JPWO2019156219A1 - マグネシウムイオンキャパシタ - Google Patents

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Abstract

【課題】リチウム以外の元素を用いてリチウムイオキャパシタと同等以上の比容量を持つキャパシタを提供する。【解決手段】マグネシウムイオンキャパシタ10に、マグネシウムイオンとアニオンとが結合した金属塩を有機溶媒に溶解させた電解質40と、炭素材料で形成されて脱溶媒和したマグネシウムイオンを吸蔵し放出することができる大きさの細孔が形成された正極20と、セパレータ50と、セパレータを挟んで正極20の反対側に配置された負極30と、を備える。負極30に、脱溶媒和したマグネシウムイオンを吸蔵し放出することができる大きさの細孔が形成されていてもよい。【選択図】図1

Description

本発明は、マグネシウムイオンキャパシタに関する。
リチウムイオン二次電池は、正極と負極との間をリチウムイオンが移動することで充放電を行う二次電池である。リチウムイオン二次電池には、たとえば正極にLiCoO、負極に炭素材料、電解質に有機溶媒を用いる。電気二重層キャパシタは、両極の表面近傍で生じる電気二重層形成という現象を利用して蓄電量を高めたキャパシタ(コンデンサ)である。
キャパシタは,二次電池ではカバーできない急速充放電特性および長寿命特性を有している。このため、さまざまな電子機器へ応用されている。たとえば、エネルギー回生や自然エネルギー負荷平準、瞬時停電バックアップ、パワーアシストなどでキャパシタが用いられている。キャパシタの性能強化や用途拡大に向けて、さらなる高容量化が望まれている。
リチウムイオン二次電池の負極と電気二重層キャパシタの正極とを組み合わせたリチウムイオンキャパシタが知られている。リチウムイオンキャパシタは、正極活物質として活性炭、負極活物質としてリチウムイオンを吸蔵及び放出可能な炭素材料を用いている。
特開2017−139324公報 特開2008−159634公報
K.Urita、外5名、"The Ideal Porous Structure of EDLC Carbon Electrodes with Extremely High Capacitance"、Nanoscale、9巻40号、15643頁−15649頁、2017
リチウムは、近年、二次電池に多用されているが、今後、コスト面も含めて供給の安定性の点が問題となる可能性がある。
キャパシタの容量は、原理的には電極面積に比例するため、バルク電解液中の溶媒和イオンがアクセスしやすいメゾ孔サイズ領域(2〜50nm)の細孔が発達した高比表面積多孔性炭素材料の開発が行われている。しかし高い比表面積化には物理的な限界があり、現状としては比表面積の増大による高容量化は頭打ちである。リチウムイオンキャパシタの容量は、正極材料に支配されるため,キャパシタと同様に、高エネルギー密度にも、限界がある。
そこで、本発明は、リチウム以外の元素を用いてリチウムイオンキャパシタと同等以上の比容量を持つキャパシタを提供することを目的とする。
上述の目的を達成するため、本発明は、マグネシウムイオンキャパシタにおいて、マグネシウムイオンとアニオンからなる金属塩を有機溶媒に溶解させた電解質と、炭素材料で形成されて脱溶媒和したマグネシウムイオンを吸蔵し放出することができる大きさの細孔が形成された正極と、セパレータと、前記セパレータを挟んで前記正極の反対側に配置された負極と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、リチウム以外の元素を用いてリチウムを用いた電気二重層キャパシタと同等以上の比容量を持つキャパシタを提供することができる。
本発明に係るマグネシウムイオンキャパシタの一実施の形態における模式的断面図である。 本発明に係るマグネシウムイオンキャパシタの一実施の形態の特性を評価するための定電流充放電測定装置の模式図である。 本発明に係るマグネシウムイオンキャパシタの一実施の形態の特性を評価した例であるマグネシウム塩とリチウム塩の充放電曲線を示すグラフである。 本発明に係るマグネシウムイオンキャパシタの一実施の形態の比容量測定試験に供したサンプルの概要を示す表である。 本発明に係るマグネシウムイオンキャパシタの一実施の形態の比容量の測定結果を同じ正極を用いたリチウムイオンキャパシタの比容量とともに示すグラフである。 本発明に係るマグネシウムイオンキャパシタの一実施の形態に用いた正極材料の代表的な透過型電子顕微鏡写真である。 本発明に係るマグネシウムイオンキャパシタの一実施の形態に用いた正極材料のミクロ細孔の形状ごとのサイズの割合比を示すグラフである。 本発明に係るマグネシウムイオンキャパシタの一実施の形態のTFSI系電解液でのレート特性評価結果のグラフである。
本発明に係るマグネシウムイオンキャパシタの一実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、この実施の形態は単なる例示であり、本発明はこれに限定されない。同一または類似の構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
図1は、本発明に係るマグネシウムイオンキャパシタの一実施の形態における模式的断面図である。
本実施の形態のマグネシウムイオンキャパシタ10は、正極20と負極30と電解質40とセパレータ50とを有している。正極20と負極30と電解質40とセパレータ50とは、ケース60に収納されている。正極20および負極30には、ケース60の外部に延びるリード61が接続されている。
電解質40は、マグネシウムイオンと(ClOなどのアニオンからなる過塩素酸マグネシウム:Mg(ClOなどの金属塩を有機溶媒に溶解させたものである。
有機溶媒としては、たとえば、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート、4−トリフルオロメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、1,2−ジ(メトキシカルボニルオキシ)エタンなどのカーボネート類;1,2−ジメトキシエタン、1,3−ジメトキシプロパン、ペンタフルオロプロピルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフランなどのエーテル類;ギ酸メチル、酢酸メチル、γ−ブチロラクトンなどのエステル類;アセトニトリル、ブチロニトリルなどのニトリル類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドなどのアミド類;3−メチル−2−オキサゾリドンなどのカーバメート類;スルホラン、ジメチルスルホキシド、1,3−プロパンサルトンなどの含硫黄化合物、あるいは上記の有機溶媒にさらにフッ素置換基を導入したものを用いることができる。これらのうち1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。ただし、これらに限定されるものではない。
また、電解質40には、その機能の向上等の目的のため、他の成分を必要に応じて含むこともできる。他の成分としては、例えば、従来公知である過充電防止剤、脱水剤、脱酸剤、容量維持特性およびサイクル特性を改善するための特性改善助剤が挙げられる。
正極20は、炭素を含有する材料で形成されている。正極20は、たとえばメッシュ状のチタンなど集電用の金属を備えていてもよい。正極20は、たとえば平板状である。正極20には、脱溶媒和したマグネシウムイオンを吸蔵し放出することができる大きさの細孔が形成されている。
正極20に形成された細孔は、断面が略円形であって、マグネシウムイオンに有機溶媒の溶媒分子が最大数に配位した溶媒和マグネシウムイオンから、溶媒分子のうち少なくとも1つの溶媒分子が脱離した脱溶媒和マグネシウムイオンが進入することができる大きさであることが好ましい。
炭素材料の細孔構造を制御する賦活化の方法としては、例えば、水酸化カリウムや水酸化ナトリウムなどのアルカリを使用したアルカリ賦活法、ガス賦活法、薬品賦活法がある。
炭素材料の評価方法としては、高精度ガス吸脱着等温線測定、ならびにグランドカノニカルモンテカルロ(GCMC)コンピューターシミュレーション法を用いることができる。これらの方法により、細孔サイズや分布、各細孔サイズ領域の比表面積や比容積が評価できる。また細孔形状や結晶性等の評価は、X線回折やラマン分光法、透過型電子顕微鏡観察により行われる。
負極30は、セパレータ50を挟んで正極20の反対側に配置されている。負極30は、炭素材料であってもよい。負極30には、マグネシウムイオンを吸蔵し放出することができる材料で形成されていてもよい。負極30は、マグネシウム金属を芽乳していてもよい。負極30は、たとえばメッシュ状のチタンなど集電用の金属を備えていてもよい。
充電過程では、正極20にはアニオンが物理吸着する。また負極30では、マグネシウムイオンが吸着する。逆に、放電過程では、正極20からアニオンが脱離した後に、マグネシウムイオンが吸蔵される。このように正極のマグネシウムイオンの動きは、電気二重層キャパシタと同様のメカニズムをとる。
正極20とセパレータ50と負極30とは、積層されて、全体が円柱状になるように回巻されていてもよい。
図2は、本実施の形態のマグネシウムイオンキャパシタの特性を評価するための定電流充放電測定装置の模式図である。
本実施の形態のマグネシウムイオンキャパシタの特性評価の一例として、図2に示した装置を用い、アルカリ賦活化した炭素材料の定電流での充放電試験を行った。炭素材料92w%とポリテトラフルオロエチレン2w%を混合したものをチタンメッシュ上に固定化して、正極および負極を作製した。有機溶媒としてプロピレンカーボネート、電解質として1mol%の過塩素酸マグネシウムを用いた。参照極は、銀―塩化銀電極を用いた。
評価の対照として、電解質を過塩素酸リチウム、負極にはリチウム金属をチタンメッシュ上に固定化し、同様に充放電試験を行った。
図3は、本実施の形態のマグネシウムイオンキャパシタの特性を評価した例であるマグネシウム塩とリチウム塩の充放電曲線を示すグラフである。
図3は、本実施の形態のマグネシウムイオンキャパシタのマグネシウムイオン電解液での電流密度0.05A/gにおける充放電曲線を示す。
特性評価では、マグネシウムイオンの方が、対照としたリチウムイオンよりも優れた充放電曲線を示した。放電過程において、電解液から正極の炭素材料の細孔へマグネシウムイオンが吸着され、逆に負極側の細孔から電解液中へマグネシウムイオンが放出されたことが寄与していることが示唆される。比容量としても250F/g程度を達成することが確認され、従来の電気二重層コンデンサ(EDLC)での比容量140F/g程度を、大幅に超える特性を示した。
セパレータ50は、電気絶縁性の材料で形成されている。例えば、ポリエチレン(PE)や、ポリプロピレン(PP)を微多孔質状に形成したものが使用される。
マグネシウムイオンは、溶媒中において、静電的な結合などによって溶媒分子と結びつき、溶媒分子に取り囲まれて溶解している。また、マグネシウムイオンは、ルイス酸性度(電子受容性)がリチウムイオンに比べて大きい。このため、マグネシウムイオンは、リチウムイオンに比べて、溶媒和数が大きく、脱溶媒和エネルギーが大きい。その結果、キャパシタにマグネシウムイオンを用いても、電極界面での正味の電荷が少ないため、一般的な活性炭電極では、電気二重層容量の増大には、あまり寄与しない傾向にある。
しかし、本実施の形態のマグネシウムイオンキャパシタでは、正極に脱溶媒和したマグネシウムイオンを吸蔵し放出することができる大きさの細孔が形成されている。このため、溶媒和した溶媒分子の一部が外れた脱溶媒和イオンが細孔に入り込むことにより、脱溶媒和イオンが二重層形成に寄与する。非特許文献1によれば、リチウムの例ではあるが、脱溶媒和したイオンが急増され放出される大きさの(端片径が約0.55nm〜1.5nm)の細孔が形成された炭素電極を用いるとキャパシタ容量が大きくなることがわかる。したがって、マグネシウムイオンを溶解した電解質を用いたキャパシタであっても、同様の効果が得られる。
マグネシウムの場合、0.55から1.5nm程度の細孔に加えて、1.5〜3nm程度の細孔にも、脱溶媒和したマグネシウムイオンが進入することができるため、キャパシタ容量増大に寄与できる。
溶媒和したマグネシウムイオンは、1.5〜3nm程度の細孔に入ったのち、さらに脱溶媒和し、0.55から1.5nm程度の細孔に入り込むことで、キャパシタ容量に寄与する。つまり、溶媒和イオンが入るための空間だけではなく、脱溶媒和する空間があった方が好ましい。つまり、脱溶媒和したマグネシウムイオンを吸蔵し放出することができる大きさの細孔には、溶媒和したマグネシウムイオンよりも小さくかつ脱溶媒和したマグネシウムイオンよりも大きい筒状の脱溶媒ゾーンが連結していることが好ましい。
本実施の形態のマグネシウムイオンキャパシタの効果を確認するため、複数種類の正極に対して、比容量を測定した。また、併せて、同じ正極を用いてリチウムイオンキャパシタとした場合の比容量を測定した。
図4は、本実施の形態のマグネシウムイオンキャパシタの比容量測定試験に供したサンプルの概要を示す表である。
サンプルT1は、フェノール樹脂由来活性炭(フタムラ化学株式会社製)である。サンプルT2、サンプルA1〜A4、および、サンプルW1、W2は、活性炭繊維(株式会社アドール製)である。
サンプルCH1、CH2は、ミクロ多孔カーボン材料である。サンプルC18、および、サンプルC45は、メゾ多孔カーボン材料である。サンプルCH1、CH2、サンプルC18、および、サンプルC45は、いずれも発明者らが実験室で合成した。サンプルM1〜M3は、KOH賦活活性炭である。サンプルM1〜M3は、株式会社MCエバテック製の炭素材料を原料として、賦活したものである。炭素の全細孔が全て水酸化カリウムで満たされると仮定して、原料の炭素材料に対して重量比で、1〜15倍の水酸化カリウム水溶液を加えてよく混合し、24時間撹拌し、濾過・乾燥した。その後、300〜500℃に保って脱水してから、アルゴンガス下で、700〜980℃の範囲で賦活する。この状態で、1〜10時間保持した。賦活後、混合物を冷却し、1mol/Lの塩酸溶液として超音波分散を行い、中和洗浄した。さらに超純水で、十分水洗し残存したアルカリ分を取り除き目的の炭素材料を得た。また賦活に用いるアルカリとしては、KOHだけでなく、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウムなども用いることができる。
図5は、本実施の形態におけるマグネシウムイオンキャパシタの比容量の測定結果を同じ正極を用いたリチウムイオンキャパシタの比容量とともに示すグラフである。
ほとんどのサンプルにおいて、マグネシウムイオンキャパシタの比容量は、リチウムイオンキャパシタの比容量に比べて同等以上であることがわかる。特に、サンプルCH1、CH2、サンプルM1〜M3、サンプルC18、および、サンプルC45は、マグネシウムイオンキャパシタの比容量の方が、リチウムイオンキャパシタの比容量に比べて高い。
正極材料のミクロ細孔の形状を電子顕微鏡で比較した。
図6は、本実施の形態に用いた正極材料の代表的な透過型電子顕微鏡写真である。
図5に結果を示した試験に供した正極材料のミクロ細孔は、概ね、図6に示すような、スリット状の2D形状と、筒状およびケージ状の3D形状に分類することができた。ここで、2D形状の細孔とは、平面あるいは曲面状に形成された空隙(スリット)のことである。3D形状とは、たとえば円などの閉じた曲線で規定される入り口とその入り口から奥に延びる空隙のことである。サンプルT1、T2、サンプルA1〜A4、および、サンプルW1、W2は、2D形状であった。サンプルCH1、CH2、サンプルM1〜M3、サンプルC18、および、サンプルC45は、3D形状であった。
図5に示すように、スリット状の2D形状の方よりも、筒状及びケージ状の3D形状の炭素材料の方が、キャパシタンス容量特性がよいことが示された。
図7は、本実施の形態に用いた正極材料のミクロ細孔の形状ごとのサイズの割合比を示すグラフである。
図7に示すように、スリット状の2D形状の方が、脱溶媒和マグネシウムイオンが進入することができる大きさである0.55から1.5nmのサイズの細孔が多い結果となっている。一方、図5に示すように、筒状およびケージ状の3D形状の方が、比容量は大きい傾向にある。この結果より、0.55から1.5nmのサイズの細孔と、1.5から3.0nmのサイズの細孔による、階層的な微細構造をもつ筒状及びケージ状の3D形状の炭素材料の方が、キャパシタ容量の増加に寄与するものと考えられる。
図8は、本実施の形態におけるマグネシウムイオンキャパシタのTFSI系電解液でのレート特性評価結果のグラフである。
特性評価試験は、二極式セルを用いて行なった。測定条件は、以下の通りである。
測定方法: サイクリックボルタンメトリー
作用極・対極: サンプルM3:PTFE=92:8(w/w)/Ti mesh
電解液 0.5M Mg(TFSI)2 / PC
0.5M LiTFSI / PC
電位範囲 -1.0 - 1.0 V
図8に示す通り、アニオン種が異なるTFSI塩系電解液でのレート特性評価でも、マグネシウムイオンの方が、リチウムイオンよりキャパシタ容量が高く,レート特性に優れていることがわかる。
リチウムイオンとマグネシウムイオンとの脱溶媒和の寄与の差のメカニズムを説明する。マグネシウムイオンについては、マグネシウムイオンが2価であること、並びにリチウムイオンの場合と同様に脱溶媒和イオンが寄与する0.55〜1.5nmサイズとともに、さらに大きいサイズである1.5から3nmのサイズの細孔も脱溶媒和イオンに寄与すると考える。
さらに、マグネシウムイオンは、2価イオンであるから、1価のリチウムイオンに比べて容量が増大する。
このように、本実施の形態では、細孔空間でのイオン脱溶媒和を活用して、電気二重層厚みを減少させることにより、キャパシタ容量が増大する。また、リチウムイオンや4級アンモニウムなどの1価カチオン塩ではなく、多価イオン塩である2価のマグネシウム塩を電解質に用いているため、さらに高容量化できる。
さらに、MgはLiに比べて、資源の偏在度が小さく、広く分布しているため、元素戦略的にはるかに有利である。
このように、本実施の形態によれば、リチウム以外の元素を用いてリチウムを用いた電気二重層キャパシタと同等以上の比容量を持つキャパシタを提供することができる。
10…マグネシウムイオンキャパシタ、20…正極、30…負極、40…電解質、50…セパレータ、60…ケース、61…リード

Claims (6)

  1. マグネシウムイオンとアニオンからなる金属塩を有機溶媒に溶解させた電解質と、
    炭素材料で形成されて脱溶媒和したマグネシウムイオンを吸蔵し放出することができる大きさの細孔が形成された正極と、
    セパレータと、
    前記セパレータを挟んで前記正極の反対側に配置された負極と、
    を有することを特徴とするマグネシウムイオンキャパシタ。
  2. 前記細孔には、溶媒和したマグネシウムイオンよりも小さくかつ脱溶媒和したマグネシウムイオンよりも大きい筒状の脱溶媒ゾーンが連結していることを特徴とする請求項1に記載のマグネシウムイオンキャパシタ。
  3. 前記脱溶媒和ゾーンの径が1.5〜3nmであることを特徴とする請求項2に記載のマグネシウムイオンキャパシタ。
  4. 前記負極は炭素材料からなることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のマグネシウムイオンキャパシタ。
  5. 前記負極は脱溶媒和したマグネシウムイオンを吸蔵し放出することができる大きさの細孔が形成されていることを特徴とする請求項4に記載のマグネシウムイオンキャパシタ。
  6. 前記負極はマグネシウム金属を含む材料からなることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のマグネシウムイオンキャパシタ。
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