JP2018193591A - 二相ステンレス鋼材及びその製造方法 - Google Patents
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YS/150≦Ni+Mo+0.5W+Cu−Mn≦YS/75 (1)
Cr+3.3×(Mo+0.5W)+16N≧30.0 (2)
Mo+0.5W+Ni≦7.50 (3)
ここで、式(1)〜式(3)中の元素記号には、対応する元素の含有量(質量%)が代入される。なお、Wが含有されない場合、式(1)〜式(3)中の「W」には「0」が代入される。
式(1)中のYSには、鋼の降伏強度(MPa)が代入される。
YS/150≦Ni+Mo+0.5W+Cu−Mn≦YS/75 (1)
ここで、式(1)中の元素記号には、対応する元素の含有量(質量%)が代入される。なお、Wが含有されない場合、式(1)中の「W」には「0」が代入される。式(1)中のYSには、鋼の降伏強度(MPa)が代入される。
Cr+3.3×(Mo+0.5W)+16N≧30.0 (2)
ここで、式(2)中の元素記号には、対応する元素の含有量(質量%)が代入される。なお、Wが含有されない場合、式(2)中の「W」には「0」が代入される。
Mo+0.5W+Ni≦7.50 (3)
ここで、式(3)中の元素記号には、対応する元素の含有量(質量%)が代入される。なお、Wが含有されない場合、式(3)中の「W」には「0」が代入される。
YS/150≦Ni+Mo+0.5W+Cu−Mn≦YS/75 (1)
Cr+3.3×(Mo+0.5W)+16N≧30.0 (2)
Mo+0.5W+Ni≦7.50 (3)
ここで、式(1)〜式(3)中の元素記号には、対応する元素の含有量(質量%)が代入される。なお、Wが含有されない場合、式(1)〜式(3)中の「W」には「0」が代入される。
式(1)中のYSには、鋼の降伏強度(MPa)が代入される。
As/Am>1.10 (4)
ここで、Asは、鋼の表面から厚さ方向に0.5mm位置まで直線を引いたとき、その直線に交わるオーステナイト相の数を意味する。Amは、二相ステンレス鋼の厚さをt(mm)と定義し、鋼の表面からt/4(mm)の位置から厚さ方向に(t/4+0.5)mm位置まで直線を引いたとき、その直線に交わるオーステナイト粒の数を意味する。
本発明による二相ステンレス鋼材の化学組成は、次の元素を含有する。
炭素(C)は不可避に含有される。CはCrと炭化物を形成し、鋼のCr固溶量を低下する。その結果、鋼の耐食性が低下する。一方、C含有量が低すぎる場合、製造コストが高くなりすぎる。したがって、C含有量は0.005〜0.04%である。C含有量の好ましい上限は0.035%であり、より好ましくは0.030%である。
シリコン(Si)は、鋼の脱酸に有効な元素である。Si含有量が低すぎる場合、上記効果は得られない。一方、Si含有量が高すぎる場合、脱酸の効果は飽和する。Si含有量が高すぎる場合さらに、鋼の熱間加工性が低下する。したがって、Si含有量は0.2〜1.0%である。Si含有量の好ましい下限は0.25%である。Si含有量の好ましい上限は0.8%である。
マンガン(Mn)は、鋼中に固溶し鋼の強度を高める。Mnはさらに、オーステナイトを安定化する元素であり、組織を安定化する。Mn含有量が低すぎる場合、上記効果は得られない。一方、Mn含有量が高すぎる場合、表層のCr酸化物皮膜を不安定化し、鋼の耐食性が低下する場合がある。したがって、Mn含有量は0.1〜2.0%である。Mn含有量の好ましい下限は0.2である。Mn含有量の好ましい上限は1.9%であり、より好ましくは1.8%である。
りん(P)は、不純物である。Pは鋼の耐食性及び靭性を低下させる。したがって、P含有量は0.040%以下である。P含有量の好ましい上限は0.035%であり、より好ましくは0.030%である。P含有量はなるべく低いほうが好ましい。
硫黄(S)は、不純物である。Sは鋼の熱間加工性を低下させる。Sはさらに、硫化物を形成する。硫化物は孔食の発生起点となる。その結果、鋼の耐食性が低下する。したがって、S含有量は0.010%以下である。S含有量の好ましい上限は0.007%であり、より好ましくは0.005%である。S含有量はなるべく低いほうが好ましい。
ニッケル(Ni)は、オーステナイトを安定化する。Niはさらに、鋼の靭性を高め、鋼の耐食性を高める。Ni含有量が低すぎる場合、上記効果は得られない。一方、Ni含有量が高すぎる場合、σ相が生成されやすくなる。その結果、鋼の靭性が低下する。したがって、Ni含有量は3〜7%である。Ni含有量の好ましい下限は3.3%であり、より好ましくは3.5%である。Ni含有量の好ましい上限は6.5%であり、より好ましくは6.0%である。
クロム(Cr)は、鋼の表面に酸化被膜を形成し耐SSC性や耐孔食性を高める。Cr含有量が低い場合、上記効果は十分に得られない。一方、Crはフェライト安定化元素であるため、Cr含有量が高すぎる場合、鋼中のオーステナイト分率を低下させ靭性を低下させる。Cr含有量が高すぎる場合さらに、σ相を生成し顕著に靭性を低下させる場合がある。したがって、Cr含有量は23〜28%である。Cr含有量の好ましい下限は23.5%であり、より好ましくは24.0%である。Cr含有量の好ましい上限は27.5%であり、より好ましくは27.0%である。
モリブデン(Mo)は、Crの酸化被膜を安定化させることで耐SSC性及び耐孔食性を高める。Mo含有量が低すぎる場合、上記効果は得られない。一方、Moはフェライト安定化元素であり、Mo含有量が高すぎる場合、Crと同様にオーステナイト分率の低下に伴って、靭性を低下させる。Mo含有量が高すぎる場合さらに、σ相が生成されやすくなる。したがって、Mo含有量は0.5〜1.5%である。Mo含有量の好ましい下限は0.6%であり、より好ましくは0.7%である。Mo含有量の好ましい上限は1.4%である。
銅(Cu)は、高温塩化物水溶液環境下で不動態被膜を強化し、鋼の耐食性を高める。Cuはさらに、固溶状態で鋼の強度を高める。Cu含有量が低すぎる場合、上記効果は得られない。一方、Cu含有量が高すぎる場合、鋼の熱間加工性が低下する。したがって、Cu含有量は2〜4%である。Cu含有量の好ましい上限は3.7%であり、より好ましくは3.5%である。
窒素(N)は、オーステナイトを安定化し、鋼の熱的安定性及び耐食性を高める。N含有量が低すぎる場合、上記効果は得られない。一方、N含有量が高すぎる場合、鋼の靭性及び熱間加工性が低下する。したがって、N含有量は0.10〜0.35%である。N含有量の好ましい下限は0.12%である。N含有量の好ましい上限は0.30%である。
アルミニウム(Al)は、鋼を脱酸する。Al含有量が低すぎる場合、上記効果は得られない。一方、Al含有量が高すぎる場合、AlはAlNを形成する。AlNは、鋼の靭性及び耐食性を低下する。したがって、Al含有量は0.001〜0.04%である。Al含有量の好ましい下限は0.010%である。Al含有量の好ましい上限は0.035%である。本発明の二相ステンレス鋼において、Al含有量とは酸可溶Al(いわゆる「sol.Al」)を意味する。
上述の二相ステンレス鋼材の化学組成はさらに、Feの一部に代えて、Wを含有してもよい。
タングステン(W)は、任意元素であり、含有されなくてもよい。含有される場合、WはMoと同様の効果を有し、鋼の耐SSC性や耐孔食性を高める。Wはさらに、Moと比較してσ相を生成しにくい。そのため、Moに代えてWを含有させてもよい。Wが少しでも含有されれば、上記効果はある程度得られる。しかしながら、W含有量が高すぎる場合、Moと同様にσ相が生成されやすくなる。その結果、鋼の熱間加工性や靭性が低下する。W含有量が高すぎる場合さらに、製造コストが高くなる。したがって、W含有量は0〜1.0%である。W含有量の好ましい下限は0.01%であり、より好ましくは0.1%である。W含有量の好ましい上限は0.8%である。
コバルト(Co)は、任意元素であり、含有されなくてもよい。含有される場合、Coは鋼の強度を高める。Coはさらに、オーステナイトを安定化する。Coが少しでも含有されれば、上記効果はある程度得られる。しかしながら、Co含有量が高すぎる場合、鋼の強度が高くなりすぎ、鋼の耐食性が低下する。Co含有量が高すぎる場合さらに、製造コストが高くなる。したがって、Co含有量は0〜1.0%である。Co含有量の好ましい下限は0.01%であり、より好ましくは0.05%である。
バナジウム(V)は、任意元素であり、含有されなくてもよい。含有される場合、Vは鋼の強度を高める。Vが少しでも含有されれば、上記効果はある程度得られる。しかしながら、V含有量が高すぎる場合、鋼の強度が高くなりすぎ、鋼の耐食性が低下する。したがって、V含有量は0〜1.0%である。V含有量の好ましい下限は0.01%である。
Nbは、任意元素であり、含有されなくてもよい。含有される場合、Nbは鋼の強度を高める。Nbが少しでも含有されれば、上記効果はある程度得られる。しかしながら、Nb含有量が高すぎる場合、鋼の強度が高くなりすぎ、鋼の耐食性が低下する。したがって、Nb含有量は0〜0.2%である。Nb含有量の好ましい下限は0.005%である。
Tiは、任意元素であり、含有されなくてもよい。含有される場合、Tiは鋼の強度を高める。Tiが少しでも含有されれば、上記効果はある程度得られる。しかしながら、Ti含有量が高すぎる場合、鋼の強度が高くなりすぎ、鋼の耐食性が低下する。したがって、Ti含有量は0〜0.2%である。Ti含有量の好ましい下限は0.005%である。
カルシウム(Ca)は、任意元素であり、含有されなくてもよい。含有される場合、Caは鋼中のSと硫化物を形成し、Sの粒界への偏析を低減する。その結果、鋼の耐食性が高まる。また熱間加工性の向上にも寄与する。Caが少しでも含有されれば、上記効果はある程度得られる。しかしながら、Ca含有量が高すぎる場合、粗大な酸化物や硫化物を形成し、孔食の起点となる。その結果、鋼の耐食性が低下する。したがって、Ca含有量は0〜0.02%である。Ca含有量の好ましい下限は0.0005%である。
マグネシウム(Mg)は、任意元素であり、含有されなくてもよい。含有される場合、Mgは鋼中のSと硫化物を形成し、Sの粒界への偏析を低減する。その結果、鋼の耐食性が高まる。また熱間加工性の向上にも寄与する。Mgが少しでも含有されれば、上記効果はある程度得られる。しかしながら、Mg含有量が高すぎる場合、粗大な酸化物や硫化物を形成し、孔食の起点となる。その結果、鋼の耐食性が低下する。したがって、Mg含有量は0〜0.02%である。Mg含有量の好ましい下限は0.0005%である。
ホウ素(B)は、任意元素であり、含有されなくてもよい。含有される場合、Bは熱間加工性を高める。Bが少しでも含有されれば、上記効果はある程度得られる。しかしながら、B含有量が高すぎる場合、上記効果は飽和する。したがって、B含有量は0〜0.02%である。B含有量の好ましい下限は0.0005%である。
希土類元素(REM)は、任意元素であり、含有されなくてもよい。含有される場合、REMは酸硫化物を形成し、他の介在物の発生を抑制することで、耐食性を高める。REMが少しでも含有されれば、上記効果はある程度得られる。しかしながら、REM含有量が高すぎる場合、粗大な酸化物や硫化物を形成し、孔食の起点となる。その結果、鋼の耐食性が低下する。したがって、REM含有量は0〜0.2%である。REM含有量の好ましい下限は0.0005%である。
本発明の二相ステンレス鋼材の化学組成はさらに、式(1)を満たす。
YS/150≦Ni+Mo+0.5W+Cu−Mn≦YS/75 (1)
ここで、式(1)中の元素記号には、対応する元素の含有量(質量%)が代入される。なお、Wが含有されない場合、式(1)中の「W」には「0」が代入される。
さらに、式(1)中のYSには、鋼の降伏強度(MPa)が代入される。
本発明の二相ステンレス鋼材の化学組成はさらに、式(2)を満たす。
Cr+3.3×(Mo+0.5W)+16N≧30.0 (2)
ここで、式(2)中の元素記号には、対応する元素の含有量(質量%)が代入される。なお、Wが含有されない場合、式(2)中の「W」には「0」が代入される。
本発明の二相ステンレス鋼材の化学組成はさらに、式(3)を満たす。
Mo+0.5W+Ni≦7.50 (3)
ここで、式(3)中の元素記号には、対応する元素の含有量(質量%)が代入される。なお、Wが含有されない場合、式(3)中の「W」には「0」が代入される。
本発明による二相ステンレス鋼材は、655MPa以上の降伏強度を有する。本明細書でいう降伏強度は、引張試験から得られた0.2%耐力を意味する。本発明による二相ステンレス鋼材は、上述の化学組成を満たし、さらに時効熱処理に代えて(時効熱処理を省略して)冷間加工を実施することによって、655MPa以上の降伏強度を有する。本発明による二相ステンレス鋼材はこのような高強度と、優れた耐SSC性とを両立できる。降伏強度YSの好ましい下限は689MPa超である。
本発明による二相ステンレス鋼材は、好ましくは、鋼のミクロ組織が、式(4)を満たす。
As/Am>1.10 (4)
ここで、Asは、鋼の表面から厚さ方向に0.5mm位置まで直線を引いたとき、その直線に交わるオーステナイト粒の数で定義される。Amは、二相ステンレス鋼材の厚さをt(mm)と定義し、鋼材の表面からt/4(mm)の位置から厚さ方向に(t/4+0.5)mm位置まで直線を引いたとき、その直線に交わるオーステナイト粒の数で定義される。
本発明の二相ステンレス鋼材の製造方法は、素材を準備する工程(準備工程)と、素材を熱間加工して鋼材を製造する工程(熱間加工工程)と、鋼材に対して溶体化熱処理を実施して溶体化熱処理材を製造する工程(溶体化熱処理工程)と、溶体化熱処理材を冷間加工して、655MPa以上の降伏強度を有する二相ステンレス鋼材を製造する工程(冷間加工工程)とを備える。上述の二相ステンレス鋼材の製造方法の一例として、二相ステンレス鋼管の製造方法を説明する。以下、各工程について詳述する。
準備工程では、上述の化学組成を有し、かつ、式(1)〜式(3)を満たす素材を準備する。たとえば、上記化学組成を有し、式(1)〜式(3)を満たす溶鋼を用いて、素材を準備する。式(1)については、想定する降伏強度(655MPa以上)に基づいて化学組成を設定する。
熱間加工工程では、上記準備工程で準備された素材を熱間加工して、鋼材を製造する。たとえば、素材であるビレットを熱間加工して、二相ステンレス鋼管を製造する。二相ステンレス鋼管はたとえば、継目無鋼管である。二相ステンレス鋼管が継目無鋼管である場合、熱間加工はたとえば、マンネスマン法による穿孔圧延である。この場合さらに、熱間加工として熱間押出を実施してもよい。
溶体化熱処理工程では、製造された鋼材に対して、溶体化熱処理を実施する。たとえば、二相ステンレス鋼管を熱処理炉に装入し、溶体化処理温度で均熱を実施する。均熱後、二相ステンレス鋼管を急冷する。
冷間加工工程では、溶体化まま材を冷間加工して、式(1)を満たし、655MPa以上の降伏強度を有する二相ステンレス鋼管とする。本発明の二相ステンレス鋼材は、時効熱処理に代えて(時効熱処理を省略して)、冷間加工を実施することにより、655MPa以上の降伏強度を有する。本発明の二相ステンレス鋼材の製造方法は、時効熱処理を省略し、時効熱処理を実施しない。
各試験番号の鍛造材及び供試材を用いて、次の評価試験を実施した。
各試験番号の鍛造材のC断面(圧延方向に垂直な断面)から、鍛造材の厚さをtとして、t/4位置を含む試験片を作成した。試験片のうち、上記C断面が顕鏡面となるように、試験片を樹脂埋めし、鏡面研磨を実施した。研磨した表面を、10%しゅう酸水溶液での電解エッチングを実施し、ミクロ組織を現出させた。
各試験番号の供試材に対し、上述の方法でオーステナイト相の数を測定し、Fn4を求めた。求めたFn4を表2に示す。
各試験番号の供試材に対し、上述の方法で降伏強度YSを求めた。求めた降伏応力YS(MPa)を表2に示す。さらに、Fn1と比較するため、YS/150(MPa)及びYS/75(MPa)を求めた。求めたYS/150(MPa)及びYS/75(MPa)を、表2に示す。
各試験番号の供試材から、ASTM G48 METHOD A用の板状試験片を採取した。板状試験片は厚さ3mm、幅25mm、長さ50mmであった。試験浴として、6質量%のFeCl3水溶液を用いた。試験浴の温度は22℃に調整した。
各試験番号の供試材から、厚さ2mm、幅10mm、長さ75mmの平滑4点曲げ試験片を採取した。4点曲げ試験片を用いて、硫化水素を含む試験液中で4点曲げ試験を実施した。具体的には、試験液として、1.7%のNaCl水溶液を準備した。試験中の4点曲げ試験片への負荷応力は、歪みゲージを用いて試験温度(100℃)における実降伏応力とした。オートクレーブ中、1psi(0.07bar)H2S+10barCO2ガスで加圧密閉し、試験温度を100℃で、試験片を720時間浸漬した。
表2を参照して、試験番号1、4、5、7〜15、21、22、及び、24〜31の化学組成は適切であり、式(1)〜(3)を満たした。さらに、降伏強度YSは665MPa以上であった。そのため、製造時にσ相が生成せず、高い降伏強度にもかかわらず、優れた耐孔食性及び優れた耐SSC性を示した。
Claims (7)
- 質量%で、
C:0.005〜0.04%、
Si:0.2〜1.0%、
Mn:0.1〜2.0%、
P:0.040%以下、
S:0.010%以下、
Ni:3〜7%、
Cr:23〜28%、
Mo:0.5〜1.5%、
Cu:2〜4%、
N:0.10〜0.35%、
Al:0.001〜0.04%、
W:0〜1.0%、
Co:0〜1.0%、
V:0〜1.0%、
Nb:0〜0.2%、
Ti:0〜0.2%、
Ca:0〜0.02%、
Mg:0〜0.02%、
B:0〜0.02%、及び、
希土類元素(REM):0〜0.2%を含有し、残部がFe及び不純物からなり、
式(1)〜式(3)を満たす化学組成を有し、
655MPa以上の降伏強度を有する、二相ステンレス鋼材。
YS/150≦Ni+Mo+0.5W+Cu−Mn≦YS/75 (1)
Cr+3.3×(Mo+0.5W)+16N≧30.0 (2)
Mo+0.5W+Ni≦7.50 (3)
ここで、式(1)〜式(3)中の元素記号には、対応する元素の含有量(質量%)が代入される。なお、Wが含有されない場合、式(1)〜式(3)中の「W」には「0」が代入される。
式(1)中のYSには、鋼の降伏強度(MPa)が代入される。 - 請求項1に記載の二相ステンレス鋼材であって、
前記化学組成は、
W:0.01〜1.0%を含有する、二相ステンレス鋼材。 - 請求項1又は請求項2に記載の二相ステンレス鋼材であって、
前記化学組成は、
Co:0.01〜1.0%、
V:0.01〜1.0%、
Nb:0.005〜0.2%、及び、
Ti:0.005〜0.2%からなる群から選択される1種又は2種以上を含有する、二相ステンレス鋼材。 - 請求項1〜3のいずれか1項に記載の二相ステンレス鋼材であって、
前記化学組成は、
Ca:0.0005〜0.02%、
Mg:0.0005〜0.02%、
B:0.0005〜0.02%、及び、
希土類元素(REM):0.0005〜0.2%からなる群から選択される1種又は2種以上を含有する、二相ステンレス鋼材。 - 請求項1〜4のいずれか1項に記載の化学組成を有する二相ステンレス鋼材であって、
鋼のミクロ組織が、式(4)を満たす、二相ステンレス鋼材。
As/Am>1.10 (4)
ここで、Asは、鋼の表面から厚さ方向に0.5mm位置まで直線を引いたとき、その直線に交わるオーステナイト粒の数で定義される。Amは、二相ステンレス鋼の厚さをt(mm)と定義し、鋼の表面からt/4(mm)の位置から厚さ方向に(t/4+0.5)mm位置まで直線を引いたとき、その直線に交わるオーステナイト粒の数で定義される。 - 前記二相ステンレス鋼材は、二相ステンレス鋼管である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の二相ステンレス鋼材。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の化学組成を有する素材を準備する工程と、
前記素材を熱間加工して、鋼材を製造する工程と、
前記鋼材に対して溶体化熱処理を実施して、溶体化熱処理材を製造する工程と、
前記溶体化熱処理材に対して冷間加工を実施して、655MPa以上の降伏強度を有する二相ステンレス鋼材を製造する工程とを備える、二相ステンレス鋼材の製造方法。
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