JPWO2019131289A1 - プレス成形品の製造方法 - Google Patents

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Abstract

金型形状を複雑にすることなく、必要以上に加熱処理を施すこともなく、伸びフランジ割れを抑制することができて、成形不良のないプレス成形品を提供する。プレス成形品の製造方法は、1枚の板材からなる金属板をせん断加工(せん断工程(1))した後の単一の金属板に対し、伸びフランジ成形を含むプレス加工(プレス加工工程(4))を施して製造するプレス成形品の製造方法である。上記単一の金属板を上記プレス加工でプレス成形した際に伸びフランジ割れが発生しやすいと推定される領域を伸びフランジ割れ領域とした場合に、上記せん断加工後の単一の金属板における、上記伸びフランジ割れ領域内に位置する金属板端面及びその近傍のうちの少なくとも金属板端面を加熱し冷却してから(加熱工程(2)及び冷却工程3(3))、上記プレス加工(プレス加工工程(4))を施す。

Description

本発明は、金属板をプレス成形した際における伸びフランジ割れの危険を低減してからプレス加工を施して製造する、プレス成形品の製造方法に関する。本発明は、特に、自動車用の車体構造部品の製造に好適な技術である。
近年、自動車車体の衝突安全性向上と軽量化を両立させるために、車体構造部品に対し590MPa以上のハイテン材の適用が進んでいる。ハイテン材は、穴広げ率が小さいため、プレス成形を行う上で伸びフランジ割れなどの成形不良が課題となる。
自動車の足回り部品に用いられるプレス成形品の一つとしては、例えばロワアームのように平面視で湾曲した形状の構造部品がある。このような平面視で湾曲した部品形状にプレス成形で加工した場合、湾曲部で伸びフランジ割れが発生するおそれがある。
また、自動車部品をプレス成形で量産する場合、トリム工程やピアス工程などのせん断加工をしてからプレス加工工程に入る場合も多い。この場合、トリム工程やピアス工程で形成されたせん断端面縁から伸びフランジ割れが発生しやすい。
上記のような部品形状や成形工程に対してハイテン材を適用した場合に、特に上記伸びフランジ割れが発生する傾向がある。
伸びフランジ割れに関する従来技術として、例えば特許文献1〜特許文献3がある。
特許文献1に記載の方法は、高強度鋼板をプレス成形する際に発生する伸びフランジ割れを防止する技術である。特許文献1には、この技術によって鋼板を伸びフランジ成形する際に、成形中の鋼板温度を400℃以上1000℃以下まで加熱することで、加工中に転位の動的回復が起きて、転位の堆積が起こりにくくなり、伸びフランジ割れが抑制されると記載されている。
特許文献2に記載の方法は、プレス素材としての板状パネルの所定部位に機械的強度を高める強化処理を施し、プレス加工時の成形性を向上させる技術である。特許文献2には、この技術によってプレス加工の進行に伴い応力集中が生じて発生する割れを抑制することができると記載されている。
特許文献3に記載の方法は、複数の板材の端部を突き合わせた状態で、その突合せ縁にレーザー光を照射して端部同士を溶接して作製された集合ブランク材を、プレス成形するための技術である。そして、特許文献3では、板材同士の溶接端部位置及びその近傍が、プレス成形によって平面視で湾曲形状にプレス加工される場合には、プレス加工前に、溶接端部を含む板材周縁部及びその近傍にレーザー光を照射して焼鈍し軟化処理を施すことが記載されている。この処理によって、板材周縁部に応力集中が発生することが阻止され、プレス成形時に軟化部位が容易に伸びて、溶接端部への応力集中が防止されると記載されている。
特開2002−113527号公報 特開平8−117879号公報 特許第2783490号公報
しかしながら、特許文献1に記載の方法では、プレス成形中の鋼板を加熱するため、金型内に加熱装置を組み込む必要があり、複雑な金型形状になる。さらに、400℃以上1000℃以下まで加熱することにより金型が傷みやすくなり、量産コストが増加する可能性がある。
また、特許文献2に記載の方法は、強度を高めて割れを抑制する方法であり、伸びが必要な伸びフランジ割れに適用することは難しい。特に引張強度が高いハイテン材に不向きな方法である。
また特許文献3に記載の方法は、伸びフランジ割れ危険領域のひずみを分散させて溶接部近傍の伸びフランジ割れを抑制する方法である。しかし、特許文献3に記載の方法は、材料ごとの加熱温度や加熱領域、鋼種の条件の記載がなく、局所的な伸びフランジ成形では十分な伸びフランジ成形性を得られない可能性がある。また特許文献3に記載の方法では、溶接端部の割れを防止するための軟化処理であることから加熱処理を施す領域が比較的広範囲になるおそれがある。
本発明は、上記のような点を鑑みてなされたもので、金型形状を複雑にすることなく、必要以上に加熱処理を施すこともなく、伸びフランジ割れを抑制することができて、成形不良を抑制したプレス成形品を提供することを目的とする。
課題を解決するために、本発明の一態様であるプレス成形品の製造方法は、1枚の板材からなる金属板をせん断加工した後の単一の金属板に対し、伸びフランジ成形を含むプレス加工を施して製造するプレス成形品の製造方法において、上記単一の金属板を上記プレス加工でプレス成形した際に伸びフランジ割れが発生しやすいと推定される領域を伸びフランジ割れ領域とした場合に、上記せん断加工後の単一の金属板における、上記伸びフランジ割れ領域内に位置する金属板端面及びその近傍のうちの少なくとも金属板端面を加熱し冷却してから、上記プレス加工を施すことを特徴とする。
本発明の一態様によれば、必要以上の領域に加熱を施すことなく、伸びフランジ割れが発生する部品の割れ危険を大きく低減することができて、成形不良を抑制したプレス成形品を提供することができる。この結果、成形性の良い部品が得られ、歩留まりの向上に繋がる。
本発明に基づく実施形態に係るプレス成形品の製造の工程を説明する図である。 伸びフランジ割れが発生する領域の一例を説明する図であり、(a)は金属板を、(b)はプレス成形品の例を示す。 穴広げ試験の概略図である。 穴広げ試験片の概略図である。
以下、本発明に係る実施形態について図面を参照しつつ説明する。
本実施形態におけるプレス成形品の製造方法は、図1に示すように、せん断工程1、加熱工程2、冷却工程3、及びプレス加工工程4をこの順に備える。また本実施形態におけるプレス成形品の製造方法は、伸びフランジ割れ領域推定処理5を有する。
本実施形態のプレス成形品の製造方法は、金属板の引張強度が440MPa以上の鋼板の場合に特に効果的である。本実施形態では、プレス加工する金属板としては440MPa以上のハイテン材を対象とする。ただし、金属板の引張強度が440MPa未満の鋼板や、アルミニウム板などの金属板であっても適用することができる。
<せん断工程1>
せん断工程1は、圧延その他で形成された1枚の板材からなる金属板を、予め設定した形状に外周輪郭形状をトリムしたり、せん断により開口部を形成したりして単一の金属板を得る工程である。
本実施形態で「単一の金属板」とは、複数の板を溶接で接合した集合ブランク材ではなく、同一の金属材料からなる金属板であることを意味する。
ここで、せん断加工で金属板を切断した場合、機械加工で作製した端面よりも端面のダメージが大きく、不均一な端面状態になるため、伸びフランジ成形性が低下する。
<伸びフランジ割れ領域推定処理5>
伸びフランジ割れ領域推定処理5は、単一の金属板をプレス加工工程4でのプレス成形した際に伸びフランジ割れが発生しやすいと推定される領域である伸びフランジ割れ領域の位置を特定する処理である。
そのような伸びフランジ割れ領域(伸びフランジ割れ危険部位)の特定は、プレス加工工程4でのプレス成形の条件に基づきCAE解析によって検討して特定しても良いし、実プレスで特定しても良い。通常、平面視における湾曲部やバーリング部等が伸びフランジ割れ領域である。このため、簡易に、伸びフランジ成形が行われる領域において、プレス加工で所定以上の曲率半径となるフランジ部を伸びフランジ割れ領域してもよい。
<加熱工程2>
加熱工程2及び次工程の冷却工程3は、せん断工程1後の単一の金属板に対して、伸びフランジ成形を含むプレス加工を施す前の前処理である。
加熱工程2では、伸びフランジ割れ領域推定処理5が特定した伸びフランジ割れ領域における、金属板端面及びその近傍のうちの少なくとも金属板端面を加熱する工程である。
加熱工程2において、金属板端面の温度が目標とする加熱温度に到達したと推定した後、その加熱状態を一定時間、保持するようにしても良い。保持時間が長い場合は生産効率の低下に繋がるため、保持時間は5分以内が好ましい。より好ましくは、保持時間は1分以内である。
伸びフランジ割れ領域の金属板の端面だけを加熱すればよい。ただし、端面だけを加熱することは難しいため、局所的に加熱することが可能なレーザーや誘導加熱等によって、金属板端面及びその近傍のうち、できるだけ端面近傍の領域を加熱するように設定することが好ましい。
量産を考慮すると、金属板の端面をレーザーで加熱するのは難しいため、金属板表面側から端面近傍を加熱することが好ましい。
例えば、単一の金属板表面における、金属板の端面位置からの加熱範囲X[mm]を、(1)式の範囲内とする。すなわち、この加熱範囲X[mm]以下の領域を、端面及びその近傍とする。
0[mm] ≦ X ≦ 20[mm] ・・・(1)
ここで、加熱範囲X[mm]が20mmを越える場合、材料強度(引張強度)の軟化に伴い部品の疲労特性が低下する恐れがあるため、好ましくない。また、さらに端面近傍のみを加熱できる装置であれば、加熱範囲X[mm]は5mm以内がより好ましい。
また、加熱による不具合を抑えるという観点からすると、加熱範囲X[mm]は、できるだけ端面近傍が好ましく、下記(2)式の範囲内がより好ましい。
0[mm] ≦ X ≦ 8[mm] ・・・(2)
加熱方法は、レーザーによる加熱に限定されず、例えば、金属板の端面側に誘導コイル等の加熱装置を近づけて加熱するようにしても良い。ただし、レーザーによる加熱が簡便で好ましい。
加熱する際の被加熱部の加熱温度T[℃]は、加熱位置で材料の軟化が発生可能な温度であれば良く、例えば対象とする金属での焼き鈍し温度とする。
その加熱温度(加熱の目標温度)は、例えば200℃以上、且つ上記金属板のAc1点以下とすることが好ましい。
加熱時の加熱速度は急速加熱が好ましい。
ここで、加熱温度T[℃]が材料のAc1点以上の場合、変態点を超えるため、急速冷却すると硬度が増し、逆に伸びフランジ成形性が低減する可能性があるため、好ましくない。また、通常の鋼板などの金属であれば、200℃以上の加熱で軟化処理が施されると考えられる。
<冷却工程3>
冷却工程3は、加熱工程2で加熱された金属板のうち、金属板端面及びその近傍のうちの少なくとも金属板端面を冷却する工程である。
加熱後の冷却処理は、水冷などによる急速冷却、空冷、徐冷のいずれでも良い。急速冷却の場合、加熱温度が材料のAc1点以上では伸びフランジ成形性が低減する可能性がある。空冷は、自然空冷でもノズルから空気を吹き付けることによる空冷であっても良い。徐冷は、レーザー加熱時や誘導加熱時の出力を調整することで冷却速度を調整しても良い。
冷却工程3による冷却は、例えば加熱された金属板端面が、加熱の目標温度よりも30℃以上温度降下するように冷却する。
<プレス加工工程4>
プレス加工工程4では、端面に加熱・冷却処理を施した金属板に対し、伸びフランジ成形を含むプレス加工を施して、目的の形状のプレス成形品とする工程である。プレス加工工程4によるプレス成形品は最終成形品でなくても良い。
<作用その他について>
図2(a)に示すように、平板の金属板からなるブランク材10を、単純に、プレス成形時にフランジが伸ばされる変形が付与される図2(b)に示すようなプレス成形品11にプレス加工してみた。このとき、金属板10にハイテン材を適用してプレス成形すると、図2(b)中、符号Aで示す部位で、伸びフランジ割れが発生した。この伸びフランジ割れの発生の有無は、材料強度(引張強度)、材料組織、せん断端面状態、表面処理等に依存する。
例えば超ハイテン材にみられる複合組織の材料の場合、組織の硬度差によって、単相組織の材料に比べて伸びフランジ成形性が低下する。
また伸びフランジ成形性は、伸びフランジ変形を受ける材料端部の切断方法に依存する。金属板を、例えばせん断加工で切断した場合、機械加工で作製した端面よりもダメージが大きく、不均一な端面状態になるため、伸びフランジ成形性が低下する。さらに、せん断加工の場合でもクリアランスにより伸びフランジ成形性が変化する。
このような伸びフランジ成形に不利な材料や加工条件により発生する伸びフランジ割れを低減するために、本実施形態のプレス成形品の製造方法では、伸びフランジ割れ危険領域のうち、せん断加工で割れの起点になりやすくなった金属板の端面を加熱し冷却してから、プレス成形を行う。
この結果、本実施形態では、前処理としての加熱・冷却によって、伸びフランジ割れ危険部の材料の組織変化、すなわち材料の軟化やひずみ除去が行われることで、伸びフランジ成形性が向上する。
特に、金属板の端面及び端面近傍の少なくとも端面をターゲットとして、材料軟化のための加熱処理を行い、その後に冷却処理を行うことで、加熱による材料強度(引張強度)の軟化に伴う部品の疲労特性の低下を、最低限に抑えることが可能となる。
なお、先行文献3のような2つの板材を溶接した溶接端部を含む集合ブランク材に、本実施形態を適用したとき、溶接端部を含む領域が伸びフランジ割れ領域の場合には、次のような問題がある。すなわち、本実施形態では端面及びその近傍だけ、つまり端面を中心に加熱処理とその後の冷却処理が施されることになる。したがって、本実施形態を適用すると、相対的に引張強度が弱い溶接端部の端面でプレス成形時に割れが発生する可能性がある。このため、伸びフランジ割れ領域に溶接端部が存在するような金属板を対象としたプレス成形品の製造は、本実施形態の対象外である。
本発明に係るプレス成形方法による伸びフランジ成形性の向上効果を確認するため、穴広げ試験の試験片を部分的に加熱・空冷した後に穴広げ試験を実施した。その結果を以下に説明する。
本実施例では図3に示す穴広げ試験により伸びフランジ成形性を評価した。図3中、符号20がブランク材を、符号30がダイを、符号31がブランクホルダーを、符号32がパンチをそれぞれ示す。
まず、図4に示すように、100[mm]×100[mm]角の正方形のブランク材に対し、ブランク中心にクリアランス12%でφ10[mm]の穴を打ち抜いて、穴広げ試験片(図3におけるブランク材20)を作製した。本実施例で使用したブランク材を構成する金属板は、板厚t=1.2mm、引張強度が1180MPa級鋼板とした。
作製した穴広げ試験片に対し、伸びフランジ成形を含むプレス加工を模して、図3のように、円錐型のパンチ32により穴広げ試験を実施した。しわ押さえ力は8tonに設定した。
このとき、穴広げ試験の前処理として加熱処理しない条件(従来法)と、加熱処理を施す条件(本発明)とで、それぞれ穴広げ試験を実施した。
加熱処理の加熱条件としては、加熱装置にレーザーを使用してブランク材20の表面側を加熱し、加熱領域は金属板穴縁から1mm以上8mm以下の端縁領域とした。また加熱温度は、レーザー加熱面温度を200℃以上700℃以下の範囲でそれぞれ行った。
また、空冷(冷却)は、加熱装置で加熱した加熱部分が常温に温度降下するまで自然空冷を行うことで実施した。
表1に加熱条件及び穴広げ試験結果をまとめて示す。
Figure 2019131289
表1から分かるように、No.1は、加熱をしていないサンプルを穴広げ試験した結果であり、その穴広げ率は23%であった。この結果に対して、本発明に基づくNo.2〜No.5は、穴縁(穴の端面位置)から1mmの範囲をレーザー加熱し、穴広げ試験した結果であり、穴広げ率が向上していることが分かった。
また、No.6〜No.9は穴縁から3mmの範囲、No.10〜No.13は穴縁から5mmの範囲、No.14〜No.17は穴縁から8mmの範囲、をそれぞれレーザー加熱し、穴広げ試験を行った結果である。この場合においても、No.2〜No.5と同様に、加熱温度の上昇に伴い穴広げ率が向上することが分かった。
表1から分かるように、本発明の範囲内では、各加熱温度が高い場合、加熱領域が穴広げ率に与える影響を比較すると、加熱領域が広い方が穴広げ率が向上することが分かる。ただし、加熱によって生じる材料強度(引張強度)の軟化に伴う部品の疲労特性の低下を考慮すると、フランジ割れ発生を抑制可能な範囲で、できるだけ端面からの加熱領域の範囲を小さく設定することが好ましい。またこの観点から、加熱温度も、例えば400℃以上600℃以下の範囲とすることが好ましい。
ここで、本願が優先権を主張する、日本国特許出願2017−247992(2017年12月25日出願)の全内容は、参照により本開示の一部をなす。ここでは、限られた数の実施形態を参照しながら説明したが、権利範囲はそれらに限定されるものではなく、上記の開示に基づく各実施形態の改変は当業者にとって自明なことである。
1 せん断工程
2 加熱工程
3 冷却工程
4 プレス加工工程
5 伸びフランジ割れ領域推定処理
10 金属板(ブランク材)
11 プレス成形品
20 ブランク材

Claims (4)

  1. 1枚の板材からなる金属板をせん断加工した後の単一の金属板に対し、伸びフランジ成形を含むプレス加工を施して製造するプレス成形品の製造方法において、
    上記単一の金属板を上記プレス加工でプレス成形した際に伸びフランジ割れが発生しやすいと推定される領域を伸びフランジ割れ領域とした場合に、
    上記せん断加工後の単一の金属板における、上記伸びフランジ割れ領域内に位置する金属板端面及びその近傍のうちの少なくとも金属板端面を加熱し冷却してから、上記プレス加工を施すことを特徴とするプレス成形品の製造方法。
  2. 上記加熱する際の被加熱部の加熱温度T[℃]を、200℃以上、且つ上記金属板のAc1点以下とすることを特徴とする請求項1記載のプレス成形品の製造方法。
  3. 上記単一の金属板表面における、上記加熱する際における金属板の端面位置からの加熱範囲X[mm]を、(1)式の範囲内とすることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のプレス成形品の製造方法。
    0[mm] ≦ X ≦ 20[mm] ・・・(1)
  4. 上記金属板は、引張強度が440MPa以上の鋼板とすることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のプレス成形品の製造方法。
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