JPWO2019088287A1 - 色素凝集粒子、色素内包粒子、および蛍光標識材 - Google Patents

色素凝集粒子、色素内包粒子、および蛍光標識材 Download PDF

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Abstract

本発明は、高輝度であり振動耐性の高い、色素凝集粒子、色素内包粒子、および蛍光標識材を提供することを目的とし、本発明では、特定の構造を有する凝集誘起発光性分子を含む、振動耐性の高い色素凝集粒子および色素内包粒子、および蛍光標識材を得ることができる。

Description

本発明は、色素凝集粒子、色素内包粒子、蛍光標識材、およびそれらの製造方法に関する。
近年、臨床分野や基礎研究において、分子イメージング技術が高い注目を集めている。分子イメージングは、これまで可視化できなかった生体内での分子の動きを可視化する技術であり、例えば、生体分子の分子レベルでの解析、疾病の原因となるウイルスや細菌の動態についての研究、薬物が生体に与える作用等の評価など、様々な目的について広く用いられている。特にその優れた検出感度や操作性等から、生体中の微量物質の検出には、蛍光物質を用いて行う蛍光イメージングが広く用いられる。
蛍光イメージングを用いた診断や研究においては、蛍光性の物質を標識試薬として検出したい生体物質に結合させ、所定の励起光を照射することによって標識試薬の蛍光を高感度に検出する手法が提案されている。このような蛍光イメージングにより得られる蛍光シグナルにより、生体分子相互作用の定量化、長期間におよぶ生体分子の動態観察、超高感度観察などを行うため、「高輝度」および「高耐光性」の二つの特性をあわせもつ蛍光標識材が求められている。
従来用いられてきた蛍光標識材としては、例えば市販の有機系蛍光色素等が挙げられるが、これは量子収率は高くても標的分子に結合した1分子あたりの輝度は低く、また、使用の際に色素分子同士が凝集することで発光効率、発色性、光感受性や光増感性などの機能が著しく低下し、蛍光色素本来の特性を制限してしまうという欠点があった。
他の蛍光標識材としては、量子収率が高く、また耐光性が高いナノ粒子である量子ドットがある(特許文献1)。しかしながら、量子収率の比較的高い量子ドットの組成は生体毒性が高いCdを含む組成であることから生細胞や生体に対して用いることができないという問題がある。また、量子ドットは予測不可能な明滅現象を引き起こす等蛍光が安定せず、また比較的比重の大きい粒子であるため、標識した生体物質の動態や他の物質との相互作用へ干渉してしまうなど、生体分子の正確な観察や定量が難しいという欠点があった。
上述のような問題点を解消するため、蛍光色素化合物が分散したコロイドシリカ粒子があり、これは従来の蛍光色素よりも自己消光を起こしにくく、また多くの蛍光色素化合物をシリカ粒子内に固定させることで高い輝度を得られる(特許文献2)。
さらに、近年では色素分子同士が凝集することによって蛍光を発するという特性を有する凝集誘起発光性分子を凝集させた、色素凝集粒子が開発されている(特許文献3)。この色素凝集粒子は従来の蛍光標識材よりも高輝度であり、さらに細胞毒性が低いという利点がある。凝集発光性色素の高い輝度の発生は諸説あるが、凝集誘起発光性分子が高密度にパッキングされた微粒子となることで色素分子の部分構造の回転や振動や熱エネルギーへの変換等が抑制されて励起光エネルギーが効果的に発光パスに利用され量子収率が向上するメカニズム、また規則的な分子の積層状態がエキシマー発光しないような配置でパッキングされるために量子収率が向上するというメカニズムなどが考えられている。
特表2011−530187号公報 特開2010−112957号公報 米国特許出願公開第2013/089889号明細書
しかしながら、上記特許文献2に記載の粒子については、流通過程などの振動で粒子の母体であるシリカと結合できなかった蛍光色素や、シリカと弱い結合しかしていない蛍光色素が粒子から流出することで、その結果染色に用いた際の蛍光強度が損なわれるという問題があった。さらに上記特許文献3に記載の色素凝集粒子についても、本発明者らが追試実験をしたところ、振動過程後に粒子の崩壊が進んでおり、また染色に用いた際に輝度ムラが発生するという問題があることが判明した。
本発明者は、色素凝集粒子や色素内包粒子を構成する凝集誘起発光性分子を、特定の構造を有する凝集誘起発光性分子とすることで、色素凝集粒子の崩壊や色素内包粒子における凝集誘起発光性分子の流出が抑制できることを見出した。
すなわち、本発明は次のような解析方法を提供する。
[項1] 下記一般式(1)〜(9)で表される少なくとも一種の凝集誘起発光性分子を含む、色素凝集粒子。
Figure 2019088287
前記式(1)中、R1、R2、R3、R4、R5、およびR6はそれぞれ独立に、親水基、水素原子、有機基または有機金属基である;
Figure 2019088287
前記式(2)中、R1、R2、R3、およびR4はそれぞれ独立に、親水基、 水素原子、有機基または有機金属基である;
Figure 2019088287
前記式(3)中、R1、R2、およびR3はそれぞれ独立して親水基、水素原子、有機基または有機金属基であり、
Yは電子吸引性基である;
Figure 2019088287
前記式(4)中、白抜きの丸は炭素原子を示し、R1およびR2はそれぞれ独立して親水基、水素原子、有機基または有機金属基である;
Figure 2019088287
前記式(5)中、RおよびR'はそれぞれ独立して親水基、水素原子、有機基または有機金属基である;
Figure 2019088287
前記式(6)中、XはS、OまたはNであり、ここでXがOまたはSのときR4は存在せず、
Yは電子吸引性基または電子供与性基であり、
1、R2、R3およびR4はそれぞれ独立に有機基または親水基を有する有機基、有機金属基を表し、R1、R2、R3およびR4はそれぞれ結合して環構造を取っても良い;
Figure 2019088287
前記式(7)中、R1は置換芳香族基または、OHを除く親水基であり、
2、R3、およびR4はそれぞれ独立して親水基、有機基または有機金属基であり、
a〜dはそれぞれ独立して、0〜5の整数であり、aが2以上の場合、複数のR1は同一であっても異なっていてもよく、複数のR1が互いに結合して環を形成していてもよく、
b〜dが2以上の場合、複数のR2、R3、およびR4はそれぞれ同一であっても異なっていてもよく、
1とR2、R2とR4、R3とR4、R3とR1はそれぞれ結合して環を形成していてもよい;
Figure 2019088287
前記式(8)中、RAは独立に、親水基、水素原子または有機基であり、
aは独立に1〜5の整数であり、
Bは独立に芳香環含有有機基または親水基を有する芳香環含有基であり、
Cは独立に親水基、水素原子、有機基または有機金属基であり、
A、RBおよびRCの内、少なくとも一つが親水基または親水基を有する芳香環含有基であり、ここでRBおよびRCを構成する基の中に3級アミノ基は含まず;
Figure 2019088287
前記式(9)中、R、R'およびR’’はそれぞれ独立して親水基、水素原子、有機基または有機金属基である。
[項2] バインダと、下記一般式(1)〜(8)で表される少なくとも一種の凝集誘起発光性分子とからなる、色素内包粒子。
Figure 2019088287
前記式(1)中、R1、R2、R3、R4、R5、およびR6はそれぞれ独立に、親水基、水素原子、有機基、有機金属基、またはシランカップリング剤結合性基である;
Figure 2019088287
前記式(2)中、R1、R2、R3、およびR4はそれぞれ独立に、親水基、水素原子、有機基、有機金属基、またはシランカップリング剤結合性基である;
Figure 2019088287
前記式(3)中、R1、R2、およびR3はそれぞれ独立して親水基、水素原子、有機基、有機金属基、またはシランカップリング剤結合性基であり、
Yは電子吸引性基である;
Figure 2019088287
前記式(4)中、白抜きの丸は炭素原子を示し、R1およびR2はそれぞれ独立して親水基、水素原子、有機基、有機金属基、またはシランカップリング剤結合性基である;
Figure 2019088287
前記式(5)中、RおよびR'はそれぞれ独立して親水基, 水素原子、有機基、有機金属基、またはシランカップリング剤結合性基である;
Figure 2019088287
前記式(6)中、XはS、OまたはNであり、ここでXがOまたはSのときR4は存在せず、
Yは電子吸引性基または電子供与性基であり、
1、R2、R3およびR4はそれぞれ独立に有機基または親水基を有する有機基、有機金属基、またはシランカップリング剤結合性基を表し、R1、R2、R3およびR4はそれぞれ結合して環構造を取っても良い;
Figure 2019088287
前記式(7)中、R1は置換芳香族基、OHを除く親水基、またはシランカップリング剤結合性基であり、
2、R3、およびR4はそれぞれ独立して、親水基、有機基または有機金属基であり、
a〜dはそれぞれ独立して、0〜5の整数であり、aが2以上の場合、複数のR1は同一であっても異なっていてもよく、複数のR1が互いに結合して環を形成していてもよく、
b〜dが2以上の場合、複数のR2、R3、およびR4はそれぞれ同一であっても異なっていてもよく、
1とR2、R2とR4、R3とR4、R3とR1はそれぞれ結合して環を形成していてもよい;
Figure 2019088287
前記式(8)中、RAは独立に、親水基、水素原子、有機基、有機金属基、またはシランカップリング剤結合性基であり、
aは独立に1〜5の整数であり、
Bは独立に芳香環含有有機基であり、
Cは独立に親水基、水素原子、有機基または有機金属基である;
Figure 2019088287
前記式(9)中、R、R'およびR’’はそれぞれ独立して親水基, 水素原子、有機基、有機金属基、またはシランカップリング剤結合性基である。
[項3] 前記凝集誘起発光性分子が親水基を有する、項1に記載の色素凝集粒子。
[項4] 前記凝集誘起発光性分子が親水基を有する、項2に記載の色素内包粒子。
[項5] 項2または4に記載の色素内包粒子であって、前記バインダと凝集発光性分子とが共有結合を形成しており、前記バインダがメタロキサン結合を形成していることを特徴とした色素内包粒子。
[項6] 項1または3に記載の色素凝集粒子の表面に標的指向性リガンドが共有結合を介して結合している蛍光標識材。
[項7] 項2または4に記載の色素内包粒子の表面に標的指向性リガンドが共有結合を介して結合している蛍光標識材。
[項8] 前記標的指向性リガンドが、抗体、細胞小器官親和性物質、および、糖鎖と結合性を有するタンパク質からなる群から選択される1種以上の分子である、項6または7に記載の蛍光標識材。
[項9] 項6〜8のいずれか一項に記載の蛍光標識材と、緩衝液とを含む蛍光標識材分散液。
[項10] 凝集誘起発光性分子の溶液に、貧溶媒を接触させ、凝集誘起発光性分子を凝集させる工程を含む、項1または3に記載の色素凝集粒子の製造方法。
[項11] 凝集誘起発光性分子をバインダまたはバインダの前駆体中に分散させ、粒子化させる工程を含む、項2または4に記載の色素内包粒子の製造方法。
[項12] 項2または4に記載の色素内包粒子を製造する方法であり、
1)凝集発光性分子をバインダの前駆体中に分散させる工程
2)ゾルゲル法によりバインダの前駆体からバインダを形成し、かつ粒子化させる工程を含む、項11に記載の色素内包粒子の製造方法。
本発明の色素凝集粒子、色素内包粒子、および蛍光標識材は、従来の蛍光標識材に比べ、耐久性に優れ、物流の過程を経た後も製造時と変わらない染色性を維持する。
本明細書において用いられる「凝集誘起発光性分子」とは、希薄溶液中で各分子が溶解あるいは分散している状態では量子収率が低いために蛍光を発さないか蛍光の発光強度が弱いが、凝集して集合体を形成することで量子収率が上がり強い蛍光を発するか蛍光強度を増すという性質を有する蛍光物質を指す。
<色素凝集粒子>
本発明の「色素凝集粒子」は、下記一般式(1)〜(9)で表される少なくとも一種の凝集誘起発光性分子を含む。色素凝集粒子に含まれる凝集誘起発光性分子は、1種でも2種以上でもよい。なお、本明細書中においては、1つの式中にある同じ符号が2つ以上存在する場合には、それらは互いに同一であっても異なっていてもよい。
<凝集誘起発光性分子>
一般式(1)〜(8)で表される凝集誘起発光性分子について説明する。
Figure 2019088287
前記式(1)中、R1、R2、R3、R4、R5、およびR6はそれぞれ独立に、親水基、水素原子、有機基または有機金属基である。
Figure 2019088287
前記式(2)中、R1、R2、R3、およびR4はそれぞれ独立に、親水基、 水素原子、有機基または有機金属基である。
Figure 2019088287
前記式(3)中、R1、R2、およびR3はそれぞれ独立して親水基、水素原子、有機基または有機金属基であり、
Yは電子吸引性基である。
Figure 2019088287
前記式(4)中、白抜きの丸は炭素原子を示し、R1およびR2はそれぞれ独立して親水基、水素原子、有機基または有機金属基である。
式(4)で表される化合物は、C210で構成されるortho-カルボラン骨格を有する化合物である。なお、式(4)において、黒い点はBHを表す。また、立体構造の観点から図示できないBHは省略されている。
Figure 2019088287
前記式(5)中、RおよびR'はそれぞれ独立して親水基、水素原子、有機基または有機金属基である。
Figure 2019088287
前記式(6)中、XはS、OまたはNであり、ここでXがOまたはSのときR4は存在せず、
Yは電子吸引性基または電子供与性基であり、
1、R2、R3およびR4はそれぞれ独立に有機基または親水基を有する有機基、有機金属基を表し、R1、R2、R3およびR4はそれぞれ結合して環構造を取っても良い。
Figure 2019088287
前記式(7)中、R1は置換芳香族基または、OHを除く親水基であり、
2、R3、およびR4はそれぞれ独立して親水基、有機基または有機金属基であり、
a〜dはそれぞれ独立して、0〜5の整数であり、aが2以上の場合、複数のR1は同一であっても異なっていてもよく、複数のR1が互いに結合して環を形成していてもよく、
b〜dが2以上の場合、複数のR2、R3、およびR4はそれぞれ同一であっても異なっていてもよく、
1とR2、R2とR4、R3とR4、R3とR1はそれぞれ結合して環を形成していてもよい;
Figure 2019088287
前記式(8)中、RAは独立に、親水基、水素原子または有機基であり、
aは独立に1〜5の整数であり、
Bは独立に芳香環含有有機基または親水基を有する芳香環含有基であり、
Cは独立に親水基、水素原子、有機基または有機金属基であり、
A、RBおよびRCの内、少なくとも一つが親水基または親水基を有する芳香環含有基であり、ここでRBおよびRCを構成する基の中に3級アミノ基は含まず;
Figure 2019088287
前記式(9)中、R、R'およびR’’はそれぞれ独立して親水基、水素原子、有機基または有機金属基である。
前記式(1)〜(9)中における前記親水基の種類は特に限定されないが、例えば−OH、−SH、−COOH、−S(=O)2OH、−S(=O)NH2、−S(=O)2NH2、−P(=O)(OH)3、−P(=O)R(OH)2、−P(=O)R2(OH)、−P(OH)3、−P(=O)(NH23、−P(=O)R(NH22、−P(=O)R2(NH2)、−P(NH23、−O(C=O)OH、−NH2、−NHR、−NHCONH2、−NHCONHR、−NHCOOH、−Si(OH)3、−Si(R)(OH)2、−Si(R)2OH、−Ge(OH)3、−Ge(R)(OH)2、−Ge(R)2OH、−Ti(OH)3、−Ti(R)(OH)2、−Ti(R)2OH、−Si(NH23、−Si(R)(NH22、−B(OH)2、−O−B(OH)2、−B(NH22、−NHB(OH)2等が挙げられる。なお、前記Rはそれぞれ独立に水素または炭素数1〜20のアルキル基を示す。他にも、NHS基、マレイミド基等も親水性を示す親水基として挙げられる。
前記式(1)〜(9)中における前記有機基とは、例えば、炭素数が1〜20の炭化水素基であり、例えば、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、シクロアルキニル基、芳香族基等が挙げられる。これら分子中の任意の位置の水素原子の一つまたは複数が、S、N、O等のヘテロ原子で置換されていても良い。
前記式(1)〜(9)中における前記有機金属基とは、例えば、炭素数が1〜20の炭化水素基の一部に共有結合または配位結合で金属原子を有する基であり、特に金属原子と酸素原子との共有結合を含むものが好ましい。前記金属原子は限定されないが、例えば、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、スカンジウム、イットリウム、ルテニウム、ローレンシウム、ランタン、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、セリウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデン、タングステン、マンガン、ルテニウム、コバルト、ロジウム、イリジウム、ニッケル、白金、パラジウム、銅、銀、金、亜鉛、アルミニウム、ガリウム、インジウム、ケイ素、ゲルマニウムおよびスズが挙げられ、チタン、ジルコニウム、ケイ素であることが好ましい。
特に前記有機金属基は、チタンアルコキシド骨格、ジルコニウムアルコキシド骨格、ケイ素アルコキシド骨格等の金属アルコキシド基であることが好ましく、これらは加水分解して重縮合すると強固で安定なメタロキサン結合(金属原子と酸素原子による繰り返しの共有結合)を形成できる。さらに、前記有機金属基は、ケイ素アルコキシド骨格を有することがより好ましく、このような有機金属基を有する凝集誘起発光性分子は反応性を制御しやすい。本発明において、前記凝集誘起発光性分子が有する有機金属基が金属アルコキシドであり、凝集誘起発光性分子の重縮合を行う場合、前記金属アルコキシド基はバインダ前駆体となる。また、金属アルコキシド基が重縮合することにより形成されたメタロキサン結合は、本発明においてはバインダとなる。
また、色素内包粒子を製造するときは、前述のように有機金属基として金属アルコキシド基を有する凝集誘起発光性分子を、前述のように単独で重縮合させて安定なメタロキサン結合を形成させてもよいし、各種金属アルコキシドモノマーを新たに加えて重縮合させてもよい。各種金属アルコキシドモノマーを新たに加えて重縮合させる場合、金属アルコキシド基を有する凝集誘起発光性分子と各種金属アルコキシドモノマーとを同時に混合して重縮合させてもよいし、金属アルコキシド基を有する凝集誘起発光性分子を先に重縮合させてから各種金属アルコキシドモノマーを加えて追加の重縮合を行って色素内包粒子を製造してもよい。
金属アルコキシド基を有する凝集誘起発光性分子を単独で重縮合させる場合、凝集誘起発光性分子は濃度や溶媒極性等の調整により凝集粒子形態となり、続いて金属アルコキシド基を介しての重縮合反応を行うことで、凝集誘起発光性分子同士が凝集しながら3次元的にメタロキサン結合で固定化された色素内包粒子の形態をとる。
金属アルコキシド基を有する凝集誘起発光性分子を先に重縮合させてから各種金属アルコキシドモノマーを加えて追加の重縮合を行って色素内包粒子を製造する場合も凝集誘起発光性分子同士が凝集しながら3次元的にメタロキサン結合で固定化された部位を有する色素内包粒子の形態をとる。
このような方法で製造した色素内包粒子は、凝集誘起発光性分子同士、バインダ同士、バインダと凝集誘起発光性分子同士いずれの場合においても強固で安定なメタロキサン結合を形成でき、振動耐性といった耐久性が高くなる。
前記式(3)、(6)中における前記電子吸引性基とは、例えばシアノ基、ニトロ基、メトキシ基、トシル基、メシル基、ハロゲン、フェニル基、アシル基、ケト基、カルボキシル基、アルデヒド基、エトキシカルボニル基、メトキシカルボニル基、ピリジル基、ピリミジル基、トリアジニル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、ジシアノメチル基、シアナミド基などが挙げられる。
前記式(6)中における前記電子供与性基としては、例えばメトキシ基、アルコキシ基、アミノ基アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、トリアルキルアミノ基、アルキル基、メトキシ基部位を有する芳香族基が挙げられる。
前記式(6)中における前記親水基を有する有機基としては、例えば前記有機基が有する水素原子の少なくとも一つが、前記親水基で置換された基が挙げられる。
前記式(8)中における前記芳香環含有有機基としては、例えばフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、ピレニル基、アントラセニル基、アントラキノニル基、トリル基、ベンジル基、トリチル基、スチリル基、ベンジリデン基、アニリン基、ビリジル基、キノリル基、トシル基、テトラフェニルエチレン基、トリフェニルエチレン基、ジフェニルエチレン基、トリアジニル基およびこれらが結合した誘導体や、置換基が加わった誘導体が挙げられる。
<凝集誘起発光性分子(1)〜(6)および(9)>
上記一般式(1)〜(6)および(9)で表される凝集誘起発光性分子について、単結晶構造解析で分析すると、分子同士のパッキング性(パッキングの緻密さや強固さ等)は、凝集誘起発光性分子の分子骨格による影響を大きく受けることがわかった。上記一般式(1)〜(6)で表される凝集誘起発光性分子はいずれも複素環骨格を有しており、電子リッチなN部、S部、O部、B部の位置関係が特定の周期となるようにパッキングされていた。中でも、(1)〜(3)および(6)で表される凝集誘起発光性分子の分子骨格は周期性が高く、N元素、S元素、O元素が同一面内に配置することでヘテロ原子が最適な配置となっており、より強固なパッキングを形成していることが推定される。
また、(4)で表される凝集誘起発光性分子が有するカルボラン骨格においては、ホウ素原子の効果によりπ電子が3次元的に非局在化した超芳香族性の分子となることから、3次元的に強固なパッキングとなる。また、(5)で表される凝集誘起発光性分子が有するマレイミド骨格においては、カルボニル基のOとNHのHとが水素結合することにより、隣接分子との相互作用が強まると推測される。
<凝集誘起発光性分子(7)および(8)>
前記式(7)および(8)で表される凝集誘起発光性分子について単結晶構造解析で分析すると、分子同士のパッキング性(パッキングの緻密さや強固さ等)は、凝集誘起発光性分子の分子骨格による影響を大きく受けることがわかった。一般式(7)において、置換基R1に置換芳香族が導入された場合、置換芳香族基部分が隣接分子に入り組む形態で積層することで、より強固なパッキングとなることが確認された。また、置換基R1にOH以外の親水基が導入された場合、親水基部分が徐々にずれ、隣接分子に入り組む形で凝集誘起発光性分子が積層することで緻密で強固なパッキングとなることが確認された。このような緻密で強固な凝集誘起発光性分子同士のパッキングにより凝集誘起発光性分子の流出が抑制されると考えられる。
振動耐性の向上という観点から、前記凝集誘起発光性分子が親水基を有することが好ましい。凝集誘起発光性分子に親水基があると電気二重層が厚くなり、バッファなどの水系溶媒中で粒子形態がより安定となると考えられる。
前記色素凝集粒子の作製に用いられる凝集誘起発光性分子は、所望の波長(色)の蛍光を発するものを選択することができる。2種類以上の凝集誘起発光性分子を用いる場合は、それぞれ異なる波長の蛍光を発する凝集誘起発光性分子の組み合わせを選択して色素凝集粒子を作製すればよい。そのような2種類以上の凝集誘起発光性分子を用いる場合は、発光波長のピークが互いに100nm以上離れているものを選択することが好ましい。
以下、本発明に用いることが可能な一般式(1)〜(8)で表される凝集誘起発光性分子の具体例を示す。
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1およびR2は上記の式(4)‐1の中からそれぞれ独立に任意に選択される。
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<色素内包粒子>
本発明の「色素内包粒子」は、バインダと、上記一般式(1)〜(8)で表される少なくとも一種の凝集誘起発光性分子とからなることを特徴とする。
なお、本発明においてバインダとは、「凝集誘起発光性分子を包摂することで一定の形態にとどめるもの」または「凝集誘起発光性分子同士を繋ぎとめることで一定の形態にとどめるもの」である。「凝集誘起発光性分子を包摂することで一定の形態にとどめるもの」であるバインダとしては、樹脂や無機物等であり、凝集誘起発光性分子を内包することができる。また、「凝集誘起発光性分子同士を繋ぎとめることで一定の形態にとどめるもの」であるバインダとしては、凝集誘起発光性分子が有する置換基を介して隣接凝集誘起発光性分子と結合する場合の結合部や、凝集誘起発光性分子同士を結合させるリンカー等であり、凝集誘起発光性分子同士を繋ぎとめることで一定の形態にとどめることができる。
本発明の「色素内包粒子」に含まれる凝集誘起発光性分子は、前記式(1)中のR1、R2、R3、R4、R5、およびR6がそれぞれ独立に、親水基、水素原子、有機基、有機金属基、またはシランカップリング剤結合性基である凝集誘起発光性分子、前記式(2)中のR1、R2、R3、およびR4がそれぞれ独立に、親水基、 水素原子、有機基、有機金属基、またはシランカップリング剤結合性基である凝集誘起発光性分子、前記式(3)中のR1,R2、およびR3がそれぞれ独立して親水基、水素原子、有機基、有機金属基、またはシランカップリング剤結合性基であり、Yが電子吸引性基である凝集誘起発光性分子、前記式(4)中の白抜きの丸は炭素原子を示し、R1およびR2がそれぞれ独立して親水基、水素原子、有機基、有機金属基、またはシランカップリング剤結合性基である凝集誘起発光性分子、前記式(5)および(9)中のR、R'およびR’’がそれぞれ独立して親水基、水素原子、有機基、有機金属基、またはシランカップリング剤結合性基である凝集誘起発光性分子、前記式(6)中のXがS、OまたはNであり、ここでXがOまたはSのときR4は存在せず、Yが電子吸引性基または電子供与性基であり、R1、R2、R3およびR4がそれぞれ独立に有機基または親水基を有する有機基、有機金属基、またはシランカップリング剤結合性基を表し、R1〜R4がそれぞれ結合して環構造を取っても良い、凝集誘起発光性分子、前記式(7)中のR1が置換芳香族基、OHを除く親水基、またはシランカップリング剤結合性基であり、R2〜R4がそれぞれ独立して親水基、有機基または有機金属基であり、a〜dがそれぞれ独立して、0〜5の整数であり、aが2以上の場合、複数のR1が同一であっても異なっていてもよく、複数のR1が互いに結合して環を形成していてもよく、b〜dが2以上の場合、複数のR2、R3、およびR4はそれぞれ同一であっても異なっていてもよく、R1とR2、R2とR4、R3とR4、R3とR1がそれぞれ結合して環を形成していてもよい凝集誘起発光性分子、または前記式(8)中のRAが独立に、親水基、水素原子、有機基、有機金属基、またはシランカップリング剤結合性基であり、aは独立に1〜5の整数であり、RBが独立に芳香環含有有機基であり、RCは独立に親水基、水素原子、有機基または有機金属基である凝集誘起発光性分子、のうち1以上を含む。
前記シランカップリング剤結合性基はとくに限定されないが、例えば、N−ヒドロキシスクシンイミド(NHS)エステル基、マレイミド基、イソシアナート基、イソチオシアナート基、アルデヒド基、パラニトロフェニル基、ジエトキシメチル基、エポキシ基、シアノ基、アルコキシシラン基、ハロゲン原子等が挙げられる。
前記バインダは、特に限定されないが、物理的または化学的な結合力でもって凝集誘起発光性分子を集積化することのできる物質であれば特に限定されず、樹脂または無機物であることが好ましい。
本発明の色素内包粒子をSTEM−EELS観察した結果、粒子内で凝集誘起発光性分子が凝集・偏在していることが確認された。このように粒子内で凝集誘起発光性分子が凝集することで、粒子外への凝集誘起発光性分子流出が抑制されると考えられる。また、粒子内で凝集・偏在している凝集誘起発光性分子について単結晶構造解析で分析すると、色素凝集粒子と同様の仕組みにより凝集誘起発光性分子同士が強固にパッキングしていることが確認された。
さらに、凝集誘起発光性分子に親水基があることにより、粒子のバインダを形成する樹脂や無機物等の化合物との間で静電相互作用を生じるため、凝集誘起発光性分子の流出が抑制され得る。
前記樹脂としては、例えば、メラミン樹脂、尿素樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、フェノール樹脂、キシレン樹脂、スチレン樹脂、(メタ)アクリル樹脂、ポリアクリロニトリル、AS樹脂(アクリロニトリル−スチレン共重合体)、ASA樹脂(アクリロニトリル−スチレン−アクリル酸メチル共重合体)など、1種類または2種類以上のモノマーを用いて作製される各種の単独重合体および共重合体が挙げられる。中でも、メラミン樹脂やスチレン樹脂は、凝集誘起発光性分子を内包した粒子を作製しやすく、また得られた色素内包粒子の発光強度が高くなることから好適に用いられる。
前記無機物としては、例えば、酸化ジルコニウム、アルミナ、シリカ等が挙げられ、
常温化における振動耐性の向上および反応性制御という観点から、シリカであることがより好ましい。シリカは、一般に、化学的に不活性であると共に、その修飾が容易であることが知られていることから、バインダとしてシリカを用いた本発明の色素内包(シリカ)粒子もまた、容易に所望の分子を表面に結合させることが可能である。
さらに、疎水結合による非特異的吸着を抑制する等の観点から、色素内包粒子は親水性であることが好ましい。例えば、メラミン樹脂のように親水性の物質をバインダとして用いて色素内包粒子を作製したり、疎水性の物質で製造した色素内包粒子の表面を親水性化合物で修飾したりすることにより、親水性の色素内包粒子を得ることができる。
色素内包粒子の表面を親水化するために用いる親水性化合物は、特に限定されるものではないが、例えばポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロピレングリコール(PPG)等の直鎖状親水性高分子が、繰り返し単位数により分子長の調整が容易であることや、末端に種々の官能基等が連結された誘導体を調製したり製品として入手したりすることが容易なことなどから好ましい。
色素内包粒子の作製に用いられる凝集誘起発光性分子は、所望の波長(色)の蛍光を発するものを選択することができる。2種類以上の凝集誘起発光性分子を用いる場合は、それぞれ異なる波長の蛍光を発する凝集誘起発光性分子の組み合わせを選択して色素内包粒子を作製すればよい。そのような2種類以上の凝集誘起発光性分子を用いる場合は、発光波長のピークが互いに100nm以上離れているものを選択することが好ましい。
<蛍光標識材>
本発明の「蛍光標識材」は、前記色素凝集粒子または前記色素内包粒子の表面に標的指向性リガンドが共有結合を介して結合していることを特徴とする。蛍光標識材の形態、例えば、製造時、保存時、流通時の形態としては、特に限定されないが、例えばPBS等の公知の緩衝液を分散媒とする分散液の形態であることが好ましい。本発明の一態様は、分散液の形態、すなわち、蛍光標識材分散液であり、該蛍光標識材分散液は、蛍光標識材と、緩衝液とを含む。
<標的指向性リガンド>
本発明の「蛍光標識材」において用いられる標的指向性リガンドは、標的物質を特異的に認識して結合する物質であり、例えば動物等から採取した組織や細胞に含まれる生体物質である目的生体物質を標的物質として、特異的に認識して結合する物質であることが好ましい。前記目的生体物質は特に限定されないが、例えばタンパク質、核酸、糖鎖、脂質等が挙げられる。目的生体物質は任意の疾患に関連している生体物質であることが好ましい。具体的には、例えばがん細胞特異的に発現するマーカータンパク質(例えば、がん特異的タンパク質、血管内皮細胞特異的タンパク質、リン酸化タンパク質など)、炎症誘発性タンパク質等、免疫関連タンパク質が挙げられる。
例えば、目的生体物質が腫瘍組織やがん細胞において特異的に発現するタンパク質である場合、標的指向性リガンドとしてはこれらに対する抗体が好ましく選択される。目的生体物質が糖タンパク質の場合には、標的指向性分子としては、糖鎖と結合性を有するタンパク質(例えば、レクチン)などが好ましく選択される。
その他の標的指向性分子としては、例えば、細胞小器官親和性物質、ペプチドなどが挙げられる。
上記標的指向性リガンドとして抗体を選択する場合、通常はIgGまたはIgMであり、IgGが好ましく用いられる。抗体は、目的タンパク質または低次抗体を特異的に認識して結合する能力を有する限り、完全長のIgGのような天然型の抗体であってもよいし、Fab、Fab'、F(ab')2、Fv、scFvなどの抗体断片、あるいはそれらの抗体断片を用いて多機能化(多価化または多重特異性化)された人工抗体のような、非天然型の抗体であってもよい。抗原にユニークなエピトープを認識して結合する一次抗体が好ましく用いられる。標的指向性リガンドとして、一次抗体にユニークなエピトープを認識して結合する抗体である二次抗体を用いる場合にはあらかじめ目的生体物質に一次抗体を結合させたものを標的物質として用いる。
<色素凝集粒子の製造方法>
本発明の色素凝集粒子は、凝集誘起発光性分子の溶液に、貧溶媒を接触させ、凝集誘起発光性分子を凝集させる工程(A)を含むことが好ましく、前記工程(A)が、中心核存在下で、凝集誘起発光性分子の溶液に、貧溶媒を接触させ、凝集誘起発光性分子を凝集させる工程であってもよい。前記工程(A)以外の工程としては特に限定は無く、例えば凝集誘起発光性分子に親水基を導入する工程や、色素凝集粒子表面に親水基を導入する工程等が適宜行われる。中心核存在下で工程(A)を行うことにより、色素凝集粒子の粒径変動係数や平均粒径をコントロールすることが容易になるため好ましい。中心核は、凝集誘起発光性分子の溶液中に予め混合されていてもよく、貧溶媒中に予め混合されていてもよい。
中心核として用いられる物質は、特に限定されず、例えばポリスチレン、ラテックス等の有機分子や、シリカ等の無機分子からなる微粒子が好適に用いられる。中心核の性質および大きさは、所望の色素凝集粒子の粒径や作製に用いられる凝集誘起発光性分子の性質にしたがって選択することができる。中心核としては、平均粒径が1nm以上20nm以下であり、粒径変動係数が、5%以下のものが好ましい。
本発明における色素凝集粒子は、凝集誘起発光性分子を溶解させることができる溶媒(良溶媒)を用い、凝集誘起発光性分子の分溶液を調製した後に、凝集誘起発光性分子の溶液に、凝集誘起発光性分子の貧溶媒と混合することで色素凝集粒子を析出させる再沈殿法により調製することができる。このような再沈殿法を利用することで、凝集誘起発光性分子がより高密度に充填された粒子を作製することができる。具体的には、例えば、マイクロミキサーと呼ばれる内径の小さなミキサーを用いた再沈殿法であって、マイクロミキサーに凝集誘起発光性分子の良溶媒と貧溶媒とをポンプで送り込み、両者を急速かつ均一に混合することにより、微粒子を析出させる方法(流通法)が挙げられる。
好適に用いることができるマイクロミキサーとしては、凝集誘起発光性分子の分溶液と貧溶媒とを混合する混合部の流路の内径(流路の断面が円形でない場合は、当該流路の断面積と同じ面積をもつ円の直径)が2mm以下であることが好ましく、溶液と貧溶媒をより急速に混合するためには、流路の内径が1mm以下であることが好ましい。また、微粒子による流路の閉塞を防止するため、および流路内部での圧力損失を低減するためには、流路の内径が0.05mm以上であることが好ましい。
本発明の良溶媒としては、凝集誘起発光性分子に対して良好な溶解性を示すものであれば特に限定されず、後述の貧溶媒との混合性がよいものを選択することが好ましい。具体的には、例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル系溶媒、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン系溶媒、1−メチル−2−ピロリジノン、1,3−ジメチルイミダゾリノン、N,N−ジメチルホルムアミドなどのアミド系溶媒、ジメチルスルホキシドなどの含硫黄系溶媒、またはこれら2種以上の混合溶媒を好適に使用することができる。また、凝集誘起発光性分子の再分散を防ぐという観点から、貧溶媒の沸点よりも低い沸点を有する良溶媒を使用することが好ましい。また、必要に応じて無機化合物や分散剤などを良溶媒に溶解させてもよい。
本発明の貧溶媒としては、凝集誘起発光性分子に対して比較的溶解性が低いものであれば特に限定されず、前述の良溶媒との混合性がよいものを選択することが好ましい。例えば、水または水溶液が好ましく、メタノール、エタノールなどのアルコール系溶媒、ペンタン、ヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族系溶媒、ベンゼン、トルエンなどの芳香族系溶媒、またはこれら2種以上の混合溶媒を使用することができるが、これらには限定されない。除去を容易にする観点から、貧溶媒は、沸点が良溶媒と比較的低い(例えば40℃〜120℃)ものが好ましい。また、必要に応じて、無機化合物などを貧溶媒に溶解させてもよい。
反応時間、反応温度の反応条件は、上述した条件を満たす色素凝集粒子が製造されるような条件であれば特に限定されないが、凝集誘起発光性分子を効率よくナノ粒子化するためには短時間内に急速に、凝集誘起発光性分子の分溶液と貧溶液とを混合することが好ましく、例えば、レイノルズ数が4,000以上であるような乱流条件であることが好ましい。
また、本発明は比較的粗大な凝集誘起発光性分子の結晶を貧溶媒中に分散させた分散液に対してレーザーアブレーションを行う方法(特開2005−238342号公報)等で、粒径変動係数の小さい凝集ナノ粒子を製造することができる。
前記レーザーアブレーションを行う場合、レーザーとしては公知の各種レーザーを用いることができ、YAGレーザー、エキシマーレーザー、チタン−サファイヤレーザーなどが好ましく用いられる。照射レーザーとしては、パルス波を当てるのがよい。またより粒度分布のそろった凝集ナノ粒子を調製するためには、レーザーアプレーションを行う前の分散液の濃度を、0.1mg/L〜500mg/Lに調整しておくことが好ましい。照射するパワー、パルス幅、波長、照射時間は、対象の凝集誘起発光性色素の結晶の種類や大きさ、貧溶媒との混合比により適宜調整することができ、より粒度分布のそろった凝集ナノ粒子を調製するためには、例えば、パワーは0.5〜500mJ/cm2、パルス幅は1〜100フェムト秒、パルス幅は0.01〜500Hz、照射時間は0.5分〜5時間、の範囲で選択してレーザーを照射することが好ましい。
前記貧溶媒としては水、メタノール、エタノールなどのアルコール系溶媒、ペンタン、ヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族系溶媒、ベンゼン、トルエンなどの芳香族系溶媒、またはこれら2種以上の混合溶媒を使用することができるが、これらには限定されない。前記レーザーアブレーション法は例えば、The Review of Laser Engineering, 33, 41-46に記載の方法でセットアップした装置で行うことができる。
色素凝集粒子は、必要に応じて、限外ろ過膜などの常法を利用して精製してもよい。精製を行うことにより、反応液中のイオンや未反応の物質を除くことができ、また球状もしくは球状に近い色素凝集粒子を得ることができる。ここで、球状に近い微粒子とは、具体的には長軸と短軸の比が2以下の形状の微粒子である。
さらに所望の平均粒径の色素凝集粒子を得るためには、YM−10、YM−100(ミリポア社製)等の限外ろ過膜による限外ろ過を行い、粒径が大きい粒子を除去してもよい。
<色素内包粒子の製造方法>
本発明の色素内包粒子の製造方法は、前記凝集誘起発光性分子をバインダまたはバインダの前駆体中に分散させ、粒子化させる工程を含むことが好ましい。
また、色素内包粒子を製造する際にバインダとしてゾルゲル法により重縮合可能なバインダの前駆体を用いる場合、前記色素内包粒子の製造方法は、
1)凝集発光性分子をバインダの前駆体中に分散させる工程
2)ゾルゲル法によりバインダの前駆体からバインダを形成し、かつ粒子化させる工程
を含むことが好ましい。
バインダとしてシリカを用いる場合、色素内包粒子の作製法としては凝集誘起発光性分子を内包したシリカ粒子の構成となるものであればどの手法をとっても良い。具体的には、例えば、アルコキシシラン基を有する凝集誘起発光性分子を作製して重縮合させる方法により得ることができる。前記アルコキシシラン基は、1官能アルコキシシラン基、2官能アルコキシシラン基または3官能アルコキシシラン基を用いることができる。なお重縮合は、通常はゾルゲル法により行うことができる。
アルコキシシラン基を有する凝集誘起発光性分子の作製法は、特に限定されないが、例えば、凝集誘起発光性色素の分子の一部にアルコキシシラン基を直接導入する方法、シランカップリング剤により凝集誘起発光性分子の一部にアルコキシシランを導入する方法等が挙げられる。
アルコキシシラン基を直接凝集誘起発光性分子の分子に導入する場合、凝集誘起発光性分子の分子骨格の任意の位置に導入することができるが、芳香環部位にアルコキシシラン基を導入することでより発光効率の高い色素内包粒子を得ることができる。
また、シランカップリング剤により凝集誘起発光性分子の一部にアルコキシシランを導入する場合、まず前記凝集誘起発光性分子に活性基を導入し、続いて、それら活性基に反応する置換基を有するシランカップリング剤とを反応させ、共有結合させることでアルコキシシラン基を有する凝集誘起発光性分子を得ることができる。
前記活性基はとくに限定されないが、N−ヒドロキシスクシンイミド(NHS)エステル基、マレイミド基、イソシアナート基、イソチオシアナート基、アルデヒド基、パラニトロフェニル基、ジエトキシメチル基、エポキシ基、シアノ基、ハロゲン原子等から選択することができる。
凝集誘起発光性分子に導入する活性基としてN−ヒドロキシスクシンイミド(NHS)エステル基またはマレイミド基を選択し、シランカップリング剤としてアミノ基を有するシランカップリング剤を用いることでより発光効率の高い色素内包粒子を得ることができる。この場合、NHSエステル基と、アミノ基を有するシランカップリング剤のアミノ基とが、アミド結合(−NHCO−)することで、アルコキシシラン基を有する凝集誘起発光性分子が得られる。すなわち、前記アルコキシシラン基を有する凝集誘起発光性分子は、アミド結合を介して凝集誘起発光性分子とシリカが結合している。
前記アミノ基を有するシランカップリング剤は特に限定されないが、例えば、γ-アミノプロピルトリエトキシシラン(APS)、3−[2−(2−アミノエチルアミノ)エチルアミノ]プロピル-トリエトキシシラン、N−2(アミノエチル)3− アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン等が挙げられ、特にAPSが好ましい。
前記NHSエステル基を有する凝集誘起発光性分子と前記アミノ基を有するシランカップリング剤との反応は、DMSO(ジメチルスルホキシド)やDMF(N,N− ジメチルホルムアミド)等の溶媒にそれぞれを溶解した後、室温(例えば、25℃)条件下で攪拌しながら反応させることによって行うことができる。凝集誘起発光性分子とシランカップリング剤との割合は特に制限されないが、1:0.5〜2(モル比)の割合が好ましく、1:0.8〜1.2(モル比)の割合がより好ましい。
本発明の色素内包粒子は、上述の方法で作製したアルコキシシラン基を有する凝集誘起発光性分子を『単独で重縮合させる方法』または『1又は2種以上のシラン化合物を追加して重縮合させる方法』により製造することができる。
前記アルコキシシラン基を有する凝集誘起発光性分子を単独で重縮合させる場合、特に制限されないが、凝集誘起発光性色素の分子の一部にアルコキシシラン基が直接1つ以上結合した分子を用いるのが好ましく、アルコキシシラン基が直接2つ以上結合した分子を用いるのがより好ましい。
また、この重縮合反応はアルコール、水及びアンモニアの存在下で行うのが好ましい。ここでアルコールとしてはメタノール、エタノール、プロパノール等の炭素数1〜3の低級アルコールを挙げることができる。かかる反応系における水とアルコールの割合は、特に制限されないが、好ましくは水1容量部に対してアルコールを0.5〜20容量部、より好ましくは2〜16容量部、さらに好ましくは4〜10容量部の範囲である。アンモニアの量も特に制限されないが、アンモニアの濃度が30〜1000mMが好ましく、60〜500mMがより好ましく、80〜200mMがさらに好ましい。この反応は室温で行うことができ、また攪拌しながら行うことが好ましく、通常、数十分〜数十時間の反応で、本発明の色素内包粒子を調製することができる。
使用するアルコキシシラン基を有する凝集誘起発光性分子の濃度や反応時間を調整することにより、アルコキシシラン基を有する凝集誘起発光性分子の大きさ(直径)を適宜調節することができ、例えば同一の工程を複数回、繰り返し行えば、より大きなシリカ粒子を調製することができる。また必要に応じて、所望の粒子径分布範囲にある色素内包粒子を調製することができる。
前記アルコキシシラン基を有する凝集誘起発光性分子に、1又は2種以上のシラン化合物を追加して重縮合させて色素内包粒子を製造する場合、前記シラン化合物は特に限定されないが、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン(TEOS)、γ-メルカプトプロピルトリメトキシシラン(MPS)、γ-メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ-アミノプロピルトリエトキシシラン(APS)、3−チオシアナトプロピルトリエトキシシラン、3−グリシジルオキシプロピル トリエトキシシラン、3−イソシアナトプロピルトリエトキシシラン、及び3−[2−( 2−アミノエチルアミノ)エチルアミノ]プロピル−トリエトキシシラン等を挙げることができ、特にTEOS、MPSまたはAPSが好ましい。アルコキシシラン基を有する凝集誘起発光性分子とシラン化合物の割合は、特に制限はないが、アルコキシシラン基を有する凝集誘起発光性分子1モルに対するシラン化合物のモル比として、0.05〜4000が好ましく、0.1〜400がより好ましく、0.3〜40がさらに好ましい。
アルコキシシラン基を有する凝集誘起発光性分子とシラン化合物との反応は、アルコール、水及びアンモニアの存在下で行うのが好ましい。ここでアルコールとしてはメタノール、エタノール、プロパノール等の炭素数1〜3の低級アルコールを挙げることができる。かかる反応系における水とアルコールの割合は、特に制限されないが、好ましくは水1容量部に対してアルコールを0.5〜20容量部、より好ましくは2〜16容量部、さらに好ましくは4〜10容量部の範囲である。アンモニアの量も特に制限されないが、アンモニアの濃度が30〜1000mMが好ましく、60〜500mMがより好ましく、80 〜200mMがさらに好ましい。この反応は室温で行うことができ、また攪拌しながら行うことが好ましく、通常、数十分〜数十時間の反応で、本発明の色素内包粒子を調製することができる。
使用するアルコキシシラン基を有する凝集誘起発光性分子の濃度を調整したり、反応時間を調整することにより、調製する色素内包粒子の大きさ(直径)を適宜調節すること ができる。使用するシラン化合物の濃度を低くしたり、また反応時間を短くすることにより、より小さなシリカ粒子を調製することができる(例えば、Blaaderen et al.,"Synthesis and Characterization of Monodisperse Colloidal Organo-silica S pheres",J. Colloid and Interface Science 156,1-18.1993参照)。一方、同じ工程を複数回、繰り返し行えば、より大きなシリカ粒子を調製することができる。このように、得られる色素内包粒子の粒径(直径)を、所望の大きさに、例えばnmオーダーからμmオーダーの大きさ、具体的には、3〜30nmといった微小な大きさを有する色素内包粒子を調製することが可能である。また必要に応じて、所望の粒子径分布範囲にある色素内包粒子を調製することができる。
また、本発明の色素内包粒子は、蛍光標識として必要な機能が損なわれない限り、特に製造方法に限定はない。ただ、典型的な態様において、本発明の色素内包粒子は、下記重合工程を含む製造方法により得ることができる。
(重合工程)
本発明の色素内包粒子の製造方法で行われる重合工程として、
(a−1)重合工程:上記有機樹脂の原料となる樹脂原料を、上記凝集誘起発光性分子の存在下で重合させて、凝集誘起発光性分子を内包した樹脂粒子を製造する工程が挙げられる。
ここで、上記工程(a−1)で用いることのできる樹脂原料は、上記樹脂に対応するモノマーであっても良く、あるいは、そのようなモノマーから得られるプレポリマーであっても良い。このようなモノマーおよびプレポリマーの具体例として、上記「樹脂」の項で上述したものが挙げられる。
上記色素は、工程(a−1)における重合反応の当初から存在していても良く、あるいは、この重合反応の途中から加えられても良い。
なお、上記重合反応は、上記凝集誘起発光性分子の存在下で行うことを除いては、従来公知の条件および手法により行うことができる。
例えば、有機樹脂としてメラミン樹脂が用いられる場合、上記凝集誘起発光性分子とメラミン樹脂との混合液にギ酸を加えて重縮合反応させることにより、凝集誘起発光性分子と酸化防止剤とを内包したメラミン樹脂粒子を得ることができる。このときの反応は、例えば、水中で行うことができる。また、必要に応じて、適当な界面活性剤存在下で重合反応を行ってもよい。さらに、メラミン樹脂等の熱硬化性樹脂の重縮合反応を促進するとともに、当該樹脂または凝集誘起発光性分子に含まれるアミノ基のような官能基にプロトン(H+)を付与して荷電させ、静電的相互作用を起こしやすくすることを目的として、上記色素とメラミン樹脂との混合液に対し、適当な酸などの重合反応促進剤をさらに添加しても良い。
重合反応の条件(温度、時間等)は、樹脂の種類、原料混合物の組成などを考慮しながら適切に設定することができる。メラミン樹脂等の熱硬化性樹脂の合成については、反応温度は通常60〜200℃、反応時間は通常20〜120分間である。なお、反応温度は凝集誘起発光性分子の性能が低下しない温度(耐熱温度範囲内)とすることが適切である。加熱は複数の段階に分けて行ってもよく、例えば、相対的に低温で一定時間反応させた後、昇温して相対的に高温で一定時間反応させるようにしてもよい。
重合反応の終了後は、反応液から余剰の樹脂原料、凝集誘起発光性分子、界面活性剤等の不純物を除去し、生成した色素内包粒子を回収して精製すればよい。例えば、反応液を遠心分離にかけ、不純物が含まれている上澄みを除去した後、超純水を加えて超音波照射して再度分散させて洗浄する。これらの操作は、上澄みに樹脂や蛍光色素に由来する吸光、蛍光が見られなくなるまで複数回繰り返し行うことが好ましい。
一方、有機樹脂として、スチレン系樹脂等の熱可塑性樹脂が用いられる場合、熱可塑性樹脂は、ラジカル重合、イオン重合(アニオン重合、他)など、公知の手法に従って合成することができる。熱可塑性樹脂を用いた内包型の蛍光標識用樹脂粒子もそれらの手法に準じて製造することができるが、例えば、ソープフリー乳化重合法に従った重合工程により製造することが好ましい。
この場合の重合工程は、典型的には、凝集誘起発光性分子と、樹脂原料と、重合開始剤とを含有する反応混合物を加熱して樹脂の重合反応を進行させ、凝集誘起発光性分子を内包する樹脂粒子を生成させる工程となる。
重合開始剤、重合反応の条件(温度、時間等)は、樹脂の種類などを考慮しながら適宜設定することができる。熱可塑性樹脂の合成については、反応温度は通常20〜150℃、反応時間は通常10〜240分間である。ここで、重合開始剤として、過酸化ベンゾイル、アゾビスイソブチロニトリルなどの公知のものを用いることができるが、この重合工程がソープフリー乳化重合法に従って行われる場合、2,2'-アゾビス(2-メチルプロピオンアミジンなど水溶性の重合開始剤を用いることができる。
本発明では、上述した工程(a−1)により得られる凝集誘起発光性分子を内包した樹脂粒子それ自体を、本発明に係る蛍光標識用樹脂粒子として用いてもよいし、あるいは、後述する表面修飾をさらに行うことにより、他の分子と結合を形成可能な官能基をさらに有する樹脂粒子としたものを、本発明に係る色素内包粒子として用いることもできる。
バインダの種類を問わず、本発明の色素内包粒子を製造する際には、必要に応じて、限外ろ過膜などの常法を利用して精製してもよい。精製を行うことにより、反応液中のイオンや未反応の物質を除くことができ、また球状もしくは球状に近い色素内包粒子を得ることができる。ここで、球状に近い微粒子とは、具体的には長軸と短軸の比が2以下の形状である。
さらに所望の平均粒径の色素内包粒子を得るためには、YM−10、YM−100(ミリポア社製)等の限外ろ過膜による限外ろ過を行い、粒径が大きい粒子を除去してもよい。
<樹脂>
本発明に係る色素内包粒子を構成する樹脂(本発明で樹脂は有機樹脂とも表現する)は、後述する凝集誘起発光性分子を内包するためのコンテナーとして機能する。本発明で用いられる有機樹脂は、凝集誘起発光性分子の機能を損なうものでない限り、特に限定はなく、熱硬化性樹脂であっても、熱可塑性樹脂であってもよい。
(熱硬化性樹脂)
本発明において有機樹脂として用いうる熱硬化性樹脂として、例えば、メラミン、尿素、グアナミン類(ベンゾグアナミン、アセトグアナミンなどを含む)、フェノール類(フェノール、クレゾール、キシレノールなどを含む)、キシレン、およびこれらの誘導体からなる群より選ばれる少なくとも一種のモノマーから形成される構成単位を含むものが挙げられる。これらのモノマーは、何れか一種を単独で用いてもよいし、二種以上を組み合わせて用いてもよい。所望によりさらに、一種または二種以上の上記化合物以外のコモノマーを併用してもよい。
熱硬化性樹脂の具体例としては、メラミン・ホルムアルデヒド樹脂、尿素・ホルムアルデヒド樹脂、ベンゾグアナミン・ホルムアルデヒド樹脂、フェノール・ホルムアルデヒド樹脂、メタキシレン・ホルムアルデヒド樹脂が挙げられる。本発明においては、色素内包時の発光強度の観点から、メラミン・ホルムアルデヒド樹脂に代表されるメラミン樹脂が好ましい。
これらの熱硬化性樹脂の原料としては、上述したようなモノマーそのもののみならず、モノマーとホルムアルデヒドやその他の架橋剤等の化合物とをあらかじめ反応させて得られるプレポリマーを用いてもよい。例えば、メラミン・ホルムアルデヒド樹脂の製造においては一般的に、メラミンとホルムアルデヒドとをアルカリ条件下で縮合して調製されるメチロールメラミンがプレポリマーとして用いられており、当該化合物はさらにアルキルエーテル化(水中での安定性を向上させるためのメチル化、有機溶媒中での溶解性を向上させるためのブチル化等)されたものであってもよい。
また、上記の熱硬化性樹脂は、その構成単位に含まれる水素の少なくとも一部が、電荷を持つ置換基、または共有結合を形成しうる置換基に置き換えられたものでもよい。このような熱硬化性樹脂は、公知の手法により少なくとも一つの水素が上記の置換基に置き換えられた(誘導体化された)モノマーを原料として用いることにより合成することができる。なお、メラミン樹脂、尿素樹脂、ベンゾグアナミン樹脂などは通常自ずとアミノ基またはこれに由来する部位から生成するカチオンを有し、フェノール樹脂、キシレン樹脂などは通常自ずと水酸基またはこれに由来する部位から生成するアニオンを有する。
このような熱硬化性樹脂は、公知の手法に従って合成することができる。例えば、メラミン・ホルムアルデヒド樹脂は、前述したようにしてあらかじめ調製されたメチロールメラミンを、必要に応じて酸等の反応促進剤を添加した上で加熱して重縮合させることにより合成することができる。
(熱可塑性樹脂)
本発明において有機樹脂として用いうる熱可塑性樹脂は、特に限定はされないものの、例ええば、スチレン、(メタ)アクリル酸およびそのアルキルエステル、アクリロニトリル、ならびにこれらの誘導体からなる群より選ばれる少なくとも一種の単官能モノマー(一分子中に重合反応に関与する基、上記の例ではビニル基を一個持つモノマー)から形成される構成単位を含むものが挙げられる。これらのモノマーは、何れか一種を単独で用いてもよいし、二種以上を組み合わせて用いてもよい。所望によりさらに、一種または二種以上の上記化合物以外のコモノマーを併用してもよい。
熱可塑性樹脂の具体例としては、ポリスチレン、スチレンとその他のモノマーとからなるスチレン系樹脂、ポリメタクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸およびそのアルキルエステルとその他のモノマーとからなるアクリル系樹脂、ポリアクリロニトリル、AS樹脂(アクリロニトリル−スチレン共重合体)、ASA樹脂(アクリロニトリル−スチレン−アクリル酸メチル共重合体)、アクリロニトリルおよびその他のモノマーとからなるアクリロニトリル系樹脂が挙げられる。
ただ、本発明においては、凝集誘起発光性分子内包時の発光強度の観点から、スチレン系樹脂が好ましい。ここで、本発明において「スチレン系樹脂」とは、置換基を有していても有していなくてもよいスチレンの単独重合体または共重合体である樹脂を指す。
上記の熱可塑性樹脂は、例えば、ジビニルベンゼンのような多官能モノマー(一分子中に重合反応に関与する基、上記の例ではビニル基を二個以上持つモノマー)から形成される構成単位、つまり架橋部位を含んでいてもよい。
また、上記の熱可塑性樹脂は、その構成単位に含まれる水素の少なくとも一部が、電荷を持つ置換基、または共有結合を形成しうる置換基に置き換えられたものでもよい。このような熱可塑性樹脂は、例えば4−アミノスチレンのように、少なくとも一つの水素が上記の置換基に置き換えられた(誘導体化された)モノマーを原料として用いることにより合成することができる。
さらに、上記の熱可塑性樹脂は、前記工程(a−1)により得られた蛍光標識用樹脂粒子を表面修飾するための官能基を有する構成単位を含んでいてもよい。例えば、エポキシ基を有するメタクリル酸グリシジルのようなモノマーを原料とすることにより、エポキシ基が表面に配向した蛍光標識用樹脂粒子を調製することができる。このエポキシ基は、過剰のアンモニア水と反応させることによりアミノ基に変換することができる。このようにして形成されるアミノ基には、公知の手法に従って(必要に応じてリンカーとなる分子を介して)、各種の生体分子を導入することができる。
<蛍光標識材の製造方法>
本発明の一実施形態としては、前記色素凝集粒子または前記色素内包粒子の表面に標的指向性リガンドを結合させる工程を含む、蛍光標識材の製造方法が挙げられる。前記色素凝集粒子または前記色素内包粒子と標的指向性リガンドとは、直接結合させてもよいし、リンカー等を介して結合させてもよい。
前記色素凝集粒子または前記色素内包粒子の表面に標的指向性リガンドを結合させる方法は特に限定されないが、下記(i)〜(iii)の方法が挙げられる。
(i)チオール基を表面に有する前記色素凝集粒子または前記色素内包粒子は、ジスルフィド結合、チオエステル結合、またはチオール置換反応を介して標的指向性リガンドと結合させることができる。特に標的指向性リガンドがアミノ基を有する場合には、前記色素凝集粒子または前記色素内包粒子が有するチオール基と、前記標的指向性リガンドが有するアミノ基とを、スクシンイミジル−トランス−4−(N−マレイミジルメチル)シクロヘキサン−1−カルボキシレート(SMCC)、N−(6−マレイミドカプロイルオキシ)スクシンイミド(EMCS)等の架橋剤を用いて結合させてもよい。
(ii)アミノ基を表面に有する色素凝集粒子または前記色素内包粒子は、前述と同様に、このアミノ基と生体分子等が有するチオール基とをSMCC、EMCS等の架橋剤を用いて結合させることができる。また、このアミノ基と生体分子等が有するアミノ基とをグルタルアルデヒド等の架橋剤で結合させることもできる。さらに、アミド結合やチオウレア結合を介して、その表面に生体分子等を結合させることもできる。
(iii)抗原−抗体反応、ビオチン−アビジン反応、塩基配列の相補性を利用したハイブリダイゼーション等による特異的結合を介して、色素凝集粒子または色素内包粒子と標的指向性リガンドとを結合させることもできる。具体的には、例えば、あらかじめビオチンと結合させた色素凝集粒子と、アビジンと結合させた標的指向性リガンドとを反応させることで色素凝集粒子と標的指向性リガンドとがビオチン−アビジン反応により結合する。
(色素内包粒子の表面修飾)
本発明では、上述した工程(a−1)により得られる色素内包粒子を、そのまま本発明に係る蛍光標識材に用いてもよいが、本発明の色素内包粒子には、所要に応じて表面修飾を行うことができる。
ここで、本発明において行いうる表面修飾は、特に限定はされない。ただし、本発明の色素内包粒子を免疫染色用蛍光標識材として用いる場合、本発明の色素内包粒子は、免疫染色の実施形態に応じた生体関連結合性物質を連結させた態様で用いられることになる。したがって、本発明の色素内包粒子に施しうる表面修飾は、他の分子と結合を形成可能な官能基の導入の形で行われることが好ましい。
ここで、他の分子と結合を形成可能な官能基として、生化学の分野において一般的に用いられる官能基が挙げられ、そのような官能基の具体例として、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、チオール基、マレイミド基、アルデヒド基などが挙げられる。なお、本明細書における以下の記載において、他の分子と結合を形成可能な官能基は、反応性官能基とも呼ばれる場合がある。
他の分子と結合を形成可能な官能基の導入方法としては、種々の従来公知の手法を用いることができる。
例えば、上述した工程(a−1)により得られる色素内包粒子が表面に水酸基を有する場合、他の分子と結合を形成可能な官能基を有するシランカップリング剤を当該水酸基と反応させることにより、当該他の分子と結合を形成可能な官能基を導入することができる。例えば、表面に水酸基を有する色素内包粒子を、アミノプロピルトリメトキシシランなどアミノ基を有するシランカップリング剤と反応させることにより、アミノ基を有する色素内包粒子を得ることができる。また、表面に水酸基を有する色素内包粒子への他の分子と結合を形成可能な官能基の導入は、活性エステルと他の分子と結合を形成可能な官能基とを有する適当なリンカー分子を当該水酸基と反応させることによって行うこともできる。これらのような導入方法は、特に、有機樹脂としてメラミン樹脂を採用してなる色素内包粒子に好適に適用しうる。
また、上述した工程(a−1)により得られる色素内包粒子が表面にエポキシ基を有する場合、例えば、このような色素内包粒子をアンモニア水で処理することにより、アミノ基を導入することができる。また、エポキシ基と反応性を有する官能基と、他の分子と結合を形成可能な官能基とを有する適当なリンカー分子を当該エポキシ基と反応させることによって、当該他の分子と結合を形成可能な官能基を導入することもできる。
また、色素内包粒子が表面に反応性官能基を何ら有していない場合であっても、例えばプラズマ処理等従来公知の適当な表面処理を施すことで一旦粒子表面に水酸基等を導入し、その後、表面に水酸基を有する「色素内包粒子」への「他の分子と結合を形成可能な官能基」の導入と同様の方法を適用しうる場合がある。以上より、バインダとして樹脂を用いた場合もシリカ粒子の表面修飾の場合と同様にして標的指向性リガンドを結合させることができる。
また、本発明の蛍光標識材の製造方法においては、色素内包粒子の表面に任意のアクセプター基を導入することにより、所望の分子を表面に結合させてもよい。前記アクセプター基として、アミノ基、水酸基、チオール基、カルボキシル基、マレイミド基、スクシンイミジルエステル基等が挙げられる。
例えば、アルコキシシラン基を有する凝集誘起発光性分子を単独で重縮合させて色素内包粒子を製造した場合、シリカ粒子にはOH基が存在するため、これをアクセプター基としてもよく、さらに追加で粒子表面に所望の基を有するシラン化合物(シランカップリング剤)を結合させることにより、所望の分子と結合可能なアクセプター基を表面に有する色素内包粒子としてもよい。
また、アルコキシシラン基を有する凝集誘起発光性分子に、1又は2種以上のシラン化合物を追加して重縮合させることで色素内包粒子を製造した場合、重縮合させたシラン化合物の種類に応じて、所望の分子と結合可能なアクセプター基を表面に有する色素内包粒子とすることができる。重縮合させたシラン化合物(シランカップリング剤)と、それによって得られる色素内包粒子の表面に形成されるアクセプター基との関係を表1に示す。
Figure 2019088287
重縮合させたシラン化合物によって表面に導入されるアクセプター基とは異なるアクセプター基を導入したい場合には、追加で粒子表面に所望の基を有するシラン化合物(シランカップリング剤)を結合させることにより達成することができる。
以下、実施例に基づいて本発明の好適な態様をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。
[実施例1]
(色素凝集粒子(1))
下記式(9)の化合物4,4′-Bis(1,2,2-triphenylvinyl)-1,1′-biphenyl(シグマアルドリッチ社製)を1mMになるようにテトラヒドロフランに溶解したものを調整した。内径0.15mmの流路を備えるステンレス製T字型マイクロミキサー(MT1XCS6、Valco社製)に、ポンプ(PU−1580、日本分光株式会社)を用いて流速1.0mL/minで前記溶液を送液し、さらに別のポンプ(NS−KX−500、日本精密科学株式会社)を用いて、流速74.0mL/minで超純水を送液することで、マイクロミキサー内で両液を混合して色素凝集粒子を析出させた。混合時の圧力は4〜5MPaであり、色素凝集粒子による流路の閉塞は生じなかった。混合時のレイノルズ数は、約12,000と計算された。
得られた色素凝集粒子0.1gと硫酸10mLを混合し、50℃で1時間攪拌して粒子表面のSO3基導入を行った。
続いて、ナトリウムアミドによる芳香族スルホン酸塩のアミノ化反応(日本化学会誌1974,(8),P・1522, 奈良ら)を参考に色素凝集粒子を100mg、ナトリウムアミドを30mg、28wt%アンモニア水を0.5mL、水を5mL加え、60℃で4時間反応させることで、粒子表面のスルホン酸基をアミノ基に置換した。
続いて遠心分離機を用いて10000rpmで30分処理して上澄みを除去して洗浄することで色素凝集粒子(1)を得た。
Figure 2019088287
[実施例2]
(色素凝集粒子(2))
式(9)の化合物の代わりに下記式(10)の化合物4,4′-(1,2-Diphenylethene-1,2-diyl)dibenzoic acid(シグマアルドリッチ社製)を用いる以外は実施例1と同様の手法で色素凝集粒子(2)を得た。
Figure 2019088287
[実施例3]
(色素凝集粒子(3))
式(9)の化合物の代わりに下記式(11)の化合物を用いる以外は実施例1と同様の手法で色素凝集粒子(3)を得た。下記式(11)の化合物はAdv. Funct. Mater. 2014, 24, 3621.に記載の方法で合成した。
Figure 2019088287
[実施例4]
(色素凝集粒子(4))
1,1,2,3,4,5-Hexaphenyl-1H-silole(シグマアルドリッチ社製)100mg、水30mL、エタノール30mL、濃硫酸0.5mLを混合し、50℃で3時間撹拌した。続いて、カラムクロマトグラフィで精製を行い、下記式(12)の化合物を得た。続いて、式(9)の化合物の代わりに下記式(12)の化合物を用いる以外は実施例1と同様の手法で色素凝集粒子(4)を得た。
Figure 2019088287
[実施例5]
(色素凝集粒子(5))
Organometallics, 2016, 35 (14), pp 2327−2332に記載の合成法により下記式(13)の化合物を合成した。式(9)の化合物の代わりに下記式(13)の化合物を用いる以外は実施例1と同様の手法で色素凝集粒子(5)を得た。
Figure 2019088287
[実施例6]
(色素凝集粒子(6))
前記式(13)の化合物0.1モルに対し、濃硫酸5mL、濃硝酸5mLを加え、1時間撹拌することで芳香環へのニトロ化を行った。続いて、カラムクロマトグラフィで精製することにより、ニトロ基が2つ導入された化合物を得た。次に、10gのニトロ基が2つ導入された化合物に対して、スズ粉末0.1gおよび濃塩酸10mLを加えて1時間撹拌した。続いて、水/酢酸エチルで分液精製し、減圧乾燥させることで、下記式(14)の化合物を得た。前記式(9)の化合物の代わりに下記式(14)の化合物を用いる以外は実施例1と同様の手法で色素凝集粒子(6)を得た。
Figure 2019088287
[実施例7]
(色素凝集粒子(7))
Dalton Trans, 2013, 42, 3646-3652に記載の合成法により下記式(15)の化合物を合成した。式(9)の化合物の代わりに下記式(15)の化合物を用いる以外は実施例1と同様の手法で色素凝集粒子(7)を得た。
Figure 2019088287
[実施例8]
(色素凝集粒子(8))
前記式(15)の化合物0.1モルに対し、濃硫酸5mL、濃硝酸5mLを加え、1時間撹拌することで芳香環へのニトロ化を行ない、続いて、カラムクロマトグラフィで精製することにより、ニトロ基が2つ導入された化合物を得た。次に、10gのニトロ基が2つ導入された化合物に対して、スズ粉末0.1gおよび濃塩酸10mLを加えて1時間撹拌した。続いて、水/酢酸エチルで分液精製し、減圧乾燥させることで、下記式(16)の化合物を得た。前記式(9)の化合物の代わりに下記式(16)の化合物を用いる以外は実施例1と同様の手法で色素凝集粒子(8)を得た。
Figure 2019088287
[実施例9]
(色素凝集粒子(9))
New J. Chem., 2007, 31, 2076?2082に記載の合成法により下記式(17)の化合物を得た。前記式(9)の化合物の代わりに下記式(17)の化合物を用いる以外は実施例1と同様の手法で色素凝集粒子(9)を得た。
Figure 2019088287
[実施例10]
(色素凝集粒子(10))
Macromolecules 2009, 42, 1418-1420に記載の方法でヨウ化フェニル基を有するカルボランを取得し、続いて、WO 2009087994 A1に記載の方法で脱ハロゲン化することによりヨウ素置換基を水素化することで、下記式(18)の化合物を得た。前記式(9)の化合物の代わりに下記式(18)の化合物を用いる以外は実施例1と同様の手法で色素凝集粒子(10)を得た。
Figure 2019088287
[実施例11]
(色素凝集粒子(11))
Macromolecules 2009, 42, 1418-1420に記載の方法において、フェニルアセチレンの代わりに4-アミノフェニルアセチレンを用いることで、下記式(19)の化合物を得た。
前記式(9)の化合物の代わりに下記式(19)の化合物を用いる以外は実施例1と同様の手法で色素凝集粒子(11)を得た。
Figure 2019088287
[実施例12]
(色素凝集粒子(12))
Chem.Lett.2012, 41, 1445-1447に記載の方法において、下記式(20)の化合物を得た。前記式(9)の化合物の代わりに下記式(20)の化合物を用いる以外は実施例1と同様の手法で色素凝集粒子(12)を得た。
Figure 2019088287
[実施例13]
(色素凝集粒子(13))
Chem. Eur. J, 2013, 19, 4506-4512に記載の方法において、下記式(21)の化合物を得た。前記式(9)の化合物の代わりに下記式(21)の化合物を用いる以外は実施例1と同様の手法で色素凝集粒子(13)を得た。
Figure 2019088287
[実施例14]
(色素凝集粒子(14))
前記式(21)の化合物100mg、水30mL、エタノール30mL、濃硫酸0.5mLを混合し、50℃で3時間撹拌した。続いて、カラムクロマトグラフィで精製を行い、下記式(22)の化合物を得た。前記式(9)の化合物の代わりに下記式(22)の化合物を用いる以外は実施例1と同様の手法で色素凝集粒子(14)を得た。
Figure 2019088287
[実施例15]
(色素内包粒子(15))
前記式(13)の化合物100mgに対して鉄粉末10mg、酢酸ナトリウム10mg、THF100mLを加え塩素ガスバブリング下、室温で1時間撹拌し、水/トルエンで分液精製することで上記式(13)の化合物の芳香環にCl基が導入されたクロロ化化合物を得た。温度計、攪拌機、および還流冷却管を備えた100mLの四つ口フラスコに,マグネシウム5.35mg(0.22mmol)およびテトラヒドロフラン20gを仕込み,窒素気流下攪拌しながら1,2−ジブロモエタン3.76g(0.02モル)を加えて活性化した。ここに、前記クロロ化化合物101.6mg(0.2mmol)をテトラヒドロフラン20gに溶解した液を55℃で滴下して対応するグリニャール試薬を調製した。このグリニャール試薬をテトラメトキシシラン91.3g(0.6モル)中に滴下した。生成した塩をろ過し、減圧蒸留することで、下記式(23)の化合物を得た。
下記式(23)の化合物10mgを1mlのジメチルスルホキシド(DMSO)に溶解し、室温(25℃)で1時間撹拌を行った。続いて反応液にエタノール5ml、蒸留水1.5ml、28質量%アンモニア水100μlを加え室温で24時間反応を行った。
反応液をYM−100(商品名、ミリポア社製)で限外ろ過した。フィルターを透過した色素内包シリカ粒子分散液を回収し、今度はYM−1(商品名、ミリポア社製)で限外ろ過を行い、全量の10分の1量になるまで色素内包シリカ粒子分散液を濃縮した。濃縮した液を蒸留水で希釈して再度YM−1で限外ろ過を行った。濃縮後蒸留水で希釈し限外ろ過を行う操作を4回繰り返して行い、色素内包シリカ粒子分散液に含まれる未反応の原料やアンモニア等を除去し、色素内包粒子(15)を得た。
Figure 2019088287
[実施例16]
(色素内包粒子(16))
前記式(13)の化合物を用いて前記式(23)の化合物を合成する代わりに、前記式(15)の化合物を用いて下記式(24)の化合物を合成する以外は実施例15と同様の手法で色素内包粒子(16)を得た。
Figure 2019088287
[実施例17]
(色素内包粒子(17))
前記式(13)の化合物を用いて前記式(23)の化合物を合成する代わりに、前記式(17)の化合物を用いて下記式(25)の化合物を合成する以外は実施例15と同様の手法で色素内包粒子(17)を得た。
Figure 2019088287
[実施例18]
(色素内包粒子(18))
前記式(13)の化合物を用いて前記式(23)の化合物を合成する代わりに、前記式(18)の化合物を用いて下記式(26)の化合物を合成する以外は実施例15と同様の手法で色素内包粒子(18)を得た。
Figure 2019088287
[実施例19]
(色素内包粒子(19))
前記式(13)の化合物を用いて前記式(23)の化合物を合成する代わりに、前記式(20)の化合物を用いて下記式(27)の化合物を合成する以外は実施例15と同様の手法で色素内包粒子(19)を得た。
Figure 2019088287
[実施例20]
(色素内包粒子(20))
前記式(13)の化合物を用いて前記式(23)の化合物を合成する代わりに、前記式(21)の化合物を用いて下記式(28)の化合物を合成する以外は実施例15と同様の手法で色素内包粒子(20)を得た。
Figure 2019088287
[実施例21]
(色素内包粒子(21))
前記式(13)の化合物100mgに対して鉄粉末10mg、酢酸ナトリウム10mg、臭素10mg、THF100mLを加え、室温で1時間撹拌し、水/トルエンで分液精製することで前記式(13)の化合物の芳香環にBr基を導入したブロモ化合物を得た。
酢酸パラジウム(3mmol%、分子量224.51)とキサントホス(3mmol%、分子量578.63)を20mL耐圧試験管に入れ、窒素置換した。ギ酸(0.035mmol、分子量46.03)と前記ブロモ化合物119.2mg(0.2mmol)をDMF5mLに溶解した溶液を添加した。試験管を密封し、100℃で20時間加熱した。TLCで反応終了を確認後、反応混合物をろ過し、減圧濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することで式(29)の化合物を得た(J. Org. Chem., 2017, 82 (18), pp 9710−9714, Palladium-Catalyzed Carbonylative Transformation of Organic Halides with Formic Acid as the Coupling Partner and CO Source: Synthesis of Carboxylic Acids)。
Figure 2019088287
(NHS基を導入した凝集発光性分子の重縮合化)
前記式(29)の化合物5.6mgを1mlのジメチルスルホキシド(DMSO)に溶解した。ここに1.3μlのAPSを加え、室温(25℃)で1時間反応を行った。得られた反応液50μlにエタノール3.95ml、MPS20μl、蒸留水1ml、28質量%アンモニア水100μlを加え室温で24時間反応を行った。反応液をYM−100(商品名、ミリポア社製)で限外ろ過した。フィルターを透過した蛍光シリカ粒子分散液を回収し、今度はYM−1(商品名、ミリポア社製)で限外ろ過を行い、全量の10分の1量になるまで蛍光シリカ粒子分散液を濃縮した。濃縮した液を蒸留水で希釈して再度YM−1で限外ろ過を行った。濃縮後蒸留水で希釈し限外ろ過を行う操作を4回繰り返して行うことで未反応のAPSやアンモニア等を除去することで色素内包粒子(21)を得た。
[実施例22]
(色素内包粒子(22))
前記式(13)の化合物を用いて前記式(29)の化合物を合成する代わりに、前記式(15)の化合物を用いて下記式(30)の化合物を合成する以外は実施例21と同様の手法で色素内包粒子(22)を得た。
Figure 2019088287
[実施例23]
(色素内包粒子(23))
前記式(13)の化合物を用いて前記式(29)の化合物を合成する代わりに、前記式(17)の化合物を用いて下記式(31)の化合物を合成する以外は実施例21と同様の手法で色素内包粒子(23)を得た。
Figure 2019088287
[実施例24]
(色素内包粒子(24))
前記式(13)の化合物を用いて前記式(29)の化合物を合成する代わりに、前記式(18)の化合物を用いて下記式(32)の化合物を合成する以外は実施例21と同様の手法で色素内包粒子(24)を得た。
Figure 2019088287
[実施例25]
(色素内包粒子(25))
前記式(13)の化合物を用いて前記式(29)の化合物を合成する代わりに、前記式(20)の化合物を用いて下記式(33)の化合物を合成する以外は、実施例21と同様の手法で色素内包粒子(25)を得た。
Figure 2019088287
[実施例26]
(色素内包粒子(26))
前記式(13)の化合物を用いて前記式(29)の化合物を合成する代わりに、前記式(21)の化合物を用いて下記式(34)の化合物を合成する以外は、実施例21と同様の手法で色素内包粒子(26)を得た。
Figure 2019088287
[実施例27]
<蛍光標識材1>
実施例1〜26で得られた色素凝集粒子および色素内包粒子をストレプトアビジンで標識することで蛍光標識材を作製した。
(色素凝集粒子のストレプトアビジン修飾)
ナトリウムアミドによる芳香族スルホン酸塩のアミノ化反応(日本化学会誌1974,(8),P・1522,奈良ら)により、色素凝集粒子を100mg、ナトリウムアミドを30mg、28wt%アンモニア水を0.5mL、水を5mL加え、60℃で4時間反応させることで、粒子表面のスルホン酸基をアミノ基に置換した。続いて純水を用いてYM−100(ミリポア社製)を用いて限外ろ過で精製を行った。
続いて前記処理を行った凝集ナノ粒子を、EDTAを2mM含むPBSを用いて3nMの分散液に調製し、最終濃度が10mMとなるようにSM(PEG)12(succinimidyl-[(N-maleimidopropionamido)-dodecanethyleneglycol]ester;サーモサイエンティフィック社)を混合し、5℃で1時間反応させた。
この分散液について、10000rpmで20分間遠心分離処理を行った後に上澄みを除去した後、2mMのEDTAを含有したPBSを加えて沈降物を分散させる洗浄を3回行ったことで、粒子表面にマレイミド基を導入した色素凝集粒子を得た。
一方、1mg/mLに調整したストレプトアビジン(和光純薬工業社製)40μLを210μLのボレートバッファに加えた後、64mg/mLに調整した2−イミノチオラン塩酸塩(シグマアルドリッチ社製)70μLを加え、室温で1時間反応させることで、ストレプトアビジンのアミノ基にチオール基を導入し、これをゲルろ過カラム(Zaba Spin Desalting Columuns、フナコシ社)により脱塩した。
上記チオール基を付加したストレプトアビジン0.04mgと0.67nMに調整した粒子表面にマレイミド基を導入した色素凝集粒子740μLとを、EDTAとを2mM含有したPBS中で混合し、室温で1時間反応させた。その後10mMメルカプトエタノールを添加して反応を停止させ、得られた溶液を遠心フィルターで濃縮後、精製用ゲルろ過カラムで未反応のストレプトアビジン等を除去し、色素凝集粒子をストレプトアビジンで修飾した蛍光標識材1を得た。
[実施例28]
<蛍光標識材2>
実施例6、8、9、11、12、14で得られた色素凝集粒子を抗PD−L1抗体で標識することで蛍光標識材2を作製した。
(色素凝集粒子−抗体修飾)
実施例27と同様の手法でそれぞれの粒子表面にマレイミド基を導入した色素凝集粒子を得た。
一方、抗PD−L1ウサギモノクローナル抗体(Cell signaling Technology社;No.E1L3N)100μgをPBS100μLに溶解させた。この抗体溶液に1Mの2−メルカプトエタノールを0.002mL(0.2×10-5モル)添加して、pH8.5、室温で30分間反応させた反応液をゲル濾過カラムに通し、過剰の2−メルカプトエタノールを除去することで、チオール化した抗PD−L1ウサギモノクローナル抗体の溶液を得た。
チオール基を付加したストレプトアビジンの代わりにチオール化した抗PD−L1ウサギモノクローナル抗体を用いる以外は実施例27と同様の手法で色素凝集粒子を抗PD−L1ウサギモノクローナル抗体で修飾した蛍光標識材2を得た。
[実施例29]
<色素内包メラミン粒子(28)〜(32)>
前記色素凝集粒子(6)20.3mgを水22mLに加えて溶解した。その後、この溶液に乳化重合用乳化剤「エマルゲン」(登録商標)430(ポリオキシエチレンオレイルエーテル、花王株式会社製)の5%水溶液を2mL加えた。この溶液をホットスターラー上で撹拌しながら70℃まで昇温させた後、この溶液にメラミン樹脂原料「ニカラックMX−035」(日本カーバイド工業社製)を0.81g加えた。さらに、この溶液に界面活性剤としてドデシルベンゼンスルホン酸(関東化学株式会社製)の10%水溶液を1000μL加え、70℃で50分間加熱撹拌した。その後、90℃に昇温して20分間加熱撹拌した。
得られた色素凝集粒子(6)のメラミン樹脂分散液から、余剰の樹脂原料や不純物を除くため、遠心分離機「マイクロ冷却遠心機3740」(久保田商事株式会社製)にて20000Gで15分間、遠心分離することで洗浄を行い、超純水を加えて超音波照射して再分散する工程を5回繰り返し、色素内包メラミン粒子(27)を得た。
前記色素凝集粒子(6)を色素凝集粒子(8)、(9)、(11)、(12)、(14)にそれぞれ代える以外は同じ手法で、色素内包メラミン粒子(28)〜(32)を得た。
[実施例30]
<蛍光標識材3>
実施例29で作製した色素内包メラミン粒子(27)〜(32)について、以下の方法でそれぞれの粒子表面にマレイミド基を導入した。
色素内包粒子0.1mgをエタノール1.5mL中に分散し、アミノプロピルトリメトキシシラン(LS−3150、信越化学工業社製)2μLを加え、8時間反応させることにより、色素内包粒子の表面に存在するヒドロキシル基をアミノ基に変換した。
2mMのエチレンジアミン四酢酸(EDTA)を含有したリン酸緩衝液生理的食塩水(PBS)を用いて、上記色素内包粒子の濃度を3nMに調整し、終濃度10mMとなるように、SM(PEG)12(スクシンイミジル−[(N−マレイミドプロピオンアミド)−ドデカエチレングリコール]エステル、サーモサイエンティフィック社製)を混合し、20℃で1時間反応させ、10000Gで20分間遠心分離を行い、上澄みを除去した後、2mMのEDTAを含有したPBSを加えて沈降物を分散させる洗浄を3回行うことで、粒子表面にマレイミド基を導入した色素内包粒子を得た。
一方、ストレプトアビジン(和光純薬工業社製)とN−スクシミジル−S−アセチルチオ酢酸(SATA)を用いて、ストレプトアビジンに対してチオール基の付加処理を行った後、ゲル濾過した。
上記のマレイミド修飾を行った色素内包粒子とチオール基を付加したストレプトアビジンとを、2mMのEDTAを含有したPBS中で混合し、室温で1時間反応させることで、それぞれのマレイミド基とチオール基を結合させた。その後、10mMメルカプトエタノールを添加して反応を停止させ、φ=0.65μmの遠心フィルターで濃縮した後、精製用ゲル濾過カラムを用いて未反応のストレプトアビジン等を除去することで、色素内包メラミン粒子をストレプトアビジンで修飾した蛍光標識材3を得た。
[実施例31]
<色素内包ポリスチレン粒子(33)〜(44)>
色素内包ポリスチレン粒子(33)〜(44)をソープフリー乳化重合法により以下のようにして作製した。
前記式(10)、(12)〜(22)の化合物をそれぞれ4−アミノスチレン(東京化成工業社製)と室温条件で1時間混合することでスチレンにそれぞれの化合物を結合させた、色素結合スチレンを作製した。アルゴンバブリングした純水中5mLにグリシジルメタクリレート(東京化成工業社製)0.18gとスチレン(和光純薬社製)0.05g、ジビニルベンゼン0.05g、上記色素結合スチレン0.005gを加え、さらに撹拌しながら70℃に昇温し、水溶性アゾ重合開始剤であるV−50(和光純薬社製)を0.012g加え、12時間反応した。反応液を10000Gで20分遠心分離し、粒子を回収した。回収した粒子を純水に分散し再度遠心分離で回収する事で精製を行うことで、色素内包ポリスチレン粒子(33)〜(44)を得た。
[実施例32]
<蛍光標識材4>
色素内包ポリスチレン粒子(33)〜(44)の粒子表面の、4−アミノスチレンに由来するアミノ基を介してストレプトアビジン修飾した。
2mMのエチレンジアミン四酢酸(EDTA)を含有したリン酸緩衝液生理的食塩水(PBS)を用いて、上記色素内包ポリスチレン粒子の濃度を3nMに調整した。濃度調整した色素内包ポリスチレン粒子の分散液に対して、終濃度10mMとなるように、SM(PEG)12(スクシンイミジル−[(N−マレイミドプロピオンアミド)−ドデカエチレングリコール]エステル、サーモサイエンティフィック社製)を混合し、20℃で1時間反応させることにより、粒子表面にマレイミド基を導入した色素内包ポリスチレン粒子を含む混合液を得た。
この混合液を10000Gで20分間遠心分離を行い、上澄みを除去した後、2mMのEDTAを含有したPBSを加えて沈降物を分散させ、再度遠心分離を行った。同様の手順による上記洗浄を3回行った後、マレイミド基で修飾された色素内包ポリスチレン粒子を回収した。
実施例27に記載の方法と同様の手法でチオール基を付加したストレプトアビジンを作製した。
上記のマレイミド修飾を行った色素内包粒子とチオール基を付加したストレプトアビジンとを、実施例27に記載の方法と同様の手法で反応させることにより、色素内包ポリスチレン樹脂粒子をストレプトアビジンで修飾した蛍光標識材4を得た。
[実施例33]
<蛍光標識材5>
色素内包ポリスチレン粒子(33)〜(44)を過剰のアンモニア水に加え、粒子表面のエポキシ基をアミノ基へと変換した。得られた粒子をPBSで3nMに調整し、この溶液に最終濃度10mMとなるようにSM(PEG)12(スクシンイミジル−[(N−マレイミドプロピオンアミド)−ドデカエチレングリコール]エステル、サーモサイエンティフィック社製)を混合し、120℃で1時間反応させ、10000Gで20分間遠心分離を行い、上澄みを除去した後、2mMのEDTAを含有したPBSを加えて沈降物を分散させる洗浄を3回行うことで、粒子表面にマレイミド基を導入した色素内包ポリスチレン粒子を得た。
抗PD−L1ウサギモノクローナル抗体(Cell signaling Technology社;No.E1L3N)100μgをPBS100μLに溶解させた。この抗体溶液に1Mの2−メルカプトエタノールを0.002mL(0.2×10-5モル)添加して、pH8.5、室温で30分間反応させた反応液をゲル濾過カラムに通し、過剰の2−メルカプトエタノールを除去することで、チオール化した抗PD−L1ウサギモノクローナル抗体の溶液を得た。
前記粒子表面にマレイミド基を導入した色素内包ポリスチレン粒子とチオール化した抗PD−L1ウサギモノクローナル抗体とを用いる以外は、実施例27と同様の手法で色素内包ポリスチレン樹脂粒子を抗PD−L1ウサギモノクローナル抗体で修飾した蛍光標識材5を得た
[比較例1]
(色素凝集体粒子)
US2013/089889に記載の合成法により下記式35の化合物を合成した。下記式35の化合物をメタノール/ THF溶液中で結晶化させることで色素凝集体を得た。
Figure 2019088287
[比較例2]
凝集誘起発光性分子ではない蛍光色素Y550の誘導体である、Y550−NHSエステル(商品名、Dyomics GmbH社製)5.6mgを1mlのジメチルスルホキシド(DMSO)に溶解し、1.3μlのAPSを加え、室温(25℃)で1時間反応を行った。得られた反応液50μlにエタノール3.95ml、MPS20μl、蒸留水1ml、28質量%アンモニア水100μlを加え室温で24時間反応させたものをYM−100(ミリポア社製)で限外ろ過して回収した色素内包粒子の分散液をYM−1(ミリポア社製)で限外ろ過することで、全量の10分の1量になるまで濃縮した。濃縮後蒸留水で希釈しYM−1で限外ろ過を行う操作を4回繰り返して行い、色素内包粒子分散液に含まれる未反応のAPSやアンモニア等を除去することで、コロイドシリカ粒子を得た。
実施例26と同様の手法でチオール修飾したコロイドシリカ粒子2mg/mL×1.5mLにストレプトアビジン-マレイミド0.5mg(シグマ社製)を加え室温で2時間反応を行った。反応後、未反応のストレプトアビジン-マレイミドを常法により透析して除去し、ストレプトアビジン修飾されたコロイドシリカ粒子である蛍光標識材を得た。
[実施例34]
<振動耐性評価(冷蔵)>
前記蛍光標識材1〜5、ならびに比較例1の色素凝集体および比較例2のコロイドシリカ粒子色素を5wt/wt%となるようにPBSに分散させた分散液を調製し、それぞれの輝度を測定した。続いて、各粒子の分散液を5℃のクール宅急便(登録商標)で東京―福岡間を往復させることで振動処理を行い、振動処理後の輝度を測定した。初期輝度と振動処理後の輝度の測定値から、次の基準で振動耐性評価(冷蔵)を行った。
AA:(振動処理後の輝度)/(初期の輝度)が0.95以上
BB:(振動処理後の輝度)/(初期の輝度)が0.85以上、0.95未満
CC:(振動処理後の輝度)/(初期の輝度)が0.75以上、0.85未満
DD:(振動処理後の輝度)/(初期の輝度)が0.75未満
[実施例35]
<振動耐性評価(室温)>
5℃のクール宅急便(登録商標)に代えて、室温下の宅急便(登録商標)で東京―福岡間を往復させる以外は実施例31と同様の手順および評価基準で振動耐性評価(室温)を行った。
上記実施例34、35の結果を下記表2‐1および表2‐2に示す。
Figure 2019088287
Figure 2019088287

Claims (12)

  1. 下記一般式(1)〜(9)で表される少なくとも一種の凝集誘起発光性分子を含む、色素凝集粒子。
    Figure 2019088287
    前記式(1)中、R1、R2、R3、R4、R5、およびR6はそれぞれ独立に、親水基、水素原子、有機基または有機金属基である;
    Figure 2019088287
    前記式(2)中、R1、R2、R3、およびR4はそれぞれ独立に、親水基、 水素原子、有機基または有機金属基である;
    Figure 2019088287
    前記式(3)中、R1、R2、およびR3はそれぞれ独立して親水基、水素原子、有機基または有機金属基であり、
    Yは電子吸引性基である;
    Figure 2019088287
    前記式(4)中、白抜きの丸は炭素原子を示し、R1およびR2はそれぞれ独立して親水基、水素原子、有機基または有機金属基である;
    Figure 2019088287
    前記式(5)中、RおよびR'はそれぞれ独立して親水基、水素原子、有機基または有機金属基である;
    Figure 2019088287
    前記式(6)中、XはS、OまたはNであり、ここでXがOまたはSのときR4は存在せず、
    Yは電子吸引性基または電子供与性基であり、
    1、R2、R3、R4はそれぞれ独立に有機基または親水基を有する有機基、有機金属基を表し、R1、R2、R3、R4はそれぞれ結合して環構造を取っても良い;
    Figure 2019088287
    前記式(7)中、R1は置換芳香族基または、OHを除く親水基であり、
    2、R3、およびR4はそれぞれ独立して親水基、有機基または有機金属基であり、
    a〜dはそれぞれ独立して、0〜5の整数であり、aが2以上の場合、複数のR1は同一であっても異なっていてもよく、複数のR1が互いに結合して環を形成していてもよく、
    b〜dが2以上の場合、複数のR2、R3、およびR4はそれぞれ同一であっても異なっていてもよく、
    1とR2、R2とR4、R3とR4、R3とR1はそれぞれ結合して環を形成していてもよい;
    Figure 2019088287
    前記式(8)中、RAは独立に、親水基、水素原子または有機基であり、
    aは独立に1〜5の整数であり、
    Bは独立に芳香環含有有機基または親水基を有する芳香環含有基であり、
    Cは独立に親水基、水素原子、有機基または有機金属基であり、
    A、RB、RCの内、少なくとも一つが親水基または親水基を有する芳香環含有基であり、ここでRB、RCを構成する基の中に3級アミノ基は含まない;
    Figure 2019088287
    前記式(9)中、R、R'およびR’’はそれぞれ独立して親水基、水素原子、有機基または有機金属基である。
  2. バインダと、下記一般式(1)〜(9)で表される少なくとも一種の凝集誘起発光性分子とからなる、色素内包粒子。
    Figure 2019088287
    前記式(1)中、R1、R2、R3、R4、R5、およびR6はそれぞれ独立に、親水基、水素原子、有機基、有機金属基、またはシランカップリング剤結合性基である;
    Figure 2019088287
    前記式(2)中、R1、R2、R3、およびR4はそれぞれ独立に、親水基、水素原子、有機基、有機金属基、またはシランカップリング剤結合性基である;
    Figure 2019088287
    前記式(3)中、R1、R2、およびR3はそれぞれ独立して親水基、水素原子、有機基、有機金属基、またはシランカップリング剤結合性基であり、
    Yは電子吸引性基である;
    Figure 2019088287
    前記式(4)中、白抜きの丸は炭素原子を示し、R1およびR2はそれぞれ独立して親水基、水素原子、有機基、有機金属基、またはシランカップリング剤結合性基である;
    Figure 2019088287
    前記式(5)中、RおよびR'はそれぞれ独立して親水基, 水素原子、有機基、有機金属基、またはシランカップリング剤結合性基である;
    Figure 2019088287
    前記式(6)中、XはS、OまたはNであり、ここでXがOまたはSのときR4は存在せず、
    Yは電子吸引性基または電子供与性基であり、
    1、R2、R3、R4はそれぞれ独立に有機基または親水基を有する有機基、有機金属基、またはシランカップリング剤結合性基を表し、R1、R2、R3、R4はそれぞれ結合して環構造を取っても良い;
    Figure 2019088287
    前記式(7)中、R1は置換芳香族基、OHを除く親水基、またはシランカップリング剤結合性基であり、
    2、R3、およびR4はそれぞれ独立して、親水基、有機基または有機金属基であり、
    a〜dはそれぞれ独立して、0〜5の整数であり、aが2以上の場合、複数のR1は同一であっても異なっていてもよく、複数のR1が互いに結合して環を形成していてもよく、
    b〜dが2以上の場合、複数のR2、R3、およびR4はそれぞれ同一であっても異なっていてもよく、
    1とR2、R2とR4、R3とR4、R3とR1はそれぞれ結合して環を形成していてもよい;
    Figure 2019088287
    前記式(8)中、RAは独立に、親水基、水素原子、有機基、有機金属基、またはシランカップリング剤結合性基であり、
    aは独立に1〜5の整数であり、
    Bは独立に芳香環含有有機基であり、
    Cは独立に親水基、水素原子、有機基または有機金属基である;
    Figure 2019088287
    前記式(9)中、R、R'およびおよびR’’はそれぞれ独立して親水基, 水素原子、有機基、有機金属基、またはシランカップリング剤結合性基である。
  3. 前記凝集誘起発光性分子が親水基を有する、請求項1に記載の色素凝集粒子。
  4. 前記凝集誘起発光性分子が親水基を有する、請求項2に記載の色素内包粒子。
  5. 請求項2または4に記載の色素内包粒子であって、前記バインダと凝集発光性分子とが共有結合を形成しており、前記バインダがメタロキサン結合を形成していることを特徴とした色素内包粒子。
  6. 請求項1または3に記載の色素凝集粒子の表面に標的指向性リガンドが共有結合を介して結合している蛍光標識材。
  7. 請求項2または4に記載の色素内包粒子の表面に標的指向性リガンドが共有結合を介して結合している蛍光標識材。
  8. 前記標的指向性リガンドが、抗体、細胞小器官親和性物質、および、糖鎖と結合性を有するタンパク質からなる群から選択される1種以上の分子である、請求項6または7に記載の蛍光標識材。
  9. 請求項6〜8のいずれか一項に記載の蛍光標識材と、緩衝液とを含む蛍光標識材分散液。
  10. 凝集誘起発光性分子の溶液に、貧溶媒を接触させ、凝集誘起発光性分子を凝集させる工程を含む、請求項1または3に記載の色素凝集粒子の製造方法。
  11. 凝集誘起発光性分子をバインダまたはバインダの前駆体中に分散させ、粒子化させる工程を含む、請求項2または4に記載の色素内包粒子の製造方法。
  12. 請求項2または4に記載の色素内包粒子を製造する方法であり、
    1)凝集発光性分子をバインダの前駆体中に分散させる工程
    2)ゾルゲル法によりバインダの前駆体からバインダを形成し、かつ粒子化させる工程
    を含む、請求項11に記載の色素内包粒子の製造方法。
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