JPWO2019181699A1 - 樹脂、樹脂前駆体及び樹脂前駆体溶液 - Google Patents
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Abstract
下記一般式(1−1):
[化1]
[式中、X1は6員環の脂環構造を有する4価の有機基を示し、X2は4価の有機基を示す。]
で表されるイミダゾピロロン構造を有する繰り返し単位、及び、下記一般式(1−2):
[化2]
[式中、X1は6員環の脂環構造を有する4価の有機基を示し、X3は3価の有機基を示す。]
で表されるイミダゾピロロン構造を有する繰り返し単位からなる群から選択される少なくとも1種の繰り返し単位を含む、樹脂。
[化1]
[式中、X1は6員環の脂環構造を有する4価の有機基を示し、X2は4価の有機基を示す。]
で表されるイミダゾピロロン構造を有する繰り返し単位、及び、下記一般式(1−2):
[化2]
[式中、X1は6員環の脂環構造を有する4価の有機基を示し、X3は3価の有機基を示す。]
で表されるイミダゾピロロン構造を有する繰り返し単位からなる群から選択される少なくとも1種の繰り返し単位を含む、樹脂。
Description
本発明は、樹脂、樹脂前駆体並びに樹脂前駆体溶液に関する。
従来より様々な分野(例えばディスプレイ機器の分野等)の基板等に用いる材料として、ガラスのように光透過性が高くかつ十分に高度な耐熱性を有する樹脂の出現が求められてきた。このような樹脂としては、例えば、国際公開第2011/099518号(特許文献1)においては、特定の一般式で記載される繰り返し単位を有するポリイミドが開示されている。このようなポリイミドは、光透過性が高くかつ十分に高度な耐熱性を有するものであり、様々な分野に応用可能なものであった。しかしながら、このような樹脂の分野においては、特許文献1に記載のポリイミドと同等の光透過性を有しつつ、より高度な耐熱性を示すことが可能な樹脂の出現が求められている。
一方、耐熱性の高い樹脂としては、従来よりポリイミダゾピロロンが知られており、例えば、特開平8−290046号公報(特許文献2)や特開平5−301959号公報(特許文献3)においては、テトラカルボン酸二無水物成分とテトラアミン成分とを反応して得られるポリイミダゾピロロンが開示されている。そして、特許文献2や特許文献3においては、テトラカルボン酸二無水物成分として様々な化合物が広く開示されている。しかしながら、特許文献2や特許文献3の実施例において実際に製造されている樹脂は、いずれも芳香族系のテトラカルボン酸二無水物成分と芳香族系のテトラアミン成分との反応物(いわゆる全芳香族ポリイミダゾピロロン)に過ぎない。そして、このような全芳香族ポリイミダゾピロロンは、光透過性の点で十分なものではなく、ガラス代替用途に利用することができなかった。
本発明は、前記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、十分に高度な光透過性と、より高度な耐熱性とを有するとともに、優れた機械的強度を有するものとすることを可能とする樹脂、その樹脂の前駆体である樹脂前駆体、並びに、その樹脂の製造に好適に利用可能な樹脂前駆体溶液を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、下記一般式(1−1)で表される特定のイミダゾピロロン構造を有する繰り返し単位、及び、下記一般式(1−2)で表される特定のイミダゾピロロン構造を有する繰り返し単位からなる群から選択される少なくとも1種の繰り返し単位を含有することにより、その樹脂を、十分に高度な光透過性と、より高度な耐熱性とを有するものとすることが可能となるとともに、優れた機械的強度を有するものとすることが可能となることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の樹脂は、下記一般式(1−1):
[式中、X1は6員環の脂環構造を有する4価の有機基を示し、X2は4価の有機基を示す。]
で表されるイミダゾピロロン構造を有する繰り返し単位、及び、下記一般式(1−2):
で表されるイミダゾピロロン構造を有する繰り返し単位、及び、下記一般式(1−2):
[式中、X1は6員環の脂環構造を有する4価の有機基を示し、X3は3価の有機基を示す。]
で表されるイミダゾピロロン構造を有する繰り返し単位からなる群から選択される少なくとも1種の繰り返し単位を含むものである。
で表されるイミダゾピロロン構造を有する繰り返し単位からなる群から選択される少なくとも1種の繰り返し単位を含むものである。
また、上記本発明の樹脂においては、下記一般式(2):
[式中、X1は6員環の脂環構造を有する4価の有機基を示し、X4は炭素数6〜50のアリーレン基を示す。]
で表されるイミド構造を有する繰り返し単位を更に含むことが好ましい。
で表されるイミド構造を有する繰り返し単位を更に含むことが好ましい。
また、本発明の樹脂前駆体は、下記一般式(8−1):
[式中、X1は6員環の脂環構造を有する4価の有機基を示し、X2は4価の有機基を示す。]
で表されるイミダゾピロロン前駆体構造を有する繰り返し単位、及び、下記一般式(8−2):
で表されるイミダゾピロロン前駆体構造を有する繰り返し単位、及び、下記一般式(8−2):
[式中、X1は6員環の脂環構造を有する4価の有機基を示し、X3は3価の有機基を示す。]
で表されるイミダゾピロロン前駆体構造を有する繰り返し単位からなる群から選択される少なくとも1種の繰り返し単位を含むものである。
で表されるイミダゾピロロン前駆体構造を有する繰り返し単位からなる群から選択される少なくとも1種の繰り返し単位を含むものである。
上記本発明の樹脂前駆体においては、下記一般式(9):
[式中、X1は6員環の脂環構造を有する4価の有機基を示し、X4は炭素数6〜50のアリーレン基を示す。]
で表されるイミド前駆体構造を有する繰り返し単位を更に含むことが好ましい。
で表されるイミド前駆体構造を有する繰り返し単位を更に含むことが好ましい。
また、上記本発明の樹脂及び上記本発明の樹脂前駆体においては、それぞれ、上記式中のX1が、下記一般式(3)〜(5):
[式(3)中、mは0〜2の整数を示し、式(4)中、nは1〜2の整数を示し、式(5)中、Aは単結合;及び置換基を有していてもよくかつ芳香環を形成する炭素原子の数が6〜30である2価の芳香族基;よりなる群から選択される1種を示し、式(3)〜(5)中の記号*1〜*4は該記号の付された結合手がそれぞれX1に結合している4本の結合手のうちのいずれかであることを示す。]
で表される4価の有機基の中から選択される1種であることが好ましい。
で表される4価の有機基の中から選択される1種であることが好ましい。
さらに、上記本発明の樹脂及び上記本発明の樹脂前駆体においては、それぞれ、上記式中のX2が、下記一般式(6−1)〜(7−1):
[式(7−1)中、Z1は、単結合、9,9−フルオレニリデン基、式:−O−で表されるエーテル基、−C(=O)−で表されるカルボニル基、−S(=O)−で表されるスルホキシド基、−S(=O)2−で表されるスルホニル基、−CH2−で表されるメチレン基、−C(CH3)2−で表されるイソプロピリデン基、−C(CF3)2−で表されるヘキサフルオロイソプロピリデン基、−S−で表されるチオエーテル基、−NHCO−で表されるアミド基、−COO−で表されるエステル型、−C6H4−で表されるフェニレン基、−O−C6H4−O−で表されるフェニレンジオキシ基、−O−C6H4−C6H4−O−で表されるビフェニレンジオキシ基、−O−C6H4−Z2−C6H4−O−[式中のZ2は−O−で表されるエーテル基、−C(=O)−で表されるカルボニル基、−S(=O)2−で表されるスルホニル基、−C(CH3)2−で表されるイソプロピリデン基、−C(CF3)2−で表されるヘキサフルオロイソプロピリデン基、及び、−CH2−で表されるメチレン基よりなる群から選択される1種を示す]で表されるビス(フェニレンジオキシ)基、−P(=O)(C6H5)−で表される基、及び、−N(C6H5)−で表される基よりなる群から選択される1種を示し、式(6−1)〜(7−1)中の記号*1〜*4は該記号の付された結合手がそれぞれX2に結合している4本の結合手のうちのいずれかであることを示す。]
で表される4価の有機基の中から選択される1種であることが好ましい。
で表される4価の有機基の中から選択される1種であることが好ましい。
さらに、上記本発明の樹脂及び上記本発明の樹脂前駆体においては、それぞれ、上記式中のX3が、下記一般式(6−2)〜(7−2):
[式(7−2)中、Z1は、単結合、9,9−フルオレニリデン基、式:−O−で表されるエーテル基、−C(=O)−で表されるカルボニル基、−S(=O)−で表されるスルホキシド基、−S(=O)2−で表されるスルホニル基、−CH2−で表されるメチレン基、−C(CH3)2−で表されるイソプロピリデン基、−C(CF3)2−で表されるヘキサフルオロイソプロピリデン基、−S−で表されるチオエーテル基、−NHCO−で表されるアミド基、−COO−で表されるエステル型、−C6H4−で表されるフェニレン基、−O−C6H4−O−で表されるフェニレンジオキシ基、−O−C6H4−C6H4−O−で表されるビフェニレンジオキシ基、−O−C6H4−Z2−C6H4−O−[式中のZ2は−O−で表されるエーテル基、−C(=O)−で表されるカルボニル基、−S(=O)2−で表されるスルホニル基、−C(CH3)2−で表されるイソプロピリデン基、−C(CF3)2−で表されるヘキサフルオロイソプロピリデン基、及び、−CH2−で表されるメチレン基よりなる群から選択される1種を示す]で表されるビス(フェニレンジオキシ)基、−P(=O)(C6H5)−で表される基、及び、−N(C6H5)−で表される基よりなる群から選択される1種を示し、式(6−2)〜(7−2)中の記号*1〜*3は該記号の付された結合手がそれぞれX3に結合している3本の結合手のうちのいずれかであることを示す。]
で表される3価の有機基の中から選択される1種であることが好ましい。
で表される3価の有機基の中から選択される1種であることが好ましい。
また、本発明の樹脂前駆体溶液は、上記本発明の樹脂前駆体と溶媒とを含有するものである。
本発明によれば、十分に高度な光透過性と、より高度な耐熱性とを有するとともに、優れた機械的強度を有するものとすることを可能とする樹脂、その樹脂の前駆体である樹脂前駆体、並びに、その樹脂の製造に好適に利用可能な樹脂前駆体溶液を提供することが可能となる。
以下、本発明をその好適な実施形態に即して詳細に説明する。
先ず、本発明の樹脂について説明する。本発明の樹脂は、上記一般式(1−1)で表されるイミダゾピロロン構造を有する繰り返し単位(以下、場合により、かかるイミダゾピロロン構造を有する繰り返し単位を、便宜上、単に「繰り返し単位(A)」と称する。)、及び、上記一般式(1−2)で表されるイミダゾピロロン構造を有する繰り返し単位(以下、場合により、かかるイミダゾピロロン構造を有する繰り返し単位を、便宜上、単に「繰り返し単位(A’)」と称する。)からなる群から選択される少なくとも1種の繰り返し単位を含むものである。
上記一般式(1−1)及び上記一般式(1−2)中のX1はいずれも、6員環の脂環構造を有する4価の有機基である。ここにいう「6員環」としては、環状の構造を形成する原子の数が6個となっている環であればよく特に制限されない[なお、架橋構造を含む二環式の構造等、多環構造を形成している場合(例えばノルボルナン環構造やビシクロオクタン環構造の場合等)には、そのうちのいずれかの環が、原子の数が6個となっている環であればよい]。このような4価の有機基中の6員環の脂環構造としては、特に制限されるものではないが、例えば、下記一般式(i)〜(iii):
で表されるような脂肪族6員環からなる構造が挙げられる。このような6員環の脂環構造としては、より高度な耐熱性が得られるといった観点、及び、引張り応力に対する耐性がより高度なものとなり、より高度な機械的強度が得られるといった観点から、上記一般式(ii)で表される脂肪族6員環(ノルボルネン環)からなる構造であることがより好ましい。
また、このような一般式(1−1)及び一般式(1−2)中のX1として選択され得る6員環の脂環構造を有する4価の有機基としては、前記6員環の脂環構造を有していればよく、前記6員環の脂環構造を形成する炭素原子には、水素原子、水素原子以外の原子等の各種原子や、他の置換基(他の有機基を含む)等が結合していてもよい。
また、このような一般式(1−1)及び一般式(1−2)中のX1として選択され得る6員環の脂環構造を有する4価の有機基は、前記繰り返し単位(A)及び前記繰り返し単位(A’)がいずれも、6員環の脂環構造を有するテトラカルボン酸二無水物を原料として利用することでより効率よく形成することが可能となるものであること、すなわち、これらが6員環の脂環構造を有するテトラカルボン酸二無水物とテトラアミンとの反応、および/または、6員環の脂環構造を有するテトラカルボン酸二無水物とトリアミンとの反応により、より効率よく形成することが可能となるものであることから、6員環の脂環構造を有するテトラカルボン酸二無水物から2つの酸無水物基を除いた残基(4価の有機基:なお、下記式(I)で表される化合物においては、酸無水物基中のカルボニル基(式:−C(=O)−で表される基)に結合する4つの結合手が上記各式中のX1に結合する4つの結合手となる)が好適なものとして挙げられる。
このような6員環の脂環構造を有するテトラカルボン酸二無水物は下記式(I):
[式(I)中のX1は、上記一般式(1−1)及び一般式(1−2)中のX1と同義である。]
で表すことができる。このような6員環の脂環構造を有するテトラカルボン酸二無水物としては、例えば、ビシクロヘプタンテトラカルボン酸二無水物(BHDA)、ジメタノナフタレンテトラカルボン酸二無水物(DNDA)、ビシクロオクタンテトラカルボン酸二無水物(BODA)、3,3’,4,4’−ビシクロヘキシルテトラカルボン酸二無水物(H−BPDA)、[1,1’−ビ(シクロヘキサン)]−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物、[1,1’−ビ(シクロヘキサン)]−2,3,3’,4’−テトラカルボン酸二無水物、[1,1’−ビ(シクロヘキサン)]−2,2’,3,3’−テトラカルボン酸二無水物、4,4’−メチレンビス(シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸無水物)、4,4’−(プロパン−2,2−ジイル)ビス(シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸無水物)、4,4’−オキシビス(シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸無水物)、4,4’−チオビス(シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸無水物)、4,4’−スルホニルビス(シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸無水物)、4,4’−(ジメチルシランジイル)ビス(シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸無水物)、4,4’−(テトラフルオロプロパン−2,2−ジイル)ビス(シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸無水物)、オクタヒドロペンタレン−1,3,4,6−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、6−(カルボキシメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3,5−トリカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.2]オクタン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.2]オクタ−5−エン−2,3,7,8−テトラカルボン酸二無水物、トリシクロ[4.2.2.02,5]デカン−3,4,7,8−テトラカルボン酸二無水物、トリシクロ[4.2.2.02,5]デカ−7−エン−3,4,9,10−テトラカルボン酸二無水物、9−オキサトリシクロ[4.2.1.02,5]ノナン−3,4,7,8−テトラカルボン酸二無水物、(4arH,8acH)−デカヒドロ−1t,4t:5c,8c−ジメタノナフタレン−2c,3c,6c,7c−テトラカルボン酸二無水物、(4arH,8acH)−デカヒドロ−1t,4t:5c,8c−ジメタノナフタレン−2t,3t,6c,7c−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.2]オクタン−2,3,5,6−テトラカルボン酸、(4arH,8acH)−デカヒドロ−1t,4t:5c,8c−ジメタノナフタレン−2c,3c,6c,7c−テトラカルボン酸二無水物、ノルボルナン−2−スピロ−α−シクロペンタノン−α’−スピロ−2’’−ノルボルナン−5,5’’,6,6’’−テトラカルボン酸二無水物、ノルボルナン−2−スピロ−α−シクロヘキサノン−α’−スピロ−2’’−ノルボルナン−5,5’’,6,6’’−テトラカルボン酸二無水物、[2,2’−ビ(ノルボルナン)]−5,5’,6,6’−テトラカルボン酸二無水物、1,4−フェニレンビス(2−ノルボルナン−5,6−ジカルボン酸無水物)、4,4‘−ビフェニレンビス(2−ノルボルナン−5,6−ジカルボン酸無水物)、4,4’‘−ターフェニレンビス(2−ノルボルナン−5,6−ジカルボン酸無水物)、シクロヘキサン−1,2,4,5−テトラカルボン酸二無水物のトランス異性体、シクロヘキサン−1,2,4,5−テトラカルボン酸二無水物のシス異性体等が挙げられる。また、このような6員環の脂環構造を有するテトラカルボン酸二無水物としては、例えば、下記一般式(IA)〜(IB):
で表すことができる。このような6員環の脂環構造を有するテトラカルボン酸二無水物としては、例えば、ビシクロヘプタンテトラカルボン酸二無水物(BHDA)、ジメタノナフタレンテトラカルボン酸二無水物(DNDA)、ビシクロオクタンテトラカルボン酸二無水物(BODA)、3,3’,4,4’−ビシクロヘキシルテトラカルボン酸二無水物(H−BPDA)、[1,1’−ビ(シクロヘキサン)]−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物、[1,1’−ビ(シクロヘキサン)]−2,3,3’,4’−テトラカルボン酸二無水物、[1,1’−ビ(シクロヘキサン)]−2,2’,3,3’−テトラカルボン酸二無水物、4,4’−メチレンビス(シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸無水物)、4,4’−(プロパン−2,2−ジイル)ビス(シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸無水物)、4,4’−オキシビス(シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸無水物)、4,4’−チオビス(シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸無水物)、4,4’−スルホニルビス(シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸無水物)、4,4’−(ジメチルシランジイル)ビス(シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸無水物)、4,4’−(テトラフルオロプロパン−2,2−ジイル)ビス(シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸無水物)、オクタヒドロペンタレン−1,3,4,6−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、6−(カルボキシメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3,5−トリカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.2]オクタン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.2]オクタ−5−エン−2,3,7,8−テトラカルボン酸二無水物、トリシクロ[4.2.2.02,5]デカン−3,4,7,8−テトラカルボン酸二無水物、トリシクロ[4.2.2.02,5]デカ−7−エン−3,4,9,10−テトラカルボン酸二無水物、9−オキサトリシクロ[4.2.1.02,5]ノナン−3,4,7,8−テトラカルボン酸二無水物、(4arH,8acH)−デカヒドロ−1t,4t:5c,8c−ジメタノナフタレン−2c,3c,6c,7c−テトラカルボン酸二無水物、(4arH,8acH)−デカヒドロ−1t,4t:5c,8c−ジメタノナフタレン−2t,3t,6c,7c−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.2]オクタン−2,3,5,6−テトラカルボン酸、(4arH,8acH)−デカヒドロ−1t,4t:5c,8c−ジメタノナフタレン−2c,3c,6c,7c−テトラカルボン酸二無水物、ノルボルナン−2−スピロ−α−シクロペンタノン−α’−スピロ−2’’−ノルボルナン−5,5’’,6,6’’−テトラカルボン酸二無水物、ノルボルナン−2−スピロ−α−シクロヘキサノン−α’−スピロ−2’’−ノルボルナン−5,5’’,6,6’’−テトラカルボン酸二無水物、[2,2’−ビ(ノルボルナン)]−5,5’,6,6’−テトラカルボン酸二無水物、1,4−フェニレンビス(2−ノルボルナン−5,6−ジカルボン酸無水物)、4,4‘−ビフェニレンビス(2−ノルボルナン−5,6−ジカルボン酸無水物)、4,4’‘−ターフェニレンビス(2−ノルボルナン−5,6−ジカルボン酸無水物)、シクロヘキサン−1,2,4,5−テトラカルボン酸二無水物のトランス異性体、シクロヘキサン−1,2,4,5−テトラカルボン酸二無水物のシス異性体等が挙げられる。また、このような6員環の脂環構造を有するテトラカルボン酸二無水物としては、例えば、下記一般式(IA)〜(IB):
[式(IA)中、R1、R2、R3はそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜10のアルキル基及びフッ素原子よりなる群から選択される1種を示し、nは0〜12の整数を示す。また、式(IB)中、Aは上記式(5)中のAと同義であり、R4はそれぞれ独立に水素原子及び炭素数1〜10のアルキル基よりなる群から選択される1種を示し、R5はそれぞれ独立に水素原子及び炭素数1〜10のアルキル基よりなる群から選択される1種を示す。]
で表される化合物等も好適なものとして挙げられる。このような6員環の脂環構造を有するテトラカルボン酸二無水物は、1種を単独で使用してもよく、あるいは、複数種を組み合わせて使用してもよい。
で表される化合物等も好適なものとして挙げられる。このような6員環の脂環構造を有するテトラカルボン酸二無水物は、1種を単独で使用してもよく、あるいは、複数種を組み合わせて使用してもよい。
このような一般式(IA)中のR1、R2、R3として選択され得るアルキル基の炭素数としては、精製がより容易となるという観点から、1〜6であることが好ましく、1〜5であることがより好ましく、1〜4であることが更に好ましく、1〜3であることが特に好ましい。また、このようなR1、R2、R3として選択され得るアルキル基は直鎖状であっても分岐鎖状であってもよい。更に、このようなアルキル基としては精製の容易さの観点から、メチル基、エチル基がより好ましい。また、前記一般式(IA)中のR1、R2、R3としては、樹脂を製造した際により高度な耐熱性が得られるという観点から、それぞれ独立に、水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基又はイソプロピル基であることがより好ましく、水素原子又はメチル基であることが更に好ましく、いずれも水素原子であることが特に好ましい。また、このような式中の複数のR1、R2、R3は精製の容易さ等の観点から、同一のものであることが特に好ましい。さらに、前記一般式(IA)中のnに関して、より精製が容易となるといった観点から、上限値は5(特に好ましくは3)であることががより好ましく、また、原料化合物の安定性の観点から、下限値は1(特に好ましくは2)であることがより好ましい。2であることが特に好ましい。このように、一般式(IA)中のnとしては、2〜3の整数であることが特に好ましい。
前記一般式(IB)中のR4及びR5はそれぞれ独立に水素原子及び炭素数1〜10のアルキル基よりなる群から選択される1種である。このようなR4及びR5として選択され得るアルキル基の炭素数としては、より高度な耐熱性が得られるという観点から、1〜6であることが好ましく、1〜5であることがより好ましく、1〜4であることが更に好ましく、1〜3であることが特に好ましい。また、このようなR4及びR5として選択され得るアルキル基は直鎖状であっても分岐鎖状であってもよい。また、前記一般式(IB)中のR4及びR5は、より高度な耐熱性が得られること、原料の入手が容易であること、精製がより容易であること、等といった観点から、それぞれ独立に、水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基であることがより好ましく、水素原子、メチル基であることが更に好ましく、いずれも水素原子であることが特に好ましい。また、このような式(IB)中のR4及びR5は、それぞれ、同一のものであってもあるいは異なるものであってもよいが、精製の容易さ等の観点からは、同一のものであることが好ましい。また、前記一般式(IB)中のAは、一般式(5)中のAと同義であり、単結合;及び置換基を有していてもよくかつ芳香環を形成する炭素原子の数が6〜30である2価の芳香族基;よりなる群から選択される1種を示す。このようなAとして選択され得る2価の芳香族基や、その好適なもの等については後述する。
このような一般式(IA)で表される化合物としては、例えば、ノルボルナン−2−スピロ−α−シクロペンタノン−α’−スピロ−2’’−ノルボルナン−5,5’’,6,6’’−テトラカルボン酸二無水物(CpODA)、ノルボルナン−2−スピロ−α−シクロヘキサノン−α’−スピロ−2’’−ノルボルナン−5,5’’,6,6’’−テトラカルボン酸二無水物(ChODA)等が挙げられる。このような一般式(IA)で表される化合物の製造方法は特に制限されず、公知の方法(例えば、国際公開第2011/099518号に記載の方法等)を適宜採用できる。また、上記一般式(IB)で表される化合物としては、例えば、下記式(B−1)〜(B−3):
で表される化合物が挙げられる。このような一般式(IB)で表される化合物の製造方法は特に制限されず、公知の方法(例えば国際公開第2015/163314号、国際公開第2017/030019号に記載の方法等)を適宜採用できる。
このような6員環の脂環構造を有するテトラカルボン酸二無水物としては、中でも、透明性や耐熱性、高寸法安定性の観点から、ノルボルナン−2−スピロ−α−シクロペンタノン−α’−スピロ−2’’−ノルボルナン−5,5’’,6,6’’−テトラカルボン酸二無水物(CpODA)、ノルボルナン−2−スピロ−α−シクロヘキサノン−α’−スピロ−2’’−ノルボルナン−5,5’’,6,6’’−テトラカルボン酸二無水物(ChODA)、上記式(B−1)で表される化合物(BNBDA)、上記式(B−2)で表される化合物(BzDA)、上記式(B−3)で表される化合物(BpDA)が好ましく、CpODA、BNBDA、BzDAがより好ましい。
また、このような式(1−1)及び式(1−2)中のX1として選択され得る4価の有機基としては、透明性や耐熱性、高寸法安定性の観点から、前記6員環の脂環構造(より好ましくはノルボルネン環からなる構造)を2つ以上有するものが好ましく、中でも、透明性や耐熱性、高寸法安定性の観点から、上記一般式(3)〜(5)で表される4価の有機基がより好ましい。
このような一般式(3)〜(5)で表される4価の有機基に関して、式(3)中のmは0〜2(より好ましくは1〜2、更に好ましくは1)の整数である。このようなmの値が前記上限を超えると製造および精製が困難となる傾向にある。また、式(4)中のnは1〜2(より好ましくは1)の整数である。このようなnの値が前記上限を超えると製造および精製が困難となる傾向にある。
また、上記一般式(5)中のAは、単結合;及び置換基を有していてもよくかつ芳香環を形成する炭素原子の数が6〜30である2価の芳香族基;よりなる群から選択される1種である(なお、上記一般式(IB)中のAも同義である)。
このようなAとして選択され得る2価の芳香族基は、置換基を有していてもよい2価の芳香族基であり、該芳香族基中に含まれる芳香環を形成する炭素の数(なお、ここにいう「芳香環を形成する炭素の数」とは、その芳香族基が炭素を含む置換基(炭化水素基など)を有している場合、その置換基中の炭素の数は含まず、芳香族基中の芳香環が有する炭素の数のみをいう。例えば、2−エチル−1,4−フェニレン基の場合、芳香環を形成する炭素の数は6となる。)が6〜30のものである。このように、上記式中のAとして選択され得る2価の芳香族基は、置換基を有していてもよく、かつ、炭素数が6〜30の芳香環を有する2価の基(2価の芳香族基)である。このような芳香環を形成する炭素の数が前記上限を超えると、かかる繰り返し単位を有する樹脂を利用して樹脂を調製した場合に、その樹脂の着色を十分に抑制することが困難となる傾向にある。また、透明性及び精製の容易さの観点からは、前記2価の芳香族基の芳香環を形成する炭素の数は、6〜18であることがより好ましく、6〜12であることが更に好ましい。
また、このようなAとして選択され得る2価の芳香族基としては、上記炭素の数の条件を満たすものであればよく、特に制限されないが、例えば、ベンゼン、ナフタレン、ターフェニル、アントラセン、フェナントレン、トリフェニレン、ピレン、クリセン、ビフェニル、ターフェニル、クオターフェニル、キンクフェニル等の芳香族系の化合物から2つの水素原子が脱離した残基(なお、このような残基としては、脱離する水素原子の位置は特に制限されないが、例えば、1,4−フェニレン基、2,6−ナフチレン基、2,7−ナフチレン基、4,4’−ビフェニレン基、9,10−アントラセニレン基等が挙げられる。);及び該残基中の少なくとも1つの水素原子が置換基と置換した基(例えば、2,5−ジメチル−1,4−フェニレン基、2,3,5,6−テトラメチル−1,4−フェニレン基)等を適宜利用することができる。なお、このような残基において、前述のように、脱離する水素原子の位置は特に制限されず、例えば、前記残基がフェニレン基である場合においてはオルト位、メタ位、パラ位のいずれの位置であってもよい。
このようなAとして選択され得る2価の芳香族基としては、樹脂を調製した場合に、その樹脂の透明性がより優れたものとなるといった観点から、置換基を有していてもよいフェニレン基、置換基を有していてもよいビフェニレン基、置換基を有していてもよいナフチレン基、置換基を有していてもよいアントラセニレン基、置換基を有していてもよいターフェニレン基が好ましい。すなわち、このようなAとして選択され得る2価の芳香族基としては、それぞれ置換基を有していてもよい、フェニレン基、ビフェニレン基、ナフチレン基、アントラセニレン基、ターフェニレン基が好ましい。また、このような2価の芳香族基の中でも、上記観点でより高い効果が得られることから、それぞれ置換基を有していてもよい、フェニレン基、ビフェニレン基、ナフチレン基がより好ましく、それぞれ置換基を有していてもよい、フェニレン基、ビフェニレン基が更に好ましく、置換基を有していてもよいフェニレン基が最も好ましい。
また、このようなAとして選択され得る2価の芳香族基の中でも、樹脂を製造した際に樹脂の機械強度がより優れたものとなるといった観点からは、それぞれ置換基を有していてもよい、フェニレン基、ビフェニレン基、ナフチレン基、アントラセニレン基、ターフェニレン基であることが好ましく、それぞれ置換基を有していてもよい、フェニレン基、ビフェニレン基、ナフチレン基であることがより好ましく、それぞれ置換基を有していてもよい、フェニレン基、ビフェニレン基であることが更に好ましく、最も好ましいのは、置換基を有していてもよいフェニレン基である。
さらに、このような2価の芳香族基の中でも、より高度な耐熱性が得られるといった観点からは、それぞれ置換基を有していてもよい、フェニレン基、ビフェニレン基、ナフチレン基、アントラセニレン基、ターフェニレン基であることが好ましく、それぞれ置換基を有していてもよい、フェニレン基、ビフェニレン基、ナフチレン基、ターフェニレン基であることがより好ましく、それぞれ置換基を有していてもよい、フェニレン基、ビフェニレン基、ナフチレン基であることが更に好ましく、最も好ましいのは、置換基を有していてもよいフェニレン基である。
また、このようなAとして選択され得る2価の芳香族基が有していてもよい置換基としては、特に制限されず、例えば、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子等が挙げられる。このような2価の芳香族基が有してよい置換基の中でも、樹脂を製造した際に樹脂の透明性がより優れたものとなるといった観点から、炭素数が1〜10のアルキル基、炭素数が1〜10のアルコキシ基がより好ましい。このような置換基として好適なアルキル基及びアルコキシ基の炭素数が10を超えると、得られる樹脂の耐熱性が低下する傾向にある。また、このような置換基として好適なアルキル基及びアルコキシ基の炭素数は、樹脂を製造した際に、より高度な耐熱性が得られるという観点から、1〜6であることが好ましく、1〜5であることがより好ましく、1〜4であることが更に好ましく、1〜3であることが特に好ましい。また、このような置換基として選択され得るアルキル基及びアルコキシ基はそれぞれ直鎖状であっても分岐鎖状であってもよい。
また、このような式(5)中のAとしては、より高度な耐熱性が得られるといった観点からは、単結合、置換基を有していてもよいフェニレン基、置換基を有していてもよいビフェニレン基、置換基を有していてもよいナフチレン基又は置換基を有していてもよいターフェニレン基がより好ましく、単結合、置換基を有していてもよいフェニレン基、置換基を有していてもよいビフェニレン基又は置換基を有していてもよいナフチレン基が更に好ましく、単結合、置換基を有していてもよいフェニレン基又は置換基を有していてもよいビフェニレン基が特に好ましく、単結合又は置換基を有していてもよいフェニレン基が最も好ましい。
上記一般式(3)〜(5)で表される4価の有機基において、記号*1〜*4は該記号の付された結合手がそれぞれX1に結合している4本の結合手のうちのいずれかであることを示す。なお、一般式(1−1)を例に挙げて説明すると、繰り返し単位の構造上、記号*1〜*4が該記号の付された結合手のうち、記号*1〜*2が付された結合手のうちのいずれかの結合手が一般式(1−1)中のX1に結合しているカルボニル基(式:−C(=O)−)のうちの一つと結合する結合手となり、かつ、記号*3〜*4が付された結合手のうちのいずれかの結合手が一般式(1−1)中のX1に結合しているもう一つのカルボニル基と結合する結合手となる。
また、上記一般式(1−1)中のX2は4価の有機基を示す。このような4価の有機基としては特に制限されないが、テトラアミンから4つのアミノ基を除いた残基であることが好ましい。このようなテトラアミンとしては、芳香族テトラアミンであっても、あるいは、脂環式テトラアミンであってもよい。また、ここで用いるテトラアミンは、ワニスの保管性や安定性を向上させるために、−NH2中の一つのHをシリル化して、トリメチルシリル基又はt−ブチルジメチルシリル基にしても良い。
このような芳香族テトラアミンとしては特に制限されず、公知の芳香族テトラアミン(例えば、ベンゼンテトラアミン型、ジフェニルエーテル型、ジフェニルスルホン型、ジフェニルケトン型、ビフェニル型、ベンズアミド型、ベンゾエート型、ジフェニルチオエーテル型、Bis−A型(ジフェニルイソプロピリデン型)、ヘキサフルオロBis−A型、Bis−M型(ジフェニルメタン型)、Bis−C型(ジフェニルシクロヘキサン型)、Bis−F型(ジフェニルフルオレン型)、ターフェニル型(トリフェニル型)、フェニレンジオキシ型、ビス(フェニレンジオキシ)型、フルオレン型、スピロ型、シリコン系等の各種芳香族テトラアミン等)を適宜利用することができる。
このような芳香族テトラアミンとしては、例えば、3,3’,4,4’−テトラアミノジフェニルエーテル(TAB−E)、3,3’,4,4’−テトラアミノジフェニルスルホン(TAB−S)、3,3’,4,4’−テトラアミノジフェニルケトン(TAB−K)、3,3’,4,4’−テトラアミノビフェニル(TABP)、1,2,4,5−テトラアミノベンゼン(TAB)、3,3’,4,4’−テトラアミノジフェニルメタン、3,3’,4,4’−テトラアミノジフェニルシクロヘキサン、3,3’,4,4’−テトラアミノジフェニルフルオレン、3,3’,4,4’−テトラアミノジフェニルチオエーテル、2,2−イソプロピリデンビス(3,4−ジアミノベンゼン)、2,2−ビス(3,4−ジアミノフェニル)プロパン、2,2−ヘキサフルオロイソプロピリデンビス(3,4−ジアミノベンゼン)、2,2−ビス(3,4−ジアミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、3,3’,4,4’−テトラアミノジフェニルエステル、3,3’,4,4’−テトラアミノジフェニルアミド、3,3’’,4,4’’−テトラアミノターフェニル、9,9−フルオレニリデンビス(3,4−ジアミノベンゼン)、9,9−ビス(3,4−ジアミノフェニル)フルオレン、9,9−フルオレニリデンビス(3,4−ジアミノベンゼン)、1,2−ビス(3,4−ジアミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3,4−ジアミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3,4−ジアミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(3,4−ジアミノフェノキシ)ビフェニル、2,2−ビス[4−(3,4−ジアミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(3,4−ジアミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[4−(3,4−ジアミノフェノキシ)フェニル]スルホン、2,2−ビス[3−(3,4−ジアミノフェノキシ)フェニル]スルホン、2,2−ビス[4−(3,4−ジアミノフェノキシ)フェニル]メタン、2,2−ビス[4−(3,4−ジアミノフェノキシ)フェニル]ケトン、2,2−ビス[4−(3,4−ジアミノフェノキシ)フェニル]エーテル等が挙げられる。
また、脂環式テトラアミンとしては、例えば、上述の各種芳香族テトラアミンの水素化物(例えば、3,3’,4,4’−テトラアミノジシクロヘキシルエーテル、3,3’,4,4’−テトラアミノジシクロヘキシルスルホン、3,3’,4,4’−テトラアミノジシクロヘキシルケトン、3,3’,4,4’−テトラアミノジシクロヘキサン、1,2,4,5−テトラアミノシクロヘキサン等)を好適なものとして挙げられる。
このようなテトラアミンとしては、耐熱性の観点から、中でも、芳香族テトラアミンが好ましく、TAB−E、TAB−S、TAB−K、TABP、TAB、2,2−イソプロピリデンビス(3,4−ジアミノベンゼン)、2,2−ヘキサフルオロイソプロピリデンビス(3,4−ジアミノベンゼン)がより好ましく、TAB−E、TAB−S、TAB−K、TABP、TABが特に好ましい。
また、このような式(1−1)中のX2として選択され得る4価の有機基としては、機械強度の観点から、上記一般式(6−1)〜(7−1)で表される4価の基であることが好ましい。ここにおいて、式(7−1)中のZ1は、単結合、9,9−フルオレニリデン基、式:−O−で表されるエーテル基、−C(=O)−で表されるカルボニル基、−S(=O)−で表されるスルホキシド基、−S(=O)2−で表されるスルホニル基、−CH2−で表されるメチレン基、−C(CH3)2−で表されるイソプロピリデン基、−C(CF3)2−で表されるヘキサフルオロイソプロピリデン基、−S−で表されるチオエーテル基、−NHCO−で表されるアミド基、−COO−で表されるエステル型、−C6H4−で表されるフェニレン基、−O−C6H4−O−で表されるフェニレンジオキシ基、−O−C6H4−C6H4−O−で表されるビフェニレンジオキシ基、−O−C6H4−Z2−C6H4−O−[式中のZ2は−O−で表されるエーテル基、−C(=O)−で表されるカルボニル基、−S(=O)2−で表されるスルホニル基、−C(CH3)2−で表されるイソプロピリデン基、−C(CF3)2−で表されるヘキサフルオロイソプロピリデン基、及び、−CH2−で表されるメチレン基よりなる群から選択される1種を示す]で表されるビス(フェニレンジオキシ)基、−P(=O)(C6H5)−で表される基、及び、−N(C6H5)−で表される基よりなる群から選択される1種である。このようなZ1としては、中でも、耐熱性と機械強度を両立させるという観点からは−O−で表されるエーテル基及び単結合が好ましく、また、透明性と機械強度を両立させるという観点からは−C(=O)−で表されるカルボニル基及び−S(=O)2−で表されるスルホニル基が好ましい。また、式(6−1)〜(7−1)中の記号*1〜*4の付された結合手は、それぞれX2に結合している4本の結合手のうちのいずれかである。なお、このような一般式(6−1)〜(7−1)で表される4価の基は、上述のテトラアミンの中から適宜選択したもの(例えばTAB−E、TAB−S、TAB−K、TABP、TAB等)を、繰り返し単位の製造時に利用することで、そのテトラアミンから4つのアミノ基を除いた残基として、X2の位置に導入することができる。
また、上記一般式(1−1)で表される繰り返し単位(A)は、例えば、前記6員環の脂環構造を有するテトラカルボン酸二無水物と、前記テトラアミンとを反応(重合)させることで、樹脂中に、より効率よく導入することが可能である。そのため、一般式(1−1)で表される繰り返し単位(A)を含む樹脂としては、前記6員環の脂環構造を有するテトラカルボン酸二無水物を含む第一のモノマーと、前記テトラアミンを含む第二のモノマーとの重合物であることが好ましい。
また、上記一般式(1−2)中のX3は3価の有機基を示す。このような3価の有機基としては特に制限されないが、トリアミンから3つのアミノ基を除いた残基であることが好ましい。このようなトリアミンとしては、芳香族トリアミンであっても、あるいは、脂環式トリアミンであってもよい。また、ここで用いるトリアミンは、ワニスの保管性や安定性を向上させるために、−NH2中の一つのHをシリル化して、トリメチルシリル基又はt−ブチルジメチルシリル基にしても良い。
このような芳香族トリアミンとしては特に制限されず、公知の芳香族トリアミン(例えば、ベンゼントリアミン型、ジフェニルエーテル型、ジフェニルスルホン型、ジフェニルケトン型、ビフェニル型、ベンズアミド型、ベンゾエート型、ジフェニルチオエーテル型、Bis−A型(ジフェニルイソプロピリデン型)、ヘキサフルオロBis−A型、Bis−M型(ジフェニルメタン型)、Bis−C型(ジフェニルシクロヘキサン型)、Bis−F型(ジフェニルフルオレン型)、ターフェニル型(トリフェニル型)、フェニレンジオキシ型、ビス(フェニレンジオキシ)型、フルオレン型、スピロ型、シリコン系等の各種芳香族トリアミン等)を適宜利用することができる。
このような芳香族トリアミンとしては、例えば、3,4,4’−トリアミノジフェニルエーテル(TrAB−E)、3,4,4’−トリアミノジフェニルスルホン(TrAB−S)、3,4,4’−トリアミノジフェニルケトン(TrAB−K)、3,4,4’−トリアミノビフェニル(TrABP)、1,2,4−トリアミノベンゼン(TrAB)、3,4,4’−トリアミノジフェニルメタン、3,4,4’−トリアミノジフェニルシクロヘキサン、3,4,4’−トリアミノジフェニルフルオレン、3,4,4’−トリアミノジフェニルチオエーテル、3,4,4’−トリアミノジフェニルエステル、3,4,4’−トリアミノジフェニルアミド、3,4,4’’−トリアミノターフェニル等が挙げられる。
また、脂環式トリアミンとしては、例えば、上述の各種芳香族トリアミンの水素化物(例えば、3,4,4’−トリアミノジシクロヘキシルエーテル、3,4,4’−トリアミノジシクロヘキシルスルホン、3,4,4’−トリアミノジシクロヘキシルケトン、3,4,4’−トリアミノジシクロヘキサン、1,2,4−トリアミノシクロヘキサン等)を好適なものとして挙げられる。
このようなトリアミンとしては、耐熱性の観点から、中でも、芳香族トリアミンが好ましく、TrAB−E、TrAB−S、TrAB−K、TrABP、TrABがより好ましく、TrAB−E、TrAB−S、TrAB−Kが特に好ましい。
また、このような式(1−2)中のX3として選択され得る3価の有機基としては、機械強度の観点から、上記一般式(6−2)〜(7−2)で表される3価の基であることが好ましい。ここにおいて、式(7−2)中のZ1は、単結合、9,9−フルオレニリデン基、式:−O−で表されるエーテル基、−C(=O)−で表されるカルボニル基、−S(=O)−で表されるスルホキシド基、−S(=O)2−で表されるスルホニル基、−CH2−で表されるメチレン基、−C(CH3)2−で表されるイソプロピリデン基、−C(CF3)2−で表されるヘキサフルオロイソプロピリデン基、−S−で表されるチオエーテル基、−NHCO−で表されるアミド基、−COO−で表されるエステル型、−C6H4−で表されるフェニレン基、−O−C6H4−O−で表されるフェニレンジオキシ基、−O−C6H4−C6H4−O−で表されるビフェニレンジオキシ基、−O−C6H4−Z2−C6H4−O−[式中のZ2は−O−で表されるエーテル基、−C(=O)−で表されるカルボニル基、−S(=O)2−で表されるスルホニル基、−C(CH3)2−で表されるイソプロピリデン基、−C(CF3)2−で表されるヘキサフルオロイソプロピリデン基、及び、−CH2−で表されるメチレン基よりなる群から選択される1種を示す]で表されるビス(フェニレンジオキシ)基、−P(=O)(C6H5)−で表される基、及び、−N(C6H5)−で表される基よりなる群から選択される1種である。このようなZ1としては、中でも、耐熱性と機械強度を両立させるという観点からは−O−で表されるエーテル基及び単結合が好ましく、また、透明性と機械強度を両立させるという観点からは−C(=O)−で表されるカルボニル基及び−S(=O)2−で表されるスルホニル基が好ましい。また、式(6−2)〜(7−2)中の記号*1〜*3の付された結合手は、それぞれX3に結合している3本の結合手のうちのいずれかである。なお、このような一般式(6−2)〜(7−2)で表される3価の基は、上述のトリアミンの中から適宜選択したもの(例えばTrAB−E、TrAB−S、TrAB−K、TrABP、TrAB等)を、繰り返し単位の製造時に利用することで、そのトリアミンから3つのアミノ基を除いた残基として、X3の位置に導入することが可能である。
また、上記一般式(1−2)で表される繰り返し単位(A’)は、例えば、前記6員環の脂環構造を有するテトラカルボン酸二無水物と、前記トリアミンとを反応(重合)させることで、樹脂中により効率よく導入することが可能である。そのため、一般式(1−2)で表される繰り返し単位(A’)を含む樹脂としては、前記6員環の脂環構造を有するテトラカルボン酸二無水物を含む第一のモノマーと、前記トリアミンを含む第二のモノマーとの重合物であることが好ましい。
また、本発明の樹脂においては、上記一般式(2)で表されるイミド構造を有する繰り返し単位(以下、場合により、かかるイミド構造を有する繰り返し単位を、便宜上、単に「繰り返し単位(B)」と称する。)を更に含むことが好ましい。
なお、本発明の樹脂が、繰り返し単位(A)及び(A’)からなる群から選択される少なくとも1種の繰り返し単位とともに繰り返し単位(B)を含む樹脂である場合、その製造時において、繰り返し単位(A)及び(A’)からなる群から選択される少なくとも1種の繰り返し単位の構造中に含まれる、窒素原子を2つ含む環状の構造部分(特に好ましくはイミダゾール構造の構造部分:なお、X2、X3がそれぞれ芳香族である場合には、その構造部分をそれぞれイミダゾール構造とすることが可能である)が、繰り返し単位(B)を製造する際(熱イミド化の際)に自己触媒として作用して、イミド構造を有する繰り返し単位(B)を形成する反応をより促進させることができ、かかる繰り返し単位(B)を含む共重合物(繰り返し単位(A)及び(A’)からなる群から選択される少なくとも1種の繰り返し単位を含む本発明の樹脂:反応物)の分子量をより大きくすることが可能であるため、繰り返し単位(B)のみからなる樹脂を製造する場合と比較して、繰り返し単位(B)を含む樹脂の強度や耐熱性といった特性をより高度なものとすることができ、特に引張り応力に対してより強靭な膜を得ることが可能となるものと本発明者らは推察する。このように、繰り返し単位(A)及び/又は(A’)と、繰り返し単位(B)とを含む樹脂(共重合物)においては、その共重合物の製造時に形成された繰り返し単位(A)及び/又は(A’)の構造によって繰り返し単位(B)を形成する反応を促進させることができるため、繰り返し単位(A)及び(A’)の総量(含有量)が微量であっても、繰り返し単位(B)のみからなる樹脂と比較して、より高度な特性を有する樹脂を製造することが可能である。
このような一般式(2)中のX1は6員環の脂環構造を有する4価の有機基であり、一般式(1−1)中のX1と同義である(その好適なものも同様である)。
一般式(2)中のX4は炭素数6〜50のアリーレン基である。このようなアリーレン基の炭素数は6〜40であることが好ましく、6〜30であることがより好ましく、12〜20であることが更に好ましい。このような炭素数が前記下限未満では、樹脂を調製した場合に樹脂の耐熱性が低下する傾向にあり、他方、前記上限を超えると、樹脂を調製した場合に、その樹脂の透明性が低下する傾向にある。
また、このような一般式(2)中のX4としては、より高度な耐熱性と機械的強度が得られるといった観点から、下記一般式(a)〜(d):
[式(c)中、R11は、水素原子、フッ素原子、メチル基、メトキシ基、エチル基、水酸基、及びトリフルオロメチル基よりなる群から選択される1種を示し、式(d)中、Qは、9,9−フルオレニリデン基;式:−O−、−S−、−CO−、−CONH−、−NHCO−、−SO2−、−SO−、−C(CF3)2−、−O−C6H4−O−、−C(CH3)2−、−CH2−、−O−C6H4−C(CH3)2-C6H4−O−、−O−C6H4−C(CF3)2-C6H4−O−、−O−C6H4−SO2-C6H4−O−、−O−C6H4−CO−C6H4−O−、−C(CH3)2−C6H4−C(CH3)2−、−O−C6H4−C6H4−O−、−CONH−C6H4−NHCO−、−NHCO−C6H4−CONH−、−C6H4−及び、−O−C6H4−O−、−O−C6H4−O−C6H4−O−、−COO−、−OCO−、−NH−CO−NH−、−N(Ph)−、−P(=O)(Ph)−で表される基;1,1−シクロヘキシリデン基;1,1−シクロペンチリデン基;並びに、下記一般式(e):
(式(e)中、Raはそれぞれ独立に炭素数1〜10のアルキル基、フェニル基及びトリル基のうちのいずれか1種を示し、yは1〜100の整数を示す。)
で表される基;からなる群から選択される1種を示す。]
で表される基のうちの少なくとも1種であることが好ましい。
で表される基;からなる群から選択される1種を示す。]
で表される基のうちの少なくとも1種であることが好ましい。
このような一般式(c)中のR11としては、耐熱性の観点から、水素原子、フッ素原子、メチル基又はエチル基がより好ましく、水素原子が特に好ましい。さらに、一般式(c)中のR11としては、線膨張係数の観点からは、メチル基、水酸基、又、トリフルオロメチル基であることがより好ましい。
また、上記一般式(d)中のQとして選択され得る上記一般式(e)で表される基において、Raはそれぞれ独立に炭素数1〜10のアルキル基、フェニル基及びトリル基のうちのいずれか1種である。このようなアルキル基の炭素数が前記上限を超えると、樹脂を調製した場合に、その樹脂の耐熱性や透明性が低下する傾向にある。このようなRaとしては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、フェニル基、トリル基であることが好ましく、メチル基、エチル基であることがより好ましく、メチル基が更に好ましい。また、上記一般式(e)中のyは1〜100の整数を示し、3〜50であることがより好ましく、5〜25であることが更に好ましい。なお、yが前記下限未満では機械的強度が低下する傾向にあり、他方、前記上限を超えると樹脂を調製した場合に、その樹脂の耐熱性や透明性が低下する傾向にある。
また、上記一般式(d)中のQとしては、耐熱性と透明性と機械的強度とを十分な水準でよりバランスよく有する硬化物を得ることが可能となるといった観点から、9,9−フルオレニリデン基、式:−CONH−、−NHCO−、−O−C6H4−O−、−O−、−C(CH3)2−、−C6H4−、−O−C6H4−SO2−C6H4−O−、−O−C6H4−CO−C6H4−O−、−CH2−、−O−C6H4−C6H4−O−、−O−C6H4−C(CH3)2−C6H4−O−、−SO2−、−SO−、−OCO−、又は、−COO−で表される基、又は、1,1−シクロヘキシリデン基が好ましく、9,9−フルオレニリデン基、又は、式:−CONH−、−NHCO−、−CH2−、−O−C6H4−O−、−O−C6H4−C6H4−O−、−SO2−、−OCO−,−COO−、若しくは−O−で表される基が特に好ましく、9,9−フルオレニリデン基、又は、式:−CONH−、−SO2−、−OCO−、−COO−、−CH2−又は−O−で表される基が最も好ましい。さらに、上記一般式(d)中のQとしては、接着性やレーザ剥離性の観点からは、上記一般式(e)で表される基であることが好ましく、線膨張係数と耐熱性の観点からは、式:−OCO−、−COO−、−CONH−、−NHCO−で表される基が好ましい。
また、このようなX4としては、耐熱性と透明性と機械的強度とを十分な水準でよりバランスよく有する樹脂を得ることが可能となるといった観点から、4,4’−ジアミノベンズアニリド(DABAN)、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(DDE)、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン(TFMB)、9,9’−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン(FDA)、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、p−ジアミノベンゼン(PPD)、p−ジアミノトルエン、p−ジアミノキシレン、p−ジアミノトリメチルベンゼン、p−ジアミノテトラメチルベンゼン、2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル(別名:m−トリジン)、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル(別名:o−トリジン)、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジアミノビフェニル(別名:ジアニシジン)、4,4’−ジフェニルジアミノメタン(DDM)、4−アミノフェニル―4−アミノ安息香酸(BAAB)、4,4’−ビス(4−アミノベンズアミド)−3,3’−ジヒドロキシビフェニル(BABB)、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン(3,3’−DDS)及び、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン(4,4’−DDS)からなる群から選択される少なくとも1種の芳香族ジアミンから2つのアミノ基を除いた2価の基(アリーレン基)が好ましく、4,4’−ジアミノベンズアニリド(DABAN)、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(DDE)、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン(TFMB)、9,9’−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン(FDA)、m−トリジン(m−Tol)、4,4‘−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシビフェニル(DAHB)、p−ジアミノベンゼン(PPD)及び4−アミノフェニル―4−アミノ安息香酸(BAAB)からなる群から選択される少なくとも1種の芳香族ジアミンから2つのアミノ基を除いた2価の基(アリーレン基)であることがより好ましく、4,4’−ジアミノベンズアニリド(DABAN)、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(DDE)、及び、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン(TFMB)からなる群から選択される少なくとも1種の芳香族ジアミンから2つのアミノ基を除いた2価の基(アリーレン基)であることが更に好ましい。
このような一般式(2)で表される繰り返し単位(B)は、例えば、前記6員環の脂環構造を有するテトラカルボン酸二無水物と、ジアミンとを反応(重合)させることで、樹脂中に、より効率よく導入することが可能である。このような6員環の脂環構造を有するテトラカルボン酸二無水物は、前述のものと同様のものである。
また、一般式(2)で表される繰り返し単位(B)を樹脂中に導入するために利用可能なジアミンとしては、特に制限されず、脂肪族ジアミンであってもあるいは芳香族ジアミンであってもよい。このようなジアミンとしては、耐熱性、及び、重合方法の簡便さの観点から、芳香族ジアミンが好ましい。また、このような芳香族ジアミンとしては、下記一般式(iv):
H2N−X4−NH2 (iv)
[式(iv)中、X4は炭素数6〜50のアリーレン基を示す。]
で表される芳香族ジアミンがより好ましい。また、ここで用いるジアミンは、ワニスの保管性や安定性を向上させるために、−NH2中の一つのHをシリル化して、トリメチルシリル基又はt−ブチルジメチルシリル基にしても良い。
H2N−X4−NH2 (iv)
[式(iv)中、X4は炭素数6〜50のアリーレン基を示す。]
で表される芳香族ジアミンがより好ましい。また、ここで用いるジアミンは、ワニスの保管性や安定性を向上させるために、−NH2中の一つのHをシリル化して、トリメチルシリル基又はt−ブチルジメチルシリル基にしても良い。
このような式:H2N−X4−NH2で表される芳香族ジアミンとしては、特に制限されず、公知のものを適宜利用でき、市販のものを適宜用いてもよい。このような芳香族ジアミンとしては、例えば、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエタン、3,3’−ジアミノジフェニルエタン、4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジアミノビフェニル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、2,2−ビス(4−アミノフェノキシフェニル)プロパン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ケトン、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノビフェニル、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、9,9−ビス(3−フルオロ−4−アミノフェニル)フルオレン、9,9−ビス(3−クロロ−4−アミノフェニル)フルオレン、9,9−ビス(3−ブロモ−4−アミノフェニル)フルオレン、1,1−ビス(4−アミノフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−アミノフェニル)シクロペンタン、p−ジアミノベンゼン、m−ジアミノベンゼン、o−ジアミノベンゼン、4,4’−ジアミノビフェニル、4,4’−ジアミノ−2,2’−ジメチルビフェニル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルビフェニル,3,3’−ジアミノビフェニル、2,2’−ジアミノビフェニル、3,4’−ジアミノビフェニル、2,6−ジアミノナフタレン、1,4−ジアミノナフタレン、1,5−ジアミノナフタレン、4,4’−[1,3−フェニレンビス(1−メチル−エチリデン)]ビスアニリン、4,4’−[1,4−フェニレンビス(1−メチル−エチリデン)]ビスアニリン、2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ジメトキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4’−ジアミノベンズアニリド、3,4’−ジアミノベンズアニリド、9,9’−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、o−トリジンスルホン、2,3,5,6−テトラメチル−1,4−フェニレンジアミン、3,3’,5,5’−テトラメチルベンジジン、1,5−ビス(4−アミノフェノキシ)ペンタン、2,2−ビス(4−アミノフェノキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン、4−アミノフェニル―4−アミノ安息香酸、4,4’−ビス(4−アミノベンズアミド)−3,3’−ジヒドロキシビフェニル等が挙げられる。また、このような芳香族ジアミンは1種を単独であるいは2種以上を組み合わせて利用してもよい。
また、芳香族ジアミンを2種類以上組み合わせて利用する場合には、4,4’−ジアミノベンズアニリド(DABAN)、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(DDE)、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン(TFMB)、9,9’−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン(FDA)、p−ジアミノベンゼン(PPD)、2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル(別名:m−トリジン)、4,4’−ジフェニルジアミノメタン(DDM)、4−アミノフェニル―4−アミノ安息香酸(BAAB)、4,4’−ビス(4−アミノベンズアミド)−3,3’−ジヒドロキシビフェニル(BABB)、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン(3,3’−DDS)及び4,4’−ジアミノジフェニルスルホン(4,4’−DDS)の中から選択される少なくとも2種を利用することが好ましく、4,4’−ジアミノベンズアニリド(DABAN)、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(DDE)、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン(TFMB)、9,9’−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン(FDA)、p−ジアミノベンゼン(PPD)、4−アミノフェニル―4−アミノ安息香酸(BAAB)、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン(3,3’−DDS)及び4,4’−ジアミノジフェニルスルホン(4,4’−DDS)の中から選択される少なくとも2種を利用することが好ましい。また、芳香族ジアミンを2種類以上組み合わせて利用する場合、4,4’−ジアミノベンズアニリド(DABAN)と4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(DDE)の組み合わせ、4,4’−ジアミノベンズアニリド(DABAN)と2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン(TFMB)の組み合わせ、4,4’−ジアミノベンズアニリド(DABAN)とp−ジアミノベンゼン(PPD)の組み合わせ、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン(3,3’−DDS)と4,4’−ジアミノジフェニルスルホン(4,4’−DDS)の組み合わせ、4−アミノフェニル―4−アミノ安息香酸(BAAB)と2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン(TFMB)の組み合わせ、及び、4−アミノフェニル―4−アミノ安息香酸(BAAB)とp−ジアミノベンゼン(PPD)の組み合わせの中から選択される少なくとも1つの組み合わせを含むことがより好ましい。
なお、上述のように、前記繰り返し単位(B)は、例えば、前記6員環の脂環構造を有するテトラカルボン酸二無水物と、前記ジアミンとを反応(重合)させることで、樹脂中に、より効率よく導入することが可能である。そのため、前記繰り返し単位(B)を含む本発明の樹脂としては、前記6員環の脂環構造を有するテトラカルボン酸二無水物を含む第一のモノマー(場合により前記6員環の脂環構造を有するテトラカルボン酸二無水物とともに他のテトラカルボン酸二無水物等を含んでいてもよい)と、テトラアミン及び/又はトリアミン、並びに、ジアミンを含む第二のモノマー(アミン成分)との重合物であることが好ましい。
また、本発明の樹脂において、前記繰り返し単位(A)及び前記繰り返し単位(A’)の総量(含有量)は、特に制限されず、その樹脂中に含有される全繰り返し単位に対するモル比を基準として3〜100モル%であることが好ましく、5〜50モル%であることがより好ましい。このようなモル比が前記下限未満では、得られる樹脂に繰り返し単位(A)及び/又は(A’)に由来する特性を必ずしも十分に付与することができなくなる傾向にある。なお、前記繰り返し単位(A)及び前記繰り返し単位(A’)からなる群から選択される少なくとも1種の繰り返し単位によれば、いわゆるラダー構造を形成することが可能であり、かかる構造に基づいて、その繰り返し単位を含む樹脂により高度な耐熱性を付与することが可能なものである。
また、本発明の樹脂は、前述のように前記繰り返し単位(B)を更に含むことが好ましい。このように、本発明の樹脂は、前記繰り返し単位(A)及び(A’)からなる群から選択される少なくとも1種の繰り返し単位と、前記繰り返し単位(B)とを含有する共重合体であることが好ましい。このように繰り返し単位(B)を含有する場合、前記繰り返し単位(A)、前記繰り返し単位(A’)及び前記繰り返し単位(B)の総量(合計量)が、全繰り返し単位に対して20〜100モル%(更に好ましくは30〜100モル%、より好ましくは40〜100モル%、更に好ましくは50〜100モル%、特に好ましくは60〜100モル%)であることが好ましい。また、このような繰り返し単位(A)、前記繰り返し単位(A’)及び前記繰り返し単位(B)の総量(合計量)に関して、前記数値範囲の下限値は70モル%であることがより好ましく、80モル%であることが更に好ましく、90モル%であることが最も好ましい。このような繰り返し単位の総量(合計量)が前記下限未満では、高度な耐熱性を付与できない傾向にある。
また、本発明の樹脂は、前記繰り返し単位(A)及び(A’)からなる群から選択される少なくとも1種の繰り返し単位と、前記繰り返し単位(B)とを含有する共重合体である場合、前記繰り返し単位(B)の含有量は、前記繰り返し単位(A)、前記繰り返し単位(A’)及び前記繰り返し単位(B)の総量(合計量)に対して1〜99モル%であることが好ましく、5〜95モル%であることがより好ましく、10〜90モル%であることが特に好ましい。前記繰り返し単位(A)、前記繰り返し単位(A’)及び前記繰り返し単位(B)の総量に対する繰り返し単位(B)の含有量(モル比)が前記下限未満では透明性と寸法安定性の点で、より高度な特性を得ることが困難となる傾向にあり、他方、前記上限を超えると高度な耐熱性と機械特性の点で、より高度な特性を得ることが困難となる傾向にある。
また、このような本発明の樹脂は、前記繰り返し単位(A)及び(A’)からなる群から選択される少なくとも1種の繰り返し単位を含むものであればよく、特に制限されず、例えば、前記繰り返し単位(A)とともに前記繰り返し単位(A’)を含んでいるものであってもよく、また、前記繰り返し単位(A)及び前記繰り返し単位(A’)とともに、前記繰り返し単位(B)を含んでいるものであってもよい。さらに、本発明の樹脂は、前記繰り返し単位(A)、前記繰り返し単位(A’)及び前記繰り返し単位(B)以外の他の繰り返し単位を含んでいてもよい。このような他の繰り返し単位としては、例えば、前記6員環の脂環構造を有するテトラカルボン酸二無水物以外の他のテトラカルボン酸二無水物と、ジアミン、トリアミン及びテトラアミンからなる群から選択される少なくとも1種との反応により形成することが可能な繰り返し単位;前記6員環の脂環構造を有するテトラカルボン酸二無水物と、多官能アルコール、多官能フェノール、多官能チオール、多官能チオフェノールとの反応により形成することが可能な繰り返し単位;等を利用してもよい。このような他のテトラカルボン酸二無水物としては、特に制限されるものではないが、例えば、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、4,4’−オキシジフタル酸二無水物、3,3’,4,4’−ジメチルジフェニルシランテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−テトラフェニルシランテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−フランテトラカルボン酸二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルフィド二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルホン二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルプロパン二無水物、3,3’,4,4’−パーフルオロイソプロピリデンジフタル酸二無水物、4,4’−(2,2−ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ビス(フタル酸)フェニルホスフィンオキサイド二無水物、p−フェニレン−ビス(トリフェニルフタル酸)二無水物、m−フェニレン−ビス(トリフェニルフタル酸)二無水物、ビス(トリフェニルフタル酸)−4,4’−ジフェニルエーテル二無水物、ビス(トリフェニルフタル酸)−4,4’−ジフェニルメタン二無水物などの芳香族テトラカルボン酸二無水物;ブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、シクロヘプタンテトラカルボン酸二無水物、シクロオクタンテトラカルボン酸二無水物、シクロノナンテトラカルボン酸二無水物、シクロデカンテトラカルボン酸二無水物、meso−ブタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−テトラメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、3−(カルボキシメチル)−1,2,4−シクロペンタントリカルボン酸1,4:2,3−二無水物 、5―(2,5−ジオキソテトラヒドロフリル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、4―(2,5−ジオキソテトラヒドロフラン−3−イル)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1,2−ジカルボン酸無水物、トリシクロ[6.4.0.02,7]ドデカン−1,8:2,7−テトラカルボン酸二無水物、シクロペンタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物のトランス異性体、シクロペンタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物のシス異性体、シクロブタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物のトランス異性体、シクロブタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物のシス異性体などの脂肪族または脂環式テトラカルボン酸二無水物が挙げられる。
また、前記多官能アルコール、前記多官能フェノール、前記多官能チオール、前記多官能チオフェノールとしては、特に制限されず、例えば、脂肪族ジオール、脂環式ジオール、ジフェノール、ビスフェノール、脂肪族ジチオール、脂環式ジチオール、ジチオフェノール、ビスチオフェノール等を用いてもよい。
なお、前記繰り返し単位(A)及び前記繰り返し単位(A’)からなる群から選択される少なくとも1種の繰り返し単位は、前述の前記6員環の脂環構造を有するテトラカルボン酸二無水物と前述のアミン成分との反応を利用して形成する以外にも、例えば、前記6員環の脂環構造を有するテトラカルボン酸二無水物の誘導体(変性物)である、ジエステルジカルボン酸、及び、ジエステルジカルボン酸ジクロライドのうちの少なくとも1種を利用して、該変性物と、前記トリアミン及び前記テトラアミンから選択される少なくとも1種のアミン成分とを反応させて形成することもできる。更に、前記前記繰り返し単位(A)及び前記繰り返し単位(A’)からなる群から選択される少なくとも1種の繰り返し単位は、前記6員環の脂環構造を有するテトラカルボン酸二無水物と、前記トリアミンの誘導体及び前記テトラアミンの誘導体から選択される少なくとも1種のアミン成分の等価体とを反応させて形成することもできる。
前記6員環の脂環構造を有するテトラカルボン酸二無水物の誘導体(変性物)である、ジエステルジカルボン酸、及び、ジエステルジカルボン酸ジクロライドに関して、例えば、前記誘導体としてジエステルジカルボン酸を調製する場合には、前記6員環の脂環構造を有するテトラカルボン酸二無水物を任意のアルコールと反応させることで、対応するジエステルジカルボン酸を得る方法等を採用でき、また、前記誘導体としてジエステルジカルボン酸ジクロライドを調製する場合には、前記6員環の脂環構造を有するテトラカルボン酸二無水物を任意のアルコールと反応させてジエステルジカルボン酸を得た後に、該ジエステルジカルボン酸と塩素化試薬(チオニルクロライド、オキサリルクロライドなど)とを反応させてジエステルジカルボン酸ジクロライドを得る方法等を採用してもよい。
さらに、前記トリアミンの誘導体及び前記テトラアミンの誘導体としては、前述のトリアミン及びテトラアミンからなる群から選択される少なくとも1種の化合物をシリル化剤と反応させて得られる、シリル化されたテトラアミン及び/又はシリル化されたトリアミン等が挙げられる。例えば、前述のトリアミン中の−NH2基のうちの一つのHをシリル化して、トリメチルシリル基又はt−ブチルジメチルシリル基にしたもの等が挙げられる。また、このようなシリル化されたテトラアミンとしては、例えば、TAB−E、TAB−S、TAB−K、TABP、TAB等のテトラシリル誘導体が挙げられ、また、このようなシリル化されたトリアミンとしては、例えば、TrAB−E、TrAB−S、TrAB−K、TrABP、TrAB等のトリシリル誘導体が挙げられる。このようなシリル化剤としては、例えば、N,O−ビス(トリメチルシリル)トリフルオロアセトアミド、N,O−ビス(トリメチルシリル)アセトアミド、ヘキサメチルジシラザン、トリメチルシリルクロリドなどが挙げられる。このようなシリル化アミンを製造するための方法も特に制限されず、公知の方法を適宜採用することができる。また、このようなシリル化アミンとしては市販品を適宜利用してもよい。
また、前記繰り返し単位(B)は、前述の前記6員環の脂環構造を有するテトラカルボン酸二無水物と、前述のジアミンとの反応を利用して形成する以外にも、例えば、上記6員環の脂環構造を有するテトラカルボン酸二無水物の誘導体(変性物)である、ジエステルジカルボン酸、及び、ジエステルジカルボン酸ジクロライドも利用して、該変性物と、前記ジアミンから選択される少なくとも1種のアミン成分とを反応させて形成することもできる。更に、前記繰り返し単位(B)は、前記6員環の脂環構造を有するテトラカルボン酸二無水物と、前記ジアミンの誘導体とを反応させて形成することもできる。
前記ジアミンの誘導体としては、前述のジアミンをシリル化剤と反応させて得られる、シリル化されたジアミン等が挙げられ、例えば、式:H2N−X4−NH2で表される芳香族ジアミンとシリル化剤とを反応させて得られるシリル化されたジアミンが挙げられる。このようなシリル化されたジアミンとしては、例えば、DDE、TFMB、FDA、PPD、m−トリジン等のジシリル誘導体が挙げられる。このようなシリル化剤としては、例えば、N,O−ビス(トリメチルシリル)トリフルオロアセトアミド、N,O−ビス(トリメチルシリル)アセトアミド、ヘキサメチルジシラザン、トリメチルシリルクロリドなどが挙げられる。このようなシリル化されたジアミンを製造するための方法も特に制限されず、公知の方法を適宜採用することができる。また、このようなシリル化されたジアミンとしては市販品を適宜利用してもよい。
また、本発明の樹脂としては、ガラス転移温度(Tg)が300℃以上のものが好ましく、300℃〜550℃のものがより好ましく、350〜500℃のものが更に好ましい。このようなガラス転移温度(Tg)が前記下限未満では、高度な水準の耐熱性を達成することが困難となる傾向にあり、他方、前記上限を超えるとそのような特性を有する樹脂を製造することが困難となる傾向にある。なお、このようなガラス転移温度(Tg)は、熱機械的分析装置(リガク製の商品名「TMA8311」)を使用して引張モードにより測定することができる。すなわち、縦20mm、横5mmの大きさの樹脂のフィルム(かかるフィルムの厚みは測定値に影響するものではないため特に制限されるものではないが、5〜100μmとすることが好ましい)を形成して測定試料とし、窒素雰囲気下、引張りモード(49mN)、昇温速度5℃/分の条件を採用して測定を行い、ガラス転移に起因するTMA曲線の変曲点に対し、その前後の曲線を外挿することにより求めることができる。
また、このような樹脂としては、5%重量減少温度が450℃以上のものが好ましく、460〜550℃のものがより好ましく、470〜530℃のものが更に好ましい。このような5%重量減少温度が前記下限未満では十分な耐熱性が達成困難となる傾向にあり、他方、前記上限を超えると、そのような特性を有する樹脂を製造することが困難となる傾向にある。なお、このような5%重量減少温度は、窒素ガス雰囲気下、窒素ガスを流しながら室温(例えば、30℃)から徐々に加熱していき、用いた試料の重量が5%減少する温度を測定することにより求めることができる。
さらに、このような樹脂としては、軟化温度が300℃以上のものが好ましく、350〜550℃のものがより好ましく、400〜500℃のものが更に好ましい。このような軟化温度が前記下限未満では十分な耐熱性が達成困難となる傾向にあり、他方、前記上限を超えるとそのような特性を有する樹脂を製造することが困難となる傾向にある。なお、このような軟化温度は、熱機械的分析装置(リガク製の商品名「TMA8311」)を使用してペネトレーションモードにより測定することができる。また、測定に際しては、試料のサイズ(縦、横、厚み等)は測定値に影響するものではないため、用いる熱機械的分析装置(リガク製の商品名「TMA8311」)の治具に装着可能なサイズに試料のサイズを適宜調整すればよい。
このような樹脂は、破断点伸度が3%以上であることが好ましく、5%以上であることがより好ましく、7%以上であることが特に好ましい。このような破断点伸度が前記下限未満では靱性が低く、機械的に脆い傾向がある。また、本発明の樹脂は、引張強度が50MPa以上であることが好ましく、70MPa以上であることがより好ましく、100MPa以上であることが特に好ましい。このような引張強度が前記下限未満では、より高度な靱性を有するフィルムを得ることができなくなる。なお、このような樹脂の引張強度の上限値としては、特に制限されないが、1000MPa以下であることが好ましい。このような引張強度が前記上限値を超えた値となると加工が困難となる傾向にある。なお、このような引張強度及び破断伸びの値は、JIS K7162(1994年発行)に準拠した試験により求めることができ、例えば、以下のようにして求められる値を採用することができる。すなわち、先ず、厚みを10μmとする以外はJIS K7139(2009年発行)に記載されているタイプA22(縮尺試験片)の規格に沿った試験片を準備し、電気機械式万能材料試験機(例えば、INSTRON製の型番「5943」)を用いて、前記測定試料を掴み具間の幅が57mm、掴み部分の幅が10mm(試験片の端部の全幅)となるようにして配置した後、ロードセル:1.0kN、試験速度:5mm/分の条件で前記測定試料を引っ張る引張試験を行って求められる引張強度(破断時の応力[単位:MPa])及び破断伸びの値(単位:%)の値を採用することができる。
また、このような樹脂は、線膨張係数(CTE)が−50〜100ppm/Kであることが好ましく、0〜50ppm/Kであることがより好ましい。このような線膨張係数が前記上限を超えると、線膨張係数の範囲が5〜20ppm/Kである金属や無機物と組合せて複合化した場合に熱履歴で剥がれが生じ易くなってしまう傾向にある。また、前記線膨張係数が、前記下限未満においても金属や無機物と組合せて複合化した場合に熱履歴で剥がれが生じ易くなってしまう傾向にある。このような樹脂の線膨張係数の測定方法としては、以下に記載の方法を採用する。すなわち、先ず、前記樹脂からなる縦20mm、横5mmの大きさのフィルム(かかるフィルムの厚みは測定値に影響するものではないため特に制限されるものではないが、5〜100μmとすることが好ましい)を形成して測定試料とし、測定装置として熱機械的分析装置(リガク製の商品名「TMA8311」)を利用して、窒素雰囲気下、引張りモード(49mN)、窒素雰囲気下、引張りモード(49mN)、昇温速度5℃/分の条件を採用して、50℃〜200℃における前記試料の縦方向の長さの変化を測定して、50℃〜200℃の温度範囲における1℃あたりの長さの変化の平均値を求めることにより得られる値を採用する。
また、このような樹脂としては、フィルムを形成した場合に透明性が十分に高いものであることが好ましく、全光線透過率が80%以上(更に好ましくは83%以上、特に好ましくは85%以上)であるものがより好ましい。このような全光線透過率は、樹脂中の繰り返し単位の有機基の種類やその含有量等を適宜選択することにより容易に達成することができる。また、このような樹脂としては、より高度な無色透明性を得るといった観点から、ヘイズ(濁度)が5〜0(更に好ましくは4〜0、特に好ましくは3〜0)であるものがより好ましい。このようなヘイズの値が前記上限を超えると、より高度な水準の無色透明性を達成することが困難となる傾向にある。さらに、このような樹脂としては、より高度な無色透明性を得るといった観点から、黄色度(YI)が10〜0(更に好ましくは8〜0、特に好ましくは6〜0)であるものがより好ましい。このような黄色度が前記上限を超えると、より高度な水準の無色透明性を達成することが困難となる傾向にある。なお、このような全光線透過率、ヘイズ(濁度)及び黄色度(YI)は、測定装置として、日本電色工業株式会社製の商品名「ヘーズメーターNDH−5000」又は日本電色工業株式会社製の商品名「分光色彩計SD6000」を用いて(日本電色工業株式会社製の商品名「ヘーズメーターNDH−5000」で全光線透過率とヘイズとを測定し、日本電色工業株式会社製の商品名「分光色彩計SD6000」で黄色度を測定する。)、前記樹脂からなる厚みが10μmのフィルムを測定用の試料として用いて測定した値を採用することができる。また、測定試料の縦、横の大きさは、前記測定装置の測定部位に配置できるサイズ(5cm角以上)であればよく、縦、横の大きさは適宜変更してもよい。なお、このような全光線透過率は、JIS K7361−1(1997年発行)に準拠した測定を行うことにより求め、ヘイズ(濁度)は、JIS K7136(2000年発行)に準拠した測定を行うことにより求め、黄色度(YI)はASTM E313−05(2005年発行)に準拠した測定を行うことにより求める。
また、このような樹脂中には、本発明の効果を損なわない範囲において、樹脂の用途に応じて利用する各種添加剤や、樹脂の製造時に利用した成分(例えば、触媒等)、他の樹脂、等を含んでいてもよく、例えば、イミド化促進触媒、化学イミド化剤、酸化防止剤(フェノール系、ホスファイト系、チオエーテル系など)、紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系光安定剤、核剤、樹脂添加剤(ナノシリカ等の無機化合物からなるフィラー、タルク、ガラス繊維、アルミナ繊維など)、カップリング剤(シランカップリング剤等)、加工性改良剤、滑材、染料、顔料、難燃材、消泡剤、レベリング剤、レオロジーコントロール剤(流動補助剤)、剥離剤、プライマー等を含有していてもよい。なお、他の樹脂を含有させる場合(添加する場合)、例えば、セルロースナノファイバー、ナイロン、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリアミド、ポリケトン、ポリエーテルケトン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、PMMA、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、テフロン(登録商標)、PPO、PPS、COC、COP、ポリアセタール、トリアセチルセルロース(TAC)等の他の樹脂を使用してもよい。
次に、本発明の樹脂前駆体について説明する。本発明の樹脂前駆体は、上記一般式(8−1)で表されるイミダゾピロロン前駆体構造を有する繰り返し単位(以下、場合により、かかるイミダゾピロロン前駆体構造を有する繰り返し単位を、便宜上、単に「繰り返し単位(C)」と称する)、及び、上記一般式(8−2)で表されるイミダゾピロロン前駆体構造を有する繰り返し単位(以下、場合により、かかるイミダゾピロロン前駆体構造を有する繰り返し単位を、便宜上、単に「繰り返し単位(C’)」と称する。)からなる群から選択される少なくとも1種の繰り返し単位を含むものである。
このような一般式(8−1)及び一般式(8−2)中のX1はいずれも、6員環の脂環構造を有する4価の有機基であり、上記一般式(1−1)及び(1−2)中のX1と同義である(その好適なものも同様である)。また、上記一般式(8−1)中のX2は4価の有機基を示し、上記一般式(1−1)中のX2と同義である(その好適なものも同様である)。さらに、上記一般式(8−2)中のX3は3価の有機基を示し、上記一般式(1−2)中のX3と同義である(その好適なものも同様である)。
このような一般式(8−1)で表される繰り返し単位及び一般式(8−2)で表される繰り返し単位からなる群から選択される少なくとも1種の繰り返し単位は、例えば、上記6員環の脂環構造を有するテトラカルボン酸二無水物とテトラアミンとの反応、及び/又は、6員環の脂環構造を有するテトラカルボン酸二無水物とトリアミンとの反応により形成することができる。なお、モノマー成分を目的の設計に併せて適宜選択することで所望の一般式(8−1)及び/又は一般式(8−2)で表される繰り返し単位を樹脂中に導入できる。
また、本発明の樹脂前駆体においては、上記一般式(9)で表されるイミド前駆体構造を有する繰り返し単位(以下、場合により、かかるイミド前駆体構造を有する繰り返し単位を、便宜上、単に「繰り返し単位(D)」と称する)を更に含むことが好ましい。
このような一般式(9)中のX1は6員環の脂環構造を有する4価の有機基であり、前記一般式(1−1)及び(1−2)中のX1と同義である(その好適なものも同様である)。また、このような一般式(9)中のX4は炭素数6〜50のアリーレン基であり、上記一般式(2)中のX4と同義である(その好適なものも同様である)。
このような一般式(9)で表される繰り返し単位は、例えば、上記6員環の脂環構造を有するテトラカルボン酸二無水物と、上記一般式(iv)で表される芳香族ジアミンとを反応させることで得ることができる。なお、モノマー成分を目的の設計に併せて適宜選択することで、所望の一般式(9)で表される繰り返し単位を樹脂中に導入できる。
また、本発明の樹脂前駆体において、前記繰り返し単位(C)及び前記繰り返し単位(C’)の総量(含有量)は、特に制限されず、その樹脂中に含有される全繰り返し単位に対するモル比を基準として3〜100モル%であることが好ましく、5〜50モル%であることがより好ましい。このようなモル比が前記下限未満では、かかる樹脂前駆体を用いて得られる樹脂に、前記繰り返し単位(A)および/または前記繰り返し単位(A’)に由来する特性を必ずしも十分に付与することができなくなる傾向にある。
また、本発明の樹脂前駆体は、前記繰り返し単位(D)を更に含むことが好ましい。このように、本発明の樹脂前駆体は、前記繰り返し単位(C)及び前記繰り返し単位(C’)からなる群から選択される少なくとも1種の繰り返し単位と、前記繰り返し単位(D)とを含有する共重合体であることが好ましい。このように繰り返し単位(D)を含有する場合、前記繰り返し単位(C)、前記繰り返し単位(C’)及び前記繰り返し単位(D)の総量(合計量)が、全繰り返し単位に対して20〜100モル%(更に好ましくは30〜100モル%、より好ましくは40〜100モル%、更に好ましくは50〜100モル%、特に好ましくは60〜100モル%)であることが好ましい。また、前記繰り返し単位(C)、前記繰り返し単位(C’)及び前記繰り返し単位(D)の総量(合計量)に関して、前記数値範囲の下限値は70モル%であることがより好ましく、80モル%であることが更に好ましく、90モル%であることが最も好ましい。このような繰り返し単位の総量(合計量)が前記下限未満では、かかる樹脂前駆体を用いて得られる樹脂に、繰り返し単位(A)及び繰り返し単位(A’)からなる群から選択される少なくとも1種の繰り返し単位、並びに、繰り返し単位(B)に由来する特性を必ずしも十分に付与することができなくなる傾向にある。
また、本発明の樹脂前駆体は、前記繰り返し単位(C)及び前記繰り返し単位(C’)からなる群から選択される少なくとも1種の繰り返し単位と、前記繰り返し単位(D)とを含有する共重合体である場合、前記繰り返し単位(D)の含有量は、前記繰り返し単位(C)、前記繰り返し単位(C’)及び前記繰り返し単位(D)の総量(合計量)対して1〜99モル%であることが好ましく、25〜95モル%であることがより好ましく、50〜90モル%であることが特に好ましい。前記繰り返し単位(C)、前記繰り返し単位(C’)及び前記繰り返し単位(D)の総量に対する繰り返し単位(D)の含有量(モル比)が前記下限未満では、かかる樹脂前駆体を用いて得られる樹脂に、繰り返し単位(B)に由来する特性を必ずしも十分に付与することができなくなる傾向にあり、他方、前記上限を超えると、かかる樹脂前駆体を用いて得られる樹脂に、繰り返し単位(A)及び/又は繰り返し単位(A’)に由来する特性を必ずしも十分に付与することができなくなる傾向にある。
また、このような本発明の樹脂前駆体は、前記繰り返し単位(C)及び(C’)からなる群から選択される少なくとも1種の繰り返し単位を含むものであればよく、特に制限されず、例えば、前記繰り返し単位(C)とともに前記繰り返し単位(C’)を含んでいてもよく、前記繰り返し単位(C)及び/又は前記繰り返し単位(C’)とともに、前記繰り返し単位(D)を含んでいてもよい。さらに、本発明の樹脂前駆体は、前記繰り返し単位(C)、前記繰り返し単位(C’)及び前記繰り返し単位(D)以外の他の繰り返し単位を含んでいてもよい。このような他の繰り返し単位としては、前記6員環の脂環構造を有するテトラカルボン酸二無水物以外の他のテトラカルボン酸二無水物と、ジアミン、トリアミン及びテトラアミンからなる群から選択される少なくとも1種との反応により形成することが可能な繰り返し単位;前記6員環の脂環構造を有するテトラカルボン酸二無水物の誘導体(変性物)である、ジエステルジカルボン酸、及び、ジエステルジカルボン酸ジクロライドからなる群から選択される少なくとも1種と、ジアミン、トリアミン及びテトラアミンからなる群から選択される少なくとも1種との反応により形成することが可能な繰り返し単位;前記6員環の脂環構造を有するテトラカルボン酸二無水物と、多官能アルコール、多官能フェノール、多官能チオール、多官能チオフェノールとの反応により形成することが可能な繰り返し単位;前記6員環の脂環構造を有するテトラカルボン酸二無水物と、前記トリアミンの誘導体及び前記テトラアミンの誘導体からなる群から選択される少なくとも1種との反応により形成することが可能な繰り返し単位;等を利用してもよい。
なお、このような樹脂前駆体には、本発明の効果を損なわない範囲において、最終的に形成する樹脂の用途に応じて、各種添加剤や、樹脂の製造時に利用した成分(例えば、触媒等)、他の樹脂、等を含んでいてもよく、例えば、イミド化促進触媒、化学イミド化剤、酸化防止剤(フェノール系、ホスファイト系、チオエーテル系など)、紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系光安定剤、核剤、樹脂添加剤(ナノシリカ等の無機化合物からなるフィラー、タルク、ガラス繊維、アルミナ繊維など)、カップリング剤(シランカップリング剤等)、加工性改良剤、滑材、染料、顔料、難燃材、消泡剤、レベリング剤、レオロジーコントロール剤(流動補助剤)、剥離剤、プライマー等を含有していてもよい。なお、他の樹脂を含有させる場合(添加する場合)、例えば、セルロースナノファイバー、ナイロン、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリアミド、ポリケトン、ポリエーテルケトン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、PMMA、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、テフロン(登録商標)、PPO、PPS、COC、COP、ポリアセタール、トリアセチルセルロース(TAC)等の他の樹脂を使用してもよい。
以下、このような本発明の樹脂及び樹脂前駆体を製造するための方法として好適に利用することが可能な方法について説明する。なお、本発明の樹脂前駆体は、本発明の樹脂を製造する際に反応中間体として得ることが可能であるため、以下、本発明の樹脂を製造するために好適に利用することが可能な方法を説明することにより、併せて本発明の樹脂前駆体を製造するための方法として好適に利用することが可能な方法を説明する。
本発明の樹脂を製造するために好適に利用することが可能な方法は、特に制限されるものではないが、例えば、
有機溶媒の存在下、前記6員環の脂環構造を有するテトラカルボン酸二無水物を含む第一のモノマーと、前記テトラアミン及び前記トリアミンのうちの少なくとも1種を含む第二のモノマーとを反応させることにより、上記一般式(8−1)で表されるイミダゾピロロン前駆体構造を有する繰り返し単位及び上記一般式(8−2)で表されるイミダゾピロロン前駆体構造を有する繰り返し単位からなる群から選択される少なくとも1種の繰り返し単位を含む樹脂前駆体(上記本発明の樹脂前駆体)を得る工程(A)と、
前記樹脂前駆体を加熱することにより、上記一般式(1−1)で表されるイミダゾピロロン構造を有する繰り返し単位及び上記一般式(1−2)で表されるイミダゾピロロン構造を有する繰り返し単位からなる群から選択される少なくとも1種の繰り返し単位を含む樹脂(上記本発明の樹脂)を得る工程(B)と、
を含む樹脂の製造方法(I)を好適に利用することができる。以下、このような本発明の樹脂を製造するために好適に利用することが可能な方法である、樹脂の製造方法(I)について、工程(A)及び工程(B)を分けて説明する。
有機溶媒の存在下、前記6員環の脂環構造を有するテトラカルボン酸二無水物を含む第一のモノマーと、前記テトラアミン及び前記トリアミンのうちの少なくとも1種を含む第二のモノマーとを反応させることにより、上記一般式(8−1)で表されるイミダゾピロロン前駆体構造を有する繰り返し単位及び上記一般式(8−2)で表されるイミダゾピロロン前駆体構造を有する繰り返し単位からなる群から選択される少なくとも1種の繰り返し単位を含む樹脂前駆体(上記本発明の樹脂前駆体)を得る工程(A)と、
前記樹脂前駆体を加熱することにより、上記一般式(1−1)で表されるイミダゾピロロン構造を有する繰り返し単位及び上記一般式(1−2)で表されるイミダゾピロロン構造を有する繰り返し単位からなる群から選択される少なくとも1種の繰り返し単位を含む樹脂(上記本発明の樹脂)を得る工程(B)と、
を含む樹脂の製造方法(I)を好適に利用することができる。以下、このような本発明の樹脂を製造するために好適に利用することが可能な方法である、樹脂の製造方法(I)について、工程(A)及び工程(B)を分けて説明する。
<工程(A)>
工程(A)は、有機溶媒の存在下、前記6員環の脂環構造を有するテトラカルボン酸二無水物を含む第一のモノマーと、前記テトラアミン及び前記トリアミンのうちの少なくとも1種を含む第二のモノマーとを反応させることにより、樹脂前駆体(好ましくは上記本発明の樹脂前駆体)を得る工程である。
工程(A)は、有機溶媒の存在下、前記6員環の脂環構造を有するテトラカルボン酸二無水物を含む第一のモノマーと、前記テトラアミン及び前記トリアミンのうちの少なくとも1種を含む第二のモノマーとを反応させることにより、樹脂前駆体(好ましくは上記本発明の樹脂前駆体)を得る工程である。
このような工程に用いる前記第一のモノマーは、前記6員環の脂環構造を有するテトラカルボン酸二無水物を含んでいればよく、目的とする上記本発明の樹脂前駆体及び樹脂の構造に応じて、前記6員環の脂環構造を有するテトラカルボン酸二無水物の誘導体や、前記6員環の脂環構造を有するテトラカルボン酸二無水物以外の他のテトラカルボン酸二無水物等を適宜利用することができる。例えば、上記本発明の樹脂前駆体に、前記繰り返し単位(C)及び前記繰り返し単位(C’)以外の繰り返し単位を導入する場合においては、例えば、前記6員環の脂環構造を有するテトラカルボン酸二無水物とともに、その誘導体(例えば、該テトラカルボン酸二無水物の変性物であるジエステルジカルボン酸及びジエステルジカルボン酸ジクロライド)を含有させてもよく、また、それ以外の他のテトラカルボン酸二無水物を含有させてもよい。また、例えば、前記6員環の脂環構造を有するテトラカルボン酸二無水物の誘導体としてジエステルジカルボン酸及びジエステルジカルボン酸ジクロライドを利用してジアミンと反応せしめた場合には、該誘導体中のジエステル基に由来して、一般式(9)中の−COOHで表される基のHが、メチル基やエチル基等に置換された、他の繰り返し単位を導入することができる。このような一般式(9)中の−COOHで表される基のHが、メチル基やエチル基等に置換された形態の他の繰り返し単位を含有せしめた場合には、ワニスの保管性や安定性を向上させることもできる。
このような工程に用いる前記第二のモノマーは、前記テトラアミン及び前記トリアミンのうちのいずれか1種を含んでいればよく、目的とする上記本発明の樹脂前駆体及び樹脂の構造に応じて、前記テトラアミン及び前記トリアミン以外の他のテトラアミン、ジアミン、他のトリアミンを適宜含有させてもよい。例えば、上記本発明の樹脂前駆体中に、上記一般式(8−1)で表される繰り返し単位及び/又は上記一般式(8−2)で表される繰り返し単位とともに、上記一般式(9)で表されるイミド前駆体構造を有する繰り返し単位を更に含有させる場合(最終的に得られる本発明の樹脂前駆体中に、上記一般式(8−1)で表される繰り返し単位及び/又は上記一般式(8−2)で表される繰り返し単位とともに、上記一般式(9)で表されるイミド前駆体構造を有する繰り返し単位を更に含有させる場合)には、上記一般式(iv)で表される芳香族ジアミンを含有させてもよい。また、前記テトラアミン及び前記トリアミン以外の他のテトラアミン、ジアミン、他のトリアミンとして、例えば、一般式(iv)で表される芳香族ジアミンをシリル化したシリル化ジアミンを利用してもよく、この場合には、上記一般式(9)中の−COOHで表される基のHがシリル基に置換された繰り返し単位を形成することが可能となる。これによりワニスの保管性や安定性を向上させることもできる。
このような工程に用いる有機溶媒としては、重合時に利用可能な公知の溶媒を適宜利用でき、中でも、前記第一のモノマーと前記第二のモノマーの両者を溶解することが可能な有機溶媒が好ましい。また、このような有機溶媒としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、γ−カプロラクトン、δ−バレロラクトン、δ−カプロラクトン、ε−カプロラクトン、α−メチル−γ−ブチロラクトン、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、トリエチレングリコール、テトラメチル尿素(テトラメチルウレア)、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ヘキサメチルホスホリックトリアミド、ピリジンなどの非プロトン系極性溶媒;m−クレゾール、p−クレゾール、キシレノール、フェノール、ハロゲン化フェノールなどのフェノール系溶媒;テトラハイドロフラン、ジオキサン、セロソルブ、グライムなどのエーテル系溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族系溶媒;アセトニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、プロピレングリコールメチルアセテート等の酢酸エステル系溶媒、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、アセトン等のケトン系溶媒等が挙げられる。
また、このような有機溶媒としては、溶解性、成膜性、生産性、工業的入手性、既存設備の有無、価格といった観点から、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、γ−ブチロラクトン、プロピレンカーボネート、テトラメチル尿素、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンが好ましく、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、γ−ブチロラクトン、テトラメチル尿素がより好ましく、N,N−ジメチルアセトアミド、γ−ブチロラクトンが特に好ましい。なお、このような有機溶媒は1種を単独で、あるいは2種以上を組み合わせて利用してもよい。
また、工程(A)において、第一のモノマーと第二のモノマーとを反応させる方法としては、第一のモノマーと第二のモノマーとの重合反応を行うことが可能な方法を適宜利用でき、特に制限されないが、例えば、窒素、ヘリウム、アルゴン等の不活性雰囲気下において、反応温度において、前記有機溶媒中に前記第一のモノマーと前記第二のモノマーとを添加して反応させる方法を採用することが好ましい。このように、不活性雰囲気下において反応させることで、最終的に得られる樹脂が繰り返し単位に由来する特性を十分に発揮できる傾向にある。
このようにして第一のモノマーと第二のモノマーとを反応させる際の圧力条件としては特に制限されず、第一のモノマーと第二のモノマーとを反応させることが可能な範囲に適宜設定すればよいが、圧力の制御が不要で、より簡便な工程となることから、第一のモノマーと第二のモノマーとは大気圧下において反応させることがより好ましい。
また、第一のモノマーと第二のモノマーとを反応させるための温度条件は、これらのモノマーを反応させることで、上記一般式(8−1)で表されるイミダゾピロロン前駆体構造を有する構造部分(繰り返し単位)および/または上記一般式(8−2)で表されるイミダゾピロロン前駆体構造を有する構造部分(繰り返し単位)が形成できるように、利用するモノマーに応じて、その温度条件を適宜設定すればよく、特に制限されないが、−20〜100℃(より好ましくは5〜80℃)とすることが好ましい。また、前記第一のモノマーと前記第二のモノマーを反応させる際の反応時間は1〜72時間程度(より好ましくは3〜48時間)とすることが好ましい。このような反応温度や反応時間が前記下限未満では、樹脂前駆体の分子量が十分に向上しない傾向にある。なお、反応温度や反応時間が前記上限を超えると、モノマーの種類によっては樹脂前駆体の解重合が進行して分子量が低下してしまう場合や、架橋によって樹脂前駆体が不溶化(ゲル化または析出)してしまう場合も生じ得るため、反応温度や反応時間は上記範囲内とすることが好ましい。
なお、第一のモノマーと第二のモノマー中の各成分の含有量は、目的の設計(例えば目的とする樹脂の繰り返し単位の種類等)に応じて適宜設定すればよい。また、このような第一のモノマーと第二のモノマーの反応には、必要に応じて、触媒(例えば、塩基性化合物であるトリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、イミダゾール、メチルイミダゾール、ジメチルイミダゾール、テトラヘキシルアミン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−ウンデセン−7、ピリジン、イソキノリン、α−ピコリン等)やリン系化合物である亜リン酸トリフェニルエステル、リン酸トリフェニル、トリフェニルホスフィン、トリフェニルホスフィンオキシド等、またはイミダゾール系アミノ酸類等を適宜利用してもよい。また、第一のモノマー及び第二のモノマーの総量(合計量)は、有機溶媒と第一のモノマーと第二のモノマーの合計量(有機溶媒と第一のモノマーと第二のモノマーの混合液の質量)に対して1〜50質量%であることが好ましく、5〜30質量%であることがより好ましい。このような第一のモノマー及び第二のモノマーの総量(合計量)が前記下限未満では反応速度が小さくなり十分な重合度を有する樹脂前駆体が得られない傾向にあり、他方、前記上限を超えるとモノマーが完全に溶解せず、局部的に反応速度が大きくなり、結果として架橋反応などが進行して、均一な樹脂前駆体が得られない傾向にある。
このような工程(A)により、上記本発明の樹脂前駆体を得ることができる。なお、このような工程(A)においては、有機溶媒中で反応を進行せしめて、有機溶媒中において上記本発明の樹脂前駆体を調製するため、反応後に得られる反応液は、該有機溶媒と上記本発明の樹脂前駆体とを含むもの(溶液)となる。このようにして得られる反応液をそのまま工程(B)に利用することで、より効率よく、上記本発明の樹脂を製造することができる。
<工程(B)>
工程(B)は、前記樹脂前駆体を加熱することにより、上記一般式(1−1)で表されるイミダゾピロロン構造を有する繰り返し単位及び上記一般式(1−2)で表されるイミダゾピロロン構造を有する繰り返し単位からなる群から選択される少なくとも1種の繰り返し単位を含む樹脂(上記本発明の樹脂)を得る工程である。
工程(B)は、前記樹脂前駆体を加熱することにより、上記一般式(1−1)で表されるイミダゾピロロン構造を有する繰り返し単位及び上記一般式(1−2)で表されるイミダゾピロロン構造を有する繰り返し単位からなる群から選択される少なくとも1種の繰り返し単位を含む樹脂(上記本発明の樹脂)を得る工程である。
なお、前記一般式(8−1)で表されるイミダゾピロロン前駆体構造を有する繰り返し単位及び前記一般式(8−2)で表されるイミダゾピロロン前駆体構造を有する繰り返し単位はいずれも、このような加熱工程により分子内縮合させて、その繰り返し単位の構造を環化させることが可能である。そのため前記樹脂前駆体を加熱することにより、上記一般式(1−1)で表されるイミダゾピロロン構造を有する繰り返し単位および/または上記一般式(1−2)で表されるイミダゾピロロン構造を有する繰り返し単位をより効率よく形成できる。また、前記一般式(9)で表されるイミド前駆体構造を有する繰り返し単位も、このような加熱工程により分子内縮合させることが可能であり、これによりその繰り返し単位の構造を環化させてイミド化することができ、前記一般式(2)で表されるイミド構造を有する繰り返し単位を形成することができる。そのため、例えば、前記樹脂前駆体が、前記一般式(8−1)で表されるイミダゾピロロン前駆体構造を有する繰り返し単位および/または一般式(8−2)で表されるイミダゾピロロン前駆体構造を有する繰り返し単位と、前記一般式(9)で表されるイミド前駆体構造を有する繰り返し単位とを含む樹脂前駆体である場合においても、加熱により、樹脂前駆体中の各繰り返し単位にそれぞれ同時に分子内縮合反応を進行させることが可能となり、上記一般式(1−1)で表されるイミダゾピロロン構造を有する繰り返し単位および/または一般式(1−2)で表されるイミダゾピロロン構造を有する繰り返し単位と、上記一般式(2)で表されるイミド構造を有する繰り返し単位とを含む樹脂を効率よく製造することが可能となる。また、このようにして加熱処理する場合には、樹脂前駆体分子同士において、分子鎖の再重合を進行させながら、分子内縮合を進行させることが可能となることから、分子量をより増加させることも可能となる。
このような加熱処理を施す場合の条件としては、特に制限されないが、加熱温度は50〜550℃(より好ましくは75〜500℃、更に好ましくは100〜450℃)とすることが好ましく、また、その加熱時間は0.1〜50時間((より好ましくは0.5〜10)とすることが好ましい。このような加熱温度及び加熱時間が前記下限未満では、樹脂前駆体中の各繰り返し単位内の分子内縮合により発生する水やアルコールやシラノール等を効率よく留去することができず、反応の進行が阻害されて、得られる樹脂の分子量を大きなものとすることが困難となる傾向にあり、他方、前記上限を超えると、熱分解や着色が生じ易くなる傾向にある。また、このような加熱に際しては、必要に応じて、縮合剤(例えば、無水酢酸、無水プロピオン酸等の酸無水物や、DCC等のカルボジイミド等)や、触媒(p−TsOH、CsF)や、トルエン共沸法、化学イミド化法、部分化学イミド化法等を適宜利用してもよい。
また、このような加熱処理の際の雰囲気条件としては、特に制限されないが、酸素による末端アミノ基の酸化、主鎖切断、着色や劣化を防止する観点から、窒素ガスなどの不活性ガス雰囲気や真空下とすることが好ましい。
また、このような加熱処理の際の圧力条件としては特に制限されるものではないが、0.1hPa〜10MPaであることが好ましく、10hPa〜1MPaであることがより好ましい。このような圧力が前記下限未満では、乾燥速度向上による気泡やボイドの発生、フィルム表面の表面粗さの増大、Haze値の増大、等が起こり易くなる傾向にあり、他方、前記上限を超えると、水分濃度上昇による環化反応やオリゴマー同士のポスト重合(後重合反応)が抑制される傾向にある。
また、このような工程(B)においては、上記工程(A)により得られた反応液(前記有機溶媒の存在下において前記第一のモノマーと前記第二のモノマーとを反応させて得られた反応液(前記有機溶媒と、上記本発明の樹脂前駆体とを含む溶液))をそのまま利用し、前記反応液に対して有機溶媒を蒸発除去する処理(溶媒除去処理)を施して、前記反応液から溶媒を除去した後、前記加熱処理を施すことにより所望の形態の樹脂を形成してもよい。例えば、フィルム状の樹脂を形成する場合には、上記工程(A)により得られた反応液をそのまま基材(例えばガラス板等)上に塗布し、前記有機溶媒を蒸発除去する処理と、前期加熱処理とを順次施せばよい。このような有機溶媒を蒸発除去する処理(溶媒除去処理)における温度条件としては0〜180℃であることが好ましく、30〜150℃であることがより好ましい。このような溶媒除去処理における温度条件が前記下限未満では溶媒を十分に蒸発させて除去することが困難となる傾向にあり、他方、前記上限を超えると、樹脂前駆体の解重合が生じたり、溶媒が沸騰し最終生成物(樹脂)中に気泡やボイドが形成される傾向にある。
このように、工程(A)及び工程(B)により、上記本発明の樹脂を効率よく製造することが可能となる。以上、本発明の樹脂を製造するために好適に利用することが可能な方法について、上記樹脂の製造方法(I)を例示して説明したが、本発明の樹脂を製造するための方法は上記樹脂の製造方法(I)に限定されるものではなく、上記一般式(1−1)で表されるイミダゾピロロン構造を有する繰り返し単位及び上記一般式(1−2)で表されるイミダゾピロロン構造を有する繰り返し単位からなる群から選択される少なくとも1種を含む樹脂(上記本発明の樹脂)を得ることが可能な方法であれば適宜採用することが可能である。
以上、本発明の樹脂及び樹脂前駆体について説明したが、以下、本発明の樹脂前駆体溶液について説明する。
本発明の樹脂前駆体溶液は、上記本発明の樹脂前駆体と溶媒とを含有するものである。
このような樹脂前駆体溶液(ワニス)に用いる有機溶媒としては、前述の樹脂の製造方法(I)において説明した有機溶媒と同様のものを好適に利用することができる。そのため、本発明の樹脂前駆体溶液は、上述の工程(A)を実施して反応後に得られた反応液をそのまま樹脂前駆体溶液とすることで調製してもよい。
このような樹脂前駆体溶液における前樹脂前駆体の含有量は特に制限されないが、1〜80質量%であることが好ましく、5〜50質量%であることがより好ましい。このような含有量が前記下限未満では、かかる樹脂前駆体溶液を用いてフィルム状の樹脂を製造することが困難になる傾向にあり、他方、前記上限を超えると、高粘度化や流動性の低下等による塗工性の低下、レべリング効果の低下、塗工後の塗膜表面の凹凸化、塗工後の塗膜表面におけるしわの発生、等が起こり易く、加工性が低下して、かかる樹脂前駆体溶液を用いて各種形態の樹脂(例えばフィルム状の樹脂)を製造することが困難になる傾向にある。なお、このような樹脂前駆体溶液は、上記本発明の樹脂の製造に好適に利用することができ、各種形状の樹脂を製造するために好適に利用できる。例えば、このような樹脂前駆体溶液を各種基板の上に塗布し、これをイミド化して硬化することで、容易にフィルム形状の樹脂を製造することもできる。
さらに、このような樹脂前駆体溶液は、樹脂の調製に利用することが可能な各種添加剤(劣化防止剤、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、改質剤、帯電防止剤、難燃剤、可塑剤、造核剤、安定剤、密着向上剤、滑剤、離型剤、染料、発泡剤、消泡剤、表面改質剤、ハードコート剤、レべリング剤、界面活性剤、充填剤(ガラス繊維、フィラー、タルク、マイカ、シリカ等)等)を適宜添加して利用してもよい。また、このような添加剤を用いる場合に関して、樹脂前駆体溶液中の添加剤の含有量は特に制限されないが、0.0001〜80質量%(より好ましくは0.1〜50質量%)程度とすることが好ましい。また、このような樹脂前駆体溶液は、最終的に得られる樹脂の用途に応じて、他の樹脂(例えばセルロースナノファイバー、ナイロン、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリアミド、ポリケトン、ポリエーテルケトン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、PMMA、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、テフロン(登録商標)、PPO、PPS、COC、COP、ポリアセタール、トリアセチルセルロース(TAC)等)を適宜添加して利用してもよい。樹脂前駆体溶液中の他の樹脂の添加量は特に制限されないが、0.1〜50質量%(より好ましくは1〜30質量%)程度とすることが好ましい。なお、このような本発明の樹脂前駆体溶液は、上記本発明の樹脂を得るための樹脂ワニスとして好適に利用することができる。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(合成例1:CpODAの合成)
国際公開第2011/099518号の合成例1、実施例1及び実施例2に記載された方法に準拠して、下記式(A−1):
国際公開第2011/099518号の合成例1、実施例1及び実施例2に記載された方法に準拠して、下記式(A−1):
で表されるテトラカルボン酸二無水物(ノルボルナン−2−スピロ−α−シクロペンタノン−α’−スピロ−2’’−ノルボルナン−5,5’’,6,6’’−テトラカルボン酸二無水物:以下、上記一般式(A−1)で表されるテトラカルボン酸二無水物を「CpODA」と称する)を合成した。
<モノマー等の略称について>
以下の実施例等において用いたテトラカルボン酸二無水物、芳香族テトラアミン、芳香族トリアミン、芳香族ジアミンについて、略称等を以下に記載する。なお、実施例中の記載には、場合により下記略称等を利用する。
以下の実施例等において用いたテトラカルボン酸二無水物、芳香族テトラアミン、芳香族トリアミン、芳香族ジアミンについて、略称等を以下に記載する。なお、実施例中の記載には、場合により下記略称等を利用する。
(1)テトラカルボン酸二無水物(第一のモノマー)
CpODA : 上記式(A−1)で表されるテトラカルボン酸二無水物(合成例1)
CBDA : 1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物
CPDA : 1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物
H−BPDA: 3,3’,4,4’−ビシクロヘキシルテトラカルボン酸二無水物
BODA : ビシクロ[2.2.2]オクタン‐2,3,5,6‐テトラカルボン酸二無水物
(2)芳香族テトラアミン、芳香族トリアミン及び芳香族ジアミン(第二のモノマー)
TAB−E : 3,3’,4,4’−テトラアミノジフェニルエーテル
TAB−S : 3,3’,4,4’−テトラアミノジフェニルスルホン
TAB−K : 3,3’,4,4’−テトラアミノジフェニルケトン
TrAB−E: 3,4,4’−トリアミノジフェニルエーテル
DABAN : 4,4’−ジアミノベンズアニリド
PPD : p−ジアミノベンゼン
なお、これらのモノマーに関して、CBDA、CPDA、H−BPDA、BODA、TAB−E、TAB−S、TAB−K、TrAB−E、DABAN、及び、PPDはいずれも市販品を利用した(CBDA:東京化成製、CPDA:東京化成製、H−BPDA:LCY Chemical Corp.製、BODA:LCY Chemical Corp.製、TAB−E:和歌山精化工業株式会社製、TAB−S:和歌山精化工業株式会社製、TAB−K:和歌山精化工業株式会社製、TrAB−E:東京化成製、DABAN:日本純良薬品株式会社製、PPD:大新化成工業株式会社製「パラミン」)。
CpODA : 上記式(A−1)で表されるテトラカルボン酸二無水物(合成例1)
CBDA : 1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物
CPDA : 1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物
H−BPDA: 3,3’,4,4’−ビシクロヘキシルテトラカルボン酸二無水物
BODA : ビシクロ[2.2.2]オクタン‐2,3,5,6‐テトラカルボン酸二無水物
(2)芳香族テトラアミン、芳香族トリアミン及び芳香族ジアミン(第二のモノマー)
TAB−E : 3,3’,4,4’−テトラアミノジフェニルエーテル
TAB−S : 3,3’,4,4’−テトラアミノジフェニルスルホン
TAB−K : 3,3’,4,4’−テトラアミノジフェニルケトン
TrAB−E: 3,4,4’−トリアミノジフェニルエーテル
DABAN : 4,4’−ジアミノベンズアニリド
PPD : p−ジアミノベンゼン
なお、これらのモノマーに関して、CBDA、CPDA、H−BPDA、BODA、TAB−E、TAB−S、TAB−K、TrAB−E、DABAN、及び、PPDはいずれも市販品を利用した(CBDA:東京化成製、CPDA:東京化成製、H−BPDA:LCY Chemical Corp.製、BODA:LCY Chemical Corp.製、TAB−E:和歌山精化工業株式会社製、TAB−S:和歌山精化工業株式会社製、TAB−K:和歌山精化工業株式会社製、TrAB−E:東京化成製、DABAN:日本純良薬品株式会社製、PPD:大新化成工業株式会社製「パラミン」)。
(実施例1)
〈樹脂前駆体の調製工程〉
先ず、30mlの三口フラスコをヒートガンで加熱して十分に乾燥させた。次に、十分に乾燥させた前記三口フラスコ内の雰囲気ガスを窒素で置換し、前記三口フラスコ内を窒素雰囲気とした。次いで、前記三口フラスコ内に、第二のモノマーとしてTAB−Eを0.2303g(1.00mmol)添加した後、更に、溶媒としてテトラメチルウレア(TMU)を5.53g添加して撹拌することにより、前記TMU中にTAB−Eを溶解させて溶解液を得た。次に、前記溶解液を含有する三口フラスコ内に、窒素雰囲気下、第一のモノマーとしてCpODAを0.3844g(1.00mmol)添加して重合用混合液を得た。なお、このような重合用混合液中の第一のモノマーと第二のモノマーの濃度(かかる濃度を、以下、単に「重合濃度」と称する)は10質量%であった。その後、重合用混合液を、窒素雰囲気下、室温(25℃)で5時間撹拌することにより、CpODAとTAB−Eとを反応せしめて樹脂前駆体(ポリイミダゾピロロン前駆体)を形成し、樹脂前駆体を含む反応液を得た。なお、得られた樹脂前駆体は、用いたモノマーの種類から、下記式(101):
〈樹脂前駆体の調製工程〉
先ず、30mlの三口フラスコをヒートガンで加熱して十分に乾燥させた。次に、十分に乾燥させた前記三口フラスコ内の雰囲気ガスを窒素で置換し、前記三口フラスコ内を窒素雰囲気とした。次いで、前記三口フラスコ内に、第二のモノマーとしてTAB−Eを0.2303g(1.00mmol)添加した後、更に、溶媒としてテトラメチルウレア(TMU)を5.53g添加して撹拌することにより、前記TMU中にTAB−Eを溶解させて溶解液を得た。次に、前記溶解液を含有する三口フラスコ内に、窒素雰囲気下、第一のモノマーとしてCpODAを0.3844g(1.00mmol)添加して重合用混合液を得た。なお、このような重合用混合液中の第一のモノマーと第二のモノマーの濃度(かかる濃度を、以下、単に「重合濃度」と称する)は10質量%であった。その後、重合用混合液を、窒素雰囲気下、室温(25℃)で5時間撹拌することにより、CpODAとTAB−Eとを反応せしめて樹脂前駆体(ポリイミダゾピロロン前駆体)を形成し、樹脂前駆体を含む反応液を得た。なお、得られた樹脂前駆体は、用いたモノマーの種類から、下記式(101):
で表されるイミダゾピロロン前駆体構造を有する繰り返し単位を含むものであった。
〈樹脂の調製工程〉
ガラス基板として大型スライドグラス(松浪硝子工業株式会社製の商品名「S9213」、縦:76mm、横52mm、厚み1.3mm)を準備し、上述のようにして得られた反応液(ポリイミダゾピロロン前駆体溶液)を、前記ガラス基板の表面上に、加熱硬化後の塗膜の厚みが10μmとなるようにスピンコートして、前記ガラス基板上に塗膜を形成した。その後、前記塗膜の形成されたガラス基板を60℃のホットプレート上に載せて2時間静置して、前記塗膜から溶媒を蒸発させて除去した(溶媒除去処理)。
ガラス基板として大型スライドグラス(松浪硝子工業株式会社製の商品名「S9213」、縦:76mm、横52mm、厚み1.3mm)を準備し、上述のようにして得られた反応液(ポリイミダゾピロロン前駆体溶液)を、前記ガラス基板の表面上に、加熱硬化後の塗膜の厚みが10μmとなるようにスピンコートして、前記ガラス基板上に塗膜を形成した。その後、前記塗膜の形成されたガラス基板を60℃のホットプレート上に載せて2時間静置して、前記塗膜から溶媒を蒸発させて除去した(溶媒除去処理)。
このような溶媒除去処理を施した後、前記塗膜の形成されたガラス基板を3L/分の流量で窒素が流れているイナートオーブンに投入し、イナートオーブン内で、窒素雰囲気下、25℃の温度条件で0.5時間静置した後、80℃の温度条件で0.5時間加熱し、更に380℃の温度条件(最終加熱温度:焼成温度)で1時間加熱することにより、前記塗膜を硬化して、前記ガラス基板上に樹脂(ポリイミダゾピロロン)からなる薄膜(樹脂フィルム)を形成せしめ、前記ガラス基板上に樹脂フィルムがコートされた樹脂フィルム積層ガラスを得た。
次に、このようにして得られた樹脂フィルム積層ガラスを、90℃のお湯の中に浸漬して、前記ガラス基板から樹脂フィルムを剥離することにより、樹脂フィルム(縦76mm、横52mm、厚み10μmの大きさのフィルム)を得た。
なお、このようにして得られた樹脂フィルムを形成する化合物の分子構造を同定するため、IR測定機(日本分光株式会社製、商品名:FT/IR−4100)を用いて、IRスペクトルを測定した。このような測定の結果として得られたIRスペクトルを図1に示す。図1に示す結果からも明らかなように、本実施例において形成されたフィルムを構成する化合物には、IRスペクトルにおいて、イミド環の特性吸収に基づくピークが1701.8cm−1に認められ、かつ、イミダゾール環の特性吸収に基づくピークが1625.3cm−1に認められた。このような測定結果に基づいて同定された分子構造から、得られたフィルムは確かにポリイミダゾピロロンからなるフィルムであることが確認された。なお、得られたモノマーの種類から、前記樹脂前駆体を加熱することにより、先ず、上記式(101)で表されるイミダゾピロロン前駆体構造を有する繰り返し単位の分子内脱水縮合反応が進行して、下記式(102):
で表されるイミダゾピロロン中間体構造を有する繰り返し単位が形成され、続いて、かかる繰り返し単位の分子内脱水縮合反応が更に進行して、下記式(103):
で表されるイミダゾピロロン構造を有する繰り返し単位が形成されたことが分かった。このように、用いたモノマーの種類やIR測定の結果から、本実施例においては、イミダゾピロロン構造を有する繰り返し単位を含む樹脂が得られたことが分かった。
(実施例2)
第二のモノマーとしてTAB−Eを単独で利用する代わりに、第二のモノマーとしてTAB−E(0.2303g:0.50mmol)とDABAN(0.1136g:0.50mmol)の混合物を利用し、かつ、TMUの使用量を3.47gに変更して前記重合濃度を15質量%に調整した以外は、実施例1と同様にして、樹脂前駆体及び樹脂を製造し、樹脂フィルムを得た。なお、IR測定の結果、得られた樹脂には上記式(103)で表されるイミダゾピロロン構造を有する繰り返し単位とともにCpODAとDABANとの反応により形成されたイミド構造を有する繰り返し単位が含有されていた。
第二のモノマーとしてTAB−Eを単独で利用する代わりに、第二のモノマーとしてTAB−E(0.2303g:0.50mmol)とDABAN(0.1136g:0.50mmol)の混合物を利用し、かつ、TMUの使用量を3.47gに変更して前記重合濃度を15質量%に調整した以外は、実施例1と同様にして、樹脂前駆体及び樹脂を製造し、樹脂フィルムを得た。なお、IR測定の結果、得られた樹脂には上記式(103)で表されるイミダゾピロロン構造を有する繰り返し単位とともにCpODAとDABANとの反応により形成されたイミド構造を有する繰り返し単位が含有されていた。
(実施例3)
第二のモノマーとしてTAB−Eを単独で利用する代わりに、第二のモノマーとしてTAB−E(0.0345g:0.15mmol)とDABAN(0.1932g:0.85mmol)の混合物を利用し、かつ、TMUの使用量を3.47gに変更して前記重合濃度を15質量%に調整した以外は、実施例1と同様にして、樹脂前駆体及び樹脂を製造し、樹脂フィルムを得た。なお、IR測定の結果、得られた樹脂には上記式(103)で表されるイミダゾピロロン構造を有する繰り返し単位とともにCpODAとDABANとの反応により形成されたイミド構造を有する繰り返し単位が含有されていた。
第二のモノマーとしてTAB−Eを単独で利用する代わりに、第二のモノマーとしてTAB−E(0.0345g:0.15mmol)とDABAN(0.1932g:0.85mmol)の混合物を利用し、かつ、TMUの使用量を3.47gに変更して前記重合濃度を15質量%に調整した以外は、実施例1と同様にして、樹脂前駆体及び樹脂を製造し、樹脂フィルムを得た。なお、IR測定の結果、得られた樹脂には上記式(103)で表されるイミダゾピロロン構造を有する繰り返し単位とともにCpODAとDABANとの反応により形成されたイミド構造を有する繰り返し単位が含有されていた。
(実施例4)
第二のモノマーとしてTAB−Eを単独で利用する代わりに、第二のモノマーとしてTAB−E(0.023g:0.10mmol)とDABAN(0.2045g:0.90mmol)の混合物を利用し、かつ、TMUの使用量を3.47gに変更して前記重合濃度を15質量%に調整した以外は、実施例1と同様にして、樹脂前駆体及び樹脂を製造し、樹脂フィルムを得た。なお、IR測定の結果、得られた樹脂には上記式(103)で表されるイミダゾピロロン構造を有する繰り返し単位とともにCpODAとDABANとの反応により形成されたイミド構造を有する繰り返し単位が含有されていた。
第二のモノマーとしてTAB−Eを単独で利用する代わりに、第二のモノマーとしてTAB−E(0.023g:0.10mmol)とDABAN(0.2045g:0.90mmol)の混合物を利用し、かつ、TMUの使用量を3.47gに変更して前記重合濃度を15質量%に調整した以外は、実施例1と同様にして、樹脂前駆体及び樹脂を製造し、樹脂フィルムを得た。なお、IR測定の結果、得られた樹脂には上記式(103)で表されるイミダゾピロロン構造を有する繰り返し単位とともにCpODAとDABANとの反応により形成されたイミド構造を有する繰り返し単位が含有されていた。
(実施例5)
第二のモノマーとしてTAB−Eを単独で利用する代わりに、第二のモノマーとしてTAB−E(0.0115g:0.05mmol)とDABAN(0.2159g:0.95mmol)の混合物を利用し、かつ、TMUの使用量を3.47gに変更して前記重合濃度を15質量%に調整した以外は、実施例1と同様にして、樹脂前駆体及び樹脂を製造し、樹脂フィルムを得た。なお、IR測定の結果、得られた樹脂には上記式(103)で表されるイミダゾピロロン構造を有する繰り返し単位とともにCpODAとDABANとの反応により形成されたイミド構造を有する繰り返し単位が含有されていた。
第二のモノマーとしてTAB−Eを単独で利用する代わりに、第二のモノマーとしてTAB−E(0.0115g:0.05mmol)とDABAN(0.2159g:0.95mmol)の混合物を利用し、かつ、TMUの使用量を3.47gに変更して前記重合濃度を15質量%に調整した以外は、実施例1と同様にして、樹脂前駆体及び樹脂を製造し、樹脂フィルムを得た。なお、IR測定の結果、得られた樹脂には上記式(103)で表されるイミダゾピロロン構造を有する繰り返し単位とともにCpODAとDABANとの反応により形成されたイミド構造を有する繰り返し単位が含有されていた。
(実施例6)
第二のモノマーとしてTAB−Eを単独で利用する代わりに、第二のモノマーとしてTAB−S(0.0278g:0.10mmol)とDABAN(0.2045g:0.90mmol)の混合物を利用し、かつ、TMUの使用量を2.47gに変更して前記重合濃度を20質量%に調整した以外は、実施例1と同様にして、樹脂前駆体及び樹脂を製造し、樹脂フィルムを得た。なお、IR測定の結果、得られた樹脂にはCpODAとTAB−Sの反応により形成されたイミダゾピロロン構造を有する繰り返し単位とともにCpODAとDABANとの反応により形成されたイミド構造を有する繰り返し単位が含有されていた。
第二のモノマーとしてTAB−Eを単独で利用する代わりに、第二のモノマーとしてTAB−S(0.0278g:0.10mmol)とDABAN(0.2045g:0.90mmol)の混合物を利用し、かつ、TMUの使用量を2.47gに変更して前記重合濃度を20質量%に調整した以外は、実施例1と同様にして、樹脂前駆体及び樹脂を製造し、樹脂フィルムを得た。なお、IR測定の結果、得られた樹脂にはCpODAとTAB−Sの反応により形成されたイミダゾピロロン構造を有する繰り返し単位とともにCpODAとDABANとの反応により形成されたイミド構造を有する繰り返し単位が含有されていた。
(実施例7)
第二のモノマーとしてTAB−Eを単独で利用する代わりに、第二のモノマーとしてTAB−S(0.0139g:0.05mmol)とDABAN(0.2159g:0.95mmol)の混合物を利用し、かつ、TMUの使用量を2.46gに変更して前記重合濃度を20質量%に調整した以外は、実施例1と同様にして、樹脂前駆体及び樹脂を製造し、樹脂フィルムを得た。なお、IR測定の結果、得られた樹脂にはCpODAとTAB−Sの反応により形成されたイミダゾピロロン構造を有する繰り返し単位とともにCpODAとDABANとの反応により形成されたイミド構造を有する繰り返し単位が含有されていた。
第二のモノマーとしてTAB−Eを単独で利用する代わりに、第二のモノマーとしてTAB−S(0.0139g:0.05mmol)とDABAN(0.2159g:0.95mmol)の混合物を利用し、かつ、TMUの使用量を2.46gに変更して前記重合濃度を20質量%に調整した以外は、実施例1と同様にして、樹脂前駆体及び樹脂を製造し、樹脂フィルムを得た。なお、IR測定の結果、得られた樹脂にはCpODAとTAB−Sの反応により形成されたイミダゾピロロン構造を有する繰り返し単位とともにCpODAとDABANとの反応により形成されたイミド構造を有する繰り返し単位が含有されていた。
(実施例8)
第二のモノマーとしてTAB−Eを単独で利用する代わりに、第二のモノマーとしてTAB−K(0.0363g:0.15mmol)とDABAN(0.1932g:0.85mmol)の混合物を利用し、かつ、TMUの使用量を2.46gに変更して前記重合濃度を20質量%に調整した以外は、実施例1と同様にして、樹脂前駆体及び樹脂を製造し、樹脂フィルムを得た。なお、IR測定の結果、得られた樹脂にはCpODAとTAB−Kの反応により形成されたイミダゾピロロン構造を有する繰り返し単位とともにCpODAとDABANとの反応により形成されたイミド構造を有する繰り返し単位が含有されていた。
第二のモノマーとしてTAB−Eを単独で利用する代わりに、第二のモノマーとしてTAB−K(0.0363g:0.15mmol)とDABAN(0.1932g:0.85mmol)の混合物を利用し、かつ、TMUの使用量を2.46gに変更して前記重合濃度を20質量%に調整した以外は、実施例1と同様にして、樹脂前駆体及び樹脂を製造し、樹脂フィルムを得た。なお、IR測定の結果、得られた樹脂にはCpODAとTAB−Kの反応により形成されたイミダゾピロロン構造を有する繰り返し単位とともにCpODAとDABANとの反応により形成されたイミド構造を有する繰り返し単位が含有されていた。
(実施例9)
第二のモノマーとしてTAB−Eを単独で利用する代わりに、第二のモノマーとしてTAB−K(0.0242g:0.10mmol)とDABAN(0.2045g:0.90mmol)の混合物を利用し、かつ、TMUの使用量を2.45gに変更して前記重合濃度を20質量%に調整した以外は、実施例1と同様にして、樹脂前駆体及び樹脂を製造し、樹脂フィルムを得た。なお、IR測定の結果、得られた樹脂にはCpODAとTAB−Kの反応により形成されたイミダゾピロロン構造を有する繰り返し単位とともにCpODAとDABANとの反応により形成されたイミド構造を有する繰り返し単位が含有されていた。
第二のモノマーとしてTAB−Eを単独で利用する代わりに、第二のモノマーとしてTAB−K(0.0242g:0.10mmol)とDABAN(0.2045g:0.90mmol)の混合物を利用し、かつ、TMUの使用量を2.45gに変更して前記重合濃度を20質量%に調整した以外は、実施例1と同様にして、樹脂前駆体及び樹脂を製造し、樹脂フィルムを得た。なお、IR測定の結果、得られた樹脂にはCpODAとTAB−Kの反応により形成されたイミダゾピロロン構造を有する繰り返し単位とともにCpODAとDABANとの反応により形成されたイミド構造を有する繰り返し単位が含有されていた。
(実施例10)
第二のモノマーとしてTAB−Eを単独で利用する代わりに、第二のモノマーとしてTAB−K(0.0121g:0.05mmol)とDABAN(0.2159g:0.95mmol)の混合物を利用し、かつ、TMUの使用量を2.45gに変更して前記重合濃度を20質量%に調整した以外は、実施例1と同様にして、樹脂前駆体及び樹脂を製造し、樹脂フィルムを得た。なお、IR測定の結果、得られた樹脂にはCpODAとTAB−Kの反応により形成されたイミダゾピロロン構造を有する繰り返し単位とともにCpODAとDABANとの反応により形成されたイミド構造を有する繰り返し単位が含有されていた。
第二のモノマーとしてTAB−Eを単独で利用する代わりに、第二のモノマーとしてTAB−K(0.0121g:0.05mmol)とDABAN(0.2159g:0.95mmol)の混合物を利用し、かつ、TMUの使用量を2.45gに変更して前記重合濃度を20質量%に調整した以外は、実施例1と同様にして、樹脂前駆体及び樹脂を製造し、樹脂フィルムを得た。なお、IR測定の結果、得られた樹脂にはCpODAとTAB−Kの反応により形成されたイミダゾピロロン構造を有する繰り返し単位とともにCpODAとDABANとの反応により形成されたイミド構造を有する繰り返し単位が含有されていた。
(実施例11)
第一のモノマーとしてCpODAを利用する代わりに、第一のモノマーとしてH−BPDA(0.3063g:1.00mmol)を利用し、かつ、TMUの使用量を2.15gに変更して前記重合濃度を20質量%に調整した以外は、実施例1と同様にして、樹脂前駆体及び樹脂を製造し、樹脂フィルムを得た。なお、IR測定の結果、得られた樹脂にはH−BPDAとTAB−Eの反応により形成されたイミダゾピロロン構造を有する繰り返し単位が含有されていた。
第一のモノマーとしてCpODAを利用する代わりに、第一のモノマーとしてH−BPDA(0.3063g:1.00mmol)を利用し、かつ、TMUの使用量を2.15gに変更して前記重合濃度を20質量%に調整した以外は、実施例1と同様にして、樹脂前駆体及び樹脂を製造し、樹脂フィルムを得た。なお、IR測定の結果、得られた樹脂にはH−BPDAとTAB−Eの反応により形成されたイミダゾピロロン構造を有する繰り返し単位が含有されていた。
(実施例12)
第一のモノマーとしてCpODAを利用する代わりに、第一のモノマーとしてビシクロオクタン酸二無水物:BODA(0.2502g:1.00mmol)を利用し、かつ、TMUの使用量を2.61gに変更して前記重合濃度を15質量%に調整した以外は、実施例1と同様にして、樹脂前駆体及び樹脂を製造し、樹脂フィルムを得た。なお、IR測定の結果、得られた樹脂にはBODAとTAB−Eの反応により形成されたイミダゾピロロン構造を有する繰り返し単位が含有されていた。
第一のモノマーとしてCpODAを利用する代わりに、第一のモノマーとしてビシクロオクタン酸二無水物:BODA(0.2502g:1.00mmol)を利用し、かつ、TMUの使用量を2.61gに変更して前記重合濃度を15質量%に調整した以外は、実施例1と同様にして、樹脂前駆体及び樹脂を製造し、樹脂フィルムを得た。なお、IR測定の結果、得られた樹脂にはBODAとTAB−Eの反応により形成されたイミダゾピロロン構造を有する繰り返し単位が含有されていた。
(実施例13)
第二のモノマーとしてTAB−Eを利用する代わりに、第二のモノマーとしてTrAB−E(0.2153g:1.00mmol)を単独で利用し、TMUの使用量を5.40gに変更して前記重合濃度を10質量%に調整し、かつ、イナートオーブン内での加熱に際して最終加熱温度(焼成温度)を370℃に変更した以外は、実施例1と同様にして、樹脂前駆体及び樹脂を製造し、樹脂フィルムを得た。得られた樹脂フィルムのIR測定の結果を図2に示す。イミド環の特性吸収に基づくピークが1701.5cm−1に認められ、かつ、イミダゾール環の特性吸収に基づくピークが1626.1cm−1に認められた。このような測定結果に基づいて同定された分子構造から、得られた樹脂にはCpODAとTrAB−Eの反応により形成されたイミダゾピロロン構造を有する繰り返し単位が含有されていた。
第二のモノマーとしてTAB−Eを利用する代わりに、第二のモノマーとしてTrAB−E(0.2153g:1.00mmol)を単独で利用し、TMUの使用量を5.40gに変更して前記重合濃度を10質量%に調整し、かつ、イナートオーブン内での加熱に際して最終加熱温度(焼成温度)を370℃に変更した以外は、実施例1と同様にして、樹脂前駆体及び樹脂を製造し、樹脂フィルムを得た。得られた樹脂フィルムのIR測定の結果を図2に示す。イミド環の特性吸収に基づくピークが1701.5cm−1に認められ、かつ、イミダゾール環の特性吸収に基づくピークが1626.1cm−1に認められた。このような測定結果に基づいて同定された分子構造から、得られた樹脂にはCpODAとTrAB−Eの反応により形成されたイミダゾピロロン構造を有する繰り返し単位が含有されていた。
(実施例14)
第二のモノマーとしてTAB−Eを単独で利用する代わりに、第二のモノマーとしてTAB−E(0.0461g:0.20mmol)とPPD(0.0865g:0.80mmol)の混合物を利用し、かつ、TMUの使用量を8.88gに変更して前記重合濃度を5.5質量%に調整した以外は、実施例1と同様にして、樹脂前駆体及び樹脂を製造し、樹脂フィルムを得た。なお、IR測定の結果、得られた樹脂には上記式(103)で表されるイミダゾピロロン構造を有する繰り返し単位とともにCpODAとPPDとの反応により形成されたイミド構造を有する繰り返し単位が含有されていた。
第二のモノマーとしてTAB−Eを単独で利用する代わりに、第二のモノマーとしてTAB−E(0.0461g:0.20mmol)とPPD(0.0865g:0.80mmol)の混合物を利用し、かつ、TMUの使用量を8.88gに変更して前記重合濃度を5.5質量%に調整した以外は、実施例1と同様にして、樹脂前駆体及び樹脂を製造し、樹脂フィルムを得た。なお、IR測定の結果、得られた樹脂には上記式(103)で表されるイミダゾピロロン構造を有する繰り返し単位とともにCpODAとPPDとの反応により形成されたイミド構造を有する繰り返し単位が含有されていた。
(実施例15)
イナートオーブン内での加熱に際して最終加熱温度(焼成温度)を400℃に変更した以外は、実施例14と同様にして、樹脂前駆体及び樹脂を製造し、樹脂フィルムを得た。なお、IR測定の結果、得られた樹脂には上記式(103)で表されるイミダゾピロロン構造を有する繰り返し単位とともにCpODAとPPDとの反応により形成されたイミド構造を有する繰り返し単位が含有されていた。
イナートオーブン内での加熱に際して最終加熱温度(焼成温度)を400℃に変更した以外は、実施例14と同様にして、樹脂前駆体及び樹脂を製造し、樹脂フィルムを得た。なお、IR測定の結果、得られた樹脂には上記式(103)で表されるイミダゾピロロン構造を有する繰り返し単位とともにCpODAとPPDとの反応により形成されたイミド構造を有する繰り返し単位が含有されていた。
(実施例16)
第二のモノマーとしてTAB−Eを単独で利用する代わりに、第二のモノマーとしてTAB−E(0.0461g:0.20mmol)とPPD(0.0865g:0.80mmol)の混合物を利用し、TMUの使用量を4.65gに変更して前記重合濃度を10質量%に調整し、かつ、イナートオーブン内での加熱に際して最終加熱温度(焼成温度)を400℃に変更した以外は、実施例1と同様にして、樹脂前駆体及び樹脂を製造し、樹脂フィルムを得た。なお、IR測定の結果、得られた樹脂には上記式(103)で表されるイミダゾピロロン構造を有する繰り返し単位とともにCpODAとPPDとの反応により形成されたイミド構造を有する繰り返し単位が含有されていた。
第二のモノマーとしてTAB−Eを単独で利用する代わりに、第二のモノマーとしてTAB−E(0.0461g:0.20mmol)とPPD(0.0865g:0.80mmol)の混合物を利用し、TMUの使用量を4.65gに変更して前記重合濃度を10質量%に調整し、かつ、イナートオーブン内での加熱に際して最終加熱温度(焼成温度)を400℃に変更した以外は、実施例1と同様にして、樹脂前駆体及び樹脂を製造し、樹脂フィルムを得た。なお、IR測定の結果、得られた樹脂には上記式(103)で表されるイミダゾピロロン構造を有する繰り返し単位とともにCpODAとPPDとの反応により形成されたイミド構造を有する繰り返し単位が含有されていた。
(実施例17)
イナートオーブン内での加熱に際して最終加熱温度(焼成温度)を420℃に変更した以外は、実施例16と同様にして、樹脂前駆体及び樹脂を製造し、樹脂フィルムを得た。なお、IR測定の結果、得られた樹脂には上記式(103)で表されるイミダゾピロロン構造を有する繰り返し単位とともにCpODAとPPDとの反応により形成されたイミド構造を有する繰り返し単位が含有されていた。
イナートオーブン内での加熱に際して最終加熱温度(焼成温度)を420℃に変更した以外は、実施例16と同様にして、樹脂前駆体及び樹脂を製造し、樹脂フィルムを得た。なお、IR測定の結果、得られた樹脂には上記式(103)で表されるイミダゾピロロン構造を有する繰り返し単位とともにCpODAとPPDとの反応により形成されたイミド構造を有する繰り返し単位が含有されていた。
(実施例18)
第二のモノマーとしてTAB−Eを単独で利用する代わりに、第二のモノマーとしてTAB−E(0.0230g:0.100mmol)とPPD(0.0730g:0.675mmol)とDABAN(0.0511g:0.225mmol)との混合物を利用し、TMUの使用量を4.784gに変更して前記重合濃度を10質量%に調整し、かつ、イナートオーブン内での加熱に際して最終加熱温度(焼成温度)を400℃に変更した以外は、実施例1と同様にして、樹脂前駆体及び樹脂を製造し、樹脂フィルムを得た。なお、IR測定の結果、得られた樹脂には上記式(103)で表されるイミダゾピロロン構造を有する繰り返し単位とともに、CpODAとPPDとの反応により形成されたイミド構造を有する繰り返し単位及びCpODAとDABANとの反応により形成されたイミド構造を有する繰り返し単位が含有されていた。
第二のモノマーとしてTAB−Eを単独で利用する代わりに、第二のモノマーとしてTAB−E(0.0230g:0.100mmol)とPPD(0.0730g:0.675mmol)とDABAN(0.0511g:0.225mmol)との混合物を利用し、TMUの使用量を4.784gに変更して前記重合濃度を10質量%に調整し、かつ、イナートオーブン内での加熱に際して最終加熱温度(焼成温度)を400℃に変更した以外は、実施例1と同様にして、樹脂前駆体及び樹脂を製造し、樹脂フィルムを得た。なお、IR測定の結果、得られた樹脂には上記式(103)で表されるイミダゾピロロン構造を有する繰り返し単位とともに、CpODAとPPDとの反応により形成されたイミド構造を有する繰り返し単位及びCpODAとDABANとの反応により形成されたイミド構造を有する繰り返し単位が含有されていた。
(実施例19)
イナートオーブン内での加熱に際して最終加熱温度(焼成温度)を420℃に変更した以外は、実施例18と同様にして、樹脂前駆体及び樹脂を製造し、樹脂フィルムを得た。なお、IR測定の結果、得られた樹脂には上記式(103)で表されるイミダゾピロロン構造を有する繰り返し単位とともに、CpODAとPPDとの反応により形成されたイミド構造を有する繰り返し単位及びCpODAとDABANとの反応により形成されたイミド構造を有する繰り返し単位が含有されていた。
イナートオーブン内での加熱に際して最終加熱温度(焼成温度)を420℃に変更した以外は、実施例18と同様にして、樹脂前駆体及び樹脂を製造し、樹脂フィルムを得た。なお、IR測定の結果、得られた樹脂には上記式(103)で表されるイミダゾピロロン構造を有する繰り返し単位とともに、CpODAとPPDとの反応により形成されたイミド構造を有する繰り返し単位及びCpODAとDABANとの反応により形成されたイミド構造を有する繰り返し単位が含有されていた。
(比較例1)
第一のモノマーとしてCpODAを利用する代わりに、第一のモノマーとしてCBDA(0.1961g:1.00mmol)を利用し、第二のモノマーとしてTAB−Eを単独で利用する代わりに、第二のモノマーとしてTAB−E(0.0230g:0.10mmol)とDABAN(0.2045g:0.90mmol)の混合物を利用し、かつ、TMUの使用量を1.69gに変更して前記重合濃度を20質量%に調整した以外は、実施例1と同様にして、樹脂前駆体及び樹脂の調製を試みた。しかしながら、樹脂前駆体の調製時にゲル化してしまい、そもそも製膜できなかった。
第一のモノマーとしてCpODAを利用する代わりに、第一のモノマーとしてCBDA(0.1961g:1.00mmol)を利用し、第二のモノマーとしてTAB−Eを単独で利用する代わりに、第二のモノマーとしてTAB−E(0.0230g:0.10mmol)とDABAN(0.2045g:0.90mmol)の混合物を利用し、かつ、TMUの使用量を1.69gに変更して前記重合濃度を20質量%に調整した以外は、実施例1と同様にして、樹脂前駆体及び樹脂の調製を試みた。しかしながら、樹脂前駆体の調製時にゲル化してしまい、そもそも製膜できなかった。
(比較例2)
第一のモノマーとしてCpODAを利用する代わりに、第一のモノマーとしてCPDA(0.2101g:1.00mmol)を利用し、第二のモノマーとしてTAB−Eを単独で利用する代わりに、第二のモノマーとしてTAB−E(0.0230g:0.10mmol)とDABAN(0.2045g:0.90mmol)の混合物を利用し、かつ、TMUの使用量を1.75gに変更して前記重合濃度を20質量%に調整した以外は、実施例1と同様にして、樹脂前駆体及び樹脂を調製した。しかしながら、得られた樹脂は脆くクラックが入り、フィルム形状のものとして得ることができなかった。
第一のモノマーとしてCpODAを利用する代わりに、第一のモノマーとしてCPDA(0.2101g:1.00mmol)を利用し、第二のモノマーとしてTAB−Eを単独で利用する代わりに、第二のモノマーとしてTAB−E(0.0230g:0.10mmol)とDABAN(0.2045g:0.90mmol)の混合物を利用し、かつ、TMUの使用量を1.75gに変更して前記重合濃度を20質量%に調整した以外は、実施例1と同様にして、樹脂前駆体及び樹脂を調製した。しかしながら、得られた樹脂は脆くクラックが入り、フィルム形状のものとして得ることができなかった。
(比較例3)
第二のモノマーとしてTAB−Eを利用する代わりに、第二のモノマーとしてDABAN(0.2273g:1.00mmol)を利用し、かつ、TMUの使用量を2.45gに変更して前記重合濃度を20質量%に調整した以外は、実施例1と同様にして、樹脂前駆体及び樹脂を製造し、樹脂フィルムを得た。
第二のモノマーとしてTAB−Eを利用する代わりに、第二のモノマーとしてDABAN(0.2273g:1.00mmol)を利用し、かつ、TMUの使用量を2.45gに変更して前記重合濃度を20質量%に調整した以外は、実施例1と同様にして、樹脂前駆体及び樹脂を製造し、樹脂フィルムを得た。
[実施例1〜19及び比較例3で得られた樹脂(樹脂フィルム)の特性評価]
実施例1〜19及び比較例3で得られた樹脂(樹脂フィルム)の特性を以下のようにして評価し、結果を表1に示す(なお、比較例1及び2については、そもそもフィルム状の樹脂(樹脂フィルム)を得ることができなかったため、試料を調製できず、以下の測定を行うことができなかった)。なお、表1には、実施例1〜19及び比較例1〜3で用いたモノマーの種類等も併せて示す。
実施例1〜19及び比較例3で得られた樹脂(樹脂フィルム)の特性を以下のようにして評価し、結果を表1に示す(なお、比較例1及び2については、そもそもフィルム状の樹脂(樹脂フィルム)を得ることができなかったため、試料を調製できず、以下の測定を行うことができなかった)。なお、表1には、実施例1〜19及び比較例1〜3で用いたモノマーの種類等も併せて示す。
<全光線透過率の測定>
各実施例等で得られた樹脂フィルムを構成する樹脂の全光線透過率(単位:%)を、以下のようにして測定した。すなわち、各樹脂フィルム(厚み:10μm)をそのまま測定用の試料として用い、かつ、測定装置として日本電色工業株式会社製の商品名「ヘーズメーターNDH−5000」を用いて、JIS K7361−1(1997年発行)に準拠した測定を行うことにより、各樹脂フィルムの全光線透過率(単位:%)を求めた。得られた結果を表1に示す。
各実施例等で得られた樹脂フィルムを構成する樹脂の全光線透過率(単位:%)を、以下のようにして測定した。すなわち、各樹脂フィルム(厚み:10μm)をそのまま測定用の試料として用い、かつ、測定装置として日本電色工業株式会社製の商品名「ヘーズメーターNDH−5000」を用いて、JIS K7361−1(1997年発行)に準拠した測定を行うことにより、各樹脂フィルムの全光線透過率(単位:%)を求めた。得られた結果を表1に示す。
<ガラス転移温度(Tg)の測定>
各実施例等で得られた樹脂フィルムを構成する樹脂のガラス転移温度(Tg)の値(単位:℃)を以下のようにして測定した。すなわち、各樹脂フィルム(厚み:10μm)から切り出した縦20mm、横5mmの大きさの試料(かかる試料の厚みは実施例で得られたフィルムの厚みのままとした)を用い、かつ、測定装置として熱機械的分析装置(リガク製の商品名「TMA8311」)を用いて、窒素雰囲気下、引張りモード(49mN)、昇温速度5℃/分の条件で測定を行ってTMA曲線を求め、ガラス転移に起因するTMA曲線の変曲点に対し、その前後の曲線を外挿することにより、各実施例で得られたフィルムを構成する樹脂のガラス転移温度(Tg)の値(単位:℃)を求めた。得られた結果を表1に示す。
各実施例等で得られた樹脂フィルムを構成する樹脂のガラス転移温度(Tg)の値(単位:℃)を以下のようにして測定した。すなわち、各樹脂フィルム(厚み:10μm)から切り出した縦20mm、横5mmの大きさの試料(かかる試料の厚みは実施例で得られたフィルムの厚みのままとした)を用い、かつ、測定装置として熱機械的分析装置(リガク製の商品名「TMA8311」)を用いて、窒素雰囲気下、引張りモード(49mN)、昇温速度5℃/分の条件で測定を行ってTMA曲線を求め、ガラス転移に起因するTMA曲線の変曲点に対し、その前後の曲線を外挿することにより、各実施例で得られたフィルムを構成する樹脂のガラス転移温度(Tg)の値(単位:℃)を求めた。得られた結果を表1に示す。
<引張強度及び破断伸びの測定>
各実施例等で得られた樹脂フィルムの引張強度(単位:MPa)及び破断伸び(単位:%)は、以下のようにして測定した。すなわち、先ず、各樹脂フィルムを、それぞれ、SD型レバー式試料裁断器(株式会社ダンベル製の裁断器(型式SDL−200))に、株式会社ダンベル製の商品名「スーパーダンベルカッター(型:SDMK−1000−D、JIS K7139(2009年発行)のA22規格に準拠)」を取り付けて、各樹脂フィルムの大きさが、全長:75mm、タブ部間距離:57mm、平行部の長さ:30mm、肩部の半径:30mm、端部の幅:10mm、中央の平行部の幅:5mm、厚み:10μmとなるように裁断して、ダンベル形状の試験片(厚みを10μmにした以外はJIS K7139 タイプA22(縮尺試験片)の規格に沿ったもの)を、測定試料として、それぞれ調製した。次いで、電気機械式万能材料試験機(INSTRON製の型番「5943」)を用いて、前記測定試料を掴み具間の幅が57mm、掴み部分の幅が10mm(端部の全幅)となるようにして配置した後、ロードセル:1.0kN、試験速度:5mm/分の条件で前記測定試料を引っ張る引張試験を行って、引張強度及び破断伸びの値を求めた。なお、このような試験は、JIS K7162(1994年発行)に準拠した試験とした。また、破断伸びの値(%)は、試料のタブ部間距離(=掴み具間の幅:57mm)をL0、破断するまでの試料のタブ部間距離(破断した際の掴み具間の幅:57mm+α)をLとすると、下記式:
[破断伸び(%)]={(L−L0)/L0}×100
を計算して求めた。得られた結果を表1に示す。
各実施例等で得られた樹脂フィルムの引張強度(単位:MPa)及び破断伸び(単位:%)は、以下のようにして測定した。すなわち、先ず、各樹脂フィルムを、それぞれ、SD型レバー式試料裁断器(株式会社ダンベル製の裁断器(型式SDL−200))に、株式会社ダンベル製の商品名「スーパーダンベルカッター(型:SDMK−1000−D、JIS K7139(2009年発行)のA22規格に準拠)」を取り付けて、各樹脂フィルムの大きさが、全長:75mm、タブ部間距離:57mm、平行部の長さ:30mm、肩部の半径:30mm、端部の幅:10mm、中央の平行部の幅:5mm、厚み:10μmとなるように裁断して、ダンベル形状の試験片(厚みを10μmにした以外はJIS K7139 タイプA22(縮尺試験片)の規格に沿ったもの)を、測定試料として、それぞれ調製した。次いで、電気機械式万能材料試験機(INSTRON製の型番「5943」)を用いて、前記測定試料を掴み具間の幅が57mm、掴み部分の幅が10mm(端部の全幅)となるようにして配置した後、ロードセル:1.0kN、試験速度:5mm/分の条件で前記測定試料を引っ張る引張試験を行って、引張強度及び破断伸びの値を求めた。なお、このような試験は、JIS K7162(1994年発行)に準拠した試験とした。また、破断伸びの値(%)は、試料のタブ部間距離(=掴み具間の幅:57mm)をL0、破断するまでの試料のタブ部間距離(破断した際の掴み具間の幅:57mm+α)をLとすると、下記式:
[破断伸び(%)]={(L−L0)/L0}×100
を計算して求めた。得られた結果を表1に示す。
<線膨張係数(CTE)の測定>
各実施例等で得られた樹脂フィルムを構成する樹脂のCTE(単位:ppm/K)は以下のようにして求めた。すなわち、先ず、各樹脂フィルムから、縦:20mm、横:5mmの大きさの測定用のフィルム(厚み:10μm)を形成した。次に、得られた測定用のフィルムを真空乾燥(120℃、1時間)した後、窒素雰囲気下で200℃で1時間熱処理することにより、測定試料(乾燥フィルム)を調製した。次いで、得られた測定試料(乾燥フィルム)を用い、測定装置として熱機械的分析装置(リガク製の商品名「TMA8311」)を利用して、窒素雰囲気下、引張りモード(49mN)、昇温速度5℃/分の条件を採用して、50℃〜200℃における前記試料の長さの変化を測定して、100℃〜200℃の温度範囲における1℃あたりの長さの変化の平均値を求めることにより測定した。得られた結果を表1に示す。
各実施例等で得られた樹脂フィルムを構成する樹脂のCTE(単位:ppm/K)は以下のようにして求めた。すなわち、先ず、各樹脂フィルムから、縦:20mm、横:5mmの大きさの測定用のフィルム(厚み:10μm)を形成した。次に、得られた測定用のフィルムを真空乾燥(120℃、1時間)した後、窒素雰囲気下で200℃で1時間熱処理することにより、測定試料(乾燥フィルム)を調製した。次いで、得られた測定試料(乾燥フィルム)を用い、測定装置として熱機械的分析装置(リガク製の商品名「TMA8311」)を利用して、窒素雰囲気下、引張りモード(49mN)、昇温速度5℃/分の条件を採用して、50℃〜200℃における前記試料の長さの変化を測定して、100℃〜200℃の温度範囲における1℃あたりの長さの変化の平均値を求めることにより測定した。得られた結果を表1に示す。
表1に示した結果から明らかなように、本発明の樹脂からなるフィルム(実施例1〜19)はいずれも、全光線透過率が80%以上となっており、十分な透明性を有することが確認されるとともに、Tgが389.8℃(約390℃)以上の値となっており、比較例3で得られたポリイミドと比較した場合においても、より高度な耐熱性を示すことが確認された。特に、実施例1で得られたフィルムを構成する樹脂はTgが448℃であり、極めて高度な耐熱性を有する樹脂であることが分かった。
さらに、本発明の樹脂からなるフィルム(実施例1〜19)はいずれも破断強度が50MPa以上となっていた。これに対して、CBDAやCPDAといった6員環以外の環状構造(4員環や5員環の環状構造)を有する脂環式のテトラカルボン酸二無水物を用いた場合(比較例1及び2)には、そもそもフィルムを得ることができず、例えば、比較例2においては製膜工程を実施しても、得られた樹脂は脆くクラックが入り、フィルム形状を維持できないものとなっていた。このような結果から、本発明の樹脂からなるフィルム(実施例1〜19)によれば、十分に高度な強度が得られることが分かった。また、比較例3で得られたポリイミドからなるフィルムと対比すると、比較例3で得られたポリイミドからなるフィルムは、破断強度が31MPaとなっており自立膜としては十分な機械的強度を示したが、本発明の樹脂からなるフィルム(実施例1〜19)はいずれも破断強度が50MPa以上となり、より高い機械的強度を示すことが分かった。
これらの結果から、本発明(実施例1〜19)によれば、得られる樹脂の透明性や耐熱性を十分に高いものとしつつ、破断強度を基準とした機械的強度を十分に高度なものとすることも可能であることが分かった。なお、本発明の樹脂からなるフィルム(実施例1〜19)はいずれもCTEが50ppm/K以下の値となっており、比較的低いCTEを有しており、加工性も十分に高いものであることが分かった。
以上説明したように、本発明によれば、十分に高度な光透過性と、より高度な耐熱性とを有するとともに、優れた機械的強度を有するものとすることを可能とする樹脂、その樹脂の前駆体である樹脂前駆体、並びに、その樹脂の製造に好適に利用可能な樹脂前駆体溶液を提供することが可能となる。
したがって、本発明の樹脂は、前述のように、透明性(光透過性)が十分に高いばかりか、耐熱性がより高度なものとなり、非常に高度な耐熱性を有する透明な材料等として好適に利用することが可能であることから、例えば、フレキシブル配線基板用フィルム、耐熱絶縁テープ、電線エナメル、半導体の保護コーティング剤、液晶配向膜、有機EL用透明導電性フィルム、フレキシブル基板フィルム、フレキシブル透明導電性フィルム、有機薄膜型太陽電池用透明導電性フィルム、色素増感型太陽電池用透明導電性フィルム、フレキシブルガスバリアフィルム、タッチパネル用フィルム、TFT基板フィルム(LTPS、ポリシリコン向け)、フラットパネルディテクタ用TFT基板フィルム、複写機用シームレス樹脂ベルト(いわゆる転写ベルト)、透明電極基板(有機EL用透明電極基板、太陽電池用透明電極基板、電子ペーパーの透明電極基板等)、層間絶縁膜、センサー基板、イメージセンサーの基板、発光ダイオード(LED)の反射板(LED照明の反射板:LED反射板)、LED照明用のカバー、LED反射板照明用カバー、カバーレイフィルム、高延性複合体基板、半導体向けレジスト、リチウムイオンバッテリー、有機メモリ用基板、有機トランジスタ用基板、有機半導体用基板、カラーフィルタ基材、医療用耐熱トレイ、医療用γ線耐性樹脂シャーレ、医療用透明高耐熱ピペット、透明高耐熱レンズ、車載センシング用レンズ、モバイル顔認証用レンズ、ハンダリフロー対応レンズ、赤外線カメラ用レンズ、光学フィルター、環境光センサー、全固体電池用バインダー、全固体電池用ゲル材料等を製造するための材料として特に有用である。また、本発明の樹脂は、上述のような用途以外にも、その形状を粉状体としたり、各種成形体とすること等により、例えば、自動車用部品、航空宇宙用部品、軸受部品、シール材、ベアリング部品、ギアホイール及びバルブ部品などに好適に応用することも可能である。
Claims (11)
- 下記一般式(1−1):
で表されるイミダゾピロロン構造を有する繰り返し単位、及び、下記一般式(1−2):
で表されるイミダゾピロロン構造を有する繰り返し単位からなる群から選択される少なくとも1種の繰り返し単位を含む、樹脂。 - 下記一般式(2):
で表されるイミド構造を有する繰り返し単位を更に含む、請求項1に記載の樹脂。 - 上記式中のX1が、下記一般式(3)〜(5):
で表される4価の有機基の中から選択される1種である、請求項1又は2に記載の樹脂。 - 上記式中のX2が、下記一般式(6−1)〜(7−1):
で表される4価の有機基の中から選択される1種である、請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の樹脂。 - 上記式中のX3が、下記一般式(6−2)〜(7−2):
で表される3価の有機基の中から選択される1種である、請求項1〜4のうちのいずれか一項に記載の樹脂。 - 下記一般式(8−1):
で表されるイミダゾピロロン前駆体構造を有する繰り返し単位、及び、下記一般式(8−2):
で表されるイミダゾピロロン前駆体構造を有する繰り返し単位からなる群から選択される少なくとも1種の繰り返し単位を含む、樹脂前駆体。 - 下記一般式(9):
で表されるイミド前駆体構造を有する繰り返し単位を更に含む、請求項6に記載の樹脂前駆体。 - 上記式中のX1が、下記一般式(3)〜(5):
で表される4価の有機基の中から選択される1種である、請求項6又は7に記載の樹脂前駆体。 - 上記式中のX2が、下記一般式(6−1)〜(7−1):
で表される4価の有機基の中から選択される1種である、請求項6〜8のうちのいずれか一項に記載の樹脂前駆体。 - 上記式中のX3が、下記一般式(6−2)〜(7−2):
で表される3価の有機基の中から選択される1種である、請求項6〜9のうちのいずれか一項に記載の樹脂前駆体。 - 請求項6〜10のうちのいずれか一項に記載の樹脂前駆体と溶媒とを含有する樹脂前駆体溶液。
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