JPWO2020009218A1 - ヘッドアップディスプレイ装置 - Google Patents

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Abstract

本発明は、路面に張り付いて視認される虚像を車両の走行時に安定して表示することができるヘッドアップディスプレイ装置を提供することを目的とする。本発明に係るヘッドアップディスプレイ装置(101)は、車両(200)に設けられた反射透光部材(300)に表示光(50)を投影し、反射透光部材(300)を透過する実景に重ねて反射透光部材(300)に反射された表示光(50)により虚像を生成して表示する表示手段を備え、虚像が表示される虚像表示面(400)は、車両から遠い側の端部(403)が、車両から近い側の端部(406)よりも低く配置される。

Description

本発明は、車両のフロントウインドシールドやコンバイナ等に虚像を表示するヘッドアップディスプレイ装置に関する。
車両のフロントウインドシールドやコンバイナ等の反射透光部材を透過する実景(車両前方の風景)に重ねて、その反射透光部材に反射された表示光により虚像を生成して表示するヘッドアップディスプレイ装置は、車両を運転する視認者の視線移動を極力抑えつつ、視認者が所望する情報を虚像により提供することによって、安全で快適な車両運行に寄与する。
例えば特許文献1に記載のヘッドアップディスプレイ装置は、車両のダッシュボードに設けられてフロントウインドシールドに表示光を投影し、フロントウインドシールドで反射された表示光により視認者に虚像表示面上の虚像を視認させる。同特許文献では、車両が進行する路面と略平行な第一の虚像表示面上にある第一の虚像と、車両の進行方向と垂直な方向に略平行な第二の虚像表示面上にある第二の虚像とが、所定の角度をなすように表示される。
特開2016−212338号公報
ところで、特許文献1において、第一の虚像は路面の所定の範囲に亘って重畳して視認されるが、第一の虚像表示面が路面の上方に位置しているため(同特許文献の段落0015、図1参照)、視認者には、第一の虚像が路面から浮いているように視認される。同特許文献における第一の虚像のように、車両の経路を示す矢印等の虚像は、路面から浮いているように視認されるのではなく、路面に張り付いて視認される方が望ましい場合がある。
しかしながら、そのために図8(a)に示すように虚像表示面40を路面41の上方ではなく路面41と同じ高さに位置させると、車両42の走行中、路面41が平坦でなかったり、車両42の姿勢変化(ピッチ角の変化)があったりした場合に、同図(b)に示すように虚像表示面40が路面41の上方に浮いて虚像43が路面41から浮き上がることになり、虚像43が路面41に調和していないとの違和感を視認者44が覚えやすいという問題があった。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、路面に張り付いて視認される虚像を車両の走行時に安定して表示することができるヘッドアップディスプレイ装置を提供することを課題としている。
本発明のヘッドアップディスプレイ装置の一態様では、車両に設けられた反射透光部材に表示光を投影し、前記反射透光部材を透過する実景に重ねて前記反射透光部材に反射された表示光により虚像を生成して表示する表示手段を備えるヘッドアップディスプレイ装置であって、画像を表示する表示面を有する画像表示部と、前記表示光を、前記反射透光部材部材に投影する光学部材を含む光学系と、を有し、前記ヘッドアップディスプレイは、前記虚像を表示する虚像表示面を有し、前記虚像表示面は、前記車両から近い側の第1の端部と、遠い側の第2の端部を有し、前記第2の端部が、前記第1の端部より低く配置される。
また、前記第1の端部が、前記虚像表示面のうち、最高位置に配置されてもよい。
また、前記虚像表示面が、前記路面より下になる部分を有さない場合には、前記虚像表示面は、前記第1の端部が前記路面よりも上に位置する曲面であり、前記第1の端部における前記車両に最も近い端点の前記路面からの距離が、前記虚像表示面の内で最大となり、かつ、前記第2の端部の少なくとも一部が、前記路面に重なるように、前記第1の端部よりも平坦性が高められた面とされた形状を有し、前記光学系における全領域又は一部の領域の光学的特性を調整すること、前記光学部材と前記表示面との配置を調整すること、前記表示面の形状を調整すること、又はこれらの組み合わせにより、前記虚像表示面の形状を形成してもよい。
また、前記虚像表示面は、前記第2の端部を含む一部又はその全部が前記路面下に位置してもよい。
また、前記虚像表示面は、前記路面と前記第2の端部との距離が、前記路面と前記第1の端部との距離より長くなるように配置されてもよい。
また、前記第1、第2の端部が、前記路面より上に位置してもよい。
また、前記光学部材は、曲面の反射面を有する凹面鏡を有し、前記凹面鏡における前記曲面の反射面の形状が、前記虚像表示面の形状を生じさせるべく調整されていてもよい。
また、前記車両の幅に沿う方向を左右方向という場合に、前記車両の搭乗者である前記虚像の視認者の視点が、アイボックスの、左右方向における中央のアイポイントに位置し、かつ、虚像表示距離が5m以上の前方に虚像が表示され、かつ、前記虚像の一点についての輻輳角を第1の輻輳角とし、前記虚像の一点に対応する、重畳対象物である前記路面上の点についての輻輳角を第2の輻輳角とし、前記第1の輻輳角と前記第2の輻輳角との差を輻輳角差とするとき、前記輻輳角差が、0.068度以下であってもよい。
また、前記表示面又は/及び前記光学部材を移動又は/及び回転させるように構成される1つ又はそれ以上のアクチュエータと、1つ又はそれ以上のI/Oインタフェースと、1つ又はそれ以上のプロセッサと、メモリと、前記メモリに格納され、前記1つ又はそれ以上のプロセッサによって実行されるように構成される1つ又はそれ以上のコンピュータ・プログラムと、をさらに備え、前記1つ又はそれ以上のプロセッサは、前記路面の位置を取得し、前記路面の位置に基づき、前記虚像表示面の少なくとも一部が、前記路面下に配置するように、前記アクチュエータを駆動してもよい。
また、前記光学部材の反射面は、前記車両に搭乗する視認者のアイポイントが第1の位置にあるときの第1の使用領域と、前記第1の位置とは、上下方向における位置が異なる第2の位置にあるときの第2の使用領域と、を有し、前記第1、第2の各使用領域が重複する領域における前記反射面の形状は、前記虚像表示面における、前記車両から遠い側の前記第2の端部の形状を所望形状に形成するのに適した形状とされてもよい。
これにより、例えば、虚像の全体を路面に近づけて配置することができる。言い換えれば、路面重畳HUDにおいて、虚像の路面からの浮き上がりを抑制することができる。また、例えば、虚像の遠方に位置する部分(遠方部分であり、先端部分ということもできる)は、車両の運転者等(虚像の視認者)にとって重要な情報をもつ場合が多い。よって、その遠方部分を、平坦性を高くして路面により近づけて重畳するように調整することによって、運転者等の視認性や認知性を高めることができる。
また、虚像の一部が路面の下(但し、路面の垂線に沿う方向を上下方向とする。よって、例えば、路面が水平なら鉛直下向きが下方向となる)に位置する場合であっても、虚像の遠方部分の路面への重畳性は維持しつつ、近傍の浮いた表示を、なるべく路面に近づけることができる。よって、近傍での路面重畳性を確保することもできる。
上記のような本発明の実施態様によれば、路面に重畳される虚像の、路面からの浮き上がりを効果的に抑制することができる。このことは、広画角、かつ虚像表示距離が長いHUD装置の視認性向上に貢献する。
本発明に係るヘッドアップディスプレイ装置によれば、路面に張り付いて視認される虚像を車両の走行時に安定して表示することができる。
発明を実施するための形態に係るヘッドアップディスプレイ装置が設けられた車両を示す説明図である。 図1のヘッドアップディスプレイ装置の構成を示す説明図である。 図1のヘッドアップディスプレイ装置の表示部、画像生成部と対象物検出部、車両情報検出部との関係を示すブロック図である。 (a)は図1のヘッドアップディスプレイ装置によりフロントウインドシールドにナビゲーションの矢印が表示された例を示す説明図、(b)は先行車との車間距離を表すガイドが表示された例を示す説明図である。 図1のヘッドアップディスプレイ装置による虚像表示面の調整処理を示す流れ図である。 (a)は図1のヘッドアップディスプレイ装置による虚像表示面を示す説明図、(b)は(a)の車両の前部が浮き後部が沈んだときの虚像表示面を示す説明図である。 発明を実施するための形態に係る他のヘッドアップディスプレイ装置が設けられた車両を示す説明図である。 (a)は従来のヘッドアップディスプレイ装置による虚像表示面を示す説明図、(b)は(a)の車両の前部が浮き後部が沈んだときの虚像表示面を示す説明図である。 (a)はヘッドアップディスプレイ装置の倍率、焦点を説明するための図、(b)は視認者のアイポイントと虚像位置との関係について説明するための図である。 (a)はヘッドアップディスプレイ装置の他の例による、虚像表示面を用いた虚像表示を示す図、(b)画像表示部の表示面に表示される画像の例を示す図である。 (a)は虚像表示面の特徴を説明するための図、(b)、(c)、(c’)、(d)は、虚像表示面と路面位置との位置関係が異なる例を示す図である。 ヘッドアップディスプレイ装置における光学系の一例を示す図である。 凹面鏡(曲面を含む反射面を有する拡大反射鏡)の形状、及び焦点の例を説明するための図である。 ヘッドアップディスプレイ装置における光学系の他の例(凹面鏡の角度を固定し、アイポイントの上下方向の移動に対応して、反射面での使用領域を変更する例)を示す図である。 凹面鏡の反射面での使用領域を変更する場合の具体例、及び反射面の設計上の特徴点について説明するための図である。 車両が直線状の道路を走行しているときに、路面を重畳対象物(実景)としてナビゲーション用の図形を重ねて表示した様子を示す図である。 (a)〜(c)は、ヘッドアップディスプレイ装置における輻輳角差の変化、及びアイポイントの変化に対応して、虚像表示位置が変化する様子を示す図である。 (a)、(b)は、虚像表示距離と輻輳角差との関係性について説明するための図である。 ヘッドアップディスプレイ装置のシステム構成の例を示す図である。
本発明を実施するための形態について、図面に基づいて説明する。
図1に示すように、本実施の形態に係るヘッドアップディスプレイ装置(HUD)1は、車両2のフロントウインドシールド3の下方に位置するダッシュボード4の内部に設けられ、フロントウインドシールド3の一部に表示光5を投影する。表示光5は、フロントウインドシールド3に反射されて虚像6を生成し、視認者(運転者)7にフロントウインドシールド3を透過する実景に重ねて虚像6を視認させる。虚像6は、後に詳述するように、車両2が進行する路面8の下方に位置する虚像表示面9に表示される。
HUD1は、図2に示すように、透光部10が形成されたケース11の内部に表示部12、反射鏡13及び画像生成部14が設けられて概略構成されている。表示部12は、DMDやLCoS等の反射型表示デバイスを用いたプロジェクタからなる投影部15と、投影部15からの投影光を受光し、画像を含む表示光5を反射鏡13に向けて出射するスクリーン16とを備える。表示部12からの表示光5は、凹状の反射鏡13に反射され、透光部10を透過してフロントウインドシールド3に投影される。フロントウインドシールド3に投影された表示光5は、視認者7の側に反射され、虚像6を生成して視認者7に表示する(図1参照)。なお、反射鏡13は、図示を略す駆動機構により回動駆動されることによって、表示光5のフロントウインドシールド3における投影位置を変更可能としてもよく、投影部15は、LED照明とTFT液晶との組合せ等により構成してもよい。
画像生成部14は、マイコンやGDC等からなり、図3に示すように、表示部12及びCAN等の車内LANのバス27に接続されている。バス27には、カメラ、LiDAR又はV2X等により車両2が進行する路面8その他の車両周囲の対象物を検出する対象物検出部16や、CANトランシーバIC、GNSS、加速度センサ、モーションセンサ、ジャイロセンサ等により車速、加速度その他の車両情報を検出する車両情報検出部17が接続されている。
表示光5により生成される虚像6は、車両2が進行する路面8に張り付いて視認されるもので、図4(a)に示すフロントウインドシールド3の表示領域18に表示されるナビゲーションの矢印19や、同図(b)に示す先行車(先行車は、視認者7に実景として視認される。)との車間距離を表すガイド20等を含んでいてもよい。ここでは、画像生成部14が、虚像表示面9が路面8に対して概ね平行となるように、かつ、路面8の下方に位置するように表示光5を投影し(図1参照)、虚像表示面9は、車両2から所定距離(20〜50m)だけ遠方(前方)の路面8において、所定深さ(路面8の下方50〜200cm)に位置している。
また、画像生成部14は、図5に示すように、車両2に対する虚像表示面9の位置を一定となるように(上記所定距離及び/又は上記所定深さが維持されるように)調整する。すなわち、画像生成部14は、車両情報検出部17(加速度センサ、モーションセンサ、ジャイロセンサ等)の検出結果から車両のピッチ角を取得し(ステップ1(図5において「S.1」と記載。以下同様。))、そのピッチ角と上記所定距離及び/又は上記所定深さに基づいて、虚像表示面9の所望の表示位置(図6(a))と取得したピッチ角の分ずれた表示位置(図6(b))とのずれ量を算出する(ステップ2)。そして、そのずれ量を打ち消すように、車両2に対する虚像表示面9の位置を調整し(ステップ3)、調整後の虚像表示面9に対応する表示光5を投影するように表示部12を制御する(ステップ4)。
なお、図5においては、画像生成部14が現に生じたピッチ角の変化に応じて虚像表示面9の位置を調整しているが、対象物検出部16(カメラ、LiDAR等)により路面8の形状や凹凸等を検出してその検出結果も勘案し、次の瞬間のピッチ角を推定して虚像表示面9の位置を調整することによって、リアルタイム性を向上させてもよい。
さらに、虚像表示面9を路面8の下方に位置させるために、画像生成部14は、対象物検出部16により路面8を検出したり、あるいは、車両2が接地する路面の高さと同一とみなしたりすることによって、路面8の高さを把握する。
本実施の形態に係るHUD1では、虚像表示面9が、車両2が進行する路面8の下方に位置し、虚像6も路面8の下方に表示されるが、虚像6は、視認者7には、路面8にそれ以上奥側がないという先入観から、路面8に張り付いているように視認され、この傾向は、特に虚像表示面9及び虚像6が車両2から遠方に位置するほど、視認者7の奥行知覚が鈍感になり顕著となる。つまり、実際には、視認者7から見て、虚像6は路面8の奥側(下方)で結像しているにもかかわらず、視認者7は、あたかも路面8の表面に虚像6が張り付いて表示されているかのように知覚する。
また、仮に、画像生成部14による虚像表示面9の位置調整機能がない場合に車両2のピッチ角が変化した際や、その位置調整機能の想定を超えて車両2のピッチ角が変化した際に、虚像表示面9が図6(a)から(b)に示すように浮き上がったとしても、路面8の下方に位置していた虚像表示面9は、浮き上がってもなお路面8の下方に位置し、視認者7にとって虚像6は路面8に張り付いたままに見え、路面8との重畳感が失われない。
したがって、HUD1によれば、路面8に張り付いて視認される虚像6を、車両2の走行中に車両2のピッチ角や路面8の形状、凹凸が変化したとしても、安定して表示することができる。ここでは、画像生成部14が車両2に対する虚像表示面9の位置を一定となるように調整し、虚像表示面9が路面8から浮き上がること自体が抑制されるとともに、視認者7から見て虚像6が一定の場所に表示されるので、虚像6は、車両2の走行時に、より一層安定的に路面8に張り付いたように表示され、その視認性も向上している。
図7は、本実施の形態に係る他のHUD21が設けられた車両2を示す。HUD21は、画像生成部の生成画像が異なるほかは、HUD1と同様の構成を有するので、各部の詳細な説明は省略する。
HUD21による虚像表示面22は、車両2に対する遠方側(視認者7から見て上側)の端部23が、近傍側(視認者7から見て下側)の端部24よりも上方に位置し、さらには、路面8の上方に位置する。また、車両2に対する近傍側の端部24が路面8の下方に位置し、虚像表示面22の路面8よりも上方の部分には、路面8上の背景に重畳される背景関連虚像(車速やナビゲーションによる次の案内地点までの残距離、FCW(前方衝突警報)等についての像)25が表示され、路面8よりも下方の部分には、路面8に重畳されて路面8に張り付いたように視認される路面関連虚像26が表示される。
HUD21では、虚像表示面22の遠方側の端部23が路面8の上方に位置し、近傍側の端部24が路面8の下方に位置しているので、虚像6と同様に路面8に張り付いて視認される路面関連虚像26を端部23の側に表示しつつ、路面8上の背景に重畳される背景関連虚像25を端部24の側に表示することができる。
以上、本発明を実施するための形態について例示したが、本発明の実施形態は上述したものに限られず、発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更等してもよい。
例えば、HUDは、虚像表示面の少なくとも一部を車両が進行する路面の下方に位置させることができるのであれば、表示部その他各部の構成は任意である。
また、虚像表示面の表示位置及び虚像の表示内容も任意であり、虚像表示面が路面となす角度についても、虚像表示面9のように路面8と略平行でも、虚像表示面22のように路面8と略垂直でも、その他の角度でもかまわない。
虚像が路面に張り付いているように見える視覚的な程度(虚像の路面との重畳感、一体感)をより高めるためには、虚像表示面は全体的に寝た状態(路面と平行に近い状態)で路面の近くにあることが望ましいが、車両から虚像表示面までの距離が上記所定距離(20〜50m)で、路面から虚像表示面までの深さが上記所定深さ(50〜200cm)程度であれば、虚像は十分に路面に張り付いているように視認され、しかも、車両の通常の走行状況下において、車両のピッチ角の変化や路面の形状、凹凸の変化により路面から浮き上がって見えることも防止される。
次に、図9を参照する。図9(a)はヘッドアップディスプレイ装置の倍率、焦点を説明するための図、図9(b)は視認者のアイポイントと虚像位置との関係について説明するための図である。
図9(a)に示されるように、画像表示部(表示器や、透過型又は反射型のスクリーン等)Sの表示面から、反射透光部材(ウインドシールドやコンバイナ等)Tまでの距離を光路長aとし、人(視認者)の視点E(あるいは、車両の所定箇所)から虚像V(あるいは虚像表示面の基準点)までの距離を虚像表示距離bとする。このとき、a<bであれば、拡大表示がなされ、倍率Kはb/aで表される。また、焦点距離をfとするとき、1/f=1/a−1/bが成立する。
近年、視野角が大きく(例えば視認者から見た縦方向の有効視野が10度程度)、かつ、虚像表示距離bが長い(例えば7m以上)のHUD装置が求められている。視野角及び虚像表示距離を共に増大させようとすると、HUD装置の大型化を招く。大型化を抑制するためには、光路長(上記のa)の増大を抑制しつつ、HUD装置の光学系の倍率(光学倍率)を大きくしなければならない。光学倍率を大きくするには、例えば、凹面鏡や補正鏡等の光学部材の曲面を大きく湾曲させる必要がある。また、HUD装置の高画角化に伴い、画像表示部の表示面のサイズが大型化し、凹面鏡等の光学部材も大型化し、凹面鏡の大きく湾曲した周辺領域にも表示光が当たるようになる。よって、例えば、平坦な路面を重畳対象物として、その路面上に、ナビゲーション表示(平坦面をもつ矢印等)を重ねて表示するような場合に、そのナビゲーション表示(虚像)を、完全には平坦な表示とすることができない。言い換えれば、そのナビゲーション表示(虚像)を、全画角にわたって完全な平坦性を確保しつつ、路面上に重畳表示することは困難である。
また、図9(b)では、画像Mが画像表示部Sの表示面に表示され、凹面鏡WD、フロントシールド(反射透光部材)Tを介して虚像の表示がなされている。図9(b)では、視認者(車両の運転者等)のアイポイントEP(C)は、アイボックスEBの中央に位置する。左右の各目に対応する虚像表示面をPLN(L)、PLN(R)とすると、その重なりの領域の中央に虚像V(C)が位置する。虚像V(C)が、対象物に重畳される場合、虚像V(C)についての輻輳角と、重畳対象物の輻輳角との差の程度が大きくなると、焦点ずれが顕在化して、視認者は違和感を覚える(この点は後述する)。
また、視認者のアイポイントが、車両の幅方向(左右方向)に沿って移動すると(EP(L)、EP(R))、画像Mの表示位置に変更がなくても、虚像の表示位置が変化する。広視野角の表示が可能なHUD装置では、そのアイポイントの移動距離も大きくなり、虚像の左右方向の位置ずれ(言い換えれば、描画位置ずれ)が増大して、この場合も、視認者は違和感を覚えることになる(この点も後述する)。したがって、焦点ずれや描画位置ずれを、適切に抑制することも重要である。
従来、上述の、虚像Vの歪みに対する対策としては、歪みをできるだけ抑制する、言い換えれば、歪みを補正する、という考え方が主流であった。これに対して、本発明の実施形態では、歪みを補正するのではなく、人の視覚を通じた像の知覚の特性を考慮しつつ、凹面鏡の曲面形状等を調整し、像の歪みを適正に、精度よく制御し、その像の歪みを目立たなくする、という、新たな手法を導入する。これにより、路面に虚像を重畳する際の、路面からの虚像の浮き上がり等を、比較的容易に抑制することが可能となる。
以下、具体的に説明する。図10を参照する。図10(a)はヘッドアップディスプレイ装置の他の例による、虚像表示面を用いた虚像表示を示す図、図10(b)画像表示部の表示面に表示される画像の例を示す図である。なお、図10(a)において、車両200の前方に沿う方向(前後方向ともいう)をZ方向とし、車両200の幅(横幅)に沿う方向(左右方向)をX方向とし、車両200の高さ方向(平坦な路面80に垂直な線分の、路面80から離れる方向)をY方向とする。
また、以下の説明では、虚像表示面400の形状の説明等において、上、下、という表現をする。ここでは、説明の便宜上、路面80に垂直な線分(法線)に沿う方向を上下方向とする。路面が水平である場合は、鉛直下向きが下方であり、その反対方向が上方である。
図10(a)の上側に示されるように、車両(自車両)200は、直線状に延びる路面(道路)80上を走行している。本実施形態のHUD装置101の画像表示領域303には、路面80の延在方向と一致する方向に、直線状に延びる延在部分(延在成分)を有する虚像である、矢印のマーク(ナビゲーション表示の一種)501が表示されている。虚像としての矢印のマーク501は、平坦なマーク(言い換えれば、平坦面を有するマーク)であり、路面80を重畳対象物として、その路面80上に重なるようにして表示される、言い換えれば路面に対して重畳的に表示されるコンテンツ(重畳コンテンツと称する)の虚像ということができる。
図中、J1は、矢印のマーク501の、車両200から遠い側の端点を示し、J3は近い側の端点を示し、J2は、J1とJ2の間の端点を示す。
次に、図10(a)の下側の図を参照する。車両(自車両)200のダッシュボード40の内部に、本実施形態の、路面に重ねて虚像を表示するのに適した表示特性をもつHUD装置(路面重畳HUDと称する場合がある)101が搭載されている。
HUD装置101は、画像を表示する表示面164を有する画像表示部(ここではスクリーン)160と、画像を表示する表示光50を、反射透光部材部材であるウインドシールド300に投影する光学部材を含む光学系120と、投光部(画像投射部)150と、を有し、光学部材は、反射面139を有する凹面鏡(拡大反射鏡)130を有し、その凹面鏡130の反射面139は、路面80を重畳対象物として虚像(ここでは矢印のマーク501)を表示するのに適した形状(曲面を含む)を有しており、虚像表示面400(図10の左下側に、太線で描かれている)の形状は、反射面139の形状に応じて定まる。
なお、虚像表示面400の形状は、凹面鏡130の反射面139の形状(曲面を含む)の他、ウインドシールド300の曲面形状や、光学系120内に搭載される他の光学部材(例えば補正鏡)の形状にも影響される。また、表示面164の形状(一般的には平面だが、全体又は一部が非平面となり得る)や、反射面139に対する表示面164の配置にも影響される。但し、凹面鏡130は拡大反射鏡であり、虚像表示面400の形状に与える影響は大きい。また、凹面鏡130の反射面139の形状が異なれば、実際に、虚像表示面400の形状が変化する。よって、凹状の虚像表示面400の形状は、凹面鏡130の反射面139の形状にも依存する。
ここで、図10(b)を参照する。画像表示部160の画像表示領域163において、画像表示面164上に、矢印の実画像(実像)RE(501)が表示されている。この矢印の実像RE(501)は、画像表示部160の画角の範囲を最大限に活用して、画像表示領域163の一端部(第1の表示限界端部)503と、反対側の他の端部(第2の表示限界端部)504との間において、直線的に連続する部分を備える矢印のマークの画像として配置されている。その直線的に連続する部分の延在方向をNPとすると、その延在方向NPは、実空間における前方方向(前後方向)であるZ方向に沿う方向(に相当する)ということができる。画角をめいっぱいに活用した表示であるため、凹面鏡130の、曲率の変化が大きくなり得る周辺領域にも表示光が当たることになり、その大きな湾曲の程度が、反映されて、下に凹の湾曲した断面形状を有する虚像表示面400となる。
上述のとおり、HUD装置101は、路面80を重畳対象物として、虚像501を、路面80に重ねるように表示する。虚像表示面400は、その全部又は一部が路面80の下に位置してもよく、全部が路面上に位置してもよい。図10(a)では、一部が路面80の下にある例が示されている。
虚像表示面400のサイズは、HUD装置101の画角に対応する画像表示領域(有効表示領域)163のサイズに対応して定まる。
図10の例では、画像表示領域163のサイズを最大限に利用した画像の表示を行うと、その画像の虚像は、路面に沿って延在するが、凹面鏡とウインドシールドとの収差等に応じて湾曲した凹状の曲面を有する形状となり、その凹状の形状は、凹面鏡130に代表される光学系120の特性を、適宜、細部にわたって調整することで、高精度に、虚像表示面の全体形状を制御することができる。
虚像表示面400は、車両200に対する近傍側の端部406(車両に近い側の端点Q3を含む)と、遠方側の端部403(遠い側の端点Q1を含む)と、近傍側の端部406と遠方側の端部403との間に位置する中央部405(端点Q2を含む)と、を有する。なお、中央部は、言い換えれば中間部であり、また、ミドル領域、中央領域等と称する場合もある。図10(a)の例では、虚像表示面400の一部(遠方側の端部403、中央部405)は、路面80の下方に位置する。
特に、遠方側の端部403は、路面80とほぼ平行な形状といえるほど、路面80への重畳性が高められている。言い換えれば、遠方側の端部403は、近傍側の端部406よりも平坦性が高い形状とされている。虚像表示面400の形状の特徴については、図11を用いて、後に詳細に説明する。
また、図10(a)のHUD装置101では、光学系120における全領域又は一部の領域の光学的特性を調整すること、光学部材(例えば、凹面鏡130)と表示面164との配置を調整すること、表示面164の形状を調整すること、又はこれらの組み合わせにより、虚像表示面400の形状を形成することができる。
また、凹面鏡(拡大反射鏡)130における曲面を含む反射面の形状が、虚像表示面400の形状を生じさせるべく、適切に調整(設計)され得る。例えば、曲率の変化や面の平坦性が、適切に調整され得る。
次に、図11を参照する。図11(a)は虚像表示面の特徴を説明するための図、図11(b)、(c)、(c’)、(d)は、虚像表示面と路面位置との位置関係が異なる例を示す図である。図11(a)に示される虚像表示面400は、車両200から近い側の端部(近傍側の端部、第1の端部)406と、遠い側の端部(遠方側の端部、第2の端部)403を有する。
また、図11(a)の例は、虚像表示面400が、路面80より下になる部分を有さない場合の例である。このとき、虚像表示面400は、近傍側の端部(第1の端部)406が路面80よりも上に位置する曲面であり、近傍側の端部(第1の端部)406における車両200に最も近い端点Q3が、虚像表示面400のうち、最高位置(図10のY軸で最も正の方向の位置)に配置され(路面80からの距離(言い換えれば、路面からの浮き上りの高さ)が、虚像表示面400の内で最大となり)、かつ、遠方側の端部(第2の端部)403の少なくとも一部(図11(a)の場合は、ほとんど全部)が、路面80に重なるように、近傍側の端部(第1の端部)406よりも平坦性が高められた面とされた形状を有する。
図11(a)の例では、特に、遠方側の端部403は、路面80とほぼ平行な形状といえるほど、路面80への重畳性が高められている。言い換えれば、遠方側の端部403は、近傍側の端部406よりも平坦性が高い形状とされている。よって、遠方側の端部403に表示される虚像(例えば、図10の例における、矢印のマーク501)は、重要な情報を含む遠方側の端部(すなわち、方向性を示す矢印の部分)が、路面80に完全に貼りついたように、視認者に知覚され得る。また、その遠方側の端部は、上下方向(路面の法線に沿う方向)における位置の変動が非常に少ないように知覚され得ることから、平坦性が担保され、見栄えがよい。また、図11(a)の例では、虚像表示面400の中央部405についても、かなり平坦性が確保されており、路面80からの浮きが抑制されている。
よって、図11(a)に示される虚像表示面400上に虚像を表示すると、その虚像の、
重要な情報を含むことが多いと考えられる遠方側の端部、並びに、中央部(大きな面積を有する場合があり、主要部となり得る箇所でもある)は、視覚的な平坦性が担保され、視認者には、路面80に、ほぼ貼りついたように見える。よって、完成度の高い路面への重畳表示が実現され、路面重畳HUDの視認性が向上する。また、車両200が路面80の凹凸などでバウンディングし、車両200の路面80に対するピッチング角度が変化する際、虚像表示面の遠方側の部分ほど、大きく位置が変化する。すなわち、路面80から虚像表示面400が離れやすい。上述のとおり、路面80に対しての像の浮きは、視認者に知覚されやすく、違和感が生じやすい。したがって、虚像表示面400の遠方側を平坦に保ち、浮き上がりを抑えることで、車両200の路面80に対するピッチング角度が変化した場合でも、遠方側(虚像表示面全体)が路面よりも上側にずれてしまうことを抑制することができる。
図11(b)〜(d)の例では、虚像表示面400の形状(断面形状)は同じであるが、路面(地上)の位置が異なる。図11(b)は、図11(a)の例と同様に、虚像表示面400が、路面80よりも下に位置する部分を有さない。遠方側の端点Q1は、路面80に正確に重ね合わされている。
図11(c)では、虚像表示面400の、遠方側の端点Q1及び中央点Q2が、路面80よりも下側に位置する。近傍側の端点Q3は路面80から離れた位置(すなわち、やや浮き上がった位置)にある。但し、虚像表示面の一部が、路面80の下に位置することから、近傍側の端点Q3の路面80からの浮き上がりは、かなり抑制されており、平坦性が低下する等の悪影響は生じないものと考えられる。
また、表示される虚像の一部が路面の下に位置する状態であっても、人の目は、虚像は路面より下にはならない、という観点から、虚像の位置を修正して路面上に位置する、と捉える傾向がある。よって、路面より下に位置する部分も、あたかも、路面80に完全に重畳されているかのように知覚され得る。
また、人は、虚像の全体について、上下方向の位置を平均化して把握しようとする傾向がある。本実施形態の虚像表示面400は、特に遠方側の端部付近の平坦性が向上されている(つまり、湾曲の程度が極めて低い)。よって、全体的に上下方向(高さ方向)についての変動が十分に抑制されているといえる。視覚による平均化の作用も考慮すれば、虚像は、違和感なく平坦に知覚され得るものである。
また、図11(c’)では、虚像表示面400は、路面80と第2の端部403(ここでは端点Q1とする)との距離dp2が、路面80と第1の端部406(ここでは端点Q3とする)との距離dp1より長くなるように、すなわち、dp2>dp1が満足されるように、配置される。これにより、近傍側の端部(第1の端部)406の浮き上がりをより抑えることができ、また、路面80より上側に遠方側の端部(第2の端部)403が配置されることを抑制する効果を高めることができる。
また、図11(d)では、虚像表示面400のほぼ全体が、路面80より下に位置する。上述のとおり、人の目は、虚像は路面より下にはならない、という観点から、虚像の位置を修正して路面上に位置する、と捉える。また、虚像表示面400は、特に遠方側の端部付近の平坦性が向上されており、全体的に上下方向(高さ方向)についての変動が十分に抑制されている。視覚による平均化の作用も考慮すれば、図11(d)の場合においても、表示される虚像は、違和感なく平坦に知覚され得る。
また、図11(a)〜(d)の例のように、本実施形態の遠方側の端部403は、虚像表示面400のうち、最低位置(図10のY軸で最も負の方向の位置)に配置される。換言すると、虚像表示面400は、近傍側の端部406、中央部405、遠方側の端部403、の順に高さ方向の位置が低くなるように形成される。したがって、車両200の姿勢(ピッチング角)が変化した場合でも路面80より上側に遠方側の端部403が配置されることを抑制することができ、また、車両200の姿勢変化により遠方側の端部403が路面80の上側に配置される場合でも、遠方側(虚像表示面全体)と路面80との高さ方向の距離を小さく抑えることができる。
また、図11(c’)、(d)の例のように、遠方側の端部(第2の端部)403を最低位置に配置する場合、路面80と第2の端部403との距離(言い換えれば、路面から下に奥まった距離:図11(c’)のdp2)が、路面80と近傍側の端部(第1の端部)403との距離(言い換えれば、路面からの浮き上りの高さ(図11(c’)のdp1)、又は路面から下に奥まった距離(図11(d)))より長くなるように、虚像表示面400が形成されてもよい。これにより、近傍側の端部(第1の端部)406の浮き上がりをより抑えることができ、さらに、路面80より上側に遠方側の端部(第2の端部)403が配置されることを抑制することができる。
なお、いくつかの実施形態では、遠方側の端部403は、近傍側の端部406よりも平坦性が高い形状に限定されない。すなわち、いくつかの実施形態では、遠方側の端部403は、近傍側の端部406と同様、又は近傍側の端部406よりも平坦性が低い形状になり得る。さらに言えば、虚像表示面400は、近傍側の端部406、中央部405、遠方側の端部403、の順に高さ方向の位置が低くなるように形成されれば、曲面形状ではなくてもよい(虚像表示面400のYZ平面における断面形状が曲面形状ではなくてもよい)。
次に、図12を参照する。図12は、ヘッドアップディスプレイ装置における光学系の一例を示す図である。HUD装置121は、投光部151と、画像表示部としてのスクリーン161と、反射鏡133と、凹面鏡131と、外部のセンサや他のECUから情報を取得するI/Oインタフェース、プロセッサ、メモリ、及びメモリに記憶されたコンピュータ・プログラムから構成される制御部171(表示制御装置と言うこともできる)と、を有する。
また、凹面鏡131の角度は、アクチュエータからなる回転機構175の動作によって適宜、調整され得る。また、スクリーン161の傾きや位置は、画像表示部のアクチュエータからなる調整部173によって、適宜、調整され得る。なお、スクリーン161の傾きは、具体的には、投光部151の光軸に対する傾き、あるいは、光学系の光軸に対する傾き、あるいは、投光部が発する光の主光路(主光線)に対する傾き、ということができる。制御部171は、投光部151の動作、回転機構175の動作、画像表示部の調整部173の動作等を統括的に制御する。なお、参照符号51は出射光を示す。
光学系の特性を、種々の観点から調整することで、虚像表示面400の曲面の形状のバリエーションを増やすことができ、また、曲面の曲率等を、より高精度に調整することも可能となる。
次に、図13を参照する。図13は、凹面鏡(曲面を含む反射面を有する拡大反射鏡)の形状、及び焦点の例を説明するための図である。図13に示される凹面鏡135は、α、β、γの各部を有し、各部の曲率半径は概ね、大、小、小、と設定される。なお、参照符号163は、画像表示部としてのスクリーンを示す。また、破線で示される光路は、凹面鏡135(より広義には光学系)の光軸に沿う主光路(主光線)を示す。
凹面鏡135の曲率半径の変化に応じて、凹面鏡135は、F1〜F5の各点で示される焦点をもつことになる。その焦点の軌跡が示す曲面を含む形状に応じて、虚像表示面400の形状(湾曲の程度や平坦性等)を変えることができる。例えば、凹面鏡135のα、β、γの各部の曲率半径を段階的に微調整する、あるいは、連続的に変化させる等、いろいろなバリエーションが考えられる。従来のように、凹面鏡とウインドシールドの収差による歪みを補正するのではなく、虚像表示面の曲面を含む形状は許容して、その曲面を含む形状を高精度に、自在に制御することで、人の目の特性を利用して、平坦性を確保したり、重畳対象物(路面等)に浮き上がり等がなく重畳されているかのように知覚させたりするという設計手法が、本実施形態では採用されている。このような設計思想は、従来とはまったく異なるものである。
次に、図14を参照する。図14は、ヘッドアップディスプレイ装置における光学系の他の例を示す図である。光学系121’は、投光部151’と、画像表示部としてのスクリーン161’と、反射鏡(補正鏡として使用することもできる)133’と、凹面鏡131’と、外部のセンサや他のECUから情報を取得するI/Oインタフェース、プロセッサ、メモリ、及びメモリに記憶されたコンピュータ・プログラムから構成される制御部171’(表示制御装置と言うこともできる)と、調整部173’と、を有する。画像表示部としてのスクリーン161の傾きや位置は、調整部173’によって、適宜、調整され得る(この点は、図12の例と同じである)。
但し、図14の例では、図12の例と異なり、凹面鏡131’の傾きの角度を調整する回動機構は設けられていない。すなわち、凹面鏡131’の傾きの角度は固定されている(但し、初期設定で、傾き角を変えることは可能である)。
図14の上側に示されるように、視認者の身長や座高の高さ等に応じて、視点(アイポイント)70が、上下方向(車両の高さ方向)に変化する場合がある。この視点(アイポイント)の変化に対応して、光学系121’の光軸(主光路、主光線)を適応的に変化させる必要がある。図14の例では、スクリーン161’、反射鏡133’、凹面鏡131’は、図12の例に比べて大型化されている。そして、投光部151’から出射される光の主光路(主光線)が、視点(アイポイント)70の上下の変化に応じて、切り替えられる。これによって、光学系121)’の光軸を、視点(アイポイント)70の上下方向(高さ方向)の変化に対応させて調整することができる。
図14の例で、凹面鏡131’を回転させる機構を設けない理由は、その回転の誤差によって、HUD装置の表示特性に変動が生じることがある点を考慮したものである。
ここで、図15を参照する。凹面鏡の反射面での使用領域を変更する場合の具体例、及び反射面の設計上の特徴点について説明するための図である。上述のとおり、投光部151’から出射される光の主光路(主光線)が、視点(アイポイント)70の上下の変化に応じて、切り替えられる。これに伴い、凹面鏡131’の反射面にて、光の反射に使用される領域も変化する。図15では、2つの使用領域Ze1とZe2とが示されている。
図15において、2つの領域Ze1とZe2とが重複する領域(重なりを有する領域)605と、重複しない領域(重なりを有しない領域)607が生じている。重複する領域605の反射面の曲率等は、領域Ze2が採用されるときは、虚像表示面の近傍側端部の形状に大きな影響を与える。また、領域Ze1が採用されるときは、虚像表示面の遠方側端部の形状に大きな影響を与える。
凹面鏡131’の領域605における反射面の設計に際しては、領域Ze1が適用される場合を想定して、虚像表示面の遠方側端部の形状の平坦性を高めることを優先して設計する。すなわち、重複領域605における反射面の形状は、虚像表示面400における、車両200から遠い側の端部(遠方側の端部、第2の端部)の形状を所望形状に形成するのに適した形状とされる。
これによって、図11(a)〜(d)に示したような、特に、遠方側の端部が平坦化されている虚像表示が実現される。なお、領域Ze2が適用される場合は、近傍側の端部で、やや所望の特性からはずれが生じるが、これはやむを得ないものであり、また、先に述べたとおり、近傍側の端部における路面からの浮き上がりを抑える等の対策によって、特に問題を生じさせないようにすることも可能である。
次に、図16を参照する。図16は、車両が直線状の道路を走行しているときに、路面を重畳対象物(実景)としてナビゲーション用の図形を重ねて表示した様子を示す図である。図13では、車両は直線状の見通しのよい道路を直進している。ウインドシールド300の虚像表示領域305には、路面80に重なるように、ナビゲーション用の虚像507が表示(配置)されている。
図16の例では、虚像表示領域305は四角形であり、車両の幅方向(左右方向)の辺が、車両の高さ方向(上下方向)の辺よりも長い、横長の四角形となっている。これによって、広い視野角の虚像表示に対応できるようになっている。この場合、輻輳角に起因して、虚像と路面とが不一致のように感得される現象が生じたり、あるいは、人の視点が左右方向にずれることによる、アイポイント(図9(b)参照)の移動に伴う虚像の位置変化に起因してずれが拡大して見える現象等が生じたりする可能性が高まる。上述の本実施形態によれば、これらの位置ずれ(後述の描画位置ずれ)についても、効果的に対処することができる。以下、具体的に説明する。
図17を参照する。図17(a)〜(c)は、ヘッドアップディスプレイ装置における輻輳角差の変化、及びアイポイントの変化に対応して、虚像表示位置が変化する様子を示す図である。図17(a)において、θHUDは、HUDの焦点位置PC0における両目(左眼70L、右眼70R)の輻輳角を示し、θsceneは、本来はHUDの焦点位置PC0と一致しているべき、実景である路面(重畳対象物としての路面)80の地点PC1における輻輳角を示す。θscene(far)は、車両からの距離がより大きい(つまり、より遠くに位置する)地点PC2についての輻輳角である。
図17(b)に示すように、虚像表示面400の、車両(あるいは視認者)から最も近い点(近い側の端点)P11が、図17(a)における結像点PC1に対応する。虚像表示面400の近傍側の端部における湾曲がより大きい場合には、虚像表示面400の近い側の端点P11が、端点P12へと変化する。端点P11と、路面80の地点PC1との距離はD11であり、このD11が距離ずれを示す。端点P12と路面80の地点PC2との距離ずれはD12(>D11)となる。すなわち、虚像表示面400の近傍側の端部における湾曲がより大きくなれば、端点が路面からより離れて、これに応じて、距離ずれも拡大する。
図17(a)にて、θHUDとθsceneとの差を輻輳角差と称している。この輻輳角差を、所定値(閾値)θth以下(あるいは以下)とするのが好ましい。すなわち、虚像の結像点と、その結像点に対応する実景(ここでは路面)の結像点がずれたことに起因する輻輳角の変位量を、閾値θth以下(あるいは以下)とすることで、距離ずれ(焦点ずれとも称する)によって生じる視認者の違和感を軽減することができる。よって、HUD装置の視認性が向上する。本発明の実施形態によれば、例えば、虚像表示面400の一部(遠い側の端部や、中央部の、遠い側の端部寄りの部分等)を、路面80の下側に位置させることで、端点P11と路面80との距離(言い換えれば、端点P11の浮き上がり量)を小さくできる。よって、θsceneが小さくなりすぎることを防止できる。θHUDは固定である。よって、輻輳角差(θHUD−θscene)を十分に抑制することが可能である。よって、見栄えの良い虚像表示(路面重畳表示等)が実現する。閾値θthの具体的な数値については後述する。
図17(C)に示すように、視認者のアイポイントEP(C)が、左側のアイポイントEP(L)に移動すると、路面上の地点PC1は結像点G11に移動し、また、地点PC2は地点G21に移動する。視認者のアイポイントEP(C)が、右側のアイポイントEP(R)に移動すると、路面上の地点PC1は地点G13に移動し、また、地点PC2は地点G23に移動する。このような、アイポイントの移動に伴う、虚像の結像点に対応する実景の地点の変位によるずれ(これを描画位置ずれと称する)も、視認者に違和感を抱かせ、ハンドル操作を遅らせる等の好ましくない影響を与える可能性がある。本発明の実施形態によれば、上述のとおり、端点P11と路面80との距離を小さくできる。よって、広視野角で、虚像表示距離が長いHUD装置において、例えば、広い範囲(近傍から遠方にわたる広い範囲)で虚像を表示したときでも、全体を、違和感なく表示することが可能である。よって、HUD装置の信頼性が向上する。
次に、図18を参照する。図18(a)、(b)は、虚像表示距離と輻輳角差との関係性について説明するための図である。図18(a)において、HUD装置の焦点位置(結像点)と、その結像点に対応する路面80の地点との距離ずれ量は1mである。図18(b)においても、同様に位置ずれ量は1mである。但し、図18(a)の場合、虚像表示距離DHUDが5mであり、これに対して、図18(b)では、虚像表示距離FHUDが10mである。
図18(a)、(b)では、位置ずれ量は同じであるが、虚像表示距離が異なるため、輻輳角差に差異が生じている。すなわち、図18(a)の例では、輻輳角差は0.068度であり、図18(b)の例では、輻輳角差は0.034となる。なお、瞳孔間の距離を65mmとして、輻輳角差を算出している。位置ずれ量が同じであるならば、虚像表示距離が長いほど、輻輳角差は小さくなる。よって、輻輳角差に起因する虚像の視認性の低下の問題は、虚像表示距離が小さいときに生じ易いといえる。
広視野角で、ある程度の遠方にも虚像を配置できるHUD装置では、虚像表示距離は5m程度は必要であり、そして、図18(a)の例のように、位置ずれ量を1m程度に抑えておけば、視認性にはそれほど影響がない。したがって、図18(a)の例における輻輳角差(=0.068度)は、視認性低下を判定する閾値となり得る。
言い換えれば、車両の幅に沿う方向を左右方向という場合に、車両の搭乗者である虚像の視認者の視点が、アイボックスの、左右方向における中央のアイポイントに位置し、かつ、虚像表示距離が5m以上の前方に虚像が表示され、かつ、虚像の一点についての輻輳角を第1の輻輳角θHUDとし、虚像の一点に対応する、重畳対象物である路面上の点についての輻輳角を第2の輻輳角θsceneとし、第1の輻輳角と第2の輻輳角との差を輻輳角差とするとき、輻輳角差を0.068度以下にすることで、5m以上の虚像表示距離での虚像表示においては、視認性の低下を抑制可能である。
また、上記実施形態では、光学系は、凹面鏡(拡大反射鏡)を含んでいたが、1つ又は複数の光学部材を合成した光学的特性(光学的パワーを含む。)が拡大機能を有するものであれば、これに限定されるものではなく、凹面鏡(拡大反射鏡)に追加又は代替で、1つ又はそれ以上の、レンズなどの屈折光学部材、ホログラムなどの回折光学部材、反射光学部材、又はこれらの組み合わせを含んでいてもよい。本実施形態の光学系は、1つ又は複数の虚像表示面の各領域に虚像を表示させる複数の表示光の通る光路毎に、光学部材の光学的特性を変えてもよい。すなわち、これら光学部材の全領域又は一部の領域の光学的パワー(光学的特性の一例)を調整すること、光学部材と表示面との配置を調整すること、表示面の形状を調整すること、又はこれらの組み合わせにより、虚像表示面の凹状が形成、及び調整され得る。
次に、図19を参照する。図19は、ヘッドアップディスプレイ装置のシステム構成の例を示す図である。図19に示されるシステムは、表示制御装置740と、対象物検出部801と、車両情報検出部803と、表示部12と、第1アクチュエータ177と、第2アクチュエータ179と、と、を有する。表示制御装置740は、I/Oインタフェース741と、プロセッサ742と、メモリ743を有する。表示制御装置740、対象物検出部801及び車両情報検出部803は、通信線(BUS等)に接続されている。
表示制御部740は、例えば、図12に示した制御部171として用いることができる。また、第1アクチュエータ177、第2アクチュエータ179は、図12に示した回転機構179や調整部173として利用することができ、また、図12に示した光学系121の全体や細部を個別に調整することに利用することもできる。これらは、光学系の調整系ということもできる。
また、対象物検出部801は、例えば、車両2(又は200)に設けられた車外センサ、車外カメラにて構成することができる。また、車両情報検出部803は、例えば、速度センサ、車両ECU、車外通信機器、目の位置を検出するセンサ、あるいは、ハイトセンサにより構成することができる。表示制御装置740は、対象物検出部801の検出情報や、車両情報検出部803からの情報に基づいて、例えば、光学系を最適に動作させながら、上記の、路面への重畳性が高い路面重畳HUDを実現することも可能である。
また、1つ又はそれ以上のプロセッサ742は、例えば、路面80の位置を取得し、路面80の位置に基づき、虚像表示面400の少なくとも一部が、路面80の下に配置されるように、第1、第2のアクチュエータ173、175のうちの少なくとも一方を駆動することができる。
以上、本発明を実施形態に基づき説明したが、本発明は上記の実施例に限定されるものではなく、種々、変形、応用が可能である。車両という用語については、乗り物(あるいは、乗り物を模したシミュレータ)というように、広義に解釈するものとする。例えば、本発明のHUD装置は、航空機のコクピットのシミュレータ等にも応用が可能である。この場合、路面という用語も、例えば、基準面、というように広義に解釈するものとする。
1,21 ヘッドアップディスプレイ装置
2 車両
3 フロントウインドシールド(反射透光部材)
5 表示光
6 虚像
8 路面
9,22 虚像表示面
12 表示部(表示手段)
14 画像生成部(表示手段、調整手段)
16 対象物検出部(路面検出手段)
23 (車両に対する虚像表示面の)遠方側の端部
24 (車両に対する虚像表示面の)近傍側の端部
26 路面関連虚像(虚像)
27 仮想平面
28,29 仮想平面画像
80 路面(地面)
120 光学系
130 凹面鏡(拡大反射鏡)
139 凹面鏡の反射面
150 投光部
160 画像表示部(表示器、スクリーン)
164 表示面
171 制御部(表示制御装置)
173 調整部(アクチュエータ)
175 回転機構(アクチュエータ)
177 第1アクチュエータ
179 第2アクチュエータ
400 虚像表示面
403 虚像表示面の遠方側の端部
405 虚像表示面の中央部(ミドル領域、中央領域)
406 虚像表示面の近傍側の端部
740 表示制御装置
801 対象物検出部
803 車両情報検出部
Q1 虚像表示面の遠方側の端点
Q2 虚像表示面の中央点
Q3 虚像表示面の近傍側の端点

Claims (10)

  1. 車両に設けられた反射透光部材に表示光を投影し、前記反射透光部材を透過する実景に重ねて前記反射透光部材に反射された表示光により虚像を生成して表示する表示手段を備えるヘッドアップディスプレイ装置であって、
    画像を表示する表示面を有する画像表示部と、前記表示光を、前記反射透光部材部材に投影する光学部材を含む光学系と、を有し、
    前記ヘッドアップディスプレイは、前記虚像を表示する虚像表示面を有し、
    前記虚像表示面は、前記車両から近い側の第1の端部と、遠い側の第2の端部を有し、
    前記第2の端部が、前記第1の端部より低く配置される、ことを特徴とするヘッドアップディスプレイ装置。
  2. 前記第1の端部が、前記虚像表示面のうち、最高位置に配置される、ことを特徴とする請求項1に記載のヘッドアップディスプレイ装置。
  3. 前記虚像表示面が、前記路面より下になる部分を有さない場合には、前記虚像表示面は、前記第1の端部が前記路面よりも上に位置する曲面であり、前記第1の端部における前記車両に最も近い端点の前記路面からの距離が、前記虚像表示面の内で最大となり、かつ、前記第2の端部の少なくとも一部が、前記路面に重なるように、前記第1の端部よりも平坦性が高められた面とされた形状を有し、
    前記光学系における全領域又は一部の領域の光学的特性を調整すること、前記光学部材と前記表示面との配置を調整すること、前記表示面の形状を調整すること、又はこれらの組み合わせにより、前記虚像表示面の形状を形成する、ことを特徴とする請求項1に記載のヘッドアップディスプレイ装置。
  4. 前記虚像表示面は、前記第2の端部を含む一部又はその全部が前記路面下に位置する、ことを特徴とする請求項1に記載のヘッドアップディスプレイ装置。
  5. 前記虚像表示面は、前記路面と前記第2の端部との距離が、前記路面と前記第1の端部との距離より長くなるように配置される、ことを特徴とする請求項4に記載のヘッドアップディスプレイ装置。
  6. 前記第1、第2の端部が、前記路面より上に位置する、ことを特徴とする請求項1に記載のヘッドアップディスプレイ装置。
  7. 前記光学部材は、曲面の反射面を有する凹面鏡を有し、
    前記凹面鏡における前記曲面の反射面の形状が、前記虚像表示面の形状を生じさせるべく調整されている、ことを特徴とする、請求項1に記載のヘッドアップディスプレイ装置。
  8. 前記車両の幅に沿う方向を左右方向という場合に、
    前記車両の搭乗者である前記虚像の視認者の視点が、アイボックスの、左右方向における中央のアイポイントに位置し、かつ、虚像表示距離が5m以上の前方に虚像が表示され、かつ、前記虚像の一点についての輻輳角を第1の輻輳角とし、前記虚像の一点に対応する、重畳対象物である前記路面上の点についての輻輳角を第2の輻輳角とし、前記第1の輻輳角と前記第2の輻輳角との差を輻輳角差とするとき、
    前記輻輳角差が、0.068度以下である、ことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のヘッドアップディスプレイ装置。
  9. 前記表示面又は/及び前記光学部材を移動又は/及び回転させるように構成される1つ又はそれ以上のアクチュエータと、
    1つ又はそれ以上のI/Oインタフェースと、
    1つ又はそれ以上のプロセッサと、
    メモリと、
    前記メモリに格納され、前記1つ又はそれ以上のプロセッサによって実行されるように構成される1つ又はそれ以上のコンピュータ・プログラムと、をさらに備え、
    前記1つ又はそれ以上のプロセッサは、
    前記路面の位置を取得し、
    前記路面の位置に基づき、前記虚像表示面の少なくとも一部が、前記路面下に配置するように、前記アクチュエータを駆動する、
    ことを特徴とする請求項1に記載のヘッドアップディスプレイ装置。
  10. 前記光学部材の反射面は、前記車両に搭乗する視認者のアイポイントが第1の位置にあるときの第1の使用領域と、前記第1の位置とは、上下方向における位置が異なる第2の位置にあるときの第2の使用領域と、を有し、
    前記第1、第2の各使用領域が重複する領域における前記反射面の形状は、前記虚像表示面における、前記車両から遠い側の前記第2の端部の形状を所望形状に形成するのに適した形状とされる、
    ことを特徴とする、請求項1に記載のヘッドアップディスプレイ装置。
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