JPWO2019151293A1 - 積層体及びその製造方法並びにタッチパネル - Google Patents

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Abstract

樹脂Aで形成された第1樹脂層と、導電層と、樹脂Bで形成された第2樹脂層とを、この順に備え、25℃における前記樹脂Aの貯蔵弾性率が、500MPa以上20000MPa以下であり、25℃における前記樹脂Bの貯蔵弾性率が、10MPa以上1000MPa以下である、積層体。

Description

本発明は、積層体及びその製造方法並びにタッチパネルに関する。
従来、透明導電性部材として、ガラス板上に酸化インジウム薄膜を形成した導電性ガラスが知られている。しかし、導電性ガラスは、基材がガラスであるために、可撓性に劣り、用途によっては適用が困難である。そこで、可撓性に優れる透明導電性部材として、樹脂を利用した積層体の提案がなされている(特許文献1)。
特開2017−65217号公報
特許文献1に記載の積層体は、可撓性基材と、この可撓性基材上に形成された導電層と、この導電層上に形成された粘着剤層とを備える。しかし、このような従来の積層体は、耐折り曲げ性が十分でなかった。具体的には、従来の積層体は、折り曲げ操作を繰り返した場合に、折り曲げ部において白化又は導電層の割れが生じ易かった。そのため、更なる耐折り曲げ性の改善が求められていた。
本発明は、前記の課題に鑑みて創案されたもので、優れた耐折り曲げ性を有する積層体及びその製造方法;並びに、前記の積層体を備えたタッチパネル;を提供することを目的とする。
本発明者は、前記の課題を解決するべく鋭意検討を行った。その結果、本発明者は、所定の貯蔵弾性率を有する樹脂Aで形成された第1樹脂層と、導電層と、所定の貯蔵弾性率を有する樹脂Bで形成された第2樹脂層と、をこの順に備える積層体が、折り曲げ操作を繰り返した場合に外観変化及び導電層の割れを抑制できることを見い出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、下記のものを含む。
〔1〕 樹脂Aで形成された第1樹脂層と、導電層と、樹脂Bで形成された第2樹脂層とを、この順に備え、
25℃における前記樹脂Aの貯蔵弾性率が、500MPa以上20000MPa以下であり、
25℃における前記樹脂Bの貯蔵弾性率が、10MPa以上1000MPa以下である、積層体。
〔2〕 前記第1樹脂層の厚みが、1μm以上100μm以下であり、
前記第2樹脂層の厚みが、1μm以上100μm以下である、〔1〕に記載の積層体。
〔3〕 前記樹脂Aが、脂環式構造を含有する重合体を含み、
前記樹脂Bが、アルコキシシリル基を導入されていてもよいブロック共重合体水素化物を含む、〔1〕又は〔2〕に記載の積層体。
〔4〕 前記樹脂Aのガラス転移温度が、130℃以上である、〔1〕〜〔3〕のいずれか一項に記載の積層体。
〔5〕 前記導電層が、金属、導電性金属酸化物、導電性ナノワイヤ及び導電性ポリマーからなる群より選ばれる少なくとも1種類の導電材料を含む、〔1〕〜〔4〕のいずれか一項に記載の積層体。
〔6〕 第1樹脂層、導電層及び第2樹脂層が、視認側からこの順に設けられるように、〔1〕〜〔5〕のいずれか一項に記載の積層体を備えたタッチパネルであって、
前記積層体は、視認側の面を外側にして湾曲可能である、タッチパネル。
〔7〕 〔1〕〜〔5〕のいずれか一項に記載の積層体の製造方法であって、
第1樹脂層を用意する工程と、
前記第1樹脂層上に、導電層を形成する工程と、
前記導電層上に、第2樹脂層を形成する工程と、を含む、積層体の製造方法。
本発明によれば、優れた耐折り曲げ性を有する積層体及びその製造方法;並びに、前記の積層体を備えたタッチパネル;を提供できる。
図1は、本発明の一実施形態に係る積層体を模式的に示す断面図である。 図2は、本発明の一実施形態に係る積層体を模式的に示す断面図である。
以下、本発明について実施形態及び例示物を示して詳細に説明する。ただし、本発明は以下に示す実施形態及び例示物に限定されるものでは無く、本発明の請求の範囲及びその均等の範囲を逸脱しない範囲において任意に変更して実施しうる。
[1.積層体の概要]
図1及び図2は、それぞれ、本発明の一実施形態に係る積層体10を模式的に示す断面図である。
図1に示すように、本発明の一実施形態に係る積層体10は、樹脂Aで形成された第1樹脂層110と、導電層120と、樹脂Bで形成された第2樹脂層130とを、厚み方向においてこの順に備える。さらに、樹脂A及び樹脂Bは、それぞれ、25℃において所定の範囲の貯蔵弾性率を有する。
このような積層体10は、耐折り曲げ性に優れる。ここで、積層体10の耐折り曲げ性とは、当該積層体10の折り曲げ操作を繰り返しても、導電層120の割れ、及び、白化等の外観変化を生じ難い性質を意味する。よって、この積層体10は、折り曲げ操作を繰り返した場合であっても、折り曲げ部における白化及び導電層の割れの発生を抑制することができる。特に、積層体10は、図2に示すように、第1樹脂層110側の面110Dを外側、第2樹脂層130側の面130Uを内側にした折り曲げに対して高い耐性を有する。
また、導電層の片側のみに樹脂層を備える積層体に比べ、導電層120の両側に樹脂層として第1樹脂層110及び第2樹脂層130を備える積層体10は、各層の熱収縮差によるカールが小さい。よって、前記の積層体10は、通常、熱によるカールを抑制することができる。
積層体10は、第1樹脂層110、導電層120及び第2樹脂層130以外に、任意の層を備えていてもよい。ただし、第1樹脂層110と導電層120とは、直接に接していることが好ましい。また、導電層120と第2樹脂層130とは、直接に接していることが好ましい。ここで、ある2層が接する態様が「直接」とは、それら2層の間に他の層が無いことを言う。更には、積層体10は、第1樹脂層110、導電層120及び第2樹脂層130のみを備える3層構造のフィルムであることが特に好ましい。
[2.第1樹脂層]
第1樹脂層は、25℃において所定の範囲の貯蔵弾性率を有する樹脂Aで形成された樹脂層である。第1樹脂層に含まれる樹脂Aの25℃における具体的な貯蔵弾性率は、通常500MPa以上、好ましくは800MPa以上、特に好ましくは1100MPa以上であり、通常20000MPa以下、好ましくは18000MPa以下、特に好ましくは16000MPa以下である。
前記のような範囲の貯蔵弾性率を有する樹脂Aで形成された第1樹脂層と、所定の範囲の貯蔵弾性率を有する樹脂Bで形成された第2樹脂層との間に導電層を形成することにより、折り曲げによる導電層の割れを抑制できる。また、前記の樹脂Aは、屈曲による白化を生じ難い。よって、積層体の耐折り曲げ性を向上させることができる。特に、樹脂Aの貯蔵弾性率が、前記範囲の下限値以上であることにより、耐熱寸法安定性を良くすることができる。また、樹脂Aの貯蔵弾性率が、前記範囲の上限値以下であることにより、内部残留応力が小さくすることができる。
樹脂の貯蔵弾性率は、動的粘弾性測定装置を用いて、周波数1Hzの条件で測定しうる。具体的な測定条件は、後述する実施例の条件を採用しうる。
樹脂Aとしては、重合体を含み、更に必要に応じて任意の成分を含みうる樹脂を用いることができる。重合体は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。樹脂Aが含む重合体としては、脂環式構造を含有する重合体を含む樹脂が好ましい。以下、脂環式構造を含有する重合体を、適宜「脂環式構造含有重合体」ということがある。
脂環式構造含有重合体は、機械的強度に優れるので、積層体の耐折れ曲げ性を効果的に高めることができる。また、脂環式構造含有重合体は、通常、透明性、低吸水性、耐湿性、寸法安定性及び軽量性に優れる。
脂環式構造含有重合体は、繰り返し単位中に脂環式構造を含有する重合体であり、例えば、環状オレフィンを単量体として用いた重合反応によって得られうる重合体又はその水素化物などが挙げられる。また、前記の脂環式構造含有重合体としては、主鎖中に脂環式構造を含有する重合体、及び、側鎖に脂環式構造を含有する重合体のいずれも用いることができる。中でも、脂環式構造含有重合体は、主鎖に脂環式構造を含有することが好ましい。脂環式構造としては、例えば、シクロアルカン構造、シクロアルケン構造等が挙げられるが、熱安定性等の観点からシクロアルカン構造が好ましい。
1つの脂環式構造に含まれる炭素原子の数は、好ましくは4個以上、より好ましくは5個以上、より好ましくは6個以上であり、好ましくは30個以下、より好ましくは20個以下、特に好ましくは15個以下である。1つの脂環式構造に含まれる炭素原子の数が上記範囲内にあることで、機械的強度、耐熱性、及び成形性が高度にバランスされる。
脂環式構造含有重合体中の脂環式構造を有する繰り返し単位の割合は、好ましくは30重量%以上、より好ましくは50重量%以上、更に好ましくは70重量%以上、特に好ましくは90重量%以上である。脂環式構造を有する繰り返し単位の割合を前記のように多くすることにより、耐熱性を高めることができる。
また、脂環式構造含有重合体において、脂環式構造を有する繰り返し単位以外の残部は、格別な限定はなく、使用目的に応じて適宜選択しうる。
脂環式構造含有重合体としては、結晶性を有するもの、及び、結晶性を有さないもののいずれを用いてもよく、両者を組み合わせて用いてもよい。ここで、結晶性を有する重合体とは、融点Mpを有する重合体をいう。また、融点Mpを有する重合体とは、すなわち、示差走査熱量計(DSC)で融点Mpを観測することができる重合体をいう。結晶性を有する脂環式構造含有重合体を用いることにより、積層体の機械的強度を特に効果的に高めることができるので、耐折れ曲げ性を顕著に改善することができる。また、結晶性を有さない脂環式構造含有重合体を用いることにより、積層体の製造コストを下げることができる。
結晶性を有する脂環式構造含有重合体としては、例えば、下記の重合体(α)〜重合体(δ)が挙げられる。これらの中でも、耐熱性に優れる積層体が得られ易いことから、結晶性を有する脂環式構造含有重合体としては、重合体(β)が好ましい。
重合体(α):環状オレフィン単量体の開環重合体であって、結晶性を有するもの。
重合体(β):重合体(α)の水素化物であって、結晶性を有するもの。
重合体(γ):環状オレフィン単量体の付加重合体であって、結晶性を有するもの。
重合体(δ):重合体(γ)の水素化物等であって、結晶性を有するもの。
具体的には、結晶性を有する脂環式構造含有重合体としては、ジシクロペンタジエンの開環重合体であって結晶性を有するもの、及び、ジシクロペンタジエンの開環重合体の水素化物であって結晶性を有するものがより好ましく、ジシクロペンタジエンの開環重合体の水素化物であって結晶性を有するものが特に好ましい。ここで、ジシクロペンタジエンの開環重合体とは、全構造単位に対するジシクロペンタジエン由来の構造単位の割合が、通常50重量%以上、好ましくは70重量%以上、より好ましくは90重量%以上、さらに好ましくは100重量%の重合体をいう。
結晶性を有する脂環式構造含有重合体は、積層体を製造するよりも前においては、結晶化していなくてもよい。しかし、積層体が製造された後においては、当該積層体に含まれる結晶性を有する脂環式構造含有重合体は、通常、結晶化していることにより、高い結晶化度を有することができる。具体的な結晶化度の範囲は所望の性能に応じて適宜選択しうるが、好ましくは10%以上、より好ましくは15%以上である。積層体に含まれる脂環式構造含有重合体の結晶化度を前記範囲の下限値以上にすることにより、積層体に高い耐熱性及び耐薬品性を付与することができる。結晶化度は、X線回折法によって測定しうる。
結晶性を有する脂環式構造含有重合体の融点Mpは、好ましくは200℃以上、より好ましくは230℃以上であり、好ましくは290℃以下である。このような融点Mpを有する結晶性を有する脂環式構造含有重合体を用いることによって、成形性と耐熱性とのバランスに更に優れた積層体を得ることができる。
前記のような結晶性を有する脂環式構造含有重合体は、例えば、国際公開第2016/067893号に記載の方法により、製造しうる。
他方、結晶性を有さない脂環式構造含有重合体は、例えば、(1)ノルボルネン系重合体、(2)単環の環状オレフィン重合体、(3)環状共役ジエン重合体、(4)ビニル脂環式炭化水素重合体、及びこれらの水素化物などが挙げられる。これらの中でも、透明性及び成形性の観点から、ノルボルネン系重合体及びこの水素化物がより好ましい。
ノルボルネン系重合体としては、例えば、ノルボルネン系モノマーの開環重合体、ノルボルネン系モノマーと開環共重合可能なその他のモノマーとの開環共重合体、及びそれらの水素化物;ノルボルネン系モノマーの付加重合体、ノルボルネン系モノマーと共重合可能なその他のモノマーとの付加共重合体などが挙げられる。これらの中でも、透明性の観点から、ノルボルネン系モノマーの開環重合体水素化物が特に好ましい。
上記の脂環式構造含有重合体は、例えば特開2002−321302号公報に開示されている重合体から選ばれる。
結晶性を有さない脂環式構造含有重合体を含む樹脂としては、様々な商品が市販されているので、それらのうち、所望の特性を有するものを適宜選択し、使用しうる。かかる市販品の例としては、商品名「ZEONOR」(日本ゼオン株式会社製)、「アートン」(JSR株式会社製)、「アペル」(三井化学株式会社製)、「TOPAS」(ポリプラスチックス社製)の製品群が挙げられる。
樹脂Aに含まれる重合体の重量平均分子量(Mw)は、好ましくは10,000以上、より好ましくは15,000以上、特に好ましくは20,000以上であり、好ましくは100,000以下、より好ましくは80,000以下、特に好ましくは50,000以下である。このような重量平均分子量を有する重合体は、機械的強度、成形加工性及び耐熱性のバランスに優れる。
樹脂Aに含まれる重合体の分子量分布(Mw/Mn)は、好ましくは1.2以上、より好ましくは1.5以上、特に好ましくは1.8以上であり、好ましくは3.5以下、より好ましくは3.4以下、特に好ましくは3.3以下である。分子量分布が前記範囲の下限値以上であることにより、重合体の生産性を高め、製造コストを抑制できる。また、上限値以下であることにより、低分子成分の量が小さくなるので、高温曝露時の緩和を抑制して、積層体の安定性を高めることができる。
重合体の重量平均分子量Mw及び数平均分子量Mnは、溶媒としてシクロヘキサンを用いたゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(以下、「GPC」と略す。)により、ポリイソプレン換算の値で測定しうる。樹脂がシクロヘキサンに溶解しない場合には、溶媒としてトルエンを用いうる。溶媒がトルエンのときは、重量平均分子量Mw及び数平均分子量Mnは、ポリスチレン換算の値で測定しうる。
樹脂Aにおける重合体の割合は、耐熱性及び耐折れ曲げ性に特に優れた積層体を得る観点から、好ましくは80重量%〜100重量%、より好ましくは90重量%〜100重量%、更に好ましは95重量%〜100重量%、特に好ましくは98重量%〜100重量%である。
樹脂Aは、上述した重合体に組み合わせて、任意の成分を含んでいてもよい。任意の成分の例としては、無機微粒子;酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、近赤外線吸収剤等の安定剤;滑剤、可塑剤等の樹脂改質剤;染料や顔料等の着色剤;及び帯電防止剤が挙げられる。これらの任意の成分としては、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。ただし、本発明の効果を顕著に発揮させる観点からは、任意の成分の含有割合は少ないことが好ましい。
樹脂Aのガラス転移温度Tgは、好ましくは130℃以上、より好ましくは140℃以上、更に好ましくは150℃以上である。樹脂Aが前記のように高いガラス転移温度Tgを有することにより、樹脂Aの耐熱性を高められるので、高温環境における第1樹脂層の寸法変化を抑制できる。導電層の形成方法には、蒸着法、スパッタリング法等のような高温環境での形成方法があるので、樹脂Aが前記のように優れた耐熱性を有することにより、導電層の形成を適切に行うことが可能である。特に、樹脂Aが優れた耐熱性を有することは、微細なパターン形状を有する導電層を形成したい場合に、有用である。樹脂Aのガラス転移温度の上限は、樹脂Aの入手を容易にする観点から、好ましくは200℃以下、より好ましくは190℃以下、特に好ましくは180℃以下である。ガラス転移温度は、後述する実施例に記載の方法によって測定できる。
第1樹脂層は、通常、高い透明性を有する。第1樹脂層の具体的な全光線透過率は、好ましくは70%以上、より好ましくは80%以上、更に好ましくは90%以上である。全光線透過率は、紫外・可視分光計を用いて、波長400nm〜700nmの範囲で測定しうる。
また、第1樹脂層のヘイズは、好ましくは5%以下、より好ましくは3%以下、特に好ましくは1%以下であり、理想的には0%である。ヘイズは、JIS K7361−1997に準拠して、日本電色工業社製「濁度計 NDH−300A」を用いて、5箇所測定し、それから求めた平均値を採用しうる。
第1樹脂層の厚みは、好ましくは1μm以上、より好ましくは10μm以上、特に好ましくは13μm以上であり、好ましくは100μm以下、より好ましくは80μm以下、特に好ましくは60μm以下である。第1樹脂層の厚みが前記範囲の下限値以上であることにより、第1樹脂層によって導電層への水分の浸入を抑制できる。よって、水分による導電層の劣化を効果的に抑制することができる。他方、第1樹脂層の厚みが、前記範囲の上限値以下であることにより、折り曲げによって生じる応力を小さくできるので、積層体の耐折り曲げ性を効果的に高めることができる。
第1樹脂層の製造方法に制限は無い。第1樹脂層の製造方法としては、例えば、溶融成形法、溶液流延法などが挙げられる。中でも、溶媒等の揮発性成分の第1樹脂層への残留を抑制できることから、溶融成形法が好ましい。溶融成形法は、さらに詳細には、押出成形法、プレス成形法、インフレーション成形法、射出成形法、ブロー成形法、延伸成形法などに分類できる。これらの方法の中でも、機械強度及び表面精度に優れた第1樹脂層を得るために、押出成形法、インフレーション成形法及びプレス成形法が好ましく、効率よく簡単に第1樹脂層を製造できる観点から、押出成形法が特に好ましい。
[3.導電層]
導電層は、通常、導電性を有する材料(以下、適宜「導電材料」ということがある。)を含む。このような導電材料としては、例えば、金属、導電性金属酸化物、導電性ナノワイヤ、導電性ポリマーなどが挙げられる。また、導電材料は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。中でも、積層体の耐折り曲げ性を高くする観点から、導電層は、金属、導電性ナノワイヤ及び導電性ポリマーからなる群より選ばれる少なくとも1種類の導電材料を含むことが好ましい。
金属としては、例えば、金、白金、銀及び銅が挙げられる。なかでも好ましくは銀、銅及び金であり、より好ましくは銀である。これらの金属は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。これらの金属によって導電層を形成する場合、導電層を細い線状に形成することによって、透明な導電層を得ることができる。例えば、格子状に形成された金属メッシュ層として導電層を形成することにより、透明な導電層を得ることができる。
金属を含む導電層は、例えば、金属粒子を含む導電層形成用組成物を塗布することを含む形成方法によって、形成できる。このとき、前記の導電層形成用組成物を所定の格子パターンに印刷することによって、金属メッシュ層としての導電層を得ることができる。さらに、例えば、銀塩を含む導電層形成用組成物を塗工し、露光処理及び現像処理によって金属細線を所定の格子パターンに形成することにより、導電層を金属メッシュ層として形成できる。このような導電層及びその形成方法の詳細については、特開2012−18634号公報、特開2003−331654号公報を参照しうる。
導電性金属酸化物としては、例えば、ITO(インジウム錫オキサイド)、IZO(インジウム亜鉛オキサイド)、ZnO(酸化亜鉛)、IWO(インジウムタングステンオキサイド)、ITiO(インジウムチタニウムオキサイド)、AZO(アルミニウム亜鉛オキサイド)、GZO(ガリウム亜鉛オキサイド)、XZO(亜鉛系特殊酸化物)、IGZO(インジウムガリウム亜鉛オキサイド)等が挙げられる。これらの中でも、光線透過性及び耐久性の観点より、ITOが特に好ましい。導電性金属酸化物は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
導電性金属酸化物を含む導電層は、例えば、蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、イオンビームアシスト蒸着法、アーク放電プラズマ蒸着法、熱CVD法、プラズマCVD法、鍍金法、及びこれらの組み合わせ等の成膜方法を含む形成方法によって、形成しうる。これらの中でも、蒸着法及びスパッタリング法が好ましく、スパッタリング法が特に好ましい。スパッタリング法では、厚みが均一な導電層を形成できるので、導電層に局所的に薄い部分が発生することを抑制できる。
導電性ナノワイヤとは、形状が針状または糸状であり、径がナノメートルサイズの導電性物質をいう。導電性ナノワイヤは直線状であってもよく、曲線状であってもよい。このような導電性ナノワイヤは、導電性ナノワイヤ同士が隙間を形成して網の目状となることにより、少量の導電性ナノワイヤであっても良好な電気伝導経路を形成することができ、電気抵抗の小さい導電層を実現できる。また、導電性ワイヤは、網の目状となることにより、網の目の隙間に開口部を形成するので、光透過率の高い導電層を得ることができる。
導電性ナノワイヤの太さdと長さLとの比(アスペクト比:L/d)は、好ましくは10〜100,000であり、より好ましくは50〜100,000であり、特に好ましくは100〜10,000である。このようにアスペクト比の大きい導電性ナノワイヤを用いれば、導電性ナノワイヤが良好に交差して、少量の導電性ナノワイヤにより高い導電性を発現させることができる。その結果、透明性に優れる積層体を得ることができる。ここで、「導電性ナノワイヤの太さ」とは、導電性ナノワイヤの断面が円状である場合はその直径を意味し、楕円状である場合はその短径を意味し、多角形である場合は最も長い対角線を意味する。導電性ナノワイヤの太さおよび長さは、走査型電子顕微鏡または透過型電子顕微鏡によって測定しうる。
導電性ナノワイヤの太さは、好ましくは500nm未満であり、より好ましくは200nm未満であり、更に好ましくは10nm〜100nmであり、特に好ましくは10nm〜50nmである。これにより、導電層の透明性を高めることができる。
導電性ナノワイヤの長さは、好ましくは2.5μm〜1000μmであり、より好ましくは10μm〜500μmであり、特に好ましくは20μm〜100μmである。これにより、導電層の導電性を高めることができる。
導電性ナノワイヤとしては、例えば、金属により構成される金属ナノワイヤ、カーボンナノチューブを含む導電性ナノワイヤ等が挙げられる。
金属ナノワイヤに含まれる金属としては、導電性の高い金属が好ましい。好適な金属の例としては、金、白金、銀及び銅が挙げられ、なかでも好ましくは、銀、銅及び金であり、より好ましくは銀である。また、上記金属にメッキ処理(例えば、金メッキ処理)を行った材料を用いてもよい。さらに、前記の材料は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
金属ナノワイヤの製造方法としては、任意の適切な方法が採用され得る。例えば、溶液中で硝酸銀を還元する方法;前駆体表面にプローブの先端部から印可電圧又は電流を作用させ、プローブ先端部で金属ナノワイヤを引き出し、該金属ナノワイヤを連続的に形成する方法;等が挙げられる。溶液中で硝酸銀を還元する方法においては、エチレングリコール等のポリオール、およびポリビニルピロリドンの存在下で、硝酸銀等の銀塩の液相還元をすることによりにより、銀ナノワイヤが合成され得る。均一サイズの銀ナノワイヤは、例えば、Xia, Y.etal., Chem.Mater.(2002)、14、4736−4745、 Xia, Y.etal., Nano letters(2003)3(7)、955−960に記載される方法に準じて、大量生産が可能である。
カーボンナノチューブとしては、例えば、直径が0.3nm〜100nm、長さ0.1μm〜20μm程度の、いわゆる多層カーボンナノチューブ、二層カーボンナノチューブ、単層カーボンナノチューブ等が用いられる。なかでも、導電性が高い点から、直径10nm以下、長さ1μm〜10μmの単層もしくは二層カーボンナノチューブが好ましい。また、カーボンナノチューブの集合体には、アモルファスカーボン及び触媒金属などの不純物は、含まないことが好ましい。カーボンナノチューブの製造方法としては、任意の適切な方法が採用されうる。好ましくは、アーク放電法で作製されたカーボンナノチューブが用いられる。アーク放電法で作製されたカーボンナノチューブは結晶性に優れるため好ましい。
導電性ナノワイヤを含む導電層は、例えば、導電性ナノワイヤを溶媒に分散させて得られた導電性ナノワイヤ分散液を塗工及び乾燥させることを含む形成方法により、形成できる。
導電性ナノワイヤ分散液に含まれる溶媒としては、例えば、水、アルコール系溶媒、ケトン系溶媒、エーテル系溶媒、炭化水素系溶媒、芳香族系溶媒等が挙げられ、中でも、環境負荷低減の観点から、水を用いることが好ましい。また、溶媒は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
導電性ナノワイヤ分散液における導電性ナノワイヤの濃度は、好ましくは0.1重量%〜1重量%である。これにより、導電性および透明性に優れる導電層を形成することができる。
導電性ナノワイヤ分散液は、導電性ナノワイヤ及び溶媒に組み合わせて、任意の成分を含みうる。任意の成分としては、例えば、導電性ナノワイヤの腐食を抑制する腐食抑制剤、導電性ナノワイヤの凝集を抑制する界面活性剤、導電性ナノワイヤを導電層に保持するためのバインダーポリマー等が挙げられる。また、任意の成分は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
導電性ナノワイヤ分散液の塗工方法としては、例えば、スプレーコート法、バーコート法、ロールコート法、ダイコート法、インクジェットコート法、スクリーンコート法、ディップコート法、スロットダイコート法、凸版印刷法、凹版印刷法、グラビア印刷法等が挙げられる。乾燥方法としては、任意の適切な乾燥方法(例えば、自然乾燥、送風乾燥、加熱乾燥)が採用されうる。例えば、加熱乾燥の場合には、乾燥温度は100℃〜200℃であり、乾燥時間は1分〜10分としうる。
導電層における導電性ナノワイヤの割合は、導電層の全重量に対して、好ましくは80重量%〜100重量%であり、より好ましくは85重量%〜99重量%である。これにより、導電性および光透過性に優れる導電層を得ることができる。
導電性ポリマーとしては、例えば、ポリチオフェン系ポリマー、ポリアセチレン系ポリマー、ポリパラフェニレン系ポリマー、ポリアニリン系ポリマー、ポリパラフェニレンビニレン系ポリマー、ポリピロール系ポリマー、ポリフェニレン系ポリマー、アクリル系ポリマーで変性されたポリエステル系ポリマー等が挙げられる。中でも、ポリチオフェン系ポリマー、ポリアセチレン系ポリマー、ポリパラフェニレン系ポリマー、ポリアニリン系ポリマー、ポリパラフェニレンビニレン系ポリマーおよびポリピロール系ポリマーが好ましい。
その中でも、特に、ポリチオフェン系ポリマーが好ましい。ポリチオフェン系ポリマーを用いることにより、透明性及び化学的安定性に優れる導電層を得ることができる。ポリチオフェン系ポリマーの具体例としては、ポリチオフェン;ポリ(3−ヘキシルチオフェン)等のポリ(3−C1−8アルキル−チオフェン);ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)、ポリ(3,4−プロピレンジオキシチオフェン)、ポリ[3,4−(1,2−シクロヘキシレン)ジオキシチオフェン]等のポリ(3,4−(シクロ)アルキレンジオキシチオフェン);ポリチエニレンビニレン等が挙げられる。ここで、「C1−8アルキル」とは、炭素原子数が1〜8のアルキル基を示す。また、前記の導電性ポリマーは、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
導電性ポリマーは、好ましくは、アニオン性ポリマーの存在下で重合される。例えば、ポリチオフェン系ポリマーは、アニオン性ポリマーの存在下で酸化重合させることが好ましい。アニオン性ポリマーとしては、カルボキシル基、スルホン酸基、又はその塩を有する重合体が挙げられる。好ましくは、ポリスチレンスルホン酸等のスルホン酸基を有するアニオン性ポリマーが用いられる。
導電性ポリマーを含む導電層は、例えば、導電性ポリマーを含む導電層形成用組成物を塗工し、乾燥することを含む形成方法により、形成できる。導電性ポリマーを含む導電層については、特開2011−175601号公報を参照しうる。
導電層は、前記のような導電材料で形成されているので、導電性を有する。導電層の導電性は、例えば、表面抵抗値で表すことができる。導電層の具体的な表面抵抗値は、積層体の用途に応じて設定しうる。ある実施形態において、導電層の表面抵抗値は、好ましくは1000Ω/sq.以下、より好ましくは900Ω/sq.以下、特に好ましくは800Ω/sq.以下である。導電層の表面抵抗値の下限に特段の制限は無いが、製造が容易であることから、好ましくは1Ω/sq.以上、より好ましくは2.5Ω/sq.以上、特に好ましくは5Ω/sq.以上である。
導電層は、第1樹脂層及び第2樹脂層の間の全体に形成されていてもよく、一部に形成されていてもよい。例えば、導電層は、所定の平面形状を有するパターンにパターン化されて形成されていてもよい。ここで平面形状とは、層の厚み方向から見た場合の形状を言う。導電層のパターンの平面形状は、積層体の用途に応じて設定しうる。例えば、積層体を回路基板として用いる場合、導電層の平面形状は、回路の配線形状に対応したパターンに形成してもよい。また、例えば、積層体をタッチパネル用のセンサフィルムとして用いる場合、導電層の平面形状は、タッチパネル(例えば、静電容量方式タッチパネル)として良好に動作するパターンが好ましく、具体例を挙げると、特表2011−511357号公報、特開2010−164938号公報、特開2008−310550号公報、特表2003−511799号公報、特表2010−541109号公報に記載のパターンが挙げられる。
導電層は、通常、高い透明性を有する。よって、可視光線は、通常、この導電層を透過することができる。導電層の具体的な透明性は、積層体の用途に応じて調整しうる。導電層の具体的な全光線透過率は、好ましくは80%以上であり、より好ましくは90%以上、さらに好ましくは95%以上である。
導電層の1層当たりの厚みは、好ましくは0.010μm以上、より好ましくは0.020μm以上、特に好ましくは0.025μm以上で、好ましくは10μm以下、より好ましくは3μm以下、特に好ましくは1μm以下である。これにより、導電層の透明性を高めることができる。
[4.第2樹脂層]
第2樹脂層は、25℃における所定の範囲の貯蔵弾性率を有する樹脂Bで形成された樹脂層である。第2樹脂層に含まれる樹脂Bの25℃における具体的な貯蔵弾性率は、通常10MPa以上、好ましくは15MPa以上、特に好ましくは30MPa以上であり、通常1000MPa以下、好ましくは950MPa以下、特に好ましくは900MPa以下である。
前記のような範囲の貯蔵弾性率を有する樹脂Bで形成された第2樹脂層と、前述したように樹脂Aで形成された第1樹脂層との間に導電層を形成することにより、積層体の耐折り曲げ性を向上させることができる。特に、樹脂Bの貯蔵弾性率が、前記範囲の下限値以上であることにより、耐熱性を高めることができる。また、樹脂Bの貯蔵弾性率が、前記範囲の上限値以下であることにより、耐折り曲げ性を高めることができる。
前述したような第1樹脂層と第2樹脂層との組み合わせにおいては、通常は、第1樹脂層に含まれる樹脂Aの貯蔵弾性率よりも、第2樹脂層に含まれる樹脂Bの貯蔵弾性率の方が、小さくなる。よって、第2樹脂層の方が第1樹脂層よりも可撓性に優れ、したがって変形に対する耐性に優れる。そのため、積層体は、通常、第1樹脂層側の面を外側、第2樹脂層側の面を内側とした向きでの折り曲げに対し、特に高い耐折れ曲げ性を発揮することができる。
樹脂Bとしては、重合体を含み、更に必要に応じて任意の成分を含みうる樹脂を用いることができる。重合体は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。樹脂Bが含む重合体としては、ブロック共重合体水素化物が好ましい。前記のブロック共重合体水素化物は、ブロック共重合体を水素化した水素化物である。以下の説明においては、前記のブロック共重合体を、適宜「ブロック共重合体[1]」と呼ぶことがある。また、以下の説明においては、前記のブロック共重合体[1]の水素化物を、適宜「水素化物[2]」と呼ぶことがある。
ブロック共重合体[1]は、芳香族ビニル化合物単位を含有する重合体ブロック[A]と、鎖状共役ジエン化合物単位(直鎖状共役ジエン化合物単位、分岐鎖状共役ジエン化合物単位、等)を含有する重合体ブロック[B]とを含むことが好ましい。中でも、ブロック共重合体[1]は、ブロック共重合体[1]の1分子当たり2個以上の重合体ブロック[A]と、ブロック共重合体[1]1分子あたり1個以上の重合体ブロック[B]とを有することが、特に好ましい。
重合体ブロック[A]は、芳香族ビニル化合物単位を含有する重合体ブロックである。ここで、芳香族ビニル化合物単位とは、芳香族ビニル化合物を重合して形成される構造を有する構造単位のことをいう。
重合体ブロック[A]が有する芳香族ビニル化合物単位に対応する芳香族ビニル化合物としては、例えば、スチレン;α−メチルスチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、2,4−ジイソプロピルスチレン、4−t−ブチルスチレン、5−t−ブチル−2−メチルスチレン等の、置換基として炭素数1〜6のアルキル基を有するスチレン類;4−クロロスチレン、ジクロロスチレン、4−モノフルオロスチレン等の、置換基としてハロゲン原子を有するスチレン類;4−メトキシスチレン等の、置換基として炭素数1〜6のアルコキシ基を有するスチレン類;4−フェニルスチレン等の、置換基としてアリール基を有するスチレン類;1−ビニルナフタレン、2−ビニルナフタレン等のビニルナフタレン類;等が挙げられる。これらは、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、吸湿性を低くできることから、スチレン、置換基として炭素数1〜6のアルキル基を有するスチレン類等の、極性基を含有しない芳香族ビニル化合物が好ましく、工業的入手のし易さから、スチレンが特に好ましい。
重合体ブロック[A]における芳香族ビニル化合物単位の含有率は、好ましくは90重量%以上、より好ましくは95重量%以上、特に好ましくは99重量%以上である。重合体ブロック[A]において芳香族ビニル化合物単位の量が前記のように多いことにより、第2樹脂層の硬さ及び耐熱性を高めることができる。
重合体ブロック[A]は、芳香族ビニル化合物単位以外に、任意の構造単位を含んでいてもよい。重合体ブロック[A]は、任意の構造単位を、1種類で単独でも含んでいてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて含んでいてもよい。
重合体ブロック[A]が含みうる任意の構造単位としては、例えば、鎖状共役ジエン化合物単位が挙げられる。ここで、鎖状共役ジエン化合物単位とは、鎖状共役ジエン化合物を重合して形成される構造を有する構造単位のことをいう。鎖状共役ジエン化合物単位に対応する鎖状共役ジエン化合物としては、例えば、重合体ブロック[B]が有する鎖状共役ジエン化合物単位に対応する鎖状共役ジエン化合物の例として挙げるものと同じ例が挙げられる。
また、重合体ブロック[A]が含みうる任意の構造単位としては、例えば、芳香族ビニル化合物及び鎖状共役ジエン化合物以外の任意の不飽和化合物を重合して形成される構造を有する構造単位が挙げられる。任意の不飽和化合物としては、例えば、鎖状ビニル化合物、環状ビニル化合物等のビニル化合物;不飽和の環状酸無水物;不飽和イミド化合物;等が挙げられる。これらの化合物は、ニトリル基、アルコキシカルボニル基、ヒドロキシカルボニル基、又はハロゲン基等の置換基を有していてもよい。これらの中でも、吸湿性の観点から、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ドデセン、1−エイコセン、4−メチル−1−ペンテン、4,6−ジメチル−1−ヘプテン等の1分子当たり炭素数2〜20の鎖状オレフィン;ビニルシクロヘキサン等の1分子当たり炭素数5〜20の環状オレフィン;等の、極性基を有しないビニル化合物が好ましく、1分子当たり炭素数2〜20の鎖状オレフィンがより好ましく、エチレン、プロピレンが特に好ましい。
重合体ブロック[A]における任意の構造単位の含有率は、好ましくは10重量%以下、より好ましくは5重量%以下、特に好ましくは1重量%以下である。
ブロック共重合体[1]1分子における重合体ブロック[A]の数は、好ましくは2個以上であり、好ましくは5個以下、より好ましくは4個以下、特に好ましくは3個以下である。1分子中に複数個ある重合体ブロック[A]は、互いに同じであってもよく、異なっていてもよい。
重合体ブロック[B]は、鎖状共役ジエン化合物単位を含有する重合体ブロックである。前述のように、鎖状共役ジエン化合物単位とは、鎖状共役ジエン化合物を重合して形成される構造を有する構造単位のことをいう。
この重合体ブロック[B]が有する鎖状共役ジエン化合物単位に対応する鎖状共役ジエン化合物としては、例えば、直鎖状共役ジエン化合物、分岐鎖状共役ジエン化合物、などが挙げられる。鎖状共役ジエン化合物の具体例としては、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン等が挙げられる。これらは、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。中でも、吸湿性を低くできることから、極性基を含有しない鎖状共役ジエン化合物が好ましく、1,3−ブタジエン、イソプレンが特に好ましい。
重合体ブロック[B]における鎖状共役ジエン化合物単位の含有率は、好ましくは90重量%以上、より好ましくは95重量%以上、特に好ましくは99重量%以上である。重合体ブロック[B]において鎖状共役ジエン化合物単位の量が前記のように多いことにより、第2樹脂層の可撓性を向上させることができる。
重合体ブロック[B]は、鎖状共役ジエン化合物単位以外に、任意の構造単位を含んでいてもよい。重合体ブロック[B]は、任意の構造単位を、1種類で単独でも含んでいてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて含んでいてもよい。
重合体ブロック[B]が含みうる任意の構造単位としては、例えば、芳香族ビニル化合物単位、並びに、芳香族ビニル化合物及び鎖状共役ジエン化合物以外の任意の不飽和化合物を重合して形成される構造を有する構造単位が挙げられる。これらの芳香族ビニル化合物単位、並びに、任意の不飽和化合物を重合して形成される構造を有する構造単位としては、例えば、重合体ブロック[A]に含まれていてもよいものとして例示したものと同じ例が挙げられる。
重合体ブロック[B]における任意の構造単位の含有率は、好ましくは10重量%以下、より好ましくは5重量%以下、特に好ましくは1重量%以下である。重合体ブロック[B]における任意の構造単位の含有率が低いことにより、第2樹脂層の可撓性を向上させることができる。
ブロック共重合体[1]1分子における重合体ブロック[B]の数は、通常1個以上であるが、2個以上であってもよい。ブロック共重合体[1]における重合体ブロック[B]の数が2個以上である場合、それらの重合体ブロック[B]は、互いに同じでもよく、異なっていてもよい。
ブロック共重合体[1]のブロックの形態は、鎖状型ブロックでもよく、ラジアル型ブロックでもよい。中でも、鎖状型ブロックが、機械的強度に優れ、好ましい。ブロック共重合体[1]が鎖状型ブロックの形態を有する場合、ブロック共重合体[1]の分子鎖の両端が重合体ブロック[A]であることにより、第2樹脂層のベタツキを所望の低い値に抑えることができる。
ブロック共重合体[1]の特に好ましいブロックの形態は、[A]−[B]−[A]で表されるように、重合体ブロック[B]の両端に重合体ブロック[A]が結合したトリブロック共重合体;[A]−[B]−[A]−[B]−[A]で表されるように、重合体ブロック[A]の両端に重合体ブロック[B]が結合し、更に該両重合体ブロック[B]の他端にそれぞれ重合体ブロック[A]が結合したペンタブロック共重合体;である。特に、[A]−[B]−[A]のトリブロック共重合体であることが、製造が容易であり且つ物性を所望の範囲に容易に収めることができるため、特に好ましい。
ブロック共重合体[1]において、ブロック共重合体[1]の全体に占める重合体ブロック[A]の重量分率wAと、ブロック共重合体[1]の全体に占める重合体ブロック[B]の重量分率wBとの比(wA/wB)は、特定の範囲に収まることが好ましい。具体的には、前記の比(wA/wB)は、好ましくは30/70以上、更に好ましくは40/60以上、特に好ましくは45/55以上であり、好ましくは85/15以下、更に好ましくは70/30以下、特に好ましくは55/45以下である。前記の比wA/wBが前記範囲の下限値以上であることにより、第2樹脂層の剛性及び耐熱性を向上させたり、複屈折を小さくしたりすることができる。また、前記の比wA/wBが前記範囲の上限値以下であることにより、第2樹脂層の可撓性を向上させることができる。ここで、重合体ブロック[A]の重量分率wAは、重合体ブロック[A]全体の重量分率を示し、重合体ブロック[B]の重量分率wBは、重合体ブロック[B]全体の重量分率を示す。
前記のブロック共重合体[1]の重量平均分子量(Mw)は、好ましくは30,000以上、より好ましくは40,000以上、特に好ましくは50,000以上であり、好ましくは200,000以下、より好ましくは150,000以下、特に好ましくは100,000以下である。
また、ブロック共重合体[1]の分子量分布(Mw/Mn)は、好ましくは3以下、より好ましくは2以下、特に好ましくは1.5以下であり、好ましくは1.0以上である。
前記ブロック共重合体[1]の重量平均分子量(Mw)及び分子量分布(Mw/Mn)は、テトラヒドロフラン(THF)を溶媒とするゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)によって、ポリスチレン換算の値として測定しうる。
ブロック共重合体[1]の製造方法としては、例えば、国際公開第2015/099079号、特開2016−204217号公報に記載の方法を採用しうる。
水素化物[2]は、ブロック共重合体[1]の不飽和結合を水素化して得られる重合体である。ここで、水素化されるブロック共重合体[1]の不飽和結合には、ブロック共重合体[1]の主鎖及び側鎖の、芳香族性及び非芳香族性の炭素−炭素不飽和結合を、いずれも含む。
水素化物[2]の水素化率は、好ましくは90%以上、より好ましくは97%以上、特に好ましくは99%以上である。水素化物[2]の水素化率は、別に断らない限り、ブロック共重合体[1]の主鎖及び側鎖の、芳香族性及び非芳香族性の炭素−炭素不飽和結合のうちの、水素化された結合の割合である。水素化率が高いほど、第2樹脂層の透明性、耐熱性及び耐候性を良好にでき、更には第2樹脂層の複屈折を小さくし易い。ここで、水素化物[2]の水素化率は、H−NMRによる測定により求めうる。
特に、非芳香族性の炭素−炭素不飽和結合の水素化率は、好ましくは95%以上、より好ましくは99%以上である。非芳香族性の炭素−炭素不飽和結合の水素化率を高めることにより、第2樹脂層の耐光性及び耐酸化性を更に高くできる。
また、芳香族性の炭素−炭素不飽和結合の水素化率は、好ましくは90%以上、より好ましくは93%以上、特に好ましくは95%以上である。芳香族性の炭素−炭素不飽和結合の水素化率を高めることにより、重合体ブロック[A]を水素化して得られる重合体ブロックのガラス転移温度が高くなるので、第2樹脂層の耐熱性を効果的に高めることができる。さらに、樹脂Bの光弾性係数を下げることができる。
水素化物[2]の重量平均分子量(Mw)は、好ましくは30,000以上、より好ましくは40,000以上、さらにより好ましくは45,000以上であり、好ましくは200,000以下、より好ましくは150,000以下、さらにより好ましくは100,000以下である。水素化物[2]の重量平均分子量(Mw)が前記の範囲に収まることにより、第2樹脂層の機械強度及び耐熱性を向上させることができ、更には第2樹脂層の複屈折を小さくし易い。
水素化物[2]の分子量分布(Mw/Mn)は、好ましくは3以下、より好ましくは2以下、特に好ましくは1.8以下であり、好ましくは1.0以上である。水素化物[2]の分子量分布(Mw/Mn)が前記の範囲に収まることにより、第2樹脂層の機械強度及び耐熱性を向上させることができ、更には第2樹脂層の複屈折を小さくし易い。
水素化物[2]の重量平均分子量(Mw)及び分子量分布(Mw/Mn)は、テトラヒドロフランを溶媒としたゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)により、ポリスチレン換算の値で測定しうる。
前述した水素化物[2]は、ブロック共重合体[1]を水素化することにより、製造しうる。水素化方法としては、水素化率を高くでき、ブロック共重合体[1]の鎖切断反応の少ない水素化方法が好ましい。このような水素化方法としては、例えば、国際公開第2015/099079号、特開2016−204217号公報に記載された方法が挙げられる。
樹脂Bに含まれる水素化物[2]には、アルコキシシリル基が導入されていてもよい。水素化物[2]の中でも特にアルコキシシリル基を導入されたものを、以下、適宜「アルコキシシリル基変性物[3]」と呼ぶことがある。アルコキシシリル基が導入されたことにより、アルコキシシリル基変性物[3]は、他の材料に対して高い密着性を示す。よって、アルコキシシリル基変性物[3]を含む樹脂Bで形成された第2樹脂層は、導電層に対する密着性に優れるので、積層体の全体として機械的強度を向上させることができる。したがって、アルコキシシリル基変性物[3]を用いることにより、耐折り曲げ性を特に良好にすることが可能である。
アルコキシシリル基変性物[3]は、上述したブロック共重合体[1]の水素化物[2]に、アルコキシシリル基を導入して得られる重合体である。この際、アルコキシシリル基は、上述した水素化物[2]に直接結合していてもよく、例えばアルキレン基などの2価の有機基を介して間接的に結合していてもよい。
アルコキシシリル基変性物[3]におけるアルコキシシリル基の導入量は、アルコキシシリル基の導入前の水素化物[2]100重量部に対して、好ましくは0.1重量部以上、より好ましくは0.2重量部以上、特に好ましくは0.3重量部以上であり、好ましくは10重量部以下、より好ましくは5重量部以下、特に好ましくは3重量部以下である。アルコキシシリル基の導入量を前記範囲に収めると、水分等で分解されたアルコキシシリル基同士の架橋度が過剰に高くなることを抑制できるので、第2樹脂層の密着性を高く維持することができる。
アルコキシシリル基の導入量は、H−NMRスペクトルにて計測しうる。また、アルコキシシリル基の導入量の計測の際、導入量が少ない場合は、積算回数を増やして計測しうる。
アルコキシシリル基変性物[3]の重量平均分子量(Mw)は、導入されるアルコキシシリル基の量が少ないため、通常は、アルコキシシリル基を導入する前の水素化物[2]の重量平均分子量(Mw)から大きく変化しない。ただし、アルコキシシリル基を導入する際には、通常は過酸化物の存在下で水素化物[2]を変性反応させるので、その水素化物[2]の架橋反応及び切断反応が進行し、分子量分布は大きく変化する傾向がある。アルコキシシリル基変性物[3]の重量平均分子量(Mw)は、好ましくは30,000以上、より好ましくは40,000以上、さらにより好ましくは45,000以上であり、好ましくは200,000以下、より好ましくは150,000以下、さらにより好ましくは100,000以下である。また、アルコキシシリル基変性物[3]の分子量分布(Mw/Mn)は、好ましくは3.5以下、より好ましくは2.5以下、特に好ましくは2.0以下であり、好ましくは1.0以上である。アルコキシシリル基変性物[3]の重量平均分子量(Mw)及び分子量分布(Mw/Mn)がこの範囲であると、第2樹脂層の良好な機械強度及び引張り伸びが維持できる。
アルコキシシリル基変性物[3]の重量平均分子量(Mw)及び分子量分布(Mw/Mn)は、テトラヒドロフランを溶媒としたゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)によって、ポリスチレン換算の値として測定しうる。
アルコキシシリル基変性物[3]は、前述したブロック共重合体[1]の水素化物[2]にアルコキシシリル基を導入することにより、製造しうる。水素化物[2]にアルコキシシリル基を導入する方法としては、例えば、国際公開第2015/099079号、特開2016−204217号公報に記載された方法が挙げられる。
樹脂Bにおける水素化物[2](アルコキシシリル基変性物[3]を含む)等の重合体の割合は、好ましくは80重量%〜100重量%、より好ましくは90重量%〜100重量%、特に好ましくは95重量%〜100重量%である。樹脂Bにおける重合体の割合が前記範囲に収まることにより、樹脂Bの貯蔵弾性率を上述した範囲に収めやすい。
樹脂Bは、上述した重合体に組み合わせて、任意の成分を含んでいてもよい。任意の成分としては、例えば、樹脂Aが含みうる任意の成分と同様の例が挙げられる。また、任意の成分は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
第2樹脂層は、通常、高い透明性を有する。第2樹脂層の具体的な全光線透過率は、好ましくは70%以上、より好ましくは80%以上、更に好ましくは90%以上である。また、第2樹脂層のヘイズは、好ましくは5%以下、より好ましくは3%以下、特に好ましくは1%以下であり、理想的には0%である。
第2樹脂層の厚みは、好ましくは1μm以上、より好ましくは10μm以上、特に好ましくは15μm以上であり、好ましくは100μm以下、より好ましくは80μm以下、特に好ましくは60μm以下である。第2樹脂層の厚みが前記範囲の下限値以上であることにより、第2樹脂層によって導電層への水分の浸入を抑制できる。よって、水分による導電層の劣化を効果的に抑制することができる。他方、第2樹脂層の厚みが、前記範囲の上限値以下であることにより、折り曲げによって生じる応力を小さくできるので、積層体の耐折り曲げ性を効果的に高めることができる。
第2樹脂層の製造方法に制限は無い。第2樹脂層の製造方法としては、例えば、溶融成形法、溶液流延法などが挙げられる。中でも、溶媒等の揮発性成分の第2樹脂層への残留を抑制できることから、溶融成形法が好ましい。さらには、機械強度及び表面精度に優れた第2樹脂層を得るために、溶融成形法の中でも、押出成形法、インフレーション成形法及びプレス成形法が好ましく、効率よく簡単に第2樹脂層を製造できる観点から、押出成形法が特に好ましい。
[5.任意の層]
積層体は、必要に応じて、上述した第1樹脂層、導電層及び第2樹脂層に組み合わせて、更に任意の層を含みうる。例えば、積層体は、第1樹脂層の導電層とは反対側、第2樹脂層の導電層とは反対側、などの位置に任意の層を備えていてもよい。任意の層としては、例えば、支持体層、ハードコート層、インデックスマッチング層、接着層、位相差層、偏光子層、光学補償層などが挙げられる。
[6.積層体の物性及び厚み]
積層体は、優れた耐折り曲げ性を有する。よって、積層体は、繰り返し折り曲げを行った場合であっても、導電層の割れ、及び、白化等の外観変化を抑制することができる。例えば、ある実施形態においては、後述する実施例に記載の折り返し試験によって折り返しを1万回繰り返した場合でも、折り返し部分における導電層の割れ及び外観変化を抑制することができ、好ましくは導電層の割れ及び外観変化を無くすことができる。
積層体が前記のように優れた耐折れ曲げ性を発揮できる仕組みは、下記のとおりと推察される。ただし、本発明の技術的範囲は、下記に説明する仕組みに制限されない。
第2樹脂層が含む樹脂Bは、適切な範囲の貯蔵弾性率を有するので、優れた可撓性を有する。そのため、積層体を曲げた場合に、第2樹脂層が容易に変形して、曲げによる応力を吸収できる。さらには、導電層の第2樹脂層とは反対側に適切な貯蔵弾性率を有する樹脂Aによって第1樹脂層が設けられているので、導電層における大きな応力の集中を更に効果的に抑制できる。したがって、折り曲げによって生じた応力による導電層の割れを、効果的に抑制できる。
また、第1樹脂層及び第2樹脂層が適切な範囲の貯蔵弾性率を有するので、積層体を曲げた場合、第1樹脂層及び第2樹脂層の破壊が生じ難い。さらには、適切な貯蔵弾性率の作用により、第1樹脂層と導電層との剥離、及び、第2樹脂層と導電層との剥離が生じ難い。そのため、前記の破壊又は剥離による微小な空隙の発生が生じ難いので、折り曲げ部におけるヘイズの上昇が起こり難く、したがって、白化等の外観の変化が抑制される。
積層体は、導電層を支持するための層として可撓性を有する第1樹脂層及び第2樹脂層を備えるので、導電性ガラスに比べて、通常は、耐衝撃性及び加工性に優れる。さらに、積層体は、通常、導電性ガラスよりも、軽量である。
積層体の全光線透過率は、積層体を光学部材として用いる観点から、好ましくは70%以上、より好ましくは80%以上、更に好ましくは90%以上である。
また、積層体のヘイズは、積層体を組み込んだ画像表示装置の画像鮮明性を高める観点から、好ましくは5%以下、より好ましくは3%以下、特に好ましくは1%以下であり、理想的には0%である。
積層体の厚みは、好ましくは2μm以上、より好ましくは5μm以上、更に好ましくは7.5μm以上、特に好ましくは10μm以上であり、好ましくは200μm以下、より好ましくは175μm以下、特に好ましくは150μm以下である。積層体の厚みが、前記範囲の下限値以上であることにより、積層体の機械的強度を高め、導電層を形成する際にしわを防ぐことができる。また、積層体の厚みが、前記範囲の上限値以下であることにより、積層体の耐折り曲げ性を特に良好にでき、更には積層体の薄膜化が可能である。
[7.積層体の製造方法]
積層体の製造方法に制限は無い。例えば、前述の積層体を簡単に製造する観点では、積層体は、第1樹脂層を用意する工程と;第1樹脂層上に、導電層を形成する工程と;導電層上に、第2樹脂層を形成する工程と;を含む製造方法によって、製造することが好ましい。
第1樹脂層を用意する工程では、例えば、前述した第1樹脂層の製造方法により、樹脂Aから第1樹脂層を形成する。
導電層を形成する工程では、例えば、前述した導電層の形成方法により、第1樹脂層上に導電層を形成する。導電層は、第1樹脂層上に、任意の層を介して間接的に形成してもよい。ただし、導電層は、第1樹脂層上に直接に形成することが好ましい。ここで、ある層上に別の層を形成する態様が「直接」とは、これら2層の間に他の層が無いことを言う。
第2樹脂層を形成する工程では、導電層の第1樹脂層とは反対側に、第2樹脂層を形成する。第2樹脂層は、導電層上に、任意の層を介して間接的に形成してもよい。例えば、前述した第2樹脂層の製造方法によって第2樹脂層を用意した後で、その第2樹脂層を、粘着剤又は接着剤を介して導電層に貼り合わせてもよい。ただし、第2樹脂層は、導電層上に直接に形成することが好ましい。例えば、第2樹脂層を、必要に応じて加熱しながら導電層の表面に圧着することで、導電層上に直接に第2樹脂層を形成することができる。また、例えば、樹脂B及び溶媒を含む塗工液を導電層上に塗工し、必要に応じて乾燥させることによっても、導電層上に直接に第2樹脂層を形成することができる。
積層体の製造方法は、前述した工程に組み合わせて、更に任意の工程を含んでいてもよい。
[8.タッチパネル]
前述した積層体は、各種光学用途に使用することができる。積層体は、例えば、タッチパネルの部材として使用することができる。積層体は、耐折り曲げ性に優れるので、特に可撓性を有するタッチパネルに好適である。
積層体を備えるタッチパネルにおいて、積層体の向きは、任意である。例えば、タッチパネルにおいて、第1樹脂層、導電層及び第2樹脂層は、視認側からこの順に設けられていてもよい。また、例えば、タッチパネルにおいて、第2樹脂層、導電層及び第1樹脂層は、視認側からこの順に設けられていてもよい。
一般的には、タッチパネルは、視認側の面を外側にして湾曲させて使用することが多いと考えられる。よって、タッチパネルに設けられる積層体の向きは、視認側の面を外側にして湾曲可能なタッチパネルが得られるように設定することが好ましい。前述のように、積層体は、通常、第1樹脂層側の面を外側にした折り曲げに対して高い耐性を有する。よって、積層体の視認側の面を外側にして当該積層体が湾曲可能となるようにするため、積層体の向きは、第1樹脂層、導電層及び第2樹脂層が視認側からこの順に設けられるように設定することが好ましい。これにより、視認側の面を外側にして湾曲可能なタッチパネルを得ることができる。
タッチパネルは、通常、積層体に組み合わせて、画像表示素子を備える。画像表示素子としては、例えば、液晶表示素子、有機エレクトロルミネッセンス表示素子(以下、適宜「有機EL表示素子」ということがある。)が挙げられる。通常、積層体は、前記の画像表示素子の視認側に設けられる。
可撓性を有するタッチパネルを得るためには、画像表示素子として、可撓性を有する画像表示素子(フレキシブルディスプレイ素子)を採用することが好ましい。このように可撓性を有する画像表示素子としては、例えば、有機EL表示素子が挙げられる。
有機EL表示素子は、通常、基板上に、第一電極層、発光層及び第二電極層をこの順に備え、第一電極層及び第二電極層から電圧を印加されることにより発光層が光を生じうる。有機発光層を構成する材料の例としては、ポリパラフェニレンビニレン系、ポリフルオレン系、およびポリビニルカルバゾール系の材料を挙げることができる。また、発光層は、複数の発光色が異なる層の積層体、あるいはある色素の層に異なる色素がドーピングされた混合層を有していてもよい。さらに、有機EL表示素子は、バリア層、正孔注入層、正孔輸送層、電子注入層、電子輸送層、等電位面形成層、電荷発生層等の機能層を備えていてもよい。
以下、実施例を示して本発明について具体的に説明する。ただし、本発明は以下に示す実施例に限定されるものではなく、本発明の請求の範囲及びその均等の範囲を逸脱しない範囲において任意に変更して実施しうる。
以下の説明において、量を表す「%」及び「部」は、別に断らない限り、重量基準である。また、以下の説明において、別に断らない限り、「sccm」は、気体の流量の単位であり、1分間当たりに流れる気体の量を、その気体が25℃、1atmである場合の体積(cm)で示す。さらに、以下に説明する操作は、別に断らない限り、常温及び常圧の条件において行った。
[評価方法]
〔分子量の測定方法〕
重合体の重量平均分子量及び数平均分子量は、テトラヒドロフランを溶離液とするゲル・パーミエーション・クロマトグラフィーによる標準ポリスチレン換算値として38℃において測定した。測定装置としては、東ソー社製HLC8320GPCを用いた。
〔水素化率の測定方法〕
重合体の水素化率は、H−NMR測定により測定した。
〔ガラス転移温度Tg及び融点Mpの測定方法〕
示差走査熱量計(DSC)を用いて、10℃/分で昇温して試料のガラス転移温度Tg及び融点Mpを求めた。
〔重合体のラセモ・ダイアッドの割合の測定方法〕
オルトジクロロベンゼン−d/1,2,4−トリクロロベンゼン(TCB)−d(混合比(質量基準)1/2)を溶媒として、200℃で、inverse−gated decoupling法を適用して、重合体の13C−NMR測定を行った。この13C−NMR測定の結果から、オルトジクロロベンゼン−dの127.5ppmのピークを基準シフトとして、メソ・ダイアッド由来の43.35ppmのシグナルと、ラセモ・ダイアッド由来の43.43ppmのシグナルとを同定した。これらのシグナルの強度比に基づいて、重合体のラセモ・ダイアッドの割合を求めた。
〔樹脂の貯蔵弾性率の測定方法〕
試料としての樹脂から、押出成形法により、厚み1mmの測定用フィルムを得た。この測定用フィルムについて、動的粘弾性測定装置(TAインスツルメント社製「ARES」)により、せん断モード、周波数1Hzの測定条件で、25℃における貯蔵弾性率を測定した。
〔折り返し試験による耐折り曲げ性の評価〕
積層フィルムに対して、折り返し試験を行った。この折り返し試験では、屈曲試験機(ユアサシステム機器社製「TCDM111LH」)を用いて、積層フィルムに対して、曲率半径5mmでの折り返し操作を1万回行った。その後、目視にて積層フィルムを観察して、下記の基準で判定した。
「良」:試験前と変化なし。もしくは、積層フィルムにうっすら白い部分が見られる。
「不良」:積層フィルムが白化している。もしくは、積層フィルムに、試験途中で割れが生じる。
〔スパッタリングによる導電層形成による寸法変化の評価方法〕
第1樹脂層上にスパッタリングによって導体層としてITO層を形成した実施例1、2及び4〜7並びに比較例1〜2について、スパッタリングによる導電層の形成によって第1樹脂層に寸法変化が生じるかどうかを評価した。具体的には、スパッタリングの前及び後それぞれで、第1樹脂層の長さ及び幅を測定した。そして、測定された長さ及び幅がスパッタリングによって変化するか否かを調べた。
また、参考のため、実施例3でも、導電層の形成によって第1樹脂層に寸法変化が生じるかどうかを評価した。具体的には、第1樹脂層上に塗布された分散液を120℃で乾燥させる前及び後それぞれで、第1樹脂層の長さ及び幅を測定した。そして、測定された長さ及び幅が乾燥によって変化するか否かを調べた。
[製造例1:ブロック共重合体の水素化物のアルコキシシリル基変性物を含むSi変性樹脂の製造]
(第1段階:重合反応による第1ブロックStの伸長)
十分に乾燥し窒素置換した、攪拌装置を備えたステンレス鋼製の反応器に、脱水シクロヘキサン550部、スチレン25部、及びジブチルエーテル0.475部を仕込み、60℃で攪拌しながらn−ブチルリチウム溶液(15重量%含有ヘキサン溶液)0.68部を添加して重合反応を開始させ、1段目の重合反応を行った。反応開始後1時間の時点で、反応混合物から試料をサンプリングし、ガスクロマトグラフィー(GC)により分析した結果、重合転化率は99.5%であった。
(第2段階:重合反応による第2ブロックIpの伸長)
上記第1段階で得られた反応混合物に、脱水イソプレン50部を添加し、そのまま30分撹拌を続けた。引き続き第2段階の重合反応を開始した。第2段階の重合反応開始後1時間の時点で、反応混合物から試料をサンプリングし、GCにより分析した結果、重合転化率は99.5%であった。
(第3段階:重合反応による第3ブロックStの伸長)
上記第2段階で得られた反応混合物に、脱水スチレン25部を添加し、引き続き第3段階の重合反応を開始した。第3段階の重合反応開始後1時間の時点で、反応混合物から試料をサンプリングし、ブロック共重合体の重量平均分子量Mw及び数平均分子量Mnを測定した。またこの時点でサンプリングした試料をGCにより分析した結果、重合転化率はほぼ100%であった。その後直ちに、反応混合物にイソプロピルアルコール0.5部を添加して反応を停止させた。これにより、ブロック共重合体を含む混合物を得た。
得られたブロック共重合体は、第1ブロックSt−第2ブロックIp−第3ブロックSt=25−50−25(重量比)のトリブロック分子構造を有する重合体であることが分かった。ブロック共重合体の重量平均分子量(Mw)は47200、分子量分布(Mw/Mn)は1.05であった。
(第4段階:ブロック共重合体の水素化)
次に、上記のブロック共重合体を含む混合物を、攪拌装置を備えた耐圧反応器に移送し、水素化触媒としての珪藻土担持型ニッケル触媒(ズードケミー触媒社製「T−8400RL」)3.0部及び脱水シクロヘキサン100部を添加して、混合した。反応器内部を水素ガスで置換し、さらに溶液を攪拌しながら水素を供給し、温度190℃、圧力4.5MPaにて8時間、水素化反応を行った。水素化反応により得られた反応溶液に含まれるブロック共重合体の水素化物の重量平均分子量(Mw)は49900、分子量分布(Mw/Mn)は1.06であった。
(第5段階:揮発成分の除去)
水素化反応の終了後、反応溶液をろ過して、水素化触媒を除去した。その後、反応溶液に、フェノール系酸化防止剤であるペンタエリスリチル・テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](松原産業社製「Songnox1010」)0.1部を溶解したキシレン溶液2.0部を添加して、溶解させた。
次いで、上記の反応溶液から、円筒型濃縮乾燥器(日立製作所社製「コントロ」)を用いて、温度260℃、圧力0.001MPa以下で、溶媒であるシクロヘキサン、キシレン及びその他の揮発成分を除去した。溶融ポリマーをダイからストランド状に押出し、冷却後、ペレタイザーを用いて、ブロック共重合体の水素化物を含む樹脂のペレットを作製した。
得られたペレット状の樹脂に含まれるブロック共重合体の水素化物の重量平均分子量(Mw)は49500、分子量分布(Mw/Mn)は1.10、水素化率はほぼ100%であった。
(第6段階:エチレン性不飽和シラン化合物による変性)
前記の樹脂のペレット100部に対して、ビニルトリメトキシシラン3.0部及び2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン(日油社製「パーヘキサ(登録商標) 25B」)0.2部を添加して、混合物を得た。この混合物を、二軸押出し機を用いて、樹脂温度220℃、滞留時間60秒〜70秒で混練し、ストランド状に押し出した。押し出された混合物を空冷した後、ペレタイザーによりカッティングし、ブロック共重合体の水素化物のアルコキシシリル基変性物を含む樹脂のペレット96部を得た。
アルコキシシリル基変性物を含む樹脂のペレット10部をシクロヘキサン100部に溶解して、溶液を得た。この溶液を、脱水メタノール400部中に注いで、アルコキシシリル基変性物を凝固させ、凝固物を濾取した。濾過物を25℃で真空乾燥して、アルコキシシリル基変性物のクラム9.0部を単離した。
アルコキシシリル基変性物のFT−IRスペクトルを測定したところ、1090cm−1にSi−OCH基、825cm−1と739cm−1にSi−CH基に由来する新たな吸収帯が、ビニルトリメトキシシランのSi−OCH基、Si−CH基に由来する吸収帯(1075cm−1、808cm−1及び766cm−1)と異なる位置に観察された。
また、アルコキシシリル基変性物のH−NMRスペクトル(重クロロホルム中)を測定したところ、3.6ppmにメトキシ基のプロトンに基づくピークが観察された。このピーク面積比から、変性前のブロック共重合体の水素化物の100部に対してビニルトリメトキシシラン1.8部が結合したことが確認された。
こうして得られたアルコキシシリル基変性物を含む樹脂を、適宜、水添ブロック樹脂X1と呼ぶ。
[製造例2:ブロック共重合体の水素化物のアルコキシシリル基変性物を含むSi変性樹脂の製造]
(第1段階から第3段階:重合反応によるブロック共重合体の製造)
第1段階で仕込むスチレンの量を、25部から30部に変更した。また、第1段階で仕込むn−ブチルリチウム溶液(15重量%含有ヘキサン溶液)の量を、0.68部から0.61部に変更した。さらに、第2段階で仕込むイソプレンの量を、50部から40部に変更した。また、第3段階で仕込むスチレンの量を、25部から30部に変更した。以上の事項以外は、製造例1の(第1段階)〜(第3段階)と同じ操作を行って、ブロック共重合体を含む混合物を得た。得られたブロック共重合体の重量平均分子量(Mw)は80,400、分子量分布(Mw/Mn)は1.03、wA/wB=60/40であった。
(第4段階:ブロック共重合体の水素化)
次に、上記のブロック共重合体の水素化を、製造例1の(第4段階)と同じ操作によって行った。水素化反応により得られた反応溶液に含まれるブロック共重合体の水素化物の重量平均分子量(Mw)は80,400、分子量分布(Mw/Mn)は1.04であった。
(第5段階:揮発成分の除去)
製造例1の(第5段階)と同じ操作により、ブロック共重合体の水素化物に対する酸化防止剤の添加と濃縮乾燥とを行って、ブロック共重合体の水素化物を含む樹脂のペレット95部を作製した。
得られたペレット状の樹脂に含まれるブロック共重合体の水素化物の重量平均分子量(Mw)は80,200、分子量分布(Mw/Mn)は1.04、水素化率はほぼ100%であった。
(第6段階:エチレン性不飽和シラン化合物による変性)
前記の樹脂のペレットを用いて、製造例1の(第6段階)と同じ操作を行って、ブロック共重合体の水素化物のアルコキシシリル基変性物を含む樹脂を得た。こうして得られたアルコキシシリル基変性物を含む樹脂を、適宜、水添ブロック樹脂X2と呼ぶ。
[製造例3:ブロック共重合体の水素化物のアルコキシシリル基変性物を含むSi変性樹脂の製造]
(第1段階から第3段階:重合反応によるブロック共重合体の製造)
第1段階で仕込むスチレンの量を、25部から35部に変更した。また、第1段階で仕込むn−ブチルリチウム溶液(15重量%含有ヘキサン溶液)の量を、0.68部から0.32部に変更した。さらに、第2段階で仕込むイソプレンの量を、50部から30部に変更した。また、第3段階で仕込むスチレンの量を、25部から35部に変更した。以上の事項以外は、製造例1の(第1段階)〜(第3段階)と同じ操作を行って、ブロック共重合体を含む混合物を得た。得られたブロック共重合体の重量平均分子量(Mw)は141,000、分子量分布(Mw/Mn)は1.04、wA/wB=70/30であった。
(第4段階:ブロック共重合体の水素化)
次に、上記のブロック共重合体の水素化を、製造例1の(第4段階)と同じ操作によって行った。水素化反応により得られた反応溶液に含まれるブロック共重合体の水素化物の重量平均分子量(Mw)は143,000、分子量分布(Mw/Mn)は1.06であった。
(第5段階:揮発成分の除去)
濃縮乾燥器の温度を260℃から270℃に変更したこと以外は、製造例1の(第5段階)と同じ操作により、ブロック共重合体の水素化物に対する酸化防止剤の添加と濃縮乾燥とを行って、ブロック共重合体の水素化物を含む樹脂のペレット88部を作製した。
得られたペレット状の樹脂に含まれるブロック共重合体の水素化物の重量平均分子量(Mw)は142,000、分子量分布(Mw/Mn)は1.41、水素化率はほぼ100%であった。
(第6段階:エチレン性不飽和シラン化合物による変性)
前記の樹脂のペレットを用いて、製造例1の(第6段階)と同じ操作を行って、ブロック共重合体の水素化物のアルコキシシリル基変性物を含む樹脂を得た。こうして得られたアルコキシシリル基変性物を含む樹脂を、適宜、水添ブロック樹脂X3と呼ぶ。
[製造例4:ジシクロペンタジエンの開環重合体の水素化物を含む結晶性樹脂COP2の製造]
金属製の耐圧反応器を、充分に乾燥した後、窒素置換した。この耐圧反応器に、シクロヘキサン154.5部、ジシクロペンタジエン(エンド体含有率99%以上)の濃度70%シクロヘキサン溶液42.8部(ジシクロペンタジエンの量として30部)、及び、1−ヘキセン1.9部を加え、53℃に加温した。
テトラクロロタングステンフェニルイミド(テトラヒドロフラン)錯体0.014部を0.70部のトルエンに溶解し、溶液を調製した。この溶液に、濃度19%のジエチルアルミニウムエトキシド/n−ヘキサン溶液0.061部を加えて10分間攪拌して、触媒溶液を調製した。
この触媒溶液を耐圧反応器に加えて、開環重合反応を開始した。その後、53℃を保ちながら4時間反応させて、ジシクロペンタジエンの開環重合体の溶液を得た。
得られたジシクロペンタジエンの開環重合体の数平均分子量(Mn)及び重量平均分子量(Mw)は、それぞれ、8,750および28,100であり、これらから求められる分子量分布(Mw/Mn)は3.21であった。
得られたジシクロペンタジエンの開環重合体の溶液200部に、停止剤として1,2−エタンジオール0.037部を加えて、60℃に加温し、1時間攪拌して重合反応を停止させた。ここに、ハイドロタルサイト様化合物(協和化学工業社製「キョーワード(登録商標)2000」)を1部加えて、60℃に加温し、1時間攪拌した。その後、濾過助剤(昭和化学工業社製「ラヂオライト(登録商標)#1500」)を0.4部加え、PPプリーツカートリッジフィルター(ADVANTEC東洋社製「TCP−HX」)を用いて吸着剤と溶液を濾別した。
濾過後のジシクロペンタジエンの開環重合体の溶液200部(重合体量30部)に、シクロヘキサン100部を加え、クロロヒドリドカルボニルトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム0.0043部を添加して、水素圧6MPa、180℃で4時間、水素化反応を行なった。これにより、ジシクロペンタジエンの開環重合体の水素化物を含む反応液が得られた。この反応液は、水素化物が析出してスラリー溶液となっていた。
前記の反応液に含まれる水素化物と溶液とを、遠心分離器を用いて分離し、60℃で24時間減圧乾燥して、結晶性を有するジシクロペンタジエンの開環重合体の水素化物28.5部を得た。この水素化物の水素化率は99%以上、ガラス転移温度Tgは93℃、融点Mp262℃、ラセモ・ダイアッドの割合は89%であった。
得られたジシクロペンタジエンの開環重合体の水素化物100部に、酸化防止剤(テトラキス〔メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン;BASFジャパン社製「イルガノックス(登録商標)1010」)1.1部を混合した後、内径3mmΦのダイ穴を4つ備えた二軸押出機(東芝機械社製「TEM−37B」)に投入した。二軸押出機を用いた熱溶融押出し成形により、樹脂をストランド状の成形体にした後、ストランドカッターにて細断して、結晶性樹脂COP2のペレットを得た。この結晶性樹脂COP2は、結晶性を有する脂環式構造含有重合体としてジシクロペンタジエンの開環重合体の水素化物を含む樹脂(ガラス転移温度は92℃、融点Mpは260℃)である。
前記の二軸押出機の運転条件は、以下のとおりであった。
・バレル設定温度=270℃〜280℃。
・ダイ設定温度=250℃。
・スクリュー回転数=145rpm。
・フイーダー回転数=50rpm。
[実施例1]
(1−1.第1樹脂層の用意)
第1樹脂層として、脂環式構造含有重合体としてのノルボルネン系重合体で形成された樹脂フィルム(日本ゼオン社製「ゼオノアフィルム ZF16」;厚み50μm;樹脂のガラス転移温度160℃)を用意した。
(1−2.導電層の形成)
第1樹脂層の表面に、大気中で放電量150W/m/分でコロナ処理を施した。第1樹脂層のコロナ処理面に、フィルム巻き取り式マグネトロンスパッタリング装置を用いてスパッタリングを行って、導電層として厚み25nmのITO層を形成した。前記のスパッタリングは、ターゲットとして酸化スズ及び酸化インジウムを焼成したものを用いて、アルゴン(Ar)流量150sccm、酸素(O)流量10sccm、出力4.0kW、真空度0.3Pa、フィルム搬送速度0.5m/minの条件で行った。これにより、第1樹脂層及び導電層を備える複層フィルムを得た。
(1−3.第2樹脂層の形成)
製造例1で製造した水添ブロック樹脂X1から、押出成形法によってフィルム状に成形して、厚み50μmの第2樹脂層としてのフィルムを得た。この第2樹脂層を、前記複層フィルムの導電層側の面に、真空ラミネータ(日清紡メカトロニクス社製「PVL0505S」)を用いて熱ラミネートした。この熱ラミネートは、具体的には、下記の手順で行った。
複層フィルムの導電層上に、第2樹脂層を載せた。複層フィルム及び第2樹脂層を、減圧下で、温度150℃で5分間予熱した。その後、温度150℃、圧力0.03MPaで、複層フィルム及び第2樹脂層を、10分間圧着した。
これにより、第1樹脂層/導電層/第2樹脂層を備える積層フィルムを得た。この積層フィルムについて、前述した方法で評価を行った。折り返し試験の結果、折り返し部は、変化が無かった。
[実施例2]
実施例1で第1樹脂層として用意した樹脂フィルムを温度180℃で延伸することにより、厚み13μmの延伸フィルムを得た。この樹脂フィルムを、第1樹脂層として用いた。
また、押出成形条件を変更することにより、第2樹脂層としての水添ブロック樹脂X1のフィルムの厚みを、5μmに変更した。
以上の事項以外は、実施例1と同じ操作により、第1樹脂層/導電層/第2樹脂層を備える積層フィルムの製造及び評価を行った。折り返し試験の結果、折り返し部は、変化が無かった。
[実施例3]
導電性ナノワイヤ分散液として、銀ナノワイヤを含む分散液(カンブリオス・テクノロジーズ・コーポレーション社製「クリアオーム」)を用意した。実施例1で用いたのと同じ第1樹脂層上に、バーコーターを用いて、前記の分散液を塗布し、120℃で乾燥させた。これにより、第1樹脂層上に、厚み1μmの導電層が形成されて、第1樹脂層及び導電層を備える複層フィルムを得た。この複層フィルム上に、実施例1における第2樹脂層の形成方法と同じ方法により、第2樹脂層を熱ラミネートして、第1樹脂層/導電層/第2樹脂層を備える積層フィルムを得た。この積層フィルムについて、前述した方法で評価を行った。折り返し試験の結果、折り返し部は、変化が無かった。
[実施例4]
脂環式構造含有重合体としてのノルボルネン系重合体の樹脂ペレット(日本ゼオン社製「ゼオノア」;ガラス転移温度126℃)を用意した。この樹脂ペレットを、Tダイ式フィルム押出成形機を用いて成型して、厚み50μmの樹脂フィルムを得た。この樹脂フィルムを第1樹脂層として用いたこと以外は、実施例1と同じ操作により、第1樹脂層/導電層/第2樹脂層を備える積層フィルムの製造及び評価を行った。折り返し試験の結果、折り返し部は、変化が無かった。
[実施例5]
実施例1で第1樹脂層として用意した樹脂フィルムを温度180℃で延伸することにより、厚み40μmの延伸フィルムを得た。この樹脂フィルムを、第1樹脂層として用いた。
また、製造例2で製造した水添ブロック樹脂X2から、押出成形法によってフィルム状に成形して、厚み50μmのフィルムを得た。この水添ブロック樹脂X2のフィルムを、第2樹脂層として用いた。
以上の事項以外は、実施例1と同じ操作により、第1樹脂層/導電層/第2樹脂層を備える積層フィルムの製造及び評価を行った。折り返し試験の結果、折り返し部は、変化が無かった。
[実施例6]
実施例1で第1樹脂層として用意した樹脂フィルムを温度180℃で延伸することにより、厚み30μmの延伸フィルムを得た。この樹脂フィルムを、第1樹脂層として用いた。
また、製造例3で製造した水添ブロック樹脂X3から、押出成形法によってフィルム状に成形して、厚み30μmのフィルムを得た。この水添ブロック樹脂X3のフィルムを、第2樹脂層として用いた。
以上の事項以外は、実施例1と同じ操作により、第1樹脂層/導電層/第2樹脂層を備える積層フィルムの製造及び評価を行った。折り返し試験の結果、折り返し部は、変化が無かった。
[実施例7]
製造例4で製造した結晶性樹脂COP2のペレットを、Tダイ式フィルム押出成形機を用いて成型して、厚み50μmの樹脂フィルムを得た。この樹脂フィルムを第1樹脂層として用いたこと以外は、実施例1と同じ操作により、第1樹脂層/導電層/第2樹脂層を備える積層フィルムの製造及び評価を行った。折り返し試験の結果、折り返し部は、変化が無かった。
[比較例1]
第2樹脂層として、実施例1で第1樹脂層として用いたのと同じ樹脂フィルムを用いた。以上の事項以外は実施例1と同じ操作により、第1樹脂層/導電層/第2樹脂層を備える積層フィルムの製造及び評価を行った。折り返し試験の結果、折り返し回数1000回で第1樹脂層、第2樹脂層及び導電層に割れが生じた。また、折り返し試験後には、折り返し部が白化した。
[比較例2]
(導電層の形成)
ノルボルネン系重合体で形成された樹脂フィルムの代わりに、ポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ社製「ルミラーT−60」、厚み38μm、25℃における貯蔵弾性率4000MPa、融点Mp260℃、ガラス転移温度70℃)を第1樹脂層として用いた。以上の事項以外は、実施例1における導電層の形成方法と同じ方法により、第1樹脂層上に導電層を形成して、第1樹脂層及び導電層を備える複層フィルムを得た。
(第2樹脂層に相当する粘着剤層の形成)
ブチルアクリレート67重量部、シクロヘキシルアクリレート14重量部、4−ヒドロキシブチルアクリレート27重量部、ヒドロキシエチルアクリレート9重量部、光重合開始剤(BASF社製「イルガキュア651」)0.05重量部、及び、光重合開始剤(BASF社製「イルガキュア184」)0.05重量部を混合して、モノマー混合物を得た。このモノマー混合物を窒素雰囲気下で紫外線に曝露して部分的に光重合させることにより、重合率約10重量%の部分重合物(アクリル系ポリマーシロップ)を得た。得られた部分重合物100重量部に、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬社製「KAYARAD DPHA」)0.15重量部、シランカップリング剤(信越化学工業社製「KBM−403」)0.3重量部を添加して均一に混合し、アクリル系粘着剤組成物を得た。
前記のアクリル系粘着剤組成物を、剥離フィルム(三菱樹脂社製「ダイアホイルMRF#38」)の剥離処理された面上に、粘着剤層形成後の厚さが100μmとなるように塗布して、粘着剤組成物層を形成した。次いで、この粘着剤組成物層の表面に、剥離フィルム(三菱樹脂社製「ダイアホイルMRN#38」)を、当該剥離フィルムの剥離処理面が粘着剤組成物層側になるようにして被覆した。これにより、粘着剤組成物層を酸素から遮断した。
その後、照度5mW/cm、光量1500mJ/cmの条件で粘着剤組成物層に紫外線照射を行い、粘着剤組成物層を光硬化させて、離型フィルム/粘着剤層/離型フィルムを有する粘着シートを得た。粘着剤層の両面に被覆された離型フィルムは、剥離ライナーとして機能する。なお、粘着剤層のベースポリマーとしてのアクリル系ポリマーの重量平均分子量(Mw)は200万であった。
粘着シートの一方の離型フィルムを剥離した。剥離により現れた粘着剤層の面を、前記の複層フィルムの導電層に貼り合わせた。その後、もう一方の離型フィルムを剥離して、第1樹脂層/導電層/第2樹脂層に相当する粘着剤層を備える積層フィルムを得た。この積層フィルムについて、前述した方法で評価を行った。折り返し試験の結果、折り返し部が白化した。
[結果]
前記の実施例及び比較例の閣下を、下記の表1に示す。下記の表において、略称の意味は、下記の通りである。
「COP」:ノルボルネン系重合体。
「COP2」:結晶性樹脂COP2。
「PET」:ポリエチレンテレフタレート。
「銀ナノ」:銀ナノワイヤ。
「樹脂X1」:ブロック共重合体の水素化物のアルコキシシリル基変性物を含む水添ブロック樹脂X1。
「樹脂X2」:ブロック共重合体の水素化物のアルコキシシリル基変性物を含む水添ブロック樹脂X2。
「樹脂X3」:ブロック共重合体の水素化物のアルコキシシリル基変性物を含む水添ブロック樹脂X3。
「Tg」:ガラス転移温度。
Figure 2019151293
10 積層体
110 第1樹脂層
110D 積層体の第1樹脂層側の面
120 導電層
130 第2樹脂層
130U 積層体の第2樹脂層側の面

Claims (7)

  1. 樹脂Aで形成された第1樹脂層と、導電層と、樹脂Bで形成された第2樹脂層とを、この順に備え、
    25℃における前記樹脂Aの貯蔵弾性率が、500MPa以上20000MPa以下であり、
    25℃における前記樹脂Bの貯蔵弾性率が、10MPa以上1000MPa以下である、積層体。
  2. 前記第1樹脂層の厚みが、1μm以上100μm以下であり、
    前記第2樹脂層の厚みが、1μm以上100μm以下である、請求項1に記載の積層体。
  3. 前記樹脂Aが、脂環式構造を含有する重合体を含み、
    前記樹脂Bが、アルコキシシリル基を導入されていてもよいブロック共重合体水素化物を含む、請求項1又は2に記載の積層体。
  4. 前記樹脂Aのガラス転移温度が、130℃以上である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の積層体。
  5. 前記導電層が、金属、導電性金属酸化物、導電性ナノワイヤ及び導電性ポリマーからなる群より選ばれる少なくとも1種類の導電材料を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の積層体。
  6. 第1樹脂層、導電層及び第2樹脂層が、視認側からこの順に設けられるように、請求項1〜5のいずれか一項に記載の積層体を備えたタッチパネルであって、
    前記積層体は、視認側の面を外側にして湾曲可能である、タッチパネル。
  7. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の積層体の製造方法であって、
    第1樹脂層を用意する工程と、
    前記第1樹脂層上に、導電層を形成する工程と、
    前記導電層上に、第2樹脂層を形成する工程と、を含む、積層体の製造方法。
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