JPWO2019188898A1 - 絶縁電線 - Google Patents

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奈摘子 原
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Abstract

導体と、該導体の外周面を直接又は間接的に被覆する、熱硬化性樹脂を含む気泡含有絶縁層とを有する絶縁電線であって、前記気泡含有絶縁層中の気泡が、前記絶縁電線の長手方向に垂直な断面における、気泡の扁平率(気泡断面形状の横方向の長さ/気泡断面形状の縦方向の長さ)が1.5以上5.0以下である扁平気泡を含む、絶縁電線。

Description

本発明は、気泡含有絶縁層を有する絶縁電線に関する。
自動車、一般産業用のモーター等の回転電機は、高密度での小型化、高出力への要求が高まっている。このような回転電機には、導体が絶縁層で被覆された絶縁電線が使用される。
高出力への要求から、回転電機に使用される絶縁電線には高電圧への対応が求められている。例えば、絶縁破壊電圧の高い絶縁電線が求められる。
また、高電圧の印加により、絶縁層表面では部分放電が発生しやすい。このため、部分放電による劣化を抑制することが要求される。この劣化を抑制するには、部分放電開始電圧(PDIV)を高めることが重要である。部分放電開始電圧を高める方法の1つとして、絶縁層の比誘電率を下げる方法がある。比誘電率を下げる方法の1つとして、気泡を有する絶縁層とする方法が知られている。
特許文献1には、気泡含有絶縁層を有する絶縁電線であって、同一被膜層の長さ方向又は周方向で厚さが薄い部分を有する絶縁電線の開示がある。また、特許文献2には、多孔質絶縁層を有する絶縁電線の開示がある。
国際公開第2015/137342号 特開2012−224714号
気泡を含む絶縁層を有する絶縁電線は、通常の、気泡を有さない絶縁電線に比較して、部分放電開始電圧を高くすることができるが、絶縁破壊電圧が相対的に低くなる。
本発明は、高い部分放電開始電圧を維持しつつ、絶縁破壊電圧をより高めた、気泡含有絶縁層を有する絶縁電線を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく、種々の検討を行った。本発明者らは、絶縁層中の気泡の形状を特定の扁平形状とすると、絶縁電線の部分放電開始電圧を高いレベルで維持したまま、絶縁破壊電圧を高めることができることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明の上記課題は、以下の手段によって達成された。
〔1〕
導体と、該導体の外周面を直接又は間接的に被覆する、熱硬化性樹脂を含む気泡含有絶縁層とを有する絶縁電線であって、
前記気泡含有絶縁層中の気泡が、前記絶縁電線の長手方向に垂直な断面における、気泡の扁平率(気泡断面形状の横方向の長さ/気泡断面形状の縦方向の長さ)が1.5以上5.0以下である扁平気泡を含む、絶縁電線。
〔2〕
前記気泡含有絶縁層中の気泡中、前記扁平気泡の数の割合が50%以上である〔1〕に記載の絶縁電線。
〔3〕
前記気泡含有絶縁層の空隙率が70%以下である〔1〕又は〔2〕に記載の絶縁電線。
〔4〕
前記熱硬化性樹脂が、ポリエステル、ポリエステルイミド、ポリイミド、若しくはポリアミドイミド、又はその組み合わせである〔1〕〜〔3〕のいずれか1つに記載の絶縁電線。
〔5〕
前記気泡含有絶縁層の外周面を直接又は間接的に被覆する外側気泡非含有絶縁層を有する〔1〕〜〔4〕のいずれか1つに記載の絶縁電線。
〔6〕
前記気泡含有絶縁層の厚さが10μm以上250μm以下である〔1〕〜〔5〕のいずれか1つに記載の絶縁電線。
〔7〕
前記扁平気泡が、気泡を有する絶縁層の厚さ方向の圧縮により形成される〔1〕〜〔6〕のいずれか1つに記載の絶縁電線。
本発明の絶縁電線は、部分放電開始電圧を維持しつつ、絶縁破壊電圧が高められている。このため、高電圧が印加される回転電機等の電気機器等に好適に使用することができる。
図1は、本発明の絶縁電線の一実施態様を示した断面図である。 図2は、本発明の絶縁電線の別の実施態様を示した断面図である。 図3は、本発明の絶縁電線における長手方向に垂直な断面の一実施態様を示した一部拡大模式図である。
〈〈絶縁電線〉〉
本発明の絶縁電線は、導体と、該導体の外周面を直接又は間接的に被覆する、熱硬化性樹脂を含む気泡含有絶縁層を有する。気泡含有絶縁層は気泡を有し、気泡には、絶縁電線の長手方向に垂直な断面における、気泡の扁平率(気泡断面形状の横方向の長さ/気泡断面形状の縦方向の長さで規定され、気泡扁平率若しくは単に扁平率ともいう。)が1.5以上5.0以下である扁平気泡を含む。以下、気泡を有する絶縁層を「気泡含有絶縁層」といい、上記特定の扁平気泡を有する気泡含有絶縁層を「扁平気泡含有絶縁層」ということがある。
導体の外周面を直接被覆する気泡含有絶縁層とは、導体と気泡含有絶縁層との間に他の層(例えば、接着剤層、エナメル層)を設けることなく、外周面に接した状態で気泡含有絶縁層を有することを意味する。一方、導体の外周面を間接的に被覆する気泡含有絶縁層とは、導体と気泡含有絶縁層との間に設けた他の層を介して導体の上に気泡含有絶縁層を有することを意味する。
本発明の絶縁電線の好ましい実施形態を、図を参照して、説明する。
図1に断面図を示した本発明の絶縁電線の一実施態様は、絶縁電線の長手方向に垂直な断面が矩形の導体1と、導体1の外周面を直接被覆する扁平気泡含有絶縁層2とを有する絶縁電線10である。
図2に断面図を示した本発明の絶縁電線の別の実施態様(絶縁電線20)は、扁平気泡含有絶縁層2の外周に外側非気泡含有絶縁層3を直接設けた以外は図1に示す絶縁電線と同様である。
図3は、図1に示した扁平気泡含有絶縁層2と導体1の一部を拡大した模式図であり、扁平気泡含有絶縁層2は、扁平気泡4を有している。Yは扁平気泡含有絶縁層2の厚さ方向を示す。図3においては、気泡は規則正しい配置となっているが、本発明はこれに限定されない。
〈扁平気泡含有絶縁層〉
扁平気泡含有絶縁層は、少なくとも、後述する特定の扁平気泡を有する。
ここで、扁平気泡含有絶縁層が有する気泡は、独立気泡であっても連通気泡であってもよく、これらの両方であってもよい。独立気泡とは、任意の面で切断した絶縁電線の断面をマイクロスコープで観察したときに気泡壁に隣接する気泡との連通開口部が確認できないものをいい、連通気泡とは、同様にして観察したときに気泡壁に連通開口部が確認できるものをいう。
扁平気泡とは、上記独立気泡と連通気泡とを含む気泡のうち、絶縁電線の長手方向(軸線方向)に垂直な断面において、気泡扁平率が、1.5以上5.0以下である気泡を指す。扁平気泡を含有することで、部分放電開始電圧を維持しつつ、絶縁破壊電圧を高めることができる。扁平率が5.0を超えると、気泡形状が保てない場合があるので、実際的ではない。
扁平率は、1.5以上3.0以下であることが好ましく、1.5以上2.5以下がより好ましい。
扁平気泡含有絶縁層は扁平率を満たさない気泡、例えば、円形、楕円形(上記扁平率を満たさない)、不定形等の断面形状の気泡を有していてもよい。
扁平率は、以下の方法により求めることができる。
絶縁電線を、絶縁電線の長手方向に垂直に切断し、イオンミリング処理により断面を加工する。このようにして得られた扁平気泡含有絶縁層の断面(100μm×150μm)を走査電子顕微鏡(SEM)で観察し、断面画像を得る。扁平気泡含有絶縁層の厚さが100μm未満の場合等には、上記断面積となるように複数の断面画像を用いる。
得られた断面画像において、任意の気泡を選択し、選択した気泡が含有される扁平気泡含有絶縁層の厚さ方向をy軸方向(垂直方向)、厚さ方向に垂直な方向をx軸方向(水平方向)とする。
次いで、気泡の断面形状に外接する長方形を、その一辺が上記x軸と平行となるように描き、この長方形のx軸方向(水平方向)の一辺の長さをフェレ水平径、y軸方向(扁平気泡含有絶縁層の厚さ方向)の一辺の長さをフェレ垂直径として求める。フェレ水平径を気泡断面形状の横方向の長さ、フェレ垂直径を気泡形状の縦方向の長さとして、フェレ水平径をフェレ垂直径で割った割合を気泡の横/縦比とする。
上記のようにして、任意の気泡を観察してこの気泡の横/縦比を算出し、横/縦比が1.5以上5.0以下である気泡20個の横/縦比の平均値を扁平率とする。各気泡間の境界線が明確でないものは計測から除外する(扁平率を算出する気泡として観察しない)。また、絶縁電線が角線(断面矩形)の場合、コーナー部分の気泡についても計測から除外する。
扁平気泡含有絶縁層において、扁平気泡含有絶縁層に含まれる気泡中の扁平気泡の割合(扁平気泡数/(扁平気泡数と扁平気泡以外の気泡の数の合計))は、特に限定されないが、50%以上であることが好ましく、60%以上であることがより好ましい。50%以上であると、部分放電開始電圧を維持しつつ、電線破壊電圧をより高めることができる。上限は特に限定されず、100%が好ましい。
扁平気泡の割合は、以下のようにして求めることができる。
扁平率を求める場合と同様に断面画像を取得し、任意の20個の気泡を観察し、各気泡について気泡の横/縦比を算出し、その扁平率が1.5以上5.0以下となった気泡の個数の、全気泡観察数(20個)に対する割合を扁平気泡の割合とする。各気泡間の境界線が明確でないものは計測から除外する。また、角線の場合、コーナー部分の気泡についても計測から除外する。
扁平気泡含有絶縁層の空隙率は、扁平気泡含有絶縁層の機械的強度の点で、70%以下が好ましく、60%以下がさらに好ましい。空隙率を70%以下とすることにより、部分放電開始電圧及び絶縁破壊電圧をより高めることができる。また、扁平気泡含有絶縁層中の厚みに占める熱硬化性樹脂の割合が高くなり、可とう性に優れる。扁平気泡含有絶縁層は比誘電率の低下により高い絶縁破壊電圧を発揮する点で、10%以上の空隙率を有しているのが好ましく、20%以上の空隙率を有しているのがより好ましく、30%以上の空隙率を有しているのがさらに好ましい。
扁平気泡含有絶縁層の空隙率は、発泡倍率、ワニス中の樹脂濃度、粘度、ワニス塗布時の温度、発泡剤の添加量、焼付け炉の温度等によって調整できる。
扁平気泡含有絶縁層における空隙率は、以下のようにして求めることができる。
扁平気泡含有絶縁層の気泡形成(発泡)後の嵩密度(D2)と気泡形成(発泡)前の同じ部分の層の嵩密度(D1)とを求め、以下の式から算出される。
発泡倍率=(D1/D2)×100(%)
空隙率={(発泡倍率−100)/発泡倍率}×100(%)
なお、嵩密度は、JIS K 7112(1999)[プラスチック―非発泡プラスチックの密度および比重の測定方法]のA法(水中置換法)に準拠して求める。具体的には、メトラー社製電子天秤SX64に付属の密度測定キッドを用い、浸漬液はメタノールを使用する。絶縁電線の扁平気泡含有絶縁層と気泡形成(発泡)前の同じ部分の層をそれぞれ剥がし取って、各試料片とし、該各試験片の嵩密度(ρs,t)を下記計算式から算出する。

試験片の嵩密度ρs,t=(ms,t×ρIL)/(ms,A−ms,IL

ここで、ms,Aは、空気中で測定した試験片の質量(g)であり、ms,ILは、浸漬液中で測定した試験片の質量(g)であり、ρILは、浸漬液の密度(g/cm)である。
扁平気泡含有絶縁層中の気泡の平均気泡径は特に限定されないが、円相当径の平均値として、10μm以下が好ましく、5μm以下がより好ましく、2μm以下がさらに好ましい。
気泡径は、以下の方法によって測定することができる。
絶縁電線を、絶縁電線の長手方向に垂直に切断し、イオンミリング処理により断面を加工する。得られた扁平気泡含有絶縁層の断面(100μm×150μm)を、走査電子顕微鏡(SEM)で観察し、任意に選択した20個の気泡の直径を、画像寸法計測ソフト(三谷商事社製WinROOF)を用いて径測定モードで測定し、各気泡の円相当径を得、その平均値を気泡径とする。各気泡間の境界線が明確でないものは計測から除外する。
扁平気泡含有絶縁層は、熱硬化性樹脂を含む。すなわち、扁平気泡含有絶縁層は熱硬化性樹脂からなる気泡含有層である。
扁平気泡含有絶縁層が含む熱硬化樹脂としては、通常、絶縁電線に使用されるものであって、気泡の形成ができるものであれば特に限定されない。
熱硬化性樹脂としては、例えば、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエステルイミド、ポリエーテルイミド、ポリアミド、ポリウレタン、ポリヒダントイン、ポリイミドヒダントイン変性ポリエステル、ポリエステル、ポリベンゾイミダゾール、メラミン樹脂、ホルマール、ポリビニルホルマール、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ウレア樹脂が挙げられる。また、これらを2種以上組み合わせて用いてもよい。
熱硬化性樹脂としては、ポリエステル、ポリエステルイミド、ポリイミド、若しくはポリアミドイミド、又はその組み合わせが好ましい。
扁平気泡含有絶縁層の厚さは、特に制限されないが、10μm以上250μm以下が好ましく、30μm以上200μm以下がより好ましい。上記範囲内であると、部分放電開始電圧を維持しつつ、絶縁破壊電圧をより高めることができ、さらに可とう性に優れる。
扁平気泡含有絶縁層の厚さは、絶縁電線の断面の走査電子顕微鏡(SEM)写真から求めることができる。
〈導体〉
導体としては、導電性を有するものであればよく、通常用いられる導体を特に制限されることなく用いることができる。このような導体としては、例えば銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金等からなる導体が挙げられる。
導体の断面形状は用途に応じて、円形(丸)、矩形(平角)、あるいは六角形などから選択することができる。
導体のサイズは用途に応じて決めるものであるため特に限定されない。断面円形の導体の場合は直径で0.3〜3.0mmが好ましく、0.4〜2.7mmがより好ましい。断面矩形の導体の場合は、幅(長辺)1.0〜5.0mmが好ましく1.4〜4.0mmがより好ましく、厚さ(短辺)0.4〜3.0mmが好ましく、0.5〜2.5mmがより好ましい。ただし、本発明の効果が得られる導体サイズの範囲はこの限りではない。
また、断面矩形(平角形状)の導体の場合、これも用途に応じて異なるが、断面正方形よりも、断面長方形が一般的である。
〈その他の構成〉
本発明の絶縁電線は、少なくとも1層の扁平気泡含有絶縁層を有していればよく、扁平気泡含有絶縁層以外の被覆層を有してもよい。
例えば、扁平気泡含有絶縁層の内側に被覆層を有してもよく、特許第4177295号公報で示されるように、導体の外周に、導体との高い密着性や皮膜の耐熱性を高く維持することが可能な熱硬化性樹脂層(いわゆるエナメル層)を設け、その外周に扁平気泡含有絶縁層を設けてもよい。
また、扁平気泡含有絶縁層の外周に、気泡を有しない絶縁層(外側気泡非含有絶縁層)を設けてもよい。本発明において、気泡を有しないとは、絶縁電線の軸線方向に垂直な断面において、気泡が存在しない形態に加えて、本発明の効果又は外側気泡非含有絶縁層の機能を損なわない程度、の気泡を有する態様を包含する。
外側気泡非含有絶縁層は、通常、樹脂若しくは樹脂組成物で形成され、樹脂としては、特に制限されないが、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)から選択される少なくとも1種の熱可塑性樹脂を含むこと、また、ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)から選択される少なくとも1種の熱硬化性樹脂を含むことが好ましい。
外側気泡非含有絶縁層の厚さは、特に限定されないが、20〜150μmが好ましい。
本発明の絶縁電線は、部分放電開始電圧を維持しつつ、絶縁破壊電圧をより高めることができる。扁平気泡とすることで、扁平気泡含有絶縁層の厚み方向において、気泡(空隙)部分に対する熱硬化性樹脂部分の割合が、真円の気泡を有する絶縁層に対して、相対的に高くなる。このため、気泡を含有させて比誘電率が低下したことによる部分放電開始電圧を維持しつつ、絶縁破壊電圧を高めることができる、と考えられる。また、気泡含有絶縁層が上記扁平率を有する気泡を含有することにより、上記特性に加えて、さらに可とう性を維持できる。上記のとおり、厚み方向の熱可塑性樹脂部分の割合が相対的に高くなるため、この場合には可とう性により優れると考えられる。
〈〈絶縁電線の製造方法〉〉
本発明の絶縁電線の製造方法について説明する。
本発明の絶縁電線は、扁平気泡含有絶縁層の形成方法以外は、通常の絶縁電線の製造方法と同様に製造することができる。
扁平気泡含有絶縁層の形成方法について説明する。
〈扁平気泡含有絶縁層の形成方法〉
扁平気泡含有絶縁層の形成方法は、導体の外周に、上記特定の扁平気泡を有する気泡含有絶縁層を形成できる方法であれば、特に限定されない。扁平気泡含有絶縁層の形成方法としては、例えば、1)導体の外周に、熱硬化性樹脂を用いて気泡含有絶縁層を形成し、その後、得られた気泡含有絶縁層を圧縮して、扁平気泡含有絶縁層とする方法(圧縮法)、2)扁平形状の熱分解性樹脂粒子を形成し、この熱分解性樹脂粒子を、熱硬化性樹脂と混合し、この混合物を用いて導体の外周に被覆層を形成し、熱分解性樹脂を熱分解させて、扁平気泡含有絶縁層とする方法(熱分解法)、が挙げられる。これらの方法において、気泡含有絶縁層は導体の外周に直接的又は間接的に設けることができる。
上記圧縮法において、気泡含有絶縁層を得るまでの方法としては、1−1)気泡含有絶縁層形成用の熱硬化性樹脂中に気泡形成のための有機溶媒の気泡形成剤を加え、この組成物を導体上に塗布し、次いで被覆された組成物を加熱して気泡形成剤を気化させて樹脂中に気泡を形成させる方法(気泡形成剤による方法)、1−2)ガス又は液体を気泡含有絶縁層形成用の熱硬化性樹脂に浸透させ、その後加熱して気泡を形成する方法が代表的である。これに加えて、1−3)気泡含有絶縁層形成用の熱硬化性樹脂に発泡核剤を含有させ、紫外線等により発泡させる方法がある。これらの方法は、いずれも、国際公開第2015/137342号の<気泡含有絶縁層の形成>の記載に準じて行うことができ、その記載を参照して本明細書に取り込む。
上記1−1)〜1−3)の方法以外にも、後述する熱分解法によって、略真円断面を有する気泡を有する気泡含有絶縁層を形成し、これを圧縮して扁平気泡含有絶縁層を形成する方法も挙げられる。
上記方法の中でも、気泡形成剤による方法が好ましい。以下、好ましい方法である、1−1)気泡形成剤による方法について、簡単に詳細を説明するが、その詳細は上記国際公開第2015/137342号を参照できる。
(気泡形成剤による方法)
この方法においては、気泡含有絶縁層形成用の熱硬化性樹脂に、気泡形成剤を加えて塗布組成物を調製し、導体上に塗布等を行って該塗布組成物で被覆し、加熱して気泡を形成させることが好ましい。
気泡形成剤は、沸点が180℃〜300℃、より好ましくは210℃〜260℃である高沸点溶媒が好ましく、有機溶媒が好ましい。気泡形成剤は、具体的には、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテルなどを用いることができる。
気泡形成剤としての高沸点溶媒は、1種でもよいが、気泡が広い温度範囲で発生する効果が得られる点で、少なくとも2種を組み合わせて用いるのが好ましい。
塗布組成物には、気泡形成剤とは別に、通常、樹脂ワニス化に使用する有機溶媒が使用される。この場合、気泡形成剤としての高沸点溶媒は、後述する樹脂ワニス化のための有機溶媒よりも高沸点であるのが好ましく、気泡形成剤として高沸点溶媒を1種類使用する場合は、樹脂ワニス化のための溶媒より10℃以上高いことが好ましい。なお、気泡形成剤として高沸点溶媒を1種類使用する場合は、高沸点溶媒は気泡核剤と発泡剤の両方の役割を有する。一方、気泡形成剤として高沸点溶媒を2種類以上使用する場合は、最も高い沸点のものが発泡剤、中間の沸点を持つ気泡形成用の高沸点溶媒が気泡核剤として作用する。
樹脂ワニス化に使用する有機溶媒としては、熱硬化性樹脂の反応を阻害しない限りは特に制限はなく、例えば、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAC)、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド系溶媒、N,N−ジメチルエチレンウレア、N,N−ジメチルプロピレンウレア、テトラメチル尿素等の尿素系溶媒、γ−ブチロラクトン、γ−カプロラクトン等のラクトン系溶媒、プロピレンカーボネート等のカーボネート系溶媒、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、ブチルセロソルブアセテート、ブチルカルビトールアセテート、エチルセロソルブアセテート、エチルカルビトールアセテート等のエステル系溶媒、ジグライム、トリグライム、テトラグライム等のグライム系溶媒、トルエン、キシレン、シクロヘキサン等の炭化水素系溶媒、スルホラン等のスルホン系溶媒などが挙げられる。樹脂ワニス化に使用する有機溶剤の沸点は、好ましくは160℃〜250℃、より好ましくは165℃〜210℃のものである。
導体上に被覆された塗布組成物を、焼付炉で焼付けすることにより、気泡が形成される。
具体的な焼付条件はその使用される炉の形状などに左右されるが、およそ5mの自然対流式の竪型炉であれば、炉温500〜520℃で焼付けを行うことで気泡入り絶縁層とすることができる。また、炉の通過時間は10〜90秒が一般的である。
なお、塗布組成物は、上記以外に、必要に応じ酸化防止剤、帯電防止剤、紫外線防止剤、光安定剤、蛍光増白剤、顔料、染料、相溶化剤、滑剤、強化剤、難燃剤、架橋剤、架橋助剤、可塑剤、増粘剤、減粘剤、及びエラストマーなどの各種添加剤などを含有してもよい。
本発明においては、気泡含有絶縁層を圧縮して、扁平気泡含有絶縁層とする。
圧縮は、圧縮成型、圧延などにより行うことができる。気泡含有絶縁層を厚さ方向に圧縮して成型することが好ましい。圧縮は、例えば、プレス機(例えば、富士スチール工業株式会社製、FSP1−600S)、ローラー(圧延ローラー(例えば、ロール形状φ100×幅50mm))等を使用して行うことができる。
圧縮の条件としては、材料等により異なるため一義的に決定できないが、通常、気泡含有絶縁層に対して印加する圧力を高くする、及び/又は圧縮時間を長くすることにより、扁平率の高い扁平気泡を、気泡含有絶縁層中に形成できる。また、扁平気泡の割合も適宜に設定できる。例えば、上記プレス法においては、後述する実施例で使用した材料等を用いる場合、100MPa加圧し60秒保持後除圧することで、扁平気泡を有する絶縁電線を得ることができる。ローラー法では、実施例で使用した材料等を用いる場合、荷重が100MPaとなるように圧延荷重を設定し、厚さ方向及び幅方向の2方向からローラーで圧縮することで扁平気泡を有する絶縁電線を得ることができる。
圧縮する前の気泡含有絶縁層の厚さは、圧縮率、扁平率等に応じて一概に設定できないが、例えば、圧縮前後の下記厚さの比率(圧縮率)を満たす厚さに形成される。
圧縮率=(圧縮後の気泡含有絶縁層の厚さ/圧縮前の気泡含有絶縁層の厚さ)×100(%)
すなわち、圧縮後の気泡含有絶縁層の厚さが、圧縮する前の厚さに対して40〜95%が好ましく、50〜95%がより好ましく、50〜90%がさらに好ましい。
圧縮は、導体の長手方向の全周にわたって行い、全周に扁平気泡を形成する。圧縮により、上記扁平率を満たす扁平気泡が得られる。扁平気泡の気泡含有絶縁層の厚さ方向に垂直な断面は、略円形状を有していることが好ましい。
上記気泡含有絶縁層の形成条件、気泡含有絶縁層の圧縮条件を適宜に変更することにより、空隙率、扁平率、気泡径、扁平気泡の割合を適宜に設定できる。
熱分解法は、上記扁平気泡含有絶縁層形成に用いる熱硬化性樹脂を用い、特開2012−224714号公報に記載の熱分解性樹脂を用いる方法に準じて行うことができる。ただし、本発明においては、熱分解性樹脂を、予め、所望の扁平気泡の形状及びサイズと略同形状及び略同サイズの熱分解性樹脂粒子とし、この粒子を熱分解して行う。
熱分解性樹脂としては、特開2012−224714号公報に記載の熱分解性樹脂を使用することができ、(メタ)アクリル系重合体(ポリメタクリル酸メチル等)、及びその架橋物(架橋ポリ(メタ)アクリル系重合体、例えば、架橋ポリメタクリル酸メチル、架橋ポリメタクリル酸ブチルを含む、架橋ポリ(メタ)アクリル酸エステル等)等が好ましい。
熱分解性樹脂粒子の形状は、上述の扁平気泡を形成できる形状であれば特に限定されない。上述の扁平率を満たす形状とすることが好ましく、上記扁平気泡について説明した気泡径の気泡を形成できるサイズを有する形状とすることがより好ましい。
熱分解性樹脂粒子の調製は、上記形状とできる方法であればよく、通常の方法により行うことができる。例えば、真球状の熱分解性樹脂粒子の上部から所定の荷重(最大荷重100N)まで所定の時間(例えば、60秒)で押込み、所定の荷重に到達後は荷重を保持せず、同速度にて除圧することで粒子形状を変形する等して調製することができる。また、予め扁平形状である熱分解性樹脂粒子(例えば、ASF-7(商品名)、東洋紡社製)を使用してもよい。
本発明の絶縁電線は、高電圧が印加される用途に用いられる絶縁電線として使用することができる。本発明の絶縁電線は、各種電気機器、電子機器に使用できる。特に、本発明の絶縁電線はコイル加工してモーターやトランスなどに用いられ、高性能の電気機器を構成できる。なかでもHV(ハイブリットカー)やEV(電気自動車)の駆動モーター用の巻線として好適に用いられる。
以下に、本発明を実施例に基づいて、さらに詳細に説明するが、これは本発明を制限するものではない。
以下の様にして、実施例1〜8、12、13及び比較例1、2、4、5の絶縁電線として、図1に示す構成の絶縁電線を製造した。また、以下の様にして実施例9〜11の絶縁電線として、図2に示す構成の絶縁電線を製造した。
〈実施例1〜5、8〜10、12、13、比較例1、2、5〉
(実施例1)
2Lセパラブルフラスコにポリアミドイミド(PAI)〔日立化成社製、商品名:HI−406SA、樹脂成分32質量%、溶剤:N−メチル−2−ピロリドン(NMP)溶液〕を入れ、この溶液に気泡形成剤としてテトラエチレングリコールジメチルエーテルおよびトリエチレングリコールジメチルエーテルを添加して、PAIワニスを得た。このPAIワニスを断面矩形(長辺3.86mm×短辺2.36mmで、四隅の面取りの曲率半径r=0.3mm)の平角導体(酸素含有量15ppmの銅)の外周に塗布し、炉温500℃で焼付けを行い、気泡含有絶縁層(厚さ48μm)を形成した。プレス機(富士スチール工業株式会社製、FSP1−600S)を用いて、気泡含有絶縁層を100MPa加圧下に60秒保持して圧縮し、厚さを40μm(圧縮率83%)とした。このようにして、扁平気泡含有絶縁層を有する絶縁電線を得た。
(実施例2)
2Lセパラブルフラスコに、ポリイミド(PI)[ユニチカ株式会社製:商品名;Uイミド(樹脂成分25質量%のNMP溶液)を入れ、気泡形成剤としてテトラエチレングリコールジメチルエーテルを添加することにより、PIワニスを得た。実施例1と同じ導体上に、上記PIワニスを塗布し、これを前半は炉温540℃、後半は炉温520℃にて焼き付けて、気泡含有絶縁層を形成した。実施例1と同様にプレス機を用いて気泡含有絶縁層を圧縮し、厚さを100μmとした。このようにして、扁平気泡含有絶縁層を有する絶縁電線を得た。
(実施例3)
空隙率が表1に示す値になるように気泡形成剤の配合量を調節して作製した気泡含有絶縁層を、ローラー(ロール形状φ100×幅50mm)を用いて荷重が100MPaとなるように圧延荷重を設定して厚さ方向及び幅方向の2方向から圧縮して表1に示す厚さに設定した以外は、実施例1と同様にして、扁平気泡含有絶縁層を有する絶縁電線を得た。
(実施例4、5、13、比較例2)
空隙率が表1に示す値になるように気泡形成剤の配合量を調節して作製した気泡含有絶縁層を表1に示す厚さに圧縮した以外は、実施例2と同様にして、扁平気泡含有絶縁層を有する絶縁電線を得た。
(実施例8、12、比較例1、5)
空隙率が表1に示す値になるように気泡形成剤の配合量を調節して作製した気泡含有絶縁層を表1に示す厚さに圧縮した以外は、実施例1と同様にして、扁平気泡含有絶縁層を有する絶縁電線を得た。
(実施例9)
空隙率が表1に示す値になるように気泡形成剤の配合量を調節して作製した気泡含有絶縁層を表1に示す厚さに圧縮した以外は、実施例2と同様にして、扁平気泡含有絶縁層を形成した。
得られた扁平気泡含有絶縁層の外周に、押出機(スクリュー:直径30mmフルフライト、L/D=20、圧縮比3)を用いて、以下の様にして熱可塑性樹脂からなる外側非気泡含有絶縁層を形成した。熱可塑性樹脂はポリフェニレンスルフィド(PPS)(DIC社製、商品名:FZ−2100)を用いた。押出被覆樹脂層の断面の外形の形状が導体の形状と相似形になるように、押出ダイを用いてPPSの押出被覆を行い、厚さが40μmの外側非気泡含有絶縁層を形成した。このようにして、扁平気泡含有絶縁層と外側非気泡含有絶縁層とを有する絶縁電線を作製した。
(実施例10)
空隙率が表1に示す値になるように気泡形成剤の配合量を調節して作製した気泡含有絶縁層を表1に示す厚さに圧縮した以外は、実施例1と同様にして、扁平気泡含有絶縁層を形成した。
得られた扁平気泡含有絶縁層の外周に、押出機(スクリュー:直径30mmフルフライト、L/D=20、圧縮比3)を用いて、以下の様にして熱可塑性樹脂からなる外側非気泡含有絶縁層を形成した。熱可塑性樹脂はポリエーテルエーテルケトン(PEEK)(ソルベイスペシャリティポリマーズ社製、商品名:キータスパイアKT−820)を用い、押出被覆樹脂層の断面の外形の形状が導体の形状と相似形になるように、押出ダイを用いてPEEKの押出被覆を行い、厚さが50μmの外側非気泡含有絶縁層を形成した。このようにして、扁平気泡含有絶縁層と外側非気泡含有絶縁層とを有する絶縁電線を作製した。
〈比較例3〉
ポリアミドイミド(PAI)〔日立化成社製、商品名:HI−406SA、樹脂成分32質量%、溶剤:N−メチル−2−ピロリドン(NMP)溶液〕を、実施例1と同じ導体上に、塗布した。これを前半は炉温540℃、後半は炉温520℃にて焼き付けて、皮膜の厚さが30μmの絶縁電線を作製した。気泡形成剤を加えていないため、気泡含有絶縁層を有さない絶縁電線である。
〈実施例6、7、11、比較例4〉
(実施例6)
2Lセパラブルフラスコに、ポリアミドイミド(PAI)〔日立化成社製、商品名:HI−406SA、樹脂成分32質量%、溶剤:N−メチル−2−ピロリドン(NMP)溶液〕を入れ、気泡形成剤として熱分解性樹脂である架橋ポリメタクリル酸メチル〔積水化成品工業社製、商品名:SSX−102、粒子径2.5μm〕を添加し、十分に攪拌・混合することにより熱分解性樹脂含有ポリアミドイミドワニスを得た。実施例1と同じ導体1上に、上記で調製した熱分解性樹脂含有ポリアミドイミドワニスを塗布し、これを前半は炉温540℃、後半は炉温520℃にて焼き付けた。熱分解性樹脂を分解させることで気泡含有絶縁層を形成した。プレス機を用いて作製された気泡含有絶縁層を圧縮し、厚さを30μmとした。このようにして、扁平気泡含有絶縁層を有する絶縁電線を得た。
(実施例7)
上記架橋ポリメタクリル酸メチルの粒子をプレス機を用いて扁平率が1.5以上5.0以下になるように予め一方向より圧延した粒子を用い、プレス機による圧縮を行わなかった以外は、実施例6と同様にして、扁平気泡含有絶縁層を有する絶縁電線を得た。
(実施例11)
空隙率が表1に示す値になるように気泡形成剤の配合量を調節して作製した気泡含有絶縁層を表1に示す厚さに圧縮した以外は、実施例2と同様にして、扁平気泡含有絶縁層を形成した。
得られた扁平気泡含有絶縁層の外周に、気泡形成剤を添加しないポリイミドを焼き付けし、厚さ50μmの外側非気泡含絶縁層を形成した。
このようにして、扁平気泡含有絶縁層と外側非気泡含有絶縁層とを有する絶縁電線を作製した。
(比較例4)
2Lセパラブルフラスコに、ポリアミドイミド(PAI)〔日立化成社製、商品名:HI−406SA、樹脂成分32質量%、溶剤:N−メチル−2−ピロリドン(NMP)溶液〕を入れ、気泡形成剤として熱分解性樹脂である架橋ポリメタクリル酸ブチル〔積水化成品工業社製、商品名:BM30X−5、粒子径5.0μm〕を添加し、十分に攪拌・混合することにより熱分解性樹脂含有絶縁ワニスを得た。実施例1と同じ導体1上に、上記で調製した熱分解性樹脂添加のポリアミドイミドワニスを塗布し、これを前半は炉温540℃、後半は炉温520℃にて焼き付けた。熱分解性樹脂を分解させることで気泡含有絶縁層を形成し、気泡含有絶縁層の厚さが43μmの絶縁電線を作製した。
(気泡含有絶縁層及び外側非気泡含有絶縁層の厚さ)
気泡含有絶縁層及び外側非気泡含有絶縁層の厚さは、上述した扁平気泡含有絶縁層の厚さの測定方法に従って測定した。
(空隙率)
各絶縁電線の気泡含有絶縁層の空隙率は、上述した空隙率の測定方法に従って測定した。
(気泡扁平率)
各絶縁電線の気泡含有絶縁層における気泡の扁平率は、上述した扁平率の測定方法に従って測定した。
(気泡径)
各絶縁電線の気泡含有絶縁層における気泡の気泡径は、上述した気泡径の測定方法に従って測定した。
(扁平気泡の割合)
実施例で製造した絶縁電線の扁平気泡含有層、及び、比較例で製造した絶縁電線の気泡含有絶縁層における、扁平気泡の割合は、上述した扁平気泡の割合の測定方法に従って測定した。
得られた絶縁電線について、以下を評価した。
(絶縁破壊電圧)
絶縁破壊電圧は、以下に示す導電性銅箔テープ法で評価した。
上記で作製した絶縁電線を、適切な長さ(約20cmの長さ)に切り出し、中央付近に20mm幅の導電性銅箔テープを巻き付け、銅箔と導体間に正弦波50Hzの交流電圧を印加して、連続的に昇圧させながら絶縁破壊した。電圧(実効値)を測定した。測定は20回行い、その平均値を断面測定により観察される膜厚の最小値(外側気泡非含有絶縁層を有する場合には、気泡含有絶縁層と外側気泡非含有絶縁層の合計の最小値)で除した値を絶縁破壊強さ(kV/mm)とした。
なお、測定温度は25℃で行った。
本試験においては、絶縁破壊電圧150kV/mm以上のものを合格とした。
(部分放電開始電圧)
絶縁電線を2枚のステンレス板(SUS板ともいう)に挟んで万能材料試験器(島津製作所社製、商品名:オートグラフ AGS−H)にて1MPaで圧縮した。SUS板の片方に接地電極を、導体に高圧電極を配線し、部分放電開始電圧装置(菊水電子社製、KPD2050)を用いて、正弦波50Hzの交流電圧を印加して、連続的に昇圧させながら放電電荷量が10pCのときの電圧(実効値)を、測定した。測定温度は25℃、50%RHとした。部分放電開始電圧は、絶縁層全体の厚さ(表1の気泡含有絶縁層の皮膜厚さと外側気泡非含有絶縁層の厚さの合計)によるが、絶縁層全体の厚さを50μmとしたときの下記式による換算値が600V以上であれば部分放電が発生しにくいといえる。したがって、評価は、この換算値が650V以上であった場合を「◎」、600〜649Vであった場合を「○」、600V未満であった場合を「△」とした。
換算式:50μmとしたときの換算にはダーキンの下記実験式によって行った。
Figure 2019188898
上述の実験式において、Vは部分放電開始電圧、tは絶縁層全体の厚さ、εは絶縁層全体の比誘電率を表す。
「絶縁層全体の比誘電率」は、絶縁電線の静電容量と、導体及び絶縁電線の外径から、下記式によって、算出された値をいう。
式 : εr=Cp・Log(b/a)/(2πε
ここで、εrは絶縁層全体の比誘電率、Cpは単位長さ当りの静電容量[pF/m]、aは導体の外径、bは絶縁電線の外径、εは真空の誘電率(8.855×10−12[F/m])を、それぞれ、表す。
絶縁電線の静電容量は、LCRハイテスタ(日置電機社製、型式3532−50(商品名:LCRハイテスタ))、及び、常温(25℃)の乾燥空気中に24時間以上放置した絶縁電線を用いて、測定温度を25℃及び250℃に設定し、所定の温度に設定した恒温槽に絶縁電線を入れて温度が一定になった時点で測定した。
絶縁電線の断面が円形ではない場合、例えば、矩形である場合には、「絶縁層全体の比誘電率」は、絶縁層全体の静電容量Cpが平坦部の静電容量Cfとコーナー部の静電容量Ceの合成(Cp=Cf+Ce)であることを利用して算出できる。具体的には、導体の直線部の長辺と短辺の長さをL1、L2、導体コーナーの曲率半径R、絶縁層全体の厚さTとすると、平坦部の静電容量Cf及びコーナー部の静電容量Ceは下記式で表される。これら式と、実測した絶縁電線の静電容量及び絶縁層全体の静電容量Cp(Cf+Ce)とからεrを算出した。
Cf=(εr/ε)×2×(L1+L2)/T
Ce=(εr/ε)×2πε/Log{(R+T)/R}
(可とう性)
製造した各絶縁電線の可とう性を次のようにして評価した。
絶縁電線の短辺長さと同寸の外径を有する円柱体に巻きつけた絶縁電線の絶縁層外層(気泡含有絶縁層。外側非気泡含有絶縁層を有する絶縁電線では外側非気泡含有絶縁層)の外観をマイクロスコープ(キーエンス社製:VHX−2000(商品名))で観察した。
試験は5検体について行った。
評価は、5検体の全てについて外観に全く変化が見られなかった場合を「◎」、少なくとも1検体に絶縁層外層の色が変化し、しわが曲げた外側部分に生じるものの、実用特性に影響がない場合を「○」、少なくとも1検体に、絶縁層外層の色の変化を生じ、しわが気泡含有絶縁層の全周で確認されるものの、実用性に影響がない場合を「△」、少なくとも1検体に、絶縁層に亀裂が生じ、又は、導体が露出した場合を「×」とした。
本試験は、参考試験である。
Figure 2019188898
Figure 2019188898
表1の結果から、以下のことが分かる。
比較例1〜5の絶縁電線は、いずれも絶縁破壊電圧と部分放電開始電圧とを両立することができなかった。
これに対して、扁平率が1.5以上5.0以下である扁平気泡を有する実施例1〜13の絶縁電線は、いずれも、部分放電開始電圧を維持しつつ、より高い絶縁破壊電圧を示した。特に、実施例1、2の絶縁電線は、扁平率の低すぎる気泡を有する比較例1、2の絶縁電線に対して、いずれも10kV/mm程度も絶縁破壊電圧が高かった。
実施例1と実施例12の比較より、扁平した気泡の割合が50%以上である場合に、絶縁破壊電圧がより高いことが分かる。
実施例2と実施例13の比較より、空隙率が70%以下である場合に、絶縁破壊電圧及び可とう性により優れることが分かる。
本発明をその実施態様とともに説明したが、我々は特に指定しない限り我々の発明を説明のどの細部においても限定しようとするものではなく、添付の請求の範囲に示した発明の精神と範囲に反することなく幅広く解釈されるべきであると考える。
本願は、2018年3月30日に日本国で特許出願された特願2018−068758に基づく優先権を主張するものであり、これはここに参照してその内容を本明細書の記載の一部として取り込む。
10、20 絶縁電線
1 導体
2 扁平気泡含有絶縁層
3 外側気泡非含有絶縁層
4 扁平気泡

Claims (7)

  1. 導体と、該導体の外周面を直接又は間接的に被覆する、熱硬化性樹脂を含む気泡含有絶縁層とを有する絶縁電線であって、
    前記気泡含有絶縁層中の気泡が、前記絶縁電線の長手方向に垂直な断面における、気泡の扁平率(気泡断面形状の横方向の長さ/気泡断面形状の縦方向の長さ)が1.5以上5.0以下である扁平気泡を含む、絶縁電線。
  2. 前記気泡含有絶縁層中の気泡中、前記扁平気泡の数の割合が50%以上である請求項1に記載の絶縁電線。
  3. 前記気泡含有絶縁層の空隙率が70%以下である請求項1又は2に記載の絶縁電線。
  4. 前記熱硬化性樹脂が、ポリエステル、ポリエステルイミド、ポリイミド、若しくはポリアミドイミド、又はその組み合わせである請求項1〜3のいずれか1項に記載の絶縁電線。
  5. 前記気泡含有絶縁層の外周面を直接又は間接的に被覆する外側気泡非含有絶縁層を有する請求項1〜4のいずれか1項に記載の絶縁電線。
  6. 前記気泡含有絶縁層の厚さが10μm以上250μm以下である請求項1〜5のいずれか1項に記載の絶縁電線。
  7. 前記扁平気泡が、気泡を有する絶縁層の厚さ方向の圧縮により形成される請求項1〜6のいずれか1項に記載の絶縁電線。
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