JPWO2019044374A1 - 光源装置および投光装置 - Google Patents
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Abstract
発光効率の低下を招くことなく、走査領域全体の発光強度を効果的に高めることが可能な光源装置およびそれを用いた投光装置を提供する。光源装置は、レーザ光源と、レーザ光源から出射されたレーザ光の波長を他の波長に変換し拡散させる波長変換部材と、レーザ光源から出射されたレーザ光を波長変換部材の入射面上において走査させる光偏向器と、レーザ光源から出射されたレーザ光を、波長変換部材の入射面上において、走査方向に交差する方向に長いビーム形状に収束させるシリンドリカルレンズおよびシリンドリカルミラーと、を備える。レーザ光源から出射されたレーザ光が波長変換部材の入射面上において走査方向に並び且つ互いに離間するように、レーザ光源と光学系が調整されている。
Description
本開示は、光を発する光源装置およびそれを用いた投光装置に関する。
従来、レーザ光源から出射された光を波長変換部材に照射することにより所定波長の光を生成する光源装置が知られている。この光源装置では、たとえば、波長変換部材により波長変換されて拡散された光と、波長変換部材により波長変換されずに拡散された光とが合成されて、白色光等、所定の色の光が生成される。このような光源装置が、たとえば、車両用前照灯の光源装置として利用されている。
以下の特許文献1には、光変換手段(蛍光体)によって生成された光像を投光光学系によって道路上に投光する投光器(ヘッドライト)が開示されている。投光器は、6つのレーザ光源と、2つのマイクロミラーとを備える。1つのマイクロミラーに対して3つのレーザ光源が割り当てられている。1つのマイクロミラーに入射した3つのレーザ光は、それぞれ、走査方向に垂直な方向に互いに変位した位置において、光変換手段の発光面に照射される。マイクロミラーは、単一軸の周りにのみ振動する。マイクロミラーが振動することにより、走査方向に垂直な方向に互いに変位したビームスポットが、光変換手段の発光面を走査する。一方のマイクロミラーで走査される3つのレーザ光は、光変換手段の発光面上において、他方のマイクロミラーで走査される3つのレーザ光の間の位置に位置づけられる。
上記特許文献1の構成では、走査方向に垂直な方向に並ぶ3つのレーザ光が、それぞれ、光変換手段(蛍光体)上において小さなビームスポットに収束されるため、各ビームスポットの光密度が高くなる。加えて、上記特許文献1の構成では、これら3つのビームスポットの間に、他の3つのレーザ光のビームスポットが重ねられるため、光変換手段(蛍光体)上における光密度が顕著に高くなる。このため、上記特許文献1の構成では、光飽和や発熱による温度消光効果により光変換手段(蛍光体)における発光効率が低下するとの問題が生じる。
かかる課題に鑑み、本開示は、発光効率の低下を抑えつつ、走査領域全体の発光強度を効果的に高めることが可能な光源装置およびそれを用いた投光装置を提供することを目的とする。
本開示の第1の態様は、光源装置に関する。この態様に係る光源装置は、複数のレーザ光源と、波長変換部材と、光偏向器と、を備える。波長変換部材は、複数のレーザ光源から出射されたレーザ光の波長を他の波長に変換するとともに波長変換された光を拡散させる。光偏向器は、複数のレーザ光源から出射されたレーザ光を波長変換部材の入射面上において走査させる。そして、複数のレーザ光源から出射されたレーザ光のビームスポットが波長変換部材の入射面上において走査方向に並び、且つ少なくとも1つのスポットが他のスポットと離間するように、複数のレーザ光源と集光光学系が調整されている。
本態様に係る光源装置によれば、複数のレーザ光源から出射されたレーザ光が波長変換部材の入射面に照射されるため、レーザ光の照射光量が高められ、波長変換部材により生成される光の強度を高めることができる。また、入射面における各レーザ光のビームスポットがレーザ光の走査方向に交差する方向に長い形状であるため、各ビームスポットの光密度が過度に高まることがなく、且つ、走査方向に交差する方向に広い幅で波長変換部材を走査できる。さらに、各ビームスポットが、波長変換部材の入射面上において、走査方向に並び且つ互いに離間するため、波長変換部材上における光密度が顕著に高くなることがない。このため、光飽和や発熱による温度消光効果により波長変換部材における発光効率が低下することが抑止される。よって、本態様に係る光源装置によれば、発光効率の低下を抑えつつ、走査領域全体の発光強度を効果的に高めることができる。
本開示の第2の態様は、光源装置に関する。この態様に係る光源装置は、複数のレーザ光源と、波長変換部材と、光偏向器と、集光光学系と、を備える。波長変換部材は、複数のレーザ光源から出射されたレーザ光の波長を他の波長に変換するとともに波長変換された光を拡散させる。光偏向器は、複数のレーザ光源から出射されたレーザ光を波長変換部材の入射面上において走査させる。集光光学系は、複数のレーザ光源から出射されたレーザ光を、波長変換部材の入射面上において、レーザ光の走査方向に交差する方向に長いビーム形状に収束させる。ここで、本態様に係る光源装置では、レーザ光源が、3つ以上配置される。そして、レーザ光源の数が偶数の場合は、複数のレーザ光源から出射されたレーザ光が波長変換部材の入射面上において2つずつ重ねられて複数のビームスポットを形成し、各ビームスポットが走査方向に並び且つ互いに離間するように、複数のレーザ光源と前記集光光学系が調整される。また、レーザ光源の数が奇数の場合は、複数のレーザ光源から出射されたレーザ光が波長変換部材の入射面上において2つずつ重ねられてビームスポットを形成し、残り1つのレーザ光は重ねられずに単独でビームスポットを形成し、各ビームスポットが走査方向に並び且つ互いに離間するように、複数のレーザ光源と集光光学系が調整される。
本態様に係る光源装置は、2つのレーザ光を重ねてビームスポットが形成されるため、各ビームスポットの光密度が上記第1の態様に比べて高くなり得る。しかしながら、本態様に係る光源装置では、ビームスポットが走査方向に交差する方向に長い形状であり、且つ、1つのビームスポットに重ねられるレーザ光の数が2つ以下に制限されるため、各ビームスポットの光密度が顕著に高くなることがない。さらに、本態様に係る光源装置によれば、上記第1の態様と同様、各ビームスポットが、波長変換部材の入射面において、走査方向に並び、且つ互いに離間するように形成される。このため、波長変換部材上における光密度が顕著に高くなることがなく、光飽和や発熱による温度消光効果により波長変換部材における発光効率が低下することが抑止され得る。よって、本態様に係る光源装置によっても、発光効率の低下を抑えつつ、走査領域全体の発光強度を効果的に高めることができる。
本開示の第3の態様は、投光装置に関する。この態様に係る投光装置は、第1の態様または第2の態様に係る光源装置と、波長変換部材により拡散された光を投射する投射光学系と、を備える。
本態様に係る投光装置によれば、第1の態様または第2の態様と同様の効果が奏され得る。
以上のとおり、本開示に係る光源装置および投光装置によれば、発光効率の低下を抑えつつ、走査領域全体の発光強度を効果的に高めることができる。
本開示の効果ないし意義は、以下に示す実施の形態の説明により更に明らかとなろう。ただし、以下に示す実施の形態は、あくまでも、本開示にかかる発明を実施化する際の一つの例示であって、本開示は、以下の実施の形態に記載されたものに何ら制限されるものではない。
以下、本開示の実施の形態について、図を参照して説明する。便宜上、各図には互いに直交するX、Y、Z軸が付記されている。この座標軸は、光源装置および投光装置の光投射方向をZ軸とするグローバル座標系(図1A、図1B、図8A、図8B、図21A〜図21D)と、説明対象となる光学部品の光出射方向、または反射面の法線方向をZ軸とするローカル座標系(図2、図4A、図4B、図5A、図5B、図6A、図6B、図7A、図7B、図10A、図10B、図12A〜図12D、図15A、図15B、図19A、図19B)を説明に合わせて適宜使い分けている。従って、両者は必ずしも一致するものではない。
<実施例1>
図1A、図1Bは、それぞれ、実施例1に係る投光装置の構成を示す側面図および平面図である。
図1A、図1Bは、それぞれ、実施例1に係る投光装置の構成を示す側面図および平面図である。
投光装置1は、光を生成する光源装置2と、光源装置2により生成された光を投射するための投射光学系3とを備える。投射光学系3は、2つのレンズ3a、3bを備え、これらレンズ3a、3bによって光源装置2からの光を集光して目標領域へと投射する。なお、投射光学系3は、必ずしも2つのレンズ3a、3bから構成されなくともよく、たとえば、1つのレンズでもよく、2つ以上のレンズやミラーを備えていてもよい。また、投射光学系3は、凹面ミラーによって光源装置2からの光を集光する構成であってもよい。
光源装置2は、3つのレーザ光源11a〜11cと、3つのコリメータレンズ12a〜12cと、2つの反射プリズム13a、13bと、シリンドリカルレンズ14と、反射ミラー15と、光偏向器16と、シリンドリカルミラー17と、波長変換部材18とを備えている。シリンドリカルレンズ14とシリンドリカルミラー17は、レーザ光源11a〜11cから出射されたレーザ光を波長変換部材18の入射面に収束させるための集光光学系を構成する。光源装置2を構成する上記部材は、投射光学系3とともに、図示しないベースに設置されている。
レーザ光源11a〜11cは、それぞれ、青色波長帯(たとえば、450nm)のレーザ光を出射する。レーザ光源11a〜11cは、たとえば、半導体レーザからなっている。レーザ光源11a〜11cは、同一機種のレーザ光源である。レーザ光源11a〜11cから出射されるレーザ光の波長は、適宜変更可能である。レーザ光源11a〜11cは、必ずしも単一の発光領域を有するシングルエミッターの半導体レーザでなくともよく、たとえば、1つの発光素子に複数の発光領域を有するマルチエミッターの半導体レーザであってもよい。また、レーザ光源11a〜11cは、必ずしも単一波長帯のレーザ光を出射するものでなくともよく、たとえば、1基板に複数の発光素子がマウントされたマルチ発光の半導体レーザであってもよい。
コリメータレンズ12a〜12cは、それぞれ、レーザ光源11a〜11cから出射されたレーザ光を平行光に変換する。反射プリズム13a、13bは、それぞれ、コリメータレンズ12b、12cを透過したレーザ光を、シリンドリカルレンズ14に向かう方向に反射する。反射プリズム13a、13bに代えて、板状の反射ミラーを用いてもよい。
図1Bに示すように、レーザ光源11b、11cは、互いに向き合うように配置されている。反射プリズム13a、13bは、レーザ光源11b、11cが向き合う方向、すなわち、X軸方向に隙間が生じるように配置されている。レーザ光源11a〜11cは、出射光軸がX−Z平面に平行な1つの平面に含まれるように配置されている。
レーザ光源11aから出射されたレーザ光は、コリメータレンズ12aにより平行光に変換された後、反射プリズム13a、13bの間の隙間を通って、シリンドリカルレンズ14へと向かう。対向配置されたレーザ光源11b、11cの光軸は、反射プリズム13a、13bによって、X−Z平面に平行な方向に曲げられる。これにより、レーザ光源11a〜11cから出射されたレーザ光は、シリンドリカルレンズ14の入射面に対し、X軸方向において互いに異なる位置に入射する。
以上の構成により、レーザ光源11a〜11cのパッケージやキャップ外形に制限されることなく、3つのレーザ光を接近させることが可能となる。具体的には、反射プリズム13a、13bのケラレによる効率の低下の影響が無視できる範囲で、つまりは、コリメートされたビーム幅の前後にまで、ビームを接近することができる。その結果、シリンドリカルレンズ14に入射する3つの平行光を束ねた光束の全幅を小さくできる。これにより、シリンドリカルレンズ14以降の光学系のコンパクト化が可能となると共に、光学系が有する収差の影響を小さくすることができる。
このコンパクト化がもたらすメリットとして、たとえば、光偏向器16のミラー16aのサイズを小さくできることが挙げられ得る。光偏向器16は、ミラー16aのサイズが大きくなるとより大きな推進力が必要となり、磁気回路の大型化や消費電力の増大を招く。必要な推進力が得られなければ可動角度範囲が狭くなり、また、回動周波数が小さくなる等の弊害が発生する。上記のように、ミラー16aのサイズを小さくできることで、これら問題が解消され、設計の自由度を高めることができる。
レーザ光源11aから出射されたレーザ光は、シリンドリカルレンズ14の入射面の中央位置に入射する。レーザ光源11b、11cから出射されたレーザ光は、それぞれ、シリンドリカルレンズ14の入射面の中央位置からX軸正負の方向に所定距離だけずれた位置に入射する。
シリンドリカルレンズ14は、入射面がX−Z平面に平行な方向のみに湾曲した曲面となっている。シリンドリカルレンズ14の入射面は非球面であり、シリンドリカルレンズ14の出射面は、Z軸に垂直な平面である。シリンドリカルレンズ14の出射面も、X−Z平面に平行な方向に湾曲した曲面であってもよい。あるいは、シリンドリカルレンズ14の入射面が平面で出射面が曲面であってもよい。
シリンドリカルレンズ14は、入射面の母線が、入射面に入射する3つのレーザ光の光軸を含む平面に垂直、すなわちY軸方向に平行となるように配置されている。シリンドリカルレンズ14は、入射位置におけるレーザ光源11a〜11cの3つの光軸が並ぶ方向、すなわち、X軸方向のみに収束パワーを有する。レーザ光源11a〜11cから出射されたレーザ光は、シリンドリカルレンズ14によって、波長変換部材18の入射面上においてレーザ光の走査方向に収束される。後述のように、本実施例では、3つのレーザ光のビームスポットが、波長変換部材18の入射面上において走査方向に並び、且つ、互いに離間するように形成される。
反射ミラー15は、シリンドリカルレンズ14を透過した3つのレーザ光の光軸を、それぞれ、Y−Z平面に平行な方向に折り曲げる。3つのレーザ光は、反射ミラー15で反射された後、光偏向器16のミラー16aに入射する。なお、シリンドリカルレンズ14から波長変換部材18までの光学系のレイアウトによっては、反射ミラー15が省略され得る。この場合、シリンドリカルレンズ14を透過した3つのレーザ光は、直接、光偏向器16のミラー16aに入射する。
光偏向器16は、ミラー16aを備え、ミラー16aをZ軸に平行な回動軸L1について回動させることにより、反射ミラー15で反射されたレーザ光の進行方向を変化させる。ミラー16aの入射面は平面である。ミラー16aは、たとえば、ガラス板に誘電体多層膜を形成した高反射率のミラーである。ミラー16aは、中立位置において、X−Z平面に平行となるように配置される。光偏向器16は、たとえば、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)ミラーによって構成される。
シリンドリカルミラー17は、入射面がY−Z平面に平行な方向のみ凹面に湾曲した反射面となっている。シリンドリカルミラー17の入射面は球面であるが、非球面であってもよい。シリンドリカルミラー17は、入射面の母線が、入射面に入射する3つのレーザ光の光軸を含む平面に平行、すなわちX軸方向に平行となるように配置されている。シリンドリカルミラー17は、入射位置におけるレーザ光源11a〜11cの3つの光軸が並ぶ方向に垂直な方向、すなわち、Y−Z平面に平行な方向のみに収束パワーを有する。レーザ光源11a〜11cから出射されたレーザ光は、シリンドリカルミラー17によって、波長変換部材18の入射面上においてレーザ光の走査方向に垂直な方向に収束される。
なお、光偏向器16から波長変換部材18までの光学系のレイアウトによっては、シリンドリカルミラー17が透過型のシリンドリカルレンズに置き換えられ得る。この場合、シリンドリカルレンズに入射した3つのレーザ光は、シリンドリカルレンズでY−Z平面に平行な方向の収束作用を受けた後、波長変換部材18に入射する。
さらに、ミラー16aの入射面を、シリンドリカルミラー面に置き換えてもよい。この場合、シリンドリカルミラー17は、省略されるか、平面の反射ミラーとされ、シリンドリカルレンズ14に入射した3つのレーザ光は、シリンドリカル面のミラー16aによりY−Z平面に平行な方向の収束作用を受けた後、反射ミラーを経るか、または、そのまま直接、波長変換部材18に入射する。
波長変換部材18は、シリンドリカルミラー17によって反射されたレーザ光が入射する位置に配置されている。波長変換部材18は、長方形形状の板状の部材であり、入射面がX−Y平面に平行となるように設置されている。上記のようにミラー16aが回動軸L1について回動することにより、波長変換部材18は、レーザ光によって長手方向に走査される。
波長変換部材18は、入射したレーザ光の一部を、青色波長帯とは異なる波長に変換して、Z軸方向に拡散させる。波長変換されなかった他のレーザ光は、波長変換部材18によってZ軸方向に拡散される。こうして拡散された2種類の波長の光が合成されて、所定の色の光が生成される。各波長の光は、投射光学系3に取り込まれて、目標領域に投射される。
実施例1では、波長変換部材18によって、レーザ光の一部が、黄色波長帯の光に変換される。波長変換後の黄色波長帯の拡散光と、波長変換されなかった青色波長帯の散乱光とが合成されて、白色の光が生成される。なお、波長変換後の波長は黄色波長帯でなくてもよく、生成される光の色は、白以外の色であってもよい。波長変換部材18の構成は、追って、図7A、図7Bを参照して説明する。
図2は、レーザ光源11aの構成と配置を示す斜視図である。図2には、レーザ光源11aに装備された発光素子110の構成が示されている。他のレーザ光源11b、11cの発光素子の構成も図2と同様である。
発光素子110は、上下面が電極111、112となっている。これら電極111、112に電圧を印加することにより、上下のクラッド層に挟まれた活性層113から出射光軸120に沿ってレーザ光130が出射される。レーザ光130は、活性層113に平行な方向および活性層113に垂直な方向に所定の放射角で広がる。活性層113に垂直な方向の放射角は、活性層113に平行な方向の放射角よりも大きい。従って、出射されたレーザ光130のビーム形状は楕円である。一般に、この楕円の長軸はファスト軸と呼ばれ、楕円の短軸はスロー軸と呼ばれる。
図1A、図1Bの構成において、レーザ光源11aは、ファスト軸が、シリンドリカルレンズ14の収束方向に平行となるように配置される。残り2つのレーザ光源11b、11cは、シリンドリカルレンズ14の入射位置においてレーザ光のファスト軸がシリンドリカルレンズ14の収束方向に平行となるように配置される。レーザ光は、スロー軸に沿った方向よりもファスト軸に沿った方向の方が収束されやすい。これは、一般的にレーザ光源11a〜11c(半導体レーザ)の端面におけるファスト軸方向の発光領域の幅が、スロー軸に比べて狭いからである。したがって、レーザ光源11a〜11cを上記のように配置することにより、レーザ光源11a〜11cから出射されたレーザ光をシリンドリカルレンズ14によって効率的に収束させることができる。
図3は、シリンドリカルミラー17で反射された後のレーザ光の収束状態を模式的に示す図である。
図3において、シリンドリカルミラー17から波長変換部材18に向かう破線はレーザ光源11a〜11cから出射されたレーザ光130a〜130cを示し、各破線に付記された楕円は、これらレーザ光のビームスポットBSa〜BScを示している。
図3に示すように、実施例1では、3つのビームスポットBSa〜BScが、波長変換部材18の入射面18a上において、レーザ光の走査方向に並び且つ互いに離間するように、レーザ光源11a〜11cとシリンドリカルレンズ14(集光光学系)が調整されている。なお、ビームスポットBSa〜BScのサイズは、強度ピークの1/e2以上の領域によって規定される。あるいは、ビームスポットBSa〜BScのサイズが、FWHM(full width at half maximum)で規定されてもよい。この場合、強度ピークの1/e2以上の領域の一部が重なっていても、FWHMで規定された場合のビームスポットが重なっていなければ、ビームスポットBSa〜BScは互いに離間していると言える。ビームサイズの規定方法は、追って説明する実施例2および変更例においても同様である。
図4A、図4Bは、それぞれ、波長変換部材18の入射面18aにおいてビームスポットBSa〜BScを走査方向に離間させるための構成を説明する図である。なお、便宜上、図4A、図4Bでは、シリンドリカルレンズ14と波長変換部材18との間に配置された光学部材の図示が省略されている。
図4Aに示す構成では、レーザ光130a〜130cが互いに非平行な状態でシリンドリカルレンズ14に入射するよう、レーザ光源11a〜11cの配置または反射プリズム13a、13bの配置が調整されている。具体的には、レーザ光源11aから出射されたレーザ光130aは、光軸がZ軸に並行な状態でシリンドリカルレンズ14に入射し、レーザ光源11b、11cから出射されたレーザ光130b、130cは、それぞれ、光軸がZ軸に並行な状態からX軸正負の方向にやや傾いた状態でシリンドリカルレンズ14に入射する。
この構成において、シリンドリカルレンズ14には収差がなく、シリンドリカルレンズ14は、入射した平行光を1つの焦線に収束させるように構成されている。すなわち、シリンドリカルレンズ14は、単焦点のシリンドリカルレンズである。また、シリンドリカルレンズ14から波長変換部材18までの光路長と、シリンドリカルレンズ14の焦点距離とが略同じとなるように光学系が設定されている。
この構成では、図4Aに示すように、レーザ光130a〜130cが互いに非平行な状態でシリンドリカルレンズ14に入射することにより、レーザ光130a〜130cの収束位置が、波長変換部材18の入射面18a上において、走査方向(X軸方向)に互いに変位する。これにより、レーザ光130a〜130cの各ビームスポットBSa〜BScが、波長変換部材18の入射面18a上において、走査方向に並び且つ互いに離間するようになる。
なお、シリンドリカルレンズ14が予めX軸方向に収差をもつ場合は、図4Bに示すように、レーザ光130a〜130cを互いに平行な状態でシリンドリカルレンズ14に入射させてもよい。この場合、シリンドリカルレンズ14の収差によって、レーザ光130a〜130cの各ビームスポットBSa〜BScが、波長変換部材18の入射面18a上において、走査方向に並び且つ互いに離間するように位置付けられる。
図4Aの構成において、シリンドリカルレンズ14に対するレーザ光130b、130cの入射方向の調整は、たとえば、図5Aに示すように、レーザ光源11b、11cの出射光軸に対する反射プリズム13a、13bの反射面の傾きを調整することによって行われ得る。この場合、たとえば、レーザ光源11b、11cは、それぞれ、出射光軸がX軸に平行となるように配置され、レーザ光源11b、11cの出射光軸と反射プリズム13a、13bの反射面とのなす角θがそれぞれ45度よりもやや大きくなるように、反射プリズム13a、13bが配置される。レーザ光源11aは、出射光軸がZ軸に平行となるように配置される。これにより、図4Aに示したように、レーザ光源11aから出射されたレーザ光130aは、Z軸に平行にシリンドリカルレンズ14に入射し、レーザ光源11b、11cから出射されたレーザ光130b、130cは、Z軸に平行な状態からやや傾いた状態でシリンドリカルレンズ14に入射する。
あるいは、図4Aの構成において、シリンドリカルレンズ14に対するレーザ光130b、130cの入射方向の調整は、たとえば、図5Bに示すように、レーザ光源11b、11cの出射光軸を、X軸に平行な状態からX−Z平面に平行な方向に傾けることによっても行われ得る。この場合、たとえば、反射プリズム13a、13bは、それぞれ、反射面がX軸に対して45度の傾きをもつように配置され、レーザ光源11b、11cの出射光軸と反射プリズム13a、13bの反射面とのなす角θがそれぞれ45度よりもやや大きくなるように、レーザ光源11b、11cが配置される。コリメータレンズ12b、12cは、光軸がレーザ光源11b、11cの出射光軸に整合するように配置される。レーザ光源11aは、出射光軸がZ軸に平行となるように配置される。これにより、図4Aに示したように、レーザ光源11aから出射されたレーザ光130aは、Z軸に平行にシリンドリカルレンズ14に入射し、レーザ光源11b、11cから出射されたレーザ光130b、130cは、Z軸に平行な状態からやや傾いた状態でシリンドリカルレンズ14に入射する。
なお、レーザ光130b、130cをシリンドリカルレンズ14に対してZ軸方向から傾いた方向に入射させるために、レーザ光源11b、11cと反射プリズム13a、13bの両方の配置が調整されてもよい。
また、図6Aに示すように、シリンドリカルレンズ14の入射面に近づくに伴って、レーザ光130b、130cの光軸がレーザ光130aの光軸に接近するように、レーザ光源11b、11cが傾けられてもよい。この場合、図6Bに示すようにシリンドリカルレンズ14から波長変換部材18までの光路において、レーザ光130b、130cが交差し、レーザ光130bは、レーザ光130aに対してX軸負側にずれた位置に収束され、レーザ光130cは、レーザ光130aに対してX軸正側にずれた位置に収束される。よって、この構成によっても、3つのビームスポットBSa〜BScは、波長変換部材18の入射面18a上において、レーザ光の走査方向に並び且つ互いに離間するように配置され得る。
なお、図4Bの構成では、出射光軸がX軸に平行となるようにレーザ光源11b、11cが配置され、反射面がX軸に対して45度傾くように反射プリズム13a、13bが配置される。また、レーザ光源11aは、出射光軸がZ軸に平行となるように配置される。これにより、図4Bに示すように、光軸が互いに平行な状態でレーザ光130a〜130bがシリンドリカルレンズ14に入射する。
本実施例では、上記のように、シリンドリカルレンズ14から波長変換部材18までの光路長が、シリンドリカルレンズ14の焦点距離と略同じに設定されているため、波長変換部材18の入射面18aにおいて、3つのレーザ光130a〜130c(ビームスポットBSa〜BSc)は、レーザ光の走査方向、すなわちX軸方向の幅が、シリンドリカルレンズ14の収束作用により生成される焦線の幅付近にまで圧縮される。
なお、シリンドリカルミラー17から波長変換部材18までの光路長は、シリンドリカルミラー17の焦点距離と同一であっても相違していてもよい。たとえば、シリンドリカルミラー17から波長変換部材18までの光路長が、シリンドリカルミラー17の焦点距離と同一に設定された場合、レーザ光は、シリンドリカルミラー17の焦点距離に比例した最小幅に収束する。ただし、シリンドリカルミラー17による収束方向はレーザ光130a〜130cのスロー軸に平行な方向であるため、レーザ光はファスト軸に比べて収束されにくい。その上、本構成では、スロー軸に平行な方向から所定の入射角(θ1とする)で波長変換部材18に入射する。このようにレーザ光が波長変換部材18に対して斜めから入射することにより、スロー軸方向におけるビームの幅が、シリンドリカルミラー17の焦点距離に比例した最小幅の1/cosθ1倍に広がる。このため、レーザ光は、スロー軸方向にある程度の幅をもって収束される。
入射面18a上におけるビームスポットBSa〜BScのスロー軸方向の幅をできるだけ小さくしたい場合には、シリンドリカルミラー17の焦点距離を小さく設定する必要がある。一方、シリンドリカルミラー17から波長変換部材18までの光路長が、シリンドリカルミラー17の焦点距離と異なる場合、波長変換部材18の入射面18a上におけるビームスポットBSa〜BScのスロー軸方向の幅は、シリンドリカルミラー17の焦点位置における最小幅よりも広く設計することができる。
以上のように、波長変換部材18の入射面18aにおいて、3つのレーザ光130a〜130cのビームスポットBSa〜BScは、レーザ光の走査方向に垂直な方向、すなわちY−Z平面に平行な方向の幅を広い範囲で自由に設計できる。したがって、波長変換部材18の入射面18aにおいて、3つのレーザ光130a〜130cのビームスポットBSa〜BScは、レーザ光の走査方向に垂直な方向に延びた線状の形状となる。上記のように、走査方向に垂直な方向におけるビームスポットの長さを広げたい場合は、シリンドリカルミラー17から波長変換部材18までの光路長を、シリンドリカルミラー17の焦点距離と相違するように設定すると良い。ビームスポットの長さをさらに広げたい場合には、シリンドリカルミラーの反射面を平面、または凸面に形成することで実現できる。
図7Aは、波長変換部材18の構成を模式的に示す側面図である。
波長変換部材18は、基板201の上面に、反射膜202と、蛍光体層203とを積層した構成となっている。
基板201は、たとえば、シリコンや窒化アルミニウムセラミック、サファイヤガラスなどからなっている。反射膜202は、第1の反射膜202aと第2の反射膜202bとが積層されて構成されている。第1の反射膜202aは、たとえば、Ag、Ag合金、Alなどの金属膜である。第2の反射膜202bは、反射とともに第1の反射膜202aを酸化などから保護する機能をも有し、たとえば、SiO2、ZnO、ZrO2、Nb2O5、Al2O3、TiO2、SiN、AlNなど誘電体の1つまたは複数の層からなっている。反射膜202は、必ずしも、第1の反射膜202aおよび第2の反射膜202bから構成されなくともよく、単層または3つ以上の層が積層された構成であってもよい。
蛍光体層203は、蛍光体粒子203aをバインダ203bで固定することにより形成される。蛍光体粒子203aは、レーザ光源11a〜11cから出射された青色波長帯のレーザ光が照射されることによって黄色波長帯の蛍光を発する。蛍光体粒子203aとして、たとえば、平均粒子径が1μm〜30μmの(YnGd1−n)3(AlmGa1−m)5O12:Ce(0.5≦n≦1、0.5≦m≦1)が用いられる。また、バインダ203bとして、ポリメチルシルセスキオキサンなどのシルセスキオキサンを主に含む透明材料が用いられる。
さらに、蛍光体層203の内部に、ボイド203cを設けることが好ましい。これにより、内部に侵入したレーザ光をより効率的に散乱させて、光源装置2から取り出すことができる。また、第2の反射膜202b付近にボイド203cが存在することにより、第2の反射膜202bの表面によるエネルギーロスを低減しつつ、効果的にレーザ光と蛍光を散乱させることができる。蛍光体層203には、さらに、強度および耐熱性を高めるためのフィラー203dが含まれる。
レーザ光源11a〜11cから出射されたレーザ光は、図7Aに示す励起領域R1に照射され、蛍光体層203の表面または内部で、散乱、吸収される。このとき、レーザ光の一部は、蛍光体粒子203aにより黄色波長帯の光に変換されて、蛍光体層203から放射される。また、レーザ光の他の一部は、黄色波長帯の光に変換されずに散乱されて青色波長帯の光のまま蛍光体層203から放射される。このとき、各波長帯の光は、蛍光体層203内を伝搬しながら散乱されるため、励起領域R1よりもやや広い発光領域R2から放射される。
図7Bは、波長変換部材18の構成を模式的に示す平面図である。
波長変換部材18は、平面視において、X軸方向に長い長方形の形状を有する。波長変換部材18は、光偏向器16のミラー16aが回動されることにより、レーザ光でX軸方向に走査される。ミラー16aは、X−Z平面に平行な中立位置から両方向に所定の角度範囲で回動される。図7Bにおいて、B1は、上記のようにレーザ光源11a〜11cから出射された各レーザ光のビームスポットを示している。ビームスポットB1は、波長変換部材18の入射面18aを、幅W1において往復移動する。
なお、図7Bには、ビームスポットB1の往復移動が直線の矢印で示されているが、レーザ光が斜め方向から波長変換部材18に入射するため、実際のビームスポットB1の移動軌跡は、X軸方向の中央位置に対してX軸正負方向の両端がY軸負方向に変位した、やや湾曲した軌跡となる。
入射面18a上におけるビームスポットB1の領域は、図7Aの励起領域R1に対応する。波長変換部材18の入射面18aをビームスポットB1が移動する間に、ビームスポットB1の領域よりもやや広い発光領域R2から青色波長帯の拡散光と黄色波長帯の拡散光がZ軸正方向に放射される。
こうして放射された2つの波長帯の光が、図1A、図1Bに示した投射光学系3により取り込まれ、目標領域に投射される。これにより、青色波長帯の光と黄色波長帯の光が合成された白色の光が、投光装置1から目標領域に投射される。
<実施例2>
図8A、図8Bは、それぞれ、実施例2に係る投光装置1の構成を示す側面図および平面図である。
図8A、図8Bは、それぞれ、実施例2に係る投光装置1の構成を示す側面図および平面図である。
実施例2では、光源装置2に配置されるレーザ光源の数が4つに増やされている。すなわち、実施例1に比べて、新たにレーザ光源11dが追加されている。レーザ光源11dは、レーザ光源11a〜11cと同種である。レーザ光源11dから出射されたレーザ光は、コリメータレンズ12dによって平行光に変換される。
レーザ光源11aとレーザ光源11dは、対向するように配置されている。レーザ光源11a、11dは、レーザ光源11b、11cと同様、ファスト軸がZ軸に平行となるように配置されている。
レーザ光源11aの出射方向に反射プリズム13cが配置され、レーザ光源11dの出射方向に反射プリズム13dが配置されている。レーザ光源11aの光軸と、レーザ光源11dの光軸は、それぞれ、シリンドリカルレンズ14に向かうように、反射プリズム13c、13dによって、X−Z平面に平行な方向に曲げられる。反射プリズム13c、13dは、X軸方向に隙間なく配置されている。実施例1に比べて、反射プリズム13a、13b間の隙間が広げられている。レーザ光源11a、11dからそれぞれ出射されたレーザ光は、反射プリズム13c、13dによって光軸が曲げられた後、反射プリズム13a、13b間の隙間を通って、シリンドリカルレンズ14に入射する。
シリンドリカルレンズ14の入射位置において、レーザ光源11a〜11dの光軸は、シリンドリカルレンズ14の母線に垂直な1つの平面、すなわちX−Z平面に平行な1つの平面に含まれる。このように、レーザ光源11a〜11dのY軸方向の位置が調整されている。
実施例2のその他の構成は実施例1と同様である。実施例2においても、実施例1と同様、シリンドリカルレンズ14の焦点距離の位置に、波長変換部材18の入射面18aが位置づけられている。後述のように、本実施例では、4つのレーザ光のビームスポットが、波長変換部材18の入射面上において走査方向に並び、且つ、互いに離間するように形成される。
図9は、シリンドリカルミラー17で反射された後のレーザ光の収束状態を模式的に示す図である。
図9において、シリンドリカルミラー17から波長変換部材18に向かう破線はレーザ光源11a〜11dから出射されたレーザ光130a〜130dを示し、各破線に付記された楕円は、これらレーザ光のビームスポットBSa〜BSdである。
上記のように、実施例2においても、実施例1と同様、シリンドリカルレンズ14から波長変換部材18までの光路長が、シリンドリカルレンズ14の焦点距離と略同じとなるように調整されている。このため、レーザ光源11a〜11dから出射された4つのレーザ光130a〜130dは、シリンドリカルレンズ14を透過した後、波長変換部材18に近づくにつれて、ファスト軸に沿った方向に絞られる。そして、これら4つのレーザ光130a〜130dは、シリンドリカルミラー17で反射された後、波長変換部材18の入射面18aに到達する。このとき、4つのレーザ光130a〜130dのビームスポットBSa〜BSdは、波長変換部材18の入射面18a上において、走査方向に並び、且つ、互いに離間する。
図10A、図10Bは、それぞれ、実施例2に係る、波長変換部材18の入射面18aにおいてビームスポットBSa〜BSdを走査方向に離間させるための構成を説明する図である。なお、便宜上、図10A、図10Bでは、シリンドリカルレンズ14と波長変換部材18との間に配置された光学部材の図示が省略されている。
図10Aは、シリンドリカルレンズ14に収差がない場合、すなわち、入射した平行光を1つの焦線に収束させるようにシリンドリカルレンズ14が構成されている場合の構成例を示している。この場合、レーザ光源11a〜11dから出射されたレーザ光130a〜130dの光軸が、互いに非平行な状態でシリンドリカルレンズ14に入射するように、シリンドリカルレンズ14よりも前段側の光学系が調整される。
シリンドリカルレンズ14に対するレーザ光130a〜130dの入射方向の調整は、図5A、図5Bを参照して説明した場合と同様、図8A、図8Bの構成において、反射プリズム13a〜13dの反射面の傾き、または、レーザ光源11a〜11dの出射方向を調整することにより行われ得る。
たとえば、反射プリズム13a〜13dの反射面がX軸に対して45度傾いている場合、レーザ光源11a、11dの出射光軸と反射プリズム13c、13dの反射面とのなす角が45度よりもやや大きくなるようにレーザ光源11a、11dが配置される。また、レーザ光源11b、11cの出射光軸と反射プリズム13a、13bの反射面とのなす角がレーザ光源11a、11dの出射光軸と反射プリズム13c、13dの反射面とのなす角よりもやや大きくなるようにレーザ光源11b、11cが配置される。これにより、図10Aに示すようにレーザ光130a〜130dをシリンドリカルレンズ14に入射させることができる。その結果、レーザ光130a〜130dのビームスポットBSa〜BSdを、波長変換部材18の入射面18a上において、走査方向に並び、且つ、互いに離間するように配置させ得る。
図10Bは、シリンドリカルレンズ14が予めX軸方向に収差をもつ場合の構成例を示している。この場合、図10Bに示すように、レーザ光130a〜130dが、互いに平行な状態でシリンドリカルレンズ14に入射するように、シリンドリカルレンズ14よりも前段側の光学系が調整される。こうすると、図10Bに示すように、シリンドリカルレンズ14の収差によって、レーザ光130a〜130cの各ビームスポットBSa〜BSdが、波長変換部材18の入射面18a上において、走査方向に並び且つ互いに離間するように位置付けられる。
なお、図6A、図6Bの場合と同様、本変更例においても、シリンドリカルレンズ14から波長変換部材18までの間の光路においてレーザ光130a〜130dを互いに交差させて、レーザ光130a〜130cの各ビームスポットBSa〜BSdを、波長変換部材18の入射面18a上において互いに離間させてもよい。この場合、レーザ光間でこのような交差が生じるように、レーザ光源11a〜11dから出射されたレーザ光130a〜130dが、互いに非平行な状態でシリンドリカルレンズ14に入射される。この場合も、反射プリズム13a〜13dの反射面の傾き、または、レーザ光源11a〜11dの出射方向を調整することにより、シリンドリカルレンズ14に対するレーザ光130a〜130dの入射状態が調整され得る。
なお、実施例2の構成においても、上記実施例1と同様、4つのレーザ光130a〜130d(ビームスポットBSa〜BSd)は、ファスト軸が走査方向に平行となるように配置される。このため、波長変換部材18の入射面18aにおいて、レーザ光の走査方向、すなわちX軸方向の幅が、シリンドリカルレンズ14の収束作用により生成される焦線の幅付近にまで圧縮される。また、4つのレーザ光130a〜130d(ビームスポットBSa〜BSd)は、スロー軸が走査方向に垂直であり、且つY−Z平面に平行な方向から波長変換部材18へ斜めに入射するため、波長変換部材18の入射面18aにおいて、レーザ光の走査方向に垂直な方向、すなわちY−Z平面に平行な方向の幅が広くなる。したがって、4つのレーザ光130a〜130dのビームスポットは、レーザ光の走査方向に垂直な方向に延びた線状の形状となる。
実施例2においても、実施例1と同様、光偏向器16のミラー16aが、X−Z平面に平行な中立位置から両方向に所定の角度範囲で回動されることにより、波長変換部材18が、4つのレーザ光源11a〜11dから出射された各ビームでX軸方向に走査される。これにより、波長変換部材18からZ軸方向に2つの波長の光が放射される。
こうして放射された2つの波長帯の光が、図8A、図8Bに示した投射光学系3により取り込まれ、目標領域に投射される。これにより、青色波長帯の光と黄色波長帯の光が合成された白色の光が、投光装置1から目標領域に投射される。
図11は、波長変換部材18におけるレーザ光の走査範囲と、走査方向に並ぶビームスポット群の範囲との関係を説明するための図である。図11には、実施例2で示した4つのビームスポットBSa〜BSdで波長変換部材18の入射面18aが走査される場合の例が示されている。
ビームスポットBSa〜BSdは、幅W1の範囲において、波長変換部材18の入射面18aを往復移動する。これにより、投射角度範囲W10において光が投射光学系3から目標領域に投射される。ここで、投光装置1が、たとえば、自動車の前照灯として用いられる場合、特に、投射角度範囲W10の1/2程度の中央の角度範囲W20における明るさが確保されることが求められる。波長変換部材18の入射面18aでは、幅W2が角度範囲W20に対応する。
ここで、ビームスポット群の走査方向の幅R11を幅W2以下に収めることにより、幅W2において生じる光の強度を高くでき、よって、角度範囲W20における光の強度を確保できる。したがって、隣り合うビームスポット間の間隔は、ビームスポット群の走査方向における幅R11が幅W2以下となるように設定されることが好ましい。このことは、実施例1のように、ビームスポット群が3つのビームスポットBSa〜BScで構成される場合も同様である。
<検証>
発明者らは、上記実施例1、2の構成を用いた場合に、各レーザ光源からのレーザ光が波長変換部材18に到達するまでにどのようなビーム状態を辿るかを検証した。
発明者らは、上記実施例1、2の構成を用いた場合に、各レーザ光源からのレーザ光が波長変換部材18に到達するまでにどのようなビーム状態を辿るかを検証した。
図12A、図12Bは、それぞれ、実施例1、2の構成において、光偏向器16のミラー16aにおけるビームスポットの強度分布をシミュレーションにより求めた検証結果を示す図である。また、図12C、図12Dは、それぞれ、実施例1、2の構成において、波長変換部材18の入射面18aにおけるビームスポットの強度分布をシミュレーションにより求めた検証結果を示す図である。
図12A〜図12Dは、光偏向器16のミラー16aが中立位置にあるときの各ビームの強度分布を示している。これらの図では、白に近いほど強度分布が高い。図12A〜図12Dには、レーザ光のファスト軸およびスロー軸にそれぞれ平行な軸が付されている。また、図12C、図12Dには、ビームの走査方向が白抜きの矢印で示されている。
図12Aに示すように、実施例1の構成において、レーザ光源11a〜11cからそれぞれ出射された3つのレーザ光は、光偏向器16のミラー16aの位置では、ファスト軸に平行な方向に広がったビーム形状であった。ここでは、レーザ光源11a、11b、11cからの3つのレーザ光が、互いに非平行な状態で、収差のないシリンドリカルレンズ14に入射し、シリンドリカルレンズ14を通過した3つのレーザ光が、ミラー16aの回動軸L1に対して垂直な直線上に並んで入射するよう、光学系を調整した。
これに対し、図12Cに示すように、実施例1の構成において、レーザ光源11a〜11cからそれぞれ出射された3つのレーザ光は、波長変換部材18の入射面18aにおいて、スロー軸に平行な方向に長い線状の3つのビームとなった。このように、実施例1の構成によれば、波長変換部材18の入射面18aにおいて、レーザ光源11a〜11cからそれぞれ出射された3つのレーザ光によって、入射面18a上に、走査方向に並びかつ互いに分離したビームを形成できることを確認できた。
図12Bに示すように、実施例2の構成において、レーザ光源11a〜11dからそれぞれ出射された4つのレーザ光は、光偏向器16のミラー16aの位置では、ファスト軸に平行な方向に広がったビーム形状であった。ここでは、レーザ光源11a、11b、11c、11dからの4つのレーザ光が、互いに非平行な状態で、収差のないシリンドリカルレンズ14に入射し、シリンドリカルレンズ14を通過した4つのレーザ光がミラー16aの回動軸L1に対して垂直な直線上に並び、且つレーザ光源11b、11cからのレーザ光が、レーザ光源11a、11dからのレーザ光の外側に入射するよう、光学系を調整した。
これに対し、図12Dに示すように、実施例2の構成において、レーザ光源11a〜11dからそれぞれ出射された4つのレーザ光は、波長変換部材18の入射面18aにおいて、スロー軸に平行な方向に長い線状の4つのビームとなった。このように、実施例2の構成によっても、波長変換部材18の入射面18aにおいて、レーザ光源11a〜11dからそれぞれ出射された4つのレーザ光によって、入射面18a上に、走査方向に並びかつ互いに分離したビームを形成できることを確認できた。
<回路構成>
図13は、実施形態に係る光源装置2の主たる回路構成を示す回路ブロック図である。なお、図13の回路構成は、上記実施例1の構成に適用される。図13の回路構成が実施例2の構成に適用される場合、レーザ光源11dを駆動するためのレーザ駆動回路が追加される。
図13は、実施形態に係る光源装置2の主たる回路構成を示す回路ブロック図である。なお、図13の回路構成は、上記実施例1の構成に適用される。図13の回路構成が実施例2の構成に適用される場合、レーザ光源11dを駆動するためのレーザ駆動回路が追加される。
図13に示すように、光源装置2は、回路部の構成として、コントローラ301と、レーザ駆動回路302a〜302cと、ミラー駆動回路303と、インタフェース304と、を備えている。
コントローラ301は、CPU(Central Processing Unit)等の演算処理回路と、メモリとを備え、所定の制御プログラムに従って各部を制御する。レーザ駆動回路302a〜302cは、それぞれ、コントローラ301からの制御信号に従って、レーザ光源11a〜11cを駆動する。ミラー駆動回路303は、コントローラ301からの制御信号に従って、光偏向器16のミラー16aを駆動する。インタフェース304は、たとえば、車両側の制御回路等、外部制御回路との間でコントローラ301が信号の送受信を行うための入出力回路である。
以下、コントローラ301の制御例について説明する。なお、以下には、レーザ光源が3つの場合の制御例が示されているが、レーザ光源が4つの場合も、各レーザ光源に対して同様の制御が実行される。
光源装置2においては、たとえば、車両側の制御回路からの制御指令によって、図7Bおよび図11に示した幅W1中の所定の区間においてレーザ光源11a〜11cを消灯させる制御が行われ得る。たとえば、車両側において、前照灯の範囲内に前走車や対向車、人等が検出された場合、前走車や対向車、人の位置を消灯する制御が車両側から光源装置2に指示される。この他、人の領域のみに光を照射し、その他の領域は非照射状態とする、いわゆるスポット照明の制御が、車両側から光源装置2に指示される場合もある。これらの指示は、図13のインタフェース304を介してコントローラ301に入力される。この場合、コントローラ301は、車両側からの指示に応じて、幅W1中の所定の区間においてレーザ光源11a〜11cを消灯させる制御を、レーザ駆動回路302a〜302cに対し行う。
図14は、光源装置2のコントローラ301がレーザ光の点灯制御を行った場合の目標領域における光の照射状態を模式的に示す図である。ここでは、前照灯の範囲内に対向車および人が検出された場合に、対向車および人の位置を消灯する制御が車両側から光源装置2に指示された場合の制御例が示されている。W10は、投射光学系3による光の投射角度範囲である。投射角度範囲W10中、黒の領域が消灯された領域であり、白の領域が点灯された領域である。
便宜上、図14の下段には、波長変換部材18の入射面18aにおける光の発光状態が示されている。目標領域400に対する光の照射パターンは、投射光学系3の作用により、入射面18aにおける発光パターンが水平方向に反転したパターンとなる。
図14の例において、コントローラ301は、対向車C1および人M1に対応する走査期間T12、T14においてレーザ光源11a〜11cを消灯させ、対向車C1および人M1以外の走査期間T11、T13、T15においてレーザ光源11a〜11cを点灯させる。これにより、目標領域400には、対向車C1および人M1が存在しない範囲において、光源装置2からの光が照射される。
なお、上記実施例1、2では、図12C、図12Dに示したとおり、波長変換部材18の入射面18aにおけるビームの形状がファスト軸方向に圧縮された線状の形状であるため、目標領域400における光の照射範囲と非照射範囲の分解能を高め得る。よって、目標領域400における光の照射範囲と非照射範囲をクリアに区分することができる。
図15A、図15Bは、走査範囲の一部を消灯させる場合のレーザ光源11a〜11cの消灯/点灯制御の具体的方法を模式的に示す図である。ここでは、便宜上、走査範囲の一部のみ(幅W3)が消灯される場合の制御が示されている。図15Aには、レーザ光をX軸正方向に走査させる往路の制御が示され、図15Bには、レーザ光をX軸負方向に走査させる復路の制御が示されている。
図15A、図15Bの上段には、波長変換部材18の入射面18aにおける発光状態が示され、白の領域が発光領域、黒の領域が消灯領域である。図15A、図15Bの下段には、消灯領域に対応する幅W3付近の各ビームの点灯/消灯状態が示されている。便宜上、3つのビームには、X軸正側から順に、e、f、gの符号が付されている。また、点灯状態にあるビームは黒塗りで示され、消灯状態にあるビームは、白抜きの破線で示されている。
図15Aの下段左側には、往路において、幅W3のX軸負側の境界B21をビームe〜gが通過するときの点灯/消灯制御が示されている。ビームe〜gは、境界B21を通過するタイミングにおいて点灯状態から消灯状態に切り替えられる。したがって、ビームe〜gは、ビームeから順番に消灯される。
図15Aの下段右側には、往路において、幅W3のX軸正側の境界B22をビームe〜gが通過するときの点灯/消灯制御が示されている。ビームe〜gは、境界B22を通過するタイミングにおいて消灯状態から点灯状態に切り替えられる。したがって、ビームe〜gは、ビームeから順番に点灯される。
図15Bの下段右側には、復路において、幅W3のX軸正側の境界B22をビームe〜gが通過するときの点灯/消灯制御が示されている。ビームe〜gは、境界B22を通過するタイミングにおいて点灯状態から消灯状態に切り替えられる。したがって、ビームe〜gは、往路の場合と異なり、ビームgから順番に消灯される。
図15Bの下段左側には、復路において、幅W3のX軸負側の境界B21をビームe〜gが通過するときの点灯/消灯制御が示されている。ビームe〜gは、境界B21を通過するタイミングにおいて消灯状態から点灯状態に切り替えられる。したがって、ビームe〜gは、往路の場合と異なり、ビームgから順番に点灯される。
図15A、図15Bの点灯/消灯制御は、図13に示したコントローラ301がレーザ駆動回路302a〜302cを制御することにより行われる。
図16は、走査範囲の一部を消灯させる場合の各レーザ光源の消灯/点灯制御の方法を模式的に示すタイミングチャートである。レーザ駆動波形E、F、Gは、それぞれ、図15A、図15Bに示したビームe、f、gを出射するレーザ光源を駆動するための波形である。
図15A、図15Bの点灯/消灯制御において、コントローラ301は、往路において、ビームeが幅W3のX軸負側の境界B21に到達するタイミングtaを求め、また、復路において、ビームeが幅W3のX軸正側の境界B22に到達するタイミングtbを求める。往路において、コントローラ301は、タイミングtaをビームeの消灯タイミングに設定し、また、タイミングtaに対して時間D1、D2だけ遅れたタイミングをそれぞれビームf、gの消灯タイミングに設定する。そして、コントローラ301は、これらの消灯タイミングから消灯すべき幅W3に対応する時間幅ΔTの間、ビームe〜gを消灯させる。ここで、時間D1、D2は、それぞれ、ビームeとビームfとの間の間隔およびビームeとビームgとの間の間隔を走査時間に換算したものである。
一方、復路において、コントローラ301は、タイミングtbをビームeの消灯タイミングに設定し、また、タイミングtbに対して時間D1、D2だけ遡ったタイミングをそれぞれビームf、gの消灯タイミングに設定する。そして、コントローラ301は、これらの消灯タイミングから消灯すべき幅W3に対応する時間幅ΔTの間、ビームe〜gを消灯させる。
このように、ビームe〜gの消灯タイミングをずらすことにより、図15A、図15Bに示したように、幅W3において各ビームを消灯させ、その他の走査範囲において、各ビームを点灯させることができる。また、時間D1、D2は、ビームeに対するビームf、gのスポット間隔に応じた時間に設定されるため、製造バラツキ等により時間D1、D2が製品間で異なったとしても、時間D1、D2を個別に調整することにより、製品間の製造誤差などを吸収させることができる。
なお、時間D1、D2は、ミラー16aの回動速度に応じて変化させることが好ましい。たとえば、光の投射領域において、中央部の光の強度を両側の光の強度よりも高めたい場合、ミラー16aは、図17の上段に示すように、往路および復路の中央の範囲において、角度の変化が緩やかになるように駆動される。この場合、各範囲のミラー16aの回動速度は、図17の中段に示すように、ステップ状に近似され得る。すなわち、ミラー16aの回動速度は、往路および復路の中央の範囲R1b、R2bにおいて遅くなり、往路および復路の両側の範囲R1a、R1c、R2a、R2cにおいて速くなる。
このようにミラー16aの回動速度が変化する場合、時間D1、D2は、ミラー16aの回動速度が遅いほど長くなるように調整される。たとえば、時間D1は、図17の下段に示すように、範囲R1b、R2bにおいて長くなり、範囲R1a、R1c、R2a、R2cにおいて短くなるように設定される。ビームe〜gのスポット間隔が一定の場合、時間D2は時間D1の2倍に設定される。このように時間D1、D2が設定されることにより、走査範囲の何れの位置に消灯範囲が設定されても、各ビームを消灯範囲において略タイミングずれなく消灯させることができる。
なお、図17には、ミラー16aの回動速度に応じて時間D1、D2をステップ状に変化させる方法を示したが、ミラー16aの回動速度に応じて時間D1、D2を変化させる方法は、これに限られるものではない。たとえば、範囲R1a〜R2cをさらに細かく分割してミラー16aの回転速度を細分化し、細分化した回転速度に応じて、時間T1、T2を設定してもよい。
<実施形態の効果>
以上、本実施形態によれば、以下の効果が奏される。
以上、本実施形態によれば、以下の効果が奏される。
複数のレーザ光源11a〜11dから出射されたレーザ光が波長変換部材18の入射面18aに照射されるため、レーザ光の照射光量が高められ、波長変換部材18により生成される光の強度を高めることができる。また、入射面18aにおけるレーザ光のビームスポットがレーザ光の走査方向に交差する方向に長い形状であるため、各ビームスポットの光密度が過度に高まることがなく、且つ、走査方向に交差する方向に広い幅で波長変換部材を走査できる。さらに、各ビームスポットが、波長変換部材18の入射面18a上において、走査方向に並び且つ互いに離間するため、波長変換部材18上における光密度が顕著に高くなることがない。このため、光飽和や発熱による温度消光効果により波長変換部材18における発光効率が低下することが抑止される。よって、本実施の形態に係る光源装置2によれば、発光効率の低下を招くことなく、走査領域全体の発光強度を効果的に高めることができる。
図1A、図1Bおよび図8A、図8Bに示したとおり、光源装置2は、レーザ光を走査方向に収束させるシリンドリカルレンズ14(第1の光学素子)と、レーザ光を走査方向に垂直な方向に収束させるシリンドリカルミラー17(第2の光学素子)と、を備え、シリンドリカルレンズ14(第1の光学素子)は、シリンドリカルミラー17(第2の光学素子)よりもレーザ光源11a〜11dに近い位置に配置されている。このように、2つの収束作用を実現するための光学素子を個別に配置することにより、各光学素子の設計を走査方向と走査方向に垂直な方向に分けることで独立して最適化でき、波長変換部材18上のスポット形状を、一定の範囲内ではあるものの自由に設定できる。
また、シリンドリカルレンズ14(第1の光学素子)が、シリンドリカルミラー17(第2の光学素子)よりもレーザ光源11a〜11dに近い位置に配置されているため、シリンドリカルレンズ14から波長変換部材18の入射面18aまでの光路長を長くとることができる。これにより、シリンドリカルレンズ14とシリンドリカルミラー17との間に光偏向器16を配置する空間を確保でき、同時に、レーザ光を円滑かつ適正に走査方向に絞ることができる。さらに、光偏向器16から波長変換部材18の入射面18aまでの光路長を長くとることができるため、波長変換部材18上におけるレーザ光の走査軌跡の湾曲を抑えることができる。
また、シリンドリカルレンズ14(第1の光学素子)は、複数のレーザ光源11a〜11dと光偏向器16との間に配置され、シリンドリカルミラー17(第2の光学素子)は、光偏向器16と波長変換部材18との間に配置されている。このようにシリンドリカルレンズ14(第1の光学素子)を光偏向器16よりも前段側に配置することにより、波長変換部材18の入射面18aにおけるビームの移動にシリンドリカルレンズ14の屈折作用が影響することを回避できる。よって、入射面18aにおけるビームの移動を、ミラー16aの回動制御によって簡易かつ適正に制御できる。また、シリンドリカルミラー17(第2の光学素子)を光偏向器16と波長変換部材18との間に配置することによりシリンドリカルミラー17の焦点距離を小さく設定することが可能となり、波長変換部材18の入射面18aにおける走査方向に垂直な方向のビームの長さを広範に、特に狭い方向に幅広く制御できる。
図4Aおよび図10Aに示したとおり、シリンドリカルレンズ14の入射位置において、複数のレーザ光源11a〜11dの光軸が互いに非平行となっている。これにより、単焦点のシリンドリカルレンズ14によって、レーザ光源11a〜11dからのレーザ光のビームスポットを、波長変換部材18の入射面18aにおいて走査方向に離間させることができる。
なお、複数のレーザ光源11a〜11dの光軸は、必ずしも、シリンドリカルレンズ14の入射位置において非平行でなくてもよく、図4Bおよび図10Bに示したとおり、互いに平行であってもよい。この場合も、上記のように、シリンドリカルレンズ14に収差を持たせることにより、レーザ光源11a〜11dからのレーザ光のビームスポットを、波長変換部材18の入射面18aにおいて走査方向に離間させることができる。
図1A、図1Bおよび図8A、図8Bに示したとおり、光源装置2は、レーザ光源11a〜11dの光軸を折り曲げるための反射プリズム13a〜13dを備えている。これにより、光源装置2の光源部分の構成をコンパクトにできる。また、3つまたは4つのビームを纏めたビーム束の全幅を狭く抑えることができるため、光学系の収差の影響を受けにくくすることができる。
特に、図1A、図1Bおよび図8A、図8Bの構成では、レーザ光源11b(第1のレーザ光源)の光軸を折り曲げる反射プリズム13a(第1のミラー)と、レーザ光源11c(第2のレーザ光源)の光軸を反射プリズム13a(第1のミラー)による折り曲げ方向に対して反対方向に折り曲げる反射プリズム13b(第2のミラー)と、を備える。そして、反射プリズム13a(第1のミラー)と反射プリズム13b(第2のミラー)との間に隙間が設けられ、この隙間をレーザ光源11aおよびレーザ光源11d(第3のレーザ光源)の光軸が通っている。このように光源部分を構成することにより、光源部分の構成をより一層コンパクトに収めることができ、レーザ光の伝達効率を大きく低下させることなく3つまたは4つのビームを纏めたビーム束の全幅を小さくすることができる。
図15A、図15Bに示したとおり、コントローラ301は、レーザ光源11a〜11cの消灯範囲がそれぞれ発光を停止させる幅W3の範囲に整合するように、レーザ光源11a〜11cを制御する。具体的には、コントローラ301は、波長変換部材18に対する走査の往路と復路で、レーザ光源11a〜11cの消灯タイミングを反転させる。これにより、消灯範囲においてレーザ光源11a〜11cを円滑かつ確実に消灯させることができる。
また、図16に示したとおり、コントローラ301は、ビームスポット間の走査方向の間隔に応じた時間D1、D2に基づいて、レーザ光源11a〜11cの消灯タイミングを設定する。このように、各ビームの消灯タイミングをビームスポットの間隔に応じて設定することにより、消灯範囲において各ビームを確実に消灯させることができる。また、ビームスポットの間隔に応じて時間D1、D2を設定することにより、製造バラツキ等により時間D1、D2が製品間で異なったとしても、時間D1、D2を個別に調整することで、製品間の製造誤差などを吸収させることができる。
図17に示したとおり、コントローラ301は、光偏向器16によるレーザ光の走査速度(ミラー16aの回動速度)に応じて、レーザ光源11a〜11cの消灯タイミングを変化させる。これにより、走査範囲の何れの位置に消灯範囲が設定されても、各ビームを消灯範囲においてタイミングずれなく消灯させることができる。
<変更例>
本変更例では、レーザ光源が3つ以上配置され、各レーザ光源から出射されたレーザ光が2つずつ重ねられて波長変換部材18の入射面18aに集光される。
本変更例では、レーザ光源が3つ以上配置され、各レーザ光源から出射されたレーザ光が2つずつ重ねられて波長変換部材18の入射面18aに集光される。
図18A、図8Bは、変更例に係るシリンドリカルミラー17で反射された後のレーザ光の収束状態を模式的に示す図である。
レーザ光源の数が偶数の場合、全てのレーザ光が余すことなく2つずつ重なられて、波長変換部材18の入射面18aに収束される。図18Aには、図8A、図8Bの場合と同様、4つのレーザ光源11a〜11dが配置された場合の例が示されている。ここでは、レーザ光源11a、11bからのレーザ光130a、130bが重ねられて波長変換部材18の入射面18aに収束され、レーザ光源11c、11dからのレーザ光130c、130dが重ねられて波長変換部材18の入射面18aに収束される。波長変換部材18の入射面18aにおいて、レーザ光130a、130bが重ねられたビームスポットBSa、BSbと、レーザ光130c、130dが重ねられたビームスポットBSc、BSdは、互いに走査方向に離間している。
レーザ光源の数が奇数の場合、レーザ光が2つずつ重なられて、波長変換部材18の入射面18aに収束され、残り1つのレーザ光は、それのみで、波長変換部材18の入射面18aに収束される。図18Bには、図1A、図1Bの場合と同様、3つのレーザ光源11a〜11cが配置された場合の例が示されている。ここでは、レーザ光源11a、11cからのレーザ光130a、130cが重ねられて波長変換部材18の入射面18aに収束され、レーザ光源11bからのレーザ光130bが単独で波長変換部材18の入射面18aに収束される。波長変換部材18の入射面18aにおいて、レーザ光130a、130cが重ねられたビームスポットBSa、BScと、レーザ光130bのみによるビームスポットBSbは、互いに走査方向に離間している。
図18A、図18Bに示したようなビームスポットの重ね合わせは、たとえば、シリンドリカルレンズ14より前段側の光学部材の配置を調整することにより実現できる。
図19A、図19Bは、それぞれ、変更例に係る、波長変換部材18の入射面18aにおいて2つのビームスポットを重ね合わせつつ走査方向に離間させるための構成を説明する図である。
まず、図18Aのようにビームスポットを重ね合わせる場合、図19Aに示すように、レーザ光源11a、11bから出射されたレーザ光130a、130bを、互いに光軸が平行となるようにシリンドリカルレンズ14に入射させる。シリンドリカルレンズ14は、収差のない単焦点のシリンドリカルレンズである。このようにレーザ光130a、130bをシリンドリカルレンズ14に入射させることにより、レーザ光130a、130bは、シリンドリカルレンズ14から波長変換部材18までの光路において次第に接近し、波長変換部材18の入射面18aにおいて互いに重なり合う。
同様に、レーザ光源11c、11dから出射されたレーザ光130c、130dについても、互いに光軸が平行となるようにシリンドリカルレンズ14に入射させる。これにより、レーザ光130c、130dは、シリンドリカルレンズ14から波長変換部材18までの光路において次第に接近し、波長変換部材18の入射面18aにおいて重なり合う。
ここで、レーザ光130a、130bの組とレーザ光130c、130dの組との間では、シリンドリカルレンズ14の入射位置において光軸が互いに非平行となっている。これにより、波長変換部材18の入射面18aにおいて、互いに重なり合ったビームスポットBSa、BSbと、互いに重なり合ったビームスポットBSc、BSdとが、走査方向に互いに離間する。こうして、図18Aに示したビームスポットの配置が実現される。
次に、図18Bのようにビームスポットを重ね合わせる場合、図19Bに示すように、レーザ光源11a、11cから出射されたレーザ光130a、130cを、互いに光軸が平行となるようにシリンドリカルレンズ14に入射させる。ここでも、シリンドリカルレンズ14は、収差のない単焦点のシリンドリカルレンズである。このようにレーザ光130a、130cをシリンドリカルレンズ14に入射させることにより、レーザ光130a、130cは、シリンドリカルレンズ14から波長変換部材18までの光路において次第に接近し、波長変換部材18の入射面18aにおいて互いに重なり合う。
また、残り1つのレーザ光源11bから出射されたレーザ光130bは、その光軸が、レーザ光130a、130cの光軸に対して非平行となるように、シリンドリカルレンズ14に入射させる。これにより、レーザ光130bは、互いに重なり合ったビームスポットBSa、BScに対して走査方向に離間した位置に収束され、単独でビームスポットBSbを形成する。こうして、図18Bに示したビームスポットの配置が実現される。
以上のように、シリンドリカルレンズ14に対するレーザ光の入射状態を調整することにより、波長変換部材18の入射面18aにおいて2つのビームスポットを重ね合わせつつ走査方向に離間させることができる。ここで、シリンドリカルレンズ14に対するレーザ光の入射状態は、上記実施例1、2と同様、レーザ光源11a〜11dの配置または反射プリズム13a〜13dの反射面の傾きを調整することにより調整され得る。
本変更例によれば、2つのレーザ光が重ね合わせられるため、重ね合わされたビームスポットの光密度が上記実施の形態の各ビームスポットに比べて高くなる。しかしながら、本変更例では、ビームスポットが走査方向に交差する方向に長い形状であり、且つ、1つのビームスポットに重ねられるレーザ光の数が2つ以下に制限されるため、各ビームスポットの光密度が顕著に高くなることがない。
さらに、本変更例によれば、上記実施の形態と同様、各ビームスポットが、波長変換部材18の入射面18aにおいて、走査方向に並び、且つ互いに離間するように形成される。このため、本変更例においても、波長変換部材18上における光密度が顕著に高くなることがなく、光飽和や発熱による温度消光効果により波長変換部材18における発光効率が低下することが抑止され得る。よって、本変更例によっても、発光効率の低下を招くことなく、走査領域全体の発光強度を効果的に高めることができる。また、レーザ光を重ね合わせることにより、波長変換部材18上の横並びのスポットの数が少なくなるため、レーザ制御が容易になる。
図20Aは、光密度と波長変換部材18の発光効率との関係のシミュレーション結果を示すグラフであり、図20Bは、レーザ光の重ね合わせの数と波長変換部材18の発光効率との関係のシミュレーション結果を示すグラフである。図20Aのグラフは、グラフの左端(光密度が100W/mm2のとき)における発光効率を1として規格化され、図20Bのグラフは、最も左の棒グラフの発光効率を1として規格化されている。
まず、図20Aに示すように、波長変換部材18に照射される光の密度が100W/mm2からやや増加する範囲では、波長変換部材18の発光効率の低下率が小さく抑えられた。そして、光密度が170W/mm2を超えると、光密度の増加に伴い、波長変換部材18の発光効率の低下率が急激に大きくなった。この検証より、光密度が所定の範囲内において高められたとしても、波長変換部材18の発光効率はそれほど大きく低下しないことが確認できた。つまり、1つのビームスポットに重ねられるレーザ光の数を制限して光密度の増加を所定範囲に抑えることにより、波長変換部材18の発光効率を高く維持できることが想定できた。
次に、図20Bに示すように、2つのレーザ光を重ね合わせた場合の波長変換部材18の発光効率は、2つのレーザ光を離間させて横並びに配置した場合の発光効率の90%以上の大きさに確保された。これに対し、3つのレーザ光を重ね合わせた場合の波長変換部材18の発光効率は、2つのレーザ光を離間させて横並びに配置した場合の発光効率に比べて大きく低下した。この検証から、本変更例のように、互いに重ね合わされるレーザ光の数を2つ以下に制限することにより、波長変換部材18の発光効率を殆ど低下させずに高く維持できることが確認できた。
なお、図18A〜図19Bには、3つまたは4つのレーザ光源が配置された場合の例が示されたが、配置されるレーザ光源の数は、3つまたは4つに限られるものではなく、5つ以上であってもよい。この場合も、本変更例では、レーザ光が2つずつ重ねられて波長変換部材18の入射面18aに収束される。また、必ずしも走査方向に隣り合うレーザ光が重ねられなくともよく、たとえば、1つおきごとに組となるレーザ光が波長変換部材18の入射面18aにおいて重ねられてもよい。さらに、本変更例においても、図6Bの場合と同様、光軸を交差させることによりビームスポットを走査方向に離間させてもよい。
<その他の変更例>
投光装置1および光源装置2の構成は、上記実施形態および変更例に示した構成以外に、種々の変更が可能である。
投光装置1および光源装置2の構成は、上記実施形態および変更例に示した構成以外に、種々の変更が可能である。
たとえば、図21Aに示すように、実施例1の構成において、レーザ光源11b、11cの配置が変更され、これに伴い、反射プリズム13a、13bの反射面の傾斜角が変更されてもよい。
また、図21Bに示すように、実施例1の構成において、レーザ光源11b、11cの配置が変更され、これに伴い、レーザ光源11b、11cの光軸をX軸に平行となるように曲げるミラー21、22が配置されてもよい。
また、図21Cに示すように、実施例2の構成において、レーザ光源11a〜11dの配置が変更され、これに伴い、2つの反射面を有する反射プリズム23が配置されてもよい。
また、図21Dに示すように、2つの反射面を有する反射プリズム24aによってレーザ光源11a、11bからのレーザ光をシリンドリカルレンズ14に導き、2つの反射面を有する反射プリズム24bによってレーザ光源11c、11dからのレーザ光をシリンドリカルレンズ14に導くようにしてもよい。この構成例では、レーザ光源11a、11dから出射されたレーザ光は、それぞれ、反射プリズム24a、24bのZ軸負側の面から反射プリズム24a、24b内に入射し、反射プリズム24a、24b内で2つの反射面で反射された後、反射プリズム24a、24bのZ軸正側の面から出射する。レーザ光源11b、11cからのレーザ光は、それぞれ、反射プリズム24aのX軸正側の反射面および反射プリズム24bのX軸負側の反射面で反射されて、シリンドリカルレンズ14へと向かう。
なお、図21A〜図21Dの構成例において、シリンドリカルレンズ14以降の構成は、実施例1、2と同様である。
図21A〜図21Dに示した変更例において、シリンドリカルレンズ14が収差のない単焦点のシリンドリカルレンズである場合、上記実施の形態および変更例と同様、レーザ光源11a〜11dの光軸が、シリンドリカルレンズ14の入射位置において互いに非平行となるように、シリンドリカルレンズ14の前段側の光学系が調整されればよい。シリンドリカルレンズ14が予め収差をもつ場合は、レーザ光源11a〜11dの光軸が、シリンドリカルレンズ14の入射位置において互いに平行となるように、シリンドリカルレンズ14の前段側の光学系が調整されればよい。
また、上記実施例1、2では、レーザ光のファスト軸がシリンドリカルレンズ14の収束方向に平行となるように、レーザ光源11a〜11dが配置されたが、レーザ光源11a〜11dの配置方法は、必ずしもこれに限定されるものではない。たとえば、レーザ光のスロー軸が、シリンドリカルレンズ14の収束方向に平行となるように、レーザ光源11a〜11dが配置されてもよい。ただし、波長変換部材18の入射面18aにおいてレーザ光を走査方向により小さく絞るためには、上記実施例1、2のように、レーザ光のファスト軸がシリンドリカルレンズ14の収束方向に平行となるように、レーザ光源11a〜11dを配置することが好ましい。
また、光源装置2に配置されるレーザ光源の数は、上記実施例1、2に示した数に限られるものではなく、5つ以上であってもよい。また、波長変換部材18の入射面18aにおけるビームスポットの間隔は、必ずしも均等でなくてもよい。
また、集光光学系は、必ずしも、シリンドリカルレンズ14とシリンドリカルミラー17に分けられなくともよく、1つのレンズによって走査方向と走査方向に垂直な方向にレーザ光を収束させてもよい。集光光学系を構成するレンズは、フレネルレンズや、回折レンズによって構成されてもよい。また、光偏向器16は、ミラー16aを互いに垂直な2軸周りに回動させる構成であってもよい。
また、波長変換部材18の蛍光体層203に含まれる蛍光体粒子203aの種類は、必ずしも1種類でなくてもよく、たとえば、レーザ光源11a〜11dからのレーザ光によって互いに異なる波長の蛍光を生じる複数種類の蛍光体粒子203aが蛍光体層203に含まれてもよい。この場合、各種類の蛍光体粒子203aから生じた蛍光の拡散光と、これら蛍光体粒子203aによって波長変換されなかったレーザ光の拡散光とによって、所定の色の光が生成される。波長変換部材18は、反射型に限らず、透過型であってもよい。
また、図14の例ではレーザ光の走査方向を水平方向としたが、必要とされる照射条件によっては垂直方向をレーザ光の走査方向にしてもよい。
この他、本開示の実施の形態は、請求の範囲に示された技術的思想の範囲内において、適宜、種々の変更が可能である。
本開示の光源装置および投光装置は、発光効率の低下を抑えつつ、発光強度を効果的に高めることができ、たとえば車両用前照灯の光源装置として有用である。
1 投光装置
2 光源装置
3 投射光学系
11a〜11d レーザ光源
13a〜13d、23 反射プリズム
14 シリンドリカルレンズ(集光光学系)
16 光偏向器
16a ミラー
17 シリンドリカルミラー(集光光学系)
18 波長変換部材
18a 入射面
21、22 ミラー
e、f、g ビーム
E、F、G レーザ駆動波形
2 光源装置
3 投射光学系
11a〜11d レーザ光源
13a〜13d、23 反射プリズム
14 シリンドリカルレンズ(集光光学系)
16 光偏向器
16a ミラー
17 シリンドリカルミラー(集光光学系)
18 波長変換部材
18a 入射面
21、22 ミラー
e、f、g ビーム
E、F、G レーザ駆動波形
Claims (13)
- 複数のレーザ光源と、
前記複数のレーザ光源から出射されたレーザ光が入射する入射面を備え、前記レーザ光を、前記レーザ光の波長とは異なる波長の光に変換するとともに前記光を拡散させる波長変換部材と、
前記レーザ光を前記入射面上において走査させる光偏向器と、を備え、
前記複数のレーザ光源から出射された前記レーザ光のビームスポットが前記入射面上において、前記走査方向に並び、且つ少なくとも1つのスポットが他のスポットと離間するように、前記複数のレーザ光源と前記集光光学系が調整されている、
ことを特徴とする光源装置。 - 複数のレーザ光源と、
前記複数のレーザ光源から出射されたレーザ光が入射する入射面を備え、前記レーザ光を、前記レーザ光の波長とは異なる波長に変換するとともに前記光を拡散させる波長変換部材と、
前記レーザ光を前記入射面上において走査させる光偏向器と、
前記複数のレーザ光源から出射された前記レーザ光を、前記入射面上において、前記レーザ光の走査方向に交差する方向に細長いビーム形状に収束させる集光光学系と、を備え、
前記複数のレーザ光源から出射された前記レーザ光のビームスポットが前記波長変換部材の前記入射面上において前記走査方向に並び且つ互いに離間するように、前記複数のレーザ光源と前記集光光学系が調整されている、
ことを特徴とする光源装置。 - 複数のレーザ光源と、
前記複数のレーザ光源から出射されたレーザ光が入射する入射面を備え、前記レーザ光を、前記レーザ光の波長とは異なる波長の光に変換するとともに前記光を拡散させる波長変換部材と、
前記レーザ光を前記入射面上において走査させる光偏向器と、
前記複数のレーザ光源から出射された前記レーザ光を、前記波長変換部材の入射面上において、前記レーザ光の走査方向に交差する方向に細長いビーム形状に収束させる集光光学系と、を備え、
前記レーザ光源は、3つ以上配置され、
前記レーザ光源の数が偶数の場合は、前記複数のレーザ光源から出射されたレーザ光が前記波長変換部材の前記入射面上において2つずつ重ねられて複数のビームスポットを形成し、前記ビームスポットが前記走査方向に並び且つ互いに離間するように、前記複数のレーザ光源と前記集光光学系が調整され、
前記レーザ光源の数が奇数の場合は、前記複数のレーザ光源から出射されたレーザ光が前記波長変換部材の前記入射面上において2つずつ重ねられてビームスポットを形成し、残り1つの前記レーザ光は重ねられずに単独でビームスポットを形成し、前記ビームスポットが前記走査方向に並び且つ互いに離間するように、前記複数のレーザ光源と前記集光光学系が調整されている、
ことを特徴とする光源装置。 - 請求項2または3に記載の光源装置において、
前記集光光学系は、前記レーザ光を前記走査方向に収束させる第1の光学素子と、前記レーザ光を前記走査方向に垂直な方向に収束させる第2の光学素子と、を備え、
前記第1の光学素子は、前記第2の光学素子よりも前記レーザ光源に近い位置に配置されている、
ことを特徴とする光源装置。 - 請求項4に記載の光源装置において、
前記第1の光学素子は、前記複数のレーザ光源と前記光偏光器の間に配置され、前記第2の光学素子は、前記光偏光器と前記波長変換部材の間に配置されている、
ことを特徴とする光源装置。 - 請求項1ないし5の何れか一項に記載の光源装置において、
前記集光光学系の入射位置において、前記複数のレーザ光源の光軸が互いに非平行となっている、
ことを特徴とする光源装置。 - 請求項6に記載の光源装置において、
少なくとも1つの前記レーザ光源の光軸を折り曲げるためのミラーを備える、
ことを特徴とする光源装置。 - 請求項6または7に記載の光源装置において、
第1のレーザ光源の光軸を折り曲げる第1のミラーと、
第2のレーザ光源の光軸を前記第1のミラーによる折り曲げ方向に対して反対方向に折り曲げる第2のミラーと、を備え、
前記第1のミラーと前記第2のミラーとの間に隙間が設けられ、当該隙間を第3のレーザ光源の光軸が通っている、
ことを特徴とする光源装置。 - 請求項1ないし8の何れか一項に記載の光源装置において、
前記複数のレーザ光源および前記光偏光器を制御するコントローラを備え、
前記波長変換部材に対する走査範囲の一部の範囲において発光を停止させる制御を行う場合、前記コントローラは、前記各レーザ光源の消灯範囲がそれぞれ前記発光を停止させる前記一部の範囲に整合するように、前記複数のレーザ光源を制御する、
ことを特徴とする光源装置。 - 請求項9に記載の光源装置において、
前記コントローラは、前記波長変換部材に対する走査の往路と復路で、前記複数のレーザ光源の消灯タイミングを反転させる、
ことを特徴とする光源装置。 - 請求項9または10に記載の光源装置において、
前記コントローラは、前記複数のビームスポットの前記走査方向における間隔に応じて、前記複数のレーザ光源の消灯タイミングを設定する、
ことを特徴とする光源装置。 - 請求項9ないし11の何れか一項に記載の光源装置において、
前記コントローラは、前記光偏光器による前記レーザ光の走査速度に応じて、前記複数のレーザ光源の消灯タイミングを変化させる、
ことを特徴とする光源装置。 - 請求項1ないし12の何れか一項に記載の光源装置と、
前記波長変換部材により拡散された光を投射する投射光学系と、を備える、
ことを特徴とする投光装置。
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