JP2020016568A - 蛍光標識体、組織染色方法、蛍光標識体の製造方法及び蛍光標識体の安定化方法 - Google Patents

蛍光標識体、組織染色方法、蛍光標識体の製造方法及び蛍光標識体の安定化方法 Download PDF

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Abstract

【課題】染色様態及び安定性に優れる蛍光標識体を提供すること。【解決手段】蛍光粒子と、前記蛍光粒子表面に結合した、生体分子と特異的に結合する生体分子認識分子と、親水性高分子とを含み、少なくとも一部の親水性高分子が、前記蛍光粒子表面のうち、前記生体分子認識分子が結合する部位とは異なる部位に結合している、蛍光標識体。【選択図】なし

Description

本発明は、蛍光標識体、組織染色方法、蛍光標識体の製造方法及び蛍光標識体の安定化方法に関する。
近年、病理診断や薬物探索をはじめとするバイオ分野において、蛍光標識体を用いた免疫染色が注目されている。通常、蛍光標識体は、蛍光色素内包樹脂粒子等の蛍光粒子の他、生体分子認識分子などで構成される。
蛍光標識体は、必ずしも製造後すぐに使用されるとは限らず、使用するまでの間、保存液中で保管されることが多い。しかしながら、このときに、蛍光標識体が保存液中で安定に分散したままとならずに過度に沈降や凝集してしまう場合がある。特に長期保存後に蛍光標識体をそのまま用いて細胞組織等の染色を行った場合には、粗大塊が発生し、輝点の数を正しくカウントする妨げとなることがある。このような粗大塊は、上記沈降や凝集が原因と考えられている。
このような事態を避けるために、超音波処理による再分散を適当な回数繰り返すことにより溶媒置換を行った後、フィルター処理を行うといった前処理を、蛍光標識体を染色に用いるに先立ち行うことが長期保存後には必要であり、この操作は非常に煩雑であった。
また、凝集をできる限り抑えるために、蛍光標識体の保存液にカゼインやBSA等を少量添加することが提案されているが(特許文献1、2)、カゼインを使用した場合には、腐敗しやすくなり、防腐剤としてアジ化ナトリウム等を添加したとしても菌が繁殖する可能性がある。
国際公開第2012/029342号 特許第6048597号
また、長期保存しても凝集しにくく、カゼイン等を添加していない場合や上記のような前処理を行わない場合でも染色に使用できるような優れた安定性を有する蛍光標識体についての報告はなかった。また、蛍光粒子表面に親水性高分子を結合させて安定性を改善させるといった技術の報告もない。
本発明が解決しようとする課題は、染色様態及び安定性に優れる蛍光標識体を提供することにある。
本発明の課題は、以下の<1>〜<17>の手段により解決された。
<1> 蛍光粒子と、前記蛍光粒子表面に結合した、生体分子と特異的に結合する生体分子認識分子と、親水性高分子とを含み、少なくとも一部の親水性高分子が、前記蛍光粒子表面のうち、前記生体分子認識分子が結合する部位とは異なる部位に結合している、蛍光標識体。
<2> 前記生体分子認識分子の感作量が350γ以下である、<1>に記載の蛍光標識体。
<3> 前記少なくとも一部の親水性高分子が、前記生体分子認識分子と反応し得る官能基を有していないもの、又は前記生体分子認識分子が結合していないものである、<1>又は<2>に記載の蛍光標識体。
<4> 前記生体分子認識分子が、アビジン類、抗体又はハイブリダイゼーション用プローブである、<1>〜<3>のいずれかに記載の蛍光標識体。
<5> 前記生体分子認識分子がストレプトアビジンである、<1>〜<4>のいずれかに記載の蛍光標識体。
<6> 前記生体分子認識分子と前記蛍光粒子表面との結合が化学結合である、<1>〜<5>のいずれかに記載の蛍光標識体。
<7> 前記生体分子認識分子が、2価の連結基を介して前記蛍光粒子表面と結合している、<6>に記載の蛍光標識体。
<8> 前記2価の連結基が、−(C=O)NH−又は−CHOH−CH2−NH−である、<7>に記載の蛍光標識体。
<9> 前記親水性高分子が、ポリオキシアルキレン基を有する親水性高分子である、<1>〜<8>のいずれかに記載の蛍光標識体。
<10> 前記親水性高分子が重量平均分子量750以上の親水性高分子である、<1>〜<9>のいずれかに記載の蛍光標識体。
<11> 前記親水性高分子の結合量が、蛍光粒子1質量部に対して、0.2質量部以下である、<1>〜<10>のいずれかに記載の蛍光標識体。
<12> 前記親水性高分子と前記蛍光粒子表面との結合が化学結合である、<1>〜<11>のいずれかに記載の蛍光標識体。
<13> 前記蛍光粒子がナノ粒子である、<1>〜<12>のいずれかに記載の蛍光標識体。
<14> 前記蛍光粒子の体積平均粒子径が50〜230nmである、<1>〜<13>のいずれかに記載の蛍光標識体。
<15> 蛍光組織染色用である、<1>〜<14>のいずれかに記載の蛍光標識体。
<16> <1>〜<15>のいずれかに記載の蛍光標識体を用いて組織染色する工程を含む、組織染色方法。
<17> <1>〜<15>のいずれかに記載の蛍光標識体の製造方法であって、蛍光粒子、又は生体分子と特異的に結合する生体分子認識分子を蛍光粒子表面に結合してなる蛍光標識体と、親水性高分子とを接触させる工程を含む、製造方法。
<18> 蛍光標識体の安定化方法であって、蛍光粒子、又は生体分子と特異的に結合する生体分子認識分子を蛍光粒子表面に結合してなる蛍光標識体と、親水性高分子とを接触させる工程を含む、方法。
本発明の蛍光標識体は、染色様態及び安定性に優れる。
実施例1の蛍光標識体を用いたときの染色画像である。 比較例3の蛍光標識体を用いたときの染色画像である。
〔蛍光標識体〕
本発明の蛍光標識体は、蛍光粒子と、前記蛍光粒子表面に結合した、生体分子と特異的に結合する生体分子認識分子と、親水性高分子とを含み、少なくとも一部の親水性高分子が、前記蛍光粒子表面のうち、前記生体分子認識分子が結合する部位とは異なる部位に結合しているものである。
本明細書において、「蛍光標識体」とは、診断分野において細胞や組織等の目的分子を蛍光標識する試薬を意味する。
(蛍光粒子)
蛍光粒子としては、蛍光色素を内包した樹脂粒子(蛍光色素内包樹脂粒子)が挙げられる。より具体的には、複数の蛍光色素分子が化学的又は物理的な作用により樹脂粒子に内包された状態で固定された構造を有するものが好ましい。
また、蛍光粒子としては、染色様態及び安定性を改善させるために、生体分子と特異的に結合する生体分子認識分子が結合した親水性高分子(リンカー(スペーサー))は表面に結合していないものが好ましい。
また、反応性官能基を有する粒子を原料の蛍光粒子として用いた場合、蛍光標識体には蛍光粒子の表面に反応性官能基が反応せずに残存する場合があるが、蛍光標識体は、蛍光粒子の表面に、このような反応性官能基を有していてもよい。「反応性官能基」は、生体分子認識分子や親水性高分子と反応することにより共有結合を形成することが可能な官能基を意味する。反応性官能基としては、カルボキシ基又はその塩、マレイミド基、エポキシ基、アミノ基、アルデヒド基、チオール基等が挙げられ、これらのうち1種のみを有していても2種以上を有していてもよい。この中では、カルボキシ基、マレイミド基、エポキシ基が好ましい。
蛍光粒子は、個々のマーカーを単独で認識するために、好ましくはナノ粒子である。
蛍光粒子の体積平均粒子径は、観察の際に個々のマーカーを十分な輝度で検出するために、好ましくは10nm以上、より好ましくは40nm以上、特に好ましくは50nm以上であり、また、観察の際に個々のマーカーを十分な輝度で検出するために、好ましくは500nm以下、より好ましくは230nm以下、特に好ましくは200nm以下である。蛍光粒子を構成する樹脂が熱可塑性樹脂の場合、このような体積平均粒子径であることが特に好ましい。
また、体積平均粒子径のばらつきを示す変動係数は特に限定されないが、通常は20%以下であり、好ましくは5〜15%である。
体積平均粒子径は、動的光散乱法で測定した体積平均粒子径を意味し、ナノトラック粒度分布測定装置UPA−EX150(日機装(株)社製)等の粒度分布測定装置を用いて測定できる。変動係数は、例えば、フロー式粒子像分析装置等により測定すればよい。
また、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて測定される蛍光粒子の面積円相当径の平均値は、観察の際に個々のマーカーを十分な輝度で検出するために、好ましくは10nm以上、より好ましくは40nm以上、特に好ましくは50nm以上であり、また、観察の際に個々のマーカーを十分な輝度で検出するために、好ましくは500nm以下、より好ましくは230nm以下、特に好ましくは200nm以下である。蛍光粒子を構成する樹脂が熱硬化性樹脂の場合、このような面積円相当径の平均値であることが特に好ましい。また、面積円相当径の平均値の変動係数は特に限定されないが、通常は20%以下であり、好ましくは5〜15%である。
面積円相当径は、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて電子顕微鏡写真を撮影し、蛍光粒子の断面積を計測し、この計測値を相当する円の面積としたときの直径として測定することができる。具体的には、蛍光粒子群の面積円相当径の平均値及びその変動係数は、十分な数(例えば1000個)の蛍光粒子について上記のようにして直径を測定した後、その算術平均として算出され、変動係数は、100×粒径の標準偏差/平均粒径により算出される。
−蛍光色素−
蛍光色素は、粒子に用いる樹脂の種類や発光波長に応じて選択すればよい。
蛍光色素分子は、例えば、キサンテン系色素分子、ローダミン系色素分子、スクアリリウム系色素分子、シアニン系色素分子、芳香族炭化水素系色素分子、オキサジン系色素分子、カルボピロニン系色素分子、ピロメセン系色素分子の他、Alexa Fluor(登録商標、インビトロジェン社製)系色素分子、BODIPY(登録商標、インビトロジェン社製)系色素分子、Cy(登録商標、GEヘルスケア社製)系色素分子、DY(登録商標、DYOMICS社製)系色素分子、HiLyte(登録商標、アナスペック社製)系色素分子、DyLight(登録商標、サーモサイエンティフィック社製)系色素分子、ATTO(登録商標、ATTO−TEC社製)系色素分子、MFP(登録商標、Mobitec社製)系色素分子、NileRed等に分類することができる。これらの中では、キサンテン系色素分子、NileRedが好ましい。なお、後述する実施例で用いられているRDW−R13は、キサンテン系色素分子に該当するものである。
なお、粒子に用いる樹脂の種類が熱硬化性樹脂の場合、蛍光色素は、水溶化処理を施したものであってもよい。水溶化処理によって、蛍光色素の発光強度が向上し、ストークスシフトが拡大する。この水溶化処理は、蛍光色素を水溶化できる処理、つまり水に対する溶解性を向上させることのできる手法であれば特に限定されるものではない。水溶化処理の具体例としては、酸(濃硫酸、濃塩酸、酢酸、ギ酸等)又はアルデヒド(ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド等)で蛍光色素を処理し、それらと蛍光色素とを反応させる方法が挙げられるが、酸処理が好ましい。なお、水溶化処理をしない蛍光色素としては、例えば、RDW−R13(和光純薬製)、Nile Red、5−カルボキシ−X−ローダミン(5−ROX)、Spectrum Red、Alexa Fluor 594、ATTO590、DY−590、CAL Fluor Red 610、DyLight 594が挙げられる。一方で、水溶化処理をすることによって使用できるものとなる蛍光色素としては、例えば、BODIPY 576/589、PYRROMETHENE650、Cresyl violet、DY−610、Texas Redが挙げられる。
また、蛍光色素の発光波長は用途に応じて所望のものを選択できる。例えば、病理診断において、エオジン等を用いた形態観察用の染色と同時に、蛍光色素を用いた免疫染色を行う用途が想定される場合は、蛍光色素からの発光を目視で観察することができ、かつ蛍光を発するエオジンの発光波長と被らないようにするために、発光波長が赤〜近赤外の蛍光色素が好ましい。具体的には、励起極大波長が555〜620nmの範囲、発光極大波長が580〜770nmの範囲にある蛍光色素が好ましい。
また、蛍光色素の含有量は、蛍光粒子全質量に対して、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.2質量%以上であり、また、好ましくは30質量%以下、より好ましくは10質量%以下である。
−樹脂−
蛍光粒子を構成する樹脂は、ポリスチレン樹脂等の熱可塑性樹脂であってもよく、メラミン樹脂等の熱硬化性樹脂であってもよい。なお、熱可塑性樹脂に架橋構造を導入した場合や熱硬化性樹脂を用いた場合は、キシレンのような有機溶媒を用いる透徹の際に蛍光色素が溶出しにくくなる。
熱可塑性樹脂は、単官能モノマーから形成される構成単位を含むものであればよい。単官能モノマーは、重合性官能基(例えばビニル基)を1分子中に1個含むモノマーを意味する。単官能モノマーとしては、例えば、スチレン、4−アミノスチレン等のスチレン類;(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸グリシジル等の(メタ)アクリル酸又はそのエステル類;(メタ)アクリロニトリル等の(メタ)アクリロニトリル類;イタコン酸等の不飽和ジカルボン酸類;これらの誘導体が挙げられる。単官能モノマーは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、単官能モノマーは、スチレンのような反応性官能基を含まないものと、(メタ)アクリル酸やイタコン酸のような反応性官能基を含むものとに大別することができる。
「反応性官能基」は、生体分子認識分子や親水性高分子と反応することにより共有結合を形成することが可能な官能基を意味する。反応性官能基としては、カルボキシ基又はその塩、マレイミド基、エポキシ基、アミノ基、アルデヒド基、チオール基等が挙げられ、これらのうち1種のみを有していても2種以上を有していてもよい。この中では、カルボキシ基、マレイミド基、エポキシ基が好ましい。
このような反応性官能基を含む単官能モノマーを原料とすることにより、反応性官能基由来の2価の基を介して、生体分子認識分子や親水性高分子を結合させることができる。
単官能モノマーから形成される構成単位の含有量は、熱可塑性樹脂全質量に対して、好ましくは10質量%以上、より好ましくは20質量%以上であり、また、好ましくは50質量%以下、より好ましくは40質量%以下である。
熱可塑性樹脂は、単官能モノマーから形成される構成単位を1種又は2種以上に加えて、多官能モノマーから形成される構成単位(すなわち架橋部位)を1種又は2種以上含んでいてもよい。
多官能モノマーとは、重合性官能基(例えばビニル基)を1分子中に2個以上含むモノマーを意味する。例えば、ジビニルベンゼン等が挙げられる。
多官能モノマーから形成される構成単位の含有量は、熱可塑性樹脂全質量に対して、好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上であり、また、好ましくは90質量%以下、より好ましくは80質量%以下である。
なお、熱可塑性樹脂は、上記で挙げたモノマー以外のコモノマーを併用したものでもよい。
熱可塑性樹脂の具体例としては、ポリスチレン、スチレンとその他のモノマーとの共重合体等のスチレン系樹脂;ポリメタクリル酸メチルのようなポリ(メタ)アクリル酸やそのアルキルエステル、(メタ)アクリル酸やそのアルキルエステルとその他のモノマーとの共重合体等の(メタ)アクリル系樹脂;ポリ(メタ)アクリロニトリル、AS樹脂(アクリロニトリル−スチレン共重合体)やASA樹脂(アクリロニトリル−スチレン−アクリル酸メチル共重合体)のような(メタ)アクリロニトリルとその他のモノマーとの共重合体等の(メタ)アクリロニトリル系樹脂が挙げられる。
一方、熱硬化性樹脂としては、メラミン、尿素、グアナミン類(ベンゾグアナミン、アセトグアナミンなどを含む)、フェノール類(フェノール、クレゾール、キシレノールなどを含む)、キシレン及びこれらの誘導体から選ばれる少なくとも1種のモノマーから形成されるものが挙げられる。これらのモノマーは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、これらのモノマー以外のコモノマーを併用してもよい。
熱硬化性樹脂の具体例としては、メラミン・ホルムアルデヒド樹脂、尿素・ホルムアルデヒド樹脂、ベンゾグアナミン・ホルムアルデヒド樹脂、フェノール・ホルムアルデヒド樹脂、メタキシレン・ホルムアルデヒド樹脂等が挙げられる。
これらの熱硬化性樹脂の原料としては、上述したようなモノマーそのもののみならず、モノマーとホルムアルデヒドやその他の架橋剤等の化合物とをあらかじめ反応させて得られるプレポリマーを用いてもよい。例えば、メラミン・ホルムアルデヒド樹脂を製造する場合には、一般的に、メラミンとホルムアルデヒドとをアルカリ条件下で縮合して調製されるメチロールメラミンがプレポリマーとして用いられており、当該化合物はさらにアルキルエーテル化されたものであってもよい。メチロールメラミンのアルキルエーテル化としては、例えば、水中での安定性を向上させるためのメチル化、有機溶媒中での溶解性を向上させるためのブチル化等が挙げられる。
また、原料の蛍光粒子を構成する熱硬化性樹脂は、上記熱可塑性樹脂の単官能モノマーと同様の反応性官能基を有するものが好ましい。なお、メラミン樹脂、尿素樹脂、ベンゾグアナミン樹脂等は、通常自ずとアミノ基又はこれに由来する部位から生成するカチオンを有し、フェノール樹脂、キシレン樹脂等は通常自ずと水酸基又はこれに由来する部位から生成するアニオンを有する。
また、蛍光粒子を構成する樹脂の含有量は、蛍光粒子全質量に対して、好ましくは70質量%以上、より好ましくは90質量%以上であり、また、好ましくは99.9質量%以下、より好ましくは99.8質量%以下である。
(親水性高分子)
本明細書において、「親水性」とは、水との親和力が強い性質を持つことを意味する。具体的には、常温(25℃)において純水100gに対して1g以上溶解する場合には親水性である。
親水性高分子は、親水性合成高分子でも親水性天然高分子でもよいが、親水性合成高分子が好ましい。
また、親水性高分子としては、染色様態及び安定性を改善させるために、生体分子認識分子と反応し得る官能基を有していないもの、又は生体分子認識分子が結合していないものが好ましく、生体分子認識分子と反応し得る官能基を有しておらず、且つ生体分子認識分子が結合していないものがより好ましい。
また、親水性高分子としては、染色様態及び安定性を改善させるために、親水性鎖状高分子が好ましい。親水性鎖状高分子は、その高分子鎖の末端が蛍光粒子表面に結合していることが好ましい。また、親水性高分子は、−NH−を好ましくは末端に有し、この基を介して蛍光粒子表面に結合していることが好ましい。
一方、親水性高分子が親水性鎖状高分子である場合、蛍光粒子表面に結合していない側の末端には、生体分子認識分子が結合していないことが好ましい。また、蛍光粒子表面に結合していない側の末端に、生体分子認識分子と反応し得る官能基をもたないことが好ましい。すなわち、親水性鎖状高分子は、蛍光粒子表面に結合していない側の末端に好ましくはメトキシ基等を有する。
親水性高分子としては、例えば、ポリオキシアルキレン基を有する親水性高分子の他、ポリスクロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリアミノ酸、ベタイン系ポリマー等が挙げられる。これらのうち1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中では、染色様態及び安定性を改善させるために、ポリオキシアルキレン基を有する親水性高分子が特に好ましい。
ポリオキシアルキレン基としては、−(R1O)n−で表される基が好ましい(R1はアルカンジイル基を示し、nは、平均値で2以上を示す)。
1で示されるアルカンジイル基の炭素数は、好ましくは2〜4である。アルカンジイル基は直鎖状でも分岐状でもよく、具体的には、エタン−1,2−ジイル基、プロパン−1,2−ジイル基、プロパン−1,3−ジイル基、プロパン−2,2−ジイル基、ブタン−1,2−ジイル基、ブタン−1,3−ジイル基、ブタン−1,4−ジイル基等が挙げられる。これらの中でも、エタン−1,2−ジイル基が好ましい。なお、n個のR1は同一でも異なっていてもよい。
nは、平均付加モル数であり、平均値で2以上を示すが、染色様態及び安定性を改善させるために(特にオーバーブロッキングを起こりにくくし粒子同士の凝集を抑えるため)、好ましくは平均値で10以上、より好ましくは平均値で15以上、更に好ましくは平均値で20以上、更に好ましくは平均値で25以上、更に好ましくは平均値で30以上、特に好ましくは平均値で35以上であり、また、染色様態及び安定性を改善させるために(特にオーバーブロッキングを起こりにくくし粒子同士の凝集を抑えるため)、好ましくは平均値で750以下、より好ましくは平均値で500以下、更に好ましくは平均値で300以下、更に好ましくは平均値で250以下、更に好ましくは平均値で200以下、特に好ましくは平均値で150以下である。
なお、本明細書における各「平均値」はNMRで測定できる。例えば、1H−NMRを測定し、R1で示されるアルカンジイル基と末端アルキル基との各プロトンピークの積分値を比較することで、nの平均値を算出可能である。
ポリオキシアルキレン基を有する親水性高分子としては、X−R2−R3で表されるものが好ましく、X−(R1O)n−R3で表されるものがより好ましい。なお、R2は、上記ポリオキシアルキレン基を示し、R3は、アルキル基を示し、Xは、上記反応性官能基と反応し得る基を示す。
3で示されるアルキル基の炭素数は、好ましくは1〜4である。アルキル基は直鎖状でも分岐状でもよく、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基が挙げられる。
Xで示される上記反応性官能基と反応し得る基としては、水酸基に代表される水酸基を含む基、NH2−R4−(NH−R5m−O−で表される基が挙げられる。この中では、染色様態及び安定性を改善させるために、NH2−R4−(NH−R5m−O−で表される基が好ましい。Xが水酸基を含む基の場合、親水性高分子は、例えばHO−(R1O)n−R3で表される。また、XがNH2−R4−(NH−R5m−O−で表される基の場合、親水性高分子は、例えば、NH2−R4−(NH−R5m−O−(R1O)n−R3で表される。
ここで、R4及びR5は、それぞれ独立して、アルカンジイル基を示す。R4、R5で示されるアルカンジイル基の炭素数は、好ましくは2〜4である。アルカンジイル基は直鎖状でも分岐状でもよく、具体的には、R1で示されるアルカンジイル基と同様のものが挙げられる。なお、m個のR5は同一でも異なっていてもよい。
また、mは、0〜20の整数を示すが、0〜13の整数が好ましく、0〜7の整数がより好ましい。
親水性高分子の重量平均分子量(Mw)は、染色様態及び安定性を改善させるために(特にオーバーブロッキングを起こりにくくし粒子同士の凝集を抑えるため)、好ましくは750以上、より好ましくは1000以上、更に好ましくは1250以上、更に好ましくは1500以上、特に好ましくは2000以上であり、また、染色様態及び安定性を改善させるために(特にオーバーブロッキングを起こりにくくし粒子同士の凝集を抑えるため)、好ましくは50000以下、より好ましくは25000以下、更に好ましくは7500以下、特に好ましくは5000以下である。
また、数平均分子量(Mn)は、好ましくは700以上、より好ましくは1500以上であり、また、好ましくは10000以下、より好ましくは5000以下である。分子量分布(Mw/Mn)は、好ましくは1.0〜1.3であり、より好ましくは1.0〜1.2である。
なお、これら重量平均分子量等は、例えば、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)等により測定できる。
本発明の蛍光標識体は、上記のような少なくとも一部の親水性高分子が、蛍光粒子表面のうち、生体分子認識分子が結合する部位とは異なる部位に結合したものである。この結合は、非多点結合であることが好ましい。また、蛍光粒子表面に親水性高分子のポリマーブラシが形成されていることが好ましい。
親水性高分子と蛍光粒子表面との結合は、化学結合でも物理的な吸着でもよいが、結合の安定性を高めるために、好ましくは化学結合(例えば共有結合)である。
ここで、蛍光標識体を構成する蛍光粒子は、反応性官能基の残基を表面に有しており、この残基を介して、親水性高分子と結合していることが好ましい。反応性官能基については前述のとおりであり、カルボキシ基又はその塩、マレイミド基、エポキシ基、アミノ基、アルデヒド基、チオール基等が挙げられる。
親水性高分子と蛍光粒子表面は、蛍光粒子表面の反応性官能基の残基と親水性高分子末端の−NH−とで結合していることが好ましい。このとき、親水性高分子は、2価の連結基を介して蛍光粒子表面と結合される。このような反応性官能基の残基と親水性高分子末端の−NH−で構成される2価の連結基としては、例えば、−(C=O)NH−、−CHOH−CH2−NH−が挙げられる。
蛍光粒子の表面に結合させる親水性高分子は、市販品を用いてもよく、公知の方法に従い合成して使用してもよい。例えば、オリゴアミンを末端に有するポリエチレングリコール鎖を含む親水性高分子の市販品として、Blockmaster CE210、Blockmaster CE510(以上、JSR社製)等を使用することができる。アルコキシポリエチレングリコール鎖を含むアミンの市販品として、Methoxypolyethylene glycol amine 800、Methoxypolyethylene glycol amine 10000、Methoxypolyethylene glycol amine 20000(以上、シグマ社製)等を使用することができる。
親水性高分子の結合量は、蛍光粒子1質量部に対して、好ましくは0.005質量部以上、より好ましくは0.01質量部以上であり、また、好ましくは0.2質量部以下、より好ましくは0.015質量部以下である。
(生体分子認識分子)
生体分子認識分子は、生体分子と特異的に結合するものであればよい。
−生体分子−
本明細書において、「生体分子」は、蛍光標識体を用いて染色する対象の生体分子(目的生体分子)を意味する。より具体的には、生体組織に発現している生体分子(特にタンパク質(抗原)や遺伝子)であって、主に病理診断等を目的とする検出又は定量のために、蛍光標識体を用いた免疫染色の対象とされる生体分子が挙げられる。
上記のような目的生体分子としては、各種の癌組織の核や細胞膜で発現しており、バイオマーカーとして利用することができる生体分子が挙げられる。具体的には、Ki67(核内増殖因子)、ER(エストロジェン受容体)、PR(プロジェステロン受容体)、EGFR(HER1)(Epidermal Growth Factor Receptor:上皮増殖因子受容体)、HER2(Human Epidermal Growth Factor Receptor:ヒト上皮増殖因子受容体)、HER3、HER4、VEGFR(Vasular Endothelial Growth Factor Receptor:血管内皮細胞増殖因子受容体)、IGFR(Insulin−like Growth Factor Receptor:インスリン様増殖因子受容体)、HGFR(Hepatocyte Growth Factor Receptor:肝細胞増殖因子受容体)といった増殖因子の受容体(レセプター)や、PD−1(Programmed cell death 1)、PD−L1(Programmed cell death ligand 1)等の免疫系の受容体であるタンパク質が挙げられる。
EGFR/HERには、大腸癌などの癌組織において過剰発現しているEGFR/HER1(ErbB1とも呼ばれる)、乳癌などの癌組織において過剰発現しているEGFR2/HER2(ErbB2、neuとも呼ばれる)、EGFR3/HER3、及びEGFR4/HER4が包含される。例えば、HER2は、乳癌の病理診断を行う場合の目的生体分子として好適である。
VEGFRには、肝臓癌、食道癌などの癌組織における血管内皮細胞において発現が亢進しているVEGFR−1(Flt−1とも呼ばれる)、VEGFR−2(Flt−2、KDRとも呼ばれる)、及びリンパ管内皮細胞において発現が亢進しているVEGFR−3(Flt−4とも呼ばれる)が包含される。
目的生体分子は、上記に加えて、癌の増殖や分子標的薬の奏効率に関係する遺伝子として、TOP2A、P53、MET、HER2、HER3、EGFRなどが挙げられる。
さらに、癌関連遺伝子として、以下のものが挙げられる。例えば、チロシンキナーゼ関連遺伝子として、ALK、FLT3、AXL、FLT4(VEGFR3)、DDR1、FMS(CSF1R)、DDR2、EGFR(ERBB1)、HER4(ERBB4)、EML4−ALK、IGF1R、EPHA1、INSR、EPHA2、IRR(INSRR)、EPHA3、KIT、EPHA4、LTK、EPHA5、MER(MERTK)、EPHA6、MET、EPHA7、MUSK、EPHA8、NPM1−ALK、EPHB1、PDGFRα(PDGFRA)、EPHB2、PDGFRβ(PDGFRB)、EPHB3、RET、EPHB4、RON(MST1R)、FGFR1、ROS(ROS1)、FGFR2、TIE2(TEK)、FGFR3、TRKA(NTRK1)、FGFR4、TRKB(NTRK2)、FLT1(VEGFR1)、TRKC(NTRK3)が挙げられる。また、乳がん関連の遺伝子として、ATM、BRCA1、BRCA2、BRCA3、CCND1、E−Cadherin、ETV6、FGFR1、HRAS、KRAS、NRAS、NTRK3、p53、PTENが挙げられる。カルチノイド腫瘍に関連する遺伝子として、BCL2、BRD4、CCND1、CDKN1A、CDKN2A、CTNNB1、HES1、MAP2、MEN1、NF1、NOTCH1、NUT、RAF、SDHD、VEGFAが挙げられる。大腸がん関連遺伝子として、APC、MSH6、AXIN2、MYH、BMPR1A、p53、DCC、PMS2、KRAS2(or Ki−ras)、PTEN、MLH1、SMAD4、MSH2、STK11、MSH6が挙げられる。肺がん関連の遺伝子としては、ALK、PTEN、CCND1、RASSF1A、CDKN2A、RB1、EGFR、RET、EML4、ROS1、KRAS2、TP53、MYCが挙げられる。肝臓がん関連の遺伝子としては、Axin1、MALAT1、b−catenin、p16 INK4A、c−ERBB−2、p53、CTNNB1、RB1、Cyclin D1、SMAD2、EGFR、SMAD4、IGFR2、TCF1、KRASが挙げられる。腎臓がん関連遺伝子として、Alpha、PRCC、ASPSCR1、PSF、CLTC、TFE3、p54nrb/NONO、TFEBが挙げられる。甲状腺がん関連遺伝子として、AKAP10、NTRK1、AKAP9、RET、BRAF、TFG、ELE1、TPM3、H4/D10S170、TPRが挙げられる。卵巣がん関連遺伝子として、AKT2、MDM2、BCL2、MYC、BRCA1、NCOA4、CDKN2A、p53、PIK3CA、GATA4、RB、HRAS、RET、KRAS、RNASET2が挙げられる。前立腺がん関連遺伝子として、AR、KLK3、BRCA2、MYC、CDKN1B、NKX3.1、EZH2、p53、GSTP1、PTENが挙げられる。骨腫瘍関連遺伝子として、CDH11、COL12A1、CNBP、OMD、COL1A1、THRAP3、COL4A5、USP6が挙げられる。
−生体分子認識分子−
生体分子認識分子は、上記のような生体分子と特異的に結合するものを適宜選択して使用すればよいが、具体的には、ストレプトアビジン、アビジン等のアビジン類の他、抗体、ハイブリダイゼーション用プローブ、ビオチン等が挙げられる。これらの中では、汎用性を高めるために、アビジン類、抗体が好ましく、ストレプトアビジンが特に好ましい。また、その他にも、目的生体分子を核酸分子とし、これと特異的に結合する生体分子認識分子として、目的の核酸分子と相補的な塩基配列を有する核酸分子を用いることも可能である。
上記抗体としては、目的生体分子と特異的に結合する抗体(一次抗体)が挙げられるが、当該一次抗体に結合する抗体(二次抗体)でもよい。二次抗体を用いた場合、二次抗体法による蛍光標識に用いることができる。
一次抗体、二次抗体は、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体のいずれでもよいが、検出や定量の安定性を高めるために、モノクローナル抗体が好ましい。また、抗体を産生する動物(免疫動物)の種類は特に限定されるものではなく、マウス、ラット、モルモット、ウサギ、イヌ、チキン、ヤギ、ヒツジ、ウシなどから選択すればよい。なお、本明細書において「抗体」は、全長の抗体だけでなく、Fab、F(ab)’2、Fv、scFvなどの抗体断片やキメラ抗体(ヒト化抗体等)、多機能抗体などの誘導体も包含する概念である。
目的生体分子が抗原タンパク質の場合、一次抗体として、その抗原タンパク質と特異的に結合する抗体(IgG)を用いることができる。例えば、EGFR(発現タンパク質)を目的生体分子とする場合は抗EGFR抗体を用いることができ、HER2を目的生体分子とする場合は抗HER2抗体を用いることができる。
二次抗体としては、一次抗体を抗原として結合する抗体(IgG)を用いることができる。例えば、一次抗体がウサギ抗HER2モノクローナル抗体である場合、二次抗体として抗ウサギIgG抗体を用いることができる。
本発明の蛍光標識体は、上記のような生体分子と特異的に結合する生体分子認識分子が、蛍光粒子表面に結合したものである。この生体分子認識分子と蛍光粒子表面は、2価の親水性高分子のようなリンカー(スペーサー)では連結されていないことが好ましい。このような構成によって、染色様態及び安定性が改善される。
生体分子認識分子と蛍光粒子表面との結合は、化学結合でも物理的な吸着でもよいが、結合の安定性を高めるために、好ましくは化学結合(例えば共有結合)である。
ここで、蛍光標識体を構成する蛍光粒子は、反応性官能基の残基を表面に有しており、この残基を介して、生体分子認識分子と結合していることが好ましい。反応性官能基については前述のとおりであり、カルボキシ基又はその塩、マレイミド基、エポキシ基、アミノ基、アルデヒド基、チオール基等が挙げられる。
生体分子認識分子と蛍光粒子表面は、蛍光粒子表面の反応性官能基の残基と生体分子認識分子の反応性官能基の残基とで結合していることが好ましい。このとき、生体分子認識分子は、2価の連結基を介して蛍光粒子表面と結合される。このような2つの反応性官能基の残基で構成される2価の連結基としては、例えば、−(C=O)NH−、−CHOH−CH2−NH−が挙げられる。
生体分子認識分子の感作量は、染色様態及び安定性を改善させるために、好ましくは1γ以上、より好ましくは5γ以上、更に好ましくは10γ以上、更に好ましくは12.5γ以上、特に好ましくは15γ以上であり、また、染色様態及び安定性を改善させるために、好ましくは350γ以下、より好ましくは300γ以下、更に好ましくは200γ以下、更に好ましくは75γ以下、特に好ましくは50γ以下である。
ここで、「γ」は、生体分子認識分子の量に関する単位であり、1γは、蛍光粒子1mgに対して生体分子認識分子が0.001mgであることを意味する。また、上記「生体分子認識分子の感作量」は、蛍光粒子の含有量に対する生体分子認識分子の全含有量の比率を意味し、生体分子認識分子を蛍光粒子表面に結合させる際に仕込んだ量から見積もることができる。また、例えば、BCA法により測定することもできる。
また、生体分子認識分子の蛍光粒子表面への結合量も、染色様態及び安定性を改善させるために、上記生体分子認識分子の感作量と同様の範囲であることが好ましい。すなわち、好ましくは1γ以上、より好ましくは5γ以上、更に好ましくは10γ以上、更に好ましくは12.5γ以上、特に好ましくは15γ以上であり、また、好ましくは350γ以下、より好ましくは300γ以下、更に好ましくは200γ以下、更に好ましくは75γ以下、特に好ましくは50γ以下である。
生体分子認識分子の蛍光粒子表面への結合量は、例えば、BCA法により測定できる。
〔蛍光標識体の製造方法、蛍光標識体の安定化方法〕
本発明の蛍光標識体は、常法を適宜組み合わせて製造できるが、蛍光標識体の製造方法としては、簡便に製造できるため、蛍光粒子、又は生体分子と特異的に結合する生体分子認識分子を蛍光粒子表面に結合してなる蛍光標識体と、親水性高分子とを接触させる工程を含む製造方法が好ましい。
また、本発明の蛍光標識体の安定化方法は、蛍光粒子、又は生体分子と特異的に結合する生体分子認識分子を蛍光粒子表面に結合してなる蛍光標識体と、親水性高分子とを接触させる工程を含むことを特徴とする。
蛍光標識体の製造方法、安定化方法における上記接触工程としては、蛍光粒子、又は生体分子と特異的に結合する生体分子認識分子を蛍光粒子表面に結合してなる蛍光標識体と、親水性高分子とを接触させ、蛍光粒子の表面に親水性高分子を結合させる工程が好ましい。
なお、安定化方法における親水性高分子接触工程は、蛍光標識体の製造方法における親水性高分子接触工程と同様である。
蛍光標識体の製造方法としては、具体的には、以下の製法1、2が挙げられるが、簡便に製造できるため、製法1が好ましい。
<製法1> (工程1−A)蛍光粒子を準備する工程、(工程1−B)蛍光粒子と生体分子認識分子とを接触させ、蛍光粒子の表面に生体分子認識分子を結合させる工程、及び(工程1−C)さらに蛍光粒子と親水性高分子とを接触させる工程(より具体的には、蛍光粒子と親水性高分子とを接触させ、蛍光粒子の表面に親水性高分子を結合させる工程)を含む方法。
<製法2> (工程2−A)蛍光粒子を準備する工程、(工程2−B)蛍光粒子と親水性高分子とを接触させる工程(より具体的には、蛍光粒子と親水性高分子とを接触させ、蛍光粒子の表面に親水性高分子を結合させる工程)、及び(工程2−C)さらに蛍光粒子の表面に生体分子認識分子を結合させる工程を含む方法。
以下、上記各工程について説明する。
(工程1−A、工程2−A)
蛍光粒子は、公知の手法に従って調製することができる。
例えば、熱可塑性樹脂を構成樹脂とする蛍光粒子は、公知の乳化重合法に従って製造することができる。具体的には、蛍光色素と、樹脂原料と、重合開始剤(過硫酸カリウム、過酸化ベンゾイル、アゾビスイソブチロニトリル等)と、必要に応じて界面活性剤を含有する反応混合物を加熱して、常法に従い重合反応を進行させることにより製造できる。重合反応の条件(温度、時間等)は、樹脂の種類、反応混合物の組成などを考慮しながら設定すればよいが、反応温度は通常60〜90℃、反応時間は通常2〜12時間である。なお、加熱は複数の段階に分けて行ってもよい。例えば、所定の温度で一定時間反応させた後、昇温して一定時間反応させてもよい。そして、重合反応の終了後は、不純物等を除去して、生成した蛍光粒子を回収して精製できる。
一方、熱硬化性樹脂を構成樹脂とする蛍光粒子も、公知の乳化重合法に従って製造することができる。例えば、蛍光色素と、樹脂原料(モノマーやオリゴマー、プレポリマー)と、必要に応じて界面活性剤や重合反応促進剤を含有する反応混合物を加熱して、樹脂の重合反応を進行させることにより製造できる。なお、反応混合物に含まれる各成分の添加順序は特に限定されない。
また、この原料とする蛍光粒子としては、蛍光標識体の染色様態及び安定性を改善させるために、反応性官能基を表面に有するものが好ましい。反応性官能基については前述のとおりであり、反応性官能基を含むモノマーによって導入しても、粒子調製後の修飾によって導入してもよい。
また、蛍光粒子の表面荷電量としては、0〜20mmol/gが好ましく、0.01〜10mmol/gがより好ましい。
本明細書において表面荷電量は、電位差滴定装置で測定した際、得られた電導度曲線の接線を利用して滴定した硫酸量を求め、算出した値である。
(工程1−B、工程1−C、工程2−B、工程2−C)
上記で得られた蛍光粒子が反応性官能基を表面に有する場合、例えば、カルボジイミド系縮合剤等を用いた化学結合法により、生体分子認識分子、親水性高分子を蛍光粒子の表面に結合させることができる。また、公知の物理吸着法によって結合させてもよい。なお、生体分子認識分子の使用量は、生体分子認識分子の感作量が上記した範囲になるように調整すればよく、また、親水性高分子の使用量は、親水性高分子の結合量が上記した範囲になるように調整すればよい。
また、化学結合法における縮合反応の反応温度は、通常4〜37℃である。また、反応時間は通常0.5〜14時間である。
そして、上記のようにして製造される本発明の蛍光標識体は、染色様態及び安定性に優れる。特に、分散媒中で長期保存しても凝集しにくく、分散媒にカゼイン等を添加していない場合や、超音波処理による再分散を適当な回数繰り返すことにより溶媒置換を行った後、フィルター処理を行うといった前処理を行わない場合でも染色に使用できるような、優れた安定性を有する。
したがって、本発明の蛍光標識体は、蛍光組織染色用の蛍光標識体として有用であり、免疫染色等の病理染色に用いるのに適し、例えば、病理診断、コンパニオン診断、薬効評価、創薬スクリーニングに用いることができる。具体的には、試料(組織切片)に含まれる目的生体分子を標識し、免疫染色において蛍光観察できるようにするための免疫染色用蛍光標識体としての用途が挙げられる。
〔液剤〕
また、本発明は、本発明の蛍光標識体と分散媒とを含有する液剤にも関する。この液剤は、本発明の蛍光標識体を含有すること以外は、公知の蛍光標識体保存液と同様のものである。本発明の液剤は、蛍光標識体が長期にわたり凝集しにくく安定なものである。分散媒としては、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)、Tris−HCl緩衝液、PBS以外のリン酸緩衝液等の各種緩衝液が挙げられる。これらのうち1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
緩衝液のpH(25℃)は、安定性(特に化学的安定性)を高め且つ染色様態を良好とするために、好ましくは6.0〜8.0、より好ましくは6.9〜7.6である。
本発明の液剤は、本発明の蛍光標識体、分散媒の他に、例えば、BSA等のタンパク質;ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル等の界面活性剤;アジ化ナトリウム等の防腐剤を含んでいてもよいが、本発明の液剤は、カゼイン等の添加物を使用していない場合であっても、蛍光標識体が長期にわたり凝集しにくく安定なものである。
本発明の蛍光標識体の含有量は、液剤全質量に対して、0.001〜1質量%が好ましい。
タンパク質の含有量は、液剤全質量に対して、0.1〜10質量%が好ましい。
〔キット〕
また、本発明は、上記本発明の液剤を備えるキットにも関する。このキットは、本発明の液剤の他に、必要に応じて、その他の組織免疫染色に用いられる試薬等を備えていてもよい。本発明のキットは、組織免疫染色用キットとして有用である。
〔組織染色方法〕
本発明の組織染色方法は、本発明の蛍光標識体を用いて組織染色する工程を含むものである。本発明の組織染色方法によれば、良好な染色様態で簡便に組織染色を行うことができる。特に、本発明の蛍光標識体が長期保存された場合でも、良好な染色様態で簡便に組織染色を行うことができる。
染色の対象となる組織としては、病理組織切片や細胞が挙げられる。染色は、本発明の蛍光標識体を用いる以外は通常の方法と同様にして行えばよい。具体的には、脱パラフィン、賦活化処理の後、本発明の蛍光標識体を用いた染色を行うことで染色できる。なお、組織切片の作製法は特に限定されず、公知の方法により作製されたものを用いることができる。
以下、組織染色方法の各工程について、一例をあげて具体的に説明する。
(脱パラフィン)
キシレンを入れた容器に例えば病理切片を浸漬させ、パラフィンを除去する。浸漬温度は特に限定されず、室温で行うことができる。浸漬時間は、3〜60分間が好ましい。また、必要に応じて浸漬途中でキシレンを交換してもよい。
次いで、エタノールを入れた容器に病理切片を浸漬させ、キシレンを除去する。この浸漬温度も特に限定されず、室温で行うことができる。浸漬時間は、3〜60分間が好ましい。また、必要に応じて浸漬途中でエタノールを交換してもよい。
次いで、水を入れた容器に病理切片を浸漬させ、エタノールを除去する。この浸漬温度も特に限定されず、室温で行うことができる。浸漬時間は、3〜60分間が好ましい。また、必要に応じて浸漬途中で水を交換してもよい。
(賦活化処理)
公知の方法にならい、目的生体分子の賦活化処理を行う。賦活化条件に特に定めはないが、賦活液としては、例えば、0.01Mクエン酸緩衝液(pH6.0)、1mM EDTA溶液(pH8.0)、5%尿素、0.1Mトリス塩酸緩衝液等を用いることができる。加熱機器としては、オートクレーブ、マイクロウェーブ照射装置、圧力鍋、ウォーターバス等を用いることができる。賦活化温度は特に限定されるものではないが、通常50〜130℃の範囲であり、室温で行うこともできる。賦活化時間は通常5〜30分間である。
次いで、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)を入れた容器に、賦活化処理後の切片を浸漬させ、洗浄を行う。浸漬温度は特に限定されるものではなく、例えば室温で行うことができる。浸漬時間は、3〜30分間が好ましい。また、必要に応じて浸漬途中でPBSを交換してもよい。
(蛍光標識体を用いた染色)
本発明の蛍光標識体を含むPBS溶液を、上記病理切片に載せ、目的生体分子と反応させる。生体分子認識分子の種類に応じて、様々な生体分子に対応した染色が可能となる。生体分子認識分子の種類が異なるものを数種類用いる場合には、それぞれの蛍光標識体含有PBS溶液を予め混合しておいてもよいし、別々に順次病理切片に載せてもよい。反応温度は特に限定されるものではなく、例えば室温で行うことができる。反応時間は、30分間〜24時間が好ましい。なお、蛍光標識体による染色を行う前に、BSA等のブロッキング剤を滴下しておくことが好ましい。
次いで、PBSを入れた容器に、染色後の切片を浸漬させ、未反応の蛍光標識体の除去を行う。浸漬温度は特に限定されるものではなく、例えば室温で行うことができる。浸漬時間は、3〜60分間が好ましい。また、必要に応じて浸漬途中でPBSを交換してもよい。その後、カバーガラスを切片に載せ、封入する。このとき、必要に応じて市販の封入剤を使用してもよい。
〔生体分子検出方法〕
また、本発明は、本発明の蛍光標識体を用いる生体分子検出方法にも関する。
生体分子の検出には、情報性を高めるために、免疫染色と形態観察染色が通常併用される。本発明の生体分子検出方法としては、具体的には、(1)本発明の蛍光標識体を用いて組織切片を免疫染色する工程と、(2)形態観察用の染色剤を用いて組織切片を形態観察染色する工程と、(3)染色後の組織切片を明視野及び蛍光観察する工程とを含む方法が挙げられる。なお、(1)の免疫染色工程と(2)の形態観察染色工程はどちらを先に行ってもよい。また、通常、免疫染色工程に先立ち、組織切片の脱パラフィン処理や目的生体分子の賦活化処理が上記のような常法に従って行われる。
以下、生体分子検出方法の各工程について、一例をあげて具体的に説明する。
免疫染色工程(1)は、本発明の蛍光標識体を用いること以外は、常法の免疫染色と同様にして行えばよい。検出対象を適切に標識することができるように、必要な物質を順次組織切片に添加して反応させればよい。
形態観察染色工程(2)は、常法に従って行うことができる。組織標本の形態観察に関しては、細胞質、間質、各種線維、赤血球、角化細胞が赤〜濃赤色に染色される、エオジンを用いた染色が標準的に用いられている。また、細胞核、石灰部、軟骨組織、細菌、粘液が青藍色〜淡青色に染色される、ヘマトキシリンを用いた染色も標準的に用いられている(これら2つの染色を同時に行う方法はヘマトキシリン・エオジン染色(HE染色)として知られている)。
なお、通常、工程(1)および(2)の後、工程(3)の前に、エタノールに浸漬する脱水処理、キシレン等の有機溶媒に浸漬する透徹処理、封入剤を用いる封入処理などが行われる。
明視野及び蛍光観察工程(3)では、上記工程により免疫染色および形態観察染色が施された組織切片に、蛍光標識体に用いられている蛍光色素に応じた適切な波長を有する励起光を照射することにより、その蛍光標識体が発する蛍光を観察する。この工程により、その組織切片内に抗原等の目的生体分子が存在する場合には、その目的生体分子が検出され、分子標的薬(たとえばヒト化抗HER2モノクローナル抗体である抗体医薬「ハーセプチン」(商標))の適用の適否を判定するための情報として利用することができる。
また、蛍光観察時の励起光の照射には、一般的な蛍光観察と同様の照射手段を用いればよく、例えば、蛍光顕微鏡が備えるレーザ光源から、必要に応じて所定の波長を選択的に透過させるフィルタを用いて、適切な波長および出力の励起光を染色された組織切片に照射すればよい。蛍光観察は、蛍光顕微鏡の鏡筒から行ってもよいし、蛍光顕微鏡に設置されたカメラが撮影した画像を別途表示手段(モニタ等)に表示して行ってもよい。なお、上記の例では、同一の組織切片に対して免疫染色と形態観察染色の両方が施されているが、形態観察染色による像を観察する際には、蛍光標識体に用いられている蛍光色素を励起させるための励起光を照射する必要はなく、光学顕微鏡と同様の観察条件下で観察すればよい。
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
[合成例1:蛍光色素内包ポリスチレン樹脂粒子の調製]
常法の乳化重合により平均粒径70nmのポリスチレン粒子を調製した。なお、上記平均粒径は、ナノトラック粒度分布測定装置UPA−EX150(日機装(株)社製)で測定した体積平均粒子径である。
次いで、上記ポリスチレン粒子19質量部、イタコン酸2質量部、水400質量部を、容量2リットルの攪拌機付ガラスフラスコに仕込み、窒素雰囲気下で80℃まで昇温した。80℃に到達した後に、過硫酸カリウム0.7質量部を添加した。
別途、スチレン17.25質量部、ジビニルベンゼン60質量部、重合性染料(和光純薬社製RDW−R13)0.25質量部、80質量%アクリル酸水溶液(東亜合成社製)1質量部、水50質量部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.5質量部を予め混合撹拌して乳化しておき、これを上記ガラスフラスコに加え、窒素雰囲気下、80℃で2時間重合反応を行った。次いで、過硫酸カリウム0.2質量部を添加し、更に85℃で2時間重合反応を行うことにより、平均粒径が120nmで表面荷電量が0.2mmol/gであるCOOH末端ポリスチレン粒子を得た。なお、上記平均粒径は、ナノトラック粒度分布測定装置UPA−EX150(日機装(株)社製)で測定した体積平均粒子径であり、表面荷電量は、電位差滴定装置(メトローム社製794 Basic Titrino)で測定した。
得られた粒子を透析により精製し、蛍光色素内包ポリスチレン樹脂粒子の水分散液(25℃におけるpH9、固形分濃度1質量%)を調製した。この粒子分散液を、粒子分散液αと称する。
[実施例1:蛍光標識体の調製]
蛍光色素内包ポリスチレン樹脂粒子の表面にストレプトアビジンを結合させ、更に粒子表面に、ポリオキシエチレン基を有する親水性高分子(JSR社製Blockmaster CE210)を結合させることで、蛍光標識体を得た。
すなわち、合成例1にて調製した粒子分散液α 2容量部を、15000rpmで60分間遠心分離して上清を廃棄し、5mMのMES緩衝液(pH6.0)0.36容量部を添加した。この粒子分散液を、粒子分散液βと称する。別途、ストレプトアビジン(和光純薬社製)を、その濃度が10mg/mLとなるように5mMのMES緩衝液(pH6.0)に添加し、ストレプトアビジン溶液を調製した。
次いで、上記粒子分散液βと、上記ストレプトアビジン溶液0.04容量部を混合し、37℃で1時間攪拌した後、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩の1質量%水溶液を0.02容量部加え、さらに37℃で1時間攪拌した後、遠心により上清を除去した。次いで、ブロッキング剤としてオリゴアミン(ペンタエチレンヘキサミン)を末端に有するポリエチレングリコール(Mw=2000)の水溶液(JSR社製Blockmaster CE210(固形分濃度2質量%))を0.1容量部添加して、25℃で1時間攪拌を行った。さらに、BSAを1%(w/v)含む50mMトリス緩衝液(pH7.4)を添加して希釈することにより、蛍光標識体の分散液(固形分濃度1質量%)を調製した。
[実施例2:蛍光標識体の調製]
ストレプトアビジン溶液の添加量を0.2容量部に変更した以外は、実施例1と同様の操作を行い、蛍光標識体の分散液(固形分濃度1質量%)を調製した。
[実施例3:蛍光標識体の調製]
ストレプトアビジン溶液の添加量を0.6容量部に変更した以外は、実施例1と同様の操作を行い、蛍光標識体の分散液(固形分濃度1質量%)を調製した。
[実施例4:蛍光標識体の調製]
ブロッキング剤の種類を、オリゴアミン(ペンタエチレンヘキサミン)を末端に有するポリエチレングリコール(Mw=5000(JSR社製Blockmaster CE510))に変更した以外は、実施例1と同様の操作を行い、蛍光標識体の分散液(固形分濃度1質量%)を調製した。
[実施例5:蛍光標識体の調製]
ストレプトアビジン溶液の添加量を0.2容量部に変更した以外は、実施例4と同様の操作を行い、蛍光標識体の分散液(固形分濃度1質量%)を調製した。
[実施例6:蛍光標識体の調製]
ストレプトアビジン溶液の添加量を0.6容量部に変更した以外は、実施例4と同様の操作を行い、蛍光標識体の分散液(固形分濃度1質量%)を調製した。
[実施例7:蛍光標識体の調製]
ブロッキング剤の種類を、メトキシポリエチレングリコールアミン(Mw=10,000(シグマ社製Methoxypolyethylene glycol amine))に変更した以外は、実施例1と同様の操作を行い、蛍光標識体の分散液(固形分濃度1質量%)を調製した。
[実施例8:蛍光標識体の調製]
ブロッキング剤の種類を、メトキシポリエチレングリコールアミン(Mw=20,000(シグマ社製Methoxypolyethylene glycol amine))に変更した以外は、実施例1と同様の操作を行い、蛍光標識体の分散液(固形分濃度1質量%)を調製した。
[実施例9:蛍光標識体の調製]
ブロッキング剤の種類を、メトキシポリエチレングリコールアミン(Mw=800(シグマ社製Methoxypolyethylene glycol amine))に変更した以外は、実施例1と同様の操作を行い、蛍光標識体の分散液(固形分濃度1質量%)を調製した。
[比較例1:蛍光標識体の調製]
蛍光色素内包ポリスチレン樹脂粒子の表面にストレプトアビジンを結合させることで、親水性高分子が粒子表面に結合していない蛍光標識体を得た。
すなわち、ブロッキング剤(Blockmaster CE210)を添加して撹拌する工程を省略する以外は、実施例1と同様の操作を行い、蛍光標識体の分散液(固形分濃度1質量%)を調製した。
[比較例2:蛍光標識体の調製]
ストレプトアビジン溶液の添加量を0.8容量部に変更した以外は、実施例1と同様の操作を行い、蛍光標識体の分散液(固形分濃度1質量%)を調製した。
[比較例3:蛍光標識体の調製]
蛍光色素内包ポリスチレン樹脂粒子の表面に、リンカーとなる親水性高分子(リンカー分子)を結合させ、粒子と結合していない側のリンカー末端に、ストレプトアビジンを結合させた。なお、実施例1〜9で用いたブロッキング剤(親水性高分子)と化学構造や性質が比較的近いため、片方の末端にアミノ基を有し、もう一方の末端にカルボキシ基を有するポリエチレングリコールを、リンカー分子として採用した。
すなわち、合成例1にて調製した粒子分散液α 2容量部と、片方の末端にアミノ基を有し、もう一方の末端にカルボキシ基を有するポリエチレングリコールの塩酸塩(Mw=2,000(SUNBRIGHT PA−020HC))0.04容量部を混合し、25℃で1時間攪拌した後、遠心により上清を除去した。次に、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩の1質量%水溶液を0.02容量部加え、さらに37℃で1時間攪拌した後、遠心により上清を除去した。
別途、ストレプトアビジン(和光純薬社製)を、その濃度が10mg/mLとなるように5mMのMES緩衝液(pH6.0)に添加し、ストレプトアビジン溶液を調製した。次いで、上記で得た粒子分散液に、上記ストレプトアビジン溶液0.8容量部と、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩を加え、37℃で1時間攪拌した。その後、ゲルろ過カラムによるろ過を行い、BSAを1%(w/v)含む50mMトリス緩衝液(pH7.4)を添加して希釈することにより、蛍光標識体の分散液(固形分濃度1質量%)を調製した。
[比較例4:蛍光標識体の調製]
リンカー分子の種類を、SUNBRIGHT PA−034HC(Mw=3,400)に変更した以外は、比較例3と同様の操作を行い、蛍光標識体の分散液(固形分濃度1質量%)を調製した。
[合成例2:蛍光色素内包メラミン樹脂粒子の調製]
粒子と結合していない側のポリオキシエチレン鎖の末端にマレイミド基を有する蛍光色素内包メラミン樹脂粒子を、従来公知の手法で製造した。具体的な手順を以下に示す。
N,N’−ビス(2,6−ジイソプロピルフェニル)−1,6,7,12−テトラフェノキシペリレン−3,4:9,10−テトラカルボン酸ジイミドを濃硫酸で処理することによりスルホ基の導入を行い、対応するスルホン酸に導いた。このスルホン酸を、常法により対応する酸塩化物に変換した。この酸塩化物14.4mgを水22.5mLに加えた後、ホットスターラーにて70℃で20分間加熱し、メラミン樹脂(日本カーバイド工業社製ニカラックMX−035)0.65gを加え、さらに5分間加熱撹拌した。ギ酸100μLを加え、60℃で20分間加熱攪拌した後、室温放冷した。冷却後、反応混合物を遠心用チューブに入れて12,000rpmで20分間遠心分離し、上澄みを除去した。これと同様の手順による洗浄を、エタノールと水を用いて行った。
得られた粒子0.1mgを、エタノール1.5mLに分散させ、アミノプロピルトリエトキシシラン(信越化学工業社製LS−3150)2μLを加えて8時間反応させることで、粒子の表面をアミノ化処理した。
得られた色素内包ナノ粒子を、EDTA(エチレンジアミン四酢酸)を2mM含有するPBS(リン酸緩衝液生理食塩水)を用いて3nMに調整し、この溶液に、スクシンイミジル−[(N−マレイミドプロピオンアミド)−ドデカエチレングリコール]エステル(サーモサイエンティフィック社製SM(PEG)12)を、最終濃度10mMとなるように混合し、1時間反応させた。この混合液を10,000Gで20分間遠心分離し、上澄みを除去した後、EDTAを2mM含有するPBSを加え、沈降物を分散させ、再度遠心分離を行った。同様の手順による洗浄を3回行うことで、粒子と結合していない側のポリオキシエチレン鎖の末端にマレイミド基を有する蛍光色素内包メラミン樹脂粒子(蛍光粒子)を得た。以下、この粒子を単に蛍光色素内包メラミン樹脂粒子とも称する。
なお、得られた蛍光色素内包メラミン樹脂粒子の平均粒径は150nmであった。この平均粒径は、走査型電子顕微鏡(SEM)で撮像して十分な数の粒子について断面積を計測し、この計測値を相当する円の面積としたときの直径を粒径として求め、1000個の粒子の粒径の算術平均を平均粒径とした。
[比較例5:蛍光標識体の調製]
合成例2にて調製した蛍光色素内包メラミン樹脂粒子のポリオキシエチレン鎖末端マレイミド基に、ストレプトアビジン修飾を行うことで、ストレプトアビジン修飾蛍光色素内包メラミン樹脂粒子に導いた。具体的な手順を以下に示す。
まず、1mg/mLに調整したストレプトアビジン(和光純薬工業社製)溶液40μLに、64mg/mLに調整したN−スクシンイミジル−S−アセチルチオアセテート(N−succinimidyl S−acetylthioacetate、pierce社製SATA)溶液70μLを加え、室温で1時間反応させることで、ストレプトアビジンのアミノ基を、−NH−(C=O)−CH2−S−(C=O)−CH3とした。その後、公知のヒドロキシルアミン処理を行うことで、上記−NH−(C=O)−CH2−S−(C=O)−CH3で示される基を、−NH−(C=O)−CH2−SHとした。この溶液をゲルろ過カラム(Zeba Spin Desalting Columns(フナコシ社製))により脱塩し、チオール基が導入されたストレプトアビジン溶液を得た。
次に、合成例2にて調製した蛍光色素内包メラミン樹脂粒子1質量部と、チオール基が導入されたストレプトアビジン0.4質量部とを、EDTAを2mM含有するPBS中で混合し、1時間反応させた。その後、10mMメルカプトエタノールを添加し、反応を停止させた。得られた溶液を遠心フィルターで濃縮後、精製用ゲルろ過カラムを用いて未反応ストレプトアビジン等を除去し、ストレプトアビジンで末端修飾されたポリオキシエチレン鎖を有する蛍光色素内包メラミン樹脂粒子(蛍光標識体)を得た。
[試験例1:染色様態]
(蛍光標識体保存液及び希釈液の調製)
−実施例1〜9、比較例1〜5−
実施例1〜9、比較例1〜5で得た蛍光標識体分散液の分散媒を、BSAを1%(w/v)含むPBS緩衝液に予め置換しておいた。別途、保存用液1として、BSAを1%(w/v)含むPBS緩衝液(pH=7.2)を調製した。
蛍光標識体分散液の上澄み液を除去し、分散媒を保存用液1に置換した後に、フィルター処理(0.65μm:ミリポア社製)を行った。この蛍光標識体分散液を、「実施例1〜9、比較例1〜5の蛍光標識体含有保存液」とする。
その後、蛍光標識体の濃度が0.2nMとなるように保存用液1で希釈した。この希釈液を、「実施例1〜9、比較例1〜5の希釈液」とする。
−比較例6−
比較例5で得た蛍光標識体分散液の分散媒を、BSAを1%(w/v)含むPBS緩衝液に予め置換しておいた。別途、保存用液2として、αカゼイン:0.6%(w/v)、βカゼイン:0.6%(w/v)、BSA:3%(w/v)、Tween(登録商標)20:0.1%(w/v)及びNaN3:0.015Nを含むTris緩衝液(pH=6.9)を調製した。
蛍光標識体分散液の上澄み液を除去し、分散媒を保存用液2に置換した後に、フィルター処理(0.65μm:ミリポア社製)を行った。この蛍光標識体分散液を、「比較例6の蛍光標識体含有保存液」とする。
その後、蛍光標識体の濃度が0.2nMとなるように保存用液2で希釈した。この希釈液を、「比較例6の希釈液」とする。
(蛍光標識体を用いた染色)
上記で調製した実施例1〜9、比較例1〜6の希釈液をそれぞれ用いて、免疫染色、形態観察染色およびその観察を行った。具体的な手順を以下に示す。
まず、HeLa細胞セルブロック、ヒト乳房腫瘍隣接組織に対して、ホルマリン固定、パラフィン包埋を施して切片を作製し、コスモ・バイオ(株)製のガラススライドに載せて標本スライドを作製した。
ホルマリン固定、パラフィン包埋を施したHeLa細胞セルブロック及びヒト乳房組織の隣接切片(染色切片はコスモ・バイオ(株)製の組織アレイスライド)を載せた標本スライドに対して、蛍光標識した抗体を用いて下記工程(1)〜(14)の方法により免疫染色蛍光染色を行った。なお、下記工程(1)〜(14)はその数字順で行った。
工程(1):キシレンを入れた容器に病理切片標本スライドを30分間浸漬させた。途中3回キシレンを交換した。
工程(2):エタノールを入れた容器に病理切片標本スライドを30分間浸漬させた。途中3回エタノールを交換した。
工程(3):水を入れた容器に病理切片標本スライドを30分間浸漬させた。途中3回水を交換した。
工程(4):95℃の10mMクエン酸緩衝液(pH6.0)に病理切片標本スライドを20分間浸漬させ、賦活化処理を行った。
工程(5):PBSを入れた容器に、オートクレーブ賦活化処理後の切片標本スライドを30分間浸漬させた。
工程(6):1%(w/v)BSA含有PBSを組織標本スライドに載せて、1時間放置した。
工程(7):1%(w/v)BSA含有PBSで0.05nMに希釈した抗Ki−67抗体(Abnova社製)を、各組織切片標本スライドに載せて1時間放置した。
工程(8):これをPBS緩衝液で洗浄後、10μg/mLのビオチン標識抗マウスモノクローナル抗体(ニチレイ社製)と30分間反応させた。
工程(9):PBSを入れた容器に、染色後の切片をそれぞれ30分間浸漬させた。
工程(10):実施例1〜9、比較例1〜6の希釈液を、各組織切片標本スライドに載せて1時間放置した。
工程(11):PBSを入れた容器に、染色後の切片をそれぞれ30分間浸漬させた。
−形態観察染色−
上記免疫染色を行った組織細胞スライドについて、さらに形態観察染色を行った。
工程(12):PBSを入れた容器に、染色後の切片をそれぞれ30分間浸漬させた。
工程(13):25%(w/v)ヘマトキシリンにて1分間処理し、純水を入れた容器に、染色後の切片をそれぞれ30分間浸漬させた。
工程(14):Biocare社製EcoMountを滴下後、カバーガラスを載せ封入した。
(蛍光観察及び評価)
上記染色後、蛍光顕微鏡(キーエンス社製BZ−9000)にて倍率20倍で蛍光観察を行い、染色様態(凝集塊の有無や染色性)を下記の基準で評価した。評価結果を表1〜2に示す。また参考までに、実施例1の蛍光標識体を用いたときの染色画像を図1に、比較例3の蛍光標識体を用いたときの染色画像を図2に、それぞれ示す。なお、観察時の励起光は、光学フィルターに通すことで575〜600nmに設定した。また、観察する蛍光の波長(nm)の範囲についても、光学フィルターに通すことで612〜682nmに設定した。
(染色様態評価基準)
A・・・輝点数の減少や粗大塊がみられず、染色可能
B・・・オーバーブロッキングにより輝点数が減少するが、粗大塊はなく染色は可能
C・・・粗大塊があり、染色も不可
ここで、粗大塊あり・なしの判定については、各組織細胞スライドを10視野程度観察したときに、顕微鏡を通じて観察された見かけの大きさが1〜2mm角(すなわち、実際の大きさとして2.5〜5μm角相当)以上の凝集塊が3個以上確認された場合に「粗大塊あり」としている。例えば、図2に示すように、比較例3の蛍光標識体を用いた場合については「粗大塊あり」と評価される。
[試験例2:安定性]
蛍光標識体の保存液中での安定性を評価するために、蛍光標識体含有保存液を4℃で1年間保存した後にそのまま染色に使用し、凝集の有無や染色の可否を確認した。具体的な手順を以下に示す。
実施例1〜9、比較例1〜6の蛍光標識体含有保存液を、試験例1に記載の手順にて調製し、冷蔵庫中で4℃にて1年間保管した。その後、試験例1の「(蛍光標識体を用いた染色)」の項に記載の手順と同様にして染色を行った。なお、染色するに際しては、蛍光標識体含有保存液を0.2nMに希釈せずに、1年間保管後そのまま使用した。染色後、試験例1と同様にして蛍光観察を行い、その染色様態から安定性を下記の基準で評価した。評価結果を表1〜2に示す。
(安定性評価基準)
A・・・1年間保管しても凝集がみられず染色も可能であり、分散性が維持されている
B・・・1年間保管した場合に一部凝集がみられるが、染色は可能
C・・・1年間保管した場合に凝集が大となり、染色前に超音波処理が必要
[試験例3:抗菌性]
実施例1〜9、比較例1〜6の蛍光標識体含有保存液を、試験例1に記載の手順にて調製した。
各種蛍光標識体含有保存液を37℃で1ヵ月保管した後に、200μLをマイクロピペットでサンプリングして、5%羊血液入り培地(日水製薬、日本ベクトン・デッキンソン社製)に滴下した。37℃のインキュベーター中で48時間培養した。培養終了後、コロニーの有無を目視で確認し、抗菌性を下記の基準で評価した。評価結果を表1〜2に示す。
(抗菌性評価基準)
+・・・コロニーが確認された
−・・・コロニーが確認されなかった
表1〜2中の各記号の定義は、以下に示すとおりである。
ST : COOH末端ポリスチレン粒子
CE210 : Blockmaster CE210
CE510 : Blockmaster CE510
MPGA10000 : Methoxypolyethylene glycol amine 10000
MPGA20000 : Methoxypolyethylene glycol amine 20000
MPGA800 : Methoxypolyethylene glycol amine 800
PA−020HC : SUNBRIGHT PA−020HC
PA−034HC : SUNBRIGHT PA−034HC
末端STV : 親水性高分子末端のストレプトアビジンの有無
EO数 : エチレンオキサイドの平均付加モル数
Mw : 重量平均分子量
STV感作量[γ] : ストレプトアビジン感作量[γ]
なお、上記ストレプトアビジン感作量[γ]は、粒子の使用量に対するストレプトアビジン全量(仕込量)の比率を意味し、例えば、粒子1mgに対してストレプトアビジン0.001mg使用した場合には1γとなる。
表1〜2に示すとおり、実施例1〜9の蛍光標識体は、染色様態及び安定性に優れたものであった。

Claims (18)

  1. 蛍光粒子と、
    前記蛍光粒子表面に結合した、生体分子と特異的に結合する生体分子認識分子と、
    親水性高分子とを含み、
    少なくとも一部の親水性高分子が、前記蛍光粒子表面のうち、前記生体分子認識分子が結合する部位とは異なる部位に結合している、
    蛍光標識体。
  2. 前記生体分子認識分子の感作量が350γ以下である、請求項1に記載の蛍光標識体。
  3. 前記少なくとも一部の親水性高分子が、前記生体分子認識分子と反応し得る官能基を有していないもの、又は前記生体分子認識分子が結合していないものである、請求項1又は2に記載の蛍光標識体。
  4. 前記生体分子認識分子が、アビジン類、抗体又はハイブリダイゼーション用プローブである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の蛍光標識体。
  5. 前記生体分子認識分子がストレプトアビジンである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の蛍光標識体。
  6. 前記生体分子認識分子と前記蛍光粒子表面との結合が化学結合である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の蛍光標識体。
  7. 前記生体分子認識分子が、2価の連結基を介して前記蛍光粒子表面と結合している、請求項6に記載の蛍光標識体。
  8. 前記2価の連結基が、−(C=O)NH−又は−CHOH−CH2−NH−である、請求項7に記載の蛍光標識体。
  9. 前記親水性高分子が、ポリオキシアルキレン基を有する親水性高分子である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の蛍光標識体。
  10. 前記親水性高分子が重量平均分子量750以上の親水性高分子である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の蛍光標識体。
  11. 前記親水性高分子の結合量が、蛍光粒子1質量部に対して、0.2質量部以下である、請求項1〜10のいずれか1項に記載の蛍光標識体。
  12. 前記親水性高分子と前記蛍光粒子表面との結合が化学結合である、請求項1〜11のいずれか1項に記載の蛍光標識体。
  13. 前記蛍光粒子がナノ粒子である、請求項1〜12のいずれか1項に記載の蛍光標識体。
  14. 前記蛍光粒子の体積平均粒子径が50〜230nmである、請求項1〜13のいずれか1項に記載の蛍光標識体。
  15. 蛍光組織染色用である、請求項1〜14のいずれか1項に記載の蛍光標識体。
  16. 請求項1〜15のいずれか1項に記載の蛍光標識体を用いて組織染色する工程を含む、組織染色方法。
  17. 請求項1〜15のいずれか1項に記載の蛍光標識体の製造方法であって、蛍光粒子、又は生体分子と特異的に結合する生体分子認識分子を蛍光粒子表面に結合してなる蛍光標識体と、親水性高分子とを接触させる工程を含む、製造方法。
  18. 蛍光標識体の安定化方法であって、蛍光粒子、又は生体分子と特異的に結合する生体分子認識分子を蛍光粒子表面に結合してなる蛍光標識体と、親水性高分子とを接触させる工程を含む、方法。
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