JPWO2019189069A1 - 粘着性組成物および粘着テープ - Google Patents

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Abstract

【課題】 バックグラインドテープやダイシングテープとして用いられる粘着テープにおいて、半導体チップやウエハなどのワークへの糊残り、および端部外観不良を解消すること。【解決手段】 本発明に係る粘着性組成物は、双性イオン構造を含有する繰り返し単位を有する重合体を含むことを特徴としている。【選択図】 なし

Description

本発明は、半導体ウエハ等の被加工物(以下、「ワーク」と記載することがある)の一時的な表面保護、研磨、ダイシングなどの加工を行う際に、当該ワークが貼付、保持されるワーク加工用テープとして好ましく用いられる粘着テープに関する。また、本発明は該粘着テープに好ましく用いられる粘着性組成物に関する。
シリコン、ガリウムヒ素などの半導体ウエハは大径の状態で製造される。半導体ウエハは、表面に回路を形成した後、裏面研削により所定の厚さまで研削し、素子小片(半導体チップ)に切断分離(ダイシング)された後に次の工程であるボンディング工程に移されている。これらの一連の工程では、各種の粘着テープが用いられている。
裏面研削工程においては、研削中にウエハを保持し、また回路表面を研削屑などから保護するために、バックグラインドテープと呼ばれる粘着テープが使用されている。また、裏面研削工程に続いて、研削面に回路形成などを行うこともあり、この際にも粘着テープでウエハを保護および固定して加工を行う。バックグラインドテープなどの裏面加工時の表面保護テープは、基材と感圧接着性を有する粘着剤層とからなる。回路面を確実に保護するために、比較的軟質で応力緩和性の高い粘着剤を用いた粘着テープが使用されることがある。
また、ダイシング工程に用いる粘着テープは、ダイシングテープとも呼ばれ、基材と感圧接着性を有する粘着剤層とからなり、半導体ウエハなどのワークをダイシングする際に、当該ワークを固定し、またダイシング後にはチップを保持するために用いられる。ダイシング後には、チップ間隔を離間するためのエキスパンドを容易にするため、比較的軟質な基材を有する粘着テープが使用されることがある。
近年、回路形成がされた二次元パターンを有する半導体チップに限らず、立体的構造として突起物を有する半導体チップも見られるようになってきている。例えば、半導体装置の製造において、ダイシングによって個片化されたチップを基板に設置する際、ワイヤレスボンディングという手法が用いられる。この手法は、チップと基板との電気的な接続を金属の細線を用いることなく行うものであり、一例として、チップ回路面に設けられたバンプとよばれる突起状電極と、基板上の電極とを接触させることで、電気的な接続が確保される。この実装方法は、フェースダウン実装あるいはフリップチップ実装と呼ばれ、素子の小型化に寄与する。
このような突起物が形成されたチップを製造する方法の一例では、半導体ウエハの表面に回路を形成し、回路面に突起物を形成した後に、バックグラインドテープを表面に貼付し、裏面を研削加工して厚さを調整する。その後、半導体ウエハをダイシングテープ上に保持し、半導体ウエハをダイシングしてチップに個片化する。
半導体ウエハ表面には、突起物によって5〜100μm程度の微細な凹凸差が生じる。バックグラインドテープにはこの凹凸面に追従性を有し、回路面を確実に保護することが求められる。バックグラインドテープの追従性が不十分であると、裏面の研削中に研削屑などが回路面に侵入し、回路を汚染あるいは破損することがある。したがって、バックグラインドテープには、微細な凹凸面に対する埋め込み性が求められる。
このような高低差のある半導体ウエハに対するバックグラインドテープとして、基材と中間層と粘着剤層とからなる粘着テープが知られている(特許文献1、2)。この粘着テープでは、中間層によって、ウエハ表面の高低差を吸収し、回路面に追従する。しかし、前記文献における中間層の多くはポリオレフィン系重合体からなり、また粘着剤層の多くはアクリル系重合体からなる。ポリオレフィン系重合体とアクリル系重合体とは、一般に親和性が低い。このため、バックグラインドテープを半導体ウエハの回路面から剥離する際に、中間層と粘着剤層との間で剥離が起こり、粘着剤が半導体ウエハの回路面に残着するという問題を引き起こすことがある。
また、バックグラインドテープとしては、基材と粘着剤層とからなる二層構造の粘着テープも知られている。このような粘着テープでは、半導体ウエハ表面の凹凸に追従するために、粘着剤層を厚くしたり、あるいは粘着剤層を比較的軟質にすることが検討される。しかし、このような粘着テープでは、外観不良や、粘着剤が半導体ウエハの回路面に残着するという問題を引き起こすことがある。
粘着テープは一般にロール状に巻き取られて保管、搬送される。この際に粘着テープには巻圧が加わり、粘着剤層や中間層の一部がロール端面に漏出する。特に、夏季の保管や海上での搬送時には、40℃程度の環境に曝されることがあり、樹脂成分の漏出は顕著になる。ロール端面に漏出した樹脂成分は、端部外観不良の要因となり、また塵芥等が付着し、半導体ウエハを汚染する要因ともなる。また、粘着剤層を比較的軟質にすると、半導体ウエハ表面の凹凸への追従性は向上する。しかし、半導体ウエハ表面から粘着テープを剥離すると、剥離時に粘着剤層が伸長、破断し、粘着剤の一部がウエハ回路面に残着(糊残り)し、回路面を汚染することがある。
特許第3773358号 特許第4918181号
本発明は、バックグラインドテープやダイシングテープとして用いられる粘着テープにおいて、ワークへの糊残り、および端部外観不良を解消することを目的としている。
一般に粘着テープを凹凸面に貼付する際には、粘着テープを40〜60℃程度に加温し、粘着剤層(または中間層)の流動性、埋め込み性を向上させた後に貼付を行う。一方、端部外観不良の要因である保管時の粘着剤(または中間層)の漏出は常温〜40℃程度における粘着剤(または中間層)の流動に起因する。そこで本発明者らは、粘着剤層(または中間層)を構成する主成分である重合体中に、温度により粘弾性挙動が異なる部位を導入し、貼付時および保管時の粘着剤層(または中間層)の流動性を制御することを着想し、本発明を完成するに至った。このような課題の解決を目的とした本発明の要旨は以下の通りである。
(1)双性イオン構造を含有する繰り返し単位を有する重合体を含む、粘着性組成物。
(2)双性イオン構造を含有する繰り返し単位を有するアクリル系重合体を含む、粘着性組成物。
(3)基材と粘着剤層とを含み、粘着剤層が、(1)または(2)に記載の粘着性組成物を含む粘着テープ。
(4)基材と粘着剤層と、基材と粘着剤層との間の中間層とを含み、中間層が、(1)または(2)に記載の粘着性組成物を含む粘着テープ。
本発明では、粘着性組成物の主成分である重合体として、温度により粘弾性挙動が異なる部位を導入してなる重合体、すなわち双性イオン構造を含有する繰り返し単位を有する重合体、を用いている。このため、貼付時および保管時の粘着剤層(または中間層)の流動性制御が容易になり、貼付時においてはワークの凹凸面に追従し、また保管時には粘着性組成物の漏出が少ない粘着テープが提供される。
以下、本発明に係る粘着テープについて、具体的に説明する。まず、本明細書で使用する主な用語を説明する。
本明細書において、例えば「(メタ)アクリレート」とは、「アクリレート」および「メタクリレート」の双方を示す語として用いており、他の類似用語についても同様である。
粘着テープとは、基材と、粘着剤層とを含む積層体を意味し、これら以外の他の構成層を含むことを妨げない。たとえば、基材と粘着剤層との間に中間層を備える構成であっても良く、粘着剤層側の基材表面には、基材表面と粘着剤層界面、または基材表面と中間層界面での密着性向上や低分子量成分の移行防止等を目的としプライマー層が形成されていてもよく、粘着剤層の表面には、使用時まで粘着剤層を保護するための剥離フィルムが積層されていてもよい。また、基材は単層であってもよく、緩衝層などの機能層を備えた多層であってもよい。以下に説明する本発明の粘着性組成物は、粘着テープの粘着剤層あるいは中間層に好ましく用いられる。
バックグラインドテープとは、半導体ウエハの裏面研削時にウエハ回路面を保護するために使用される粘着テープを指す。
ダイシングテープとは、ウエハを回路毎のチップに個片化する際に、ウエハおよびチップを保持するために使用される粘着テープを指す。
半導体ウエハの「表面」とは回路が形成された面を指し、「裏面」は回路が形成されていない面を指す。
本発明に係る粘着性組成物は、双性イオン構造を含有する繰り返し単位を有する重合体を含む。以下では、双性イオン構造を含有する繰り返し単位を「双性イオン含有単位」と呼び、この繰り返し単位を含む重合体を「双性イオン含有重合体」と呼ぶことがある。
(双性イオン含有重合体)
まず、双性イオン含有重合体について説明する。双性イオン含有重合体は、双性イオン構造を含有する繰り返し単位を含む。ここで、双性イオン構造とは、正電荷と負電荷とを含む分極構造をいう。双性イオン含有重合体は、好ましくは重合体の側鎖に双性イオン構造を有する。双性イオン構造は、分極構造を有する限り特に限定はされないが、製造上の利便性の点から、正電荷は好ましくは第4級アンモニウム、窒素含有複素環または第4級ホスホニウムに由来する正電荷であり、負電荷はサルトンに由来するスルホ残基(SO )である。重合体の主鎖の構造は、特に限定はされないが、好ましくは炭素骨格からなる。したがって、好ましい双性イオン含有単位は、下記式(1)にして示される。なお、以下では、正電荷が第4級アンモニウムに由来する場合を例にとり説明するが、正電荷は窒素含有複素環あるいは第4級ホスホニウムに由来するものであってもよい。
Figure 2019189069
式(1)中、Rは、水素原子またはメチル基を表し、R、Rは、それぞれ独立に、水素原子、エーテル結合を有する若しくは有しない炭素数1〜10のアルキル基、エーテル結合を有する若しくは有しない炭素数2〜11のシアノアルキル基、エーテル結合を有する若しくは有しない炭素数2〜10のアルケニル基、または、置換基を有する若しくは有しない炭素数6〜20のアリール基を表す。RおよびRは、互いに結合して、環を形成していてもよい。mは、2〜5の整数であり、3または4が好ましい。
、Rのエーテル結合を有する若しくは有しない炭素数1〜10のアルキル基の、炭素数1〜10のアルキル基の炭素数は、1〜8が好ましく、1〜5がより好ましい。エーテル結合を有しないアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基等が挙げられる。
エーテル結合を有するアルキル基としては、下記式(2)または(3)で示される基等が挙げられる。
Figure 2019189069
式(2)中、Rは、炭素数1〜8のアルキル基を表し、Zは、炭素数2〜9のアルキレン基を表し、RとZの炭素数の合計は、3〜10である。*は結合手を表す。
式(3)中、Rは、炭素数1〜6のアルキル基を表し、Zは、炭素数2〜7のアルキレン基を表し、Zは、炭素数2〜7のアルキレン基を表し、R、Z、Zの炭素数の合計は、5〜10である。*は結合手を表す。
、Rのエーテル結合を有する若しくは有しない炭素数2〜11のシアノアルキル基の、炭素数2〜11のシアノアルキル基の炭素数は、2〜9が好ましく、2〜6がより好ましい。エーテル結合を有しないシアノアルキル基としては、シアノメチル基、2−シアノエチル基、3−シアノプロピル基、4−シアノブチル基、6−シアノヘキシル基等が挙げられる。
エーテル結合を有するシアノアルキル基としては、下記式(4)または(5)で示される基等が挙げられる。
Figure 2019189069
式(4)中、Rは、炭素数2〜9のシアノアルキル基を表し、Zは、炭素数2〜9のアルキレン基を表し、RとZの炭素数の合計は、4〜11である。*は結合手を表す。
式(5)中、Rは、炭素数2〜7のシアノアルキル基を表し、Zは、炭素数2〜7のアルキレン基を表し、Zは、炭素数2〜7のアルキレン基を表し、R、Z、Zの炭素数の合計は、6〜11である。*は結合手を表す。
、Rのエーテル結合を有する若しくは有しない炭素数2〜10のアルケニル基の、炭素数2〜10のアルケニル基の炭素数は、2〜9が好ましく、2〜6がより好ましい。エーテル結合を有しないアルケニル基としては、ビニル基、アリル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、1−ペンテニル基等が挙げられる。
エーテル結合を有するアルケニル基としては、下記式(6)または(7)で示される基等が挙げられる。
Figure 2019189069
式(6)中、Rは、炭素数2〜8のアルケニル基を表し、Zは、炭素数2〜8のアルキレン基を表し、RとZの炭素数の合計は、4〜10である。*は結合手を表す。
式(7)中、Rは、炭素数2〜6のアルケニル基を表し、Zは、炭素数2〜6のアルキレン基を表し、Zは、炭素数2〜6のアルキレン基を表し、R、Z、Zの炭素数の合計は、6〜10である。*は結合手を表す。
、Rの置換基を有する若しくは有しない炭素数6〜20のアリール基の、炭素数6〜20のアリール基の炭素数は6〜10が好ましい。無置換のアリール基としては、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基等が挙げられる。置換基を有するアリール基の置換基としては、メチル基、エチル基等の炭素数1〜6のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1〜6のアルコキシ基;フッ素原子、塩素原子等のハロゲン原子;等が挙げられる。
とRが結合して形成される環としては、ピロリジン環、ピペリジン環、モルホリン環等が挙げられる。
式(1)中、Aは、下記式(8)〜(10)のいずれかで示される2価の基を表す。
Figure 2019189069
式(8)〜(10)中、AおよびAは、それぞれ独立に炭素数1〜10のアルキレン基を表し、nは、1〜10の整数を表す。*1は、炭素原子との結合手を表し、*2は、窒素原子との結合手を表す。
、Aの炭素数1〜10のアルキレン基の炭素数は、1〜8が好ましく、1〜6がより好ましい。
炭素数1〜10のアルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基等の直鎖状アルキレン基;プロパン−1,2−ジイル基、ブタン−1,3−ジイル基等の分岐鎖状アルキレン基が挙げられる。 nは、1〜10の整数であり、1〜5の整数が好ましい。
また、双性イオン構造の正電荷が、窒素含有複素環または第4級ホスホニウムに由来する場合には、前記式(1)の双性イオン含有単位における第4級アンモニウム部位(N)を、下記式(11)〜(14)の構造に置換した双性イオン含有単位が挙げられる。
Figure 2019189069
(式中、R10は、エーテル結合を有する若しくは有しない炭素数1〜10のアルキル基、エーテル結合を有する若しくは有しない炭素数2〜11のシアノアルキル基、又はエーテル結合を有する若しくは有しない炭素数2〜10のアルケニル基を表し、R11は、水素原子、又は、エーテル結合を有する若しくは有しない炭素数1〜10のアルキル基を表す。ただし、R10またはR11の何れか一方の原子または基は存在せず、ラジカル状態であり前記A1への結合手を表す。*は(CHへの結合手を表す。)
Figure 2019189069
(式中、R12〜R16は、それぞれ独立に、水素原子、又は、エーテル結合を有する若しくは有しない炭素数1〜10のアルキル基を表す。ただし、R12〜R16のいずれか1つの原子または基は存在せず、ラジカル状態であり前記A1への結合手を表す。*は(CHへの結合手を表す。)
Figure 2019189069
(式中、R17〜R21は、それぞれ独立に、水素原子、又は、エーテル結合を有する若しくは有しない炭素数1〜10のアルキル基を表す。ただし、R17〜R21のいずれか1つの原子または基は存在せず、ラジカル状態であり前記A1への結合手を表す。*は(CHへの結合手を表す。)
Figure 2019189069
(式中、R22は、エーテル結合を有する若しくは有しない炭素数1〜10のアルキル基、エーテル結合を有する若しくは有しない炭素数2〜11のシアノアルキル基、エーテル結合を有する若しくは有しない炭素数2〜10のアルケニル基、又は置換若しくは無置換の炭素数6〜20のアリール基を表す。R23、R24は、それぞれ独立に、水素原子、エーテル結合を有する若しくは有しない炭素数1〜10のアルキル基、エーテル結合を有する若しくは有しない炭素数2〜11のシアノアルキル基、エーテル結合を有する若しくは有しない炭素数2〜10のアルケニル基、又は置換若しくは無置換の炭素数6〜20のアリール基を表す。ただし、R22〜R24のいずれか1つの原子または基は存在せず、ラジカル状態であり前記A1への結合手を表す。*は(CHへの結合手を表す。)
双性イオン含有重合体は、双性イオン含有重合性単量体を重合して得ることができる。また、双性イオン構造を導入可能な構造を有する重合性単量体を重合し、得られる重合体にサルトン化合物等を作用させ、双性イオン含有重合体を得ることもできる。また、これらの重合体を合成する際に、双性イオン含有重合性単量体あるいは双性イオン構造を導入可能な構造を有する重合性単量体に加えて、これらと共重合可能な他の単量体を共重合してもよい。
まず、前者の双性イオン含有重合性単量体を重合して双性イオン含有重合体を得る場合について説明する。双性イオン含有重合体の合成に用いる双性イオン含有重合性単量体とは、分子内に重合性炭素−炭素二重結合と、前記分極構造とを有する化合物をいう。
本発明において、双性イオン含有重合性単量体は、目的の双性イオン含有重合体に合わせて適宜決定することができる。例えば、上記式(1)で示される繰り返し単位を有する双性イオン含有重合体は、下記式(1a)で示される双性イオン含有重合性単量体を用いて合成できる。なお、下記式(1a)の双性イオン含有重合性単量体における第4級アンモニウム部位(N)を、前記式(11)〜(14)の構造に置換した双性イオン含有重合性単量体を用いることもできる。
Figure 2019189069
式(1a)中、R、R、R、A、およびmは、それぞれ前記と同じ意味を表す。
式(1a)で示される双性イオン含有重合性単量体の合成方法は特に限定されない。例えば、下記式に示すように、式(1a)で示される双性イオン含有重合性単量体は、対応するアミン化合物(1b)とサルトン化合物(1c)とを反応させることにより得られる。
Figure 2019189069
(上記式中、R〜R、Aは、前記と同じ意味を表し、pは(m−2)である。)
アミン化合物(1b)は、公知の方法で製造し、入手することができる。
また、上記アミン化合物(1b)において、アミン部位(NR)を、下記式(15)〜(18)に示す、双性イオン導入可能な構造に置換した化合物を用いることもできる。
Figure 2019189069
(式中、R10〜R24は、前記と同じ意味を表す。ただし、R10またはR11の何れか一方の原子または基は、存在しないラジカル状態であり前記A1への結合手を表す。R12〜R16のいずれか1つの原子または基は、存在しないラジカル状態であり前記A1への結合手を表す。R17〜R21のいずれか1つの原子または基は、存在しないラジカル状態であり前記A1への結合手を表す。R22〜R24のいずれか1つの原子または基は存在せず、ラジカル状態であり前記A1への結合手を表す。)
前記サルトン化合物(1c)としては、1,2−エタンサルトン、1,3−プロパンサルトン、1,4−ブタンサルトン、2,4−ブタンサルトン、1,5−ペンタンサルトンが挙げられる。これらは、公知化合物であり、公知の方法で製造し、入手することができ、市販品を用いることもできる。
アミン化合物(1b)とサルトン化合物(1c)との反応において、サルトン化合物(1c)の使用量は、アミン化合物(1b)に対して、好ましくは0.8〜1.2当量、より好ましくは0.9〜1.1当量である。サルトン化合物(1c)の使用量を上記範囲にすることで、未反応物を除去する工程を省略したり、除去にかかる時間を短縮できる。
アミン化合物(1b)とサルトン化合物(1c)との反応は、無溶媒で行ってもよいし、不活性溶媒の存在下に行ってもよい。
用いる不活性溶媒としては、テトラヒドロフラン、ジグライム等のエーテル系溶媒;アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒;クロロホルム等のハロゲン化炭化水素系溶媒;等が挙げられる。
不活性溶媒を用いる場合、その使用量は特に制限されないが、アミン化合物(1b)1質量部に対して、通常1〜100質量部である。
反応温度は、特に限定されないが、通常、0〜200℃、好ましくは10〜100℃、より好ましくは20〜60℃の範囲である。また、常圧(大気圧)下で反応を実施してもよいし、加圧条件下で反応を実施してもよい。
反応時間は、特に限定されないが、通常、12〜332時間、好ましくは24〜168時間である。反応は、酸素による酸化や、空気中の水分によるサルトン化合物(1c)の加水分解による収率の低下を防ぐ観点から、窒素ガス、アルゴンガス等の不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。反応の進行は、ガスクロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィー、薄層クロマトグラフィー、NMR、IR等の通常の分析手段により確認できる。
反応終了後、有機合成化学における通常の後処理操作を行い、所望により、再結晶、カラムクロマトグラフィー等の公知の精製方法により精製して、目的とする双性イオン含有重合性単量体を単離できる。また、本発明においては、双性イオン含有重合性単量体として市販品を用いてもよい。また、前記アミン化合物(1b)のアミンを、式(15)〜(18)の双性イオン構造を導入可能な構造に置換した化合物についても、上記アミン化合物(1b)を用いた場合と同様にして、サルトン化合物(1c)と反応させることで、双性イオン含有重合性単量体が得られる。
双性イオン含有重合体の合成方法は特に限定されない。例えば、ラジカル重合開始剤の存在下、双性イオン含有重合性単量体および必要に応じ、双性イオン含有重合性単量体と共重合可能な単量体を含む単量体混合物の重合反応を行うことにより、双性イオン含有重合体を合成することができる。
ラジカル重合開始剤としては、有機過酸化物やアゾ系化合物等が挙げられる。
有機過酸化物としては、ラウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド類;1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン等のパーオキシケタール類;ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート等のパーオキシジカーボネート類;t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソブチレート等のパーオキシエステル類等が挙げられる。
アゾ系化合物としては、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル、2,2'−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1'−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル)、ジメチル2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、4,4'−アゾビス(4−シアノバレリック酸)、2,2'−アゾビス(2−ヒドロキシメチルプロピオニトリル)、2,2'−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]等が挙げられる。
これらは1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
ラジカル重合開始剤の使用量は、重合反応に用いる単量体1モル(ただし共重合体の場合は、単量体合計モル)に対し、通常0.0001〜0.1000モル、好ましくは0.0005〜0.0050モルである。
ラジカル重合反応の条件は、目的の重合反応が進行する限り特に限定されない。加熱温度は、通常、40〜150℃であり、反応時間は、1分〜24時間の範囲で適宜設定できる。
得られた反応液は、そのまま粘着性組成物の調製に用いてもよいし、常法に従って、双性イオン含有重合体を単離、精製してもよい。
また、前記のとおり、双性イオン含有重合体は、双性イオン構造を導入可能な構造を有する重合性単量体を重合し、得られる重合体にサルトン化合物等を作用させて得ることもできる。
双性イオン構造を導入可能な構造としては、たとえばアミノ基、窒素含有複素環、ホスフィン等が挙げられる。双性イオン構造を導入可能な構造を有する重合性単量体としては、前記したアミン化合物(1b)が好ましく用いられる。アミン化合物(1b)の重合は、前記双性イオン含有重合性単量体の重合と同様の条件で行うことができ、重合の際に必要に応じ、アミン化合物(1b)と共重合可能な単量体を含む単量体混合物の重合反応を行うことにより、双性イオン構造を導入可能な構造を有する重合体を合成することができる。上記アミン化合物(1b)に代えて、該アミン化合物(1b)のアミン部位(NR)を、前記式(15)〜(18)の双性イオン構造を導入可能な構造に置換した化合物を用いることもできる。
次いで、得られた重合体の双性イオン構造を導入可能な構造に、前記サルトン化合物(1c)を反応させることで、双性イオン含有重合体が得られる。双性イオン構造を導入可能な構造とサルトン化合物との反応は、前記アミン化合物(1b)とサルトン化合物(1c)との反応と同様の条件で行うことができる。
双性イオン含有重合体は、双性イオン構造を含有する繰り返し単位(双性イオン含有単位)に加え、他の単量体から導かれる繰り返し単位を含んでいても良い。他の単量体単位を共存させることで、粘着剤層の粘弾性の制御が容易になる。双性イオン含有重合体中の双性イオン含有単位の割合は、双性イオン含有重合体の全量を基準として、100質量%以下であり、好ましくは30質量%以下、さらに好ましくは15質量%以下であり、特に好ましくは0.1〜10質量%であり、最も好ましくは0.5〜5.0質量%である。双性イオン含有重合体中の双性イオン含有単位の割合が少なすぎると、粘着性組成物の特性において、双性イオン含有単位に由来する特性が発現されにくくなり、凹凸面への埋め込み性が低下し、また端部外観不良となる場合がある。また、双性イオン含有単位の割合が多すぎると、十分な粘着性が得られないことがある。
双性イオン含有重合性単量体あるいは双性イオン構造を導入可能な構造を有する重合性単量体と共重合可能な他の単量体から導かれる繰り返し単位としては、(メタ)アクリル酸エステル由来の繰り返し単位、(メタ)アクリル酸由来の繰り返し単位、(メタ)アクリルアミド由来の繰り返し単位等の(メタ)アクリル系単量体由来の繰り返し単位;マレイン酸由来の繰り返し単位等のカルボキシ基含有単量体由来の繰り返し単位;等が挙げられる。これらの中でも、双性イオン含有重合体は、(メタ)アクリル系単量体由来の繰り返し単位を含むアクリル系重合体であることが好ましい。(メタ)アクリル系単量体由来繰り返し単位の割合は、双性イオン含有重合体の全量を基準として、0質量%以上であり、好ましくは70質量%以上、さらに好ましくは85質量%以上であり、特に好ましくは90〜99.9質量%であり、最も好ましくは95〜99.5質量%である。
(メタ)アクリル酸エステルとしては、アルキル(メタ)アクリレートが好ましい。アルキル(メタ)アクリレートとしては、アルキル基の炭素数が1〜20のものが挙げられ、アルキル基は直鎖であってもよいし、分岐であってもよい。アルキル(メタ)アクリレートの具体例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)メタクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。アルキル(メタ)アクリレートは、単独でまたは2種以上組み合わせて用いてもよい。
また、粘着性組成物の粘着力を向上させる観点から、アルキル基の炭素数が4以上であるアルキル(メタ)アクリレート由来の繰り返し単位を含むことが好ましい。該アルキル(メタ)アクリレートの炭素数としては、好ましくは4〜12、更に好ましくは4〜6である。また、アルキル基の炭素数が4以上であるアルキル(メタ)アクリレートは、アルキルアクリレートであることが好ましい。
双性イオン含有重合体において、アルキル基の炭素数が4以上であるアルキル(メタ)アクリレート由来の繰り返し単位の割合は、双性イオン含有重合体の全量を基準として、好ましくは40〜98質量%、より好ましくは45〜95質量%、更に好ましくは50〜90質量%である。
双性イオン含有重合体は、アルキル基の炭素数が4以上であるアルキル(メタ)アクレート由来の繰り返し単位に加えて、粘着性組成物の弾性率や粘着特性を調整するために、アルキル基の炭素数が1〜3であるアルキル(メタ)アクリレート由来の繰り返し単位を含む共重合体であってもよい。なお、該アルキル(メタ)アクリレートは、炭素数1または2のアルキル(メタ)アクリレートであることが好ましく、メチル(メタ)アクリレートがより好ましく、メチルメタクリレートが最も好ましい。双性イオン含有重合体において、アルキル基の炭素数が1〜3であるアルキル(メタ)アクリレート由来の繰り返し単位の割合は、双性イオン含有重合体の全量を基準として、好ましくは0〜30質量%、より好ましくは0〜26質量%、更に好ましくは0〜22質量%である。
双性イオン含有重合体は、上記したアルキル(メタ)アクリレート由来の繰り返し単位に加えて、官能基含有単量体由来の繰り返し単位を有していてもよい。官能基含有単量体の官能基としては、水酸基、カルボキシ基、アミノ基、エポキシ基等が挙げられる。官能基含有単量体は、後述の架橋剤と反応し、架橋起点となったり、不飽和基含有化合物と反応して、双性イオン含有重合体の側鎖に不飽和基を導入させたりすることが可能である。
官能基含有単量体としては、水酸基含有単量体、カルボキシ基含有単量体、アミノ基含有単量体、エポキシ基含有単量体等が挙げられる。これらの単量体は、単独でまたは2種以上組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、水酸基含有単量体、カルボキシ基含有単量体が好ましく、水酸基含有単量体がより好ましい。
水酸基含有単量体としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート;ビニルアルコール、アリルアルコール等の不飽和アルコール等が挙げられる。
カルボキシ基含有単量体としては、例えば、クロトン酸等のエチレン性不飽和モノカルボン酸;フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸等のエチレン性不飽和ジカルボン酸およびその無水物、2−カルボキシエチルメタクリレート等が挙げられる。
官能基含有単量体由来の繰り返し単位の割合は、双性イオン含有重合体の全量を基準として、70質量%以下であり、好ましくは50質量%以下である。
また、双性イオン含有重合体は、上記以外にも、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、蟻酸ビニル、酢酸ビニル、アクリロニトリル、アクリルアミド等の上記のアクリル系単量体と共重合可能な単量体由来の繰り返し単位を含んでもよい。
得られる双性イオン含有重合体のガラス転移温度(Tg)は、好ましくは−60〜−20℃であり、さらに好ましくは−50〜−22℃である。双性イオン含有重合体のTgとは、双性イオン含有重合体からなる試料の周波数1Hzでの動的粘弾性測定において、−60〜50℃の領域で損失正接(tanδ)が最大値を示す温度を指す。双性イオン含有重合体のTgが低すぎると、糊残りが発生しやすくなる。またTgが高すぎると回路面の凹凸への埋め込み性が低下することがある。
双性イオン含有重合体のガラス転移温度は、たとえばアルキル基の炭素数が4以上であるアルキル(メタ)アクリレート由来の繰り返し単位の割合を増大すると、低下する傾向にある。
また、双性イオン含有重合体の質量平均分子量(Mw)は、好ましくは1万〜30万であり、さらに好ましくは2万〜20万である。なお、本明細書において、質量平均分子量とは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法により測定した標準ポリスチレン換算の値である。双性イオン含有重合体のMwが低すぎると、糊残りが発生しやすくなる。またMwが高すぎると回路面の凹凸への埋め込み性が低下することがある。
双性イオン含有重合体の質量平均分子量は、たとえば双性イオン含有重合体の製造時に使用するラジカル重合開始剤を増大すると、低下する傾向にある。また、重合反応時間を長くすると、質量平均分子量は増大する傾向にある。重合反応温度を上昇させると質量平均分子量は低下する傾向にある。
また、双性イオン含有重合体の分子量分布(Mw/Mn、Mnは数平均分子量)は、好ましくは15以下であり、さらに好ましくは2〜11である。双性イオン含有重合体の分子量分布が広すぎると、糊残りが発生しやすくなる。
双性イオン含有重合体の分子量分布は、たとえば双性イオン含有重合体をリビングラジカル法により調製することで、狭くできる。リビングラジカル法では、ラジカル重合開始剤として、たとえばテルル含有化合物を用いる。また原子移動ラジカル重合(Atom Transfer Radical Polymerization:ATRP)、可逆的付加-開裂連鎖移動重合(Reversible Addition/ Fragmentation Chain Transfer Polymerization:RAFT)などの重合法により、分子量分布を狭くすることもできる。
(粘着性組成物)
本発明の粘着性組成物は、双性イオン含有重合体を含む。双性イオン含有重合体は1種単独で用いても良く、2種以上を組み合わせて用いても良い。粘着性組成物は、双性イオン含有重合体のみから形成されていてもよく、また双性イオン含有重合体以外の成分を含んでいても良い。本発明の粘着性組成物における双性イオン含有重合体の割合は、粘着性組成物の全量を基準として、好ましくは80質量%以上、より好ましくは85質量%以上、更に好ましくは90質量%以上である。
本発明の粘着性組成物には、双性イオン含有重合体に加えて、たとえばエネルギー線硬化性化合物、架橋剤、光重合開始剤、双性イオン含有重合体以外の粘着性重合体、その他の添加剤が含まれていても良い。
(エネルギー線硬化性化合物)
エネルギー線硬化性化合物としては、分子内に不飽和基を有し、エネルギー線照射により重合硬化可能な単量体またはオリゴマーが好ましい。
このようなエネルギー線硬化性化合物としては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトール(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,4−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−へキサンジオール(メタ)アクリレート等の多価(メタ)アクリレート単量体、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート等のオリゴマーが挙げられる。
これらの中でも、比較的分子量が高く、粘着剤層の弾性率を低下させにくい観点から、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーが好ましい。
エネルギー線硬化性化合物の分子量(オリゴマーの場合は質量平均分子量)は、好ましくは100〜12000、より好ましくは200〜10000、更に好ましくは400〜8000、特に好ましくは600〜6000である。
粘着性組成物にエネルギー線硬化性化合物を用いる場合、その配合割合は、粘着性組成物の全量を基準として、好ましくは1〜99質量%、より好ましくは10〜85質量%、更に好ましくは20〜80質量%である。
(架橋剤)
粘着性組成物は、さらに架橋剤を含有してもよい。架橋剤は、例えば双性イオン含有重合体が有する官能基含有単量体由来の官能基に反応して、双性イオン含有重合体同士を架橋するものである。架橋剤としては、例えば、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等、およびそれらのアダクト体等のイソシアネート系架橋剤;エチレングリコールグリシジルエーテル、1,3−ビス(N,N’−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン等のエポキシ系架橋剤;ヘキサ〔1−(2−メチル)−アジリジニル〕トリフオスファトリアジン等のアジリジン系架橋剤;アルミニウムキレート等のキレート系架橋剤;等が挙げられる。これらの架橋剤は、単独でまたは2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらの中でも、凝集力を高めて粘着力を向上させる観点、および入手し易さ等の観点から、イソシアネート系架橋剤が好ましい。
粘着性組成物に架橋剤を用いる場合、その配合割合は、架橋反応を促進させる観点から、粘着性組成物の全量を基準として、好ましくは0.01〜20質量%、より好ましくは0.05〜15質量%、更に好ましくは0.1〜10質量%である。
(光重合開始剤)
また、粘着性組成物がエネルギー線硬化性である場合には、粘着性組成物は、さらに光重合開始剤を含有することが好ましい。光重合開始剤を含有することで、紫外線等の比較的低エネルギーのエネルギー線でも、粘着性組成物の硬化反応を十分に進行させることができる。
光重合開始剤としては、例えば、ベンゾイン化合物、アセトフェノン化合物、アシルフォスフィノキサイド化合物、チタノセン化合物、チオキサントン化合物、パーオキサイド化合物、さらには、アミンやキノン等の光増感剤等が挙げられ、より具体的には、例えば、1−ヒドロキシシクロへキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンジルフェニルサルファイド、テトラメチルチウラムモノサルファイド、アゾビスイソブチロルニトリル、ジベンジル、ジアセチル、8−クロールアンスラキノン、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキシド等が挙げられる。
これらの光重合開始剤は、単独でまたは2種以上を組み合わせて用いてもよい。
光重合開始剤を用いる場合、その配合割合は、エネルギー線硬化性成分の全量を基準として、好ましくは0.1〜10質量%、より好ましくは0.3〜8.0質量%、更に好ましくは0.5〜5質量%である。
(その他の粘着性重合体)
粘着性組成物には、双性イオン含有重合体に加えて、双性イオン含有重合体以外の粘着性重合体が配合されていてもよい。このような粘着性重合体としては、粘着剤の主材として汎用されている、双性イオン構造を有しないアクリル系粘着性重合体、ウレタン系粘着性重合体、ゴム系粘着性重合体、シリコーン系粘着性重合体等が挙げられる。特に、双性イオン含有重合体として、双性イオン含有アクリル系重合体を用いる場合には、相溶性、親和性の観点から、アクリル系粘着剤が好ましい。
これらの粘着性重合体は、単独でまたは2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(その他の添加剤)
粘着性組成物は、本発明の効果を損なわない範囲において、その他の添加剤を含有してもよい。その他の添加剤としては、例えば、帯電防止剤、酸化防止剤、粘着付与剤、軟化剤(可塑剤)、充填剤、防錆剤、顔料、染料等が挙げられる。
また、粘着性組成物は、基材や剥離フィルムへの塗布性を向上させる観点から、更に有機溶媒で希釈して、粘着性組成物の溶液の形態としてもよい。
有機溶媒としては、例えば、メチルエチルケトン、アセトン、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、シクロヘキサン、n−ヘキサン、トルエン、キシレン、n−プロパノール、イソプロパノール等が挙げられる。
なお、これらの有機溶媒は、粘着性組成物の合成時に使用された有機溶媒をそのまま用いてもよいし、該粘着性組成物の溶液を均一に塗布できるように、合成時に使用された有機溶媒以外の1種以上の有機溶媒を加えてもよい。
(粘着性組成物の粘弾性)
上記の粘着性組成物は、特定の双性イオン含有重合体を含み、好ましくは以下の粘弾性挙動を満足する。なお、粘着性組成物の粘弾性は、固形成分に基づくものであり、粘着性組成物が溶液形態の場合には、溶液を乾燥して得られる粘着性物質の粘弾性を意味する。また、粘着性組成物が、双性イオン含有重合体のみからなる場合には、双性イオン含有重合体そのものの性質を意味している。なお、粘着性組成物がエネルギー線硬化性である場合には、下記物性は、エネルギー線照射により粘着性組成物を硬化させる前の物性を指す。
粘着性組成物の23℃における貯蔵弾性率G’(23)は、好ましくは1.0×10Pa以上であり、さらに好ましくは1.2×10Pa以上であり、より好ましくは1.3×10〜8.0×10Paであり、特に好ましくは1.7×10〜7.0×10Paである。
粘着性組成物の貯蔵弾性率G’(23)が上記範囲にあれば、常温〜40℃程度での流動性が抑制される。この結果、粘着テープをロール状の形態で保管、搬送しても、粘着性組成物がロール端面から漏出することがなく、ロール端部の外観を良好に維持できる。
粘着性組成物の貯蔵弾性率G’(23)は、たとえば双性イオン含有重合体の単量体組成によって制御でき、アルキル基の炭素数が4以上であるアルキル(メタ)アクリレート由来の繰り返し単位の含有量が増加すると、貯蔵弾性率G’(23)は低下する傾向にある。また、
双性イオン含有単位の含有量が増加すると、23℃近傍では、双性イオン構造同士の会合により比較的硬質な構造が形成されると考えられる。これは双性イオン構造の負電荷部位と、他の双性イオン構造の正電荷部位との間でイオン結合が生成するためと考えられる。この結果、貯蔵弾性率G’(23)は増加する傾向にある。
粘着性組成物の50℃における貯蔵弾性率G’(50)は、好ましくは2.5×10Pa以下であり、さらに好ましくは2.4×10Pa以下であり、より好ましくは7.0×10〜2.3×10Paであり、特に好ましくは8.0×10〜2.2×10Paである。
粘着性組成物の貯蔵弾性率G’(50)が上記範囲にあれば、粘着テープを40〜60℃程度に加温して貼付する際に、適度な流動性が得られ、半導体ウエハ表面の凹凸への埋め込み性が向上する。
粘着性組成物の貯蔵弾性率G’(50)は、たとえば双性イオン含有重合体の単量体組成によっても制御でき、アルキル基の炭素数が4以上であるアルキル(メタ)アクリレート由来の繰り返し単位の含有量が増加すると、貯蔵弾性率G’(50)は低下する傾向にある。また、双性イオン含有単位の含有量が増加すると、50℃近傍では、双性イオン構造同士の会合により比較的硬質な構造が形成されると考えられる。これは双性イオン構造の負電荷部位と、他の双性イオン構造の正電荷部位との間でイオン結合が生成するためと考えられる。この結果、貯蔵弾性率G’(50)は増加する傾向にある。
粘着性組成物の60℃における動的粘弾性のtanδ(以下、「tanδ(60)」と記載することがある)は、好ましくは0.5以上であり、さらに好ましくは0.51以上であり、より好ましくは0.52〜0.8であり、特に好ましくは0.53〜0.75である。
粘着性組成物のtanδは、粘着性組成物から所定形状の試料を得て、この試料に周波数1Hzのひずみを与え、各測定温度での貯蔵弾性率G’および損失弾性率G’’を測定し、それらの値から60℃における損失正接tanδ(G’’/G’)を算出してtanδ(60)が得られる。
tanδ(60)が上記範囲にあることで、一旦変形した粘着剤層もしくは中間層が、変形後の形状を維持する傾向が高くなる。この結果、半導体ウエハ表面の凹凸へ埋め込まれた粘着剤層もしくは中間層が、その形状を維持するため、ウエハ表面への切削水の浸入が阻止され、回路の汚染、破損を低減できる。
tanδ(60)は、たとえば双性イオン含有重合体の単量体組成によって制御でき、双性イオン含有単位の含有量が増加すると、60℃近傍では双性イオン構造同士の会合部位の開裂にエネルギーが消費され、損失弾性率G’’が増大するためと考えられる。この結果、粘着テープの加温時に粘着剤層もしくは中間層の変形が維持され、切削水による回路面の汚染、破損を低減できる。
粘着性組成物の23℃における貯蔵弾性率G’(23)に対する、60℃における貯蔵弾性率G’(60)の比、G’(60)/G’(23)、は好ましくは0.1〜0.7であり、さらに好ましくは0.2〜0.6であり、より好ましくは0.21〜0.45であり、特に好ましくは0.23〜0.41である。
G’(60)/G’(23)が上記範囲にあると、粘着剤層もしくは中間層を加温しても過度に流動化しないため、回路面の微細構造に粘着性組成物が侵入しない。このため、所定の工程が終了後に粘着テープを剥離しても、回路面の微細構造に粘着性組成物が残着することはない。
粘着性組成物のG’(60)/G’(23)は、たとえば双性イオン含有重合体の単量体組成によって制御でき、アルキル基の炭素数が4以上であるアルキル(メタ)アクリレート由来の繰り返し単位の含有量が増加すると、貯蔵弾性率G’(23)は低下する傾向にある。また、双性イオン含有単位の含有量が増加すると、貯蔵弾性率G’(23)は増加する傾向にある。
アルキル基の炭素数が4以上であるアルキル(メタ)アクリレート由来の繰り返し単位の含有量が増加すると、貯蔵弾性率G’(60)は低下する傾向にある。双性イオン含有単位の含有量は貯蔵弾性率G’(60)に対する影響は大きくないが、60℃近傍でも双性イオン構造同士の会合部位が部分的に残るため、貯蔵弾性率G’(60)の過度の低下は抑制される。
また、粘着性組成物は、動的粘弾性のtanδの極大値を複数、好ましくは二つ有する。粘着性組成物の主成分である双性イオン含有重合体には、通常の粘着性重合体に相当する部位と、双性イオン含有単位に由来する部位とが共存する。両者の粘弾性挙動は異なるため、tanδの極大値が複数出現すると考えられる。
好ましい態様では、低温側のtanδの極大値は、−50〜0℃の範囲に現れ、高温側のtanδの極大値は、10〜60℃の範囲に現れる。
低温側にtanδの極大値を有することから、常温時の粘着力、特に初期粘着力に優れる。
また、高温側にtanδの極大値を有することから、粘着テープを40〜60℃程度に加温し、半導体ウエハ表面の凹凸に粘着剤を埋め込んだ後に、粘着剤層の変形が維持され、切削水による回路面の汚染、破損を低減できる。
tanδの極大値が現れる温度は、たとえば双性イオン含有重合体の単量体組成によって制御でき、双性イオン含有単位の含有量が増加すると、tanδの極大値が現れる温度は、低温側ピーク、高温側ピークともに高温側にシフトする。
したがって、双性イオン含有重合体の単量体組成を制御することで、所望の貼付温度における良好な埋め込み性、形状維持性を達成できる。
(粘着テープ)
本発明に係る粘着テープは、上記粘着性組成物を含む粘着剤層または中間層を有する。粘着テープの用途は特に限定はされないが、例えば、バックグラインドテープ、ダイシングテープ、ピックアップ後のチップを移し替えるためのテープなどとして用いることができる。なお、粘着テープは、貼付される対象の形状に合わせて予めカットされていてもよい。たとえば、半導体ウエハの裏面研削に使用する場合には、半導体ウエハの形状に切断されていてもよい。またダイシングテープとして使用する場合には、リングフレームの形状に合わせてカットされていてもよい。以下、バックグラインドテープ(半導体ウエハ表面保護テープ)あるいはダイシングテープとして使用される場合を中心に説明する。
以下、上記粘着性組成物を含む粘着剤層を有する粘着テープを第1形態とし、また上記粘着性組成物を含む中間層を有する粘着テープを第2形態として説明する。
(第1形態に係る粘着テープ)
第1形態に係る粘着テープは、基材と粘着剤層とを含み、粘着剤層が上記粘着性組成物を含むことを特徴としている。
(基材)
第1形態に係る粘着テープの基材は、粘着テープがダイシング工程やバックグラインド工程などの所望の工程において適切に機能できる限り、その構成材料は特に限定されず、通常は樹脂系の材料を主材とするフィルムから構成される。そのフィルムの具体例として、エチレン−酢酸ビニル共重合体フィルム、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体フィルム、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体フィルム等のエチレン系共重合体フィルム;低密度ポリエチレン(LDPE)フィルム、直鎖低密度ポリエチレン(LLDPE)フィルム、高密度ポリエチレン(HDPE)フィルム等のポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリブテンフィルム、ポリブタジエンフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、エチレン−ノルボルネン共重合体フィルム、ノルボルネン樹脂フィルム等のポリオレフィン系フィルム;ポリ塩化ビニルフィルム、塩化ビニル共重合体フィルム等のポリ塩化ビニル系フィルム;ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム等のポリエステル系フィルム;ポリウレタンフィルム;ポリイミドフィルム;ポリスチレンフィルム;ポリカーボネートフィルム;フッ素樹脂フィルムなどが挙げられる。またこれらの架橋フィルム、アイオノマーフィルムのような変性フィルムも用いられる。上記の基材はこれらの1種からなるフィルムでもよいし、さらにこれらを2種類以上組み合わせた積層フィルムであってもよい。
基材を構成するフィルムは、エチレン系共重合体フィルムおよびポリオレフィン系フィルムの少なくとも一種を備えることが好ましい。エチレン系共重合体フィルムは共重合比を変えることなどによりその機械特性を広範な範囲で制御することが容易である。このため、エチレン系共重合体フィルムを備える基材は本実施形態に係る粘着テープの基材として求められる機械特性を満たし易い。また、エチレン系共重合体フィルムは粘着剤層に対する密着性が比較的高いため、粘着テープとして使用した際に基材と粘着剤層との界面での剥離が生じ難い。
ここで、ポリ塩化ビニル系フィルムなどの一部のフィルムには、粘着テープとしての特性に悪影響を及ぼす成分を多く含むものがある。例えば、ポリ塩化ビニル系フィルムなどでは、当該フィルムに含有される可塑剤が基材から粘着剤層へと移行し、さらに粘着剤層の基材に対向する側と反対側の面に分布して、粘着剤層のワーク(半導体ウエハやチップなど)に対する粘着性を低下させる場合がある。しかし、エチレン系共重合体フィルムおよびポリオレフィン系フィルムは、粘着テープとしての特性に悪影響を及ぼす成分の含有量が少ないため、粘着剤層のワークに対する粘着性が低下するなどの問題が生じ難い。すなわち、エチレン系共重合体フィルムおよびポリオレフィン系フィルムは化学的な安定性に優れる。
基材には、上記の樹脂系材料を主材とするフィルム内に、顔料等の着色剤、難燃剤、可塑剤、帯電防止剤、滑剤、フィラー等の各種添加剤が含まれていてもよい。顔料としては、例えば、二酸化チタン、カーボンブラック等が挙げられる。また、フィラーとしては、メラミン樹脂のような有機系材料、ヒュームドシリカのような無機系材料およびニッケル粒子のような金属系材料が例示される。こうした添加剤の含有量は特に限定されないが、基材が所望の機能を発揮し、平滑性や柔軟性を失わない範囲に留めるべきである。
粘着剤層がエネルギー線硬化性の場合には、基材は紫外線や電子線などの所定のエネルギー線に対して透過性を有していることが好ましい。
また、基材の粘着剤層側の面(以下「基材被着面」ともいう。)には、粘着剤層との密着性を向上するために、コロナ処理が施されていたり、プライマー層が設けられていたりしてもよい。また、基材の基材被着面と反対側の面には各種の塗膜が設けられていてもよい。
基材の厚さは、粘着テープが所望の工程において適切に機能できる限り、限定されない。好ましくは20〜450μm、より好ましくは25〜400μm、特に好ましくは50〜350μmの範囲である。
(粘着剤層)
基材の片面には、前記粘着性組成物を含む粘着剤層が形成されている。粘着テープをダイシングテープとして使用する場合には、粘着剤層の厚さは、5〜50μmであることが好ましく、特に7〜40μmであることが好ましく、さらには10〜20μmであることが好ましい。粘着剤層の厚さが5μm未満であると、粘着剤層の粘着性のばらつきが大きくなるといった問題が生じるおそれがある。
粘着テープをバックグラインドテープとして使用する場合には、粘着剤層は、半導体ウエハ表面の凹凸を埋め込むことができる厚さを有していればよい。したがって、粘着テープが、バンプが設けられた半導体ウエハの表面に貼付される場合には、粘着剤層の厚さは、バンプの高さより大きければよい。具体的には、粘着剤層の厚さは、バンプの高さの1.0倍以上であることが好ましく、1.2〜3倍であることがより好ましく、1.4〜2倍であることがさらに好ましい。なお、ここでいうバンプの高さとは、半導体ウエハに設けられたバンプ高さの最大値をいう。またこの際の粘着剤層の厚さは、具体的には、20〜300μmであることが好ましく、30〜200μmがより好ましく、40〜150μmであることがさらに好ましい。
(その他)
また、上記の基材と粘着剤層との間には、種々の軟質重合体からなる中間層が設けられていても良い。第1形態における中間層の構成は任意であり、必ずしも設ける必要は無い。たとえば、粘着性組成物の主成分として、双性イオン含有アクリル系重合体を用いる場合には、中間層をアクリル系軟質重合体で構成することが好ましい。このような中間層を設けることで、粘着剤層と中間層との間の密着性が向上し、層間剥離を防止できる。中間層を設ける場合には、粘着剤層の厚さはバンプ高さより小さくてもよい。すなわち、中間層と粘着剤層の二層で半導体ウエハ表面の凹凸を埋め込むことが出来ればよい。この際の中間層の厚さは30〜500μmであることが好ましく、50〜300μmがより好ましく、80〜250μmであることがさらに好ましい。
また、中間層と積層される粘着剤層の厚さは5〜50μmであることが好ましく、特に7〜40μmであることが好ましく、さらには10〜20μmであることが好ましい。
また、粘着テープは、ワークに粘着剤層を貼付するまでの間、粘着剤層を保護する目的で、粘着剤層の基材側の面と反対側の面に、剥離フィルムが積層されていてもよい。剥離フィルムの構成は任意であり、プラスチックフィルムを剥離剤等により剥離処理したものが例示される。プラスチックフィルムの具体例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルフィルム、およびポリプロピレンやポリエチレン等のポリオレフィンフィルムが挙げられる。剥離剤としては、シリコーン系、フッ素系、長鎖アルキル系等を用いることができるが、これらの中で、安価で安定した性能が得られるシリコーン系が好ましい。剥離フィルムの厚さについては特に制限はないが、通常20〜250μm程度である。
(第2形態に係る粘着テープ)
第2形態に係る粘着テープは、基材と粘着剤層と、これらの間に設けられた中間層とを含み、中間層が上記粘着性組成物を含むことを特徴としている。この形態の粘着テープは、特にバックグラインドテープとして好ましく用いられる。
基材は前記第1形態について説明したものと同様であり、基材の中間層側の面(基材被着面)には、前記と同様の処理が施されていても良い。
(中間層)
基材の片面には、前記粘着性組成物を含む中間層が形成されている。粘着テープをバックグラインドテープとして使用する場合には、粘着剤層と中間層との合計厚みは、半導体ウエハ表面の凹凸を埋め込むことができる厚さを有していればよい。したがって、粘着テープが、バンプが設けられた半導体ウエハの表面に貼付される場合には、粘着剤層と中間層との合計厚みは、バンプの高さより大きければよい。具体的には、合計厚みは、バンプの高さの1.0倍以上であることが好ましく、1.2〜3倍であることがより好ましく、1.4〜2倍であることがさらに好ましい。なお、ここでいうバンプの高さとは、半導体ウエハに設けられたバンプ高さの最大値をいう。またこの際の粘着剤層と中間層との合計厚みは、具体的には、20〜300μmであることが好ましく、30〜200μmがより好ましく、40〜150μmであることがさらに好ましい。
(粘着剤層)
粘着剤は、常温において適度な感圧接着性を有する限り特に限定はされないが、23℃における貯蔵弾性率が0.05〜0.50MPaであるものが好ましい。半導体ウエハの表面には、回路等が形成され通常凹凸がある。粘着テープは、貯蔵弾性率が上記範囲内となることで、凹凸があるウエハ表面に貼付される際、ウエハ表面の凹凸と粘着剤層とを十分に接触させ、かつ粘着剤層の接着性を適切に発揮させることが可能になる。そのため、粘着テープの半導体ウエハへの固定を確実に行い、かつ裏面研削時にウエハ表面を適切に保護することが可能になる。これらの観点から、粘着剤の貯蔵弾性率は、0.10〜0.35MPaであることがより好ましい。なお、粘着剤の貯蔵弾性率とは、粘着剤層がエネルギー線硬化性粘着剤から形成される場合には、エネルギー線照射による硬化前の貯蔵弾性率を意味する。
粘着剤層の厚さは、40μm未満であることが好ましく、5〜35μmがより好ましく、10〜30μmがさらに好ましい。粘着剤層をこのように薄くすると、粘着テープにおいて、剛性の低い部分の割合を少なくすることができるため、研削精度が向上し、裏面研削時に生じる半導体チップの欠けを一層防止しやすくなる。また、半導体ウエハ表面への粘着剤の残着も低減される。
粘着剤層は、例えば、アクリル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤等から形成されるが、アクリル系粘着剤が好ましい。
また、粘着剤層は、エネルギー線硬化性粘着剤から形成されることが好ましい。粘着剤層は、エネルギー線硬化性粘着剤から形成されることで、エネルギー線照射による硬化前には、23℃における弾性率を上記範囲に設定しつつ、硬化後においては剥離力を1000mN/50mm以下に容易に設定できる。
(その他)
第2形態の粘着テープにおいても、第1形態と同様に、ワークに粘着剤層を貼付するまでの間、粘着剤層を保護する目的で、粘着剤層の基材側の面と反対側の面に、剥離フィルムが積層されていてもよい。
(粘着テープの製造方法)
本発明の粘着テープ10の製造方法としては、特に制限はなく、公知の方法により製造できる。例えば、剥離フィルム上に設けた粘着剤層を、基材の片面に貼り合わせ、粘着剤層の表面に剥離フィルムが貼付された第1形態に係る粘着テープを製造することができる。粘着剤層の表面に貼付される剥離フィルムは、粘着テープの使用前に適宜剥離して除去すればよい。
また、剥離フィルム上に設けた中間層を、基材の片面に貼り合わせ、剥離フィルムを剥離した後に、露出した中間層上にさらに、剥離フィルム上に設けた粘着剤層を貼り合わせて、粘着剤層の表面に剥離フィルムが貼付された第2形態に係る粘着テープを製造ができる。粘着剤層の表面に貼付される剥離フィルムは、粘着テープの使用前に適宜剥離して除去すればよい。
剥離フィルム上に粘着剤層または中間層を形成する方法としては、剥離フィルム上に本発明の粘着性組成物を、公知の塗布方法にて、直接塗布して塗布膜から溶媒を揮発させるため加熱乾燥する方法が簡便である。
また、基材の片面に、粘着性組成物を直接塗布して、粘着剤層または中間層を形成してもよい。粘着性組成物の塗布方法としては、スピンコート法、スプレーコート法、バーコート法、ナイフコート法、ロールコート法、ブレードコート法、ダイコート法、グラビアコート法等が挙げられる。
(粘着テープの使用方法)
本発明の粘着テープは、ダイシングテープ、バックグラインドテープとして好ましく用いられる。
ダイシングテープとしては、半導体ウエハ、BGA型パッケージ等のダイシングに好ましく使用することができる。特に、ダイシングテープに接する面の凹凸が大きな半導体ウエハや、BGA型パッケージ用のダイシングテープとして好適である。
ダイシング方法は特に限定はされず、回転丸刃を用いたブレードダイシングであってもよく、またレーザー光を用いたダイシングであってもよい。
次に、本発明の粘着テープを用いたウエハ裏面研削方法を説明する。ウエハの裏面研削においては、表面に回路が形成された半導体ウエハの回路面に粘着テープを貼付して回路面を保護しつつウエハの裏面を研削し、所定厚みのウエハとする。
半導体ウエハはシリコンウエハであってもよく、またガリウム・砒素などの化合物半導体ウエハであってもよい。ウエハ表面への回路の形成はエッチング法、リフトオフ法などの従来より汎用されている方法を含む様々な方法により行うことができる。半導体ウエハの回路形成工程において、所定の回路が形成される。また半導体ウエハの表面にはバンプが形成されていてもよい。このようなウエハの研削前の厚みは特に限定はされないが、通常は500〜1000μm程度である。また、半導体ウエハの表面形状は特に限定はされないが、本発明の粘着テープは、特に回路表面にバンプが形成されたウエハの表面保護に好ましく用いられる。
本発明の粘着テープは、上記のような特異な弾性挙動を示す粘着剤層または中間層を有し、加熱条件下では、バンプの凹凸に充分に追従可能な粘弾性を示す。本発明の粘着テープを貼付する際には、粘着剤層または中間層の貯蔵弾性率が低下した状態で行うことが好ましい。したがって、粘着テープの半導体ウエハへの貼付は、40〜60℃程度の温度で行うことが好ましい。貼付時の温度が高すぎると、中間層や粘着剤層が過度に軟化、流動化し、粘着テープの側面から漏出することがある。
加熱下で粘着テープを貼付すると、バンプが形成されているウエハ面に、粘着剤層または中間層が埋め込まれ、凹凸差を解消する。また、貼付後放冷することで、粘着剤層または中間層の弾性率は回復し、粘着剤層または中間層の弾性率が高くなるため、ウエハを平坦な状態で保持できる。また本発明の粘着テープは、ウエハの表面形状に対する追従性が高く、しかも常態では粘着剤層または中間層が比較的硬質であるため、粘着テープをロール状に巻いても、粘着剤が端部に漏出せず、端部外観不良を低減できる。
裏面研削は粘着テープが貼付されたままグラインダーおよびウエハ固定のための吸着テーブル等を用いた公知の手法により行われる。裏面研削工程の後、研削によって生成した破砕層を除去する処理が行われてもよい。裏面研削後の半導体ウエハの厚みは、特に限定はされないが、好ましくは10〜400μm、特に好ましくは25〜300μm程度である。
裏面研削工程後、回路面から粘着テープを剥離する。本発明の粘着テープによれば、ウエハの裏面研削時にはウエハを確実に保持し、また切削水の回路面への浸入を防止できる。
さらにまた、本発明の粘着テープは、いわゆる先ダイシング法によるバンプ付ウエハのチップ化において好ましく用いられ、具体的には、
半導体ウエハ表面に溝が形成され、または改質領域が形成された半導体ウエハの裏面を研削して、その研削により半導体ウエハを半導体チップに個片化する工程において、
バンプを有する半導体ウエハ表面からそのウエハ厚さよりも浅い切込み深さの溝、または半導体ウエハの表面若しくは裏面から半導体ウエハの内部に改質領域を形成し、
該回路形成面に、上記粘着テープを表面保護テープとして貼付し、
粘着テープが表面に貼付され、かつ前記溝または改質領域が形成された半導体ウエハを、裏面側から研削して、前記溝または改質領域を起点として複数のチップ(チップ集合体)に個片化する、
半導体チップの製造方法に好ましく用いられる。
粘着テープの貼付における好ましい態様は前記と同様である。本発明の粘着テープを用いることで、ウエハ(チップ)と粘着剤層との間に高い密着性が得られるため、回路面への研削水の浸入がなく、チップの汚染を防止できる。
その後、所定の方法でチップのピックアップを行う。また、チップのピックアップに先立ち、チップ集合体を他の粘着テープ(ピックアップテープ)に転写し、その後、チップのピックアップを行ってもよい。
粘着テープの粘着剤層がエネルギー線硬化性の場合には、粘着剤層にエネルギー線を照射して粘着剤層を硬化する。次いで、チップ集合体の裏面側に、ピックアップテープを貼付し、ピックアップが可能なように位置および方向合わせを行う。この際、チップ集合体の外周側に配置したリングフレームもピックアープテープに貼り合わせ、ピックアップテープの外周縁部をリングフレームに固定する。ピックアップテープには、チップ集合体とリングフレームを同時に貼り合わせてもよいし、別々のタイミングで貼り合わせてもよい。次いで、粘着テープのみを剥離し、ピックアップテープ上にチップ集合体を転写する。
その後、必要に応じピックアップテープをエキスパンドしてチップ間隔を離間し、ピックアップテープ上にある個々の半導体チップをピックアップし、基板等の上に固定化して、半導体装置を製造する。
なお、ピックアップテープは、特に限定されないが、例えば、基材と、基材の一方の面に設けられた粘着剤層を備える粘着テープによって構成される。ピックアップテープの粘着力は、剥離時におけるバックグラインドテープの粘着力よりも大きければ良い。またピックアップテープからチップをピックアップする際には粘着力を低減できる性質を有することが好ましい。したがって、ピックアップテープとしては、エネルギー線硬化性粘着テープや発泡性易剥離フィルムが好ましく用いられる。
また、ピックアップテープの代わりに、接着テープを用いることもできる。接着テープとは、フィルム状接着剤と剥離フィルムとの積層体、ダイシングテープとフィルム状接着剤との積層体や、ダイシングテープとダイボンディングテープの両方の機能を有する接着剤層と剥離フィルムとからなるダイシング・ダイボンディングテープ等が挙げられる。また、ピックアップテープを貼付する前に、個片化された半導体ウエハの裏面側にフィルム状接着剤を貼り合わせてもよい。フィルム状接着剤を用いる場合、フィルム状接着剤はウエハと同形状としてもよい。
接着テープを用いる場合やピックアップテープを貼付する前に個片化された半導体ウエハの裏面側にフィルム状接着剤を貼り合わせる場合には、接着テープやピックアップテープ上にある複数の半導体チップは、半導体チップと同形状に分割された接着剤層と共にピックアップされる。そして、半導体チップは接着剤層を介して基板等の上に固定化され、半導体装置が製造される。接着剤層の分割は、レーザーやエキスパンドにより行っても良く、またピックアップ時の張力によって行っても良い。
以上、本発明の粘着テープについて、ダイシングテープ、バックグラインドテープとしての用途について概説したが、本発明の粘着テープの用途は特に限定されず、凹凸表面を有する各種ワークの保持や、一時的な保護に使用できる。
以下、実施例に基づき本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって制限されるものではない。
本発明における測定方法、評価方法は以下のとおりである。
[質量平均分子量(Mw)]
双性イオン含有アクリル系重合体の質量平均分子量(Mw)は、以下の条件にてゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を行って求めた。
カラム:TSKgel SuperAWM−H×2本(6.0mmI.D.×15cml×2本)
カラムロットNo.:S0095,S0096
流量:6.0mL/分
検出器:HLC−8320GPC 内蔵RI検出器/UV−8320(オプション)
検出器条件:RI:Pol(+),Res(0.5s)/UV:λ(280nm).Pol(+),Res(0.5s)
試料濃度:1.0g/L
注入量:40μL
圧力:2.84MPa
カラム温度:40℃
システム温度:40℃
溶離液:10mM LiBr+20mM TEA in DMAc
[弾性率の測定]
実施例および比較例で作製した粘着性組成物について、下記の装置および条件で弾性率を測定した。
試料調製:各粘着性組成物を剥離フィルム上に塗布、乾燥し、別の剥離フィルムと貼り合せた。これにより、剥離フィルム間に厚み40μmの粘着剤層が積層された積層体を得た。この積層体の一方の剥離フィルムを除去し、粘着剤層同士を積層することを繰り返し、厚み2000μmの測定用試料を作製した。
動的弾性率測定装置:ティー・エイ・インスツルメント社製,製品名「ARES」
測定開始温度:−60℃
測定終了温度:120℃
昇温速度:4℃/分
周波数:1Hz
[糊残り評価]
実施例1〜4、比較例1、2で作製した粘着テープを25mm幅の短冊状に切断し、片面がミラー研磨されたシリコンウエハ(直径6インチ)のミラー研磨面に貼付した。粘着テープの貼付は、23℃、50%RH(相対湿度)で、2.5kgローラーで1往復して行った。粘着テープの貼付後、20分静置し、粘着テープを剥離した。剥離は、引張試験機(オリエンテック社製,製品名「テンシロン」)にて剥離速度300mm/分、剥離角度180°で行った。剥離後、ウエハ表面を目視で観察し、糊残りの有無を確認した。
以下の基準で糊残りを判定した。
A:目視糊残り無
B:目視糊残り有
[ダイシング性]
実施例1〜4、比較例1、2で作製した粘着テープを用いてシリコンウエハのダイシングを行い、チップ飛散数をカウントすることで、ダイシング性を評価した。
片面がミラー研磨されたシリコンウエハ(直径6インチ、厚さ200μm)のミラー研磨面に、卓上ラミネーター(FUJiPLA社製、製品名「LPD3226Meister6」)を用い、粘着テープを貼付した。貼付条件は、温度23℃、貼付速度0.4m/分とした。
シリコンウエハに粘着テープを貼付した状態で、シリコンウエハを10mm×10mmの大きさにダイシングしてチップとした。ダイシング装置(ディスコ社製、製品名「DFD−6361」)を使用し、ブレード回転数を4500rpm、切断速度を50mm/秒とした。
ダイシング後の正方形チップが粘着テープ上から剥離した場合に剥離したチップ数をカウントした。この際、製品とはならないウエハ端部のチップ(三角チップ)は飛散数には含めない。評価は正方形チップ全数に対して行った。以下の基準でダイシング性を判定した。
A:チップ飛散数3個未満
B:チップ飛散数3個以上10個未満
C:チップ飛散数10個以上
[埋め込み性評価(小バンプ用)]
実施例5〜8、比較例3、4で作製した粘着テープを用いて、埋め込み性評価を行った。
Cu製ピラー高さ10μm、ピッチ30〜100μm、平面視における直径42μmのピラー付きのウエハ(Waltz社製、8インチウエハ、ウエハ材質Si)に実施例5〜8および比較例3、4で作製した粘着テープを、リンテック株式会社製ラミネーター「RAD−3510F/12」を用いて貼付した。なお、貼付する際、装置のラミネートテーブルの温度を23℃とし、ラミネートローラを60℃に設定し、ローラ圧力を0.3MPa、貼付速度を10mm/秒とした。
ラミネート後、デジタル顕微鏡(株式会社キーエンス製、製品名「VHX−1000」)を用いて基材側からバンプ周辺に生じた円形の空隙の直径を測定し、以下の基準で埋め込み性を評価した。空隙の直径が小さいほど、バンプへの埋め込み性が高いことを示す。
A:空隙の直径90μm未満
B:空隙の直径90μm以上100μm未満
C:空隙の直径100μm以上
[埋め込み性評価(中バンプ用)]
Cu製ピラー高さ45μm、ピッチ30〜100μm、平面視における直径42μmのピラー付きのウエハ(Waltz社製、8インチウエハ、ウエハ材質Si)を使用した以外は、上記小バンプ用と同様にして埋め込み性を評価した。
以下の基準で埋め込み性を評価した。
A:空隙の直径120μm未満
B:空隙の直径120μm以上130μm未満
C:空隙の直径130μm以上
[端部外観]
実施例5〜8および比較例3、4で作製した粘着テープを、直径3インチのコアにロール状に巻収した状態で、23℃、50%RH(相対湿度)の環境下で1週間放置した。放置後、ロール側部において、光学デジタル顕微鏡(倍率100倍)を用いて、粘着剤層もしくは中間層からの成分の漏出の有無を評価した。
A:成分の漏出が観察されなかった
B:成分の漏出は観察された
[基材]
以下の実施例および比較例では、基材として低密度ポリエチレン重合体であるファンクレアLEAタイプ(厚さ120μm、グンゼ社製)を用いた。
また、双性イオン含有重合体は、以下のように製造した。
[双性イオン含有重合体1]
撹拌装置付きの反応容器内に、n−アクリル酸ブチル(BA)93質量部、アクリル酸ジメチルアミノエチル(DMAEA)5質量部、アクリル酸2−ヒドロキシエチル(HEA)2質量部、開始剤であるアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)および溶媒である酢酸エチル180質量部を仕込み、攪拌しながら30分間窒素を導入した。その後、反応系を60℃まで上昇させた後、24時間攪拌を行い、BA/DMAEA/HEA(質量比)が93/5/2のプレポリマー溶液1(質量平均分子量78000)を得た。得られたプレポリマー溶液1が固形分30%になるようにメチルエチルケトンを加え希釈した。これに室温下でプロパンサルトンを3.88質量部ゆっくりと滴下し、3時間攪拌を行った。反応系を60℃まで上昇させた後、さらに48時間反応させ、ガラス転移温度(Tg)−30℃、質量平均分子量(Mw)100300、分子量分布(Mw/Mn)10.4、−30℃と40℃にtanδの極大ピークを有し、双性イオン含有単位の割合が3質量%の双性イオン含有重合体1を得た。
[双性イオン含有重合体2]
撹拌装置付きの反応容器内に、n−アクリル酸ブチル95質量部、アクリル酸ジメチルアミノエチル3質量部、アクリル酸2−ヒドロキシエチル2質量部、アゾビスイソブチロニトリル、酢酸エチル180質量部を仕込み、攪拌しながら30分間窒素を導入した。その後、反応系を60℃まで上昇させた後、24時間攪拌を行い、BA/DMAEA/HEA(質量比)が95/3/2のプレポリマー溶液2(質量平均分子量128000)を得た。得られたプレポリマー溶液2が固形分30%になるようにメチルエチルケトンを加え希釈した。これに室温下でプロパンサルトンを2.33質量部ゆっくりと滴下し、3時間攪拌を行った。反応系を60℃まで上昇させた後、さらに48時間反応させ、Tg−24℃、Mw165000、Mw/Mn10.3、−24℃と50℃にtanδの極大ピークを有し、双性イオン含有単位の割合が3質量%の双性イオン含有重合体2を得た。
[双性イオン含有重合体3]
撹拌装置付きの反応容器内に、n−アクリル酸ブチル50質量部、アクリル酸2−エチルヘキシル(2EHA)47質量部、アクリル酸ジメチルアミノエチル3質量部、アゾビスイソブチロニトリル、酢酸エチル180質量部を仕込み、攪拌しながら30分間窒素を導入した。その後、反応系を60℃まで上昇させた後、24時間攪拌を行い、BA/2EHA/DMAEA(質量比)が50/47/3のプレポリマー溶液3(質量平均分子量86000)を得た。得られたプレポリマー溶液3が固形分30%になるようにメチルエチルケトンを加え希釈した。これに室温下でプロパンサルトンを2.33質量部ゆっくりと滴下し、3時間攪拌を行った。反応系を60℃まで上昇させた後、さらに48時間反応させ、Tg−40℃、Mw110500、Mw/Mn11.2、−40℃と70℃にtanδの極大ピークを有し、双性イオン含有単位の割合が5質量%の双性イオン含有重合体3を得た。
[双性イオン含有重合体4]
攪拌装置付きの反応容器内に、n−アクリル酸ブチル97質量部、アクリル酸ジメチルアミノエチル3質量部、アゾビスイソブチロニトリル、酢酸エチル180質量部を仕込み、攪拌しながら30分間窒素を導入した。その後、反応系を60℃まで上昇させた後、24時間攪拌を行い、BA/DMAEA(質量比)が97/3のプレポリマー溶液4(質量平均分子量111000)を得た。得られたプレポリマー溶液4が固形分30%になるようにメチルエチルケトンを加え希釈した。これに室温下でプロパンサルトンを2.33質量部ゆっくりと滴下し、3時間攪拌を行った。反応系を60℃まで上昇させた後、さらに48時間反応させ、Tg−33℃、Mw142700、Mw/Mn10.9、−30℃と60℃にtanδの極大ピークを有し、双性イオン含有単位の割合が4質量%の双性イオン含有重合体4を得た。
双性イオン構造を含まない粘着性重合体および中間層用組成物を調製した。
[粘着性重合体A]
ブチルアクリレート(BA)86質量部、メチルメタクリレート(MMA)8質量部、アクリル酸(AA)1質量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート(2HEA)5質量部からなるアクリル系共重合体樹脂の溶液(粘着剤主剤、質量平均分子量720000、固形分35.0質量%)を調製した。
この粘着剤主剤100質量部に対して、架橋剤として多価イソシアネート化合物(製品名「BHS−8515」、トーヨーケム社製、固形分37.5質量%)を0.2質量部(固形分)添加し、攪拌後、粘着性重合体Aを得た。
[粘着性重合体B]
2−エチルヘキシルアクリレート(2EHA)59.5質量部、酢酸ビニル(Vac)30質量部、アクリル酸(AA)0.5質量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート(2HEA)10質量部からなるアクリル系共重合体樹脂の溶液(粘着剤主剤、質量平均分子量700000、固形分35.0質量%)を調製した。
この粘着剤主剤100質量部に対して、架橋剤として多価イソシアネート化合物(製品名「BHS−8515」、トーヨーケム社製、固形分37.5質量%)を1.9質量部(固形分)添加し、攪拌後、粘着性重合体Bを得た。
[中間層用組成物C]
アクリル酸ブチル91質量部およびアクリル酸9質量部からなる質量平均分子量600,000のアクリル酸エステル共重合体を準備した。
また、これとは別に、n−ブチルアクリレート(BA)62質量部と、メチルメタクリレート(MMA)10質量部と、2−ヒドロキシエチルアクリレート(2HEA)28質量部からなるアクリル共重合体に対して、2−イソシアナートエチルメタクリレート(製品名「カレンズ MOI」(登録商標)、昭和電工社製)を2HEA100モル%に対して、付加率80モル%となるように付加した樹脂の溶液(固形分35.0質量%)を得た。
上記のアクリル酸エステル共重合体100質量部(固形分)に対し、樹脂溶液を固形分基準で10質量部となる割合で混合し、中間層用組成物Cを得た。
[中間層用組成物D]
アクリル酸ブチル91質量部およびアクリル酸9質量部からなる質量平均分子量600,000のアクリル酸エステル共重合体を準備した。
アクリル酸エステル共重合体100質量部(固形分)に対し、2〜3官能のウレタンアクリレートオリゴマー(製品名「PU−5」、大日精化製)を2質量部(固形分)添加し、中間層用組成物Dを得た。
双性イオン含有重合体1〜4、粘着性重合体A、B、粘着剤組成物C、Dの弾性率を測定した。23℃、40℃、50℃、60℃、70℃、80℃における貯蔵弾性率G’、同温度における動的粘弾性のtanδ、23℃における貯蔵弾性率G’(23)に対する、60℃における貯蔵弾性率G’(60)の比、G’(60)/G’(23)を下表に示す。
Figure 2019189069
(実施例1〜4、比較例1、2)
双性イオン含有重合体1〜4、粘着性重合体A、Bからなる粘着剤層を有する粘着テープを作製した。
双性イオン含有重合体1〜4、粘着性重合体AまたはBをポリエチレンテレフタレート(PET)系剥離フィルム(製品名「SP−PET381031」、厚み38μm、リンテック社製)に塗布して乾燥させ、厚み20μmの粘着剤層を得た。粘着剤層と前記基材とを貼り合わせ、粘着テープを作製した。
得られた粘着テープを用いて、糊残り評価、ダイシング性の評価、埋め込み性評価(小バンプ用)、埋め込み性評価(中バンプ用)、および端部外観の評価を行った。結果を表2に示す。
Figure 2019189069
(実施例5〜8、比較例3、4)
双性イオン含有重合体1〜4、中間層用組成物C、Dからなる中間層を有する粘着テープを作製した。
(中間層の作製)
双性イオン含有重合体1〜4、中間層用組成物CまたはDをポリエチレンテレフタレート(PET)系剥離フィルム(製品名「SP−PET381031」、厚み38μm、リンテック社製)に塗布して乾燥させ、厚み45μmの樹脂層を得た。同様に作製した厚み45μmの樹脂層と貼り合せることにより、厚み90μmの樹脂層とした。樹脂層と前記基材とを貼り合わせ、樹脂層と基材との積層体を作製した。この樹脂層は、後に中間層となる。
(粘着剤層の作製)
ブチルアクリレート(BA)74質量部、メチルメタクリレート(MMA)20質量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート(2HEA)6質量部からなるアクリル系共重合体に対して、2−イソシアナートエチルメタクリレート(製品名「カレンズ MOI」(登録商標)、昭和電工社製)を2HEA100モル%に対して、付加率50モル%となるように付加した樹脂の溶液(粘着剤主剤、固形分35.0質量%)を調製した。
この粘着剤主剤100質量部に対して、光重合開始剤として、1−ヒドロキシルシクロヘキシルフェニルケトン(製品名「Irgacure184」、BASF社製)を1.0質量部添加し、架橋剤として多価イソシアネート化合物(製品名「コロネートL」、東ソー社製)を0.2質量部(固形分)添加し、攪拌後、粘着剤組成物を得た。次いで、ポリエチレンテレフタレート(PET)系剥離フィルム(製品名「SP−PET381031」、厚み38μm、リンテック社製)に塗布して乾燥させ、厚み20μmの粘着剤層を剥離フィルム上に形成させ、ポリエチレンテレフタレート(PET)系剥離フィルム(製品名「SP−PET382150」、厚み38μm、リンテック社製)と貼り合わせ、粘着剤層を有する積層体を得た。
(粘着テープの作製)
粘着剤層を有する積層体から、一方のPETフィルムを除去し、前記樹脂層と基材との積層体の樹脂層面に貼り合わせた。この結果、PETフィルム/粘着剤層/樹脂層/基材からなる粘着テープを得た。樹脂層は、粘着剤層と基材との間の中間層となる。
得られた粘着テープを用いて、糊残り評価、ダイシング性の評価、埋め込み性評価(小バンプ用)、埋め込み性評価(中バンプ用)、および端部外観の評価を行った。結果を表3に示す。
Figure 2019189069
以上のように、本発明では、粘着性組成物の主成分である重合体として、温度により粘弾性挙動が異なる部位を導入してなる重合体、すなわち双性イオン構造を含有する繰り返し単位を有する重合体、を用いている。このため、貼付時および保管時の粘着剤層(または中間層)の流動性制御が容易になり、貼付時においてはワークの凹凸面に追従し、また保管時には粘着性組成物の漏出が少ない粘着テープが提供される。

Claims (4)

  1. 双性イオン構造を含有する繰り返し単位を有する重合体を含む、粘着性組成物。
  2. 双性イオン構造を含有する繰り返し単位を有するアクリル系重合体を含む、粘着性組成物。
  3. 基材と粘着剤層とを含み、粘着剤層が、請求項1または2に記載の粘着性組成物を含む粘着テープ。
  4. 基材と粘着剤層と、基材と粘着剤層との間の中間層とを含み、中間層が、請求項1または2に記載の粘着性組成物を含む粘着テープ。
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