JPWO2019070050A1 - 移動ロボット - Google Patents
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Abstract
転倒しても衝撃を従来よりも緩和させることができる移動ロボットを提供する。胴体部2と、胴体部2を移動可能とすべく胴体部2の下部に設けられた駆動部3と、を備える移動ロボット1であって、胴体部2は、縦断面が略楕円形状であり、転倒したときの胴体部2と地面11との最初の接地点10が最大外径部分8よりも下方で接地するように構成されている。
Description
本発明は、駆動部を駆動させて直立状態で移動自在な移動ロボットに関する。
近年、自立的に移動して様々な作業を行う移動ロボットの開発が進められている。例えば、日本国特開2005−342818号公報には、狭い通路でも移動できるように、円筒形の胴部とその下部1つの球体輪を備え、球体輪を回転させることで走行する移動ロボットが記載されている。
移動ロボットは予期しない外力が加わったときなどに転倒する可能性がある。転倒すると移動ロボットはその衝撃によって故障する虞がある。このような転倒時の衝撃を緩和するために特許文献1の移動ロボットでは、胴体部の上端外周にゴムなどの衝突吸収材を径方向へ張り出すように突設するようにしている。
日本国特開2005−342818号公報のものでは、衝突緩衝材が胴体部の上方に突設されているため、移動ロボットが転倒したときに衝突緩衝材のみが地面と接触することとなり、胴体上部に衝撃が集中して伝達されてしまい衝突緩衝材で十分に衝撃を緩和できない虞がある。更に、転倒時においては、胴体部は上方へ行くほど位置エネルギーが大きくなるため、特に衝撃が大きくなり易く、衝突吸収材で衝撃を適切に吸収しきれない虞がある。
本発明は、以上の点に鑑み、転倒しても衝撃を緩和させることができる移動ロボットを提供することを目的とする。
[1]上記目的を達成するため、本発明は、
胴体部(例えば、実施形態の胴体部2。以下同一。)と、前記胴体部を移動可能とすべく前記胴体部の下部に設けられた駆動部(例えば、実施形態の駆動部3。以下同一。)と、を備える移動ロボット(例えば、実施形態の移動ロボット1。以下同一。)であって、
前記胴体部は、縦断面が略楕円形状であり、前記略楕円形状の最大外径部分(例えば、実施形態の最大外径部分8。以下同一。)が前記胴体部の縦方向の上端と下端の間(例えば、実施形態の中央9。以下同一。)以下に位置するように設定されており、
転倒したときの前記胴体部と地面(例えば、実施形態の地面11。以下同一。)との最初の接地点(例えば、実施形態の最初の接地点10。以下同一。)が前記最大外径部分よりも下方で接地するように構成されていることを特徴とする。
胴体部(例えば、実施形態の胴体部2。以下同一。)と、前記胴体部を移動可能とすべく前記胴体部の下部に設けられた駆動部(例えば、実施形態の駆動部3。以下同一。)と、を備える移動ロボット(例えば、実施形態の移動ロボット1。以下同一。)であって、
前記胴体部は、縦断面が略楕円形状であり、前記略楕円形状の最大外径部分(例えば、実施形態の最大外径部分8。以下同一。)が前記胴体部の縦方向の上端と下端の間(例えば、実施形態の中央9。以下同一。)以下に位置するように設定されており、
転倒したときの前記胴体部と地面(例えば、実施形態の地面11。以下同一。)との最初の接地点(例えば、実施形態の最初の接地点10。以下同一。)が前記最大外径部分よりも下方で接地するように構成されていることを特徴とする。
本発明によれば、移動ロボットが転倒した場合であっても、略楕円形状の胴体部の最大外径部分よりも下方部分で最初に地面と接地することができ、その後、略楕円形状に沿って揺り籠が揺れるように転倒していく。従って、位置エネルギーの大きい胴体部の上部が最初に地面に衝突することを防止することができ、更に、転倒による位置エネルギーの一部が揺り籠のように揺れることによる回転運動に変換されるため、転倒時の移動ロボットへの衝撃を従来よりも緩和することができる。
なお、略楕円形状とは、楕円形状及びほぼ楕円形状を含むものとして説明している。
[2]また、本発明においては、前記最大外径部分は、前記胴体部の縦方向の中央以下であって、前記胴体部の前記下端よりも上方に位置していることが好ましい。
かかる構成によれば、最大外径部分が胴体部の縦方向の中央に位置している場合と比較して、より位置エネルギーの小さい部分を最初の接地点とすることができ、更に衝撃を緩和させることができる。
[3]また、本発明においては、前記胴体部の横断面が多角形であることが好ましい。かかる構成によれば、胴体部の横断面が多角形状であるため、転倒後に移動ロボットが移動ロボットの縦方向を軸として横方向に回転して転がってしまうことを防止することができる。
図を参照して、本発明の移動ロボットの実施形態を説明する。図1及び図2に本実施形態の移動ロボット1を示す。移動ロボット1は、胴体部2と、胴体部2の下端に配置された駆動部3とを備えている。駆動部3は1つの球体輪4を回転させることで前後左右の全方向に移動可能に構成されている。
移動ロボット1には、胴体部2の上端部外周に環境センサとしての一対のカメラ5,5が設けられている。一対のカメラ5,5はそれぞれ胴体部2から突出している。カメラ5,5は保護部材で囲われていてもよい。
胴体部2は、図2Aに示すように縦断面が略楕円形状であり、胴体部2の最大外径部分8は、胴体部2の縦方向の中央9以下であって胴体部2の下端よりも上方に設定されている。図2Aの一点鎖線は縦方向、二点鎖線は横方向を示している。胴体部2は、図2Eに示すように、横断面が略六角形状であり、移動ロボット1の正面と背面とに六角形状の辺部分が配置される。移動ロボット1の正面6と背面7とには、それぞれディスプレイ(図示省略)が設けられており、進行方向、地図、又は広告などの様々な情報を表示することができる。
胴体部2の六つの側面は、転倒したときに地面と接触する部分は滑らかに湾曲した平滑面とされており、胴体部2の接地しない他の部分には、角部があってもよい。
移動ロボット1は、カメラ5,5を含む環境センサ(例えば、レーザー距離計など)から得られた環境情報に基づいて胴体部2の内部に設けられた制御装置(図示省略)で、どのような経路で移動するか、ディスプレイ(図示省略)にどのような情報を表示するかなど、実行する行動を決定する。移動ロボット1は、駅、空港又はその他施設における案内ロボットとして用いることができる。
移動ロボット1の胴体部2は、図1から図3A〜Fに示すように、胴体部2の上部より下に行くに従ってその径が徐々に大きくなり、胴体部2の下部で径が最大になったあと(最大外径部分8)、最下部に行くに従って次第に径が小さくなっている。すなわち、直立状態において胴体部2は縦方向に切断した断面(縦断面)が略楕円形状(本実施形態では略鶏卵形状)となるように構成されている。
胴体部2が略楕円形状であるため、移動ロボット1が転倒しても胴体部2の略楕円形状の外面に沿って胴体部2の下方から上方へと接地点が変化するように傾くことにより、移動ロボット1への衝撃が緩和される。
なお、略楕円形状とは、楕円形状のみならず、ほぼ楕円形状を含むものとして説明している。また、略鶏卵形状とは、鶏卵形状のみならず、ほぼ鶏卵形状のものを含むものとして説明している。
図3Aから図3Fを参照して、移動ロボット1の転倒時の動きを説明する。図3Aは移動ロボット1が直立して動作しているときの状態を示している。通常時は、このような姿勢で移動又は待機を行う。
この直立姿勢状態から、物体にぶつかるなどして胴体部2に外力が加わり転倒するときには、図3Bに示すように、胴体部2が傾き始める。そして、図3Cに示すように、胴体部2の最大径よりも下方の部分がまず地面11(土又は砂に限らず床や路面などを含むものとする)に接地する(最初の接地点10)。その後、移動ロボット1は略楕円形状の胴体部2の外面に沿って地面11との接地点を変化させながら揺り籠が揺れるようにして転倒する(図3C〜図3E)。図3Eの状態の後は揺り戻しが生じ、最終的には図3Fの状態で停止する。
このように移動ロボット1は転倒時に胴体部2の下方から接地して、外形状に沿って回転しながら転倒するため、胴体部2の上部が最初に地面と接触することが無く、また、接地時の速度も緩和されることから、胴体部2、特に上方への衝撃を緩和することができる。
また、移動ロボット1は胴体部2が断面多角形(略六角形)であるため、転倒時に移動ロボット1の上下方向を軸に横に転がってしまうことを防止することができる。即ち、移動ロボット1が転倒して転がり周囲の物体等に衝突する虞を低減し、転倒した場合でもより安全な状態とすることができる。
なお、本発明は、本実施形態の構成に限定されること無く、胴体部が略楕円形状であれば、他の部分は適宜設計変更可能である。例えば、本実施形態においては、駆動部3として一つの球体輪4を備えるものを説明したが、本発明の駆動部は球体輪を備えていなくてもよく、球体輪の代わりに複数の円盤状車輪を備えるものであってもよい。
また環境センサとしてカメラを説明したが、カメラに加えてレーザー距離計を備えていてもよく、又はカメラに代えてレーザー距離計のみを備えていてもよい。
また、本実施形態においては、略楕円形状の胴体部として、胴体部2の最大外径部分は、胴体部2の縦方向の中央9よりも下であって胴体部2の下端よりも上方に位置するように略鶏卵形状の胴体部2を説明した。しかしながら、本発明の略楕円形状の胴体部はこれに限らない。例えば、胴体部の最大外径部分を胴体部の縦方向中央9に位置させて、胴体部を略ラグビーボール形状に構成しても、本発明の「転倒時の移動ロボットへの衝撃を従来よりも緩和することができる」という作用効果を得ることができる。なお、略ラグビーボール形状とは、ラグビーボール形状のみならず、ほぼラグビーボール形状を含むものとして説明している。
また、本実施形態においては、胴体部2の横断面が略六角形状のものを説明したが、本発明の転倒時の横方向への転がり防止機能を発揮させるためにはこれに限らず、多角形であればよい。例えば、三角形でも四角形でも五角形でも八角形でも十角形でもよい。
但し、衝撃緩和という点では、五角形以上の方が多角形の角部が接地点となったときの衝撃を緩和することができ、また、十角形以上だと転倒時の横方向への転がり防止機能が薄れるため、五角形から八角形辺りが、衝撃緩和と転がり防止機能の観点からは好ましい。
1 移動ロボット
2 胴体部
3 駆動部
4 球体輪
5 カメラ
6 正面
7 背面
8 最大外径部分
9 中央
10 最初の接地点
11 地面
2 胴体部
3 駆動部
4 球体輪
5 カメラ
6 正面
7 背面
8 最大外径部分
9 中央
10 最初の接地点
11 地面
Claims (4)
- 胴体部と、前記胴体部を移動可能とすべく前記胴体部の下部に設けられた駆動部と、を備える移動ロボットであって、
前記胴体部は、縦断面が略楕円形状であり、前記略楕円形状の最大外径部分が前記胴体部の縦方向の上端と下端の間に位置するように設定されており、
転倒したときの前記胴体部と地面との最初の接地点が前記最大外径部分よりも下方で接地するように構成されていることを特徴とする移動ロボット。 - 請求項1に記載の移動ロボットであって、
前記最大外径部分は、前記胴体部の縦方向の中央以下であって、前記胴体部の前記下端よりも上方に位置していることを特徴とする移動ロボット。 - 請求項2に記載の移動ロボットであって、
前記胴体部の横断面が多角形であることを特徴とする移動ロボット。 - 請求項1に記載の移動ロボットであって、
前記胴体部の横断面が多角形であることを特徴とする移動ロボット。
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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