JP2004039448A - ディスプレイ装置、電子機器およびディスプレイ装置の製造方法 - Google Patents

ディスプレイ装置、電子機器およびディスプレイ装置の製造方法 Download PDF

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栗木 科
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Abstract

【課題】バリア層を有機EL素子に形成する場合にドライプロセスだけではなく湿式法を用いても形成することができ、水分が有機EL層に侵入することを防いで、有機EL層の劣化を防いで、ディスプレイ装置の高寿命化を図ることができるディスプレイ装置、電子機器およびディスプレイ装置の製造方法を提供すること。
【解決手段】有機電界発光素子80を発光素子としたディスプレイ装置20であり、有機電界発光素子80に水分が侵入するのを防ぐために有機電界発光素子80の上に形成されて撥水性物質を含む第1撥水層201と、第1撥水層201の上に形成されたバリア層230と、バリア層230に空気中の水分が侵入するのを防ぐためにバリア層230の上に形成されて撥水性物質を含む第2撥水層202を有する。
【選択図】    図8

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、有機電界発光素子を有するディスプレイ装置、そのディスプレイ装置を有する電子機器、およびディスプレイ装置の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、有機電界発光素子(有機エレクトロルミネッセンス素子、以下有機EL素子という)を発光素子としたディスプレイ装置が注目されている。
従来のこの種のディスプレイ装置では、透明のガラス基板の上に陽極となる透明電極をストライプ状に形成している。このストライプ状の透明電極の上には、直行する方向に有機層が形成されている。この有機層は正孔輸送層と発光層からなる。有機層の上には陰極層が形成されている。このようにすることで透明電極と陰極層とが交差する位置に、それぞれ有機EL素子を形成してこれらの有機EL素子が縦横に配列されることにより発光エリアを形成している。
【0003】
陽極である透明電極に対して正の電圧が印加され、陰極層に対して負の電圧が印加されると、透明電極から注入された正孔が正孔輸送層を経て発光層に到達する。一方陰極層から注入された電子が発光層に到達する。これにより発光層内では電子−正孔の再結合が生じることから、所定の波長を持った光が発生して、透明のガラス基板からその光が外に出射するようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
この種のディスプレイ装置では、有機EL素子の有機EL層へ成分や酸素などの侵入を防いで、有機EL層の劣化を防ぐことが、ディスプレイ装置の高寿命化に不可欠である。従来のディスプレイ装置では、有機EL層に対して単層のバリア層を積層している。
しかし、この場合、有機EL層の上にバリア層を形成する際に、有機EL層に水分が侵入してしまうことを防ぐために、バリア層の形成には湿式法が使えず、バリア層の成膜方法が、真空蒸着法やスパッタリング法のドライプロセスに限られてしまう。
さらに、バリア層の有機層にUV(紫外線)硬化樹脂を用いた場合に、その成膜方法はスピンコーティング、ディップコーティング等の湿式法によるため、樹脂に含有している水分が有機EL層に侵入し、有機EL層の劣化のスピードを加速してしまう。
そこで本発明は上記課題を解消し、バリア層を有機EL素子に形成する場合にドライプロセスだけではなく湿式法を用いても形成することができ、水分が有機EL層に侵入することを防いで、有機EL層の劣化を防いで、ディスプレイ装置の高寿命化を図ることができるディスプレイ装置、電子機器およびディスプレイ装置の製造方法を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、有機電界発光素子を発光素子としたディスプレイ装置において、前記有機電界発光素子に水分が侵入するのを防ぐために前記有機電界発光素子の上に形成されて撥水性物質を含む第1撥水層と、前記第1撥水層の上に形成されたバリア層と、前記バリア層に空気中の水分が侵入するのを防ぐために前記バリア層の上に形成されて撥水性物質を含む第2撥水層と、を有することを特徴とするディスプレイ装置である。
【0006】
請求項1では、第1撥水層は、有機電界発光素子にバリア層側からの水分が侵入するのを防ぐために有機電界発光素子の上に形成されて撥水性物質を含んでいる。
バリア層は、第1撥水層の上に形成されている。
第2撥水層は、バリア層に空気中の水分が侵入するのを防ぐために、このバリア層の上に形成されている。
これにより、予め第1撥水層が有機電界発光素子の上に形成されているので、バリア層はこの第1撥水層の上に形成するので、バリア層はドライプロセスだけではなく湿式法を用いても形成することができる。このことから、バリア層の形成の際には、形成方法を従来のようなドライプロセスのみということではなくドライプロセスおよび湿式法のいずれの方式においても採用でき、バリア層の形成方法の選択幅が広がる。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1に記載のディスプレイ装置において、前記第1撥水層と前記第2撥水層は、ドライプロセスにより形成されており、前記バリア層は、ドライプロセス又は湿式法により形成されている。
【0008】
請求項3の発明は、有機電界発光素子を発光素子としたディスプレイ装置を有する電子機器において、前記ディスプレイ装置は、前記有機電界発光素子に水分が侵入するのを防ぐために前記有機電界発光素子の上に形成されて撥水性物質を含む第1撥水層と、前記第1撥水層の上に形成されたバリア層と、前記バリア層に空気中の水分が侵入するのを防ぐために前記バリア層の上に形成されて撥水性物質を含む第2撥水層と、を有することを特徴とする電子機器である。
【0009】
請求項3では、第1撥水層は、有機電界発光素子にバリア層側からの水分が侵入するのを防ぐために有機電界発光素子の上に形成されて撥水性物質を含んでいる。
バリア層は、第1撥水層の上に形成されている。
第2撥水層は、バリア層に空気中の水分が侵入するのを防ぐために、このバリア層の上に形成されている。
これにより、予め第1撥水層が有機電界発光素子の上に形成されているので、バリア層はこの第1撥水層の上に形成するので、バリア層はドライプロセスだけではなく湿式法を用いても形成することができる。このことから、バリア層の形成の際には、形成方法を従来のようなドライプロセスのみということではなくドライプロセスおよび湿式法のいずれの方式においても採用でき、バリア層の形成方法の選択幅が広がる。
【0010】
請求項4の発明は、請求項3に記載の電子機器において、前記第1撥水層と前記第2撥水層は、ドライプロセスにより形成されており、前記バリア層は、ドライプロセス又は湿式法により形成されている。
【0011】
請求項5の発明は、有機電界発光素子を発光素子としたディスプレイ装置の製造方法において、前記有機電界発光素子に水分が侵入するのを防ぐために前記有機電界発光素子の上に撥水性物質を含む第1撥水層を形成する第1撥水層形成ステップと、前記第1撥水層の上にバリア層を形成するバリア層形成ステップと、前記バリア層に空気中の水分が侵入するのを防ぐために前記バリア層の上に撥水性物質を含む第2撥水層を形成する第2撥水層形成ステップと、を有することを特徴とするディスプレイ装置の製造方法である。
【0012】
請求項5では、第1撥水層形成ステップにおいては、有機電界発光素子に水分が侵入するのを防ぐために有機電界発光素子の上に撥水性物質を含む第1撥水層を形成する。
バリア層形成ステップでは、第1撥水層の上にバリア層を形成する。
第2撥水層形成ステップでは、バリア層に空気中の水分が侵入するのを防ぐためにバリア層の上に撥水性物質を含む第2撥水層を形成する。
これにより、予め第1撥水層が有機電界発光素子の上に形成されているので、バリア層はこの第1撥水層の上に形成するので、バリア層はドライプロセスだけではなく湿式法を用いても形成することができる。このことから、バリア層の形成の際には、形成方法を従来のようなドライプロセスのみということではなくドライプロセスおよび湿式法のいずれの方式においても採用でき、バリア層の形成方法の選択幅が広がる。
【0013】
請求項6の発明は、請求項5に記載のディスプレイ装置の製造方法において、前記第1撥水層と前記第2撥水層は、ドライプロセスにより形成されており、前記バリア層は、ドライプロセス又は湿式法により形成されている。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。
なお、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの形態に限られるものではない。
【0015】
図1は、本発明のディスプレイ装置を有する電子機器の一例を示している。この電子機器10は、たとえばテレビジョン受像機である。電子機器10の筐体12は、ディスプレイ装置20を有している。このディスプレイ装置20は、有機電界発光素子(以下有機EL素子という)を有する有機ELディスプレイ装置であり、たとえば大型の表示面を有していて、一例としては75インチサイズ以上のサイズのディスプレイ装置である。
このディスプレイ装置20は、図2に示す有機ELユニット22を有している。
【0016】
図3は、図2の有機ELユニット22の一部分を拡大して示す分解斜視図である。有機ELユニット22は、複数のIC(集積回路)基板30と、1枚の有機ELパネル40を有している。有機ELパネル40は、図3の図示例では表面40Aと裏面40Bを有している。
各IC基板30は、1つまたは複数個のドライバIC34を有している。これらのドライバIC34は、フレキシブル配線板50を用いて、それぞれ有機ELパネル40の裏面40B側の電気接続部分に対して電気的にかつ機械的に接続することができるようになっている。各IC基板30は、別のフレキシブル基板51により相互に電気的に接続することができる。
【0017】
各IC基板30のドライバIC34は、たとえば大型の有機ELパネル40を、破線で示すように区分面41に分けてそれぞれ駆動できるようにしている。
このように大型の面積を有する有機ELパネル40を複数の区分面41に分けてそれぞれIC基板30のドライバIC34で駆動するのは、次の理由からである。
すなわち、大型の面積を有する有機ELパネル40を複数の区分面41に区分して駆動することにより、各IC基板30から対応する位置にある区分面41までの駆動配線の長さが短くなり、表示画面を大型化した場合でも配線抵抗による電圧降下をなくして、有機ELパネル40の表示駆動を安定して行うことができるからである。
そして、大型面積を有する有機ELパネル40の面積に合わせて、大型のIC基板30を設けた場合に比べて、区分面41に分割してIC基板30をそれぞれ配置することにより、仮にいずれかのIC基板30のドライバIC34の動作が不良になった場合でも、その該当する区分面41のIC基板30のみを取り外して交換すればよいので、メンテナンス時のコストダウンを図ることができるというメリットもある。
【0018】
図4と図5は、有機ELパネル40の構造例を示している。図5に拡大して示す有機ELパネル40は、表示部領域60と、電気的な接続領域70を有している。表示部領域60は、寸法Dと、各寸法D1,D2,D3,D4で形成される部分である。電気的な接続領域70は、寸法D5と寸法D6で形成される領域と、寸法D7と寸法D8で形成される領域を有している。
有機ELパネル40の端部には、位置決め用のアライメントマーク64が形成されており、このアライメントマーク64は、たとえば正方形の形状を有している。
電気的な接続領域70は、たとえば丸形状の複数の接続ポイントPを有している。
【0019】
ここで、図6と図7を参照して、有機ELパネル40の有機EL素子80の有機EL層の構造例を説明する。
有機ELパネル40は、透明基板121の上に、陽極層となる透明電極122をストライプ状に形成し、さらに、正孔輸送層と発光層とからなる有機EL層123を透明電極122と直交するように形成し、有機EL層123上に陰極層124を形成することで、透明電極122と陰極層124とが交差する位置にそれぞれ有機EL素子80を形成している。
透明基板121は、図5に示すように、これら有機EL素子80を縦横に配置した発光エリアである表示部領域60と、発光エリアを駆動回路に接続させるために上述した電気的な接続領域70を形成している。
【0020】
このような有機ELパネル40においては、透明電極122間に絶縁層が設けられており、これによって透明電極122間の短絡と、さらには透明電極122と陰極層124との間の短絡が防止されている。
【0021】
透明電極122と陰極層124とが交差する位置に構成される有機EL素子としては、例えば図7(B)に示すシングルヘテロ型の有機EL素子80がある。この有機EL素子80は、ガラス基板等の透明基板121上にITO(Indium Tin Oxide)等の透明電極122からなる陽極層が設けられ、その上に正孔輸送層123a及び発光層123bからなる有機EL層123と陰極層124が設けられている。
【0022】
有機EL素子80では、透明陽極122に正の電圧を印加し、陰極層124に負の電圧を印加すると、透明陽極122から注入された正孔が正孔輸送層123aを経て発光層123bに到達し、また陰極層124から注入された電子が発光層123bにそれぞれ到達し、発光層123b内で電子−正孔の再結合が生じる。このとき、所定の波長を持った光が発生し、この光が図7(B)の矢印で示すように透明基板121側から外に出射する。
【0023】
図8は、上述した有機EL素子80を含む有機ELパネル40の断面積層構造をさらに詳しく示している。
図8においては、有機EL素子80は、透明基板121、絶縁層154、陽極層122、有機EL層123および陰極層124を有している。
基板としての一例である透明基板121は、材質としては、ガラス基板やプラスチック基板を採用できる。
ガラス基板としては、たとえばソーダ硝子、無アルカリ硝子、石英硝子などである。
プラスチック基板としては、たとえばPC(ポリカーボネート)、フッ素PI(ポリイミド)、PMMA(アクリル樹脂)、PET(ポリエチレンテレフタレート)などを用いる。
観察者は、この透明基板121を通じて、有機EL層123において形成される画像をD方向に向いて見ることができる。
【0024】
図8の透明基板121の一方の面には絶縁層154が形成されている。この絶縁層154の穴155の中には、既に述べた陽極層122、有機EL層123および陰極層124が順次積層されている。
このような構造の有機EL素子80に対しては、次に説明する第1撥水層201、バリア層230、そして第2撥水層202が順次形成されている。有機ELパネル40は、この有機EL素子80と、第1撥水層201、バリア層230および第2撥水層202の積層構造体である。
【0025】
図8に示す有機EL素子80の透明基板121の内面には、上述した絶縁層154、陽極層122、有機EL層123および陰極層124が、蒸着法あるいはスパッタ法によってそれぞれパターニングされて積層されている。
陽極層122は、可視光領域で透明なITO(Indium Tin Oxide)を用いる。有機EL層123は、キャリア輸送性の異なる材料が用いられる。陽極層122に対して有機EL層123を積層することにより、陽極層122からのキャリア注入効率およびキャリアの再結合効率を上げることができる。陰極層124は、有機EL層123への電子の注入が容易な低仕事関数材料、たとえばアルミニウムやリチウムを用いることができる。陽極層122は、有機EL層123に対してアノードであり、陰極層124は有機EL層123に対してカソードとなる。
絶縁層154は、陽極層122、有機EL層123および陰極層124を絶縁するための層であり、たとえばSiNxを用いる。
【0026】
このような有機EL素子80では、陽極層122と陰極層124の間に電流が印加されると、陽極層122から注入された正孔が、有機EL層123の正孔輸送層を経て発光層に達すると共に、陰極層124から注入された電子が有機EL層123の発光層に到達する。従って、発光層内で電子−正孔の再結合が生じる。この時に、所定の波長を持った光が発生して、その光は透明基板121から外に射出することになり観察者がD方向に向けたその画像を見ることができる。
【0027】
次に、上述した第1撥水層201、バリア層230および第2撥水層202について順次説明する。
図8に示す有機EL素子80の絶縁層154と陰極層124の上には、合計して3層の保護層が形成されている。
第1撥水層201は、有機EL素子80の陰極層124と絶縁層154の上に直接積層される撥水層である。この第1撥水層201は、有機EL層123に対してバリア層230からの水分や酸素が侵入するのを防ぐためのものである。
【0028】
例えば、この第1撥水層201は、接触角90°以上であることが望ましい。第1撥水層201は、撥水性物質およびフッ素を含有している材料、たとえばフッ素炭化水素を真空蒸着あるいはスパッタ法のドライプロセスで形成する。あるいは第1撥水層201は、フッ素炭化水素に代えてテフロン(登録商標)などの樹脂を真空蒸着あるいはスパッタ法のドライプロセスで形成することもできる。
【0029】
このように、第1撥水層201を陰極層124と絶縁層154の上に予め形成しておくことにより、第1撥水層201の上に形成するバリア層230の形成方法について多様な方法を採用することができる。
つまり、バリア層230の形成方法としては、ドライプロセスのみならず湿式法を用いても良い。すなわち、予め第1撥水層201が形成されているので、バリア層230が湿式法により形成されたとしても、バリア層230の水分や酸素が第1撥水層201により阻止されるので、その水分や酸素が有機EL素子80の有機EL層123側に侵入するのを完全に防ぐことができるからである。
【0030】
そこで、このバリア層230の形成方法について説明する。
バリア層230は、たとえばスパッタ法や蒸着法などのドライプロセスで形成することができる。またこのバリア層230は、このようなドライプロセスを用いずに、ディップコーティング法あるいはスピンコーティング法などの湿式法による塗布方法も用いることができる。
このようにバリア層の形成方法としては多様な方法を採用することができ、バリア層230の形成方法の選択幅が広がるというメリットがある。
【0031】
図8に示すようにバリア層230は、一例として第1バリア部分231乃至第4バリア部分234を積層した構造になっている。しかしこのようにバリア層230は4層構造のバリア部分を有するものではなく、1層構造、2層構造、3層構造あるいは5層構造以上であっても勿論構わない。
第1バリア部分231と第3バリア部分233は、たとえば有機層であり、第2バリア部分232と第4バリア部分234は無機層である。
このようにバリア層230は、有機材料を用いた有機層と、無機材料を用いた無機層を交互に積層した構造である。
【0032】
有機層の有機材質としては、たとえばポリプロピレンを用いており、真空蒸着やスパッタリング法などのドライプロセスによって形成し、UV(紫外線)硬化樹脂、たとえばエポキシ樹脂あるいはアクリル樹脂などの材料を用いて、ディップコーティング、あるいはスピンコーティングなどの湿式法で形成している。
無機層の無機材料としては、たとえばSiNx,SiOx,SiONxを用いて、真空中で蒸着法あるいはスパッタリング法などのドライプロセスによって形成している。
このバリア層230は、水分や酸素などのガスが有機EL素子80側に侵入するのを防いで有機EL素子80の劣化を防止する役目を果たす。
【0033】
次に、図8に示す第2撥水層202は、バリア層230の最も外側の第4バリア部分234の上に積層して形成されている。この第2撥水層202は、バリア層に空気中の水分が侵入するのを防ぐためにバリア層230の上に形成されて撥水性物質を含むものである。
第2撥水層202は、第1撥水層201と同様にして、ドライプロセスにより形成する。第2撥水層202の材質は、第1撥水層201の材質と同じものであり、たとえば第2撥水層202の膜厚は第1撥水層201の膜厚と同じにできる。
これによって第2撥水層202は、空気中の水蒸気や酸素がバリア層230側に侵入するのを防ぐことができる。
第1撥水層201と第2撥水層202は、撥水性物質を含んだ層であり、真空中で蒸着法によりまたはスパッタリング法などのドライプロセスによって形成されている。
【0034】
次に、図9を参照しながら、図8に示す有機ELパネル40の製造方法の例について説明する。図9に示すのは、有機EL素子形成ステップS1と、それに続く撥水層とバリア層の形成ステップS2を含んでいる。
まず有機EL素子形成ステップS1について説明する。
有機EL素子形成ステップS1は、ステップST1からステップST5まで含んでいる。
ステップST1では、図8の有機EL素子80の透明基板121の材質を選定する。選定した透明基板121に対して、ステップST2では、陽極層122を成膜する。この陽極層122の成膜は、たとえばスパッタリング法あるいは蒸着法によってパターニングして行う。陽極層122の材料としては、たとえばITOなどを用いる。
【0035】
ステップST3では、絶縁層154の成膜を透明基板121に対して行う。この絶縁層154の成膜は、スパッタ法あるいは蒸着法によってパターニングして行う。
ステップST4では、有機EL層123の成膜を蒸着法によってパターニングして行う。この有機EL層123は陽極層122の上に成膜する。有機EL層123の材料としては、キャリア輸送性の異なる材料を用いる。
ステップST5では、陰極層124の成膜を蒸着法あるいはスパッタリング法によってパターニングして行う。この陰極層124は有機EL層123の上に成膜する。陰極層124の材料としては有機EL層123への電子注入が容易な低仕事関数材料、たとえばアルミニウムやリチウムを用いる。
このようにして図8の有機EL素子80が形成される。
【0036】
次に、図9の撥水層とバリア層の形成ステップS2に移る。
第1撥水層形成ステップST6では、陽極層122から陰極層124までの有機EL素子80の成膜を終了した後に、第1撥水層201の成膜を蒸着法あるいはスパッタリング法などのドライプロセスによって行う。第1撥水層201の材料としては、たとえばフッ素を含有しているフッ素炭化水素を用いるかあるいはテフロン(登録商標)などの樹脂を用いる。
【0037】
次に、バリア層形成ステップST7に移る。バリア層形成ステップST7は、ステップST7−1とステップST7−2を含んでいる。
ステップST7−1では、図8に示すバリア層230の第1バリア部分231の成膜を蒸着法やスパッタリング法などのドライプロセスを用いるか、あるいは湿式法によって行う。バリア層230の第1バリア部分231の材料としては、ドライプロセスではポリプロピレンなどを用い、湿式法ではエポキシ樹脂やアクリル樹脂などのUV硬化樹脂を用いる。
バリア層230の第1バリア部分231を成膜後に、図9のステップST7−2に移り、バリア層230の第2バリア部分232の成膜を蒸着法あるいはスパッタリング法などのドライプロセスによって行う。第1バリア部分231の材料としては、SiNx,SiOx,SiONxなどを用いる。
【0038】
このように第2バリア部分232を成膜後に、再びステップST7−1に戻り、第3バリア部分233を、第1バリア部分231と同様の要領で、第2バリア部分232の上に成膜する。そして第3バリア部分233の成膜後に、ステップST7−2に移り、第4バリア部分234を、第2バリア部分232と同様の要領で第3バリア部分233の上に成膜する。
【0039】
このようにして、第1バリア部分231乃至第4バリア部分234から成るバリア層230が成膜された後に、第2撥水層形成ステップST8に移る。
ここでは、第2撥水層202の成膜を行う。第2撥水層202の成膜は、第1撥水層形成ステップST6で行った第1撥水層201の成膜と同じように蒸着法あるいはスパッタリング法などのドライプロセスによって行う。第2撥水層202の材料としては、たとえばフッ素を含有しているフッ素炭化水素あるいはテフロン(登録商標)などの樹脂を用いる。
【0040】
このように本発明の実施の形態では、有機EL素子80のバリア層230の上下層として、第1と第2撥水層201,202を形成することによって、第1撥水層201は、有機EL層123に水分や酸素が侵入することを防げる。
バリア層230の形成方法は、ドライプロセスだけでなく、真空を破った様々な方法、例えば、スピンコーティング、あるいは、ディップコーティング等の湿式法においても形成可能となる。
バリア層230の有機層として、例えば、UV硬化樹脂を用いて塗布を行った際に、第1撥水層201はUV硬化樹脂に含有している水分が有機EL層123に侵入することを防ぐこともできる。
また、第2撥水層202は、空気中に存在する水蒸気や酸素等がバリア層230に侵入することを防ぐことができ、第1と第2撥水層201,202の存在によって、結果として有機EL層123の劣化を防ぎ、ディスプレイ装置の高寿命化につながる。
【0041】
ところで本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、ディスプレイ装置を有する電子機器としては、たとえばテレビジョン受像機、携帯電話の他に、コンピュータのモニター装置、携帯情報端末、デジタルスチルカメラ、ビデオカメラ、携帯用ゲーム機、等に適用することができる。
【0042】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、バリア層を有機EL素子に形成する場合にドライプロセスだけではなく湿式法を用いても形成することができ、水分が有機EL層に侵入することを防いで、有機EL層の劣化を防いで、ディスプレイ装置の高寿命化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のディスプレイ装置を有する電子機器の一例として、大型のテレビジョン受像機を示す斜視図。
【図2】図1の電子機器が有する有機ELユニットの例を示す斜視図。
【図3】図2の有機ELユニットの一部を示す有機ELパネル、IC基板およびフレキシブル配線板を示す斜視図。
【図4】有機ELパネルの電気的な接続領域の例を示す図。
【図5】図4の有機ELパネルの電気的な接続領域および表示領域の例を示す平面図。
【図6】有機ELパネルの有機EL素子の構造例を示す斜視図。
【図7】有機ELパネルの一部の構造を示す図。
【図8】本発明のディスプレイ装置の有機ELパネルの積層構造例を示す図。
【図9】本発明のディスプレイ装置の製造方法の例を示す図。
【符号の説明】
10・・・電子機器、20・・・ディスプレイ装置、40・・・有機ELパネル、80・・・有機EL素子(有機電界発光素子)、121・・・透明基板、122・・・陽極層、123・・・有機EL層、124・・・陰極層、154・・・絶縁層、201・・・第1撥水層、202・・・第2撥水層、230・・・バリア層

Claims (6)

  1. 有機電界発光素子を発光素子としたディスプレイ装置において、
    前記有機電界発光素子に水分が侵入するのを防ぐために前記有機電界発光素子の上に形成されて撥水性物質を含む第1撥水層と、
    前記第1撥水層の上に形成されたバリア層と、
    前記バリア層に空気中の水分が侵入するのを防ぐために前記バリア層の上に形成されて撥水性物質を含む第2撥水層と、を有することを特徴とするディスプレイ装置。
  2. 前記第1撥水層と前記第2撥水層は、ドライプロセスにより形成されており、前記バリア層は、ドライプロセス又は湿式法により形成されている請求項1に記載のディスプレイ装置。
  3. 有機電界発光素子を発光素子としたディスプレイ装置を有する電子機器において、
    前記ディスプレイ装置は、
    前記有機電界発光素子に水分が侵入するのを防ぐために前記有機電界発光素子の上に形成されて撥水性物質を含む第1撥水層と、
    前記第1撥水層の上に形成されたバリア層と、
    前記バリア層に空気中の水分が侵入するのを防ぐために前記バリア層の上に形成されて撥水性物質を含む第2撥水層と、を有することを特徴とする電子機器。
  4. 前記第1撥水層と前記第2撥水層は、ドライプロセスにより形成されており、前記バリア層は、ドライプロセス又は湿式法により形成されている請求項3に記載の電子機器。
  5. 有機電界発光素子を発光素子としたディスプレイ装置の製造方法において、
    前記有機電界発光素子に水分が侵入するのを防ぐために前記有機電界発光素子の上に撥水性物質を含む第1撥水層を形成する第1撥水層形成ステップと、
    前記第1撥水層の上にバリア層を形成するバリア層形成ステップと、
    前記バリア層に空気中の水分が侵入するのを防ぐために前記バリア層の上に撥水性物質を含む第2撥水層を形成する第2撥水層形成ステップと、を有することを特徴とするディスプレイ装置の製造方法。
  6. 前記第1撥水層と前記第2撥水層は、ドライプロセスにより形成されており、前記バリア層は、ドライプロセス又は湿式法により形成されている請求項5に記載のディスプレイ装置の製造方法。
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