JPWO2019167895A1 - 樹脂組成物、およびこれを用いた立体造形物の製造方法、ならびに立体造形物 - Google Patents

樹脂組成物、およびこれを用いた立体造形物の製造方法、ならびに立体造形物 Download PDF

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Abstract

反りが少なく、強度が高く、かつ耐光性が良好な立体造形物を提供することを課題とする。上記課題を解決するため、樹脂組成物は、液体状の樹脂組成物に可視光を選択的に照射して、前記樹脂組成物の硬化物からなる立体造形物を製造する方法に使用される。当該樹脂組成物は、光重合性化合物と、熱重合性化合物と、可視光重合開始剤と、紫外光吸収剤と、を含む。

Description

本発明は、樹脂組成物、およびこれを用いた立体造形物の製造方法、ならびに立体造形物に関する。
近年、複雑な形状の立体造形物を比較的容易に製造できる様々な方法が開発されている。立体造形物を製造する方法の一つとして、活性エネルギー線によって硬化する樹脂組成物に活性エネルギー線(例えば紫外光)を選択的に照射して、所望の形状に樹脂組成物を硬化させる方法が知られている。
しかしながら、光重合性化合物を主に含む樹脂組成物を用いて立体造形を行うと、硬化時に収縮しやすく、反りが発生しやすいとの課題があった。このような課題に対し、例えば光重合性化合物と熱重合性化合物とを混合し、光硬化後にさらに熱硬化を行うことで、反りを抑制することが提案されている(例えば、特許文献1)。
また近年、新たな立体造形物の製造方法として、光重合性化合物を含む液体状の樹脂組成物を連続的または断続的に硬化させる方法が提案されている(特許文献2および3)。当該方法では、まず造形物槽内に、活性エネルギー線を照射しても樹脂組成物が硬化しないバッファ領域と、活性エネルギー線の照射によって樹脂組成物が硬化する硬化用領域とを設ける。このとき、バッファ領域が造形槽底部側、硬化用領域が造形槽上部側に位置するよう、それぞれの領域を形成する。そして、硬化用領域に立体造形の基点となるキャリアを配置し、バッファ領域(造形槽底部)側から硬化用領域に活性エネルギー線を選択的に照射する。これにより、キャリア表面に立体造形物の一部(樹脂組成物の硬化物)が形成される。そしてさらに、当該キャリアを造形槽上部側に引き上げながら、連続的に活性エネルギー線を照射することで、キャリアの下方に、樹脂組成物の硬化物が連続的に形成され、継ぎ目のない立体造形物が作製される。
特開平2−24127号公報 特表2016−509962号公報 特表2016−509964号公報
一般的に、熱重合性化合物は、紫外光等によって分解や切断等されやすい分子構造を有することが多い。そのため、上述の特許文献1のように、光重合性化合物と熱重合性化合物とを混合し、樹脂組成物を紫外光で硬化させると、熱重合性化合物が分解しやすく、所望の反り抑制効果が得られ難かった。また、熱重合性樹脂の耐光性を改善するために、樹脂組成物に紫外光吸収剤を添加することが考えられる。しかしながら、例えば特許文献2および特許文献3のような、選択的に活性エネルギー線を照射して立体造形物を作製する方法では、樹脂組成物に活性エネルギー線に対する感度が高いことが求められる。そのため、樹脂組成物に紫外光吸収剤を含めると、光重合性化合物の硬化が不十分になりやすく、得られる立体造形物の強度が低下しやすいとの課題があった。
本発明は、このような課題を鑑みてなされたものである。すなわち本発明は、反りが少なく、強度が高く、かつ耐光性が良好な造形物の提供を目的とする。
本発明の第1は、以下の樹脂組成物にある。
[1]液体状の樹脂組成物に可視光を選択的に照射して、前記樹脂組成物の硬化物からなる立体造形物を製造する方法に使用される樹脂組成物であって、光重合性化合物と、熱重合性化合物と、可視光重合開始剤と、紫外光吸収剤と、を含む樹脂組成物。
[2]前記光重合性化合物および/または前記熱重合性化合物が、芳香環、トリアジン環、エステル結合、ウレタン結合、およびウレア結合からなる群から選ばれる少なくとも一種の構造を、分子内に含む、[1]に記載の樹脂組成物。
[3]前記可視光重合開始剤が、波長400nm以上の領域に吸収極大を有する、[1]または[2]に記載の樹脂組成物。
[4]光安定剤をさらに含む、[1]〜[3]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[5]フィラーをさらに含む、[1]〜[4]のいずれかに記載の樹脂組成物。
本発明の第2は、以下の立体造形物の製造方法、および立体造形物にある。
[6]上記[1]〜[5]のいずれかに記載の樹脂組成物に可視光を選択的に照射して、前記光重合性化合物の硬化物を含む一次硬化物を形成する光造形工程を含む、立体造形物の製造方法。
[7]前記一次硬化物を、さらに熱硬化させる熱硬化工程を含む、[6]に記載の立体造形物の製造方法。
[8]前記熱硬化工程前に、前記一次硬化物にさらに可視光を照射する光照射工程を含む、[7]に記載の立体造形物の製造方法。
[9]前記光造形工程が、前記樹脂組成物および酸素を含み、酸素により前記光重合性化合物の硬化が阻害されるバッファ領域、ならびに前記樹脂組成物を少なくとも含み、前記バッファ領域より酸素濃度が低く、前記光重合性化合物の硬化が可能な硬化用領域を、造形物槽内に隣接して形成する第1の工程と、前記バッファ領域側から前記樹脂組成物に可視光を選択的に照射して、前記硬化用領域で前記光重合性化合物を硬化させる第2の工程と、を含み、前記第2の工程では、形成された硬化物を前記バッファ領域とは反対側に移動させながら、前記硬化用領域に連続的に可視光を照射し、前記一次硬化物を形成する、[6]〜[8]のいずれかに記載の立体造形物の製造方法。
[10]上記[1]〜[5]のいずれかに記載の樹脂組成物の硬化物である、立体造形物。
本発明の樹脂組成物によれば、反りが少なく、強度が高く、さらには耐光性に優れる立体造形物の提供が可能である。
図1は、本発明の一実施形態に係る立体造形物の製造装置の模式図である。 図2は、本発明の他の実施形態に係る立体造形物の製造装置の模式図である。
1.樹脂組成物
本発明の樹脂組成物は、液体状であり、当該樹脂組成物に可視光を選択的に照射して、立体造形物を製造する方法に使用される。本発明では、可視光は波長400nm〜780nmの範囲をいう。前述のように、このような樹脂組成物に、光重合性化合物が主に含まれると、得られる立体造形物に反りが生じやすいとの課題があった。また従来、このような樹脂組成物に熱重合性樹脂を添加することも提案されているが、熱重合性樹脂が、造形時の紫外光照射によって劣化してしまうこと等から、立体造形物の反りを十分に抑制できなかった。また、このような樹脂組成物に紫外光吸収剤を添加した場合には、光重合性化合物の硬化が阻害されてしまい、得られる立体造形物の強度が低くなりやすかった。したがって、反りが少なく、高い強度を有し、さらには耐光性が良好な立体造形物を製造可能な樹脂組成物の提供が望まれていた。
これに対し、本発明の樹脂組成物には、光重合性化合物と、熱重合性化合物と、可視光重合開始剤と、紫外光吸収剤と、が含まれる。当該樹脂組成物には、可視光重合開始剤が含まれることから、可視光で硬化させることが可能である。またこのとき、硬化のための光(可視光)が紫外光吸収剤によって吸収され難く、光硬化性が良好になりやすい。またたとえ、熱重合性化合物等が光劣化しやすい構造を有していたとしても、可視光照射によっては光劣化し難いことから、所望の反り抑制効果が得られやすく、寸法精度の高い立体造形物が得られる。また、本発明の樹脂組成物には、紫外光吸収剤が含まれることから、立体造形物後の経時の光劣化も抑制することが可能である。
なお、上記光重合性化合物および/または熱重合性化合物が、その分子中に、芳香環、トリアジン環、エステル結合、ウレタン結合、およびウレア結合からなる群から選ばれる構造を有する場合に、立体造形物が光劣化しやすくなる。これに対し、本発明の樹脂組成物の組成であれば、光重合性化合物や熱重合性化合物が、このような構造を有していたとしても、長期間に亘って立体造形物の耐光性が良好になるとの利点がある。
なお、樹脂組成物には、硬化剤や光安定剤、フィラー等、光重合性化合物、熱重合性化合物、可視光重合開始剤、および紫外光吸収剤以外の成分が必要に応じて含まれていてもよい。以下、各成分について説明する。
1−1.光重合性化合物
樹脂組成物に含まれる光重合性化合物は、常温で液体状であり、可視光の照射によって重合可能な化合物であればよく、モノマーであってもよく、オリゴマーであってもよく、プレポリマーであってもよく、これらの混合物であってもよい。また、光重合性化合物は、ラジカル重合性化合物であっても、カチオン重合性化合物であってもよい。ただし、後述するように、樹脂組成物に酸素を添加しながら、立体造形物を作製する方法(以下、「CLIP法」とも称する)に用いる樹脂組成物では、光重合性化合物がラジカル重合性化合物である必要がある。樹脂組成物には、光重合性化合物が1種のみ含まれていてもよく、2種以上含まれていてもよい。
ラジカル重合性化合物は、後述の可視光重合開始剤(ラジカル重合開始剤)の存在下、可視光の照射によってラジカル重合可能な基を有していればその種類は特に制限されない。ラジカル重合性化合物の例には、エチレン基、プロペニル基、ブテニル基、ビニルフェニル基、アリルエーテル基、ビニルエーテル基、マレイル基、マレイミド基、(メタ)アクリルアミド基、アセチルビニル基、ビニルアミド基、(メタ)アクリロイル基を分子内に1つ以上有する化合物が含まれる。
これらの中でも、ラジカル重合性化合物は、分子内に不飽和カルボン酸エステル構造を1つ以上含む不飽和カルボン酸エステル化合物、または分子内に不飽和カルボン酸アミド構造を1つ以上含む後述の不飽和カルボン酸アミド化合物であることが好ましい。さらには、後述の、(メタ)アクリロイル基を含む(メタ)アクリレート系化合物および/または(メタ)アクリルアミド系化合物であることが特に好ましい。なお、本明細書において、「(メタ)アクリル」との記載は、メタクリルおよび/またはアクリルを表し、「(メタ)アクリロイル」との記載は、メタクリロイルおよび/またはアクリロイルを表し、「(メタ)アクリレート」との記載は、メタクリレートおよび/またはアクリレートを表す。
ラジカル重合性化合物の一つである「アリルエーテル基を有する化合物」の例には、フェニルアリルエーテル、o−,m−,p−クレゾールモノアリルエーテル、ビフェニル−2−オールモノアリルエーテル、ビフェニル−4−オールモノアリルエーテル、ブチルアリルエーテル、シクロヘキシルアリルエーテル、シクロヘキサンメタノールモノアリルエーテル、フタル酸ジアリルエーテル、イソフタル酸ジアリルエーテル、ジメタノールトリシクロデカンジアリルエーテル、1,4-シクロヘキサンジメタノールジアリルエーテル、アルキレン(炭素数2〜5)グリコールジアリルエーテル、ポリエチレングリコールジアリルエーテル、グリセリンジアリルエーテル、トリメチロールプロパンジアリルエーテル、ペンタエリスリトールジアリルエーテル、ポリグリセリン(重合度2〜5)ジアリルエーテル、トリメチロールプロパントリアリルエーテル、グリセリントリアリルエーテル、ペンタエリスリトールテトラアリルエーテル及びテトラアリルオキシエタン、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル、ジグリセリントリアリルエーテル、ソルビトールトリアリルエーテルおよびポリグリセリン(重合度3〜13)ポリアリルエーテル等が含まれる。
また、「ビニルエーテル基を有する化合物」の例には、ブチルビニルエーテル、ブチルプロペニルエーテル、ブチルブテニルエーテル、ヘキシルビニルエーテル、1,4−ブタンジオールジビニルエーテル、エチルヘキシルビニルエーテル、フェニルビニルエーテル、ベンジルビニルエーテル、エチルエトキシビニルエーテル、アセチルエトキシエトキシビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、トリシクロデカンビニルエーテル、アダマンチルビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、トリシクロデカンジメタノールジビニルエーテル、ビスフェノールAのEO付加物ジビニルエーテル、シクロヘキサンジオールジビニルエーテル、シクロペンタジエンビニルエーテル、ノルボルニルジメタノールジビニルエーテル、ジビニルレゾルシン、ジビニルハイドロキノン、エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、プロピレングリコールジビニルエーテル、ジプロピレングリコールビニルエーテル、ブチレンジビニルエーテル、ジブチレングリコールジビニルエーテル、4−シクロヘキサンジビニルエーテル、オキサノルボナンジビニルエーテル、ネオペンチルグリコールジビニルエーテル、グリセリントリビニルエーテル、オキセタンジビニルエーテル、グリセリンエチレンオキシド付加物トリビニルエーテル(エチレンオキシドの付加モル数6)、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、トリビニルエーテルエチレンオキシド付加物トリビニルエーテル(エチレンオキシドの付加モル数3)、ペンタエリスリトールトリビニルエーテル、ジトリメチロールプロパンヘキサビニルエーテルおよびそれらのオキシエチレン付加物等が含まれる。
上記「マレイミド基を有する化合物」の例には、フェニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミド、n−ヘキシルマレイミド等が含まれる。
また、「(メタ)アクリルアミド基を有する化合物」、すなわち(メタ)アクリルアミド系化合物の例には、(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−ブチル(メタ)アクリルアミド、イソブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、ビスメチレンアクリルアミド、ジ(エチレンオキシ)ビスプロピルアクリルアミド、およびトリ(エチレンオキシ)ビスプロピルアクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルホリン等が含まれる。
一方、上述の「(メタ)アクリル基を有する化合物」すなわち(メタ)アクリレート系化合物の例には、イソアミル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、イソミルスチル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル−ジグリコール(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、メトキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシプロピレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ペンタクロロフェニル(メタ)アクリレート、ペンタブロモフェニル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、グリセリン(メタ)アクリレート、7−アミノ−3,7−ジメチルオクチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−(2−エトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシルカルビトール(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルフタル酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシエチル−フタル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸、およびt−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート等を含む単官能の(メタ)アクリレートモノマー;
トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジ(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジイルジメチレンジ(メタ)アクリレート、ジメチロール−トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ポリエステルジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのPO付加物ジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、およびトリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート等を含む2官能の(メタ)アクリレートモノマー;
トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート、グリセリンプロポキシトリ(メタ)アクリレート、およびペンタエリスリトールエトキシテトラ(メタ)アクリレート等を含む3官能以上の(メタ)アクリレートモノマー;
およびこれらのオリゴマー等が含まれる。
また、「(メタ)アクリレート系化合物」は、各種(メタ)アクリレートモノマーやそのオリゴマーをさらに変性したもの(変性物)であってもよい。変性物の例には、トリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ペンタエリスリトールテトラアクリレート、エチレンオキサイド変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ノニルフェノール(メタ)アクリレート等のエチレンオキサイド変性(メタ)アクリレートモノマー;トリプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、プロピレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性ペンタエリスリトールテトラアクリレート、プロピレンオキサイド変性グリセリントリ(メタ)アクリレート等のプロピレンオキサイド変性(メタ)アクリレートモノマー;カプロラクトン変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等のカプロラクトン変性(メタ)アクリレートモノマー;カプロラクタム変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等のカプロラクタム変性(メタ)アクリレートモノマー;等が含まれる。
「(メタ)アクリレート系化合物」はさらに、各種オリゴマーを(メタ)アクリレート化した化合物(以下、「変性(メタ)アクリレート系化合物」とも称する)であってもよい。このような変性(メタ)アクリレート系化合物の例には、ポリブタジエン(メタ)アクリレート系化合物、ポリイソプレン(メタ)アクリレート系化合物、エポキシ(メタ)アクリレート系化合物、ウレタン(メタ)アクリレート系化合物、シリコーン(メタ)アクリレート系化合物、ポリエステル(メタ)アクリレート系化合物、および直鎖(メタ)アクリル系化合物等が含まれる。これらの中でも特に、エポキシ(メタ)アクリレート系化合物、ウレタン(メタ)アクリレート系化合物、およびシリコーン(メタ)アクリレート系化合物を好適に用いることができる。樹脂組成物にエポキシ(メタ)アクリレート系化合物や、ウレタン(メタ)アクリレート系化合物やシリコーン(メタ)アクリレート系化合物が含まれると、得られる立体造形物の強度が高まりやすくなる。
エポキシ(メタ)アクリレート系化合物は、一分子内にエポキシ基と、(メタ)アクリレート基とをそれぞれ1つ以上含む化合物であればよく、その例には、ビスフェノールA型エポキシ(メタ)アクリレート、ビスフェノールF型エポキシ(メタ)アクリレート、ビスフェニル型エポキシ(メタ)アクリレート、トリフェノールメタン型エポキシ(メタ)アクリレートや、クレゾールノボラック型エポキシ(メタ)アクリレート、フェノールノボラック型エポキシ(メタ)アクリレート等のノボラック型エポキシ(メタ)アクリレート等が含まれる。
ウレタン(メタ)アクリレート系化合物は、2つのイソシアネート基を有する脂肪族ポリイソシアネート化合物または2つのイソシアネート基を有する芳香族ポリイソシアネート化合物と、水酸基を有する(メタ)アクリル酸誘導体等とを反応させて得られる、ウレタン結合および(メタ)アクリロイル基を有する化合物とすることができる。
上記ウレタン(メタ)アクリレート系化合物の原料となるイソシアネート化合物の例には、イソホロンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート(MDI)、水添MDI、ポリメリックMDI、1,5−ナフタレンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート(XDI)、水添XDI、リジンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリス(イソシアネートフェニル)チオフォスフェート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート等が含まれる。
また、上記ウレタン(メタ)アクリレート系化合物の原料となるイソシアネート化合物の例には、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ソルビトール、トリメチロールプロパン、カーボネートジオール、ポリエーテルジオール、ポリエステルジオール、ポリカプロラクトンジオール等のポリオールと過剰のイソシアネート化合物との反応により得られる鎖延長されたイソシアネート化合物も含まれる。
一方、上記ウレタン(メタ)アクリレート系化合物の原料となる、水酸基を有する(メタ)アクリル酸誘導体の例には、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート;エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ポリエチレングリコール等の二価のアルコールのモノ(メタ)アクリレート;トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセリン等の三価のアルコールのモノ(メタ)アクリレートやジ(メタ)アクリレート;ビスフェノールA型エポキシアクリレート等のエポキシ(メタ)アクリレート等が含まれる。
上記構造のウレタン(メタ)アクリレート系化合物は、市販されているものであってもよく、その例には、M−1100、M−1200、M−1210、M−1600(いずれも東亞合成社製)、EBECRYL210、EBECRYL220、EBECRYL230、EBECRYL270、EBECRYL1290、EBECRYL2220、EBECRYL4827、EBECRYL4842、EBECRYL4858、EBECRYL5129、EBECRYL6700、EBECRYL8402、EBECRYL8803、EBECRYL8804、EBECRYL8807、EBECRYL9260(いずれもダイセル・オルネクス社製)、アートレジンUN−330、アートレジンSH−500B、アートレジンUN−1200TPK、アートレジンUN−1255、アートレジンUN−3320HB、アートレジンUN−7100、アートレジンUN−9000A、アートレジンUN−9000H(いずれも根上工業社製)、U−2HA、U−2PHA、U−3HA、U−4HA、U−6H、U−6HA、U−6LPA、U−10H、U−15HA、U−108、U−108A、U−122A、U−122P、U−324A、U−340A、U−340P、U−1084A、U−2061BA、UA−340P、UA−4000、UA−4100、UA−4200、UA−4400、UA−5201P、UA−7100、UA−7200、UA−W2A(いずれも新中村化学工業社製)、AH−600、AI−600、AT−600、UA−101I、UA−101T、UA−306H、UA−306I、UA−306T(いずれも共栄社化学社製)等が含まれる。
一方、ウレタン(メタ)アクリレート系化合物は、ポリイソシアネートのイソシアネート基を(メタ)アクリレート基を有するブロック剤によりブロック化して得られるブロックイソシアネートであってもよい。
ブロックイソシアネートを得るために用いられるポリイソシアネートは、前述の「イソシアネート化合物」であってもよく、これらの化合物とポリオールやポリアミンとを反応させた化合物であってもよい。ポリオールの例には、従来公知のポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリマーポリオール、植物油ポリオール、さらには含リンポリオールやハロゲン含有ポリオール等の難燃ポリオール等が含まれる。これらのポリオールは、ブロックイソシアネート中に1種のみ含まれていてもよく、2種以上が含まれていてもよい。
イソシアネート等と反応させる上記ポリエーテルポリオールの例には、少なくとも2個以上の活性水素基を有する化合物(具体的には、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の多価アルコール類;エチレンジアミン等のアミン類;エタノールアミン、ジエタノールアミン等のアルカノールアミン類;等)とアルキレンオキサイド(具体的には、エチレンオキシド、プロピレンオキシド等)との付加反応により調製される化合物が含まれる。ポリエーテルポリオールの調製方法は、例えば、Gunter Oertel,“Polyurethane Handbook”(1985) Hanser Publishers社(ドイツ),p.42−53に記載の方法とすることができる。
上記ポリエステルポリオールの例には、アジピン酸、フタル酸等の多価カルボン酸と、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等の多価アルコールとの縮合反応物や、ナイロン製造時の廃物、トリメチロールプロパン、ペンタエリストールの廃物、フタル酸系ポリエステルの廃物、廃品を処理し誘導したポリエステルポリオール等が含まれる(例えば、岩田敬治「ポリウレタン樹脂ハンドブック」(1987)日刊工業新聞社 p.117の記載参照)。
上記ポリマーポリオールの例には、上記ポリエーテルポリオールとエチレン性不飽和単量体(例えば、ブタジエン、アクリロニトリル、スチレン等)とをラジカル重合触媒の存在下に反応させた重合体ポリオールが含まれる。ポリマーポリオールは、分子量が5000〜12000程度であることがより好ましい。
植物油ポリオールの例には、ひまし油、やし油等のヒドロキシル基含有植物油等が含まれる。また、ひまし油又は水添ひまし油を原料として得られるひまし油誘導体ポリオールも好適に用いることができる。ひまし油誘導体ポリオールとしては、ひまし油、多価カルボン酸及び短鎖ジオールの反応で得られるひまし油ポリエステル、ひまし油やひまし油ポリエステルのアルキレンオキシド付加物等が含まれる。
難燃ポリオールの例には、リン酸化合物にアルキレンオキシドを付加して得られるリン含有ポリオール;エピクロルヒドリンやトリクロロブチレンオキシドを開環重合して得られるハロゲン含有ポリオール;芳香環を有する活性水素化合物にアルキレンオキシドを付加して得られる芳香族系エーテルポリオール;芳香環を有する多価カルボン酸と多価アルコールの縮合反応で得られる芳香族系エステルポリオール;等が含まれる。
イソシアネート等と反応させるポリオールの水酸基価としては、5〜300mgKOH/gであることが好ましく、10〜250mgKOH/gであることがより好ましい。水酸基価は、JIS−K0070に規定された方法で測定できる。
また、イソシアネート等と反応させるポリアミンの例には、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラアミン、ヘキサメチレンペンタアミン、ビスアミノプロピルピペラジン、トリス(2−アミノエチル)アミン、イソホロンジアミン、ポリオキシアルキレンポリアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等が含まれる。
一方、ポリイソシアネートのイソシアネート基をブロックするためのブロック剤としては、(メタ)アクリロイル基を有し、かつ、イソシアネート基と反応し、加熱により脱離できるものであればよい。
このようなブロック剤の具体的例には、t−ブチルアミノエチルメタクリレート(TBAEMA)、t−ペンチルアミノエチルメタクリレート(TPAEMA)、t−ヘキシルアミノエチルメタクリレート(THAEMA)、t−ブチルアミノプロピルメタクリレート(TPAEMA)、t−ヘキシルアミノエチルメタクリレート(THAEMA)、t−ブチルアミノプロピルメタクリレート(TBAPMA)等が含まれる。
ポリイソシアネートのブロック化反応は、一般に−20〜150℃で行うことができるが、好ましくは0〜100℃である。150℃以下であれば副反応を防止することができ、他方、−20℃以上であれば反応速度を適度な範囲とすることができる。ポリイソシアネート化合物とブロック剤のブロック化反応は、溶剤の存在の有無に関わらず、行うことができる。溶剤を用いる場合は、イソシアネート基に対して不活性な溶剤を用いるのが好ましい。ブロック化反応においては、反応触媒を使用することができる。具体的な反応触媒の例には、錫、亜鉛、鉛等の有機金属塩、金属アルコラート、及び3級アミン等が含まれる。
上述のように調製されるブロックイソシアネートをラジカル重合性化合物として用いる場合、まず、光照射によりアクリロイル基部分を重合させる。その後、加熱によってブロック剤を外すことで、生成したイソシアネート化合物を新たにポリオールやポリアミン等と重合させることができ、ポリウレタンやポリウレアまたはこれらの混合物を含む立体造形物を得ることができる。
一方、シリコーン(メタ)アクリレート系化合物は、主鎖にポリシロキサン結合を有するシリコーンの末端および/または側鎖に(メタ)アクリル酸を付加した化合物とすることができる。シリコーン(メタ)アクリレート系化合物の原料となるシリコーンは、公知の1官能、2官能、3官能、または4可能のシラン化合物(例えばアルコキシシラン等)が任意の組み合わせで重合したオルガノポリシロキサンとすることができる。シリコーンアクリレートの具体例には、市販のTEGORad2500(商品名:テゴケミーサービスGmbH社製)の他、X−22−4015(商品名:信越化学工業株式会社製)の様な−OH基を有する有機変性シリコーンとアクリル酸とを酸触媒下でエステル化させたもの;KBM402、KBM403(商品名:いずれも信越化学工業株式会社製)の様なエポキシシラン等の有機変性シラン化合物とアクリル酸を反応させたもの;等が含まれる。
一方、光重合性化合物の他の例である、カチオン重合性化合物は、酸触媒の存在下、可視光の照射によってカチオン重合可能な基を有していれば、その種類は特に制限されない。その例には、環状ヘテロ化合物が含まれ、環状エーテル基を有する化合物であることが、その反応性等の観点から好ましい。
カチオン重合性化合物の具体例には、オキシラン、メチルオキシラン、フェニルオキシラン、1,2−ジフェニルオキシラン等のオキシラン化合物類、あるいは、グリシジルエーテル、グリシジルエステル、グリシジルアミン等のオキシラン環の水素原子がメチレン結合基やメチン結合基で置換されているエポキシ基含有化合物;2−(シクロヘキシルメチル)オキシラン、2−エトキシ−3−(シクロヘキシルメチル)オキシラン、[(シクロヘキシルオキシ)メチル]オキシラン、1,4−ビス(オキシラニルメトキシメチル)シクロヘキサン、等のシクロアルカン環を有するエポキシ基含有化合物;7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプタン、3−メチル−7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプタン、7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプタン−3−イルメタノール、7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプタン−3−メトキシメチル等の芳香環を有さない脂環族系エポキシ基含有化合物;3−フェニル−7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプタン−3−カルボキシレート、4−エチルフェニル7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプタン、ベンジル7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプタン−3−カルボキシレート、4−エチルフェニル7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプタン−3−カルボキシレート等の芳香環を有する脂環族系エポキシ基含有化合物;
3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、1,4−ビス[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシメチル]ベンゼン、ジ(1−エチル−3−オキセタニル)メチルエーテル、3−エチル−3−(フェノキシメチル)オキセタン、3−エチル−3−(2−エチルヘキシロキシメチル)オキセタン、フェノールノボラックオキセタン、3‐エチル−{(3−トリエトキシシリルプロポキシ)メチル}オキセタン等のオキセタニル基含有化合物;
2−メチルテトラヒドロフラン、2,5−ジエトキシテトラヒドロフラン、テトラヒドロフラン−2,2−ジメタノール3−メチル−2,4(3H、5H)−フランジオン、2,4−ジオキソテトラヒドロフラン−3−カルボキシラート、プロパン酸1,5−ジ(テトラヒドロフラン−2−イル)ペンタン−3−イル、4−(2,5−ジオキソテトラヒドロフラン−3−イル)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1,2−ジカルボン酸無水物、メトキシテトラヒドロピラン等の5員環以上の環状エーテル化合物等が含まれる。
樹脂組成物に含まれる光重合性化合物の総量は、樹脂組成物の全質量に対して10〜90質量%であることが好ましく、30〜70質量%であることがより好ましく、40〜60質量%であることがさらに好ましい。光重合性化合物の量が当該範囲であると、強度の高い立体造形物が得られやすくなる。
1−2.熱重合性化合物
樹脂組成物に含まれる熱重合性化合物は、加熱によって重合し、硬化可能な化合物であればよい。通常、熱重合性化合物は、後述の硬化剤と組み合わせて用いられる。
このような熱重合性化合物の例には、環状エーテル基、シアネート基、イソシアネート基、およびヒドロシリル基からなる群から選ばれる少なくとも一種の基を含む化合物が含まれる。
「環状エーテル基を有する化合物」の例には、エポキシドやオキセタン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン等を含む化合物が含まれる。これらの中でも、重合性等の観点から、エポキシ基を有する化合物(以下、「エポキシ系化合物」とも称する)が好ましい。エポキシ系化合物の例には、分子内に1つまたは2つ以上のエポキシ基を有するエポキシ系化合物が含まれる。エポキシ系化合物の例には、ビフェニル型エポキシ化合物、ビスフェノールA型エポキシ化合物、ビスフェノールF型エポキシ化合物、スチルベン型エポキシ化合物、ハイドロキノン型エポキシ化合物等の結晶性エポキシ化合物;クレゾールノボラック型エポキシ化合物、フェノールノボラック型エポキシ化合物、ナフトールノボラック型エポキシ化合物等のノボラック型エポキシ化合物;フェニレン骨格含有フェノールアラルキル型エポキシ化合物、ビフェニレン骨格含有フェノールアラルキル型エポキシ化合物、フェニレン骨格含有ナフトールアラルキル型エポキシ化合物等のフェノールアラルキル型エポキシ化合物;トリフェノールメタン型エポキシ化合物、アルキル変性トリフェノールメタン型エポキシ化合物、グリシジルアミン、4官能ナフタレン型エポキシ化合物等の多官能型エポキシ化合物;ジシクロペンタジエン変性フェノール型エポキシ化合物、テルペン変性フェノール型エポキシ化合物、シリコーン変性エポキシ化合物等の変性フェノール型エポキシ化合物;トリアジン核含有エポキシ化合物等の複素環含有エポキシ化合物;ナフチレンエーテル型エポキシ等が含まれる。
また、「シアネート基を有する化合物」は、分子内に1つまたは2つ以上のシアネート基を有する化合物であればよい。その例には、1,3−または1,4−ジシアナトベンゼン;1,3,5−トリシアナトベンゼン;1,3−、1,4−、1,6−、1,8−、2,6−、または2,7−ジシアナトナフタレン;1,3,6−トリシアナトナフタレン;2,2’−または4,4’−ジシアナトビフェニル;ビス(4−シアナトフェニル)メタン;2,2−ビス(4−シアナトフェニル)プロパン;2,2−ビス(3,5−ジクロロ−4−シアナトフェニル)プロパン;2,2−ビス(3−ジブロモ−4−ジシアナトフェニル)プロパン;ビス(4−シアナトフェニル)エーテル;ビス(4−シアナトフェニル)チオエーテル;ビス(4−シアナトフェニル)スルホン;トリス(4−シアナトフェニル)フォスファイト;トリス(4−シアナトフェニル)フォスフェート;ビス(3−クロロ−4−シアナトフェニル)メタン:4−シアナトビフェニル;4−クミルシアナトベンゼン;2−t−ブチル−1,4−ジシアナトベンゼン;2,4−ジメチル−1,3−ジシアナトベンゼン;2,5−ジ−t−ブチル−l,4−ジシアナトベンゼン;テトラメチル−1,4−ジシアナトベンゼン;4−クロロ−1,3−ジシアナトベンゼン;3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’ジシアナトジフェニルビス(3−クロロ−4−シアナトフェニル)メタン:1,1,1−トリス(4−シアナトフェニル)エタン;1,1−ビス(4−シアナトフェニル)エタン;2,2−ビス(3,5−ジクロロ−4−シアナトフェニル)プロパン;2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−シアナトフェニル)プロパン;ビス(p−シアノフェノキシフェノキシ)ベンゼン;ジ(4−シアナトフェニル)ケトン;シアン酸化ノボラック;シアン酸化ビスフェノールポリカーボネートオリゴマー等が含まれる。
「イソシアネート基を有する化合物」は、分子内に1つまたは2つ以上のイソシアネート基を有する化合物であれば特に制限されず、その例には、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ナフチレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート;イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、シクロヘキシレンジイソシアネート、ジイソシアネートメチルシクロヘキサン等の脂環族ジイソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート;トリフェニルメタントリイソシアネート、トリス(イソシアネートフェニル)チオフォスフェート、トリメチロールプロパンとヘキサメチレンジイソシアネートの1対3付加物、ヘキサメチレンジイソシアネートの環状3量体等の3官能以上のポリイソシアネート;これらの化合物のイソシアネート基をブロック剤(例えば、アルコール類、フェノール類、ラクタム類、オキシム類、アセト酢酸アルキルエステル類、マロン酸アルキルエステル類、フタルイミド類、イミダゾール類、塩化水素、シアン化水素、亜硫酸水素ナトリウム等)で保護したブロックイソシアネート基を有するブロックイソシアネート;等が含まれる。
また、「ヒドロシリル基を有する化合物」は、分子内に1つまたは2つ以上のヒドロシリル基を有する化合物であればよく、その例には、メチルヒドロシロキサン−ジメチルシロキサンコポリマー等が含まれる。これらの「ヒドロシリル基を有する化合物」は、末端または側鎖にビニル基を有するポリオルガノシロキサンと付加反応することにより得られる。ビニル基を有するポリシロキサンの例には、各末端ケイ素原子にビニル基が置換されたポリジメチルシロキサン、各末端ケイ素原子にビニル基が置換されたジメチルシロキサン−ジフェニルシロキサンコポリマー、各末端ケイ素原子にビニル基が置換されたポリフェニルメチルシロキサン、各末端にトリメチルシリル基を有するビニルメチルシロキサン−ジメチルシロキサンコポリマー等が含まれる。
上記熱重合性化合物と後述の硬化剤との合計量は、樹脂組成物中の総量に対して20〜90質量%含まれることが好ましく、30〜80質量%含まれることがより好ましく、40〜60質量%含まれることがさらに好ましい。熱重合性化合物と硬化剤との合計量が当該範囲含まれると、得られる立体造形物の寸法精度が高まりやすくなる。
1−3.可視光重合開始剤
可視光重合開始剤は、可視光によって励起されて、上記光重合性化合物を重合させることが可能な化合物であれば特に制限されない。樹脂組成物には、可視光重合開始剤が、1種のみ含まれていてもよく、2種以上含まれていてもよい。
ラジカル重合用の可視光重合開始剤の具体例には、α−ジケトン(例えば、カンファーキノン、9,10−フェナントレンキノン、1−フェニル−プロパン−1,2−ジオン、ジアセチル、4,4’−ジクロロベンジル、もしくはこれらの誘導体等)、芳香族ケトン、ケトクマリン等の水素引き抜き型の開始剤;トリス(トリクロロメチル)トリアジン等のハロゲン化合物、過酸化ベンゾイル等の有機過酸化物系開始剤;ヘキサアリールビスイミダゾール化合物、シアニンボレート等のホウ素化合物、ビスペンタジエニルチタニウムージ(ペンタフルオロフェニル)等の有機金属化合物系開始剤;2−メチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4,6−トリメチルベンゾイルおよびジフェニルホスフィンオキサイド、モノアシルゲルマニウム化合物およびジアシルゲルマニウム化合物(例えば、ベンゾイルトリメチルゲルマニウム、ジベンゾイルジエチルゲルマニウムもしくはビス(4−メトキシベンゾイル)−ジエチルゲルマニウム等)、チタノセン(例えば、ビス−(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス−[2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)フェニル]−チタン等)、N−フェニルグリシン等が含まれる。カチオン重合用の可視光重合開始剤の具体例には、9,10−ジブトキシアントラセン等が含まれる。
上記の中でも、可視領域での吸光度の観点から、カンファーキノン、9,10−フェナントレンキノン等が好ましい。
上記可視光重合開始剤は、吸収極大が波長400nm以上にあることが好ましく、波長420〜550nmの範囲にあることがより好ましく、450〜500nmの範囲であることがより好ましい。可視光重合開始剤の最大吸収波長が当該範囲であると、立体造形物作製時に照射する可視光の波長を、比較的長波長側に設定することができる。そのため、立体造形物作製時における、熱重合性化合物等の劣化を抑制することができる。
可視光重合開始剤は、樹脂組成物中の総量に対して0.025〜5質量%含まれることが好ましく、0.05〜1質量%含まれることがより好ましく、0.25〜1質量%含まれることがさらに好ましい。また特に、上記光重合性化合物100質量部に対して0.1〜3質量部含まれることが好ましく、0.5〜2質量部含まれることがより好ましい。可視光重合開始剤が当該範囲含まれると、樹脂組成物の光硬化性が良好になりやすい。
1−4.紫外光吸収剤
紫外光吸収剤は、紫外光を紫外光吸収可能な化合物であれば特に制限されない。なお、本明細書において、紫外光とは特に波長400nm未満の光とする。紫外光吸収剤は特に波長260〜380nmの光を吸収可能な化合物であることが好ましく、波長300〜360nmの光を吸収可能な化合物であることがより好ましい。また、当該紫外光吸収剤は、波長400nm以上の光の吸収が少ないことが好ましく、波長400nm以上の光を実質的に吸収しないことがより好ましい。
紫外光吸収剤は、有機紫外光吸収剤であってもよく、無機紫外光吸収剤であってもよい。また、これらが組み合わされていてもよい。樹脂組成物には、紫外光吸収剤が1種のみ含まれていてもよく、2種以上含まれていてもよい。
有機紫外光吸収剤の例には、チアゾリドン系、ベンゾトリアゾール系、アクリロニトリル系、ベンゾフェノン系、アミノブタジエン系、トリアジン系、サリチル酸フェニル系、ベンゾエート系の化合物等が含まれる。これらの中でも、トリアジン系、ベンゾトリアゾール系、およびベンゾフェノン系の有機紫外光吸収剤であることが、紫外光を十分に吸収し、かつ可視光重合開始剤の励起を阻害し難いとの観点から好ましい。
チアゾリドン系紫外光吸収剤の例には、チアゾリドンまたはその誘導体が含まれる。
ベンゾトリアゾール系紫外光吸収剤の例には、2−(2’−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビス[6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール](分子量659;例えばADEKA社のLA31)、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール(分子量447.6;例えばBASFジャパン社のチヌビン234)等が含まれる。
アクリロニトリル系紫外光吸収剤の例には、2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリル酸エチル、2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリル酸2−エチルヘキシル等が含まれる。
ベンゾフェノン系紫外光吸収剤の例には、2,4−ジヒドロキシ−ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシ−ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ドデシロキシ−ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクタデシロキシ−ベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシ−ベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシ−ベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシ−ベンゾフェノン等が含まれる。
アミノブタジエン系紫外光吸収剤の例には、公知のアミノブタジエン系紫外光吸収剤が含まれる。
トリアジン系紫外光吸収剤の例には、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−エトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−(2−ヒドロキシ−4−プロポキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−(2−ヒドロキシ−4−ブトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−ブトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−ヘキシルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−ベンジルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、〔2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−(ヘキシル)オキシフェノール〕(例えばBASFジャパン社製のチヌビン1577FF)、〔2−[4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル]−5−(オクチルオキシ)フェノール〕(例えばサイテックインダストリーズ社製のCYASORB UV−1164)等が含まれる。
サリチル酸フェニル系紫外光吸収剤の例には、フェニルサルチレート、2−4−ジ−t−ブチルフェニル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート等が含まれる。
ベンゾエート系紫外光吸収剤の例には、2,4−ジ−tert−ブチルフェニル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート(分子量438.7;例えば住友化学社のSumisorb400)等が含まれる。
ヒンダードアミン系紫外光吸収剤の例には、ビス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)セバケート等が含まれる。
有機系の光重合開始剤は、上記のなかでも、分子量が400以上である化合物が好ましい。分子量が400以上であると、樹脂組成物から揮発し難く、加熱硬化時にも揮発し難い。そのため、比較的少量で耐光性を高めることが可能である。
一方、無機紫外光吸収剤の例には、金属酸化物顔料等が含まれる。具体的には、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化アンチモン、またはこれらの混合物等とすることができる。
紫外光吸収剤は、樹脂組成物中の総量に対して0.05〜5質量%含まれることが好ましく、0.1〜2質量%含まれることがより好ましく、0.2〜1質量%含まれることがさらに好ましい。紫外光吸収剤が上記範囲含まれると、得られる立体造形物の耐光性が良好になりやすい。
1−5.硬化剤
樹脂組成物には、通常、上述の熱重合性化合物を硬化させるための硬化剤や硬化促進剤がさらに含まれる。硬化剤や硬化促進剤の種類は、上述の熱重合性化合物の種類等に応じて適宜選択される。
硬化剤や硬化促進剤の例には、エチレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等の炭素数2〜20の直鎖脂肪族ジアミン、メタフェニレンジアミン、パラフェニレンジアミン、パラキシレンジアミン、4,4'−ジアミノジフェニルメタン、4,4'−ジアミノジフェニルプロパン、4,4'−ジアミノジフェニルエーテル、4,4'−ジアミノジフェニルスルホン、4,4'−ジアミノジシクロヘキサン、ビス(4−アミノフェニル)フェニルメタン、1,5−ジアミノナフタレン、メタキシレンジアミン、パラキシレンジアミン、1,1−ビス(4−アミノフェニル)シクロヘキサン、N,N−ジメチル−n−オクチルアミン、ジシアノジアミド等のアミノ類;アニリン変性レゾール樹脂やジメチルエーテルレゾール樹脂等のレゾール型フェノール樹脂;フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、tert−ブチルフェノールノボラック樹脂、ノニルフェノールノボラック樹脂等のノボラック型フェノール樹脂;フェニレン骨格含有フェノールアラルキル樹脂、ビフェニレン骨格含有フェノールアラルキル樹脂等のフェノールアラルキル樹脂;ナフタレン骨格やアントラセン骨格のような縮合多環構造を有するフェノール樹脂;ポリパラオキシスチレン等のポリオキシスチレン;ヘキサヒドロ無水フタル酸(HHPA)、メチルテトラヒドロ無水フタル酸(MTHPA)等の脂環族酸無水物、無水トリメリット酸(TMA)、無水ピロメリット酸(PMDA)、ベンゾフェノンテトラカルボン酸(BTDA)等の芳香族酸無水物を含む酸無水物等;ポリサルファイド、チオエステル、チオエーテル等のポリメルカプタン化合物;イソシアネートプレポリマー、ブロック化イソシアネート等のイソシアネート化合物;カルボン酸含有ポリエステル樹脂等の有機酸類等;ナフテン酸亜鉛、ナフテン酸コバルト、オクチル酸スズ、オクチル酸コバルト、ビスアセチルアセトナートコバルト(II)、トリスアセチルアセトナートコバルト(III)、アセチルアセトナート亜鉛等の有機金属塩が含まれる。樹脂組成物には硬化剤や硬化促進剤が1種のみ含まれていてもよく、2種以上含まれていてもよい。当該硬化剤や硬化促進剤の量は、熱重合性の種類や量に合わせて適宜選択される。
硬化剤や硬化促進剤の量は、上述の熱重合性化合物の量に合わせて適宜選択される。
1−6.光安定剤
樹脂組成物には、光安定剤が含まれていてもよい。光安定剤の例には、光酸化防止剤、光老化防止剤、一重項酸素消光剤、スーパーオキシドアニオン消光剤、オゾン消光剤、および赤外線吸収剤等が含まれる。
そのうち、ヒンダードアミン系光安定剤が好適に用いられ、例えば、ポリ〔〔6−(N−モルホリノ)−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル〕〔(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ〕ヘキサメチレン〔(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ〕(住友化学工業社製、スミソルブ500)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)(アデカアーガス社製)、ポリ〔〔6−1,1,3,3−テトラメチルブチル)イミノ−1,3,5−トリアジン−2、4−ジイル〕(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ〕ヘキサメチレン〔(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ〕(チバガイギー社製、チヌビン944−LD)、コハク酸ジメチル−1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物(チバガイギー社製、チヌビン622LD)、2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタチル−4−ピペリジル)(チバガイギー社製、チヌビン144)、N、N,−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミン−2,4−ビス〔N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ〕−6−クロロ−1,3,5−トリアジン縮合物、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート(三共社製、サノールLS770)、ビス(N−メチル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート(三共社製、サノールLS292)、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジン(三共社製、サノールLS−744)、8−アセチル−3−ドデシル−7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアザスピロ〔4.5〕デカン−2,4−ジオン(三共社製、サノールLS−440)、1−〔2−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕エチル〕−4−〔3−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン(三共社製)、2,2,4,4−テトラメチル−20−(βーラウリル−オキシカルボニル)−エチル−7−オキサ−3,20−ディアザデイスピオ(5,1,11,2)ヘンエイコサン−21−オン(サンド社製、Sanduvor305)、〔N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−β−アラニン〕ドデシルエステル、ミリスチルエステル混合物(サンド社製、Sanduvor3052)、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシリックアシドビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)エステル、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシリックアシドビス(N−メチル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)エステル等が含まれる。
光安定剤は、樹脂組成物中の総量に対して0.05〜5質量%含まれることが好ましく、0.1〜2質量%含まれることがより好ましく、0.2〜1質量%含まれることがさらに好ましい。光安定剤が上記範囲含まれると、得られる立体造形物の耐光性が良好になりやすい。
1−7.フィラー
樹脂組成物に含まれるフィラーは特に制限されず、有機フィラーであってもよく、無機フィラーであってもよい。樹脂組成物には、フィラーが一種のみ含まれていてもよく、二種以上含まれていてもよい。
従来、活性光線エネルギーを選択的に照射して硬化させるための樹脂組成物中にフィラーが含まれると、紫外光のような短波長の光は散乱されやすく、硬化性が低下したり、得られる立体造形物の寸法精度が低下したりしやすかった。これに対し、本発明の樹脂組成物は、可視光により硬化させるため、フィラーが比較的大量に含まれていても、このような光の散乱が生じ難い。したがって、フィラー量を十分に多くすることができ、立体造形物の強度を高くすることが可能である。
フィラーの例には、ソーダ石灰ガラス、珪酸ガラス、硼珪酸ガラス、アルミノ珪酸ガラス、石英ガラス等からなるガラスフィラー;アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化チタン、チタン酸ジルコン酸鉛、炭化ケイ素、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、酸化スズ等からなるセラミックフィラー;鉄、チタン、金、銀、銅、スズ、鉛、ビスマス、コバルト、アンチモン、カドミウム等の金属単体、あるいはこれらの合金等からなる金属フィラー;グラファイト、グラフェン、カーボンナノチューブ等からなるカーボンフィラー;ポリエステル、ポリアミド、ポリアラミド、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール、多糖類等からなる有機高分子繊維;チタン酸カリウムウィスカー、シリコーンカーバイトウィスカー、シリコンナイトライドウィスカー、α−アルミナウィスカー、酸化亜鉛ウィスカー、ホウ酸アルミニウムウィスカー、炭酸カルシウムウィスカー、水酸化マグネシウムウィスカー、塩基性硫酸マグネシウムウィスカー、ケイ酸カルシウムウィスカー等からなるウィスカー状無機化合物(上記セラミックフィラーの針状の単結晶も含む);タルク、マイカ、クレイ、ワラストナイト、ヘクトライト、サポナイト、スチブンサイト、ハイデライト、モンモリロナイト、ノントライト、ベントナイト、Na型テトラシリシックフッ素雲母、Li型テトラシリシックフッ素雲母、Na型フッ素テニオライト、Li型フッ素テニオライト等の膨潤性雲母、バーミキュラライト等からなる粘土鉱物等が含まれる。またさらに、フィラーの例には、ポリエチレンやポリプロピレン等からなるポリオレフィンフィラー;FEP(四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合体)、PFA(四フッ化エチレン−パーフルオロアルコキシエチレン共重合体)、ETFE(四フッ化エチレン−エチレン共重合体)等からなるフッ素樹脂フィラー等も含まれる。
上記の中でも、有機高分子繊維が好ましく、特に多糖類からなるナノファイバーであることが好ましい。多糖類の例には、セルロース、ヘミセルロース、リグノセルロース、キチンおよびキトサン等が含まれる。これらのうち、得られる立体造形物の強度をより高める観点からは、セルロースおよびキチンが好ましく、セルロースがより好ましい。
セルロースからなる繊維状のフィラー、すなわちセルロースナノファイバー(以下、単に「ナノセルロース」ともいう。)は、植物由来の繊維質もしくは植物の細胞壁の機械的な解繊、酢酸菌による生合成、2,2,6,6-tetramethylpiperidine-1-oxyl radical(TEMPO)等のN−オキシル化合物による酸化または電解紡糸法等によって得られる、繊維状のナノフィブリルを主成分とするセルロースナノファイバーであってもよい。また、ナノセルロースは、植物由来の繊維質もしくは植物の細胞壁を機械的に解繊した後に酸処理等をして得られる、ウィスカー状(針状)に結晶化したナノフィブリルを主成分とするセルロースナノクリスタルであってもよく、その他の形状であってもよい。ナノセルロースは、セルロースを主成分とすればよく、リグニンおよびヘミセルロース等を含んでいてもよい。脱リグニン処理を行わず、疎水性であるリグニンを含有するナノセルロースは、光重合性化合物や熱重合性化合物との親和性が高いため好ましい。
上記フィラーの形状は特に制限されず、例えば繊維状(ウィスカー状を含む)であってもよく、粒子状であってもよいが、立体造形物の強度向上との観点から、繊維状であることが好ましい。
なお、フィラーが粒子状である場合、その平均粒径は0.005〜200μmであることが好ましく、0.01〜100μmであることがより好ましく、0.1〜50μmであることがさらに好ましい。粒子状のフィラーの平均粒径が0.1μm以上であると、立体造形物の強度が高まりやすくなる。一方、平均粒径が50μm以下であると、立体造形物を高精細に形成しやすくなる。なお、平均粒径は、樹脂組成物を透過型電子顕微鏡(TEM)で撮像して得られた画像を解析して、測定することができる。
一方、フィラーが繊維状である場合、その平均繊維径は、0.002μm以上20μm以下であることが好ましい。上記平均繊維径が0.002μm以上であると、立体造形物の強度が高まりやすくなる。平均繊維径が20μm以下であると、フィラーが樹脂組成物の粘度を高めすぎず、立体造形物の精度が良好になりやすい。フィラーの平均繊維径は、0.005μm以上10μm以下であることがより好ましく、0.01μm以上8μm以下であることがさらに好ましく、0.02μm以上5μm以下であることが特に好ましい。
フィラーの平均繊維長は、0.2μm以上200μm以下であることが好ましい。上記平均繊維長が0.2μm以上であると、立体造形物の強度が高まりやすくなる。上記平均繊維長が100μm以下であると、フィラー同士が絡み合うことによって生じるフィラーの沈降が生じにくい。フィラーの平均繊維長は、0.5μm以上100μm以下であることがより好ましく、1μm以上60μm以下であることがさらに好ましく、1μm以上40μm以下であることが特に好ましい。
フィラーのアスペクト比は、10以上10000以下であることが好ましい。アスペクト比が10以上であると、立体造形物の強度がより高くなりやすい。アスペクト比が10000以下であると、フィラー同士が絡み合って生じるフィラーの沈降が生じにくい。フィラーのアスペクト比は、12以上8000以下であることがより好ましく、15以上2000以下であることがさらに好ましく、18以上800以下であることが特に好ましい。
フィラーの平均繊維径、平均繊維長およびアスペクト比は、樹脂組成物を透過型電子顕微鏡(TEM)で撮像して得られた画像を解析して、測定することができる。
ここで、樹脂組成物に含まれるフィラーの量は、樹脂組成物の全質量に対して1〜50質量%であることが好ましく、5〜40質量%であることがより好ましい。フィラーの量が当該範囲であると、強度の高い立体造形物が得られやすくなる。
ここで、上記フィラーは、公知のシランカップリング剤等、各種表面処理剤によって表面処理されていてもよい。フィラーが表面処理されていると、フィラーと光重合性化合物や熱重合性化合物との密着性が高まり、より強度の高い立体造形物が得られやすくなる。
1−8.その他の成分
樹脂組成物には、可視光の照射による立体造形物の形成を可能にし、かつ得られる立体造形物に強度のムラを顕著に生じさせない限りにおいて、光増感剤、重合阻害剤、酸化防止剤、染料および顔料等の色材、消泡剤ならびに界面活性剤等の任意の添加剤がさらに含まれていてもよい。
1−9.樹脂組成物の物性
本発明の樹脂組成物は、JIS K−7117−1に準拠する方法で、回転式粘度計を用いて測定される、25℃の粘度が0.2〜100Pa・sであることが好ましく、1〜10Pa・sであることがより好ましい。樹脂組成物の粘度が当該範囲であると、後述の立体造形物の製造方法において適度な流動性が得られる。その結果、造形速度を向上させることができるとともに、樹脂組成物内でフィラー等が沈降し難くなり、ひいては立体造形物の強度が高まりやすくなる。
1−10.樹脂組成物の調製方法
上記樹脂組成物は、上記光重合性化合物、熱重合性化合物、可視光重合開始剤と、紫外光吸収剤と、必要に応じてフィラーや硬化剤、光安定剤等を任意の順で混合することで調製できる。
樹脂組成物の混合に用いられる装置としては公知のものを使用できる。例えば、ウルトラタラックス(IKAジャパン社製)、TKホモミクサー(プライミクス社製)、TKパイプラインホモミクサー(プライミクス社製)、TKフィルミックス(プライミクス社製)、クレアミックス(エム・テクニック社製)、クレアSS5(エム・テクニック社製)、キャビトロン(ユーロテック社製)、ファインフローミル(太平洋機工社製)のようなメディアレス撹拌機、ビスコミル(アイメックス製)、アペックスミル(寿工業社製)、スターミル(アシザワ、ファインテック社製)、DCPスーパーフロー(日本アイリッヒ社製)、エムピーミル(井上製作所社製)、スパイクミル(井上製作所社製)、マイティーミル(井上製作所社製)、SCミル(三井鉱山社製)などのメディア攪拌機等やアルティマイザー(スギノマシン社製)、スターバースト(スギノマシン社製)、ナノマイザー(吉田機械社製)、NANO 3000(美粒社製)などの高圧衝撃式分散装置が挙げられる。
また、あわとり練太郎(シンキー社製)やカクハンター(写真化学社製)等の自転公転ミキサーや、ハイビスミックス(プライミクス社製)、ハイビスディスパー(プライミクス社製)等の遊星式混合機、Nanoruptor(ソニック・バイオ社製)等の超音波分散装置も好適に用いることが可能である。
2.立体造形物の製造方法
上述した液体状の樹脂組成物は、可視光を選択的に照射して、前記光重合性化合物の硬化物を含む一次硬化物を形成する工程を含む、立体造形物の製造方法に使用することができる。
上述の樹脂組成物を用いた立体造形物の製造方法では、まず樹脂組成物に選択的に可視光を照射し、上述の光重合性化合物を所望の形状に硬化させて、一次硬化物を形成する光造形工程を行う。そして一次硬化物の形成後、当該一次硬化物内に含まれる熱重合性化合物を、熱重合させる熱硬化工程を行い、立体造形物を得る。なお、一次硬化物の作製後、さらに可視光を照射する可視光照射工程を行ってもよい。
このような立体造形物の製造方法の例には、以下の2つの実施形態が含まれるが、本発明の方法は、これらの方法に限定されない。
2−1.積層造形法(SLA法)
図1は、積層造形法により一次硬化物を作製するための装置(立体造形物の製造装置)の一例を示す模式図である。製造装置500は、液体状の樹脂組成物550を貯留可能な造形槽510と、造形槽510の内部で上下方向(深さ方向)に往復移動可能な造形ステージ520と、造形ステージ520を支持するベース521と、可視光の光源530と、可視光を造形槽510の内部に導くガルバノミラー531等を有する。
造形槽510は、製造しようとする一次硬化物を収容可能な大きさを有していればよい。また、可視光を照射するための光源530には、公知のものを使用することができる。可視光を照射するための光源の例には、メタルハライドランプ、ハロゲンランプ、キセノンランプ、LED、太陽光、超高圧水銀灯等が含まれる。これらの光源のなかでも、任意の波長を選択できることからLEDが特に好ましい。LED以外の光源については、紫外光が含まれるため、フィルターを介して紫外光を除去することが好ましい。照射する可視光の波長は、400〜550nmであることが好ましく、420〜500nmであることがより好ましい。
当該方法ではまず、樹脂組成物550を造形槽510内に充填する。またこのとき、樹脂組成物550の液面から、作製する造形物層(第1造形物層)の厚み分だけ下方に造形ステージ520を配置する。この状態で、光源530から出射された可視光を、ガルバノミラー531等で導いて走査し、造形ステージ520上の樹脂組成物550に照射する。このとき、第1造形物層を形成する領域にのみ選択的に可視光を照射することで、所望の形状に第1造形物層が形成される。
その後、造形ステージ520を1層分の厚み(次に作製する第2造形物層の厚み分)だけ降下(深さ方向へ移動)させて、第1造形物層を樹脂組成物550の中に沈下させる。これにより、上記第1造形物層上に樹脂組成物が供給される。続いて上記と同様に、光源530から出射された可視光を、ガルバノミラー531等で導き、第1造形物層より上方に位置する樹脂組成物550に照射する。このときも、第2造形物層を形成する領域にのみ選択的に可視光を照射する。これにより、前述の第1造形物層上に第2造形物層が積層される。
その後、造形ステージ520の降下(樹脂組成物の供給)、および可視光の照射、を繰り返すことで、所望の形状に一次硬化物が形成される。なお、上記方法で作製する一次硬化物の形状は、最終的に作製する立体造形物の形状と同様とする。
得られた一次硬化物に対し、必要に応じて、さらに可視光を照射してもよい。可視光の照射は、所望の範囲のみ行ってもよく、一次硬化物全体に対して行ってもよい。このような可視光照射を行うと、一次硬化物の内部まで重合性が高まり、得られる立体造形物の反りが抑制されやすくなる。内部まで硬化させると反りが抑制される理由としては、一次硬化物中の熱硬化成分は未硬化状態であり、加熱により重合する過程で硬化収縮が生じる。そしてこのとき、一次硬化物が高温下で収縮応力を受けると、反りが発生しやすくなる。そこで、一次硬化物にさらに可視光照射を行い、内部の重合度を高めておくことにより、一次硬化物の強度が増し、熱硬化成分の硬化収縮による変形を低減できることから、反りが抑制される。
その後、一次硬化物に含まれる熱重合性化合物を、公知の方法で加熱し、硬化させる。一次硬化物を加熱する際には、一次硬化物が変形しない温度とすることが好ましく、例えば光重合性化合物の硬化物のガラス転移温度(Tg)より低い温度とすることが好ましい。
2−2.連続造形法(CLIP法)
図2は、連続造形法により一次硬化物を作製するための装置(立体造形物の製造装置)の一例を示す模式図である。図2に示すように、製造装置600は、液体状の樹脂組成物を貯留可能な造形槽610と、上下方向(深さ方向)に往復移動可能な造形ステージ620と、可視光を照射するための光源660等と、を有する。造形槽610は、その底部に、樹脂組成物を透過させず、可視光および酸素は透過させる窓部615を有する。なお、造形槽610は、製造しようとする立体造形物よりも広い幅を有し、かつ樹脂組成物と相互作用しないものであれば、その材質等は特に制限されない。また、窓部615の材質も、本実施形態の目的および硬化を損なわない範囲であれば特に制限されない。
また、可視光を照射するための光源660は公知のものを使用することができ、積層造形法に用いる光源と同様とすることができる。また、光源660に液晶パネルやデジタルミラーデバイス(DMD)等の空間光変調器(Spatial Light Modulator:SLM)を有するSLM投影光学系を用いることで、可視光を所望の領域に面照射してもよい。なお、CLIP法では特に、波長420〜550nmの光を照射できる光源であることが好ましく、波長440〜500nmの光を照射できる光源であることがさらに好ましい。
当該方法では、まず、造形槽610に上述の樹脂組成物を充填する。そして、造形槽610の底部に設けられた窓部615から、造形槽610の底部側に酸素を導入する。酸素の導入方法は特に制限されず、例えば造形槽610の外部を酸素濃度が高い雰囲気とし、当該雰囲気に圧力をかける方法等とすることができる。
このように窓部615から造形槽610内に酸素を供給することにより、窓部615側の領域では、酸素濃度が上昇し、可視光を照射されても光重合性化合物が硬化しないバッファ領域642が形成される。一方で、バッファ領域642より上側の領域では、酸素の濃度がバッファ領域642より十分に低くなり、可視光の照射によって、光重合性化合物が硬化可能な硬化用領域644となる。
続いて、前記バッファ領域側642から可視光を選択的に照射して、硬化用領域644で光重合性化合物の硬化物を形成する工程を行う。具体的には、一次硬化物作製の基点となる造形ステージ620を、硬化用領域644とバッファ領域642との界面近傍に配置する。そして、バッファ領域642側に配置された光源660から造形ステージ620の底面側に、選択的に可視光を照射する。これにより、造形ステージ620の底面近傍(硬化用領域644)の光重合性化合物が硬化して、一次硬化物の最上部が形成される。
その後、造形ステージ620を上昇(バッファ領域642から離れる方向に移動)させる。これにより、硬化物651より造形槽610底部側の硬化用領域644に、未硬化の樹脂組成物が新たに供給される。そして、造形ステージ620および硬化物651を連続的に上昇させながら、光源660から可視光を連続的、かつ選択的(硬化させる領域)に照射する。これにより、造形ステージ620底面から造形槽610の底部側にかけて硬化物が連続して形成され、継ぎ目がなく、強度の高い一次造形物が製造される。なお、本実施形態においても、一次硬化物の形状は、最終的に作製する立体造形物の形状と同様とする。
その後、得られた一次硬化物に対し、必要に応じて、さらに可視光を照射してもよい。可視光の照射は、所望の範囲のみ行ってもよく、一次硬化物全体に対して行ってもよい。上述のように、このような可視光照射を行うと、一次硬化物内部の光重合性化合物の重合性が高まり、得られる立体造形物の反りが抑制されやすくなる。
その後、一次硬化物に含まれる熱重合性化合物を、公知の方法で加熱し、硬化させる。一次硬化物を加熱する際には、一次硬化物が変形しない温度とすることが好ましく、例えば光重合性化合物の硬化物のガラス転移温度(Tg)より低い温度とすることが好ましい。
なお、上述のCLIP法では、樹脂組成物の粘度が高いと、造形槽610の硬化用領域644に新たな樹脂組成物が充填されにくい。そのため、形成された硬化物651を持ち上げにくかったり、無理に持ち上げると樹脂組成物が硬化用領域644に均一に充填されず、得られる立体造形物の強度が低下したりすることがあった。これに対し、バッファ領域642の厚みを厚くすれば、硬化用領域644に新たな樹脂組成物が充填されやすくなると考えられる。しかしながら、従来の紫外光のような短波長の光は、バッファ領域642の厚みが厚くなると、硬化用領域644に十分に届き難く、従来はバッファ領域642の厚みを厚くすることができなかった。
これに対し、可視光はその波長が長いことから、バッファ領域642の厚みが厚くとも、十分に硬化用領域644まで到達しやすい。したがって、本発明の製造方法によれば、バッファ領域642の厚みを厚くすることが可能であり、強度の高い立体造形物を作製することができる。
以下において、本発明の具体的な実施例を説明する。なお、これらの実施例によって、本発明の範囲は限定して解釈されない。
1.材料
実施例および比較例における樹脂組成物の調製に際し、以下に示す材料を準備した。
(光重合性化合物)
・アクリレート系化合物:トリメチルプロパントリアクリレート、およびジアクリレート(Sartomer社製CN120Z)
・シリコーンアクリレート系化合物:(Bluestar Silicones社製、UV RCA 170)
(熱重合性化合物)
・エポキシ系化合物:ポリ[2−(クロロメチル)オキシラン−alt−4,4’−(プロパン−2,2−ジイル)ジフェノール](Huntsman社製 Araldite 506)、およびその硬化剤(4,4’−メチレンビス(2,6−ジメチルアニリン)
・シリコーン系化合物:一液付加硬化型シリコーン(信越化学工業社製、KE−1056)、およびその硬化剤(N,N−ジメチルオクチルアミン)
・ウレタン系化合物:イソホロンジイソシアネート、およびその硬化剤(ポリテトラメチレンオキシド)
・シアネートエステル系化合物:1−ビス(4−シアナトフェニル)エタン、ならびにその硬化剤(亜鉛(II)アセチルアセトナート一水和物を1500ppm含有するイソボルニルアクリレート溶液および2−(5−クロロ−2−ベンゾトリアゾリル)−6−tert−ブチル−p−クレゾール)
(可視光重合開始剤)
・カンファーキノン(東京化成工業社製、極大吸収470nm)
・3−ケトクマリン(東京化成工業社製、極大吸収460nm)
(紫外光重合開始剤)
・アルキルフェノン系光重合開始剤(BASF社製、IRGACURE184、極大吸収330nm)
(紫外光吸収剤)
・ベンゾフェノン系紫外光吸収剤:ADEKA社製、アデカスタブ1413
・ベンゾトリアゾール系紫外光吸収剤:ADEKA社製、アデカスタブLA−32
・トリアジン系紫外光吸収剤:ADEKA社製、アデカスタブLA−46
・ベンゾエート系紫外光吸収剤:住友化学社製、スミソルブ400
(光安定剤)
・ヒンダードアミン系光安定剤:住友化学社製、スミソルブ500
(フィラー)
・硫酸マグネシウムウィスカー:宇部マテリアルズ社製、モスハイジ
・セルロースナノファイバー:スギノマシン社製、BiNFis
2.樹脂組成物の調製
(実施例1〜9、および比較例1〜5)
下記表1に示す材料および質量比で、各成分を混合し、樹脂組成物を得た。混合は、遊星方式混練機(プライミクス社製ハイビスミックス2P−1)により、公転速度60rpm、自転速度180rpmで5分間行った。
3.立体造形物の作製
上述の樹脂組成物を用い、それぞれ下記に示す方法で立体造形物を作製した。
(比較例1〜5、実施例1〜3)
図1に示す構成を有する立体造形物の製造装置の造形槽510に、上記で作製した樹脂組成物をそれぞれ投入した。そして、比較例1〜5については、光源530として波長370nm、出力70mWのレーザーダイオード(日亜化学工業社製NDU4116)を、また実施例1〜3については、光源530として、波長460nm、出力100mWのレーザーダイオード(日亜化学工業社製NDB4216)を用いて、光の照射および造形ステージ520の降下を繰り返して、JIS K7161−2(ISO 527−2)1A形の試験片形状の一次硬化物を得た。なお、引張試験片の長手方向が造形方向(ステージの降下方向)となる一次硬化物、および引張試験片の長手方向が造形方向に水平となる一次硬化物をそれぞれ作製した。得られた一次硬化物を、イソプロピルアルコールで洗浄した。
比較例1および4については、当該一次硬化物を、そのまま立体造形物とした。
一方、比較例2、3、および5、ならびに実施例1および2の一次硬化物は、下記の表1に示す条件で熱硬化させた。
また、実施例3の一次硬化物については、キセノンランプにより波長400〜700nmの光を、照射強度が5mW/cmとなるように、立体造形物(試験片)の両面にそれぞれ5分ずつ照射した。その後、下記の表1に示す条件で熱硬化させた。
(実施例4〜9)
立体造形物の作製には、図2に示す製造装置600の造形槽610に樹脂組成物を投入した。当該造形槽610の底部には、重合阻害剤である酸素の透過が可能なBiogeneral社製の0.0025インチ厚のTeflon(登録商標)AF2400フィルム(窓部615)が配置されている。そして、造形槽610の外側の雰囲気を酸素雰囲気としたうえで、適度に加圧を行った。これにより、造形槽610の底部側に、樹脂組成物および酸素を含むバッファ領域642が形成され、バッファ領域642より上部は、バッファ領域より酸素濃度が低い硬化用領域644となった。
そして、可視光源660:DLP式プロジェクタ(Optoma社製HD 142X)から光を面状に照射しながら造形ステージ620を上昇させた。このとき、可視光の照射強度は5mW/cmとした。また、造形ステージ620の引き上げ速度は、50mm/hrとした。そして、JIS K7161−2(ISO 527−2) 1A形の試験片形状となるように、立体造形物を作製した。当該方法により、引張試験片の長手方向が水平方向および造形方向(造形ステージ620の引き上げ方向)となる一次硬化物、および、さらには引張試験片の長手方向が造形方向に水平となる一次硬化物をそれぞれ作製した。得られた立体造形物をイソプロピルアルコールで洗浄した。
実施例4、5、および7〜9の一次硬化物は、下記の表1に示す条件で、熱硬化させた。
一方、実施例6の一次硬化物については、キセノンランプにより波長400〜700nmの光を、照射強度が5mW/cmとなるように、立体造形物(試験片)の両面にそれぞれ5分ずつ照射した。その後、下記の表1に示す条件で熱硬化させた。
Figure 2019167895
4.評価
得られた立体造形物を、以下の方法で評価した。得られた結果を表2に示す。
(強度)
長手方向が造形方向となる立体造形物、および長手方向が造形方向に水平となる立体造形物について、それぞれ引張強度をJIS K7161−1に準拠して引張試験にて評価した。このとき、掴み具間の距離は115mm、試験速度は5mm/分とした。また、破断時の応力を試験片の断面積で割った値を、各引張強度として算出した。
長手方向が造形方向に水平となる立体造形物については、以下の基準で評価した。
◎:水平方向の引張強度が100MPa以上である
○:水平方向の引張強度が20MPa以上100MPa未満である
×:水平方向の引張強度が20MPa未満である
長手方向が造形方向となる立体造形物については、以下の造形強度比で評価した。
造形方向強度比=造形方向の引張強度/造形方向に水平方向の引張強度
◎:造形方向強度比が0.9以上
○:造形方向強度比が0.6以上0.9未満
×:造形方向強度比が0.6未満
(反り)
上述の立体造形物(長手方向が造形方向に水平方向)を金属製定盤上に置き、レーザ変位計(キーエンス社製LK−G5000)を用いて厚み方向にスキャンした。そして、立体造形物の反り量を以下のように算出した。
反り量=試験片の高さの最大値−試験片の高さの最小値
◎:0.5mm未満
○:0.5mm以上2mm未満
×:2mm以上
(耐光性)
上述の立体造形物(長手方向が造形方向に水平方向)に対して、スガ試験機株式会社製7.5kWスーパーキセノンウェザーメータSX75を用い、JISD0205に準拠して耐光性試験を行った。耐光性試験は、ブラックパネル温度60℃、相対湿度50%の環境下にて、キセノンアーク灯を用いて行った。また、波長範囲300〜400nmの光を、試料面放射強度が75W/mとなるように、珪酸塩ガラスのアウターガラスフィルター及び石英ガラスのインナーフィルターを介して300時間照射した。その後、耐光性試験後の強度保持率を以下のように算出し、評価した。
強度保持率=耐光性試験後の引張強度/耐光性試験前の引張強度
◎:強度保持率が0.9以上
○:強度保持率が0.8以上0.9未満
△:強度保持率が0.6以上0.8未満
×:強度保持率が0.4以上0.6未満
××:強度保持率が0.4未満
Figure 2019167895
上記表2に示されるように、熱重合性樹脂を含まない場合には、得られた立体造形物が反りやすかった(比較例1および4)。また、熱重合性樹脂を含み、かつ紫外光吸収剤を含まない場合(比較例2および5)には耐光性が低くなりやすかった。また特に、紫外光で硬化させた比較例2では、反りの評価も低かった。これは、一次硬化物を作製する際の光によって劣化したため、熱重合性化合物を添加した効果が得られなかったと考えられる。一方、紫外光吸収剤を含む樹脂組成物を紫外光で硬化させると、十分に硬化できず、強度が非常に低くなった(比較例3)。
これに対し、光重合性化合物、熱重合性化合物、可視光重合開始剤、および紫外光吸収剤を含む樹脂組成物においては、耐光性が高く、かつ水平方向および造形方向共に強度が高かった。紫外光吸収剤を含んでいたとしても、可視光で硬化させたため、硬化が阻害されにくく、強度が高かったと推察される(実施例1〜9)。また、これらの実施例は、熱重合性化合物を含むため、反りも生じ難くかった。
特に、一次硬化物の作製後、さらに光照射工程を含む場合には、硬化物に反りが生じ難かった(実施例3および6)。一方、フィラーを含む場合には、得られる立体造形物の強度が高まりやすかった(実施例2および7)。さらに、光安定剤を含む場合には特に耐光性が高まりやすかった(実施例5)。なお、立体造形方法として、SLA法より、CLIP法のほうが、造形方向の強度が高かった。CLIP法では、継ぎ目なく立体造形物を作製するため、造形方向の強度が高くなったと考えられる。
本出願は、2018年3月1日出願の特願2018−036684号に基づく優先権を主張する。当該出願明細書および図面に記載された内容は、すべて本願明細書に援用される。
本発明の樹脂組成物によれば、反りが少なく、強度が高く、さらには耐光性が良好な造形物を提供できる。したがって、本発明は、樹脂組成物を用いた立体造形物の適用の幅を広げ、同分野の技術の進展および普及に貢献することが期待される。
500、600 製造装置
510、610 造形槽
615 窓部
520、620 造形ステージ
521 ベース
530、660 光源
531 ガルバノミラー
550 樹脂組成物
642 バッファ領域
644 硬化用領域
651 硬化物

Claims (10)

  1. 液体状の樹脂組成物に可視光を選択的に照射して、前記樹脂組成物の硬化物からなる立体造形物を製造する方法に使用される樹脂組成物であって、
    光重合性化合物と、
    熱重合性化合物と、
    可視光重合開始剤と、
    紫外光吸収剤と、
    を含む樹脂組成物。
  2. 前記光重合性化合物および/または前記熱重合性化合物が、芳香環、トリアジン環、エステル結合、ウレタン結合、およびウレア結合からなる群から選ばれる少なくとも一種の構造を、分子内に含む、
    請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 前記可視光重合開始剤が、波長400nm以上の領域に吸収極大を有する、
    請求項1または2に記載の樹脂組成物。
  4. 光安定剤をさらに含む、
    請求項1〜3のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
  5. フィラーをさらに含む、
    請求項1〜4のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の樹脂組成物に可視光を選択的に照射して、前記光重合性化合物の硬化物を含む一次硬化物を形成する光造形工程を含む、
    立体造形物の製造方法。
  7. 前記一次硬化物を、さらに熱硬化させる熱硬化工程を含む、
    請求項6に記載の立体造形物の製造方法。
  8. 前記熱硬化工程前に、前記一次硬化物にさらに可視光を照射する光照射工程を含む、
    請求項7に記載の立体造形物の製造方法。
  9. 前記光造形工程が、
    前記樹脂組成物および酸素を含み、酸素により前記光重合性化合物の硬化が阻害されるバッファ領域、ならびに前記樹脂組成物を少なくとも含み、前記バッファ領域より酸素濃度が低く、前記光重合性化合物の硬化が可能な硬化用領域を、造形物槽内に隣接して形成する第1の工程と、
    前記バッファ領域側から前記樹脂組成物に可視光を選択的に照射して、前記硬化用領域で前記光重合性化合物を硬化させる第2の工程と、
    を含み、
    前記第2の工程では、形成された硬化物を前記バッファ領域とは反対側に移動させながら、前記硬化用領域に連続的に可視光を照射し、前記一次硬化物を形成する、
    請求項6〜8のいずれか一項に記載の立体造形物の製造方法。
  10. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の樹脂組成物の硬化物である、立体造形物。
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