JPWO2019077767A1 - 合成樹脂製キャップ及び容器 - Google Patents

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Abstract

タンパーエビデンスバンドの縦割れ発生の防止を図ることのできる合成樹脂製キャップ及び容器を提供すること。容器口部(M)の外周に形成された雄ねじ(M1)に螺合する雌ねじ(5)が設けられたスカート壁(3)と、該スカート壁(3)の下部に環状弱化部(10)を介して連結されたタンパーエビデンスバンド(9)とを具備したキャップ(1)であって、前記タンパーエビデンスバンド(9)の内周側に、前記容器口部(M)の外周に設けられた環状突起(M2)に下方から係止可能なフック(11)が周方向に間隔をおいて複数設けられ、前記雌ねじ(5)は、ねじ山(16)と、ねじ無し部分(17)とが交互に並ぶ断続ねじであり、各前記ねじ無し部分(17)を前記スカート壁(3)の軸方向に延長した先に、周方向に隣り合う前記フック(11)間に設けられる隙間(18)が位置しないように構成されている。

Description

本発明は、例えば、飲料物等の内容物を収容する容器の口部に装着される合成樹脂製キャップ及びこれを備えた容器に関する。
飲料物等の内容物を収容する容器の口部に装着され、一目で開封の有無を確認可能に構成されたキャップは広く知られている。例えば特許文献1に開示されたキャップは、図7に示すように、容器口部Mの雄ねじM1に螺合する雌ねじ51が設けられたスカート壁(主部)52を有するキャップ本体53と、スカート壁52の下部に環状弱化部(破断ライン)54を介して連結されたタンパーエビデンスバンド(タンパーエビデント裾部)55とを具備する。
上記キャップでは、容器口部Mに装着された状態からの開封操作(最初の開栓操作)に伴い、タンパーエビデンスバンド55の内周に設けられたフック(係止手段)56が容器口部Mの外周に設けられた環状突起(係止あご部)M2に係止した後、タンパーエビデンスバンド55とスカート壁52とを画する環状弱化部54が破断され、キャップ本体53とタンパーエビデンスバンド55とが互いに分離される。従って、環状弱化部54を構成するミシン目状のスリット間に形成されたブリッジ(橋絡部)の破断の有無を視認することにより、開封操作が行われたか否かを容易に確認することができる。
特開2016−155589号公報
ところで、図7に示すキャップの雌螺条51は断続ねじであり、そのねじが延びる方向に間隔をおいて複数のねじ無し部分(切欠)57が設けられている。そして、スカート壁52の肉厚は一定ではなく、ねじ無し部分57に対応する部位は、肉盗みが施されて他の部分よりも肉厚が小さい薄肉部58とされ、この薄肉部58はスカート壁52の軸方向に延びている。
そして、本発明者らは、上記のような薄肉部58を有するキャップでは、その成形時にタンパーエビデンスバンド55の縦割れに繋がるウェルド部が形成されてしまう恐れがあることを突き止めた。
本発明は上述の事柄に留意してなされたもので、その目的は、タンパーエビデンスバンドの縦割れ発生の防止を図ることのできる合成樹脂製キャップ及び容器を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明に係る合成樹脂製キャップは、容器口部の外周に形成された雄ねじに螺合する雌ねじが設けられたスカート壁と、該スカート壁の下部に環状弱化部を介して連結されたタンパーエビデンスバンドとを具備したキャップであって、前記タンパーエビデンスバンドの内周側に、前記容器口部の外周に設けられた環状突起に下方から係止可能なフックが周方向に間隔をおいて複数設けられ、前記雌ねじは、ねじ山と、ねじ無し部分とが交互に並ぶ断続ねじであり、各前記ねじ無し部分を前記スカート壁の軸方向に延長した先に、周方向に隣り合う前記フック間に設けられる隙間が位置しないように構成されている(請求項1)。
上記合成樹脂製キャップは、各前記隙間を前記タンパーエビデンスバンドの軸方向に延長した先に、何れかの前記ねじ山の中央が位置するように構成されていてもよい(請求項2)。
上記合成樹脂製キャップにおいて、前記フックは5個設けられ、前記ねじ山は一周当たり10個設けられていてもよい(請求項3)。
一方、上記目的を達成するために、本発明に係る容器は、請求項1〜3の何れか一項に記載の合成樹脂製キャップが口部に装着されている(請求項4)。
本願発明では、タンパーエビデンスバンドの縦割れ発生の防止を図ることのできる合成樹脂製キャップ及び容器が得られる。
すなわち、本発明者らは、図7に示す薄肉部58を有するキャップの縦割れの問題に取り組んだ結果、この縦割れは、タンパーエビデンスバンド55においてランダムに生じるのではなく、特に薄肉部58の延長線上となる部分に集中する傾向にあり、さらには隣り合うフック56間の隙間59(図7参照)が薄肉部58の延長線上に位置する場合にその隙間59において顕著に生じることを見出し、鋭意研究の結果、タンパーエビデンスバンド55におけるウェルド部の形成態様が縦割れに大きく影響していることを突き止め、さらにはウェルド部の形成態様を変えることにより縦割れの発生を防止可能であることに思い至った。
本願の各請求項に係る発明の合成樹脂製キャップでは、各ねじ無し部分と各フックの隙間の位置を周方向にずらすのであり、斯かる構成により、タンパーエビデンスバンドの縦割れに繋がるウェルド部の発生の防止を図ることができる。
請求項2に係る発明の合成樹脂製キャップでは、タンパーエビデンスバンドの縦割れ発生の防止効果を大いに高めることができる。
本発明の一実施の形態に係る合成樹脂製キャップを備えた容器の要部の構成を概略的に示す説明図である。 前記合成樹脂製キャップの構成を概略的に示す底面図である。 図2のA−A線切断断面図である。 図2のB−B線切断端面図である。 図2のC部拡大図である。 前記合成樹脂製キャップにおけるねじ山及びねじ無し部分とフックとの位置関係を概略的に示す展開図である。 従来の合成樹脂製キャップの構成を概略的に示す説明図(一部を断面で示す正面図)である。
本発明の実施の形態について図面を参照しながら以下に説明する。
図1〜図4に示す合成樹脂製キャップ(以下、キャップという)1は、例えばペットボトル等の容器の口部Mに装着されて使用されるものであり、コンプレッション成形又はインジェクション成形によって、ポリエチレンで一体的に成形されている。なお、キャップ1を形成する素材は、特に限定されるものではなく、本実施形態で用いたポリエチレンの他、ポリプロピレン等が好適に用いられる。なお、図1において、キャップ1の右半分の図示は省略してある。
キャップ1は、平面視において略円形状の天壁2(図2参照)と、この天壁2の外周部から下向きに延びる略円筒状のスカート壁3を有している(図3参照)。ここで、スカート壁3の外周面にはローレット溝4を、内周面には雌ねじ5を設けてあり、この雌ねじ5は容器口部Mの外周に形成された雄ねじM1に結合可能である(図1参照)。
そして、容器口部Mの雄ねじM1にスカート壁3の雌ねじ5が結合するようにキャップ1を回転させて容器口部Mに装着すると、天壁2の内面(下面)に連設された環状の中足(インナーリング)6、環状リブ7及び環状の外足(アウターリング)8が容器口部Mに密着し、これにより、容器口部Mが密封された状態となる(図1〜図3参照)。すなわち、キャップ1が容器口部Mに装着された状態では、中足6は容器口部M内に差し込まれて容器口部Mの内周面に密着し、環状リブ7は容器口部Mの環状の上端面に密着し、外足8は容器口部Mの外周面に密着するように構成されている。なお、図1では、中足6の元の形状を分かり易く示すために、中足6と容器口部Mとを重ねてあるが、実際の装着状態では、中足6は容器口部Mの表面に沿うように変形する。
また、キャップ1は、未開封(開栓が一度もされていないこと)を証明する機能を有するピルファープルーフキャップであり、容器口部Mに装着された未開封のキャップ1の開封時(最初の開栓時)に、雄ねじM1と雌ねじ5の結合が解除されるようにキャップ1を回転させると、キャップ1は容器口部Mから離脱するが、スカート壁3の下部に連結されたタンパーエビデンスバンド(以下、単に「バンド」という)9は容器口部Mに残留するように構成されている。
すなわち、スカート壁3の下部には、スカート壁3の全周にわたって延びる環状弱化部10を介してバンド9を連結してあり(図1、図3、図4参照)、環状弱化部10は、スカート壁3とバンド9とを上下に画するように、スカート壁3及びバンド9の周方向に断続して延びる(ミシン目状の)スリットと、隣り合うスリットの間に存在するブリッジとで構成され、ブリッジは所定の力で引っ張られると破断する。
そして、本例では、バンド9の外径を上下にわたって均一にしてある一方、バンド9の内周側には、内向きに突出し、内側への突出量が上側ほど増大するように構成されたフック11を、周方向に間隔をおいて5個(複数の一例)設けてある。各フック11は、キャップ1が容器口部Mに装着された状態で、容器口部Mの外周において雄ねじM1よりも下方に形成された環状突起(ビード部)M2(図1参照)の略下側へ位置し、開封操作によって環状突起M2に係止する。すなわち、フック11は、環状突起M2に下方から係止可能に構成されている。
また、図4に示すように、バンド9の内周側において、フック11の上方には、バンド9の内側に突出し、その突出量はフック11よりも小さい(内径がフック11の内径よりも大きい)第1嵌合部12が設けられ、さらに、第1嵌合部12の上方には上側ほど内径が大きくなる第1傾斜部13が連なっている。そして、第1傾斜部13の上方には、バンド9の内側に突出し、その突出量は第1嵌合部12よりも小さい(内径が第1嵌合部12の内径よりも大きい)第2嵌合部14が設けられ、第2嵌合部14の上方には上側ほど内径が大きくなる第2傾斜部15が連なっている。
而して、本例のキャップ1は、容器口部Mに装着されることによって容器を密封する密封状態(図1参照)となるのであり、この密封状態からキャップ1を開封(開栓)方向に回転させると、容器口部Mに対してキャップ1が相対的に上昇し、やがてフック11が環状突起M2に下方から係止する状態になる。さらにキャップ1を開封方向に回転させ続けると、やがて環状弱化部10は破断し、バンド9は容器口部Mに残留する一方、それより上側の天壁2及びスカート壁3からなるキャップ本体は容器口部Mから離脱することになる。
そして、図3に示すように、本例のスカート壁3の雌ねじ5は、ねじ山16と、ねじ無し部分17とが交互に並ぶ断続ねじであり、各ねじ無し部分17をスカート壁3の軸方向(図3では下方向)に延長した先に、周方向に隣り合うフック11間に設けられる隙間18が位置しないように構成してある(図5、図6参照)。換言すれば、各ねじ無し部分17と各隙間18の位置を周方向にずらしてある。
詳述すると、上述のようにフック11は5個設けられているのに対し、雌ねじ5はスカート壁3内を螺旋状に二周するように延び、ねじ山16は一周当たり10個設けられている(図6参照)。そして、本例では、各隙間18をバンド9の軸方向に延長した先に、何れかのねじ山16の中央(ねじが延びる方向における中央)が位置するように構成されている。
すなわち、既に述べているように、図7に示す薄肉部58を有するキャップの縦割れは、タンパーエビデンスバンド55においてランダムに生じるのではなく、特に薄肉部58の延長線上となる部分に集中する傾向にあり、さらには隣り合うフック56間の隙間59(図7参照)が薄肉部58の延長線上に位置する場合にその隙間59において顕著に生じる。
そこで、本例では、上述したように、各ねじ無し部分17をスカート壁3の軸方向に延長した先に隙間18が位置しないように構成したのであり、斯かる構成により、上記のバンドの縦割れに繋がるウェルド部の発生の防止を図ることができる。実際、本発明者らは、ねじ無し部分17と隙間18の位置が周方向にずれていない箇所でバンド9に縦割れが発生したキャップにつき、各ねじ無し部分17と各隙間18の位置を周方向にずらせば、縦割れが発生しなくなることを試験により確認している。
そして、特に、各隙間18をバンド9の軸方向に延長した先に、何れかのねじ山16の中央が位置するように構成した場合には、各ねじ無し部分17と各隙間18の位置を周方向に最大限ずらした状態となるため、縦割れ発生(縦割れに繋がるウェルド部の発生)防止の点で最も効果が高くなると考えられる。
なお、本発明は、上記の実施の形態に何ら限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々に変形して実施し得ることは勿論である。すなわち、本発明では、図6に示すように、各ねじ無し部分17と各隙間18の位置がスカート壁3あるいはバンド9の周方向にずれているという関係を有することが肝要であり、この関係が保たれる範囲で、ねじ無し部分17を含む雌ねじ5の構成及び隙間18を規定するフック11の構成を変更することができる。
例えば、上記実施の形態では、雌ねじ5はスカート壁3内を螺旋状に二周するように延びているが、雌ねじ5をこれより延長しても短縮してもよい。但し、雌ねじ5がスカート壁3内を螺旋状に一周を超えて延びる場合、各ねじ無し部分17の軸方向(上又は下)には他のねじ無し部分17が必ず存在するように構成しておくのが好ましい。
上記実施の形態では、フック11を5個、ねじ山16を一周あたり10個設けているが、フック11、ねじ山16の個数はこれに限らず、例えば、一周あたりのねじ山16の個数をフック11の個数の2倍、3倍等の整数倍としても等倍としても倍数にならないようにしてもよく、また、一周あたりのねじ山16の数よりフック11の数を多くしてもよい。
また、図6の例では、ねじ山16及びフック11を周方向に等間隔(ねじ山16は36°おき、フック11は72°おき)に設けてあるが、これに限らず、ねじ山16及びフック11を周方向に設ける間隔を等間隔にしなくてもよく、例えば、ねじ山16の周方向の長さ、ねじ無し部分17の周方向の幅、フック11の周方向の長さや隙間18を不均一にしてもよい。
さらに、図6の例では、各隙間18をバンド9の軸方向に延長した先に、何れかのねじ山16の中央が位置するように構成してあるが、これに限らず、例えば各隙間18をバンド9の軸方向に延長した先に、何れかのねじ山16の中央又は端部が位置するように構成してあってもよい。
上記バンド9の縦割れ発生に繋がるウェルド部を形成しないようにするとの観点からは、図7に示す薄肉部58に相当する薄肉部を本発明のスカート壁3には設けない方が好ましいが、設けてもよく、この場合でも、バンド9の縦割れ発生の防止効果を期待することはできる。
なお、上記変形例どうしを適宜組み合わせてもよいことはいうまでもない。
1 合成樹脂製キャップ
2 天壁
3 スカート壁
4 ローレット溝
5 雌ねじ
6 中足
7 環状リブ
8 外足
9 タンパーエビデンスバンド
10 環状弱化部
11 フック
12 第1嵌合部
13 第1傾斜部
14 第2嵌合部
15 第2傾斜部
16 ねじ山
17 ねじ無し部分
18 隙間
51 雌ねじ
52 スカート壁
53 キャップ本体
54 環状弱化部
55 タンパーエビデンスバンド
56 フック
57 ねじ無し部分
58 薄肉部
59 隙間
M 容器口部
M1 雄ねじ
M2 環状突起

Claims (4)

  1. 容器口部の外周に形成された雄ねじに螺合する雌ねじが設けられたスカート壁と、該スカート壁の下部に環状弱化部を介して連結されたタンパーエビデンスバンドとを具備したキャップであって、
    前記タンパーエビデンスバンドの内周側に、前記容器口部の外周に設けられた環状突起に下方から係止可能なフックが周方向に間隔をおいて複数設けられ、
    前記雌ねじは、ねじ山と、ねじ無し部分とが交互に並ぶ断続ねじであり、
    各前記ねじ無し部分を前記スカート壁の軸方向に延長した先に、周方向に隣り合う前記フック間に設けられる隙間が位置しないように構成されていることを特徴とする合成樹脂製キャップ。
  2. 各前記隙間を前記タンパーエビデンスバンドの軸方向に延長した先に、何れかの前記ねじ山の中央が位置するように構成されている請求項1に記載の合成樹脂製キャップ。
  3. 前記フックは5個設けられ、前記ねじ山は一周当たり10個設けられている請求項1または2に記載の合成樹脂製キャップ。
  4. 請求項1〜3の何れか一項に記載の合成樹脂製キャップが口部に装着された容器。

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