JPWO2019124318A1 - 固体アルカリ形燃料電池 - Google Patents

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Abstract

固体アルカリ形燃料電池(10)は、酸化剤が供給されるカソード(12)と、燃料が供給されるアノード(14)と、水酸化物イオン伝導性を有する無機固体電解質体(16)とを備える。無機固体電解質体(16)は、カソード側表面(16S)の単位面積あたり80μg/min・cm2以上5400μg/min・cm2以下の水を透過可能である。

Description

本発明は、固体アルカリ形燃料電池に関する。
比較的低温(例えば、250℃以下)で作動する燃料電池として、アルカリ形燃料電池(AFC)が知られている。AFCでは、様々な液体燃料又は気体燃料を使用することができ、例えばメタノールを燃料とした場合には、以下の電気化学反応が起こる。
・アノード: CHOH+6OH→6e+CO+5H
・カソード: 3/2O+3HO+6e→6OH
・全体 : CHOH+3/2O→CO+2H
ここで、特許文献1には、水酸化物イオン伝導性を有する無機固体電解質体として、液透過性及び通気性を有さない層状複水酸化物(LDH:Layered Double Hydroxide)を用いた固体アルカリ形燃料電池が提案されている。
LDHは、一般式:[M2+ 1−x3+ (OH)][An− x/n・mHO](M2+は2価の陽イオンであり、M3+は3価の陽イオンであり、An−はn価の陰イオンである。)によって表される。
特開2016−071948号公報
ところで、上記反応式で示したとおり、固体アルカリ形燃料電池では、カソードにおいて酸素(O)とともに水(HO)が消費されるため、酸素と水とを含む酸化剤(例えば、加湿空気)をカソードに供給する必要がある。
しかしながら、水を含む酸化剤をカソードに供給するには、酸化剤を加湿するための設備(例えば、加湿器や水タンクなど)が必要なだけでなく、酸化剤を加湿するためのエネルギーも消費される。
そのため、カソードに水を効率的に供給するための新たな提案が望まれている。
本発明は、カソードに水を効率的に供給可能な固体アルカリ形燃料電池を提供することを目的とする。
本発明に係る固体アルカリ形燃料電池は、酸素を含む酸化剤が供給されるカソードと、水素原子を含む燃料が供給されるアノードと、カソードとアノードとの間に配置され、水酸化物イオン伝導性を有する無機固体電解質体とを備える。無機固体電解質体は、カソード側表面の単位面積あたり80μg/min・cm以上5400μg/min・cm以下の水を透過可能である。
本発明によれば、カソードに水を効率的に供給可能な固体アルカリ形燃料電池を提供することができる。
固体アルカリ形燃料電池の構成を模式的に示す断面図 実施例に係る固体アルカリ形燃料電池の分解斜視図
(固体アルカリ形燃料電池10)
固体アルカリ形燃料電池10は、比較的低温で作動するアルカリ形燃料電池(AFC)の一種である。本実施形態に係る固体アルカリ形燃料電池10の作動温度は、50℃〜250℃である。固体アルカリ形燃料電池10は、例えばメタノールによって作動し、以下のような電気化学反応によって発電する。
・カソード12: 3/2O+3HO+6e→6OH
・アノード14: CHOH+6OH→6e+CO+5H
・全体 : CHOH+3/2O→CO+2H
図1は、固体アルカリ形燃料電池10の構成を模式的に示す断面図である。固体アルカリ形燃料電池10は、カソード12、アノード14、及び無機固体電解質体16を備える。
カソード12は、一般的に空気極と呼ばれる陽極である。固体アルカリ形燃料電池10の発電中、カソード12には、酸化剤供給手段13を介して、酸素(O)を含む酸化剤が供給される。酸化剤としては、空気を用いることができる。
ここで、本実施形態に係る無機固体電解質体16は、上述したアノード14における電気化学反応によって燃料から生成される水(HO)の少なくとも一部を、カソード12側に透過(クロスオーバー)可能に構成されている。このように無機固体電解質体16を介してカソード12に透過した水は、上述したカソード12における電気化学反応に利用される。
カソード12における電気化学反応に必要とされる水の全量が無機固体電解質体16を介してアノード14からカソード12に透過する場合、カソード12に供給される酸化剤は、実質的に水を含んでいなくてもよい。この場合、酸化剤を加湿するための設備(例えば、加湿器や水タンクなど)を設ける必要がなく、また、酸化剤を加湿するためのエネルギー消費もない。
一方、カソード12における電気化学反応に必要とされる水の一部のみが無機固体電解質体16を介してアノード14からカソード12に透過する場合、カソード12に供給される酸化剤は、水を含んでいることが好ましい。この場合、酸化剤を加湿するための設備を設ける必要があるが、設備の小型化を図ることができるとともに、酸化剤を加湿するためのエネルギー消費を低減させることができる。なお、酸素と水を含む酸化剤としては、加湿空気が好適である。
なお、本明細書において、「水(HO)」は、気体状態の水蒸気、液体状態の水分、及び、水蒸気と水分との気液混合物のいずれであってもよい。
カソード12は、アルカリ形燃料電池に使用される公知のカソード触媒を含むものであればよく、特に限定されない。カソード触媒の例としては、白金族元素(Ru、Rh、Pd、Os、Ir、Pt)、鉄族元素(Fe、Co、Ni)等の第8〜10族元素(IUPAC形式での周期表において第8〜10族に属する元素)、Cu、Ag、Au等の第11族元素(IUPAC形式での周期表において第11族に属する元素)、ロジウムフタロシアニン、テトラフェニルポルフィリン、Coサレン、Niサレン(サレン=N,N’−ビス(サリチリデン)エチレンジアミン)、銀硝酸塩、及びこれらの任意の組み合わせが挙げられる。カソード12における触媒の担持量は特に限定されないが、好ましくは0.1〜10mg/cm、より好ましくは、0.1〜5mg/cmである。カソード触媒はカーボンに担持させるのが好ましい。カソード12ないしそれを構成する触媒の好ましい例としては、白金担持カーボン(Pt/C)、パラジウム担持カーボン(Pd/C)、ロジウム担持カーボン(Rh/C)、ニッケル担持カーボン(Ni/C)、銅担持カーボン(Cu/C)、及び銀担持カーボン(Ag/C)が挙げられる。
カソード12の作製方法は特に限定されないが、例えば、カソード触媒及び所望により担体をバインダーと混合してペースト状にし、このペースト状混合物を無機固体電解質体16の一方の面に塗布することにより形成すればよい。
アノード14は、一般的に燃料極と呼ばれる陰極である。固体アルカリ形燃料電池10の発電中、アノード14には、燃料供給手段15を介して、水素原子(H)を含む燃料が供給される。水素原子を含む燃料は、アノード14における水酸化物イオン(OH)と反応して水を生成可能なものであればよい。
このような燃料は、液体燃料及び気体燃料のいずれの形態であってもよい。液体燃料は、燃料化合物そのものが液体であってもよいし、固体の燃料化合物を水やアルコール等の液体に溶解させたものであってもよい。
燃料化合物としては、例えば、(i)ヒドラジン(NHNH)、水加ヒドラジン(NHNH・HO)、炭酸ヒドラジン((NHNHCO)、硫酸ヒドラジン(NHNH・HSO)、モノメチルヒドラジン(CHNHNH)、ジメチルヒドラジン((CHNNH、CHNHNHCH)、及びカルボンヒドラジド((NHNHCO)等のヒドラジン類、(ii)尿素(NHCONH)、(iii)アンモニア(NH)、(iv)イミダゾール、1,3,5−トリアジン、3−アミノ−1,2,4−トリアゾール等の複素環類化合物、(v)ヒドロキシルアミン(NHOH)、硫酸ヒドロキシルアミン(NHOH・HSO)等のヒドロキシルアミン類、及びこれらの組合せが挙げられる。
上記燃料化合物のうち炭素を含まない化合物(すなわち、ヒドラジン、水加ヒドラジン、硫酸ヒドラジン、アンモニア、ヒドロキシルアミン、硫酸ヒドロキシルアミン等)は、一酸化炭素による触媒被毒の問題が無いため耐久性の向上を図ることができるだけでなく、二酸化炭素の排出を無くすこともできる。
上記燃料化合物は、そのまま燃料として用いてもよいが、水及び/又はアルコール(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノールなどの低級アルコール等)に溶解させた溶液として用いてもよい。例えば、上記燃料化合物のうち、ヒドラジン、水化ヒドラジン、モノメチルヒドラジン及びジメチルヒドラジンは液体であるので、そのまま液体燃料として使用可能である。また、炭酸ヒドラジン、硫酸ヒドラジン、カルボンヒドラジド、尿素、イミダゾール、及び3−アミノ−1,2,4−トリアゾール、及び硫酸ヒドロキシルアミンは固体であるが水に可溶である。1,3,5−トリアジン及びヒドロキシルアミンは固体であるがアルコールに可溶である。アンモニアは気体であるが水に可溶である。このように、固体の燃料化合物は、水又はアルコールに溶解させて液体燃料として使用可能である。燃料化合物を水及び/又はアルコールに溶解させて用いる場合、溶液中の燃料化合物の濃度は、例えば1〜90重量%であり、好ましくは1〜30重量%である。
さらに、メタノール、エタノール等のアルコール類やエーテル類を含む炭化水素系液体燃料、メタン等の炭化水素系ガス、或いは純水素などは、そのまま燃料として用いることができる。特に、本実施形態に係る固体アルカリ形燃料電池10に用いられる燃料としては、メタノールが好適である。メタノールは、気体状態、液体状態、及び、気液混合状態のいずれであってもよい。
アノード14は、アルカリ形燃料電池に使用される公知のアノード触媒を含むものであればよく、特に限定されない。アノード触媒の例としては、Pt、Ni、Co、Fe、Ru、Sn、及びPd等の金属触媒が挙げられる。金属触媒は、カーボン等の担体に担持されるのが好ましいが、金属触媒の金属原子を中心金属とする有機金属錯体の形態としてもよく、このような有機金属錯体を担体として担持されていてもよい。また、アノード触媒の表面には多孔質材料等で構成された拡散層を配置してもよい。アノード14ないしそれを構成する触媒の好ましい例としては、ニッケル、コバルト、銀、白金担持カーボン(Pt/C)、パラジウム担持カーボン(Pd/C)、ロジウム担持カーボン(Rh/C)、ニッケル担持カーボン(Ni/C)、銅担持カーボン(Cu/C)、及び銀担持カーボン(Ag/C)が挙げられる。
アノード14の作製方法は特に限定されないが、例えば、アノード触媒及び所望により担体をバインダーと混合してペースト状にし、このペースト状混合物を無機固体電解質体16のカソード12と反対側の面に塗布することにより形成すればよい。
無機固体電解質体16は、カソード12とアノード14との間に配置される。無機固体電解質体16は、カソード側表面16Sとアノード側表面16Tとを有する。カソード側表面16Sは、無機固体電解質体16の外表面のうちカソード12が配置される空間に露出する領域であり、カソード12と対向する。アノード側表面16Tは、無機固体電解質体16の外表面のうちアノード14が配置される空間に露出する領域であり、アノード14と対向する。
無機固体電解質体16は、水酸化物イオン伝導性を有するセラミックスである。無機固体電解質体16の水酸化物イオン伝導度は、高ければ高いほど好ましいが、典型的には10−4〜10−1S/mである。
無機固体電解質体16は、層状複水酸化物(Layered Double Hydroxide、以下「LDH」という。)によって構成することができる。この場合、無機固体電解質体16は、AEM(アニオン交換膜)のような有機系材料を電解質として用いる場合に比べて優れた耐熱性及び耐久性を発揮する。
LDHは、一般式:[M2+ 1−x3+ (OH)][An− x/n・mHO](式中、M2+は2価の陽イオンであり、M3+は3価の陽イオンであり、An−はn価の陰イオンであり、nは1以上の整数であり、xは0.1〜0.4である)によって表される基本組成を有する。
上記一般式において、M2+は、任意の2価の陽イオンでありうるが、好ましい例としてはMg2+、Ca2+及びZn2+が挙げられ、より好ましくはMg2+である。M3+は、任意の3価の陽イオンでありうるが、好ましい例としてはAl3+又はCr3+が挙げられ、より好ましくはAl3+である。An−は、任意の陰イオンでありうるが、好ましい例としてはOH及びCO 2−が挙げられる。
従って、上記一般式において、M2+がMg2+を含み、M3+がAl3+を含み、An−がOH及び/又はCO 2−を含むのが特に好ましい。nは、1以上の整数であるが、好ましくは1又は2である。xは、0.1〜0.4であるが、好ましくは0.2〜0.35である。mは、任意の実数である。
また、上記一般式においてM3+の一部または全部を4価以上の価数の陽イオンで置き換えてもよく、その場合は、上記一般式における陰イオンAn−の係数x/nは適宜変更されてよい。
本実施形態に係る無機固体電解質体16は、アノード14における電気化学反応によって燃料から生成される水の一部をカソード12側に透過可能に構成されている。無機固体電解質体16の水透過性(すなわち、水を透過させる度合い)は、カソード側表面16Sの単位面積当たりにおける水の透過量によって規定される。
具体的には、無機固体電解質体16は、カソード側表面16Sの単位面積あたり80μg/min・cm以上5400μg/min・cm以下の水を透過可能である。これにより、無機固体電解質体16を介してカソード12に効率的に水を供給することができる。
水の透過量を単位面積あたりにおける80μg/min・cm以上とすることによって、無機固体電解質体16を透過した水をカソード12に供給できるため、定格負荷(0.3A/cm、空気利用率Ua50%)で発電している場合に、加湿器を出力低下(または、停止)させても固体アルカリ形燃料電池10の出力が低くなることを抑制できる。また、水の透過量を単位面積あたり5400μg/min・cm以下とすることによって、無機固体電解質体16の特性が低下すること抑制できるため、定格負荷で発電している場合に、固体アルカリ形燃料電池10の出力が低くなることを抑制できる。
そして、水の透過量を単位面積あたり320μg/min・cm以上とすることによって、更に、水の透過量を単位面積あたり1300μg/min・cm以上とすることによって、定格負荷で発電している場合に、加湿器を出力低下(または、停止)させても固体アルカリ形燃料電池10の出力が低くなることをより抑制できる。
また、水の透過量を単位面積あたり5000μg/min・cm以下とすることによって、更に、水の透過量を単位面積あたり4000μg/min・cm以下とすることによって、無機固体電解質体16の特性が低下すること更に抑制できるため、定格負荷で発電している場合に、固体アルカリ形燃料電池10の出力が低くなることをより抑制できる。
カソード側表面16Sの単位面積あたりにおける水の透過量は、以下のように得られる。まず、完成品の固体アルカリ形燃料電池10からカソード12、アノード14及び無機固体電解質体16を取り出す。次に、カソード12及びアノード14を除去することによって、無機固体電解質体16単体の状態にする。次に、無機固体電解質体16のアノード側表面16Tに62℃、22kPaの水蒸気を供給しながら、カソード側表面16Sに水を含まない窒素ガスを循環させる。次に、カソード側表面16Sを通過した窒素ガス(水蒸気を含む)を全量回収して0℃まで冷却させることによって、窒素ガスに含まれる水蒸気を液体状の水にして分離する。分離された水の質量をカソード側表面16Sの面積と試験時間とで除することによって、カソード側表面16Sの単位面積あたりにおける水の透過量が算出される。
水透過機能を無機固体電解質体16に付与するには、例えば、下記の第1手法、第2手法、又は、第1手法と第2手法との組み合わせのいずれかの手法を採用することができる。
水透過機能を付与する第1手法は、無機固体電解質体16に貫通孔を設ける手法である。貫通孔は、アノード側表面16Tからカソード側表面16Sまで無機固体電解質体16の内部を貫通するように形成される。貫通孔の内径及び本数は、カソード側表面16Sの単位面積あたり80μg/min・cm以上5400μg/min・cm以下の水が透過するように適宜設定すればよい。貫通孔は、無機固体電解質体16のうち酸化剤供給手段13の供給口近くに配置されることが好ましい。これによって、貫通孔からカソード12に流出した水を、酸化剤とともにカソード12全体に行き渡らせることができる。
水透過機能を付与する第2手法は、無機固体電解質体16に気孔を設ける手法である。気孔は、アノード側表面16Tからカソード側表面16Sまで無機固体電解質体16の内部を連なるように形成されることが好ましい。気孔の形状は特に制限されるものではなく、不定形状、或いは網の目状などであってもよい。気孔は、無機固体電解質体16の全体に広く形成されていてもよいし、無機固体電解質体16の一部のみに形成されていてもよい。気孔の内径、長さ、及び本数は、カソード側表面16Sの単位面積あたり80μg/min・cm以上5400μg/min・cm以下の二酸化炭素がカソード12で生成されるように適宜設定すればよい。
ただし、無機固体電解質体16が後述する基材を含む場合、上記第2手法は、基材が焼成温度(例えば、400℃以上)に耐えられる材料で構成されているときにのみ採用することができる。無機固体電解質体16の製造方法については後述する。
無機固体電解質体16は、水酸化物イオン伝導性を有する無機固体電解質を含む粒子群のみによって構成されていてもよいが、この粒子群の緻密化や硬化を助ける補助成分を含んでいてもよい。
また、無機固体電解質体16は、基材としての開気孔性の多孔質体と、この多孔質体の孔を埋めるように孔中に析出及び成長させた無機固体電解質(例えばLDH)との複合体であってもよい。多孔質体は、アルミナ及びジルコニアなどのセラミックス材料や、発泡樹脂又は繊維状物質からなる多孔性シート等の絶縁性材料によって構成することができる。
無機固体電解質体16は、板状、膜状及び層状のいずれの形態であってもよい。無機固体電解質体16が膜状又は層状である場合、無機固体電解質体16は、膜状又は層状の無機固体電解質体が多孔質基材上又は多孔質基材中に形成されたものであってもよい。無機固体電解質体16が膜状又は層状である場合、無機固体電解質体16の厚さは、100μm以下とすることができ、好ましくは75μm以下、より好ましくは50μm以下、さらに好ましくは25μm以下、特に好ましくは5μm以下である。無機固体電解質体16を薄くすることによって、無機固体電解質体16の抵抗を低減できる。無機固体電解質体16の厚さの下限値は、用途に応じて設定可能であるが、ある程度の堅さを確保するには1μm以上が好ましく、2μm以上がより好ましい。無機固体電解質体16が板状である場合、無機固体電解質体16の厚さは、0.01mm〜0.5mmとすることができ、好ましくは0.02mm〜0.2mmであり、より好ましくは0.05mm〜0.1mmである。
(無機固体電解質体16の製造方法)
無機固体電解質体16の製造方法の一例について説明する。以下に説明する製造方法は、ハイドロタルサイトに代表されるLDHのLDH粉末を成形及び焼成して酸化物焼成体とし、これをLDHへ再生した後、余剰の水分を除去することにより行われる。この製造方法によれば、緻密な無機固体電解質体16を簡便かつ安定的に製造できる。
1.LDH粉末の準備
上述した一般式:[M2+ 1−x3+ (OH)][An− x/n・mHO](式中、M2+は2価の陽イオン、M3+は3価の陽イオンであり、An−はn価の陰イオン、nは1以上の整数、xは0.1〜0.4である)によって表される基本組成を有するLDH粉末を準備する。このようなLDH粉末は市販品であってもよいし、硝酸塩や塩化物を用いた液相合成法等の公知の方法にて作製した原料であってもよい。
LDH粉末の粒径は特に限定されないが、体積基準D50平均粒径は、0.1μm〜1.0μmが好ましく、0.3μm〜0.8μmがより好ましい。LDH粉末の粒径が細かすぎると粉末が凝集して成形時に気孔が残留しやすく、LDH粉末の粒径が大きすぎると成形性が悪くなりやすい。
LDH粉末は、仮焼によって酸化物粉末としてもよい。この際の仮焼温度は、原料粒径が大きく変化しない温度範囲に設定することができ、例えば500℃以下が好ましく、380℃〜460℃がより好ましい。
2.成形体の作製工程
次に、LDH粉末を成形して成形体を得る。この成形は、成形体の相対密度が43%〜65%、より好ましくは45%〜60%、さらに好ましくは47%〜58%になるように、例えば加圧成形により行われるのが好ましい。加圧成形には、金型一軸プレス、冷間等方圧加圧(CIP)、スリップキャスト、或いは押出成形など公知の手法を用いることができる。ただし、LDH粉末を仮焼して酸化物粉末とした場合は、乾式成形法に限られる。
上述した第2手法(気孔を設ける手法)によって無機固体電解質体16に水透過機能を付与する場合には、LDH粉末に造孔材(例えば、アクリル系ポリマー、メチルセルロースなど)を添加して成形体を形成する。この造孔材が後述する焼成工程で焼成除去されることによって、酸化物焼成体の内部に気孔が形成される。気孔の内径、長さ及び本数は、造孔材の粒径及び量によって調整可能である。
成形体の相対密度は、成形体の寸法及び重量から密度を算出し、理論密度で除して求められる。成形体の重量は吸着水分の影響を受けるため、一義的な値を得るために、室温、相対湿度20%以下のデシケータ内で24時間以上保管したLDH粉末を用いた成形体か、もしくは成形体を前記条件下で保管した後に相対密度を測定するのが好ましい。
ただし、LDH粉末を仮焼して酸化物粉末とした場合には、成形体の相対密度が26%〜40%、より好ましくは29〜36%にする。酸化物粉末を用いる場合の相対密度は、LDHを構成する各金属元素が仮焼により各々酸化物に変化したと仮定して、各酸化物の混合物として求めた換算密度を分母として求める。
3.焼成工程
次に、成形体を焼成して酸化物焼成体を得る。この焼成は、酸化物焼成体が、成形体の重量の57%〜65%の重量、及び/又は、成形体の体積の70%〜76%の体積となるように行われるのが好ましい。
酸化物焼成体の重量を、成形体の重量の57%以上とすることで、後工程のLDHへの再生時に再生できない異相が生成されにくくなり、成形体の重量の65%以下とすることで、焼成が十分に行われて後工程で十分に緻密化する。また、酸化物焼成体の体積を、成形体の体積の70%以上とすることで、後工程のLDHへの再生時に異相が生成にくくなるとともに、クラックも生じにくくなり、成形体の体積の76%以下とすることで、焼成が十分に行われて後工程で十分に緻密化する。
ただし、LDH粉末を仮焼して酸化物粉末とした場合は、酸化物焼成体が、成形体の重量の85%〜95%、及び/又は、成形体の体積の90%以上の体積となるように焼成されるのが好ましい。
また、LDH粉末を仮焼したか否かに関わらず、焼成は、酸化物焼成体の相対密度が、酸化物換算で20%〜40%になるように行われるのが好ましく、より好ましくは20%〜35%であり、さらに好ましくは20%〜30%である。酸化物換算での相対密度とは、LDHを構成する各金属元素が焼成により各々酸化物に変化したと仮定し、各酸化物の混合物として求めた換算密度を分母として求めた相対密度である。
成形体の焼成温度は400℃〜850℃とすることができ、700℃〜800℃が好ましい。焼成工程は、1時間以上、好ましくは3時間〜10時間の間、上記焼成温度で保持する工程を含むのが好ましい。また、急激な昇温により水分や二酸化炭素が放出して成形体が割れるのを防ぐため、上記焼成温度に到達するまでの昇温速度は100℃/h以下が好ましく、5℃/h〜75℃/hがより好ましく、10℃/h〜50℃/hがさらに好ましい。従って、昇温から降温(100℃以下)に至るまでの全焼成時間は、20時間以上が好ましく、30時間〜70時間がより好ましく、35時間〜65時間がさらに好ましい。
なお、上述した成形体の作製工程において成形体に造孔材を添加した場合には、この焼成工程において造孔材が焼成除去されることによって、酸化物焼成体の内部に気孔が形成される。
4.LDHへの再生工程
次に、酸化物焼成体を上述したn価の陰イオン(An−)を含む水溶液中又はその直上に保持してLDHへと再生し、それにより水分に富むLDH固化体を得る。すなわち、この製法により得られるLDH固化体は必然的に余分な水分を含んでいる。
なお、水溶液中に含まれる陰イオンはLDH粉末中に含まれる陰イオンと同種の陰イオンとしてよいし、異なる種類の陰イオンとしてもよい。
酸化物焼成体の水溶液中又は水溶液直上での保持は、密閉容器内で水熱合成の手法により行われるのが好ましい。密閉容器の例としては、テフロン(登録商標)製の密閉容器が挙げられる。密閉容器の外側には、ステンレス製等のジャケットを設けることが好ましい。
LDH化は、酸化物焼成体を20℃以上200℃未満で、少なくとも酸化物焼成体の一面が水溶液に接する状態に保持することにより行われるのが好ましく、より好ましい温度は50℃〜180℃であり、さらに好ましい温度は100℃〜150℃である。このようなLDH化温度で、酸化物焼結体は1時間以上保持されるのが好ましく、2時間以上保持されるのがより好ましく、5時間以上保持されるのがさらに好ましい。これによって、十分にLDHへの再生を進行させて異相が残るのを抑制できる。なお、保持時間は、長すぎても特に問題はないが、効率性を重視して適宜設定すればよい。
LDHへの再生に使用するn価の陰イオンを含む水溶液の陰イオン種として空気中の二酸化炭素(炭酸イオン)を利用する場合、イオン交換水を用いることができる。なお、密閉容器内の水熱処理の際には、酸化物焼成体を水溶液中に水没させてもよいし、治具を用いて少なくとも一面が水溶液に接する状態で処理を行ってもよい。少なくとも一面が水溶液に接する状態で処理した場合、完全水没と比較して余分な水分量が少ないので、その後の工程が短時間で済む場合がある。ただし、水溶液が少なすぎるとクラックが発生しやすくなるため、焼成体重量と同等以上の水分を用いるのが好ましい。
なお、酸化物焼成体の内部に気孔が形成されている場合、この再生工程後であっても、LDH固化体の内部には気孔が残される。
5.脱水工程
次に、LDH固化体から余剰水分を除去することによって、無機固体電解質体16を得る。余剰水分を除去する工程は、300℃以下、除去工程の最高温度での推定相対湿度25%以上の環境下で行われるのが好ましい。LDH固化体からの急激な水分の蒸発を防ぐため、室温より高い温度で脱水する場合はLDHへの再生工程で使用した密閉容器中に再び封入して行うことが好ましい。その場合の好ましい温度は50℃〜250℃であり、さらに好ましくは100℃〜200℃である。また、脱水時のより好ましい相対湿度は25%〜70%であり、さらに好ましくは40%〜60%である。脱水を室温で行ってもよく、その場合の相対湿度は通常の室内環境における40%〜70%の範囲内であればよい。
上述した第1手法(貫通孔を設ける手法)によって無機固体電解質体16に水透過機能を付与する場合には、余剰水分が除去された後の無機固体電解質体16に貫通孔を直接形成する。貫通孔は、レーザーを用いて無機固体電解質体16の厚み方向に孔をあけることで形成することができる。貫通孔の内径は、レーザー出力、照射時間を変更することによって調整可能である。
以下において本発明の実施例について説明する。ただし、本発明は以下に説明する実施例には限定されない。
(固体アルカリ形燃料電池10の作製)
(1)無機固体電解質体16の作製
まず、原料粉末として、市販の層状複水酸化物であるハイドロタルサイト粉末(DHT−4H、協和化学工業株式会社製)を用意した。この原料粉末の組成はMg2+ 0.68Al3+ 0.32(OH)CO 2− 0.16・mHOであった。直径20mmの円板状の金型に原料粉末を充填して、500kgf/cmの成形圧で一軸プレス成形することによって、相対密度53%、直径20mm、厚さ約0.8mmの成形体を得た。なお、この相対密度の測定は、室温、相対湿度20%以下で24時間保管した成形体について行った。
次に、得られた成形体をアルミナ鞘中で焼成した。この焼成は、急激な昇温により水分や二酸化炭素が放出して成形体が割れるのを防ぐため、100℃/h以下の速度で昇温を行い、750℃の最高温度に達した時点で5時間保持した後、冷却することにより行った。この昇温から降温(100℃以下)に至るまでの全焼成時間は62時間であった。
次に、外側にステンレス製ジャケットを備えたテフロン(登録商標)製の密閉容器に焼成体を入れ、大気中でイオン交換水と共に封入した。そして、100℃で5時間保持する再生条件で焼成体に水熱処理を施した後、厚みが0.3mmになるよう研磨し、ろ紙で焼成体表面の水分を拭き取った。こうして得られた焼成体を25℃、相対湿度が50%程度の室内で自然脱水(乾燥)することによって、無機固体電解質体16を形成した。
次に、実施例1〜9及び比較例2,3では、レーザーを用いて、無機固体電解質体16を厚み方向に貫通する貫通孔を形成した。この際、レーザー出力及び照射時間の制御により貫通孔の内径を調整することによって、無機固体電解質体16を透過する燃料量を調整した。これにより、表1に示すように、無機固体電解質体16のカソード側表面16Sの単位面積あたりにおける水の透過量をサンプルごとに変更した。
なお、無機固体電解質体16のカソード側表面16Sの単位面積あたりにおける水の透過量は、以下のように測定した。まず、無機固体電解質体16のアノード側表面16Tに62℃、22kPaの水蒸気を供給しながら、カソード側表面16Sに水を含まない窒素ガスを循環させた。次に、カソード側表面16Sを通過した窒素ガス(水蒸気を含む)を全量回収して0℃まで冷却させることによって、窒素ガスに含まれる水蒸気を液体状の水にして分離した。分離された水の質量をカソード側表面16Sの面積と試験時間とで除することによって、カソード側表面16Sの単位面積あたりにおける水の透過量を算出した。
(2)カソード12及びアノード14の作製
Pt担持量50wt%(田中貴金属工業(株)社製TEC10E50E)の白金担持カーボン(以下、「Pt/C」という。)と、バインダーであるPVDF粉末(以下、「PVDFバインダー」という。)とを準備した。そして、(Pt/C触媒):(PVDFバインダー):(水)の重量比が9wt%:0.9wt%:90wt%の比率となるように、Pt/C、PVDFバインダー及び水を混合してペースト化することによってカソード用ペーストを作製した。
また、Pt−Ru担持量54wt%(田中貴金属工業(株)社製TEC61E54)の白金ルテニウム担持カーボン(以下、「Pt−Ru/C」という。)と、PVDFバインダーとを準備した。そして、(Pt−Ru/C触媒):(PVDFバインダー):(水)の重量比が9wt%:0.9wt%:90wt%の比率となるように、Pt−Ru/C、PVDFバインダー及び水を混合してペースト化することによってアノード用ペーストを作製した。
次に、カソード用ペーストを無機固体電解質体16の一方の面に印刷し、アノード用ペーストを無機固体電解質体16の他方の面に印刷した後、N雰囲気中において180℃で4時間熱処理することによって、カソード12/無機固体電解質体16/アノード14の接合体を得た。
(3)固体アルカリ形燃料電池10の組み立て
図2は、本実施例で作製した固体アルカリ形燃料電池10の分解斜視図である。
まず、固体電解質体16を、電解質固定用治具218の円形の開口部(直径20mm)に嵌め、中央に直径19mmの円形の開口部220aが形成されたPTFEテープ220を用いて固定した。なお、カソード12及びアノード14は、無機固体電解質体16の両面に印刷されているが、図2では固体電解質体16から分離して表示されている。
次に、アノード14/無機固体電解質体16/カソード12の積層物のカソード12側に、開口部222aが形成されたガスケット222(PTFE製)、加湿空気を供給するための空気供給部材213(カーボン製)及び集電板226(金メッキした銅製)を積層した。空気供給部材213は、加湿空気を通すための流路213aと、加湿空気をカソード12に供給するためのスリット(不図示)とを備える。
次に、アノード14/無機固体電解質体16/カソード12の積層物のアノード14側に、開口部224aが形成されたガスケット224(PTFE製)、燃料を供給するための燃料供給部材215(カーボン製)及び集電板228(金メッキした銅製)を積層した。燃料供給部材215は、燃料を通すための流路215aと、燃料を燃料極に供給するためのスリット215bとを備える。
以上の積層物を、2枚の集電板226,228の四隅に形成されたネジ穴226a,228aに挿入したネジ230で締結することによって、固体アルカリ形燃料電池10を完成させた。
(固体アルカリ形燃料電池10の運転実験)
まず、固体アルカリ形燃料電池10を120℃に加熱した。
次に、コンプレッサーを用いて、露点0℃以下の乾燥空気を空気供給部材213に供給し、カソード12における空気利用率が50%となるように調整した。また、気化させたメタノールを燃料供給部材215に供給し、アノード14における燃料利用率が50%となるように調整した。そして、空気供給部材213及び燃料供給部材215それぞれの排出路に取り付けた排圧調整弁(不図示)を用いて、アノード14に供給される燃料の圧力が、カソード12に供給される空気の圧力より大きくなるよう調整した。
次に、定格負荷(0.3A/cm)で発電させたときの固体アルカリ形燃料電池10の出力を測定した。固体アルカリ形燃料電池10の出力は、定格負荷での発電に必要な水量を気化させて投入した場合における、固体アルカリ形燃料電池10の出力を100%として規格化した値である。なお、表1では、固体アルカリ形燃料電池10の出力が最大出力の95%以上となった場合を◎と評価し、90%以上95%未満となった場合を○と評価し、80%以上90%未満となった場合を△と評価し、80%未満となった場合を×と評価した。
Figure 2019124318
表1に示すように、無機固体電解質体16に貫通孔を形成しなかった比較例1と、単位面積あたりの水の透過量を50μg/min・cmとした比較例2では、定格負荷における固体アルカリ形燃料電池10の出力は最大出力の80%未満であった。このような結果が得られたのは、カソード12に十分な量の水を供給できなかったためと考えられる。また、単位面積あたりの水の透過量を6500μg/min・cmとした比較例3でも、定格負荷における固体アルカリ形燃料電池10の出力は最大出力の80%未満であった。このような結果が得られたのは、無機固体電解質体16に対して貫通孔が占める割合が大きかったため、無機固体電解質体16自体の特性が低下したためと考えられる。
一方、単位面積あたりの水の透過量を80μg/min・cm以上5400μg/min・cm以下とした実施例1〜9では、定格負荷において固体アルカリ形燃料電池10の出力を最大出力の80%以上とすることができた。特に、単位面積あたりの水の透過量を320μg/min・cm以上5400μg/min・cm以下とした実施例2〜8では、定格負荷において固体アルカリ形燃料電池10の出力を最大出力の90%以上とすることができた。更に、単位面積あたりの水の透過量を1300μg/min・cm以上4000μg/min・cm以下とした実施例5〜7では、定格負荷において固体アルカリ形燃料電池10の出力を最大出力の95%以上とすることができた。
10 固体アルカリ形燃料電池
12 カソード
14 アノード
16 無機固体電解質体
16S カソード側表面
16T アノード側表面

Claims (3)

  1. 酸素を含む酸化剤が供給されるカソードと、
    水素原子を含む燃料が供給されるアノードと、
    前記カソードと前記アノードとの間に配置され、水酸化物イオン伝導性を有する無機固体電解質体と、
    を備え、
    前記無機固体電解質体は、カソード側表面の単位面積あたり80μg/min・cm以上5400μg/min・cm以下の水を透過可能である、
    固体アルカリ形燃料電池。
  2. 前記無機固体電解質体は、カソード側表面の単位面積あたり320μg/min・cm以上の水を透過可能である、
    請求項1に記載の固体アルカリ形燃料電池。
  3. 前記無機固体電解質体は、前記カソード側表面の単位面積あたり1300μg/min・cm以上の水を透過可能である、
    請求項1に記載の固体アルカリ形燃料電池。
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