以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。なお、以下で説明する実施の形態は一例であり、本発明が適用される実施の形態は、以下の実施の形態に限られない。
本発明の実施の形態の無線通信システムの動作にあたっては、適宜、既存技術が使用される。ただし、当該既存技術は、例えば既存のLTEであるが、既存のLTEに限られない。また、本明細書で使用する用語「LTE」は、特に断らない限り、LTE−Advanced、LTE−Advanced以降の方式(例:NR)及び各種の無線LAN(Local Area Network)方式を含む広い意味を有するものとする。
また、本発明の実施の形態において、複信(Duplex)方式は、TDD(Time Division Duplex)方式でもよいし、FDD(Frequency Division Duplex)方式でもよいし、又はそれ以外(例えば、Flexible Duplex等)の方式でもよい。
また、以下の説明において、送信ビームを用いて信号を送信する方法は、プリコーディングベクトルが乗算された(プリコーディングベクトルでプリコードされた)信号を送信するデジタルビームフォーミングであってもよいし、RF(Radio Frequency)回路内の可変移相器を用いてビームフォーミングを実現するアナログビームフォーミングであってもよい。同様に、受信ビームを用いて信号を受信する方法は、所定の重みベクトルを受信した信号に乗算するデジタルビームフォーミングであってもよいし、RF回路内の可変位相器を用いてビームフォーミングを実現するアナログビームフォーミングであってもよい。デジタルビームフォーミングとアナログビームフォーミングを組み合わせたハイブリッドビームフォーミングが適用されてもよい。また、送信ビームを用いて信号を送信することは、特定のアンテナポートで信号を送信することであってもよい。同様に、受信ビームを用いて信号を受信することは、特定のアンテナポートで信号を受信することとであってもよい。アンテナポートとは、3GPPの規格で定義されている論理アンテナポート又は物理アンテナポートを指す。
なお、送信ビーム及び受信ビームの形成方法は、上記の方法に限られない。例えば、複数アンテナを備える基地局装置10又はユーザ装置20において、それぞれのアンテナの角度を変える方法を用いてもよいし、プリコーディングベクトルを用いる方法とアンテナの角度を変える方法を組み合わせる方法を用いてもよいし、異なるアンテナパネルを切り替えて利用してもよいし、複数のアンテナパネルを合わせて使う方法を組み合わせる方法を用いてもよいし、その他の方法を用いてもよい。また、例えば、高周波数帯において、複数の互いに異なる送信ビームが使用されてもよい。複数の送信ビームが使用されることを、マルチビーム運用といい、ひとつの送信ビームが使用されることを、シングルビーム運用という。
また、本発明の実施の形態において、無線パラメータ等が「設定される」とは、所定の値が予め設定(Pre-configure)されることであってもよいし、基地局装置10又はユーザ装置20から通知される無線パラメータが設定されることであってもよい。
図1は、V2Xを説明するための図である。3GPPでは、D2D機能を拡張することでV2X(Vehicle to Everything)あるいはeV2X(enhanced V2X)を実現することが検討され、仕様化が進められている。図1に示されるように、V2Xとは、ITS(Intelligent Transport Systems)の一部であり、自動車間で行われる通信形態を意味するV2V(Vehicle to Vehicle)、自動車と道路脇に設置される路側機(RSU:Road-Side Unit)との間で行われる通信形態を意味するV2I(Vehicle to Infrastructure)、自動車とドライバが所持するモバイル端末との間で行われる通信形態を意味するV2N(Vehicle to Nomadic device)、及び、自動車と歩行者が所持するモバイル端末との間で行われる通信形態を意味するV2P(Vehicle to Pedestrian)の総称である。
本発明の実施の形態において、通信装置が車両に搭載される形態を主に想定するが、本発明の実施の形態は、当該形態に限定されない。例えば、通信装置は人が保持する端末であってもよいし、通信装置がドローンあるいは航空機に搭載される装置であってもよいし、通信装置が基地局、RSU、中継局等であってもよい。
また、LTEのRel−14において、V2Xの幾つかの機能に関する仕様化がなされている。当該仕様では、ユーザ装置20へのV2X通信用のリソース割当に関してMode3とMode4が規定されている。Mode3では、基地局装置10からユーザ装置20に送られるDCI(Downlink Control Information)によりダイナミックに送信リソースが割り当てられる。また、Mode3ではSPS(Semi Persistent Scheduling)も可能である。Mode4では、ユーザ装置20はリソースプールから自律的に送信リソースを選択する。
また、3GPPにおいて、LTE又はNRのセルラ通信及び端末間通信を用いたV2Xが検討されている。LTE又はNRのV2Xについて、今後3GPP仕様に限られない検討も進められることが想定される。例えば、インターオペラビリティの確保、上位レイヤの実装によるコストの効率化、複数RAT(Radio Access Technology)の併用又は切り替え方法、各国におけるレギュレーション対応、LTE又はNRのV2Xプラットフォームのデータ取得、配信、データベース管理及び利用方法が検討されることが想定される。
また、3GPP Rel−16 V2X SI(Study Item)では、FR2(Frequency Range 2)が検討対象に含まれており、ビームがサイドリンク通信に適用される可能性がある。3GPP Rel−15 DL/UL(Downlink/Uplink)では、CSI−RS(Channel State Information - Reference Signal)又はSSB(Synchronization Signal Block)を用いた基地局装置10の送信ビーム走査(beam sweeping)がサポートされている。基地局装置10は、ユーザ装置20から受信したCSI報告に基づいて、好適なDL送信ビームを判断することができる。基地局装置10は、TCI(Transmission configuration indication)で下り送信ビームをユーザ装置20に通知する。
また、3GPP Rel−15 DL/ULでは、SRS(Sounding Reference Signal)を用いたユーザ装置20の送信ビーム走査がサポートされている。SRS受信品質に基づいて、基地局装置10は好適なUL送信ビームを判断することができる。SRS受信品質は、例えば、RSRP(Reference Signal Received Power)、RSRQ(Reference Signal Received Quality)、SINR(Signal-to-Interference-plus-Noise Ratio)等で示される。基地局装置10は、SRI(SRS resource indicator)で上り送信ビームをユーザ装置20に指定する。
WiGig(登録商標)(Wireless Gigabit)では、通信を行う双方がビーム走査を行い、互いにSNRが最大であったビームを通知してビームペアを決定する。ビーム走査時、受信側装置では、受信ビームフォーミングは行われない。
上述のように、従来のビームを用いる通信においては、いずれも受信ビームフォーミングよりも先に送信ビームを決定し、送信ビームに受信ビームフォーミングを合わせる動作を前提としているため、送信ビームを通知又は指定する方法は存在するものの、受信ビームフォーミングを指定する方法は存在しなかった。
ここで、サイドリンク通信では、オーバヘッド削減のためCSI報告がサポートされない可能性がある。CSI報告がサポートされない場合、ビームを受信する装置からのフィードバックなしに送信ビームが決定される。そのため、ビームを受信する装置における受信ビームフォーミングを考慮した送信ビームフォーミングを行うことができない。
図2は、本発明の実施の形態におけるビームの決定に係る動作を説明するためのフローチャートである。図2において、ユーザ装置20Aが、ユーザ装置20BにPSCCH(Physical Sidelink Control Channel)、PSSCH(Physical Sidelink Shared Channel)、又はPSBCH(Physical Sidelink Broadcast Channel)等を送信して、サイドリンク通信を開始する動作を説明する。ユーザ装置20A及びユーザ装置20Bは、「ビーム一致(beam correspondence)」が可能であるUE(User Equipment)であるとする。
「ビーム一致」は、「Tx/Rx beam correspondence」ともいい、「ビーム一致」が可能であるUEとは、下記の1)2)の条件の少なくともひとつを満たすものとする。下記の1)2)は、装置Aと装置Bとが通信を行う場合の条件であり、装置Aが「ビーム一致」が可能であるUEに対応する。装置A又は装置Bは、ユーザ装置20であってもよいし基地局装置10であってもよい。
1)装置Aは、1又は複数の装置A側受信ビームフォーミングを適用して装置Bから受信した信号の測定結果に基づいて、装置Bに送信するための送信ビームを決定することができる。
2)装置Aは、1又は複数の装置A側送信ビームの測定結果を含む装置Bからの通知に基づいて、装置Bからの信号を受信するための受信ビームフォーミングを決定することができる。
本発明の実施の形態においては、ユーザ装置20Aの「ビーム一致」は少なくとも上記1)の条件が満たされるものとし、ユーザ装置20Bの「ビーム一致」は少なくとも上記2)の条件が満たされるものとする。
ステップS1において、ユーザ装置20Bは、受信ビームフォーミングに用いる空間フィルタの候補が適用された信号を1又は複数送信する。
図3は、本発明の実施の形態におけるビームの決定に係る動作(1)を説明するための図である。図3に示されるように、ユーザ装置20Bは、ユーザ装置20Aに受信ビームフォーミングに用いる空間フィルタの候補が適用された送信ビームを、例えば#0、#1、#2の3つ送信する。ユーザ装置20Bから送信される受信ビームフォーミングに用いる空間フィルタの候補が適用されたビームは、例えば、SLSS(Sidelink Synchronization Signal)、PSDCH(Physical Sidelink Discovery Channel)、DMRS(Demodulation Reference Signal)、SRS(Sounding Reference Signal)又はPRACH(Physical Random Access Channel)として1又は複数送信される。
上記のユーザ装置20Bから送信される複数のビームにおいて、ビームごとに時間領域又は周波数領域で特定されるリソースが変更されてもよい。また、ビームごとに、信号生成に用いられる系列が変更されてもよく、系列の違いに基づいてビームが区別されてもよい。また、ビームごとに、ポート番号が変更されてもよい。時間領域又は周波数領域で特定されるリソース、系列又はビームが送信されたポート番号には、インデックスが割り振られてもよい。
上記のユーザ装置20Bから送信される複数のビームは、ユーザ装置20Aとの通信の有無に関わらず送信されてもよい。例えば、上記のユーザ装置20Bから送信される複数のビームは、周期的に送信されてもよい。送信周期又は持続時間は、基地局装置10によって、例えばRRC(Radio Resource Control)シグナリング、PBCH(Physical Broadcast Channel)等を介してユーザ装置20Bに設定されてもよいし、仕様で予め規定されてもよい。また、上記のユーザ装置20Bから送信される複数のビームは、ユーザ装置20A以外のユーザ装置20宛でもよいし、基地局装置10宛でもよいし、ブロードキャストであってもよい。また、上記のユーザ装置20Bから送信される複数のビームは、ユーザ装置20A又は基地局装置10からの通知によってトリガされてもよい。
図2に戻る。ステップS2において、ユーザ装置20Aは、ユーザ装置20Bから送信されたビームから、受信品質が好適なビームを選定する。
図4は、本発明の実施の形態におけるビームの決定に係る動作(2)を説明するための図である。図4に示されるように、ユーザ装置20Aにおいて、ユーザ装置20Bから送信されたビーム#0、#1、#2のうち、受信品質が好適であったビーム#1を選定する。受信品質は、例えば、RSRP、RSRQ、RSSI(Received Signal Strength Indication)、SINRのいずれか又は組み合わせが良好なものが選定されてよい。ここで、ユーザ装置20Bの受信ビームフォーミング及び送信ビームのみを決定する場合、ユーザ装置20Aにおいて受信ビームフォーミングは適用されなくてもよい。さらに、ユーザ装置20Aの送信ビーム及び受信ビームフォーミングを決定する場合、ユーザ装置20Aにおいて、ユーザ装置20Bから送信されるビームを受信するとき、受信ビーム走査を実行し好適な受信ビームフォーミングを決定してもよい。
ユーザ装置20Aは、「ビーム一致」が可能であるUEであるため、ユーザ装置20Bから送信されるビーム#1を好適に受信することができた受信ビームフォーミングに基づいて、ユーザ装置20Aから送信するビームを決定することができる。
図2に戻る。ステップS3において、ユーザ装置20Aは、ユーザ装置20Bの受信ビームフォーミングを指定する情報をユーザ装置20Bに通知する。受信ビームフォーミングの指定は、ステップS1でビーム送信時に使用されたリソースを指定する情報によって指定されてもよい。すなわち、ユーザ装置20Bから送信されたビームの時間領域又は周波数領域で特定されるリソース、系列又はビームが送信されたポート番号に割り振られたインデックスがユーザ装置20Aからユーザ装置20Bに通知されてもよい。また、複数種類の参照信号がユーザ装置20Bから送信された場合、例えば、SLSS及びDMRSのような参照信号の種類を通知してもよい。なお、受信ビームフォーミングの指定は、PHY(Physical layer)シグナリングによるSCI(Sidelink Control Information)、MAC(Medium Access Control)シグナリング又はRRC(Radio Resource Control)シグナリングのいずれのレイヤで行われてもよい。
ユーザ装置20Aは、ユーザ装置20Bからの送信ビームに基づいて、ユーザ装置20Aの送信ビームを決定する場合、ユーザ装置20Aから送信する信号、例えば、PSCCH、PSSCH又はPSBCH上で、ユーザ装置20Bの受信ビームフォーミングを指定することにより、ユーザ装置20Aにおける送信ビームとユーザ装置20Bにおける受信ビームフォーミングとのペアをユーザ装置20Bに暗黙的に通知してもよい。ユーザ装置20Bは、上記ペアであると通知されたユーザ装置20Aの送信ビームに対応する受信ビームフォーミングをユーザ装置20Aが受信時に適用するように指示又は想定してもよい。
ステップS4において、ユーザ装置20Bは、ステップS3でユーザ装置20Aから通知されたビームを示す情報に基づいて、受信ビームフォーミングを決定して、フローを終了する。
なお、ユーザ装置20Bは、ステップS3でユーザ装置20Aから通知される受信ビームフォーミングを使用しなくてもよい。ユーザ装置20Aから通知される受信ビームフォーミングを使用しない場合、ユーザ装置20Bは、通知された受信ビームフォーミングを使用しなかったことを示す1ビットの情報をユーザ装置20Aに通知してもよいし、代替受信ビームフォーミングを用いたこと又は例えばビームインデックス等の代替受信ビームフォーミングを示す情報をユーザ装置20Aに通知してもよい。
なお、ユーザ装置20Aは、複数の受信ビームフォーミングを同時にユーザ装置20Bに指定してもよい。ユーザ装置20Aは、当該複数の受信ビームフォーミングに対応する複数の送信ビームを用いて空間多重を行ってもよい。ユーザ装置20Bは、指定された受信ビームフォーミングの数をランクとみなしてもよいし、RI(Rank Indicator)が通知されてもよい。
図2のステップS1からステップS4で説明した受信ビームフォーミング又は送信ビームの決定方法は、サイドリンク通信への適用に限られず、DL及びULに適用されてもよい。すなわち、上述の受信ビームフォーミング又は送信ビームの決定方法で用いられたPSCCH、PSSCH、PSBCH又はSLSSは、PDCCH(Physical Downlink Control Channel)、PUCCH(Physical Uplink Control Channel)、PDSCH(Physical Downlink Shared Channel)、PUSCH(Physical Uplink Shared Channel)、PBCH(Physical Broadcast Channel)又はSS(Synchronization Signal)に置換されてもよい。図2のステップS1からステップS4で説明したユーザ装置20A又はユーザ装置20Bは、基地局装置10、RSU、中継局等に置換されてもよい。
図2のステップS1からステップS4で説明した受信ビームフォーミング又は送信ビームの決定方法は、ユーザ装置20A及びユーザ装置20B共に「ビーム一致」が可能であるUEであることを前提としている。「ビーム一致」が可能でないユーザ装置20である場合、例えば、ユーザ装置20Aは、受信ビームフォーミングをユーザ装置20Bにランダムに指定してもよいし、ユーザ装置20Bが受信ビームフォーミングをランダムに決定してもよい。ユーザ装置20Bの受信ビームフォーミングがランダムに適用された場合、例えば、繰り返し送信等において、ダイバーシチ利得を得ることができる。
上述の実施例により、ユーザ装置20は、複数の受信ビームフォーミングの候補から、好適な受信ビームフォーミングを決定することができる。また、ユーザ装置20は、好適な受信ビームフォーミングを先に決定した後、当該受信ビームフォーミングに対応する送信ビームを決定することができる。また、ユーザ装置20は、受信したビームに適する受信ビームフォーミングを決定することで、好適な送信ビームを決定することができる。
すなわち、送信及び受信共にビームフォーミングを適用する無線通信において、ビームフォーミングを適切に制御することができる。
(装置構成)
次に、これまでに説明した処理及び動作を実行する基地局装置10及びユーザ装置20の機能構成例を説明する。基地局装置10及びユーザ装置20は上述した実施例を実施する機能を含む。ただし、基地局装置10及びユーザ装置20はそれぞれ、実施例の中の一部の機能のみを備えることとしてもよい。
<基地局装置10>
図5は、基地局装置10の機能構成の一例を示す図である。図5に示されるように、基地局装置10は、送信部110と、受信部120と、設定部130と、制御部140とを有する。図5に示される機能構成は一例に過ぎない。本発明の実施の形態に係る動作を実行できるのであれば、機能区分及び機能部の名称はどのようなものでもよい。
送信部110は、ユーザ装置20側に送信する信号を生成し、当該信号を無線で送信する機能を含む。受信部120は、ユーザ装置20から送信された各種の信号を受信し、受信した信号から、例えばより上位のレイヤの情報を取得する機能を含む。また、送信部110は、ユーザ装置20へNR−PSS、NR−SSS、NR−PBCH、DL/UL制御信号等を送信する機能を有する。また、例えば、送信部110は、ユーザ装置20に他端末が近接していることを示す情報を送信し、受信部120は、ユーザ装置20から端末情報を受信する。
設定部130は、予め設定される設定情報、及び、ユーザ装置20に送信する各種の設定情報を記憶装置に格納し、必要に応じて記憶装置から読み出す。設定情報の内容は、例えば、D2D通信の送受信パラメータに係る情報等である。
制御部140は、実施例において説明したように、ユーザ装置20がD2D通信を行うための設定に係る処理を行う。また、制御部140は、ユーザ装置20に無線通信の設定に係る情報を通知する処理を行う。制御部140における信号送信に関する機能部を送信部110に含め、制御部140における信号受信に関する機能部を受信部120に含めてもよい。
<ユーザ装置20>
図6は、ユーザ装置20の機能構成の一例を示す図である。図6に示されるように、ユーザ装置20は、送信部210と、受信部220と、設定部230と、制御部240とを有する。図6に示される機能構成は一例に過ぎない。本発明の実施の形態に係る動作を実行できるのであれば、機能区分及び機能部の名称はどのようなものでもよい。
送信部210は、送信データから送信信号を作成し、当該送信信号を無線で送信する。受信部220は、各種の信号を無線受信し、受信した物理レイヤの信号からより上位のレイヤの信号を取得する。また、受信部220は、基地局装置10から送信されるNR−PSS、NR−SSS、NR−PBCH、DL/UL/SL制御信号等を受信する機能を有する。また、例えば、送信部210は、D2D通信として、他のユーザ装置20に、PSCCH(Physical Sidelink Control Channel)、PSSCH(Physical Sidelink Shared Channel)、PSDCH(Physical Sidelink Discovery Channel)、PSBCH(Physical Sidelink Broadcast Channel)等を送信し、受信部120は、他のユーザ装置20から、PSCCH、PSSCH、PSDCH又はPSBCH等を受信する。
設定部230は、受信部220により基地局装置10又はユーザ装置20から受信した各種の設定情報を記憶装置に格納し、必要に応じて記憶装置から読み出す。また、設定部230は、予め設定される設定情報も格納する。設定情報の内容は、例えば、D2D通信の送受信パラメータに係る情報等である。
制御部240は、実施例において説明したように、他のユーザ装置20と実行されるD2D通信を制御する。制御部240は、受信したビームに基づいて、対応する送信ビームを決定する。また、制御部240は、基地局装置10から無線通信に係る情報を受信して、当該情報に基づいてユーザ装置20の無線通信を制御し、必要な情報を基地局装置10に報告する。制御部240における信号送信に関する機能部を送信部210に含め、制御部240における信号受信に関する機能部を受信部220に含めてもよい。
(ハードウェア構成)
上述の本発明の実施の形態の説明に用いた機能構成図(図5及び図6)は、機能単位のブロックを示している。これらの機能ブロック(構成部)は、ハードウェア及び/又はソフトウェアの任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現手段は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的及び/又は論理的に複数要素が結合した1つの装置により実現されてもよいし、物理的及び/又は論理的に分離した2つ以上の装置を直接的及び/又は間接的に(例えば、有線及び/又は無線)で接続し、これら複数の装置により実現されてもよい。
また、例えば、本発明の一実施の形態における基地局装置10及びユーザ装置20はいずれも、本発明の実施の形態に係る処理を行うコンピュータとして機能してもよい。図7は、本発明の実施の形態に係る基地局装置10又はユーザ装置20である無線通信装置のハードウェア構成の一例を示す図である。上述の基地局装置10及びユーザ装置20はそれぞれ、物理的には、プロセッサ1001、記憶装置1002、補助記憶装置1003、通信装置1004、入力装置1005、出力装置1006、バス1007等を含むコンピュータ装置として構成されてもよい。
なお、以下の説明では、「装置」という文言は、回路、デバイス、ユニット等に読み替えることができる。基地局装置10及びユーザ装置20のハードウェア構成は、図に示した1001〜1006で示される各装置を1つ又は複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。
基地局装置10及びユーザ装置20における各機能は、プロセッサ1001、記憶装置1002等のハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることで、プロセッサ1001が演算を行い、通信装置1004による通信、記憶装置1002及び補助記憶装置1003におけるデータの読み出し及び/又は書き込みを制御することで実現される。
プロセッサ1001は、例えば、オペレーティングシステムを動作させてコンピュータ全体を制御する。プロセッサ1001は、周辺装置とのインタフェース、制御装置、演算装置、レジスタ等を含む中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)で構成されてもよい。
また、プロセッサ1001は、プログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュール又はデータを、補助記憶装置1003及び/又は通信装置1004から記憶装置1002に読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。プログラムとしては、上述の実施の形態で説明した動作の少なくとも一部をコンピュータに実行させるプログラムが用いられる。例えば、図5に示した基地局装置10の送信部110、受信部120、設定部130、制御部140は、記憶装置1002に格納され、プロセッサ1001で動作する制御プログラムによって実現されてもよい。また、例えば、図6に示したユーザ装置20の送信部210と、受信部220と、設定部230、制御部240は、記憶装置1002に格納され、プロセッサ1001で動作する制御プログラムによって実現されてもよい。上述の各種処理は、1つのプロセッサ1001で実行される旨を説明してきたが、2以上のプロセッサ1001により同時又は逐次に実行されてもよい。プロセッサ1001は、1以上のチップで実装されてもよい。なお、プログラムは、電気通信回線を介してネットワークから送信されてもよい。
記憶装置1002は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、RAM(Random Access Memory)等の少なくとも1つで構成されてもよい。記憶装置1002は、レジスタ、キャッシュ、メインメモリ(主記憶装置)等と呼ばれてもよい。記憶装置1002は、本発明の一実施の形態に係る処理を実施するために実行可能なプログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュール等を保存することができる。
補助記憶装置1003は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、CD−ROM(Compact Disc ROM)等の光ディスク、ハードディスクドライブ、フレキシブルディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、Blu−ray(登録商標)ディスク)、スマートカード、フラッシュメモリ(例えば、カード、スティック、キードライブ)、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップ等の少なくとも1つで構成されてもよい。補助記憶装置1003は、補助記憶装置と呼ばれてもよい。上述の記憶媒体は、例えば、記憶装置1002及び/又は補助記憶装置1003を含むデータベース、サーバその他の適切な媒体であってもよい。
通信装置1004は、有線及び/又は無線ネットワークを介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュール等ともいう。例えば、基地局装置10の送信部110及び受信部120は、通信装置1004で実現されてもよい。また、ユーザ装置20の送信部210及び受信部220は、通信装置1004で実現されてもよい。
入力装置1005は、外部からの入力を受け付ける入力デバイス(例えば、キーボード、マウス、マイクロフォン、スイッチ、ボタン、センサ等)である。出力装置1006は、外部への出力を実施する出力デバイス(例えば、ディスプレイ、スピーカー、LEDランプ等)である。なお、入力装置1005及び出力装置1006は、一体となった構成(例えば、タッチパネル)であってもよい。
また、プロセッサ1001及び記憶装置1002等の各装置は、情報を通信するためのバス1007で接続される。バス1007は、単一のバスで構成されてもよいし、装置間で異なるバスで構成されてもよい。
また、基地局装置10及びユーザ装置20はそれぞれ、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアを含んで構成されてもよく、当該ハードウェアにより、各機能ブロックの一部又は全てが実現されてもよい。例えば、プロセッサ1001は、これらのハードウェアの少なくとも1つで実装されてもよい。
(実施の形態のまとめ)
以上、説明したように、本発明の実施の形態によれば、受信ビームフォーミングに適用する候補である空間フィルタを適用した複数の互いに異なるビームを他のユーザ装置に送信する送信部と、前記他のユーザ装置から前記複数の互いに異なるビームの測定結果を示す情報を取得する制御部と、前記測定結果を示す情報に基づいて、受信ビームフォーミングを決定し、前記他のユーザ装置から送信されるビームを受信する受信部とを有するユーザ装置が提供される。
上記の構成により、ユーザ装置20は、複数の受信ビームフォーミングの候補から、好適な受信ビームフォーミングを決定して、通信品質を向上させることができる。すなわち、送信及び受信共にビームフォーミングを適用する無線通信において、ビームフォーミングを適切に制御することができる。
前記送信部は、時間領域又は周波数領域で特定されるリソースをビームごとに切り替えて送信するか、信号生成系列をビームごとに切り替えて送信するか、又はポート番号をビームごとに切り替えて送信してもよい。当該構成により、ユーザ装置20は、複数の受信ビームフォーミングの候補から、好適な受信ビームフォーミングを決定することができる。
前記送信部は、前記複数の互いに異なるビームを周期的に他のユーザ装置に送信又はブロードキャストしてもよい。ユーザ装置20は、複数の受信ビームフォーミングの候補から、好適な受信ビームフォーミングを決定する動作を周期的にトリガすることができる。
前記測定結果を示す情報は、前記複数の互いに異なるビームのいずれかを示す情報であって、時間領域又は周波数領域で特定されるリソースに対応するインデックス、信号生成系列に対応するインデックス、又はビームが送信されたポート番号を含んでもよい。当該構成により、ユーザ装置20は、複数の受信ビームフォーミングの候補から、好適な受信ビームフォーミングを決定することができる。
前記測定結果を示す情報は、前記複数の互いに異なるビームから選択された複数のビームを示す情報であって、前記選択された複数のビームの数をランクとして前記他のユーザ装置から送信されるビームを受信してもよい。当該構成により、ユーザ装置20は、複数の受信ビームフォーミングの候補から、複数のビームを用いた受信ビームフォーミングを決定して、好適な空間多重による通信を行うことができる。
また、本発明の実施の形態によれば、受信ビームフォーミングに適用する候補である空間フィルタを適用した複数の互いに異なるビームをユーザ装置から受信する受信部と、前記ユーザ装置に前記複数の互いに異なるビームの測定結果を示す情報を送信する制御部と、前記測定結果を示す情報に基づいて、送信ビームフォーミングを決定し、前記ユーザ装置にビームを送信する送信部とを有する基地局装置が提供される。
上記の構成により、基地局装置10は、ユーザ装置20の複数の受信ビームフォーミングの候補から、好適な受信ビームフォーミングを決定して、通信品質を向上させることができる。すなわち、送信及び受信共にビームフォーミングを適用する無線通信において、ビームフォーミングを適切に制御することができる。
(実施形態の補足)
以上、本発明の実施の形態を説明してきたが、開示される発明はそのような実施形態に限定されず、当業者は様々な変形例、修正例、代替例、置換例等を理解するであろう。発明の理解を促すため具体的な数値例を用いて説明がなされたが、特に断りのない限り、それらの数値は単なる一例に過ぎず適切な如何なる値が使用されてもよい。上記の説明における項目の区分けは本発明に本質的ではなく、2以上の項目に記載された事項が必要に応じて組み合わせて使用されてよいし、ある項目に記載された事項が、別の項目に記載された事項に(矛盾しない限り)適用されてよい。機能ブロック図における機能部又は処理部の境界は必ずしも物理的な部品の境界に対応するとは限らない。複数の機能部の動作が物理的には1つの部品で行われてもよいし、あるいは1つの機能部の動作が物理的には複数の部品により行われてもよい。実施の形態で述べた処理手順については、矛盾の無い限り処理の順序を入れ替えてもよい。処理説明の便宜上、基地局装置10及びユーザ装置20は機能的なブロック図を用いて説明されたが、そのような装置はハードウェアで、ソフトウェアで又はそれらの組み合わせで実現されてもよい。本発明の実施の形態に従って基地局装置10が有するプロセッサにより動作するソフトウェア及び本発明の実施の形態に従ってユーザ装置20が有するプロセッサにより動作するソフトウェアはそれぞれ、ランダムアクセスメモリ(RAM)、フラッシュメモリ、読み取り専用メモリ(ROM)、EPROM、EEPROM、レジスタ、ハードディスク(HDD)、リムーバブルディスク、CD−ROM、データベース、サーバその他の適切な如何なる記憶媒体に保存されてもよい。
また、情報の通知は、本明細書で説明した態様/実施形態に限られず、他の方法で行われてもよい。例えば、情報の通知は、物理レイヤシグナリング(例えば、DCI(Downlink Control Information)、UCI(Uplink Control Information))、上位レイヤシグナリング(例えば、RRC(Radio Resource Control)シグナリング、MAC(Medium Access Control)シグナリング、ブロードキャスト情報(MIB(Master Information Block)、SIB(System Information Block))、その他の信号又はこれらの組み合わせによって実施されてもよい。また、RRCシグナリングは、RRCメッセージと呼ばれてもよく、例えば、RRC接続セットアップ(RRC Connection Setup)メッセージ、RRC接続再構成(RRC Connection Reconfiguration)メッセージ等であってもよい。
本明細書で説明した各態様/実施形態は、LTE(Long Term Evolution)、LTE−A(LTE-Advanced)、SUPER 3G、IMT−Advanced、4G、5G、FRA(Future Radio Access)、W−CDMA(登録商標)、GSM(登録商標)、CDMA2000、UMB(Ultra Mobile Broadband)、IEEE 802.11(Wi−Fi)、IEEE 802.16(WiMAX)、IEEE 802.20、UWB(Ultra-WideBand)、Bluetooth(登録商標)、その他の適切なシステムを利用するシステム及び/又はこれらに基づいて拡張された次世代システムに適用されてもよい。
本明細書で説明した各態様/実施形態の処理手順、シーケンス、フローチャート等は、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本明細書で説明した方法については、例示的な順序で様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
本明細書において基地局装置10によって行われるとした特定動作は、場合によってはその上位ノード(upper node)によって行われることもある。基地局装置10を有する1つ又は複数のネットワークノード(network nodes)からなるネットワークにおいて、ユーザ装置20との通信のために行われる様々な動作は、基地局装置10及び/又は基地局装置10以外の他のネットワークノード(例えば、MME又はS−GW等が考えられるが、これらに限られない)によって行われ得ることは明らかである。上記において基地局装置10以外の他のネットワークノードが1つである場合を例示したが、複数の他のネットワークノードの組み合わせ(例えば、MME及びS−GW)であってもよい。
本明細書で説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。
ユーザ装置20は、当業者によって、加入者局、モバイルユニット、加入者ユニット、ワイヤレスユニット、リモートユニット、モバイルデバイス、ワイヤレスデバイス、ワイヤレス通信デバイス、リモートデバイス、モバイル加入者局、アクセス端末、モバイル端末、ワイヤレス端末、リモート端末、ハンドセット、ユーザエージェント、モバイルクライアント、クライアント、又はいくつかの他の適切な用語で呼ばれる場合もある。
基地局装置10は、当業者によって、NB(NodeB)、eNB(evolved NodeB)、gNB、ベースステーション(Base Station)、又はいくつかの他の適切な用語で呼ばれる場合もある。
本明細書で使用する「判断(determining)」、「決定(determining)」という用語は、多種多様な動作を包含する場合がある。「判断」、「決定」は、例えば、判定(judging)、計算(calculating)、算出(computing)、処理(processing)、導出(deriving)、調査(investigating)、探索(looking up)(例えば、テーブル、データベース又は別のデータ構造での探索)、確認(ascertaining)した事を「判断」「決定」したとみなす事等を含み得る。また、「判断」、「決定」は、受信(receiving)(例えば、情報を受信すること)、送信(transmitting)(例えば、情報を送信すること)、入力(input)、出力(output)、アクセス(accessing)(例えば、メモリ中のデータにアクセスすること)した事を「判断」「決定」したとみなす事等を含み得る。また、「判断」、「決定」は、解決(resolving)、選択(selecting)、選定(choosing)、確立(establishing)、比較(comparing)等した事を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。つまり、「判断」「決定」は、何らかの動作を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。
本明細書で使用する「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
「含む(include)」、「含んでいる(including)」、及びそれらの変形が、本明細書あるいは特許請求の範囲で使用されている限り、これら用語は、用語「備える(comprising)」と同様に、包括的であることが意図される。さらに、本明細書あるいは特許請求の範囲において使用されている用語「又は(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
本開示の全体において、例えば、英語でのa、an及びtheのように、翻訳により冠詞が追加された場合、これらの冠詞は、文脈から明らかにそうではないことが示されていなければ、複数のものを含み得る。
なお、本発明の実施の形態において、制御部240は、検出部又は制御部の一例である。送信部210又は受信部220は、通信部の一例である。
以上、本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。