可能な井戸の深度は同一管肉厚の場合、管軸方向引張降伏強度により依存する。深度の深い井戸で発生する外圧で圧潰しないためには管軸方向引張降伏強度に対し管周方向圧縮降伏強度0.85以上の強度が好ましい。なお、管周方向圧縮降伏強度が管軸方向引張降伏強度に対し強い場合には特に問題にならないが、通常は大きくても1.50程度で飽和する。ただ、あまりに強度比が高すぎると、管周方向のその他機械的特性、例えば低温靭性が管軸方向に比較し大きく低下するため、0.85〜1.25の範囲がより好ましい。
さらに、本発明では、管軸方向肉厚断面の結晶方位角度差15°以上で区切られたオーステナイト粒のアスペクト比が9以下であることが好ましい。また、アスペクト比が9以下のオーステナイト粒が面積分率で50%以上であることが好ましい。本発明の二相ステンレス鋼は、固溶体化熱処理温度により適切なフェライト相分率へ調整される。ここで、残部のオーステナイト相内部では、熱間加工時や熱処理時に再結晶化により方位角15°以上で区切られた結晶粒を複数有する組織となる。その結果、オーステナイト粒のアスペクト比は小さい状態となる。この状態の二相ステンレス継目無鋼管は、油井管に必要な管軸方向引張降伏強度を有していない一方で、管軸方向圧縮降伏強度/管軸方向引張降伏強度も1に近い状態となる。その後、油井管に必要な管軸方向引張降伏強度を得るために、(1)管軸方向への延伸加工:冷間引抜圧延、冷間ピルガー圧延や、(2)管周方向への曲げ曲げ戻し加工がおこなわれる。これらの加工により、管軸方向圧縮降伏強度/管軸方向引張降伏強度とオーステナイト粒のアスペクト比に変化が生じる。つまり、オーステナイト粒のアスペクト比と管軸方向圧縮降伏強度/管軸方向引張降伏強度は密接に関係している。具体的には、(1)または(2)の加工において、管軸方向肉厚断面のオーステナイト粒が加工前後で延伸した方向は降伏強度が向上するが、代わりにその反対方向はバウシンガー効果により降伏強度が低下し、管軸方向圧縮降伏強度と管軸方向引張降伏強度の強度差が大きくなるのである。このことより、(1)または(2)の加工前後のオーステナイト粒のアスペクト比を小さく制御すれば、管軸方向に強度異方性の少ない鋼管を得ることができる。
本発明において、オーステナイト相のアスペクト比は9以下であれば安定した強度異方性の少ない鋼管を得られることができる。また、アスペクト比が9以下のオーステナイト粒が面積分率で50%以上とすれば、安定した強度異方性の少ない鋼管を得られる。なお、アスペクト比は5以下とすることでより安定して強度異方性の少ない鋼管を得ることができる。アスペクト比は小さくなれば、より強度異方性を減らせるため、特に下限は限定せず、1に近いほどよい。また、オーステナイト粒のアスペクト比は、例えば管軸方向肉厚断面の結晶方位解析によりオーステナイト相の結晶方位角度15°以上の粒を観察し、その粒を長方形の枠内に収めた際の長辺と短辺の比で求められる。なお、粒径が小さいオーステナイト粒は測定誤差が大きくなるため、粒径が小さいオーステナイト粒が含まれるとアスペクト比にも誤差が出る可能性がある。そのため、アスペクト比を測定するオーステナイト粒は、測定した粒の面積を用いて同じ面積の真円を作図した際の直径で10μm以上が好ましい。
管軸方向肉厚断面のオーステナイト粒のアスペクト比が小さい組織を安定して得るには、(1)または(2)の加工において、管軸方向に延伸させず、さらに肉厚を減じないのが有効である。(1)の加工方法については、原理的に管軸方向延伸と減肉を伴うため、加工前に比べアスペクト比が大きくなり、それによる強度異方性が発生しやすい。このため、加工量を小さくすること(肉厚圧下を40%以下とする。または管軸方向への延伸を50%以下とし、組織の延伸を抑制する。)や、延伸減肉と同時に管外周長を小さくして(管軸方向への延伸時に外周長を10%以上減少させる。)アスペクト比を小さく保つことに加え、発生した強度異方性を緩和するために加工後の低温熱処理(熱処理温度が560℃以下であれば、再結晶や回復による軟化が起こらない。)等が必要となる。一方、(2)の加工方法は管周方向への曲げ曲げ戻し変形であるため、基本的にアスペクト比は変化しない。そのため、(2)の加工方法は管の延伸や減肉などの形状変化量に制限はあるがアスペクト比を小さく保ち、強度異方性を低減させることに極めて有効であり、(1)で必要となるような加工後の低温熱処理も必要ない。なお、(1)の加工温度や熱処理条件を本発明の範囲内に制御する、もしくは(2)の加工方法を用いることにより、アスペクト比が9以下のオーステナイト粒が面積分率で50%以上に制御することができる。
なお、(1)または(2)の加工方法において、加工後に熱処理を施してもアスペクト比に変化は生じない。また、フェライト相についてはオーステナイト相と同様の理由でアスペクト比が小さい方が好ましいが、オーステナイト相の方が低い降伏強度を有し、フェライト相よりも加工後のバウシンガー効果へ影響を与えやすい。
以下、実施例に基づいて本発明を説明する。
表1に示すA〜Lの化学成分を真空溶解炉で溶製し、その後φ60 mmの丸ビレットへ熱間圧延した。
Figure 2020044988
熱間圧延後、丸ビレットは再度加熱炉へ挿入し、1200℃以上の高温で保持した後マンネスマン式穿孔圧延機で外径Φ70mm、内径58mm(肉厚6mm)の継目無素管へ熱間成形した。熱間成形後のそれぞれの成分の素管はフェライト相とオーステナイト相の分率が適切な2相状態になる温度で固溶体化熱処理を実施し、高強度化のための加工を行った。加工方法は、表2に示すように、管軸方向への延伸加工の一つである引抜圧延と曲げ曲げ戻し加工の2種類を行った。なお、引抜圧延もしくは曲げ曲げ戻し加工後、一部を切り出して組織観察を行い、フェライト相とオーステナイト相の適切な2相分率状態であることを確認した。さらに、管軸方向に平行な管断面の肉厚方向について、EBSDによる結晶方位解析を行い、結晶方位角度15°で区切られるオーステナイト粒のアスペクト比を測定した。測定面積は1.2mm×1.2mmとし、真円と仮定した際の粒径が10μm以上のオーステナイト粒についてアスペクト比を測定した。
引き抜き加工は肉厚圧下を10〜30%の範囲で行い、外周長を20%低減させる条件で行った。
なお、曲げ曲げ戻し加工は管外周上に円柱形状ロールを120°ピッチで3個配置した圧延機を準備し(図3(c))、ロール間隔を管外径より小さくした状態で管外周を挟み込み、管を回転させて行った。また、一部の条件で150〜550℃の温間加工を行った。また、各冷、温間での加工後、一部の条件には低温熱処理として150〜550℃の熱処理を行った。
冷間、温間での加工、低温熱処理で得られた鋼管は管軸長手方向の引張、圧縮降伏強度と管周方向圧縮降伏強度を測定し、油井・ガス井用鋼管の強度グレードである管軸方向引張降伏強度と、強度異方性の評価として管軸方向圧縮降伏強度/管軸方向引張降伏強度と管周方向圧縮降伏強度/管軸方向引張降伏強度を測定した。
さらに、塩化物、硫化物環境で応力腐食試験を実施した。腐食環境は採掘中の油井を模擬した水溶液(20%NaCl+0.5%CH3COOH+CH3COONaの水溶液に0.01〜0.10MPaの圧力でH2Sガスを添加しpHを3.0に調整、試験温度25℃)とした。応力は管軸長手方向へ応力が付与できるように肉厚5mmの4点曲げ試験片を切り出し、管軸方向引張降伏強度に対し、90%の応力を付与して腐食水液に浸漬した。腐食状況の評価は、応力付与状態で腐食水溶液に720hr浸漬し、その後、取り出して直ぐの応力付与面にクラックがないものは○、クラックの発生が認められたものは×として評価した。
製造条件および評価結果を表2に示す。
Figure 2020044988
表2の結果から、本発明例の成分系ではいずれも耐食性に優れるとともに、管軸方向の引張降伏強度と圧縮降伏強度との差が少ない。

Claims (11)

  1. 質量%で、C:0.005〜0.08%、
    Si:0.01〜1.0%、
    Mn:0.01〜10.0%、
    Cr:20〜35%、
    Ni:1〜15%、
    Mo:0.5〜6.0%、
    N:0.005〜0.150%未満を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる成分組成であり、管軸方向引張降伏強度が689MPa以上であり、管軸方向圧縮降伏強度/管軸方向引張降伏強度が0.85〜1.15である二相ステンレス継目無鋼管。
  2. 管周方向圧縮降伏強度/管軸方向引張降伏強度が0.85以上である請求項1に記載の二相ステンレス継目無鋼管。
  3. さらに質量%で、W:0.1〜6.0%、
    Cu:0.1〜4.0%のうちから選ばれた1種または2種を含有する請求項1または2に記載の二相ステンレス継目無鋼管。
  4. さらに質量%で、Ti:0.0001〜0.51%、
    Al:0.0001〜0.29%、
    V:0.0001〜0.55%、
    Nb:0.0001〜0.75%のうちから選ばれた1種または2種以上を含有する請求項1〜3のいずれかに記載の二相ステンレス継目無鋼管。
  5. さらに質量%で、B:0.0001〜0.010%、
    Zr:0.0001〜0.010%、
    Ca:0.0001〜0.010%、
    Ta:0.0001〜0.3%、
    REM:0.0001〜0.010%のうちから選ばれた1種または2種以上を含有する請求項1〜4のいずれかに記載の二相ステンレス継目無鋼管。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の二相ステンレス継目無鋼管の製造方法であって、管軸方向への延伸加工を行い、その後、460〜480℃を除く150〜600℃の加熱温度で熱処理する二相ステンレス継目無鋼管の製造方法。
  7. 請求項1〜5のいずれかに記載の二相ステンレス継目無鋼管の製造方法であって、460〜480℃を除く150〜600℃の加工温度で管軸方向への延伸加工を行う二相ステンレス継目無鋼管の製造方法。
  8. 前記延伸加工後、さらに、460〜480℃を除く150〜600℃の加熱温度で熱処理する請求項7に記載の二相ステンレス継目無鋼管の製造方法。
  9. 請求項1〜5のいずれかに記載の二相ステンレス継目無鋼管の製造方法であって、管周方向の曲げ曲げ戻し加工を行う二相ステンレス継目無鋼管の製造方法。
  10. 前記管周方向の曲げ曲げ戻し加工の加工温度は、460〜480℃を除く600℃以下である請求項9に記載の二相ステンレス継目無鋼管の製造方法。
  11. 前記曲げ曲げ戻し加工後、さらに、460〜480℃を除く150〜600℃の加熱温度で熱処理する請求項9または10に記載の二相ステンレス継目無鋼管の製造方法。
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