本出願は、2018年1月22日に日本国に特許出願された特願2018−008401、2018年1月22日に日本国に特許出願された特願2018−008403、2018年1月22日に日本国に特許出願された特願2018−008407、および2018年1月22日に日本国に特許出願された特願2018−008409の優先権を主張するものであり、これらの先の出願の開示全体をここに参照のために取り込む。
本開示は、アンテナが車両、自動二輪車、または移動体の金属等の導電体の部材に設置された際の無線通信技術の有用性を向上させる、無線通信システム、アンテナ、無線通信機器、車両、自動二輪車、および移動体を提供することに関する。本開示によれば、アンテナが車両、自動二輪車、または移動体の金属等の導電体の部材に設置された際の無線通信技術の有用性が向上する。以下、本開示の実施形態について、図面を参照して説明する。
(アンテナ)
本開示の一実施形態に係るアンテナについて、以下に説明する。共振構造は、共振器を含みうる。共振構造は、共振器と他の部材とを含み、複合的に実現されうる。図1から図62に示す共振器10は、基体20、対導体30、第3導体40、および第4導体50を含む。基体20は、対導体30、第3導体40、および第4導体50と接する。共振器10は、対導体30、第3導体40、および第4導体50が共振器として機能する。共振器10は、複数の共振周波数で共振しうる。共振器10の共振周波数のうち、1つの共振周波数を第1の周波数f1とする。第1の周波数f1の波長は、λ1である。共振器10は、少なくとも1つの共振周波数のうちの少なくとも1つを動作周波数としうる。共振器10は、第1の周波数f1を動作周波数としている。
基体20は、セラミック材料、および樹脂材料のいずれかを組成として含みうる。セラミック材料は、酸化アルミニウム質焼結体、窒化アルミニウム質焼結体、ムライト質焼結体、ガラスセラミック焼結体、ガラス母材中に結晶成分を析出させた結晶化ガラス、および雲母もしくはチタン酸アルミニウム等の微結晶焼結体を含む。樹脂材料は、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、および液晶ポリマー等の未硬化物を硬化させたものを含む。
対導体30、第3導体40、および第4導体50は、金属材料、金属材料の合金、金属ペーストの硬化物、および導電性高分子のいずれかを組成として含みうる。対導体30、第3導体40、および第4導体50は、全てが同じ材料であってよい。対導体30、第3導体40、および第4導体50は、全てが異なる材料であってよい。対導体30、第3導体40、および第4導体50は、いずれかの組合せが同じ材料であってよい。金属材料は、銅、銀、パラジウム、金、白金、アルミニウム、クロム、ニッケル、カドミウム鉛、セレン、マンガン、錫、バナジウム、リチウム、コバルト、およびチタン等を含む。合金は、複数の金属材料を含む。金属ペースト剤は、金属材料の粉末を有機溶剤、およびバインダとともに混練したものを含む。バインダは、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂を含む。導電性ポリマーは、ポリチオフェン系ポリマー、ポリアセチレン系ポリマー、ポリアニリン系ポリマー、ポリピロール系ポリマー等を含む。
共振器10は、2つの対導体30を有する。対導体30は、複数の導電体を含む。対導体30は、第1導体31および第2導体32を含む。対導体30は、3以上の導電体を含みうる。対導体30の各導体は、他の導体と第1方向において離れている。対導体30の各導体において、1つの導体は、他の導体と対となりうる。対導体30の各導体は、対となる導体の間にある共振器から電気壁として観えうる。第1導体31は、第2導体32と第1方向において離れて位置する。各導体31,32は、第1方向と交わる第2平面に沿って広がっている。
本開示では、第1方向(first axis)をx方向として示す。本開示では、第3方向(third axis)をy方向として示す。本開示では、第2方向(second axis)をz方向として示す。本開示では、第1平面(first plane)を、xy面として示す。本開示では、第2平面(second plane)を、yz面として示す。本開示では、第3平面(third plane)を、zx面として示す。これら平面は、座標空間(coordinate space)における平面(plane)であって、特定の面(plate)および特定の面(surface)を示すものではない。本開示では、xy平面における面積(surface integral)を第1面積という場合がある。本開示では、yz平面における面積を第2面積という場合がある。本開示では、zx平面における面積を第3面積という場合がある。面積(surface integral)は、平方メートル(square meter)などの単位で数えられる。本開示では、x方向における長さを単に“長さ”という場合がある。本開示では、y方向における長さを単に“幅”という場合がある。本開示では、z方向における長さを単に“高さ"という場合がある。
一例において、各導体31,32は、x方向において、基体20の両端部に位置する。各導体31,32は、一部が基体20の外に面しうる。各導体31,32は、基体20の内に一部が位置し、基体20の外に他の一部が位置しうる。各導体31,32は、基体20の中に位置しうる。
第3導体40は、共振器として機能する。第3導体40は、ライン型、パッチ型、およびスロット型の共振器の少なくとも1つの型を含みうる。一例において、第3導体40は、基体20の上に位置する。一例において、第3導体40は、z方向において、基体20の端に位置する。一例において、第3導体40は、基体20の中に位置しうる。第3導体40は、基体20の内に一部が位置し、基体20の外に他の一部が位置しうる。第3導体40は、一部の面が基体20の外に面しうる。
第3導体40は、少なくとも1つの導電体を含む。第3導体40は、複数の導電体を含みうる。第3導体40が複数の導電体を含む場合、第3導体40は、第3導体群と呼びうる。第3導体40は、少なくとも1つの導体層を含む。第3導体40は、1つの導体層に少なくとも1つの導電体を含む。第3導体40は、複数の導体層を含みうる。例えば、第3導体40は、3層以上の導体層を含みうる。第3導体40は、複数の導体層の各々に、少なくとも1つの導電体を含む。第3導体40は、xy平面に広がる。xy平面はx方向を含む。第3導体40の各導体層は、xy平面に沿って広がる。
複数の実施形態の一例において、第3導体40は、第1導体層41および第2導体層42を含む。第1導体層41は、xy平面に沿って広がる。第1導体層41は、基体20の上に位置しうる。第2導体層42は、xy平面に沿って広がる。第2導体層42は、第1導体層41と容量的に結合しうる。第2導体層42は、第1導体層41と電気的に接続されうる。容量結合する2つの導体層は、y方向に対向しうる。容量結合する2つの導体層は、x方向に対向しうる。容量結合する2つの導体層は、第1平面内において対向しうる。第1平面において対向する2つの導体層は、1つの導体層に2つの導電体があると言い換えうる。第2導体層42は、少なくとも一部が第1導体層41とz方向に重なって位置しうる。第2導体層42は、基体20の中に位置しうる。
第4導体50は、第3導体40と離れて位置する。第4導体50は、対導体30の各導体31,32に電気的に接続される。第4導体50は、第1導体31および第2導体32に電気的に接続される。第4導体50は、第3導体40に沿って広がる。第4導体50は、第1平面に沿って広がっている。第4導体50は、第1導体31から第2導体32に渡っている。第4導体50は、基体20の上に位置する。第4導体50は、基体20の中に位置しうる。第4導体50は、基体20の内に一部が位置し、基体20の外に他の一部が位置しうる。第4導体50は、一部の面が基体20の外に面しうる。
複数の実施形態の一例において、第4導体50は、共振器10におけるグラウンド導体として機能しうる。第4導体50は、共振器10の電位基準となりうる。第4導体50は、共振器10を備える機器のグラウンドに接続されうる。
複数の実施形態の一例において、共振器10は、第4導体50と、基準電位層51とを備えうる。基準電位層51は、z方向において、第4導体50と離れて位置する。基準電位層51は、第4導体50と電気的に絶縁される。基準電位層51は、共振器10の電位基準となりうる。基準電位層51は、共振器10を備える機器のグラウンドに電気的に接続されうる。第4導体50は、共振器10を備える機器のグラウンドと電気的に離れうる。基準電位層51は、第3導体40または第4導体50のいずれかとz方向において対向する。
複数の実施形態の一例において、基準電位層51は、第4導体50を介して第3導体40と対向する。第4導体50は、第3導体40と基準電位層51との間に位置する。基準電位層51と第4導体50との間隔は、第3導体40と第4導体50との間隔に比べて狭い。
基準電位層51を備える共振器10において、第4導体50は、1または複数の導電体を含みうる。基準電位層51を備える共振器10において、第4導体50は1または複数の導電体を含み、且つ第3導体40は対導体30に接続される1つの導電体としうる。基準電位層51を備える共振器10において、第3導体40および第4導体50のそれぞれは、少なくとも1つの共振器を備えうる。
基準電位層51を備える共振器10において、第4導体50は、複数の導体層を含みうる。例えば、第4導体50は、第3導体層52および第4導体層53を含みうる。第3導体層52は、第4導体層53と容量的に結合しうる。第3導体層52は、第1導体層41と電気的に接続されうる。容量結合する2つの導体層は、y方向に対向しうる。容量結合する2つの導体層は、x方向に対向しうる。容量結合する2つの導体層は、xy平面内において対向しうる。
z方向において対向して容量結合する2つの導体層の距離は、当該導体群と基準電位層51との距離に比べて短い。例えば、第1導体層41と第2導体層42との距離は、第3導体40と基準電位層51との距離に比べて短い。例えば、第3導体層52と第4導体層53との距離は、第4導体50と基準電位層51との距離に比べて短い。
第1導体31および第2導体32の各々は、1または複数の導電体を含みうる。第1導体31および第2導体32の各々は、1つの導電体としうる。第1導体31および第2導体32の各々は、複数の導電体を含みうる。第1導体31および第2導体32の各々は、少なくとも1つの第5導体層301と、複数の第5導体302とを含みうる。対導体30は、少なくとも1つの第5導体層301と、複数の第5導体302とを含む。
第5導体層301は、y方向に広がっている。第5導体層301は、xy平面に沿って広がる。第5導体層301は、層状の導電体である。第5導体層301は、基体20の上に位置しうる。第5導体層301は、基体20の中に位置しうる。複数の第5導体層301は、z方向において互いに離れている。複数の第5導体層301は、z方向に並んでいる。複数の第5導体層301は、z方向において一部が重なっている。第5導体層301は、複数の第5導体302を電気的に接続する。第5導体層301は、複数の第5導体302を接続する接続導体となる。第5導体層301は、第3導体40のいずれかの導体層と電気的に接続しうる。一実施形態において、第5導体層301は、第2導体層42と電気的に接続する。第5導体層301は、第2導体層42と一体化しうる。一実施形態において、第5導体層301は、第4導体50と電気的に接続しうる。第5導体層301は、第4導体50と一体化しうる。
各第5導体302は、z方向に広がっている。複数の第5導体302は、y方向において互いに離れている。第5導体302の間の距離は、λ1の1/2波長以下である。電気的に接続された第5導体302の間の距離がλ1/2以下であると、第1導体31および第2導体32の各々は、第5導体302の間から共振周波数帯の電磁波が漏れるのを低減できる。対導体30は、共振周波数帯の電磁波の漏れが小さいので、単位構造体から電気壁として見える。複数の第5導体302の少なくとも一部は、第4導体50に電気的に接続されている。一実施形態において、複数の第5導体302の一部は、第4導体50と第5導体層301とを電気的に接続しうる。一実施形態において、複数の第5導体302は、第5導体層301を介して第4導体50に電気的に接続しうる。複数の第5導体302の一部は、1つの第5導体層301と他の第5導体層301とを電気的に接続しうる。第5導体302は、ビア導体、およびスルーホール導体を採用しうる。
共振器10は、共振器として機能する第3導体40を含む。第3導体40は、人工磁気壁(AMC;Artificial Magnetic Conductor)として機能しうる。人工磁気壁は、反応性インピーダンス面(RIS;Reactive Impedance Surface)とも言いうる。
共振器10は、x方向において対向する2つの対導体30の間に、共振器として機能する第3導体40を含む。2つの対導体30は、第3導体40からyz平面に広がる電気壁(Electric Conductor)と観える。共振器10は、y方向の端が電気的に解放されている。共振器10は、y方向の両端のzx平面が高インピーダンスとなる。共振器10のy方向の両端のzx平面は、第3導体40から磁気壁(Magnetic Conductor)と観える。共振器10は、2つの電気壁および2つの高インピーダンス面(磁気壁)で囲まれることで、第3導体40の共振器がz方向に人工磁気壁特性(Artificial Magnetic Conductor Character)を有する。2つの電気壁および2つの高インピーダンス面で囲まれることで、第3導体40の共振器は、有限の数で人工磁気壁特性を有する。
「人工磁気壁特性」は、動作周波数における入射波と反射波との位相差が0度となる。共振器10では、第1の周波数f1における入射波と反射波との位相差が0度となる。「人工磁気壁特性」では、動作周波数帯において、入射波と反射波との位相差が−90度〜+90度となる。動作周波数帯とは、第2の周波数f2および第3の周波数f3の間の周波数帯である。第2の周波数f2とは、入射波と反射波との間の位相差が+90度である周波数である。第3の周波数f3とは、入射波と反射波との間の位相差が−90度である周波数である。第2および第3の周波数に基づいて決定される動作周波数帯の幅は、例えば、動作周波数が約2.5GHzである場合に、100MHz以上であってよい。動作周波数帯の幅は、例えば、動作周波数が約400MHzである場合に、5MHz以上であってよい。
共振器10の動作周波数は、第3導体40の各々の共振器の共振周波数と異なりうる。共振器10の動作周波数は、基体20、対導体30、第3導体40、および第4導体50の長さ、大きさ、形状、材料などで変化しうる。
複数の実施形態の一例において、第3導体40は、少なくとも1つの単位共振器40Xを含みうる。第3導体40は、1つの単位共振器40Xを含みうる。第3導体40は、複数の単位共振器40Xを含みうる。単位共振器40Xは、第4導体50とz方向に重なって位置する。単位共振器40Xは、第4導体50と対向している。単位共振器40Xは、周波数選択表面(FSS;Frequency Selective Surface)として機能しうる。複数の単位共振器40Xは、xy平面に沿って並ぶ。複数の単位共振器40Xは、xy平面で規則的に並びうる。単位共振器40Xは、正方格子(square grid)、斜交格子(oblique grid)、長方格子(rectangular grid)、および六方格子(hexagonal grid)で並びうる。
第3導体40は、z方向に並ぶ、複数の導体層を含みうる。第3導体40の複数の導体層は、各々が少なくとも1つ分の単位共振器を含む。例えば、第3導体40は、第1導体層41および第2導体層42を含む。
第1導体層41は、少なくとも1つ分の第1単位共振器41Xを含む。第1導体層41は、1つの第1単位共振器41Xを含みうる。第1導体層41は、1つの第1単位共振器41Xが複数に分かれた第1部分共振器41Yを複数含みうる。複数の第1部分共振器41Yは、隣接する単位構造体10Xによって、少なくとも1つ分の第1単位共振器41Xとなりうる。複数の第1部分共振器41Yは、第1導体層41の端部に位置する。第1単位共振器41Xおよび第1部分共振器41Yは、第3導体と呼びうる。
第2導体層42は、少なくとも1つ分の第2単位共振器42Xを含む。第2導体層42は、1つの第2単位共振器42Xを含みうる。第2導体層42は、1つの第2単位共振器42Xが複数に分かれた第2部分共振器42Yを複数含みうる。複数の第2部分共振器42Yは、隣接する単位構造体10Xによって、少なくとも1つ分の第2単位共振器42Xとなりうる。複数の第2部分共振器42Yは、第2導体層42の端部に位置する。第2単位共振器42Xおよび第2部分共振器42Yは、第3導体と呼びうる。
第2単位共振器42Xおよび第2部分共振器42Yの少なくとも一部は、第1単位共振器41Xおよび第1部分共振器41YとZ方向に重なって位置する。第3導体40は、各層の単位共振器および部分共振器の少なくとも一部がZ方向に重なって1つの単位共振器40Xとなっている。単位共振器40Xは、各層において、少なくとも1つ分の単位共振器を含む。
第1単位共振器41Xがライン型またはパッチ型の共振器を含む場合、第1導体層41は、少なくとも1つの第1単位導体411を有する。第1単位導体411は、第1単位共振器41Xまたは第1部分共振器41Yとして機能しうる。第1導体層41は、xy方向においてn行m列で並ぶ複数の第1単位導体411を有する。nおよびmは、互いに独立した1以上の自然数である。図1〜図9等に示す一例において、第1導体層41は、2行3列の格子状に並ぶ6つの第1単位導体411を有する。第1単位導体411は、正方格子、斜交格子、長方格子、および六方格子で並びうる。第1部分共振器41Yに相当する第1単位導体411は、第1導体層41のxy平面における端部に位置する。
第1単位共振器41Xがスロット型の共振器である場合、第1導体層41は、少なくとも1つの導体層がxy方向に広がる。第1導体層41は、少なくとも1つの第1単位スロット412を有する。第1単位スロット412は、第1単位共振器41Xまたは第1部分共振器41Yとして機能しうる。第1導体層41は、xy方向においてn行m列で並ぶ複数の第1単位スロット412を含みうる。nおよびmは、互いに独立した1以上の自然数である。図6〜図9等に示す一例において、第1導体層41は、2行3列の格子状に並ぶ6つの第1単位スロット412を有する。第1単位スロット412は、正方格子、斜交格子、長方格子、および六方格子で並びうる。第1部分共振器41Yに相当する第1単位スロット412は、第1導体層41のxy平面における端部に位置する。
第2単位共振器42Xがライン型またはパッチ型の共振器である場合、第2導体層42は、少なくとも1つの第2単位導体421を含む。第2導体層42は、xy方向において並ぶ複数の第2単位導体421を含みうる。第2単位導体421は、正方格子、斜交格子、長方格子、および六方格子で並びうる。第2単位導体421は、第2単位共振器42Xまたは第2部分共振器42Yとして機能しうる。第2部分共振器42Yに相当する第2単位導体421は、第2導体層42のxy平面における端部に位置する。
第2単位導体421は、z方向において、少なくとも一部が第1単位共振器41Xおよび第1部分共振器41Yの少なくとも一方と重なっている。第2単位導体421は、複数の第1単位共振器41Xと重なりうる。第2単位導体421は、複数の第1部分共振器41Yと重なりうる。第2単位導体421は、1つの第1単位共振器41Xと、4つの第1部分共振器41Yとに重なりうる。第2単位導体421は、1つの第1単位共振器41Xのみと重なりうる。第2単位導体421の重心は、1つの第1単位共振器41Xと重なりうる。第2単位導体421の重心は、複数の第1単位共振器41Xおよび第1部分共振器41Yの間に位置しうる。第2単位導体421の重心は、x方向またはy方向に並ぶ2つの第1単位共振器41Xの間に位置しうる。
第2単位導体421は、少なくとも一部が2つの第1単位導体411と重なりうる。第2単位導体421は、1つの第1単位導体411のみと重なりうる。第2単位導体421の重心は、2つの第1単位導体411の間に位置しうる。第2単位導体421の重心は、1つの第1単位導体411と重なりうる。第2単位導体421は、少なくとも一部が第1単位スロット412と重なりうる。第2単位導体421は、1つの第1単位スロット412のみと重なりうる。第2単位導体421の重心は、x方向またはy方向に並ぶ2つの第1単位スロット412の間に位置しうる。第2単位導体421の重心は、1つの第1単位スロット412に重なりうる。
第2単位共振器42Xがスロット型の共振器である場合、第2導体層42は、少なくとも1つの導体層がxy平面に沿って広がる。第2導体層42は、少なくとも1つの第2単位スロット422を有する。第2単位スロット422は、第2単位共振器42Xまたは第2部分共振器42Yとして機能しうる。第2導体層42は、xy平面において並ぶ複数の第2単位スロット422を含みうる。第2単位スロット422は、正方格子、斜交格子、長方格子、および六方格子で並びうる。第2部分共振器42Yに相当する第2単位スロット422は、第2導体層42のxy平面における端部に位置する。
第2単位スロット422は、y方向において、少なくとも一部が第1単位共振器41Xおよび第1部分共振器41Yの少なくとも一方と重なっている。第2単位スロット422は、複数の第1単位共振器41Xと重なりうる。第2単位スロット422は、複数の第1部分共振器41Yと重なりうる。第2単位スロット422は、1つの第1単位共振器41Xと、4つの第1部分共振器41Yとに重なりうる。第2単位スロット422は、1つの第1単位共振器41Xのみと重なりうる。第2単位スロット422の重心は、1つの第1単位共振器41Xと重なりうる。第2単位スロット422の重心は、複数の第1単位共振器41Xの間に位置しうる。第2単位スロット422の重心は、x方向またはy方向に並ぶ2つの第1単位共振器41Xおよび第1部分共振器41Yの間に位置しうる。
第2単位スロット422は、少なくとも一部が2つの第1単位導体411と重なりうる。第2単位スロット422は、1つの第1単位導体411のみと重なりうる。第2単位スロット422の重心は、2つの第1単位導体411の間に位置しうる。第2単位スロット422の重心は、1つの第1単位導体411と重なりうる。第2単位スロット422は、少なくとも一部が第1単位スロット412と重なりうる。第2単位スロット422は、1つの第1単位スロット412のみと重なりうる。第2単位スロット422の重心は、x方向またはy方向に並ぶ2つの第1単位スロット412の間に位置しうる。第2単位スロット422の中心は、1つの第1単位スロット412に重なりうる。
単位共振器40Xは、少なくとも1つ分の第1単位共振器41Xと、少なくとも1つ分の第2単位共振器42Xとを含む。単位共振器40Xは、1つの第1単位共振器41Xを含みうる。単位共振器40Xは、複数の第1単位共振器41Xを含みうる。単位共振器40Xは、1つの第1部分共振器41Yを含みうる。単位共振器40Xは、複数の第1部分共振器41Yを含みうる。単位共振器40Xは、第1単位共振器41Xのうちの一部を含みうる。単位共振器40Xは、部分的な第1単位共振器41Xを1または複数含みうる。単位共振器40Xは、1または複数の部分的な第1単位共振器41X、および1または複数の第1部分共振器41Yから複数の部分的な共振器を含む。単位共振器40Xが含む複数の部分的な共振器は、少なくとも1つ分に相当する第1単位共振器41Xに合わさる。単位共振器40Xは、第1単位共振器41Xを含まず、複数の第1部分共振器41Yを含みうる。単位共振器40Xは、例えば、4つの第1部分共振器41Yを含みうる。単位共振器40Xは、部分的な第1単位共振器41Xのみを複数含みうる。単位共振器40Xは、1または複数の部分的な第1単位共振器41X、および1または複数の第1部分共振器41Yを含みうる。単位共振器40Xは、例えば、2つの部分的な第1単位共振器41X、および2つの第1部分共振器41Yを含みうる。単位共振器40Xは、x方向における両端のそれぞれにおける、含まれる第1導体層41の鏡像が略同一となりうる。単位共振器40Xは、z方向に伸びる中心線に対して、含まれる第1導体層41が略対象になりうる。
単位共振器40Xは、1つの第2単位共振器42Xを含みうる。単位共振器40Xは、複数の第2単位共振器42Xを含みうる。単位共振器40Xは、1つの第2部分共振器42Yを含みうる。単位共振器40Xは、複数の第2部分共振器42Yを含みうる。単位共振器40Xは、第2単位共振器42Xのうちの一部を含みうる。単位共振器40Xは、部分的な第2単位共振器42Xを1または複数含みうる。単位共振器40Xは、1または複数の部分的な第2単位共振器42X、および1または複数の第2部分共振器42Yから複数の部分的な共振器を含む。単位共振器40Xが含む複数の部分的な共振器は、少なくとも1つ分に相当する第2単位共振器42Xに合わさる。単位共振器40Xは、第2単位共振器42Xを含まず、複数の第2部分共振器42Yを含みうる。単位共振器40Xは、例えば、4つの第2部分共振器42Yを含みうる。単位共振器40Xは、部分的な第2単位共振器42Xのみを複数含みうる。単位共振器40Xは、1または複数の部分的な第2単位共振器42X、および1または複数の第2部分共振器42Yを含みうる。単位共振器40Xは、例えば、2つの部分的な第2単位共振器42X、および2つの第2部分共振器42Yを含みうる。単位共振器40Xは、x方向における両端のそれぞれにおける、含まれる第2導体層42の鏡像が略同一となりうる。単位共振器40Xは、y方向に伸びる中心線に対して、含まれる第2導体層42が略対象になりうる。
複数の実施形態の一例において、単位共振器40Xは、1つの第1単位共振器41Xと、複数の部分的な第2単位共振器42Xとを含む。例えば、単位共振器40Xは、1つの第1単位共振器41Xと、4つの第2単位共振器42Xの半分とを含む。当該単位共振器40Xは、1つ分の第1単位共振器41Xと、2つ分の第2単位共振器42Xとを含む。単位共振器40Xが含む構成は、この例に限られない。
共振器10は、少なくとも1つの単位構造体10Xを含みうる。共振器10は、複数の単位構造体10Xを含みうる。複数の単位構造体10Xは、xy平面に並びうる。複数の単位構造体10Xは、正方格子、斜交格子、長方格子、および六方格子で並びうる。単位構造体10Xは、正方格子(square grid)、斜交格子(oblique grid)、長方格子(rectangular grid)、および六方格子(hexagonal grid)のいずれかの繰り返し単位を含む。単位構造体10Xは、xy平面に沿って無限に並ぶことで、人工磁気壁(AMC)として機能しうる。
単位構造体10Xは、基体20の少なくとも一部と、第3導体40の少なくとも一部と、第4導体50の少なくとも一部とを含みうる。単位構造体10Xが含む基体20、第3導体40、第4導体50の部位は、z方向において重なる。単位構造体10Xは、単位共振器40Xと、当該単位共振器40Xとz方向に重なる基体20の一部と、当該単位共振器40Xとz方向に重なる第4導体50とを含む。共振器10は、例えば、2行3列で並ぶ6つの単位構造体10Xを含みうる。
共振器10は、x方向において対向する2つの対導体30の間に、少なくとも1つの単位構造体10Xを有しうる。2つの対導体30は、単位構造体10Xからyz平面に広がる電気壁と観える。単位構造体10Xは、y方向の端が解放されている。単位構造体10Xは、y方向の両端のzx平面が高インピーダンスとなる。単位構造体10Xは、y方向の両端のzx平面が磁気壁と観える。単位構造体10Xは、繰り返して並ぶ際に、z方向に対して線対称としうる。単位構造体10Xは、2つの電気壁および2つの高インピーダンス面(磁気壁)で囲まれることで、z方向に人工磁気壁特性を有する。2つの電気壁および2つの高インピーダンス面(磁気壁)で囲まれることで、単位構造体10Xは、有限の数で人工磁気壁特性を有する。
共振器10の動作周波数は、第1単位共振器41Xの動作周波数と異なりうる。共振器10の動作周波数は、第2単位共振器42Xの動作周波数と異なりうる。共振器10の動作周波数は、単位共振器40Xを構成する第1単位共振器41Xおよび第2単位共振器42Xの結合などによって変化しうる。
第3導体40は、第1導体層41と第2導体層42とを含みうる。第1導体層41は、少なくとも1つの第1単位導体411を含む。第1単位導体411は、第1接続導体413と、第1浮遊導体414とを含む。第1接続導体413は、対導体30のいずれかと接続している。第1浮遊導体414は、対導体30と接続していない。第2導体層42は、少なくとも1つの第2単位導体421を含む。第2単位導体421は、第2接続導体423と、第2浮遊導体424とを含む。第2接続導体423は、対導体30のいずれかと接続している。第2浮遊導体424は、対導体30と接続していない。第3導体40は、第1単位導体411および第2単位導体421を含みうる。
第1接続導体413は、第1浮遊導体414よりx方向に沿った長さを長くしうる。第1接続導体413は、第1浮遊導体414よりx方向に沿った長さを短くしうる。第1接続導体413は、第1浮遊導体414に比べてx方向に沿った長さを半分としうる。第2接続導体423は、第2浮遊導体424よりx方向に沿った長さを長くしうる。第2接続導体423は、第2浮遊導体424よりx方向に沿った長さを短くしうる。第2接続導体423は、第2浮遊導体424に比べてx方向に沿った長さを半分としうる。
第3導体40は、共振器10が共振する際に、第1導体31と第2導体32との間の電流路となる電流路40Iを含みうる。電流路40Iは、第1導体31と、第2導体32とに接続されうる。電流路40Iは、第1導体31と第2導体32との間に、静電容量を有する。電流路40Iの静電容量は、第1導体31と第2導体32との間に、電気的に直列に接続される。電流路40Iは、第1導体31と第2導体32との間で導電体が離隔している。電流路40Iは、第1導体31に接続される導電体と、第2導体32に接続される導電体とを含みうる。
複数の実施形態において、電流路40Iにおいて、第1単位導体411と第2単位導体421とは、z方向において一部が対向している。電流路40Iにおいて、第1単位導体411と第2単位導体421とは、容量結合している。第1単位導体411は、x方向における端部に容量成分を有する。第1単位導体411は、z方向において第2単位導体421と対向するy方向における端部において容量成分を有しうる。第1単位導体411は、z方向において第2単位導体421と対向するx方向における端部、且つy方向における端部において容量成分を有しうる。第2単位導体421は、x方向における端部に容量成分を有する。第2単位導体421は、z方向において第1単位導体411と対向するy方向における端部において容量成分を有しうる。第2単位導体421は、z方向において第1単位導体411と対向するx方向における端部、且つy方向における端部において容量成分を有しうる。
共振器10は、電流路40Iにおける容量結合を大きくすることで共振周波数を低くすることができる。所望の動作周波数を実現する際に、共振器10は、電流路40Iの静電容量結合を大きくすることで、x方向に沿った長さを短くすることができる。第3導体40は、第1単位導体411と第2単位導体421とが基体20の積層方向に対向して容量結合している。第3導体40は、第1単位導体411と第2単位導体421との間の静電容量を対向する面積によって調整できる。
複数の実施形態において、第1単位導体411のy方向に沿った長さは、第2単位導体421のy方向に沿った長さと異なる。共振器10は、第1単位導体411と第2単位導体421との相対的な位置が理想的な位置からxy平面に沿ってずれた場合に、第3方向に沿った長さが第1単位導体411と第2単位導体421とで異なることで、静電容量の大きさの変化を小さくすることができる。
複数の実施形態において、電流路40Iは、第1導体31および第2導体32と空間的に離れ、第1導体31および第2導体32と容量的に結合している、1つの導電体からなる。
複数の実施形態において、電流路40Iは、第1導体層41と、第2導体層42とを含む。当該電流路40Iは、少なくとも1つの第1単位導体411と、少なくとも1つの第2単位導体421とを含む。当該電流路40Iは、2つの第1接続導体413、2つの第2接続導体423、ならびに1つの第1接続導体413および1つの第2接続導体423のいずれかを含む。当該電流路40Iは、第1単位導体411と、第2単位導体421とが第1方向に沿って交互に並びうる。
複数の実施形態において、電流路40Iは、第1接続導体413と、第2接続導体423とを含む。当該電流路40Iは、少なくとも1つの第1接続導体413と、少なくとも1つの第2接続導体423とを含む。当該電流路40Iにおいて、第3導体40は、第1接続導体413と第2接続導体423との間に静電容量を有する。実施形態の一例において、第1接続導体413は、第2接続導体423と対向し、静電容量を有しうる。実施形態の一例において、第1接続導体413は、第2接続導体423と他の導電体を介して容量的に接続されうる。
複数の実施形態において、電流路40Iは、第1接続導体413と、第2浮遊導体424とを含む。当該電流路40Iは、2つの第1接続導体413を含む。当該電流路40Iにおいて、第3導体40は、2つの第1接続導体413の間に静電容量を有する。実施形態の一例において、2つの第1接続導体413は、少なくとも1つの第2浮遊導体424を介して容量的に接続されうる。実施形態の一例において、2つの第1接続導体413は、少なくとも1つの第1浮遊導体414と、複数の第2浮遊導体424とを介して容量的に接続されうる。
複数の実施形態において、電流路40Iは、第1浮遊導体414と、第2接続導体423とを含む。当該電流路40Iは、2つの第2接続導体423を含む。当該電流路40Iにおいて、第3導体40は、2つの第2接続導体423の間に静電容量を有する。実施形態の一例において、2つの第2接続導体423は、少なくとも1つの第1浮遊導体414を介して容量的に接続されうる。実施形態の一例において、2つの第2接続導体423は、複数の第1浮遊導体414と、少なくとも1つの第2浮遊導体424と、を介して容量的に接続されうる。
複数の実施形態において、第1接続導体413および第2接続導体423の各々は、共振周波数における波長λの4分の1の長さとしうる。第1接続導体413および第2接続導体423の各々は、それぞれが波長λの2分の1の長さの共振器として機能しうる。第1接続導体413および第2接続導体423の各々は、それぞれの共振器が容量結合することで奇モードと偶モードとで発振しうる。共振器10は、容量結合後の偶モードにおける共振周波数を動作周波数としうる。
電流路40Iは、第1導体31に複数箇所で接続されうる。電流路40Iは、第2導体32に複数箇所で接続されうる。電流路40Iは、第1導体31から第2導体32までを独立して電導する複数の電導路を含みうる。
第1接続導体413と容量結合する第2浮遊導体424において、当該容量結合している側の第2浮遊導体424の端は、対導体30との距離に比べて第1接続導体413との距離が短い。第2接続導体423と容量結合する第1浮遊導体414において、当該容量結合している側の第1浮遊導体414の端は、対導体30との距離に比べて第2接続導体423との距離が短い。
複数の実施形態の共振器10において、第3導体40の導体層は、y方向における長さが各々で異なりうる。第3導体40の導体層は、z方向において他の導体層と容量的に結合する。共振器10は、導体層のy方向における長さが異なると、導体層がy方向にずれても静電容量の変化が小さくなる。共振器10は、導体層のy方向における長さが異なることで、導体層のy方向に対するズレの許容範囲を広げることができる。
複数の実施形態の共振器10において、第3導体40は、導体層間の容量的な結合による静電容量を有する。当該静電容量を有する容量部位は、y方向に複数並びうる。y方向に複数並ぶ容量部位は、電磁気的に並列の関係となりうる。共振器10は、電気的に並列に並ぶ複数の容量部位を有することで、個々の容量誤差を相互に補完することができる。
共振器10が共振状態にあるとき、対導体30、第3導体40、第4導体50に流れる電流は、ループする。共振器10が共振状態にあるとき、共振器10には、交流電流が流れている。共振器10において、第3導体40を流れる電流を第1電流とし、第4導体50を流れる電流を第2電流とする。共振器10が共振状態にあるとき、第1電流は、x方向において第2電流と異なる方向に流れる。例えば、第1電流が+x方向に流れるとき、第2電流は−x方向に流れる。また、例えば、第1電流が−x方向に流れるとき、第2電流は+x方向に流れる。つまり、共振器10が共振状態にあるとき、ループ電流は、+x方向および−x方向に交互に流れる。共振器10は、磁界を作るループ電流が反転を繰り返すことで、電磁波を放射する。
複数の実施形態において、第3導体40は、第1導体層41と、第2導体層42とを含む。第3導体40は、第1導体層41と第2導体層42とが容量的に結合しているため、共振状態で大域的に電流が1つの方向に流れているようにみえる。複数の実施形態において、各導体を流れる電流は、y方向の端部において密度が大きい。
共振器10は、対導体30を介して第1電流および第2電流がループする。共振器10は、第1導体31、第2導体32、第3導体40、および第4導体50が共振回路となる。共振器10の共振周波数は、単位共振器の共振周波数となる。共振器10が1つの単位共振器を含む場合、または、共振器10が単位共振器の一部を含む場合、共振器10の共振周波数は、基体20、対導体30、第3導体40、および第4導体50、並びに共振器10の周囲との電磁的な結合によって変わる。例えば、共振器10は、第3導体40の周期性が乏しい場合、全体が1つの単位共振器、または全体が1つの単位共振器の一部となる。例えば、共振器10の共振周波数は、第1導体31および第2導体32のz方向の長さ、第3導体40および第4導体50のx方向の長さ、第3導体40および第4導体50の静電容量によって変わる。例えば、第1単位導体411と第2単位導体421の間の容量が大きい共振器10は、第1導体31および第2導体32のz方向の長さ、ならびに第3導体40および第4導体50のx方向の長さを短くしつつ、共振周波数の低周波数化が可能となる。
複数の実施形態において、共振器10は、z方向において第1導体層41が電磁波の実効的な放射面となる。複数の実施形態において、共振器10は、第1導体層41の第1面積が他の導体層の第1面積より大きい。当該共振器10は、第1導体層41の第1面積を大きくすることで、電磁波の放射を大きくすることができる。
複数の実施形態において、共振器10は、1または複数のインピーダンス素子45を含みうる。インピーダンス素子45は、複数の端子間にインピーダンス値を有する。インピーダンス素子45は、共振器10の共振周波数を変化させる。インピーダンス素子45は、抵抗器(Register)、キャパシタ(Capacitor)、およびインダクタ(Inductor)を含みうる。インピーダンス素子45は、インピーダンス値を変更可能な可変素子を含みうる。可変素子は、電気信号によってインピーダンス値を変更しうる。可変素子は、物理機構によってインピーダンス値を変更しうる。
インピーダンス素子45は、x方向において並ぶ、第3導体40の2つの単位導体に接続されうる。インピーダンス素子45は、x方向において並ぶ、2つの第1単位導体411に接続されうる。インピーダンス素子45は、x方向において並ぶ、第1接続導体413と第1浮遊導体414とに接続されうる。インピーダンス素子45は、第1導体31と、第1浮遊導体414とに接続されうる。インピーダンス素子45は、y方向における中央部において、第3導体40の単位導体に接続される。インピーダンス素子45は、2つの第1単位導体411のy方向における中央部に接続される。
インピーダンス素子45は、xy平面内でx方向に並ぶ2つの導電体の間に、電気的に直列に接続される。インピーダンス素子45は、x方向において並ぶ、2つの第1単位導体411の間に電気的に直列に接続されうる。インピーダンス素子45は、x方向において並ぶ、第1接続導体413と第1浮遊導体414との間に電気的に直列に接続されうる。インピーダンス素子45は、第1導体31と、第1浮遊導体414との間に電気的に直列に接続されうる。
インピーダンス素子45は、z方向に重なって静電容量を持つ、2つの第1単位導体411および第2単位導体421に対して、電気的に並列に接続されうる。インピーダンス素子45は、z方向に重なって静電容量を持つ、第2接続導体423および第1浮遊導体414に対して、電気的に並列に接続されうる。
共振器10は、インピーダンス素子45としてキャパシタを追加することで、共振周波数を低くできる。共振器10は、インピーダンス素子45としてインダクタを追加することで共振周波数を高くできる。共振器10は、異なるインピーダンス値のインピーダンス素子45を含みうる。共振器10は、インピーダンス素子45として異なる電気容量のキャパシタを含みうる。共振器10は、インピーダンス素子45として異なるインダクタンスのインダクタを含みうる。共振器10は、異なるインピーダンス値のインピーダンス素子45を追加することで、共振周波数の調整範囲が大きくなる。共振器10は、インピーダンス素子45としてキャパシタおよびインダクタを同時に含みうる。共振器10は、インピーダンス素子45としてキャパシタおよびインダクタを同時に追加することで、共振周波数の調整範囲が大きくなる。共振器10は、インピーダンス素子45を備えることによって、全体が1つの単位共振器、または全体が1つの単位共振器の一部となりうる。
図1〜図5は、複数の実施形態の一例である共振器10を示す図である。図1は、共振器10の概略図である。図2は、z方向からxy平面を平面視した図である。図3Aは、図2に示したIIIa−IIIa線に沿った断面図である。図3Bは、図2に示したIIIb−IIIb線に沿った断面図である。図4は、図3Aおよび図3Bに示したIV−IV線に沿った断面図である。図5は、複数の実施形態の一例である単位構造体10Xを示す概念図である。
図1〜図5に示した共振器10において、第1導体層41は、第1単位共振器41Xとしてパッチ型の共振器を含む。第2導体層42は、第2単位共振器42Xとしてパッチ型の共振器を含む。単位共振器40Xは、1つの第1単位共振器41Xと、4つの第2部分共振器42Yとを含む。単位構造体10Xは、単位共振器40Xと、単位共振器40Xとz方向に重なる基体20の一部および第4導体50の一部とを含む。
図6〜図9は、複数の実施形態の一例である共振器10を示す図である。図6は、共振器10の概略図である。図7は、z方向からxy平面を平面視した図である。図8Aは、図7に示したVIIIa−VIIIa線に沿った断面図である。図8Bは、図7に示したVIIIb−VIIIb線に沿った断面図である。図9は、図8Aおよび図8Bに示したIX−IX線に沿った断面図である。
図6〜図9に示した共振器10において、第1導体層41は、第1単位共振器41Xとしてスロット型の共振器を含む。第2導体層42は、第2単位共振器42Xとしてスロット型の共振器を含む。単位共振器40Xは、1つの第1単位共振器41Xと、4つの第2部分共振器42Yとを含む。単位構造体10Xは、単位共振器40Xと、単位共振器40Xとz方向に重なる基体20の一部および第4導体50の一部とを含む。
図10〜図13は、複数の実施形態の一例である共振器10を示す図である。図10は、共振器10の概略図である。図11は、z方向からxy平面を平面視した図である。図12Aは、図11に示したXIIa−XIIa線に沿った断面図である。図12Bは、図11に示したXIIb−XIIb線に沿った断面図である。図13は、図12Aおよび図12Bに示したXIII−XIII線に沿った断面図である。
図10〜図13に示した共振器10において、第1導体層41は、第1単位共振器41Xとしてパッチ型の共振器を含む。第2導体層42は、第2単位共振器42Xとしてスロット型の共振器を含む。単位共振器40Xは、1つの第1単位共振器41Xと、4つの第2部分共振器42Yとを含む。単位構造体10Xは、単位共振器40Xと、単位共振器40Xとz方向に重なる基体20の一部および第4導体50の一部とを含む。
図14〜図17は、複数の実施形態の一例である共振器10を示す図である。図14は、共振器10の概略図である。図15は、z方向からxy平面を平面視した図である。図16Aは、図15に示したXVIa−XVIa線に沿った断面図である。図16Bは、図15に示したXVIb−XVIb線に沿った断面図である。図17は、図16Aおよび図16Bに示したXVII−XVII線に沿った断面図である。
図14〜図17に示した共振器10において、第1導体層41は、第1単位共振器41Xとしてスロット型の共振器を含む。第2導体層42は、第2単位共振器42Xとしてパッチ型の共振器を含む。単位共振器40Xは、1つの第1単位共振器41Xと、4つの第2部分共振器42Yとを含む。単位構造体10Xは、単位共振器40Xと、単位共振器40Xとz方向に重なる基体20の一部および第4導体50の一部とを含む。
図1〜図17に示した共振器10は一例である。共振器10の構成は、図1〜図17に示した構造に限定されない。図18は、他の構成の対導体30を含む共振器10を示す図である。図19Aは、図18に示したXIXa−XIXa線に沿った断面図である。図19Bは、図18に示したXIXb−XIXb線に沿った断面図である。
図1〜図19に示した基体20は一例である。基体20の構成は、図1〜図19に示した構成に限定されない。基体20は、図20に示したように、内部に空洞20aを含みうる。z方向において、空洞20aは、第3導体40と第4導体50との間に位置する。空洞20aの誘電率は、基体20の誘電率に比べて低い。基体20は、空洞20aを有することで、第3導体40と第4導体50との電磁気的な距離を短くできる。
基体20は、図21に示したように、複数の部材を含みうる。基体20は、第1基体21、第2基体22、および接続体23を含みうる。第1基体21および第2基体22は、接続体23を介して機械的に接続されうる。接続体23は、内部に第6導体303を含みうる。第6導体303は、第5導体層301または第5導体302と電気的に接続される。第6導体303は、第5導体層301および第5導体302と合わせて第1導体31または第2導体32となる。
図1〜図21に示した対導体30は一例である。対導体30の構成は、図1〜図21に示した構成に限定されない。図22〜図28は、他の構成の対導体30を含む共振器10を示す図である。図22A〜図22Cは、図19Aに相当する断面図である。図22Aに示すように、第5導体層301の数は、適宜変更しうる。図22Bに示すように、第5導体層301は、基体20の上に位置しなくてよい。図22Cに示すように、第5導体層301は、基体20の中に位置しなくてよい。
図23は、図18に相当する平面図である。図23に示すように、共振器10は、第5導体302を単位共振器40Xの境界から離しうる。図24は、図18に相当する平面図である。図24に示すように、2つの対導体30は、対となる他の対導体30側に出る凸部を有しうる。このような共振器10は、例えば、凹部を有する基体20に金属ペーストを塗布して硬化することで形成しうる。
図25は、図18に相当する平面図である。図25に示すように、基体20は、凹部を有しうる。図25に示すように、対導体30は、x方向における外面から内側に窪む凹部を有している。図25に示すように、対導体30は、基体20の表面に沿って広がっている。このような共振器10は、例えば、凹部を有する基体20に微細な金属材料を吹き付けることで形成しうる。
図26は、図18に相当する平面図である。図26に示すように、基体20は、凹部を有しうる。図25に示すように、対導体30は、x方向における外面から内側に窪む凹部を有している。図26に示すように、対導体30は、基体20の凹部に沿って広がっている。このような共振器10は、例えば、スルーホール導体の並びに沿ってマザー基板を分割することで製造しうる。かかる対導体30は、端面スルーホールなどと称しうる。
図27は、図18に相当する平面図である。図27に示すように、基体20は、凹部を有しうる。図27に示すように、対導体30は、x方向における外面から内側に窪む凹部を有している。このような共振器10は、例えば、スルーホール導体の並びに沿ってマザー基板を分割することで製造しうる。かかる対導体30は、端面スルーホールなどと称しうる。
図28は、図18に相当する平面図である。図28に示すように、対導体30は、x方向における長さが、基体20に比べて短くてよい。対導体30の構成はこれらに限られない。2つの対導体30は、互いに異なる構成と成りうる。例えば、一方の対導体30は、第5導体層301および第5導体302を含み、他方の対導体30は、端面スルーホールであってよい。
図1〜図28に示した第3導体40は一例である。第3導体40の構成は、図1〜図28に示した構成に限定されない。単位共振器40X、第1単位共振器41X、および第2単位共振器42Xは、方形に限られない。単位共振器40X、第1単位共振器41X、および第2単位共振器42Xは、単位共振器40X等と称しうる。例えば、単位共振器40X等は、図29Aに示すように、三角形であってよく、図29Bに示すように六角形であってよい。単位共振器40X等の各辺は、図30に示すように、x方向およびy方向と異なる方向に伸びうる。第3導体40は、第2導体層42が基体20の上に位置し、第1導体層41が基体20の中に位置しうる。第3導体40は、第2導体層42が第1導体層41より第4導体50から遠くに位置しうる。
図1〜図30に示した第3導体40は一例である。第3導体40の構成は、図1〜図30に示した構成に限定されない。第3導体40を含む共振器は、ライン型の共振器401であってよい。図31Aに示したのは、ミアンダライン型の共振器401である。図31Bに示したのは、スパイラル型の共振器401である。第3導体40の含む共振器は、スロット型の共振器402であってよい。スロット型の共振器402は、1つまたは複数の第7導体403を開口内に有しうる。開口内の第7導体403は、一端が解放され、他端が開口を規定する導体に電気的に接続される。図31Cに示した単位スロットは、5つの第7導体403が開口内に位置する。単位スロットは、第7導体403によってミアンダラインに相当する形となる。図31Dに示した単位スロットは、1つの第7導体403が開口内に位置する。単位スロットは、第7導体403によってスパイラルに相当する形となる。
図1〜図31に示した共振器10の構成は一例である。共振器10の構成は、図1〜図31に示した構成に限定されない。例えば、共振器10の対導体30は、3以上含みうる。例えば、1つの対導体30は、2つの対導体30とx方向において対向しうる。当該2つの対導体30は、当該対導体30との距離が異なる。例えば、共振器10は、二対の対導体30を含みうる。二対の対導体30は、各対の距離、および各対の長さが異なりうる。共振器10は、5以上の第1導体を含みうる。共振器10の単位構造体10Xは、y方向において、他の単位構造体10Xと並びうる。共振器10の単位構造体10Xは、x方向において、対導体30を介さずに他の単位構造体10Xと並びうる。図32〜図34は、共振器10の例を示す図である。図32〜図34に示す共振器10では、単位構造体10Xの単位共振器40Xを正方形で示すが、これに限られない。
図1〜図34に示した共振器10の構成は一例である。共振器10の構成は、図1〜図34に示した構成に限定されない。図35は、z方向からxy平面を平面視した図である。図36Aは、図35に示したXXXVIa−XXXVIa線に沿った断面図である。図36Bは、図35に示したXXXVIb−XXXVIb線に沿った断面図である。
図35,36に示した共振器10において、第1導体層41は、第1単位共振器41Xとしてパッチ型の共振器の半分を含む。第2導体層42は、第2単位共振器42Xとしてパッチ型の共振器の半分を含む。単位共振器40Xは、1つの第1部分共振器41Yと、1つの第2部分共振器42Yとを含む。単位構造体10Xは、単位共振器40Xと、単位共振器40XとZ方向に重なる基体20の一部および第4導体50の一部とを含む。図35に示した共振器10は、3つの単位共振器40Xがx方向に並んでいる。3つの単位共振器40Xに含まれる第1単位導体411および第2単位導体421は、1つの電流路40Iとなっている。
図37は、図35に示した共振器10の他の例を示す。図37に示した共振器10は、図35に示した共振器10と比較してx方向に長い。共振器10の寸法は、図37に示した共振器10に限定されず、適宜変更しうる。図37の共振器10において、第1接続導体413は、x方向の長さが第1浮遊導体414と異なる。図37の共振器10において、第1接続導体413は、x方向の長さが第1浮遊導体414より短い。図38は、図35に示した共振器10の他の例を示す。図38に示した共振器10は、第3導体40のx方向の長さが異なる。図38の共振器10において、第1接続導体413は、x方向の長さが第1浮遊導体414より長い。
図39は、共振器10の他の例を示す。図39は、図37に示した共振器10の他の例を示す。複数の実施形態において、共振器10は、x方向に並ぶ複数の第1単位導体411および第2単位導体421が容量的に結合する。共振器10では、一方から他方に電流が流れない、2つの電流路40Iがy方向に並びうる。
図40は、共振器10の他の例を示す。図40は、図39に示した共振器10の他の例を示す。複数の実施形態において、共振器10は、第1導体31に接続される導電体の数と、第2導体32に接続される導電体の数とが異なりうる。図40の共振器10において、1つの第1接続導体413は、2つの第2浮遊導体424と容量的に結合している。図40の共振器10において、2つの第2接続導体423は、1つの第1浮遊導体414と容量的に結合している。複数の実施形態において、第1単位導体411の数は、当該第1単位導体411に容量結合する第2単位導体421の数と異なりうる。
図41は、図39に示した共振器10の他の例を示す。複数の実施形態において、第1単位導体411は、x方向における第1端部において容量結合する第2単位導体421の数と、x方向における第2端部において容量結合する第2単位導体421の数が異なりうる。図41の共振器10において、1つの第2浮遊導体424は、x方向における第1端部に2つの第1接続導体413が容量結合し、第2端部に3つの第2浮遊導体424が容量結合している。複数の実施形態において、y方向に並ぶ複数の導電体は、y方向における長さが異なりうる。図41の共振器10において、y方向に並ぶ3つの第1浮遊導体414は、y方向における長さが異なる。
図42は、共振器10の他の例を示す。図43は、図42に示したXLIII−XLIII線に沿った断面図である。図42,43に示した共振器10において、第1導体層41は、第1単位共振器41Xとしてパッチ型の共振器の半分を含む。第2導体層42は、第2単位共振器42Xとしてパッチ型の共振器の半分を含む。単位共振器40Xは、1つの第1部分共振器41Yと、1つの第2部分共振器42Yとを含む。単位構造体10Xは、単位共振器40Xと、単位共振器40Xとz方向に重なる基体20の一部および第4導体50の一部とを含む。図42に示した共振器10は、1つの単位共振器40Xがx方向に延びている。
図44は、共振器10の他の例を示す。図45は、図44に示したXLV−XLV線に沿った断面図である。図44,45に示した共振器10において、第3導体40は、第1接続導体413のみを含む。第1接続導体413は、xy平面において第1導体31と対向する。第1接続導体413は、第1導体31と容量的に結合する。
図46は、共振器10の他の例を示す。図47は、図46に示したXLVII−XLVII線に沿った断面図である。図46,47に示した共振器10において、第3導体40は、第1導体層41および第2導体層42を有する。第1導体層41は、1つの第1浮遊導体414を有する。第2導体層42は、2つの第2接続導体423を有する。当該第1導体層41は、xy平面において対導体30と対向する。2つの第2接続導体423は、1つの第1浮遊導体414とz方向に重なっている。1つの第1浮遊導体414は、2つの第2接続導体423と容量的に結合している。
図48は、共振器10の他の例を示す。図49は、図48に示したXLIX−XLIX線に沿った断面図である。図48,49に示した共振器10において、第3導体40は、第1浮遊導体414のみを含む。第1浮遊導体414は、xy平面において対導体30と対向する。第1接続導体413は、対導体30と容量的に結合する。
図50は、共振器10の他の例を示す。図51は、図50に示したLI−LI線に沿った断面図である。図50,51に示した共振器10は、図42,43に示した共振器10と第4導体50の構成が異なる。図50,51に示した共振器10は、第4導体50と、基準電位層51とを備える。基準電位層51は、共振器10を備える機器のグラウンドに電気的に接続される。基準電位層51は、第4導体50を介して第3導体40と対向している。第4導体50は、第3導体40と基準電位層51との間に位置する。基準電位層51と第4導体50との間隔は、第3導体40と第4導体50との間隔に比べて狭い。
図52は、共振器10の他の例を示す。図53は、図52に示したLIII−LIII線に沿った断面図である。共振器10は、第4導体50と、基準電位層51とを備える。基準電位層51は、共振器10を備える機器のグラウンドに電気的に接続される。第4導体50は、共振器を備える。第4導体50は、第3導体層52および第4導体層53を含む。第3導体層52および第4導体層53は、容量結合する。第3導体層52および第4導体層53は、z方向に対向する。第3導体層52および第4導体層53の距離は、第4導体層53と基準電位層51との距離に比べて短い。第3導体層52および第4導体層53の距離は、第4導体50と基準電位層51との距離に比べて短い。第3導体40は、1つの導体層となっている。
図54は、図53に示した共振器10の他の例を示す。共振器10は、第3導体40と、第4導体50と、基準電位層51とを備える。第3導体40は、第1導体層41および第2導体層42を含む。第1導体層41は、第1接続導体413を含む。第2導体層42は、第2接続導体423を含む。第1接続導体413は、第2接続導体423と容量的に結合される。基準電位層51は、共振器10を備える機器のグラウンドに電気的に接続される。第4導体50は、第3導体層52および第4導体層53を含む。第3導体層52および第4導体層53は、容量結合する。第3導体層52および第4導体層53は、z方向に対向する。第3導体層52および第4導体層53の距離は、第4導体層53と基準電位層51との距離に比べて短い。第3導体層52および第4導体層53の距離は、第4導体50と基準電位層51との距離に比べて短い。
図55は、共振器10の他の例を示す。図56Aは、図55に示したLVIa−LVIa線に沿った断面図である。図56Bは、図55に示したLVIb−LVIb線に沿った断面図である。図55に示した共振器10において、第1導体層41は、4つの第1浮遊導体414を有する。図55に示した第1導体層41は、第1接続導体413を有していない。図55に示した共振器10において、第2導体層42は、6つの第2接続導体423と、3つの第2浮遊導体424とを有する。2つの第2接続導体423の各々は、2つの第1浮遊導体414と容量的に結合している。1つの第2浮遊導体424は、4つの第1浮遊導体414と容量的に結合している。2つの第2浮遊導体424は、2つの第1浮遊導体414と容量的に結合している。
図57は、図55に示した共振器の他の例を示す図である。図57の共振器10は、第2導体層42の大きさが図55に示した共振器10と異なる。図57に示した共振器10は、第2浮遊導体424のx方向に沿った長さが第2接続導体423のx方向に沿った長さより短い。
図58は、図55に示した共振器の他の例を示す図である。図58の共振器10は、第2導体層42の大きさが図55に示した共振器10と異なる。図58に示した共振器10において、複数の第2単位導体421の各々は、第1面積が異なる。図58に示した共振器10において、複数の第2単位導体421の各々は、x方向における長さが異なる。図58に示した共振器10において、複数の第2単位導体421の各々は、y方向における長さが異なる。図58において、複数の第2単位導体421は、第1面積、長さ、および幅が互いに異なるがこれに限られない。図58において、複数の第2単位導体421は、第1面積、長さ、および幅の一部が互いに異なりうる。複数の第2単位導体421は、第1面積、長さ、および幅の一部または全てが互いに一致しうる。複数の第2単位導体421は、第1面積、長さ、および幅の一部または全てが互いに異なりうる。複数の第2単位導体421は、第1面積、長さ、および幅の一部または全てが互いに一致しうる。複数の第2単位導体421の一部は、第1面積、長さ、および幅の一部または全てが互いに一致しうる。
図58に示した共振器10において、y方向に並ぶ複数の第2接続導体423は、第1面積が互いに異なる。図58に示した共振器10において、y方向に並ぶ複数の第2接続導体423は、x方向における長さが互いに異なる。図58に示した共振器10において、y方向に並ぶ複数の第2接続導体423は、y方向における長さが互いに異なる。図58において、複数の第2接続導体423は、第1面積、長さ、および幅が互いに異なるがこれに限られない。図58において、複数の第2接続導体423は、第1面積、長さ、および幅の一部が互いに異なりうる。複数の第2接続導体423は、第1面積、長さ、および幅の一部または全てが互いに一致しうる。複数の第2接続導体423は、第1面積、長さ、および幅の一部または全てが互いに異なりうる。複数の第2接続導体423は、第1面積、長さ、および幅の一部または全てが互いに一致しうる。複数の第2接続導体423の一部は、第1面積、長さ、および幅の一部または全てが互いに一致しうる。
図58に示した共振器10において、y方向に並ぶ複数の第2浮遊導体424は、第1面積が互いに異なる。図58に示した共振器10において、y方向に並ぶ複数の第2浮遊導体424は、x方向における長さが互いに異なる。図58に示した共振器10において、y方向に並ぶ複数の第2浮遊導体424は、y方向における長さが互いに異なる。図58において、複数の第2浮遊導体424は、第1面積、長さ、および幅が互いに異なるがこれに限られない。図58において、複数の第2浮遊導体424は、第1面積、長さ、および幅の一部が互いに異なりうる。複数の第2浮遊導体424は、第1面積、長さ、および幅の一部または全てが互いに一致しうる。複数の第2浮遊導体424は、第1面積、長さ、および幅の一部または全てが互いに異なりうる。複数の第2浮遊導体424は、第1面積、長さ、および幅の一部または全てが互いに一致しうる。複数の第2浮遊導体424の一部は、第1面積、長さ、および幅の一部または全てが互いに一致しうる。
図59は、図57に示した共振器10の他の例を示す図である。図59の共振器10は、y方向における第1単位導体411の間隔が図57に示した共振器10と異なる。図59の共振器10は、x方向における第1単位導体411の間隔に比べて、y方向における第1単位導体411の間隔が小さい。共振器10は、対導体30が電気壁として機能しうるため、電流がx方向に流れる。当該共振器10において、第3導体40をy方向に流れる電流は、無視しうる。第1単位導体411のy方向の間隔は、第1単位導体411のx方向における間隔に比べて短くしうる。第1単位導体411のy方向の間隔を短くすることで、第1単位導体411の面積は大きくされうる。
図60〜図62は、共振器10の他の例を示す図である。これらの共振器10は、インピーダンス素子45を有する。インピーダンス素子45が接続する単位導体は、図60〜図62に示した例に限られない。図60〜図62に示したインピーダンス素子45は、一部を省略しうる。インピーダンス素子45は、キャパシタンス特性を取りうる。インピーダンス素子45は、インダクタンス特性を取りうる。インピーダンス素子45は、機械的または電気的な可変素子でありうる。インピーダンス素子45は、1つの層にある異なる2つの導体を接続しうる。
アンテナは、電磁波を放射する機能、および電磁波を受信する機能の少なくとも一方を有する。本開示のアンテナは、第1アンテナ60および第2アンテナ70を含むが、これらに限られない。
第1アンテナ60は、基体20、対導体30、第3導体40、第4導体50、第1給電線61を備える。一例において、第1アンテナ60は、基体20の上に第3基体24を有する。第3基体24は、基体20と異なる組成としうる。第3基体24は、第3導体40の上に位置しうる。図63〜図76は、複数の実施形態の一例である第1アンテナ60を示す図である。
第1給電線61は、人工磁気壁として周期的に並ぶ共振器の少なくとも1つに給電する。複数の共振器に給電する場合、第1アンテナ60は、複数の第1給電線を有しうる。第1給電線61は、人工磁気壁として周期的に並ぶ共振器のいずれかに電磁気的に接続されうる。第1給電線61は、人工磁気壁として周期的に並ぶ共振器から電気壁として観える一対の導体のいずれかに電磁気的に接続されうる。
第1給電線61は、第1導体31、第2導体32、および第3導体40の少なくとも1つに給電する。第1導体31、第2導体32、および第3導体40の複数の部分に給電する場合、第1アンテナ60は、複数の第1給電線を有しうる。第1給電線61は、第1導体31、第2導体32、および第3導体40のいずれかに電磁気的に接続されうる。第1アンテナ60が第4導体50の他に基準電位層51を備える場合、第1給電線61は、第1導体31、第2導体32、第3導体40、および第4導体50のいずれかに電磁気的に接続されうる。第1給電線61は、対導体30のうち、第5導体層301および第5導体302のいずれかに電気的に接続される。第1給電線61の一部は、第5導体層301と一体としうる。
第1給電線61は、第3導体40に電磁気的に接続されうる。例えば、第1給電線61は、第1単位共振器41Xの1つに電磁気的に接続される。例えば、第1給電線61は、第2単位共振器42Xの1つに電磁気的に接続される。第1給電線61は、第3導体40の単位導体に対して、x方向における中央と異なる点で電磁気的に接続される。第1給電線61は、一実施形態において、第3導体40に含まれる少なくとも1つの共振器に電力を供給する。第1給電線61は、一実施形態において、第3導体40に含まれる少なくとも1つの共振器からの電力を外部に給電する。第1給電線61は、少なくとも一部が基体20の中に位置しうる。第1給電線61は、基体20の2つのzx面、2つのyz面、および2つのxy面のいずれかから外部に臨みうる。
第1給電線61は、z方向の順方向および逆方向から第3導体40に対して接しうる。第4導体50は、第1給電線61の周囲で省略しうる。第1給電線61は、第4導体50の開口を通じて、第3導体40に電磁気的に接続しうる。第1導体層41は、第1給電線61の周囲で省略しうる。第1給電線61は、第1導体層41の開口を通じて、第2導体層42に接続しうる。第1給電線61は、xy平面に沿って第3導体40に対して接しうる。対導体30は、第1給電線61の周囲で省略しうる。第1給電線61は、対導体30の開口を通じて、第3導体40に接続しうる。第1給電線61は、第3導体40の単位導体に対して、当該単位導体の中心部から離れて接続される。
図63は、第1アンテナ60をz方向からxy平面を平面視した図である。図64は、図63に示したLXIV−LXIV線に沿った断面図である。図63,64に示した第1アンテナ60は、第3導体40の上に第3基体24を有する。第3基体24は、第1導体層41の上に開口を有する。第1給電線61は、第3基体24の開口を介して第1導体層41に電気的に接続される。
図65は、第1アンテナ60をz方向からxy平面を平面視した図である。図66は、図65に示したLXVI−LXVI線に沿った断面図である。図65,66に示した第1アンテナ60において、第1給電線61の一部は、基体20の上に位置する。第1給電線61は、xy平面内にて第3導体40と接続しうる。第1給電線61は、xy平面内にて第1導体層41と接続しうる。一実施形態において、第1給電線61は、第2導体層42とxy平面に接続しうる。
図67は、第1アンテナ60をz方向からxy平面を平面視した図である。図68は、図67に示したLXVIII−LXVIII線に沿った断面図である。図67,68に示した第1アンテナ60において、第1給電線61は、基体20の中に位置する。第1給電線61は、z方向における逆方向から第3導体40に接続しうる。第4導体50は、開口を有しうる。第4導体50は、第3導体40とz方向において重なる位置に開口を有しうる。第1給電線61は、開口を介して基体20の外部に臨みうる。
図69は、第1アンテナ60をx方向からyz面を見た断面図である。対導体30は、開口を有しうる。第1給電線61は、開口を介して基体20の外部に臨みうる。
第1アンテナ60が放射する電磁波は、第1平面において、y方向の偏波成分よりx方向の偏波成分が大きい。x方向の偏波成分は、z方向から金属板が第4導体50に近づいた際に、水平偏波成分より減衰が小さい。第1アンテナ60は、外部から金属板が近づいた際の放射効率を維持しうる。
図70は、第1アンテナ60の他の例を示す。図71は、図70に示したLXXI−LXXI線に沿った断面図である。図72は、第1アンテナ60の他の例を示す。図73は、図72に示したLXXIII−LXXIII線に沿った断面図である。図74は、第1アンテナ60の他の例を示す。図75Aは、図74に示したLXXVa−LXXVa線に沿った断面図である。図75Bは、図74に示したLXXVb−LXXVb線に沿った断面図である。図76は、第1アンテナ60の他の例を示す。図76に示した第1アンテナ60は、インピーダンス素子45を有している。
第1アンテナ60は、インピーダンス素子45によって、動作周波数を変更することができる。第1アンテナ60は、第1給電線61に接続される第1給電導体415と、第1給電線61に接続されない第1単位導体411とを含む。インピーダンス整合は、第1給電導体415と他の導電体とにインピーダンス素子45が接続されると変化する。第1アンテナ60は、インピーダンス素子45によって第1給電導体415と他の導電体とを接続することで、インピーダンスの整合を調整できる。第1アンテナ60において、インピーダンス素子45は、インピーダンス整合を調整するために、第1給電導体415と他の導電体との間に挿入されうる。第1アンテナ60において、インピーダンス素子45は、動作周波数を調整するために、第1給電線61に接続されない2つの第1単位導体411の間に挿入されうる。第1アンテナ60において、インピーダンス素子45は、動作周波数を調整するために、第1給電線61に接続されない第1単位導体411と、対導体30の何れかとの間に挿入されうる。
第2アンテナ70は、基体20、対導体30、第3導体40、第4導体50、第2給電層71、および第2給電線72を備える。一例において、第3導体40は、基体20の中に位置する。一例において、第2アンテナ70は、基体20の上に第3基体24を有する。第3基体24は、基体20と異なる組成としうる。第3基体24は、第3導体40の上に位置しうる。第3基体24は、第2給電層71の上に位置しうる。
第2給電層71は、第3導体40の上方に間を空けて位置する。第2給電層71と第3導体40との間に、基体20、または第3基体24が位置しうる。第2給電層71は、ライン型、パッチ型、およびスロット型の共振器を含む。第2給電層71は、アンテナ素子と言いうる。一例において、第2給電層71は、第3導体40と電磁気的に結合しうる。第2給電層71の共振周波数は、第3導体40との電磁気的な結合によって、単独の共振周波数から変化する。一例において、第2給電層71は、第2給電線72からの電力の伝送を受けて、第3導体40と共に共振する。一例において、第2給電層71は、第2給電線72からの電力の伝送を受けて、第3導体40および第3導体と共に共振する。
第2給電線72は、第2給電層71に電気的に接続される。一実施形態において、第2給電線72は、第2給電層71に電力を伝送する。一実施形態において、第2給電線72は、第2給電層71からの電力を外部に伝送する。
図77は、第2アンテナ70をz方向からxy平面を平面視した図である。図78は、図77に示したLXXVIII−LXXVIII線に沿った断面図である。図77,78に示した第2アンテナ70において、第3導体40は、基体20の中に位置する。第2給電層71は、基体20の上に位置する。第2給電層71は、単位構造体10Xとz方向に重なって位置する。第2給電線72は、基体20の上に位置する。第2給電線72は、xy平面において第2給電層71に電磁気的に接続される。
(無線通信モジュール)
本開示の無線通信モジュールは、複数の実施形態の一例として無線通信モジュール80を含む。図79は、無線通信モジュール80のブロック構造図である。図80は、無線通信モジュール80の概略構成図である。無線通信モジュール80は、第1アンテナ60、回路基板81、RFモジュール82を備える。無線通信モジュール80は、第1アンテナ60に代えて第2アンテナ70を備えうる。
第1アンテナ60は、回路基板81の上に位置する。第1アンテナ60の第1給電線61は、回路基板81を介してRFモジュール82に電磁気的に接続される。第1アンテナ60の第4導体50は、回路基板81のグラウンド導体811に電磁気的に接続される。
グラウンド導体811は、xy平面に広がりうる。グラウンド導体811は、xy平面において第4導体50より面積が広い。グラウンド導体811は、y方向において第4導体50より長い。グラウンド導体811は、x方向において第4導体50より長い。第1アンテナ60は、y方向において、グラウンド導体811の中心よりも端側に位置しうる。第1アンテナ60の中心は、xy平面においてグラウンド導体811の中心と異なりうる。第1アンテナ60の中心は、第1導体層41および第2導体層42の中心と異なりうる。第1給電線61が第3導体40に接続される点は、xy平面におけるグラウンド導体811の中心と異なりうる。
第1アンテナ60は、対導体30を介して第1電流および第2電流がループする。第1アンテナ60は、グラウンド導体811の中心よりy方向における端側に位置することで、グラウンド導体811を流れる第2電流が非対象になる。グラウンド導体811を流れる第2電流が非対象になると、第1アンテナ60およびグラウンド導体811を含むアンテナ構造体は、放射波のx方向の偏波成分が大きくなる。放射波のx方向の偏波成分が大きくすることで、放射波は、総合放射効率が向上しうる。
RFモジュール82は、第1アンテナ60に供給する電力を制御しうる。RFモジュール82は、ベースバンド信号を変調し、第1アンテナ60に供給する。RFモジュール82は、第1アンテナ60で受信された電気信号をベースバンド信号に変調しうる。
第1アンテナ60は、回路基板81側の導体によって共振周波数の変化が小さい。無線通信モジュール80は、第1アンテナ60を有することで、外部環境から受ける影響を低減しうる。
第1アンテナ60は、回路基板81と一体構成としうる。第1アンテナ60と回路基板81とが一体構成の場合、第4導体50とグラウンド導体811とが一体構成となる。
(無線通信機器)
本開示の無線通信機器は、複数の実施形態の一例として無線通信機器90を含む。図81は、無線通信機器90のブロック構造図である。図82は、無線通信機器90の平面視図である。図82に示した無線通信機器90は、構成の一部を省略している。図83は、無線通信機器90の断面図である。図83に示した無線通信機器90は、構成の一部を省略している。無線通信機器90は、無線通信モジュール80、電池91、センサ92、メモリ93、コントローラ94、第1筐体95、および第2筐体96を備える。無線通信機器90の無線通信モジュール80は、第1アンテナ60を有しているが、第2アンテナ70を有しうる。図84は、無線通信機器90の他の実施形態の1つである。無線通信機器90の有する第1アンテナ60は、基準電位層51を有しうる。
電池91は、無線通信モジュール80に電力を供給する。電池91は、センサ92、メモリ93、およびコントローラ94の少なくとも1つに電力を供給しうる。電池91は、1次電池および二次電池の少なくとも一方を含みうる。電池91のマイナス極は、回路基板81のグラウンド端子に電気的に接続される。電池91のマイナス極は、アンテナ60の第4導体50に電気的に接続される。
センサ92は、例えば、速度センサ、振動センサ、加速度センサ、ジャイロセンサ、回転角センサ、角速度センサ、地磁気センサ、マグネットセンサ、温度センサ、湿度センサ、気圧センサ、光センサ、照度センサ、UVセンサ、ガスセンサ、ガス濃度センサ、雰囲気センサ、レベルセンサ、匂いセンサ、圧力センサ、空気圧センサ、接点センサ、風力センサ、赤外線センサ、人感センサ、変位量センサ、画像センサ、重量センサ、煙センサ、漏液センサ、バイタルセンサ、バッテリ残量センサ、超音波センサまたはGPS(Global Positioning System)信号の受信装置等を含んでよい。センサ92は、9軸センサ、または6軸センサを含んでよい。9軸センサは、各々3軸方向に測定可能な、加速度センサ、角速度センサ、および地磁気センサを含む。6軸センサは、各々3軸方向に測定可能な、加速度センサ、および角速度センサを含む。
メモリ93は、例えば半導体メモリ等を含みうる。メモリ93は、コントローラ94のワークメモリとして機能しうる。メモリ93は、コントローラ94に含まれうる。メモリ93は、無線通信機器90の各機能を実現する処理内容を記述したプログラム、および無線通信機器90における処理に用いられる情報等を記憶する。
メモリ93に記憶される情報には、例えば、移動体等に設置された無線通信機器90が、他の無線通信機器と無線通信を行うために用いられる情報等が含まれてよい。無線通信を行うために用いられる情報として、メモリ93は、例えば、他の無線通信機器を一意に特定するための識別情報、または他の無線通信機器との通信を実現する通信プロトコル等の情報を記憶してよい。また、メモリ93は、センサ92によるデータの測定、または無線通信モジュール80によるデータの送信が実行される間隔または条件等を記憶してよい。
コントローラ94は、例えばプロセッサを含みうる。コントローラ94は、1以上のプロセッサを含んでよい。プロセッサは、特定のプログラムを読み込ませて特定の機能を実行する汎用のプロセッサ、および特定の処理に特化した専用のプロセッサを含んでよい。専用のプロセッサは、特定用途向けICを含んでよい。特定用途向けICは、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)ともいう。プロセッサは、プログラマブルロジックデバイスを含んでよい。プログラマブルロジックデバイスは、PLD(Programmable Logic Device)ともいう。PLDは、FPGA(Field-Programmable Gate Array)を含んでよい。コントローラ94は、1つまたは複数のプロセッサが協働するSoC(System-on-a-Chip)、およびSiP(System In a Package)のいずれかであってよい。コントローラ94は、メモリ93に、各種情報、または無線通信機器90の各構成部を動作させるためのプログラム等を格納してよい。
コントローラ94は、上述したセンサ92により測定した測定データをメモリに格納する。コントローラ94は、所定の間隔または条件により、センサ92により測定してよい。所定の間隔は、例えば、時間間隔であってよい。コントローラ94は、1秒ごと、1分ごと、または1時間ごとといった一定の時間間隔で、センサ92により測定を行い、測定した測定データをメモリ93に格納してよい。また、所定の条件は、例えば、無線通信機器90が設置された移動体の衝突事故が発生したことであってよい。コントローラ94は、例えば、移動体の衝突事故が発生したか否かを、センサ92が所定量以上の強度の振動を検知したこと等の予め定義された条件に基づき判定する。コントローラ94は、センサにより所定量以上の強度の振動が測定された場合に、センサ92により測定した測定データをメモリ93に格納してよい。これにより、移動体に設置された無線通信機器90の消費電力および消費メモリ量が抑えられる。
コントローラ94は、無線通信機器90から送信する送信信号を生成する。コントローラ94は、例えば、センサ92から測定データを取得してよい。コントローラ94は、測定データに応じた送信信号を生成してよい。コントローラ94は、無線通信モジュール80のRFモジュール82にベースバンド信号を送信しうる。
コントローラ94は、無線通信機器90から信号を送信する。コントローラ94は、所定の間隔または条件により、無線通信機器90から信号を送信してよい。所定の間隔は、時間間隔であってよい。コントローラ94は、例えば、無線通信機器90から送信される信号の時間間隔を短くすることで、リアルタイム性の高い情報の授受を実現してよい。また、所定の条件は、アンテナにより所定の電磁波を受信することであってよい。例えば、無線通信機器90が設置された移動体の移動中に一時的に無線通信が行えないような場合、コントローラ94は、無線通信機器90からの信号の送信を行わず、メモリ93に信号を記憶してよい。その後、アンテナにより所定の電磁波が受信された場合、コントローラ94は、メモリ93に記憶した未送信の信号を、送信してよい。これにより、移動体に設置される無線通信機器90から送信されるデータにおいて、データ欠損の発生が抑えられる。
第1筐体95および第2筐体96は、無線通信機器90の他のデバイスを保護する。第1筐体95は、xy平面に広がりうる。第1筐体95は、他のデバイスを支える。第1筐体95は、無線通信モジュール80を支持しうる。無線通信モジュール80は、第1筐体95の上面95Aの上に位置する。第1筐体95は、電池91を支持しうる。電池91は、第1筐体95の上面95Aの上に位置する。複数の実施形態の一例において、第1筐体95の上面95Aの上には、無線通信モジュール80と、電池91とがx方向に沿って並んでいる。電池91は、第3導体40との間に第1導体31が位置する。電池91は、第3導体40から観て対導体30の向こう側に位置する。
第2筐体96は、他のデバイスを覆いうる。第2筐体96は、第1アンテナ60のz方向側に位置する下面96Aを含む。下面96Aは、xy平面に沿って広がる。下面96Aは、平坦に限られず、凹凸を含みうる。第2筐体96は、第8導体961を有しうる。第8導体961は、第2筐体96の内部、外側および内側の少なくとも一方に位置する。第8導体961は、第2筐体96の上面および側面の少なくとも一方に位置する。
第8導体961は、第1アンテナ60と対向する。第8導体961の第1部位9611は、z方向において、第1アンテナ60と対向する。第8導体961は、第1部位9611の他に、x方向において第1アンテナ60と対向する第2部位、およびy方向において第1アンテナと対向する第3部位の少なくとも一方を含みうる。第8導体961は、一部が電池91と対向している。
第8導体961は、x方向において第1導体31より外側に延びる第1延部9612を含みうる。第8導体961は、x方向において第2導体32より外側に延びる第2延部9613を含みうる。第1延部9612は、第1部位9611と電気的に接続しうる。第2延部9613は、第1部位9611と電気的に接続しうる。第8導体961の第1延部9612は、z方向において、電池91と対向している。第8導体961は、電池91と容量的に結合しうる。第8導体961は、電池91との間がキャパシタンスとなりうる。
第8導体961は、第1アンテナ60の第3導体40と離隔する。第8導体961は、第1アンテナ60の各導体と電気的に接続されていない。第8導体961は、第1アンテナ60と離隔しうる。第8導体961は、第1アンテナ60のいずれかの導体と電磁気的に結合しうる。第8導体961の第1部位9611は、第1アンテナ60と電磁気的に結合しうる。第1部位9611は、z方向から平面視したときに、第3導体40と重なりうる。第1部位9611は、第3導体40と重なることで、電磁気的な結合による伝播が大きくなりうる。第8導体961は、第3導体40との電磁気的な結合が相互インダクタンスとなりうる。
第8導体961は、x方向に沿って広がっている。第8導体961は、xy平面に沿って広がっている。第8導体961の長さは、第1アンテナ60のx方向に沿った長さより長い。第8導体961のx方向に沿った長さは、第1アンテナ60のx方向に沿った長さより長い。第8導体961の長さは、無線通信機器90の動作波長λの1/2より長くしうる。第8導体961は、y方向に沿って延びる部位を含みうる。第8導体961は、xy平面内で曲がりうる。第8導体961は、z方向に沿って延びる部位を含みうる。第8導体961は、xy平面からyz平面またはzx平面に曲がりうる。
第8導体961を備える無線通信機器90は、第1アンテナ60および第8導体961が電磁的に結合して第3アンテナ97として機能しうる。第3アンテナ97の動作周波数fcは、第1アンテナ60単独の共振周波数と異なってよい。第3アンテナ97の動作周波数fcは、第8導体961単独の共振周波数より第1アンテナ60の共振周波数に近くてよい。第3アンテナ97の動作周波数fcは、第1アンテナ60の共振周波数帯内にありうる。第3アンテナ97の動作周波数fcは、第8導体961単独の共振周波数帯外にありうる。図85は、第3アンテナ97の他の実施形態である。第8導体961は、第1アンテナ60と一体的に構成されうる。図85は、無線通信機器90の一部の構成を省略している。図85の例において、第2筐体96は第8導体961を備えなくてよい。
無線通信機器90において、第8導体961は、第3導体40に対して容量的に結合する。第8導体961は、第4導体50に対して電磁気的に結合する。第3アンテナ97は、空中において、第8導体の第1延部9612および第2延部9613を含むことにより、第1アンテナ60に比べて利得が向上する。
無線通信機器90は、種々の物体の上に位置しうる。無線通信機器90は、電導体99の上に位置しうる。図86は、無線通信機器90の一実施形態を示す平面視図である。電導体99は、電気を伝える導体である。電導体99の材料は、金属、ハイドープの半導体、電導プラスチック、イオンを含む液体を含み。電導体99は、表面上に電気を伝えない不導体層を含みうる。電気を伝える部位と不導体層とは、共通の元素を含みうる。例えば、アルミニウムを含む電導体99は、表面にアルミ酸化物の不導体層を含みうる。電気を伝える部位と不導体層とは、異なる元素を含みうる。
電導体99の形状は、平板に限られず、箱形などの立体形状を含みうる。電導体99がなす立体形状は、直方体、円柱を含む。当該立体形状は、一部が窪んだ形状、一部が貫通した形状、一部が突出した形状を含みうる。例えば、電導体99は、円環(トーラス)型としうる。
電導体99は、無線通信機器90を載せうる上面99Aを含む。上面99Aは、電導体99の全面に亘って広がりうる。上面99Aは、電導体99の一部としうる。上面99Aは、無線通信機器90より面積を広くしうる。無線通信機器90は、電導体99の上面99A上に置かれうる。上面99Aは、無線通信機器90より面積を狭くしうる。無線通信機器90は、電導体99の上面99A上に一部が置かれうる。無線通信機器90は、電導体99の上面99A上に種々の向きで置かれうる。無線通信機器90の向きは、任意としうる。無線通信機器90は、電導体99の上面99A上に固定具によって適宜固定されうる。固定具は、両面テープおよび接着剤などのように面で固定するものを含む。固定具は、ネジおよび釘などのように点で固定するものを含む。
電導体99の上面99Aは、j方向に沿って延びる部位を含みうる。j方向に沿って延びる部位は、k方向に沿った長さに比べてj方向に沿った長さが長い。j方向とk方向とは、直交している。j方向は、電導体99が長く伸びる方向である。k方向は、電導体99がj方向に比べて長さが短い方向である。無線通信機器90は、x方向がj方向に沿うように、上面99A上に置かれうる。第1導体31および第2導体32が並ぶx方向と揃うように、無線通信機器90は、電導体99の上面99A上に置かれうる。無線通信機器90が電導体99の上に位置するときに、第1アンテナ60は、電導体99と電磁気的に結合しうる。第1アンテナ60の第4導体50は、x方向に沿って第2電流が流れる。第1アンテナ60と電磁気的に結合する電導体99は、第2電流によって電流が誘導される。第1アンテナ60のx方向と電導体99のj方向とが揃うと、電導体99は、j方向に沿って流れる電流が大きくなる。第1アンテナ60のx方向と電導体99のj方向とが揃うと、電導体99は、誘導電流による放射が大きくなる。j方向に対するx方向の角度は、45度以下としうる。
無線通信機器90のグラウンド導体811は、電導体99と離れている。グラウンド導体811は、電導体99と離れている。無線通信機器90は、上面99Aの長辺に沿った方向が、第1導体31および第2導体32が並ぶx方向と揃うように、上面99A上に置かれうる。上面99Aは、方形状の面の他に、菱形、円形を含みうる。電導体99は、菱形状の面を含みうる。この菱形状の面は、無線通信機器90を載せる上面99Aとしうる。無線通信機器90は、上面99Aの長対角線に沿った方向が、第1導体31および第2導体32が並ぶx方向と揃うように、上面99A上に置かれうる。上面99Aは、平坦に限られない。上面99Aは、凹凸を含みうる。上面99Aは、曲面を含みうる。曲面は、線織面(ruled surface)を含む。曲面は、柱面を含む。
電導体99は、xy平面に広がる。電導体99は、y方向に沿った長さに比べてx方向に沿った長さを長くしうる。電導体99は、y方向に沿った長さを第3アンテナ97の動作周波数fcにおける波長λcの2分の1より短くしうる。無線通信機器90は、電導体99の上に位置しうる。電導体99は、z方向において第4導体50と離れて位置する。電導体99は、x方向に沿った長さが第4導体50に比べて長い。電導体99は、xy平面における面積が第4導体50より広い。電導体99は、z方向においてグラウンド導体811と離れて位置する。電導体99は、x方向に沿った長さがグラウンド導体811に比べて長い。電導体99は、xy平面における面積がグラウンド導体811より広い。
無線通信機器90は、電導体99が長く延びる方向に、第1導体31および第2導体32が並ぶxが揃う向きで、電導体99の上に置かれうる。言い換えると、無線通信機器90は、xy平面において第1アンテナ60の電流が流れる方向と、電導体99が長く延びる方向とが揃う向きで、電導体99の上に置かれうる。
第1アンテナ60は、回路基板81側の導体によって共振周波数の変化が小さい。無線通信機器90は、第1アンテナ60を有することで、外部環境から受ける影響を低減しうる。
無線通信機器90において、グラウンド導体811は、電導体99と容量的に結合する。無線通信機器90は、電導体99のうち第3アンテナ97より外に拡がる部位を含むことにより、第1アンテナ60に比べて利得が向上する。
無線通信機器90は、空中での共振回路と、電導体99上での共振回路とが異なりうる。図87は、空中でなす共振構造の概略回路である。図88は、電導体99上でなす共振構造の概略回路である。L3は共振器10のインダクタンスであり、L8は第8導体961のインダクタンスであり、L9は電導体99のインダクタンスであり、MはL3とL8の相互インダクタンスである。C3は第3導体40のキャパシタンスであり、C4は第4導体50のキャパシタンスであり、C8は第8導体961のキャパシタンスであり、C8Bは第8導体961と電池91とのキャパシタンスであり、C9は電導体99とグラウンド導体811とキャパシタンスである。R3は共振器10の放射抵抗であり、R8は、第8導体961の放射抵抗である。共振器10の動作周波数は、第8導体の共振周波数より低い。無線通信機器90は、空中において、グラウンド導体811がシャーシグラウンドとして機能する。無線通信機器90は、第4導体50が電導体99と容量的に結合する。電導体99上において無線通信機器90は、電導体99が実質的なシャーシグラウンドとして機能する。
複数の実施形態において、無線通信機器90は、第8導体961を有する。この第8導体961は、第1アンテナ60と電磁気的に結合し、かつ第4導体50と容量的に結合している。無線通信機器90は、容量的な結合によるキャパシタンスC8Bを大きくすることで、空中から電導体99上へ置かれたときに動作周波数を高くすることができる。無線通信機器90は、電磁気的な結合による相互インダクタンスMを大きくすることで、空中から電導体99上へ置かれたときに動作周波数を低くすることができる。無線通信機器90は、キャパシタンスC8Bと相互インダクタンスMのバランスを変えることで、空中から電導体99上へ置かれたときの動作周波数の変化を調整できる。無線通信機器90は、キャパシタンスC8Bと相互インダクタンスMのバランスを変えることで、空中から電導体99上へ置かれたときの動作周波数の変化を小さくできる。
無線通信機器90は、第3導体40と電磁気的に結合し、第4導体50と容量的に結合する第8導体961を有する。かかる第8導体961を有することで、無線通信機器90は、空中から電導体99上へ置かれたときの動作周波数の変化を調整できる。かかる第8導体961を有することで、無線通信機器90は、空中から電導体99上へ置かれたときの動作周波数の変化を小さくできる。
第8導体961を含まない無線通信機器90も同様に、空中においては、グラウンド導体811がシャーシグラウンドとして機能する。第8導体961を含まない無線通信機器90も同様に、電導体99上においては、電導体99が実質的なシャーシグラウンドとして機能する。共振器10を含む共振構造は、シャーシグランドが変わっても発振可能である。基準電位層51を備える共振器10および基準電位層51を備えない共振器10が発振可能であることと対応する。
(無線通信システム)
以下において、本開示の一実施形態に係る無線通信システム300の詳細を説明する。図89は、本開示の一実施形態に係る無線通信システム300の概略構成を示す図である。無線通信システム300には、複数の無線通信機器が含まれる。無線通信システム300には、例えば、車両100に設置され、アンテナと、センサとを備える無線通信機器90が含まれてよい。また、無線通信システム300には、無線通信機器90と同一の車両100に設置された、他の無線通信機器200が含まれてよい。無線通信機器90は、センサにより検出された情報に基づき、信号をアンテナから他の無線通信機器200に送信する。無線通信システム300に含まれる無線通信機器のうち、一部の無線通信機器が車両100に設置されていなくてよい。例えば、他の無線通信機器200は、車両100の外部に設置された携帯端末、他の車両、サーバ、衛星、および信号機等であってよい。
本開示の一実施形態に係るアンテナは、上述した構成を有することによって、人工磁気壁、および電気壁を形成する。これにより、アンテナは、金属等の導電体に設置されても、電磁波を放射する際に、導電体による影響を受けにくい。このため、アンテナを備える無線通信機器90は、車両100を構成する金属等の導電体の部材に設置され、後述する様々な用途に用いられうる。
車両100は、自動車、鉄道車両、産業車両、および生活車両を含むが、これらに限られない。例えば車両には、滑走路を走行する飛行機を含めてよい。自動車は、乗用車、トラック、バス、二輪車、およびトロリーバス等を含むがこれらに限られず、道路上を走行する他の車両を含んでよい。軌道車両は、機関車、貨車、客車、路面電車、案内軌道鉄道、ロープウエー、ケーブルカー、リニアモーターカー、およびモノレールを含むがこれらに限られず、軌道に沿って進む他の車両を含んでよい。産業車両は、農業および建設向けの産業車両を含む。産業車両には、フォークリフト、およびゴルフカートを含むがこれらに限られない。農業向けの産業車両には、トラクター、耕耘機、移植機、バインダー、コンバイン、および芝刈り機を含むが、これらに限られない。建設向けの産業車両には、ブルドーザー、スクレーバー、ショベルカー、クレーン車、ダンプカー、およびロードローラを含むが、これらに限られない。生活車両には、自転車、車いす、乳母車、手押し車、および電動立ち乗り二輪車を含むが、これらに限られない。車両の動力機関は、ディーゼル機関、ガソリン機関、および水素機関を含む内燃機関、ならびにモーターを含む電気機関を含むが、これらに限られない。車両は、人力で走行するものを含む。なお、車両の分類は、上述に限られない。例えば、自動車には、道路を走行可能な産業車両を含んでよく、複数の分類に同じ車両が含まれてよい。
以下に、本開示の一実施形態に係る無線通信システム300の具体例を示す。図89に示すように、無線通信システム300は、上述した車両100に設置される無線通信機器90である第1無線通信機器90を備える。また、無線通信システム300は、第2無線通信機器200を備える。第2無線通信機器200は、第1無線通信機器90と同一の車両100に設置されてよい。第1無線通信機器90は、アンテナと、センサとを備える。第1無線通信機器90は、第1無線通信機器90が備えるセンサにより検出された情報に基づき、信号をアンテナから第2無線通信機器200に送信する。第2無線通信機器200は、第1無線通信機器90から受信した信号に基づき、車両100を制御する。
第1無線通信機器90は、車両100の任意の部材に設置されてよい。例えば、第1無線通信機器90は、第1無線通信機器90が備えるセンサによる情報取得の対象となる車両100の部材に設置されてよい。図90に、車両100のエンジンルームに設置された車両100の部材の例を示す。車両100の部材には、例えば、エンジン101、ウォッシャータンク102、スロットルボディ103、ステアリングシャフト104、エアクリーナー105、エアフローセンサ106、バッテリ107、ファンベルト108、ラジエーター109(ラジエーターキャップ109A、ラジエーターコア109B)、リザーバータンク110、エアコン用コンプレッサー111、ライト112、トランスミッション113、ブレーキフルードリザーバータンク114、オイルフィラーキャップ115、およびヒューズボックス116等が含まれてよい。車両100の部材は、これらに限られない。車両100の部材には、前述の部材を固定する固定具、および前述の部材を保護するカバーが含まれる。固定具には、バッテリステーが含まれる。カバーには、エンジンヘッドカバーが含まれる。
また、第1無線通信機器90は、そのセンサによる情報取得の対象となる車両100の部材の近傍にある金属フレーム等の部材に設置されてよい。図91に、車両100のエンジンルームを囲む金属フレームの例を示す。例えば、第1無線通信機器90は、ボンネット120、サイドメンバー121、インサイドパネル122、ラジエーターコアサポート123、ラジエーターアッパーサポート124、クロスメンバー125、ストラットタワーバー126、ダッシュパネル127等に設置されてよい。
図92に、車両100の部材に設置された第1無線通信機器90を示す。図81を参照して上述した、第1無線通信機器90は、第1アンテナ60と、センサ92と、を備える。具体的には、第1アンテナ60は、第1導体31、第2導体32、1または複数の第3導体40、第4導体50、および給電線を備える。第1導体31および第2導体32は、第1方向(図92のx方向)において対向する。1または複数の第3導体40は、第1導体31および第2導体32の間に位置し、第1方向に延びる。第4導体50は、第1導体31および第2導体32に接続され、第1方向に延びる。給電線は、第3導体に電磁気的に接続される。第1導体31および第2導体32は、第3導体を介して容量的に接続される。第4導体の面は、第1方向と垂直な第2方向(図92のz方向)において設置面となる部材の表面と対向するように設置される。
第1無線通信機器90は、第1無線通信機器90が設置される車両100の部材の形状に応じて、所定の位置に設置されてよい。図92に示すように、車両の細長い部材に設置される場合には、第1無線通信機器90は、その部材の中央部付近、或いは長手方向の端部から(2n−1)λ/4(n=1、2、3、 …)の位置に設置されてよい。細長い部材には、例えば、ステアリングシャフト104、ラジエーター109、ラジエーターアッパーサポート124、およびストラットタワーバー126等が含まれる。第1無線通信機器90は、その第1導体31および第2導体32が対向する第1方向(図92のx方向)が、部材の長手方向と略並行になるように設置される。これにより、第1無線通信機器90の上述した構成を有するアンテナによる電磁波の送受信の強度が向上し、通信の品質が向上する。
また、図93に示すように、車両の広い部材に設置される場合には、第1無線通信機器90は、その部材の端部に設置されてよい。広い部材には、例えば、エンジン101、バッテリ107、ボンネット120、およびダッシュパネル127等が含まれる。第1無線通信機器90は、その第1導体31および第2導体32が対向する第1方向(図93のx方向)が、部材の外周線に略並行になるように設置される。これにより、第1無線通信機器90の上述した構成を有するアンテナによる電磁波の送受信の強度が向上し、通信の品質が向上する。
再び図81および図89を参照して、第1無線通信機器90は、センサ92により検出された情報に基づき、信号をアンテナから第2無線通信機器200に送信する。第1無線通信機器90のコントローラ94は、センサ92により検出された情報を取得する。コントローラ94は、センサ92により検出された情報に基づき、送信信号を生成する。その後、コントローラ94は、当該送信信号をアンテナから第2無線通信機器200に送信する。送信信号の生成において、コントローラ94は、センサ92により検出された情報の全てまたは一部を送信信号に変換してよい。また、コントローラ94は、センサ92により検出された情報に所定の演算処理を行い、その結果を送信信号に変換してよい。コントローラ94は、例えば、バッテリ107に設置された電圧センサにより測定されたデータをもとに、バッテリの充電率を算出し、送信信号に変換してよい。
第1無線通信機器90のコントローラ94は、センサ92により検出された情報が所定条件を満たす場合に、当該情報に基づく信号をアンテナから第2無線通信機器200に送信してよい。例えば、コントローラ94は、センサ92により検出される情報に関する所定の閾値を予めメモリ93に記憶してよい。コントローラ94は、所定の閾値を超える情報がセンサ92により検出された場合、その情報に基づく信号をアンテナから第2無線通信機器200に送信してよい。
コントローラ94は、アンテナから信号を送信する場合に、第1無線通信機器90の無線通信に関する機能を起動してよい。第1無線通信機器90の無線通信に関する機能には、アンテナおよび無線通信モジュール80等が含まれてよい。例えば、コントローラ94は、第1無線通信機器90の無線通信に関する機能を停止する。コントローラ94は、センサ92により検出された情報が所定条件を満たす場合に、無線通信に関する機能を起動してよい。これにより、車両100に設置された第1無線通信機器90の消費電力が抑えられる。
アンテナおよびセンサ92は、上述した第1無線通信機器90と一体とされてもよく、或いは別体とされてよい。別体とされた場合、第1無線通信機器90とアンテナおよびセンサ92は、互いに有線で通信可能に接続されてよい。アンテナおよびセンサ92は、第1無線通信機器90と同一または近傍の部材に直接設置されてよい。
第2無線通信機器200は、任意の場所に設置されてよい。第2無線通信機器200は、第2無線通信機器200のアンテナを第1無線通信機器90のアンテナと対向させるような車両100の部材に設置されてよい。例えば、第1無線通信機器90はエンジンに設置され、第2無線通信機器200はボンネット120またはダッシュパネル127のエンジンと対向する面に設置されてよい。また、第2無線通信機器200は、後述するように、その制御対象となる車両100の部材の近傍に設置され、制御対象の部材と有線で通信可能に接続されてよい。更に、第2無線通信機器200は、車両100の外部に設置された携帯端末、他の車両、サーバ、衛星、および信号機等であってよい。第2無線通信機器200は、第1無線通信機器90により送信された信号を受信する。
第2無線通信機器200は、第1無線通信機器90から受信した信号に基づき、車両100を制御してよい。例えば、車両100の制御には、車両100の加速、減速、停止、および操舵等、車両100の走行に関する制御が含まれてよい。また、車両100の制御には、ライトの点灯および消灯、ワイパーおよびデフロスターの起動および停止、エアコンの温度調整、ドアロックの施錠および解錠、室内灯の点灯および消灯等、ならびに車両100が提供する機能の制御が含まれてよい。
第2無線通信機器200は、車両100の始動時に、第1無線通信機器90に対して、動作チェックをするための信号を送信してよい。例えば、ユーザ操作等に基づき、車両100を始動させる指示を受け付けると、第2無線通信機器200は、第1無線通信機器90に対して、動作チェックをするための信号を送信する。第2無線通信機器200は、第1無線通信機器90から動作チェックに対する応答に基づき、第1無線通信機器90の動作状態が正常であるか否かを判定してよい。第1無線通信機器90の動作状態が正常であると判定された場合、第2無線通信機器200は、車両100を始動させてよい。これにより、無線通信機器90の異常を車両100の始動前に検知することができ、車両100の動作時における安全性が向上する。
第2無線通信機器200は、任意のアンテナを備えてよい。例えば、車両100の金属等の導電体の部材に設置される場合には、第2無線通信機器200も、第1無線通信機器90と同様の構成を有するアンテナを備えてよい。その場合、図92を参照して、アンテナは、第1導体31、第2導体32、1または複数の第3導体40、第4導体50、および給電線を備えてよい。第1導体31および第2導体32は、第1方向(図92のx方向)において対向する。1または複数の第3導体40は、第1導体31および第2導体32の間に位置し、第1方向に延びる。第4導体50は、第1導体31および第2導体32に接続され、第1方向に延びる。給電線は、第3導体に電磁気的に接続される。第1導体31および第2導体32は、第3導体を介して容量的に接続される。第4導体の面は、第1方向と垂直な第2方向(図92のz方向)において設置面となる部材の表面と対向するように設置される。
図81および図89を参照して、本開示の一実施形態に係る無線通信システム300により、車両100の状態把握が行われる一例を説明する。無線通信システム300は、車両100のエンジンオイルの残量の把握に用いられてよい。無線通信システム300は、第1無線通信機器90と第2無線通信機器200を備える。第1無線通信機器90は、エンジンオイルの残量を計測するために、液面レベルセンサ92を備えてよい。この場合、第1無線通信機器90は、図90に示される、車両100のエンジン101のエンジンオイルゲージに設置される。第1無線通信機器90は、液面レベルセンサ92により取得した値が予め設定された液面レベルの閾値以上か否かを判定する。取得した値が液面レベルの閾値に満たないと判定された場合、無線通信機器90は、液面レベルセンサ92により取得された液面レベル等の情報を、第2無線通信機器200に送信する。第2無線通信機器200は、当該信号を受信した場合、運転席正面のフロントパネルにエンジンオイルの残量が不足していることを示すサインを点灯させてよい。このため、第2無線通信機器200は、図91に示される、フロントパネルの近傍に位置するダッシュパネル127に設置されてよい。フロントパネルに当該サインが表示されると、ユーザは、エンジンオイルを追加する。液面レベルセンサ92により取得した値が液面レベルの閾値以上であると判定されると、第1無線通信機器90は、現在の液面レベル等の情報を、第2無線通信機器200に送信しない。これにより、第2無線通信機器200は、フロントパネルに点灯されたサインを消灯する。
図81および図89を参照して、本開示の一実施形態に係る無線通信システム300により、車両100の車体制御が行われる一例を説明する。無線通信システム300は、車両100のラジエーターの流量の制御に用いられてよい。無線通信システム300は、第1無線通信機器90と第2無線通信機器200を備える。第1無線通信機器90は、図90に示される、ラジエーター109内を流れる冷却水の水温の情報を取得するための水温センサ92を備える。第1無線通信機器90は、図90または図91に示される、車両100のラジエーター109、またはラジエーターコアサポート123に設置されてよい。第1無線通信機器90は、水温センサ92により取得したラジエーター109内の冷却水の水温の情報を、所定の間隔で、第2無線通信機器200に送信する。第2無線通信機器200は、ラジエーター109内を流れる冷却水を一時貯蔵するリザーバータンク110に設置されてよい。第2無線通信機器200は、受信した水温の情報に基づき、ラジエーター109内を流れる冷却水の流量を調節する。
以上述べたように、本開示の一実施形態に係る無線通信システム300は、第1無線通信機器90と、第2無線通信機器200と、を備える。第1無線通信機器90は、車両100の設置面に設置される。第1無線通信機器90は、アンテナと、センサ92と、を備える。アンテナは、第1導体31、第2導体32、1または複数の第3導体40、第4導体50、および給電線を備える。第1導体31および第2導体32は、第1方向において対向する。1または複数の第3導体40は、第1導体31および第2導体32の間に位置し、第1方向に延びる。第4導体50は、第1導体31および第2導体32に接続され、第1方向に延びる。給電線は、第3導体に電磁気的に接続される。第1導体31および第2導体32は、第3導体を介して容量的に接続される。第4導体の面は、第1方向と垂直な第2方向において車両100の設置面と対向する。第1無線通信機器90は、センサ92により検出された情報に基づき、信号をアンテナから第2無線通信機器200に送信する。これにより、第1無線通信機器90は、金属等の導電体に設置されても、電磁波を放射する際に、導電体による影響を受けにくい。そのため、無線通信システム300を用いることにより、金属等の導電体でできた車両の部材の情報が無線により送信される。ひいては、通信ケーブル等の配線による制約が減ることにより、車両100における部材の配置等の車両設計の自由度が向上する。
本開示の一実施形態に係る無線通信システム300の第1無線通信機器90は、センサ92により検出された情報が所定条件を満たす場合に、信号をアンテナから第2無線通信機器200に送信する。これにより、無線通信を行う回数を減らすことができ、第1無線通信機器90および第2無線通信機器200の消費電力が抑えられる。このため、車両の金属等の導電体の部材に設置されたアンテナを用いた無線通信技術の有用性が向上する。
本開示の一実施形態に係る無線通信システム300の第2無線通信機器200は、第1無線通信機器90から受信した信号に基づき、車両100を制御する。これにより、車両100の制御の自動化が行われ、車両のメンテナンス性および利便性が向上する。
本開示の一実施形態に係る無線通信システム300の第2無線通信機器200は、車両100の設置面に設置される。第2無線通信機器200は、アンテナを備える。アンテナは、第1導体31、第2導体32、1または複数の第3導体40、第4導体50、および給電線を備える。第1導体31および第2導体32は、第1方向において対向する。1または複数の第3導体40は、第1導体31および第2導体32の間に位置し、第1方向に延びる。第4導体50は、第1導体31および第2導体32に接続され、第1方向に延びる。給電線は、第3導体に電磁気的に接続される。第1導体31および第2導体32は、第3導体を介して容量的に接続される。第4導体の面は、第1方向と垂直な第2方向において車両100の設置面と対向する。これにより、互いに車両100の金属等の導電体の部材に設置された第1無線通信機器90および第2無線通信機器200の無線通信が可能となる。これにより、車両の金属等の導電体の部材に設置されたアンテナを用いた無線通信技術の有用性が向上する。
(無線通信機器が設置された車両)
以下において、本開示の一実施形態に係る無線通信機器1090が設置された車両1100の詳細を説明する。図94は、本開示の一実施形態に係る車両1100の概略構成を示す図である。車両1100には、アンテナを備える無線通信機器1090が設置されている。無線通信機器1090は、アンテナを介して、他の無線通信機器1200と無線通信を実施する。他の無線通信機器1200は、例えば、車両1100の外部に設置された車両、サーバ、衛星、信号機、および携帯端末等の外部機器1200Aであってよい。また、他の無線通信機器1200は、例えば、無線通信機器1090と同一の車両1100に設置された車載機器1200Bであってよい。
本開示の一実施形態に係るアンテナは、上述した構成を有することによって、グラウンド導体を有する人工磁気壁となる。これにより、アンテナは、金属等の導電体に設置されても、電磁波を放射する際に、導電体による影響を受けにくい。このため、アンテナを備える無線通信機器1090は、車両1100を構成する金属等の導電体の部材に設置され、後述する様々な用途に用いられうる。
車両1100は、自動車、鉄道車両、産業車両、および生活車両を含むが、これらに限られない。例えば車両には、滑走路を走行する飛行機を含めてよい。自動車は、乗用車、トラック、バス、二輪車、およびトロリーバス等を含むがこれらに限られず、道路上を走行する他の車両を含んでよい。軌道車両は、機関車、貨車、客車、路面電車、案内軌道鉄道、ロープウエー、ケーブルカー、リニアモーターカー、およびモノレールを含むがこれらに限られず、軌道に沿って進む他の車両を含んでよい。産業車両は、農業および建設向けの産業車両を含む。産業車両には、フォークリフト、およびゴルフカートを含むがこれらに限られない。農業向けの産業車両には、トラクター、耕耘機、移植機、バインダー、コンバイン、および芝刈り機を含むが、これらに限られない。建設向けの産業車両には、ブルドーザー、スクレーバー、ショベルカー、クレーン車、ダンプカー、およびロードローラを含むが、これらに限られない。生活車両には、自転車、車いす、乳母車、手押し車、および電動立ち乗り二輪車を含むが、これらに限られない。車両の動力機関は、ディーゼル機関、ガソリン機関、および水素機関を含む内燃機関、ならびにモーターを含む電気機関を含むが、これらに限られない。車両は、人力で走行するものを含む。なお、車両の分類は、上述に限られない。例えば、自動車には、道路を走行可能な産業車両を含んでよく、複数の分類に同じ車両が含まれてよい。
以下に、本開示の一実施形態に係る無線通信機器1090が設置された車両1100の具体例を示す。
図95、図96、図97、および図98に、本開示に係る無線通信機器1090が設置されうる車両1100の部材を示す。車両の部材には、例えば、ピラー1101(フロントピラー1101A、センターピラー1101B、リヤピラー1101C)、ルーフ1102、ワイパー1103、ボンネット1104、ランプ1105(クリアランスランプ1105A、テールランプ1105B、フォグランプ1105C、サイドターニングランプ1105D)、エンブレム1106、グリル1107、スポイラー1108(フロントスポイラー1108A、リヤスポイラー1108B)、バンパー1109(フロントバンパー1109A、リヤバンパー1109B)、ヘッドライト1110、タイヤ1111、ホイール1112、マッドガード1113、フェンダー1114(フロントフェンダー1114A、リヤフェンダー1114B)、ドア1115(フロントドア1115A、リヤドア1115B)、ドアハンドル1116(フロントハンドル116A、リヤハンドル116B)、トランクフード1117、マフラー1118、クロスメンバー1119(フロントクロスメンバー1119A、リヤクロスメンバー1119B)、サイドメンバー1120(フロントサイドメンバー1120A、フロアサイドメンバー1120B、リヤサイドメンバー1120C)、インサイドパネル1121(フロントインサイドパネル1121A、リヤインサイドパネル1121B)、ダッシュパネル1122、ロッカーパネル1123、フロアパネル1124、ラジエーターコアサポート1125、ラジエーターアッパーサポート1126、トランクフロア1127、およびサイドポケット1128等が含まれる。
無線通信機器1090は、その用途に応じて、車両1100の任意の部材に設置されてよい。また、1つの車両に設置する無線通信機器1090の数は複数あってよい。例えば、図95および図96に示される、両側のフロントドア1115A、またはボンネット1104とトランクフード1117など、対向する位置に複数のアンテナを取り付けることで、MIMO、アンテナダイバーシティによる通信品質の向上、またはビームフォーミングによる電磁波の制御等を行うことができる。
図99に、車両1100の部材に設置された無線通信機器1090を示す。無線通信機器1090は、図81を参照して上述した、無線通信機器90であってよい。無線通信機器1090は、アンテナを備える。具体的には、アンテナは、第1導体31、第2導体32、1または複数の第3導体40、第4導体50、および給電線を備える。第1導体31および第2導体32は、第1方向(図99のx方向)において対向する。1または複数の第3導体40は、第1導体31および第2導体32の間に位置し、第1方向に延びる。第4導体50は、第1導体31および第2導体32に接続され、第1方向に延びる。給電線は、第3導体に接続される。第1導体31および第2導体32は、第3導体を介して容量的に接続される。第4導体の面は、第1方向と垂直な第2方向(図99のz方向)において設置面となる部材の表面と対向するように設置される。
無線通信機器1090は、無線通信機器1090が設置される車両1100の部材の形状に応じて、所定の位置に設置されてよい。図99に示すように、車両の細長い電導部材に設置される場合には、無線通信機器1090は、その部材の中央部付近、或いは長手方向の端部から(2n−1)λ/4(n=1、2、3、 …)の位置に設置されてよい。このように設置することによって、電導部材には、電流の定在波が誘起される。電導部材は、誘起された定在波によって電磁波の放射源となる。無線通信機器1090は、かかる設置によって、通信性能が向上する。細長い電導部材には、例えば、図95〜図98に示される、ピラー1101、スポイラー1108、マフラー1118、クロスメンバー1119、およびサイドメンバー1120等が含まれる。無線通信機器1090は、その第1導体31および第2導体32が対向する第1方向(図99のx方向)が、部材の長手方向と略並行になるように設置される。これにより、無線通信機器1090の上述した構成を有するアンテナによる電磁波の送受信の強度が向上し、通信の品質が向上する。
また、図100に示すように、車両の広い部材に設置される場合には、無線通信機器1090は、その部材の端部に設置されてよい。広い部材には、例えば、図95〜図98に示される、ルーフ1102、ボンネット1104、フェンダー1114、ドア1115、トランクフード1117、フロアパネル1124、およびトランクフロア1127等が含まれる。無線通信機器1090は、その第1導体31および第2導体32が対向する第1方向(図100のx方向)が、部材の外周線に略並行になるように設置される。これにより、無線通信機器1090の上述した構成を有するアンテナによる電磁波の送受信の強度が向上し、通信の品質が向上する。
無線通信機器1090は、図81に示されるように、アンテナに電力を供給する電池91を更に備えてよい。電池91の極端子は、第4導体と電気的に接続される。これにより、無線通信機器1090は、外部から電力の供給を受けることなく動作できる。
無線通信機器1090は、図81に示されるように、センサ92と、コントローラ94と、を更に備えてよい。コントローラ94は、センサ92により検出された情報に基づき、アンテナから信号を送信する。無線通信機器1090のコントローラ94は、センサ92により検出された情報を取得する。コントローラ94は、センサ92により検出された情報に基づき、送信信号を生成する。その後、コントローラ94は、当該送信信号をアンテナから他の無線通信機器に送信する。送信信号の生成において、コントローラ94は、センサ92により検出された情報の全てまたは一部を送信信号に変換してよい。また、コントローラ94は、センサ92により検出された情報に所定の演算処理を行い、その結果を送信信号に変換してよい。コントローラ94は、例えば、センサ92により所定時間の間に測定されたデータの平均または総和を算出し、送信信号に変換してよい。
図81に示されるように、無線通信モジュール80はセンサ92と通信可能に接続される。コントローラ94は、センサ92により検出された情報を、無線通信モジュール80が含む第1アンテナ60から送信可能であってよい。また、無線通信モジュール80は、無線通信機器1090の他の構成と別体とされてよい。この場合、アンテナは車両の部材に直接設置され、無線通信機器1090の他の構成と無線通信モジュール80とが信号線で接続されてよい。
本開示の一実施形態に係る車両1100に設置された無線通信機器1090の動作について、以下に実施例を用いて説明する。
[実施例1:状態把握]
本開示の一実施形態に係る車両1100に設置された無線通信機器1090は、車両1100の状態把握に用いられうる。車両1100の状態把握のための情報には、速度、加速度、角速度、地磁気、温度、湿度、気圧、照度、および音等の情報が含まれる。無線通信機器1090は、これらの情報を取得するためのセンサ92を備えてよい。無線通信機器1090は、センサ92の用途に応じて、車両1100の任意の位置に設置されてよい。例えば、エンジンルーム内の温度の情報を取得するために、温度センサを備えた無線通信機器1090が車両1100のフロントサイドメンバー1120Aに設置されてよい。または、車両1100の加速度、角速度、方位の情報を取得するために、9軸センサを備えた無線通信機器1090が車両1100のフロントピラー1101Aに設置されてよい。ヘッドライト1110の照度の情報を取得するために、照度センサを備えた無線通信機器1090が車両1100のヘッドライト1110の近傍に設置されてよい。無線通信機器1090は、これらの取得した車両1100の情報を、外部機器1200Aまたは車載機器1200Bに送信してよい。このように、無線通信機器1090により、車両1100の状態把握に用いられる情報が取得され、無線により提供されうる。
[実施例2:情報提供]
本開示の一実施形態に係る車両1100に設置された無線通信機器1090は、車両1100の情報提供に用いられうる。車両1100の情報には、走行距離、速度、エンジン回転数、水温、油圧、バッテリ電圧、平均燃費、瞬間燃費、シフトポジション、変速モード、サスペンションモード、車高、灯火類の点灯有無、シートベルトの装着有無、および電池残量等の情報が含まれる。これらの情報は、車両1100に既存のセンサ等、無線通信機器1090の外部のセンサにより取得されたものであってよい。そのため、無線通信機器1090は、既存のセンサ、またはセンサにより取得された情報を提示するための車載機器1200Bの近傍に設置され、それらの車載機器1200Bと接続されてよい。車載機器1200Bは、例えば、ラジエーターであってよい。ラジエーターに表示されるラジエーターの水温センサの情報を取得するために、無線通信機器1090がラジエーターの近傍にあるラジエーターコアサポート1125に設置されてよい。また、例えば、車載機器1200Bは、運転席正面のフロントパネルであってよい。フロントパネルに表示されるスピードメーター、タコメーター、燃料計、および距離計等の情報を取得するために、無線通信機器1090がフロントパネルの近傍に位置するようにダッシュパネルに設置されてよい。無線通信機器1090は、これらの取得した車両1100の情報を、外部機器1200Aまたは車載機器1200Bに送信してよい。このように、無線通信機器1090により、無線機能を有さない既存のセンサにより取得された車両1100の情報が無線により提供されうる。
[実施例3:車体制御]
本開示の一実施形態に係る車両1100に設置された無線通信機器1090は、車両1100の車体制御に用いられうる。無線通信機器1090は、車両1100に設置されたカメラ、またはレーダー等の情報を取得する。無線通信機器1090は、これらの情報に基づき、アクセル、ハンドル、ブレーキ、またはライト等の車載機器1200Bへ制御信号を送信してよい。例えば、自動運転制御を行うために、フロントクロスメンバー1119Aに赤外線レーダーを備えた無線通信機器1090が設置されてよい。無線通信機器1090は、赤外線レーダーにより前方の車両1100との距離情報を取得し、その情報をもとに、アクセルへ制御信号を送信してよい。また、車両1100後方における衝突被害を回避するために、リヤクロスメンバー1119Bにカメラと共に無線通信機器1090が設置されてよい。無線通信機器1090は、カメラから車両後方の画像情報を取得し、その情報をもとに、人または壁等を検知した場合に、アクセルへ制御信号を送信してよい。このように、無線通信機器1090により、車両1100に設置されたセンサの情報に基づき車載機器1200Bが無線により制御されうる。
[実施例4:GPS通信]
本開示の一実施形態に係る車両1100に設置された無線通信機器1090は、衛星測位システム(GPS)との通信に用いられうる。無線通信機器1090は、無線通信モジュールを用いて、GPS衛星からの電波信号の取得を行ってよい。無線通信機器1090は、GPS衛星からの信号を受信するため、例えば、ルーフ1102、ボンネット1104、フェンダー1114、およびトランクフード1117等の車両1100の上方に開かれた部材に設置されてよい。このように、無線通信機器1090により、GPS衛星から受信した電波信号をもとに、車両1100の位置情報が算出されうる。また、金属板上に設置されたアンテナの指向性は、金属板に垂直な方向であってアンテナ側の向きに最大値を持つ。GPS衛星からの電波信号を受信する無線通信機器1090は、金属板のうち、地面に対して水平な部位の上に設置されうる。
[実施例5:盗難対策]
本開示の一実施形態に係る車両1100に設置された無線通信機器1090は、盗難対策の用途に用いられうる。無線通信機器1090は、盗難対策として、ユーザの認証を行ってよい。無線通信機器1090は、ユーザの認証を行うために、指紋認証、および静脈認証を行うセンサを備えてよい。無線通信機器1090は、センサにより取得された情報が、事前に登録されたユーザ情報と一致する場合のみ、ドア1115を開錠し、或いは、エンジンの起動する指示を他の車載機器に送信してよい。そのために、無線通信機器1090は、ドアハンドル1116、およびドア1115等の乗車時にユーザが触れる部材に設置されてよい。このように、無線通信機器1090により、登録されたユーザ以外による車両1100の不正操作を予防することができる。無線通信機器1090は、更に、その車両1100のオーナーのスマートフォン等の外部機器1200Aに、車両1100の位置情報の送信を行ってよい。例えば、無線通信機器1090は、登録されたユーザ以外による車両1100の不正操作を検知した場合に、車両1100の位置情報をオーナーのスマートフォンに送信してよい。また、無線通信機器1090は、インターネット回線等を介して、オーナーのスマートフォンから位置情報の送信指示を受信した場合に、車両1100の位置情報を送信してよい。無線通信機器1090は、受信した位置情報の送信指示に基づき、上述したGPSを用いた車両1100の位置情報の特定し、特定した位置情報をオーナーのスマートフォンに送信してよい。また、無線通信機器1090は、車両1100の位置情報に加えて、車両1100の速度、および直近の走行経路等の情報も併せて送信してよい。このように、無線通信機器1090により、車両1100のオーナーに盗難車両の早期発見のための情報を通知することができる。
[実施例6:V2X]
本開示の一実施形態に係る車両1100に設置された無線通信機器1090は、周囲の外部機器1200Aと情報を送受信する、V2X(Vehicle to Everything)と呼ばれる用途に用いられうる。外部機器1200Aには、例えば、他の車両1100、電子機器、信号機、道路標識、および路側機等が含まれる。本用途のために、例えば、前後の車両1100、道路脇に設置された道路標識、または歩道を歩く歩行者の使用する電子機器等の外部機器1200Aとの水平方向の無線通信が主に行われてよい。そのため、無線通信機器1090は、水平方向の電磁波の放射を大きくするために、ピラー1101のように地面に垂直に伸びている車両1100の部材に設置されてよい。このように、無線通信機器1090により、車両1100と周囲の外部機器1200Aとの無線による情報の授受が可能となる。
[実施例7:キーレスエントリー]
本開示の一実施形態に係る車両1100に設置された無線通信機器1090は、キーレスエントリーの用途に用いられうる。無線通信機器1090は、スマートキーからのドア1115の開錠、または施錠のための信号を受信する。無線通信機器1090は、受信したスマートキーからの信号に基づき、ドア1115の開錠または施錠を行う指示を、開錠および施錠を制御する車載機器1200Bに送信してよい。このように、無線通信機器1090により、ドア1115の開錠および施錠が行われる。車載機器1200Bがダッシュパネル1122の近傍に設置されていた場合、無線通信機器1090をダッシュパネル1122に設置することにより、無線通信機器1090と車載機器1200Bとの配線を短くすることができる。金属板上に設置されたアンテナの指向性は、金属板に垂直な方向であってアンテナ側の向きに最大値を持つ。無線通信機器1090は、水平方向の電磁波の放射を大きくするために、地面に垂直に延びている部位に設置されてよい。地面に垂直に延びている部位としては、例えばピラー1101が挙げられる。無線通信機器1090は、地面に垂直に延びている部位に設置することで、水平方向の位置にあるスマートキーからの信号を効果的に受信できる。
[実施例8:放送信号受信]
本開示の一実施形態に係る車両1100に設置された無線通信機器1090は、ラジオ、テレビ等の放送信号の受信の用途に用いられうる。無線通信機器1090は、無線通信モジュール80を用いて、放送局のアンテナから送信される電波信号を取得してよい。無線通信機器1090は、放送局のアンテナからの信号を受信するため、例えば、ルーフ1102、ボンネット1104、フェンダー1114、およびトランクフード1117等の車両1100の上方に開かれた部材に設置されてよい。このように、無線通信機器1090により、ラジオ、テレビ等の放送信号が受信されうる。金属板上に設置されたアンテナの指向性は、金属板に垂直な方向であってアンテナ側の向きに最大値を持つ。無線通信機器1090は、水平方向の電磁波の受信を大きくするために、地面に垂直に延びている部位に設置されてよい。
[実施例9:緊急通報送信]
本開示の一実施形態に係る車両1100に設置された無線通信機器1090は、緊急通報の送信の用途に用いられうる。無線通信機器1090は、エアバッグの動作時、衝撃センサによる衝撃の検知時、またはジャイロセンサによる車両1100の横転の検知時に、自動での緊急通報を送信してよい。無線通信機器1090は、より広範囲に信号を送信するために、例えば、ルーフ1102、ボンネット1104、フェンダー1114、およびトランクフード1117等の車両1100の上方に開かれた位置に設置されてよい。このように、無線通信機器1090により、緊急通報が送信されうる。金属板上に設置されたアンテナの指向性は、金属板に垂直な方向であってアンテナ側の向きに最大値を持つ。無線通信機器1090は、水平方向の電磁波の放射を大きくするために、地面に垂直に延びている部位に設置されてよい。
[実施例10:ETC車載機]
本開示の一実施形態に係る車両1100に設置された無線通信機器1090は、電子料金収受(ETC)システムのETC車載機として用いられうる。無線通信機器1090は、車両1100の前方に位置する料金所のゲート等に設置されたアンテナとの通信を行いやすいように、例えば、フロントピラー1101A、ルーフ1102、およびボンネット1104等の前方から見える部材に設置されてよい。このように、無線通信機器1090により、ETCのための通信が実現されうる。
[実施例11:路面センシング]
本開示の一実施形態に係る車両1100に設置された無線通信機器1090は、路面センシングの用途で用いられうる。無線通信機器1090は、超音波、レーザー、および画像等を用いて、アスファルト、未舗装砂地、積雪、アイスバーン、または降雨等の路面状態を検知するための機能を備えてよい。無線通信機器1090は、これらの機能により検知した路面状態の情報を車両1100に設置された他の車載機器1200Bに送信する。他の車載機器1200Bは、これらの情報に基づき、車両1100の制御を行う。無線通信機器1090は、フロアパネル1124、クロスメンバー1119、サイドメンバー1120、およびトランクフロア1127等の、車両1100の路面と面する位置に設置されてよい。このように、無線通信機器1090により、路面のセンシングが実現されうる。
[実施例12:ガラスの曇り検知]
本開示の一実施形態に係る車両1100に設置された無線通信機器1090は、ガラスの曇り検知の用途で用いられうる。無線通信機器1090は、センサを用いて、レーザーの反射量および湿度を検知することにより、車両1100のガラスの内面が曇っていることを検知してよい。無線通信機器1090は、ガラスの曇りを検知すると、その情報を他の車載機器1200Bに送信する。車載機器1200Bは、自動でフロントウインドウまたはリアウインドウのデフロスターを制御する等により、ガラスの内面の曇りを除去する。無線通信機器1090は、ピラー1101、ルーフ1102、ボンネット1104、ドア1115、またはトランクフード1117等の、フロントウインドウまたはリアウインドウの周辺に設置されてよい。このように、無線通信機器1090により、ガラスの曇り検知が実現されうる。
[実施例13:タイヤの磨耗検知]
本開示の一実施形態に係る車両1100に設置された無線通信機器1090は、タイヤ1111の磨耗検知の用途で用いられうる。無線通信機器1090は、超音波、レーザー、画像等により、タイヤ1111の磨耗状態を検知するための機能を備えてよい。これにより、無線通信機器1090は、4つのタイヤ1111の溝の深さを検知する。無線通信機器1090は、これらの機能により検知したタイヤ1111の摩耗に関する情報を車両1100に設置された他の車載機器1200Bに送信する。車載機器1200Bは、例えば、フロントパネルであってよい。これにより、フロントパネルは、タイヤの摩耗情報を表示する。また、無線通信機器1090は、検知したタイヤ1111の情報をもとに、タイヤローテーションおよびタイヤ交換の時期を予測して、フロントパネル等に表示させてよい。無線通信機器1090は、フロントフェンダー1114Aおよびリヤフェンダー1114Bのタイヤ側に設置されてよい。このように、無線通信機器1090により、タイヤの摩耗検知が実現されうる。
以上述べたように、本開示の一実施形態に係るアンテナは、車両1100の設置面に設置される。アンテナは、第1導体31、第2導体32、1または複数の第3導体40、第4導体50、および給電線を備える。第1導体31および第2導体32は、第1方向において対向する。1または複数の第3導体40は、第1導体31および第2導体32の間に位置し、第1方向に延びる。第4導体50は、第1導体31および第2導体32に接続され、第1方向に延びる。給電線は、第3導体に接続される。第1導体31および第2導体32は、第3導体を介して容量的に接続される。第4導体の面は、第1方向と垂直な第2方向において車両1100の設置面と対向する。かかる構成を有するアンテナは、グラウンド導体を有する人工磁気壁となる。これにより、アンテナは、金属等の導電体に設置されても、電磁波を放射する際に、導電体による影響を受けにくい。そのため、アンテナによる電磁波の送受信の強度が向上し、通信の品質が向上する。このように、車両の金属等の導電体の部材に設置されたアンテナを用いた無線通信技術の有用性が向上する。
本開示の一実施形態に係るアンテナが設置される車両1100の設置面は、車両を構成する部材の表面である。第1方向は、部材の長手方向に略並行である。これにより、アンテナによる電磁波の送受信の強度が向上し、通信の品質が向上する。
本開示の一実施形態に係るアンテナが設置される車両1100の設置面は、車両を構成する部材の表面の端部である。第1方向は、部材の外周線に略並行である。これにより、アンテナによる電磁波の送受信の強度が向上し、通信の品質が向上する。
本開示の一実施形態に係る無線通信機器1090は、アンテナに電力を供給する電池91を更に備える。電池91の極端子は、第4導体と電気的に接続される。これにより、無線通信機器1090は、外部から電力の供給を受けることなく動作できる。このため、車両の部材に設置される無線通信機器1090の有用性が向上する。
本開示の一実施形態に係る無線通信機器1090は、センサ92と、コントローラ94と、を更に備える。コントローラ94は、センサ92により検出された情報を、アンテナから電磁波として送信する。これにより、車両の部材に設置される無線通信機器1090の有用性が向上する。
(無線通信機器が設置された移動体)
以下において、本開示の一実施形態に係る無線通信機器2090が設置された移動体2100の詳細を説明する。図101は、本開示の一実施形態に係る移動体2100の室内の概略構成を示す図である。移動体2100は、自動車であってよい。移動体2100の内装部材には、アンテナおよびセンサを備える無線通信機器2090が設置されている。例えば、無線通信機器2090は、座席2101の着座部2101Aに設置される。無線通信機器2090は、センサにより検出された情報を、アンテナを介して、他の無線通信機器に送信する。
本開示の一実施形態に係るアンテナは、上述した構成を有することによって、グラウンド導体を有する人工磁気壁となる。これにより、アンテナは、金属等の導電体または人体等の誘電体の近傍に設置されても、電磁波を放射する際に、導電体または誘電体による影響を受けにくい。このため、アンテナを備える無線通信機器2090は、移動体2100に乗員2200が乗車した際に、人体等の誘電体の近傍におかれる移動体2100の内装部材に設置され、後述する様々な用途に用いられうる。
移動体2100は、車両、船舶、航空機を含む。車両は、自動車、鉄道車両、産業車両、および生活車両を含むが、これらに限られない。例えば車両には、滑走路を走行する飛行機を含めてよい。自動車は、乗用車、トラック、バス、二輪車、およびトロリーバス等を含むがこれらに限られず、道路上を走行する他の車両を含んでよい。軌道車両は、機関車、貨車、客車、路面電車、案内軌道鉄道、ロープウエー、ケーブルカー、リニアモーターカー、およびモノレールを含むがこれらに限られず、軌道に沿って進む他の車両を含んでよい。産業車両は、農業および建設向けの産業車両を含む。産業車両には、フォークリフト、およびゴルフカートを含むがこれらに限られない。農業向けの産業車両には、トラクター、耕耘機、移植機、バインダー、コンバイン、および芝刈り機を含むが、これらに限られない。建設向けの産業車両には、ブルドーザー、スクレーバー、ショベルカー、クレーン車、ダンプカー、およびロードローラを含むが、これらに限られない。生活車両には、自転車、車いす、乳母車、手押し車、および電動立ち乗り二輪車を含むが、これらに限られない。車両の動力機関は、ディーゼル機関、ガソリン機関、および水素機関を含む内燃機関、ならびにモーターを含む電気機関を含むが、これらに限られない。車両は、人力で走行するものを含む。なお、車両の分類は、上述に限られない。例えば、自動車には、道路を走行可能な産業車両を含んでよく、複数の分類に同じ車両が含まれてよい。
以下に、本開示の一実施形態に係る無線通信機器2090が設置された移動体2100の具体例を示す。
図102に、本開示に係る無線通信機器2090が設置されうる移動体2100の内装部材を示す。図102において、移動体2100は自動車である。移動体2100の内装部材には、例えば、座席2101(着座部2101A、背面部2101B、ヘッドレスト2101C)、ハンドル2102、ひじ置き2103、シートベルト2104(ベルト2104A、バックル2104B、バックル受け2104C)、ドア2105(フロントドア2105A、リヤドア2105B)、およびルーフ2106等が含まれる。
図103に、本開示に係る無線通信機器2090が設置されうる他の移動体2100の内装部材を示す。図103において、移動体2100はバスである。移動体2100の内装部材には、例えば、座席2101(着座部2101A、背面部2101B)、ひじ置き2103、ルーフ2106、吊革2110、手すり2111、および降車ボタン2112等が含まれる。
本開示に係る無線通信機器2090が設置されうる移動体2100の内装部材は、上述した例に限られない。移動体2100の内装部材は、例えば、チャイルドシートおよび車載ディスプレイ等のように、移動体2100の室内に設置されて用いられる部材を含んでよい。
無線通信機器2090は、その用途に応じて、移動体2100の任意の内装部材に設置されてよい。また、1つの移動体2100に設置される無線通信機器2090およびアンテナの数は複数あってよい。
図104に、移動体2100の内装部材の一例である座席2101に設置された無線通信機器2090を示す。無線通信機器2090は、図81を参照して上述したが、無線通信機器90であってよい。無線通信機器2090は、アンテナを備える。具体的には、アンテナは、第1導体31、第2導体32、1または複数の第3導体40、第4導体50、および給電線を備える。第1導体31および第2導体32は、第1方向(図104のx方向)において対向する。1または複数の第3導体40は、第1導体31および第2導体32の間に位置し、第1方向に延びる。第4導体50は、第1導体31および第2導体32に接続され、第1方向に延びる。給電線は、第3導体に電磁気的に接続される。第1導体31および第2導体32は、第3導体を介して容量的に接続される。第4導体50の面は、移動体2100に乗員2200が乗車した時に、第1方向と垂直な第2方向(図104のz方向)において乗員2200と対向する。
無線通信機器2090は、乗員2200が座席2101に着席した時に、第4導体50の面が、第1平面と垂直な第2方向において乗員2200と対向するように、座席2101に設置されてよい。図104において、座席2101のヘッドレスト2101Cに設置された無線通信機器2090の第4導体50の面は、乗員2200の頭部と対向している。
図105Aに、移動体2100の内装部材の一例であるシートベルト2104の概略図を示す。また、図105Bに、シートベルト2104の無線通信機器2090が設置された部分の拡大図を示す。無線通信機器2090は、乗員2200がシートベルト2104を装着した時に、第4導体50の面が、第1方向と垂直な第2方向において乗員2200と対向するように、シートベルト2104に設置されてよい。
また、図106に、移動体2100の内装部材の一例である手すり2111の断面図を示す。無線通信機器2090は、乗員2200が手すり2111を把持した時に、第4導体50の面が、第1方向と垂直な第2方向において乗員2200と対向するように、手すり2111に設置される。
図104〜図106を参照して、無線通信機器2090は、センサ92と、コントローラ94と、を更に備えてよい。コントローラ94は、センサ92により検出された情報に基づき、アンテナから信号を送信する。無線通信機器2090のコントローラ94は、センサ92により検出された情報を取得する。コントローラ94は、センサ92により検出された情報に基づき、送信信号を生成する。その後、コントローラ94は、当該送信信号をアンテナから他の無線通信機器に送信する。送信信号の生成において、コントローラ94は、センサ92により検出された情報の全てまたは一部を送信信号に変換してよい。また、コントローラ94は、センサ92により検出された情報に所定の演算処理を行い、その結果を送信信号に変換してよい。コントローラ94は、例えば、シートベルト2104に設置された湿度センサにより測定されたデータをもとに、乗員2200の緊張度合を算出し、送信信号に変換してよい。
上述した他の無線通信機器は、任意の場所に設置されてよい。他の無線通信機器は、無線通信機器2090が設置された車両100に設置された他の車載機器であってよい。また、他の無線通信機器は、車両の外部に設置された携帯端末、他の車両、無線基地局、衛星、および信号機等であってよい。他の無線通信機器は、無線通信機器2090により送信された信号を受信する。他の無線通信機器は、サーバ等に接続されうる。
図81に示されるように、無線通信機器2090は、アンテナを含む無線通信モジュール80とセンサ92を一体とされてもよく、或いは別体とされてよい。図107に概略図を示す吊革2110は、アンテナを含む無線通信モジュール80とセンサ92とが別体で設置されている。別体とされた場合、アンテナを含む無線通信モジュール80とセンサ92は、互いに有線で通信可能に接続されてよい。アンテナを含む無線通信モジュール80とセンサ92は、無線通信機器2090と同一または近傍の部材に直接設置されてよい。このように、別体とすることによって、アンテナを含む無線通信モジュール80とセンサは、それぞれの動作に最適な位置に設置される。これにより、無線通信機器2090から送信される情報の有用性が向上する。
本開示の一実施形態に係る移動体2100の内装部材に設置された無線通信機器2090の動作について、以下に実施例を用いて説明する。
本開示の一実施形態に係る移動体2100の内装部材に設置された無線通信機器2090は、乗員2200の状態把握に用いられうる。乗員2200の状態把握のための情報には、速度、加速度、角速度、地磁気、温度、湿度、圧力、画像、超音波、および音等の情報が含まれる。無線通信機器2090は、これらの情報を取得するためのセンサ92を備えてよい。
例えば、図104に示すとおり、運転手である乗員2200の頭部の位置情報を取得するために、超音波センサ92を備えた無線通信機器2090が移動体2100のヘッドレスト2101Cに設置されてよい。無線通信機器2090は、超音波センサ92により取得した頭部の位置情報が、運転開始時の頭部の位置からの所定量以上移動した場合、乗員2200が居眠り運転をしていると判定する。無線通信機器2090は、乗員2200が居眠り運転をしていると判定すると、超音波センサ92により取得された情報を、他の車載機器に送信する。他の車載機器は、当該情報を受信した場合、運転席正面のフロントパネルに、休憩を促すサインを点灯させてよい。
また、図105Aおよび図105Bに示すとおり、乗員2200の体温の情報を取得するために、温度センサ92を備えた無線通信機器2090が移動体2100の後部座席のシートベルト2104に設置されてよい。無線通信機器2090は、さらに、乗員2200の心拍数の情報を取得するために、圧力センサ92を備えてよい。無線通信機器2090は、これらのセンサ92により取得した乗員2200の体温の情報および心拍数の情報が、所定量以上変化した場合、後部座席の乗員2200の体調に異変が生じたと判定する。無線通信機器2090は、後部座席の乗員2200の体調に異変が生じたと判定すると、これらのセンサ92により取得された情報を、他の車載機器に送信する。他の車載機器は、当該情報を受信した場合、運転席正面のフロントパネルに、乗員2200の体調に異変が生じたことを警告するサインを点灯させてよい。
上述したセンサ92を備える無線通信機器2090が、移動体2100に後から設置されるチャイルドシート等の内装部材に設置されてよい。これにより、通信を行うために有線ケーブル等による接続を行うことなく、移動体2100とチャイルドシート等の内装部材との通信が可能になる。
本開示の一実施形態に係る移動体2100の内装部材に設置された無線通信機器2090は、移動体2100の室内の情報提供に用いられうる。例えば、図103に示すバスである移動体2100において、乗員の着席状況を取得するために、圧力センサ92を備えた無線通信機器2090がバスである移動体2100の着座部2101A、吊革2110、および手すり2111等に設置されてよい。無線通信機器2090は、圧力センサ92により所定量以上の圧力を検出した場合、乗員2200が座っている、或いは握っていると判定する。無線通信機器2090は、乗員2200が座っている、或いは握っていると判定すると、圧力センサ92により取得された情報を、移動体2100の外部にあるバス停等に設置された他の無線通信機器に送信する。バス停の無線通信機器は、当該情報に基づき、バスの混雑状況を表示してよい。
以上述べたように、本開示の一実施形態に係るアンテナは、移動体2100の内装部材に設置される。アンテナは、第1導体31、第2導体32、1または複数の第3導体40、第4導体50、および給電線を備える。第1導体31および第2導体32は、第1方向において対向する。1または複数の第3導体40は、第1導体31および第2導体32の間に位置し、第1方向に延びる。第4導体50は、第1導体31および第2導体32に接続され、第1方向に延びる。給電線は、第3導体に電磁気的に接続される。第1導体31および第2導体32は、第3導体を介して容量的に接続される。第4導体50の面は、移動体2100に乗員2200が乗車した時に、第1方向と垂直な第2方向において乗員2200と対向する。かかる構成を有するアンテナは、グラウンド導体を有する人工磁気壁となる。これにより、アンテナから放射された電磁波は、人工磁気壁の裏側への放射が低減される。アンテナは、人間等の誘電体の近傍に設置されても、電磁波を放射する際に、誘電体による影響を受けにくい。そのため、アンテナによる電磁波の送受信の強度が向上し、通信の品質が向上する。このように、移動体の内装部材に設置された際の無線通信技術の有用性が向上する。
本開示の一実施形態に係るアンテナが設置される移動体の内装部材は、座席2101である。第4導体50の面は、乗員2200が座席2101に着席した時に、第1方向と垂直な第2方向において乗員2200と対向する。これにより、乗員2200の近傍においても、アンテナによる電磁波の送受信の強度が向上し、通信の品質が向上する。
本開示の一実施形態に係るアンテナが設置される移動体の内装部材は、シートベルト2104である。第4導体50の面は、乗員2200がシートベルト2104を装着した時に、第1方向と垂直な第2方向において乗員2200と対向する。これにより、乗員2200の近傍においても、アンテナによる電磁波の送受信の強度が向上し、通信の品質が向上する。
本開示の一実施形態に係るアンテナの第4導体50の面は、移動体2100の乗員2200が内装部材を把持した時に、第1方向と垂直な第2方向において乗員2200と対向する。これにより、乗員2200の近傍においても、アンテナによる電磁波の送受信の強度が向上し、通信の品質が向上する。
本開示の一実施形態に係る無線通信機器2090は、上述したアンテナと、センサ92と、コントローラ94と、を備える。コントローラ94は、センサ92により検出された情報を、アンテナから電磁波として送信する。これにより、移動体の部材に設置される無線通信機器2090の有用性が向上する。
(アンテナが設置された自動二輪車)
以下において、本開示の一実施形態に係るアンテナ3060が設置された自動二輪車3001の詳細を説明する。
[自動二輪車の構成例]
図108は、自動二輪車3001の一実施形態を示す外観図である。図109は、図108に示すブレーキレバー3001Qを示す図である。図110は、図108に示すクラッチレバー3001Rを示す図である。
自動二輪車3001は、ガソリンを燃料として走行する。ここで、本開示の「自動二輪車」は、ガソリンを燃料として走行するタイプに限定されない。例えば、「自動二輪車」は、水素を燃料として走行するタイプを含んでよい。例えば、「自動二輪車」は、電動バイクを含んでよい。
自動二輪車3001は、個人が所有するものであってよい。自動二輪車3001は、商品等の宅配サービスを提供する事業者が所有するものであってよい。自動二輪車3001は、ロードレース等の競技で使用されるものであってよい。以下、自動二輪車3001を利用する権限があるものは、「利用者」という。自動二輪車3001を現在運転している者は、「運転者」という。
自動二輪車3001は、フレームおよび自動二輪車用部品を備える。自動二輪車3001のフレームは、任意の導電性材料であってよい。自動二輪車3001の自動二輪車用部品は、その用途に応じて、任意の部材で構成されてよい。以下、自動二輪車3001のフレームおよび自動二輪車用部品は、まとめて「自動二輪車3001の部品」とも記載する。
自動二輪車3001の部品は、ハンドル3001Aと、燃料タンク3001Bと、フレームカバー3001Cと、リアカウル3001Dと、リヤフェンダー3001Eと、ナンバープレート3001Fと、マフラーカバー3001Gと、クランクケース3001Hと、シリンダーヘッドカバー3001Jとを含んでよい。自動二輪車3001の部品は、フロントフェンダー3001Kと、ホイール3001Lと、フロントフォーク3001Mと、ランプ3001Nと、リアランプ3001Pと、ブレーキレバー3001Qと、クラッチレバー3001Rと、シフトレバー3001Sとを含んでよい。自動二輪車3001の部品は、これらの部品に限定されない。例えば、自動二輪車3001の部品は、ブレーキ、クラッチ、トランスミッション、およびウインドシールドを含んでよい。
リアカウル3001Dは、金属を含みうる。リアカウル3001Dは、フレームカバー3001Cから自動二輪車3001の後方に向かう延在方向Dに沿って延在する。
リヤフェンダー3001Eは、金属を含みうる。リヤフェンダー3001Eは、タイヤの外形に依拠した延在方向Eに沿って延在する。
マフラーカバー3001Gは、金属を含みうる。マフラーカバー3001Gは、原動機の排気管から自動二輪車3001の後方に向かう延在方向Gに沿って延在する。
ホイール3001Lは、リム3001L−1を含む。リム3001L−1は、金属を含みうる。リム3001L−1は、円周方向Lに沿って延在する。
フロントフォーク3001Mは、金属を含みうる。フロントフォーク3001Mは、ホイール3001Lの中心部からハンドル3001Aに向かう延在方向Mに沿って延在する。
ブレーキレバー3001Qは、金属を含みうる。ブレーキレバー3001Qは、図109に示すように、延在方向Qに沿って延在する。延在方向Qは、ブレーキレバー3001Qとハンドル3001Aとの接続部から、運転者が手で握るグリップに向かう方向である。
クラッチレバー3001Rは、金属を含みうる。クラッチレバー3001Rは、図110に示すように、延在方向Rに沿って延在する。延在方向Rは、クラッチレバー3001Rとハンドル3001Aとの接続部から、運転者が手で握るグリップに向かう方向である。
自動二輪車3001は、少なくとも1つの第1アンテナ3060aを備える。第1アンテナ3060aは、上述の第1アンテナ60と同様の構造を有する。自動二輪車3001は、第1アンテナ3060aに加えて、または第1アンテナ3060aの代わりに、第2アンテナ70を備えてよい。
第1アンテナ3060aは、自動二輪車3001の部品のいずれかに配置されてよい。第1アンテナ3060aは、第1アンテナ3060aに含まれる第4導体50が自動二輪車3001の部品に対向するように、当該部品に配置されてよい。第1アンテナ3060aの第4導体50を自動二輪車3001の部品に対向させることで、第4導体50に対して当該部品が位置する方向は、第4導体50に対して第3導体40が位置する方向とは、反対方向になりうる。ここで、第1アンテナ3060aが放射する電磁波の実効的な進行方向は、第4導体50に対して第3導体40が位置する方向となりうる。第1アンテナ3060aの第4導体50を自動二輪車3001の部品に対向させることで、自動二輪車3001の部品は、第1アンテナ3060aが放射する電磁波の実効的な進行方向とは反対方向に、位置しうる。自動二輪車3001の部品が第1アンテナ3060aからの電磁波の実効的な進行方向とは反対方向に位置することで、第1アンテナ3060aの放射効率が維持されうる。
例えば、図108に示されるように、第1アンテナ3060aは、第4導体50が対向するようにして、ハンドル3001A、燃料タンク3001B、ナンバープレート3001F、およびクランクケース3001Hに配置されてよい。
第1アンテナ3060aは、自動二輪車3001の部品が導電性の長尺部を含む場合、当該部品に配置されてよい。第1アンテナ3060aは、第1方向が導電性の長尺部に沿うように、当該長尺部に配置されてよい。当該長尺部は、リアカウル3001D、リヤフェンダー3001E、マフラーカバー3001G、ホイール3001Lのリム3001L−1、フロントフォーク3001M、ブレーキレバー3001Q、およびクラッチレバー3001Rを含んでよい。第1アンテナ3060aが自動二輪車3001の部品に含まれる導電性の長尺部に配置されることで、第1アンテナ3060aと当該長尺部とが電磁気的に結合しうる。第1アンテナ3060aと当該長尺部とが電磁気的に結合することで、第1アンテナ3060aが電磁波を放射するとき、当該長尺部に電流が誘導されうる。当該長尺部に誘導された電流によって、長尺部は、電磁波として放射しうる。当該長尺部に誘導された電流を長尺部が電磁波として放射することで、第1アンテナ3060aが電磁波を放射するとき、第1アンテナ3060aの総合放射効率が向上しうる。長尺部から放射される電磁波は、長尺部から等方的に放射されうる。
例えば、第1アンテナ3060aを長尺部としてのリアカウル3001Dに配置させる場合、第1アンテナ3060aは、第1方向が延在方向Dに沿うように、リアカウル3001Dに配置されてよい。
例えば、第1アンテナ3060aを長尺部としてのリヤフェンダー3001Eに配置させる場合、第1アンテナ3060aは、第1方向が延在方向Eに沿うように、リヤフェンダー3001Eに配置されてよい。
例えば、第1アンテナ3060aを長尺部としてのマフラーカバー3001Gに配置させる場合、第1アンテナ3060aは、第1方向が延在方向Gに沿うように、マフラーカバー3001Gに配置されてよい。
例えば、第1アンテナ3060aを長尺部としてのホイール3001Lのリム3001L−1に配置させる場合、第1アンテナ3060aは、第1方向が円周方向Lに沿うように、リム3001L−1に配置させてよい。
例えば、第1アンテナ3060aを長尺部としてのフロントフォーク3001Mに配置させる場合、第1アンテナ3060aは、第1方向が延在方向Mに沿うように、フロントフォーク3001Mに配置されてよい。
例えば、第1アンテナ3060aを長尺部としてのブレーキレバー3001Qに配置させる場合、第1アンテナ3060aは、図109に示されるように、第1方向が延在方向Qに沿うように、ブレーキレバー3001Qに配置されてよい。
例えば、第1アンテナ3060aを長尺部としてのクラッチレバー3001Rに配置させる場合、第1アンテナ3060aは、図110に示されるように、第1方向が延在方向Rに沿うように、クラッチレバー3001Rに配置されてよい。
第1アンテナ3060aは、運転者と接触しうる自動二輪車3001の部品に配置されてよい。第1アンテナ3060aは、運転者と接触しうる自動二輪車3001の部品に含まれる部分のうち、運転者との接触が少ない部分に、配置されてよい。一例として、運転者と接触しうる自動二輪車3001の部品は、ハンドル3001A、ブレーキレバー3001Q、およびクラッチレバー3001Rを含んでよい。
例えば、第1アンテナ3060aをハンドル3001Aに配置させる場合、第1アンテナ3060aは、ハンドル3001Aに含まれる部位のうち、運転者が手で握ることが少ない部位に配置されてよい。当該部位は、ハンドル3001Aの終端部分であってよいし、ハンドル3001Aの根元部分であってよい。
例えば、第1アンテナ3060aをブレーキレバー3001Qに配置させる場合、第1アンテナ3060aは、ブレーキレバー3001Qに含まれる部位のうち、運転者が手で握ることが少ない部位に配置されてよい。当該部位は、ブレーキレバー3001Qに含まれる部位のうち、グリップを除く部分であってよい。当該部位は、ブレーキレバー3001Qの終端部分であってよいし、ブレーキレバー3001Qの根元部分であってよい。
例えば、第1アンテナ3060aをクラッチレバー3001Rに配置させる場合、第1アンテナ3060aは、クラッチレバー3001Rに含まれる部位のうち、運転者が手で握ることが少ない部位に配置されてよい。当該部位は、クラッチレバー3001Rに含まれる部位のうち、グリップを除く部分であってよい。当該部位は、クラッチレバー3001Rの終端部分であってよいし、クラッチレバー3001Rの根元部分であってよい。
第1アンテナ3060aは、例えば比較的高温になりうる自動二輪車3001の部品に配置される場合、所定の温度で、所定の周波数帯に対応するように構成されてよい。所定の周波数帯は、第1アンテナ3060aと通信相手との間の通信で使用される周波数帯であってよい。比較的高温になりうる自動二輪車3001の部品は、自動二輪車3001の原動機が駆動することで、温度が上昇しうる部品であってよい。例えば、比較的高温になりうる自動二輪車3001の部品は、クランクケース3001H、およびシリンダーヘッドカバー3001Jを含んでよい。一例として、所定の温度は、80度であってよい。第1アンテナ3060aを所定の温度で所定の周波数帯に対応するように構成することで、自動二輪車3001の走行中、第1アンテナ3060aが配置された部品の温度が比較的高温になっても、自動二輪車3001の通信が安定化されうる。
[第1アンテナの配置の一例]
図111は、図108に示す第1アンテナ3060aの配置の一例を示す図である。自動二輪車3001は、金属部3001Xと、第1アンテナ3060aと、磁石3100と、封止部3101とを備える。
金属部3001Xは、自動二輪車3001に含まれる図108に示す部品のいずれかである。金属部3001Xは、自動二輪車3001に含まれる部品のうち、例えば自動二輪車3001の走行中、風が当たりやすい部品であってよい。一例として、金属部3001Xは、リアカウル3001D、リヤフェンダー3001E、およびフロントフォーク3001Mを含んでよい。
第1アンテナ3060aは、磁石3100を介して金属部3001Xに配置される。第1アンテナ3060aは、磁石3100に吸着されうる。
磁石3100は、磁力によって、金属部3001Xの表面を吸着しうる。磁石3100は、磁力によって、第1アンテナ3060aの第4導体50を吸着しうる。磁石3100は、第1アンテナ3060aの形状に応じて、任意の形状を有してよい。例えば、磁石3100の第1面積は、第1アンテナ3060aの第4導体50の第1面積と同程度であってよい。
このように磁石3100は、第1アンテナ3060aを、金属部3001Xに貼り付けることができる。磁石3100によって第1アンテナ3060aを金属部3001Xに貼り付けることで、例えば自動二輪車3001のメンテナンスの際に、第1アンテナ3060aを金属部3001Xから取り外すことが容易になりうる。
封止部3101は、任意の合成樹脂材料であってよい。封止部3101の表面は、滑らかな形状であってよい。封止部3101は、第1アンテナ3060aおよび磁石3100を覆う。封止部3101が第1アンテナ3060a等を覆うことで、金属部3001Xがリアカウル3001Dのような風が当たり易い部品であっても、第1アンテナ3060a等に対する空気抵抗が低減されうる。
自動二輪車3001は、第1アンテナ3060aの用途に応じては、磁石3100の代わりに、両面テープを備えてよい。両面テープを利用して第1アンテナ3060aを金属部3001Xに配置させることで、第1アンテナ3060aを金属部3001Xにより強固に固定することができる。
[第1アンテナの配置の他の例]
図112は、図108に示す第1アンテナ3060aの配置の他の例を示す図である。自動二輪車3001は、金属部3001Xと、第1アンテナ3060aと、磁石3100aと、封止部3101と、部材3102とを備える。自動二輪車3001は、磁石3100aに加えて、図111に示す磁石3100を備えてよい。自動二輪車3001は、第1アンテナ3060aの用途に応じては、磁石3100aの代わりに、両面テープを備えてよい。
第1アンテナ3060aは、金属部3001Xに配置される。第1アンテナ3060aの側面は、磁石3100aに吸着されうる。第1アンテナ3060aは、磁石3100aによって、金属部3001Xに固定されうる。
磁石3100aは、第1アンテナ3060aの周囲を囲む。磁石3100aは、リング型であってよい。磁石3100aは、その中央部分に、第1アンテナ3060aを嵌め込み可能な穴を有してよい。磁石3100aは、磁力によって、第1アンテナ3060aを吸着しうる。磁石3100aは、磁力によって、金属部3001Xの表面を吸着しうる。磁石3100aは、第1アンテナ3060aの形状に応じて、任意の形状を有してよい。
部材3102は、任意の部材であってよい。一例として、部材3102は、後述のセンサ機器3110に含まれる要素、後述の通信機器3120に含まれる要素、後述の表示機器3130に含まれる要素、後述の検出機器3140に含まれる要素、および後述の制御機器3150に含まれる要素を含んでよい。
封止部3101は、第1アンテナ3060aおよび磁石3100a,3100bを覆う。封止部3101は、部材3102の一部を覆う。封止部3101が第1アンテナ3060a等を覆うことで、金属部3001Xがリアカウル3001Dのような風が当たり易い部品であっても、第1アンテナ3060a等に対する空気抵抗が低減されうる。
[第1アンテナの配置のさらに他の例]
図113は、図108に示す第1アンテナ3060aの配置のさらに他の例を示す図である。自動二輪車3001は、金属部3001Yと、第1アンテナ3060aと、振動吸収部3103とを備える。自動二輪車3001は、これらの要素に加えて、封止部3101を備えてよい。
金属部3001Yは、自動二輪車3001に含まれる図108に示す部品のいずれかである。金属部3001Yは、自動二輪車3001に含まれる部品のうち、例えば自動二輪車3001の原動機が駆動することで、振動しうる部品であってよい。例えば、金属部3001Yは、10G以上で振動しうる部品であってよい。一例として、金属部3001Yは、マフラーカバー3001G、クランクケース3001H、およびシリンダーヘッドカバー3001Jを含んでよい。
第1アンテナ3060aは、振動吸収部3103を介して金属部3001Yに配置される。
振動吸収部3103は、スポンジ材を含んで構成されてよい。スポンジ材は、その両面に接着面を含んでよい。振動吸収部3103の一方の接着面は、振動吸収部3103と、金属部3001Yとを貼り付けうる。振動吸収部3103の他方の接着面は、振動吸収部3103と、第1アンテナ3060aとを貼り付けうる。
振動吸収部3103は、金属部3001Yと第1アンテナ3060aとの間に位置する。振動吸収部3103が金属部3001Yと第1アンテナ3060aとの間に位置することで、金属部3001Yがマフラーカバー3001Gのような振動しうる部品であっても、当該部品から第1アンテナ3060aへの振動が低減されうる。当該部品から第1アンテナ3060aへの振動が低減されることで、第1アンテナ3060aが壊れる蓋然性が低減されうる。
[第1アンテナの配置のさらに他の例]
図114は、図108に示す第1アンテナ3060aの配置のさらに他の例を示す図である。自動二輪車3001は、部品3001Z−1と、部品3001Z−2と、第1アンテナ3060aと、部材3102と、弾性部材3104とを備える。
部品3001Z−1および部品3001Z−2は、自動二輪車3001に含まれる図108に示す部品のいずれかである。
部品3001Z−1および部品3001Z−2の一方は、自動二輪車3001に含まれる部品のうち、例えば自動二輪車3001の原動機が駆動することで、振動しうる部品であってよい。例えば、部品3001Z−1および部品3001Z−2の一方は、10G以上で振動しうる部品であってよい。例えば、部品3001Z−1および部品3001Z−2の一方は、マフラーカバー3001G、クランクケース3001H、およびシリンダーヘッドカバー3001Jを含んでよい。
部品3001Z−1および部品3001Z−2の他方は、自動二輪車3001に含まれる部品のうち、比較的振動が少ない部品であってよい。例えば、部品3001Z−1および部品3001Z−2の他方は、リアカウル3001D、リヤフェンダー3001E、ナンバープレート3001F、フロントフェンダー3001K、ランプ3001N、リアランプ3001P、およびフロントフォーク3001Mを含んでよい。
第1アンテナ3060aは、部品3001Z−1に配置される。第1アンテナ3060aに含まれる第1給電線3061は、取り付け点3061aを含む。部材3102は、部品3001Z−2に配置される。
弾性部材3104は、取り付け点3061aと、部材3102とを電気的に接続する。弾性部材3104は、バネ部材、およびコイル部材を含んで構成されてよい。
部品3001Z−1および部品3001Z−2において、一方が振動し、且つ他方が比較的振動しない場合、部品3001Z−1と部品3001Z−2の間の振動差が大きくなる場合がある。取り付け点3061aと部材3102との間に弾性部材3104を配置させることで、第1給電線3061への振動が低減されうる。第1給電線3061への振動が低減されることで、第1給電線3061が切断等する蓋然性が低減されうる。
[自動二輪車の機能の一例]
図115は、図108に示す自動二輪車3001の一例の機能ブロック図である。自動二輪車3001は、ネットワーク3002を介して、情報処理装置3003と通信することができる。自動二輪車3001は、移動体3004と直接通信することができる。ネットワーク3002は、無線ネットワークを含んでよい。ネットワーク3002の一部は、有線ネットワークを含んでよい。
自動二輪車3001は、センサ機器3110と、通信機器3120とを備える。センサ機器3110と通信機器3120とは、一体構成されてよい。例えば、センサ機器3110のセンサ3112を通信機器3120に統合させることにより、センサ機器3110と通信機器3120とは、一体構成されてよい。
情報処理装置3003は、任意の事業者等によって管理されてよい。例えば商品等の宅配サービスを提供する事業者が自動二輪車3001を所有する場合、情報処理装置3003は、当該宅配サービスを提供する事業者によって管理されてよい。例えば自動二輪車3001がロードレース等の競技で使用される場合、情報処理装置3003は、当該競技の開催者によって管理されてよい。例えば自動二輪車3001の所有者が保険会社と契約している場合、情報処理装置3003は、当該保険会社によって、管理されてよい。
情報処理装置3003は、プログラム命令を実行可能なコンピュータシステムその他のハードウェアで構成されてよい。コンピュータシステムその他のハードウェアは、汎用コンピュータ、PC(パーソナルコンピュータ)、専用コンピュータ、ワークステーション、PCS(Personal Communications System、パーソナル移動通信システム)、移動(セルラー)電話機、データ処理機能を備えた移動電話機、RFID(Radio Frequency IDentification)受信機、ゲーム機、電子ノートパッド、ラップトップコンピュータ、GPS(Global Positioning System)受信機またはその他のプログラム可能なデータ処理装置を含んでよい。
移動体3004は、移動体のうち、自動二輪車3001の通信圏内に存在する移動体である。移動体3004は、車両、船舶および航空機を含む。例えば、移動体3004は、自動二輪車3001の通信圏内を走行する車両であってよい。ここで、本開示の「車両」は、自動車、鉄道車両、産業車両、および生活車両を含むが、これに限定されない。例えば車両は、滑走路を走行する飛行機を含んでよい。自動車は、乗用車、トラック、バス、二輪車、およびトロリーバス等を含むがこれに限定されず、道路上を走行する他の車両を含んでよい。軌道車両は、機関車、貨車、客車、路面電車、案内軌道鉄道、ロープウエー、ケーブルカー、リニアモーターカー、およびモノレールを含むがこれに限定されず、軌道に沿って進む他の車両を含んでよい。産業車両は、農業および建設向けの産業車両を含む。産業車両は、フォークリフト、およびゴルフカートを含むがこれに限定されない。農業向けの産業車両は、トラクター、耕耘機、移植機、バインダー、コンバイン、および芝刈り機を含むが、これに限定されない。建設向けの産業車両は、ブルドーザー、スクレーバー、ショベルカー、クレーン車、ダンプカー、およびロードローラを含むが、これに限られない。生活車両は、自転車、車いす、乳母車、手押し車、および電動立ち乗り二輪車を含むが、これに限定されない。車両の動力機関は、ディーゼル機関、ガソリン機関、および水素機関を含む内燃機関、ならびにモーターを含む電気機関を含むが、これに限定されない。車両は、人力で走行するものを含む。なお、車両の分類は、上述に限られない。例えば、自動車は、道路を走行可能な産業車両を含んでよく、複数の分類に同じ車両が含まれてよい。
センサ機器3110は、通信機器3120と直接通信することができる。センサ機器3110と通信機器3120とは、有線通信してよいし、無線通信してよい。無線通信は、近距離通信規格に基づいてよい。近距離通信規格は、WiFi(登録商法)、Bluetooth(登録商標)、および無線LAN(Local Area Network)を含んでよい。
センサ機器3110は、電池3111と、センサ3112と、メモリ3113と、コントローラ3114とを有する。センサ機器3110は、例えばセンサ機器3110と通信機器3120とが無線通信する場合、少なくとも1つの第1アンテナ3060bを有してよい。センサ機器3110は、センサ機器3110の外部または外面に、第1アンテナ3060bを有してよい。センサ機器3110は、電池3111を有さない場合、自動二輪車3001に備えられる他の電池から供給される電力によって、動作してよい。
第1アンテナ3060bは、通信機器3120の第1アンテナ3060cとは独立した、上述の第1アンテナ3060aであってよい。
第1アンテナ3060bは、センサ機器3110と他の装置との間の通信で使用される周波数帯に応じて適宜構成されてよい。言い換えると、第1アンテナ3060bに含まれる、第1導体31、第2導体32、第3導体40、および第4導体50のそれぞれは、センサ機器3110と他の装置との間の通信で使用される周波数帯に応じて、適宜構成されてよい。例えば、第1アンテナ3060bは、センサ機器3110と通信機器3120との間の近距離通信で使用される周波数帯に応じて構成されてよい。例えば、第1アンテナ3060bは、センサ機器3110とGPS衛星との間の通信で使用される周波数帯に応じて構成されてよい。
第1アンテナ3060bの配置位置は、センサ機器3110の通信相手に応じて、またはセンサ3112が取得するデータに応じて、図108を参照して上述した配置位置の中から、適宜選択されてよい。
例えばセンサ機器3110の通信相手がGPS衛星である場合、第1アンテナ3060bの配置位置は、図108に示す燃料タンク3001Bであってよい。第1アンテナ3060bが図108に示す燃料タンク3001Bに配置されることで、第1アンテナ3060bは、GPS衛星からの電磁波を受信しやすくなる。
センサ3112が取得するデータに応じた、第1アンテナ3060bの配置位置の一例は、後述する。
第1アンテナ3060bは、他の装置からの電磁波を、受信信号として受信しうる。第1アンテナ3060bが受信した受信信号は、第1アンテナ3060bの第1給電線3061を経由して、コントローラ3114に伝送される。また、第1アンテナ3060bは、第1アンテナ3060bの第1給電線3061に電力が供給されることにより、他の装置に、送信信号としての電磁波を放射しうる。
電池3111は、第1アンテナ3060b、センサ3112、メモリ3113、およびコントローラ3114の少なくとも1つに電力を供給しうる。電池3111は、例えば、一次電池および二次電池の少なくとも一方を含みうる。電池3111のマイナス極は、第1アンテナ3060bの第4導体50に電気的に接続される。
センサ3112は、センサ機器3110の用途に応じて、適宜構成されてよい。センサ3112は、速度センサ、加速度センサ、ジャイロセンサ、回転角センサ、圧力センサ、地磁気センサ、温度センサ、湿度センサ、気圧センサ、照度センサ、フロート、カメラ、および生体センサの少なくとも1つを含んで構成されてよい。前述のとおり、第1アンテナ3060bの配置位置は、センサ3112が測定するデータに応じて、図108を参照して上述した配置位置の中から、適宜選択されてよい。
例えば、センサ3112は、速度センサを含んで構成される場合、自動二輪車3001の速度を測定しうる。センサ3112は、測定した自動二輪車3001の速度を、コントローラ3114に出力する。この例では、センサ3112を備えるセンサ機器3110は、図108に示すリアカウル3001D、リヤフェンダー3001E、マフラーカバー3001G、またはリアランプ3001Pに配置されてよい。第1アンテナ3060bの配置位置は、リアカウル3001D、リヤフェンダー3001E、マフラーカバー3001G、またはリアランプ3001Pであってよい。
例えば、センサ3112は、加速度センサを含んで構成される場合、自動二輪車3001に働く加速度を測定しうる。センサ3112は、測定した加速度を、コントローラ3114に出力する。この例では、センサ3112を備えるセンサ機器3110は、図108に示すリアカウル3001D、リヤフェンダー3001E、マフラーカバー3001G、またはリアランプ3001Pに配置されうる。この例では、第1アンテナ3060bの配置位置は、リアカウル3001D、リヤフェンダー3001E、マフラーカバー3001G、またはリアランプ3001Pであってよい。
例えば、センサ3112は、ジャイロセンサを含んで構成される場合、自動二輪車3001の角速度を測定しうる。センサ3112は、測定した角速度を、コントローラ3114に出力する。この例では、センサ3112を備えるセンサ機器3110は、図108に示すリアカウル3001D、リヤフェンダー3001E、マフラーカバー3001G、またはリアランプ3001Pに配置されうる。この例では、第1アンテナ3060bの配置位置は、リアカウル3001D、リヤフェンダー3001E、マフラーカバー3001G、またはリアランプ3001Pであってよい。
例えば、センサ3112は、回転角センサを含んで構成される場合、自動二輪車3001のホイール3001Lの回転速度を測定しうる。この例では、センサ3112を備えるセンサ機器3110は、図108に示すホイール3001Lに配置されうる。センサ3112は、測定した回転速度を、コントローラ3114に出力する。この例では、第1アンテナ3060bの配置位置は、ホイール3001Lのリム3001L−1であってよい。
例えば、センサ3112は、圧力センサを含んで構成される場合、図108に示すブレーキレバー3001Qにかかる圧力を検出しうる。運転者がブレーキレバー3001Qを手で握ることで、ブレーキレバーには、圧力がかかりうる。この例では、センサ3112を備えるセンサ機器3110は、ブレーキレバー3001Qに配置されうる。センサ3112は、検出した圧力を、コントローラ3114に出力する。この例では、第1アンテナ3060bの配置位置は、ブレーキレバー3001Qであってよい。
例えば、センサ3112は、圧力センサを含んで構成される場合、図108に示すクラッチレバー3001Rにかかる圧力を検出しうる。運転者がクラッチレバー3001Rを手で握ることで、クラッチレバー3001Rには、圧力がかかりうる。この例では、センサ3112を備えるセンサ機器3110は、クラッチレバー3001Rに配置されうる。センサ3112は、検出した圧力を、コントローラ3114に出力する。この例では、第1アンテナ3060bの配置位置は、クラッチレバー3001Rであってよい。
例えば、センサ3112は、圧力センサを含んで構成される場合、図108に示すシフトレバー3001Sにかかる圧力を検出しうる。運転者がシフトレバー3001Sを足で踏むことで、シフトレバー3001Sには、圧力がかかりうる。この例では、センサ3112を備えるセンサ機器3110は、シフトレバー3001Sに配置されうる。センサ3112は、検出した圧力を、コントローラ3114に出力する。この例では、第1アンテナ3060bの配置位置は、シフトレバー3001Sであってよい。
例えば、センサ3112は、地磁気センサを含んで構成される場合、自動二輪車3001の周囲の磁気の大きさおよび方向を測定しうる。この例では、センサ3112を含むセンサ機器3110は、自動二輪車3001の部品のいずれかに配置されうる。センサ3112は、測定した磁気の大きさおよび方向を、コントローラ3114に出力する。この例では、第1アンテナ3060bの配置位置は、センサ機器3110の近傍の、自動二輪車3001の部品のいずれかであってよい。
例えば、センサ3112は、温度センサを含んで構成される場合、自動二輪車3001の周囲の温度を測定しうる。この例では、センサ3112を含むセンサ機器3110は、自動二輪車3001の部品のいずれかに配置されてよい。センサ3112は、測定した温度を、コントローラ3114に出力する。この例では、第1アンテナ3060bの配置位置は、センサ機器3110の近傍の、自動二輪車3001の部品のいずれかであってよい。
例えば、センサ3112は、温度センサを含んで構成される場合、自動二輪車3001の原動機の冷却水の温度を測定しうる。この例では、センサ3112を含むセンサ機器3110は、冷却水を収容する容器付近に配置されうる。センサ3112は、測定した温度を、コントローラ3114に出力する。この例では、第1アンテナ3060bの配置位置は、冷却水を収容する容器付近の、自動二輪車3001の部品のいずれかであってよい。
例えば、センサ3112は、温度センサを含んで構成される場合、自動二輪車3001の原動機の油温度を測定しうる。この例では、センサ3112を含むセンサ機器3110は、原動機の油を収容する容器付近に配置されうる。センサ3112は、測定した温度を、コントローラ3114に出力する。この例では、第1アンテナ3060bの配置位置は、原動機の油を収容する容器付近の、自動二輪車3001の部品のいずれかであってよい。
例えば、センサ3112は、湿度センサを含んで構成される場合、自動二輪車3001の周囲の湿度を測定しうる。この例では、センサ3112を含むセンサ機器3110は、自動二輪車3001の部品のいずれかに配置されうる。センサ3112は、測定した湿度を、コントローラ3114に出力する。この例では、第1アンテナ3060bの配置位置は、センサ機器3110の近傍の、自動二輪車3001の部品のいずれかであってよい。
例えば、センサ3112は、気圧センサを含んで構成される場合、自動二輪車3001の周囲の気圧を測定する。この例では、センサ3112を含むセンサ機器3110は、自動二輪車3001の部品のいずれかに配置されうる。センサ3112は、測定した気圧を、コントローラ3114に出力する。この例では、第1アンテナ3060bの配置位置は、センサ機器3110の近傍の、自動二輪車3001の部品のいずれかであってよい。
例えば、センサ3112は、照度センサを含んで構成される場合、自動二輪車3001の周囲の照度を測定しうる。この例では、センサ3112を含むセンサ機器3110は、自動二輪車3001の部品のいずれかに配置されうる。センサ3112は、測定した照度を、コントローラ3114に出力する。この例では、第1アンテナ3060bの配置位置は、センサ機器3110の近傍の、自動二輪車3001の部品のいずれかであってよい。
例えば、センサ3112は、フロートを含んで構成される場合、自動二輪車3001の原動機の燃料残量を測定しうる。この例では、センサ3112を含むセンサ機器3110は、図108に示す燃料タンク3001Bの内部に配置されうる。センサ3112は、測定した燃料残量を、コントローラ3114に出力する。この例では、第1アンテナ3060bの配置位置は、燃料タンク3001Bであってよい。
例えば、センサ3112は、フロートを含んで構成される場合、自動二輪車3001の原動機の潤滑油残量を測定しうる。この例では、センサ3112を含むセンサ機器3110は、潤滑油が収容される容器の内部、または付近に配置されうる。センサ3112は、測定した潤滑油残量を、コントローラ3114に出力する。この例では、第1アンテナ3060bの配置位置は、図108に示す燃料タンク3001Bであってよい。
例えば、センサ3112は、カメラを含んで構成される場合、運転者の顔画像を撮影(測定)する。この例では、センサ3112を備えるセンサ機器3110は、図108に示すハンドル3001A、または燃料タンク3001Bに配置されうる。センサ3112は、測定した運転者の顔画像を、コントローラ3114に出力する。この例では、第1アンテナ3060bの配置位置は、ハンドル3001A、または燃料タンク3001Bであってよい。
例えば、センサ3112は、生体センサを含んで構成される場合、運転者の心拍数、および脈拍数の少なくとも1つを測定する。生体センサは、マイクロ波センサであってよい。この例では、センサ3112を備えるセンサ機器3110は、図108に示すハンドル3001A、または燃料タンク3001B、またはフロントフォーク3001Mに配置されうる。センサ3112は、測定した心拍数および脈拍数を、コントローラ3114に出力する。この例では、第1アンテナ3060bの配置位置は、ハンドル3001A、燃料タンク3001B、またはフロントフォーク3001Mであってよい。
再び図115を参照して、メモリ3113は、例えば、半導体メモリ等で構成されてよい。メモリ3113は、コントローラ3114のワークメモリとして機能してよい。メモリ3113は、コントローラ3114に含まれてよい。
コントローラ3114は、例えば、プロセッサを含みうる。コントローラ3114は、1以上のプロセッサを含んでよい。プロセッサは、特定のプログラムを読み込ませて特定の機能を実行する汎用のプロセッサ、および特定の処理に特化した専用のプロセッサを含んでよい。専用のプロセッサは、特定用途向けICを含んでよい。プロセッサは、プログラマブルロジックデバイスを含んでよい。PLDは、FPGAを含んでよい。コントローラ3114は、1つまたは複数のプロセッサが協働するSoC、およびSiPのいずれかであってよい。コントローラ3114は、メモリ3113に、各種情報、またはセンサ機器3110の各構成部を動作させるためのプログラム等を格納してよい。
コントローラ3114は、センサ3112から、自動二輪車3001のデータを取得する。自動二輪車3001のデータは、自動二輪車3001の速度、自動二輪車3001に働く加速度、自動二輪車3001の角速度、自動二輪車3001の周囲の磁気、自動二輪車3001の周囲の温度、自動二輪車3001の周囲の湿度、自動二輪車3001の周囲の気圧、および自動二輪車3001の周囲の照度を含んでよい。自動二輪車3001のデータは、ブレーキレバー3001Qにかかる圧力、クラッチレバー3001Rにかかる圧力、およびシフトレバー3001Sにかかる圧力を含んでよい。自動二輪車3001のデータは、燃料残量、原動機の冷却水の温度、原動機の油温度、および原動機の潤滑油残量を含んでよい。
コントローラ3114は、センサ3112から運転者の生体データを取得してよい。運転者の生体データは、顔画像、心拍数、および脈拍数を含んでよい。
コントローラ3114は、第1アンテナ3060bがGPS衛星と通信可能に構成される場合、第1アンテナ3060bが受信したGPS信号に基づいて、自動二輪車3001の位置情報を、取得してよい。
コントローラ3114は、自動二輪車3001のデータに応じた送信信号を生成する。コントローラ3114は、運転者の生体データに応じた送信信号を生成してよい。コントローラ3114は、自動二輪車3001の位置情報に応じた送信信号を生成してよい。この送信信号は、センサ機器3110から通信機器3120へ送信されうる。コントローラ3114は、センサ機器3110と通信機器3120との間の通信規格に従って、送信信号を生成してよい。コントローラ3114は、生成した送信信号に応じた電力を第1アンテナ3060bの第1給電線3061に供給する。コントローラ3114は、送信信号に応じた電力を第1アンテナ3060bの第1給電線3061に供給することで、送信信号を電磁波として通信機器3120に送信する。
通信機器3120は、ネットワーク3002を介して情報処理装置3003と通信することができる。通信機器3120と情報処理装置3003との間の通信規格は、遠距離通信規格であってよい。遠距離通信規格は、2G(2nd Generation)、3G(3rd Generation)、4G(4th Generation)、LTE(Long Term Evolution)、WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)、およびPHS(Personal Handy-phone System)を含んでよい。通信機器3120は、移動体3004と直接通信することができる。通信機器3120と移動体3004との間の通信規格は、近距離通信規格であってよい。近距離通信規格は、WiFi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、および無線LANを含んでよい。
通信機器3120は、少なくとも1つの第1アンテナ3060cと、電池3121と、メモリ3123と、コントローラ3124とを有する。通信機器3120は、通信機器3120の外部または外面に、第1アンテナ3060cを有してよい。通信機器3120は、電池3121を有さない場合、自動二輪車3001に備えられる他の電池から供給される電力によって、動作してよい。
第1アンテナ3060cは、センサ機器3110の第1アンテナ3060bとは独立した、上述の第1アンテナ3060aであってよい。
第1アンテナ3060cは、通信機器3120と他の装置との間の通信で使用される周波数帯に応じて適宜構成されてよい。言い換えると、第1アンテナ3060cに含まれる、第1導体31、第2導体32、第3導体40、および第4導体50のそれぞれは、通信機器3120と他の装置との間の通信で使用される周波数帯に応じて、適宜構成されてよい。
第1アンテナ3060cの配置位置は、通信機器3120の通信相手に応じて、図108を参照して上述した配置位置の中から、適宜選択されてよい。
例えば通信相手が情報処理装置3003および移動体3004である場合、第1アンテナ3060cの配置位置は、図108に示すリヤフェンダー3001E、ナンバープレート3001F、フロントフェンダー3001K、ランプ3001N、フロントフォーク3001M、およびリアランプ3001Pであってよい。第1アンテナ3060cがリヤフェンダー3001E、ナンバープレート3001F、またはリアランプ3001Pに配置されることで、第1アンテナ3060cからの電磁波は、自動二輪車3001の後方に、放射されやすくなりうる。第1アンテナ3060cがフロントフォーク3001M、またはランプ3001Nに配置されることで、第1アンテナ3060cからの電磁波は、自動二輪車3001の前方に、放射されやすくなりうる。第1アンテナ3060cからの電磁波が自動二輪車3001の前方または後方に放射されやすくなることで、通信機器3120と情報処理装置3003および移動体3004との間の通信が安定化されうる。
例えば通信相手がGPS衛星である場合、第1アンテナ3060cの配置位置は、図108に示す燃料タンク3001Bであってよい。第1アンテナ3060cが図108に示す燃料タンク3001Bに配置されることで、第1アンテナ3060cは、GPS衛星からの電磁波を受信しやすくなる。
第1アンテナ3060cは、他の装置からの電磁波を、受信信号として受信しうる。第1アンテナ3060cが受信した受信信号は、第1アンテナ3060cの第1給電線3061を経由して、コントローラ3124に伝送される。また、第1アンテナ3060cは、第1アンテナ3060cの第1給電線3061に電力が供給されることにより、他の装置に、送信信号としての電磁波を、放射しうる。
電池3121は、第1アンテナ3060c、メモリ3123、およびコントローラ3124の少なくとも1つに電力を供給しうる。電池3121は、例えば、一次電池および二次電池の少なくとも一方を含みうる。電池3121のマイナス極は、第1アンテナ3060cの第4導体50に電気的に接続される。
メモリ3123は、例えば、半導体メモリ等で構成されてよい。メモリ3123は、コントローラ3124のワークメモリとして機能してよい。メモリ3123は、コントローラ3124に含まれてよい。メモリ3123は、自動二輪車3001の識別情報および利用者の生体データを記憶してよい。自動二輪車3001の識別情報は、自動二輪車3001に固有の情報であってよい。自動二輪車3001の識別情報は、数字、および/または文字の組み合わせで構成されてよい。
コントローラ3124は、例えば、プロセッサを含みうる。プロセッサは、特定のプログラムを読み込ませて特定の機能を実行する汎用のプロセッサ、および特定の処理に特化した専用のプロセッサを含んでよい。専用のプロセッサは、特定用途向けICを含んでよい。プロセッサは、プログラマブルロジックデバイスを含んでよい。PLDは、FPGAを含んでよい。コントローラ3124は、1以上のプロセッサを含んでよい。コントローラ3124は、1つまたは複数のプロセッサが協働するSoC、およびSiPのいずれかであってよい。コントローラ3124は、メモリ3123に、各種情報、または通信機器3120の各構成部を動作させるためのプログラム等を格納してよい。コントローラ3124は、メモリ3123に、外部の情報処理装置3003等から取得した、自動二輪車3001の識別情報を格納してよい。コントローラ3124は、メモリ3123に、外部の情報処理装置3003等から取得した、利用者の生体データを格納してよい。
コントローラ3124は、例えば第1アンテナ3060cの第1給電線3061を経由して、センサ機器3110からの受信信号を取得する。受信信号は、センサ機器3110が測定した、自動二輪車3001のデータおよび運転者の生体データを含みうる。受信信号は、センサ機器3110が自動二輪車3001の位置情報を測定可能に構成される場合、自動二輪車3001の位置情報を含みうる。
コントローラ3124は、自動二輪車3001のデータに基づいて、自動二輪車3001の運転状態を検出してよい。自動二輪車3001の運転状態は、自動二輪車3001の走行距離、自動二輪車3001の旋回方向、自動二輪車3001の走行中の転倒、および自動二輪車3001の運転中の一時停止を含んでよい。
例えば、コントローラ3124は、自動二輪車3001のデータに含まれる加速度に基づいて、自動二輪車3001の走行距離を算出してよい。
例えば、コントローラ3124は、自動二輪車3001のデータに含まれる自動二輪車3001の速度および角速度に基づいて、自動二輪車3001の旋回方向を検出してよい。
例えば、コントローラ3124は、自動二輪車3001のデータに含まれる自動二輪車3001の速度および角速度に基づいて、自動二輪車3001の走行中の転倒を検出してよい。ここで、自動二輪車3001が走行中に転倒すると、自動二輪車3001が傾くため、所定値以上の角速度が測定されうる。
例えば、コントローラ3124は、自動二輪車3001のデータに含まれる自動二輪車3001の速度および角速度に基づいて、自動二輪車3001の運転中の一時停止を検出してよい。ここで、運転者は、自動二輪車3001の運転中に自動二輪車3001を一時停止させるとき、自動二輪車3001を傾けて自身の足を地面に付ける。運転者が自動二輪車3001を傾けて自身の足を地面に付けたとき、所定速度未満の速度が測定され、且つ所定値以上の角速度が測定されうる。
コントローラ3124は、自動二輪車3001のデータに基づいて、運転者の運転操作を検出してよい。運転操作は、ブレーキレバー3001Qに対する運転者の操作、クラッチレバー3001Rに対する運転者の操作、およびシフトレバー3001Sに対する運転者の操作を含んでよい。
例えば、コントローラ3124は、自動二輪車3001のデータに含まれるブレーキレバー3001Qにかかる圧力に基づいて、ブレーキレバー3001Qに対する運転者の操作を検出してよい。
例えば、コントローラ3124は、自動二輪車3001のデータに含まれるクラッチレバー3001Rにかかる圧力に基づいて、クラッチレバー3001Rに対する運転者の操作を検出してよい。
例えば、コントローラ3124は、自動二輪車3001のデータに含まれるシフトレバー3001Sにかかる圧力に基づいて、シフトレバー3001Sに対する運転者の操作を検出してよい。
コントローラ3124は、自動二輪車3001のデータに基づいて、自動二輪車3001の燃料状態を検出してよい。自動二輪車3001の燃料状態は、燃料残量、燃料消費量、原動機の冷却水の温度、原動機の油温度、および原動機の潤滑油残量を含んでよい。例えば、コントローラ3124は、自動二輪車3001のデータに含まれる燃料残量に基づいて、燃料消費量を算出してよい。
コントローラ3124は、第1アンテナ3060cがGPS衛星と通信可能に構成される場合、第1アンテナ3060cが受信したGPS信号に基づいて、自動二輪車3001の位置情報を、取得してよい。
コントローラ3124は、通信機器3120から情報処理装置3003への送信信号を、生成してよい。コントローラ3124は、自動二輪車3001のデータ、自動二輪車3001の運転状態、自動二輪車3001の運転操作、自動二輪車3001の燃料状態、および自動二輪車3001の位置情報の少なくとも1つに応じた、送信信号を生成してよい。コントローラ3124は、メモリ3123に格納された自動二輪車3001の識別情報が含まれるように、送信信号を生成してよい。コントローラ3124は、通信機器3120と情報処理装置3003との間の通信規格に従って、送信信号を生成してよい。コントローラ3124は、生成した送信信号に応じた電力を、第1アンテナ3060cの第1給電線3061に供給する。コントローラ3124は、送信信号に応じた電力を第1アンテナ3060cの第1給電線3061に供給することで、送信信号を通信機器3120から情報処理装置3003に、電磁波として送信する。
例えば、コントローラ3124は、通信機器3120から情報処理装置3003への送信信号として、自動二輪車3001の位置情報、および自動二輪車3001の識別情報を示す送信信号を生成してよい。通信機器3120が当該送信信号を情報処理装置3003へ送信することで、情報処理装置3003は、通信機器3120からネットワーク3002を経由して当該送信信号を取得しうる。情報処理装置3003は、当該送信信号を取得することで、自動二輪車3001の位置情報および自動二輪車3001の識別情報を取得しうる。例えば宅配サービスを提供する事業者が自動二輪車3001を所有する場合、当該事業者は、情報処理装置3003が取得した自動二輪車3001の識別情報および位置情報を閲覧することで、宅配中の自動二輪車3001の位置を把握することができる。例えば自動二輪車が盗難にあった場合、自動二輪車の所有者は、情報処理装置3003が取得した自動二輪車3001の識別情報および位置情報を閲覧することで、盗難された自動二輪車3001の位置を把握することができる。
例えば、コントローラ3124は、通信機器3120から情報処理装置3003への送信信号として、自動二輪車3001の運転操作、自動二輪車3001の燃料状態、および自動二輪車3001の識別情報を示す送信信号を生成してよい。通信機器3120が当該送信信号を情報処理装置3003へ送信することで、情報処理装置3003は、通信機器3120からネットワーク3002を経由して当該送信信号を取得しうる。情報処理装置3003は、当該送信信号を取得することで、自動二輪車3001の運転操作、自動二輪車3001の燃料状態、および自動二輪車3001の識別情報を取得しうる。例えば自動二輪車3001がオートレースで使用される場合、オートレースの開催者は、情報処理装置3003が取得した自動二輪車3001の運転操作および燃料状態を閲覧することで、自動二輪車3001の状態を把握することができる。
コントローラ3124は、通信機器3120から自動二輪車3001の周囲の移動体3004への送信信号を、生成してよい。コントローラ3124は、自動二輪車3001のデータおよび自動二輪車3001の運転状態の少なくとも1つに応じた送信信号を生成してよい。コントローラ3124は、近距離通信規格に従って、送信信号を生成してよい。コントローラ3124は、生成した送信信号に応じた電力を、第1アンテナ3060cの第1給電線3061に供給する。コントローラ3124は、送信信号に応じた電力を第1アンテナ3060cの第1給電線3061に供給することで、送信信号を通信機器3120から移動体3004に、電磁波として送信する。
例えば、コントローラ3124は、通信機器3120から周囲の移動体3004への送信信号として、自動二輪車3001の旋回方向を示す送信信号を生成してよい。コントローラ3124は、自動二輪車3001の旋回方向を検出したときに、送信信号を生成してよい。移動体3004は、通信機器3120から当該送信信号を取得することで、自動二輪車3001の旋回方向の情報を取得しうる。例えば移動体3004が自動車である場合、当該自動車の運転者は、自動二輪車3001の旋回方向を把握することができる。当該自動車の運転者が自動二輪車3001の旋回方向を把握することで、移動体3004と自動二輪車3001との事故が避けられうる。
例えば、コントローラ3124は、通信機器3120から周囲の移動体3004への送信信号として、自動二輪車3001の走行中の転倒を示す送信信号を生成してよい。コントローラ3124は、自動二輪車3001の走行中の転倒を検出したときに、送信信号を生成してよい。移動体3004は、通信機器3120から当該送信信号を取得することで、自動二輪車3001の走行中の転倒の情報を取得しうる。例えば移動体3004が自動車である場合、当該自動車の運転者は、自動二輪車3001の転倒を把握することで、自動二輪車3001との衝突を避けるために、速やかに当該自動車を停止させることができる。
コントローラ3124は、自動二輪車3001の運転者の生体データと、メモリ3123に格納された利用者の生体データとに基づいて、運転者と利用者とが同一人物であるか否か判定してよい。コントローラ3124は、自動二輪車3001の運転者と自動二輪車3001の利用者とが同一人物ではないと判定したとき、警告を示す送信信号を生成してよい。この送信信号は、通信機器3120から情報処理装置3003に送信されてよい。コントローラ3124は、メモリ3123に格納された自動二輪車3001の位置情報が含まれるように送信信号を生成してよい。情報処理装置3003は、当該送信信号を取得することで、警告を示す信号、および自動二輪車3001の位置情報を取得しうる。例えば、自動二輪車3001の利用者は、情報処理装置3003が取得した警告を示す信号から、自動二輪車3001が盗難にあったことを知ることができる。自動二輪車3001の盗難を知った利用者は、情報処理装置3003が取得した自動二輪車3001の位置情報から、自動二輪車3001の存在場所を知ることができる。
[自動二輪車の機能の他の例]
図116は、図108に示す自動二輪車3001の他の例の機能ブロック図である。自動二輪車3001は、センサ機器3110と、表示機器3130とを備える。センサ機器3110と表示機器3130とは、互いに無線通信することができる。無線通信は、近距離通信規格に基づいてよい。近距離通信規格は、WiFi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、および無線LANを含んでよい。
センサ機器3110は、自動二輪車3001のデータを、表示機器3130に送信しうる。センサ機器3110は、運転者の生体データを、表示機器3130に送信しうる。センサ機器3110は、自動二輪車3001の位置情報を、表示機器3130に送信しうる。センサ機器3110には、図108に示すセンサ機器3110と同様の構成が採用されてよい。
表示機器3130は、各種のデータを、運転者に提示する。表示機器3130は、カーナビゲーションであってよい。表示機器3130は、図108に示す自動二輪車3001の部品のいずれかに適宜配置されてよい。一例として、表示機器3130は、図108に示すハンドル3001A、または燃料タンク3001Bに配置されてよい。
表示機器3130は、少なくとも1つの第1アンテナ3060dと、電池3131と、表示デバイス3132と、メモリ3133と、コントローラ3134とを有する。表示機器3130は、表示機器3130の外部または外面に、第1アンテナ3060dを有してよい。表示機器3130は、電池3131を有さない場合、自動二輪車3001に備えられる他の電池から供給される電力によって、動作してよい。
第1アンテナ3060dは、センサ機器3110の第1アンテナ3060bとは独立した、上述の第1アンテナ3060aであってよい。
第1アンテナ3060dは、表示機器3130と他の装置との間の通信で使用される使用周波数帯に応じて適宜構成されてよい。言い換えると、第1アンテナ3060dに含まれる、第1導体31、第2導体32、第3導体40、および第4導体50のそれぞれは、表示機器3130と他の装置との間の通信で使用される周波数帯に応じて、適宜構成されてよい。例えば、第1アンテナ3060dは、表示機器3130とセンサ機器3110との間の近距離通信で使用される使用周波数帯に応じて、適宜構成されてよい。例えば、第1アンテナ3060dは、表示機器3130とGPS衛星との間の通信で使用される周波数帯に応じて構成されてよい。
第1アンテナ3060dは、他の装置からの電磁波を、受信信号として受信しうる。第1アンテナ3060dが受信した受信信号は、第1アンテナ3060dの第1給電線3061を経由して、コントローラ3134に伝送される。また、第1アンテナ3060dは、第1アンテナ3060dの第1給電線3061に電力が供給されることにより、他の装置に、送信信号としての電磁波を、放射しうる。
第1アンテナ3060dの配置位置は、表示機器3130の配置位置に応じて、または表示機器3130の通信相手に応じて、図108を参照して上述した配置位置から、適宜選択されてよい。
例えば表示機器3130が図108に示すハンドル3001Aに配置される場合、第1アンテナ3060dの配置位置は、ハンドル3001Aであってよい。例えば表示機器3130が図108に示す燃料タンク3001Bに配置される場合、第1アンテナ3060dの配置箇所は、燃料タンク3001Bであってよい。
例えば表示機器3130の通信相手がGPS衛星である場合、第1アンテナ3060dの配置位置は、図108に示す燃料タンク3001Bであってよい。第1アンテナ3060dが図108に示す燃料タンク3001Bに配置されることで、第1アンテナ3060dは、GPS衛星からの電磁波を受信しやすくなる。
電池3131は、第1アンテナ3060d、表示デバイス3132、メモリ3133、およびコントローラ3134の少なくとも1つに電力を供給しうる。電池3131は、例えば、一次電池および二次電池の少なくとも一方を含みうる。電池3131のマイナス極は、第1アンテナ3060dの第4導体50に電気的に接続される。
表示デバイス3132は、LCD(Liquid Crystal Display)、有機EL(Electro Luminescence)または無機ELを含んで構成されてよい。表示デバイス3132は、コントローラ3134の制御に基づいて、文字、画像、操作用オブジェクト、およびポインタ等を表示する。
メモリ3133は、例えば、半導体メモリ等で構成されてよい。メモリ3133は、コントローラ3134のワークメモリとして機能してよい。メモリ3133は、コントローラ3134に含まれてよい。
コントローラ3134は、例えば、プロセッサを含みうる。プロセッサは、特定のプログラムを読み込ませて特定の機能を実行する汎用のプロセッサ、および特定の処理に特化した専用のプロセッサを含んでよい。専用のプロセッサは、特定用途向けICを含んでよい。プロセッサは、プログラマブルロジックデバイスを含んでよい。PLDは、FPGAを含んでよい。コントローラ3134は、1以上のプロセッサを含んでよい。コントローラ3134は、1つまたは複数のプロセッサが協働するSoC、およびSiPのいずれかであってよい。コントローラ3134は、メモリ3133に、各種情報、または表示機器3130の各構成部を動作させるためのプログラム等を格納してよい。
コントローラ3134は、例えば第1アンテナ3060dの第1給電線3061を経由して、センサ機器3110からの受信信号を取得する。受信信号は、センサ機器3110が測定した、自動二輪車3001のデータおよび運転者の生体データを含みうる。受信信号は、センサ機器3110が自動二輪車3001の位置情報を測定可能に構成される場合、自動二輪車3001の位置情報を含みうる。
コントローラ3134は、第1アンテナ3060dがGPS衛星と通信可能に構成される場合、第1アンテナ3060dが受信したGPS信号に基づいて、自動二輪車3001の位置情報を、取得してよい。
コントローラ3134は、自動二輪車3001のデータに含まれる加速度に基づいて、自動二輪車3001の走行距離を算出してよい。コントローラ3134は、自動二輪車3001のデータに含まれる燃料残量に基づいて、燃料消費量を算出してよい。
コントローラ3134は、各種情報を、表示デバイス3132に表示させてよい。例えば、コントローラ3134は、自動二輪車3001のデータに含まれる自動二輪車3001の速度を、表示デバイス3132に表示させてよい。例えば、コントローラ3134は、自動二輪車3001の位置情報を、表示デバイス3132に表示させてよい。例えば、コントローラ3134は、自動二輪車3001のデータに含まれる自動二輪車3001の燃料状態を、表示デバイス3132に表示させてよい。例えば、コントローラ3134は、算出した燃料消費量を、表示デバイス3132に表示させてよい。例えば、コントローラ3134は、運転者の生体データに含まれる心拍数および脈拍数を、表示デバイス3132に表示させてよい。
コントローラ3134は、表示機器3130からセンサ機器3110への送信信号を、生成してよい。コントローラ3134は、表示機器3130とセンサ機器3110との間の近距離通信規格に従って、送信信号を生成してよい。コントローラ3134は、生成した送信信号に応じた電力を、第1アンテナ3060dの第1給電線3061に供給する。コントローラ3134は、送信信号に応じた電力を第1アンテナ3060dの第1給電線3061に供給することで、表示機器3130からセンサ機器3110に送信信号を送信する。
このようにセンサ機器3110および表示機器3130は、独立した第1アンテナ3060bおよび第1アンテナ3060dをそれぞれ有することで、互いに無線通信することができる。センサ機器3110と表示機器3130とが無線通信することで、自動二輪車3001に取り付けられるケーブル等を減らすことができる。自動二輪車3001に取り付けられるケーブル等を減らすことで、自動二輪車3001は、軽量化されうる。自動二輪車3001が軽量化されうることで、自動二輪車3001の利便性が向上しうる。
[自動二輪車の機能のさらに他の例]
図117は、図108に示す自動二輪車3001のさらに他の例の機能ブロック図である。自動二輪車3001は、検出機器3140と、制御機器3150とを備える。検出機器3140と制御機器3150とは、互いに無線通信することができる。無線通信は、近距離通信規格に基づいてよい。近距離無線通信規格は、WiFi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、および無線LANを含んでよい。
検出機器3140は、運転者の操作を検出してよい。検出機器3140は、自動二輪車3001の部品であってよい。
例えば、検出機器3140は、図108に示すブレーキレバー3001Qであってよい。この例では、検出機器3140は、ブレーキレバー3001Qに対する運転者の操作を検出しうる。
例えば、検出機器3140は、図108に示すクラッチレバー3001Rであってよい。この例では、検出機器3140は、クラッチレバー3001Rに対する運転者の操作を検出しうる。
例えば、検出機器3140は、図108に示すシフトレバー3001Sであってよい。この例では、検出機器3140は、シフトレバー3001Sに対する運転者の操作を検出しうる。
検出機器3140は、自動二輪車3001の周囲の環境を検出してよい。例えば、検出機器3140は、自動二輪車3001の周囲の照度を検出してよい。
検出機器3140は、少なくとも1つの第1アンテナ3060eと、電池3141と、検出部3142と、メモリ3143と、コントローラ3144とを有する。検出機器3140は、検出機器3140の外部または外面に、第1アンテナ3060eを有してよい。検出機器3140は、電池3141を有さない場合、自動二輪車3001に備えられる他の電池から供給される電力によって、動作してよい。
第1アンテナ3060eは、制御機器3150の第1アンテナ3060fとは独立した、上述の第1アンテナ3060aであってよい。
第1アンテナ3060eの配置位置は、検出機器3140でありうる自動二輪車3001の部品に応じて、または検出機器3140の用途に応じて、図108を参照して上述した配置位置から、適宜選択されてよい。
例えば検出機器3140が図108に示すブレーキレバー3001Qである場合、第1アンテナ3060eの配置位置は、ブレーキレバー3001Qであってよいし、ブレーキレバー3001Qの近傍のフロントフォーク3001Mであってよい。
例えば検出機器3140が図108に示すクラッチレバー3001Rである場合、第1アンテナ3060eの配置位置は、クラッチレバー3001Rであってよいし、クラッチレバー3001Rの近傍のフロントフォーク3001Mであってよい。
例えば検出機器3140が図108に示すシフトレバー3001Sである場合、第1アンテナ3060eの配置位置は、シフトレバー3001Sであってよいし、シフトレバー3001Sの近傍のクランクケース3001Hであってよい。
例えば検出機器3140の用途が自動二輪車3001の周囲の照度の検出である場合、第1アンテナ3060eの配置位置は、自動二輪車3001の部品のいずれかであってよい。
第1アンテナ3060eは、検出機器3140と他の装置との間の通信で使用される周波数帯に応じて適宜構成されてよい。言い換えると、第1アンテナ3060eに含まれる、第1導体31、第2導体32、第3導体40、および第4導体50のそれぞれは、検出機器3140と他の装置との間の通信で使用される周波数帯に応じて、適宜構成されてよい。
第1アンテナ3060eは、他の装置からの電磁波を、受信信号として受信しうる。第1アンテナ3060eが受信した受信信号は、第1アンテナ3060eの第1給電線3061を経由して、コントローラ3144に伝送される。また、第1アンテナ3060eは、第1アンテナ3060eの第1給電線3061に電力が供給されることにより、他の装置に、送信信号としての電磁波を、放射しうる。
電池3141は、第1アンテナ3060e、検出部3142、メモリ3143、およびコントローラ3144の少なくとも1つに電力を供給しうる。電池3141は、例えば、一次電池および二次電池の少なくとも一方を含みうる。電池3141のマイナス極は、第1アンテナ3060eの第4導体50に電気的に接続される。
検出部3142は、運転者の操作を検出する。検出部3142は、検出機器3140でありうる自動二輪車3001の部品の仕様等に応じて、適宜構成されてよい。
例えば、検出機器3140は、図108に示すブレーキレバー3001Qでありうる。ブレーキレバー3001Qの仕様は、ブレーキレバー3001Qにかかる圧力に応じて、自動二輪車3001のブレーキ機能を発揮することでありうる。この例では、検出部3142は、圧力センサを含んで構成されてよい。検出部3142は、圧力センサによって、ブレーキレバー3001Qにかかる圧力を検出する。検出部3142は、検出した圧力を、コントローラ3144に出力する。
例えば、検出機器3140は、図108に示すクラッチレバー3001Rでありうる。クラッチレバー3001Rの仕様は、クラッチレバー3001Rにかかる圧力に応じて、自動二輪車3001の原動機と、自動二輪車3001のトランスミッションとの間を断続させることである。この例では、検出部3142は、圧力センサを含んで構成されてよい。検出部3142は、圧力センサによって、クラッチレバー3001Rにかかる圧力を検出する。検出部3142は、検出した圧力を、コントローラ3144に出力する。
例えば、検出機器3140は、図108に示すシフトレバー3001Sでありうる。シフトレバー3001Sの仕様は、シフトレバー3001Sにかかる圧力に応じて、自動二輪車3001の変速率を変えることである。変速率は、自動二輪車3001の原動機の動力を、自動二輪車3001の後ろのホイールの回転に変換させる際の効率である。この例では、検出部3142は、圧力センサを含んで構成されてよい。検出部3142は、圧力センサによって、シフトレバー3001Sにかかる圧力を検出する。検出部3142は、検出した圧力を、コントローラ3144に出力する。
検出部3142は、自動二輪車3001の周囲の環境を検出してよい。検出部3142は、検出する自動二輪車3001の周囲の環境に応じて適宜構成されてよい。
例えば、検出機器3140が自動二輪車3001の周囲の照度を検出する場合、検出部3142は、照度センサを含んで構成されてよい。検出部3142は、照度センサによって、自動二輪車3001の周囲の照度を検出する。検出部3142は、検出した照度を、コントローラ3144に出力する。
メモリ3143は、例えば、半導体メモリ等で構成されてよい。メモリ3143は、コントローラ3144のワークメモリとして機能してよい。メモリ3143は、コントローラ3144に含まれてよい。
コントローラ3144は、例えば、プロセッサを含みうる。プロセッサは、特定のプログラムを読み込ませて特定の機能を実行する汎用のプロセッサ、および特定の処理に特化した専用のプロセッサを含んでよい。専用のプロセッサは、特定用途向けICを含んでよい。プロセッサは、プログラマブルロジックデバイスを含んでよい。PLDは、FPGAを含んでよい。コントローラ3144は、1以上のプロセッサを含んでよい。コントローラ3144は、1つまたは複数のプロセッサが協働するSoC、およびSiPのいずれかであってよい。コントローラ3144は、メモリ3143に、各種情報、または検出機器3140の各構成部を動作させるためのプログラム等を格納してよい。コントローラ3144は、第1アンテナ3060eの第1給電線3061を経由して、制御機器3150からの受信信号を取得してよい。
コントローラ3144は、検出部3142の検出結果に基づいて、制御信号を生成する。
例えば、コントローラ3144は、検出部3142が検出したブレーキレバー3001Qにかかる圧力に基づき、ブレーキ機能の実行を示す信号を、制御信号として生成する。
例えば、コントローラ3144は、検出部3142が検出したクラッチレバー3001Rにかかる圧力に基づいて、自動二輪車3001の原動機とトランスミッションとの間の断続を示す信号を、制御信号として生成する。
例えば、コントローラ3144は、検出部3142が検出したシフトレバー3001Sにかかる圧力に基づいて、変速率を示す信号を、制御信号として生成する。
例えば、コントローラ3144は、検出部3142が検出した照度に基づいて、ランプ3001Nの点灯を示す信号、またはランプ3001Nの消灯を示す信号を、制御信号として生成する。コントローラ3114は、検出部3142が検出した照度が所定値未満であるとき、ランプ3001Nの点灯を示す信号を、制御信号として生成してよい。また、コントローラ3144は、ランプ3001Nの点灯中、検出部3142が検出した照度が所定値以上であるとき、ランプ3001Nの消灯を示す信号を、制御信号として生成してよい。
コントローラ3144は、生成した制御信号に応じて、送信信号を生成する。この送信信号は、検出機器3140から制御機器3150へ送信されうる。コントローラ3144は、検出機器3140と制御機器3150との間の近距離通信規格に従って、送信信号を生成してよい。コントローラ3144は、生成した送信信号に応じた電力を、第1アンテナ3060eの第1給電線3061に供給する。
コントローラ3144は、第1アンテナ3060eの第1給電線3061を経由して、制御機器3150からの受信信号を取得してよい。
制御機器3150は、検出機器3140から取得した制御信号に基づいて、自動二輪車3001の機能を制御する。制御機器3150は、自動二輪車3001の部品であってよい。例えば、制御機器3150は、自動二輪車3001のブレーキ、クラッチ、またはトランスミッションであってよい。例えば、制御機器3150は、ランプ3001Nであってよい。
制御機器3150は、少なくとも1つの第1アンテナ3060fと、電池3151と、機構3152と、メモリ3153と、コントローラ3154とを有する。制御機器3150は、制御機器3150の外部または外面に、第1アンテナ3060fを有してよい。制御機器3150は、電池3151を有さない場合、自動二輪車3001に備えられる他の電池から供給される電力によって、動作してよい。
第1アンテナ3060fは、検出機器3140の第1アンテナ3060eとは独立した、上述の第1アンテナ3060aであってよい。
第1アンテナ3060fは、制御機器3150と他の装置との間の通信で使用される周波数帯に応じて適宜構成されてよい。言い換えると、第1アンテナ3060fに含まれる、第1導体31、第2導体32、第3導体40、および第4導体50のそれぞれは、制御機器3150と他の装置との間の通信で使用される周波数帯に応じて、適宜構成されてよい。
第1アンテナ3060fは、他の装置からの電磁波を、受信信号として受信しうる。第1アンテナ3060fが受信した受信信号は、第1アンテナ3060fの第1給電線3061を経由して、コントローラ3154に伝送される。また、第1アンテナ3060fは、第1アンテナ3060fの第1給電線3061に電力が供給されることにより、他の装置に、送信信号としての電磁波を、放射しうる。
第1アンテナ3060fの配置位置は、制御機器3150でありうる自動二輪車3001の部品に応じて、図108を参照した上述した配置位置から、適宜選択されてよい。
例えば制御機器3150がブレーキである場合、第1アンテナ3060fの配置位置は、図108に示すホイール3001Lのリム3001L−1であってよい。
例えば制御機器3150がクラッチである場合、第1アンテナ3060fの配置位置は、クラッチの近傍の、図108に示すマフラーカバー3001G、クランクケース3001H、またはシリンダーヘッドカバー3001Jであってよい。
例えば制御機器3150がトランスミッションである場合、第1アンテナ3060fの配置位置は、トランスミッションの近傍の、図108に示すマフラーカバー3001G、クランクケース3001H、またはシリンダーヘッドカバー3001Jであってよい。
例えば制御機器3150が図108に示すランプ3001Nである場合、第1アンテナ3060fの配置位置は、ランプ3001Nであってよいし、ランプ3001Nの近傍のフロントフォーク3001Mであってよい。
電池3151は、第1アンテナ3060f、機構3152、メモリ3153、およびコントローラ3154の少なくとも1つに電力を供給しうる。電池3151は、例えば、一次電池および二次電池の少なくとも一方を含みうる。電池3151のマイナス極は、第1アンテナ3060fの第4導体50に電気的に接続される。
機構3152は、例えば制御機器3150でありうる自動二輪車3001の部品に応じて、任意の部材を含んで構成されてよい。
例えば制御機器3150がブレーキである場合、機構3152は、図108に示すホイール3001L等を狭持可能なブレーキパットを含んで構成されてよい。
例えば制御機器3150がクラッチである場合、機構3152は、スプリング、プレート、およびディスク等を含んで構成されてよい。
例えば制御機器3150がトランスミッションである場合、機構3152は、歯車、およびチェーン等を含んで構成されてよい。
例えば制御機器3150がランプ3001Nである場合、機構3152は、LEDを含んで構成されてよい。
メモリ3153は、例えば、半導体メモリ等で構成されてよい。メモリ3153は、コントローラ3154のワークメモリとして機能してよい。メモリ3153は、コントローラ3154に含まれてよい。
コントローラ3154は、例えば、プロセッサを含みうる。プロセッサは、特定のプログラムを読み込ませて特定の機能を実行する汎用のプロセッサ、および特定の処理に特化した専用のプロセッサを含んでよい。専用のプロセッサは、特定用途向けICを含んでよい。プロセッサは、プログラマブルロジックデバイスを含んでよい。PLDは、FPGAを含んでよい。コントローラ3154は、1以上のプロセッサを含んでよい。コントローラ3154は、1つまたは複数のプロセッサが協働するSoC、およびSiPのいずれかであってよい。コントローラ3154は、メモリ3153に、各種情報、または制御機器3150の各構成部を動作させるためのプログラム等を格納してよい。
コントローラ3154は、第1アンテナ3060fの給電線を経由して、検出機器3140からの受信信号を取得する。受信信号は、制御信号を含みうる。制御信号は、ブレーキ機能の実行を示す信号、自動二輪車3001の原動機とトランスミッションとの間の断続を示す信号、変速率を示す信号、ランプ3001Nの点灯を示す信号、およびランプ3001Nの消灯を示す信号を含んでよい。コントローラ3154は、制御信号に応じて、機構3152を制御する。
例えば制御機器3150がブレーキである場合、コントローラ3154は、ブレーキ機能の実行を示す信号に応じて、機構3152を制御する。
例えば制御機器3150がクラッチである場合、コントローラ3154は、自動二輪車3001の原動機とトランスミッションとの間の断続を示す信号に応じて、機構3152を制御する。
例えば制御機器3150がトランスミッションである場合、コントローラ3154は、変速率を示す信号に応じて、機構3152を制御する。
例えば制御機器3150が図108に示すランプ3001Nである場合、コントローラ3154は、ランプ3001Nの点灯を示す信号に応じて、機構3152のLEDを点灯させる。コントローラ3154は、ランプ3001Nの消灯を示す信号に応じて、機構3152のLEDを消灯させる。
コントローラ3154は、制御機器3150から検出機器3140への送信信号を、生成してよい。コントローラ3154は、制御機器3150と検出機器3140との間の近距離通信規格に従って、送信信号を生成してよい。コントローラ3154は、生成した送信信号に応じた電力を、第1アンテナ3060fの第1給電線3061に供給する。コントローラ3154は、送信信号に応じた電力を第1アンテナ3060fの第1給電線3061に供給することで、送信信号を制御機器3150から検出機器3140に電磁波として送信する。
このように検出機器3140および制御機器3150は、独立した第1アンテナ3060eおよび第1アンテナ3060fをそれぞれ有することで、互いに無線通信することができる。検出機器3140と制御機器3150とが無線通信することで、自動二輪車3001に取り付けられるケーブル等を減らすことができる。自動二輪車3001に取り付けられるケーブル等を減らすことで、自動二輪車3001は、軽量化されうる。自動二輪車3001が軽量化されうることで、自動二輪車3001の利便性が向上しうる。
本開示に係る構成は、以上説明してきた実施形態にのみ限定されるものではなく、幾多の変形または変更が可能である。例えば、各構成部等に含まれる機能等は論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の構成部等を1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。
例えば、上述した実施形態において、アンテナまたは無線通信機器が車両、移動体、またはこれらに含まれる部材の表面に設置される例を示した。しかしながら、必ずしも、アンテナまたは無線通信機器が、当該車両、移動体、またはこれらに含まれる部材の表面に設置される必要はない。例えば、アンテナまたは無線通信機器が車両、移動体、またはこれらに含まれる部材の表面に位置するように、アンテナまたは無線通信機器が、車両、移動体、またはこれらに含まれる部材の部材に、その一部として含まれてよい。
例えば、自動二輪車3001が電動バイクである場合、自動二輪車3001のデータは、電力残量、消費した電力量を含んでよい。
本開示に係る構成を説明する図は、模式的なものである。図面上の寸法比率等は、現実のものと必ずしも一致しない。
本開示において「第1」、「第2」、「第3」等の記載は、当該構成を区別するための識別子の一例である。本開示における「第1」および「第2」等の記載で区別された構成は、当該構成における番号を交換することができる。例えば、第1の周波数は、第2の周波数と識別子である「第1」と「第2」とを交換することができる。識別子の交換は同時に行われる。識別子の交換後も当該構成は区別される。識別子は削除してよい。識別子を削除した構成は、符号で区別される。例えば、第1導体31は、導体31としうる。本開示における「第1」および「第2」等の識別子の記載のみに基づいて、当該構成の順序の解釈、小さい番号の識別子が存在することの根拠、および大きい番号の識別子が存在することの根拠に利用してはならない。本開示には、第2導体層42が第2単位スロット422を有するが、第1導体層41が第1単位スロットを有さない構成が含まれる。