JPWO2019187929A1 - 構造体、加飾フィルム及び加飾フィルムの製造方法 - Google Patents

構造体、加飾フィルム及び加飾フィルムの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】金属的な外観を有しつつも電波を透過可能な意匠性の高い構造体、加飾フィルム及び加飾フィルムの製造方法を提供すること。【解決手段】本技術に係る構造体は、加飾部と部材とを具備する。上記加飾部は、絶縁性金属層と、上記絶縁性金属層の意匠面側に隣接し、可視光領域で光透過性を有し、上記絶縁性金属層による反射光に対して干渉を生じさせる色相調整層とを含む。上記部材は、上記加飾部が接着される被加飾領域を有する。【選択図】図2

Description

本技術は、電子機器や車両等に適用可能な構造体、加飾フィルム及び加飾フィルムの製造方法に関する。
従来、電子機器等の筐体部品として、金属的な外観を有しつつも電波を透過可能である部材が考案されている。例えば特許文献1には、無機材料からなる高屈折率膜と低屈折率膜を交互に積層し、所定のフィルター特性を有する光学多層膜が開示されている。光学多層膜には金属が使用されないため、電波は透過可能である。
また、特許文献2及び3には、屈折率が異なる樹脂層を交互に多数積層することにより、選択的に特定の波長の光を反射するフィルムが開示されている。このフィルムには金属が使用されないため、電波は透過可能である。
また、特許文献4には、金属色を呈する窒化チタン層上に透明かつ干渉色を呈する窒化アルミニウム層を積層した成形品が開示されている。金属色かつ虹色の干渉色を呈する美観とすることが可能とされている。
また、特許文献5には錫及び/又は錫合金からなる光輝装飾層を備える成形品が開示されている。光輝装飾層を多層の構成とすることにより、金属色かつ虹色の干渉色を呈する美観とすることが可能とされている。
また、特許文献6には、塗膜を形成する塗料組成物が開示されている。この塗膜上に錫やインジウム等の金属蒸着膜を形成すると、虹彩色模様を発現することが可能とされている。
また、特許文献7には、無機薄膜層上に金属薄膜層を積層したドア開閉装置が開示されている。金属薄膜層を形成する金属粒子は無機薄膜層上において離間した島状の集合体を形成し、金属光沢を有する美観と絶縁性を実現可能とされている。
特開2005−126813号公報 特開平3−41401号公報 特開2009−262466号公報 特開2005−55329号公報 特開2005−212745号公報 特開2013−241583号公報 特開2012−225041号公報
しかしながら、引用文献1に記載の光学多層膜では、所望の光学特性を得るために20層以上を積層する必要があり、生産性に問題がある。また、特許文献2及び3に記載のフィルムでは、金属調の光沢を得るために50層以上を積層する必要があり、生産性に問題がある。さらに、樹脂層が紫外線の影響により劣化するおそれがある共に、成形時に樹脂層が部分的に歪み、膜厚の変化による色ムラが生じるおそれがある。
また、引用文献4に記載の成形品では、金属を蒸着後、金属に対して窒化、酸化又は炭化を行っているが、窒化、酸化又は炭化が完全に行われるわけではなく、一部は金属として残り、完全な絶縁膜とはならない。このため、蒸着膜がない場合に比べ、電波透過性が低下する。
また、引用文献5に記載の成形品では、光輝装飾層が錫及び/又は錫合金からなるため、アルミニウムに比べて反射率が低く、光輝性に乏しい。また、光輝装飾層を厚くすると絶縁性が失われ、電波透過性が低下する。
また、引用文献6に記載の塗料組成物では、金属蒸着膜は錫やインジウムに限られるため、アルミニウムに比べて反射率が小さく、光輝性に乏しい。
以上のような事情に鑑み、本技術の目的は、金属的な外観を有しつつも電波を透過可能な意匠性の高い構造体、加飾フィルム、構造体の製造方法、及び加飾フィルムの製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、本技術の一形態に係る構造体は、加飾部と、部材とを具備する。
上記加飾部は、絶縁性金属層と、上記絶縁性金属層の意匠面側に隣接し、可視光領域で光透過性を有し、上記絶縁性金属層による反射光に対して干渉を生じさせる色彩調整層とを含む。
上記部材は、上記加飾部が接着される被加飾領域を有する。
この構成によれば、意匠面側から入射した光は絶縁性金属層によって反射され、色彩調整層によって生じる干渉によって色彩が調整される。また、絶縁性金属層は電波を遮蔽しないため、金属調の外観を有しつつも電波を透過可能な意匠性の高い構造体を実現することができる。
上記絶縁性金属層は、微細なクラックを有するものであってもよい。
微細なクラックを設けることにより、絶縁性金属層は、面抵抗値がほぼ絶縁状態となり、電波が絶縁性金属層を透過する際に渦電流が発生することが防止される。これにより、渦電流損失による電磁波エネルギーの低減が十分に抑制され、電波は高い透過率で絶縁性金属層を透過する。
上記絶縁性金属層は、アルミニウム、チタン、クロム、銀及びこれらの少なくともいずれか一つを含む合金のうちのいずれかからなるものであってもよい。
アルミニウム、チタン、クロム、銀及びこれらの合金からなる金属膜は、高い光反射率を有するが電波を遮蔽する。このため、金属膜に微細クラックを設けて絶縁性金属層とすることにより、高い光反射率を有しながら、電波を透過する層とすることが可能である。
上記絶縁性金属層は、金属の不連続膜であってもよい。
特定の金属は、所定の膜厚以下の厚みで成膜することにより、金属不連続膜を形成し、絶縁性金属層とすることが可能である。この場合、微細なクラックを設けることなく、電波を透過する層とすることが可能である。
上記絶縁性金属層は、インジウム、スズ及びこれらの少なくともいずれか一つを含む合金のうちのいずれかからなるものであってもよい。
インジウム、スズ及びこれらの合金は所定の膜厚以下の厚みで成膜することにより、金属不連続膜を形成するため、絶縁性金属層とすることが可能である。
上記色彩調整層は、シリコン、シリコン酸化物、シリコン窒化物、金属酸化物又は金属窒化物からなるものであってもよい。
シリコン、シリコン酸化物、シリコン窒化物、金属酸化物又は金属窒化物は、絶縁性金属層による反射光に対して干渉を生じるため、色彩調整層として利用することが可能である。
上記色彩調整層は、上記絶縁性金属層のモース硬度より高いモース硬度を有するものであってもよい。
色彩調整層のモース硬度を絶縁性金属層のモース硬度より高くし、即ち色彩調整層の破断強度を絶縁性金属層の破断強度より小さくすることにより、色彩調整層を先に破断させ、絶縁性金属層のクラックを誘発させるクラック誘発層として機能させることが可能となる。
上記色彩調整層の厚みは10nm以上300nm以下であってもよい。
色彩調整層の厚みが10nm未満であると色彩調整層による干渉が生じにくく、300nmを超えると光透過率が小さくなる。このため、色彩調整層の厚みは10nm以上300nm以下が好適である。
上記絶縁性金属層の厚みは10nm以上300nm以下あってもよい。
絶縁性金属層の厚みが10nm未満であると入射光が透過するため、光反射率が低下し、300nmを超えると表面が荒れて光反射率が小さくなる。このため、絶縁性金属層の厚みは10nm以上300nm以下が好適である。
上記絶縁性金属層のクラック片は長辺が1μm以上500μm以下であってもよい。
クラック片の長辺が1μm未満であると、微細クラックに対するクラック片の面積比が小さくなって光反射率が低下し、クラック片の長辺が500μmを超えると電波透過率が低下するため、絶縁性金属層のクラック片は長辺が1μm以上500μm以下が好適である。
上記構造体は、上記絶縁性金属層のクラック片を固定する接着層をさらに具備してもよい。
接着層によって絶縁性金属層のクラック片を固定し、クラック片の剥離を防止することが可能である。
上記構造体は、筐体部品、車両又は建築物の少なくとも一部であってもよい。
本技術を適用することによって、金属的な外観を有しつつも電波を透過可能な意匠性の高い筐体部品、車両、及び建築物を実現することが可能となる。
上記目的を達成するため、本技術の一形態に係る加飾フィルムは、ベースフィルムと、絶縁性金属層と、色彩調整層とを具備する。
上記色彩調整層は、上記絶縁性金属層の意匠面側に隣接し、可視光領域で光透過性を有し、上記絶縁性金属層による反射光に対して干渉を生じさせる。
上記絶縁性金属層は、微細なクラックを有するものであってもよい。
上記目的を達成するため、本技術の一形態に係る加飾フィルムの製造方法は、ベースフィルムと、金属層と、上記金属層より高いモース硬度を有し、上記金属層に隣接し、可視光領域で光透過性を有し、上記絶縁性金属層による反射光に対して干渉を生じさせる色彩調整層とを備える積層フィルムを形成し、上記積層フィルムを延伸し、上記金属層及び上記色彩調整層に微細なクラックを生じさせ、上記金属層を絶縁性金属層とする。
以上のように、本技術によれば、金属的な外観を有しつつも電波を透過可能な意匠性の高い構造体、加飾フィルム、構造体の製造方法、及び加飾フィルムの製造方法を提供することが可能である。なお、ここに記載された効果は必ずしも限定されるものではなく、本開示中に記載されたいずれかの効果であってもよい。
本技術の第1実施形態に係る携帯端末の斜視図である。 同携帯端末が備える金属加飾部の断面図である。 同金属加飾部が備える絶縁性金属層の平面図である。 同金属加飾部を形成するための加飾フィルムの断面図である。 アルミニウムとスズの反射率波長分散を示すグラフである。 単層のシリコンと反射率波長分散を示すグラフである。 単層のシリコンの反射光の色彩を示す表である。 厚み60nmのアルミニウム上に単層のシリコンを積層した積層体の反射率波長分散を示すグラフである。 同積層体の反射光の色彩を示す表である。 厚み60nmのアルミニウム上に単層のSiO(酸化度0.2)を積層した積層体の反射率波長分散を示すグラフである。 同積層体の反射光の色彩を示す表である。 厚み60nmのアルミニウム上に単層のSiO(酸化度0.5)を積層した積層体の反射率波長分散を示すグラフである。 同積層体の反射光の色彩を示す表である。 本技術の第1の実施形態に係る加飾フィルムとなる積層フィルムの模式図である。 同積層フィルムの金属層に微細クラックが形成された状態を示す模式図である。 同積層フィルムの延伸に用いる2軸延伸装置の模式図である。 本技術の第1実施形態に係る金属加飾部を形成するインモールド成形法を示す模式図である。 同金属加飾部が備える絶縁性金属層の微細クラックのサイズを示す模式図である。 本技術の第2実施形態に係る金属加飾部の模式図である。 同金属加飾部を形成するための加飾フィルムの断面図である。 本技術の第3実施形態に係る金属加飾部の断面図である。 同金属加飾部を形成するための加飾フィルムの断面図である。 同金属加飾部を形成するインサート成形法を示す模式図である。 本技術の変形例に係る加飾フィルムの断面図である。
(第1の実施形態)
本技術の第1の実施形態について説明する。
[電子機器の構成]
図1は、本技術の一実施形態に係る電子機器としての携帯端末の構成例を示す概略図である。図1Aは、携帯端末100の正面側を示す正面図であり、図1Bは、携帯端末100の背面側を示す斜視図である。
携帯端末100は、筐体部101と、筐体部101内に収容される図示しない電子部品とを有する。図1Aに示すように筐体部101の前面側である前面部102には、通話部103と、タッチパネル104と、対面カメラ105とが設けられる。通話部103は、電話の相手と通話するために設けられ、スピーカ部106及び音声入力部107を有する。スピーカ部106から相手の音声が出力され、音声入力部107を介してユーザの声が相手側に送信される。
タッチパネル104には、種々の画像やGUI(Graphical User Interface)が表示される。ユーザは、タッチパネル104を介して静止画や動画を閲覧可能である。またユーザは、タッチパネル104を介して種々のタッチ操作を入力する。対面カメラ105は、ユーザの顔等を撮影するときに用いられる。各デバイスの具体的な構成は限定されない。
図1Bに示すように、筐体部101の背面側である背面部108には、金属的な外観となるように加飾された金属加飾部10が設けられる。金属加飾部10は、金属的な外観を有しつつも電波を透過することが可能である。
後に詳しく説明するが、背面部108の所定の領域に被加飾領域11が形成される。当該被加飾領域11に加飾フィルム12が接着されることで、金属加飾部10が構成される。したがって被加飾領域11は、金属加飾部10が形成される領域に相当する。
本実施形態では、加飾フィルム12が、加飾部に相当する。また被加飾領域11が形成される筐体部101が部材に相当する。被加飾領域11を有する筐体部101と、被加飾領域11に接着される加飾フィルム12とにより、本技術に係る構造体が筐体部品として構成される。なお筐体部品の一部に、本技術に係る構造体が用いられる場合もあり得る。
図1Bに示す例では、背面部108の略中央に部分的に金属加飾部10が形成される。金属加飾部10が形成される位置は限定されず適宜設定されてよい。例えば背面部108全体に金属加飾部10が形成されてもよい。これにより背面部108の全体を一様に金属的な外観とすることが可能である。
金属加飾部10の周囲の他の部分を金属加飾部10と略等しい外観とすることで、背面部108の全体を一様に金属的な外観とすることも可能である。その他、金属加飾部10以外の部分は木目調等の他の外観にすることで、意匠性を向上させることも可能である。ユーザが所望する意匠性が発揮されるように、金属加飾部10の位置や大きさ、その他の部分の外観等が適宜設定されればよい。
被加飾領域11に接着される加飾フィルム12は、意匠面12aを有する。意匠面12aは、携帯端末100を使用するユーザが視認可能な面であり、筐体部101の外観(デザイン)を構成する要素の1つとなる面である。本実施形態では、背面部108の表面側に向けられる面が、加飾フィルム12の意匠面12aとなる。すなわち被加飾領域11に接着される接着面12b(図2参照)とは反対側の面が、意匠面12aとなる。
筐体部101内に収容される電子部品として、本実施形態では、外部のリーダーライタ等と電波を介して通信することが可能なアンテナ部15(図2参照)が収容される。アンテナ部15は、例えばベース基板(図示なし)、ベース基板上に形成されたアンテナコイル16(図2参照)、及びアンテナコイル16に電気的に接続される信号処理回路部(図示なし)等を有する。アンテナ部15の具体的な構成は限定されない。なお筐体部101に収容される電子部品として、ICチップやコンデンサ等の種々の電子部品が収容されてよい。
[金属加飾部の構成]
図2は、金属加飾部10の構成を示す模式的な断面図である。上記したように金属加飾部10は、アンテナ部15等の位置に応じた領域に形成された被加飾領域11と、被加飾領域11に接着される加飾フィルム12とで構成される。
加飾フィルム12は、接着層121、絶縁性金属層122、色彩調整層123、易接着層124及び保護層125を備える。
接着層121は、加飾フィルム12を被加飾領域11に接着する。接着層121の材料は特に限定されず、例えば熱可塑性樹脂とすることができる。また、後述するように絶縁性金属層122及び色彩調整層123にはクラックが設けられており、接着層121はこのクラックの内部に入り込み、絶縁性金属層122及び色彩調整層123のクラック片を固定する固定層としても機能する。
絶縁性金属層122は、金属加飾部10を金属的な外観とするための層である。絶縁性金属層122には、多数の微細なクラック(以下、微細クラックと記載する)122aが形成されている。図3は絶縁性金属層122を層面方向に対して垂直な方向から図である。
同図に示すように絶縁性金属層122は微細クラック122aによって多数のクラック片122bに分割されている。これにより、絶縁性金属層122は、面抵抗値がほぼ絶縁状態となり、電波が加飾フィルム12を透過する際に絶縁性金属層122において渦電流が発生することが防止される。この結果、渦電流損失による電磁波エネルギーの低減が十分に抑制され、電波は高い透過率で加飾フィルム12を透過する。
なお、クラック片122bの形状は図3に示すものに限られず、よりランダム性の高いものであってもよい。
絶縁性金属層122の材料は、高い光反射率を有するものが好適であり、アルミニウム、チタン、クロム及び銀のいずれか、又はアルミニウム、チタン、クロム及び銀の少なくとも一つを含む合金とすることができる。
絶縁性金属層122の厚みは、10nm以上300nm以下が好適である。絶縁性金属層122の厚みが10nm未満だと入射光が絶縁性金属層122を透過して光反射率が低下し、絶縁性金属層122の厚みが300nmを超えると絶縁性金属層122の表面が荒れ、光反射率が低下するためである。
色彩調整層123は、絶縁性金属層122の意匠面12a側に隣接し、可視光領域で光透過性を有し、絶縁性金属層122による反射光に対して干渉を生じさせる。これにより、干渉による構造色によって金属加飾部10の色彩を調整することができる。
色彩調整層123は単層膜とすることができる。仮に絶縁性金属層122が設けられない場合、金属加飾部10を金属調とするためには、色彩調整層123を多層とし、反射率を高める必要がある。これに対し、加飾フィルム12が絶縁性金属層122を備えることにより、色彩調整層123を単層膜としても高い反射率と色彩の両立が可能である。
色彩調整層123の材料は、可視光領域で光透過性を有し、絶縁性金属層122による反射光に対して干渉を生じさせる材料であればよく、シリコン、シリコン酸化物、シリコン窒化物、金属酸化物又は金属窒化物からなるものとすることができる。
上記金属酸化物としては、酸化コバルト(Co)、酸化アルミニウム(Al23)、酸化鉄(Fe23)、酸化クロム(Cr23)、酸化セリウム(CeO2)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、酸化チタン(TiO2)又は酸化マグネシウム(MgO)等を利用することができる。
上記金属窒化物としては、窒化ホウ素(BN)又は窒化チタン(TiN)等を利用することができる。
また、色彩調整層123には微細なクラック(以下、微細クラックと記載する)123aが形成されている。微細クラック123aは、図2に示すように、絶縁性金属層122に設けられた微細クラック122aに連続するクラックである。
色彩調整層123を、絶縁性金属層122より引張破断強度が小さい層とすることにより、加飾フィルム12の製造工程において先に色彩調整層123に微細クラック123aが生じる。この微細クラック123aを起点として、絶縁性金属層122に微細クラック122aを誘発させることができる。即ち、色彩調整層123はクラック誘発層としても機能させることができる。
色彩調整層123の引張破断強度を絶縁性金属層122より小さくするためには、色彩調整層123のモース硬度を絶縁性金属層122のモース硬度より高くすればよい。以下に各種材料のモース硬度を示す。
アルミニウム(Al):モース硬度 約2.5
クロム(Cr):モース硬度 約9
シリコン(Si):モース硬度 約7
チタン(Ti):モース硬度 約6
コバルト(Co):モース硬度 約5.5
鉄(Fe):モース硬度 約4.5
ニッケル(Ni):モース硬度 約3.5
酸化アルミニウム(Al23):モース硬度 約9
酸化鉄(Fe23):モース硬度 約6
酸化クロム(Cr23):モース硬度 約6
酸化セリウム(CeO2):モース硬度 約6
酸化ジルコニウム(ZrO2):モース硬度 約6
酸化チタン(TiO2):モース硬度 約5.5
酸化ケイ素(SiO2):モース硬度 約7
酸化マグネシウム(MgO):モース硬度 約6.5
窒化ホウ素(BN):モース硬度 約9
窒化チタン(TiN):モース硬度 約9
炭化ケイ素(SiC):モース硬度 約9.5
炭化ホウ素(B4C):モース硬度 約9
上記モース硬度から、例えば絶縁性金属層122がアルミニウムからなる場合、色彩調整層123は酸化アルミニウム、酸化鉄、酸化クロム、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化ケイ素、酸化マグネシウム、窒化ホウ素、窒化チタン、炭化ケイ素、又は炭化ホウ素からなるものとすることができる。
また例えば絶縁性金属層122がチタンからなる場合、色彩調整層123は酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化マグネシウム、窒化ホウ素、窒化チタン、炭化ケイ素、又は炭化ホウ素からなるものとすることができる。
また例えば絶縁性金属層122がクロムからなる場合、色彩調整層123は炭化ケイ素からなるものとすることができる。
なお、色彩調整層123をクラック誘発層として利用しないことも可能であり、色彩調整層123は微細クラック123aを有しないものであってもよい。この場合、色彩調整層123のモース硬度は絶縁性金属層122のモース硬度より小さくてもよい。
色彩調整層123の厚みは10nm以上300nm以下が好適である。色彩調整層123の厚みが10nm未満の場合には干渉が生じにくく、色彩調整層123の厚みが300nmを超える場合には色彩調整層123の光透過率が小さくなるためである。また、色彩調整層123は300nm以下の厚みで各色への色彩の調整が可能であり、300nmを超える厚みとする必要がない。
さらに、色彩調整層123厚み及び材料組成(酸化度等)は色彩調整層123の面内において均一でなくてもよく、面内で厚み又は材料組成の分布を調整することにより、虹色の色彩を呈するものとすることも可能である。
易接着層124は、保護層125を色彩調整層123に接着する層である。易接着層124は接着性及び光透過性を有するものであればよい。
保護層125は、加飾フィルム12の各層を保護する層(ハードコート層)である。保護層125は、光透過性を有するものであればよく、UV硬化性樹脂、熱硬化性樹脂又は2液硬化性樹脂等かなるものとすることができる。保護層125によって平滑化、防汚、剥離防止、傷防止等が実現される。なお保護層125として、アクリル樹脂等がコーティングされてもよい。また、保護層125として非塩化ビニル系の材料を選択することで、金属の腐食の防止に有利である。
保護層125の表面、即ち易接着層124とは反対側の面が加飾フィルム12の意匠面12aとなる。また、意匠面12aや保護層125の下面には印刷層等が形成されてもよい。
金属加飾部10は以上のような構成を有する。上述のように金属加飾部10は、筐体部101の被加飾領域11に加飾フィルムが転写されたものとすることができる。以下この転写用の加飾フィルムについて説明する。
[転写用加飾フィルムの構成]
図4は転写用の加飾フィルム150の構成を示す模式的な断面図である。加飾フィルム150の構成において上記加飾フィルム12と同一の構成については加飾フィルム12と同一の符号を付し、説明を省略する。
同図に示すように、加飾フィルム150は、接着層121、絶縁性金属層122、色彩調整層123、易接着層124、保護層125、離型層151及びベースフィルム152を備える。
離型層151は、保護層125に積層され、保護層125とベースフィルム152を接着する層である。離型層151は比較的接着力の小さい接着材料からなる。
ベースフィルム152は、加飾フィルム150の各層の支持体となる層である。ベースフィルム152は、典型的には樹脂フィルムが用いられる。ベースフィルム152の材料としては、例えばPET(ポリエチレンテレフタレート)、PC(ポリカーボネート)、PMMA(ポリメタクリル酸メチル)、又はPP(ポリプロピレン)等が用いられる。その他の材料が用いられてもよい。
加飾フィルム150は以上のような構成を有する。加飾フィルム150が接着層121によって被加飾領域11に貼付され、離型層151及びベースフィルム152が剥離されると、図2に示す金属加飾部10が形成される。
[金属加飾部の効果について]
金属加飾部10では、上述のように、入射光は絶縁性金属層122によって反射され、その反射光は色彩調整層123による干渉によって色彩が調整される。
絶縁性金属層122は微細クラック122aによって層面方向において絶縁され、電波の透過を防止する。このため、絶縁性金属層122の材料として通常であれば導電性を有する材料を利用することができ、アルミニウム等の光反射率の高い金属を利用することが可能である。
図5は、アルミニウム(厚み60nm)とスズ(厚み60nm)の反射率波長分散を示すグラフである。同図に示すようにアルミニウムは広い波長帯域において高い光反射率を有する。
色彩調整層123による色彩調整について、図6は、単層のシリコンと反射率波長分散を示すグラフであり、図7は反射光の色彩を示す表である。同図に示すようにシリコンは厚みによって各波長の反射率が異なり、反射光の色彩が各色に変化する。一方でシリコンの光反射率は最大でも60%以下である。
図8は、厚み60nmのアルミニウム上に単層のシリコンを積層した積層体の反射率波長分散を示すグラフであり、図9は反射光の色彩を示す表である。同図に示すようにアルミニウム上にシリコンを積層すると、アルミニウムの高い光反射率によって光反射率が向上する。また、シリコンの厚みによる反射光の色彩の変化も生じる。
図10は、厚み60nmのアルミニウム上に単層のSiO(酸化度0.2)を積層した積層体の反射率波長分散を示すグラフであり、図11は反射光の色彩を示す表である。また、図12は、厚み60nmのアルミニウム上に単層のSiO(酸化度0.5)を積層した積層体の反射率波長分散を示すグラフであり、図13は反射光の色彩を示す表である。
図10乃至図13に示すように、SiOの酸化度によっても反射率波長分散が変化し、高い光反射率を実現しながら色彩を調整することが可能である。
このように、金属加飾部10では、絶縁性金属層122による高い光反射率と、色彩調整層123による色彩の調整が可能であり、電波透過性を有しながら金属調の外観を有する意匠性の高い構造体を実現することが可能である。
[加飾フィルムの製造方法]
加飾フィルム150の製造方法について説明する。加飾フィルム150の製造方法においては、まず積層フィルムを準備する。図14は、積層フィルム160の構成を示す模式図である。同図に示すように、接着層121、金属層161、色彩調整層162、易接着層124、保護層125、離型層151及びベースフィルム152を積層し、積層フィルム160を作成する。
積層フィルム160の作成方法は特に限定されないが、色彩調整層162及び金属層161はロールツーロール方式又はバッチ方式の蒸着プロセス等によって成膜することが可能である。
続いて積層フィルム160を延伸し、積層フィルム160に張力を印加する。図15は延伸後の積層フィルム160の構成を示す模式図である。色彩調整層162の材料のモース硬度を金属層161のモース硬度より高くし、即ち色彩調整層162の引張破断強度を金属層161の引張破断強より小さくすると、色彩調整層162が金属層161より先に破断し、色彩調整層162に微細クラック162aが形成される。
すると、色彩調整層162の破断によって金属層161の破断が誘発され、金属層161にも微細クラック161aが形成される。これにより、金属層161が破断強度の高い材料からなる場合であっても、より小さい張力で金属層161に微細クラック161aを形成することが可能である。
このようにして色彩調整層162から色彩調整層123が形成され、金属層161から絶縁性金属層122が形成される(図4参照)。接着層121は、加熱等によって微細クラック122a及び微細クラック123aに流入し、色彩調整層123及び絶縁性金属層122のクラック片を固定する。加飾フィルム150は以上のようにして製造することが可能である。
なお、積層フィルム160の延伸は例えば次に示すような2軸延伸装置を用いて行うことができる。図16は、2軸延伸装置の構成を示す模式図である。2軸延伸装置500は、ベース部材501と、ベース部材501上に配置される、互いに略等しい構成を有する4つの延伸機構502を有する。
4つの延伸機構502は、互いに直交する2軸(x軸及びy軸)の各々に2つずつ、各軸上で互いに対向するように配置される。以下、y軸方向の矢印の反対向きに積層フィルム160を延伸する延伸機構502aを参照しながら説明を行う。
延伸機構502aは、固定ブロック503と、可動ブロック504と、複数のクリップ505とを有する。固定ブロック503は、ベース部材501に固定される。固定ブロック503には、延伸方向(y方向)に延在する延伸ネジ506が貫通されている。
可動ブロック504は、ベース部材501に移動可能に配置される。可動ブロック504は、固定ブロック503を貫通する延伸ネジ506に接続される。従って延伸ネジ506が操作されることで、可動ブロック504がy方向に移動可能となる。
複数のクリップ505は、延伸方向に直交する方向(x方向)に沿って並べられる。複数のクリップ505の各々には、x方向に延在するスライドシャフト507が貫通している。
各クリップ505は、スライドシャフト2507に沿ってx方向における位置を変更可能である。複数のクリップ505の各々と、可動ブロック504とは、連結リンク508及び連結ピン509により連結されている。
延伸ネジ506の操作量によって、延伸率が制御される。また複数のクリップ505の数や位置、連結リンク508の長さ等を適宜設定することでも、延伸率の制御が可能である。なお2軸延伸装置500の構成は限定されない。
本実施形態に係る2軸延伸装置500は、フィルムをフルカットされた枚葉で2軸延伸するものであるが、ロールで連続して2軸延伸することも可能である。例えばロール間の走行方向による張力と、ロール間に設けられた走行に同期して動くクリップ505により走行方向に直角な張力を与えることにより、連続した2軸延伸が可能となる。
ベース部材501上に積層フィルム160を配置し、4つ辺の各々に延伸機構502の複数のクリップ505が取り付けられる。図示しない温調された加熱ランプ又は温調された熱風により積層フィルム160が加熱されている状態で、4つの延伸ネジ506を操作し2軸延伸を行う。
例えば、各軸方向における延伸率は2%、基板加熱温度は130℃の条件とすることができる。延伸率が低すぎると適正な微細クラックが形成されず、金属層161が導電性を有してしまう。この場合、渦電流等の影響により、十分な電波透過性が発揮されない。一方で、延伸率が大きすぎると、ベースフィルム152へのダメージが大きくなる。
その結果、加飾フィルム12を被加飾領域11に接着する際に、エアの噛み込みやしわの発生等により、歩留りが悪化してしまう可能性がある。またベースフィルム152や金属層161自体の変形により、金属加飾部10の意匠性が低下してしまうこともある。
本実施形態に係る積層フィルム160では、各軸の方向において2%以下のという低い延伸率にて、微細クラックを適正に形成することができる。これによりベースフィルム152へのダメージを十分に防止することが可能となり、歩留を向上させることができる。
また加飾フィルム12が接着された金属加飾部10の意匠性を高く維持することができる。もちろん延伸率は適宜設定可能であり、上記のような不具合が発生しないのであれば、2%以上の延伸率が設定されてもよい。
[構造体の製造方法]
金属加飾部10を備える筐体部101の製造方法について説明する。金属加飾部10を備える筐体部101はインモールド成形法によって製造することが可能である。
図17は、インモールド成形法を説明するための模式的な図である。インモールド成形は、図17に示すようなキャビティ型601とコア型602とを有する成形装置600により行われる。図17Aに示すように、キャビティ型601には、筐体部101の形状に応じた凹部603が形成されている。
加飾フィルム150は、ベースフィルム152が凹部603側となり、凹部603を覆うように配置される。加飾フィルム150は、例えばロールツーロール方式によって、成形装置600の外部から供給される。
図17Bに示すように、キャビティ型601とコア型602とがクランプされ、コア型602に形成されたゲート部606を介して、凹部603に成形樹脂Rが射出される。成形樹脂Rは、筐体部101の材料となる樹脂である。
キャビティ型601には、成形樹脂Rが供給されるスプルー部608と、これに連結するランナー部609とが形成されている。キャビティ型601とコア型602とがクランプされると、ランナー部609とゲート部606とが連結される。
これによりスプルー部608に供給された成形樹脂Rが、凹部603に射出される。なお成形樹脂Rを射出するための構成は限定されない。
成形樹脂Rとしては、例えばABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)樹脂等の汎用樹脂、PC樹脂、ABSとPCの混合樹脂等のエンジニアリングプラスチック等が用いられる。これらに限定されず、所望の筐体部101が得られるように、成形樹脂Rの材料や色(透明度)が適宜選択されてよい。
成形樹脂Rは、高温で溶かされた状態で凹部603に射出される。成形樹脂Rは、凹部603の内面を押圧するように射出される。この際、凹部603に配置された加飾フィルム150は成形樹脂Rにより押圧されて変形する。
成形樹脂Rの熱により、加飾フィルム150に形成された接着層121が溶かされ、成形樹脂Rの表面に加飾フィルム12が接着される。
成形樹脂Rが射出された後、キャビティ型601及びコア型602は冷却され、クランプが解除される。この際、ベースフィルム152は、離型層151と共に剥離される。コア型602には、加飾フィルム12が転写された成形樹脂Rが付着している。
当該成形樹脂Rが取り出されることで、所定の領域に金属加飾部10が形成された筐体部101が製造される。インモールド成形法を用いることで、加飾フィルム12の位置合わせが容易となり、容易に金属加飾部10を形成することができる。また筐体部101の形状の設計自由度が高く、種々の形状を有する筐体部101を製造することができる。
なお筐体部101の内側に収容されるアンテナ部15が、筐体部101の成形時にインモールド成形法により取り付けられてもよい。あるいは筐体部101の成形後に、筐体部101の内側にアンテナ部15が貼り付けられてもよい。また、筺体内部にアンテナ部15が内蔵される場合もあり得る。
なお、金属加飾部10を備える筐体部101の製造方法はここに示すものに限られず、他の製造方法によって金属加飾部10を備える筐体部101を製造することも可能である。
[クラック片のサイズについて]
絶縁性金属層122のクラック片122bのサイズについて説明する。図18は、絶縁性金属層122の模式図であり、図3の拡大図である。同図に示すように個々のクラック片122bの最長辺の長さをクラック片サイズTとすると、クラック片サイズTは1μm以上500μm以下が好適である。
クラック片サイズTが1μm未満であると、微細クラック122aに対するクラック片122bの面積が小さすぎ、金属加飾部10に金属光沢が生じない。また、クラック片サイズTが500μmを超えると、絶縁性金属層122を電波が透過する際に渦電流が発生し、電波の透過率が低下する。したがって、クラック片サイズTは1μm以上500μm以下が好適である。
(第2の実施形態)
本技術の第2の実施形態について説明する。なお、本実施形態において、第1の実施形態と同一の構成については第1の実施形態と同一の符号を付し、説明を省略する。
本実施形態に係る加飾フィルム22(図19参照)は、第1の実施形態と同様に携帯端末100(図1参照)の筐体部101が備える被加飾領域11に接着され、金属加飾部20を形成する。
即ち、被加飾領域11を有する筐体部101と、被加飾領域11に接着される加飾フィルム22とにより、本技術に係る構造体が筐体部品として構成される。なお筐体部品の一部に、本技術に係る構造体が用いられる場合もあり得る。
[金属加飾部の構成]
図19は、本実施形態に係る金属加飾部20の構成を示す模式的な断面図である。同図に示すように金属加飾部20は、アンテナ部15等の位置に応じた領域に形成された被加飾領域11と、被加飾領域11に接着される加飾フィルム22とで構成される。加飾フィルム22において、被加飾領域11に接着される面を接着面22aとする。
本実施形態において筐体部101は、ガラス又は合成樹脂等の光透過性部材であり、筐体部101の加飾フィルム22とは反対側の面が意匠面101aである。意匠面101aは、携帯端末100を使用するユーザが視認可能な面であり、筐体部101の外観を構成する要素の1つとなる面である。
筐体部101の加飾フィルム22側が携帯端末100の内部であり、アンテナ部15は、加飾フィルム22の背面側(筐体部101とは反対側)に配置される。
図19に示すように、加飾フィルム22は、接着層221、色彩調整層222、絶縁性金属層223、易接着層224及び保護層225を備える。色彩調整層222と絶縁性金属層223は、第1の実施形態とは異なり、色彩調整層222が筐体部101側となるように積層されている。
接着層221は、加飾フィルム22を被加飾領域11に接着する。接着層221の材料は光透過性を有するものであればよく、例えば熱可塑性樹脂とすることができる。また、後述するように色彩調整層222及び絶縁性金属層223にはクラックが設けられており、接着層221はこのクラックの内部に入り込み、色彩調整層222及び絶縁性金属層223のクラック片を固定する固定層としても機能する。
色彩調整層222は、絶縁性金属層223の意匠面101a側に隣接し、可視光領域で光透過性を有し、絶縁性金属層223による反射光に対して干渉を生じさせる。これにより、干渉による構造色によって金属加飾部20の色彩を調整することができる。色彩調整層222は下層に絶縁性金属層223が設けられているため、単層膜とすることができる。
色彩調整層222は、第1の実施形態に係る色彩調整層123と同様に、可視光領域で光透過性を有し、絶縁性金属層223による反射光に対して干渉を生じさせる材料からなり、シリコン、シリコン酸化物、シリコン窒化物、金属酸化物又は金属窒化物からなるものとすることができる。金属酸化物及び金属窒化物は第1の実施形態において挙げたものを利用することができる。
色彩調整層222には微細なクラック(以下、微細クラックと記載する)222aが形成されている。微細クラック222aは、図19に示すように、絶縁性金属層223に設けられた微細クラック223aに連続するクラックである。
第1の実施形態と同様に、色彩調整層222のモース硬度を絶縁性金属層223のモース硬度より高くすることにより、色彩調整層222をクラック誘発層として機能させることが可能である。
なお、色彩調整層222をクラック誘発層として利用しないことも可能であり、色彩調整層222は微細クラック222aを有しないものであってもよい。
色彩調整層222の厚みは第1の実施形態に係る色彩調整層123と同様に10nm以上300nm以下が好適である。さらに、色彩調整層222厚み及び材料組成(酸化度等)は色彩調整層222の面内において均一でなくてもよく、面内で厚み又は材料組成の分布を調整することにより、虹色の色彩を呈するものとすることも可能である。
絶縁性金属層223は、金属加飾部20を金属的な外観とするための層である。絶縁性金属層223には、多数の微細なクラック(以下、微細クラックと記載する)223aが形成されている。微細クラック223aの形状は第1の実施形態に係る微細クラック122aと同様(図3参照)である。
絶縁性金属層223の材料は、高い光反射率を有するものが好適であり、アルミニウム、チタン、クロム及び銀のいずれか、又はアルミニウム、チタン、クロム及び銀の少なくとも一つを含む合金とすることができる。
絶縁性金属層223の厚みは、第1の実施形態に係る絶縁性金属層122と同様に10nm以上300nm以下が好適である。
易接着層224は、保護層225を絶縁性金属層223に接着する層である。易接着層224は接着性を有するものであればよく、光透過性を有しないものであってもよい。
保護層225は、加飾フィルム22の各層を保護する層(ハードコート層)である。保護層225は、UV硬化性樹脂、熱硬化性樹脂又は2液硬化性樹脂等かなるものとすることができる。保護層225によって平滑化、防汚、剥離防止、傷防止等が実現される。なお保護層225として、アクリル樹脂等がコーティングされてもよい。また、保護層225として非塩化ビニル系の材料を選択することで、金属の腐食の防止に有利である。
金属加飾部20は以上のような構成を有する。上述のように金属加飾部20は、筐体部101の被加飾領域11に加飾フィルムが転写されたものとすることができる。以下この転写用の加飾フィルムについて説明する。
[転写用加飾フィルムの構成]
図20は転写用の加飾フィルム250の構成を示す模式的な断面図である。加飾フィルム250の構成において上記加飾フィルム22と同一の構成については加飾フィルム22と同一の符号を付し、説明を省略する。
同図に示すように、加飾フィルム250は、接着層221、色彩調整層222、絶縁性金属層223、易接着層224、保護層225、離型層251及びベースフィルム252を備える。
離型層251は、保護層225に積層され、保護層225とベースフィルム252を接着する層である。離型層251は比較的接着力の小さい接着材料からなる。
ベースフィルム252は、加飾フィルム250の各層の支持体となる層である。ベースフィルム252は、典型的には樹脂フィルムが用いられる。ベースフィルム252の材料としては、例えばPET、PC、PMMA又はPP等が用いられる。その他の材料が用いられてもよい。
加飾フィルム250は以上のような構成を有する。加飾フィルム250が接着層221によって被加飾領域11に貼付され、離型層251及びベースフィルム252が剥離されると、図19に示す金属加飾部20が形成される。
[金属加飾部の効果について]
第1の実施形態同様に金属加飾部20では、絶縁性金属層223による高い光反射率と、色彩調整層222による色彩の調整が可能であり、電波透過性を有しながら金属調の外観を有する意匠性の高い構造体を実現することが可能である。
[加飾フィルムの製造方法]
加飾フィルム250は、第1の実施形態と同様の方法で製造することができる。即ち、積層フィルムを準備し、積層フィルムを延伸させて張力を印加することによって色彩調整層222及び絶縁性金属層223に微細クラックを形成する。積層フィルムの延伸には、第1の実施形態において説明したような延伸機構を利用することができる。
色彩調整層222のモース硬度を絶縁性金属層223のモース硬度より大きくすることにより、色彩調整層222をクラック誘発層として利用することが可能である。加飾フィルム250は以上のようにして製造することが可能である。
[構造体の製造方法]
金属加飾部20を備える筐体部101は、第1の実施形態と同様に、インモールド成形によって加飾フィルム250を筐体部101に転写することによって製造することが可能である。また、他の製造方法によって金属加飾部20を備える筐体部101を製造することも可能である。
[クラック片のサイズについて]
絶縁性金属層223のクラック片223bのサイズは、第1の実施形態と同様(図18参照)に、個々のクラック片223bの最長辺の長さをクラック片サイズとすると、クラック片サイズは1μm以上500μm以下が好適である。
クラック片サイズTが1μm未満であると、微細クラック223aに対するクラック片223bの面積が小さすぎ、金属加飾部20に金属光沢が生じない。また、クラック片サイズが500μmを超えると、絶縁性金属層223を電波が透過する際に渦電流が発生し、電波の透過率が低下する。したがって、クラック片サイズは1μm以上500μm以下が好適である。
(第3の実施形態)
本技術の第3の実施形態について説明する。なお、本実施形態において、第1の実施形態と同一の構成については第1の実施形態と同一の符号を付し、説明を省略する。
本実施形態に係る加飾フィルム32(図21参照)は、第1の実施形態と同様に携帯端末100(図1参照)の筐体部101が備える被加飾領域11に接着され、金属加飾部30を形成する。
即ち、被加飾領域11を有する筐体部101と、被加飾領域11に接着される当該加飾フィルム32とにより、本技術に係る構造体が筐体部品として構成される。なお筐体部品の一部に、本技術に係る構造体が用いられる場合もあり得る。
加飾フィルム32は、意匠面32aを有する。意匠面32aは、携帯端末100を使用するユーザが視認可能な面であり、筐体部101の外観(デザイン)を構成する要素の1つとなる面である。本実施形態では、背面部108の表面側に向けられる面が意匠面32aとなる。
[金属加飾部の構成]
図21は、本実施形態に係る金属加飾部30の構成を示す模式的な断面図である。同図に示すように金属加飾部30は、アンテナ部15等の位置に応じた領域に形成された被加飾領域11と、被加飾領域11に接着される加飾フィルム32とで構成される。加飾フィルム32において、被加飾領域11に接着される面を接着面32bとする。
図21に示すように、加飾フィルム32は、接着層321、絶縁性金属層322、色彩調整層323、易接着層324、ベースフィルム325及び保護層326を備える。絶縁性金属層322と色彩調整層323は、第1の実施形態と同様に、絶縁性金属層322が筐体部101側となるように積層されている。
接着層321は、加飾フィルム32を被加飾領域11に接着する。接着層321の材料、例えば熱可塑性樹脂とすることができる。また、後述するように絶縁性金属層322及び色彩調整層323にはクラックが設けられており、接着層321はこのクラックの内部に入り込み、絶縁性金属層322及び色彩調整層323のクラック片を固定する固定層としても機能する。
絶縁性金属層322は、金属加飾部30を金属的な外観とするための層である。絶縁性金属層322には、多数の微細なクラック(以下、微細クラックと記載する)322aが形成されている。微細クラック322aの形状は第1の実施形態に係る微細クラック122aと同様(図3参照)である。
絶縁性金属層322の材料は、高い光反射率を有するものが好適であり、アルミニウム、チタン、クロム及び銀のいずれか、又はアルミニウム、チタン、クロム及び銀の少なくとも一つを含む合金とすることができる。
絶縁性金属層322厚みは、第1の実施形態に係る絶縁性金属層122と同様に10nm以上300nm以下が好適である。
色彩調整層323は、絶縁性金属層322の意匠面32a側に隣接し、可視光領域で光透過性を有し、絶縁性金属層322による反射光に対して干渉を生じさせる。これにより、干渉による構造色によって金属加飾部30の色彩を調整することができる。色彩調整層323は下層に絶縁性金属層322が設けられているため、単層膜とすることができる。
色彩調整層323は、第1の実施形態に係る色彩調整層123と同様に、可視光領域で光透過性を有し、絶縁性金属層322による反射光に対して干渉を生じさせる材料からなり、シリコン、シリコン酸化物、シリコン窒化物、金属酸化物又は金属窒化物からなるものとすることができる。金属酸化物及び金属窒化物は第1の実施形態において挙げたものを利用することができる。
色彩調整層323には微細なクラック(以下、微細クラックと記載する)323aが形成されている。微細クラック323aは、図21に示すように、絶縁性金属層322に設けられた微細クラック322aに連続するクラックである。
第1の実施形態と同様に、色彩調整層323のモース硬度を絶縁性金属層322のモース硬度より高くすることにより、色彩調整層323をクラック誘発層として機能させることが可能である。
なお、色彩調整層323をクラック誘発層として利用しないことも可能であり、色彩調整層323は微細クラック323aを有しないものであってもよい。
色彩調整層323の厚みは第1の実施形態に係る色彩調整層123と同様に10nm以上300nm以下が好適である。さらに、色彩調整層323の厚み及び材料組成(酸化度等)は色彩調整層323の面内において均一でなくてもよく、面内で厚み又は材料組成の分布を調整することにより、虹色の色彩を呈するものとすることも可能である。
易接着層324は、ベースフィルム325を色彩調整層323に接着する層である。易接着層324は接着性及び光透過性を有するものであればよい。
ベースフィルム325は、加飾フィルム32の各層の支持体となる層であり、光透過性を有する。ベースフィルム325は、典型的には樹脂フィルムが用いられる。ベースフィルム325の材料としては、例えばPET、PC、PMMA又はPP等が用いられる。その他の材料が用いられてもよい。
保護層326は、加飾フィルム32の各層を保護する層(ハードコート層)であり、光透過性を有する。保護層326は、UV硬化性樹脂、熱硬化性樹脂又は2液硬化性樹脂等かなるものとすることができる。保護層326によって平滑化、防汚、剥離防止、傷防止等が実現される。なお保護層326として、アクリル樹脂等がコーティングされてもよい。また、保護層326として非塩化ビニル系の材料を選択することで、金属の腐食の防止に有利である。
金属加飾部30は以上のような構成を有する。上述のように金属加飾部30は、筐体部101の被加飾領域11に加飾フィルムがインサート又は接着されたものとすることができる。以下この転写用の加飾フィルムについて説明する。
[インサート用又は接着用加飾フィルムの構成]
図22はインサート又は接着用の加飾フィルム350の構成を示す模式的な断面図である。加飾フィルム350の構成において上記加飾フィルム32と同一の構成については加飾フィルム32と同一の符号を付し、説明を省略する。
同図に示すように、加飾フィルム350は上記加飾フィルム32と同一の構成を有し、接着層321、絶縁性金属層322、色彩調整層323、易接着層324、ベースフィルム325及び保護層326を備える。
[金属加飾部の効果について]
第1の実施形態同様に金属加飾部30では、絶縁性金属層322による高い光反射率と、色彩調整層323による色彩の調整が可能であり、電波透過性を有しながら金属調の外観を有する意匠性の高い構造体を実現することが可能である。
[加飾フィルムの製造方法]
加飾フィルム350は、第1の実施形態と同様の方法で製造することができる。即ち、積層フィルムを準備し、積層フィルムを延伸させて張力を印加することによって色彩調整層323及び絶縁性金属層322に微細クラックを形成する。積層フィルムの延伸には、第1の実施形態において説明したような延伸機構を利用することができる。
色彩調整層323のモース硬度を絶縁性金属層322のモース硬度より大きくすることにより、色彩調整層323をクラック誘発層として利用することが可能である。加飾フィルム350は以上のようにして製造することが可能である。
[構造体の製造方法]
金属加飾部30を備える筐体部101の製造方法について説明する。金属加飾部30を備える筐体部101はインサート成形法によって製造することが可能である。
図23は、インサート成形法を説明するための模式的な図である。インサート成形では、図23Aに示すように成形装置650のキャビティ型651内に加飾フィルム350が、保護層326をキャビティ型651側として配置される。
そして図23Bに示すように、キャビティ型651とコア型652とがクランプされ、ゲート部656を介して、キャビティ型651内に成形樹脂Rが射出される。
これにより加飾フィルム350と一体的に筐体部101が形成される。インサート成形法が用いられることによっても、容易に金属加飾部30を形成することができる。また種々の形状を有する筐体部101を製造することができる。
[クラック片のサイズについて]
絶縁性金属層322のクラック片322bのサイズは、第1の実施形態と同様(図18参照)に、個々のクラック片322bの最長辺の長さをクラック片サイズとすると、クラック片サイズは1μm以上500μm以下が好適である。
クラック片サイズTが1μm未満であると、微細クラック322aに対するクラック片322bの面積が小さすぎ、金属加飾部20に金属光沢が生じない。また、クラック片サイズが500μmを超えると、絶縁性金属層322を電波が透過する際に渦電流が発生し、電波の透過率が低下する。したがって、クラック片サイズは1μm以上500μm以下が好適である。
(変形例)
上記各実施形態において、絶縁性金属層には微細クラックによって多数のクラック片に分割され、絶縁性を有するものとしたが、これに限られない。
スズ及びインジウムは10nm以上50nm以下の膜厚で蒸着すると海島構造を取り、不連続膜となって絶縁性を示す。したがって、上記各実施形態において絶縁性金属層を、10nm以上50nmの厚みを有し、微細クラックを有しないスズ又はインジウムとすることも可能である。また、10nm以上50nmの膜厚とした場合に絶縁性を有するものであれば、スズ及びインジウムの少なくとも一つを含む合金によって絶縁性金属層を形成してもよい。
図24は、第1の実施形態に係る加飾フィルム150の変形例を示す模式図である。同図に示すように、絶縁性金属層122を10nm以上50nmの厚みを有するスズ、インジウム又はこれらの合金からなり、微細クラックを有しない層とすることも可能である。
また、第2の実施形態に係る絶縁性金属層223及び第3の実施形態に係る絶縁性金属層322も同様に、10nm以上50nmの厚みを有するスズ、インジウム又はこれらの合金からなり、微細クラックを有しない層とすることができる。
(適用例)
本技術は内蔵アンテナ等が内部に収容されたほぼ全ての電子機器に適用可能である。例えばそのような電子機器として、携帯電話、スマートフォン、パソコン、ゲーム機、デジタルカメラ、オーディオ機器、TV、プロジェクタ、カーナビ、GPS端末、ウエアラブル情報機器(眼鏡型、リストバンド型)等の電子機器、これらを無線通信等により操作するリモコン、マウス、タッチペンン等の操作機器、車載レーダーや車載アンテナ等の車両に備えられる電子機器等種々のものが挙げられる。またインターネット等に接続されたIoT機器にも適用可能である。
また本技術は、電子機器等の筐体部品に限定されず、車両や建築物に対しても適用可能である。すなわち本技術に係る加飾部と、加飾部が接着される被加飾領域を有する部材とを具備する構造体が、車両や建築物の全部又は一部に用いられてもよい。これにより金属的な外観を有しつつも電波を透過可能な壁面等を有する車両や建築物を実現することが可能となり、非常に高い意匠性を発揮させることが可能となる。なお車両は、自動車、バス、電車等、任意の車両を含む。建築物は、一戸建、集合住宅、施設、橋等、任意の建築物を含む。
なお、本技術は以下のような構成も採ることができる。
(1)
絶縁性金属層と、上記絶縁性金属層の意匠面側に隣接し、可視光領域で光透過性を有し、上記絶縁性金属層による反射光に対して干渉を生じさせる色彩調整層とを含む加飾部と、
上記加飾部が接着される被加飾領域を有する部材と
を具備する構造体。
(2)
上記(1)に記載の構造体であって、
上記絶縁性金属層は、微細なクラックを有する
構造体。
(3)
上記(2)に記載の構造体であって、
上記絶縁性金属層は、アルミニウム、チタン、クロム、銀及びこれらの少なくともいずれか一つを含む合金のうちのいずれかからなる
構造体。
(4)
上記(1)に記載の構造体であって、
上記絶縁性金属層は、金属の不連続膜である
構造体。
(5)
上記(4)に記載の構造体であって、
上記絶縁性金属層は、インジウム、スズ及びこれらの少なくともいずれか一つを含む合金のうちのいずれかからなる
構造体。
(6)
上記(1)から(5)のうちいずれか一つに記載の構造体であって、
上記色彩調整層は、シリコン、シリコン酸化物、シリコン窒化物、金属酸化物又は金属窒化物からなる
構造体。
(7)
上記(1)から(6)のうちいずれか一つに記載の構造体であって、
上記色彩調整層は、上記絶縁性金属層のモース硬度より高いモース硬度を有する
構造体。
(8)
上記(1)から(7)のうちいずれか一つに記載の構造体であって、
上記色彩調整層の厚みは10nm以上300nm以下である
構造体。
(9)
上記(1)から(8)のうちいずれか一つに記載の構造体であって、
上記絶縁性金属層の厚みは10nm以上300nm以下である
構造体。
(10)
上記(2)に記載の構造体であって、
上記絶縁性金属層のクラック片は長辺が1μm以上500μm以下である
構造体。
(11)
上記(1)から(10)のうちいずれか一つに記載の構造体であって、
上記絶縁性金属層のクラック片を固定する接着層
をさらに具備する構造体。
(12)
上記(1)から(11)のうちいずれか一つに記載の構造体であって、
筐体部品、車両又は建築物の少なくとも一部である
構造体。
(13)
ベースフィルムと、
絶縁性金属層と、
上記絶縁性金属層の意匠面側に隣接し、可視光領域で光透過性を有し、上記絶縁性金属層による反射光に対して干渉を生じさせる色彩調整層と
を具備する加飾フィルム。
(14)
上記(13)に記載の加飾フィルムであって、
上記絶縁性金属層は、微細なクラックを有する
加飾フィルム。
(15)
ベースフィルムと、金属層と、上記金属層より高いモース硬度を有し、上記金属層に隣接し、可視光領域で光透過性を有し、上記絶縁性金属層による反射光に対して干渉を生じさせる色彩調整層とを備える積層フィルムを形成し、
上記積層フィルムを延伸し、上記金属層及び上記色彩調整層に微細なクラックを生じさせ、上記金属層を絶縁性金属層とする
加飾フィルムの製造方法。
10、20、30…金属加飾部
12、22、32…加飾フィルム
12a、101a、32a…意匠面
100…携帯端末
101…筐体部
121、221、321…接着層
122、223、322…絶縁性金属層
123、222、323…色彩調整層
124、224、324…易接着層
125、225、326…保護層
152、252、325…ベースフィルム
150、250、350…加飾フィルム

Claims (15)

  1. 絶縁性金属層と、前記絶縁性金属層の意匠面側に隣接し、可視光領域で光透過性を有し、前記絶縁性金属層による反射光に対して干渉を生じさせる色彩調整層とを含む加飾部と、
    前記加飾部が接着される被加飾領域を有する部材と
    を具備する構造体。
  2. 請求項1に記載の構造体であって、
    前記絶縁性金属層は、微細なクラックを有する
    構造体。
  3. 請求項2に記載の構造体であって、
    前記絶縁性金属層は、アルミニウム、チタン、クロム、銀及びこれらの少なくともいずれか一つを含む合金のうちのいずれかからなる
    構造体。
  4. 請求項1に記載の構造体であって、
    前記絶縁性金属層は、金属の不連続膜である
    構造体。
  5. 請求項4に記載の構造体であって、
    前記絶縁性金属層は、インジウム、スズ及びこれらの少なくともいずれか一つを含む合金のうちのいずれかからなる
    構造体。
  6. 請求項1に記載の構造体であって、
    前記色彩調整層は、シリコン、シリコン酸化物、シリコン窒化物、金属酸化物又は金属窒化物からなる
    構造体。
  7. 請求項1に記載の構造体であって、
    前記色彩調整層は、前記絶縁性金属層のモース硬度より高いモース硬度を有する
    構造体。
  8. 請求項1に記載の構造体であって、
    前記色彩調整層の厚みは10nm以上300nm以下である
    構造体。
  9. 請求項1に記載の構造体であって、
    前記絶縁性金属層の厚みは10nm以上300nm以下である
    構造体。
  10. 請求項2に記載の構造体であって、
    前記絶縁性金属層のクラック片は長辺が1μm以上500μm以下である
    構造体。
  11. 請求項2に記載の構造体であって、
    前記絶縁性金属層のクラック片を固定する接着層
    をさらに具備する構造体。
  12. 請求項1に記載の構造体であって、
    筐体部品、車両又は建築物の少なくとも一部である
    構造体。
  13. ベースフィルムと、
    絶縁性金属層と、
    前記絶縁性金属層の意匠面側に隣接し、可視光領域で光透過性を有し、前記絶縁性金属層による反射光に対して干渉を生じさせる色彩調整層と
    を具備する加飾フィルム。
  14. 請求項13に記載の加飾フィルムであって、
    前記絶縁性金属層は、微細なクラックを有する
    加飾フィルム。
  15. ベースフィルムと、金属層と、前記金属層より高いモース硬度を有し、前記金属層に隣接し、可視光領域で光透過性を有し、前記絶縁性金属層による反射光に対して干渉を生じさせる色彩調整層とを備える積層フィルムを形成し、
    前記積層フィルムを延伸し、前記金属層及び前記色彩調整層に微細なクラックを生じさせ、前記金属層を絶縁性金属層とする
    加飾フィルムの製造方法。
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