(実施形態1)
(1)概要
本実施形態に係る煙感知器は、火災等によって発生する煙を感知したときに、発報を行う防災機器である。つまり、火災等の災害の発生時において煙が発生すると、煙感知器は、この煙を検知し、一例として、警報音の出力又は通信機能による他の機器との連動等によって発報を行う。本開示でいう「防災機器」は、例えば、火災等の災害の防止、災害による被害の拡大の防止、又は被災からの復旧等の目的で施設に設置される機器である。
煙感知器1は、図2A及び図2Bに示すように、筐体2を備え、筐体2内に種々の部品を収容している。煙感知器1は、施設に設置されて使用される。本実施形態では、煙感知器1が、例えば、ホテル、オフィスビル、学校、福祉施設、商業施設、テーマパーク、病院又は工場等の非住宅の施設に用いられる場合を例示するが、この例に限らず、煙感知器1は、集合住宅又は戸建住宅等の施設に用いられてもよい。煙感知器1は、例えば、施設の居室、廊下又は階段等において、天井又は壁等に取り付けられた状態で施設に設置される。
本実施形態に係る煙感知器1は、図1A及び図1Bに示すように、少なくとも壁構造3と、発光素子4と、受光素子5と、を備えている。壁構造3は、一平面に直交する一方向から見て感知空間Sp1を囲む。発光素子4は、光出射面41を有し、光出射面41から感知空間Sp1に向けて光を出力する。受光素子5は、発光素子4からの直接光が入射せず、かつ感知空間Sp1内の煙での散乱光が入射する位置に配置される。これにより、感知空間Sp1に煙が存在しない状態では、受光素子5は、発光素子4から出力された光を受光せず、感知空間Sp1に煙が存在する状態では、受光素子5は、発光素子4から出力され煙で散乱された光(散乱光)を受光する。したがって、煙感知器1は、受光素子5での受光状態によって、感知空間Sp1に存在する煙を感知することができる。
ここにおいて、壁構造3は、図1A及び図1Bに示すように、厚み方向の両側に、内側面31と、外側面32と、を有する。壁構造3の厚み方向は、一平面に沿った方向である。内側面31は、感知空間Sp1側を向いた面であって、外側面32は、感知空間Sp1とは反対側を向いた面である。壁構造3は、厚み方向において、煙を通過させ、かつ光の透過を抑制する。つまり、壁構造3は、感知空間Sp1の外部から感知空間Sp1に光が進入することを抑制しつつも、感知空間Sp1の外部から感知空間Sp1に煙を取り込む機能を有する。
発光素子4は、このような壁構造3の内側面31と外側面32との間に、光出射面41を内側面31側に向けて配置されている。つまり、発光素子4は、壁構造3の厚み内に収まるように、壁構造3の厚み方向の両面(内側面31及び外側面32)間に配置されている。
この構成によれば、発光素子4が壁構造3の厚み内に収まっているので、壁構造3の内側面31から発光素子4が突出する構成に比べて、感知空間Sp1を広く確保することができる。また、発光素子4が壁構造3の厚み内に収まっているので、壁構造3の外側面32から発光素子4が突出する構成に比べて、煙感知器1(少なくとも後述する感知ブロック10)の小型化を図ることができる。その結果、本実施形態に係る煙感知器1によれば、感知空間Sp1を比較的広く確保しながらも小型化を図ることが可能である。
(2)構成
以下、本実施形態に係る煙感知器1の構成について詳しく説明する。
本実施形態では、一例として、煙感知器1が施設の天井に取り付けられることとして説明する。以下、煙感知器1が天井に取り付けられた状態での、水平面に対して垂直な(直交する)方向を「上下方向」とし、上下方向における下方を「下方」として説明する。図面中の「上下方向」を示す矢印は説明のために表記しているに過ぎず、実体を伴わない。ただし、これらの方向は煙感知器1の使用方向(取付方向)を限定する趣旨ではない。例えば、ここで規定した「下方」が、実際の煙感知器1の設置状態では前方(水平方向)であってもよい。
また、以下に説明する各図面においては、煙感知器1の構成を模式的に表しており、図面における各種の寸法関係等が実物とは異なる場合がある。
(2.1)全体構成
まず、本実施形態に係る煙感知器1の全体構成について、図2A〜図5を参照して説明する。
煙感知器1は、筐体2と、感知ブロック10(図3参照)と、回路ブロック20(図3参照)と、を備えている。また、本実施形態では、煙感知器1は、音出力部61(図3参照)と、電池62と、を更に備えている。電池62は、煙感知器1の構成要素に含まれることは必須ではなく、煙感知器1の構成要素に電池62が含まれていなくてもよい。
筐体2は、平面視において円形状となる円盤状である。筐体2は、合成樹脂製の成形品である。筐体2は、第1カバー21と、第2カバー22と、を有している。第1カバー21は、第2カバー22の下面を覆うように、第2カバー22に対して組み合わされる。第2カバー22は、施工面(本実施形態では天井面)に固定される。ただし、厳密には、第2カバー22は施工面に直接的に固定されるわけではなく、施工面に固定されている取付ベースに固定されることによって、施工面に対して間接的に固定される。
ここで、第1カバー21及び第2カバー22は、いずれも円盤状に形成されており、平面視における外周形状が同一である。そのため、第1カバー21と第2カバー22とが組み合わされることにより、1つの円盤状の筐体2が構成される。第1カバー21は、第2カバー22に対して複数本(3本)のねじ63にて結合される。第1カバー21と第2カバー22とが互いに結合された状態で、第1カバー21と第2カバー22との間には、感知ブロック10、回路ブロック20及び音出力部61が収容される。
第1カバー21は、円形状の第1主板211と、第1主板211の上面の外周部から上方に突出する第1周壁212と、を有している。また、第1カバー21は、第1主板211の上面に、回路ブロック20を配置するための回路領域213(図4参照)、及び音出力部61を配置するための第1音響領域214(図4参照)を更に有している。第1カバー21は、回路領域213内に配置された押釦215を更に有している。押釦215は、第1主板211に対してヒンジ構造により可動に構成されており、筐体2の内側、つまり上方へと押し込む操作が可能である。押釦215が押し操作されることにより、回路領域213に配置される回路ブロック20に含まれるスイッチが操作されることになる。
また、第1主板211の下面には、外周縁に沿って延びる溝216(図2A参照)が形成されている。溝216は、第1主板211の下面の外周縁と略同心円状であって、全周に亘って形成されている。つまり、溝216は、第1主板211の下面の外周縁よりも一回り小さい円環状である。さらに、溝216の底面のうち第1音響領域214に対応する部分には、第1主板211を、第1主板211の板厚方向に貫通する音孔217(図2A参照)が形成されている。
第2カバー22は、円形状の第2主板221と、第2主板221の上面の外周部から上方に突出する第2周壁222と、を有している。また、第2カバー22は、第2主板221の下面に、感知ブロック10を配置するための収容領域223(図3参照)、及び音出力部61を配置するための第2音響領域224を更に有している。第2カバー22は、第2主板221の上面に、電池62を収容するための電池領域225(図4参照)を更に有している。
また、第2カバー22は、第2主板221の下面から下方に突出する複数のスペーサ226を更に有している。複数のスペーサ226は、各々の先端部(下端部)を第1主板211の上面に接触させることにより、第1カバー21と第2カバー22との間に、所定の隙間を確保する。具体的には、第1カバー21と第2カバー22とが互いに結合された状態で、第1周壁212の上端面と第2主板221の下面との間には、筐体2の内部空間を筐体2の外部とつなぐ開口部23としての隙間が形成される。これにより、開口部23を通して、筐体2の内部空間、つまり第1カバー21と第2カバー22との間の空間に、煙が流入可能となる。
感知ブロック10は、感知ケース7と、発光素子4(図6参照)と、受光素子5(図6参照)と、を有している。感知ケース7は、平面視において円形状となる円盤状である。感知ケース7は、合成樹脂製の成形品である。ここで、感知ケース7は、少なくとも遮光性を有している。本実施形態では、感知ケース7の一部が壁構造3(図5参照)として機能する。壁構造3は、感知空間Sp1の外部から感知空間Sp1に光が進入することを抑制しつつも、感知空間Sp1の外部から感知空間Sp1に煙を取り込む機能を有する。感知ブロック10は、筐体2の内部空間において、回路ブロック20の上方に配置される。感知ブロック10は、感知ケース7内における感知空間Sp1(図5参照)に存在する煙を感知する。
すなわち、感知ブロック10は、図5に示すように、筐体2の内部空間、つまり第1カバー21と第2カバー22との間の空間に、回路ブロック20等と共に収容される。そして、筐体2の内部空間は、上述したよう開口部23を通して筐体2の外部と繋がっているので、筐体2の内部空間には開口部23を通して煙が流入可能である。図5では、煙の進入経路の一部を模式的に点線矢印で示している。そして、感知ブロック10は、感知空間Sp1の外部から感知空間Sp1に煙を取り込む壁構造3を有するので、筐体2の内部空間に流入した煙は、更に感知空間Sp1へと流入可能となる。これにより、感知ブロック10での煙の感知が可能となる。感知ブロック10について詳しくは「(2.2)感知ブロックの構成」の欄で説明する。
回路ブロック20は、プリント配線板201と、スイッチを含む複数の電子部品202と、を有している。複数の電子部品202は、プリント配線板201に実装される。プリント配線板201の導体部には、感知ブロック10の発光素子4及び受光素子5が電気的に接続される。また、プリント配線板201の導体部には、音出力部61及び電池62が更に電気的に接続される。本実施形態では、プリント配線板201は、感知ブロック10の下方、つまり感知ブロック10と第1主板211との間に配置されている。感知ブロック10はプリント配線板201の板厚方向の一面(上面)上に搭載される。
ここで、回路ブロック20は、複数の電子部品202にて構成される制御回路を含んでいる。制御回路は、発光素子4、受光素子5及び音出力部61等の制御を行う回路であって、少なくとも発光素子4を駆動し、かつ受光素子5の出力信号について信号処理を実行する。信号処理においては、回路ブロック20は、受光素子5の受光量(出力信号の大きさ)を閾値と比較することにより、感知空間Sp1における煙の有無を判断する。受光素子5での受光量は、例えば、感知空間Sp1の煙の濃度、及び煙の種類(白煙及び黒煙等)によって変化する。したがって、回路ブロック20は、閾値との比較により、一定以上の濃度の煙が感知空間Sp1に存在する場合に、「煙有り」と判断する。回路ブロック20は、煙の存在を感知すると、音出力部61を駆動するための電気信号を音出力部61に出力する。
音出力部61は、回路ブロック20からの電気信号を受けて音(音波)を出力する。音出力部61は、電気信号を音に変換するスピーカ又はブザー等により実現される。音出力部61は、平面視において円形状となる円盤状である。
電池62は、第2カバー22の上方において、電池領域225に収容される。電池62は、一次電池と二次電池とのいずれであってもよい。
以上説明したように構成される本実施形態に係る煙感知器1は、例えば、自動火災報知システムの構成要素に含まれる。自動火災報知システムは、煙感知器1の他、例えば、煙感知器1からの発報信号(火災信号)を受信する受信機、及び人が火災を発見した場合に押ボタンを操作するための発信機等を備えている。自動火災報知システムにおいては、例えば、煙感知器1にて火災(による煙)の発生が検知されると、煙感知器1から受信機へ火災発生を通知する発報信号(火災信号)が送信される。
(2.2)感知ブロックの構成
次に、感知ブロック10のより詳細な構成について、図6〜図9、図1A及び図1Bを参照して説明する。ただし、以下に説明する各図は模式的な図であって、図中の各部位の長さ又は大きさの比が必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。
感知ブロック10は、上述したように感知ケース7と、発光素子4と、受光素子5と、を有しており、感知ケース7の一部が壁構造3として機能する。感知ケース7の内部には、感知空間Sp1が形成される。また、感知ケース7は、発光素子4を保持する発光素子ホルダ8を有している。さらに、感知ケース7は、受光素子5を保持する受光素子ホルダ9を有している。すなわち、本実施形態に係る煙感知器1は、発光素子ホルダ8及び受光素子ホルダ9を備えている。
本実施形態では、図6に示すように、感知ケース7は、第1ケース71と、第2ケース72と、を有している。第2ケース72は、第1ケース71の上面を覆うように、第1ケース71に対して組み合わされる。第1ケース71は、プリント配線板201(図3参照)に固定される。第1ケース71は、第1ケース71をプリント配線板201に固定するための一対の爪711(図7参照)を有している。一対の爪711は、第1ケース71の下面の外周部から下方に突出しており、プリント配線板201の孔の周縁に引っ掛かることにより、第1ケース71をプリント配線板201に固定する。言い換えれば、第1ケース71をプリント配線板201とは、スナップフィット方式により機械的に結合される。
ここで、第1ケース71及び第2ケース72は、いずれも平面視において円形状に形成されており、平面視における外周形状が略同一である。そのため、第1ケース71と第2ケース72とが組み合わされることにより、1つの円盤状の感知ケース7が構成される。第1ケース71は、第1ケース71と第2ケース72とを結合するための一対の爪712(図7参照)を有している。一対の爪712は、第1ケース71の上面の外周部から上方に突出しており、第2ケース72の外周面に引っ掛かることにより、第1ケース71と第2ケース72とを結合する。言い換えれば、第1ケース71と第2ケース72とは、スナップフィット方式により機械的に結合される。第1ケース71と第2ケース72とが互いに結合された状態で、第1ケース71と第2ケース72との間には、感知空間Sp1が形成される。
第1ケース71は、円形状の底板73と、底板73の上面731の外周部から上方に突出する壁構造3と、を有している。底板73の上面731は、感知空間Sp1の底面を構成する。また、第1ケース71は、発光素子ホルダ8の一部を構成する第1ホルダ81、及び受光素子ホルダ9を更に有している。また、第1ケース71は、後述する遮光壁74(図7参照)、遮光リブ75(図7参照)及び補助遮光壁76(図7参照)を更に有している。第1ホルダ81、受光素子ホルダ9、遮光壁74、遮光リブ75及び補助遮光壁76の各々は、底板73の上面731から上方に突出する。ここで、底板73の上面731からの発光素子ホルダ8、受光素子ホルダ9、遮光壁74及び補助遮光壁76の突出量は、底板73の上面731からの壁構造3の突出量と略同一である。
第2ケース72は、円形状の上板721と、上板721の下面の外周部から下方に突出する周壁722と、を有している。周壁722の内径は壁構造3の外径より大きい。さらに、上板721の下面からの周壁722の突出量は、底板73の上面731からの壁構造3の突出量と略同一である。したがって、第1ケース71と第2ケース72とが互いに結合された状態では、周壁722の先端面(下端面)が底板73の上面731に接触し、壁構造3の先端面(上端面)が上板721の下面に接触する。この状態で、壁構造3は周壁722で囲まれた空間に収まることになる。
周壁722には、周壁722を周壁722の板厚方向に貫通する複数の窓孔723が形成されている。複数の窓孔723は、上板721の下面の周方向に沿って並んでいる。これにより、第1ケース71と第2ケース72とが互いに結合された状態で、複数の窓孔723を通して壁構造3が感知ケース7の外部に露出する。ここで、周壁722には、複数の窓孔723を覆うように防虫ネットが取り付けられていてもよい。防虫ネットは、複数の窓孔723から感知ケース7内の感知空間Sp1への虫等の異物の進入を低減する。
また、第2ケース72は、発光素子ホルダ8の一部を構成する第2ホルダ82(図8参照)を更に有している。第2ホルダ82は、第1ホルダ81と共に発光素子ホルダ8を構成する。言い換えれば、発光素子ホルダ8は、第1ケース71に設けられた第1ホルダ81と、第2ケース72に設けられた第2ホルダ82と、の2部材に分割される。また、第2ケース72は、上板721の下面のうち、遮光リブ75と対向する位置に対向リブ724(図8参照)を更に有している。
壁構造3は、図1Aに示すように、底板73の上面731(一平面)に直交する一方向(上方)から見て感知空間Sp1を囲んでいる。図1Aは、第2ケース72を外した状態、つまり第2ケース72を省略した感知ブロック10の平面図である。本実施形態では、底板73の上面731上には、平面視において円形状の感知空間Sp1が形成されている。壁構造3は、平面視において、感知空間Sp1を全周にわたって包囲するように円環状に形成されている。言い換えれば、底板73の上面731の外周部には、上面731の外周縁に沿って円環状の壁構造3が形成されている。第1ケース71と第2ケース72とが互いに結合された状態において、底板73と上板721との間の空間であって、かつ壁構造3で囲まれた空間が感知空間Sp1となる。つまり、感知空間Sp1と、感知空間Sp1の周囲の空間と、は壁構造3によって仕切られている。
ここにおいて、壁構造3は、壁構造3の厚み方向の両側に、感知空間Sp1側を向いた内側面31と、感知空間Sp1とは反対側を向いた外側面32と、を有する。壁構造3は、厚み方向において、煙を通過させ、かつ光の透過を抑制する。すなわち、壁構造3は、平面視において所定の厚みを有する構造体であって、厚み方向の両側に、内側面31及び外側面32を有している。本実施形態では、壁構造3は、底板73の上面731の半径方向、つまり、底板73の上面731(一平面)に沿った方向であって感知空間Sp1の周囲から感知空間Sp1の中心に向かう方向を、壁構造3の厚み方向とする。そして、壁構造3は、内側面31と外側面32との間において、煙は通過させつつも、光の透過を抑制する機能を有している。これにより、壁構造3は、感知空間Sp1の外部から感知空間Sp1に光が進入することを抑制しつつも、感知空間Sp1の外部から感知空間Sp1に煙を取り込むことを可能にする。本実施形態では、壁構造3の厚みは、全周にわたって略均一であって、平面視において、上面731の外周縁と、内側面31と、外側面32と、は略同心円状となる。
このような壁構造3は、上記の機能を実現するために、壁構造3を厚み方向に貫通する、つまり内側面31と外側面32との間を貫通する複数の煙通過孔33を有している。複数の煙通過孔33は、壁構造3の周方向に沿って並んでいる。これにより、壁構造3は、各煙通過孔33を通して、煙を通過させることができ、感知空間Sp1の外部から感知空間Sp1に煙を取り込むことを可能にする。ここで、各煙通過孔33は、平面視において、内側面31と外側面32との間を真っ直ぐ貫くような形状ではなく、内側面31と外側面32との間の少なくとも一部が曲がった形状である。つまり、壁構造3の外側面32側からでは、各煙通過孔33を通しても、壁構造3に囲まれた感知空間Sp1を見通すことができないように、各煙通過孔33は、少なくとも一部が湾曲又は屈曲した形状を有している。これにより、壁構造3は、光が各煙通過孔33を通して壁構造3を透過することが抑制され、感知空間Sp1の外部から感知空間Sp1に光が進入することの抑制が可能になる。ただし、煙通過孔33は、その全周が壁構造3に囲まれている必要はなく、例えば、煙通過孔33における上下方向の両側には壁構造3が存在しなくてもよい。また、各煙通過孔33の内側面31側の開口と、外側面32側の開口とは、平面視において、感知空間Sp1の半径上、つまり感知空間Sp1の中心点P1から放射状に延びる直線上に、並んでいなくてもよい。
具体的には、壁構造3は、内側面31に沿って並ぶ複数の小片30の集合体である。壁構造3は、これら複数の小片30の間を通して煙を通過させる。言い換えれば、底板73の上面731の外周部には、上面731の外周縁に沿って複数の小片30が間隔を空けて並んで配置されている。複数の小片30は、いずれも底板73の上面731から突出しており、1つの壁構造3を構成する。複数の小片30の上面731からの突出量は略均一である。壁構造3は、複数の小片30のうち、隣接する一対の小片30の間に、それぞれ煙通過孔33を有している。そのため、各煙通過孔33の上下方向の両側には、壁構造3を構成する小片30が存在しない。
内側面31は、これら複数の小片30の感知空間Sp1側の端縁301を通る面である。外側面32は、複数の小片30の感知空間Sp1とは反対側の端縁302を通る面である。要するに、複数の小片30の感知空間Sp1側の端縁301を結ぶ滑らかな曲面、平面、又は平面と曲面との組み合わせが内側面31に相当する。同様に、複数の小片30の感知空間Sp1とは反対側の端縁302を結ぶ滑らかな曲面、平面、又は平面と曲面との組み合わせが外側面32に相当する。
言い換えれば、複数の小片30の感知空間Sp1側の端縁301は内側面31上に位置し、複数の小片30の感知空間Sp1とは反対側の端縁302は外側面32上に位置する。複数の小片30のうち、後述の補助遮光壁76と連続する小片30においても、他の小片30と同様に、感知空間Sp1側の端縁301が内側面31上に位置し、複数の小片30の感知空間Sp1とは反対側の端縁302が外側面32上に位置する。このように、内側面31及び外側面32の各々は、本実施形態では、実体を有する面ではなく、複数の小片30によって形状が規定される仮想面である。そのため、図1A及び図1Bでは、内側面31及び外側面32を想像線(2点鎖線)で表記している。また、図1Aにおいては、壁構造3に相当する領域に網掛け(ドットハッチング)を付している。
ただし、複数の小片30の全てについて端縁301の位置が内側面31と完全に一致することは必須ではなく、複数の小片30について端縁301の位置が内側面31と略一致していればよい。図1Aの例でも、複数の小片30のうちの過半数の小片30は、感知空間Sp1側の端縁301の位置が内側面31と完全に一致するが、残りの小片30については、端縁301の位置が内側面31付近ではあるものの、内側面31と完全には一致しない。このように、内側面31は、複数の小片30のうちの過半数の小片30の端縁301の位置によって規定され、残りの小片30については端縁301が内側面31付近にあればよい。外側面32についても同様であって、複数の小片30の全てについて端縁302の位置が外側面32と完全に一致することは必須ではなく、複数の小片30について端縁302の位置が外側面32と略一致していればよい。つまり、外側面32は、複数の小片30のうちの過半数の小片30の端縁302の位置によって規定され、残りの小片30については端縁302が外側面32付近にあればよい。ここでいう「付近」は、内側面31又は外側面32から見て、壁構造3の厚みの20%程度の範囲である。
本実施形態では、平面視において、外側面32は底板73の上面731の外周縁と略平行、つまり上面731の外周縁から外側面32までの距離は、全周にわたって均一である。さらに、内側面31は、図1Aに示すように、感知空間Sp1の中心点P1と外側面32との間であって、中心点P1よりも外側面32に近い位置に形成されている。言い換えれば、平面視において、外側面32の略同心円であって半径が外側面32の半分(1/2)となる仮想円を引いた場合に、この仮想円と外側面32との間に、内側面31が位置することになる。ただし、このような内側面31及び外側面32の各々の形状及び配置は、一例に過ぎず、内側面31及び外側面32の各々は、他の形状及び配置を採用してもよい。
ここで、複数の小片30の各々は、平面視において、感知空間Sp1側の端縁301と、感知空間Sp1とは反対側の端縁302と、の間に曲げ部を有している。本実施形態では、複数の小片30の各々は、平面視において、略L字状、略V字状又は略Y字状に形成されている。このような形状により、隣接する一対の小片30の間に生じる隙間からなる各煙通過孔33は、上述したように、平面視において、内側面31と外側面32との間の少なくとも一部が曲がった形状となる。これにより、壁構造3は、厚み方向において、煙を通過させ、かつ光の透過を抑制する機能を実現する。
発光素子4は、光出射面41(図7参照)を有し、通電時に、光出射面41から光を出力する。本実施形態では一例として、発光素子4は、発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)である。発光素子4は、図6に示すように、本体部401を有している。本体部401の表面からは、一対のリード端子402が突出している。ここで、一対のリード端子402は、発光素子4の本体部401に電気的に接続されている。一対のリード端子402がプリント配線板201に電気的に接続されることにより、発光素子4は、回路ブロック20から電力供給を受けて発光する。本実施形態では、一対のリード端子402は、発光素子4の構成要素に含まれないこととして説明するが、一対のリード端子402が発光素子4の構成要素に含まれてもよい。
ここで、発光素子4は、図1Aに示すように、壁構造3の内側面31と外側面32との間に配置されている。言い換えれば、発光素子4の本体部401は、壁構造3の厚み方向の両端面となる内側面31及び外側面32の間に収まるように配置されている。また、発光素子4は、光出射面41を内側面31側、つまり感知空間Sp1側に向けて配置されている。これにより、発光素子4は、ミラー等の光学素子を用いることなく、光出射面41から感知空間Sp1に向けて光を出力することができる。
本実施形態では、発光素子4は、図8に示すように、外側面32側を向いた背面42と、光出射面41と背面42とをつなぐ底面43と、を更に有している。図8は、図5の領域Z1についての拡大断面図である。発光素子4に電気的に接続される一対のリード線は底面43から突出する。本実施形態では、底面43から突出するリード線は、リード端子402である。言い換えれば、発光素子4は、本体部401における壁構造3の厚み方向の両側に光出射面41及び背面42を有している。そして、リード端子402は、光出射面41及び背面42のいずれでもなく、光出射面41及び背面42の両方に隣接する底面43から突出する。すなわち、発光素子4は、リード端子402が突出する面(底面43)を下方に向けた場合に、側方に光を出力する、いわゆるサイドビュータイプの発光ダイオードである。
また、本実施形態では、リード線(リード端子402)は、発光素子4から、発光素子4の光軸Ax1(図9参照)と直交する方向(ここでは下方)に突出する。つまり、リード端子402は、上述したように底面43から下方に突出しており、リード端子402の一部に曲げ構造を採用することなく、発光素子4から下方に向けてリード端子402を引き出すことが可能である。
このような構成の発光素子4では、例えば、いわゆる砲弾タイプの発光ダイオードのように、光出射面とは反対側の面からリード端子が突出する構成の発光素子に比べて、壁構造3の厚み方向における占有スペースを小さくすることができる。すなわち、サイドビュータイプの発光ダイオードでは、底面43から突出するリード端子402は、光出射面41を内側面31側に向けた発光素子4から、壁構造3の厚み方向とは直交する方向に引き出すことができる。これにより、壁構造3の厚み方向の寸法を比較的小さく抑えながらも、上述したように、壁構造3の内側面31と外側面32との間に、光出射面41を内側面31側に向けて発光素子4を配置することが可能である。
ここで、底面43は、底板73の上面731(一平面)に沿っている。本実施形態では、底面43は、底板73の上面731に対して平行ではなく、上面731に対して傾斜している。ただし、底面43は、底板73の上面731に沿っていればよく、上面731に対して略平行であってもよい。
さらに詳しくは、光出射面41は、平坦部411と、凸部412と、を含んでいる。平坦部411は、背面42と略平行な平面である。凸部412は、平坦部411からドーム状に突出し、凸レンズとして機能する。本体部401は、図8に示すように、発光部403及びリード部404を有している。発光部403は、リード部404のうち外側面32側を向いた表面上に実装されており、通電時に発光する。リード部404は、リード端子402と一体に構成されている。
受光素子5は、光を電気信号に変換する光電変換を行う素子である。本実施形態では一例として、受光素子5はフォトダイオード(PD:Photodiode)である。受光素子5は、図6に示すように、本体部501と、一対のリード端子502と、金属カバー503と、を有している。少なくとも本体部501の受光面が金属カバー503の孔から露出するように、本体部501が金属カバー503に収容されている。一対のリード端子502は、本体部501の下面から突出する。ここで、一対のリード端子502は、受光素子5の本体部501に電気的に接続されている。一対のリード端子502がプリント配線板201に電気的に接続されることにより、受光素子5は、回路ブロック20に電気的に接続される。
ここで、受光素子5は、発光素子4からの直接光が入射せず、かつ感知空間Sp1内の煙での散乱光が入射する位置に配置される。具体的には、受光素子5は、本体部501の受光面を感知空間Sp1側に向けて配置されている。すなわち、発光素子4及び受光素子5の両方が、感知空間Sp1に向けて配置されている。ただし、図7に示すように、平面視において、発光素子4と受光素子5とを結ぶ直線上には、遮光壁74が配置されている。遮光壁74は、発光素子4からの受光素子5への直接光を遮る機能を有する。本実施形態では、遮光壁74は、壁構造3を構成する複数の小片30のうちの1つに連続する形状に形成されている。図7は、第2ケース72を外した状態、つまり第2ケース72を省略した感知ブロック10の平面図である。
そして、図1Aに示すように、平面視において、発光素子4の光軸Ax1と、受光素子5の光軸Ax2と、が互いに交差するような位置関係で、発光素子4及び受光素子5が配置されている。図1Aの例では、平面視において円形状の感知空間Sp1の中心点P1において、発光素子4の光軸Ax1と、受光素子5の光軸Ax2と、が交差する。発光素子4及び受光素子5が、上述のような位置関係にあれば、発光素子4からの直接光は受光素子5には入射しない。一方で、感知空間Sp1内に煙が流入すると、発光素子4からの光は感知空間Sp1の中心点P1に存在する煙にて散乱し、この散乱光の少なくとも一部が受光素子5にて受光される。
このように、感知空間Sp1に煙が存在しない状態では、受光素子5は、発光素子4から出力された光を受光せず、感知空間Sp1に煙が存在する状態では、受光素子5は、発光素子4から出力され煙で散乱された光(散乱光)を受光する。したがって、煙感知器1は、受光素子5での受光状態によって、感知空間Sp1に存在する煙を感知することができる。
ここにおいて、本実施形態では、上述したように発光素子4が壁構造3の厚み内に収まっているので、壁構造3の内側面31から発光素子4が突出する構成に比べて、感知空間Sp1を広く確保できる。感知空間Sp1が広くなれば、感知空間Sp1内における遮光壁74の配置の自由度が高くなる。さらに、感知空間Sp1が広くなれば、感知空間Sp1の中心点P1から比較的離れた位置に遮光壁74が配置可能となる。
また、本実施形態では、発光素子4の光軸Ax1と受光素子5の光軸Ax2とは、図9に示すように、底板73の上面731(一平面)に沿っている。図9は、図7のA1−A1線端面図である。図9の例では、発光素子4の光軸Ax1と受光素子5の光軸Ax2とは、いずれも底板73の上面731と略平行である。さらに、発光素子4の光軸Ax1と受光素子5の光軸Ax2とは、同一平面内に位置する。言い換えれば、発光素子4の光軸Ax1及び受光素子5の光軸Ax2とは、底板73の上面731から略同一高さの位置にある。
また、遮光リブ75は、平面視において、発光素子4の正面、つまり発光素子4の光出射面41と対向する位置に配置されている。遮光リブ75と第2ケース72に設けられた対向リブ724との間には、図8に示すように、一定の隙間が生じる。発光素子4の光軸Ax1は、遮光リブ75と対向リブ724との間の隙間を通ることになる。これにより、遮光リブ75及び対向リブ724によって、発光素子4から出力された光の上下方向への拡がりが抑制される。その結果、発光素子4から出力された光が、底板73の上面731又は上板721の下面にて反射することが抑制される。
また、補助遮光壁76は、壁構造3を構成する複数の小片30のうち、遮光壁74と受光素子ホルダ9との間に位置する1つの小片30に連続する形状に形成されている。補助遮光壁76は、壁構造3の内側面31から、感知空間Sp1内に突出する。補助遮光壁76は、底板73の上面731又は上板721の下面等での光の反射に起因した感知空間Sp1の内部での迷光の発生を抑制し、かつ感知空間Sp1内への煙の流入性を向上させる機能を有する。つまり、補助遮光壁76は、感知空間Sp1の外部から感知空間Sp1に光が進入することを抑制するための壁構造3の一部である小片30とは、別の構造体である。図7において、補助遮光壁76と小片30との境界線を想像線(2点鎖線)で示している。
発光素子ホルダ8は、上述したように第1ケース71に設けられた第1ホルダ81と、第2ケース72に設けられた第2ホルダ82と、の2部材に分割されており、発光素子4を保持する。ここで、発光素子ホルダ8の少なくとも一部は、図1Aに示すように、内側面31と外側面32との間に配置されている。具体的には、第1ホルダ81は、その大部分が内側面31と外側面32との間に収まるように、壁構造3を構成する複数の小片30の間に配置されている。第1ホルダ81は、発光素子4が嵌る窪みを有している。
さらに、本実施形態では、発光素子ホルダ8は、外側面32で囲まれた領域に収まるように配置されている。つまり、発光素子ホルダ8(第1ホルダ81を含む)は、外側面32からはみ出さずに、外側面32で囲まれた領域に収まる形状に形成されている。
また、発光素子ホルダ8は、発光素子4に電気的に接続されるリード線を通すための通線孔801を有している。本実施形態では、通線孔801を通るリード線は、リード端子402である。通線孔801は、第1ホルダ81に形成されている。ここにおいて、通線孔801は、図1Bに示すように、内側面31と外側面32との間であって、内側面31よりも外側面32に近い位置に形成されている。言い換えれば、図1Aに示すように、平面視において、壁構造3を厚み方向に2等分する中心線C1を引いた場合に、この中心線C1と外側面32との間に、通線孔801が位置することになる。
また、発光素子ホルダ8は、図7に示すように、遮光片802を更に有している。遮光片802は、第1ホルダ81における感知空間Sp1側を向いた面から、感知空間Sp1内に突出する。ここで、遮光片802は、第1ホルダ81のうち、壁構造3の周方向において遮光壁74から遠い側の端部から突出する。遮光片802は、発光素子4から出力され発光素子ホルダ8の表面で反射された光を遮る機能を有する。
また、発光素子ホルダ8は、図8に示すように、位置決め面803を更に有している。位置決め面803は、発光素子4の光軸Ax1と交差する面であって、発光素子4に対して外側面32側から接触することにより、発光素子4の位置決めを行う。すなわち、位置決め面803は、発光素子4の背面42に接触し、壁構造3の厚み方向における発光素子4の位置決めを行う。本実施形態では、発光素子ホルダ8は、上述したように第1ホルダ81と、第2ホルダ82と、の2部材に分割されているため、位置決め面803についても、これら第1ホルダ81及び第2ホルダ82の2部材にわたって形成されている。
さらに、本実施形態では、位置決め面803は、弾性、つまりばね性を有している。位置決め面803は、発光素子4を外側面32側から押す向きの弾性力を発光素子4に作用させる。本実施形態では、発光素子ホルダ8が合成樹脂製であるため、少なくとも第2ホルダ82が樹脂ばねとして機能することにより、位置決め面803に上述の弾性が付与される。
受光素子ホルダ9は、受光素子5を保持する。ここで、受光素子ホルダ9の少なくとも一部は、図1Aに示すように、内側面31と外側面32との間に配置されている。具体的には、受光素子ホルダ9は、その大部分が内側面31と外側面32との間に収まるように、壁構造3を構成する複数の小片30の間に配置されている。受光素子ホルダ9は、受光素子5が嵌る窪みを有している。
(3)変形例
実施形態1に係る煙感知器1は、本開示の様々な実施形態の一つに過ぎない。実施形態1に係る煙感知器1は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。以下、実施形態1の変形例を列挙する。以下に説明する変形例は、適宜組み合わせて適用可能である。
実施形態1では、壁構造3が複数の小片30の集合体からなるが、この構成に限らず、壁構造3は周方向に連続した一体の「壁」であってもよい。この場合でも、壁構造3は、壁構造3を厚み方向に貫通する複数の煙通過孔33を有することにより、厚み方向において、煙を通過させ、かつ光の透過を抑制する機能を実現可能である。
また、実施形態1では、感知ブロック10が筐体2の内部空間に収容される構成を示したが、この構成に限らず、例えば、感知ブロック10の少なくとも一部が筐体2から突出する構成であってもよい。さらには、筐体2は、煙感知器1に必須の構成ではなく、適宜省略可能である。
また、実施形態1では、感知ケース7及び感知空間Sp1のいずれもが平面視において円形状である場合について説明したが、この構成に限らず、感知ケース7又は感知空間Sp1は、例えば、平面視において楕円形状又は多角形状等であってもよい。この場合、壁構造3についても、平面視において、楕円形状又は多角形状等となる。
また、実施形態1では、発光素子ホルダ8の一部が、壁構造3の内側面31から感知空間Sp1内にはみ出すように配置されているが、この構成に限らず、発光素子ホルダ8の全体が内側面31と外側面32との間に収まっていてもよい。受光素子ホルダ9についても同様に、内側面31と外側面32との間に収まっていてもよい。
また、実施形態1では、複数の小片30は底板73の上面731から突出するように底板73と一体に形成されているが、この構成に限らず、複数の小片30は、底板73と別体であってもよい。例えば、底板73に対して、複数の小片30が、接着又は嵌め込み等により固定されてもよい。この場合、複数の小片30は、ばらばらに存在することになるが、この場合でも、複数の小片30が1つの壁構造3を構成する。
また、発光素子4は、発光ダイオードに限らず、例えば、有機EL(Electro-Luminescence)素子、又はレーザダイオード(LD:Laser Diode)等であってもよい。受光素子5は、フォトダイオードに限らず、例えば、フォトトランジスタ等であってもよい。
また、底面43から突出するリード線、又は発光素子ホルダ8の通線孔801を通るリード線は、発光素子4に電気的に接続されるリード線であればよく、リード端子402に限らず、例えば、リード端子402に電気的に接続された電線等であってもよい。
また、一対のリード端子402は、底面43から突出する構成に限らず、例えば、光出射面41又は背面42等、本体部401における底面43以外の面から突出していてもよい。
(実施形態2)
本実施形態に係る煙感知器1Aは、図10に示すように、壁構造3の形状等が実施形態1に係る煙感知器1とは相違する。以下、実施形態1と同様の構成については、共通の符号を付して適宜説明を省略する。
煙感知器1Aでは、図10に示すように、平面視において、第1ケース71の底板73の上面731の外周縁と、壁構造3の外側面32との間に殆どスペースが生じない。また、本実施形態では、補助遮光壁76(図7参照)が省略されている。さらに、壁構造3を構成する複数の小片30の各々の形状も、実施形態1に係る煙感知器1と相違する。図10は、第2ケース72を外した状態、つまり第2ケース72を省略した感知ブロック10の平面図である。また、図10では、内側面31及び外側面32を想像線(2点鎖線)で表記し、壁構造3に相当する領域に網掛け(ドットハッチング)を付している。
また、煙感知器1Aでは、発光素子4の外観形状についても、実施形態1に係る煙感知器1と相違する。ただし、本実施形態でも、発光素子4は、リード端子402が突出する面(底面43)を下方に向けた場合に、側方に光を出力する、いわゆるサイドビュータイプの発光ダイオードである。この発光素子4は、壁構造3の内側面31と外側面32との間に、光出射面41を内側面31側に向けて配置されている。
また、図11は、実施形態2の変形例に係る煙感知器1Bを示す。図11に示す煙感知器1Bは、壁構造3が第1ケース71ではなく、第2ケース72に設けられている。図11は、第2ケース72を外した状態、つまり第2ケース72を省略した感知ブロック10の平面図である。そのため、図11では、壁構造3を想像線(2点鎖線)で表記している。また、図11では、内側面31及び外側面32を想像線(2点鎖線)で表記し、壁構造3に相当する領域に網掛け(ドットハッチング)を付している。さらに、図11の例では、遮光壁74についても、壁構造3と共に第2ケース72に設けられている。このような構成の煙感知器1Bにおいても、第1ケース71と第2ケース72とが互いに結合された状態では、煙感知器1Aと同様に、平面視において、感知空間Sp1を囲むように壁構造3が配置されることになる。
実施形態2の構成(変形例を含む)は、実施形態1で説明した構成(変形例を含む)と適宜組み合わせて適用可能である。
(実施形態3)
本実施形態に係る煙感知器1Cは、図12A及び図12Bに示すように、発光素子ホルダ8の形状等が実施形態1に係る煙感知器1とは相違する。以下、実施形態1と同様の構成については、共通の符号を付して適宜説明を省略する。
本実施形態に係る煙感知器1Cでは、発光素子ホルダ8は、図12A及び図12Bに示すように、発光保持部83と、発光ガイド84と、を有している。発光保持部83は、発光素子4を保持し、かつ発光素子4の位置決めを行う機能を有している。つまり、上述した位置決め面803は、発光保持部83に含まれている。一方、発光ガイド84は、発光素子4の正面に位置し、発光素子4からの光が通過する部位である。つまり、発光ガイド84は、発光素子4からの光を通過させることで、発光素子4からの光を感知空間Sp1に導く(ガイドする)機能を有している。発光保持部83と発光ガイド84とは一体化されているが、図12A及び図12B等においては、発光保持部83と発光ガイド84との境界線を想像線(2点鎖線)で示している。本実施形態では、発光素子ホルダ8は、上述したように第1ホルダ81と、第2ホルダ82と、の2部材に分割されているため、発光保持部83及び発光ガイド84の各々についても、これら第1ホルダ81及び第2ホルダ82の2部材にわたって形成されている。
発光ガイド84は、図12A及び図12Bに示すように、発光素子4に向けて開口する入射口805と、感知空間Sp1に向けて開口する出射口804と、発光側周面806と、を含む。具体的には、発光ガイド84は筒状に形成されており、発光素子4からの光が発光ガイド84の内部空間を通過する。このとき、発光素子4からの光は、入射口805より発光ガイド84の内部空間に入射し、出射口804から感知空間Sp1に出射される。ここで、発光側周面806は、入射口805と出射口804との間において、発光素子4の光軸Ax1を包囲するように配置された面である。本実施形態では、発光ガイド84が筒状であるため、発光側周面806は発光ガイド84の内周面である。
ここにおいて、図12A及び図12Bに示すように、発光側周面806は、発光素子4の光軸Ax1に対し、出射口804側に向けて傾斜する。すなわち、発光側周面806は、発光素子4の光軸Ax1と平行ではなく、発光素子4の光軸Ax1に対して傾斜する。特に、本実施形態では、発光ガイド84が筒状であるため、発光側周面806は、入射口805から出射口804に近づくにつれて発光ガイド84の内径が大きくなるように、発光素子4の光軸Ax1に対して傾斜することになる。
さらに、本実施形態では、発光側周面806は、発光素子4の光軸Ax1を中心軸とする回転放物面に沿った形状である。すなわち、図12A及び図12Bに示すように、発光素子4の光軸Ax1を中心として放物線Pr1が回転したときに生じる面、つまり放物線Pr1の回転体に沿って、発光側周面806が形成されている。放物線Pr1は、光軸Ax1との交点(頂点)を基準点P11とする仮想線である。
以上説明した構成によれば、発光素子4から出力された光が、発光ガイド84を通過する際に、発光側周面806にて反射されることで、発光素子4の光軸Ax1に対する光線の傾きが小さくなるように、光線の向きが変更されることになる。しかも、このような発光側周面806が発光素子ホルダ8に設けられているので、発光側周面806と発光素子4との位置関係を比較的高精度に設定することができ、発光側周面806で反射される光の向きの制御が容易になる。要するに、発光側周面806は、発光素子4から出力された光を、発光素子4の光軸Ax1に沿った平行光に近い光に変換する機能を有する。その結果、発光ガイド84の出射口804から出力される光については、感知ケース7の内面等に入射しにくくなり、いわゆる「迷光」として、煙感知器1の感知精度を低下させる可能性を低減できる。
特に、本実施形態では、発光側周面806が回転放物面に沿った形状であるため、例えば、基準点P11から出た光は、発光側周面806にて光軸Ax1に近い向きに反射されることになる。そのため、例えば、基準点P11上に発光部403(図8参照)が位置することで、出射口804からは、光軸Ax1に沿った光線が出力されやすくなる。言い換えれば、出射口804からは平行光に近い光が出力されることになる。図12A及び図12Bでは、発光素子4から出力された光の経路(光路)の一部を模式的に点線矢印で示している。
さらに、発光部403が放物線Pr1の焦点に近い位置にあれば、発光素子4から出力された光は、発光側周面806にて光軸Ax1により近い向きに反射される。つまり、出射口804からは、より平行光に近い光が出力されることになる。
このように、発光側周面806によって、発光素子4から出力された光を、発光素子4の正面に集光することができ、発光素子4の正面における光のパワーを増大させることができる。また、発光側周面806により、発光素子4から出力される光の指向性が向上するので、例えば、遮光壁74に付着した異物等の影響を受けにくくなる。
実施形態3の構成(変形例を含む)は、実施形態1で説明した構成(変形例を含む)と適宜組み合わせて適用可能である。
(実施形態4)
本実施形態に係る煙感知器1Dは、図13A及び図13Bに示すように、壁構造3を構成する複数の小片30の各々の形状が、実施形態1に係る煙感知器1と相違する。図13A及び図13Bでは、発光素子4から出力された光線の一部を模式的に点線で示している。図13Bは、図13Aの領域Z1の拡大図である。以下、実施形態1と同様の構成については、共通の符号を付して適宜説明を省略する。
本実施形態では、図13Aに示すように、複数の小片30の少なくとも一部は、感知空間Sp1側を向いた面、つまり発光素子4からの直接光が入射する面に、凹曲面303を含んでいる。ここでは、複数の小片30のうち、発光素子4からの直接光が入射する位置にある小片30、つまり発光素子4の略正面に位置する小片30のみが、凹曲面303を有している。凹曲面303は、平面視において、例えば、放物線の一部、又は楕円の一部となるように湾曲している。さらに、本実施形態では、複数の小片30の少なくとも一部は、凹曲面303の裏面、つまり凹曲面303とは反対側を向いた面に、凸曲面304を有している。つまり、隣接する一対の小片30に着目すると、一方の小片30の凹曲面303に対して、他方の小片30の凸曲面304が対向する。
本実施形態に係る煙感知器1Dによれば、発光素子4から出力された光の一部が、いずれかの小片30に入射すると、この光が小片30の凹曲面303にて反射される。いずれかの小片30の凹曲面303にて反射される光は、図13Bに示すように、この小片30に隣接する小片30に向けて反射される。このとき、凹曲面303は、凹曲面303に対して略平行光として入射する光を集光するように作用する。そして、凹曲面303での反射光は、隣接する小片30の凸曲面304に入射する。このように、凹曲面303と凸曲面304とで少なくとも1回反射された光は、隣接する一対の小片30の間に生じる隙間からなる各煙通過孔33を通して感知空間Sp1の外側に導かれやすくなる。その結果、小片30に入射した発光素子4からの光は、感知空間Sp1の外側に導かれやすく、感知空間Sp1の内部で発生する「迷光」を低減できる。よって、本実施形態に係る煙感知器1Dでは、感知精度の向上を図りながらも迷光の増加を抑制することができる。
実施形態4の変形例として、複数の小片30の少なくとも一部は、凹曲面303に代えて凸曲面304を有していてもよいし、凸曲面304に代えて凹曲面303を有していてもよい。また、複数の小片30の少なくとも一部は、凹曲面303又は凸曲面304の一方に代えて平面を有していてもよい。
実施形態4の構成(変形例を含む)は、実施形態1ないし3で説明した構成(変形例を含む)と適宜組み合わせて適用可能である。
(まとめ)
以上説明したように、第1の態様に係る煙感知器(1,1A〜1D)は、壁構造(3)と、発光素子(4)と、受光素子(5)と、を備える。壁構造(3)は、一平面(底板73の上面731)に直交する一方向から見て感知空間(Sp1)を囲む。発光素子(4)は、光出射面(41)を有し、光出射面(41)から感知空間(Sp1)に向けて光を出力する。受光素子(5)は、発光素子(4)からの直接光が入射せず、かつ感知空間(Sp1)内の煙での散乱光が入射する位置に配置される。壁構造(3)は、厚み方向の両側に、感知空間(Sp1)側を向いた内側面(31)と、感知空間(Sp1)とは反対側を向いた外側面(32)と、を有する。厚み方向は、一平面に沿った方向である。壁構造(3)は、厚み方向において、煙を通過させかつ光の透過を抑制する。発光素子(4)は、内側面(31)と外側面(32)との間に、光出射面(41)を内側面(31)側に向けて配置されている。
この態様によれば、発光素子(4)が壁構造(3)の厚み内に収まっているので、壁構造(3)の内側面(31)から発光素子(4)が突出する構成に比べて、感知空間(Sp1)を広く確保することができる。感知空間(Sp1)が広くなれば、例えば、発光素子(4)と受光素子(5)との間の光路長が長くなり、煙感知器(1,1A〜1D)の感度の向上等に繋がる。また、発光素子(4)が壁構造(3)の厚み内に収まっているので、壁構造(3)の外側面(32)から発光素子(4)が突出する構成に比べて、煙感知器(1,1A〜1D)の小型化を図ることができる。その結果、煙感知器(1,1A〜1D)によれば、感知空間(Sp1)を比較的広く確保しながらも小型化を図ることが可能である。
第2の態様に係る煙感知器(1,1A〜1D)では、第1の態様において、壁構造(3)は、内側面(31)に沿って並ぶ複数の小片(30)の集合体であって、複数の小片(30)の間を通して煙を通過させる。内側面(31)は、複数の小片(30)の感知空間(Sp1)側の端縁(301)を通る面である。外側面(32)は、複数の小片(30)の感知空間(Sp1)とは反対側の端縁(302)を通る面である。
この態様によれば、複数の小片(30)の各々の形状を個別に調節でき、壁構造(3)の設計の自由度が高くなる。
第3の態様に係る煙感知器(1,1A〜1D)は、第1又は2の態様において、発光素子(4)を保持する発光素子ホルダ(8)を更に備える。発光素子ホルダ(8)の少なくとも一部は、内側面(31)と外側面(32)との間に配置されている。
この態様によれば、発光素子ホルダ(8)の少なくとも一部が壁構造(3)の厚み内に収まっているので、壁構造(3)の内側面(31)から発光素子ホルダ(8)の全体が突出する構成に比べて、感知空間(Sp1)を広く確保することができる。また、発光素子ホルダ(8)の少なくとも一部が壁構造(3)の厚み内に収まっているので、壁構造(3)の外側面(32)から発光素子ホルダ(8)の全体が突出する構成に比べて、煙感知器(1,1A〜1D)の小型化を図ることができる。
第4の態様に係る煙感知器(1,1A〜1D)では、第3の態様において、発光素子ホルダ(8)は、外側面(32)で囲まれた領域に収まるように配置されている。
この態様によれば、壁構造(3)の外側面(32)から発光素子ホルダ(8)が突出する構成に比べて、煙感知器(1,1A〜1D)の小型化を図ることができる。
第5の態様に係る煙感知器(1,1A〜1D)では、第3又は4の態様において、発光素子ホルダ(8)は、内側面(31)と外側面(32)との間であって、内側面(31)よりも外側面(32)に近い位置に、通線孔(801)を有する。通線孔(801)は、発光素子(4)に電気的に接続されるリード線(リード端子402)を通す。
この態様によれば、リード線を通すための通線孔(801)が外側面(32)寄りに位置するので、発光素子(4)を外側面(32)寄りに配置することができ、感知空間(Sp1)をより広く確保することができる。
第6の態様に係る煙感知器(1,1A〜1D)では、第3〜5のいずれかの態様において、発光素子ホルダ(8)は、遮光片(802)を有する。遮光片(802)は、発光素子(4)から出力され発光素子ホルダ(8)の表面で反射された光を遮る。
この態様によれば、発光素子(4)に比較的近い位置に遮光片(802)があるので、光の比較的広角の発光素子(4)であっても、発光素子ホルダ(8)の表面で反射される光の影響による感度の低下が抑制可能である。
第7の態様に係る煙感知器(1,1A〜1D)では、第3〜6のいずれかの態様において、発光素子ホルダ(8)は、位置決め面(803)を有する。位置決め面(803)は、発光素子(4)の光軸(Ax1)と交差する面であって、発光素子(4)に対して外側面(32)側から接触することにより、発光素子(4)の位置決めを行う。
この態様によれば、発光素子ホルダ(8)は、発光素子(4)に対して外側面(32)側から位置決め面(803)にて面接触することにより、発光素子(4)の位置決めを行うので、発光素子(4)の姿勢を比較的精度よく維持できる。そのため、煙感知器(1,1A〜1D)においては、発光素子(4)の傾き等に起因した感度の低下が抑制可能である。
第8の態様に係る煙感知器(1,1A〜1D)では、第7の態様において、位置決め面(803)は、弾性を有し、発光素子(4)を外側面(32)側から押す向きの弾性力を発光素子(4)に作用させる。
この態様によれば、位置決め面(803)が発光素子(4)に押し付けられるため、発光素子(4)の姿勢をより精度よく維持できる。
第9の態様に係る煙感知器(1,1A〜1D)では、第3〜8のいずれかの態様において、発光素子ホルダ(8)は、発光素子(4)からの光が通過する発光ガイド(84)を有する。発光ガイド(84)は、発光素子(4)に向けて開口する入射口(805)と、感知空間(Sp1)に向けて開口する出射口(804)と、発光側周面(806)と、を含む。発光側周面(806)は、入射口(805)と出射口(804)との間において発光素子(4)の光軸(Ax1)を包囲する。発光側周面(806)は、発光素子(4)の光軸(Ax1)に対し、出射口(804)側に向けて傾斜する。
この態様によれば、発光素子(4)から出力された光の少なくとも一部が、発光ガイド(84)を通過する際に、発光ガイド(84)の発光側周面(806)にて反射されることで、発光素子(4)の光軸(Ax1)に対する光線の傾きが小さくなる。しかも、発光側周面(806)が発光素子ホルダ(8)に設けられているので、発光側周面(806)と発光素子(4)との位置関係を比較的高精度に設定することができ、発光側周面(806)で反射される光の向きの制御が容易になる。そのため、発光側周面(806)で反射されて出射口(804)から出力される光線については、発光素子(4)の光軸(Ax1)に対する光線の傾きを比較的小さく抑えることが可能である。これにより、発光側周面(806)で反射されて出射口(804)から出力される光が、例えば、感知ケース(7)の内面(700)等で反射して受光素子(5)に入射する可能性を低減できる。その結果、受光素子(5)には、感知ケース(7)の内面(700)等での反射光が入射しにくくなり、煙感知器(1,1A〜1E)の感知精度の向上を図りながらも迷光の増加を抑制することが可能である。
第10の態様に係る煙感知器(1,1A〜1D)では、第9の態様において、発光側周面(806)は、発光素子(4)の光軸(Ax1)を中心軸とする回転放物面に沿った形状である。
この態様によれば、出射口(804)からはより平行光に近い光が出力されることになり、煙感知器(1,1A〜1E)の感知精度の低下をより抑制することができる。
第11の態様に係る煙感知器(1,1A〜1D)では、第1〜10のいずれかの態様において、発光素子(4)に電気的に接続されるリード線(リード端子402)は、発光素子(4)から、発光素子(4)の光軸(Ax1)と直交する方向に突出する。
この態様によれば、発光素子の光軸と平行な方向に、リード端子が突出する構成の発光素子に比べて、壁構造(3)の厚み方向における発光素子(4)の占有スペースを小さくすることができる。これにより、壁構造(3)の厚み方向の寸法を比較的小さく抑えながらも、壁構造(3)の内側面(31)と外側面(32)との間に、光出射面(41)を内側面(31)側に向けて発光素子(4)を配置可能となる。
第12の態様に係る煙感知器(1,1A〜1D)では、第1〜11のいずれかの態様において、発光素子(4)は、外側面(32)側を向いた背面(42)と、光出射面(41)と背面(42)とをつなぐ底面(43)と、を更に有する。発光素子(4)に電気的に接続されるリード線(リード端子402)は底面(43)から突出する。
この態様によれば、光出射面とは反対側の面からリード端子が突出する構成の発光素子に比べて、壁構造(3)の厚み方向における発光素子(4)の占有スペースを小さくすることができる。これにより、壁構造(3)の厚み方向の寸法を比較的小さく抑えながらも、壁構造(3)の内側面(31)と外側面(32)との間に、光出射面(41)を内側面(31)側に向けて発光素子(4)を配置可能となる。
第13の態様に係る煙感知器(1,1A〜1D)では、第12の態様において、底面(43)は一平面(底板73の上面731)に沿っている。
この態様によれば、底面(43)から突出するリード端子(402)が、一平面(底板73の上面731)に対して略直交する。したがって、リード端子(402)を一平面から引き出すために、リード端子(402)の一部に曲げ構造を採用する必要がなく、壁構造(3)の厚み方向におけるリード端子(402)の占有スペースを小さく抑えることができる。
第14の態様に係る煙感知器(1,1A〜1D)では、第1〜13のいずれかの態様において、発光素子(4)の光軸(Ax1)と受光素子(5)の光軸(Ax2)とは一平面(底板73の上面731)に沿っている。
この態様によれば、発光素子(4)の光軸(Ax1)と受光素子(5)の光軸(Ax2)とは略平行となり、限られた感知空間(Sp1)内で、発光素子(4)と受光素子(5)との間の光路長を比較的長く確保できる。
第2〜14の態様は、煙感知器(1,1A〜1D)に必須の構成ではなく、適宜省略可能である。
特許文献1に記載の構成では、感知空間を広げるために煙感知体の外周から少なくとも発光素子の一部(後部)が突出しているので、発光素子が突出する分だけ、煙感知体が大きくなる。その結果、煙感知器全体としての小型化の妨げとなる可能性がある。
この態様によれば、発光素子(4)から出力された光の少なくとも一部が、発光ガイド(84)を通過する際に、発光ガイド(84)の発光側周面(806)にて反射されることで、発光素子(4)の光軸(Ax1)に対する光線の傾きが小さくなる。しかも、発光側周面(806)が発光素子ホルダ(8)に設けられているので、発光側周面(806)と発光素子(4)との位置関係を比較的高精度に設定することができ、発光側周面(806)で反射される光の向きの制御が容易になる。そのため、発光側周面(806)で反射されて出射口(804)から出力される光線については、発光素子(4)の光軸(Ax1)に対する光線の傾きを比較的小さく抑えることが可能である。これにより、発光側周面(806)で反射されて出射口(804)から出力される光が、例えば、感知ケース(7)の内面(700)等で反射して受光素子(5)に入射する可能性を低減できる。その結果、受光素子(5)には、感知ケース(7)の内面(700)等での反射光が入射しにくくなり、煙感知器(1,1A〜1D)の感知精度の向上を図りながらも迷光の増加を抑制することが可能である。