JPWO2019135279A1 - 高炉炉内のリングブロック積上構造 - Google Patents

高炉炉内のリングブロック積上構造 Download PDF

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泰広 若林
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貴史 大川
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Abstract

カーボンブロックを2箇所から同時にスパイラル状に積み上げて、築炉の簡易性、工期の短縮化及びカーボンブロックの長寿命化を図り、経済性及び生産性の向上に寄与する。基本ブロック13の積み始めとなる最下段にスターターブロック14を配置する。スターターブロック14は、上面部に勾配を有する勾配ブロック11と調整勾配ブロック15、直方体状のサブブロック12とからなる。リング状の円周部分を90°ごとに4つに分けた円弧エリアを設定して、勾配ブロック11と調整勾配ブロック15の上面部が、円弧エリア毎に連続した勾配を持つように構成する。サブブロック12は、対向する2つの円弧エリアに位置した勾配ブロック11の上段に配置する。サブブロック12を載せていない勾配ブロック11及びサブブロック12の上段に基本ブロック13を配置する。

Description

本発明は、カーボンブロックをリング状に配置して複数段積み上げた高炉炉内のリングブロック積上構造に関する。
一般に、高炉炉内は、高温の金属溶融体を貯留する部分であり、内部に耐火物が内張りされた耐火物構造となっている。このような高炉炉内は通常、リング状に配置したカーボンブロックを、複数段積み上げたリングブロック積上構造となっている。ここで高炉炉内のリングブロック積上構造について、図6、図7、図8を用いて説明する。
図6に示すように、カーボンブロック1は、外周面側が内周面側よりも長く設けられており、弦楽器の弦を弾く撥に似た形状となっている。このようなカーボンブロック1は、互いに接して連続して配置されることで、全体としてリング状となる。図7に示すように、カーボンブロック1をリング状に敷き並べて1段とし、これを複数段積み上げることで、高炉炉内のリングブロックを築炉している。このカーボンブロック1は、一般の窯炉で使用されている数十kgの耐火煉瓦と異なり一つの重量は数百kgになる大型ブロックであり、専用の吊り治具を使用して築炉されるものである。
従来のリングブロック積上構造では、図7に示すように、炉殻である鉄皮2の内側に、カーボンブロック1をリング状に順次敷き並べて形成する。このとき、カーボンブロック1は、追出しブロック4と呼ばれる部分を始点として敷き並べ、リング状となるように、時計回転方向及び反時計回転方向に向かって順次に敷き並べていく。
そして、図8に示すように、リング状となる円周部分の各段の最後に、いわゆる迫めブロック5を挿入しての目地締めを行って、一段を完成させる。尚、カーボンブロック1の敷き並べにおいては、隣接するカーボンブロック1同士の接触面(この部分を目地と呼ぶ)にペースト状のモルタルを塗布して施工する場合と、モルタルを塗布しないで施工する場合がある。モルタルを塗布して行う場合は、カーボンブロック1とモルタルとの密着性を向上させるために数個毎にジャッキ6等を使用して目地締めを行う。
カーボンブロック1を一段分敷き並べた後、カーボンブロック1の背面と鉄皮2との隙間には、不定形のスタンプ材などの充填材3を投入して打ち固める。充填材3は、築炉時においては敷き並べたカーボンブロック1が移動しないようにすることと、カーボンブロック1と鉄皮2との据付誤差を吸収する役割がある。
また、充填材3は、高炉稼働時においては、カーボンブロック1の熱膨張による寸法変化を吸収し応力を緩和することと、鉄皮2からの冷却能を損なわないようにする役割がある。そのため、密に充填する必要があり、充填材3の施工に時間を要している。このように、カーボンブロック1を一段ずつ据え付け、完成した段の上段に、カーボンブロック1をさらに敷き並べて新たな一段を作り、カーボンブロック1の段を順次積み上げて高炉炉内のリングブロックを築炉する。
特開平7−133989号公報
高炉炉内のリングブロック積上構造において、ブロック積上の出来栄えは、高炉の稼働成績や寿命などに影響を与えるので、高炉の性能を左右する重要な要因である。そのため、カーボンブロックの単体寸法には高精度な加工が要求される。また、カーボンブロックの仮組立などの実施も不可欠となっている。したがって、ブロック積上の施工に関しては、高度に熟練した技術および厳格な施工管理が必要とされている。このような背景に鑑みて、築炉の簡易性が従来からの課題の一つとなっている。
また、ブロック積上の施工工期は、高炉改修工期全体のおよそ3割を占めると言われるため、経済的な観点からだけではなく、稼働率の維持など生産性の観点から見ても、その短縮が強く望まれている。さらに、高炉の改修を頻繁に行うようでは、経済的なデメリットも大きい。そこで、カーボンブロックの長寿命化を図ることも重要な課題となっている。
本発明は、これらの課題を解決するために提案されたものであって、その目的は、カーボンブロックを2箇所から同時にスパイラル状に積み上げることにより、築炉の簡易性、工期の短縮化及びカーボンブロックの長寿命化を図り、経済性及び生産性の向上に寄与する高炉炉内のリングブロック積上構造を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は、カーボンブロックをリング状に配置して複数段積み上げた高炉炉内のリングブロック積上構造において、以下のような特徴を有している。
(1)前記カーボンブロックは、スターターブロックと、基本ブロックとからなる。
(2)前記スターターブロックは、リング状にして最下段に配置し、且つ、リング状の円周部分を180°ごとに2分割した半円エリアを設定するとして、前記スターターブロックの上面部が前記半円エリア毎に連続した勾配を持つように構成する。
(3)前記基本ブロックは、前記スターターブロックの上面部による勾配の段差の寸法を高さ寸法とし、前記スターターブロックの勾配に沿ってスパイラル状に積み上げるように配置する。
前記スターターブロックは、上面部に勾配を有する勾配ブロックと、勾配を有しないサブブロックとからなるようにしてもよい。前記勾配ブロックは、リング状にして最下段に配置し、且つ、リング状の円周部分を90°ごとに4分割した円弧エリアを設定するとして、前記勾配ブロックの上面部が前記円弧エリア毎に連続した勾配を持つように構成し、前記サブブロックは、対向する2つの前記円弧エリアに位置する前記勾配ブロックの上段に配置してもよい。前記基本ブロックの高さ寸法をXmmとして、前記円弧エリアに位置する前記勾配ブロックにおいて、最も低い部分と最も高い部分の差を0.5Xmmとし、前記サブブロックの高さ寸法を0.5Xmmとしてもよい。
前記サブブロックは、リング状にして最下段に配置し、前記勾配ブロックは、前記勾配ブロックの上面部が前記半円エリア毎に連続した勾配を持つように構成し、前記サブブロックの上段に配置してもよい。また、前記基本ブロックのリング状の円周方向である幅寸法をWmmとして、上下方向で接する前記各カーボンブロック同士は、0.2〜0.8Wmmの寸法で目地をずらすための調整勾配ブロックとしてもよい。
さらに、前記基本ブロックの積み終わり部分に、前記スターターブロックと上下が逆の勾配を持つようにエンドブロックを配置するようにしてもよい。また、上下方向で接する前記カーボンブロック同士は、上側の前記カーボンブロックの炉内面側の下端と、下側の前記カーボンブロックの炉内面側の上端とを、固定プレートにより固定するようにしてもよい。前記固定プレートは、上下方向で接する前記カーボンブロック同士の背面に充填材を投入し、充填材の打ち固めが終わった下側の前記カーボンブロックの炉内面のみに接着部を設ける。
本発明の高炉炉内のリングブロック積上構造によれば、最下段にリング状に配置したスターターブロックは、上面部がリング状の円周部分を180°ごとに2分割した半円エリア毎に連続した勾配を持っており、基本ブロックは、スターターブロックの上段で180°の角度で対向に配置された2か所から、スターターブロックの勾配に沿ってスパイラル状に積み上げることができ、築炉の簡易性、工期の短縮化及びカーボンブロックの長寿命化を図ることが可能となり、経済性及び生産性の向上に寄与することができる。
本実施形態の展開図 本実施形態の要部展開図 本実施形態の平面図 本実施形態の斜視図 本実施形態の説明図であり、(A)は炉内から見た展開図、(B)は(A)におけるA―A断面図 一般的なカーボンブロックの斜視図 従来の高炉炉内のリングブロック積上構造の平面図 従来の高炉炉内のリングブロックの迫め方法
(構成)
以下、本発明に係る高炉炉内のリングブロック積上構造の実施形態の一例について、図1〜図4を参照して具体的に説明する。図1は本実施形態の展開図、図2は同要部展開図、図3は同平面図、図4は同斜視図である。本実施形態は、カーボンブロック1を敷き並べてリング状とし、リング状としたカーボンブロック1を複数段積み上げた高炉炉内のリングブロック積上構造である。
図1は本実施形態の展開図である。図1に示すように、カーボンブロック1は、上面部に勾配を有する勾配ブロック11と、勾配を有しないサブブロック12(ここでは斜線部にて示す)と、基本ブロック13とからなる。このうち、勾配ブロック11とサブブロック12とが、基本ブロック13を積み上げるための準備用ブロックとなるスターターブロック14である。
スターターブロック14を構成する勾配ブロック11とサブブロック12は、上下方向で接するように配置されている。このとき、勾配ブロック11とサブブロック12とは目地を一致させている。また、勾配ブロック11と基本ブロック13、並びにサブブロック12と基本ブロック13も、上下方向で接するように配置されるが、180°毎に勾配ブロック11と、もう一つの配置列を成す勾配ブロック11との間には調整勾配ブロック15(ここでは網目部にて示す)が配置され、勾配ブロック11及び基本ブロック13が互いに目地をずらして配置される。
すなわち、調整勾配ブロック15とは、上下に位置するカーボンブロックの目地をずらすためのカーボンブロックである。
調整勾配ブロック15にて目地をずらす範囲の調整勾配ブロック15の寸法は、カーボンブロック1のリング状の円周方向である幅寸法をWmmとすると、0.2〜0.8Wmmが好適であり、0.5Wmmがより好適である。
(勾配ブロック)
スターターブロック14の1つである勾配ブロック11は、カーボンブロック1の積み始めとなる最下段に、リング状になるよう複数配置されている(図2、図3参照)。勾配ブロック11は、リング状とした円周部分を90°ごとに4分割した円弧エリアを設定するとして、円弧エリア毎に同数並べられており、各円弧エリア単位で、連続した勾配を持つように構成されている。
勾配ブロック11の勾配は、基本ブロック13の高さ寸法をXmmとすると、各円弧エリアにおいて最も低い部分と最も高い部分の差が0.5Xmmとなる勾配とする(図2参照)。勾配ブロック11において、最も低い側のブロックを起端側勾配ブロック11aとし、最も高い側のブロックを終端部勾配ブロック11bとすると、起端側勾配ブロック11aの短い方の辺部の高さ寸法が0.5Xmmの場合は、終端側勾配ブロック11bの長い方の辺部の高さ寸法がXmmとなる。
ある円弧エリアにおける終端側勾配ブロック11bの長い方の辺部(高さ寸法がXmm)は、その円弧エリアに隣接する起端側勾配ブロック11aの短い方の辺部(高さ寸法が0.5Xmm)に接している。そのため、互いに接する円弧エリアでの段差寸法は、X−0.5=0.5Xmmである。このような段差が、リング状に配置した勾配ブロック11の円周部分の90°ごとの円弧エリアの境目に設けられることになる。
(サブブロック)
もう1つのスターターブロック14であるサブブロック12は、リング状の円周部分を90°ごとに分けた4つの円弧エリアのうち、互いに対向する2つの円弧エリアに配置された勾配ブロック11の上段に、勾配ブロック11の勾配に沿って配置されている(図3参照)。
図1では、90°ごとの円弧エリアのうち、90〜180°の円弧エリアに配置された勾配ブロック11の上段と、270〜0°の円弧エリアに配置された勾配ブロック11の上段に、サブブロック12が配置されている。したがって、サブブロック12を載せずに勾配ブロック11だけを配置した円弧エリアは、0°〜90°の範囲と、180°〜270°の範囲となる。なお、各円弧エリアに配置されるサブブロック12の配置数は勾配ブロック11と同数である。
サブブロック12の高さ寸法は全て、基本ブロック13の高さ寸法の半分、すなわち0.5Xmmであって、上面に勾配はつけられていない。そのため、サブブロック12を配置した範囲では勾配ブロック11に沿って勾配がつくことになる。勾配ブロック11とサブブロック12の積み始め部分、すなわち図1での90°及び270°の地点では、勾配ブロック11とサブブロック12の高さの和は、0.5Xmm+0.5Xmm=Xmmである。一方、サブブロック12を載せていない勾配ブロック11のうちの終端側勾配ブロック11bの高い方の辺部の高さ寸法もXmmなので、両者は一致する。
したがって、サブブロック12を載せていない勾配ブロック11の勾配と、勾配ブロック11にサブブロック12を積み上げた部分の勾配とは、連続した勾配となる。図1では、0°〜180°の範囲の勾配ブロック11及びサブブロック12の上面と、180°〜0°の範囲の勾配ブロック11及びサブブロック12の上面が、連続した勾配となる。
この状態を勾配ブロック11とサブブロック12を含むスターターブロック14の観点から捉えるとするならば、スターターブロック14は、リング状の円周部分を180°ごとに2分割した半円エリアを設定するとして、スターターブロック14の上面部が半円エリア毎に連続した勾配を持つように構成されているということになる。
(基本ブロック)
基本ブロック13は、サブブロック12を配置していない2か所の勾配ブロック11の上段を積み始めとし、勾配ブロック11の勾配に沿って配置される。基本ブロック13は、サブブロック12の上段から、対向の位置から最初に積み始めた部分の基本ブロック13の上段を経て、スパイラル状に斜め上方に向かって積み上げるように配置される。基本ブロック13の高さ寸法は全てXmmであり、上面に勾配はつけられていない。そのため、基本ブロック13を配置した範囲では勾配ブロック11に沿って勾配がつけられることになる。
図1に示すように、リング状の円周部分において0°及び180°の地点では、サブブロック12を載せていない勾配ブロック11の起端側勾配ブロック11aが、勾配ブロック11の終端側勾配ブロック11bとサブブロック12とを積み上げた状態の終端部が隣接する。起端側勾配ブロック11aの高さ寸法が0.5Xmmの場合は、終端側勾配ブロック11bの高さ寸法はXmmとなる。
サブブロック12とを積み上げた状態の終端部の高さ寸法がXmm+0.5Xmm=1.5Xmmなので、両者の段差はXmmであり、基本ブロック13の高さ寸法Xmmと等しい。つまり、リング状の円周部分において0°、180°の地点では、勾配ブロック11の起端側ブロック11aの上で、且つ終端側ブロック11b及びサブブロック12の側面部に、上方向にはみ出すことなく、はめ込まれるようにして、基本ブロック13が敷き並べられる。
180°の地点から敷き並べられる基本ブロック13の配置列を第1の配置列とする。また、0°の地点から並べられる基本ブロック13の配置列を第2の配置列とする。第1の配置列は、180°〜270°の範囲では勾配ブロック11の上段に、270°〜0°の範囲ではサブブロック12の上段に、さらに0°以降は、第2の配置列である基本ブロック13の上段に、それぞれスパイラル状に積み上げられていく。第2の配置列は、0°〜90°の範囲では勾配ブロック11の上段に、90°〜180°の範囲ではサブブロック12の上段に、さらに180°以降は第1の配置列である基本ブロック13の上段に、それぞれスパイラル状に積み上げられていく。
(作用と効果)
以上の構成を有する本実施形態では、リング状の円周部分を90°ごとに4分割した各円弧エリアに、起端部と終端部の差が0.5Xmmとなる勾配ブロック11を複数配置し、互いに対向する2つの円弧エリアに配置された勾配ブロック11の上段に高さ0.5Xmmのサブブロック12を複数配置して、サブブロック12を配置していない勾配ブロック11及びサブブロック12の上段に、高さXmmの基本ブロック13を複数配置することで、次のような作用及び効果を得ることができる。
[1]築炉の簡易性
図7に示したように、従来の築炉方法では、最初に追出しブロック4を所定の位置に施工し、引き続いてその両側へカーボンブロック1を押し付けながら施工していくが、その際、追出しブロック4の位置がずれてしまう可能性がある。そのため、従来の築炉方法では、最初の数枚は、追出しブロック4の位置がずれないことを確認しながら、慎重に施工する必要があった。
また、充填材3は通常、不定形のスタンプ材などからなるが、従来では、このような充填材3をカーボンブロック1の背面と鉄皮2との隙間に投入して打ち固め、敷き並べられた状態のカーボンブロック1を一段毎に固定している。したがって、カーボンブロック1をリング状に敷き並べる作業の施工管理を一段毎に実施することが不可欠であった。
これに対して、本実施形態では、基本ブロック13の積み始め用に設計された勾配ブロック11およびサブブロック12、つまりスターターブロック14さえ施工してしまえば、リング状の円周部分の対角となる2か所から、基本ブロック13を一方向に連続してスパイラル状に斜め上方に積み上げていくことが可能である。
そのため、新たに基本ブロック13を敷き並べる際、基本ブロック13の重量による押し付け力が、既に敷き並べられていた基本ブロック13に及んで、基本ブロック13がずれる心配がない。その結果、従来の築炉方法に比べて、施工の容易性が高まり、且つ施工管理の負担も軽減することができる。
また、従来では、リング状となる円周部分の各段の最後に、いわゆる迫めブロック5を挿入しての目地締めを行っているが、迫めブロック5を挿入するためのスペースを確保しなくてはならない。そのため、図8に示すように、迫めブロック5は一旦背面側へずらした位置に施工し、その後ジャッキ6を使用して、迫めブロック5を炉内側へ押し込む作業を行わなくてはならなかった。このような作業には優れた技能と経験が求められ、築炉を困難なものとしていた。
一方、本実施形態では、基本ブロック13を一方向に連続して、スパイラル状に斜め上方に積み上げていくので、迫めブロック5自体が不要となり、迫めブロック5を挿入するためのスペースを確保する作業や、ジャッキ6によるカーボンブロック1の押し込み作業など、高度で熟練を要する複雑な作業を省くことができる。以上のように、本実施形態によれば、複雑な作業を省略できるので、基本ブロック13の積上施工が極めて容易となり、築炉の簡易性が大幅に向上する。
[2]工期短縮
仮に、完全なリング状にカーボンブロック1を一段敷き並べる前に、カーボンブロック1の背面に充填材3を打ち込むとすると、隣接するカーボンブロック1同士で拘束する力が働かない。そのため、背面の充填材3の施工圧力によってカーボンブロック1が中心方向へずれて動いてしまい、完全なリング構造とすることができない。
そこで従来では、一段分のカーボンブロック1を敷き並べた後、カーボンブロック1の背面にスタンプ材などの充填材3の施工を一段毎に行っている。すなわち、従来の高炉炉内のリングブロック積上構造では、築炉に際して、カーボンブロック1の積上施工と、充填材3の投入施工とを、交互に繰り返している。その結果、ブロック積上の施工工期が長期化していた。
これに対して、本実施形態では、リング状の円周部分のうち、対向に位置する2箇所から、同時に、基本ブロック13を積み上げ始めることが可能となり、積上施工を迅速に実施することができる。しかも、新たに基本ブロック13を敷き並べる際、基本ブロック13の重量による押し付け力が、既に敷き並べられていた基本ブロック13に及んで、基本ブロック13がずれる心配がない。
そのため、基本ブロック13の積上施工していない場所、例えばリング状の円周部分において90°後方で、積上施工している基本ブロック13の一段下に対する充填材3の施工を、積上施工と並行して行うことが可能である。このように、基本ブロック13の積上施工と、充填材3の投入施工とを、リング状の円周部分の対向となる2箇所で、それぞれ同時並行的に進めることができる。したがって、一段毎にカーボンブロック1をリング状に敷き並べる作業の完了を待つことが不要となる。このような本実施形態によれば、基本ブロック13の積上施工及び充填材3の投入施工に要する時間を、大幅に短縮することが可能となる。
しかも、基本ブロック13の上下段の目地位置については、調整勾配ブロック15を入れる事により、勾配ブロック11に対しても、サブブロック12に対しても、さらには下段側の基本ブロック13に対しても、垂直目地の位置を合わないようにしている。調整勾配ブロック15により目地をずらす範囲は、0.2〜0.8Wmm、より好ましくは0.5Wmmである。そのため、上段側の基本ブロック13は下段側の左右に位置するブロックに対して重なることになり、基本ブロック13の積上施工を確実に実施することができる。
さらには、上述した築炉の簡易性向上によってもカーボンブロック1の施工効率を高めることができ、大幅な工期短縮を実現する。従来、4500m級の高炉において、炉底部の築炉工期は、36日程度を要し、その内、カーボンブロック1の施工には、20日程度を要している。本発明を適用した場合、カーボンブロック1の施工工程が、20%程度短縮することができ、4日間分の短縮が可能となる。しかも、本実施形態では、炉内へカーボンブロック1を搬入する設備などは、従来と同様の設備で対応することが可能である。したがって、特段の設備費の追加は不要であり、コスト面でも有利である。
[3]カーボンブロックの長寿命化
本実施形態では、カーボンブロック1のうち基本ブロック13がスパイラル状に積み上げられているので、高炉稼働時におけるカーボンブロック1の熱膨張による円周方向に生じる応力は、隣り合うカーボンブロック1を通じてスパイラル状に伝わる。したがって、カーボンブロック1への応力は斜め上方向に向かって逃げていくことができ、カーボンブロック1の炉内面に発生する応力を緩和することが可能である。その結果、カーボンブロック1の寿命を延長させる効果が期待できる。
(他の実施形態)
上記の実施形態は、本明細書において一例として提示したものであって、上記の実施形態に限定されるものではない。例えば、勾配ブロック11、サブブロック12及び基本ブロック13の寸法や形状、素材や配置数などを適宜変更可能である。
上記の実施形態では、勾配ブロック11とサブブロック12とをそれぞれ別部材としてスターターブロック14を構成したが、これに限らず、例えば、上下に接する勾配ブロック11とサブブロック12とを一体的に設けて、1つのスターターブロック14とし、これを複数敷き並べるようにしてもよい。この場合、スターターブロック14は、リング状の円周部分を180°ごとに2分割した半円エリアを設定するとして、スターターブロック14の上面部が半円エリア毎に連続した勾配を持つように構成していればよい。
また、上記の実施形態では、勾配ブロック11をリング状の円周部分を180°ごとに2分割した半円エリアにわたって最下段に配置し、対向した90°ごとの2か所の上段にサブブロック12を配置していたが、これらのブロックの上下の位置関係を逆にしてもよい。すなわち、サブブロック12をリング状の円周部分の対向した90°ごとの2か所にわたって最下段に配置し、その上段に勾配ブロック11を配置してもよい。この時の勾配ブロック11は、その上面部が半円エリア毎に連続した勾配を持つように構成するものとする。
さらに、基本ブロック13の積み終わり部分に、勾配ブロック11と上下が逆の勾配を持つようにエンドブロックを配置するようにしてもよい。この実施形態によれば、カーボンブロック1の積み始めの部分の形状と、積み終わりの部分の形状を対応させることができ、効率よく積上施工を実施することができる。
充填材3の投入施工時に基本ブロック13がずれないようにした実施形態も包含する。例えば、図6に示すように、積み重ねた基本ブロック13の目地部に、つまり上側の基本ブロック13の炉内面側の下端と、下側の基本ブロック13の炉内面側の上端とにわたって、固定プレート16を取り付けるようにしても良い。
この場合、固定プレート16は、充填材3の投入施工が終わった下側の基本ブロック13の炉内面のみに接着部17を設けるようにする。重ねた上側の基本ブロック13はスパイラル方向に固定されていないため、高炉稼動時における基本ブロック13の熱膨張による円周方向に生じ応力は、固定プレート16によって規制されることがない。なお、固定プレート16の取り付けは、基本ブロック13の全てでなくてもよく、数個毎にしてもよい。
1…カーボンブロック
2…鉄皮
3…充填材
4…追出しブロック
5…迫めブロック
6…ジャッキ
11…勾配ブロック
12…サブブロック
13…基本ブロック
14…スターターブロック
15…調整勾配ブロック
16…固定プレート
17…接着部

Claims (9)

  1. カーボンブロックをリング状に配置して複数段積み上げた高炉炉内のリングブロック積上構造において、前記カーボンブロックは、スターターブロックと、基本ブロックとからなり、前記スターターブロックは、リング状にして最下段に配置し、且つ、リング状の円周部分を180°ごとに2分割した半円エリアを設定するとして、前記スターターブロックの上面部が前記半円エリア毎に連続した勾配を持つように構成し、前記基本ブロックは、前記スターターブロックの上面部による勾配の段差の寸法を高さ寸法とし、前記スターターブロックの勾配に沿ってスパイラル状に積み上げるように配置したことを特徴とする高炉炉内のリングブロック積上構造。
  2. 前記スターターブロックは、上面部に勾配を有する勾配ブロックと、勾配を有しないサブブロックとからなることを特徴とする請求項1に記載の高炉炉内のリングブロック積上構造。
  3. 前記勾配ブロックは、リング状にして最下段に配置し、且つ、リング状の円周部分を90°ごとに4分割した円弧エリアを設定するとして、前記勾配ブロックの上面部が前記円弧エリア毎に連続した勾配を持つように構成し、前記サブブロックは、対向する2つの前記円弧エリアに位置する前記勾配ブロックの上段に配置したことを特徴とする請求項2に記載の高炉炉内のリングブロック積上構造。
  4. 前記基本ブロックの高さ寸法をXmmとして、前記円弧エリアに位置する前記勾配ブロックにおいて、最も低い部分と最も高い部分の差を0.5Xmmとし、前記サブブロックの高さ寸法を0.5Xmmとしたことを特徴とする請求項3に記載の高炉炉内のリングブロック積上構造。
  5. 前記サブブロックは、リング状にして最下段に配置し、前記勾配ブロックは、前記勾配ブロックの上面部が前記半円エリア毎に連続した勾配を持つように構成し、前記サブブロックの上段に配置することを特徴とする請求項2に記載の高炉炉内のリングブロック積上構造。
  6. 前記カーボンブロックのリング状の円周方向である幅寸法をWmmとして、上下方向で接する前記各カーボンブロック同士の間に、0.2〜0.8Wmmの寸法で目地をずらすための調整勾配ブロックを配置したことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の高炉炉内のリングブロック積上構造。
  7. 前記基本ブロックの積み終わり部分に、前記スターターブロックと上下が逆の勾配を持つようにエンドブロックを配置したことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の高炉炉内のリングブロック積上構造。
  8. 上下方向で接する前記カーボンブロック同士は、上側の前記カーボンブロックの炉内面側の下端と、下側の前記カーボンブロックの炉内面側の上端とにわたって、固定プレートを取り付けることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の高炉炉内のリングブロック積上構造。
  9. 上下方向で接する前記カーボンブロック同士の背面には充填材を投入し、前記固定プレートは、充填材の投入施工が終わった下側の前記カーボンブロックの炉内面のみに接着部を設けることを特徴とする請求項8に記載の高炉炉内のリングブロック積上構造。
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