JPWO2020009032A1 - 歩行性害虫捕獲装置 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明において歩行性害虫とは、人体を噛んだり、刺したりすることにより、害を及ぼす害虫や、直接の人体への影響は少ないものの、不快感をもたらす不快害虫などの害虫の中で、歩行により移動を行う種を示す。歩行性害虫の例としては、トコジラミ、アリ、ゴキブリ、ダニ、ムカデ、ヤスデなどが挙げられる。
上部シート2は、粘着シート3を均等に保持し、シートとして取り扱いが可能な強度を付与するためのものである。この上部シート2を構成する材料としては、例えば、セルロース系の紙や、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリオレフィン樹脂、アクリル樹脂などの熱可塑性樹脂からなるフィルムを用いることができる。
粘着シート3は、粘着面により、歩行性害虫を捕捉するためのものであり、歩行性害虫を捕捉するのに適切な粘着性を有していれば特に制限されない。例えば、アクリル系、ゴム系、SISブロック系、シリコン系の粘着剤により形成することができる。なお、これらの粘着剤は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
歩行用シート4は、歩行性害虫Bが歩行できるシート状物であれば特に制限されない。歩行性害虫が歩きやすいように、平滑な面よりは適度な凹凸があるものがよく、紙でもよい。また、歩行用シート4として、図1に示すように、テーパー型仕切り部材12と一体となった、樹脂成型シートを用いてもよい。
また、粘着シート3として、誘引剤を含む粘着シート3を使用してもよい。この誘引剤は、歩行性害虫を誘引して、空間部10へと容易に導くためのものである。この誘引剤としては、一般に歩行性害虫を誘引する効果を有するものであれば特に制限はなく、例えば、歩行性害虫がトコジラミの場合は、オクテナール、ヘキセナール、ヘキサノン、乳酸、ジメチルジスルフィド、ジメチルトリスルフィドなどから選ぶことができる。
また、図2に示すように、本実施形態の歩行性害虫捕獲装置1は、歩行用シート4の、粘着シート3側と反対側の表面上に、取り付け用粘着シート6が設けられている。従って、例えば、歩行性害虫捕獲装置1を縦置きにして、壁に取り付けて使用する場合に、壁の被粘着面に対して、歩行性害虫捕獲装置1を容易に取り付けることができる。
0.01≦tanθ=H1/L≦0.25 (1)
次に、本実施形態の歩行性害虫捕獲装置の製造方法の一例を説明する。
0.01≦tanθ=(H1−H2)/L≦0.25 (2)
(歩行性害虫捕獲装置の作製)
市販の黒ボール紙(厚み0.78mm)を5cm×5cmにカットして、歩行用シートとした。この歩行用シートに、両面粘着シート(市販品)を5cm×5cmにカットしたものを取り付け、取り付け用粘着シートとした。
次に、5200mLの長方形のプラスチック容器内の床面に、ろ紙を敷き、作製した歩行性害虫捕獲装置(2個)を底面の取り付け用粘着シートを介して、プラスチック容器に取り付けて設置した。
捕獲率(%)=(粘着捕獲数/投入数)×100 (3)
上部シートに取り付ける両面粘着シートの粘着部に、誘引剤である乳酸を0.5%配合したこと以外は、上述の実施例1と同様にして歩行性害虫捕獲装置を作製した。その後、上述の実施例1と同様にして、捕獲評価を行った。以上の結果を表1に示す。
上部シートの、接続部側の外表面上に、図3に示すように、光遮蔽性の高い市販のボール紙(厚み0.4mm、5cm×2.5cmにカットしたもの)を取り付けるとともに、上部シートの、侵入口側の外表面上(即ち、上述のボール紙が取り付けられていない部分)に、光遮蔽性の低いコピー用紙(白色、厚み0.09mm、5cm×2.5cmにカットしたもの)を取り付けることにより、上部シートの該表面上に光遮蔽部材を設けたこと以外は、上述の実施例1と同様にして歩行性害虫捕獲装置を作製した。その後、上述の実施例1と同様にして、捕獲評価を行った。以上の結果を表1に示す。
上部シートの外表面上に、光遮蔽部材であるボール紙を設置しなかったこと以外は、上述の実施例1と同様にして歩行性害虫捕獲装置を作製した。その後、上述の実施例1と同様にして、捕獲評価を行った。以上の結果を表1に示す。
長さが100mmの四角錐台形状を有し、一方の面が5mm×5mmであり、他方の面が5mm×4mmである成型体を、黒色フィラメントを用いて3Dプリンターで作製し、テーパー型仕切り部材としたこと以外は、上述の実施例1と同様にして歩行性害虫捕獲装置を作製した。その後、上述の実施例1と同様にして、捕獲評価を行った。以上の結果を表1に示す。
長さが100mmの四角錐台形状を有し、一方の面が5mm×5mmであり、他方の面が5mm×4mmである成型体を、黒色フィラメントを用いて3Dプリンターで作製し、テーパー型仕切り部材としたこと以外は、上述の実施例1と同様にして歩行性害虫捕獲装置を作製した。その後、上述の実施例1と同様にして、細く評価を行った。以上の結果を表1に示す。
実施例1において、楔型の成型体の樹脂中に、ヘキセナールとオクテナールを50/50の重量比で混合した誘引剤を40μg配合したこと以外は、上述の実施例1と同様にして歩行性害虫捕獲装置を作製した。その後、上述の実施例1と同様にして、捕獲評価を行った。以上の結果を表1に示す。
実施例1において、歩行性害虫として、アルゼンチンアリを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、捕獲評価を行った。以上の結果を表1に示す。
実施例1において、歩行性害虫として、ナミハダニを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、捕獲評価を行った。以上の結果を表1に示す。
実施例1において、歩行性害虫として、体長8mm以下のチャバネゴキブリの幼虫を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、捕獲評価を行った。以上の結果を表1に示す。
上部シートに粘着シートを取り付けず、歩行用シートの取り付け用粘着シートと反対側の面(歩行性害虫歩行面)に、両面粘着シート(テクノフローワン(株)製、商品名:TC5510)を5cm×5cmにカットしたものを取り付けて、粘着シートとしたこと以外は、上述の実施例1と同様にして歩行性害虫捕獲装置を作製した。その後、上述の実施例1と同様にして、捕獲評価を行った。以上の結果を表1に示す。
市販の黒ボール紙(厚み0.78mm)を5cm×5cmにカットして、歩行用シートとした。この歩行用シート4に、両面粘着シート(市販品)を5cm×5cmにカットしたものを取り付け、取り付け用粘着シートとした。
2 上部シート
2a 上部シートの外表面
3 粘着シート
3a 粘着シートの一端部
3b 粘着シートの他端部
4 歩行用シート
4a 歩行用シートの一端部
4b 歩行用シートの他端部
5 接続部
6 取り付け用粘着シート(他の粘着シート)
7 光遮蔽部材
10 空間部
11 侵入口
12 テーパー型仕切り部材
20 歩行性害虫捕獲装置
30 歩行性害虫捕獲装置
B 歩行性害虫
B1 歩行性害虫の背面
H1 粘着シートの他端部と歩行用シートの他端部との離間距離
H2 粘着シートの一端部と歩行用シートの一端部との離間距離
L 歩行用シートの長さ
Claims (14)
- 上部シートと、
前記上部シート上に設けられ、歩行性害虫の背面と接触する粘着シートと、
前記粘着シートに対向して設けられ、前記歩行性害虫が歩行する歩行用シートと
を備え、
前記粘着シートの一端部が前記歩行用シートの一端部に接続された接続部を有するとともに、前記粘着シートの他端部が前記歩行用シートの他端部から離間して配置され、
前記粘着シートと前記歩行用シートの間に前記歩行性害虫を収容する空間部が形成されるとともに、前記粘着シートの他端部と前記歩行用シートの他端部との間に、前記歩行性害虫が前記空間部に侵入可能な侵入口が形成され、
前記粘着シートと前記歩行用シートとの離間距離が前記侵入口から前記接続部に向けて漸減するテーパー形状を有することを特徴とする、歩行性害虫捕獲装置。 - 前記歩行用シートの長さをL、前記粘着シートの他端部と前記歩行用シートの他端部との離間距離をH1とした場合に、tanθ=H1/Lの値が、0.01≦tanθ≦0.25であることを特徴とする、請求項1に記載の歩行性害虫捕獲装置。
- 上部シートと、
前記上部シート上に設けられ、歩行性害虫の背面と接触する粘着シートと、
前記粘着シートに対向して設けられ、前記歩行性害虫が歩行する歩行用シートと
を備え、
前記粘着シートの一端部が前記歩行用シートの一端部から離間して配置されるとともに、前記粘着シートの他端部が前記歩行用シートの他端部から離間して配置され、
前記粘着シートと前記歩行用シートの間に前記歩行性害虫を収容する空間部が形成されるとともに、前記粘着シートの他端部と前記歩行用シートの他端部との間に、前記歩行性害虫が前記空間部に侵入可能な侵入口が形成され、
前記粘着シートと前記歩行用シートとの離間距離が前記侵入口から前記粘着シートの一端部及び前記歩行用シートの一端部に向けて漸減するテーパー形状を有することを特徴とする、歩行性害虫捕獲装置。 - 前記歩行用シートの長さをL、前記粘着シートの他端部と前記歩行用シートの他端部との離間距離をH1、前記粘着シートの一端部と前記歩行用シートの一端部との離間距離をH2とした場合に、tanθ=(H1−H2)/Lの値が、0.01≦tanθ≦0.25であることを特徴とする、請求項3に記載の歩行性害虫捕獲装置。
- 前記粘着シートの他端部と前記歩行用シートの他端部との離間距離が、1〜5mmであることを特徴とする、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の歩行性害虫捕獲装置。
- 前記上部シートが光遮蔽性を有することを特徴とする、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の歩行性害虫捕獲装置。
- 前記上部シートが、光透過性を有することを特徴とする、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の歩行性害虫捕獲装置。
- 前記上部シートの外表面上に光遮蔽部材が設けられていることを特徴とする、請求項7に記載の歩行性害虫捕獲装置。
- 前記上部シートの外表面上に、該上部シートの、前記侵入口側から前記接続部側に向けて遮光性が高くなる前記光遮蔽部材が設けられていることを特徴とする、請求項8に記載の歩行性害虫捕獲装置。
- 前記光遮蔽部材が、前記上部シートの外表面に対して着脱可能であることを特徴とする、請求項8または請求項9に記載の歩行性害虫捕獲装置。
- 前記歩行用シートの、前記粘着シート側と反対側の表面上に、他の粘着シートが設けられていることを特徴とする、請求項1〜請求項10のいずれか1項に記載の歩行性害虫捕獲装置。
- 前記粘着シートおよび前記歩行用シートの少なくとも一方が誘引剤を含有することを特徴とする、請求項1〜請求項11のいずれか1項に記載の歩行性害虫捕獲装置。
- 前記誘引剤が、オクテナール、ヘキセナール、ヘキサノン、乳酸、ジメチルジスルフィド、及びジメチルトリスルフィドからなる群より選択される少なくとも一種であることを特徴とする、請求項12に記載の歩行性害虫捕獲装置。
- 前記歩行性害虫が、トコジラミであることを特徴とする、請求項1〜請求項13のいずれか1項に記載の歩行性害虫捕獲装置。
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