JPWO2019059016A1 - 電子デバイスおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

本発明の電子デバイスは、電子デバイス層(20)と、前記電子デバイス層(20)の上に設けられたバリア層と、を有し、前記バリア層は、ガスバリア層(40)と、前記ガスバリア層(40)の上または下に設けられた撥液層(30)とを有する。

Description

本発明は、電子デバイスおよびその製造方法に関する。
近年、種々の電子デバイスの中でも、用途の多様性に優れた薄膜電子デバイスが注目を集めている。薄膜電子デバイスとして、有機薄膜太陽電池や無機化合物半導体太陽電池、あるいは有機EL(Electro−Luminescence)ディスプレイや照明などが既に商品化されている。薄膜電子デバイスは薄く、フレキシブルな基材を使用した薄膜電子デバイスの柔軟性は高いため、このような薄膜電子デバイスは、様々な個所(平坦でない個所など)に違和感なく貼り付けたり着用し使用できる。適切に設計すれば水洗い(洗濯)にも対応出来る。フレキシブルな基材を使うため、変形により破損して危険な破片が発生しにくい点もメリットである。
電子デバイスでは、長期間安定して機能を実現できる耐久性が望まれているが、電子デバイスを構成する電極と半導体などからなる電子デバイス層は、水蒸気や酸素など、特に駆動状態で水蒸気が浸透することによって劣化する。例えば、有機薄膜太陽電池や有機ELパネルなどにおいて、光電変換を行う光電変換層は、水蒸気などによって劣化しやすい。また、無機化合物半導体などからなる電子デバイス層も、水蒸気などによって劣化しやすい。
そこで、電子デバイス層を水蒸気などから保護するためのガスバリア層を設ける構成が提案されている(特許文献1)。ガラス製のガスバリア層を設けることにより、電子デバイス層を水蒸気などから効果的に保護できる。100μm厚以下好ましくは50μm以下の薄いガラスガスバリア層を設けた場合は、フレキシブルでありながらガスバリア性を確保することが可能である。他の厚いガスバリア層を設けることによっても、電子デバイス層を水蒸気などから効果的に保護できる。有機物からなる層と無機物からなる薄膜層を交互に例えば2種5層以上多層積層したガスバリア層を設けることによっても、フレキシブルでありながら電子デバイス層を水蒸気などから効果的に保護できる。
特開2009−38019号公報
しかしながら、ガラス製の薄いガスバリア層を形成するのは非常に難しい。100μm厚以下のガラス膜は、製造も難易度が高く、デバイス製造プロセスで破損させないようハンドリングさせることが難しく、適切なコスト以下で対象物上に積層することが非常に難しいとの課題があった。また、有機物からなる層と無機物からなる層を交互に数多く積層した薄いガスバリア層を形成するのも非常に難しい。積層数の多い方がガスバリア性能は高くなるが、厚くなり、厚いガスバリア層を薄膜電子デバイスに使用すると、フレキシブル性、柔軟性などの機能が損なわれる。もちろん積層数が嵩むと適切なコスト以下で対象物上に積層することも難しくなる。そのため、薄膜電子デバイスの機能を維持するためには、ガスバリア層数が少なく薄い必要がある。しかしながら、ガスバリア層が薄くなると水蒸気がガスバリア層を通りやすいため、薄いガスバリア層を設けたとしても、電子デバイス層を水蒸気などから十分に保護できず、電子デバイスの耐久性を十分に向上できない。
このように、ガスバリア層を設ける従来の構成では、電子デバイスの機能が損なわれたり、電子デバイスの耐久性が十分に向上しなかったりすることがある。さらに製造コストが嵩んだり、実用的な製造プロセス組むことが難しくなる課題があった。
そこで本発明は、機能を損なわずに製品としての実用性、耐久性、さらに製造し易さがより向上した電子デバイスを提供することを目的とする。
本発明の電子デバイスは、電子デバイス層と、電子デバイス層の上に設けられたバリア層と、を有し、バリア層は、ガスバリア層と、ガスバリア層の上または下に設けられた撥液層とを有することを特徴とする。
本発明の電子デバイスでは、ガスバリア性が比較的高い(水蒸気などの透過率が比較的低い)ガスバリア層の他に、好ましくはガスバリア層に接触して、撥液性(撥水性)が比較的高い撥液層がさらに設けられる。これにより、機能を損なわずに製品としての実用性、耐久性(水蒸気に対する耐久性など)、さらに製造し易さがより向上した電子デバイスを提供できる。例えば、薄いガスバリア層の他に、好ましくは薄いガスバリア層に接触して、薄い撥液層を設けることにより、高い柔軟性などの機能を損なわずに製品としての実用性、耐久性、さらに製造し易さがより向上した薄膜電子デバイスを提供できる。さらに、撥液層を設けることにより、水蒸気などに対する耐久性だけでなく、水に対する耐久性も向上されるため、電子デバイスの水洗いなどが可能となる。
電子デバイス層は半導体デバイス層(半導体などからなる層)であることが好ましい。そして、電子デバイス層は、光電変換層(光電変換を行う層)と、上下方向において光電変換層を挟む第1電極および第2電極とを有することがより好ましい。半導体デバイス層は水蒸気などによって劣化しやすく、光電変換層は水蒸気などによって特に劣化しやすい。そのため、これらの層が使用される場合には、電子デバイスの耐久性を大幅に向上できる。
電子デバイスは、電子デバイス層の下に設けられた基板と、基板の下または電子デバイス層と基板の間に設けられた他の撥液層と、をさらに有することが好ましい。そして、基板はガスバリア性を有することが好ましい。これにより、電子デバイスの上部に設けられたバリア層と同等の層が電子デバイスの下部にも設けられるため、耐久性のさらなる向上が期待できる。
基板はポリイミド層(ポリイミドからなる層)であることが好ましい。基板側から光を出し入れする構造の場合は、該当する波長帯域で透明度が高いことが望ましい。該当する波長帯域における全光線透過率は好ましくは70%以上、より好ましくは80%以上である。基板(基材)の適切な厚さは用途によって異なるが、フレキシブル、ウエアラブルあるいはウオッシャブルな用途においては、好ましくは30μm以下、より好ましくは10μm以下、最も好ましくは5μm以下である。ガスバリア層はパラキシレン系ポリマー層(パラキシレン系ポリマーからなる層)またはポリイミド層であることが好ましい。ポリイミド層は、耐熱性や柔軟性などに比較的優れているため、薄膜電子デバイスに好適に使用できる。さらに、ポリイミド層は、ガスバリア性にも比較的優れているため、ガスバリア層として好適に使用できる。パラキシレン系ポリマー層も、耐熱性、ガスバリア性、柔軟性、等に比較的優れているため、薄膜電子デバイスのガスバリア層として好適に使用できる。さらに、パラキシレン系ポリマー層は、凹凸追随性にも比較的優れているため、凹凸がある表面に均一に形成しやすい。ガスバリア層の適切な厚さは用途によって異なるが、フレキシブル、ウエアラブルあるいはウオッシャブルな用途においては、好ましくは10μm以下、より好ましくは5μm以下、最も好ましくは1μm以下である。撥液層は、フッ素樹脂層(フッ素樹脂からなる層)であることが好ましく、非晶質性のフッ素樹脂層であることが特に好ましい。フッ素樹脂層も、耐熱性や柔軟性などに比較的優れているため、薄膜電子デバイスに好適に使用できる。さらに、フッ素樹脂層は、撥液性にも比較的優れているため、撥液層として好適に使用できる。
ガスバリア層の水蒸気透過率は3g・mm/m2・dayよりも低いことが好ましく、0.6g・mm/m2・dayよりも低いことがより好ましく、0.1g・mm/m2・dayよりも低いことが最も好ましい。撥液層の水接触角は100°よりも大きいことが好ましく、110°よりも大きいことがより好ましい。撥液層の表面自由エネルギーは20mN/mよりも小さいことが好ましく、10mN/mよりも小さいことがより好ましい。これらの条件の組み合わせの少なくともいずれかを満たすことにより、耐久性をより向上できる。
本発明の電子デバイスの製造方法は、非大気(水蒸気を含まない乾燥雰囲気)下で電子デバイス層の表面に撥液層を塗布する塗布ステップと、撥液層の表面にガスバリア層を形成する形成ステップと、を有することを特徴とする。
本発明の製造方法では、非大気下で電子デバイス層の表面に撥液層が塗布された後、撥液層の表面にガスバリア層が形成される。これにより、機能を損なわずに製品としての実用性、耐久性、さらに製造し易さがより向上した電子デバイスを提供(製造)できる。従来の電子デバイスの製造方法では、ガスバリア層を形成する際に、電子デバイス層が一時的に大気にさらされる。発明者らは、電子デバイス層が大気にさらされることにより水分子が電子デバイス層の表面に吸着し、電子デバイス層とガスバリア層の界面に水分子が残り、残った水分子によって電子デバイス層の劣化速度が増すと考えている。そして、発明者らは、非大気下で電子デバイス層の表面に撥液層を塗布することにより、前述した水分子の吸着を抑制でき、電子デバイス層の劣化速度を低減できると考えている。
塗布ステップでは、スピンコート法により撥液層が塗布されることが好ましい。発明者らは、スピンコート法の溶媒が上記吸着した水分子を洗い流すことで、電子デバイス層の劣化速度をより低減できると考えている。あるいは水分子を洗浄直後にダイコーティングなどにより撥液層を連続塗布するプロセスを組むことが好ましい
本発明によれば、機能を損なわずに製品としての実用性、耐久性、さらに製造し易さがより向上した電子デバイスを提供できる。
図1は、本実施形態に係る有機薄膜太陽電池の製造方法の一例を示すフローチャートである。 図2は、本実施形態に係る有機薄膜太陽電池の構成の一例を示す模式図である。 図3(A)は、本実施形態に係る有機薄膜太陽電池の短絡電流密度Jsc、開放電圧Voc、及び、曲線因子FFの変化の一例を示すグラフである。図3(B)は、比較対象の有機薄膜太陽電池の短絡電流密度Jsc、開放電圧Voc、及び、曲線因子FFの変化の一例を示すグラフである。図3(C)は、本実施形態に係る有機薄膜太陽電池と比較対象の有機薄膜太陽電池とのエネルギー変換効率PCEの変化の一例を示すグラフである。 図4は、本実施形態に係る有機薄膜太陽電池と比較対象の有機薄膜太陽電池とのエネルギー変換効率PCEの変化の一例を示すグラフである。 図5は、本実施形態に係る有機薄膜太陽電池と比較対象の有機薄膜太陽電池とのエネルギー変換効率PCEの変化の一例を示すグラフである。 図6は、本実施形態に係る有機薄膜太陽電池の短絡電流密度Jsc、開放電圧Voc、及び、曲線因子FFの変化の一例を示すグラフである。 図7は、本実施形態に係る有機薄膜太陽電池と比較対象の有機薄膜太陽電池とのエネルギー変換効率PCEの変化の一例を示すグラフである。 図8は、本実施形態に係る水蒸気透過率と酸素透過率の一例を示すテーブルである。 図9(A)〜9(C)は、本実施形態に係る有機薄膜太陽電池の構成の一例を示す模式図である。 図10は、本実施形態に係る水接触角と表面自由エネルギーの一例を示すテーブルである。
以下、本発明の実施形態について説明する。発明者らは、様々な有機薄膜太陽電池を製造(作製)し、高い柔軟性などの機能が損なわれずに製品としての実用性、耐久性、さらに製造し易さがより向上された有機薄膜太陽電池の製造に成功した。
<製造方法>
本実施形態に係る有機薄膜太陽電池の製造方法について、図1,2を用いて説明する。
まず、発明者らは、電子デバイス層20をグローブボックス内に用意した(ステップS101)。具体的には、発明者らは、基板10上に電子デバイス層20が設けられた生成物をグローブボックス内に用意した。
発明者らは、ポリイミドからなるポリイミド層を基板10として使用した。ポリイミド層は、耐熱性や柔軟性などに比較的優れているため、有機薄膜太陽電池などの薄膜電子デバイスに好適に使用できる。さらに、ポリイミド層は、ガスバリア性にも比較的優れているため、ガスバリア層として好適に使用できる。例えば、三井化学株式会社製のVICT−BnpやVICT−Cなどの透明ポリイミドは、光透過性(光の透過率)に比較的優れているため、高い光透過性が要求される太陽電池などに好適に使用できる。、発明者らは、厚さ1μmのポリイミド層(透明ポリイミド層)を基板10として使用したが、本発明の要件を満たす限り、材料はこれらに絞られるものでは無い。
また、発明者らは、電子デバイス層20として、活性層(光電変換を行う光電変換層)23と、上下方向において活性層23を挟む上部電極(第1電極)25および下部電極(第2電極)21とを有する層を使用した。具体的には、発明者らは、下部電極21、電子輸送層22、活性層23、ホール輸送層24、及び、上部電極25がその順番で積層された電子デバイス層20を使用した。発明者らは、酸化亜鉛(ZnO)からなる厚さ30nmの層を電子輸送層22として使用し、PEDOT:PSSからなる厚さ10nmの層をホール輸送層24として使用し、酸化インジウムスズ(ITO)からなる厚さ90nmの層(透明電極)を下部電極21として使用し、銀(Ag)からなる厚さ100nmの層を上部電極25として使用した。そして、発明者らは、理化学研究所製のPNTz4T、PTzNTz、PTB7−Th、等のポリマー系有機物からなる厚さ130nmの層を活性層23として使用した。
次に、発明者らは、グローブボックス内の非大気下で、電子デバイス層20(上部電極25)の表面に、撥液性(撥水性)に比較的優れた撥液層30を塗布した(ステップS102)。完全フッ素化樹脂、部分フッ素化樹脂、フッ素化樹脂共重合体、等のフッ素樹脂からなるフッ素樹脂層は、耐熱性や柔軟性などに比較的優れているため、薄膜電子デバイスに好適に使用できる。さらに、フッ素樹脂層は、撥液性にも比較的優れているため、撥液層として好適に使用できる。そして、非晶質性のフッ素樹脂は、光透過性に比較的優れているため、高い光透過性が要求される太陽電池などに好適に使用できる。そのため、発明者らは、三井・デュポンフロロケミカル株式会社製のテフロン AF1600(非晶質性のフッ素樹脂)からなる厚さ360nmの層を、撥液層30として形成した。具体的には、発明者らは、以下の条件でのスピンコート法により、AF1600からなる撥液層30を形成した。なお、非晶質性のフッ素樹脂は、通常ガラス転移点Tgよりも低い温度で使用できる。非晶質性のフッ素樹脂を加熱した場合において、非晶質性のフッ素樹脂の流動性は、ガラス転移点Tg以上で急激に増加する。そのため、耐熱性の向上の観点から、ガラス転移点Tgが高いことが好ましい。AF1600のガラス転移点Tgは160℃であるため、AF1600からなる撥液層30は160℃以下の温度での使用に耐えうる。
・窒素環境下
・回転数:1000rpm
・溶媒:スリーエムジャパン株式会社製のフロリナート FC−43(フッ素系不活性液体)
・溶質:AF1600
・濃度:3wt%
そして、発明者らは、ステップS102で得られた生成物を、グローブボックス内で加熱した(ステップS103)。具体的には、発明者らは、ホットプレートを用いて、100℃の温度で30分間、上記生成物を加熱した。これにより、撥液層30は乾燥し電子デバイス層20に固定される。なお、加熱しなくても撥液層30は自然乾燥によって固定されるため、ステップS103の工程は省略されてもよい。
最後に、発明者らは、ステップS103で得られた生成物をグローブボックスから取り出し、当該生成物における撥液層の表面に、ガスバリア性に比較的優れたガスバリア層40を形成した(ステップS104)。KISCO株式会社製のパリレンなどのパラキシレン系ポリマー(芳香族炭化水素系樹脂)からなるパラキシレン系ポリマー層は、耐熱性、ガスバリア性、柔軟性、等に比較的優れているため、薄膜電子デバイスのガスバリア層として好適に使用できる。さらに、パラキシレン系ポリマー層は、凹凸追随性にも比較的優れているため、凹凸がある表面に均一に形成しやすい。そのため、発明者らは、KISCO株式会社製のパリレンからなる厚さ1μmの層を、ガスバリア層40として形成した。KISCO株式会社製のパリレンには、dix−C、dix−D、dix−N、dix−HR、dix−SR、dix−NR、dix−SF、dix−CF、等がある。発明者らは、dix−SRからなるガスバリア層40を、化学気相成長法(CVD:Chemical Vapor Deposition)により形成した。化学気相成長法では、ステップS103で得られた生成物を加熱せずに、dix−SRを加熱して気化した。dix−SRの気化温度は135℃であり分解温度は690℃であるため、135〜690℃でdix−SRを気化した。
以上の工程により、図2に示す有機薄膜太陽電池100が製造された。有機薄膜太陽電池100では、基板10、電子デバイス層20、撥液層30、及び、ガスバリア層40がその順番で積層されている。
<長期保管安定性の評価>
発明者らは、有機薄膜太陽電池100の1つ目の耐久性の評価として、長期間安定して機能(発電)を実現できる耐久性(長期保管安定性)の評価を行った。具体的には、発明者らは、有機薄膜太陽電池P1,C1を同時に製造し、室温(約23℃)、室湿度(約30%)、大気中、及び、遮光という条件下で、有機薄膜太陽電池P1,C1のエネルギー変換効率PCEの時間変化を測定した。有機薄膜太陽電池P1は、本実施形態に係る上記製造方法で製造された有機薄膜太陽電池であり、有機薄膜太陽電池100と同様の構成を有する。有機薄膜太陽電池C1は、ステップS102を除く製造方法で製造された、比較対象の有機薄膜太陽電池である。有機薄膜太陽電池C1では、基板10、電子デバイス層20、及び、ガスバリア層40がその順番で積層されており、撥液層30は設けられていない。
図3(A)〜3(C)は測定結果を示す。図3(A)は、有機薄膜太陽電池P1の測定結果を示し、図3(B)は、有機薄膜太陽電池C1の測定結果を示す。図3(A),3(B)の縦軸は、有機薄膜太陽電池の短絡電流密度Jsc、開放電圧Voc、及び、曲線因子FFを示し、図3(A),3(B)の横軸は、時間を示す。図3(A),3(B)の縦軸の値は、初期値が1となるように正規化されている。図3(A),3(B)から、有機薄膜太陽電池C1の曲線因子FFが時間の経過によって大きく低下するのに対し、有機薄膜太陽電池P1の曲線因子FFが非常に安定していることがわかる。
エネルギー変換効率PCEは、短絡電流密度Jsc、開放電圧Voc、及び、曲線因子FFの乗算によって算出される。図3(C)は、有機薄膜太陽電池P1,C1のエネルギー変換効率PCEの時間変化を示す。図3(C)の縦軸は、図3(A),3(B)に示す短絡電流密度Jsc、開放電圧Voc、及び、曲線因子FFから得られたエネルギー変換効率PCEを示し、図3(C)の横軸は、時間を示す。図3(C)の縦軸の値は、初期値が1となるように正規化されている。図3(C)から、有機薄膜太陽電池C1のエネルギー変換効率PCEが時間の経過によって1から約0.6と大きく低下するのに対し、有機薄膜太陽電池P1のエネルギー変換効率PCEは、時間の経過によって1から約0.8しか低下しておらず、非常に安定していることがわかる。すなわち、有機薄膜太陽電池P1が有機薄膜太陽電池C1に比べ非常に優れた長期保管安定性を有することがわかる。なお、有機薄膜太陽電池P1のエネルギー変換効率PCEの1から約0.8への時間変化(低下)は初期劣化の範疇であるため、有機薄膜太陽電池P1で初期劣化以外の劣化が生じていないとも言える。
また、発明者らは、有機薄膜太陽電池P2,C2を同時に製造し、室温(約23℃)、室湿度(約30%)、大気中、及び、遮光という条件下で、有機薄膜太陽電池P2,C2のエネルギー変換効率PCEの時間変化を測定した。有機薄膜太陽電池P2は、本実施形態に係る上記製造方法で製造された有機薄膜太陽電池であり、有機薄膜太陽電池100と同様の構成を有する。有機薄膜太陽電池C2は、ステップS102,S104を除く製造方法で製造された、比較対象の有機薄膜太陽電池である。有機薄膜太陽電池C2では、基板10上に電子デバイス層20が積層されており、撥液層30とガスバリア層40は設けられていない。
図4は測定結果を示す。具体的には、図4は、有機薄膜太陽電池P2,C2のエネルギー変換効率PCEの時間変化を示す。図4の縦軸は、エネルギー変換効率PCEを示し、図4の横軸は、時間を示す。図4の縦軸の値は、初期値が1となるように正規化されている。図4から、有機薄膜太陽電池C2のエネルギー変換効率PCEが時間の経過によって1から約0.5と大きく低下するのに対し、有機薄膜太陽電池P2のエネルギー変換効率PCEは、時間の経過によって1から約0.8しか低下しておらず、非常に安定していることがわかる。すなわち、有機薄膜太陽電池P2が有機薄膜太陽電池C2に比べ非常に優れた長期保管安定性を有することがわかる。そして、図3(C),4から、本実施形態に係る上記製造方法によって非常に優れた長期保管安定性を有する有機薄膜太陽電池を高確率に製造できることがわかる。
<温度安定性の評価>
発明者らは、有機薄膜太陽電池100の2つ目の耐久性の評価として、外部温度(加熱)に対して安定して機能(発電)を実現できる耐久性(温度安定性)の評価を行った。具体的には、発明者らは、加熱温度(90℃)、室湿度(約30%)、大気中、及び、遮光という条件下で有機薄膜太陽電池P2,C2を加熱しながら、有機薄膜太陽電池P2,C2のエネルギー変換効率PCEを測定した。
図5は測定結果を示す。図5の縦軸は、エネルギー変換効率PCEを示し、図5の横軸は、加熱時間を示す。図5の縦軸の値は、初期値が1となるように正規化されている。図5から、有機薄膜太陽電池C2のエネルギー変換効率PCEが加熱時間の増加によって1から約0.8と大きく低下するのに対し、有機薄膜太陽電池P2のエネルギー変換効率PCEは、加熱時間が増加しても略1に保たれており、非常に安定していることがわかる。すなわち、有機薄膜太陽電池P2が有機薄膜太陽電池C2に比べ非常に優れた温度安定性を有することがわかる。
そして、発明者らは、有機薄膜太陽電池P2のエネルギー変換効率PCEがどの程度維持されるのかを確認するために、加熱時間をさらに増やしてエネルギー変換効率PCE(短絡電流密度Jsc、開放電圧Voc、及び、曲線因子FF)を測定した。図6は測定結果を示す。図6の縦軸は、有機薄膜太陽電池P2の短絡電流密度Jsc、開放電圧Voc、及び、曲線因子FFを示し、図6の横軸は、加熱時間を示す。図6の縦軸の値は、初期値が1となるように正規化されている。なお、図面(グラフ)の見易さのため、図6では、図5の一部のプロットに対応するプロットは省略されており、横軸として対数軸が使用されている。図6から、約50時間という非常に長い時間で有機薄膜太陽電池P2を加熱しても、有機薄膜太陽電池P2の短絡電流密度Jsc、開放電圧Voc、及び、曲線因子FFが略1に保たれることがわかる。すなわち、有機薄膜太陽電池P2が非常に優れた温度安定性(非常に長い時間の加熱に対してエネルギー変換効率PCEを略1に保つことができる)を有することがわかる。
また、発明者らは、加熱時間(5分)、室湿度(約30%)、大気中、及び、遮光という条件下で有機薄膜太陽電池P1,C1を加熱しながら、有機薄膜太陽電池P1,C1のエネルギー変換効率PCEを測定した。図7は測定結果を示す。図7の縦軸は、エネルギー変換効率PCEを示し、図7の横軸は、加熱温度を示す。図7の縦軸の値は、初期値が1となるように正規化されている。図7から、有機薄膜太陽電池P1において、加熱温度の増加によるエネルギー変換効率PCEの低下が、有機薄膜太陽電池C1のそれよりも小さいことがわかる。すなわち、有機薄膜太陽電池P1が有機薄膜太陽電池C1に比べ優れた温度安定性を有することがわかる。
<まとめと考察>
以上述べたように、本実施形態によれば、ガスバリア層40の他に非常に薄い撥液層30をさらに設けるという簡易な方法で、高い柔軟性などの機能を損なわずに製品としての実用性や耐久性がより向上した有機薄膜太陽電池100を提供できる。簡易な方法であるため、このような有機薄膜太陽電池100は製造し易い。
電子デバイス層20(特に活性層23)は、水蒸気や酸素ガスなどのガスによって劣化しやすく、特に水蒸気(水)によって劣化しやすい。しかしながら、撥液層30に使用されたAF1600のような非晶質性のフッ素樹脂は、環状ユニット(環状構造)を含んだ構造を有しており、そのガス透過率は非常に高い。例えば、図8に示すように、AF1600の水蒸気透過率は、75907g・mm/m2・dayと非常に高い。そのため、撥液層30を設けることで耐久性が向上する上記効果は、予測の範囲を超える極めて優れた効果である。
なお、ガスバリア層40の水蒸気透過率は低いため、厚さ360nmの撥液層30を設ける代わりにガスバリア層40の厚さを1μmから1.36μmに増やしても、ガスバリア層40の水蒸気透過率はほとんど変わらない。そのため、厚さ1μmのガスバリア層40のみを有する有機薄膜太陽電池C1の耐久性と同等の耐久性しか得られない。
撥液層30を設けることで耐久性が向上する理由については調査中であるが、発明者らは、各部材(各材料)の特性などから、以下の理由1〜4の少なくともいずれかにより耐久性が向上すると考えている。
・理由1:撥液層30の高い撥液性により、撥液層30と他の部材(ガスバリア層40および電子デバイス層20)との界面に(クラスタレベルの)液溜が作られにくい。
・理由2:撥液層30と他の部材との界面で水蒸気の濃度勾配が生じにくい。
・理由3:非大気下で撥液層30を塗布することにより、その後の大気下で電子デバイス層20の表面に水分子が吸着し難くなる。
・理由4:撥液層30を塗布する際に使用した溶媒によって、電子デバイス層20の表面に吸着した水分子が洗い流される。
<変形例>
上記考察によれば、各種部材の厚さ、材料、形状、形成方法、等が有機薄膜太陽電池100のそれらと異なる電子デバイスにおいても、撥液層を設けることにより、機能を損なわずに製品としての実用性、耐久性、さらに製造し易さがより向上した電子デバイスを提供できる。なお、AF1600などからなる撥液層30の水蒸気透過率は高いため、撥液層30を設けるだけでは不十分であり、水蒸気透過率の低いガスバリア層40は必要である。
例えば、本発明は、有機薄膜太陽電池以外の薄膜電子デバイスにも適用可能であるし、薄膜電子デバイス以外の電子デバイスにも適用可能である。例えば、或る程度の厚みをもった太陽電池、電力の供給に応じて発光する有機EL(Electro−Luminescence)パネル、光の照射に応じて電気信号を出力することで当該光を検出するフォトディテクタ、トランジスタ、等に本発明を適用することができる。なお、薄膜電子デバイスの柔軟性などの機能を維持するために、薄膜電子デバイスの厚さは数μm(例えば5μm)以下であることが好ましい。
電子デバイス層20の光電変換層(活性層23)は、電力の供給に応じて発光する層であってもよい。電子デバイス層20は、光電変換層などを有していなくてもよい。電子デバイス層20は、電子的機能を有する層であればよい。例えば、電子デバイス層20は、無機物からなる層であってもよいし、半導体(無機化合物半導体や有機化合物半導体)などからなる半導体デバイス層であってもよい。半導体デバイス層は水蒸気などによって劣化しやすく、光電変換層は水蒸気などによって特に劣化しやすい。そのため、これらの層が使用される場合には、電子デバイスの耐久性を大幅に向上できる。
図9(A)に示すように、撥液層30は、ガスバリア層40の下に設けられてもよい。図9(B)に示すように、基板10の下に他の撥液層50がさらに設けられてもよい。図9(C)に示すように、基板10と電子デバイス層20の間に撥液層50がさらに設けられてもよい。図9(B),9(C)の構成によれば、電子デバイスの上部に設けられたバリア層(撥液層30とガスバリア層40を有する層)と同等の層が電子デバイスの下部にも設けられるため、耐久性のさらなる向上が期待できる。
基板10は設けられなくてもよい。基板10がガスバリア性を有する例を説明したが、基板10はガスバリア層を有していなくてもよい。但し、基板10がガスバリア性を有することにより、耐久性をより向上できる。
ガスバリア層40は、ポリイミド層(VICT−BnpやVICT−Cなど)や他のパラキシレン系ポリマー層(dix−C、dix−D、dix−N、dix−HR、dix−NR、dix−SF、dix−CF、等)であってもよい。ガスバリア層40は、ガスバリア性に比較的優れた層であればよい。
図8に示すように、VICT−Bnpの水蒸気透過率は2.5≒3g・mm/m2・dayであり、VICT−Cの水蒸気透過率は0.375≒0.4g・mm/m2・dayであり、dix−Cの水蒸気透過率は0.09≒0.1g・mm/m2・dayであり、dix−Dの水蒸気透過率は0.05g・mm/m2・dayであり、dix−Nの水蒸気透過率は0.63≒0.7g・mm/m2・dayであり、dix−HRの水蒸気透過率は0.07g・mm/m2・dayであり、dix−SRの水蒸気透過率は0.09≒0.1g・mm/m2・dayであり、dix−NRの水蒸気透過率は0.62g・mm/m2・dayであり、dix−SFの水蒸気透過率は0.23g・mm/m2・dayであり、dix−CFの水蒸気透過率は0.28≒0.3g・mm/m2・dayである。そのため、ガスバリア層40の水蒸気透過率は、3g・mm/m2・dayよりも低いことが好ましく、低いほどよい。この条件を満たすことにより、非常に高い耐久性を実現できる。
また、図8に示すように、VICT−Bnpの酸素透過率は25≒30cc・mm/m 2・day・atmであり、VICT−Cの酸素透過率は0.25cc・mm/m2・day・atmであり、dix−Cの酸素透過率は2.1cc・mm/m2・day・atmであり、dix−Dの酸素透過率は1.0cc・mm/m2・day・atmであり、dix−Nの酸素透過率は81.1≒100cc・mm/m2・day・atmであり、dix−HRの酸素透過率は1.9cc・mm/m2・day・atmであり、dix−SRの酸素透過率は2.0cc・mm/m2・day・atmであり、dix−NRの酸素透過率は15cc・mm/m2・day・atmであり、dix−SFの酸素透過率は38.1cc・mm/m2・day・atmであり、dix−CFの酸素透過率は38.9≒40cc・mm/m2・day・atmである。そのため、ガスバリア層40の酸素透過率は、100cc・mm/m2・day・atmよりも低いことが好ましく、低いほどよい。この条件を満たすことにより、非常に高い耐久性を実現できる。
撥液層30は、非晶質系のフッ素樹脂層に限られない。撥液層30は、結晶性のフッ素樹脂層(結晶性のフッ素樹脂からなる層)であってもよい。撥液層30の材料は、美浜株式会社製のサイトップ、スリーエムジャパン株式会社製のノベック(ノベック1700やノベック2702)等のフッ素樹脂であってもよい。撥液層30は、フッ素樹脂層でなくてもよく、必要な撥液性を担保出来れば、シリコン樹脂であっても良い。撥液層30は、撥液性に比較的優れた層であればよい。
図10に示すように、AF1600の水接触角は120°であり、サイトップの水接触角は110°であり、ノベック1700の水接触角は105≒100°であり、ノベック2702の水接触角は105≒100°であり、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)の水接触角は114°である。そのため、撥液層30の水接触角は、100°よりも大きいことが好ましく、大きいほどよい。この条件を満たすことにより、非常に高い耐久性を実現できる。
また、図10に示すように、AF1600の表面自由エネルギーは10mN/mであり、サイトップの表面自由エネルギーは19≒20mN/mであり、ノベック1700の表面自由エネルギーは10〜11mN/mであり、ノベック2702の表面自由エネルギーは10〜11mN/mであり、PTFEの表面自由エネルギーは18mN/mである。そのため、撥液層30の表面自由エネルギーは、20mN/mよりも小さいことが好ましく、小さいほどよい。この条件を満たすことにより、非常に高い耐久性を実現できる。
撥液層30の形成方法はスピンコート法に限られない。例えば、非大気下で行われる他の塗布方法により、撥液層30が塗布されてもよい。撥液層30は大気下で塗布されてもよい。
バリア層は、撥液層30とガスバリア層40からなる2重膜(2重層)でなくてもよい。バリア層は、3つ以上の層を有していてもよい(3重膜、4重膜、等)。バリア層を構成する層の数を増やすことにより、耐久性のさらなる向上が期待できる。
10:基板 20:電子デバイス層 21:下部電極 22:電子輸送層
23:活性層 24:ホール輸送層 25:上部電極 30:撥液層
40:ガスバリア層 50:撥液層 100:有機薄膜太陽電池

Claims (14)

  1. 電子デバイス層と、
    前記電子デバイス層の上に設けられたバリア層と、
    を有し、
    前記バリア層は、ガスバリア層と、前記ガスバリア層の上または下に設けられた撥液層とを有する
    ことを特徴とする電子デバイス。
  2. 前記電子デバイス層は半導体デバイス層である
    ことを特徴とする請求項1に記載の電子デバイス。
  3. 前記電子デバイス層は、光電変換層と、上下方向において前記光電変換層を挟む第1電極および第2電極とを有する
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の電子デバイス。
  4. 前記電子デバイス層の下に設けられた基板と、
    前記基板の下、または、前記電子デバイス層と前記基板の間に設けられた他の撥液層と、をさらに有する
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の電子デバイス。
  5. 前記基板はガスバリア性を有する
    ことを特徴とする請求項4に記載の電子デバイス。
  6. 前記基板はポリイミド層である
    ことを特徴とする請求項4または5に記載の電子デバイス。
  7. 前記ガスバリア層はパラキシレン系ポリマー層またはポリイミド層である
    ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の電子デバイス。
  8. 前記撥液層はフッ素樹脂層である
    ことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の電子デバイス。
  9. 前記撥液層は非晶質性のフッ素樹脂層である
    ことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の電子デバイス。
  10. 前記ガスバリア層の水蒸気透過率は3g・mm/m2・dayよりも低い
    ことを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の電子デバイス。
  11. 前記撥液層の水接触角は100°よりも大きい
    ことを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の電子デバイス。
  12. 前記撥液層の表面自由エネルギーは20mN/mよりも小さい
    ことを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の電子デバイス。
  13. 非大気下で電子デバイス層の表面に撥液層を塗布する塗布ステップと、
    前記撥液層の表面にガスバリア層を形成する形成ステップと、
    を有することを特徴とする電子デバイスの製造方法。
  14. 前記塗布ステップでは、スピンコート法により前記撥液層が塗布される
    ことを特徴とする請求項13に記載の電子デバイスの製造方法。
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