JPWO2020013112A1 - 鉛蓄電池用有機防縮剤 - Google Patents

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Abstract

固形分あたりのメトキシル基含量が3〜20質量%であるリグニンを含有する有機防縮剤において、有機酸を有機防縮剤の固形分あたり0.0001〜5質量%含有する鉛蓄電池用有機防縮剤を提供する。鉛蓄電池の放電特性を維持しつつ、充電受入性を向上させることができる。

Description

本発明は、鉛蓄電池用有機防縮剤に関する。
鉛蓄電池は、比較的安価であり、二次電池として性能が安定しているので、自動車用電池、ポータブル機器用電池、コンピュータのバックアップ用電池、通信用電池などとして広く使用されてきた。
鉛蓄電池は充電放電が繰り返される中で放電状態から充電状態に変化する際に、負極活物質が収縮して比表面積が減少し、放電性能が悪化する。また、負極活物質において、放電反応では金属鉛が電子を放出して硫酸鉛に変化し、充電反応では硫酸鉛が電子を得て金属鉛に変化するが、硫酸鉛が粗大化すると、充電反応においては硫酸鉛が溶解し難くなり、充電性能が悪化する。
鉛蓄電池の負極活物質の収縮を防止するために負極活物質に添加する有機防縮剤として、木材より抽出されるリグニンを添加することが提案されている(特許文献1〜特許文献3)。
また、鉛蓄電池用のリグニンとしてはいくつかの種類のリグニンが開示されている(特許文献4〜特許文献11)。
U.S.Pat.No.2371136 U.S.Pat.No.3523041 特開昭62−145655号公報 特開2002−117856号公報 WO2002/039519号公報 特開2005−294027号公報 特開2007−165273号公報 特開平11−204111号公報 特開平9−007630号公報 U.S.Pat.No.6346347 U.S.Pat.No.6664002
鉛蓄電池には様々な性能が要求されるが、一般にリグニンを鉛蓄電池の負極に添加した場合、低温急放電性能を改善する、あるいはサルフェーションの抑制などの効果が得られるものの、その性質上充電受入性が低下するという問題がある。
本発明の目的は、上記した鉛蓄電池の放電特性を維持しつつ、充電受入性を向上させることができる有機防縮剤を提供することである。
[1]固形分あたりのメトキシル基含量が3〜20質量%であるリグニンを含有する鉛蓄電池用有機防縮剤において、該有機防縮剤が有機酸を有機防縮剤の固形分あたり0.0001〜5質量%含有する、鉛蓄電池用有機防縮剤。
[2]前記有機酸がキシロン酸(塩)、ガラクトン酸(塩)、アラビノン酸(塩)、メタサッカリン酸(塩)、イソサッカリン酸(塩)、グリコール酸(塩)から選ばれる少なくとも一つの有機酸(塩)である、[1]に記載の鉛蓄電池用有機防縮剤。
[3]前記リグニンは、固形分あたりのスルホン酸基のS含量(一般式(1):−SOM(一般式(1)中、Mは、水素原子、一価金属塩、二価金属塩を示す)で表される基のS含量)が1.0〜4.0質量%である、[1]または[2]に記載の鉛蓄電池用有機防縮剤。
[4][1]〜[3]に記載の有機防縮剤を添加した極板を有する鉛蓄電池。
本発明によれば、鉛蓄電池の放電特性を維持しつつ、充電受入性を向上させることができる。
以下、本発明をその好適な実施形態に即して詳細に説明する。しかし、本発明は、以下の実施形態に何ら限定されるものではない。また、本発明において「〜」は端値を含む。すなわち「X〜Y」はその両端の値XおよびYを含む。
<有機防縮剤>
本発明の有機防縮剤は固形分あたりのメトキシル基含量が3〜20質量%であるリグニンを含有する。メトキシル基含量が、5〜19.5質量%であるリグニンを含有することが好ましく、7〜19.2質量%であるリグニンを含有することがより好ましい。メトキシル基含量が3%未満の場合、含有されるリグニン量が少ないため有機防縮剤としての効果が認められない。一般にリグニンには芳香核に結合したメトキシル基が存在するため、該メトキシル基含量がリグニン含量の指標となる。
本発明において、メトキシル基含量は、ViebockおよびSchwappach法によるメトキシル基の定量法(「リグニン化学研究法」P.336〜341、平成6年 ユニ出版(株)発行、参照)によって測定した値である。
本発明の有機防縮剤に用いるリグニンとしては、木質バイオマス由来のリグニンを用いることが好ましいが、木質バイオマスの処理方法によって、得られるリグニンが異なり、いくつかの種類が存在する。
本発明に用いるリグニンとしては、下記のリグニンが挙げられる。例えば、リグニンスルホン酸、クラフトリグニン、ソーダリグニン、ソーダ−アントラキノンリグニン、オルガノソルブリグニン、爆砕リグニン、硫酸リグニンなどがある。これらのうち、リグニンスルホン酸、クラフトリグニンを用いることが好ましい。特に好ましくは、U.S.Pat.No.6346347に記載されているような、リグニンスルホン酸をアルカリ性条件下で高温高圧反応させ、部分脱スルホン化処理されたoxyligninを用いることが特に好ましい。
本発明に用いるリグニンとしては粉末状でも、液体状でも良いが、粉末状が好ましい。液体状のリグニンとしては、例えば粉末状のリグニンを適当な溶媒(例えば水、水酸化ナトリウム水溶液など)で溶解し、液体状のリグニンとしても良い。
本発明に用いるリグニンとしては、上記したリグニンの内1種または2種以上を併用した混合物としても良い。
以下、本発明に用いることができるリグニンスルホン酸、クラフトリグニンについて詳細に説明するが、これらのリグニンに限定されるものではない。
(リグニンスルホン酸)
リグニンスルホン酸は、リグニン又はその分解物の少なくとも一部がスルホン酸(塩)基で置換されている化合物をいう。本発明の有機防縮剤に含まれる場合、リグニンスルホン酸は、スルホン酸(塩)基のS含量が好ましくは1.0〜4.0質量%である。
リグニンスルホン酸のスルホン酸(塩)基のS含量とは、リグニンスルホン酸の固形物量に対するスルホン酸(塩)基に含有されるS含有量をいう。具体的には、下記数式(1)より算出する値である。
数式(1):
スルホン酸(塩)基のS含量(質量%)=全S含量(質量%)−無機態S含量(質量%)
(数式(1)中、S含量はいずれもリグニンスルホン酸の固形物量に対するS含量を示す。)
数式(1)中、全S含量は、ICP発光分光分析法により定量することができる。また、無機態S含量は、イオンクロマト法により定量したSO含量及びSO含量の合計量として算出することができる。
本発明のリグニンスルホン酸は、還元性糖類を含む。還元性糖類は一般的に、木質バイオマスを亜硫酸蒸解する過程で残留する。還元性糖類は通常0.01〜20.0質量%含有される。
還元性糖とは、還元性を示す糖をいい、塩基性溶液中でアルデヒド基又はケトン基を生じる糖をいう。
還元性糖としては、例えば、全ての単糖、マルトース、ラクトース、アラビノース、スクロースの転化糖等の二糖、及び多糖が挙げられる。アルカリ処理排液中に含まれる還元性糖としては、通常、セルロース、ヘミセルロース、及びそれらの分解物を含む。セルロース及びヘミセルロースの分解物としては、例えば、ラムノース、ガラクトース、アラビノース、キシロース、グルコース、マンノース、フルクトース等の単糖;キシロオリゴ糖、セロオリゴ糖等のオリゴ糖が挙げられる。
還元性糖の測定は、Somogyi−Schaffer法によって測定し、測定値をグルコース量に換算して還元性糖の含有量を求めることができる。
リグニンスルホン酸は、電離していない状態であってもよく、スルホン酸基の水素原子がカウンターイオンで置換されていてもよい。
カウンターイオンとしては、例えば、ナトリウムイオン、カルシウムイオン、マグネシウムイオン、アンモニウムイオンが挙げられる。
なお、カウンターイオンは、1種単独のカウンターイオンであってもよく、2種以上のカウンターイオンを組み合わせてもよい。
リグニンスルホン酸には、通常、無機塩が含有される。無機塩としては、例えば、硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、塩化ナトリウム、硫酸マグネシウム、亜硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム、硫酸カルシウム、亜硫酸カルシウム、塩化カルシウム、硫酸アンモニウム、亜硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、水酸化ナトリウムが挙げられる。リグニンスルホン酸中の無機塩の含有量は、通常1〜25質量%である。
(リグニンスルホン酸の調製方法)
リグニンスルホン酸は、例えば、以下のようにして調製することができる。リグノセルロース原料を亜硫酸処理して調製することができる。中でも、リグノセルロース原料を亜硫酸蒸解処理して調製することが好ましい。
リグノセルロース原料は、構成体中にリグノセルロースを含むものであれば特に限定されるものではない。例えば、木材、非木材等のパルプ原料が挙げられる。
木材としては、エゾマツ、アカマツ、スギ、ヒノキ等の針葉樹木材、シラカバ、ブナ等の広葉樹木材が例示される。木材の樹齢、採取部位は問わない。そのため、互いに樹齢の異なる樹木から採取された木材や、互いに樹木の異なる部位から採取された木材を組み合わせて用いてもよい。
非木材としては、竹、ケナフ、葦、稲が例示される。
リグノセルロース原料は、これらの材料を1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
亜硫酸処理は、亜硫酸及び亜硫酸塩の少なくともいずれかをリグノセルロース原料に接触させて行うことができ、中間生成物を得る処理である。亜硫酸処理の条件は、特に限定されず、リグノセルロース原料に含まれるリグニンの側鎖のα炭素原子にスルホン酸(塩)基が導入され得る条件であればよい。
亜硫酸処理は、亜硫酸蒸解法により行うことが好ましい。これにより、リグノセルロース原料中のリグニンをより定量的にスルホ化することができる。
亜硫酸蒸解法は、亜硫酸及び亜硫酸塩の少なくともいずれかの溶液(例えば、水溶液:蒸解液)中で、リグノセルロース原料を高温下で反応させる方法である。当該方法は、サルファイトパルプの製造方法として工業的に確立されており、実施されている。そのため、亜硫酸処理を亜硫酸蒸解法により行うことにより、経済性及び実施容易性を高めることができる。
亜硫酸塩の塩としては、亜硫酸蒸解を行う場合、例えば、マグネシウム塩、カルシウム塩、ナトリウム塩、アンモニウム塩が挙げられる。
亜硫酸及び亜硫酸塩の少なくともいずれかの溶液における亜硫酸(SO)濃度は、特に限定されないが、反応薬液100mLに対するSOの質量(g)の比率が、1g/100mL以上が好ましく、亜硫酸蒸解を行う場合には2g/100mL以上がより好ましい。上限は、20g/100mL以下が好ましく、亜硫酸蒸解を行う場合には15g/100mL以下がより好ましい。SO濃度は、1g/100mL〜20g/100mLが好ましく、亜硫酸蒸解を行う場合には2g/100mL〜15g/100mLがより好ましい。
亜硫酸処理のpH値は特に限定されないが、10以下が好ましく、亜硫酸蒸解を行う場合には5以下がより好ましい。pH値の下限は、0.1以上が好ましく、亜硫酸蒸解を行う場合には0.5以上がより好ましい。亜硫酸処理の際のpH値は、0.1〜10が好ましく、亜硫酸蒸解を行う場合には0.5〜5がより好ましい。
亜硫酸処理の温度は特に限定されないが、170℃以下が好ましく、亜硫酸蒸解を行う場合には150℃以下がより好ましい。下限は、70℃以上が好ましく、亜硫酸蒸解を行う場合には100℃以上がより好ましい。亜硫酸処理の温度条件は、70〜170℃が好ましく、亜硫酸蒸解を行う場合には100℃〜150℃がより好ましい。
亜硫酸処理の処理時間は特に限定されなく、亜硫酸処理の諸条件にもよるが、0.5〜24時間が好ましく、1.0〜12時間がより好ましい。
亜硫酸処理においては、カウンターカチオン(塩)を供給する化合物を添加することが好ましい。カウンターカチオンを供給する化合物を添加することにより、亜硫酸処理におけるpH値を一定に保つことができる。カウンターカチオンを供給する化合物としては、例えば、MgO、Mg(OH)、CaO、Ca(OH)、CaCO、NH、NHOH、NaOH、NaHCO、NaCOが挙げられる。カウンターカチオンは、マグネシウムイオンであることが好ましい。
亜硫酸処理において、亜硫酸及び亜硫酸塩の少なくともいずれかの溶液を用いる場合、溶液には必要に応じて、SO及びカウンターカチオン(塩)のほかに、蒸解浸透剤(例えば、アントラキノンスルホン酸塩、アントラキノン、テトラヒドロアントラキノン等の環状ケトン化合物)を含ませてもよい。
亜硫酸処理を行う際に用いる設備に限定はなく、例えば、一般に知られている溶解パルプの製造設備等を用いることができる。
亜硫酸及び亜硫酸塩の少なくともいずれかの溶液から中間生成物を分離するには、常法に従って行えばよい。分離方法としては、例えば、亜硫酸蒸解後の亜硫酸蒸解排液の分離方法が挙げられる。
亜硫酸蒸解処理によると、高スルホン化度のリグニンスルホン酸が得られることがあり、その場合、部分脱スルホン化処理により低スルホン化度のリグニンスルホン酸を得ることができる。部分脱スルホン化方法としては、U.S.Pat.No.2371136、特開昭58−45287号公報に記載されている方法が挙げられるが、これらの方法に限定されるものではない。
また、特開2016−135834に記載されている方法によっても低スルホン化度のリグニンスルホン酸を得ることができる。
(クラフトリグニン)
本発明に用いるリグニンとしては、クラフトリグニン(KraftLignin)が挙げられる。上記クラフトリグニンは別名としてチオリグニン(ThioLignin)、サルフェートリグニン(SulphateLignin)とも呼ばれる。クラフトリグニンとしては、調製したものを使用してもよく、市販品を用いてもよい。鉛蓄電池用有機防縮剤としては、クラフトリグニンをスルホン化したクラフトリグニンを用いることが好ましい。調製方法としては、クラフトリグニンのアルカリ溶液や、クラフトリグニンのアルカリ溶液をスプレードライして粉末化した粉末化クラフトリグニン、クラフトリグニンのアルカリ溶液を酸で沈殿させた酸沈殿クラフトリグニンを用いることができる。
クラフトリグニンのアルカリ溶液は、例えば特開2000−336589に記載されているような公知の方法により得られるが、これらの方法に限定されるものではない。
原料の木材としては、例えば、広葉樹、針葉樹、雑木、タケ、ケナフ、バガス、パーム油搾油後の空房が使用できる。具体的には、広葉樹としては、ブナ、シナ、シラカバ、ポプラ、ユーカリ、アカシア、ナラ、イタヤカエデ、センノキ、ニレ、キリ、ホオノキ、ヤナギ、セン、ウバメガシ、コナラ、クヌギ、トチノキ、ケヤキ、ミズメ、ミズキ、アオダモ等が例示される。針葉樹としては、スギ、エゾマツ、カラマツ、クロマツ、トドマツ、ヒメコマツ、イチイ、ネズコ、ハリモミ、イラモミ、イヌマキ、モミ、サワラ、トガサワラ、アスナロ、ヒバ、ツガ、コメツガ、ヒノキ、イチイ、イヌガヤ、トウヒ、イエローシーダー(ベイヒバ)、ロウソンヒノキ(ベイヒ)、ダグラスファー(ベイマツ)、シトカスプルース(ベイトウヒ)、ラジアータマツ、イースタンスプルース、イースタンホワイトパイン、ウェスタンラーチ、ウェスタンファー、ウェスタンヘムロック、タマラック等が例示される。
木材チップからクラフトリグニンを製造する場合、木材チップを蒸解液と共に蒸解釜へ投入し、クラフト蒸解を行う。また、MCC、EMCC、ITC、Lo−solidなどの修正クラフト法の蒸解に供しても良い。また、1ベッセル液相型、1ベッセル気相/液相型、2ベッセル液相/気相型、2ベッセル液相型などの蒸解型式なども特に限定はない。すなわち、本願のアルカリ性水溶液を含浸し、これを保持する工程は、従来の蒸解液の浸透処理を目的とした装置や部位とは別個に設置してもよい。なお、同時に得られる蒸解を終えた未晒パルプは蒸解液を抽出後、ディフュージョンウォッシャーなどの洗浄装置で洗浄する。
クラフト蒸解工程は、木材チップをクラフト蒸解液とともに耐圧性容器に入れて行うことができるが、容器の形状や大きさは特に制限されない。木材チップと薬液の液比は、例えば、1.0〜40L/kgとすることができ、1.5〜35L/kgが好ましく、2.0〜30L/kg以下がさらに好ましい。
また、本発明においては、絶乾チップ当たり0.01〜10質量%のキノン化合物を含むアルカリ性蒸解液を蒸解釜に添加してもよい。
使用されるキノン化合物はいわゆる公知の蒸解助剤としてのキノン化合物、ヒドロキノン化合物又はこれらの前駆体であり、これらから選ばれた少なくとも1種の化合物を使用することができる。これらの化合物としては、例えば、アントラキノン、ジヒドロアントラキノン(例えば、1,4−ジヒドロアントラキノン)、テトラヒドロアントラキノン(例えば、1,4,4a,9a−テトラヒドロアントラキノン、1,2,3,4−テトラヒドロアントラキノン)、メチルアントラキノン(例えば、1−メチルアントラキノン、2−メチルアントラキノン)、メチルジヒドロアントラキノン(例えば、2−メチル−1,4−ジヒドロアントラキノン)、メチルテトラヒドロアントラキノン(例えば、1−メチル−1,4,4a,9a−テトラヒドロアントラキノン、2−メチル−1,4,4a,9a−テトラヒドロアントラキノン)等のキノン化合物であり、アントラヒドロキノン(一般に、9,10−ジヒドロキシアントラセン)、メチルアントラヒドロキノン(例えば、2−メチルアントラヒドロキノン)、ジヒドロアントラヒドロアントラキノン(例えば、1,4−ジヒドロ−9,10−ジヒドロキシアントラセン)又はそのアルカリ金属塩等(例えば、アントラヒドロキノンのジナトリウム塩、1,4−ジヒドロ−9,10−ジヒドロキシアントラセンのジナトリウム塩)等のヒドロキノン化合物であり、アントロン、アントラノール、メチルアントロン、メチルアントラノール等の前駆体が挙げられる。これら前駆体は蒸解条件下ではキノン化合物又はヒドロキノン化合物に変換する可能性を有している。
蒸解液は、木材チップが針葉樹の場合、対絶乾木材チップ重量当たりの活性アルカリ添加率(AA)を10〜30質量%とすることが好ましい。活性アルカリ添加率を10質量%未満であるとリグニンやヘミルロースの除去が不十分となり、30質量%を超えると収率の低下や品質の低下が起こる。ここで活性アルカリ添加率とは、NaOHとNaSの合計の添加率をNaOの添加率として換算したもので、NaOHには0.775を、NaSには0.795を乗じることでNaOの添加率に換算できる。また、硫化度は15〜40%の範囲が好ましい。硫化度20%未満の領域においては、脱リグニン性の低下、パルプ粘度の低下、粕率の増加を招く。
クラフト蒸解は、120〜180℃の温度範囲で行うことが好ましく、140〜160℃がより好ましい。温度が低すぎると脱リグニン(カッパー価の低下)が不十分である一方、温度が高すぎるとセルロースの重合度(粘度)が低下する。また、本発明における蒸解時間とは、蒸解温度が最高温度に達してから温度が下降し始めるまでの時間であるが、蒸解時間は、60分以上600分以下が好ましく、120分以上360分以下がさらに好ましい。蒸解時間が60分未満ではパルプ化が進行せず、600分を超えるとパルプ生産効率が悪化するために好ましくない。
また、本発明におけるクラフト蒸解は、Hファクター(Hf)を指標として、処理温度及び処理時間を設定することができる。Hファクターとは、蒸解過程で反応系に与えられた熱の総量を表す目安であり、下記の式によって表わされる。Hファクターは、チップと水が混ざった時点から蒸解終了時点まで時間積分することで算出する。Hファクターとしては、250〜6000が好ましい。
Hf=∫exp(43.20−16113/T)dt
クラフトリグニンのアルカリ溶液を酸で沈殿させた酸沈殿クラフトリグニンとしては、WO2006/038863、WO2006/031175、WO2012/005677に記載されている方法などにより得られる粉末状の酸沈殿クラフトリグニンを用いることができるが、これらの方法に限定されるものではない。
上記のクラフトリグニンをスルホン化したスルホン化リグニンを得る方法としては、例えば、「リグニンの利用に関する研究(第3報)チオリグニンのスルホメチル化について;老田靖、中野準三、右田伸彦:木材学会誌,第12巻,第5号,239−244(1966)」に記載されている方法により、スルホメチル化したスルホメチル化クラフトリグニン、US5049661に記載されているスルホン化リグニンが挙げられる。
スルホン化したリグニンとしては、調製したものを用いても良く、市販品を用いても良い。市販品としては例えば、POLYFON、REAX(いずれもIngevity製)が挙げられる。
スルホメチル化リグニンの製造は、公知の方法で製造すればよく、例えば、リグニンを亜硫酸塩及びアルデヒド類を反応させることによって製造することができる。
リグニンをスルホメチル化する方法の一例が、米国特許第2,680,113号に開示されている。この方法ではリグニンのスルホン化メチル処理は50〜200℃の温度範囲で行われ、80〜170℃の温度範囲が好ましく、さらに好ましくは100〜160℃の温度範囲で行われる。添加する亜硫酸塩の量は、リグニンに対して1〜50%が好ましい。アルデヒド類としてはホルムアルデヒドが好ましく、添加するアルデヒドの量は、リグニンに対して0.25〜12.5%が好ましい。ホルムアルデヒドが前記範囲でないとスルホン基がリグニンに導入されない。また、pHは8以上が好ましい。
本発明で使用するスルホメチル化リグニンは、−SOM(一般式(1)中、Mは、水素原子、一価金属塩、二価金属塩を示す)で表されるスルホン酸(塩)基のS含量が1.0〜4.0質量%であることが好ましい。
−SOM(一般式(1)中、Mは、水素原子、一価金属塩、二価金属塩を示す)で表される基のS含量とは、リグニンの固形物含量に対する−SOM(一般式(1)中、Mは、水素原子、一価金属塩、二価金属塩を示す)に含有される硫黄原子の含量をいう。具体的には、下記数式(1)より算出する値である。
数式(1):
スルホン酸(塩)基のS含量(質量%)=全S含量(質量%)−無機態S含量(質量%)
(数式(1)中、S含量はいずれもリグニンの固形物量に対するS含量を示す。)
数式(1)中、全S含量は、リグニンに含まれるすべてのS含量であり、ICP発光分光分析法により定量することができる。また、無機態S含量は、イオンクロマト法により定量したSO3含量、S含量及びSO4含量の合計量として算出できる。
クラフトリグニンのスルホメチル化反応では一般的にリグニンのC−Cユニットに対して、下記に示す一般式(1)の位置にスルホン基が導入される。一般式(1)はリグニンの部分構造であるC−Cユニットを示す。すなわち、左側の矢印の反応ではα位にスルホン基が導入される反応であり、一般にスルホン化と呼ばれる。右側の矢印の反応ではα位以外に芳香核の4位にホルムアルデヒドを介してスルホン基が導入される。
Figure 2020013112
(メトキシル基)
本発明で使用するスルホメチル化リグニンは、その固形分あたりのメトキシル基含量が3質量%以上であり、好ましくは5質量%以上、より好ましくは7.0質量%以上である。上限は、20質量%以下であり、好ましくは19.5質量%以下、より好ましくは19.2質量%以下である一般にリグニンの構造中には芳香核に結合したメトキシル基が存在する。そのため、メトキシル基含量は、リグニン含量の指標となる。
本発明において、メトキシル基含量は、ViebockおよびSchwappach法によるメトキシル基の定量法(「リグニン化学研究法」、P.336〜341、平成6年、ユニ出版(株)発行、参照)によって測定した値である。
クラフトリグニンのスルホン化物のメトキシル基、スルホン基のS含量、還元性糖類、無機塩の含有量は上記したリグニンスルホン酸の項目で例示した通りである。
(有機酸(塩))
本発明の有機防縮剤は、有機酸(塩)を含有する。有機酸としては、例えば、酢酸、グリコール酸、マロン酸、リンゴ酸、マレイン酸、アスコルビン酸、コハク酸、グルタル酸、フマル酸、クエン酸、酒石酸、乳酸、キシロン酸(塩)、ガラクトン酸(塩)、アラビノン酸(塩)、メタサッカリン酸(塩)、イソサッカリン酸(塩)、グリコール酸(塩)から選ばれる少なくとも一つの有機酸(塩)を有機防縮剤の固形分あたり0.0001〜5質量%含有する。好ましくは、キシロン酸(塩)、ガラクトン酸(塩)、アラビノン酸(塩)、メタサッカリン酸(塩)、イソサッカリン酸(塩)、グリコール酸(塩)から選ばれる少なくとも一つの有機酸(塩)を含有することが好ましい。塩としてはナトリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩など各種塩の形態が例示される。好ましくはナトリウム塩である。
本発明の有機防縮剤は、有機酸(塩)を有機防縮剤の固形分あたり0.0001〜5質量%含有することが必要である。有機酸の含有率が前記範囲である場合、理由は不明であるが、鉛蓄電池の諸性能が向上する。
上記有機酸は塩の形態であっても良い。塩の形態としては、ナトリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、アンモニウム塩などが挙げられる。1種あるいは2種以上の塩を組み合わせても良い。
本発明の有機防縮剤は主に鉛蓄電池の負極板に添加される。有機防縮剤の固形分の添加率は通常鉛粉に対して0.02〜1.0質量%である。
上記有機酸は予めリグニンに混合して使用しても良いし、リグニンと別々に鉛粉に混合して使用しても良い。有機酸含有量はイオンクロマト法により測定することができる。
本発明の鉛蓄電池用有機防縮剤を使用した鉛蓄電池は、自動車用電池、ポータブル機器用電池、コンピュータのバックアップ用電池、通信用電池、等に使用することができる。
以下、本発明を実施例により詳細に説明する。以下の実施例は、本発明を好適に説明するためのものであって、本発明を限定するものではない。
以下に、実施例で用いたリグニンの製造例を記す。
<製造例1>
サンエキス252(日本製紙社製、濃度43%、主成分:リグニンスルホン酸ナトリウム)を40%NaOHでpH12とした後、140℃で30分間アルカリ空気酸化した後、70%硫酸を加えてpH3とし、部分脱スルホン化したリグニンスルホン酸を分別沈殿させ、リグニンスルホン酸を含むリグニン(Lig1)を得た。(スルホン酸(塩)基のS含量3.3質量%、メトキシル基含量11.5%)
<製造例2>
WO2012/005677の実施例に記載されている方法に従い、針葉樹クラフト蒸解黒液から沈殿クラフトリグニンを得た。得られた沈殿クラフトリグニンを48%NaOHで溶解し、pH10、固形分濃度20%のクラフトリグニン溶液(Lig2)を得た。
<製造例3>
製造例2の針葉樹クラフト蒸解黒液を広葉樹クラフト蒸解黒液に変更した以外は同様とし、pH10、固形分濃度20%のクラフトリグニン溶液(Lig3)を得た。
<製造例4>
温度計、攪拌装置、還流装置を備えたステンレス製反応容器に、Lig2を100部、水400部、37%ホルムアルデヒド液(和光純薬製)7.0部、亜硫酸ナトリウム(和光純薬製)10部を仕込み、攪拌下で140℃に昇温した。昇温後140℃に保持した状態で2時間反応させた。その後冷却し、pH10、固形分濃度20%のスルホメチル化されたクラフトリグニン溶液を得た後、スプレードライにより粉末化物のリグニン(Lig4)を得た。(スルホン酸(塩)基のS含量2.4質量%、メトキシル基含量11.0%)
<製造例5>
製造例4のLig2をLig3に変更した以外は同様とし、pH10、固形分濃度20%のスルホメチル化されたクラフトリグニン溶液を得た後、スプレードライにより粉末化物のリグニン(Lig5)を得た。(スルホン酸(塩)基のS含量1.4質量%、メトキシル基含量17.9%)
(実施例1)
(有機防縮剤の製造)
製造例1で得られたリグニンスルホン酸を含有するリグニン(Lig1)に対して、キシロン酸ナトリウムが固形分あたり0.002質量%含まれるように混合して、実施例1の有機防縮剤を得た。
(正極板の製造)
一酸化鉛を70〜80重量%含有する鉛粉と、該鉛粉に対して13質量%の希硫酸(比重1.26:20℃)と、該鉛粉に対して12質量%の水とを混練して正極活物質ペーストを作製した。上記ペースト状正極活物質約25gを鉛合金製の格子体からなる集電体に充填してから、未乾燥のまま窒素雰囲気中で80℃−24時間放置(熟成)して、未化成の正極板とした。
(負極板の製造)
次に、一酸化鉛を70〜80重量%含有する鉛粉と、該鉛粉に対して13質量%の希硫酸(比重1.26:20℃)と、該鉛粉に対して12質量%の水と、硫酸バリウム1.2質量%、実施例1の有機防縮剤を固形分で0.3質量%添加して、混練し負極活物質ペーストを作製した。この負極活物質ペースト約25gを鉛合金の格子体からなる集電体に充填してから、未乾燥のまま窒素雰囲気中で80℃−24時間放置(熟成)して、未化成の負極板とした。
(鉛蓄電池の作製)
上記製造法により得られた負極板と正極板を組み合わせて定格容量28Ah−2Vの鉛蓄電池を作製した。
(実施例2)
製造例4で得られたリグニン(Lig4)に対して、メタサッカリン酸ナトリウムが固形分あたり0.30質量%含まれるように混合して、実施例2の有機防縮剤を得た。実施例2で得られた有機防縮剤を使用したこと以外は、実施例1と同様に、正極板の製造、負極板の製造、および鉛蓄電池の作製を行った。
(実施例3)
製造例5で得られたリグニン(Lig5)に対して、メタサッカリン酸ナトリウムが固形分あたり1.0質量%含まれるように混合して、実施例3の有機防縮剤を得た。実施例3で得られた有機防縮剤を使用したこと以外は、実施例1と同様に、正極板の製造、負極板の製造、および鉛蓄電池の作製を行った。
(比較例1)
製造例1で得られたリグニンスルホン酸を含有するリグニン(Lig1)に対して、有機酸を添加せず、そのまま有機防縮剤として用いたこと以外は、実施例1と同様に、正極板の製造、負極板の製造、および鉛蓄電池の作製を行った。
(比較例2)
製造例4で得られたリグニン(Lig4)に対して、有機酸を添加せず、そのまま有機防縮剤として用いたこと以外は、実施例1と同様に、正極板の製造、負極板の製造、および鉛蓄電池の作製を行った。
(比較例3)
製造例5で得られたリグニン(Lig5)に対して、有機酸を添加せず、そのまま有機防縮剤として用いたこと以外は、実施例1と同様に、正極板の製造、負極板の製造、および鉛蓄電池の作製を行った。
実施例および比較例で作製した鉛蓄電池に対して、以下の各試験を行った。
(5時間率容量試験)
JISD5301に従い、5時間率容量試験を実施した。放電持続時間を評価した。放電持続時間が長い方が評価良好となる。
(高率放電特性試験)
JISD5301に従い、150Aの高率放電特性試験を実施した。放電持続時間を評価した。放電持続時間が長い方が評価良好となる。
(充電受入性試験)
JISD5301に従い、充電受入性試験を実施した。充電開始後10分目の充電電流を評価した。電流値が高い方が評価良好となる。
試験結果を表1に示す。
Figure 2020013112
表1に示す通り、本発明の、有機酸を固形分あたり0.0001〜5質量%含有する有機防縮剤を使用した実施例の鉛蓄電池は、有機酸を含有しない有機防縮剤を使用した比較例の鉛蓄電池と比較して、優れた容量特性、高率放電特性、充電受入性を示すことが分かる。

Claims (4)

  1. 固形分あたりのメトキシル基含量が3〜20質量%であるリグニンを含有する鉛蓄電池用有機防縮剤において、該有機防縮剤が有機酸を有機防縮剤の固形分あたり0.0001〜5質量%含有する、鉛蓄電池用有機防縮剤。
  2. 前記有機酸がキシロン酸(塩)、ガラクトン酸(塩)、アラビノン酸(塩)、メタサッカリン酸(塩)、イソサッカリン酸(塩)、グリコール酸(塩)から選ばれる少なくとも一つの有機酸(塩)である、請求項1に記載の鉛蓄電池用有機防縮剤。
  3. 前記リグニンは、固形分あたりのスルホン酸基のS含量(一般式(1):−SOM(一般式(1)中、Mは、水素原子、一価金属塩、二価金属塩を示す)で表される基のS含量)が1.0〜4.0質量%である、請求項1または請求項2に記載の鉛蓄電池用有機防縮剤。
  4. 請求項1〜3の何れか一項に記載の有機防縮剤を添加した極板を有する鉛蓄電池。
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