JPWO2019065443A1 - 固体高分子形燃料電池用の触媒及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、白金、コバルト、マンガンからなる触媒粒子が炭素粉末担体上に担持されてなる固体高分子形燃料電池用触媒に関する。この触媒の触媒粒子は、白金、コバルト、マンガンの構成比がモル比でPt:Co:Mn=1:0.25〜0.28:0.07〜0.10となっており、平均粒子径が3.4〜5.0nmであり、更に、触媒粒子の粒度分布において、粒径3.0nm以下の触媒粒子の全触媒粒子に占める割合が粒子数基準で37%以下となっている。そして、少なくとも触媒粒子の表面に、C−F結合を有するフッ素化合物が担持されている。本発明は、上記3元系合金触媒について、特に、耐久性の改善において効果を有する発明である。

Description

本発明は、固体高分子形燃料電池用の触媒に関する。特に、固体高分子形燃料電池のカソード(空気極)での使用に有用な触媒に関する。
かつて次世代の発電システムと称された燃料電池は、その期待に応えるべく実用化が現実的なものとなっており、現在においてはその普及を図るべき段階になっている。燃料電池には、いくつかの形式があるが、その中でも特に固体高分子形燃料電池は動作温度が低く、かつコンパクトであるという利点がある。そして、これらのメリットから、固体高分子形燃料電池は自動車用電源や家庭用電源として有望視されている。固体高分子形燃料電池は、水素極(アノード)及び空気極(カソード)と、これらの電極に挟持される固体高分子電解質膜とからなる積層構造を有する。そして、水素極へは水素を含む燃料が、空気極へは酸素又は空気がそれぞれ供給され、各電極で生じる酸化、還元反応により電力を取り出すようにしている。また、両電極共に、電気化学的反応を促進させるための触媒と固体電解質との混合体が一般に適用されている。
上記の電極を構成する触媒として、触媒金属として貴金属、特に、白金を担持させた白金触媒が従来から広く用いられている。触媒金属としての白金は、燃料極及び水素極の双方における電極反応を促進させる上で高い活性を有するからである。
本願出願人は、従来から固体高分子形燃料電池用触媒に関する検討を行い、数多くの成果を提供している。例えば、上記した白金触媒を基礎としつつ、白金に加えてコバルト、マンガン等の遷移金属を合金化した3元系合金触媒を報告している(特許文献1)。また、この3元系合金触媒についても改良を行っており、触媒にフッ素化合物を追加的に添加し触媒も開発している(特許文献2)。
特許第5152942号明細書 特許第6053223号明細書
従来から知られているように、固体高分子形燃料電池に要求される特性としては、初期活性と耐久性が挙げられる。初期活性は、触媒の性能の最も基本的な指標であり、その改善が前提となる。また、触媒は、時間経過と共に活性低下(失活)が生じることは回避できないものの、失活までの時間を増大させることは燃料電池の実用化・普及に向けて必須といえる。
上記した本願出願人による固体高分子形燃料電池用触媒も、活性と耐久性の双方における改善を目指したものである。特許文献1記載の3元系合金触媒は、白金使用量を低減しつつ触媒活性及び耐久性を確保することができ、コスト上も有利な触媒である。また、特許文献2記載の触媒は、特許文献1記載の触媒に対し、耐久性を更に向上させることに成功している。
しかし、燃料電池の普及が現実的なものとなっている最近の状況に鑑みれば、触媒の特性改善に対する要求に限りはないといえ、更なる研究が必要であることは明らかである。そこで本発明は、固体高分子形燃料電池用触媒、特に、上記した3元系合金触媒について、耐久性が改善されたものを提供する。
本発明者等は、上記目的を達成すべく、従来の3元系合金触媒(特許文献1、2)について、その製造方法の改良等の観点から耐久性向上の検討を行った。その結果、上記した従来の触媒の製造工程において、触媒金属の担持手法やその後の熱処理条件の調整により、触媒活性及び耐久性の向上を図ることができることを見出した。この触媒の製造方法については、後に詳細に説明するが、この方法により得られた触媒の構成について本発明者等が検討した結果、触媒粒子に対する組成の適性化とフッ素化合物の添加に加えて、触媒粒子の粒径分布の調整により好適な特性を有することが確認された。具体的には、本発明の触媒は、上記した従来の触媒に対して、触媒粒子の平均粒子径が大きい傾向があること、及び、粒径の小さい触媒粒子の割合が少ないことが確認された。本発明者等は、この点に着目し本発明に想到するに至った。
即ち、本発明は、白金、コバルト、マンガンからなる触媒粒子が炭素粉末担体上に担持されてなる固体高分子形燃料電池用触媒において、前記触媒粒子は、白金、コバルト、マンガンの構成比がモル比でPt:Co:Mn=1:0.25〜0.28:0.07〜0.10であり、前記触媒粒子の平均粒子径が3.4〜5.0nmであり、更に、触媒粒子の粒度分布において、粒径3.0nm以下の触媒粒子の全触媒粒子に占める割合が粒子数基準で37%以下であり、少なくとも前記触媒粒子の表面に、C−F結合を有するフッ素化合物が担持されていることを特徴とする固体高分子形燃料電池用触媒である。
以下、本発明に係る固体高分子形燃料電池用触媒について詳細に説明する。本発明は、炭素粉末担体に白金、コバルト、マンガンからなる特定組成の3元系合金からなる触媒粒子が担持されていること、及び、フッ素化合物が担持されていることに加えて、触媒粒子の平均粒子径が所定範囲内にあると共に、粒度分布における粒径3.0nm以下の触媒粒子の数が規制されている。以下の説明では、まず、これらの特徴について説明する。
(I)触媒粒子の組成
本発明において、Pt−Co−Mn3元系触媒を適用するのは、この組成の白金合金が好適な初期活性を発揮する傾向があるからである。白金合金触媒は従来から知られる触媒であり、特に、Pt−Co触媒(2元系合金触媒)はその有用性が広く知られている。本発明者等によれは、Pt−Co触媒に第3の金属元素としてマンガンを添加することで、酸素分子の4電子還元機能がより効率的に発揮され触媒活性が向上すると考察される。この白金、コバルト、マンガンの構成比は、モル比でPt:Co:Mn=1:0.25〜0.28:0.07〜0.10とする。マンガンはある程度の添加が要求されるが、過剰添加は却って活性を低下させる。コバルト、マンガンの構成比が上記範囲を逸脱すると、Pt−Co触媒と同等程度或いはそれ以下の活性となるため構成比の設定が必要となる。尚、コバルト、マンガンの構成比のより好ましい範囲は、Pt:Co:Mn=1:0.26〜0.27:0.08〜0.09である。
(II)触媒粒子の平均粒径と粒径分布
上記のとおり、本発明に係る触媒は、従来の触媒に対して触媒粒子の平均粒子径が大きい傾向があると共に、小粒径の触媒粒子の割合が少ない。具体的には、平均粒粒子径が3.4〜5.0nmであり、粒度分布における粒径3.0nm以下の触媒粒子の全触媒粒子に占める割合が37%以下となっている。平均粒子径が3.4nm未満となる場合、長時間の活性持続特性が明確に得られなくなる。また、平均粒子径が5.0nmを超えると触媒の初期活性が十分に得られなくなるからである。この触媒粒子の平均粒径の範囲は、上記した特許文献1、2の触媒と比較すると粗大な領域にある。
そして、本発明では、粒径3.0nm以下の小粒径の触媒粒子の割合が低減されている。粒径3.0nm以下の触媒粒子が全触媒粒子に対して37%以下とすることで、長時間の活性持続特性が向上する。尚、この粒径3.0nm以下の触媒粒子は、好ましくは35%以下である。
本発明において、触媒粒子の平均粒粒子径は、例えば、TEM等の電子顕微鏡観察による映像に基づき、複数の触媒粒子の粒子径を測定することで平均値を算出して得ることができる。観察像における粒子径の測定は、目視の他に画像解析によって測定できる。また、粒径分布についても、測定した触媒粒子径について統計計算によって解析できる。尚、粒径分布を測定する関係から、100個以上の触媒粒子を任意に選択して粒子径を測定しておくことが好ましい。
(III)フッ素化合物
本発明の触媒においては、従来技術(特許文献2)と同様に、触媒粒子の表面にC−F結合を有するフッ素化合物が担持されている。このフッ素化合物の担持は、触媒の耐久性向上を図ることを意図するものである。
触媒の経時的な活性低下の要因としては、触媒粒子の粗大化等いくつかの要因が考えられるが、本発明者等が重視したのは、触媒粒子を構成する金属(白金、コバルト、マンガン)の溶出による劣化に着目している。この劣化機構は、カソード側の燃料電池反応において生成する水が介在する各金属の電気化学的溶解による消失である。上記したように、カソード側の触媒は、高温、酸性雰囲気、高電位負荷といった雰囲気に晒されており、ここに水が存在すると金属の溶解・溶出が加速される。
本発明で触媒金属に加えて担持されるフッ素化合物は、上記の水に対する撥水層として作用する。C−F結合という高い結合力を有するフッ素化合物は安定性が高く、撥水性等の特異な性質を有することが知られている。本発明では、触媒にこのフッ素化合物からなる撥水層を形成し、生成した水を速やかに触媒粒子表面から排出させ、水が介在する触媒金属の溶解を抑制することで活性低下を防ぐこととしている。
そして、撥水層を構成するフッ素化合物としては、撥水性高分子材料であるフッ素樹脂、フッ素系界面活性剤等がある。例えば、テフロン(登録商標)として知られる、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体(ETFE)、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)や、ナフィオン(登録商標)として知られているパーフルオロスルホン酸系ポリマ、フッ化アクリレートとして知られているパーフルオロアクリル酸エステルが挙げられる。また、フッ素系界面活性剤としてパーフルオロブタンスルホン酸基(PFBS)系の界面活性剤も効果がある。
本発明において、撥水層を形成するフッ素化合物の担持量は、触媒全体の質量を基準として3〜20質量%となるようにしたものが好ましい。3質量%未満では効果がなく、20質量パーセント%を超えると電極反応促進という触媒本来の機能が発揮できなくなるからである。より好ましくは、8〜20質量%であり、更に好ましくは、8〜11質量%である。
尚、撥水層は全ての触媒粒子について全面に対して形成されている必要はなく、部分的なもので良い。また、触媒粒子のみに形成されていても良いが、担体に対してフッ素化合物が担持されていても触媒活性に影響は生じない。
以上のとおり、本発明では、所定組成の白金合金(白金−コバルト−マンガン合金)からなる触媒粒子であって、その表面にフッ素化合物を結合させつつ、触媒粒子の平均粒径と粒径分布を制御することで高耐久の触媒としている。ここで、本発明においては、これらの特徴に加えて、触媒構成として好ましい物性(触媒粒子の表面状態、XPSによるdバンドセンター、XRDによる結晶構造)について説明する。
(IV)触媒粒子の表面状態(触媒金属表面積)
本発明においては、触媒粒子の表面状態に関し、触媒金属(白金、コバルト、マンガン)の表面積も触媒活性に影響を及ぼすことがある。具体的には、CO吸着法により測定される触媒金属比表面積(SCOMSA)が130m/g−metal以下であるものが、良好な耐久性が発揮され好ましい。ここで、CO吸着法は、ガス吸着法による物質の比表面積測定法の一つであり、触媒の表面上に露出した白金を検出するためCOガスを吸着質として測定を行う分析方法である。CO吸着法は比較的簡便な分析方法でありながら、適切に露出した触媒金属(白金、コバルト、マンガン)を対象として、それらの比表面積(m/g)を測定することができる。本発明の触媒の触媒金属比表面積(SCOMSA)は、従来の白金触媒の触媒金属比表面積(SCOMSA(触媒金属=白金))よりも低い傾向があり、白金触媒のSCOMSAを基準とする相対値として0.60〜0.65となっている。尚、この触媒金属比表面積(SCOMSA)は、125m/g−metal以下がより好ましく、120m/g−metal以下が特に好ましい。触媒金属比表面積(SCOMSA)の下限値については、20m/g−metalとするのが好ましい。
(V)触媒粒子の表面状態(ゼロ価白金の割合)
本発明者等の検討によれば、従来の合金触媒においては、触媒粒子の表面において、酸化白金由来の2価又は4価の白金が含まれていることが確認されている。かかる価数を持った白金は、主に触媒の製造過程に由来すると考えられる。そして、本発明者等は、この2価又は4価の白金の存在が触媒の耐久性に影響を及ぼしていると考察した。
即ち、固体高分子形燃料電池用の触媒においては、上記したように、水との接触下における触媒金属の溶解が、活性低下の要因となる。ここで本発明者等は、白金に関しては、酸化白金が優先的に溶解すると考察した。そこで、本発明者等は、触媒粒子表面における0価(ゼロ価)の白金が占める割合が一定以上であり、初期活性及び耐久性共に良好であると考えた。
そして、本発明では、触媒粒子表面における0価白金の割合が90%以上であるものが好ましいと考えた。従来の白金触媒や合金触媒では、触媒粒子表面における白金に対して、2価又は4価の白金が20〜30%程度の割合で存在している。本発明では、かかる酸化白金を原子状白金に転換し、0価白金の割合を90%以上として、触媒粒子の表面状態を調整することで、耐久性に優れた触媒としている。この触媒粒子表面における0価白金の割合は、95%以上とするのがより好ましい。尚、0価白金の割合の上限は100%である。尚、本発明における0価の白金の割合とは、後述のとおり、X線光電子分光分析におけるピーク面積比に基づく。
触媒粒子表面における0価の白金の割合を測定する方法としては、触媒に対してX線光電子分光分析(XPS)を行い、当該触媒から測定されるPt4fスペクトルに基づく測定方法が挙げられる。このとき、得られるスペクトルの波形は、0価白金、2価白金、4価白金のそれぞれの状態由来のスペクトルの混合波形であることがあるので、各状態に対応するピーク位置に基づき、測定スペクトルの波形分離を行い、個々のピーク面積を算出し、それらの比率から0価の白金原子の割合が計算できる。尚、XPS分析の際、Pt4fスペクトルは67eVから87eVの範囲で測定できる。そして、波形分離においては、71.8eV(0価白金)、72.8eV(2価白金)、74.6eV(4価白金)のピーク位置を設定することで、0価白金の割合(ピーク面積比)を得ることができる。
(VI)XPSによるdバンドセンター
燃料電池カソードで進行する反応は、酸素還元反応(O+4H+4e→2HO)である。この反応は、触媒粒子中の白金表面に対する酸素の吸着から始まり、白金表面でのプロトンと電子の授受を経て、生成した酸素種(HO)の白金表面からの脱離によって達成される。従って、触媒の酸素還元活性は、触媒粒子中の白金と酸素との結合力に依存する。
そして、触媒粒子中の白金を介した酸素還元活性の解釈については、dバンドセンター理論による指標が知られている。dバンドセンターとは、白金の価電子帯(5d帯)における電子状態密度の、フェルミ準位に対するエネルギー重心である。これまで薄膜状・バルク状の白金について、dバンドセンター理論に基づく酸素還元活性の解説がなされている。dバンドセンター理論では、dバンドセンターが高いと(フェルミ準位に対して上方にシフトすると)、白金と酸素との結合が強くなり酸素種が脱離しにくくなる。一方、dバンドセンターが低いと(フェルミ準位に対して下方にシフトすると)、白金と酸素との結合性が低下することで酸素の吸着自体が生じ難くなる。このように、dバンドセンターの値は、高すぎても低すぎても酸素還元活性が低下する。
ここで、本発明者等の知見では、これまでのdバンドセンター理論に基づく白金の特性評価は、バルク状或いは薄膜状態の白金に対するものに限定されている。そして、触媒粒子そのもの、即ち、粒子状態の白金合金における酸素還元活性を検討するため、dバンドセンターに基づく検討例は少ない。本発明者等は、X線光電子分光分析(XPS)を用いた、触媒粒子中の白金の電子状態の測定及びdバンドセンターに関する検討を行っている。
この検討過程において、粒子状の白金合金における価電子帯域の電子状態密度は、これまで知られているバルク状の白金に対して差異があることを見出した。具体的には、フェルミ準位(0eV)付近のスペクトル形状や全体的な形状が相違することが確認されている。そこで、本発明者等は、粒子状白金合金の酸素還元活性の評価に対しては、独自の基準を設定することができると考えた。
具体的には、触媒粒子に対するX線光電子分光分析を行い、0ev以上30ev以下の領域における価電子帯スペクトルを測定したときに得られる、Pt5d軌道由来のスペクトルから算出されるdバンドセンターが4.23eV以上4.30V以下であるものが好ましい。dバンドセンターがこの範囲内にある触媒粒子は、触媒活性に優れたものとなる傾向があるからである。
本発明における触媒粒子中の白金のdバンドセンターの特定に際しては、XPSにより価電子帯スペクトルを測定し、Pt5d軌道由来のスペクトルのピークについて、バックグラウンド等の影響を除外しつつ、下記計算式に基づき算出される(Wenchao Sheng et al, Journal of Elctrochemical Society, 159(2)B96-B103(2012)))。尚、本発明のXPS分析において、Pt5d軌道由来のスペクトルは、フェルミ準位(0eV)付近から12eV付近までの領域で観察される。
Figure 2019065443
(VII)XRDによる結晶構造解析
本発明に係る触媒においては、触媒粒子についてX線回折分析(XRD)により特定される構造においても好ましい形態がある。具体的には、触媒粒子を構成する各金属元素(白金、コバルト、マンガン)が所定の存在形態にあることが要求される。即ち、Pt−Co−Mn3元系触媒における触媒粒子を構成する金属相としては、部分的にPt相が残存している可能性はあるものの、基本的に各金属が相互に合金化した合金相が主体となる。この合金相としては、Mn−Pt合金相(MnPt)、Co−Pt合金相(CoPt)、Mn−Co合金相(MnCo)が考えられる。
各合金相の触媒活性に対する影響については、触媒粒子中にMn−Co合金相が存在する場合、初期活性が大きく低下しマンガン添加の効果が消失する。この要因については明確ではないが、Pt−Co−Mn3元系触媒の活性種はMn−Pt合金相、Co−Pt合金相であると推察され、添加したMn及びCoがPtと合金化せずにMn−Co合金相となった場合、前記の活性種が形成され難くなるためと考えられる。
そこで、本発明ではMn−Co合金相の存在量を制限するため、触媒粒子についてのX線回折分析における、Co−Mn合金のピーク強度を規制する。具体的には、2θ=27°近傍に現れるCo−Mn合金のピーク強度比が、2θ=40°近傍に現れるメインピークを基準として0.25以下であるものが好ましい。このピーク比は0であっても良く、むしろその方が好ましい。
Mn−Co合金相の存在量規定のためにX線回折分析の結果を用いるのは、X線回折分析は比較的簡易な分析方法でありながら、触媒粒子の状態を正確に測ることができ、基準ピークを適切に設定することにより定量性も有するからである。上記の通り、本発明では、基準ピークとして、2θ=40°〜41°で現れるメインピーク(Pt、MnPt、CoPtの合成ピーク)を用い、Mn−Co合金相のピークは2θ=27°近傍のピークを適用する。尚、Mn−Co合金相のピークは、33°近傍、43°近傍、52°近傍、76°近傍でも現れるときがある。但し、2θ=27°近傍のピークが、Mn−Co合金相の有無に対して感受性が高いことから、このピークが適用される。
また、触媒粒子を構成する合金相の分布に関しては、上記の通りMn−Co合金相を低減させた分、Mn−Pt合金相(MnPt)及びCo−Pt合金相(CoPt)を形成させたものが好ましい。これらの合金相は、酸素分子の4電子還元作用を有し活性向上に寄与する。X線回折分析では、これらの合金相はいずれも2θ=24°、32°、41°付近に現れるが、2θ=32°近傍で現れるピークにより判定するのが好ましい。この2つの合金相に由来するピークは、Mn−Pt合金相のピークとCo−Pt合金相ピークとの合成であり分離が困難である。そこで、これらの合金相形成の確認としてこの合成ピーク強度に判断することが好ましい。そして、好ましいピーク強度は、2θ=32°近傍で現れるピーク強度が、2θ=40°〜41°で現れるメインピークを基準として0.20以上であるものが好ましい。
(VIII)触媒粒子の担持密度
本発明に係る触媒は、固体高分子形燃料電池の電極としての性能を考慮し、触媒粒子の担持密度を30〜70%とするのが好ましい。ここでの担持密度とは、担体に担持させる触媒粒子質量(担持させた白金、遷移金属Mの合計質量)の触媒全体の質量に対する比をいう。
(IX)本発明に係る固体高分子形燃料電池の触媒の製造方法
次に、本発明に係る固体高分子形燃料電池の触媒の製造方法について説明する。本発明に係る触媒の製造にあたっては、基本的工程は一般的な合金触媒の製造方法に準じ、担体に触媒粒子となる金属を担持し、適宜に乾燥した後に熱処理を行い担持した金属の合金化を行う。但し、上記した先行技術(特許文献1、2)で述べられているように、白金、コバルト、マンガンの合金を触媒粒子とする3元系合金触媒については、触媒金属の担持工程において、まず、白金のみが担持された触媒を用意し、これにコバルト及びマンガンを担持することが要求される。
また、本発明に係る触媒は、従来の触媒に対して平均粒子径が大きい傾向があり、これに加えて粒径の小さい触媒粒子の割合が少ないことが特徴となっている。この特徴を発現させるためには、白金、コバルト、マンガンを担体に担持した後の合金化の熱処理温度について、従来法よりも高温側に設定することが必要となる。
即ち、本発明に係る固体高分子形燃料電池用触媒の製造方法は、炭素粉末担体上に白金粒子が担持されてなる白金触媒に、コバルト及びマンガンを担持する工程と、前記担持工程によりコバルト及びマンガンが担持された白金触媒を1000〜1100℃で熱処理する工程と、前記熱処理工程後の触媒と、フッ素化合物を含む溶液とを接触させて前記触媒にフッ素化合物からなる撥水層を形成する工程と、含むものである。
以下、この触媒製造方法について説明する。上記のとおり、本発明では白金触媒を用意して、これにコバルトとマンガンを担持する。白金触媒は、通常、担体に白金化合物溶液を接触させた後、還元処理して白金粒子を形成することで製造することができる。ここで、本発明に係る触媒の構成を発現するにあたって好ましい手法として、担体に白金化合物溶液を接触させる際、白金化合物溶液と炭素粉末とを粉砕しつつ混合することが好ましい。担体を粉砕しながら白金化合物溶液と接触させることで、白金イオンの分散状態を好適なものとし、触媒粒子の表面状態を調整し、合金化のための熱処理の下地となる。
白金化合物溶液と担体との混合溶液を還元処理することで、白金を析出させて白金触媒を得ることができる。還元処理には、還元剤を適用することが好ましく、還元剤としてはアルコール(メタノール、エタノール等)が好ましい。エタノールに少量のメタノールを混合した、いわゆる変性アルコールも使用できる。還元剤の添加量は、混合溶液中の白金1molに対して4mol以上280mol以下とし、混合液に対して1体積%以上60体積%以下の濃度にしたものを添加するのが好ましい。還元剤添加後の還流(還元)の条件は、混合液の温度を60℃以上沸点以下として、還元時間を3時間以上6時間以下とするのが好ましい。還元処理によって白金粒子が担体上に担持される。白金触媒は、還元処理後の溶液から回収され、適宜に乾燥処理すれば良い。
以上のように製造された白金触媒へコバルト及びマンガンを担持するときは、一般的な方法が適用できる。白金触媒にコバルト及びマンガンの金属塩溶液を接触させ、還元処理して白金粒子の近傍に金属状態のコバルト及びマンガンを析出させる。コバルトの金属塩溶液としては塩化コバルト6水和物、硝酸コバルト、酢酸コバルト4水和物等が使用でき、マンガンの金属塩溶液としては塩化マンガン4水和物、硝酸マンガン6水和物、酢酸マンガン4水和物等が使用できる。このときの白金触媒と金属塩溶液の接触の順序は、特に限定されることはなく、いずれかの金属塩溶液を先に接触させても良いし、コバルト、マンガンの金属塩溶液の混合液と白金触媒とを接触させても良い。
尚、コバルト及びマンガンの担持量は、白金触媒の担持量を考慮しつつ、上記のコバルト及びマンガンの構成比の範囲内で設定した比率となるように、金属塩溶液の濃度及び量を設定すれば良い。但し、後述の酸化性溶液による処理を行う場合には、コバルト及びマンガンの担持量を、設定した構成比に対して、コバルトでは1.5〜5倍程度、マンガンでは1.5〜3倍程度上乗せすると良い。
白金触媒へのコバルト及びマンガンの担持後は、必要に応じて乾燥した後、熱処理して各金属を合金化する。本発明においては、合金化のための熱処理温度は1000〜1100℃とする。上記した従来技術(特許文献1、2)では、合金化のための熱処理温度として700℃以上で設定されている。白金、コバルト、マンガンの合金化や、活性種となるMn−Pt合金相及びCo−Pt合金相の形成のための熱処理温度としては700℃以上であれば良く、一般には900℃程度で熱処理することが多かった。
これに対して、本発明においては、従来の触媒に対して平均粒子径が大きい(3.4〜5.0nm)傾向があり、更に、小粒径(3nm以下)の触媒粒子の全触媒粒子に対する割合を低減させる必要がある。この構成を発現するためには、1000℃以上の高温熱処理が必須となる。但し、過剰に高温となる熱処理温度は、触媒粒子の過度の粗大化や設備的な観点から好ましくない。そこで、本発明における熱処理温度は、1000℃以上1100℃以下と、高温側の狭い温度範囲に制限されている。尚、この熱処理は非酸化性雰囲気で行うのが好ましく、特に還元雰囲気(水素ガス雰囲気等)で行うのが好ましい。
熱処理により合金化された触媒粒子を形成した後、当該触媒粒子表面に撥水層を形成する。この撥水処理は、上記で製造した3元系触媒をフッ素化合物溶液に浸漬し、フッ素化合物溶液の溶媒を揮発又は蒸発して除去することでフッ素化合物を触媒に担持させるものである。ここで、フッ素化合物溶液は、上記のフッ素化合物を溶解することのできる溶媒にフッ素化合物を溶解させたものであり、溶媒はフッ素系溶剤でも、非フッ素系溶剤いずれでも良い。このとき、フッ素化合物溶液のフッ素含有量が、触媒に担持させるフッ素量と等しくなるように、溶媒及びフッ素化合物量を調整する。
フッ素化合物担持のための浸漬処理について、その浸漬時間は1〜48時間として、攪拌しつつ行うのが好ましい。フッ素化合物溶液の温度は、30〜150℃とするが、溶媒の種類により選定する。そして、浸漬後は、触媒が分散するフッ素化合物溶液を乾燥機等で加温し、溶媒が全て消失するまで保持する。
以上の処理により、本発明に係る触媒を製造することができる。尚、上記製造工程において、合金化の熱処理後、フッ素化合物担持前の触媒について、少なくとも1回酸化性溶液に接触させることが好ましい。本発明に係る触媒の触媒粒子では、コバルト及びマンガンの比率が重要であるが、その調整をそれらの担持工程のみで行うのは困難な場合がある。そこで、コバルト、マンガンの担持工程では予定の比率より多目に担持し、酸化性溶液で処理することでコバルト、マンガンを溶出させ担持量を調整することができる。
この処理工程で使用する酸化性溶液としては、硫酸、硝酸、亜リン酸、過マンガン酸カリウム、過酸化水素、塩酸、塩素酸、次亜塩素酸、クロム酸等の溶液が好ましい。これらの酸化性溶液の濃度は、0.1〜1mol/Lとするのが好ましく、溶液に触媒を浸漬するのが好ましい。酸化性溶液処理の条件としては、接触時間は、1〜10時間が好ましく、処理温度は、40〜90℃が好ましい。尚、酸化性溶液処理は、触媒を酸化性溶液に1回接触させる場合のみならず、複数回繰り返し行っても良い。また、複数回の酸処理を行う場合には、処理ごとに溶液の種類を変更しても良い。
以上説明したように本発明によれば、従来の3元系合金からなる触媒粒子と撥水層を備える触媒に対して、優れた初期活性を有すると共に耐久性が改善されている。
本実施形態、比較例1、2の各触媒のX線回折パターンを示す図。
以下、本発明の好適な実施形態を説明する。
第1実施形態:本実施形態では、白金触媒を製造し、この白金触媒にコバルト及びマンガンを担持・合金化した後、フッ素化合物で処理して3元系触媒を製造した。
[白金触媒の製造]
製造容器にジニトロジアンミン白金硝酸溶液603.83mL(白金含有量:30.30g)と純水3793mLを投入した。そして、担体となる炭素微粉末(比表面積800m/g、商品名:KB)70.00gを粉砕しながら添加した。その後、還元剤として変性アルコール(95%エタノール+5%エタノール)を540mL(10.8体積%)加えて混合した。この混合溶液を約95℃で6時間還流反応させて白金を還元した。その後、濾過、乾燥(60℃ 15時間)し洗浄した。以上の工程により、白金触媒を得た(白金担持率30wt%)。
[コバルト、マンガンの担持]
上記で製造した白金触媒にコバルト、マンガンを担持した。白金触媒を、塩化コバルト(CoCl・6HO)と塩化マンガン(MnCl・4HO)をイオン交換水100mLに溶解させた金属塩溶液に浸漬し、マグネティックスターラーにて攪拌した。そして、この溶液に濃度1質量%の水素化ホウ素ナトリウム(SBH)溶液500mLを滴下し攪拌して還元処理し、白金触媒にコバルト、マンガンを担持した。その後、ろ過・洗浄・乾燥した。
[合金化熱処理]
触媒金属を担持した触媒について合金化のための熱処理を行った。本実施形態では、100%水素ガス中で熱処理温度を1000℃として30分の熱処理を行った。
[酸化性溶液による処理]
合金化熱処理後の触媒について酸化性溶液処理を行った。この処理は、熱処理後の触媒を、0.2mol/Lの硫酸水溶液中80℃にて2時間処理した後、濾過・洗浄・乾燥した。その後1.0mol/Lの硝酸水溶液(溶存酸素量0.01cm/cm(STP換算))中70℃にて2時間処理した後、濾過・洗浄・乾燥した。
[撥水層の形成]
そして、製造したPt−Co−Mn3元系触媒について、フッ素化合物溶液にて処理して撥水層を形成した。フッ素化合物溶液として市販のフッ素樹脂材料(商品名:EGC−1700、住友スリーエム(株)製、フッ素樹脂含有量1〜3%))20mLを、希釈溶媒であるハイドロフルオロエーテル(商品名:Novec7100:住友スリーエム(株)製)30mLに溶解させたものを使用した。この処理では、触媒5gを上記フッ素化合物溶液に浸漬し、室温で3時間攪拌し、更に60℃で5時間攪拌した。その後、乾燥機にて60℃で保持し、溶剤が完全になくなるまで蒸発させた。この処理により、フッ素化合物が触媒に担持され撥水層を有する触媒が製造された。
比較例1:特許文献1記載のPt−Co−Mn3元触媒と同じものを製造した。本実施形態において、市販の白金触媒を用意し、第1実施形態と同様にコバルト及びマンガンを担持した。そして、熱処理温度を900℃として30分の熱処理を行いPt−Co−Mn3元触媒を製造した。
比較例2:特許文献2記載の撥水層を有するPt−Co−Mn3元触媒と同じものを製造した。比較例1で製造した触媒を用意し、第1実施形態と同様にフッ素化合物溶液にて触媒を処理して撥水層を形成した。
以上の本実施形態、比較例1、2に係る触媒について、各種の物性評価を行った。まず、製造された触媒について組成分析を行い、触媒粒子の白金、コバルト、マンガンの構成比を測定した。組成分析は、ICP(高周波誘導結合プラズマ発光分析)により行った。このICPによる分析は、触媒を20mg秤量し、焼成および還元した後、王水を約5ml加えて溶解して溶液化し、これを20倍程度に希釈した溶液を分析した。
次に、各触媒について、触媒粒子の平均粒子径と粒度分布を測定した。ここでは、TEM観察にて300個以上の触媒粒子の粒子径を測定して粒度分布を算出した。具体的には、各試料をTEM装置(TEM−STEM装置:日本電子製 JEM−2100F、観察条件:加速電圧200kV、倍率:×2500000)に導入し、分散性の良い視野を選択し、複数視野を一定倍率にてSTEMモードにて撮影を行った。得られたSTEM像を基に、粒子解析ソフトウエアを用いて粒径分布測定を行った。このとき、粒子径は画素数円相当径として求めた。そして、測定した全ての触媒粒子の粒子径を合計し、測定個数から平均粒子径(D50)を算出した。また、粒径3nm以下の触媒粒子の数から、その割合も算出した。
また、各触媒について、CO吸着法による金属比表面積(SCOMSA)を測定した。ここで規定する金属比表面積とは規定のCOパルス吸着法に基づいて測定されたCO吸着量から算出した表面積を資料中の金属1g当たりに換算した値をいう。
金属比表面積(SCOMSA)の測定は、金属分散度測定装置(BEL−METAL−3 日本ベル製)を用いた。ガラスセルに試料40.0mgを0.1mgまで精秤し、投入した。測定装置にセルを取り付けて自動測定を開始した。前処理として、Heガス(50mL/分)を流した状態で室温から100℃まで20分かけて昇温し15分間保持した。その後、ガスをH(50mL/分)に切り替え、100℃で30分間保持し、He(50mL/分)に切り替えて100℃から30℃まで冷却し、その後40℃まで昇温し、40℃で保持した。この前処理終了後、COパルス吸着法でCOガスの吸着量を測定した。得られたCOガスの吸着量より、次式にてSCOMSAを求めた。
Figure 2019065443
また、第1実施形態、比較例1、2に係る触媒についてXPS分析を行い、表面の白金の状態(0価白金の割合)とdバンドセンターの値を評価した。XPS分析は、分析装置としてULVAC−PHI製Quantera SXMを用い、分析条件としてX線源を単色化Al―Kα線、電圧を15kV、出力を25.1W、ビーム径を200μmφとした。この分析において、発生した光電子のエネルギーを検出し広域光電子スペクトル(ワイドスペクトル)を取得した。
そして、XPSにより得られたPt4fスペクトルに対して、0価の金属白金の割合を算出するため、アルバック・ファイ株式会社ソフトウエア(MultiPak V8.2C)を用いてデータ解析を行った。この解析では、「Pt」に3種の化学状態(0価Pt(0)、2価Pt(II)。4価Pt(IV))を想定した。そして、各状態のメインピーク位置を、0価Pt(0):71.7eV、2価Pt(II):72.7eV、4価Pt(IV):74.4eVとし、ソフトウエアにて測定されたPt4fスペクトルのピーク分離を行った。ピーク分離をし、各状態のピークの面積比から、それぞれの比率を算出した。
また、dバンドセンターの値についての解析は、XPS分析により価電子帯スペクトルを測定し、Pt5d軌道由来のスペクトルのピークについて、バックグラウンドおよびC、F由来の成分等を差し引くことでd−バンドを抽出して上記上述の数1の計算式より求めたエネルギー値を用いた。
更に、各触媒について、X線回折分析により触媒粒子の構成を検討した。X線回折装置は、JEOL製JDX-8030を用いた。試料は微粉末状にしてガラス製セルに入れ、X線源としてCu(kα線)、管電圧40kV、管電流30mA、2θ=20〜90°までスキャン速度7°/min、ステップ角度0.1°で行った。XPSは、X線源としてAl kα線を適用し、電圧15kV、電流1.66mA、ビーム径100μm、測定範囲250μmとして分析した。
図1は、本実施形態、比較例1、2の各触媒のX線回折パターンを示す。図1から、全ての触媒で見られる2θ=40°付近に現れるメインピークは、金属Pt、MnPt、CoPtの合成ピークである。そして、2θ=27°付近で見られるピークがCo−Mn合金に由来するものと考えられる。更に、2θ=32°付近(32〜34°)のピークは、MnPtとCoPtとの合成ピークである。図1に基づき、各触媒について、Co−Mn合金のピークとメインピークとの比とMnPtとCoPtとの合成ピークとメインピークとの比を測定した。
以上実施した本実施形態、比較例1、2についての触媒粒子の組成、構成(平均粒子径及び粒度分布)、SCOMSAの測定結果を表1に示す。また、XPS分析から得られた触媒粒子表面上の白金における0価の金属白金の割合とdバンドセンター値、及び、XRDから得たピーク比を表2に示す。これらの表では、白金触媒の分析・測定結果を併せて表示している。
Figure 2019065443
Figure 2019065443
[初期活性試験]
各実施例・比較例及び参考例のPt−Co触媒について、初期活性試験を行った。この性能試験は、Mass Activityを測定することにより行った。実験には単セルを用い、プロトン伝導性高分子電解質膜を電極面積5cm×5cm=25cm2のカソード及びアノード電極で挟み合わせた膜/電極接合体(Membrane Electrode Assembly、MEA)を作製し評価した(設定利用効率:40%)。前処理として、水素流量=1000mL/min、酸素流量=1000mL/min、セル温度=80℃、アノード加湿温度=90℃、カソード加湿温度=30℃の条件にて電流/電圧曲線を引いた。その後、本測定として、Mass Activityを測定した。試験方法は0.9Vでの電流値(A)を測定し、電極上に塗布したPt重量からPt1gあたりの電流値(A/g-Pt)を求めてMass Activityを算出した。
[耐久試験]
更に、各触媒に対して耐久性を評価するための耐久試験(劣化試験)を行った。耐久試験は、上記の初期活性試験後の膜/電極接合体(MEA)に対して電位サイクル試験を行った。電位サイクル試験では、650−1050mVの間を掃引速度40mV/sで20時間(3600サイクル)掃引して前処理し、その後、650−1050mVの間を掃引速度100mV/s(本処理)で24時間(1回目:合計44時間、14400サイクル)、24時間(2回目:合計68時間、25200サイクル)掃引して触媒を劣化させた。そして、2回目のサイクルによって劣化した触媒についてMass Activityを測定した。
以上の初期活性試験及び耐久試験の結果を表3に示す。
Figure 2019065443
表3から、本実施形態に係る触媒は、初期活性初期活性に関しては、比較例1、2よりやや劣るものの、耐久試験後(劣化後)において15%程度の落ち込みに留まっている。また、白金触媒に対する相対値に基づいて評価すると、本実施形態に係る触媒は、初期活性初期活性も極めて高いといえる。比較例1は、初期活性は良好であっても、耐久後の活性は白金触媒より劣る。また、比較例2は、耐久性に多少の改善は見られるものの、第1実施形態の結果を見れば改善の余地があるといわざるを得ない。
本実施形態に係る触媒は、比較例1、2に対して、平均粒粒子径が大きく、更に、3.0nm以下の小径粒子の割合が低くなっておいる。そして、本実施形態の触媒は、白金触媒の初期活性と対比すると、比較例1、2にも見劣りすることはない。即ち、本実施形態の触媒は、耐久性の観点を加味すると、実用性に富む触媒であることが分かる。
第2実施形態:ここでは、第1実施形態の触媒製造工程について、フッ素化合物溶液による撥水層形成の処理条件を変更しつつ触媒を製造した。第1実施形態と同様の条件にて3元系触媒を製造し、フッ素化合物溶液中のフッ素樹脂量を調整して複数の触媒を製造した。具体的には、希釈溶剤(商品名:Novec7100:住友スリーエム(株)製)30mLに、フッ素樹脂材料(商品名:EGC−1700、住友スリーエム(株)製)を2mL(実施例1)、10mL(実施例2)、20mL(実施例3:第1実施形態)、40mL(実施例4)溶解させたフッ素化合物溶液を使用して、触媒5gを処理した。その後、各触媒の触媒性能を第1実施形態と同様にして検討した。その結果を表4に示す。
Figure 2019065443
各実施例の触媒は、触媒粒子の組成及びフッ素化合物の量を適正範囲としつつ、触媒粒子の平均粒子径と小径粒子の割合も好適な範囲としている。その結果、白金触媒よりも初期活性及び耐久性に優れることが分かる。尚、耐久性の観点から特に優れる触媒は実施例3であった。
本発明によれば、固体高分子形燃料電池の電極触媒として、良好な初期活性を維持して、耐久性の改善を達成することができる。本発明は、燃料電池の普及に資するものであり、ひいては環境問題解決の基礎となるものである。

Claims (13)

  1. 白金、コバルト、マンガンからなる触媒粒子が炭素粉末担体上に担持されてなる固体高分子形燃料電池用触媒において、
    前記触媒粒子は、白金、コバルト、マンガンの構成比がモル比でPt:Co:Mn=1:0.25〜0.28:0.07〜0.10であり、
    前記触媒粒子の平均粒子径が3.4〜5.0nmであり、更に、触媒粒子の粒度分布において、粒径3.0nm以下の触媒粒子の全触媒粒子に占める割合が粒子数基準で37%以下であり、
    少なくとも前記触媒粒子の表面に、C−F結合を有するフッ素化合物が担持されていることを特徴とする固体高分子形燃料電池用触媒。
  2. 触媒全体の質量を基準として、3〜20質量%のフッ素化合物が担持されている請求項1記載の固体高分子形燃料電池用触媒。
  3. フッ素化合物は、フッ素樹脂、フッ素系界面活性剤である請求項1又は請求項2記載の固体高分子形燃料電池用触媒。
  4. CO吸着法により測定される、触媒金属1gに対する触媒金属比表面積(SCOMSA)が、130m/g−metal以下である請求項1〜請求項3のいずれかに記載の固体高分子形燃料電池用触媒。
  5. 触媒粒子表面に存在するPtに対する、0価のPtが占める割合が90%以上100%以下である請求項1〜請求項4のいずれかに記載の固体高分子形燃料電池用触媒。
  6. 触媒粒子に対するX線光電子分光分析を行い、0ev以上30ev以下の領域における価電子帯スペクトルを測定したときに得られる、Pt5d軌道由来のスペクトルから算出されるdバンドセンター値が4.23eV以上4.30V以下である請求項1〜請求項5のいずれかに記載の固体高分子形燃料電池用触媒。
  7. 触媒粒子についてのX線回折分析において、2θ=27°近傍に現れるCo−Mn合金のピーク強度比が、2θ=40°近傍に現れるメインピークを基準として0.25以下である請求項1〜請求項6のいずれかに記載の固体高分子形燃料電池用触媒。
  8. 触媒粒子についてのX線回折分析において、2θ=32°近傍に現れるCoPt合金のピーク及びMnPt合金のピーク比が、2θ=40°近傍に現れるメインピークを基準として0.20以上である請求項1〜請求項7のいずれかに記載の固体高分子形燃料電池用触媒。
  9. 触媒粒子の担持密度は、30〜70%である請求項1〜請求項8のいずれかに記載の固体高分子形燃料電池用の触媒。
  10. 請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載の固体高分子形燃料電池用触媒の製造方法であって、
    炭素粉末担体上に白金粒子が担持されてなる白金触媒に、コバルト及びマンガンを担持する工程と、
    前記担持工程によりコバルト及びマンガンが担持された白金触媒を1000〜1100℃で熱処理する工程と、
    前記熱処理工程後の触媒と、フッ素化合物を含む溶液とを接触させて前記触媒にフッ素化合物からなる撥水層を形成する工程と、
    含む固体高分子形燃料電池用触媒の製造方法。
  11. 白金触媒の製造工程を含み、
    前記白金触媒の製造工程は、炭素粉末担体と白金化合物溶液とを混合して混合溶液を製造する工程と、前記混合溶液に還元剤を添加して、白金からなる触媒粒子を前記炭素粉末担体に担持する工程とを含み、
    前記混合溶液を製造する工程は、前記炭素粉末担体を粉砕しながら白金化合物溶液を混合するものである請求項10記載の固体高分子形燃料電池用触媒の製造方法。
  12. 熱処理後の触媒を少なくとも1回酸化性溶液に接触させ、触媒粒子表面のコバル及びマンガンを溶出させる工程を含む請求項10又は請求項11記載の固体高分子形燃料電池用触媒の製造方法。
  13. 酸化性溶液は、硫酸、硝酸、亜リン酸、過マンガン酸カリウム、過酸化水素、塩酸、塩素酸、次亜塩素酸、クロム酸である請求項12記載の固体高分子形燃料電池用触媒の製造方法。
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