JP6592582B2 - 燃料電池システム - Google Patents

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本発明は、燃料電池システムに関する。
燃料電池システムでは、効率的な発電を維持するために、発電に伴って発熱する燃料電池を冷却することによって、燃料電池を適切な温度に保つ必要がある。そのため、燃料電池システムには、燃料電池を冷却するための冷却システムが設けられる。
特許文献1に記載の冷却システムは、冷却媒体供給流路と、冷却媒体排出流路と、冷却媒体を冷却する放熱器とを備えており、冷却媒体として「水」が用いられている。
特開2016−096089号公報
しかしながら、冷却媒体として「水」を用いると、外気温が低下すれば水が凍結してしまう場合があるため、水の凍結を防止するための加熱装置などを設ける必要があり、燃料電池システムが大型化してしまう。
本発明は、小型化可能な燃料電池システムを提供することを目的とする。
本発明に係る燃料電池システムは、燃料電池と、冷却媒体供給流路と、冷却媒体排出流路と、放熱器とを備える。冷却媒体供給流路は、燃料電池に冷却媒体を供給する。冷却媒体排出流路は、燃料電池から冷却媒体を排出する。放熱器は、冷却媒体排出流路と冷却媒体供給流路との間に配置され、冷却媒体を冷却する。冷却媒体の凝固点は、水の凝固点よりも低い。冷却媒体の沸点は、燃料電池の作動温度よりも低い。
本発明によれば、小型化可能な燃料電池システムを提供することができる。
燃料電池システムの構成を示す模式図 固体アルカリ形燃料電池の構成を模式的に示す断面図
(燃料電池システム100)
図1は、燃料電池システム100の構成を示す模式図である。燃料電池システム100は、固体アルカリ形燃料電池10、燃料供給システム20、酸化剤供給システム30、及び冷却システム40を備える。
固体アルカリ形燃料電池10は、燃料と酸化剤とを電気化学的に反応させて電力を生みだす燃料電池の一例である。固体アルカリ形燃料電池10の構成については後述する。
燃料供給システム20は、固体アルカリ形燃料電池10に燃料を供給する。燃料供給システム20は、燃料供給流路21、燃料排出流路22、燃料タンク23、及び燃料ポンプ24を有する。燃料供給流路21は、燃料タンク23と固体アルカリ形燃料電池10に接続される。燃料供給流路21は、燃料タンク23に貯留された燃料を固体アルカリ形燃料電池10に供給する。燃料排出流路22は、固体アルカリ形燃料電池10に接続される。燃料排出流路22は、固体アルカリ形燃料電池10を通過した残燃料を外部に排出する。燃料ポンプ24は、燃料供給流路21上に配置される。燃料ポンプ24は、燃料タンク23に貯留された燃料を固体アルカリ形燃料電池10に向けて送り出す。
酸化剤供給システム30は、固体アルカリ形燃料電池10に酸化剤を供給する。酸化剤供給システム30は、酸化剤供給流路31、酸化剤排出流路32、及び酸化剤ポンプ33を有する。酸化剤供給流路31は、固体アルカリ形燃料電池10に接続される。酸化剤供給流路31は、酸化剤を固体アルカリ形燃料電池10に供給する。酸化剤は、酸素(O)を含む。酸化剤としては、空気を用いることができる。酸化剤排出流路32は、固体アルカリ形燃料電池10に接続される。酸化剤排出流路32は、固体アルカリ形燃料電池10を通過した残酸化剤を外部に排出する。酸化剤ポンプ33は、酸化剤供給流路31上に配置される。酸化剤ポンプ33は、酸化剤を固体アルカリ形燃料電池10に向けて送り出す。
冷却システム40は、燃料電池システム100の動作中、発電に伴って発熱する固体アルカリ形燃料電池10に冷却媒体を循環させることによって冷却し、固体アルカリ形燃料電池10を発電に適した作動温度(50℃以上250℃以下)に維持する。
冷却システム40は、冷却媒体供給流路41と、冷却媒体排出流路42と、放熱器43と、ファン44とを有する。
本実施形態では、冷却媒体として、凝固点が水の凝固点よりも低く、かつ、沸点が固体アルカリ形燃料電池10の作動温度(50℃以上250℃以下)よりも低い媒体が用いられる。このような冷却媒体としては、例えば、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、フッ素系不活性液体及びこれらの水溶液などから選択される少なくとも1種が挙げられる。
冷却媒体供給流路41は、放熱器43と固体アルカリ形燃料電池10とに接続される。冷却媒体供給流路41は、放熱器43によって冷却された冷却媒体を固体アルカリ形燃料電池10に供給する。冷却媒体排出流路42は、固体アルカリ形燃料電池10と放熱器43とに接続される。冷却媒体排出流路42は、固体アルカリ形燃料電池10内で加熱された冷却媒体を排出する。冷却媒体排出流路42は、冷却媒体を放熱器43に導く。放熱器43は、冷却媒体を冷却する。具体的には、放熱器43は、その内部を流れる冷却媒体の熱をファン44から送風される空気に放熱する。放熱器43としては、周知のラジエータを用いることができる。
ここで、上述のとおり、冷却媒体の凝固点は水の凝固点よりも低い。そのため、水を冷却媒体として用いる場合に比べて、冷却媒体が凍結してしまうことを抑制できる。従って、冷却媒体の凍結を防止するための加熱装置などを設ける必要をなくすか、或いは、加熱装置などを設ける必要があるとしても小型化することができる。
また、上述のとおり、冷却媒体の沸点は固体アルカリ形燃料電池10の作動温度よりも低い。そのため、冷却媒体供給流路41から固体アルカリ形燃料電池10に供給される液体状の冷却媒体は、固体アルカリ形燃料電池10の内部で沸点以上に加熱され、一部又は全部が気化することによって気体状又は気液混合状になる。この際、固体アルカリ形燃料電池10から気化熱が奪われることによって、固体アルカリ形燃料電池10は発電に適した作動温度(50℃以上250℃以下)に維持される。気体状又は気液混合状になった冷却媒体は、冷却媒体排出流路42から放熱器43に送られる。放熱器43に送られる気体状又は気液混合状の冷却媒体は、放熱器43によって冷却されて液体状になる。液体状に戻された冷却媒体は、再び冷却媒体供給流路41から固体アルカリ形燃料電池10に供給される。このように、冷却媒体は、固体アルカリ形燃料電池10における気化と、放熱器43における液化とを繰り返す。従って、冷却媒体の膨張と凝縮とが継続的に生じることで冷却媒体が自然に循環するため、冷却媒体を強制的に循環させるための設備(例えば、冷却媒体ポンプや冷却媒体タンクなど)を設ける必要がない。
以上より、本実施形態に係る冷却システム40によれば、燃料電池システム100を小型化することができる。
(固体アルカリ形燃料電池10)
燃料電池の一例として、固体アルカリ形燃料電池10について説明する。固体アルカリ形燃料電池10は、比較的低温で作動するアルカリ型燃料電池(AFC)の一種である。本実施形態に係る固体アルカリ形燃料電池10の作動温度は、50℃以上250℃以下である。固体アルカリ形燃料電池10は、例えばメタノールによって作動し、以下のような電気化学反応によって発電する。
・カソード12: 3/2O+3HO+6e→6OH
・アノード14: CHOH+6OH→6e+CO+5H
・全体 : CHOH+3/2O→CO+2H
図1は、固体アルカリ形燃料電池10の構成を模式的に示す断面図である。固体アルカリ形燃料電池10は、カソード12、酸化剤供給手段13、アノード14、燃料供給手段15、無機固体電解質体16、カソード側セパレータ17、及びアノード側セパレータ18を備える。
カソード12は、一般的に空気極と呼ばれる陽極である。固体アルカリ形燃料電池10の発電中、カソード12には、酸化剤供給手段13を介して、酸素(O)を含む酸化剤が供給される。
カソード12は、アルカリ型燃料電池に使用される公知のカソード触媒を含むものであればよく、特に限定されない。カソード触媒の例としては、白金族元素(Ru、Rh、Pd、Os、Ir、Pt)、鉄族元素(Fe、Co、Ni)等の第8〜10族元素(IUPAC形式での周期表において第8〜10族に属する元素)、Cu、Ag、Au等の第11族元素(IUPAC形式での周期表において第11族に属する元素)、ロジウムフタロシアニン、テトラフェニルポルフィリン、Coサレン、Niサレン(サレン=N,N’−ビス(サリチリデン)エチレンジアミン)、銀硝酸塩、及びこれらの任意の組み合わせが挙げられる。カソード12における触媒の担持量は特に限定されないが、好ましくは0.1〜10mg/cm、より好ましくは、0.1〜5mg/cmである。カソード触媒はカーボンに担持させるのが好ましい。カソード12ないしそれを構成する触媒の好ましい例としては、白金担持カーボン(Pt/C)、パラジウム担持カーボン(Pd/C)、ロジウム担持カーボン(Rh/C)、ニッケル担持カーボン(Ni/C)、銅担持カーボン(Cu/C)、及び銀担持カーボン(Ag/C)が挙げられる。
カソード12の作製方法は特に限定されないが、例えば、カソード触媒及び所望により担体をバインダーと混合してペースト状にし、このペースト状混合物を無機固体電解質体16の一方の面に塗布することにより形成すればよい。
酸化剤供給手段13は、上述した酸化剤供給システム30の酸化剤供給流路31と酸化剤排出流路32とに接続される。酸化剤供給手段13には酸化剤供給流路31から酸化剤が供給され、酸化剤供給手段13を通過した残酸化剤は酸化剤排出流路32から外部に排出される。
アノード14は、一般的に燃料極と呼ばれる陰極である。固体アルカリ形燃料電池10の発電中、アノード14には、燃料供給手段15を介して、水素原子(H)を含む燃料が供給される。
水素原子を含む燃料は、アノード14において水酸化物イオン(OH)と反応可能であり、かつ、カソード12において酸素と反応して水を生成可能なものであればよい。
このような燃料は、液体燃料及び気体燃料のいずれの形態であってもよい。液体燃料は、燃料化合物そのものが液体であってもよいし、固体の燃料化合物を水やアルコール等の液体に溶解させたものであってもよい。
燃料化合物としては、例えば、(i)ヒドラジン(NHNH)、水加ヒドラジン(NHNH・HO)、炭酸ヒドラジン((NHNHCO)、硫酸ヒドラジン(NHNH・HSO)、モノメチルヒドラジン(CHNHNH)、ジメチルヒドラジン((CHNNH、CHNHNHCH)、及びカルボンヒドラジド((NHNHCO)等のヒドラジン類、(ii)尿素(NHCONH)、(iii)アンモニア(NH)、(iv)イミダゾール、1,3,5−トリアジン、3−アミノ−1,2,4−トリアゾール等の複素環類化合物、(v)ヒドロキシルアミン(NHOH)、硫酸ヒドロキシルアミン(NHOH・HSO)等のヒドロキシルアミン類、及びこれらの組合せが挙げられる。
上記燃料化合物のうち炭素を含まない化合物(すなわち、ヒドラジン、水加ヒドラジン、硫酸ヒドラジン、アンモニア、ヒドロキシルアミン、硫酸ヒドロキシルアミン等)は、一酸化炭素による触媒被毒の問題が無いため耐久性の向上を図ることができるだけでなく、二酸化炭素の排出を無くすこともできる。
上記燃料化合物は、そのまま燃料として用いてもよいが、水及び/又はアルコール(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノールなどの低級アルコール等)に溶解させた溶液として用いてもよい。例えば、上記燃料化合物のうち、ヒドラジン、水化ヒドラジン、モノメチルヒドラジン及びジメチルヒドラジンは液体であるので、そのまま液体燃料として使用可能である。また、炭酸ヒドラジン、硫酸ヒドラジン、カルボンヒドラジド、尿素、イミダゾール、及び3−アミノ−1,2,4−トリアゾール、及び硫酸ヒドロキシルアミンは固体であるが水に可溶である。1,3,5−トリアジン及びヒドロキシルアミンは固体であるがアルコールに可溶である。アンモニアは気体であるが水に可溶である。このように、固体の燃料化合物は、水又はアルコールに溶解させて液体燃料として使用可能である。燃料化合物を水及び/又はアルコールに溶解させて用いる場合、溶液中の燃料化合物の濃度は、例えば1〜90重量%であり、好ましくは1〜30重量%である。
さらに、メタノール、エタノール等のアルコール類やエーテル類を含む炭化水素系液体燃料、メタン等の炭化水素系ガス、或いは純水素などは、そのまま燃料として用いることができる。特に、本実施形態に係る固体アルカリ形燃料電池10に用いられる燃料としては、メタノールが好適である。メタノールは、気体状態、液体状態、及び、気液混合状態のいずれであってもよい。
アノード14は、アルカリ型燃料電池に使用される公知のアノード触媒を含むものであればよく、特に限定されない。アノード触媒の例としては、Pt、Ni、Co、Fe、Ru、Sn、及びPd等の金属触媒が挙げられる。金属触媒は、カーボン等の担体に担持されるのが好ましいが、金属触媒の金属原子を中心金属とする有機金属錯体の形態としてもよく、このような有機金属錯体を担体として担持されていてもよい。また、アノード触媒の表面には多孔質材料等で構成された拡散層を配置してもよい。アノード14ないしそれを構成する触媒の好ましい例としては、ニッケル、コバルト、銀、白金担持カーボン(Pt/C)、パラジウム担持カーボン(Pd/C)、ロジウム担持カーボン(Rh/C)、ニッケル担持カーボン(Ni/C)、銅担持カーボン(Cu/C)、及び銀担持カーボン(Ag/C)が挙げられる。
アノード14の作製方法は特に限定されないが、例えば、アノード触媒及び所望により担体をバインダーと混合してペースト状にし、このペースト状混合物を無機固体電解質体16のカソード12と反対側の面に塗布することにより形成すればよい。
燃料供給手段15は、上述した燃料供給システム20の燃料供給流路21と燃料排出流路22とに接続される。燃料供給手段15には燃料供給流路21から燃料が供給され、燃料供給手段13を通過した残燃料は燃料排出流路22から排出される。
無機固体電解質体16は、カソード12とアノード14との間に配置される。無機固体電解質体16は、カソード側表面16Sとアソード側表面16Tとを有する。カソード側表面16Sは、無機固体電解質体16の外表面のうちカソード12が配置される空間に露出する領域であり、カソード12と対向する。アソード側表面16Tは、無機固体電解質体16の外表面のうちアノード14が配置される空間に露出する領域であり、アノード14と対向する。
無機固体電解質体16は、水酸化物イオン伝導性を有するセラミックスである。無機固体電解質体16の水酸化物イオン伝導度は、高ければ高いほど好ましいが、典型的には10−4〜10−1S/cmである。
無機固体電解質体16は、層状複水酸化物(Layered Double Hydroxide、以下「LDH」という。)によって構成することができる。この場合、無機固体電解質体16は、AEM(アニオン交換膜)のような有機系材料を電解質として用いる場合に比べて優れた耐熱性及び耐久性を発揮する。
LDHは、一般式:[M2+ 1−x3+ (OH)][An− x/n・mHO](式中、M2+は2価の陽イオンであり、M3+は3価の陽イオンであり、An−はn価の陰イオンであり、nは1以上の整数であり、xは0.1〜0.4である)によって表される基本組成を有する。
上記一般式において、M2+は、任意の2価の陽イオンでありうるが、好ましい例としてはMg2+、Ca2+及びZn2+が挙げられ、より好ましくはMg2+である。M3+は、任意の3価の陽イオンでありうるが、好ましい例としてはAl3+又はCr3+が挙げられ、より好ましくはAl3+である。An−は、任意の陰イオンでありうるが、好ましい例としてはOH及びCO 2−が挙げられる。
従って、上記一般式において、M2+がMg2+を含み、M3+がAl3+を含み、An−がOH及び/又はCO 2−を含むのが特に好ましい。nは、1以上の整数であるが、好ましくは1又は2である。xは、0.1〜0.4であるが、好ましくは0.2〜0.35である。mは、任意の実数である。
また、上記一般式においてM3+の一部または全部を4価以上の価数の陽イオンで置き換えてもよく、その場合は、上記一般式における陰イオンAn−の係数x/nは適宜変更されてよい。
無機固体電解質体16は、水酸化物イオン伝導性を有する無機固体電解質を含む粒子群のみによって構成されていてもよいが、この粒子群の緻密化や硬化を助ける補助成分を含んでいてもよい。
また、無機固体電解質体16は、基材としての開気孔性の多孔質体と、この多孔質体の孔を埋めるように孔中に析出及び成長させた無機固体電解質(例えばLDH)との複合体であってもよい。多孔質体は、アルミナ及びジルコニアなどのセラミックス材料や、発泡樹脂又は繊維状物質からなる多孔性シート等の絶縁性材料によって構成することができる。
無機固体電解質体16は、板状、膜状及び層状のいずれの形態であってもよい。無機固体電解質体16が膜状又は層状である場合、無機固体電解質体16は、膜状又は層状の無機固体電解質体が多孔質基材上又は多孔質基材中に形成されたものであってもよい。無機固体電解質体16が膜状又は層状である場合、無機固体電解質体16の厚さは、100μm以下とすることができ、好ましくは75μm以下、より好ましくは50μm以下、さらに好ましくは25μm以下、特に好ましくは5μm以下である。無機固体電解質体16を薄くすることによって、無機固体電解質体16の抵抗を低減できる。無機固体電解質体16の厚さの下限値は、用途に応じて設定可能であるが、ある程度の堅さを確保するには1μm以上が好ましく、2μm以上がより好ましい。無機固体電解質体16が板状である場合、無機固体電解質体16の厚さは、0.01mm〜0.5mmとすることができ、好ましくは0.02mm〜0.2mmであり、より好ましくは0.05mm〜0.1mmである。
カソード12、アノード14及び無機固体電解質体16は、固体アルカリ形燃料電池10の発電部を構成する。この発電部は、カソード側セパレータ17とアノード側セパレータ18とによって挟持されている。
カソード側セパレータ17は、板状の本体部17a、複数の第1凸部17b、及び複数の第2凸部17cを有する。各第1凸部17bは、本体部17aのカソード側の主面上に形成される。各第1凸部17bは、カソード12と電気的に接続される。各第1凸部17bは、リブ状に形成することができる。各第1凸部17bの隙間は、酸化剤供給手段13から供給される酸化剤が流れる酸化剤流路17dとなっている。各第2凸部17cは、本体部17aのカソード12と反対側の主面上に形成される。各第2凸部17cは、リブ状に形成することができる。各第2凸部17cの内部には、冷却媒体流路17eが形成される。冷却媒体流路17eは、上述した冷却システム40の冷却媒体供給流路41と冷却媒体排出流路42とに接続される。冷却媒体流路17eには、冷却媒体供給流路41を介して放熱器43から液体状の冷却媒体が供給される。冷却媒体流路17eを流れる冷却媒体は、発電部から熱を奪って気化することにより気体状又は気液混合状になる。気体状又は気液混合状の冷却媒体は、冷却媒体排出流路42を介して放熱器43に送られる。冷却媒体流路17eは、複数本の流路を含んでいてもよいし、1本の流路であってもよい。
アノード側セパレータ18は、板状の本体部18a、複数の第1凸部18b、及び複数の第2凸部18cを有する。各第1凸部18bは、本体部18aのアノード側の主面上に形成される。各第1凸部18bは、アノード14と電気的に接続される。各第1凸部18bは、リブ状に形成することができる。各第1凸部18bの隙間は、燃料電池供給手段15から供給される燃料が流れる燃料流路18dとなっている。各第2凸部18cは、本体部18aのアノード14と反対側の主面上に形成される。各第2凸部18cは、リブ状に形成することができる。各第2凸部18cの内部には、冷却媒体流路18eが形成される。冷却媒体流路18eは、上述した冷却システム40の冷却媒体供給流路41と冷却媒体排出流路42とに接続される。冷却媒体流路18eには、冷却媒体供給流路41を介して放熱器43から液体状の冷却媒体が供給される。冷却媒体流路18eを流れる冷却媒体は、発電部から熱を奪って気化することにより気体状又は気液混合状になる。気体状又は気液混合状の冷却媒体は、冷却媒体排出流路42を介して放熱器43に送られる。冷却媒体流路18eは、複数本の流路を含んでいてもよいし、1本の流路であってもよい。
なお、固体アルカリ形燃料電池10は、複数の発電部がセパレータを介して電気的に直列に接続された積層構造を有していてもよい。この場合、カソード側セパレータ17とアノード側セパレータ18とを区別する必要はなく、1種類のセパレータを用いることができる。
(燃料電池システム100の運転)
燃料電池システム100は、燃料供給システム20によって固体アルカリ形燃料電池10に気化させた燃料を供給し、酸化剤供給システム30によって固体アルカリ形燃料電池10に酸化剤を供給するとともに、固体アルカリ形燃料電池10を所定の作動温度(50℃以上250℃以下)を冷却システム40によって循環される冷却媒体の沸点よりも高くすることによって運転することができる。
(他の実施形態)
上記実施形態において、冷却システム40は、冷却媒体を強制的に循環させるための冷却媒体ポンプを備えないこととしたが、安定的な冷却媒体の循環を維持するために、冷却媒体ポンプを備えていてもよい。冷却媒体ポンプは、冷却媒体を放熱器43から固体アルカリ形燃料電池10に送り出すことができればよく、冷却媒体供給流路41及び冷却媒体排出流路42のいずれに配置されていてもよい。
上記実施形態において、冷却システム40は、冷却媒体を貯留するための冷却媒体タンクを備えないこととしたが、安定的な冷却媒体の循環を維持するために、冷却媒体タンクを備えていてもよい。冷却媒体タンクは、放熱器43の下流に配置されていることが好ましい。
以下において本発明の実施例について説明する。ただし、本発明は以下に説明する実施例には限定されない。
(燃料電池システム100の作製)
(1)無機固体電解質体16の作製
まず、原料粉末として、市販の層状複水酸化物であるハイドロタルサイト粉末(DHT−4H、協和化学工業株式会社製)粉末を用意した。この原料粉末の組成はMg2+ 0.68Al3+ 0.32(OH)CO 2− 0.16・mHOであった。直径20mmの円板状の金型に原料粉末を充填して、500kgf/cmの成形圧で一軸プレス成形することによって、相対密度53%、直径20mm、厚さ約0.8mmの成形体を得た。なお、この相対密度の測定は、室温、相対湿度20%以下で24時間保管した成形体について行った。
次に、得られた成形体をアルミナ鞘中で焼成した。この焼成は、急激な昇温により水分や二酸化炭素が放出して成形体が割れるのを防ぐため、100℃/h以下の速度で昇温を行い、750℃の最高温度に達した時点で5時間保持した後、冷却することにより行った。この昇温から降温(100℃以下)に至るまでの全焼成時間は62時間であった。
次に、外側にステンレス製ジャケットを備えたテフロン(登録商標)製の密閉容器に焼成体を入れ、大気中でイオン交換水と共に封入した。そして、100℃で5時間保持する再生条件で焼成体に水熱処理を施した後、厚みが0.3mmになるよう研磨し、ろ紙で焼成体表面の水分を拭き取った。こうして得られた焼成体を25℃、相対湿度が50%程度の室内で自然脱水(乾燥)することによって、無機固体電解質体16を形成した。
(2)カソード12及びアノード14の作製
Pt担持量20wt%の白金担持カーボン(以下、「Pt/C」という。)と、バインダーであるカルボキシメチルセルロース(以下、「CMCバインダー」という。)とを準備した。
次に、(Pt/C):(CMCバインダー):(水)の重量比が9wt%:0.9wt%:90wt%の比率となるように、Pt/C、CMCバインダー及び水を混合してペースト化した。
次に、得られたペーストを無機固体電解質体16の一方の面に印刷してカソード12とし、他方の面に印刷してアノード14とした。
(3)固体アルカリ形燃料電池10の組み立て
10枚の固体アルカリ形燃料電池10と9枚のセパレータとを交互に積層して、積層体をネジで締結することによって、固体アルカリ形燃料電池10を組み立てた。セパレータには、両主面に凸部を有し、かつ、内部に冷却媒体流路が形成されたものを用いた(図2参照)。
(4)燃料電池システム100の作製
図1に示した燃料供給システム20、酸化剤供給システム30、及び冷却システム40に固体アルカリ形燃料電池10を組み込み、冷却システム40に冷却媒体を充填した。使用した冷却媒体の種類は、表1に示すとおりである。なお、実施例1,3,6,8,9及び比較例3では、冷却媒体としてスリーエムジャパン株式会社製のフッ素系不活性液体を用いた。
(固体アルカリ形燃料電池10の凍結試験)
固体アルカリ形燃料電池10を−10℃の環境に24時間曝し、冷却媒体の凝固が発生したか否かを確認した。表1では、冷却媒体の凝固が発生した場合を×と評価し、冷却媒体の凝固が発生しなかった場合を○と評価した。
(燃料電池システム100の運転試験)
まず、固体アルカリ形燃料電池10を表1に示す作動温度に加熱した。作動温度から冷却媒体の沸点を引いた温度差ΔTを表1に纏めて示す。
次に、燃料供給システム20によって固体アルカリ形燃料電池10に気化させたメタノールを供給し、酸化剤供給システム30によって固体アルカリ形燃料電池10に加湿空気を供給した。
そして、作動温度±1℃の温度範囲で運転を継続できたか否かを確認した。表1では、作動温度±1℃の温度範囲で運転を継続できなかった場合を×と評価し、作動温度±1℃の温度範囲で運転を継続できた場合を○と評価した。
Figure 0006592582
表1に示すように、水を冷却媒体として用いた比較例1では、凍結試験において冷却媒体が凍結してしまい、固体アルカリ形燃料電池10に冷却媒体を循環させることができなくなった。また、冷却媒体の沸点が作動温度よりも高かった比較例2,3では、運転試験において十分な冷却効果を得られず、作動温度±1℃の温度範囲で運転を継続できなかった。
一方で、実施例1〜9では、冷却媒体の凝固点が水の凝固点(0℃)よりも低かったため、凍結試験において冷却媒体の凝固が発生せず、また、冷却媒体の沸点が作動温度よりも低かったため、運転試験において作動温度±1℃の温度範囲で運転を継続できた。
10 固体アルカリ形燃料電池
12 カソード
13 酸化剤供給手段
14 アノード
15 燃料供給手段
16 無機固体電解質体
17 カソード側セパレータ
18 アノード側セパレータ
20 燃料供給システム
30 酸化剤供給システム
40 冷却システム
100 燃料電池システム

Claims (3)

  1. 燃料電池と、
    前記燃料電池に冷却媒体を供給する冷却媒体供給流路と、
    前記燃料電池から前記冷却媒体を排出する冷却媒体排出流路と、
    前記冷却媒体排出流路と前記冷却媒体供給流路との間に配置され、前記冷却媒体を冷却する放熱器と、
    を備え、
    前記冷却媒体の凝固点は、水の凝固点よりも低く、
    前記冷却媒体の沸点は、前記燃料電池の作動温度よりも低
    前記冷却媒体排出流路は、前記燃料電池において気体状又は気液混合状となった冷却媒体を前記燃料電池から前記放熱器に直接導き、
    前記冷却媒体供給流路は、前記放熱器において液体状となった冷却媒体を前記放熱器から前記燃料電池に直接導く、
    燃料電池システム。
  2. 前記燃料電池の作動温度は、50℃以上250℃以下である、
    請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. 前記冷却媒体を前記放熱器から前記燃料電池に送り出す冷却媒体ポンプを備える、
    請求項1又は2に記載の燃料電池システム。
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